響「765プロが倒産してもう二年さー……」(834)

はいさい!自分、我那覇響!よろしくね!
実は自分、アイドルをやるために2年前沖縄から上京してきたんだけど、ガガーン!なんと所属していたアイドル事務所が倒産しちゃったんだ……。

それで、どうしようもなくなった自分は一旦沖縄に戻ろうかと思った。
だけど電柱に貼ってあったペットショップ店員募集の張り紙を見て、即断。動物に囲まれながら楽しく働いていたんだ。

ところがそこのお店が法律に触れる動物を取引していて……。
うぎゃあああ!もうダメだー!って思ったんだけど、元765プロのアイドルの真のおかげでなんとか立ち直れたんだ!

うぅ……また大好きなみんなに会いたいぞー!と思っていたら……

「やよい!牛丼おいしいか!」
「うっうー!すーっごく美味しいですー!」

案外簡単にやよいに出会えた。

「お肉なんて久々に食べましたー!かんどーですー!」
「よしよし、やよいはかわいいな。今日は自分の奢りだから、いっぱい食べてくれよ!」
「わーい響さん大好きー!」

やよいの頭をなでなでしてあげると、葉っぱが数枚落ちた。
ホコリも服にいっぱいついていたので、手で軽く払ってやった。

やよいは特盛の牛丼の肉を1枚1枚剥がして、味わうようにゆっくりと噛みしめていた。
おいおい、ご飯粒も1粒ずつ食べるもんだから、量が全然減らないぞ……。

でも、やよいが満面の笑顔で食べているもんだから周りのお客さんも自分たちを見て微笑んでいた。
やよい、本当に会えてよかったぞー!

「本当にありがとうございますー!あやうく餓死するところでしたー!」

やよいを見つけたのはついさっきのことだったんだ。
そこに至るまでは深~~いいきさつがあって……

真が買い取った動物たちは、全員、真の家に送られることになった。
いきなり家に何匹もの動物がやってきたら、誰でもビックリするよね……。
当然、真のお父さんは大激怒。真は勘当寸前までいってもう大パニックだったらしいさー……。

それを聞いた自分は、真にもうカッコ悪いトコは見せられない、春香と一緒にまたアイドルをやるんだ
って気持ちでなんとか立ちあがったんだ!

それから真のお父さんと話して、全然関係ないけど真のお父さんって真と顔ソックリだなー、自分のアパートに動物たちを引き取ることにした。


んでんで、これまでの1年間は真が払ったお金をちゃんと返すために朝は新聞配達、昼は牛丼屋、夜は街中で大道芸の毎日!
合間を見つけては新聞やネットや街頭で動物たちの引き取り手を探してたんだ。

もう本当に辛くて毎日へとへとだったんだけど、そんな日々ももうすぐ終わりなんだ……。
うぅ……自分、頑張ったぞ~~。ハム蔵、褒めてくれ~~。

返済額にようやく到達する今月分のお給料を受け取った帰りに、ゴーヤチャンプルーの食材を買って、ふらっと駅に立ち寄ったんだ。
すると、オレンジ色の髪の毛のちっちゃい女の子が道端であおむけに倒れていた。
みんなが素通りする中、自分は、すぐに駆け寄って

「君、大丈夫か?!」
と声をかけて、両手で抱きかかえた。
そしたらなんと……

「うっうー……お腹すきましたー……」
「や、やよい?!」

それで、今に至るわけさー。
いやーなんだか最近の自分はツイてる気がするぞ!

「やよいももう16歳かぁ……」
相変わらずご飯粒を一粒食べて
「んー、ツユが染み込んでてすーっごくおいしい」
なんて言いながら頬に手を当てて口をもごもごと動かしている。

自分は、牛丼を掻き込みながら横目で様子を伺った。
やよいは2年前とほとんど変わってなかった。
相変わらずツインテールをくたびれた紐でまとめているみたいだ。
それにちょっとだけ痩せたみたいだけど……なにより……

「やよい、成長止まっちゃったのか……」
「はいー。給食で牛乳は飲んでたんですけど、おかしいですねー」

身長が全く伸びてなかった。
ハハ……相変わらずやよいは小動物みたいだ……。

「やよひは……ひま何してふんだ?」
牛丼を口に含みながらやよいに話しかけた。
ご飯粒がちょっと飛んじゃったから慌てて口に戻す。

「えーっと……家計が大変なので中学校を卒業したら内職してます」
「ないひょく?」
「お刺身に乗せるタンポポを造ってるんです。あれって意外と形整えるの難しいんですね~」
「……ほっか」
「本当はお弁当屋とかで働きたいんですけれど、家事もしなくちゃならないかなーって」
「……」
「長介がもっとしっかりしてくれればいんですけれど、相変わらず甘えん坊で困っちゃいますねー」
「……」
「あ、でも今もとーっても幸せですよ!」
「……そっか!」

やよいに笑顔を向けて白い歯を見せてやる。
……これはこれでまぁ、いいのか?

「いやー、君はすっごくおいしそうに食べるねー」
「はいー!こんなにおいしい食べ物初めてですー!」
「よーし。内緒で割引券あげるよ」
「本当ですか?!やったー!」

やよいは両手を思いっきり高くあげて喜んだ。
それを見ると、自分沖縄帰らなくてよかった、ってなんだかしみじみ思えたんだ。

「よーし!やよい、紅ショウガスペシャルだー!」
舌をペロリと出して、目の前の四角い容器を勢いよく掴んだ。
備え付けのトングで牛肉が見えなくなるくらいにドンドンと盛っていく。

「うっうー……響さん、そんなに取ったらお金がいっぱいかかっちゃいますよー……」
「ふっふっふ。やよい、紅ショウガはいくら盛りつけてもタダなんだぞ」
口元を不敵にゆがませて、トングをチッチッチと指に見立てて振った。

それを聞いたやよいは、ぽっかりと口を開けていた。やがて
「ほ、本当ですかー?!牛丼屋って凄いですー!毎日紅ショウガ食べに来たいですー!」
と言って、椅子に座りながら跳ねあがった。

「……」
さっきの店長らしき人は、複雑そうな顔でこっちを見ていたけれど、やがて苦笑を浮かべて店の奥へ引っ込んでいった。

「フン、あんなに紅ショウガを盛りつけて……。牛丼のなんたるかが全くわかってねぇな。味覚音痴か?」
「んな……」

背中の方からそんな声が聞こえた。
振り返ると、茶髪のチャラそうな男が箸を持ったままテーブルに肩ひじをついていた。
今、言ったのは多分アイツだ。なんだかヤなヤツだぞ……。

「ひ、響さん、気にせず食べましょー?」
「う……うん……」
じぃっとソイツを睨みつけてる自分を見て、やよいは慌てて言葉をかけて背中をさすった。
そ、そうだ今日はやよいとせっかく久々に会えたんだ。怒っちゃダメだぞ、自分……。

気を取り直して、やよいに笑顔を向ける。
「やよいー!実はな、この牛丼はツユだくなんだ!」
「ツユだくってなんですか?!」
「牛丼屋には隠しメニューがあって、汁を多めにできるんだぞ!」
「はわっ。知らなかった……。響さん、詳しいんですねー!」
「うん、自分、ちょっとした通だからな!……へへっ」


「そのくらい誰でも知ってることだろ……。偉そうにご講釈かよ。バカか」
「な……な……」
牛丼屋に不釣り合いなあの黒いスーツのチャラ男、なんだかすっごいハラたつー!!!

だけど怒らない……怒らないぞ……。

「や、やよい……牛丼おいしいな……」
「響さん、笑顔が強張ってます……」
チャラチャラロン毛はその後は言いたい放題だった。

「ったく、いるんだよな。こういう勘違いが。」
「……」
「ま、貧乏臭いヤツにはそれとなくそんな牛丼もお似合いかもな」
「……」
「大体、木曜日の真昼間から牛丼屋かよ。全く、みじめったらしくて見てられないな」

それで、堪忍袋の尾が、完全に切れた。
テーブルに両手を思いっきり叩きつけて、勢いをつけて立ち上がった。
醤油刺しが一度、宙に浮いて、倒れる。

「ちょっと君、さっきから何なんだよ!」
「はわわっ響さん、喧嘩はダメです!」
「離せやよい!自分、こういうチャラチャラしたヤツはだいっきらいさー!」
裾を掴んで椅子に座らせようとするやよいを振りほどく。

チャラチャラロン毛は相変わらず余裕ぶった態度で、テーブルの座イスにもたれかかった。
「おい、そんなに閣下すんなって」
「君、何者なんだよ!」
「俺か……?俺の名前は天ヶ瀬冬馬。せいぜい覚えておきな」

「ううぅ!名前なんか聞いてないいい!」
思わず頭をグシャグシャと掻き毟る。
なんだかこの冬馬ってヤツと喋っているとペースを乱されてどうしようもイライラするさー!

「あまりにもマヌケなヤツがいたから、つい口を挟みたくなってな」
そういうと、箸を空っぽになった丼において立ちあがった。
「あばよ。せいぜいそのみっともない紅ショウガ丼でものんびり食べてな ハッハッハ!」
「あ、逃げるなー!」
冬馬とかいうヤツはそのまま高笑いしながら自動ドアを抜けていった。

なんだったんだよー!

「うっうー……」
「あ、やよい。もう食べ終わったのか」
自分が冬馬に気を取られているうちに、いつのまにかやよいの牛丼は空っぽになっていた。
やよいはこちらを不安そうに見つめている。

さっきのヤツ……天ヶ瀬冬馬って言ったっけ?
なんだか、嵐が近いような気がする…。

牛丼屋から出ると、そこから駅へと伸びる道がピンク色に所々染まっていた。

「綺麗だなー。やよい!」
「うわぁー、響さん。桜って食べられるんですか?!」
「そ、そういう料理もあるらしいけどさすがにここに散ってるのは無理だと思うぞ……」
「残念ですー……」
やよいはガックリと肩を落とした。
うぅー……やよいがガッカリしてるトコなんて見てられないよー!

……そうだ!
「やよい、確か木曜日はもやし祭りの日だったよな?」
「はい、水曜日はチラシ寿司の日だからプリンを買ってー木曜日はもやし祭りの日ですー!毎日がエブリデイですー!」
やよいは満点の笑顔で飛び上がった。
自分は、しめしめと思いながら手持ちの手提げバックに手をつっこんだ。やよいは首をかしげてそれを覗いている。

そして、勢いよくバックからビニールで密封されたもやしを数パック取りだした。
「じゃじゃーん!丁度もやしを買っていたんだ!しかも野菜入りだぞー!」
「うわぁー!」
やよいは目をキラメキラリと輝かせている。

「やよいはすーっごく可愛いから、コレあげる!」
「はわっ!そんな……今日なんだかごちそうされてばっかりで……」
「いいんだ。自分、やよいに久々に会えてすーごく嬉しかったんだぞ!だからそのお礼!」
「うっうー!ありがとうございますー!」
やよいは両手を後ろに跳ねあげてガルーンと深くお辞儀をした。

それから、今度家へ行く約束をしてやよいと別れた。プロデューサー、自分とやよいはもう心配いらないぞー!
駅前で思いっきり飛びあがったら、みんなにクスクス笑われたけどなんくるないさー!

『ララララ朝だ!ララララ起きよう!』

鶏の形をした目覚まし時計が自分の耳元で鳴り響いた。
「んぁ……」
それを、大体の目途をつけて手のひらでバンバンと叩く。
やがて目覚まし時計に当たって、音楽が止まった。

「ふぁぁぁ~~」
思いっきり欠伸をした後に、胡坐をかいて伸びをした。
う~~、昨日はTシャツとパンツ一丁で寝たから、なんだか肌寒いぞ……。

それから歯を磨いて、その格好のままゴーヤチャンプルーをフライパンで炒めて、食べた。
「んしょっ」
Tシャツを捲りあげると、ノーブラだったから胸が弾みをつけてぷるんっと飛び出た。
うーん、最近働いてばっかりだっから、胸が萎んじゃった気がするさー……。

鏡の前で鼻歌を歌いながら、リボンを口に咥えつつ、ブラジャーのホックをつけて、黒の短パンを腰まで引き上げた。お尻がキュッと引き締まる。
白い薄手のシャツを着て、アクセサリーとピアスをつけて化粧して髪をまとめあげてポニーテールを作ったら……

「みんな、行ってきまーす!」
動物たちに手を振って勢いよくドアを開けた!

プロデューサーのお墓の前で座って、手を合わせた。

「プロデューサー、自分、ようやくみんなに会いに行けるぞ」
真に返すお金も、ついに溜まった。
ギッシリと札束が詰まった封筒を手に持つと、1年間分の重みを感じた。自分、やりきったんだって実感できた。

ペットショップの動物も、昨日メールが来て、最後の1匹の貰い手がやっと見つかったんだ。
どんな人かわからないけど今から待ち合わせして、受け渡しに行くんだ。

「プロデューサー、後は完璧な自分に任せて安心して眠ってね……」

それと……自分はプロデューサーの墓から斜め下の小さな墓石へと視線を落とした。

「ハム蔵もね……」

ハム蔵はつい数カ月前に死んだ。ハム蔵がいてくれたから、自分は一人でも頑張れたんだ。
長生きしてくれてありがとう。ハム蔵。


「プロデューサー、ハム蔵。自分のこと、ずっと見てて。絶対だぞ!」
自分は待ち合わせ場所へと、笑顔で走った。

ハム蔵うううううう!
逝っておられたのか…

「う~ん、どこにいるんだ……」
人がごった返す駅前で、自分は頭を掻きながらキョロキョロと辺りを見回した。
片手に持った子犬の入ったケージが絶え間なく揺れている。

「エサあげるから暴れるなー。犬代ー」
ポケットからサーターアンダーギーを取り出して、犬代に食べさせる。

「大体、目印は黒いスーツなんて言ってもそんなのいくらでもいるぞ……」
もっと詳しく決めておけばよかったぁぁぁ!なんて後悔しつつも、仕方ないので、そのまま待つことにする。

駅のベンチに座って、頬に手をついて待つことにした。
数分ほど待つと自分の向いている方向とは逆側から、なんだかキザったらしい声が聞こえた。

「す、すまねぇ、遅れちまった。」
「えっ」
「なっ」

こ、こいつは牛丼屋で会ったチャラチャラロン毛……!名前は確か……

1 天ヶ崎竜馬
2 鬼ヶ島羅刹

「鬼ヶ島羅刹ッ!」
「あぁ、そうだ俺は鬼ヶ島……って誰だよっ!」
羅刹は一度、片膝をついた後に手を額に当てて、また思い切り立ちあがってツッコんだ。

やっぱり、なんだかとんでもない嵐が来るような気がするさー……

よりによって、受け取り人がこのハラたつチャラ男だったなんて……
どういう巡り会いさー!

だけど……
「ぷっ、あはは。そんなチャラチャラしてるくせに、こーんな子犬を飼うのか。なんだか、ちょっと可愛いトコあるんだな」
「なっ。笑うんじゃねぇ!」
冬馬は卓球のバックハンドの要領で手を振り上げた。
……こうやって冷静に見てみると、いちいちオーバーリアクションで面白いぞ。

「ったく」
冬馬は自分のベンチの隣に腰かけた。あ、相変わらず腰かける位置が深いな……。
「な、なにさ……」
密着してきたので、自分は少しだけ距離を開けた。

「やってられないぜ。子犬でも飼わないとな」
……もしかして相談を聞いてほしいのか?
「とっくに気づいてたと思うけどな。俺はな、元アイドルなのさ。」
……知らんさー。
「去年までは、楽勝!でトーゼンだろ!だったんだけどな。」
……?
「とある理由で、解散しちまった……。ジュピターって名前、トーゼン聞いたことあるだろ?」
……ジュピター?どこかで聞いたような気がするぞ。確か、ニュースで……

『ジュピター衝撃の解散!』

「き、君もしかして元961プロなのかあああ?!」

「そうだ。この俺が、今や牛丼屋のバイトなんてな……」
……それであんなに煩かったのか。

冬馬はベンチの背もたれに両手を広げて乗せて、足を組んで曇り空を眺めていた。
元アイドルって所に、自分はちょっと親近感を覚えた。少しだけ表情が和らぐ。

「どうして解散したんだ?」
「社長が変わってな……ライバルがいなくなったから張り合いが無いだとよ。
 ま、他にも色々あるんだろうが勝手すぎるぜ。」
冬馬は足を大きく回ながら、組み直して続けた。だ、だから何でそんな挙動が大きいんだ……。

「それで方針が変わったんだよ。これからはワンマン方針でいくってな。
 で、去年入った新人とどっちが961の看板アイドルか勝負した。……負けたよ。しかも3対1でな。」
冬馬は歯を食いしばって続けた。

「あの、俺たちを負かした時のアイツの憐れむような目!ムカつくぜ!
 何が『あなたたちはもう961プロに関わってはいけません。わたくし一人で十分です』だ!」
な、なんか口調が貴音に似てるけど違うよな……。貴音は仲間同士の助け合いが大事だって前言ってたから。

でも……天ヶ瀬冬馬。イヤなヤツかと思ってたけど、自分と全く同じ立場で頑張ってるんだな……。
それに、よく見ると元アイドルなだけあって、意外と……。

そう思ったら、胸の奥がトクンと熱くなった。
あ、あれ……?なんだか自分、変だぞ?

なんだか体が熱い……。

「おい、どうした?」

冬馬の顔が近づく。

「ひゃあっ」
自分は驚いて飛び上がった。

なんだかドキドキするんだ……。

冬馬の顔を眺めていると、頭がボーっとする。

もしかして、自分、恋しちゃったのか?

これはないわー
マジないわー…
お願いしますやめてください
そういうのはいいんで早く美希を出してください

「……実は自分も元アイドルなんだ」
自分が何を喋っているのか、よく理解できない。目が潤んでるのがわかった。

「なっ、そうなのか……」
冬馬は驚いた顔をした。
「通りで、美人だと思ったぜ」
「えっ」
顔がカーッと熱くなった。

「実はな、牛丼屋でちょっかい出しちまったのも、その……よく言うだろ?気になるヤツほど意地悪をしちまうってな」

ダメだ。なんだか何も考えられない……。

「自分も、よくわからないんだけどなんだか気になってるの……かも」
何言ってるんだ、自分は。

不意に肩を抱かれた。ビクッと肩が震えた。

「俺は、一度決めたことはゼッタイ実現する。恋を始めようぜ」
「あ……」

そんな、こんな駅前で……。
冬馬の唇が近づいてくる。

プ、プロデューサー……自分、自分は……。

「んん……」




「ん……?」

「は……ふぁ……ふぁいさぁい!」
数センチで唇が届く寸前で、思いっきりクシャミが出た。

「おい……」
目を開けると、冬馬が目をつぶったままツバと鼻水まみれになってプルプルと小刻みに震えていた。
「あ、あはは、ごめん……」
うん?もしかして……自分はオデコに手を当てた。
やっぱり、風邪ひいてた。昨日薄着で寝ちゃったからなー。
そう意識したら、なんだか急にさっきの熱も冷めてきたみたいだ。

「いやー、やっぱりさっきの言葉は、撤回撤回!どうやら勘違いみたいさー」
「おいちょ、ちょっと待てよ。あ、愛してる、愛してるんだ!」
うぅ、そんなまっすぐ言われると……
「だーかーらー、勘違いだってば!わかんないかな……」

「冬馬さーん!ここにいたー」
「げっ……」

なんだかやよい並にちっこい子がこっちに向かって突撃してきた。

「またアレおごってくださいー!」
そういって、大声を出しながら冬馬に向かって走ってくる。
この感じ、まさか……。自分の中で、怒りの炎がメラメラ燃えてきたぞ!

「ちゃんと彼女いるんじゃないか!やっぱりチャラ男さー!しかもどう見ても子供じゃないか!
 ロリコン変態!ありえなくない?!」
「ち、違うんだ。なんかコイツ勝手に俺に懐いちまって……」

「シュガーパイおいしいよーーーーーーーー!!!!」
ちっこい子は、走ったまま立ち止まらずに冬馬のお腹にタックルした。
「ぐふぅ!」

冬馬はみぞおちを抑えながら、ガクリと膝をついて
「A……Alice……or……Guilty……」
そう言って、アスファルトに頬をついた。

自分は、その後犬代とお礼の餌だけ置いて、足を踏みならしながら帰った。
きっと、もう2度と会うことは無い気がするぞ!


ジュピター・876パートおわり

こっから書き溜め無し

『ララララ朝だ!ララララ起きよう!』

「んぁ……」
目覚まし時計を止めて、胡坐をかいて伸びをした。

唇に挟んだ体温計を、手に取り眺める。
よしっ、一晩寝たら風邪はすっかり治ったみたいだ。

窓を開けると、あいにく曇り空だったけれど、
今日は、いよいよ真と春香に会いに行く日なんだ。
風邪なんて、吹っ飛んじゃうさー!

大金の入った封筒を茶色い木編みの手提げバックの奥底に入れた。
真、これ渡したらどんな顔するのかな。きっとビックリするんだろうな!

ワクワクする気持ちを抑えきれなかった。
だけどちょっと気になることもあった。


──真の携帯電話が、全く繋がらなくなったんだ。

えっ…?

参ったな……。真の方から会いに行こうかと思ったんだけどなー……。
よし、まずは春香の方から先に会いにいくか!

そう思い、春香の携帯電話にかけた。
去年ペットショップで交換したから番号はわかってた。
春香、きっと「久しぶりだねー!響ちゃん」なんて喜ぶぞ!

「うん?」

コール音がずっと鳴り響く。
おかしいな……。

──春香の携帯電話も、繋がらないぞ。


しばらく考えこんで、家に直接行ってビックリさせることに、決めた。
「よっし!待ってろよー!春香ぁー!」

スニーカーに履き替えて、家へ出て暫く走っていると足元でブツリという音がした。
見ると、靴紐が切れてた。

「うぁー!自分、やっぱりツイてないのかも……」
帰って履き換えようとも思ったけれども、歩く分にはそんなに問題無いし、そのまま春香の家へ向かった。

「うぎゃああ、黒猫が前を横切ったー!不吉だー!」

そんなこんなで、春香の家についた。
電車に揺られてる間は、久々に春香の笑顔が見れるっていう気持ちでずーっとニヤニヤしてた。

インターホンを2回押すと、ドアがゆっくりと開いた。

「久しぶり春香ァー!ってアレ、なんかちょっと老けたか?」
「……春香の母です」
「あ、あわわ。ごめんなさい……」
初めて会った春香のお母さんは、春香によく似ていた。
さすがに真のお父さんほどじゃないけど。
春香のお母さんは頬がこけて痩せていた。

「春香の、お友達ですか?」
そうよわよわしい声で言った。

「あぁ、自分、元765プロの、春香の親友なんだ!」
「本当に……来てくれてありがとうございます」
春香のお母さんはエプロンで顔を覆って泣きだした。

そ、そんな感動されるようなことなのか?なんだか自分、照れちゃうなー。

まだ響知らないんだな

取り敢えずその目覚まし時計、買います。

靴を脱いで、春香のお母さんの背中を見ながら階段を1段ずつ上がって行った。
もうすぐ、もうすぐ春香に会えるんだ。
自分、春香に負けないくらいの最高の笑顔でお出迎えしちゃうぞ!

春香のお母さんは、ドアの前に立ち止まって、しばらく俯いた後に
ゆっくりと2回ドアをノックした。

うぅ~待ちきれない。ウズウズするぞ~!

「春香、お友達が久々に来たわよ……」

ドアの向こう側から足音が聞こえた。その音がどんどんこっちに近づいていって
数歩先で一旦止まって、カギが乱暴に回される音が聞こえた。

会う前に、八重歯を見せて、思いっきり笑顔を作った。
春香、待たせてごめんな!一緒にまたアイドルやれるぞー!

はる……

「ずっと待ってたんだよ!千早ちゃん千早ちゃん千早ちゃん千早ちゃん千早ちゃん千早ちゃん
 千早ちゃん千早ちゃん千早ちゃん!!」
春香は自分の顔を見ながら、壊れた人形みたいに何度も叫んだ。


自分は笑顔を保ったまま凍りついたように固まった。
……ハルカ?

おおうふ、、、、、

事態が全く呑みこめなくて、さっき用意してた言葉が無意識に飛び出た。

「はるか、またせて──」
「千早ちゃん私、やっぱりダメだったよ。何度も立ちあがらなくちゃって思って頑張ってみたんだけど
 やっぱり千早ちゃんがいないとダメだったんだ。でも帰ってきてくれて良かった。あはは。」

春香の目を見て、背筋がゾクっとなった。
自分が、何度も見てきて、そのたびに悲しくて仕方がなかった目だ。

春香は、動物が死んだ時の瞳をしていた。

「ひぐっ……」
不意に、自分のお腹の底から負の感情が込みあがってきた。
それに呑みこまれそうになるのを、必死に歯を食いしばってこらえた。
自分、プロデューサーにもう心配いらないって言ったんだ。泣き顔は絶対に見せられない。

「ハ、ハハ……春香、何言ってるんだ。自分、千早じゃな──」
「千早ちゃん、私、トップアイドルとしてステージに立つ夢を見たんだよ!
 765プロのみんなも全員いたんだよ!それでね、プロデューサーさんも隣で笑ってた!ねぇ入って!」
「わわっ」
腕を思いっきり掴まれて、部屋の中へ無理やり引き入れられた。

確か千早は・・・

イメージ

>>130

いつみても平気だったその画像、、、

今回は笑えないぜwww






わらえないぜ、、、、、

重心を崩されて、前のめりに倒れた。
「いだだ……」

春香の部屋を見渡す。
机の上には書き殴ったように『千早ちゃん』と書かれた画用紙がいくつも散らばっていた。
床には、雑誌掲載の時の記念写真が入っている写真立てのガラスにヒビが入って投げ出されている。
壁には何かをブツけたようないくつもの凹みがあった。

これは、夢なのか?自分は、そう思った。
だって春香が、あの元気をいつも振りまいている春香がこんなことになってるなんて……

春香の乾いた声がまた聞こえた。クスクスと鈴のような笑い声と一緒に。
「ねぇ、千早ちゃん。お話しよ」
「うぁ……響……我那覇響……」

唇が震えながらもなんとか言った。
このとき、なんだか春香がとっても怖く思えた。殺されちゃうんじゃないかとも思ったんだ。

奇しくも響本人がハルカを・・・

「あ……」
春香が呆けたような声をあげ、目の色が戻った。
それからくるっとターンして、部屋の隅っこに体育座りした。
そこの部分だけ、半円をえがくようにモノが積み重なってる。

「ごめんね……響ちゃん、久しぶり」
「ビ、ビックリしたなー!お、驚かすなんてひどいぞー」
自分は無理やり笑顔を作った。まだ足が、震えちゃダメなのに震えてる。
震えるな、震えるなっ。そう思っても抑えることができなかった。

「うん。ビックリしたよね。時々、ああなっちゃうんだよ。」
「……」
「響ちゃん、響ちゃん……。あの時は本当にごめんね……」
「あの時?」
「ペットショップ……」
「だから、どうして春香が謝るんだ?」
「あれ、私のせいなんだよ。」
「えっ……」

春香は下唇を咥えて、目をギュッと閉じた。

春香が正気に戻った?

コワイヨーコワイヨー((((;゚Д゚)))))))

「私が、私のブログで広めたからバレちゃったんだよ」
「……」

そうだったのか。
なんだか急に、来客が増えたとは思ってた。

でも……でも悪いことしてたのは自分たちの方なんだ。
春香は、自分のことを思って宣伝してくれたんだ。
そんなこと、春香が気にすることじゃないのに。

春香の肩を両手で掴んで、顔をあげさせる。
自分が、真に言われたことと同じセリフを春香に言った。
「春香は悪くない」
「違うよ、私があんなことしなければ今でもきっと……」

自分は立ちあがって、弾みをつけて逆立ちした。春香がビクッと震えた。
「なんくるないさー。自分、今はこーんなに元気いっぱいなんだ」
「……」
「だから、春香も元気出すんだぞ。ほらっ」
片手を離して逆立ちしてみせる。

「響ちゃん……」

イイハナシダナー( ; ; )

この話も大団円に近づいてきたな。

>>154

続いて欲しいような欲しくないような、、、、

逆立ちした手を変えてみる。重心を維持するためにフラフラと体が揺れた。
「ふふーん。自分、これならいつでもダンスレッスンができるぞ」
「……」
「完璧な自分が、春香にまたダンスを教えてあげるぞ!」
「……」

顔を上げて春香の方を見ると、瞳が潤んでいた。
春香、怖いなんて思ってごめんよー!自分、反省するさー!

「でも……」
「うん?」
「やっぱりダメだよ。私、もう立ちあがれない」
春香はまた顔を膝にうずめた。
……春香、お願いだからそんな悲しい声をしないでくれ。

……。

うぅ頭に血が昇ってきた……。何か春香を元気づけるような事は……。むむ……。

「そうだ!」
くるっとバク転して、立ちあがって、春香の方に向き直る。


「自分が、千早をここに連れてくるぞ!」

おおぉっっ(゚o゚;;

Are you ready!!
I'm Lady 始めよう
やれば出来る きっと
絶対 私No.1

START 始まる 今日のSTAGE
Check マイク メイク 衣装 It's Show Time♪
Try Challenge
Stardom 光り光る SPOTLIGHT
眩しい輝き
まっすぐデビュー

夢は叶うモノ
私、信じてる
さぁ、位置について Let's Go☆

Are you ready!!
I'm Lady!! 歌を歌おう
ひとつひとつ 笑顔と涙は
夢になる Entertainment
Are you ready!!
I'm Lady!! 始めよう
やれば出来る きっと
絶対 私No.1

「えっ……」
春香の顔から陰りが消えていって、輝くのがわかった。
一瞬だけ、765プロの時の、一緒にステージに立った時の顔が見えた。

「本当、本当なの?!」
「うん、自分、春香が笑ってくれるなら、何でもするさー!」
「うぅ……ぐすっ……ありがとう……響ちゃん……」
春香が手の甲で涙をぬぐった。

って、勢いで言っちゃったけど話を詳しく聞くのを忘れてたぞ……。
カッコ悪い……。

それから春香は途中何度もつっかえながらこれまでのことを話してくれた。
律子がコンビニで働いてることとか、あずささんが結婚したこととか、千早が突然いなくなったこととか。

「そ、そうなのか、千早、あんまりじゃないか!置き去りにするなんて!」
自分は拳を握って、窓の方を向いた。そのまま続ける。
「自分、ぜーったい千早を連れ戻すぞ!次ここに来る時は、千早と一緒だ!」

>>163

その挿入歌はまだ早い。

ってか貼るな。

靴紐がほどけたスニーカーを履いて、つま先をトントンした。
ピンクのパジャマ姿の春香が微笑を浮かべて、見送りのために立っている。

「響ちゃん、ごめん。私、部屋から出るのすら怖くて……」
「いいんだ。後は、完璧な自分に任せてくれよな!」
春香の目の前でピースを突きだして、笑った。

「ありがとう、ありがとう……」
春香の瞳はずっと潤んだままだった。
そんなに千早のことを想ってたんだな。なんだかちょっと妬けちゃうかも……。

「この事が解決したら。自分、あのときの約束、守らせてくれよなっ!」
「約束……?」
「うん。一年前の約束だぞ。春香と一緒にアイドル……」

『アイドル』って言葉を出した途端、また春香の瞳が濁った。
さっきの恐怖を思い出して、また心臓が跳ねあがった。

「じゃ、じゃあまたな。は、春香」
自分はまた体が震え始めてきて、逃げるように春香の家から飛び出した。
あの目はどうしてもダメなんだ……。歩きながら、震えが止まらなくて胸のあたりを鷲掴んだ

春香……。
誰よりもアイドルに憧れてたのに、今はまるでそれをトラウマかなにかのように……。

むぐぐ……。頭がモヤモヤする。

「千早、待ってろ~……」

道端で膝を曲げるように座り込んで、さっき春香から渡されたメモの千早の携帯番号を押す。
千早のことだから「あら、我那覇さんお久しぶりね」なんて澄ました声で言うんだろうな~……。
自分、千早が電話に出た途端に思いっきり叫んでやる。

携帯電話を耳元にあてる。
コール音が1…2…3……4………


──千早の携帯電話も繋がらない。


みんな、一体、どうしちゃったんだ……。

春香にあんな啖呵切った後に、今さら「あっはっは。電話繋がらなかった。ごめんさー」
なんて言えないぞ……。

よーし、出るまでずーっと掛け続けてやるぞ!
自分はひたすら、数コールした後に、切って、また掛けてを繰り返した。

そしたらやっとのことで
「あ、あの……」
受話器越しから声が聞こえた。

自分は思いっきり息をすいこんで
「千早ぁぁぁー!!!今どこにいるんさぁぁぁ!」
って叫んだ。

「ひぅ……!」
ひ、ひぅ……?千早、そんな可愛い声出せたのか?路線変更か?

「あ、あの……萩原雪歩ですぅ」
「へっ?」

何で、千早のケータイに雪歩が出るんだ?
自分の頭の中がクエスチョンマークでいっぱいになった。

キターーー\(^o^)/ーーーーーー

『響ちゃん……?』
「う、うん」

掛け間違えにしては、偶然すぎるぞ……。
こんなところでなけなしの運を使っちゃったのか?
頭の中でハム蔵が所せましと文字を並べて整理しようと頑張ってるけど、答えが出ない。

『あ、あのね。千早ちゃん今ちょっと電話に出られないから私が代わりに……』
「むむ……そうなのか。今から千早を怒鳴りにそっちに行く。場所を教えて!雪歩!」
『え……え……』
「雪歩!」
『ひぅ……!765プロ病院……902号室……』

びょ、病院?!千早が病院で携帯電話が雪歩?
また意味不明なワードが出てきたぞ!
うああ、頭がこんがらってくる……。

『あ、あのね。響ちゃんよく聞いて……千早ちゃんは……きゃぁっ!』
突然大きな、何かがブツかるような音がして電話が切れた。

「……」
自分は頭を2~3回思いっきり横に振って、こんがらかった思考のまま、病院へ向かった。
みんな、お願いだから、変わらないでいて欲しいさ……!

765財閥すげー

電車に揺られている間に、はやる気持ちにフタをしながらざっと頭の中を整理した。
目を瞑って、顎に手を当てて探偵のように考えてみる。

多分、千早と雪歩が病院にいる……。

1、千早は携帯電話をおいてどこかへ外出した。
2、検診中のため、出られない。
3、ドッキリ。

と、なるとやるべきことはひとつ……

「とりあえず、お見舞いを買っていくぞ!」
自分は、八百屋でシークワーサーを一袋買った。
千早がもし入院していたら、これを食べさせて、お大事にって言ってから怒ってやるさー!


早歩きだったから、案外早めに765病院へとついた。
エスカレーターのボタンを押して、病室へと上がっていく。
そして病室について、深呼吸をしてから、扉をあけた。

「千早、いるのか!」

ゆきほが真によって生傷だらけだったら
ガクガク(((゜Д゜;)))ブルブル

主へ
SS書くのはいいとしても書き溜めてからにしとけ読者が待ってるだろ

お前らへ
気持ちはわかるがレスはあまりするな
主のスレが埋まったら困るだろ?

「あら、我那覇さん。お久しぶりね」
千早が、ベッドから上半身を起こして、こっちに微笑む。

「響ちゃんごめんね。私ドジだから携帯電話落としちゃって……穴掘って埋まってますぅ~」
雪歩がスコップを持って、病院の床に穴を開けようとする。

「ちょっと、一体なんなんさー!」
「ごめんなさい。ちょっと、頭を打って気を失ってしまっただけなのよ」
「あの時は本当にビックリしましたぁ~」

「もー!心配かけないでよね!」
自分は、ビニール袋をおもいっきり投げつけて、ふくれっ面をしてやる。





そんな……そんな光景を期待してたんだ。


「雪歩!謝れよ!千早に謝れ!」
「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!」

なんで、真が、雪歩の髪を引っ張ってるんだ?
なんで、千早がベッドで眠ってるんだ?
なんで……?なんで……?なんでなんだ……。

ちょっと待って真って今どうなってんの
小鳥さんのしか読んでないからちょっとこれ何が何だか

>>206

全部読んでからまたいらっしゃい

>>204
主人(笑)

てかこの>>1毎回余裕もってまとめるから
前回だかも雑談注意した後に「雑談OKです!」って言われて真っ赤になってたやついたし
今回も言われるまで自治せんでいいやろ

「ひっ……」
さっきの春香の目が心に浮かんだ。
なんだか頭が割れるように痛いんだ。
思わず、絶句したまま頭を抱える。

「雪歩が悪いんだよ!全部雪歩のせいだ!」
「きゃぁっ」
真は、雪歩の髪の毛を掴んだまま思いっきり雪歩の肩を殴った。

「許して……許して……真ちゃん……!」
雪歩は赤くなってきた肩を抑えながら、真の裾を握力の入っていない手で握っている。
止めないと……そう心の中では何度も想うのに、おかしいんだ……。体が震えて一歩も動けない。

「千早は、この何倍も痛い思いをしたんだ!」
真は、雪歩の髪の毛を引っ張ったまま、思いっきりベッドの鉄骨に叩きつけた。
「はぁ……はぁ……」

真は息を荒げて、雪歩を見下ろしている。
千早はピクリとも動かない。

「私が全部悪いから、だから真ちゃんの気の済むまで殴って……」
雪歩は、消え入りそうな声で呟いた。

あぁぁあああぁぁあああぁぁあああああああああ

──関係あるよ……。だってボクたちは、仲間だもんね。
去年、アパートで自分の手をそっと優しく握って微笑んでくれた真を思い出した。
真が、あの真がこんなことするハズないんだ。これは自分の見てる夢なんだ……。

「……雪歩、じゃあ千早を治してよ」
真が低い声で言った。

俯いている雪歩の肩が一度ビクッと揺れた。
そのまま顔を真の方へ上げて、涙を流しながら、床に伏した。

「……ごめんね。真ちゃん」

真の顔がまた強張った。真も泣いてた。
「うああああ!!」
カメのように丸まった雪歩の背中を思いっきり靴の裏で何度も踏んづけた。
雪歩の力がゆるゆると抜けていく。これ以上は……

そこで、やっと自分の足が動いた。真と雪歩の間に無理やり割り込む。

「や……やめて……死んじゃう……雪歩死んじゃうから……!」

「響……」
ゆっくりと真の顔がこっちを向いた。
「ひっ……!」
思わず短い悲鳴が漏れた。春香とおんなじ目だ。

「うぅ……」
雪歩は地面につっぷしたままうめき声をあげていた。

「ま、真、自分お金持ってきたぞ。ちゃんと返しに来たんだ」
「……」
「何があったかわからないけど、真、そんなコトするようなヤツじゃないだろ……」
「……響も」
「えっ」

小さな声で自分の名前が呼ばれた。そして、その直後、大声が鳴り響いた。
「響も!雪歩も!ボクが助けたんだろ!!!だから、だから一生のお願いだから千早を助けてよ!!!」
真はパイプ椅子を頭の上で持ち上げて、地面に力いっぱい叩きつけた。
「何で何だ!何で何だよ!どうして誰も千早を助けてくれないんだ!う……うぅ……」

「千早……もう半年も待ってるんだ。許すって言ってくれよ……」
真は千早の眠っているベッドに顔をうずめてずっと嗚咽を漏らしていた。

>>202だが・・・
スマン・・・(´;ω;`)


責任とって名医探してくる

「はぁ……はぁ……」

自分は、何度も踵が浮くスニーカーで転びそうになりながら、病院の外まで走った。
とにかく、どこでもいいから遠くへ逃げ出したかったんだ。

ビルの壁に肩をこすらせながら、フラフラと歩いた。

「た、助けて……誰か……」
………。
「そ、そうだ。貴音、貴音、助けて……」
………。

震える手で携帯電話を落としそうになりながらも、961プロの電話番号へとかけた。
何度も掛け間違えた。やがて、ガチャリといった音が鳴った。

───繋がった。

「自分、我那覇響。貴音に変わって欲しい……。みんなが、みんながおかしくなっちゃったんだ!」
貴音……貴音……
『あー、お前ペットショップの……。貴音はお前みたいなヤツ友達じゃない。二度と会いたくないってよ。じゃあな』
たか──。


……。

響「お金なら・・・お金ならあるさー!これで雪歩を救っておくれ!」

BJ「その言葉を待っていた。」

「う……」
気分が悪くなって、口元を手で押さえた。

真と春香と雪歩の、あの目が浮かんだ。

「う……う゛う゛ぇ゛……」
手と膝を地面について、胃の中のものを吐いた。
雨がポツポツと降ってきて、それと混じる。

「うわっこいつ吐いてるぞ」
「きたね……」
周りの足音が自分から離れていった。

吐しゃ物の中に、自分の顔が映ってる。
みんなと同じ目だ。

自分、今度こそもう……ダメさー……。

遠ざかる足音の中で、一つだけこっちへ近づいてくる足音を聞いた。
背中を叩く雨が、無くなった。

「……風邪ひいちゃいますよ」
「やよい……」

やよい・・・

吐瀉物って映さなくね?固形物なんも食べてなかったって意味か?

毎日「で検索でおk
支援

>>283
だよな。普通はコレ

やよいは、自分の前へ座り込んで、「べろちょろ」からハンカチ、というより雑巾を取り出した。
自分の目を拭って、鼻をふいて、折りたたんだ後に口元を優しく拭いてくれた。

「や……やよい……」
「響さん、なんだか辛そうですー……」

やよいがこの時、何故かプロデューサーと姿が被った。
やよいを胸の中へ引き込んで、思い切り抱きしめる。
「はわっ……」
やよいは驚いた声をあげたけれど、すぐに力が抜けて自分の背中に手を回した。

その後、適当なベンチに座って、自分は思いっきり泣いた。
やよいには皆のことを聞かせたくなったから、ただ弱音をひたすらはいた。
やよいはそれを頷きながら聞いていた。自分、やっぱりカッコ悪いさー……。

やがて、
「響さん、響さんはすーっごく頑張ったんですね」
「……」違うぞ。ただ怖くて逃げただけなんだ。
「もう、頑張らなくてもいいんじゃないかなーって」
「えっ」
「ぜーんぶ忘れちゃいましょう!一緒に、毎日もやし祭りしましょうー!!」

自分は、このときただ誰かに優しい言葉をかけてほしかったんだ。
ペットショップの店長に裏切られて、取り調べでひどいこと言われて、
みんなが壊れちゃった中で、やよいだけが唯一自分の味方に思えた。

「やよい」
「はいー」
「一緒に、沖縄行こう
 民宿で二人で働こう。やよい」
やよいの境遇を考えたら、こんなこと言っちゃダメだったんだ。
だけど、もうここに居たくなかった。

「えっと……」
やよいは困った顔をした。もじもじと手を組んでいる。
「……」
だけどやがて、意を決したように
「わかりました」
と微笑んだ。

「やよい、あっちに行ったらゴーヤチャンプルーの作り方教えてやるぞ」
「うわー!ありがとうございますー!」
「沖縄の海はな、すーごくキレイだから見たらビックリするぞ!」
「うわー早く見たいなー」

やよいと相合傘をしながら、手を握りながら、雨の中を歩いた。
これで、これで間違ってないよね?プロデューサー。

やよいが、やよいさえいてくれたら、壊れた皆を忘れて生きていける気がした。



その後、やよいは家に来て、一緒にお昼寝して、テレビを見て、夕方になったら
「今日のところは帰ります。沖縄、楽しみにしてますね」とガルーンと礼をして帰った。

「……」
やよいがいなくなったアパートは、すごく広く感じた。
足の爪を目的もなくいじる。

「あ……」
やよい、傘と「べろちょろ」忘れてるぞ。
どうしよう。やよい携帯電話持ってないんだよなー……。


今日はこれから大雨が降るみたいだし……。
「届けにいこう」

自分は靴紐の切れたスニーカーをゴミ箱に捨てて、ハイヒールを履いてやよいの家へ向かった。

           ノヘ,_
    ,へ_ _, ,-==し/:. 入
  ノ"ミメ/".::::::::::::::::. ゙ヮ-‐ミ

  // ̄ソ .::::::::::: lヾlヽ::ヽ:::::¦
  |.:./:7(.:::::|:::|ヽ」lLH:_::::i::::: ゙l
 ノ:::|:::l{::.|」ム‐ ゛ ,,-、|::|:|:::: ノ   /    /   /  | _|_ ― // ̄7l l _|_
 ヽ::::::人::l. f´i  _l :i |:|リ:ζ  _/|  _/|    /   |  |  ― / \/    |  ―――
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 ヽ(_  lt|゙'ゝ┬ イ (τ"

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やよいの家は相変わらずだった。花と草の塀を抜けて、木造の家の前に立った。

「おーい、やよいー」
……返事が聞こえない。

「やよいねーちゃん!お腹減ったー!」
「はいはい、ちょっと待っててねー」

……やよいの声だ。開かれた障子から、
オレンジの服を着たやよいの背中だけがちょっとだけ見える。

「はい、今日も牛丼だよー」
えっ……

やよいはタッパーの蓋を開けた。中には牛丼が入っていた。
まさか……


やよい、あの時あんなにお腹減ってたのに、食べてなかったのか……。

やよいは何もしてないだろ!!
もとから不幸気味だったんだからもうこれ以上は…
やめてよぉ……

……。

しばらく立ちすくんでいると、背後で排気ガスをまきちらすかのように乱暴なエンジン音が響いた。
振り返ると、ゴキブリみたいな黒塗りの車から二人組の柄の悪そうな男が出てきた。

自分を無視するかのように、ズカズカと上がり込む。
な、なんだコイツら……なんだか怪しいヤツさー……。

「やよいちゃん!」
やよいの背中が震えた。
「おねーちゃん……」
「だ、大丈夫だよ。ほら、あっちの部屋へ行って」

身を乗り出して、中をうかがい知る。
やよいは震えた手で、灰皿代わりの空き缶と掛けた湯のみ茶碗をテーブルに二つ置いた。

「やよいちゃん、そろそろお金返したほうがいいんじゃない?」
「……」

……なんだよ。やよいも自分にウソついてたのか。
今が幸せだなんて真っ赤なウソなんじゃないか……。

もう家族捨ててでも沖縄行きたいんだな・・・

やよいは胡坐をかいてる二人の対面で、膝に握った拳をのせて正座している。

「やよいちゃん、君が頑張ってるのはよーくわかるよ」
「涙ぐましいよ」
煙草の灰を空きカンへ落として、ぶっきらぼうに言う。

「でもさ、やよいちゃんのためを思って言ってあげるよ」
「この業界に長年いたからよーくわかる。借金っていうのは300万を越えたらまず返済不可能だよ」
「働いて……なんとか働いて……」
やよいは膝の方を向いたまま答えた。

「刺身のタンポポ作る仕事でどうやって返済するのさ?」
「お母さんも入院してるんだろう?だから、いない今のうちに決めたほうがいいよ」
「……」

「君のルックスだったら、ちょっとキツめのプレイでいいなら一発で返せるよ」
「しかも、やよいちゃん経験無いでしょ?お釣りがくるって。意地なんて捨てて、さっさとスッキリしちゃいなよ」
「うっうー……」

やよいが借金返済のために風俗へ・・・

やよいに債務処理を専門にしてる弁護士紹介するわ

・・・それにしてもコレを書いてる奴は文才があるというか創造性豊かだな

「中学卒業まで待ってあげたんだからさー」
「大丈夫、働いてる間は絶対にバレないようにするから。返したら戻ってくればいいよ。ねっねっ」
「……どのくらいで返せるんですか?」

二人は胡坐をかきなおして、手を大きく叩いた。
「よっし!やよいちゃんさすが!」
「いい子だねぇ~」

やよいは、唇をかみしめたままポロポロと涙を膝に落としていた。

「うわぁぁぁー!やめろおぉ!」
「長介っ!」
長介はやよいの胸へ飛び込んだ。
「やよいねーちゃんを変なお店で働かせないでよ!」
「長介……ごめんね……でももう決めたから」
「やよいねーちゃん……」
「長介、これからはこの家では一番お兄さんなんだから、しっかりしないとダメだよ?」

もう赤旗でも創価でもなんでもいいから助けてくれ

もうまともに生き残ってるのは美希だけだな

実際、いくらまでなら出すよ?お前ら

>>376
あずささんもまともですが・・・
Pに未練を残したままお見合い→結婚しようとしている。

柄の悪い二人は白けたように、それを眺めて、携帯電話で何か「極上の子が一人決まった」なんて話している。

やよいは長介の頭を優しく撫で上げている。やよい……やよい……。
「う……うぅ……」
「長介、私、これから友達と遠くで暮らすから」
「えっ」
「私がいない分、食費も浮くよ。それと民宿で働かせてくれるみたいなんだ。お金も毎月送るから。」
「どこにも行かないでよ!やよいねーちゃん!」
長介の背中に回された手が、服がグシャグシャになるほどに握られた。

「それに、お母さんに申し訳なくて、きっと顔見れないよ……。内緒にしててね。長介」
「やよいねーちゃん……ずっと前に、ねーちゃんはアイドルなんて好きなことやってていいなんて言って……ごめんよ……」

「「「やよいねーちゃん!」」」
かすみも、浩太郎・浩司も浩三もフスマを開けて、やよいの元へ走り去ってやよいに抱きついた。

「みんな、元気でね」

>>384
いくらでもに決まってんだろ

>>384通帳に約100万はある・・・
あとゴルフクラブを売ったら5万ある

「待つさ!」
「響さん?!」

フスマの前で、仁王立ちした。
つい数時間前の恐怖もいつのまにか消えていた。

春香も、千早も、真も、雪歩も、自分には助けられなかった。
貴音にも見捨てられた。こんな時には絶対に助けてくれるプロデューサーもいない。

でも自分、やよいだけは絶対に助けるんだ。

天井を見上げると、蜘蛛の巣が張っていた。

真、ごめん。あと1年だけ待ってほしいぞ。
でも、あの日の真だったらきっと自分と同じことをするだろ?


「300万は自分が返すさ。今、ここで、すぐに」

       _,,,-‐、_ノ)
       ヾ'''"     ⌒゙ヽ、
      r''"          ''ヾ、
    i(__..'´             ゝ
    |ヽ               し
   〈                 (
  、_/                 ゝ

  ヽ、 .{  ノ( /( /)/(/  /⌒l ´し
   ヽ、〈 (/、,,_( ノ_;;;;三''`、 .)`i.|  )
   ヾ、`;Yr::ヶ,、  '-`="' 、ノ .|、_/ (_,,)

     `ー{ ~~´ノ      ヾ、| ヾ、/‐ 、_
       ヽ (⌒ )  、 ヾ彡\__ツ:::::::::::::::`ー、
   _..-''´ ̄ヽ、二´-‐ '´ /  ,,''::::::::::::::::::::::::::::::`-、
  /:::::::::::::::::r''/ー‐''  /_,,-‐"::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`-、
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! ._,,,,-‐'''"     /:::::::::::::::::::|    /l⌒ヽl;;;ゝ;;_ノ;;;l(彡|:::::::}
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           ヽ、;;: -‐"::::::::::::::::::\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/:::::::::/
          _,,-''":::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー---‐''´:::::::::::::|

その言葉を待っていた!!!

携帯じゃスレ立てれんから、ここに書いとくけれど、9月11日か15日に多分地震くるわ。15日が濃厚だけど。結構大きめ、てかかなり大きいと思われる。震源地は東北らしい。

>>411
ぶち殺すぞ(´・ω・`)

買い戻すまでの飼育代とか込だろ

           ノヘ,_
    ,へ_ _, ,-==し/:. 入
  ノ"ミメ/".::::::::::::::::. ゙ヮ-‐ミ

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二人は煙草を口に咥えたままポカーンとしていた。
やがて、足をバタつかせながら大声で笑い出した。

「お前みたいなガキが300万なんて大金持ってるわけねーだろ!」
「寝言は寝て言えよ」

……すぐにほえ面かかせてやるさー。

「響さん……」
やよいは不安そうな顔で見つめている。
やよい、すぐに笑顔を取り戻させてあげるぞ……。

バックの底に手をつっこんだ。
……ん?

バックをひっくり返す。サーターアンダーギーやら卓球の本やらが床に散らばる。
……え?
「あれ?!あれ?!」
ポケットに手を突っ込んで、まさぐる。

「無い?!無い!」

……自分の顔がサーっと青ざめていくのがわかった。

明日朝早いんだが・・・寝不足確定だな

           ノヘ,_
    ,へ_ _, ,-==し/:. 入
  ノ"ミメ/".::::::::::::::::. ゙ヮ-‐ミ

  // ̄ソ .::::::::::: lヾlヽ::ヽ:::::¦
  |.:./:7(.:::::|:::|ヽ」lLH:_::::i::::: ゙l
 ノ:::|:::l{::.|」ム‐ ゛ ,,-、|::|:|:::: ノ         え?

 ヽ::::::人::l. f´i  _l :i |:|リ:ζ
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 ヽ(_  lt|゙'ゝ┬ イ (τ"
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       |:::::| ミ  丿 |:::::|

どこで!どこで落としたんだ……!
普段の自分じゃ絶対にありえないくらいのスピードで思考が回転した。
こんな状況で、自分の得意のダンスを披露することになるなんて……。

ドタバタして慌てる自分を見て、柄の悪い二人は大笑いしてる。
うぐ……涙目になってるぞ……自分。

ここで、春香のことを、真のことを思い出した。
あの気味の悪い感覚が押し寄せてくる。

自分の候補に真っ先に浮かんだのが、一番考えたくない答えだった。
違う、違うんだとかき消しても、いままで、ずっと騙されてきた自分はその疑いを払拭することができなかった。
冷静に考えたら、これはおかしいことだらけだ。

でも…
あり得るとしたら……
自分のアパートで昼寝したときに……

「やよい……ま、まさか……」
「えっ……」

やよい・・・

いつも>>1が雑談して暇つぶしてろみたいなこと言ってんじゃん
いまさら雑談スレ見たところでギャーギャー騒ぐなよ

とは言っても今回はそんなこと一言も言ってないけどな

不意に、自分の携帯電話が鳴った。

「も、もしもし?!」
反射的に電源ボタンを押した。
「春香の母ですが、あの落し物で封筒が」
「……」

あの時だ……。
春香に腕を引っ張られたときに……バック落としてた……。

どうして、一瞬でもやよいを疑っちゃったんだ。
やよいはそんな事するようなヤツじゃないって、あれほどわかってたのに……。
何が、自分は完璧だ。サイテーじゃないか……!

「お願いします!2時間で戻りますから!待っててください!」
慣れない敬語を使って、必死に柄の悪い二人に頼み込んだ。

「おいおい、こっちも慈善家業じゃないんだ……」
「まぁでも、これから仕事も無いし、すぐに金が返ってくるんなら願ったりだな。1時間30分だけ待ってやる」

1時間30分……春香の家から往復まで本当にギリギリだ。
「やよい、ごめん!」
自分は、やよいの家を飛び出た。

大急ぎでとりにいきやよいの家に向かう途中で靴紐が切れて響転倒して

そこにダンプカーが響に向かって・・・




これひかr

>>615

おい

あなたと過ごした日々を
この胸に焼き付けよう

思い出さなくても
大丈夫な様に

プロデューサー「アーラッシャー!セーヤッラー!」

プロデューサー「アァア!?メーラッデー!」

オエーーーー

イイハナシダナー。・゜・(ノД`)・゜・。

キターーー\(^o^)/ーーーーー

確認したらちゃんと土曜だった

>>669

>>1の小粋な計らい

どうせ夢オチ

>>679

ンなわけあるか!!!









あるか、、、?

MIKI

ドユコトーーー??

作者はとりあえず全員を不幸にせんと気が済まんのか

tws

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