男「完全容姿重視社会だと…!?」(345)



男「どうなってるんだ…」

男「リモコンはっと…」ピッ

偉い人「これからは学歴や資格、経験ではなく容姿で採用していきます」

偉い人「民間も行政もイケメン&美女の希望通り入れます」

記者「意味がわからん!」ワーワー

男「…」プツッ

男「これからどうなるんだ…?」

男「とりあえず明日仕事だし寝よ…」

ピンポーン

男「…?」

男「はい」ガチャ

職員「遅くにすいません、ちょっとよろしいですか?」

男「…はぁ」

職員「…」ジー

男「…なんすか?」

職員「はい。Eランクですね!」

男「はぁ!?」

職員「明日この紙をもって会社にいってください。では」ガチャ

男「なんなんだ…」

目覚まし時計「ジリリリリリリ」ガチャ

男「…」

男「…うしいくか」

男「…寒くなってきたな」

~駅~

男「…」

アナウンス「電車が到着します」

男「うし…」スタスタ

男「…」ガタンガタン



男「…」

JK「…」ジー

男「…?(なんだ?)」

JK、JK2「ヒソヒソ」

JK「あの…」

男「…?」

JK「この車両、Cランク以上専用車両ですよ」

JK「あなた多分Cランクじゃないですよね…?」

男「え…」

JK「だってその顔、どうみてもCランクじゃないもん…」

男「な、な…」

プークスクス ヤダー クスクス

男「…」

男「うわあああああ!」ダッ

男「ハァハァ…何なんだこれ…」タッタッ

男「Eランクの方からこちらの車両…?」

男「…」ガー

男「…」

男「うわ…!」

シーン

男「(皆落ち込んだ顔してる…)」

男「(そりゃそうだよな…こんなのひどすぎる…)」

男「…はぁ」

アナウンス「次はー◯◯駅~◯◯駅でございます」

男「降りるか…」プシュー

男「はぁ…」

~会社~

男「おはようございます」

同僚「よっ、男」

男「おぉ…」

同僚「なんだ?元気ねえなー」

男「いやなんか電車がさ…顔によって車両わけられるようになっててさ」

同僚「あぁ…あれひでえよな」

同僚「レストランとか、トイレとかもわけられるらしいぜ」

男「まじかよ…」

同僚「良かったー俺Bランクで」

同僚「そーいやお前何ランクだった?」

男「E…」

同僚「え…」

男「E…」

同僚「ま、まじで言ってんの?」

男「うん」

同僚「…」

同僚「まっ気にすんなよ」

男「…うん」

部長「おはようございます」

男、同僚「おはようございます」

部長「皆さん既に知っているかと思いますが」

部長「今日から完全容姿重視社会になりました」

部長「従ってうちの会社も容姿悪い順からリストラしていきます」

男「…」

男「まじかよ…」

部長「皆さんの自宅に市区町村の職員がランクを付けに来たと思いますが」

部長「その時に貰った紙を人事部に提出してください」

男「…(俺はどうなるんだ)」スタスタッ

~人事部~

社員「はい次の方」

男「お願いします」

社員「はい。営業部の男さんね」

社員「…あ、Eランクか…」

社員「ちょっと待ってて…」スタスタ

男「はい…」

社員「はい…はい…えぇ…わかりました」

社員「すいませんね、お待たせしました」

社員「えーとね、とても言いづらいんだけどね…」

社員「Eランクの方はね…今日からちょっとウチでは働けなくなるんですね」

社員「大変申し訳ない…」

男「え…」

男「はぁ…」ゴソゴソ

同僚「おいなにやってんだよ男。調子悪いのか?」

男「いや…俺今日で辞めることになった」

同僚「はぁ…!?」

男「Eランクは会社に置いて置けないんだと」

同僚「…ふざけやがって!」

同僚「人事部行くぞ!人の事舐めやがって!」

男「いや、いいよ…なんか悪いな」

同僚「な、なんだよ」

男「今辞めれば退職金は貰えるらしいしさ…」

男「国に決められたことだし、仕方ねーよ」

同僚「…」

男「ただいま…」

男「…」

男「これからどうすっか…」

男「とりあえず明日ハロワいくか…」

携帯「プルルルルルル♪」

男「はい」

女「もしもし…」

男「ん?どした」

女「あのさ、別れよっ」

男「え…」

男「な、なんで?」

女「男さ、ランク何だった」

男「…E」

女「だろうね」

男「…」

女「私はCだったんだけどさ…」

女「Eの人と付き合って行くの色々大変らしいからさ」

女「ごめんね。今までありがとね」プツッ

携帯「プープー」

男「…」

男「うぅ…」

男「地獄だ…」

男「別に何したわけじゃないのに」

男「…」

~朝~

目覚まし時計「ジリリリリリリ」

男「はぁ…」

男「ハロワいくか…」

男「はぁ…」スタスタ

~ハローワーク~

男「えらい混んでるな…」

職員「はい次の方ー」

男「はい」

職員「えーEランクの男さん…」

男「…」

職員「どーゆう職種を希望ですか?」

男「今まで営業をやっていたので出来れば営業を…」

職種「それは無理ですね」

男「えっ…」

>>23
部長「今日から完全容姿重視社会になりました」

部長「従ってうちの会社も容姿悪い順からリストラしていきます」

部長「…トップバッターは私です……。」

職員「Eランクの方ですと…」

職員「この中から選んでください」ペラッ

男「…」

男「結構あるな…」

ガタンガタン

男「ん…?」

おっさん「ふざけんなーHランクは働けるとこがねえだとー!!」

職員「落ち着いて下さい!」

おっさん「だってよぉ…うぅ…あんまりじゃねえか…」

おっさん「俺が何したっていうんだよ…」

おっさん「うっう…」

男「…」

男「おじさん…」

おっさん「うっう…ちくしょお…」

男「あの…」

おっさん「…?」

男「良かったらちょっと…話しませんか」

おっさん「…」

~喫茶店~

おっさん「今まで三十年間高校卒業してからずっと同じ会社で働いてきたんだ」

おっさん「それなのにブサイクだからリストラって」

おっさん「あんまりにもひでえじゃねえか…」

男「わかります…」

男「俺もせっかく勉強して大学入って就活も頑張って入社したのに…」

おっさん「あんちゃんはそこまでブサイクじゃねえのになぁ…」

男「いや、そんなことないっすよ…」

おっさん「はぁ…俺たちこれからどうなんだろうなぁ…」

男「おじさんは…今までどんな会社に務めてたんですか?」

おっさん「あぁ俺は外食系のチェーン店だよ」

おっさん「皿洗いから始めてやっとエリアマネージャーになったんだ」

男「へぇ…」

男「俺も学生の頃ファミレスでバイトしてたんですよ」

おっさん「ほぉ…」

男「サークルも「男の料理研究サークル」に入ってたんです」

おっさん「料理好きだったんだな…」

男「…おじさん」

おっさん「…ん?」

男「退職金いくらもらいましたか?」

おっさん「え…?」

おっさん「何でだい?」

男「俺たちで飲食店立ち上げましょうよ」

おっさん「え…」

男「自分達でやるならいくらブサイクでも何も言われないじゃないですか」

おっさん「…」

男「ブサイクの意地…見したりましょう!!」

おっさん「…!」

おっさん「おお…!」

おっさん「よっしゃ…!そうと決まればやるしかねえな!」

男「ええ…!」

おっさん「俺の知り合いに不動産やってるやついるから空き店舗あるか聞いてみてやるよ!」

男「ありがとうございます!」

おっさん「へへ…燃えてきたぜ」

男「それじゃあ連絡先を交換しましょう」

おっさん「おう」

おっさん「それじゃまた明日連絡するな!」

男「はい!」

おっさん「んじゃな!」

男「…」

男「燃えてきたぜ…!」

~帰り道~

男「…」

男「ん…」

男「(鏡に写った俺…確かにブサイクだな…)」

男「美容室いってみるか…」

~美容室~

美容師「らーしゃーせーー」

男「…」

美容師「あ…」

男「…?」

美容師「すーませーん、Cランク以下のお客様は当店ご利用できないんすよー」

男「…」ワナワナ

美容師「さーせーん」

男「…」ガチャ

男「ウオオオオオオなんなんだぁ!」

男「ちくしょお…なんなんだよ…」

男「はぁ…」

男「もういいや…床屋で」

~床屋~

店主「はいらっしゃい」

男「とりあえず短めで」

店主「あいよ。」

店主「…」

店主「兄ちゃん向かいの美容室追い出されてたね」

男「はい…」

店主「嫌な世の中になったもんだよ…」

男「はい…」

店主「だが落ち込むなよ。俺がナウい髪型にしてやるからよ」

男「…はい(大丈夫かな…)」

店主「へへっどーよ」

男「おっ…」

男「いいっすねぇ…」

店主「ナウいだろ?」

男「ええ…」

店主「そうかい良かったぜ」

男「ありがとうございます!」

店主「おお、頑張れよ」

男「へへっ…」

男「…ただいま」ガチャ

男「昨日今日と色々会ったな」

男「会社クビになって…」

男「彼女に振られて」

男「ハロワいって」

男「おっさんに会って」

男「美容室拒否られて」

男「…」

男「はぁ…寝よ…」

目覚まし時計「ジリリリリリリ」

男「…うし」

携帯「プルルルルルル」

男「はい」

おっさん「よお」

男「おはようございます」

おっさん「おう。知り合いに連絡とったぜ


おっさん「とりあえずきてくれとさ」

男「了解です」

おっさん「んじゃ待ってるからよ」

おっさん「よぉ!」

男「すんませんお待たせしました」

おっさん「いいよいいよ」

おっさん「お、兄ちゃん髪型変えたか?」

男「ええまぁ」

おっさん「いいじゃねえかチンコみてえで!」

男「…」

おっさん「すまん…」

男「いえ…」

おっさん「んじゃ、いくか」

~不動産屋~

不動産屋「よお~久しぶりい!」

おっさん「おお!」

不動産屋「んもぉ~イキナリ連絡きてビックリしたよぉ~」

おっさん「あぁ…すまんな…」

不動産屋「いいよぉ~」

不動産屋「んじゃま、空き店舗なんだけどね…」

不動産屋「この値段ならあるよ」

おっさん「…な!?」

おっさん「な…ボッタクリじゃねえか」

おっさん「こんな立地も良くねえとこがなんで…」

不動産屋「あのさぁ…」

不動産屋「これでもね…安くしたのよぉ?」

不動産屋「あんたとの仲だしさぁ」

不動産屋「ほかんとこいってみぃ?もっと高いよぉ?」

不動産屋「おっさんのランクだとさぁ…ね?」

おっさん「こ、このやろう…」

男「…」

おっさん「舐めやがって!」ガタッ

男「あ、ちょっと!」ガシッ

おっさん「はなせ!はなせこらぁ!」

男「落ち着きましょう!!」

おっさん「…」ガタン

不動産屋「…」

不動産屋「ブサイク税がある以上さぁ…これ以上安いってのはむりだよぉ?」

おっさん「…」

おっさん「チッ…」

男「…」

不動産屋「嫌ならしょーがないようん」

不動産屋「実際まぁ…高いしねぇ…」

男「…」

男「買います…」

不動産屋「…」

おっさん「おい…」

男「僕名義で買わせて下さい」

不動産屋「…っても兄ちゃんもEランクくらいでしょ?」

不動産屋「どっちにしろまぁ…高いよ?」

男「えぇ…それを承知の上です」

おっさん「兄ちゃん…」

男「頑張りましょう!」

おっさん「買っちまったな…」

男「えぇ…」

男「いよいよですね…」

おっさん「おう…」

おっさん「ところでよぉ、何の店やるんだ?」

男「おじさんはどの料理のチェーン店で働いてました?」

おっさん「普通のファミレスだよ」

男「じゃあ…」

男「でか盛り洋食屋で勝負しましょう」

おっさん「…」

男「これなら…客も容姿を気にするやつはあんま来ません」

男「腹を減らした学生やサラリーマン」

男「従業員の顔なんて気にしないでしょう」

おっさん「なるほど…」

男「なるべく身内で農家や畜産業を営んでる人を探して下さい」

男「普通のルートで仕入れるとブサイク税のせいで高くなってしまう」

男「僕は実家が農家なんで米や野菜は任せて下さい」

おっさん「おお!俺も知り合い探してみるよ!」

男「はい!」

おっさん「へへ…燃えてきたぜ!」

~空き店舗~

男「どうっすか?」

おっさん「…うめえ!」

男「えへへ」

おっさん「兄ちゃん器用なもんだなぁ」

男「ガキの頃から料理は好きだったんで」

男「ホールの経験はないんでそこらへんはおじさんに任せます」

おっさん「おう!ホールも3年やってるからよぉ!」

男「なんか…いけそうな気がしますね!」

おっさん「おうよ…!」

~開店日~

おっさん「…こねえなぁ」

男「えぇ…」

おっさん「店名がいけなかったかな…「ブサイクキッチン」」

男「うーん…」

おっさん「ビラも受け取ってくれやしねえ…」

男「とりあえず…大学周辺で配ってみますか…」

おっさん「おう」

◯◯大学

男「お願いしまーす」

学生「…」

おっさん「お願いしまーす」

学生「…」

男「…」

おっさん「受け取ってくんねえなぁ…」

男「顔みて、よけていきますね…」

おっさん「舐めやがって…ガキが…」

男「しょうがないっすよ…」

男「!」

おっさん「どした?」

男「ここ、お洒落な大学だから受け取ってくんないんですよ!」

おっさん「そうなのか?」

男「工業大学とか、体育会系の大学の前でビラ配りましょう!」

おっさん「おう!」

◯◯工業大学

おっさん「お願いしまーす」

学生「ん…」

学生「やすっ!」

おっさん「量も多いよー」

学生「やべぇwwwいくしかねぇww」

学生「いこうぜみんな!」

学生ABC「うぇーい!」

おっさん「…」

おっさん「ブサイク達よ…ありがとう…」

~ブサイクキッチン~

おっさん「らっしゃーい」

おっさん「…お!」

おっさん「男君も連れて来たのか」

男「体育大学の子たちが来てくれました」

体育会系「ニンニクモリモリキャベツマシマシでお願いしまっす!オッス!」

工業系「ニンニクモリモリデュフww」

おっさん「うぅ…ありがとうな君たち」

おっさん「よーし燃えて来たぜ」

おっさん「男くんオーダー入るぜ!」

男「はい!」

~閉店後のブサイクキッチン~

おっさん「いやーあの後もいっぱいきたなぁ…」

男「えぇ…」

男「体育会系と工業大学とか理系って」

男「繋がりが強いから紹介とかでもっときてくれるかもしれないですよ」

おっさん「おいおい…まじかよ」

男「この勢い…続くよう頑張りましょう!」

おっさん「おうよ!」

おっさん「男くん…ほんとありがとな」

男「いえいえ…」

~一ヶ月後~

おっさん「いやー大忙しだなぁ」

男「えぇ…」

男「あれから若いサラリーマンや主婦のおばさんもきてくれるようになりましたね」

おっさん「みてみ、雑誌にのってるぜ」

おっさん「怪奇!ブサイクが集う店!だってよ…失礼しちゃうね…」

男「儲かってるだから…気にしないでおきましょう」

おっさん「あたぼうよ」

おっさん「よーし今日も頑張るか!」

男「いらっしゃーい」

学生「うえーい」

おっさん「毎度」

学生「知り合い連れてきたよw」

美容師「ういーすちーす」

おっさん「おっこりゃまたうちの客じゃ珍しいイケメン様じゃないの」

美容師「いやちょwなんすかあもおw」

男「…」

美容師「あれー…ちょw前うちきた人じゃないっすかw」

男「いらっしゃい…」

美容師「んなちょwwテンションあげぽよでいきましょーよーいww」

男「…」

美容師「いつも床屋できってんすか?w」

男「うん…きみんとこの向かいのね」

美容師「あー…」

美容師「…」

美容師「…実はね、こんな話があるんすよ」

男「…?」

美容師「人間ってね…髪型かっちょよくすれば結構印象変わるじゃないっすか?」

美容師「でも変わりたくてもお洒落になれる店にはいけない」

美容師「つまりねこれ…最初ブサイク評価貰うと一生搾取されるんすよ」

美容師「だってあれっすよね?混んでてもブサイク税でほとんどとびません?」

男「…」

美容師「床屋のおっさんだって…資格もってるんすから」

美容師「かっこよく切ろうと思えばきれるんすよ」

美容師「でもそれをやろうとしない」

男「まさか…!」

美容師「そういうことっすよ…」

男「そんな…」

美容師「…」

美容師「今日店終わったらうちにきて下さいよ」

男「え…?」

美容師「俺が2人ともかっちょよくしてやんよー☆」

男、おっさん「…!」

~美容室~

美容師「んどーぞー」

男、おっさん「…」

美容師「今日店番俺だけなんでー誰もこないんで余裕っす☆」

男「ほ、本当にありがとう」

おっさん「あぁ、助かるよ」

美容師「んなぁw別にいいっすよぉ」

美容師「次大盛りタダにしてくださいねー」

男「はい!」

美容師「へへっ…んじゃこちらへどーぞぉー」

美容師「…」

美容師「どーすか?」

男「…」

おっさん「か、かっちょいいじゃねえかよ!」

男「これが俺…?」

美容師「フフフ…」

美容師「でもすんません…おっさんの方はちょっと…」

おっさん「あぁしょうがねえよ…俺髪無いし…」

おっさん「良かったじゃねえか男君…!」

男「はい…ほんと嬉しいっす!」

美容師「役所行けば多分ランク上げてもらえますよー」

男「ほんとに…ほんとに…ありがとうございます!」

美容師「いえいえーこちらこそどーもぉー」

~役所~

男「へへっ…」

職員「はいつぎのかたー」

男「はい」

職員「ランクの変更ですね…」

職員「えーと…」

職員「はいOKです。Bランクに昇格です」

男「あ、ありがとうございます!」

男「すごい、税金がこんなにやすくなるなんて…」

~更に一ヶ月後~

男「あれから俺は何もかも順調だ」

男「店も繁盛してるし」

男「彼女ももどってきたし」

男「何より街にでて笑われることはない」

男「幸せだ…」

女「ただいまー」

男「お、おかえり」

女「男ー」ギュー

男「…」

男「幸せだ…」

~パコパコした後~

女「ねぇ…」

男「ん?」

女「私さぁ…今の会社辞めようと思ってんだぁ…」

男「え!?なんで?」

女「あのさ、男の店手伝おうと思って」

男「あ、まぁ確かに俺とおじさんだけだと結構大変だし」

男「三人になると大分助かるな」

女「…」

女「いや、2人でやろうよ」

男「…え?」

男「…どゆこと?」

女「あのおっさんのブサイク税はかかってるんでしょ?」

男「うん、まぁ…」

女「男がEランクじゃなくなったって言ったってさ」

女「あのおっさんHランクでしょ?やばいじゃん」

男「…」

女「私と男だったらブサイク税かかんないしさ」

女「今よりいっぱい儲かるよ」

男「…」

女「ね!男!お願い!!」

男「…でもさ」

男「あの店は俺とおっさん2人で作った店だしさ」

男「お互い支えられてここまでこれたんだし」

男「俺にあの人をクビにする事なんてできるわけないよ」

女「…」

女「…」チュ

男「…?」

女「とりあえず…もっかいしよ?」

男「う、うん…」

女「…」

女「ゴムはつけなくていいよ…」ニヤリ

美容師が一番いい奴じゃねーか

おっさんは温水だな
温水はHランクって程じゃないけどイメージが合う
http://blog-imgs-37.fc2.com/k/u/s/kusotarou2ch/org332461.jpg

~キッチンブサイク~

おっさん「今日も繁盛してんなぁ!」

男「えぇ」

おっさん「いやーおかげで息子も大学行かせることができそうだよ!」

おっさん「ほんと男くんのおかげだよ!ありがとなぁ!」

男「いえいえそんな!おじさんと僕2人で頑張ってきたからじゃないっすか!」

電話「チャリリリリリ」

おっさん「はいキッチンブサイク」

おっさん「あ、はいよー」

おっさん「男くーん、彼女から!ヒューヒューww」

男「んもおwwなんなんすかぁw」

男「はい!」

男「えっ…妊娠した…!?」

女って嘘でも妊娠したとか言うから恐ろしいわ…

>>171
女「妊娠したんだから中出しし放題だよ」

本当に妊娠

~閉店後のキッチンブサイク~

おっさん「後片付けは俺がやっとくからよ」

おっさん「彼女んとこいってやんな」

男「はい!すいません!」

おっさん「ついに男くんも父ちゃんかぁ」

おっさん「立派になったなぁ」

男「えへへ…」

男「んじゃいってきます!」ダッ

男「(やっぱ俺に、おじさんを首にするなんてできない…!)」

女「男…」

男「ただいまー!」バタン

女「…」

女「できたみたい…!」

男「やった!やった!」

男「はぁー楽しみだなぁ!」

女「えへへ」

男「あ、そうだ」

女「…?」

男「今日もさおじさんが後片付けやってくれたから早く帰ってこれたんだ」

男「やっぱ俺、おじさんクビにはできない。これは絶対に」

女「そう…」

男「…ごめん」

女「…いいよ」ニコッ

男「…ありがとう!」

~結婚式~

同僚「おめでとー!」

美容師「めでたいっす!ガチで!マジで!」

おっさん「いやぁ…泣けんなぁもぉ…」グスン

男「えへへ…ありがとうございます」

女「…幸せね」

男「うん…」

女「これからも、一緒に頑張ろうね!」

男「うん!」

女「2人で歩いていこうね!」

男「うん!」

女「そう…2人で…ウフフ」

俺どんなに楽観的でもD以下だから泣けてきた

~男宅~

おっさん「いよーす」ガチャ

男「どーも!」

おっさん「へっへっへっ、幸せそうに…たくぅ」

男「えへへ…」

おっさん「おっ、もうこんなおっきくなったんか!」

女「はい…ニッコリ」

おっさん「いよいよ男くんも親父になんだなぁ…」

男「はい!」

女「あ、男くんごめん。牛乳切らしちゃったからお願いできる?」

男「うん!わかった!」ガチャ

女「…」

おっさん「…」

おっさん「いやぁ…これから色々大変ですねぇ…」

女「ええもお…」

女「私立の…幼稚舎に入れるつもりなんです」

おっさん「ほおーそりゃすごい」

女「えぇ…」

女「私立って結構かかるんですよねぇ…」

女「後、英会話教室とかも通わせて…女の子だったらピアノも…」

おっさん「そいつぁまた…!」

女「かかるんですよねぇ…これから」

女「子供は宝…ですからね…ニッコリ」

おっさん「そうだよなぁ…目にいれてもいたくねえもんなぁ…」

女「…」

女「私今は…身重ですけど…」

女「子供が生まれて手がかからなくなったら…」

女「お店手伝おうと思ってるんです」

おっさん「ほおほお!」

女「なんせ…お金かかりますからねえ…」

おっさん「うん…」

女「店も繁盛してても…税金とかで…ね…」

おっさん「あっ…」

女「あっ…いやいや気にすることないんですよ」

おっさん「…すまんな」

女「いえいえ…」

女「あぁ…この子に色んな事習わせないと」ナデナデ

おっさん「…」

男「ただいまー」ガチャ

女「おかえりー^^」

おっさん「…」

男「牛乳買ってきたよー」

女「ありがとー!」

おっさん「…」

おっさん「じゃ、そろそろ失礼するわ」

男「え、もうちょいゆっくりしてってくださいよ!」

おっさん「いや、いいよ!」

おっさん「んじゃまたな!」

男「はい!」

女「…」

~翌日~

男「じゃ、いってくるね!」

女「いってらっしゃい」チュ

男「えへへ…」

女「頑張ってね…」

男「うん!」

~キッチンブサイク~

男「おはようございます」ガチャ

学生「あ、はよーす!」

男「おはよ…ってあれ?おじさんは?」

学生「あ、何か今日から俺の変わりにバイトで入ってくれって」

男「えっ」

学生「あとこれ手紙渡してくれって…」

男「…」

男「…」ペラッ

おっさん「男くんへ、今までありがとう。これから君も父親になり色々と大変だと思う。俺も2人でキッチンブサイクをやってあの頃よりずっと自信がついた。こんな忙しい時期に抜けてすまないけど自分のやりたいことをやってみる。お幸せに」

男「…」

男「お、おじさああああん!」

~男宅~

女「あら?どうしたの?」

男「…おっさんに何をした?」

女「え?何もしてないわよ」

男「ブサイク税のことでどうこう…言ったんだろ?」

女「…ごめんなさい」

男「この野郎!」グイッ

女「キャ!」

男「ふざけんじゃねえ!」

女「…だって」

女「しょうがないじゃない!これから色々とかかるんだから」

女「私は生まれてくるこの子のために、こうするしかなかったのよぉ!」

男「…ごめん」

女「ううん…いいの」

男「ウッウッ…なんで…くそお…」

~閉店後のキッチンブサイク~

男「はぁ…」

男「あれから一年…」

男「おじさんはなにしてるんだろ…」

女「おつかれー」ガチャ

男「おっ」

女「帰ろ?」

赤ちゃん「バブー」

男「うん…」

女「いい加減…吹っ切れなよ…」

男「うん…」

テレビ「今、ブサイク達が国会前でデモをしています!」

テレビ「あぁー!ついに突破されました!」

男「ん…?」

男「あれは…おっさん!?」

キッチンブサイク→店主B→( ゚Д゚)ポカーン

おっさん「うおおおおおお!ブサイクなめんじゃねーぞぉ!」

ワーワー!ワーワー!

男「…」

女「あらあら…」

男「行かなきゃ…」

女「…え?」

男「俺も行かなきゃ…」

女「な、なにいってるの…?」

男「俺もおっさん達と戦わなきゃ!」

女「は、はあ…?」

男「うおおおおおおおお!」バタン

女「え、そんな…」

女「でも男くん…ブサイクじゃないから保護されるか…」

女「帰ってきたらお説教ね…」

軍隊「おらぁ!ブサイクどもぉ!なにやっとんじゃあ!」パララララララ

ブサイク「んぎゃあああああ!」

おっさん「ちくしょお、いつまでも見下しやがって!」

おっさん「ブサイクだって同じ人間だぁ!」

おっさん「誰もお前らに迷惑かけた覚えはねえ!」

おっさん「堂々といきていてえんだ!」

男「おじさん!」

おっさん「…ん?」

おっさん「お、男くん…?」

男「お久しぶりです!」

おっさん「なんでチンコカットにもどしてんだ?」

おっさん「それにそれ…つけひげ…つけ黒子…」

おっさん「しかも服たくさんきて…それじゃおめえ殺されちまうぞ!」

おっさん「早く逃げろよ!子どもいんだろぉ!」

男「いやです!」

男「俺も…この狂った世の中を変える手伝いがしたいんです!」

おっさん「男くん…」

体育会系「男先輩!水臭いっす!オッス!」

工業大生「俺らも戦うぜ!」

美容師「マジでガチで!」

男「みんな…」

おっさん「…」

おっさん「ブサイクどもぉ!」

おっさん「ここが踏ん張りどころだぁ!いくぞおおお!」

ブサイク「んごおおおおおお!」

軍隊「な、なんだこいつら…」

軍隊「どこにこんな力が…」

ブサイク「ふんごおおおおおお!」

軍隊「ひゃあああああ!」

リポーター「えーついにブサイクデモ隊が国会内部へ侵入しました!!」

おっさん「おっしゃああああ!いくぞおおお!」

ブサイク「おー!!!」

~国会~

議員「ひゃあー」

議員「ひゃあー」

側近「総理お逃げを…」

総理「うむ…」

総理「汚らわしいブサイク共め…」

側近「はやくこちらへ…」

おっさん「まてぇ…!」

側近「…!」

おっさん「逃がさねえぞこらぁ!」

総理「ふん…汚らわしい」

軍隊「オラぁ!」パララララララ

おっさん「!」

ドドーンドドーン!

総理「ふん…」

ブサイク達「ふんごおおおおおお!」

総理「な、なんだと…!?」

リポーター「今、ブサイクデモ隊が総理の身柄を拘束しました!」

総理「…くっ」

おっさん「ふざけやがって!」

おっさん「ブサイクなめんなよぉおらぁ!」

総理「…なにが望みだ?」

おっさん「…」

おっさん「殺されたくなかったら撤退しろ」

おっさん「これから俺たちがこの国を治める」

総理「な!?」

おっさん「早くしろ!」ガチ

総理「ひいいいい!」

総理「わ、わかったわかった!」

男「おじさん、やりましたね!」

おっさん「あぁ…」

男「これからは平等な社会をつくりましょう!」

おっさん「…」

おっさん「なにいってんだ?」

男「え?」

おっさん「これからはブサイク至上主義社会だ!」

おっさん「ブサイクなやつほど上に上がれる!」

男「…」

おっさん「今まで散々バカにしやがってぇ…」

おっさん「オラぁ」パララララララ

リポーター「ひいいいいい!」

男「…そんな」

リポーター「いま、ブサイク達が各地で無差別に攻撃を行っています!大変危険です!」

~キッチンブサイク~

女「…」

女「あらあら…」

女「憎しみは連鎖するのよねぇ…」

おわり

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