男「お化け怖ぇ・・・」(557)

男「やべぇ・・・道に迷っちまった」

男「しかもこの辺街頭全然ねーし!真っ暗なんですけど!!」

男「まいったなー・・・」

がっくりと項垂れた男の足元がぼうっと明るくなる。

男「お・・・?なんか明かりが・・・」

人魂「・・・」

男「・・・」

人魂「・・・」

男「ほ」

男「ほぎゃああああああああああああああああああああああああああああ!!」

男は、「視える」性質だった

※前作反映できなかったお化けたちを書こうと思います


-CASE1 拾得物は二口女-

友「おい、男。知ってるか」

男「ん、何が?」

友「実は、お化けg・・・」

男「嫌ァァァァァァァァァッッ!!」

友「まだ何もいってないっす」

男「お前お化けとかやめろよ!!本当に出たらどうすんだよ!!」

友「いや・・・それが本当に出たらしいぜ、隣町に」

男「嫌ァァァァァァァァァァァァァァァッッ!!」

友「な、何もそこまで驚かなくても」

男「お、お前隣町っていったら俺が夜バイトしてるコンビニがあるだろうが!!」

友「あ、そういえばあのコンビニの近くらしいぞ」

男「」

男「あぁーもうバイト行けない!!」(半ギレ)

友「気にするなって、単なる噂だよ噂・・・でも、お前、『視える』んだろ?」

男「視えるかどうかと視たいかどうかは別の話だっ!」

友「なはは」

男「なははじゃねえよ!!あぁーもうマジでなんでそういうこと言うの!?今日夜シフト入ってんのに!!バカなの?死ぬの!?」

友「死んだら化けて出るぞぉ~・・・」

男「やめてよおぉぉぉぉ!!」

その夜

店長「男くーん、おっつー」

男「は、はいぃ・・・お疲れ様れすぅ・・・」ゲッソリ

店長「な、なんか本当に疲れてるね・・・」

男「ふ、ふふふふ・・・」

店長「大丈夫・・・?あ、そうそう。バックヤードにある廃棄、いつも通り『処分』していいからね」

男「あ・・・いつも助かります」

男はバックヤードへ行き廃棄になった弁当をカバンに詰める。

男(えーっと、この弁当とパン・・・おにぎりは冷凍しておけばもつからな)

男(これで2~3日分のメシ代が浮くな・・・ありがたやありがたや・・・)

男がほくほく顔でコンビニを後にすると、道の途中に女性が倒れていた。

男(アカン)

先ほどまでとは打って変わって、ものすごい勢いで表情を曇らせる男。

男(こ・・・これはきっと、関与しちゃいけないパターンのやつや・・・)ドキドキ

女「・・・」

男(し、しかし・・・このまま放置しておくのも人としてどうだろうか)ウーム

女「・・・」

男(いやでもお化けだったらどうすんの?ていうかお化けじゃなくてもこの状況は普通に怖い!!)ガクブル

女「う、うぅ・・・」

男(通報か、やっぱ通報するしかないのか!?」

男が葛藤していると、その女性はむくりと起き上がりこちらを見た。

女「あ・・・あの・・・す、すみません・・・」

男(はいアウトー。さっさとお家帰ればよかった!!)ビクッ

男は仕方なく涙目のまま女性に近づく。

男「あ、あ・・・あのっ、だ、だ、大丈夫ですか・・・?」

女「は、はい・・・呼びとめてしまって、すみません」

男(・・・よかった、お化けじゃなかった・・・って)

男「あ、あの・・・救急車とか呼んだ方がいいですか?」

女「うぅ・・・ちょっと、立ちくらみがして・・・すみませんが、どこか座れるところとかないでしょうか」

男「座れるところって・・・」

とりあえず近くにベンチがあることを思い出し、そこまで彼女に肩を貸す男。

女「すみません、助かりました。ありがとう・・・」

男「い、いや・・・」

男(ど、どうしよう・・・とりあえず座れるところまでは連れてきたけど、このままにしておくわけにも・・・)

男「あの・・・本当に、大丈夫ですか?やっぱり救急車とかタクシーを・・・」

女「あ、いえ・・・大丈夫です・・・その、恥ずかしい話なんですが、私、最近ご飯を食べてなくてっ」エヘヘ

男「え」

話を聞くと、どうやら財布を落としてしまいここ4、5日食事を摂っていないらしい。

男「そ、それは災難でしたね・・・」

女「えぇ・・・私、昔からおっちょこちょいで・・・」グギュルルルルル

男「あっ」

女「・・・っ!///」

男「・・・賞味期限切れでよかったら、食べます?」

男はカバンの中から弁当を取り出す。

女「えっ・・・いいんですかっ!?」キラキラ

男「ま、まぁバイト先の廃棄品ですし・・・その代わり、俺に貰ったって言わないで下さいね!!」

女「あ、ありがとうっ!!」

女は男に抱き着いてくる。

男(あぁ・・・やわらかいい匂い・・・やっぱ人間は生身だよ。お化けじゃこうはいかn・・・)

二口女「そ、それでは・・・いただきまーすっ!」アーン

男「」

お化けでした。

男「ひ・・・あ、はわっ・・・」

二口女「あぁ・・・おいしいです・・・お米が身体に染み渡りますぅ・・・」モグモグ

男「で、出たああああああああああ!!」ダッ

あわてて逃げ出す男。

二口女「えっ!?あっ、ちょ、ちょっと待ってくださいよっ!!」

男「嫌やああああああああ!」

二口女「待ってっ、お礼を・・・!」

全速力で家に逃げ帰った男は、そのまま布団に包まる。

男(怖い、怖い、怖い、怖いっ!なんだアレ、頭の後ろに口が・・・っ!?)ガクブル

男(なんであの時スルーしなかったんだっ、俺の馬鹿っ!!)

男(・・・あれ、そういえばカバン・・・)

男がカバンを忘れたことに気が付いたまさにその時、部屋の呼び鈴が鳴る。

<ピーンポーン…

男「ひぃっ!!」

<オトコサーン、カバンワスレテマスヨォー

<ピンポーン…

<オトコサーン…モウネチャッタノカナ?

男(来るな・・・来るな来るな来るな!!お願いだから・・・帰ってくれ・・・っ!)

<ウーン ジャアシカタナイカ…

男(・・・あきらめた、か?)

二口女「えへへ・・・いきなり布団の中に入ってきちゃってごめんなさい///」ヌゾー

男「ほ」

二口女「ほ?」

男「ほぎゃああああああああああああああああああああああああ!」ジョロロロロ

男は泣きながらパンツを洗う。

男「ひっぐ、えぐっ、こんなの絶対おかしいよぉ・・・」エグエグ

二口女「す、す、す、すみません!まさかあんなに怖がられるとは・・・」

男「こ、怖いに決まってるだろ!?お化けだぞ!!」

二口女「で、でも・・・私のことが『視える』みたいだったし・・・お弁当もくれたからてっきり・・・」

男「視えるかどうかと怖いかどうかは別の話ッ!」ヒックヒック

二口女「う、うぅぅ・・・ごめんなさい」ションボリ

男「大体なんでうちまで来たんだよっ!!」

二口女「だって・・・男さん、カバン忘れてたから・・・お財布とか入ってたし・・・」

男「そのまま警察に届けてくれればよかったのに!!」

二口「そ、そんなこと言われても・・・私、男さん以外の人には視えませんし」

男「だ、大体視えないならいままでどうやって買い物とかしてたんだよっ!!」

二口女「えっ・・・?今までちょくちょく男さんのお店でお買い物してましたけど・・・」キョトン

男「」

二口女「す、すみませんでした・・・そんなに怖い思いをしていたなんて・・・私、もう帰りますね」ニコッ

男「あ・・・」

二口女「カバン、ここ置いときますね・・・お弁当、美味しかったです。本当にありがとう・・・」

そういうと、二口女の姿はふっと消えてしまった。

男(・・・なんだか、ちょっと寂しそうだった・・・な)

男はカバンの中身を片付け始める。残りの弁当や、財布の中身もそのままだ。

二口女(で、でも・・・私のことが『視える』みたいだったし・・・お弁当もくれたからてっきり・・・)

男「・・・もしかして、ずっと、寂しかったのかな」

翌日・・・

<ピンポーン

男「はーい、どなたですかー」

二口女「男さぁん」シクシク

男「」ドキーン

チェーンをかけたまま、そっとドアを開ける男

男「は・・・はい?」ブルブル

二口女「もう貴方しかいないのっ!!」ダキーッ

男「うわあああああああっ!ドアすり抜けてきたああああっ!」ビクウッ

二口女「お・・・お財布が・・・届けられたみたいなんですけど・・・私、受け取れなくてっ・・・」ウエーン

男「あ・・・そうか、俺以外の人には視えないから・・・」

二口女「男さんお願いですっ!代わりに受け取ってください!!」

男「そ・・・そう言われても・・・代理人で受け取る場合って、本人の証明書とかいるんじゃ・・・」

二口女「!!」ガーン

男「君・・・身分証明書とか持ってるの・・・?」

二口女「な、無いです・・・あは、はは・・・」

男「おお、もう・・・」

二口女「・・・」

彼女の膝ががっくりと折れる。

二口女「うふ・・・・うふふふ・・・ごはん、食べれなく・・・うふ」

男「あ、あの・・・大丈夫?」

二口女「あ、平気です・・・自分・・・土とか食べていきますんで・・・最悪、倒れて動けなくなるだけですし・・・」ウフフ

男「・・・わかったよ、ご飯くらいなら、食べさせてあげるから」

二口女「!!ほ、ホントですかっ!!」

男「その代わり!俺を脅かしたり悪いことはしないでね!!」

二口女「あ、あぁぁ・・・神様っ・・・」(感涙)

男「そんな大げさな・・・」

二口「あ、あのっ!お礼に男さんがいない間、私、掃除洗濯とか頑張りますからっ!!」

男「・・・ん?」

二口女「・・・え?」

こうして、奇妙な二人暮らしは始まった。

-CASE1 拾得物は二口女 END-

-CASE1.5 名前をつけてやる-

二口女「というわけで、これからよろしくお願いしますねっ!男さん!」

男「うーん・・・まさかこの俺がお化けと共同生活をおくるハメになろうとは」

二口「で、でもほら!私、男さんなら触れるし、後ろの口さえ隠れてれば普通の女の子と変わりませんよねっ?」ホラホラ

男「だって君他の人には視えないんでしょぉ?端から見たら完璧変な人じゃん、俺」

二口女「うぐ・・・た、確かに」

男「そんなことより・・・君のことなんて呼べばいいの?」

二口女「えっ?普通に『二口女』でいいですよ?」

男「いやそれだと安直っていうかさぁ・・・文章にしたときパッと見『エロ女』にみえるんだよねぇ」

エロ女「そんなメタいこといわれても・・・ああっ、本当にエロ女になってる!!」ガーン

男「でしょ?やっぱりよくないよ、それ」

エロ女「うえ~ん」シクシク

男「・・・そういえば、昨日あげたササミチーズカツ弁当美味しかった?」

二口女「えっ?あっ・・・はい!私ササミ大好きなんですよね~」エヘヘ

男「じゃ、ササミちゃんでええな」(直球)

ササミ「」

男「よーし、今日から君はササミちゃんにけって・・・」

ササミ「いやですううううううう!!」

男「じゃ、口が2つあるからデュアリスとか・・・」ウーム

デュアリス「車の名前みたいですね・・・」 ※ステマではありません

男「仕方ない・・・じゃあ二口だからふっちーとかでいいんじゃない」(適当)

ふっちー「そ・・・そうですね。それなら、まぁ」

男「それじゃあふっちー、ごはんにしようか」

ふっちー「はいっ!」

-CASE1.5 名前をつけてやる END-

-CASE2 からくり童子-

男「へっ、原型師?」

友「うん、せっかく美術系の学部にいるんだし。ずっとやってみたいなーとは思ってたんだ」

男「へぇ~そりゃすごい・・・確かにお前は、昔から手先が器用だからな」

友「で・・・早速応募用に作ってみたんだ・・・ほら」

男「」

友が取り出したのは、手のひらサイズの和人形だった。

友「座敷童子をテーマにしてみたんだけど、どうかな?」

男「アカン・・・コレはアカン・・・これ絶対髪が伸びたり血の涙流すタイプの奴ですわ・・・」(白目)

友「ゑー?かわいいじゃん」

男「も・・・もうダメだ。今夜夢に出ますわコレ」ガクブル

友「男は本当に怖がりだなー」ナハハ

男「だからなははじゃねえよ!せんだみつおかお前は!!」 ※分からない人は近くのオッサンに聞いてみよう

男「・・・ただいまー」

ふっちー「おかえりなさい!ごはんにする?それとも、わ・た・し?」ウフン

男「あんまり馬鹿なこといってると、今日のご飯抜きだよ」

エロ女「ひどいっ!ああっまたエロ女になってるっ!?」ガーン

男「まったく・・・はぁー」ヨッコイショ

ふっちー「あれ・・・お疲れみたいですね?」

男「ちょっと学校でね・・・」ゲンナリ

ふっちー「何かあったんですか?」

男「うん、友達に怖いもの見せられt・・・」

カバンを開けると、そこに入っていたのは「あの人形」だった・・・

男「」

ふっちー「あ、あれっ?男さ~ん・・・?」

男「」(白目)

ふっちー「あ、あの~・・・って、おぉー?どうしたんですかこのお人形」ヒョイ

男「」(白目)

ふっちー「うわー、すごい細かいところまで作りこんである・・・えっ、こ、こんなところまでっ!?///」(意味深)

男「」(白目)

人形(ふっちー)「ヒッヒッヒ・・・お前を食べるためさぁ~!!・・・なーんて、二口女お得意の腹話術を披露!!」

男「」(白目)

ふっちー「ちょ、ちょっとあの・・・男さーん?さすがにリアクションしてくれないと恥ずかしいんですが・・・」

男「・・・ハッ!!」

ふっちー「あっ、気が付きましたか!!?」

男「アカン・・・恐ろしいすぎるだろうこれ・・・」ガクブル

ふっちー「でもこれ、ちょっとディティールが半端ないだけのただのお人形じゃないですか」

男「・・・ふっちーそれ捨ててきてよぉ」

ふっちー「いや、それはさすがに・・・」

その夜・・・

男(・・・やべぇ、あの人形が気になって眠れない)

男(かといって、捨てたらなんか呪われそうだし・・・)

<カーゴメ カーゴーメー・・・

男「ひっ!」

<カーゴノナーカーノトーリーハー

男「ちょ・・・ちょっとふっちー・・・や、やめてよ・・・」

ふっちー「Zzz・・・えへへ、もう食べられないですぅ・・・」ムニャムニャ

男「」

男「えっ」

<イーツーイーツーデーヤールー

男「」ガクガク

<ヨーアーケーノーバーンニー

<ツールートカーメガスーベッタ…

人形「後ろの正面、だぁれ?」

男「ほぎゃああああああああああああ!!!?」

ふっちー「はわっ!?」ビクッ

ふっちー「どっ、どうしたんですかっ!?敵襲ですか!?」アタフタ

男「あわわわわわわわわ」ガクガク

ふっちー「あ、あら?これ、昼間のお人形・・・」

男「そ、そそそそ・・・そいつ、う、うご、うごご・・・」

ふっちー「うごうご?ウゴウゴルーガですか?懐かしいですね~」 ※分からない人は近くのオッサンに聞いてみよう

男「そいつううううううう!!動いたああああああああ!!」

ふっちー「んも~そんなわけないじゃないですか~」アハハ

男「本当だもん!本当にそいつ動いたんだもん!!・・・嘘じゃないもん」シクシク

ふっちー「いやでも、私幽霊とかお化けだったらなんとなく分かるんですけど・・・これ、本当にそんなんじゃなさそうですよ?」ナデナデ

男「ひっくひっく・・・ごめんふっちー、今日は一緒に寝て・・・」エグエグ

ふっちー「えっ・・・///そ、それはいいですけど・・・」ドキッ

男「得体のしれない人形より得体の知れたお化けのほうがまだマシだよぉ」

ふっちー「・・・ふふ、しょうがないですねぇ。男さんは」ヨシヨシ

次の日・・・

友「よう男、おはy」

男「オラアッ!!」

友「ひでぶ!!」

男「お前かッ!お前がッ、あの人形をッ!!」

友「あべし、たわばッ、ご、ごめ、ゆるし」

男「君が泣くまで殴るのをやめないッ!!」

友「ぐわあああああああああっ!!」

友「・・・ずびばぜんでじた」ボロッ

男「お前は許されざることをした・・・その痛み、死ぬまで胸に刻んでおくがよい・・・」

友「途中からちょっと気持ちよかった・・・///」ポッ

男「・・・」ドンビキ

友「冗談だよ」

男「オラアッ!」

友「おふぅ!」

男「・・・ロボット?」

友「こいつ、動くぞ」

男「いいから」

友「ただ人形を造るだけなら誰にでもできるからな。あえて今回は動くフィギュアをつくってみた」

人形「かーごめかーごーめ♪」

友「さらに内部に搭載したセンサーで対象の背後に回り込む・・・ちょうど、『後ろの正面だあれ』のタイミングでな」

男「すげー怖いからやめろマジで」

友「今までにない新機軸だらけのフィギュアだ。コンテスト入賞待ったなし!!」フンス

男「いや本当死ねばいいのに。死ねばいいのに。死ねばいいのに」

友「3回も言わなくても」

男「死ねばいいのに」

友「・・・」

男「・・・ただいま」

ふっちー「あ、おかえりなさーい」

男「ふっちーの言うとおりだったよ・・・あの人形、お化けなんかじゃなくてロボットだったみたい」

ふっちー「えっ!?ロボット!?」

男「あぁ」

ふっちー「ヘビーメタルってやつですね!?」キラキラ

男「あ、そういう重戦機的なアレじゃないから」

男「それにしても、まったく肝を冷やしたよ・・・」ヤレヤレ

ふっちー「男さん、怖がりすぎですって」アハハ

男「俺の場合、なまじ『視える』からさ、ああいうのは全部お化けの仕業に思えるんだよ・・・」

ふっちー「へぇ~、じゃあお化け屋敷とか行けませんねぇ・・・」

男「あ、ああいうとこは逆に人間がやってるのが分かってるから大丈夫」

ふっちー「えっ?本物の方も結構いますよ?」

男「えっ」

ふっちー「えっ」

二度とお化け屋敷には行かないと心に決めた男であった。

-CASE2 からくり童子 END-

-CASE2.5 赤いキリン-

男「あー・・・友のせいで昨夜は寝不足だよ・・・キリンがうらやましいぜ」

ふっちー「え、キリン?」

男「うん」

ふっちー「・・・あぁ!あのよくお酒の缶に描いてある・・・」

男「ちがうちがう、そっちは伝説上の生物。本当にいるほうのキリンだよ」

ふっちー「本当にいるほうの・・・?」

男「おいマジか・・・キリンってのはさ、ほら、首が長くて・・・」

ふっちー「首が長くて・・・あ、もしかして角とか生えてます?」

男「おー、それそれ!で、黄色地に茶色の斑模様でさ・・・」

ふっちー「ま、斑模様・・・?ど、どっちかっていうと赤ですよね?」ウーン

男「いや赤ではないだろう・・・?」ウーン

ふっちー「・・・たまになきます?」

男「あぁ、すっご~~~くたまに鳴くらしいぞ!・・・俺もCMでしか聞いたこと無いけど」 ※ナイス好奇心

ふっちー「へぇ~、CMにもなってるんですね・・・でも、なんでキリンがうらやましいんです?」

男「いや、アイツらさ、1日10分くらい寝ればいいらしいから」

ふっちー「そんなことありませんよぉ。結構普通に寝てますよ?」

男「え、そうなの?」

ふっちー「はい」

男「ていうかふっちー、寝てるとこ見たことあるの?」

ふっちー「えぇ、まぁ」

男「へぇー」

ふっちー「なんだかんだ言って、昔からの知り合いですしね」

男「・・・ん?」

ふっちー「・・・え?」

男「・・・ちょっとふっちー。君のいうキリン、ここに描いてみて?」

ふっちー「え?あっ、はい・・・」サラサラ

男「・・・」

ふっちー「できました」

男「ろくろ首じゃねーか!!!!!」

ふっちー「!?」

-CASE2.5 赤いキリン END-

-CASE3 蕗の葉の下の人-

その朝、男は味噌汁の匂いで目を覚ます

男「・・・んん」

ふっちー「あ、おはようございます」トントントン

男「んぁ・・・おはよう・・・って、何やってんの、ふっちー」

ふっちー「ふふ、居候させていただいてるお礼に、朝ごはんを作ってみましたっ!」

男(・・・お化けのくせにかわいいことするなぁ)

男「そっか・・・ありがとう、助かるよ」

男「いただきまーす」

ふっちー「どうぞ、召し上がれ」ニコ

男「うーん・・・菓子パン以外の朝飯は久しぶりだぞ・・・味噌汁が美味い」ズズー

ふっちー「えへへ・・・こうしてると、まるで新婚夫婦みたいですねっ///」

男「ぶふっ!!ゲッホ!ゴホッ!!」

ふっちー「だ、大丈夫ですかっ!?」

男「い、いきなり変なこと言わないでよ・・・あれ、この煮物・・・」

ふっちー「あ・・・蕗は苦手でしたか?」

男「じゃなくて・・・蕗なんて冷蔵庫に入ってたっけ?」

男「あれ?そういえばこの鮭も・・・えっ?」

ふっちー「あぁ、それなら朝起きたら窓際に置いてあったんですよー」

男「ほげえええええええええええ!!」ブーッ

ふっちー「あわわ・・・男さん汚いです」エンガチョ

男「そ、そんな得体のしれない食材使わないでよっ!!」プンスカ

ふっちー「大丈夫ですよぉ、多分これ、人間の仕業じゃありませんから」(ニッコリ)

男「余計怖いわっ!!」ガクガク

男「・・・コロポックル?」

ふっちー「はい、お供え物をしておくと、お返しに魚とか野菜をくれる妖精さんですね」

男「あ、なんだ妖精の仕業かぁ~!ならよし!いっただっきまーす!!」

ふっちー「え・・・妖精も人外ですけど・・・」

男「妖精が悪いことするはずないじゃん!天下を盗るなら妖精と笑え!!」モグモグ

ふっちー「あ、重戦機的なアレですねわかります」

男「妖精さんありがとう!おかわりっ!!」

ふっちー「ふふ・・・はいはい」

男「はー、朝からしこたま食ってしまった。ごちそうさま」ゲプ

ふっちー「お粗末さまです」

男「そういえば、お供え物なんてした覚えないのに一体どうして・・・」

ふっちー「あ、そういえば昨日窓際に置いてあった時計がなくなってましたよ」

男「」

ふっちー「きっと時計のお礼だったんですねぇ」

男「なんという・・・まるで泥棒じゃないか・・・まぁ、安物だからいいけどさ」

そして次の日・・・

男「うーん・・・おはよう」

ふっちー「あ、男さん」

男「ん?ふっちー何持ってんの?」

ふっちー「みてくださいこれ!チョコです!ロイズの生チョコですよ!!」ムッハー

男「お・・・てことはまたコロポックルが・・・ん?」

男「・・・そういえば、次は何が無くなったのかな?」

ふっちー「あ、なんか机の上に置いてあった本が・・・」

男「んほおおおおおおおお!!あれ講義で使う参考書だかららめええええええええええ!!」ビクンビクン

男「ど、どうしよう・・・あれがないと困るよ・・・」

ふっちー「そ、それは一大事です・・・あ、直接本人に返してもらえるよう言ってみては?」

男「へ?ふっちーコロポックルがどこにいるか分かんの?」

ふっちー「いえ・・・でも、ここ2日間連続で来てますし、今夜窓辺で待ってれば会えるんじゃないでしょうか」

男「それもそうか・・・よし、じゃあ今夜は張ってみるか」

ふっちー「おー!」

その夜・・・

ふっちー(・・・コロポックルは姿を見られることを嫌い非常に警戒心が強いと聞きます。こうやって寝たふりをしていれば・・・)ヒソヒソ

男(なるほど・・・さすがは妖精さん、随分と憶病なんだな。かわいらしいじゃないか)ヒソヒソ

ふっちー(問題は、起きるタイミングですね)ヒソヒソ

男(あぁ、急に起きたら驚いて逃げてしまうかもしれないしな)ヒソヒソ

ふっちー(ここはひとつ、寝言のふりして足止めしてはどうでしょう)ヒソヒソ

男(なるほど・・・どうやって?)ヒソヒソ

ふっちー(たとえばですね・・・『ムニャムニャ・・・この窓をくぐる者は一切の希望を捨てよッ!!』クワッ

男「怖いわ!!コロポックルじゃなくても即逃げるわ!!」

<ガタッ

ふっちー(あっ、物音がっ!?)

男(ちょ、もしかして今ので逃げたんじゃ・・・)

ふっちー「・・・てへぺろ☆」

男「おいコラ」ツネー

ふっちー「ごえんらはい(ごめんなさい)・・・」ムギュー

ふっちー「や、やっぱりですね、いきなり直接会うのは難しいかもしれませんね」スリスリ

男「提案した君がそれを言うのか」

ふっちー「その、手紙とか書いておいておいたらどうでしょう」

男「あ、なるほど。その手があったか」

ふっちー「窓際にお供え物と一緒に置いておいたらきっと読んでくれますよ!」

男「ふむ、じゃあ早速試してみよう」

さらに次の日・・・

ふっちー「男さん、参考書が戻ってきてますよ!!」

男「え?あ、本当だ!!」

ふっちー「よかったですねー」

男「ふー、焦ったー・・・」

ふっちー「あと、一緒にこんなものが」

男「ん・・・?これは、イクラ?なんと、そこまで気を遣わなくてもいいのに・・・」

ふっちー「これは何かお返ししたほうがいいかもしれませんねぇ」

男「そうだなぁ・・・とりあえずバイトから帰ってきたら考えるよ」

・・・

男「ただいまー・・・よっこらせっと」ドスン

ふっちー「おかえりなさい・・・あっ、それはキリンのお酒じゃないですかっ!」

男「うん、イクラのお返しに、ビールでもあげようかと思って買ってきた」

ふっちー「へぇ~、ビールかぁ。私飲んだことないんですよねぇ」ワクワク

男「これはコロポックルへのお返しだから・・・ふっちーはまた今度ね」

ふっちー「ちぇっ」

翌朝。

男が目を覚ますと、小さなおっさんが窓際でいびきをかいていた。

男「・・・」ドンヨリ

ふっちー「ど、どうしたんですか男さん、そんながっかりした顔して・・・って、あれ?もしかしてこれ、コロポックル?」

男「妖精っていうから・・・もっとこう・・・エルフっぽい感じを想像してたのに・・・」シクシク

ふっちー「それでがっかりしてたんですか・・・」

男「だってこんな高倉健似の妖精がロイズの生チョコくれるなんて想像つかないよ・・・」

ふっちー「そ、それはまぁたしかに・・・」

その後、目を覚ましたコロポックル(高倉健似)は、酔いつぶれて寝てしまったことと参考書を勝手に持って行ってしまったことを謝って去って行った。

ついでに二日酔いでしんどそうだったので、一緒にヘパリーゼも渡しておいた。 ※ステマではありません

すると次の日、男の部屋にどっさりと北海道の名産品が届けられた。

男「コロポックル(高倉健似)のやつ・・・いいっていってるのに。義理堅っちゅーかなんちゅーか・・・」

ふっちー「まるで北海道物産展ですね・・・あっ、か、カニですよっ!男さん!!」カニー

男「こっちはジンギスカンキャラメルと水曜どうでしょうのDVDか・・・彼、実は北海道の親善大使か何かじゃないのか?」

ふっちー「あはは、かもしれませんねぇ」

男「・・・ま、せっかく頂いたんだ。有難くいただくとしよう」

ふっちー「そうこなくっちゃ!!今夜はカニ鍋にしましょう!ねっ!?」

男「はいはい」

-CASE3 蕗の葉の下の人 END-

-CASE3.5 飲みに来ないか-

ふっちー「カンパーイ!」

男「はい、乾杯」

ふっちー「へぇ~これがビールかぁ~へぇ~」ゴクゴク

男「お、おぉ・・・すごいペースで飲むね。苦くないの?」

ふっちー「ップハー!!いやそれがですね、苦いんですけどこれ、一口飲むたびに頭がジンジンしてきて面白いんですよ」アハハ

男(これはアカン)

ふっちー「見てみて男さん!ほら、バルタン星人~」カニノハサミ

男「食べ物で遊んじゃいけません」

ふっちー「タハーッ!怒られちゃった!まいったね、コリャ!」ゴクゴク

男「ふ、ふっちー・・・ビールはそろそろやめといたほうが・・・」

ふっちー「うふふ・・・男さぁん、さっき食べ物で遊んじゃだめっていいましたけどぉ」ヒック

男「あ、あぁ・・・」

ふっちー「・・・男さんでだったら、遊んでもいいですかぁ?///」

男「えっ」

ふっちー「う、生まれる前から好きでしたー!」ガバチョ

男「ちょ、や、やめろっ!鍋のまわりで暴れるなって!!危ないから!!」

ふっちー「そんなつれないことを言うのはこの口かぁーっ!」ブチュー

男「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ーーーーー!」

ふっちー「ちゅぷっ・・・んむっ・・・れるっ・・・」

男(え、ちょっ、マジで!?舌入ってきたっ!!あぁぁでも酒くせぇ~)

ふっちー「ぷはっ・・・へへ、男さんの唇、いただいちゃいましたっ///」

男「の・・・飲みすぎだって///」(お化け相手に興奮してる自分が悲しい)

ふっちー「さぁ・・・キスの次は・・・一緒に・・・」

男「ちょ、ちょっとふっちー・・・?」ドキドキ

ふっちー「い、一緒に・・・気持ち良いコト・・・気持ち、気持ち・・・気持ち悪・・・」オエ

男「えっ」

男は彼女を抱えトイレに向かう。

ふっちー「お、おえぇ・・・」エレエレ

男「まったくもう、飲みすぎだよふっちー・・・」サスサス

ふっちー「す、すみませロロロロロロ」ビチャビチャ

男(・・・いかん、俺までもらいそう)ウプ

ふっちー「うっ・・・!?はぐっ・・・そ、そっちは・・・っ!だ、だめっ・・・」

男「え・・・なにが」

後ろの口「オロロロロロロロロ」ビチャビチャ

男「」ビタタッ

その後、トイレは男の貰いゲ○とふっちーのダブルリバースで地獄と化した。

-CASE3.5 飲みに来ないか END-

※いまさらですがCASE3.5には一部不快な表現があります。お食事中の方はご注意ください。


今日はここまでです
次は濡れ女あたりの予定です

書き込みをいただいた方、どうもありがとうございます
一応、前作を呼んでなくても大丈夫な物語にしたいと思います

キリンって麒麟じゃなかったのかwwww

あとふっちー二口女じゃなくて最初ニロ女って読み間違えてたぜ

ニロちゃん…誰だよ…

>>86-89
ニロちゃんにすればよかった マジローマ帝国第5代皇帝っぽくてかわいい



-CASE4 濡れ女帰国する-

ふっちー「・・・雨やみませんねぇ」

男「そうだなぁ・・・」

ふっちー「あ、プレゼントだ」

男「ふむ、遊園地にすべきか、カジノにすべきか・・・」

ふっちー「空港要求されてますし、ここはお金を稼ぐためにもカジノかと」

男「でもなぁ・・・後々のことを考えると地価をあげなきゃいけないから遊園地も捨てがたいんだよなぁ」ウーン

<ウーウー

ふっちー「あ、洪水おきた」

男「」

ふっちー「あわわわ・・・同時に12箇所も・・・!?」

男「・・・最後にセーブしたの、どれくらい前だっけ?」

ふっちー「た、たしかシティになったばかりの頃だったかと・・・」

男「・・・」ポチッ

男は静かにスーファミの電源を切る。

男「あぁー、この雨じゃ外にも行けないよー」ゴロゴロ

ふっちー「あ、大雨洪水警報でてますね」

男「ちょっと川の様子みてくる」

ふっちー「死ぬ気か」

男「もうシムシティ→ぬし釣り→ドラクエのループは飽きたよー」

ふっちー「男さん、一人でやるゲームばっか・・・あっ」(察し)

男「よし、今日はふっちー晩ご飯抜きね」(ニッコリ)

ふっちー「」

ふっちー「それにしても、暇ですねぇ~」ゴロゴロ

男(・・・あ、ふっちーパンツ見えそう)

男(そういえば、ふっちーが来てからあんまりあっちの処理してないなぁ・・・)

男(こないだちょっとエロいイベントはあったけど・・・あの後の出来事が凄惨すぎて正直それどころじゃなかった・・・)

ふっちー「ふんふ~ん♪」

男(こうやって普通にしてればかわいい女の子なのになぁ・・・)

ふっちー「?どうしたんです、男さん」

男「・・・いや、なんでもない。ちょっとトイレ行ってくるね」

ふっちー「はーい」

数分後・・・

男「・・・おい、ふっちー」ビキビキ

ふっちー「はい?どうしました?」

男「トイレの窓開けっ放しだったでしょ?」

ふっちー「えっ!?」

男「床がびしょ濡れだったんだけど」ビキビキ

ふっちー「え・・・わ、私じゃないですよっ!!」

男「・・・ふっちー明日の朝ごはんも抜きね」

ふっちー「ひどいっ!冤罪ですぅ!!」ガーン

男「だってふっちー以外に犯人いないでしょうが!!」プンスカ

ふっちー「うぐ・・・た、確かに酔ったときのことは謝りますけど、今回ばかりは私じゃないんですぅ!!信じてくださいっ!!」

男「・・・嘘ついてない?」

ふっちー「本当ですっ!!」

男「本当に?」

ふっちー「神に誓って!!」

男「・・・えっ」

ふっちー「えっ」

男「なにこれ怖い」ガクガク

男「つ、つ、つ、つまり俺たち以外の誰かによる犯行ってことなのか・・・?」アワワ

ふっちー「あ、あの・・・念のため聞きますが、男さんが閉め忘れたわけじゃないんですよね?」

男「そ、それはない・・・だって今朝トイレ行ったときは、たしかに閉まってたし・・・それ以降、トイレには・・・」

ふっちー「これは・・・ひょっとすると・・・」

男「やめてっ!それ以上言わないでっ!!」ビクン

ふっちー「と、とにかく・・・もしその、私達以外の仕業だったとしたら・・・わ、私が何とかしますっ!」

男「ふっちーかっけぇ・・・ふっちー△・・・」

?「・・フフ、見つけた・・・」ヒタリ・・・

男「」

ふっちー「あ!あなたはっ!!」

濡れ女「久しぶり・・・元気にしてた?」

ふっちー「濡れ女ちゃん!!」ピョーン

濡れ女「フフ、変わらないわね、二口女ちゃん」

ふっちー「濡れ女ちゃんこそ!!いつギアナ高地から帰ってきたの!?」

濡れ女「ちょうど先週よ・・・それよりそこの方、大失禁しているようだけれど」

男「」ジョロロロロロロロ

ふっちー「あわわわ、こっちも大洪水・・・」

男「うーん・・・ハッ!」

ふっちー「あ、気が付きました?」

男「さ、さっきの声は一体!?」

ふっちー「あぁ、それは・・・」

男「やめてっ!それ以上言わないで!」

ふっちー「え、でも」

男「ああぁぁぁもうだめだ!こうなったら風呂場の中に隠れて・・・」

ふっちー「あ、今お風呂場には・・・」

男「ほぎゃああああああああああああああああああああ!」

ふっちー「もう本当、どうすればいいんですか・・・」ガックシ

男「お・・・おば、おばおば・・・」パクパク

濡れ女「あら、まだおばさんってほどの見た目じゃないと思うけど?」

男「ひ、ひぃっ・・・で、出たぁ・・・」ガクガク

ふっちー「男さーん、大丈夫ですかぁ」

男「ふっちー!あ・・・で、出たんだ!!お化けが!!」

ふっちー「私もそうなのですけど」

男「ちがうよ!!もっとグラマーで、艶っぽくて、お淑やかそうなやつが!!」

ふっちー「殴りますよ?」ビキビキ

濡れ女「・・・落ち着いた?」

男「・・・はい」

ふっちー「まったく男さんは・・・」

男「ごめんなさい・・・」ションボリ

濡れ女「ふーん・・・珍しいわね、私達が『視える』だなんて」

ふっちー「でしょぉ~?」

濡れ女「で・・・あなたは二口女ちゃんと一緒に暮らしてるの?」

男「・・・はい」

濡れ女「・・・同棲?」

男「えっ・・・まぁ、その」

濡れ女「濡れるッ!!」ハァハァ

男「えっ」

ふっちー「濡れ女ちゃん下ネタはほどほどにねー」ヤレヤレ

濡れ女「で・・・あなたは二口女ちゃんと一緒に暮らしてるの?」

男「・・・はい」

濡れ女「・・・同棲?」

男「えっ・・・まぁ、その」

濡れ女「濡れるッ!!」ハァハァ

男「」ビクッ

ふっちー「濡れ女ちゃん下ネタはほどほどにねー」ヤレヤレ

濡れ女「で?二口女ちゃんとはどこまでいったの!?」ハァハァ

男「ど、どこまでって・・・(食い気味だなぁ・・・)」

濡れ女「もう一緒に寝たの!?」

男「え・・・ま、まぁ(ていうか全然お淑やかじゃなかった)」

濡れ女「くぅ~!!」ジュン

男「あ、でも寝たって言ってもそういうことをしたわけじゃ・・・」

ふっちー「キスまではしたよー」(断言)

男「!?」

濡れ女「あぁぁたまりませんっ!!」ジュワー

男(・・・ふっちー、もしかして彼女、その・・・痴女?)ヒソヒソ

ふっちー(いや・・・ちょっとエッチな話が好きなだけ・・・感情が高ぶると、いろんなところが濡れちゃうんだって)ヒソヒソ

男(いろんなところって・・・///それ十分痴女じゃないですかやだー)

濡れ女「はぅ・・・久々にそんな話聞いたから、随分遠くまで濡れちゃったわね///」ハフゥ

男「・・・遠くまで?」

<臨時ニュースです・・・気象庁は今日午後、北海道を含む日本全国に大雨洪水警報を発令しました

男「」

ふっちー「もー、やりすぎだよ濡れ女ちゃん」

濡れ女「ごめんなさい・・・///」

男「・・・」

翌日・・・

男「おー・・・久々に晴れたな」

ふっちー「・・・濡れ女ちゃん、今度はアマゾンに行くんですって」

男「アマゾン・・・山本大介か・・・」 ※分からない人は(ry

ふっちー「言うと思いましたよ。そっちじゃないです」

男「彼女ぐらいの力の持ち主なら、サハラ砂漠にでも行けばさぞ喜ばれるだろうに・・・」

ふっちー「いやー、さすがにあそこまで水がないと、干からびて消えちゃいますねぇ」

男「そ、そうなんだ・・・」

ふっちー「何でも今回は、四国地方に雨を降らせるため日本に来たんだとか」

男「あぁー・・・うん、あそこは水がなくなると困るからね」

ふっちー「そうなんですか?」

男「あそこのとある地方では、水不足でうどんが茹でられなくなることは死活問題なんだよ」

ふっちー「へぇ~・・・あっ、じゃあ今日の昼ごはんはうどんにしましょう!!」

男「ふっちー食べることばっかだなぁ」

ふっちー「いいじゃないですかっ!生きることは食べることだっ!!」

男「あなたお化けなんですがそれは」

ふっちー「お化けだって生きてるんですっ!!」

-CASE4 濡れ女帰国する END-

-CASE4.5 ナニカ-

男「うどん茹だったよー」ネギイレル?

ふっちー「うわーおいしそう!いただきます!!」モリモリデ!!

男「めしあがれ」

ふっちー「ずるずる・・・うまい、うますぎる」

男「それはうどんじゃなくてまんじゅうです」 ※風が語りかけます

ふっちー「うどんといえば、鍋焼きうどんってあるじゃないですか」

男「うん」

ふっちー「あれ、なんで鍋『焼き』なんですかね?」

男「・・・さぁ?」

ふっちー「言うほど焼いてませんよね」

男「むしろ煮込んじゃってるね」

ふっちー「そしてカップ焼きそばも実はアレ焼いてませんよね」

男「あれは元ネタが焼いてあるからいいんじゃない?」

ふっちー「焼うどんは確かに焼いてありますけど、『鍋』焼きうどんは焼いてないんですよ」ウーン

男「あ、うどんじゃなくて鍋が焼かれてるからなんじゃない?」

ふっちー「それだ」

男(ニッコリ)

ふっちー「考えてみればすき焼きも言うほど焼いてませんしね」

男「関西のほうじゃ最初に肉を焼くらしいけど・・・もとは農民が鋤の上で肉を焼いたから鋤焼きが転じたって説もあるね」

ふっちー「えー、昔の人そんなことしてなかったですよぉ」

男「・・・ふっちー歳いくつよ」

ふっちー「うふふ、秘密ですっ」

-CASE4.5 ナニカ END-

-CASE5 3分ネクロマンシー-

ふっちー「あ、男さーん。なんか革製品ってもってます?」

男「ん、革?サイフとベルト・・・くらいかな」

ふっちー「そこに文字が書きたいんで、いらない奴が欲しいんですけど」

男「そんなもんねーy・・あ、ちょっとまてよ」ガサゴソ

男「はい、これ」

ふっちー「なんですか、これ?」

男「友からもらった手作りのレザーブレスレット」

ふっちー「え、いいんですか」

男「ブレスレットとは名ばかりのクズ革の寄せ集めだしね。いいよ」

ふっちー「ありがとうございます!」

ふっちー「あとは・・・『血』が欲しいんですけど」

男「」

ふっちー「さすがにこれは男さんから貰うわけには・・・」

男「アカン・・・このお化け娘一体何を始めるつもりなんや・・・」ガクガク

ふっちー「あ、いや大したことないんですよ?ちょっと降霊術の実験をしてみようかと」

男「やめろ」(迫真)

男「・・・ミュンヘン式書?」

ふっちー「はい・・・こないだ濡れ女ちゃんからもらったお土産なんです」

男「あの、お化け同士の交流をするのは結構なんですが、俺を巻き込まないでくれますかねぇ」

ふっちー「すみますん・・・」

男「そこで噛むなよ」

男「とにかくこの本は没収します」

ふっちー「がーん」

男「さすがに捨てはしないけど・・・降霊術なんて絶ッッッッ対にやらないこと。やったらこの家から出て行ってもらいます」

ふっちー「・・・わかりまんた」

男「だからそこで噛むなって」

男「・・・それにしても、随分ファンシーな装丁だなぁ」

ふっちー「中身もすっごくカワイイんですよ!!」ホラホラ

男「ふーん・・・あ、この豚とかまんまピグ○ットじゃん。あの会社に怒られるぞー」

ふっちー「あっ、そのコ生贄なんで次のページくらいで首切られますよ」

男「怖えぇよ!!」ビクッ

男「なになに・・・『降霊術の基本は契約書・魔法陣・生贄の3つです』・・・」

ふっちー「あれ、続きも読むんですか?」

男「内容を知っとかないと、もしふっちーがやろうとしてた時に止められないからね」

ふっちー「そんなことしませんよぉ・・・」

男「ふむ・・・『契約書(羊皮紙など動物性のもの)には降霊術の契約者となる者の名前を書く』か」

ふっちー「あれ?このブレスレット、男さんの名前が刻まれてますね」

男「うん・・・友がそういうことやってくるのも気持ち悪くてつけてないんだ」

ふっちー「何気に辛辣なこと言ってますね・・・よし、じゃあそろそろ私夕ご飯つくりますねぇ」

男「あ、うん。お願いー」

男「えー、なになに『次に魔法陣を描く』・・・思ったより単純なもんだな。ほとんどただの円じゃないか」

ふっちー「今日は豚汁でいいですよね?」ヨッコイショ

男「うん。あ、ふっちーそのコンロ使うんだったらIH用の鍋ださないとダメだよ」

ふっちー「あ、この鍋底に輪っかの模様がついてるやつですね?はいはーい」

男「ん」

男「『魔法陣の中心に降霊対象となる物体を入れる』」

ふっちー「えーと、大根とにんじんとごぼうと・・・」

男「ジャガイモはそこの戸棚に入ってるから」

ふっちー「男さんこんにゃくと豆腐だったらどっちがいいですかぁ?」

男「こんにゃくー」

男「『全ての準備が整ったら生贄の血を捧げる』・・・あぁ、それで血を」ガクブル

ふっちー「野菜を切って・・・あとはお肉、と」

男「あ、その豚肉消費期限大丈夫?」

ふっちー「ギリギリセーフですね、今日までです。ただドリップがすごいですけど」タラー

男「古いから仕方ないね」

男「『最後に、悪を讃える呪文を唱える』・・・うーん、こんな簡単なもんなのか?降霊術って」

ふっちー「よーし火が通ってきた。あとはお湯と出汁を入れて・・・と」

男「ま・・・ミュンヘンとかついてる割に記述日本語だし、やたらファンシーな内容からみてもこいつは偽物で確定だろうな」ヤレヤレ

ふっちー「うわー、これ『アク』すごい!やばい!!」

カッ!!!

男「」

コンロ上の鍋からまばゆい光が漏れる

ふっちー「ひょわあっ!?」

男「なんでだよ!!なんでだよ!!?」ガクガク

ふっちー「むしろこっちがなんでですか!?」アワワワ

男「まずいよコレ・・・零が降りてくるって!!」

ふっちー「ええっ!?」ナンデ!?

ふっちー「わ、私はただ、晩御飯の豚汁を作ろうと・・・!」アワワ

男「こ、こうしちゃいられない!すぐに逃げ」

鍋「あっちいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

男「」

ふっちー「」

鍋「出して!マジはやく出して!!うおおおおなんでいきなり拷問されてんの!?」

男「・・・」

ふっちー「・・・」

鍋「はやくうううううううううううう!ここから出してえええええええ」ゴポゴポ

男「ねぇふっちー・・・降霊術で呼んだ霊って、どうやったらいなくなるの?」

<ネエダレカイルンデショオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ふっちー「あ・・・えーと『契約を破棄する場合は契約書を燃やしその灰を水に流す』・・・だそうです」

<チョ、ホントラメエエエエエエエエエエエ

男「・・・そのブレスレット、ちょうだい」

<シミコンデクルウウウウウウウウウウウウウ

ふっちー「・・・はい」

男「・・・」カチッ、シュボッ

<ウオオオオオオオオオオオオオオオオオ

ふっちー「・・・」

男「・・・」ジャーゴボゴボ・・・

<オ…オオォ…

<…

ふっちー「・・・静かになりましたね」

男「俺あの豚汁食えねえよぉ・・・」シクシク

-CASE5 3分ネクロマンシー END-

-CASE5.5 Unchained Melody-

ふっちー「そういえば、男さんってなんでお化けとかそんなに怖がるんです?」ハテ

男「いや・・・普通の人は怖がると思うよ?」

ふっちー「でも、男さんの場合は『視える』わけですよね。そういう人たちって結構、私達のこと怖がらない場合が多いんですよね。ていうかアグレッシブに退治しにきたりしますし」

男「・・・」

ふっちー「・・・実は昔何かあった?とか」

男「」ギクッ

ふっちー「図星ですか」

男「・・・」ダラダラダラ

ふっちー「なんならお姉さんに話してごらんなさい?」ホレホレ

男「お化けに相手に話して何が解決するというのか・・・」

ふっちー「むしろお化けだからこそ何か手助けができるかもしれませんよ!!」

男「・・・」

男「・・・あれは小学校2年生の頃だったかな」

ふっちー「ショタ男さんktkr」ハァハァ

男「体育の授業でグラウンドに座っていた俺は、ふと学校の脇にある交差点を眺めていたんだ」

ふっちー「あぁ~短パンで体育座りするといろいろ見えちゃいそうですねぇ~」ウヘヘ

男「黙れよエロ女」

エロ女「」

男「・・・そこへ、ふらふらと自転車に乗ったおじいさんが通りかかってな」

ふっちー「ふむふむ」

男「次の瞬間、おじいさんは猛スピードで交差点に突っ込んできた車に撥ねられたんだ」

ふっちー「えっ」

男「おじいさんインザスカイ・・・後にこう呼ばれることになる事件は幼い俺にトラウマを植え付けるには十分だった」

ふっちー「ま、まぁ確かに小さい頃にそんなものみたら衝撃的かもしれませんねぇ・・・」

男「で・・・たまたま逃げた車の特徴を覚えていた俺が警察に状況を話したところ、ひき逃げ犯は逮捕。俺は警察から表彰をうけた」

ふっちー「おぉー、ここまではまぁそれなりにいい話のようですけど」

男「・・・そこからなんだよ。本当にトラウマになったのは」

ふっちー「へ?」

男「その後、撥ねられたおじいさんの霊が枕元に現れるようになってな」ガクガク

ふっちー「あらまぁ」

男「しかも死んだ当時の姿のまま来るから・・・首とか・・・内ぞ・・・うっぷ」

ふっちー「それはエグいですね」

男「なんか知らんが気に入られたらしくって、毎晩枕元に出てくるんだよ・・・」ブルブル

ふっちー「まぁ、自分を撥ねた相手を捕まえる手助けをしてくれたわけですからねぇ」

男「俺はもう怖くて怖くて・・・夜もまともに眠れなかった」

男「そんな俺の様子を心配した両親が、俺をお祓いに連れて行くことになってな」

ふっちー「ほうほう」

男「祈祷が始まったその瞬間、祓われそうになったおじいさんはブチ切れ、怒った爺さんに襲われた俺はそのまま気を失う」

ふっちー「うわー・・・」

男「気づけば俺は病院・・・それ以来、幽霊やお化けが怖くて仕方ないんだよ」ガクブル

ふっちー「それはかわいそうでしたねぇ」ヨシヨシ

男「以降、俺は霊やお化けといった類のものにはなるべく関わらないことに決めたんだ・・・」

ふっちー「そうだったんですか・・・」

男「まぁ、小さな頃からそういう奴らに語りかける俺を見る両親の『あっ、この子ヤバイわ』っていう視線も一因ではあったと思うが・・・」

ふっちー「それまでは怖くなかったんですか?」

男「まぁな・・・昔はそういう分別もついてなかったし」

ふっちー「・・・ふふっ」

男「ん?どうしたの?」

ふっちー「いや・・・今の話を聞いてて思ったんですけど。男さん、私のことは怖くないんですか?」

男「いや普通に怖かったよ。布団に入ってこられたときは死を覚悟したし」

ふっちー「でも今は大丈夫なんですよね?」

男「・・・まあね」

ふっちー「私、男さんに会えてよかったです」

男「お腹一杯食べられるしね」

ふっちー「そうじゃなくて・・・いや、もうそれでいいです」

男「とんだ押しかけ女房だよ、まったく」

ふっちー「そんな・・・女房だなんて///」クネクネ

男「ま、メシさえ食わしておけば無害なのはわかってるしね」

ふっちー「もう男さんの中では私食いしんぼうキャラで確定なんですね・・・」シクシク

男「実際そうじゃん・・・そういえば実家からサツマイモが送られてきたんだけど」

ふっちー「焼きます!?あぁーでも大学いもも捨てがたいですよね!!あぁ天ぷらもいいなぁ・・・」ジュルリ

男「やっぱりただの食いしんぼうじゃん」

ふっちー「とりあえず早速クックパッドでさつまいもを使ったレシピを調べましょー!!」

男「はいはい・・・」

-CASE5.5 Unchained Melody END-

-CASE6 四谷怪談のお岩さん-

ふっちー「あれ、男さんなんです?それ」

男「あ・・・サツマイモと一緒に実家から送られてきたんだよ」

ふっちー「メンソレータム・・・薬ですか?」

男「うん、傷口なんかに使う塗り薬だね」

ふっちー「へぇ~」

男「とはいえこんな量送ってこられてもなぁ・・・」

ふっちー「確かにすごい量ですね・・・」

男「昔はよく怪我したとき塗ってもらったけどね・・・最近はそんな怪我することもないし」

ふっちー「あ、それお化けにも効きますかね?」

ふっちー「さぁ?どうだろ。どっか怪我してるの?」

ふっちー「実はこの間包丁を使ってるときに指を切っちゃいまして・・・」

男「あらら、早く言えば良かったのに・・・どれ、見せてごらん」

ふっちー「ここです」グチャ

男「」

ふっちー「いや~、結構深くまで切っちゃったみたいで」エヘヘ

男「深いし範囲広すぎるわ!骨切りした鱧みたいになってるじゃねーか!」 ※ググらない方がいいです

男「ちょ・・・これ・・・メンタムどころの騒ぎじゃないでぇ」ガクブル

ふっちー「大丈夫ですよぉ、一応このままでも2~3年すれば治りますから」アハハ

男「大体どうやったらこんなことになるんだよ!!」

ふっちー「・・・私、むかしからおっちょこちょいで」テヘッ

男「人間界だったらおっちょこちょいのワールドレコードとれるぞ・・・」

男「ちょっと、俺そこ触りたくない・・・悪いけど、自分で塗って」ウプ

ふっちー「ゑー、塗ってくれないんですかぁ」

男「見てるだけで痛いわ!!頼むからはやく隠してくれそれ」ガクガク

ふっちー「はーい」

男(・・・あの指で調理されたメシ食ってたのか、俺・・・)オエ

ふっちー「お、おおっ!?」

男「・・・どしたの」

ふっちー「お、男さんこれ見てくださいっ!!」

男「うわ見せるなっ・・・!って、傷が、消えてる・・・?」

ふっちー「すごい・・・」ホヘー

男「すげぇな、ロート製薬・・・」 ※ステマではありません

ふっちー「塗った瞬間に治りましたよ・・・」スゲー

男「ふーむ・・・もしかして、お化けには特異的に効くんだろうか・・・」

ふっちー「・・・あ、そしたら私の知り合いにすっごい怪我してる娘がいるんですけど!」

男「はぁ」

ふっちー「その娘に使ってあげてみてもいいですかね?」

男「いいけど俺行かないよ・・・だってその娘もお化けなんでしょ?」

ふっちー「もちろん!」

男「うへぇ・・・」

ふっちー「じゃ、男さんが行かなくてもいいように早速呼んできますねっ!」ピュー

男「え、ちょ・・・ちげーよバカ!!呼んでくるな!!」

ふっちー「ただいまー!!」

お岩「・・・」

男「ほぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!」バタッ

ふっちー「じゃ、メンタム使わせてもらいますねー男さん」

男「」(失神)

ふっちー「あらら・・・じゃ、お岩ちゃん、こっちむいて」

お岩「・・・」

ふっちー「ほーれ、いたいのいたいの、どっかのドMのところに飛んでいけー」ヌリヌリ

お岩「・・・!」

・・・

男「・・・ん」

ふっちー「あ、気が付きました?」

男「ほわたぁっ!!」ズビシ

ふっちー「うわらばッ!?」

男「お化け同士の交流はともかく俺を巻き込むなっていったでしょおおおお!!」

お岩「あ、あの・・・」

男「嫌ぁぁぁぁぁあぁ!!」

お岩「」

ふっちー「イタタ・・・なにもそこまで怒らなくても」

お岩「二口女ちゃん大丈夫・・・?」

ふっちー「うん、平気・・・」

男「よそでやれ!!」(憤怒)

ふっちー「まぁまぁそう言わずに・・・お岩ちゃんも男さんにお礼が言いたいそうですし」

男「い、いいよお礼なんて・・・」

お岩「そういうわけにはいきません・・・本当に、ありがとうございました」フカブカ

男「い、いや・・・って、アレ?今更だけどふっちー、この女の人だれ?」

ふっちー「?さっき連れてきたお岩ちゃんですけど」

男「もしかして、さっきのあの顔面ミートボール!?」

お岩「」

ふっちー「いや男さん、それは言いすぎですよ・・・」

男「いやいやいやいや、あれは俺史上ベスト3に入るくらいのお化け面だったぞ。ばくだんいわがイケメンにみえるくらいのレベルで」

お岩「」

ふっちー「ま、まぁ私も今日初めてお岩ちゃんの素顔を見ましたけど・・・」

お岩「昔・・・亭主に毒を盛られましてね・・・それであのような顔に」

男「は・・・はぁ」

ふっちー(・・・男さん、こう見えてお岩ちゃん、お金持ちなんですよ)ヒソヒソ

男(えっ)

ふっちー(お化けを使った配送サービス業の元締めなんです、彼女)ヒソヒソ

男(はぁ・・・)

ふっちー(私が前に持ってたお金も、お岩ちゃんのところでアルバイトしてもらったお金なんです)ヒソヒソ

男(そ、そうだったんだ・・・)

お岩「このお返しは、近いうちに必ず・・・」

男「あ・・・別にいいよ、この薬だってもらい物だし」

お岩「いえ、そういうわけにはいきません・・・男さんがいなければ、このような施しもうけられなかったでしょう」

男「は、はぁ・・・」

ふっちー「お岩ちゃん、わたしお肉食べたい、お肉!」

男「あ、おいふっちー・・・」

お岩「わかりました・・・では手配しますね。本当に今日はありがとうございました・・・」スゥー

男「いや思いっきりお肉ねだってたよね」

ふっちー「うっ」ドキ

男「本当はお礼目当てだったんじゃないの?」

ふっちー「うぐ」ドキドキ

男「しかも彼女がお金持ちだって、知ってたんでしょ?」

ふっちー「うぐぐ」ドキドキドキ

男「あぁーお化け同士なのにそういう繋がりってなんか幻滅するわー」

ふっちー「うぐぅっ!」ドキーン

男「ふっちーは、食べ物さえ手に入ればそれでええんや・・・」ジトー

ふっちー「う、うううっ!確かにお礼はちょっと期待してましたけどっ・・・でもそれだけじゃないんですぅ!!」シクシク

男「大体なんでここに連れてきたのさ」

ふっちー「そ、それはっ!!」

男「メンタムだけ持って彼女のところで全部済ませてくればよかっただろうに」

ふっちー「うう・・・」ションボリ

男「わざわざ俺を怖がらせて楽しんでるんですね?わかります」

ふっちー「ち、違いますっ!!」

男「どうだか・・・?」

ふっちー「本当に・・・本当に違うんですっ!!」

男「ま、金輪際こんなことを繰り返すようならさすがに出て行ってもらうから・・・」

ふっちー「・・・」

男「これに懲りたら二度とこんなことは・・・って、あれ?ふっちー?」

男「逃げた・・・か」

男「まったく、しょうがないな・・・」

-CASE6 四谷怪談のお岩さん END-

-CASE6.5 Restless Dream-

ふっちー(うぅ~、男さんのバカッ!)

ふっちー(私の気持ちも知らないで・・・もう男さんのところになんてもどらないんだからっ!)プンスカ

ふっちー(とはいうものの・・・どうしよう。何も持たないで出てきちゃった)

ふっちー(まぁいっか・・・どうせ倒れて動けなくなるだけだし・・・)

・・・

男「ふっちーのやつ・・・どこに行ったんだ?」

男「あれからもう3日は経ってるぞ・・・まぁお化けだから死ぬことはないと思うが・・・」

男(・・・でもそういや、出会ったとき4,5日食ってないだけで動けなくなってたな・・・)

<ドサッ

男「」ビクッ

男「こ・・・これは肉?なんでパソコンの前に・・・」

男「あ・・・一緒に手紙が入ってるな・・・」

『先日はどうもありがとうございました。顔にあった傷の具合もすっかり良くなりました』

『二口女ちゃんが食べたそうにしていたのでお肉を送ります。よかったらお二人で召し上がってください -お岩-』

男「黒毛和牛・・・だと?・・・これはふっちー喜ぶな」

しかし、その夜になっても彼女は帰ってこなかった。

さらに数日後・・・

男「おかしいな・・・まだ帰ってこない・・・ひょっとして、どこぞで成仏しちまったのか?」

男「でも幽霊はともかくお化けって成仏するんだろうか・・・?うーん、どこ行っちゃったんだろ」

もう1週間近く姿を見せない彼女に、さすがの男も気にかけ始める。

男(どうしよう・・・探しにいくか?でも、どこにいそうかなんて全然分からないし・・・)

男(そもそもなんで探すんだ?彼女はお化けだぞ?別に探してやる義理もないんじゃないか?)

一人男は葛藤する。

男「・・・あれだけの量の肉、一人じゃ食いきれないしな」

適当な言い訳を見つけ、部屋を出る男。

男(とりあえずここらへんをさがしてみるか・・・)

しかし、夕方になっても彼女は見つからなかった。

男(どーこいっちまったんだか・・・)

ぼんやり夕日を眺める男。

男(ま・・・俺と会うまでもなんとかなってたっぽいし、多分大丈夫だろ)

男「・・・帰るか」

そう言って歩き始めた男はふと足を止める。

男(そういや、あそこはまだだったか)

男はバイト先近くのベンチを目指す。初めてふっちーと出会った場所だ。

男(ここにもいない・・・か)フッ

力なく笑いながら立ち去ろうとしたその時。

ふっちー「・・・」ポケー

男(うぉ、いたっ!!・・・って、あんなところで何やってんだ?)

近くのゴミ捨て場で、ぼんやり座り込む彼女の姿を見つけた。

男(・・・ゴミ箱?)

高校生B「うぇーいwww」

高校生A「ちょwwwwお前押すなしwwwwアメリカンドッグ落つるwwww」ボトッ

高校生B「落wwちwwwwたwwwwww」

高校生γ「3秒ルールwwww3秒ルール適用を進言wwwww」

高校生A「もう余裕で3秒経ってるしwww普通に捨てるわwwwwていうかお前www金返せwwww」ポイー

高校生B「金は命より重い・・・・っ!!」

高校生A「うっせーよwwwおまえ苗字利根川じゃねーだろwwwwwww」

高校生γ「焼きwwwドゲザwwwwwwwktkrwwwww」

高校生B「まぁまぁwwww後で俺のアメリカンドッグ食わせてやるからwwwww」

高校生γ「卑猥wwwwすぐるwww」

高校生A「・・・うれしいこと言ってくれるじゃないの」

高校生B「えっ」

高校生γ「あぁ^~」

高校生A「俺はノンケでも、構わず食っちまう男なんだぜ?」

高校生B「」

高校生γ「A氏の目がマジである」ガクブル

<ワイワイ・・・アッー・・・

男「あ・・・行っちまった・・・ってふっちー、まさか・・・」

ふっちー「・・・!」ゴクリ

ゴミ箱に投げ捨てられたアメリカンドッグに手を伸ばす彼女。

男「ちょっと待ったぁ!!」

ふっちー「!?」ビクッ

ふっちー「・・・男、さん」

男「いくら土食って生きていけるったって・・・そんなもん食わなくてもいいだろうに」

ふっちー「あ・・・」

男「ほれ、帰ろう。お岩さんが肉送ってくれたぞ。黒毛和牛だ黒毛和牛」

ふっち「あ・・・う・・・、ひぐっ、お、男さーん!」グワシ

男「痛い髪の毛巻きつけないでやめてこのまま食われそうで怖いいやホントやめてマジで」ガクガク

ふっちー「探しに来てくれたんですか・・・?」

男「そりゃまぁ・・・あれだけの肉一人じゃ食えないし・・・」ポリポリ

ふっちー「そ、それだけの理由・・・?」

男「・・・さぁ、どうだろうな?」フフッ

ふっちー「男さん・・・」

男「ほら帰るよー、早くしないと一人で喋ってる頭のおかしい人だと思われて通報されてしまう」 ※ふっちーは一般人には視えません

ふっちー「・・・はいっ!」

男「・・・で、なんで出て行ったの?」

ふっちー「う・・・それは・・・男さんが・・・その・・・」ゴニョゴニョ

男「俺?」

ふっちー「わ、私の話を・・・聞いてくれなかったから・・・」

男「話?なんの?」

ふっちー「お岩ちゃんを呼んだのは、男さんを怖がらせるためじゃない・・・って」

男「あぁ・・・あれね」

ふっち「あの、本当に男さんを怖がらせるつもりじゃなかったんです・・・」

男「じゃ、なんでわざわざうちに?」

ふっちー「いえ、その・・・あの・・・・・・」

男「んん?」

ふっちー(男さんのことを自慢したかったから、なんて・・・)

男「・・・ま、ふっちーがそんな意地悪しないことくらい、わかってるよ」ポンポン

ふっちー「ふぇ?」キョトン

男「ただ・・・こっちにもいろいろ心の準備っていうか・・・まだお化けのことが怖くなくなったわけじゃないからさ・・・」

ふっちー「は、はいぃ・・・」グスッ

男「その、できればワンクッションおいてほしい、かな?」

ふっちー「わ、わかりましたぁー」エグエグ

男「・・・さぁ帰ろう。せっかくのいい肉が悪くなっちまう」

ふっちー「はいっ!!」

-CASE6.5 Restless Dream END-

>>165-166の流れがわかんない...

>>165
男「・・・消えた。帰ったの、か?」

ふっちー「お肉楽しみだなぁー」wktk

男「・・・ふっちーは後でお仕置きね」

ふっちー「ええっ!?何でですか!!?」

男「お化け同士の交流に俺を巻き込んだから」

ふっちー「ひどい!!人(?)助けをしたたかっただけなのに!!」
















>>187
すみませんぬけてました

-CASE7 スタインウェイ・アンド・サンズ-

男「ヘ?カラオケ?」

ふっちー「そうっ!私、言ったことないんですよぉ」キラキラ

男「へぇー・・・でも、なんでカラオケ?」

ふっちー「いやー、さっきテレビ見てたらひとりカラオケ専門のカラオケボックスがあるらしいじゃないですかっ!」

男「あー、はいはい」

ふっちー「あそこだったら私と一緒に行っても怪しまれませんよねっ!」

男「・・・ん?」

ふっちー「私の歌声、聞いてみたくないですか?」

男「なにそれは俺にひとりカラオケデビューしろと?」

ふっちー「いえ、私も行きますよ?」

男「いやでもそれ実質ひとりカラオケじゃん」 ※ふっちーは一般人には視えません

ふっちー「ほら、私口が二つあるからこんなことができるんですよっ・・・コホンッ」

ふっちー「あー♪」

後ろの口「らー♪」

男「一人デュエット・・・」

ふっちー「ね?すごいでしょう!?」エヘン

男「はいはい、そういうのは年末かくし芸大会にとっておいてねー」

ふっちー「ひどいっ!!」

ふっちー「ねー男さんってばぁ、連れてってくださいよぉ」ネーネー

男「服ひっぱらないでよ・・・子供じゃないんだから・・・」

ふっちー「ちぇっ」

男「大体こっちはレポートがたまってて・・・」

ふっちー「・・・連れてってくれたら『子供じゃできないようなコト』、してあげますよ・・・?」ウフン

男「はい」スルー

エロ女「」

数時間後・・・

男「・・・なんだかんだで来てしまった・・・ひとりカラオケ」

ふっちー「わーすごい!!コクピットみたい!!出てこなければやられなかったのに!!」

男「いいから」

ふっちー「なんだかんだで私の言うこと聞いてくれる男さん素敵ですぅ///」

男「まぁ、気分転換にはなるからね・・・」ヤレヤレ

ttp://youtu.be/leC_aezPma8

ふっちー「ループして守る約束 言えない秘密の出来事♪」

後ろの口「ハイファイ ハイファイメッセージ」

男(楽しんでいるようで何よりですなぁ・・・)

ふっちー「どうです男さん?私(たち)の歌声は」

男「~♪」

ふっちー「ってヘッドホンつけてるし!!」ガーン

ふっちー「・・・・!!」

男(ん・・・ふっちーがなんか言ってるな)

ふっちー「・・・!・・・・・・!!!」

男(歌い終わったのかな・・・そろそろヘッドホン外すか・・・)カポ

ふっちー「あっ、外しちゃダメですっ!!」

男「へっ?」

<♪~

男「これは・・・エリーゼのゆううつ?」

ふっちー「それじゃセクシーコマンドーでしょ・・・『エリーゼのために』ですよ」

男(やべぇ・・・素で間違えた)ドヨーン

ふっちー「あっちゃー、参ったなぁ・・・そうか、ここ音だらけだもんなぁ」

男「なに、この曲がどうかしたの?」

ふっちー「この曲あと3回聞いたら男さん死にますよ」

男「」

男「な・・・なにそれ・・・」ガクガク

ふっちー「ピアノお化けですよ・・・この曲を人間に聴かせて、死んだ人間の魂で弦を張りなおすんです」

男「なにそれこわい。いやマジでこわい。いままでの中で一番怖い」ガタガタ

ふっちー「あ、1回目終わった」

男「ひいいいいいいいっ!」ドタバタ

ふっちー「あ、男さん待って・・・」

男「ハァ・・・ハァ・・・・」

<Touch me, I want you let's feel my touch♪

男「ゼァ・・・ハァ・・・ん、電話か・・・」ピッ

男「はい、もしも・・・」

<~♪ ※エリーゼのために

男「ほぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

ふっちー「お、男さーん!待ってくださーい!!」

男「あ、あわわわ・・・ふっちー、い、いま電話から・・・」

ふっちー「ありゃりゃ、2回目聞いちゃいましたか」

男「こ、このままだと・・・殺されりゅううううううう!!」

ふっちー「まぁそう慌てないで・・・この手の問題はこの私にお任せあれ」エッヘン

男「ふっちー△!!!」ウオォ

ふっちー「男さんメトロノーム持ってます?」

男「普通は持ってないよ・・・あ、携帯でアプリ落とせばいいか」

ふっちー「メトロノームならなんでもいいですよー」

男「・・・よし、インスコしたよ」

ふっちー「そしたらそれ、動かしてもらえます?」

男「・・・はい」カッチ・・・カッチ・・・

男「これでどうすんの?」

ふっちー「次にまたエリーゼのためにが流れてきたときに、メトロノームを曲のテンポにぴったり合わせて振り子を止めれば大丈夫です」

男「な・・・なるほど・・・」

ふっちー「問題は次はどこから来るかですねぇ」

男「・・・音が出るものの周辺が怪しいわけ?」

ふっちー「そうです。スピーカーとか・・・」

<~♪

男「き、来たっ!」ビクッ

ふっちー「町内スピーカー・・・お、男さん早く!!」

男「あ、あわあわ・・・」カッチ…カチ、カッチ・・・

ふっちー「落ち着いてください!」

男「そ、そんなこと言われたって!!」カチチッ、カチッ、カッチ

ふっちー「は、早くしないともう二向聴ですよっ!」

男「そ、そんなに急かさないでっ!」カチッ!カッチ!カチッ・・・

ふっちー「あ・・・3回目終わった」

男「」カチッ・・・チーン・・・

ふっちー「ついにテンパイしましたね・・・」

男「も、もうダメだぁ・・・おしまいだぁ・・・」

ふっちー「つ、次は私がやりますから」

男「頼むよふっちー・・・君に俺のすべてがかかっているわりとマジで」

ふっちー「念のため、携帯は常にアプリを起動した状態にしておきましょう」

男「そうだね・・・いつ流れてくるかわからないしね」ビクビク

帰宅後・・・

ふっちー「・・・ピタリと止まりましたねぇ」

男「こっちはもう針のむしろ状態です・・・」ゲッソリ

<初球から打って行きましたこれは伸びる!伸びる!入ったぁぁー!

<千葉ロッテマリーンズ、ブラゼルの本塁打で9回の裏に1点を追加して同点に並びました!

<千葉!ロッテ!マリーンズ!

男「!!」ビクッ

<なんということでしょう、マリンスタジアムに、数年ぶりのエリーゼが響いています・・・! ※分からない人は近くの千葉県民に聞いてみよう

ふっちー「いまだぁぁぁぁ!って、あら・・・バッテリーきれた・・・」

男「」白目

ふっちー「これもう(ダメかも)わかんねぇな」

男「おお・・・もう・・・」ガクガク

ふっちー「だ・・・大丈夫ですよきっと!いまのアレンジでしたし!ノーカンノーカン!!」

男(アカン)

男「うぐっ・・・!?」ビクンッ

ふっちー「え、男さん!?」

男「ぐ・・・う、はぅ・・・」ブクブク

ふっちー「ちょっと男さん!男さーん!!」

男「・・・」ガクッ

・・・

男「うわあっ!!」ガバッ

ふっちー「はっ!よかった、気が付きましたか!!」

男「俺、まだ生きてる!!?」

ふっちー「えぇ・・・ギリギリのところでしたよ」フヒュウー

男「ど・・・どうやったの?」

ふっちー「いや、男さんが気を失った直後、来ましてね。ピアノお化けが」

男「お、おぉ・・・」ブルッ

ふっちー「とりあえずカワイ製だったんで、ベヒシュタインやベーゼンドルファーの高級ピアノと比較してさんざんディスってみたら泣きながら帰っていきましたよ」

男「そ、そうですか・・・」

ふっちー「ああいう性質の悪いお化けは大抵コンプレックス抱えてますからね。そこをつっついてやればちょろいもんです」フフン

男「ふっちーなんか怖い・・・カワイ楽器の人ごめんなさい・・・」 ※マジでごめんなさい

男「とはいえ助かったよ・・・ありがとう、ふっちー」

ふっちー「そんなぁ、いいんですよぉ・・・いつもご飯食べさせてもらってるお礼です///」

男「ハハ、まぁ今回ばかりはふっちーのお手柄・・・アレ?なんかパンツが後ろ前になってる・・・」

ふっちー「」ギクッ

男「・・・」ジトー

ふっちー「・・・」ダラダラダラ

男「・・・このエロ女」ボソ

エロ女「ぐふっ!!」

男「人が気を失ってるのをいいことに・・・」

エロ女「はうっ!!」

男「・・・こういう性質の悪いお化けは大抵コンプレックス抱えてるんだっけ?」

エロ女「い、いやぁ・・・アハハ・・・」

男「食いしん坊、おっちょこちょい、エロス大統領・・・おまけに貧乳とは裏ドラまでのって三倍満ですわ」

エロ女「」チーン

男「そもそも今日だってふっちーがカラオケに行こうなんて言わなきゃこんなことにはならなかったんじゃないのか?」

ふっちー「そ、そんなぁ・・・」グスッ

男「・・・ふふ、でも、ま。助かったからよしとするか」

ふっちー「うぅ・・・・男さんの意地悪・・・」

男「さ、そろそろごはんにしよう」

ふっちー「はいっ!」

男「あ、そろそろ冷凍庫の中の廃棄の弁当やっつけないとなー」

ふっちー「わたしササミチーズカツ弁当!!」

男「はいはい・・・って、毎回食い物の話しないと落ちないの?コレ」

-CASE7 スタインウェイ・アンド・サンズ END-

今日はここまでです
一部抜けた個所があってすみませんでした

とりあえずこれで前作要望いただいたお化けは全部回収した・・・はず

文車妖妃さん出た?

>>196
この曲なに?アニソン?

>>219
少年カミカゼのHi-fiって曲です ※ステマではありません
特にアニソンとかにはなってないと思います・・・いい曲ですよね。ふっちーっぽいと思います

-CASE7.5 Touch me-

これは、ふっちーが男に会う前のお話・・・

二口女「お岩ちゃん終わったよー」フゥー

お岩「・・・」

二口女「お給仕っお給仕っ!」ワクワク

お岩「・・・」スッ

二口女「えっ、こんなに!?うわぁーありがとう!!」

お岩「・・・」コクコク

二口女「うん、またお手伝いしにくるねー!」バイバーイ

お岩「・・・」フリフリ

二口女「いやぁー、これで久々にご飯食べられるね」ホクホク

二口女「早速コンビニへれっつご!!」

そういうと彼女は街外れにある人気のないコンビニを目指す。

二口女「・・・よし、店員さんいなくなった!今のうち!!」

店員「いらっしゃいm・・・あれ、気のせいか・・・?」

店員「まぁいいや・・・よし、帳簿つけちまお」

二口女(えーと、おむすびとお菓子と・・・)

二口女(・・・1000円あれば足りるね。釣りはいらねぇぜ)フフン

彼女はそっとレジに1000円札を置いて立ち去る。

人には視えない彼女。

ただ買い物をするだけでも上記のように・・・いろいろと苦労をしなければならなかった。

二口女(くぅ~、ツナマヨが身体に染み渡るぜっ!!)ジュンジュワー

二口女(はぁー・・・それにしても、私も『普通』に買い物したいなぁ・・・)

そんなある日・・・

二口女(よし、誰もいない・・・入店するなら今のうち!!)

彼女はいつもどおり人目を見計らってコンビニに入る。

二口女(ふふっ、この新発売のしそとササミのおむすび、食べてみたかったんだぁ~)

そう言って棚の上に手を伸ばしたそのとき。

男「・・・あ、いらっしゃいませー」

二口女(・・・えっ?)ビクッ

辺りを見渡してみるが、客は自分以外にいない。

二口女(も・・・もしかして、わ、私に!?)ドキドキ

状況的にはそうとしか考えられない。彼女は勇気を出して声をかけてみる。

二口女「あ、あのー・・・」オソルオソル

男「はい?」

二口女「っ!」ドキッ

男「どうかしましたか?」ビコ

二口女「あ、あのぉ・・・あ、す、すみませんコレくださいっ!!」

男「はい、ありがとうございます・・・128円になります」ピッ

二口女「・・・1000円で」

男「1000円お預かりいたします・・・872円のお返しになります」スッ

二口女「あっ・・・!?」

彼女は驚愕する。

彼は確かに、彼女のその手に『触れて』いた・・・。

男「?ありがとうございましたー」キョトン

二口女「・・・」ドキドキ

彼女はビニール袋を手にコンビニを後にする。

二口女「ゆ、夢じゃない・・・彼、私のこと『視える』んだ!!」

思わず掌のレシートを握り締める。

二口女「すごいすごい!!あーテンションあがってきた↑↑次からあそこで買い物しよっ!!」

そして彼女はちょくちょく彼のいるコンビニに通うことになった。

「その人」がレジにいることを確認してから、おもむろに自動ドアをくぐる。

男「いらっしゃいませー」

二口女「ふんふ~ん♪・・・今日はコレと・・・コレと・・・」

二口女(おっといけない・・・他のお客さんが来る前に済ませないと・・・)アワワ

男「856円になります」

二口女「1000円で!」

男「1000円お預かりします・・・144円のお返しになります」

普通に買い物ができる。それは彼女にとってとても新鮮なことだった。

だが、そんな日ある日。

二口女「よーし、今日もあの人がいるお店にいこー!!」

二口女「えーと、お財布・・・ってない!お財布がないっ!!」

二口女「ど、どこ!?どこいったの!!?えっ、どこにもないっ!!」

二口女「・・・おお、もう」

がっくりと膝を落とす彼女。

二口女「どうしよう・・・どこで無くしちゃったんだろう・・・」

二口女「あぁーアレがないとお買い物できないよぉ」シクシク

二口女「またお岩ちゃんのところでバイトを・・・ってしまった!!お岩ちゃん再来月まで出張だった!!」ガーン

二口女「ってことは・・・2ヶ月・・・ご、ごはん・・・食べ・・・」

二口女「」ガクッ

数日後。彼女はトボトボと街をふらつく。

二口女(あぁ・・・お腹すいた・・・)グゥー

二口女(また・・・しばらく・・・動けなくなっちゃうのかな・・・)

二口女(・・・でも、もしかして、『あの人』なら・・・)

フラフラとした足取りで彼女はあの場所へ向かう。

二口女(も・・・もうすぐ・・・だけど・・・)

二口女(もう・・・ダメ・・・)バタン

二口女「・・・」

数時間後・・・

男「~♪」

男「・・・ん?」

二口女「」

男(アカン)

二口女(あ・・・れは、いつもの、あの人・・・?)

二口女「う、うぅ・・・」

男「!」ビクッ

二口女「あ・・・あの・・・す、すみません・・・」

二口女「・・・どこか座れるところとかないでしょうか」

戸惑いながらも肩を貸してくれた彼の身体は、とても温かくて。

いつか、手と手をつないで歩いたら、どんな感じだろう。

・・・

男「おーい、ふっちー」

ふっちー「・・・はっ!」

男「どうした、尻子玉を大フィーバーで放出したような顔して?」

ふっちー「そ、そんな顔してませんよっ!」

男「アヘ顔一歩手前でしたが」

ふっちー「もうっ!」プンスカ

男「ちょっと、ジュース買ってくる」

ふっちー「あ、私も行きます」

男「はいよー」

ふっちー「・・・男さん」

男「ん?」

ふっちー「手・・・つなぎましょうか」

-CASE7.5 Touch me END-

>>218
ふぐるまさんはまだですね
ちょっとかんがえてみます

-CASE8 電子の海の付喪神-

友「男、お願いがあるんだけど」

男「断る」

友「実はうちの研究室のパソコンに見たいデータがあるんだけどさぁ」

男「断るって」

友「なんか真っ黒な画面が出てきて見れないんだよねぇ」

男「はなしをきいてください」

友「これなんだけど」

男「どれ・・・あぁこれUNIXじゃん」 ←結局ひきうけちゃう

友「よく分かんないんだけど、この中に昔の文献が入ってるらしいんだ・・・○○っていうタイトルらしいんだけど」

男「んー、findかけたけど見つかんないな・・・どのディレクトリだかわかる?」カタカタ

友「なんちゃらデータベース・・・?」

男「DBか・・・」ウヘァ

男「うーんDB2とはまたマニアックなDBMSを・・・せめてOracleとかにしろよ・・・」カタカタ

友「男、今日はもう遅いから明日でいいよ」

男「もうこれ(コマンド)わかんねぇな」カチカチ

友「おーい、男ー」

男「テーブル一覧参照は・・・LIST TABLESね・・・」フムフム

友「・・・じゃ、あとよろしくねー。鍵はそこにあるから」

男「んー」カタカタ

数時間後・・・

男「・・・なんだよこれ、コマンド通らないと思ったらテーブルロックかかってんじゃねぇか」カタカタ

男「LOADこけてるのか・・・LOAD TERMINATEでロック解除・・・よし、いったか」カタカタ

男「ん・・・LITERATUREテーブル、これっぽいな」カタカタ

男「やべぇDESCが効かない・・・くそーなんだよもう」

?「DESCRIBEですよ」

男「あぁフルスペルでやんないとだめなのか・・・あ、通った通った」

?「あとはSEC_NOをキーにBODYテーブルとJOINすれば中身抜けますよー」

男「文献名はこのTITLEってやつ?」

?「そうです!」

男「おっけー・・・って」

?(ニッコリ)

男「ほぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

男「あ、あわわ・・・ど、どちら様ですか・・・?」

文車妖妃「あ、申し遅れました。私、『文車妖妃』といいます」ペコリ

男「・・・な」

文車妖妃「いやー、ずっとテーブルロックかかってて出てこれなかったんですよねぇ~」コキコキ

男「ず、ずいぶんデジタルなお化けだなぁ・・・」

文車妖妃「うふふ・・・妖怪とはいえ、情報化の波は避けられないご時世ですゆえ」ウフフ

男「あ・・・そうなんですか」

文車妖妃「いやー、それにしても久々に人間に会ったと思ったらまさか私が『視える』人だったとは!!」

男「あー・・・ところで、ふぐるまようひ?さんだっけ・・・あんまり聞かない名前だなぁ・・・」カタカタ

文車妖妃「あら、こうみえても私、塵塚怪王に並ぶ付喪神界の重鎮なんですけどねぇ」

男「付喪神って・・・そもそも今の人間にはゆかりないからなぁ・・・うーん、重複レコードがおおいな」

文車妖妃「DISTINCTしてはいかがでしょう?」

男「あ、そうかDISTINCT忘れてた」

文車妖妃「うふふ」

男「・・・SQLに詳しい妖怪とかなんか親近感沸くなぁ」

文車妖妃「そうですか?」

男「そもそも『文車』って?」

文車妖妃「分車っていうのは・・・寺院や公家にあったキャスター付き耐火金庫のようなものですね」

男「へぇー」

文車妖妃「まぁ、昔のサーバーラックみたいなものですよね」

男「サーバーラックとかますます親近感沸くわー」ホヘー

文車妖妃「あ、ちなみに私は『執念』によって生まれた付喪神ですから」

男「・・・ん?」

文車妖妃「むかしお寺で修行中の若者に恋文を送った女性がいましてね・・・その文に宿った女性の執念で生まれたのが私なんですよ」(ニッコリ)

男「なにそれこわい」

文車妖妃「あなたも大切なメールなんかを読まずに削除してると、そのうちメールサーバーが付喪神になっちゃうかもしれませんよぉ」

男「こわE」ガクガク

翌日・・・

友「はよございまーす・・・って男!?」

男「・・・おう、おはよ。とりあえずリストと中身の文章だけ出しといたよ」ホイ

友「も、もしかしてお前研究室で徹夜したのか!?やるな男!素敵抱いてっ」

男「いやどす」

友「いいのよ」ウフン

男「絶対いやどす」

友「あ、じゃあ飯くらいおごるぜ?」

男「んー・・・今日は疲れたからもう帰るよ。どうせこの後講義もないし」

友「そっか、わかった。本当、助かったよ。ありがとな」

男「ん」

男「さーて、メシでも買って帰・・・な、なんかすごいいっぱいメールきてる」

男「差出人が俺のPCアドレスってことは・・・これ絶対ふっちーだよな・・・」ウヘェ

男「あ、そういえば昨日夕飯買って帰るって約束して・・・」

男「・・・」

男「このメールは、見なかったことにしておこう」ピッ

男「と、とりあえず早く飯買いに・・・」

?「ウフ・・・ウフフフフ・・・」

男「」ビクッ

?「見つけた・・・ここであったが100年目・・・」

男「あ、あわわわわ・・・・」

ふっちー「なんでメールに返信くれなかったんですかぁ・・・」ウフフフフ

男「い、いや・・・ちょっと忙しくて」

ふっちー「ごはん買ってきてくれるんじゃなかったんですかぁ・・・」

男「こ、これから買いに行くところです・・・」ガクガク

ふっちー「・・・おろしチキン竜田弁当」

男「」ビクッ

ふっちー「・・・の、ごはん大盛り」

男「」ビクビクッ

ふっちー「あと特製豚汁とミックスサラダも・・・」

男「・・・はい」

-CASE8 電子の海の付喪神 END-

-CASE8.5 ボイル-

店員「いらっしゃいませー!」

男「えぇと・・・おろしチキン竜田弁当のごはん大盛りが一つ」

店員「おろしチキン竜田弁当のごはん大盛り」ピッ

男「あと、のり弁当が一つ」

店員「こちらご飯の量は?」

男「あ、普通で・・・あと特製豚汁とミックスサラダください」

店員「はい、ではお先にお会計1050円になります」ピッ

<アリガトウゴザイマシター

男「・・・ふっちー、食べ過ぎじゃない?」

ふっちー「お腹空いてるからいいんですっ!多くて見苦しからぬは、文車の文、塵塚の塵、あとごはん!」

男「でも・・・こっちの方は多いと見苦しいよ」プニュ

ふっちー「」

男「あれ・・・ふっちー結構太」

ふっちー「それ以上言ったら明日の朝を迎えられなくなりますよ」(ニッコリ)

男「」

帰宅後・・・

ふっちー「あ、あのぉ・・・男さん。よかったらごはん半分食べます?」

男「え、いやまぁ食べれるけど・・・じゃ、なんで大盛りにしたの」

ふっちー「い、いやそれはその・・・」

男「・・・なるほど、さっきのこと気にしてるわけか」

ふっちー「うっ」ギクッ

男「いや、まぁさっきはああ言ったけど、別にそんな気にするほどでもないんじゃない?」

ふっちー「そ、そうでしょうか・・・?」

男「うん。大学行けばもっとすごい娘も結構いるし。水陸両用MS系女子ってやつ?」

ふっちー「で、でも友さんはすごい痩せてますよね・・・一箇所以外」ボソッ

男「あいつは頭とかにいくはず養分が全部胸にいってんだろ。だから馬鹿なんだよ」

男「・・・それにまぁ、女の子は痩せすぎてるよりちょっとくらいふっくらしてたほうが俺は好きだよ」

ふっちー「えっ?」ドキッ

男「愛すべき樽、ってやつかな」

ふっちー「殴りますよ」ビキビキ

男「とにかく食べよう。俺も徹夜明けで結構腹減ってるんだ。いただきまーす」

ふっちー「うぅー、釈然としないけど・・・いただきます」

-CASE8.5 ボイル END-

-CASE9 パウチカムイの忍び寄る魔の手-

男「よーし、そろそろ寝るでやんすよー」

ふっちー「はーい、おやすみでーす」

電気を消し、床へ潜る。

男(ふーやれやれ・・・今日も疲れたな)ウーン

ふっちー「Zzz...」スヤスヤ

男(ふっちーがいつも寝つきが良くていいなぁ・・・ていうかお化けって普通夜活動するもんなんじゃないの?)ウーム

男(・・・あ、いけね。歯磨くの忘れてた)ヨッコイセ

男は洗面台に向かう。

男「・・・・・・・」ゴシゴシゴシ

男(・・・夜の鏡って怖いなぁ・・・)ゴシュゴシュ

男(・・・早く磨いて寝ちまおう・・・ん?今あそこで何か踊って・・・?)

その瞬間、頭がぐわんと揺さぶられたような感覚に陥る男。

男「・・・」

ふっちー「Zzz・・・」

男は静かに彼女の上に覆いかぶさる。

男「ん・・・」

ふっちー「ん・・・む・・・」

男「・・・っは、ちゅっ・・・」

ふっち「んちゅ・・・うぅ・・・って、お、男さんっ!?」

彼女の言葉を遮るように、男は唇を重ね続ける。

ふっちー「ん・・・んぅむ・・・」

それに応えるように、彼女も目を瞑り舌を絡める。

ふっちー「ぷは・・・」

二人の唇の間を、細い糸が伝う。

ふっちー「い、一体どうしたんです・・・?」ドキドキ

男「ふっちー・・・」

そういうとそのまま男は彼女の腕を布団に押さえつける。

ふっちー「・・・っ!」

男の手が、彼女の胸をまさぐる。

ふっちー「ちょ、ちょっと・・・あん、今夜はやけに積極的ですねっ・・・?」

男「・・・」

ふっちー「ね、ねぇ・・・?何か言ってくださいよ・・・」

そんな彼女の言葉に答えることなく、男はその手を服の下に滑り込ませていく。

ふっちー「は・・・んんっ・・・ひうっ!」

小さなふくらみの先端にある突起に触れた瞬間、彼女の身体はピクリと反応する。

ふっちー「はぁっ・・・はぁ、お、男さん・・・」

ふっちー(あぁー・・・やばい、どうしよう、こんなにいきなりだなんて・・・うぅ、頭ぼんやりしてきた・・・)

ふっちー(でも・・・これでやっと男さんと・・・)

ふっちー(・・・あれ?そういえば私、今日どんな下着つけてたっけ・・・?)

ふっちー(・・・)

ふっちー「あっ」

男「・・・」

ふっちー「ちょ、ちょーっと男さんストーップ!!タンマタンマ!!」アセアセ

ふっちー(やべぇ!!今日なんの色気もないヨレヨレのベージュパンツだった!!)

男「・・・あむ」

ふっちー「ひうんっ!!」ビクッ

男「ちゅぱっ・・れるっ、ちゅっ・・・ぷは」

ふっちー「ひぅ!あんっ!ちょ、ちょっと待っ・・・うんっ!!」ビクビク

彼女の言葉もむなしく、男のその手はいよいよ「中心部」に浸食してきた。

ふっちー「あぁー、待ってぇぇぇ!!お、お願いだから一回ストーップ!!んううううっ!!」ビクビクン

男の中指が一番敏感な部分をヌルリと撫で上げる。

ふっちー「ひぃぃぃんっ!」ゴッ

あまりの刺激に身体を丸めた彼女の膝が、男の後頭部にクリーンヒットする。

男「がはっ!?」バタ

?「うっ」

ふっちー「はぁっ・・・はぁっ・・・あっ、男さんごめ・・・って、あー!」

?「やべっ」

ふっちー「パウチカムイっ!!」

?「・・・俺は自分の罪を数えたぜ!!さあ、お前の罪を数えろ!!」スタコラサッサ

ふっちー「訳分かんないこと言って逃げるなっ!!・・・くうっ、さっきまでので身体に力が入らない・・・」ヘナー

男「う・・・う、ん・・・今ライダースカルのセリフが聞こえたような・・・」イテテ

ふっちー「あっ・・・///」

男「う、うぉ、ふっちー!?えっ、何で俺ふっちーの上に乗って・・・?ってなんか指がヌルヌルする・・・」

ふっちー「あーーーーー!それね!!エヘヘすみません!私が寝ぼけて涎垂らしちゃいましたぁ!!」ダラァ

男「えっ」

ふっちー「はいティッシューーーー!」サッ

男「あ・・・ありがとう・・・?」キョトン

ふっちー「ついでに手も洗ってきた方がいいですよぉぉぉっ!!」

男「あ、はい」

男(うーん・・・なんだったんだ、一体・・・)ジャバジャバ

男(そういえばさっきここで何かみたような・・・あっ!そうだ!!)

男「ふっちー!」

ふっちー「ちょ、ちょぉーっと待ってくださいねぇ!!いまいろいろあって着替えてますからぁっ!!」ドタバタ

男「さっきさ、鏡を見てたらなんか変なオッサンが踊ってたんだけど!!」

ふっちー「あ・・・あぁ、それはきっと・・・」

男「で、なんかそれ見たらふらっときてさ、一瞬記憶がとんだんだけど」

ふっちー「大丈夫です大丈夫です!大したことありませんからぁ!!」

ふっちー(パウチカムイ・・・姿を見た者の性格を変え淫乱にさせるカムイ)

ふっちー(やけに男さんが大胆だと思ったら奴の仕業だったとは~~」ワナワナ

男「おーい、ふっちー。そろそろ戻っていい?」

ふっちー「あ、もういいですよー・・・」

男「あ、ごめんね・・・ひょっとして、俺が汚しちゃった?」

ふっちー「うっ・・・い、いや、大丈夫ですぅ(半分はそうだけど・・・)」

男「はぁー・・・寝付いてたとこなのにごめんね」

ふっちー「いえいえ!!」

ふっちー(うぅ~、一応下着は変えたけど、もうきっと何も起こらないんだろうなぁ)

ふっちー(これじゃあ生殺しだよぉ・・・)シクシク

ふっちー「・・・ちょっとトイレいってきます」

男「・・・」Zzz

ふっちー(・・・ちくしょー、もう寝てるよ・・・)ウエーン

-CASE9 パウチカムイの忍び寄る魔の手 END-

今日はここまでです

ふっちーが不憫である

-CASE9.5 BABY BABY-

男(・・・ん、朝か)

男「はぁー、まだねみぃ・・・」

男(そういや昨夜の夢・・・ちょっとエロかったな)ムラムラ

男は静かにベッドから起き上がる。

男(うー、トイレトイレっと・・・)

男(・・・ん?)

男(ふっちーのやつ、まだ寝てやがる)

男「おーいふっちー、そろそろ起き・・・」

ふと目を逸らすと、彼女の腰のあたりからパステルグリーンのショーツが覗いているのが見える。

男「う・・・」ゴクリ

男「おーい、ふっちー・・・まだ寝るのかぁ・・・?」

ふっちー「Zzz...」

男「・・・」

男はそっと、彼女のスウェットに手をかける。

男「・・・」ソーット

彼女が気づかぬよう、静かにそれを下げていくとショーツの全貌が明らかになる。

男(・・・これはエロい!!)ムッハー

男(あぁ、今だけはお化け視えてよかった!ありがとうございます!ありがとうございます!!)

男(・・・よし、忘れないうちに早くトイレに)

ふっちー「・・・」ゴロン

男「」

彼女が寝返りをうつと、薄い布越しにヒップの形がくっきりと浮かび上がる。

男「・・・少しくらいなら、触っても起きないよな」ゴクリ

手を伸ばしてそっと触れてみる。想像以上の手触りだ。

男(すげぇ!柔らかすべすべしてる!!ふっちーさんたまりません!!)ハァハァ

ふっちー「Zzz・・・」

男(・・・あれ?なんか前の方、若干湿ってるような?)

ふっちー「・・・うぅん」

男「!!」ビクッ

男は飛び跳ねるように彼女から離れ、トイレに向かう。

ふっちー「ん~・・・よくねた」フワァ

ふっちー「・・・あれ?うわ、パンツ丸見えになってる!!」ヤベッ

ふっちー「やばいやばい・・・も、もしかして男さんに見られたかな・・・」 ※触られてます

ふっちー(昨夜履き替えておいたのは不幸中の幸いだったぜ・・・)フヒュウ

ふっちー(それにしても昨夜は・・・いろんな意味でしんどかった)

ふっちー「・・・」

ふっちー「・・・///」ムラムラ

ふっちー「そ、そういえば男さんはどこに・・・?」キョロキョロ

<ジャー・・・・ゴボゴボ

男「ふぅ・・・」ツヤツヤ

ふっちー「あ、お、男さん」

男「やぁふっちー、おはよう」ニコ

ふっちー「おはようございます・・・きょ、今日は早いですねっ!」

男「うん、たまには早起きもいいよね」キラキラ

ふっちー「わ、私ちょっと着替えてきますねっ!」

男「じゃあ俺は朝ごはんでも作ろうかな」

ふっちー「じゃ、じゃあ私はついでにシャワーも浴びてこようかなっ!!」

男「あぁ、そうするといいよ」ニッコリ

-CASE9.5 BABY BABY END-

書き込みありがとうございます
続編も、今日でおしまいにします。男はまた視えなくなる予定です。

-CASE10 ストレンジカメレオン-

深夜。

眠りについた男の身体に長い髪が絡み付く

傍らにぼんやりと佇む彼女の姿。

髪の間から覗く項には、『もう一つ』の口が妖しく笑みを湛えている。

「・・・いただきます」

翌朝・・・

ふっちー「ふいぃ~、よく寝たー」ウーン

ふっちー「・・・うん?ううん!?」

彼女は身体左右に捻る。

ふっちー「おお!?何これ!!身体が超軽い!!」クイックイッ

ふっちー「こんな爽快な朝は久しぶりー!!なんて素敵なんでしょう!!」キラキラ

男「・・・」

ふっちー「ふふ、これも男さんと一緒に暮らしているから・・・なんて///」

ふっちー「男さーん、朝ですよー!!起きてくださーい」スカッ

ふっちー「・・・えっ?」

男「・・・んん」

ふっちー「あ、男さん起きました!?いやー、今日わたしめっちゃ身体が軽くて」スカッ

ふっちー「」

ふっちー「・・・な、なんで?私・・・男さんに触れなくなってる・・・」

男「ふわぁ~・・・もう朝かよぉ・・・」グッタリ

ふっちー「男さん!男さんっ!!」

男「あぁー、やべぇ今日1限じゃん・・・こりゃ朝飯食ってる時間ねぇな」

ふっちー「男さんっ!」

しかし、彼女の声が男の耳に届くことはなかった。

男「・・・」

男は黙って家を後にする。

ふっちー「い、いってらっしゃい・・・」

当然、その言葉に反応することはない。

ふっちー「男さん・・・どうして」

ふっちー「・・・どうしてなの?」

学校にて・・・

友「おい、男。知ってるか」

男「ん、何が?」

友「実は、お化けg・・・」

男「またか」

友「まだ何もいってないっす」

男「大体お化けとかさぁ、そんなの今時小学生でも信じてないって」

友「いや・・・それが・・・なんでも出るらしいぜ、隣町に」

男「へー」

友「興味なさげだなぁ」

男「隣町ねー・・・別にバイトで行くくらいだしなぁ」

友「あ、そういえばあのコンビニの近くらしいぞ」

男「ふーん」

男「お化けか・・・やっぱ口が二つあったり、人を呪い殺したりとかすんのかな」

友「そんなテンプレートな・・・案外、美少女だったりするかもしれないぜ?」

男「だったら有難いけどなぁ。そのままお持ち帰り決定」

友「なはは」

男「あぁーバイトで思い出したけど今日夜シフト入ってんだよなー・・・」

友「お、じゃあ早速今夜会えるかもな」

男「かもな」

その夜

店長「男くーん、おっつー」

男「あ、お疲れ様です」

店長「いやー、今日は無理言ってシフト入ってもらって悪いね」

男「いやー、全然平気ですよ」

店長「あ、そうそう。バックヤードにある廃棄、いつも通り『処分』していいからね」

男「あ、いつも助かります!」

男はバックヤードへ行き廃棄になった弁当をカバンに詰める。

男(えーっと、この弁当とパン・・・おにぎりは冷凍しておけばもつからな)

男(これで2~3日分のメシ代が浮くな・・・ありがたやありがたや・・・)

男はほくほく顔でコンビニを後にする。

男(これだけあれば・・・ん?これだけあれば・・・何だ?)

わずかに男の心をよぎる違和感。

男「・・・ま、いいか。よーし早速かえってメシにするべ」

男は家に帰り、鞄から弁当を取り出す。

男「ササミチーズカツ弁当か・・・久しぶりだなぁ」イタダキマース

男「いつも俺が食う前に無くなっちまうしな」

俺「ん・・・?俺が食う前に・・・?」

男「・・・」ウーム

・・・

友「既視感?」

男「うーん、既視感ちゅうか・・・なんかたまーに物事考えるときに違和感感じることが増えたんだよなぁ」

友「へー」

男「たとえば昔、同じような場面で誰かが何か言ってたような・・・」

友「なるほどねぇ・・・何か心当たりは?」

男「いや、ない・・・あ、そういえばメシ食ってるときによくそんな感じになるな」

友「一人でメシ食うのが寂しくて、頭おかしくなったんじゃね?」

男「マジか」

友「なんだったらメシ作りに行ってやってもいいぞ?どうせバイト先の廃棄の弁当しか食ってないんだろ」

男「お前の料理食うぐらいならコンビニ弁当のほうがまだ健康的だよ」ゲンナリ

友「失礼だな」

男「家庭科の時間にミロのヴィーナスの姿煮作ったやつが何を言うか」

友「芸術の分からん奴だ」

男「少なくともその感性は調理に生かすべきベクトルではないだろ」

友「・・・練習したのに」ボソ

男「んん?なんか言ったか」

友「いや・・・」

男「そういやお前、進路決めたか?」

友「んー、この性格じゃ勤め人は無理だろうからなぁ。このまま創作系・・・それが無理ならせめてモノづくり関係でメシくっていければいいんだが」

男「機械系・・・なんかは無理そうだなぁ、お前。下手したら自動車のエンジンに生肉とか仕込みそうだし」

友「お前私のことなんだと思ってるんだお前」

男「バカ乳」

友「辛辣だなぁ、私男に何かしたっけ?」

男「さんざんしただろうが、俺に数々の嫌がらせを」

友「そうだっけ?」

男「おお。人がお化け怖いのをいいことに脅かしてきたりな」

友「なはは、そんなこともあったな」

友「まったく、悪い奴じゃなかったからいいものの、万が一性質の悪い奴が・・・?」

友「・・・?どうした」

男「まただ・・・またこの感覚・・・」

友「・・・そういえばお前、まるで今お化けに会ったことのあるような口調だったけど・・・」

男「いや、そんなバカなことがあるか」

友「・・・だよなぁ」

男「いや待てよ・・・そういえばなんで俺はお化けを怖がってたんだっけ?」

友「そりゃお前・・・昔ほら、自転車の爺さんが撥ねられたの見てそれから怖くなったとか言ってただろ」

男「そうだ・・・そうだったな」

友「まー大学生にもなってお化け怖いはねーだろ」ナハハ

男「まぁな・・・ていうか、お化けが怖いっつーよりも、得体のしれないものが不気味ってだけだしな」

友「それはまぁ、分かるよ」

男「だから、この感覚もなんつーかあんまり気持ちいいもんじゃないんだよなぁ」ウーン

友「・・・あんまり気になるようなら、一度病院行ってみたらどうだ?」

男「病院かぁ」

・・・

医者「・・・もしかすると、強迫性障害の一種かもしれないですね」

男「強迫性障害ですか・・・」

医者「まぁ、軽い症状であれば誰しもが持っている可能性はありますよ。たとえばガスの元栓や戸締りが異常に気になったりとかね・・・」

男「なるほど」

医者「なかなかこういうのは心配性とかで片付けられてしまって自他ともに気付き難いものなんです」

男「へぇ」

医者「とはいえ、男さんの場合は症状も軽いようですし・・・眠れなくて辛いとか、物事に集中できないとかもないですか?」

男「ええ、特には」

医者「まぁ一応、眠りやすくなるお薬だけ出しておきますね。あとはそう・・・何か趣味とかに打ち込んでみるのもいいかもしれないですね」

男「趣味ですか」

医者「まぁ、無理しなくてもいいんです。不安があったら、まずはストレスを取り除くのが一番ですね」

男「はぁ・・・」

友「・・・お、どうだった?」

男「精神科の診察ってのは、案外いい加減なもんだなぁ。あれで何が解決するのやら・・・」

友「ほー」

男「とりあえず睡眠薬っぽいのは出たけど・・・まぁストレス感じないように適度に遊べ、だって」

友「お、じゃあたまには一緒に遊びに行くか?」

そして二人は、数駅離れたところにある小高い丘の上の公園に向かう。

男「はぁ・・・はぁ、ふぅー、年寄りにはこの上り坂は堪えるな」フゥー

友「まだ20代になったばかりだろうが・・・もうすぐだぞ」

男「あそこか・・・」

友「男、ちょっと後ろみてみ」

男「ん・・・おぉー!こりゃすごい!!」

男は今まで登ってきた坂道を振り返る。

色づき始めた木々の隙間から、街を一望することができた。

友「どーよ、こないだ散歩してる時に見つけたんだぜ」フフン

男「散歩って・・・お前こんなとこまでくるのかよ?」

友「あぁ、電車とかから見えた風景が綺麗そうなところには足を運ぶようにしてる。モノ創りのときのイメージとか湧くしな」

男「なるほどねぇ・・・」

友「・・・どうだ、お前も絵とか描いてみないか?」

男「いや、俺は絵心ないから」

友「そうか・・・けど、子供の頃お前が描いた絵の色使いはなかなかのもんだったぜ?」

男「芸術番長の友さんにそう言っていただけるとは嬉しい限りです」

友「じゃ、写真とかは?」

男「・・・写真ねぇ」

何の気なしに、男はポケットから携帯を取り出す。

<カシャ

男「・・・どうだ?」

友「ん・・・おお、悪くないんじゃない?」

男「そうか?」

友「いや、マジで結構いいとおもうよ、この構図とか・・・ふーん」

男「あんまり褒めるなよ、照れるぜ」

すると突然、秋風に木の葉が舞う。

男「おぉ、すげぇ・・・」

友「なぁ、男」

男「んー?」

友「もうちょっと、写真撮ってみなよ。もっと見てみたいわ、お前の写真」

男「・・・考えとくよ」

-CASE10 ストレンジカメレオン-

-CASE FINAL 蘇生-

男「・・・10年ぶりだなぁ、この街も」

男は久しぶりに学生時代に住んでいた街を訪れた。

卒業後、男は仕事の傍ら写真を撮り続けていた。

男の撮る不思議な雰囲気の写真は人気を博し、ここ数年で個展や写真集を出すほどになっていた。

男「ここで待ち合わせすんのも久しぶりだなぁ・・・懐かしい」

友「おーい、男。悪い、待たせたな」

男「いいよいいよ、これでメシおごってもらえるなら」(ニッコリ)

友「ぐ・・・仕方ねえな、わかったよ。それにしてもお前、全然顔変わらねぇな」

男「お前は少し老けたか?」

友「見ての通りだよ」

・・・

友「はは、もっと早くお前の才能に気づいてたらな」

笑いながら友は紅茶の中に角砂糖を落とす。

友「本当、お前の写真は不思議だよ・・・見ていると、まるで大切な誰かがそこにいるみたいな、そんな気がする」

男「大切な誰か、ねぇ・・・」

苦笑いしながら男はコーヒーを啜る

友「まったく、昔から傍にいたのになー。文字通り一生の不覚だよ」

男「なにが?」

友「ん?こんなことなら既成事実を作ってでもお前と結婚しておくんだったな、って」

男「ぶふぅー」

ダイナミックにコーヒーを吹き出す男。

男「お前やめろよ、そういうこと言うの」

友「いや本気だよ・・・気付いたら私ももう30過ぎてるし。どうすんのこれ」

男「いや俺に言われても」

友「なんだよー、お前も独り身だろ?ここはほら、そろそろ一緒になろうぜ!とか言っちゃうべきなんじゃないの!?」

男「いやどす」

友「いいのよ?」アハン

男「絶対いやどす」

友「ふふ・・・なつかしいな、このやりとり」

男「ああ、まったくだ」

二人は笑いあう。

友「あーあ・・・結局男には逃げられた、か」

男「お前だって、学生時分はそこそこモテ・・・てはいなかったけどさ」

友「ん?」

男「いや、見た目は結構評判よかったんだよ、お前」

友「乳がか!この乳がか!!」タユン

男「まぁそれもあるかもしれんが・・・顔立ちは割と好感持たれる感じだからな。ただ、如何せん性格がこれじゃあ」

友「ほーら、早く抱かないとじきに垂れてくるぞー」ホレホレ

男「そーゆーのがいけないんだと思いますぅ」

友「いいんだよ、男にさえ嫌われなきゃあ・・・と、今までは思ってたんだけど」ポリポリ

男「いや、お前のことは昔から知ってるし嫌いにはならんけどさ」

友「・・・ついぞ振り向いてはくれなかったなぁ・・・」トホホ

男「そういう目じゃお前のこと見れないって」

友「そうか・・・私はそんなことないんだけどな」

そう呟いて、悪戯そうな目で笑う彼女。

男「・・・さすが30過ぎた独身女の性欲は半端無いっすね」

友「おぉ、なんだったら今すぐここで襲ってやるぞ」

男「全身全霊で拒否する」

友「『お前じゃ勃たねえんだよ!』くらいはっきり言っていいんだぜ?」

男「お前じゃ勃たねえんだよ!!」

友「くそっ、マジで言いやがった!!こうなったら身体で分からせてやる!!」ヌギ

男「おいバカやめろ!!」

友「ふふ、冗談だよ・・・」

男「目が半分マジだったぞ・・・」ゾクゾク

友「・・・ま、私ももう一人でバカやってる歳じゃないしな」

男「・・・お前には、幸せになってもらいたいよ」

友「お前と一緒にいるのが、私にとっての幸せなんだけどな」ハァ

男「・・・すまん」

友「ふふ、冗談だよ・・・」

男「目が半分マジだったぞ・・・」ゾクゾク

友「・・・ま、私ももう一人でバカやってる歳じゃないしな」

男「・・・お前には、幸せになってもらいたいよ」

友「お前と一緒にいるのが、私にとっての幸せなんだけどな」ハァ

男「・・・すまん」

友「いや、素で謝るなよ。反応に困るだろ」

友は笑いながら紅茶を啜る。

友「ただ、うちの両親はもうお前と結婚するものだと信じてるがな」

男「えっ」

友「私はいいが、下手したらうちの両親に刺されるかもな」ニコ

男「いや笑えねぇよ、そっちの方が怖ぇよ」ガクブル

友と別れ、男は懐かしい街並みを写真に収めていく。

男「うーん、新しい建物もずいぶん増えたけど、古い建物はそのままだな」カシャリ

そして、ふと足を止める小さな通り。

男「・・・」

男はそっとカメラを構える。

子供「あ、見てママ!虹だよ!ほら、あそこ!!」

その声に振り返ってみると、確かに遠くのほうに大きな虹がかかっている。

男は向きを変え、道路にまたがる虹をフレームに収めようとするが、なかなかピントが合わない。

子供「ほら、あそこあそこ!!」

女性「うん・・・?この子ったら、どこにも虹なんてかかってないじゃない」

子供「あそこにみえるじゃん!ホラ!」

女性「・・・ほら、もう行くわよ。早く帰ってごはんの支度しなくちゃ」

子供「ホントなのにぃー!」プンスカ

そういうと、親子は手をつないで帰っていく。

気付けば虹も、消えてなくなっていた。

男「あ・・・間に合わなかったな」

男は笑いながらカメラを収める。

女「きれいな虹でしたね」

突如、後ろから声をかけられる。

女「お久しぶりです、男さん」

男「あ、はぁ・・・私のことをご存じで?」

女「えぇ、男さんの大ファンですから」

男「というと・・・いつか個展でお会いした方でしたか?いや、すみません・・・この歳になって、なかなか人の顔が覚えられないもので」

女「ホント・・・ひどいですよね。こんなにあっさり忘れちゃうんですから」プンスカ

男「い、いやぁ・・・アハハ」

女「思い出してみます?私のこと」

男「それって、どういうk」

そこまで口にしかけたとき、彼女の指がそっと額に触れる。

男「・・・!」

(だって・・・男さん、カバン忘れてたから・・・お財布とか入ってたし・・・)

(あ、あのっ!お礼に男さんがいない間、掃除洗濯とか頑張りますからっ!!)

(・・・ふふ、しょうがないですねぇ。男さんは)

(う、生まれる前から好きでしたー!)

(私の歌声、聞いてみたくないですか?)

(男さんっ!!)

女「・・・私が誰だか、分かりますか?」

男「・・・・?おおっ!?ふ、ふっちー!!?」

ふっちー「正解っ!!」ピンポーン

男「な・・・えっ!?何やってたん、今まで!?」

ふっちー「え、いやーそりゃ、男さんに気づいてもらえるよういろんなことやってましたよぉ」シミジミ

男「え。あれ・・・俺、なんでふっちー視えなく・・・え?」

ふっちー「まぁまぁ・・・今はただ再会を喜ぼうじゃないですかぁ」ギュー

男「あ・・・うん」ナデナデ

ふっちー「とりあえず移動しましょ?このままだと男さん、一人で喋ってる頭のおかしい人だと思われて通報されちゃいますよ?」

男「あ、うん・・・そうだね」

・・・

男「・・・でも、一体どうして」

ふっちー「んー、それがですねぇ・・・どうやら私が男さんの霊力?を吸い取っちゃったのが原因みたいなんですよねぇ」

男「えっ」

ふっちー「いや、あくまで推測なんですけどね?男さんが私のこと視えなくなったあの日から、やけに私身体が軽くなったんですよ」

男「ほう?」

ふっちー「実際・・・それまではちょっとご飯食べなかっただけですぐ動けなくなったのに」

男「そういえばそうだったね、キミは」

ふっちー「で、どうやら私、ある程度霊力を保ってないとすぐに動けなくなるらしくて」

男「なんとまぁ・・・でも、一体どこでそれを?」

ふっちー「この10年でいろいろ実験してみて分かったのです」エッヘン

男「」

男「じ、実験って・・・一体何を」ガクブル

ふっちー「あ、誤解しないでくださいね。別に人を殺めたりはしてないですよ・・・ただ、ちょっとこの霊力を動物に移してみたりしただけで」

男「そんなことできるの?」

ふっちー「必死に練習したんですよ。完全にコントロールできるようになるまで8年かかりました」

男「なるほど」

ふっちー「人間に試すのは今日が初めてでしたけどね」

男「・・・ってことは、今はその力が俺に戻ってると?」

ふっちー「私のことが視えているようなので、おそらく」

男「ふーん・・・そうなんだ・・・そうか、10年ぶり、だな」

ふっちー「いや~、最期に男さんに会えるなんてドラマチックですねぇ~」

男「・・・うん?」

ふっちー「やっぱりですねぇ、お化けたるもの霊力がないとそう長くは生きていけないみたいで」

男「えっ」

ふっちー「いやー、さっき男さんに力を返してから正直結構しんどいんですよねぇ」

男「お、おい、ちょっと待てよ」

ふっちー「多分、もともとギリギリの状態だったのを、10年前に無意識のうちに男さんの力を取り込むことでなんとか生きながらえてきたんでしょうねぇ」ウーン

男「あ・・・じゃあ分かった!ごはん食べよっか、久しぶりに。ササミチーズカツ弁当・・・いや、俺ももう社会人になったし、もっといいもん食わせて・・・」

ふっちー「いやぁ・・・なんかダメっぽいですねぇ・・・そろそろ・・・」

男「おいおいおいおいふっちー消えかけてるぞ!!とりあえずメシはあとだ、先に俺の力とやらもう1回吸っとけって!!」

ふっちー「そしたら男さん・・・また私・・・視えなく・・・じゃないです、かぁ・・・」

男「いやマジで早くしろって、このまま消えたら俺怒るぞ、ホント怒るぞ!!」

ふっちー「だい・・・じょぶ、・・・写・・・」

男「おい、ふっちー!!おい!おい!!」

男「・・・」

男「ふっちー・・・?」

男「・・・・・馬鹿野郎!!!」

男の叫び声は、辺りに虚しく響き渡った。

フラフラと自宅に戻った男は、玄関先にそのまま座り込む。

男「・・・」

何もやる気が起きない。辺りには写真が散乱したままだ。

男「・・・・・・・・ん?」

その中の一枚に、ふと目を向ける。

そこには、『彼女』の姿が映っていた。

男「これも・・・・これも、これもだ・・・」

男「ここ数年で撮った写真のほとんどに・・・ふっちーが映ってる・・・」

男「・・・ずっと、傍にいたんだな」

手にした写真は、すぐに輪郭がぼやけ見えなくなった。

男「うっ・・・・ぐっ、うぐっ・・・」

男は嗚咽を漏らし続ける。

どれくらいの時間が経っただろうか・・・

男はぼんやりとカバンの中のカメラをチェックする。

最後に取った写真・・・ピンボケの虹の下にも、彼女の姿があった。

男(ふっちー・・・)

しばらくデジカメの画面を覗いていた男は、あることに気が付く。

男(そういえばこの虹・・・雨雲もないのにどうして?)

男(雨・・・雨といえば・・・そうだ!ふっちーの友達の濡れ女!!)

そういえば、以前彼女からお土産にもらったというあの本。

降霊術の手順を示した、ファンシーで胡散臭いミュンヘン式書。

あれを使えば、あるいは・・・。

男は早速行動を始める。

男(よし、羊皮紙は用意した。あとは魔法陣と・・・)

男は友に電話をかける。

友『おう、もしもし』

男「友か。実はお願いがあるんだが・・・」

友『ん?』

・・・

友「はぁ・・・等身大のドールか」

男「できそうか?」

友「まぁ、できないことはないけど・・・こっちもちょっと立て込んでるからなぁ」

男「悪い、とりあえず、前金でこれだけ出すから」

友「いいよ、それは・・・わかった、何とかするよ」

男「助かる」

友「それにしても、女の子のドールとは・・・何なら生身の私が相手してやるのに」

男「いや・・・そういう用途じゃないんだ」

友「はは、冗談だよ。ま、お客様の要望だからな。深くは聞かないさ」

男「・・・ありがとう」

友「おうよ」

半年後、依頼していたドールが完成した。

とても精巧に作られたそれは、今にも動き出しそうな雰囲気を纏っていた。

男「・・・すげぇな」

友「あぁ、久々の自信作だ。・・・こいつはちょっと、同じものは二度と作れる気がしないな」

男「とりあえず、今ある分は全部渡しておく。残りの分は、後日振り込ませてくれ」

友「出世払いでいいよ・・・って、もうお互い十分出世した、か」フフ

男「ありがとうな、友」

そして男は、ドールを家に運び込む。

男の部屋には、既に大きな魔法陣が描かれている。

男「はは・・・知らない人がみたら、完全に頭のおかしい人の部屋だな、こりゃ」

男(いや、十分頭おかしいか・・・なんたって、化け物に恋しちまったんだもんなぁ)

魔法陣の中心に、ドールを寝かせる男。

男(・・・仮に降霊術が成功したところで、彼女の霊が降りてくるとは限らない)

男(そもそも、降霊術自体が成功する可能性だって限りなく低い・・・)

男は静かに羊皮紙へ自分の名前を書き込む。

男(生贄の血は・・・俺のでいい)

男はナイフを握りしめ、そのまま横に引き抜く。

掌からポタポタと垂れる血が、ドールの胸元にポタリと垂れ落ちる。

男(頼むぜ、悪魔様・・・)

男「もう一度彼女に・・・ふっちーに、会わせてくれ」

・・・・・・しかし、何時間経っても血濡れのドールは、動かなかった。

垂れ落ちた血液はすでに黒く固まりひび割れている。

男は疼く掌を握りしめたまま、部屋の隅に座っている。

男「・・・ふっ、ふふっ。失敗してやんの・・・」

男「ちょwwwマジうけるwww何百万も出してwww綺麗なダッチワイフ作っただけかよぉっ!!」

殴りつけた床に血の跡が滲む。

「・・・ちょっと、男さん。下の階の人に迷惑ですよ」

男「・・・その声は!?」

「ふふん、これだけ愛されちゃったら、女冥利につきるってもんですねぇ」

男「ふっちー!!」

男は慌ててドールに駆け寄る。

男「ふっちー!おい、ふっちー!!」

「あ・・・男さん、そっちじゃないです」

男「えっ」

「こっちこっち」

声がする方を振り替えってみると、喋っているのは「あの鍋」だった。

男「」

鍋「いやー、まさかこの鍋がキーアイテムだったなんて、驚きですよねぇ」

男「あ・・・はい」

鍋「あ、蓋開けちゃだめですよ。今私の姿見たらさすがの男さんも多分引くとおもいます」

男「そ、そういや何も降霊対象置いてないけど・・・」

鍋「い、いや~・・・たまたまこの鍋の中に『いた』みたいで・・・」

男「お、おい・・・まさかふっちー・・・今ふっちーが憑依してるのって・・・ゴk」

鍋「それ以上いけない」カサ・・・

男「え、えぇー・・・ふっちーのことは好きだけど、さすがにその姿じゃちょっと・・・」

鍋「私もまさかこの姿の時に男さんに告白されるとはおもいませんでしたよ・・・」

男「あ・・・そういえば俺、今ふっちーのこと・・・」

鍋「・・・私も男さんのこと、大好きですよっ」

男「う、うーん・・・今俺は昆虫に告白したりされたりしているのか・・・」

鍋「しかも中身はお化けっていう」

男「何一つ人間の要素がない・・・」

鍋「というか、私もこの姿はちょっと・・・」

男「うん・・・これじゃ素直に再会を喜べねぇよ・・・」ゲンナリ

鍋「あ・・・こういう時は霊魂を物質に転送させる術があったはずです」

男「お、そんな都合のいいものが?」

鍋「はいっ!お岩ちゃんに頼めばちょちょいのファッ!?で転送してくれるはずですよぉ」

男「あ、あぁお岩さんか・・・でも、どうやって連絡を取れば」

鍋「今からいうアドレスに空メールを送ればおっけーです。あ、ドメイン指定とか大丈夫ですよね?」

男「・・・お化け業界も情報化の波は避けられない・・・か。いつだったか分車妖妃の言った通りだ」

・・・数日後。

男「・・・ふっちー、大変だ」

鍋「どうしました?」

男「この本によると、霊魂を移送させるためには一度元の身体を切り刻む必要があるらしい」

鍋「えっ」

男「かなりスプラッタなことになると思われるが・・・問題はふっちーのその姿を白日の下に晒さなくてはならないということだ」

鍋「・・・ま、まぁ仕方ないですよね」

男「さらにだな・・・移送先の物質には、霊魂が定着するまでしばらく元の霊魂の入っていた肉体を取り込んで置く必要があるらしい」

鍋「えっ」

男「つまり当分のあいだ、新・ふっちーのコアはゴk・・・そのGということになるな」

鍋「」

男「しかし、これは俺たちが完全な『再会』を果たすためには避けては通れない道ともいえる」

鍋「ま、まぁ・・・そうですよね」

男「・・・覚悟はできたか?俺はできてる」

鍋「お、男さんにすべてを委ねます・・・」

男「・・・・」ガクガク

鍋「ってめっちゃ手震えてるじゃないですかぁ!!」

男「だ、だってお前、今からゴキブリバラして人形に張り付けようってんだから・・・」ガクガク

鍋「あ、言っちゃった」

男「じゃ、じゃあふっちー・・・そこから出てきてもらえるかな」

G「はい・・・」カサカサ

男「・・・うっ・・・ふ、ふっちーじゃなかったら瞬殺してるところだ・・・」ピクピク

G「もういっそひと思いにやってください・・・」シクシク

G「」ピクピク

男「うえぇ・・・まだ足とか動いてるよぉ・・・これふっちーほんとに生きてるよなぁ?」

男は静かに人形の小指に、その破片を埋め込む。

男「さぁ、準備は整った・・・立ち上がるんだ!新・ふっちー!!」

<シーン・・・

男「あ、あれ?」

男「お、おーい、ふっちー・・・も、もしかして、死んじゃった?」

そういうと、人形の小指がビクビクとかなり気味の悪い動きを始めた。

男「」ビクッ

そしてそれから数日、その動きは指から腕へ、腕から身体へと範囲を広げていった。

人形「・・・」ブルブルビクンビクン・・・ポキメリョ

男「こ、怖ぇよ!!今までで一番怖ぇよ!!」ガクガク

人形「オ・・・トコ・・サ」グギギ

男「しゃ、しゃべった!!」ビクッ

人形「モ・・・ウスグ・・・」ギ・・・ギギ・・・バキャッ

男「」ジョロロロロロロロ

翌日、ふっちーの霊魂は無事人形に『定着』した。

ふっちー「男さんっ!!」ギュー

男「・・・はい」

ふっちー「あぁ・・・やっと男さんを再び抱きしめることができましたぁ・・・って、どうしたんですか」

男「ここ数日、トラウマになりそうなぐらい怖いものを見せつけられたので・・・」ゲンナリ

ふっちー「う・・・仕方ないじゃないですかぁ・・・全身乗り移るまでにすごい苦労したんですからね」

男「それはわかるけど・・・百年の恋も冷めた瞬間だったよ・・・」

ふっちー「でも、これでめでたく昔みたいに男さんと一緒に暮らせますねっ!」ギュッ

男「まぁ・・・そうだね」

ふっちー「とりあえず、最初のお願い、聞いてもらってもいいですか?」

男「ん?何?ごはん?」

ふっちー「いえ、この小指早くどうにかしてください」

男「うんわかったすぐやろう今やろう」

友「なぁにぃ?もう壊しただとぉ?」ギリギリ

男「い、いや・・・ちょっと理由があってな?」

友「ほぉ~ん、私が丹精こめて造った人形を壊すほどの理由がねぇ・・・」ビキビキ

男「ま・・・まぁ落ち着けって・・・」

友「・・・やれやれ。とりあえず、みせてみろ」

男「おう。おいで、ふっちー」

ふっちー「はぁい」ヒョコ

友「」

ふっちー「あ、友さんお久しぶりです」ペコ

友「」

男「深くは聞くなよ・・・まぁ、その・・・いろいろあった」

ふっちー「いやぁ、まさか私のおかあさんが友さんだったとは・・・」エヘヘ

友「・・・ない」

男「へ?」

友「お前に『お義母さん』と呼ばれる筋合いはないッッ!!」

男「」

ふっちー「」

その後、興奮する友をなだめ、何とか欠損した小指を作ってもらった。

不思議なことに、シリコンで作られたその指は装着した瞬間に「本物」へと変化した。

友「すごいな・・・不思議なこともあるもんだ」

男「奇跡も、魔法もあるんだよ」

ふっちー「いいから」

友「私の作ったものに魂が宿るとは・・・私もいよいよマエストロを名乗る時が来たようだな」

男「いいから」

ふっちー「本当に、ありがとうございます。友さん・・・」

友「・・・なるほど。今までお前がずっとファインダー越しに視ていたのは、この娘だったわけか」

男「ん・・・まぁ、そうなのかもな」ポリポリ

ふっちー「えへへ///」

友「あー、なんだろう。娘が嫁いじゃう親父の気持ちってこんな感じなのかなぁー」

男「お前その感想はねーだろ」

友「いやマジで複雑な気持ち・・・私の男が・・・娘に、盗られ・・・」ウフフ

男「待て待て待て、飛躍しすぎだろお前どうしてそうなった」

・・・

ふっちー「友さん、本当に男さんのこと好きだったんですね・・・」

男「ん・・・」

ふっちー「・・・もし、私が男さんの前に現れなかったとしたら、男さんは友さんと・・・」

男「・・・はい、笑ってー」

ふっちー「えっ・・・うわっ!?」

男は彼女の肩を抱き寄せる。

男「・・・うん、ちゃんと、写ってるな」

ふっちー「男さん・・・」

男「二人で撮った写真は、まだこれだけだ」

ふっちー「・・・はい」

男「・・・これからもっと、二人の写真を増やしていこう」

ふっちー「・・・・・・はい」ポロポロ

男「・・・好きだよ、ふっちー」

ふっちー「私もです・・・男さん」

二人はそっと唇を重ねる。

男「10年越し・・・か」

ふっちー「・・・ふふっ、ついこの間まで忘れてたくせに」

男「そういえば、なんで俺ふっちーのこと忘れてたんだろ?それに、お化けもそれほど怖くなくなってたし」

ふっちー「まぁ、霊力がなくなったから・・・としか今は考えられませんけどねぇ」

男「うーん・・・そんなもんなのか?って、あっ」

ふっちー「?」

男「よくよく考えたら、今まで撮った写真ってほとんど心霊写真なんじゃないのか?」

ふっちー「・・・言われてみれば確かに」

男「あぁー・・・知らずとはいえこの俺が世にそんな恐怖の心霊写真集を送り出していたとは・・・」

ふっちー「心配するトコそこですか・・・」

男「しかも自分の彼女を晒し者に・・・最悪だ」

ふっちー「う・・・ま、まぁ私のこと視える人なんてほとんどいませんからっ///」

男「だといいけど・・・」

ふっちー「・・・それに、誰かに視えてたっていいんです。男さんの撮ってくれた写真なら」

男「・・・まぁ、本人がそう言うのなら」

ふっちー「さーて!実体も手に入れたことですし!まずはご飯でも食べましょう!!ほらほらあそこのコンビニ寄りましょうよぉ」

男「え、えぇ・・・?コンビニでいいの?もっとちゃんとしたところで・・・」

ふっちー「私の思い出の味はササミチーズカツ弁当だからいいんですっ!」

男「ジャンクな思い出だなぁ・・・」

ふっちー「あと、ついでにビールも買ってもらえるとうれしいです!!」

男「だめどす」

ふっちー「ケチっ!!」

男「・・・今夜は酒臭いキスにはしたくないからな」

ふっちー「うっ・・・わ、わかりました」

二人は、固く手を繋ぐ。もう二度と離れることのないように。

-END-

以上です
最後まで読んでいただいた方ありがとうございました
友ちゃんかわいそうペロペロ




早く後日談書けください

乙です


>>304のタイトルって
もしかして
the pillowsの「ストレンジ・カメレオン」
から取りましたか?

>>403
多分だけど、サブのほうはほとんど曲名じゃないかな

乙!!
できれば友の話も読んでみたい

>>401
>>407

以下、作者が友ちゃん好き過ぎてつくった後日談になります

-ANOTHER CASE WAGON-

友母「あらどうしたの、今日はうれしそうね」

友「へへー、今日男と話したんだー」

友母「あらそう、よかったわねー」

友「どんぐりすげーいっぱいもらった!」

友母「あら・・・ちゃんとありがとう言った?」

友「うんっ!!」

翌日。

友「男ー!男っ!!」

男「どうした?」

友「また今日もドングリ拾いに行こっ!」

男「でもあそこ遠いから大人いないと行っちゃいけないっていってたぞ」

友「大丈夫だって!道覚えてるし!!」

男「じゃー絶対秘密だぞ!!」

友「おー!!」

・・・

友「うわー!すごいいっぱいあるぞー!!」

男「俺もう7こひろったぞ!!」

友「ひろいほうだいじゃー!」ワハハ

男「あっ、あっちにでかいのいっぱい落ちてるぞ!!」

友「いこいこー!」

男「・・・暗くなってきたよ」

友「うん・・・」

男「これ、お母さんに怒られるんじゃあ・・・」

友「そろそろ帰・・・」

<コラー!!

友「」

男「」

男母「迎えにいってもいないと思ったらこんなところでなにやってんの!」ゴン

男「いてっ!」

男母「しかも友ちゃんまで連れて!子供だけでこんなとこ来たら危ないでしょうが!!」

男「ドングリがおれを呼んでた・・・」

男母「・・・・・・・・・」(迫真)

男「ごめんなさい」

友「・・・」

男母「まったく・・・先生に見つかったって言いに行かなくちゃ。ほら、乗りなさい」

男「はい・・・」

男母「友ちゃんも乗ってね」

友「・・・うん」

彼の母が運転する車の中で、しょんぼりする二人。

砂利道を走る車の揺れの中、小さな掌からいくつかのドングリが転げ落ちた。

数年後・・・

男「・・・」ウーン

友「どうしたの?男」

男「俺、ここにする」

友「え?」

男「ここの絵、描く」

友「いいけどここ・・・ただの道端だぜ」

男「いや、お前は向こう行けばいいじゃん。俺はここで描くから」

友「・・・私もここで描く」

男「いや待てよ同じもん書いたら負けるだろ。お前の方が絵上手いんだし」

友「いいじゃんいいじゃん。道しかないから描くの楽そうだし」

男「だいたい同じ絵描くなって先生に言われただろ」

友「へいきへいき!ほらーさっさと書いちまおうぜー」

そして、同じ場所を描いた絵で私は金賞。男は佳作すらもらえなかった。

男「・・・」ウーン

友「へへっ、図書券ゲットだぜ!!」

男「・・・このやろう」

同じ場所を描いたはずの絵だが、私と男の絵は明らかに違った。

私の絵は、誰が見ても道を描いたものだと分かったが、男の絵は当初「三途の川」と形容されるほど異色の仕上がりだった。

男「・・・時代がおれについてきてないんだなぁ」ウーン

友「そんなことないと思うぜ」

男「じゃあただ単に下手だってことか・・・」

友「いや、じゃなくて・・・」

確かに絵自体はお世辞にもうまいとは言えない。

しかし、その色使いは私の心をつかんで離さなかった。

男の絵は、ただの青にみえる場所も絵の具の色をそのまま使ってはいなかった。

何色も何色も混ぜ合わせ、その色合いは場所によって微妙に異なる。

一筆の中で様々に変わるコントラストが、眺めていると不思議な気持ちにさせてくれる。

友「なんていうかお前の絵、麻薬みたいでいいと思うよ」

男「えっ」

・・・

先生「はーい、じゃぁ今日は調理実習をやりまーす」

男「うへぇ・・・なんでこんなくそ暑い中おでんなんか作らにゃきゃいけないんだ」

先生「はい、じゃあみんな材料確認してくださーい、全部ありますかー」

友(・・・なんかうちの班だけ大根が随分でかいな)

先生「じゃ、気を付けて包丁使ってくださいね。いいですかー、包丁を使って遊んだり、包丁の周りで暴れた人は即デストロイですよー」

<ハーイ

「ねぇみて、ほらうさぎ!!」

「わー、かわいいー」

「私は人参で星を作ってみた!!」

「おぉー、上手だねー」

男「まったく、食い物で遊ぶなっつーの・・・・ん?」

友「・・・・」 ←ミロのヴィーナス作成中

男「おいこら」

先生「よーし、じゃあそろそろ火が通ったか確認してみましょう」

友「えいっ」ボグッ

男「」

「うわぁ・・・菜箸が人形に刺さってる・・・」ざわ・・・

「エグい・・・これはエグいで・・・あっ、千切れた・・・」ざわ・・・

友「うん、中までちゃんと染みてそうだな!」(ニッコリ)

男「俺このおでん食えねぇよぉ・・・」

・・・

男「・・・あれ、お前メガネ・・・」

友「おう。こないだの視力検査で何も見えなかったからな」

男「似合わねえwwwwwwww」

友「うるせーな、見えりゃなんでもいいんだよ」

男「その割には赤とか中途半端にカッコイイのにしやがってwww」

男「・・・・」ウーン

友「な・・・なんだよ」

男「・・・呼び方。桂小枝とアラレちゃん、どっちがいい?」

友「ぶっ飛ばすぞお前」ビキビキ

男「んちゃ!」

友「キーン」ドゴォ

男「あっいたいマジやめてマジ」ゴスゴス

・・・

友「なぁ男・・・ここの問題だけど」ムニュ

男「おいお前・・・あんまくっつくなよ」

友「あぁ?目が悪ぃからくっつかねーと見えねーんだよ」

男「乳当たってんだよ、気色わりぃ」

友「」

失礼なやつだ。

・・・

A「なぁお前、友と付き合ってんの?」

男「おえー」

B「おえー」

A「な、なんだお前ら・・・」

男「Aよ・・・中学で出会ったお前は知らんだろうが、俺とアイツは幼稚園時代からの付き合いでな」

A「なんだ、幼馴染だったのかよ」

B「コイツらが付き合うとか端から見てた俺ですら想像を絶するわ」ガクガク

A「そ、そんなにかよ」

男「そうだ・・・お前、たしか1年下に妹がいたな」

A「お、おう・・・」

男「お前、妹の乳揉んだりして興奮するのか?」

A「・・・割と」

男「おまわりさーん、すごいのいますよー」

B「男、それは例えが悪い・・・Aよ、お前はかーちゃんのパンツでオナニーできんのか?」

A「おえー」

B「そういうことだ」ウム

男「ああ、言い得て妙だな」ウム

友「おいコラそういう話は人がいないところでやれ」

男「なんだいたのか」

・・・

友「あ、男ー。今度の肝試しだけd」

男「嫌ァァァァァァァッ!!」

友「な、なんだよ・・・」

男「俺の前で一言でもお化け・幽霊に関わる単語を口にするんじゃねぇ!!」

友「お前は本当に怖がりだなー」ナハハ

男「いやマジでぐちゃぐちゃのじいさんに夢枕に立たれてみろって。本気でトラウマになるから」

友「あーハイハイ。ではそんな男君のために特別訓練を実施してあげよう」

男「え、ちょ」

友「みろ・・・巷で話題の戦慄お化け屋敷のチケットだ・・・」

男「お化け屋敷・・・」

友「お前がこれを無事にクリアできた暁には特別に私がメシを奢ってやろう」フフン

男「・・・はぁ」

友「よし、じゃあ今いくぞ。すぐいくぞ」

男「い、今からかよ!?」

友「どうせ今日バイトないんだろ?家でゲームやってるよりはいいだろーがー!」GOGO

男「引っ張るんじゃねぇ」

・・・

友「きゃあああああああああ!」

男「・・・おぉー」

友「え、ちょ、こんなんダメ・・・う、うわああああああああああああ!」

男「お前うるせぇよお前」

友「だ、だめ・・・腰が抜けて・・・」

男「完全に自爆してるじゃないですかやだー」

男「ほれ、おぶされ」

友「あ・・・す、すまんな」

男「ん・・・」

不覚にも腰を抜かしてしまった私は男の背中に負ぶさる。

柄にもなくかわいい悲鳴を上げてしまい、後で男に何か言われないかと妙にハラハラしたのを覚えている。

男「おらよぉ」ドサッ

友「ぐはっ・・・もうちょっと静かにおろせ!」プンスカ

男「黙れ、無理やり連れてきたかと思えば俺にこんな重労働をさせおって」

友「ていうかお前・・・なんでお化け屋敷平気なの?」

男「あんなん、人がやってるのが分かってるんだから怖くないに決まっておろうが」

友「さ・・・さいですか」(線引きがよく分からねぇ・・・)

男「じゃ、約束通り夕飯はおごってもらうからな」

友「ぐっ・・・しかたねぇな。約束したしな」

男「俺焼肉たべたい」

友「ごめんマジ勘弁してマジ」

男「じゃあ寿司でもいいぞ」

友「ひぎぃらめぇ」

男「・・・チッ、乳に脂肪ばっか溜め込みやがって。ちったぁ金貯めやがれってんだ」ペッ

友「」

そういえば、昔から男には辛辣な言葉を浴びせられてたな。

・・・

男「お前、進路はどうすんの?」

友「んー・・・美術系の専門学校に進もうと思ってるけど」

男「そうか・・・幼稚園から高校までずっと続いてきた腐れ縁だったが、ここらでやっと断ち切れそうだな」

友「なんだ、寂しいのか?」

男「耳付いてんのか。せいせいするわい」

友「で・・・お前はどうすんだ?」

男「俺はまぁ・・・情報系の大学いくつか受けることにしてる」

友「そうか」

男「お前とちがって自己推薦できるようなネタもないしな。きっちり入試を受けるぜ俺は」

友「じゃ、しばらくは受験勉強だな」

男「おぉ、浪人するつもりはないしな。家にそんな金もねぇし」

友「そうか・・・じゃ、しばらくは遊べそうにないな」

男「そうだな」

友「・・・男に会えなくなっちゃうなんて、私さびしいよぉ」クネ

男「はい」スルー

友「おぉう」

あの時の私の言葉は、どれくらいまで「冗談」だったのだろう。

半年後・・・

友「お、どうだった?」

男「あぁ、滑り止め含め3校受かってた」

友「やるじゃねぇか。腕をあげたな、小僧」

男「なんで親方っぽいカンジ醸し出してんだよ、お前」

友「ちなみにどこの・・・」

B「おい男!!やったぜ!!第一志望うかってた!!」ヨッシャー

男「マジでか!!やったな!!」

A「ふ、ふふふ・・・僕浪人するのぉ・・・」フラフラ

男「マジでか・・・やっちまったな・・・」

B「おお、もう・・・」

男「よし・・・今日は俺の家で夜通し語り明かそう」

B「ええんや・・・その失敗が来年の君を大きく飛躍させるんやで・・・」

A「よっしゃwwwwこれで来年も丸一年遊べるwwwwやったぜwwww」

男「お、カスゥー!」

B「これはいけませんよ」

友「あ・・・」

A「よーしwwwじゃあ早速買い物にいこうぜwwwwww酒買おう酒wwwww」

B「こいつ、カスである」

男「あ・・・じゃあな、友。また連絡するわ」

友「おう」

そして私は、地元を離れ専門学校へと進学した。

あの後何度か男には会ったが、ついに男がいく大学の名前を聞くことはなかった。

どうせ、会えなくなることには変わりない。たまに地元に帰った時に、遊べればそれでいい・・・

そう思っていた。

そんなある日。

友「うわあああやべぇ遅刻する!!くっそなんで女にこんな重いもん持ってこさすかなー!!」ヨイショー

私が授業で使う画材等を抱え学校行きのバスへ乗り込もうとしたそんな時。

友「ぐへぁっ!!」

背中にしょっていた画材がバスのドアに引っかかり、ダイナミックに転んでしまった。

友(い、息できねぇ・・・し、超恥ずかしい・・・)

呻き声を上げながら散らばった道具を拾っていると。

?「あ、大丈夫ですか、手伝いますよ」

友「すみません・・・って」

男「」

友「」

笑ってしまうくらいの、「奇跡」が起きた。

男「お、お前何やって・・・」

友「い、いやお前こそ・・・私はこれから学校に」

男「えっ・・・お、お前、だって専門・・・ま、まさかうちの専門なのか!?」

友「えっ」

そう。私たちは偶々同じ系列の学園内の「大学」と「専門学校」に進学していたのだった。

男「」

友「」

バスに揺られながら、まるでキツネにつままれたような表情の二人。

友「あ・・・じゃあ私、こっちだから」

男「お・・・おう・・・」

男のいう「腐れ縁」ってのも、あながち間違いじゃないのかもな。

男「なんだよ・・・結局腐れ縁は続いたままか」トホホ

友「どうやら、そのようだな」フフッ

男「せっかくバスの前に女の子が倒れてたから新しい出会いを期待したのによ」

友「長年連れ添った仲なんだから気付けよ」

男「連れ添ってねーよ。つうか後ろから見て分かるわけねーだろ。あぁーマジであの時の俺のトキメキを返せよ」

多分、それ以上に私はときめいていたんじゃないかな。

夜道を男と二人で歩く。

友「寒くなってきたな」

男「あぁ、もう夜は長袖じゃないとキツいな」

友「こんな寒い夜は一杯ひっかけましょうや男さん」ウヘヘ

男「オッサンかお前は」

そのままコンビニで酒を買い、男の部屋へ向かう。

友「うっへっへ・・・こう寒い日にゃ熱燗が五臓六腑に沁み渡るなぁ」チビ・・・

男「お前マジでおっさんじゃねえか」

友「いやー、親父の血が濃く出たんだろうなぁ」

男「いやお前の父さん確か下戸だったじゃねぇか」

友「いいから注げよぉ」

男「酒くせぇ・・・」

友「Zzz…」

男「まったく、いい歳こいて寝てやがる。おらー足閉じろーパンツ見えてんぞー」

友「・・・」

男「こっちはお前のパンツ見ても食欲なくなるだけなんだから勘弁してくれー」

友「お前本ッ当に失礼なやつだな!!」ガバッ

男「なんだ、起きてたのか」

友「少なくともぉー今君はだ。年頃の女性のパンツをぉー目にしてるんだぞぉー。だというのになんだそのリアクションはぁー」

男「お前飲みすぎだよ。ちょっと外でて頭冷やせ」

友「いやっ!寒いの!!男が直接暖めてぇっ!」ガバッ

男「オラアッ!!」ズビシ

友「ひでぶっ!!」

男「オラー、外行くぞー」

友「は、はいぃ・・・」ヨロヨロ

男「くはぁ~寒ぃ~」ガタガタ

友「ちょ、ちょっとマジで寒いホント寒い、ガチで部屋もどらせて」ガクブル

男「ダメだ。タクシー拾ってやるから、今日はもう帰れ」

友「いやホントまじちょっとヤバい、スカートってただの筒だからマジで寒いんだって!!」

男「パンツが直接空気に触れてるとか正気の沙汰じゃないわ」ヘイタクシー

友「ス、ストッキングがなかったら確実に凍死してるぞ、これ・・・」

男「・・・おら、タクシーきたぞ。これ使っていいから、今日はもう帰れ」

友「んー・・・」

その後も、特に二人の間に進展はなく・・・

それこそ子供の時と変わらないような付き合いを続けていた。

ただ・・・いつからか私の胸には確実に、男に対する「ある感情」が芽生えていた。

そして、時を重ねるごとに、その想いは次第に大きくなっていく。

男は私をそういう風には見ていない。それは分かっていた。考えると、胸が苦しかった。

でも、モノを創っているときだけは、その苦しみを忘れることができた。

そんなある日、男から相談を受けた。

なんでも既視感というか、思考に違和感を感じ精神的に参っているらしい。

私は、男と一緒に病院へ向かった。

友「・・・お、どうだった?」

男「精神科の診察ってのは、案外いい加減なもんだなぁ。あれで何が解決するのやら・・・」

友「ほー」

男「とりあえず睡眠薬っぽいのは出たけど・・・まぁストレス感じないように適度に遊べ、だって」

適度に遊べ・・・か。

友「・・・お、じゃあたまには一緒に遊びに行くか?」

そして私は、この間電車から見つけた風景のいい公園に向かうことにした。

この時期にあそこに行けば、色づき始めた木々と眼下に広がる街並みがさぞ綺麗なことだろう。

男「はぁ・・・はぁ、ふぅー、年寄りにはこの上り坂は堪えるな」フゥー

友「まだ20代になったばかりだろうが・・・もうすぐだぞ」

男「あそこか・・・」

友「男、ちょっと後ろみてみ」

男「ん・・・おぉー!こりゃすごい見晴しだ!!」

友「どーよ、こないだ散歩してる時に見つけたんだぜ」フフン

男「散歩って・・・お前こんなとこまでくるのかよ?」

友「あぁ、電車とかから見えた風景が綺麗そうなところには足を運ぶようにしてる。モノを創るときのイメージとか湧くしな」

男「なるほどねぇ・・・」

そういえば昔、一緒にドングリを拾いに歩いて行って、男の母さんに怒られたっけ。

昔のことを思い出し、少しだけ笑みが零れる。

友「・・・どうだ、お前も絵とか描いてみないか?」

男「いや、俺は絵心ないから」

友「そうか・・・けど、小学校の頃お前の描く絵の色使いはなかなかのもんだったぜ?」

男「芸術番長の友さんにそう言っていただけるとは嬉しい限りです」

男の絵。佳作にもならないけれど、私が大好きなあの絵。

友「じゃ、写真とかは?」

男「・・・写真ねぇ」

そういうと男はポケットから携帯をとりだし、カメラ越しにいいアングルを探し始めた。

<カシャ

男「・・・どうだ?」

友「ん・・・おお、悪くないんじゃない?」

男「そうか?」

友「いや、マジで結構いいとおもうよ、この構図とか・・・ふーん」

男「あんまり褒めるなよ、照れるぜ」

秋風に、木の葉が舞う。

男「おぉ、すげぇ・・・」

それを見上げる男の姿に、ふと昔ドングリ拾いをしていた頃の男の姿が重なる。

友「・・・なぁ、男」

男「んー?」

友「もうちょっと、写真撮ってみなよ。もっと見てみたいわ、お前の写真」

男「・・・考えとくよ」

そして数年後。

私との約束を果たしたのかどうか、男は本当に写真を撮るようになる。

仕事の傍ら個展や写真集も出版するようになり、それなりの知名度を得ていた。

一方、私はというと、教授の伝手で入ったとある工房の雑用をする毎日。

そんな時、男が訪ねてきた。

男「よーう」

友「おお、久しぶりだな!!」

男「おう、卒業してから、しばらく会ってなかったしな」

友「お前の写真、みてるぜ。なかなかやるじゃねえか」

男「お、そうかそうか。いやー、なんだか恥ずかしいな」

友「照れるなよ」

友「で、今日はどうしたんだ?」

男「あぁ、久々に時間ができたからな。一緒に飯でも食いに行こうかと思って」

友「お、いいな。奢りか?」

男「あぁ、任せろよ」

友「うはwwwwwwwwさすが売れっ子は違うでござるwwwww」

男「言うほどうれてねぇよwwwwま、俺ももう社会人だしな」エッヘン

友「キャー素敵ーカッコイイー、抱かれたい男甲信越代表!!」

友「じゃ・・・とりあえず2時間後でいいか?」

男「ん?おぉ」

友「よっしゃ!着替えてくる!!うおおお奢りメシだああああああ」

男「元気だなおまえ」

友「」

店員「いらっしゃいませ」

男「あ、2人で予約してるんですが」

店員「かしこまりました、どうぞ」

男「よーし、行こ行こ」

友「」

友「え・・・なにこれは」(困惑)

男「ん?お前まえにメールしたとき天ぷら食いてーって言ってただろ?」

友「え・・・いや、それはそうだけど・・・なんか、もっとてんやとかそういうカンジの店でよかったのに」

男「まぁまぁ、俺たちも社会人になったんだからさぁ」

友「私はまだ貧乏助手だがな・・・」フフフ

男「だから奢ってやるってんだろ。なんか飲むか?」

友「あぁそうだな、じゃあビールを・・・いや、冷酒にしようかな」

男「はいよ」

友「お前は何のむんだ?」

男「あぁ、俺車で来てるんだよ。この茶でいい」

友「なんだ・・・付き合い悪いな」

男「今日は俺が奢る側だからな。気にせず飲んでくれ」

友「ずいぶん羽振りがいいな。じゃ、お言葉に甘えるとするか」

友「それにしてもすげぇな・・・カウンターで食べる天ぷら屋なんてテレビでしか見たこと無いぞ」

男「いや俺だってそんな滅多にはこないぞ・・・」

友「もっときれいな服着てくれば良かった・・・」

男「いや別にドレスコードとかないから。普通の恰好でいいんだよ」

友「うぅ・・・」

・・・

男「・・・美味かったか?」

友「あぁ・・・最初のうちは正直緊張して味分からなかったけどな」

男「なんで緊張するんだよwwwww」

男の笑う姿を見て、少しだけ心臓の鼓動が早くなるのを感じる。

男「・・・ん、お前顔赤いぞ。そんなに飲んだか?」

友「いや・・・」

男「やれやれ・・・車で来て正解だったな」

そういうと男はポケットから車のキーを取り出す。

男「乗ってけ。送ってくぞ」

友「ん・・・」

そのまま助手席に乗り込む。。

男「仕事用・・・つっても副業だけど。写真撮りに行くときに使ってる車でな。汚くて悪ぃな」

友「いや、全然。うちの工房のほうがよっぽど散らかってるから」

男「はは、そうか」

仄かにアルコールのまわった身体に、車の振動が心地よい。

いつの間にか私は、そのまま眠ってしまったらしい。

『・・・あ、おいお前。どんぐり』

『え・・・あ、あー、落ちるー!』ポロ

『ちゃんと持ってろよなー!うーん、届かない・・・』

『こら男、ちゃんと座ってなさい!』

『待って・・・もう少しで届き・・・』

・・・

男「・・・おい」

友「・・・おぅふ、寝てたか」

男「涎垂れてんぞお前」

友「やべっ」フキフキ

男「この辺でいいのか?」

友「ん・・・あぁ、そこ曲がってくれ。駐車場あるから」

男「あいよ」

男「ほい、ついたぜ」

友「サンキュ。今日はごっそさん」

男「おう、いいってことよ」

友「それにしても、お前がこれだけ羽振りがいいなんて明日は台風が直撃するかもしれんな」

男「失礼だなお前」

そういって二人は笑いあう。

男「あぁー、そうだ。お前に渡したいもんがあってな」

友「お・・・婚約指輪か?」

男「頭湧いてんのかお前」

友「辛辣ぅ」

男「・・・ほれ」

友「なんだこれ・・・おぉ、カレンダーか」

男「あぁ、来年の分でちょっと作ったんだけど、よかったら使ってくれ」

友「おう、さっそく部屋にかけとくわ」

男「ああ。じゃ、今日はそろそろ帰るわ」

そう言って車に乗り込もうとする男の腕を、私は掴んでいた。

友「・・・・・・待って」

男「ん・・・どうした」

友「いや・・・募る話もあるし・・・ここの駐車場代は出すから、何なら今日泊まってかないか?」

俯きながら、男に問う。今思えば、多分あの時顔真っ赤だっただろうな。

男「・・・・・・悪い、明日朝一で仕事入ってるんだ」

友「・・・そうか」

ゆっくりと手を放し、顔を上げる。

友「忙しいようで、何よりだな」

男「それはお互い様だろ」

友「・・・まぁな」

男「また連絡するさ」

友「おう、気を付けて帰れよ」

そうして私は、男の車を見送った。

部屋に戻った私は、男から貰ったカレンダーを広げてみる。

そこには、相変わらず不思議な雰囲気を纏った男の写真が載っていた。

友(不思議だな・・・ただの風景写真なのに、まるで誰かがこの中に立っているみたいだ)

もし、そこに立っているのが自分なら・・・写真を見ながら想像してみる。

友(ふふ・・・悪くない、な)

・・・

友「はい、もしもし・・・あぁ、母さん?」

友「うん・・・うん、わかってるよ・・・はいはい」

友「まーたその話?もういいって・・・え、男?いやたまに会うけど・・・」

友「はぁ・・・?いやそんなんじゃないって・・・やめてよ・・・うん、はい、はいはい」

友「やっと仕事がのってきたんだから・・・えぇ?うん、そうだよ・・・あーはいはい、切るね」

最近、両親から結婚しないのかと言われることが増えてきた。

気付けば私ももう三十を超えている。最近鏡を見るのが若干しんどくなってきた。

両親は私が男と結婚するものだと信じている。私の気も知らないで。

女「・・・朝っぱらからテンションさがるわー」

男から「久しぶりに会わないか」と連絡が来たのはそんな時だった。

柄にもなく、化粧をしてみる。今頃になって乙女心でも出てきたか・・・。

友「・・おーい、男。悪い、待たせたな」

男「いいよいいよ、これでメシおごってもらえるなら」(ニッコリ)

友「ぐ・・・仕方ねえな、わかったよ」

久しぶりに会う男の顔はまるで変わっていない。なんだコイツ。本当に人間か?

友「・・・それにしてもお前、全然顔変わらねぇな」

男「お前は少し老けたか?」

うるせぇよ。

友「・・・見ての通りだよ」

・・・

友「はは、もっと早くお前の才能に気づいてたらな」

カップの中の角砂糖を溶かしながら男に語りかける。

友「本当、お前の写真は不思議だよ・・・見ていると、まるで大切な誰かがそこにいるみたいな、そんな気がする」

男「大切な誰か、ねぇ・・・」

苦笑いしながら男はコーヒーを啜っている

友「まったく、昔から傍にいたのに気付かないとはなー。文字通り一生の不覚だよ」

男「なにが?」

友「ん?こんなことなら既成事実を作ってでもお前を結婚しておくんだったな、って」

男「ぶふぅー」

ダイナミックにコーヒーを吹き出す男。松田優作かお前は。  ※分からない人はオッサンに(ry

男「お前やめろよそういうこと言うの」

友「いや本気だよ・・・気付いたら私ももう30過ぎてるし。どうすんのこれ」

男「いや俺に言われても」

違うよ、お前にしか言いたくないんだよ。

友「なんだよー、お前も独り身だろ?ここはほら、そろそろ一緒になろうぜ!とか言っちゃうべきなんじゃないの!?」

男「いやどす」

友「いいのよ?」アハン

男「絶対いやどす」

ああ・・・またこうやって本音は埋もれていくのか。何年同じことを繰り返してるんだ、私は。

友「ふふ・・・なつかしいな、このやりとり」

男「ああ、まったくだ」

懐かしそうに笑う男の顔を見て、思わず私も笑みを零す。

友「あーあ・・・結局男には逃げられたか」

男「お前だって、学生自分はそこそこモテ・・・てはいなかったな」

友「うん?」

男「いや、見た目は結構評判よかったんだよ、お前」

友「乳か!この乳か!!」ボイン

男「まぁそれもあるかもしれんが・・・顔立ちは好感持たれる感じだからな。ただ、如何せん行動があれじゃあ」

友「ほーら、早く抱かないと垂れてくるぞー」ホレホレ

男「そーゆーのがいけないんだと思いますぅ」

・・・そうやって男の近くでバカやってれば、他の奴は寄ってこなかったしな。

友「いいんだよ、男にさえ嫌われなければ・・・と思ってたんだけど」ポリポリ

これは私の本心。

男「いや、お前のことは昔から知ってるし嫌いにはならんけどさ」

友「・・・ついぞ振り向いてはくれなかったなぁ・・・」トホホ

・・・今なら、言えるんじゃないか。

男「・・・そういう目で見れないって」

友「そうか・・・私はそんなことないんだけどな」

言った。ついに言ったぞ、私は。

男「・・・さすが30過ぎた独身女の性欲は半端無いっすね」

・・・ダメだ。結局このノリに流されてしまうのか。今までバカやってきたツケだな。こりゃ

友「おぉ、なんだったら今すぐ襲ってやるぞ」

男「いやどす」

友「『お前じゃ勃たねえんだよ!』くらいはっきり言っていいんだぜ?」

男「お前じゃ勃たねえんだよ!!」

友「くそっ、マジで言いやがった!!こうなったら身体で分からせてやる!!」ヌギ

男「おいバカやめろ」

友「ふふ、冗談だよ・・・」

男「目が半分マジだったぞ」

ああ、大マジだったさ。

友「・・・ま、私ももう一人でバカやってる歳じゃないしな」

男「・・・お前には、幸せになってもらいたいよ」

この野郎、人の気持ちも知らないで・・・

友「お前と一緒にいるのが、私にとっての幸せなんだけどな・・・」ハァ

こうなったら半ばヤケだ。

男「・・・すまん」

友「いや、素で謝るなよ。反応に困るだろ」

あぁ・・・なんだっていきなりそんな真顔になってしまうんだ、お前は・・・

さっきみたいに冗談にして笑い飛ばしてくれよ。

そんな本気で・・・謝らないでくれよ。

何とか笑おうとするが、うまく表情が作れない。とりあえず紅茶を飲んでごまかす。

友「・・・ただ、うちの両親はもうお前と結婚するものだと信じてるがな」

男「えっ」

友「私はいいが、下手したら両親のほうに刺されるかもな」ニコ

男「いや笑えねぇよそっちの方が怖ぇよ」ガクブル

男「・・・じゃ、そろそろ行くよ」

友「あ・・・もう行くのか」

男「うん。この街の写真を撮りたくてな」

友「そうか・・・何だったら、私がモデルになってやるぞ?」クネ

そういった瞬間、男はカメラを構えシャッターを切ってきた。

友「なっ・・・!///」

男「うし、じゃあモデル料はここの払いってことでいいな」

友「お、おい待て!いきなり撮るなよ!!」

男「はは、悪い悪い。現像したらちゃんと送るぜ!!」

友「あっ、こら!!」

男「またな!!」

そういって男は伝票を持って行ってしまった。

友「・・・もっとゆっくりしていったって、いいじゃないか。馬鹿」

ポツリと呟き、温くなった紅茶を飲み干す。

数日後、ひとり工房で仕事をしていると急に携帯が鳴った。

友「・・・男か。おう、もしもし」

男『友か。実はお願いがあるんだが・・・』

友「ん?」

男の様子が普段と違い、どこか焦燥感にかられているように感じる。

男『これから車でそっちに行く。今から何とか会えないか』

友「この時間にか・・・?」

男『迷惑なのは重々承知だ・・・頼む』

友「・・・わかった、待ってるぞ」

男『すまんな』

友「いいさ」

そう言って電話を切る。

数時間後、男が工房にやってきた。今まで見たことがないくらい、深刻な顔付きをしながら。

友「どうしたんだ、急に・・・」

男「すまないな・・・実は、お前に作ってもらいたいものがあるんだ」

友「私に?」

男「あぁ・・・等身大の女性の人形が欲しい」

友「はぁ・・・等身大のドールか」

男「できそうか?」

友「まぁ、できないことはないけど・・・こっちもちょっと立て込んでるからなぁ」

男「悪い、とりあえず、前金でこれだけ出すから」

そういうと男は机の上に札束を出した。おそらく数十万はあるだろう。

友「いいよ、それは・・・」

男がこれだけのことをするくらいだ。きっと何か深い理由があるのだろう

友「わかった、何とかするよ」

男「助かる」

私の回答を聞いて、少しだけ表情が和らぐ男。

男「で、今からいう特徴の通り作ってもらいたいんだ」

そういうと男は、髪型から体系、身長に至るまで細かい要望を伝えてきた。

それをひとつずつ、メモしていく。

友「・・・それにしても、女の子のドールとは・・・何なら生身の私が相手してやるのに」

いつものように、軽口をたたいてみる。

男「いや・・・そういう用途じゃないんだ」

そう答えた男は、再び表情を曇らせる。

友「はは、冗談だよ。ま、お客様の要望だからな。深くは聞かないさ」

男「・・・ありがとう」

友「おうよ」

男に頼まれてから、私は全力で依頼の品を制作をはじめた。

何しろ等身大の代物だ。これだけに専念したとても、半年でできればいいほうだろう。

友(まったく・・・無茶を言ってくれる)

とはいえ、これは私が男に受けた初めての仕事だ。

いずれ男の手に渡るものなら、一切妥協はしたくない。

私は文字通り寝食を忘れて、人形作りに没頭した。

そして半年後。

完成した人形が、男の手に渡るときがやってきた。

男「・・・すげぇな」

友「あぁ、久々の自信作だ。・・・こいつはちょっと、同じものは二度と作れる気がしないな」

男に頼まれて私が作ったこの人形。私にとっては、2人の間にできた子供のような存在と言っても過言ではなかった。

男「とりあえず、今ある分は全部渡しておく。残りの分は、後日振り込ませてくれ」

そういって男は分厚い封筒を取り出す。

友「出世払いでいいよ・・・って、もうお互い十分出世した、か」フフ

男「・・・ありがとうな、友」

友「大事にしてくれよ。その子は私の『娘』なんだからな」

男「分かってる・・・ずっと。一生大事にするよ」

友「うん・・・約束だぞ」

男「ああ、約束だ」

礼を言うと、男はまるでその人形を自分の恋人のように優しく車に乗せた。

友(・・・行っちまった、か)

男も人形もいなくなり、そのまま工房の椅子に座りこむ。

なんだか、心にポッカリ穴が空いてしまったようだ。

私にとって、あの人形を作っている間は男との繋がりを感じることができた。

なんだろうこの気持ちは。寂しいのか?私は。

友「・・・ぐすっ、ひっく、うえぇ・・・」

気付けば、私は泣いていた。年甲斐もなく、声を上げて。

あぁみっともない、まだ更年期でもないというのに・・・。

ぼんやりと見上げた男のカレンダーには、秋の街路樹が写っている。

・・・本当は、もうとっくの昔に気づいていた。

きっと、あの写真の中に立っているのは私じゃないということを。

・・・

友「なぁにぃ?もう壊しただとぉ?」ギリギリ

数日後、いきなり男から人形が壊れたと訪ねてきた。

男「い、いや・・・ちょっと理由があってな?」

友「ほぉ~ん、私が丹精こめて造った人形を壊すほどの理由がねぇ・・・」ビキビキ

男「ま・・・まぁ落ち着けって」

とはいえ、男の顔からは数日前のような影が消え、以前と同じ柔らかい表情に戻っていた。

友「・・・やれやれ。とりあえず、みせてみろ」

男「おう。おいで、ふっちー」

・・・ん?

ふっちー「あ、友さんお久しぶりです」ペコ

友「」

な・・・なんてことだ・・・あの人形が、動いてる!?

私は思わず言葉を失った。

男「深くは聞くなよ・・・まぁ、その・・・いろいろあった」

いろいろあったって・・・なにがどうしたら人形が動き始めるんだよ・・・

昔作った座敷童子フィギュアと違って、今回の人形は可動する箇所すらほとんど無いんだぞ・・・

ふっちー「いやぁ、まさか私のおかあさんが友さんだったとは・・・」エヘヘ

その瞬間、私は全てを悟った。

この頃ずっと、男がみていたのは「この娘」だったのだ。

友「・・・」ユラリ

男「お・・・友?」

友「・・・ない」

男「へ?」

友「お前に『お義母さん』と呼ばれる筋合いはないッッ!!」

男「」

ふっちー「」

友「こんな男に誑かされて!!」プンスカ

ふっちー「えっ」

友「そんな娘にお前を生んだ覚えはない!!」

ふっちー「え、いやあの・・・ほんのジョークd」

友「男も!この娘は一生大事にするっていったろうがぁ!!」ビキビキ

男「あ・・・お、落ち着けって!!ていうかなんでそんなにキレてんだよ!!」

その後、男から事情を聞いた・・・まぁ、到底信じられるような内容ではなかったのだが。

それでも、その後に目の前で起きた事実を目の当たりにすれば、それを信じざるを得ない。

友「ほら・・・」

男「ふっちー、小指出して」

ふっちー「はい・・・」

シリコンで作ったはずのその指が彼女の小指に触れた途端、それはまるで本物のように動き始めたのだ。

友「すごいな・・・不思議なこともあるもんだ」

男「奇跡も、魔法もあるんだよ」

ふっちー「いいから」

友「私の作ったものに魂が宿るとは・・・私もいよいよマエストロを名乗る時が来たようだな」

男「いいから」

ふっちー「本当に、ありがとうございます。友さん・・・」

友「・・・なるほど。今までお前がずっとファインダー越しに視ていたのは、この娘だったわけか」

男「ん・・・まぁ、そうなのかもな」ポリポリ

ふっちー「えへへ///」

あぁ、どうやら私は自分の手で自分の希望を潰えさせてしまったらしい。

友「・・・」

男「ん・・・どうした?」

友「あー、なんだろう。娘が嫁いじゃう親父の気持ちってこんな感じなのかなぁ」

男「お前その感想はねーだろ」

友「いやマジで複雑な気持ち・・・私の男が・・・娘に、盗られ・・・」ウフフ

男「待て待て待て、飛躍しすぎだろお前どうしてそうなった」

ふっちー「・・・男さん」

男「ん?」

ふっちー「友さんにお礼が言いたいので、ちょっと二人っきりにしてくれますか?」

男「ん・・・わかった」

そういうと男は工房の外へ出ていく。

ふっちー「友さん・・・」

友「・・・ん?」

ふっちー「ずっと、男さんから友さんの話は聞いてました」

友「ふーん、アイツ私の話なんかするんだな」

ふっちー「昔から仲良しだったって」

友「・・・ただの腐れ縁だよ」

ふっちー「・・・友さん、男さんのこと、好きだったんですね」

友「あぁ。好きだった、じゃない。今でも好きだ」

ふっちー「・・・私、友さんに作ってもらったから。友さんの考えてることも、なんとなく分かるんです」

友「・・・ほう」

ふっちー「・・・ごめんなさい」

友「・・・なんで謝るのさ」

ふっちー「だって友さん・・・泣いてるから」

なんだ。最近涙もろいな、私。

ふっちー「私がいなければ、男さんは友さんと・・・」

何を言ってるんだこの娘は。別にそんなの関係ないじゃないか。

ふっちー「でも・・・私もっ、男さんのことっ・・・本当に・・・好きでっ」

友「・・・男を見る目がないなぁ、やっぱり私に似たのかな」

ふっちー「友さん・・・」

友「気をつけろよ。アイツなんだかんだでモテるからな。優しいし」

ふっちー「それは・・・わかります」

友「おまけにちょっと浮気性だしな」

ふっちー「・・・それも、ちょっとわかります」フフッ

友「ま・・・私の変わりにアンタが男の面倒見てあげなさいよ」

ふっちー「・・・はいっ」

・・・

男「終わった?」

ふっちー「はい、おまたせしましたぁ」

友「おー話してみたらいい娘じゃないか。さすが私達の娘だな」

男「いやその言い方やめろよ、なんか背徳的な感じになっちゃうだろ」

ふっちー「///」

友「人形相手しかも近親相姦wwwwこれは薄い本が捗るなwwwwww」

男「やめてください死んでしまいます」ゲンナリ

男「あ・・・そうだ、これ」

友「ん?なんd・・・お、おいこれ!こないだの!!」

男「あぁ、よく撮れてるだろ?」

そこには、一人でバカみたいにポーズを決める私の姿があった。

友「」

男「やっぱりモデルがいいせいかね?写真が映えますなぁ~」ニヤニヤ

ふっちー(やっぱり友さんはスタイルいいなぁ・・・)

友「・・・ま、お前の撮ってくれた写真だしな。ありがとう。大事にするよ」

男「お・・・そうか?気に入ってくれたなら何よりだ」

ふっちー「あ、どうせなら今からみんなで写真を・・・」

友「いやー、今日はもう工房閉めるからまた今度ね!」

男「え、もうか?まだ夕方・・・」

友「ほらほらシャッター閉めるぞー、死にたい奴から前にでろー」ガララララガンッ

男「いたいっす友さん足めっちゃつぶしてるっすいたいっす」ダラダラ

友「ほら、帰った帰った。まだ中の後片付けがあるんだから!!」

男「いたた・・・ありがとうな、友。今度またお礼するよ」

友「おう、さっさと働いてその娘の分のお金完済しろよな」

男「ああ!これからバリバリ働くぜ!!」

ふっちー「・・・友さん、ありがとうございます。また、会いにきてもいいですか?」

友「おう、男に酷いことされたらすぐ帰ってきな。ここはアンタの家でもあるんだから」

男「バーカ、そんなことしねぇよ。またな!」

車に乗り込む二人の姿を見送り、私は工房の中に入った。

男からもらった写真を、クリップでカレンダーの脇に挟み込む。

友「・・・ホント、バカみたいだよなぁ」

男の撮った風景の脇に、一人ポーズをとる私の写真がとても滑稽な組み合わせだ。

友「・・・男、好きだった、よ」

数年後・・・

ふっちー「友さーん」

友「お、きたかバカ娘。旦那はどうした?」

ふっちー「それが、今日もお仕事が忙しくてで家にいないんですぅー」シクシク

友「なんだ、最低だな、男」

友「まったく、こんな身重のカミさん残して仕事とはね」

ふっちー「えへへ」

友「・・・ところでその子、ちゃんと人間の子なんだろうなぁ?」

ふっちー「ふぇ!?た、多分・・・」

友「生まれてみたら半分透けてましたとか、シャレにならんぞ」

ふっちー「だ、大丈夫ですよぉ・・・」

友「どれ、ちょっとそのボテ腹触らせてみろ」

ふっちー「ちょ、その言い方は・・・」

友「んー・・・おっ!?今動いたんじゃないか!?」

ふっちー「あ、本当ですね」

友「ほーら、私がおばあちゃんだぞー、早く出てこいコノヤロー」

ふっちー「お、おばあちゃんって・・・」

友「・・・その子が大きくなったら私にくれよ?」

ふっちー「だ、ダメですっ!!」

友「なんだ、ケチだな」

ふっちー「ケチとかそういうんじゃないですっ!!そういうのは、もっとこの子の意思を尊重してですね・・・」

友「冗談に決まってるだろ、このバカ娘」

ふっちー「」

友「はー・・・結局私はこのまま結婚できずに一生を終えるのか・・・」

ふっちー「あ、あの・・・」

友「いっそのこと、お前みたいに化けて出る方法教えてくれよ」

ふっちー「そ、そんなこと言われても・・・」

友「そしたら男が生まれ変わるまでずーっと待っててやる」

ふっちー「お化け暮らしも楽じゃありませんよぉ・・・」

友「いいさ。何百年、何千年待ったって男が一緒になってくれるんなら」

ふっちー「むー・・・」

友「あ・・・ホラ、携帯なってるぞ。愛しの旦那様から」

ふっちー「もうっ!・・・あ、もしもし?」

友「ふふ・・・」

電話をしている彼女の横で、ふいに子供の声が聞こえた。

「おい、あそこだあそこ!すごいいっぱいあるぞー!」

「わぁ、本当だ!!」

「見ろよほら!俺もう8個も拾ったぞ!!」

「私だって・・・!」

その幼い二人に、昔の私たちの姿を重ねられずにはいられなかった。

ふっちー「ふぅ・・・すみませんでした」

友「・・・なぁ、ふっちー」

ふっちー「はい?」

友「その子が生まれて大きくなったら、一緒にドングリ拾いに行くか」

ふっちー「えっ、ドングリですか?」

友「あぁ、意外に楽しいもんだぞ」

ふっちー「ま、まぁ構いませんけど・・・でも、なんでドングリ?」

友「いや、今あの子たちのことみてたら昔のことを思い出してな」

<ワー キャッキャ

ふっちー「はぁ・・・」

友「今だったら、あの時よりもっとたくさん拾えるし、もう掌から落とすこともないと思うんだ」

ふっちー「ドングリもいいですけど、どうせだったら栗拾いにいきましょうよぉ・・・」

友「なんだ。やっぱり食い意地はってるな、お前」

ふっちー「うぐ」

友「子供産んだら太るぞー」

ふっちー「うぐぐ・・・」

そんなしかめ面をする彼女の横で、私は遠くではしゃぐ子供たちの様子をいつまでも見つめていた。

-ANOTHER CASE END-

以上です!!
男なんでこんなにかわいい友ちゃんと結婚しなかったのおおおおおおおおおお

>>403
>>405
当たりです。今回のタイトル含めこの辺はストーリー思いついた時に聴いてた曲名とかにしてます。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年08月20日 (水) 16:15:38   ID: NJy7ll7x

良い話だった。乙。

2 :  SS好きの774さん   2014年08月31日 (日) 19:16:19   ID: avlQdMLJ

面白かった

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