美希「また律子に怒られたの~」響「自分もだぞー…」貴音「…」 (50)

美希「律子はちょっと怒りすぎなの。あれじゃお嫁さんのもらい手がいなくなっちゃうと思うな!」

響「うーん、でも悪いのは自分たちだし…でも確かに怒りすぎだよなー」

美希「そうなの!律子はもっとどっしりしてればいいの、小鳥みたいに!」

響「それはそれでどうかと思うぞ」

貴音「…」

美希「…貴音?さっきから何で黙ってるの?」

響「お腹でも減ったのか?」

貴音「いえ、私は律子嬢に怒られたことがないので会話に参加できないだけです」

美希「そういえば貴音が怒られてるのって見たことないの」

響「確かにそうだぞ」

貴音「…私も律子嬢に怒られてみたいものです。どうすればよいのでしょう?」

響「お、怒られたいのか?」

美希「とりあえずやっちゃダメなことすれば怒られるってミキ思うな」

貴音「やってはいけないこと、ですか…」

翌日

貴音「やってはいけないことといえば…これでしょうか」

律子「あら貴音、今日もラーメン食べてるのね」

貴音「え、ええ…らぁめんは私にとって命と等価値ですから」

律子「あはは、大げさねぇ…」スタスタ

貴音「…さて」


律子「…あれ?貴音、まだラーメンに手を付けてないの?」

貴音「じ、実はそうなのです」

律子「うわ、すっかり伸びきっちゃってるじゃない」

貴音「実はそうなのです!」わくわく

律子「どうしたの?どこか悪い?お腹痛いとか?」

貴音「い、いえ、そういうわけでは」

律子「でもラーメンに一口も手を付けてないなんて…ちょっと待ってて、薬箱持ってくるから!」

貴音「あ!り、律子嬢!…はて、何がいけなかったのでしょう…?」

美希「どうだった?律子怒ったでしょ?」

貴音「いえ、やってはいけないことをしたら、何故か心配されてしまいました」

美希「えー?何それ、なんかズルいの!」

響「アイドル間の格差を感じるぞ」

貴音「やってはいけないことをしても怒ってもらえないのならば、何をすればよいのでしょう」

響「うーん…じゃあメガネに触ってみるといいんじゃないか?」

貴音「めがね、ですか?」

響「前に亜美が律子のメガネに指紋つけてたらものすごく怒られてたからな!」

貴音「めがねに指紋ですか…なるほど」

美希「そういえばメガネ人にとってメガネは命の次に大切だってハニーも言ってたの!」

貴音「なんと!命の次に大切!…わかりました、明日はめがねに挑戦してみましょう」

翌日

貴音「おはようございます、律子嬢」

律子「あら貴音、おはよう。おなかの調子はどう?もうよくなった?」

貴音「え、ええ…」

律子「そう、それならよかったわ。だからってあんまり食べ過ぎちゃダメよ?ふふっ」

貴音「…り、律子嬢!」

律子「きゃっ!?な、何よ、いきなり大きな声出して…」

貴音「ご無礼!」サッ

律子「えっ!?」

貴音「…」カチャカチャッ

律子「…どうしたの、急に私のメガネに手をかけて…」

貴音「い、いえ、その…」カチャカチャ

律子「もしかして…かけてみたいの?メガネ?別に構わないけど結構キツいわよ?ほら」スッ

貴音「えっ…あ、ありがとうございます。では…くぅん!」くらっ

律子「あははっ!だから言ったでしょ~?キツいって」

響「どうだった?」

貴音「ひどく目まいがしました」

美希「まさか目まいがするくらい怒られたの!?」

響「それとも叩かれて目まいがしたとかか!?ひどいぞ律子!」

貴音「いえ、なぜか笑ってめがねを貸してくれました」

響「…なんじゃそりゃー!メガネに指紋もつけたのか?」

貴音「はい、素手にてしかと触れましたので」

美希「思った以上に難敵なの」

貴音「はて、私には無理なことなのでしょうか…」

響「貴音!あきらめたらそこで試合終了だぞ!」

美希「そうなの!ネバーサレンダーなの!」

貴音「言葉の意味はよくわかりませんがとにかく勇気づけられました。では次の作戦を頼みます」

美希「こうなったら…セクハラ攻撃なの!」

響「おー!その手があったぞ!」

貴音「何と破廉恥な!がんばります!」

翌日

貴音「意気込んではみたものの…せくはらとはどのようなことをすればよいのでしょう…」

P「おはよう!」

律子「あ、プロデューサーおはようございます」

貴音「おはようございます、プロデューサー殿」

P「ああ、今日も一日頑張ろうな!」ポンッ

律子「…プロデューサー?あまり女性の肩に気安く触らない方がいいですよ?」

P「何だよ、ちょっとした挨拶じゃないか律子」

律子「わかってますけど、この程度でもセクハラにされることがあるんですから」

貴音「!」

P「へーいへい、気を付けますよーっと」

律子「まったく…ん?どうしたの貴音?」

貴音「律子嬢…」ポンッ

律子「…何?」

貴音「…はて…」

響「どうだった?さすがに怒られただろ?」

貴音「…無念です」

美希「またダメだったのー?」

貴音「果敢に挑戦してみたのですが…何がいけなかったのか」

美希「…セクハラしたんだよね?」

貴音「はい」

美希「でも律子が怒らなかったってことは…響!今は律子にセクハラし放題なの!」

響「そうか!この機を逃す手はないぞ!」

美希「ごめん貴音!ちょっと行ってくるの!」

響「飽きるまで揉んだら帰ってくるから待っててね!」

貴音「はあ…よしなに」



美希「うわーん!ものすごい怒られたのー!」

響「うえーん!顔の色が赤だか青だかわかんなかったぞー!」

貴音「なんとうらやましい!」

響「なんだよぅ、やっぱり怒ったじゃんかー!」

美希「律子は平常運行だったのー」

貴音「響や美希は怒られるのに…私は怒ってもらえないのですね。嫌われているのでしょうか」

美希「怒られないから嫌われてるってのはヘンだと思うな」

響「でも相手を怒るのは相手のことを思ってるからだって小学校の時の先生が行ってたぞ」

貴音「やはり…私は律子嬢に嫌われているのですね…」しょんぼり

美希「響は空気を読むべきなの」

響「あー!貴音ごめん!落ち込んじゃ駄目だぞー!」

貴音「いえ…これも仕方のなきことなのでしょう…私が至らぬばかりに…」どんより

美希「こんなに落ち込んでる貴音は初めてなの」

響「…おのれ律子!」

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