東郷あい「仕事の後に」 片桐早苗「飲み会よー! (95)


・モバマスSS
・大人組数人による飲み会です

初投稿故に至らないところがあるかもしれませんがご了承ください。
それではよろしくお願いします

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----某所居酒屋


モバP「えー、それでは本日もお疲れ様でした、乾杯」


「かんぱーい(っス)」カチンッ


片桐早苗「ごくっごくっ……ぷっはー♪ やっぱり仕事の後の一杯は最高ね」


姫川友紀「ぷはー、いやー本当このために生きてるって感じだよ」


木場真奈美「2人とも余り飲み過ぎないようにな、いつも私が家まで送ることになるんだから」


早苗「あはは、大丈夫よ真奈美ちゃん。でもありがとね」


友紀「えへへ……あ、早苗さんも生でいいよね。店員さーん、生2つちょーだーい」


ハイ、ナマニチョウハイリマシター


早苗「おお、友妃ちゃん気が利くじゃないの♪」


真奈美「……まったく」


東郷あい「まあまあ真奈美さん、あの2人だって自分のことくらい分かってるさ」


真奈美「……それもそうだな」

あい「ふふ、さて何か食べるものでも……比奈君、なにか食べたいものはあるかい?」


荒木比奈「ふぇ!? え、えーっと……」


P「荒木さんこのサラダとかオススメですよ、みんなで分けて食べましょう」


比奈「あ……じ、じゃあそれでお願いするっス」


あい「了解だ、それじゃ店員を……」


早苗「ぷっはー♪ あ、お摘み頼むの?」


あい「ああ、すまないがこのサラダを頼めるかな?」


早苗「おっけー、ついでに色々頼んじゃうわね」ピンポーン


シャッス、ゴチュウモンヲドウゾ


早苗「えーっと、これとこれと…………」


比奈「プロデューサー、ありがとうございまス」


P「おや、なんのことですか?」


比奈「……なんでもないっス」


あい「まったく……意地悪だな君は」


P「僕は何もしてませんよ?」


比奈「……やっぱりプロデューサーは意地悪だったんスね」


P「なにやら有らぬ誤解が生じてる気が……」


あい「ふふ、冗談だよ。比奈君ももっと楽にするといい」


比奈「あ、ありがとうございまス。いやー、どうにもまだこういう場は慣れなくて」


友紀「そんなときは飲めばいいんだよ比奈ちゃん♪」


比奈「え、いや、私あんまり強くなくてでスね」


早苗「まーまーいいじゃないのよ、一緒に飲みましょ♪」


比奈「あー……えー……プロデューサー……」チラッ


P「いってらっしゃい」ニコニコ


比奈「……やっぱり意地悪っスよね……」ズルズル


イェーイ、ヒナチャンカンパーイ
カ、カンパイッス


真奈美「……止めなくてよかったのかい?」


P「ええ、まだ飲み始めたばかりですし、ヤバくなったら止める予定です」


P「それにある程度強引なくらいが彼女も馴染めるんじゃないかなって思いまして」


真奈美「成る程、流石よく見てる」


P「そんな大したものじゃないですよ」


あい「あんまり自分を卑下にするのは感心しないよ、特に君はね」


P「事実そんな大それた人間じゃないもので」


シツレイシマース、コチラゴチュウモンノシナニナリマース


P「ありがとうございます、それじゃこれ向こうにも分けて来ますね」


アラキサーン、サラダワケマスヨー
アッ、アリガトウゴザイマス
ネー、プロデューサーモイッショニノモウヨー


あい「……やれやれ」


真奈美「相変わらずのようだな、彼は」


あい「ええ、自信を持てといつも言ってるんですけどね」


真奈美「おっと、敬語はいらないと言ったはずだぞ」


あい「すまない、気を付けるよ」


真奈美「なに気にするな。しかし、いつもとはね」


あい「……深い意味は無いよ」


真奈美「まあ、君は彼が最初に担当したアイドルなんだ、長い付き合いではあるだろうね」


真奈美「それとも他の付き合いもあるのかな?」


あい「……からかわないでくれ真奈美さん、彼とは何も無いよ」


真奈美「ふふ、普段こんな話しもしないんだ、たまにはいいじゃないか」


あい「まったく……やっぱり君には勝てそうに無いな」


友紀「さあ、プロデューサーも飲もうよ」


P「もう飲んでますよ?」


早苗「まだ一杯目じゃないの、勢いが足りないのよ。それとも下子だったっけ?」


比奈「確かにプロデューサーが沢山飲んでるところって見たことないっスね」


P「下子って訳じゃないんですけどね、昔飲み過ぎで痛い目見まして」


友紀「じゃあ飲めるんだね、飲も飲も♪」


P「いや……ですから」


早苗「まあまあ、いいじゃないの♪」


P「……荒木さーん?」


比奈「サラダ美味しいっスよ」モサモサ


P「……はぁ……手加減してくださいね?」


早苗「うんうん、いい心がけだね。お姉さん素直な子は好きだよ♪」


友紀「えへへ、じゃあ比奈さんも飲も飲も♪」


比奈「ふぇ!? いや、私はもういいかなーって……」チラッ


P「サラダ美味しいですね」ニコニコ


比奈「うぅ……真奈美さーん……」


真奈美「やれやれ、そろそろ出番かな?」


あい「ほら比奈君、こっちにおいで」


比奈「真奈美さんありがとうございまス、あいさーんプロデューサーにいじめられたっスよー」


あい「よしよし」ナデナデ


P「また有らぬ誤解が……」


早苗「お、何々P君悪い奴なの? とりあえずしめとく?」


真奈美「元凶が何を言っているんだ。早苗、比奈君の代わりに私が相手になろう」


早苗「お、真奈美ちゃん今日は負けないわよ?」


真奈美「勝ち負けを決めるものではないんだが、まあいい」


P「あはは……」コソッ


友紀「あ!プロデューサー逃がさないよ!」ダキッ!


P「うわっ!? ちょ、ゆ……姫川さん離してくださいよ」


友紀「やだ♪」


P「やだって……アイドルが男にくっついてたら不味いでしょう?」


友紀「んー……長い付き合いだしプロデューサーは特別だよ♪ それとも嫌だった?」


P「嫌って訳じゃ……あー……」チラッ


比奈「……意地悪なプロデューサーのことなんて知らないっス」フイッ


あい「だ、そうだよ」クスッ


P「……分かりました、諦めて飲みますから離してください姫川さん」ガクッ


友紀「やった、逆転ホームランだね♪ 早苗さーんプロデューサーも飲むってさー」


P「無事で済むといいけど……」


オー、ユウキチャンヨクヤッタワネ
ナンダP、メズラシイナ
エヘヘー♪ソレジャ、カンパーイ!


あい「ふふ、少し苛めすぎたかな?」


比奈「どうなんスかね?正直まだよく分かんないっス」


あい「そう言えば比奈君はまだうちに来て日が浅かったね、彼はどうだい?」


比奈「いい人だと思いまスよ。でもなんだか……」


あい「距離を感じるかい?」


比奈「っス。年下の私にも敬語でスし」


あい「成る程ね……」


比奈「……と言うかよく分かったッスね?」


あい「ん? いや、思い当たることがあっただけさ」


比奈「はー……やっぱりあいさんってカッコいいっス」


あい「……誉められるのは嬉しいけど女としてはどうなんだろうね、それは」


比奈「も、 勿論綺麗でスし女性らしさもでスね」ワタワタ


あい「ふふ、大丈夫だよ。この手のやり取りはもう馴れたから」


あい「さて、向こうが終息するまで私たちもゆっくりしてようじゃないか」


比奈「は、はいっス」


比奈(やっぱりこの人イケメンっスよね)


--------


早苗「……やるじゃない……真奈美ちゃん……」フラフラ


真奈美「そうか?まだまだこんなものではないぞ」


早苗「ぐぬぬ……」


P「そこまでですよ片桐さん、これ以上は明日に響きます」


早苗「P君……それもそうね。真奈美ちゃん、今日は私の負けよ 」


真奈美「だから勝ち負けとかは無いと……まあいい、それじゃあ会計を」


P「もう済ませておきました、タクシー呼んであるんで姫川さんと片桐さんを連れて行ってあげてください」


友紀「むにゃ……くぅ……」zzz


真奈美「む……すまない。幾らだ?」


P「こっちで払っときますから気にしないでください」


真奈美「しかしだな……」


あい「早苗さん、大丈夫かい?」


早苗「ありがとあいちゃん……でもこれくらいなら大丈夫よ」


比奈「忘れ物は無かったっスよー」


P「ありがとうございます、それじゃあ出ましょうか」


真奈美「……ああ。友紀君、行くぞ」ヒョイッ


アザッシター


P「それでは木場さん、二人のことお願いしますね」


真奈美「ああ、任せておけ。早苗を送ったら友紀君は寮の部屋まで連れて行く」


真奈美「それとP、店の代金は……」


P「大丈夫です」


真奈美「そうはいかない、幾らだ?」


P「……明日までに計算してお伝えします」


真奈美「……分かった」


P「それでは、また明日事務所でお会いしましょう」


真奈美「ああ、君たちも気を付けて帰れよ」バタン


P「さあ、僕たちも帰りましょう。二人とも送りますよ」


あい「じゃあ、お願いするよ」トコトコ


P「ええ、荒木さんは駅の方でしたね」トコトコ


比奈「はい、お願いしまス」テクテク


あい「ところでP君」


P「何ですか?」


あい「先ほど比奈君とも話してたんだが、君はいつまでその話し方を続けるつもりなんだい?」


比奈「え?」


P「……ナンノコトデショウカー?」


あい「……誤魔化し方が下手すぎるよ」


比奈「どういうことっス? あいさん」


P「ナンデモナイデスヨー」


あい「彼は元々敬語なんて使わなかったんだ。それどころか初対面の私たちにやたら友好的に接して来たよ」


比奈「え……普段の姿からは想像できないっスね」


あい「ところがある日突然今のような態度になった、理由を聞いても答えてくれない」


P「あー!あー! 荒木さん駅に着きましたよ!」


比奈「え、あ、その……」


P「それではお疲れ様でした! 気を付けてお帰りくださーい!」タタタ-


あい「……逃げたね。比奈君、この続きはまた会ったときにでも」


比奈「は、はいっス。お疲れ様でした」


あい「お疲れ様。待ちたまえP君!」タッ


比奈「……はー……なんだったんスかね?」


比奈(でもフレンドリーなプロデューサーっスか……)


比奈「ちょっと見てみたい気もするっスね」


P「……ふぅ」


あい「ようやく止まったか」


P「……何であんなこと話したんですか?」


あい「比奈君が知りたがってたから、何より事実だしね」


P「しかし……」


あい「彼女は君との関係にどこか距離を感じてるようだった、それを放っておくのはいかがなものかな?」


P「距離って……これぐらい……」


あい「比奈君だけでは無いよ、友妃君や早苗さん、真奈美も」


あい「それに勿論……私だってそうだ」


P「……」


あい「君の態度はどこか私たちから遠ざかったものだ、それもある日突然から」


あい「せめて理由を教えてはくれないか?」


P「……言えませんよ、言ってもきっと納得しないですし」


あい「……そうかい」


P「……すいません」


あい「謝る必要は無いよP君……君が決めたことだちゃんとした理由があるのだろう」


P「ええ……あ、ここでしたね」


あい「ああ、送ってくれてありがとう」


P「いえ、それではお疲れ様でした」


あい「お疲れ様、また明日かな」


P「はい、それでは……」


あい「……P君!」


P「……?」


あい「今の君を否定する訳じゃないが……私はきっと昔の君を取り戻してみせる」


あい「只の我が儘だよ、だけど私は君の本当の笑顔が好きなんだ」


あい「だから……」


P「っ!……お疲れ様でした!」ダッ


あい「……ああ、おやすみ」


あい「よい夢を、P……」



終わり


ここで一旦終わりです。
一応内容が続いてく予定ですのでよろしければお付き合いください。
それでは、ありがとうございました。

え?疑問とか投げっぱなの?オチは?

あごめん
そういうことか
まってる

続けるなら探すの面倒だからこのスレがいいなぁ

乙でしたっ☆
ここから、どう展開するのか楽しみ。

レスありがとうございます。
現在書き溜め中ですが、次回の書き込みがいつ頃になるかまだ未定なのでもう少々お待ちください。
とりあえず3連休終わって次回分が書留切れていればそのままこのスレで、出来てなかったら別スレになると思います。

まだまだ未熟者ですが暖かく見守ってくださると幸いです

続き待ってる

依頼なしで誰も書き込まなかったとしても一月持つんだからいいと思うなぁ

>>92

飲み会に楓さんがいないだと……

>>28 楓さんは今後に出演予定がありますので少々お待ちください。ただ作者のジョークセンスが足りないためコレジャナイ感が出てしまうかもしれません。

3連休終了ですがまだ書留が終わっておりません、遅筆で申し訳ないです。
予定は変わりますが書き込みなしでも1ヶ月以上もつそうなのでこのままのスレで行こうかなと思います。
もう暫しお付き合い戴けると幸いです。

書き溜めが終わりましたので続きの投稿を再開したいと思います。
よろしければまたお付き合いください

一応当初別スレの予定だったのでその名残を

・モバマスSS
・今回はアイドル数人との晩ご飯です
・前作とはお話がつながっております。よろしければそちらもどうぞ

それでは始めます

荒木比奈「仕事の後に」 市原仁奈「晩御飯でごぜーますよ」




----朝CGプロ事務所内


P「おはようございます」ガチャッ


千川ちひろ「あ、おはようございますプロデューサーさん」


P「おはようございます千川さん。今日も一日頑張りましょう」


ちひろ「はい。今珈琲淹れます、ブラックでいいですよね?」


P「ええ。ありがとうございます」


P「さてと今日の予定はっと……」


市原仁奈「おはよーごぜーます!」ガチャッ


荒木比奈「おはようございまス」


P「市原さんに荒木さん、おはようございます」


仁奈「Pもおはよーでごぜーます」


比奈「おはようっスよ」


ちひろ「二人ともおはよう、でも比奈ちゃんのお仕事はお昼からだったような?」コトッ


P「ありがとうございます。午後から雑誌のインタビューですね、何かありました?」


比奈「いや、大したことじゃないんスけどね。原稿描いてたら寝不足でして」


比奈「お仕事まで事務所で寝てようかなーって思ってたんスけど……」チラッ


仁奈「P! 聞いてくだせー!」キラキラ


P「おっと。何ですか?」


仁奈「昨日の夜に新しい着ぐるみが届いたんでごぜーます♪ なのでみんなでもふもふしに来たんですが……」


比奈「とりあえず玄関で一緒になった私はもふもふ確定みたいっス」


P「成る程そうでしたか」


仁奈「はい! それじゃあ比奈おねーさん、もふもふになりに行くですよー」


比奈「分かったっスよー。それでは着替えてくるっス」


ちひろ「はい、いってらっしゃい」


仁奈「行ってきやがるです!」ガチャッ


P「さて……仕事仕事っと」


ちひろ「カメラの準備はばっちりですよ」


P「いや、そうじゃなくてですね……」


P「……まあいいですけど、まだやること無いですし」


--------

比奈「戻ったっスよー」ガチャッ


仁奈「着替え完了でごぜーます!」


P「これは……狼ですかね?」


ちひろ「仁奈ちゃん可愛いですよ♪」パシャッ


仁奈「オオカミの気持ちになるですよー!」ガオー


P「そして荒木さんは羊と」


比奈「もこもこしててなかなか暖かいっス」モコモコ


ちひろ「比奈ちゃんも可愛いですね。折角ですし二人でじゃれてください」パシャパシャッ


仁奈「比奈おねーさん、食べちまいますよー!」ガオー


比奈「えっと。うわーっス」コテン


ちひろ「ktkr」パシャパシャパシャパシャッ


P「どれだけ撮るんですか」


仁奈「えへへー♪ おねーさん暖かいですよ」モフモフ


比奈「仁奈ちゃんもっスね……あぁ段々眠くなって来たっス……」


東郷あい「おや……何だか賑やかだね」ガチャッ


P「おはようございます、東郷さん」


あい「おはよう、P君。ところでそろそろ仕事の時間だと思うんだが?」


P「ええ、そうですね。市原さんを着替え……させなくても大丈夫そうですね」


P「確か今日の撮影コンセプトは……」


あい「美女と野獣。丁度いいんじゃないか?」


P「野獣と呼ぶには少し可愛過ぎる気もしますけど」


あい「そうだね。それに美女の方も少し男らし過ぎるかな?」クスッ


P「いえ、そんなことはないですよ。充分に東郷さんは美しい女性です」


あい「……そう言うことを簡単に口にしてはいけないよ」フイッ


あい「でも……ありがとう」ボソッ


P「? はい」


仁奈「あ! あいおねーさんおはよーごぜーます」


比奈「あいさーん……お休みなさいっスー……」


あい「おはよう二人とも。仁奈君はそろそろ仕事だよ」


仁奈「むむむ……名残惜しーですが仕方ねーです」モフモフ


仁奈「比奈おねーさん、ありがとーごぜーました♪ 仁奈は仕事に行ってきやがるです」


比奈「行ってらっしゃいっスー……zzz」


あい「ああ。そうだ比奈君」


比奈「ふぇー……?」


あい「この前のメールの提案は今日にでも実行してみようと思うよ、予定は大丈夫かい?」


比奈「……ふへへぇ……ばっちりっスよー……」


あい「それは良かった。それじゃあ、また後で」


比奈「了解っスー……zzz」


仁奈「? あいおねーさん何の話しをしてやがりますか?」


あい「ふふ、仁奈君には後でゆっくりと教えてあげるよ」


あい「今日は君たちが鍵だからね」


仁奈「? よく分からねーですが……仁奈は頑張りやがるです!」


あい「いい返事だ。さあ、仕事に行こうかP君」


P「はい、車出してきますね」


あい「頼んだよ。さて……」


比奈「むにゃ……すぅ……」


ちひろ(羊比奈ちゃんの寝顔ブロマイド、これは売れる!)パシャパシャパシャパシャッ


ちひろ(更に仁奈ちゃんとの合わせ技で限定販売にすれば……¥¥)ウヘヘ


あい「ちひろさんもその辺にしときなよ? あまり酷いと真奈美や早苗さんに通報するよ?」


ちひろ「!?」ビクゥ!!


あい「ふふ、冗談だよ。それじゃあ行ってきます」


仁奈「行ってきやがるですー」ガチャッ


ちひろ「い、いってらっしゃーい……」


オシゴトガンバルデスヨー
ソノイキダヨニナクン


ちひろ(ふっふっふ、甘いですねあいさん)


ちひろ(私がこの程度で諦める分けないじゃないですか!)


ちひろ(誰もいないこの隙に比奈ちゃん写真集を完成させ……)


片桐早苗「おっはよー。あら、ちひろさんだけ?」ガチャッ


木場真奈美「おはようちひろ」


ちひろ「おはようございます♪」


ちひろ(oh……)


----移動中車内

あい「そうだP君ちょっといいかい?」


P「何ですか?」


あい「今晩は暇かい?」


P「……飲み会ならちょっと」


あい「いや、今回は違うよ。比奈君とも話してたんだが夕御飯でも一緒にどうだい?」


P「……うーん」


仁奈「晩御飯ですか!? 仁奈も行きてーです!」


P「おや? 市原さん、ご両親の確認はよろしいんですか?」


仁奈「……パパもママも今日はうちにいやがらねーです」


仁奈「だから今日はコンビニのご飯の予定でした」



P「成る程……そうでしたか」


仁奈「なのでPが晩御飯を食べに行くなら一緒に行きてーんです!」


仁奈「……ダメでごぜーますか?」


あい「勿論私は歓迎だが……君はどうする?」


P「……断れる分けないじゃないですか。市原さん、一緒に晩御飯食べに行きましょう 」


仁奈「ほんとですか!? わーいでごぜーます♪」


あい「ふふ、良かったね仁奈君」ナデナデ


仁奈「はい♪ あいおねーさんもありがとーごぜーます」


あい「どういたしまして。店の方は任せといてくれ」


P「お願いします……っと、二人とも着きましたよ」


あい「ああ。それじゃあ行こうか仁奈君」


仁奈「はい! 行ってくるですよP!」


あい「時間も不確定だし帰りはタクシーを拾うよ、事務所で待っていてくれ」


P「はい。二人とも気をつけて行ってらっしゃい」ブロロロロ……




あい(とりあえずは成功か、後は比奈君に連絡してっと)ポチポチ


あい(……さて、彼はどういう反応をするのかな?)




----夕方CGプロ事務所

P「……」カタカタ


ちひろ「……」コポコポ カチャカチャ


P「んー……この仕事は……」


ちひろ「プロデューサーさん、珈琲入りましたよ」コトッ


P「すいません、ありがとうございます千川さん」


ちひろ「いえいえ」スッ


P「……ふーむ」ズズッ


ちひろ「……」ジー


P「……どうかなさいました?」


ちひろ「プロデューサーさん、ぶっちゃけその口調いつまで続けるんですか?」


P「!?」ゴホッ!



P「……何ですか急に」


ちひろ「なんというか千川さん呼びに違和感が半端なくてですね」


ちひろ「ちょっと前まで名前呼びだったじゃないですか?」


P「……それについては話したじゃないですか」


ちひろ「いや、まあそうなんですけど。納得するかは別と言いますか」


P「……慣れてください」


ちひろ「えー……」


ちひろ(正直効果無い気しかしないのよね……プロデューサーさんの作戦)


ちひろ「ほら、私は立場的に例外かなって」


P「いや、そうもいかないですよ。こう言うのはですね……」


龍崎薫「ただいまー!」ガチャッ


橘ありす「ただいま戻りました」


比奈「ただいまっス」


ちひろ「あら。三人ともお帰りなさい」


P「お帰りなさい。荒木さんお迎えご苦労様です」


比奈「丁度終わる時間でしたし無問題っスよ。ネタも貯まりましたし事務所戻る予定もありましたし」


薫「せんせぇー! かおるがんばってきたよー!」タタッ


ありす「撮影は概ね順調だったと思います。映像の方は後日届くとのことです」


P「はい、了解です。橘さんも龍崎さんもお疲れ様でした」


薫「かおる、ありすちゃんと一緒にいっしょーけんめーに料理したんだよ!」


ありす「橘です。食べてくれた方たちも皆震える程の笑顔でした。今回も成功ですね」


比奈(あっ……試食者の方々御愁傷様っス)


薫「えへへぇー♪ せんせぇほめてほめて♪」


ありす「……」ピクッ


P「ええ、良くできました。またこの調子でお願いします」


薫「……あれぇ?」


ありす「……」ソワソワ


P「?……どうかしました?」


薫「もうあたまわしゃわしゃーってしないの?」キョトン?


ありす「確かに……以前のプロデューサーなら抱き付いて撫でてましたよね」


比奈「え? プロデューサーそんなことしてたんでスか?」


P「……えーっと」


ありす「そういえば最近しゃべり方も何だか畏まってますし、以前みたいにありすって呼ばなくなりました……」


薫「かおるのことも龍崎さんって呼ぶよね? どうしてー? かおるはかおるだよ?」


P「あー……それはですねー……」ダラダラ



ネーネーセンセェナンデー?
ナンデケイゴナンデスカ?
アー……エーット……


比奈(……子供には弱いんスね)クスッ


比奈(それよりも、やっぱりプロデューサー以前何かあったんだ)


比奈(でも、どうしてよそよそしくするんスかね?)ン-……


仁奈「ただいまですよー!」ガチャッ


あい「ただいま。おや、なんだか賑やかだね」


比奈「あ、お帰りなさいっス」


あい「ただいま。お店の方はこっちで確保しといたよ。あとは仁奈君も」


比奈「こっちも薫ちゃんとありすちゃんの二人が同行してくれるらしいっス」


あい「ふむ、バッチリだね。後は彼次第か」


仁奈「P! 聞きやがれです!」タタタッ


P「あ、お帰りなさい市原さん」


薫「おかえりー!」


ありす「お帰りなさい」


仁奈「仁奈は今日の撮影オオカミを完璧にこなしやがりました!」フンスッ


仁奈「だから誉めてもいーんですよ?」


P「はい、良くできました。次も頑張っていきましょう」


仁奈「……」


仁奈「……Pはもふもふしてくれねーですか?」


P「え?」


仁奈「あいおねーさんは頑張った仁奈をたくさんもふもふしてくれやがりました」


仁奈「……Pはしてくれねーですか?」シュン


P「えっと……そのぉ……」オロオロ


あい「……やれやれ」モフッ


仁奈「うにゅ」


あい「頭くらい撫でてあげれば良いじゃないか。そんなに敬遠することでも無いだろうに」ナデナデ


P「……すいません」


あい「謝らなくていいよ。すぐ謝るのは君の悪い癖だね」


あい「それはそうと、君の仕事はもう終わりそうかい?」


P「ええ。大体やることは終わりましたのでいつでも出れますよ」


ちひろ「どこかいかれるんですか?」


P「ちょっと夕食を。食べ終わったら戻ってきますけど」


ちひろ「……私は誘われないんですね」ムスー


P「確か早苗さん達がこのあと戻ってくるでしょう? 事務所空ける訳にもいかないし今回はちひろさんにお願いしたくてですね」


ちひろ「……大丈夫です。わかってますよ」クスッ


あい「ありがとうちひろさん。今度は是非一緒に」


ちひろ「ええ。いってらっしゃい」


あい「それじゃあ、行こうかみんな」


比奈「はいっス」


仁奈「晩ご飯ですよー」


薫「わーい♪ みんなでご飯ー♪」


ありす「案内お願いしますね」


P「あれ? 二人はお家の晩ご飯は大丈夫なんですか?」



薫「うん! ママもみんなと食べておいでって」


ありす「本当は今日の収録で作った料理を晩ご飯にするつもりだったんですけど……」


比奈「私が誘ったっスんす。一緒に晩御飯食べに行こうって」


ありす「なので料理の方は全部食べて頂きました。多めに作ってたんですけど皆さん残さず食べてくれましたよ」


比奈(スタッフの方々には感謝っスね)


P「なるほど。そうでしたか」


あい「納得してもらえたかな? じゃあ出発だ」


仁奈「ごーです!」タタタッ


薫「ごー!」タタタッ


ありす「あ、ちょっと二人共! 待ってください!」タタタッ


比奈「ちょ、待つっスよー!」タタタッ


あい「……」


P「……」


あい「……私達も行こうか」クスッ


P「……ええ。千川さん行ってきます」ガチャッ


ちひろ「いってらっしゃーい」フリフリ


--------

比奈「薫ちゃん、走って行っちゃだめっスよ……」ゼーハー ギュッ


ありす「道知らないのに先に行ってどうするんですか……」ゼーハー ギュッ


薫「えへへー。ごめんなさー」ギュッ


あい「仁奈くんも勝手に行っては駄目だよ」ギュッ


仁奈「申し訳ねーですよー……」ギュッ


P「二人共迷子にならなくてよかったです。さあ、行きましょう」


比奈「ふへぇ……あいさん、案内お願いするっスー……」


あい「ああ。こっちだよ」トコトコ


P「どれくらいですか?」トコトコ


あい「そんなに遠くはないさ。少し歩くけどね」


比奈「もう疲れたっス……」


ありす「普段から運動しないからですよ……」


比奈「ありすちゃんも似たような体力っスよー……」


ありす「橘です……私はこれから伸びるからいいんです……」


薫「えへへー♪ まだ走れるよー」


比奈「勘弁して欲しいっス……」


仁奈「……」ジー


あい「ん? どうかしたかい?」


仁奈「い、いや。なんでもねーですよ」ワタワタ


あい「……ふむ。仁奈くんちょっといいかい?」コソッ


仁奈「なんでごぜーますか?」


あい「……」ゴニョゴニョ


仁奈「! それはいいんでごぜーましょうか?」


あい「ああ、大丈夫だからやってごらん」


仁奈「じゃ、じゃあ……えいっ!」ギュッ


P「おっと……市原さん?」ギュッ


仁奈「Pの手が寂しそうだったから仁奈が特別に握って上げるですよ!」


P「……えーっと」


あい「おや? まさか子供の手を振り払うような大人げないことするつもりかい?」


P「……そんな訳無いじゃないですか」


あい「だよね、それでこそP君だ」クスッ


仁奈「えへへ♪」


P「今日は特別ですからね。普段はしませんよ」


薫「あー! 仁奈ちゃんずるいー!」


薫「せんせぇ! 帰りはかおると繋ごうよー!」


P「……」


あい「特別が増えていくね」クスクスッ


P「なんとなく予想はしてましたよ……」ハァ


比奈(やっぱり子供には勝てないんスね)


あい「おっと、着いたよ。ここのお店だ」


薫「わーい!」


仁奈「わーいでごぜーます!」


比奈「はー……洒落たお店っスねぇ」


ありす「ここは……洋食屋さんでしょうか?」


あい「そんなところさ。さあ、入ろうか」


----洋食屋店内

カランカラン


マスター「いらっしゃい。おや随分と可愛らしいお客さんだ」


薫「こんばんはー!」


仁奈「こんばんはでごぜーます!」


比奈「ど、どうもっス」


P「失礼します」


マスター「はいこんばんは。久し振りだねあいちゃん」


あい「今日は世話になるよマスター。電話で頼んであったと思うけど」


マスター「今案内するよ。彼に付いて行ってくれ」


ウェイター「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」


あい「ああ。みんな行くよ」


マスター「また後で伺うよ」フリフリ


ウェイター「こちらのお席にどうぞ、今お冷とメニューをお持ちします」


あい「ありがとう。さあ、奥にどうぞ」


比奈「個室なんスね。珍しいっス」


P「そうですね。でもありがたいです」


薫「かおる、せんせぇの隣がいいー」


仁奈「仁奈もPの横がいいでごぜーます」


あい「ならそっち側でP君を真ん中にして座るといい。P君もいいね?」


P「ええ、まあ」


比奈「なら私がこっちの奥に座るっスよ」


ありす「いいんですか?」


比奈「端っこの方が落ち着くっス」


ありす「……まあいいですけど」


マスター「やあ。メニューを持ってきたよ」


あい「おっと。わざわざすまないマスター」


マスター「いや、まだこの時間はお客さんがいないからね。少し紹介してもらえるかい?」



あい「勿論……みんな、この店のオーナー兼シェフの方だ」


マスター「始めましてCGプロダクションの皆さん。今日はゆっくりしていってくれ」


P「お世話になります。CGプロダクションのプロデューサーをやっておりますPと申します」ペコッ


仁奈「市原仁奈です! よろしくおねげーするです」


薫「りゅうざきかおるです!」


比奈「荒木比奈でス」ペコッ


ありす「橘ありすと言います。今日はお世話になります」ペコッ


マスター「ははは。みんな素直そうでいい子たちだね」


あい「ありがとう。マスターとはこっちに来てからの付き合いなんだ」


マスター「食事に来てたあいちゃんにサックスの演奏を依頼したのがきっかけでね。今日は演奏していくのかい?」


あい「いや、今日は止めておくよ。またの機会にでも」


マスター「そうか、残念。それじゃあ何にするか決まったらベルで呼んでくれ。ごゆっくりどうぞ」


あい「ああ。お願いするよ」


比奈「はー……あいさん何かスゴイっス。格好いいっス」


あい「よしてくれ、そんな大したものじゃない。メニューは見たかい?」


薫「んー……」ジー


仁奈「んーでごぜーます……」ジー


ありす「そんなに見つめなくても……」ジー


P「ご覧のとおり絶賛検討中ですね」


あい「ふふ、時間はあるからゆっくり選ぶといいよ」


P「良い人みたいですね、マスターさん」


あい「ああ、もう何度も世話になってる。出来た人だよホント」


比奈「あいさんサックスの演奏とかするんでスね」


あい「趣味の一環さ。アイドルになる前はたまに前座で吹いたりしながら暮らしてたからね」


P「そうでしたね。僕が東郷さんをスカウトしたのもそういう会場でした」


あい「懐かしいね。それまではまさか自分がステージのメインを飾ることになるなんて思ってもいなかったよ」


仁奈「決まったでごぜーます!」


P「おっと。何にしたんですか?」


仁奈「今日の仁奈はオオカミの気持ちなので、このお肉にするですよ!」


薫「かおるもー! お肉食べたーい!」


ありす「私はこのパスタで。他の人の作ったパスタを食べて研究します」


比奈「じゃあ私はさっきありすちゃんのメニューをチラ見して美味しそうだったこの魚介セットで」


あい「なるほど。P君はどうするんだい?」


P「んー……東郷さんはどうするんですか?」


あい「私はこの店に来たら必ず頼む品が決まっててね。P君は好き嫌いなかったよね、よかったらどうだい?」


P「じゃあそれにします」


あい「OK。それじゃあ……」チリーン


ウェイター「……はい。ご注文を伺います」


あい「これとこれと……」


--------


薫「ねぇねぇせんせぇ、聞いて聞いて!」


仁奈「P! もふもふしてもいいんですよ?」


P「えーっと」


比奈「……プロデューサーって子供に人気でスよね」


あい「確かにそうだね。うちの子達はみんな彼に懐いてる」


ありす「懐いてるって……まあ、嫌いでは無いですけど」


P「そんな気はしないんですけどね……」


あい「それは謙遜というか……まあいいだろう」


比奈「二人共プロデューサーのどこがそんなにいいんス?」


薫「えっとねー。せんせぇは優しいの!」


仁奈「Pは良い奴ですよ! 最近は仁奈をもふもふしやがりませんが……」


P「あはは……」


ありす「そういえば、さっき事務所で話していたことですけど……」


マスター「みんなお待たせ、美味しい料理が出来上がったよ」


あい「ありがとう。その話はまた後にしよう、今は食事だ」


ありす「そうですね」


マスター「それじゃあこのお肉はっと」


薫「はーい!」


仁奈「でごぜーます!」


マスター「はっはっは。元気で結構。熱いから気をつけて」コトッ


仁奈「おおー!!」キラキラ


薫「おいしそー♪」キラキラ


マスター「こっちのパスタと魚介セットはこちらのお嬢さん方かな?」コトッ


比奈「はいっス」


ありす「ありがとうございます」


マスター「で、これがお二人さんと」コトッ


P「ありがとうございます……これは」


あい「ありがとう。グリルチキンは嫌いだったかな?」


P「いえ。そんな訳じゃないんですけど」


あい「シンプルなメニューだろう? でもその分だけ奥が深いんだ」


マスター「さあ、みんな存分に食べてくれ」


「いただきます(でごぜーます)」


カチャカチャ モグモグ


「…………」


薫「せんせぇ! これおいしーよ!!」


仁奈「舌がとろけやがりますよぉ♪」


比奈「久しぶりにこんな美味しいの食べたっス♪」


ありす「これがプロの味……」


P「これは……堪りませんね」


あい「うん、美味しい。腕は落ちてないみたいだね」


マスター「当たり前さ。これでもプロだからね」


薫「おじさん、ありがとー!」ニコニコ


仁奈「ごぜーますよー!」ニコニコ


マスター「どういたしまして。さて、いい笑顔も見れたしおじさんはこの辺で去るよ。また後で」スタスタ


仁奈「んー♪」モキュモキュ


薫「せんせぇ、せんせぇ!」カチャカチャ


P「はい?」


薫「はい、あーん♪」


P「……」


あい「おやおや。人気者だねP君」


P「からかわないでくださいよ……龍崎さん、全部自分で食べていいんですよ?」


薫「かおるがせんせぇに食べさせてあげたいからいいの! えいっ」グイッ


P「もがっ……」モグモグ


P「……龍崎さん、人の口にフォークを突っ込んだら危ないから駄目です」


薫「はーい……」シュン


あい「やれやれ……素直じゃないな君は」


比奈「と言うか、プロデューサーが抵抗せずに食べればよかったのでは?」


P「……そうかもしれませんね。龍崎さんありがとうございました、美味しかったですよ」


薫「! えへへー♪」


--------


仁奈「ふあー……もう入らねーですよ……」


薫「ごちそうさまー!」


比奈「っス。美味しかったでス」


ありす「ご馳走様でした」


P「ご馳走様です」


あい「ふふ。満足してくれたようでなによりだよ」


ウェイター「失礼します、こちら食後のお飲み物です。食器をお下げしますね」


P「おや? 何か頼んであったんですか?」


あい「食後の一服にね。ここは珈琲も美味しいんだ。子どもたちにはココアを」


薫「わーい♪」


仁奈「あちーので冷ましやがるですよ」フーフー


P「うん……いい香りですね」


比奈「なんだか落ち着くっス」


あい「まだ時間はあるだろう? 少しゆっくりしていこうじゃないか」


P「ええ。たまにはこう言う贅沢もいいかもしれませんね」コクッ


P(ちひろさんには悪いけど……まあいいか)


仁奈「んー……P?」


P「なんですか?」


仁奈「せっかくなので仁奈もそのこーひーを飲んでみてーでごぜーます」


P「これですか? それなら二人から少しもらって……」


仁奈「仁奈はPのがいいんです!」ガオー


比奈「……相変わらずの人気っぷりっスねぇ」


あい「だからこそ、かな?」


比奈「でスね」


P「……分かりました。でも多分苦いですよ?」


仁奈「大丈夫でごぜーますよー」コクッ


仁奈「……っ……」フルフル


P「だから言ったのに……ほら、ココアを飲んで」


仁奈「……」コクッ


仁奈「ふう……こーひーはにげーですよー……」


あい「まだ子供だからね、仕方ないよ。直に美味しく飲めるようになるさ」


仁奈「ううー、仁奈はまだあめーですね」コクコク


薫「仁奈ちゃんだいじょうぶ?」


仁奈「平気ですよ……でもこーひーは強敵でごぜーます」グヌヌ


P「敵という訳では無いんですけどね」コクッ


比奈「さて……あいさん、そろそろでスかね?」コソッ


あい「ああ。いいんじゃないかな」ボソッ


P「?」


比奈「ところでプロデューサー……事務所でも話してましたけどなんで私達に敬語を使ってるんでス?」


P「!?」ゴフッ


ありす「……そういえばそんな話を来る前にしていましたね」


薫「けいごって、『さん』とか『です』とかだよね?」


仁奈「仁奈は完璧に敬語を使いこなしてやがりますよ!」フフーン



比奈「いや、仁奈ちゃんのは……まあいいっス」


比奈「問題なのはプロデューサーは敬語を使う必要の立場じゃないってことでスし」


P「えーっと……」ダラー


比奈「更に言うなら私が入ってくる前までプロデューサーは敬語なんて使ってなかったそうじゃないでスか?」


ありす「確かに前まではやたらフレンドリーでしたし、よく頭をなでてきました」


ありす「まあ……嫌な訳では無かったですけど」ボソッ


P「あーえー……」


薫「今日もかおるのあたま、わしゃわしゃーってしなかったよね? なんでー?」


仁奈「仁奈もまだPにもふもふされてねーです!」


薫「もしかして……かおるのこときらいになっちゃったの?」シュン


仁奈「P……」グスッ


P「…………」ダラダラー


P「ほ、ほら、あれですよ……」


あい「社会人の礼儀とか親しい中にもとかは子供達への説明になってないからね」


あい「ましてや以前は普通に行ってたことなんだから」


P「ぐぬぅ……」ガクッ


比奈「……っとまあ、色々あるっスけど別に私達は無理やりその理由を聞き出したい訳では無いんでス」


比奈「ただ、以前みたいに仲良くしてあげて欲しいんスよ」


あい「君にも理由はあるんだろうけど、傍から見てるとコミュニケーションが上手くいってないように見えてしまうよ」


あい「特に子どもたちは君に甘えたいだろうにどうにも避けられてしまっている」


あい「だから……お願いだ。P君」


P「…………」


薫「せんせぇ……?」


仁奈「……」


ありす「……」


P「……はぁ」


薫「わっ」ポフッ


仁奈「うにゅ」モフッ


P「そうですね……ごもっともです」ナデナデ


薫「えへへ♪」


仁奈「よーやくもふもふしてくれやがりましたか♪」



比奈「プロデューサー……」


P「……理由は話せません。ですが……」


P「……少し自分でも付き合い方を考え直してみます」


あい「うん……今はそれだけで十分だよ」ニコッ


P「っ……二人共、ありがとうございました」


P「それと……薫に仁奈」


P「ごめんな。二人のこと嫌いになったわけじゃないんだ」ナデナデ


薫「うん♪ やっぱりせんせぇは優しいね!」


仁奈「Pはしょーがねやつでやがりますね、やさしー仁奈は特別に許してあげるですよ!」


P「おう、ありがとな。さて……ありす?」


ありす「!」


P「お前も同じだからな、これからはありす呼びだ」


ありす「私は別に……」


比奈「プロデューサー、ありすちゃんも撫でてあげるっスよー」グイッ


ありす「だから私は、ちょっと比奈さん押さないで」


P「ん、そうだな。ほらありす」ナデナデ


ありす「んぅ……」


P「これからもよろしくな」ニッ


ありす「……はい」


あい「ふふ。ようやく笑ってくれたねP君」


P「あ……はい、そうですね」


あい「さて。話も終わったことだしそろそろ出ようか」


P「そうですね支払いは……」


あい「玄関のとこだよ。今日はお礼も兼ねて私が出そう」


P「そうはいきませんよ、それにお礼だなんて……」


比奈「だったら三人で割ったらいいんじゃないでスかね?」ヒョコッ


比奈「丁度子どもたちも三人いることでスしね」ヘヘー


あい「……それもそうだね」


P「ええ。じゃあそうしましょうか」


あい「それじゃあ行こうかみんな」


薫「いこういこうー♪」ギュッ


仁奈「P! もっともふもふするためにおんぶしやがるですよ!」


P「外出たらな、今は店の中だし」


ありす「……」


比奈「ありすちゃんはプロデューサーにくっつかなくていいんでスか?」


ありす「……そんな子供じゃありませんよ」フイッ


比奈「んー……それじゃあ私とくっつくっスよー」ギュッ


ありす「わっ……ちょっと」


比奈「ふへへー♪ 暖かいっス」


ありす「……まったくもう」クスッ


マスター「やあ。おかえりかい?」


あい「ああ。美味しかったよ、ごちそうさま」


マスター「お粗末さま。それじゃあ会計はっと……」



マスター「はい。それじゃあ確かに」


薫「ごちそうさまでしたー!」


仁奈「美味しかったですよ!」


マスター「はいどうも。またおいでお嬢ちゃん達」


P「ごちそうさまです。わざわざありがとうございました」


マスター「いいってことよ……確かプロデューサーさんだったかな?」


P「? そうですが」


マスター「来た時よりもいい顔になったじゃねえか。これからもあいちゃんのこと頼むよ」


P「……はい。必ずトップアイドルにしてみせます」


マスター「はっはっは、確かにそれも大事だな」


P「?」


あい「マスター、あまり彼をからかわないでくれよ」


あい「P君先に出ててくれ。すぐに追いつくから」


P「分かりました」カランカラン


マスター「いい人そうじゃないか、彼」


あい「そうだろう? 自慢のプロデューサーだよ」


マスター「……それだけじゃないんじゃないかい?」


あい「……さあ? なんのことだか」


マスター「はっはっは、それじゃあまたアイドル頑張っておいで。おじさんも応援してるから」


マスター「いつでも帰ってくるんだよ」


あい「ああ。また来るよ」フリフリ


マスター「ご来店ありがとうございました」ペコッ


カランカラン


あい「やあ、お待たせ……なんだか楽しそうだね?」


P「……そう見えますか?」


仁奈「おー……たけーですよ♪」


薫「せんせぇ、かおるもー」


P「順番な。二人同時はさすがに無理だ」


比奈「オオカミ着ぐるみの少女を肩車するスーツのプロデューサー……不思議な光景っスね」


ありす「これ、通報されませんよね?」


比奈「私達もいまスし大丈夫っス……多分」


あい「うん……やっぱりこの方がしっくりくる」


P「? 何か言いましたか?」


あい「いや、なんでもないよ。さあ、帰ろう」


P「ええ。とりあえず事務所まで戻ってそれから車で送って行きますよ」


あい「お願いするよ。薫くんおいで、私と手を繋ごう」


薫「はーい」ギュッ


仁奈「Pロボ発進でごぜーます!」キャッキャッ


P「はしゃぎ過ぎて落ちるなよ?」


薫「んー……えいっ」ギュッ


P「おっと。どうした薫?」


薫「えへへー。帰りはせんせぇとつなぐって約束してたもん♪」


P「そういえばそうだったな」


あい「嬉しそうだね、薫くん」


薫「うん! だってかおるみんなだいすきだもん」


薫「だから、みんななかよしだとうれしいの♪」


P「薫……」


あい「うちの子達は本当みんないい子だね」ナデナデ


P「ええ。本当に」



あい「……P君、今日はすまなかった」


P「え?」


あい「子供達をだしに使うようなことをして君を追い込んでしまった」


P「ああ。そのことでしたか」


あい「以前あんなことを言っておいて今更かもしれないが……すまない」


P「謝らないでください。それに僕は感謝してるんですよ?」


P「どうやら少し思い詰めすぎてました。0か10しか考えられない思考だったみたいで……」


P「だから今日のは丁度いい機会だったのかも知れません」


あい「……そうか。君がそう言ってくれるなら良かったよ」


P「はい。なので大丈夫ですよ」トコトコ



比奈「……あれっスね」テクテク


ありす「なんですか?」テクテク


比奈「薫ちゃんを間に挟んだあの姿はどう見ても……」


ありす「言わないでください。分かってます」


比奈「ありすちゃんは混ざって来ないんでス?」


ありす「……私は……その」


比奈「……ははーん」ピコンッ


ありす「……なんですか」


比奈「なんでもないっスよ~。ただ、ありすちゃんも乙女だな~って」ニヨニヨ


ありす「なっ!? 何を言うんですか比奈さん!」


比奈「私はまだ何も言ってないっすよ~?」


ありす「もう! 比奈さん!」ポカポカ


比奈「あはは。プロデューサー、助けてっス~」


P「ん? ってありすは何やってんだ?」


ありす「なんでもないです!」プイッ


P「……なんなんだいったい?」


比奈「なんでもないっスよー」ニヨニヨ


P「まあ……いいか。っと、事務所が見えてきましたね」


P「とりあえず車出して来ますから待っててください」タタタッ……


あい「あ、ちょっとP君……行ってしまったか」


比奈「……プロデューサー仁奈ちゃん乗っけたままでしたね」


あい「一応止めるつもりだったんだが……今頃ちひろさんに色々言われてそうだ」


比奈「いいきっかけなんじゃないでスかね」クスッ


あい「ふふ、確かにそうかもね」


比奈「子供のお願い作戦、成功っスね」


あい「ああ。やっぱり優しい人だったよ彼は」


あい「そこにつけ込んだみたいで正直心苦しいけどね」



ありす「いいんじゃないですか? プロデューサー自身も思うところがあったみたいですし」


比奈「っス。結果オーライっスよ」


あい「……そうかもね」


薫「? ねぇねぇ何の話?」


あい「ん? P君はやっぱり優しいなって話だよ」ナデナデ


薫「うん! せんせぇはやさしーよ!」


ありす「あれ……なんか事務所が騒がしい気が……」


ニョッワー☆Pチャンモニナチャンモカワイーニー♪
チョ、キラリマッ、グワァァァ……


比奈「あ……(察し)」


ありす「……助けに行きましょうか」


あい「まったく……しょうがないな、P君は」クスッ


あい(まあ、そんなところも……ってことかな)



あい(まだ少し世話を焼かせてもらうよ、P君)




おわり


今回はここで一旦おわりです。
物語はまだ続く予定ですのでよろしければまたお願いします。
それではありがとうございました。


リアルの都合により2ヶ月以上更新できない可能性が高いので次回は別スレになると思います。
同じようなタイトルですのでその時はまたよろしくお願いします。

Pが変わった理由が気になる
次回も楽しみにしてます

乙ですっ☆
いい雰囲気で、楽しそう。それでいて謎も残る。
次を待ってます。

別スレになるならここはHTML依頼かけないと駄目よ
スレは自動じゃ落ちないから
■ HTML化依頼スレッド Part12
■ HTML化依頼スレッド Part12 - SSまとめ速報
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>>94ありがとうございます。依頼行ってきます

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