ミーナ「二人組を作ってもらえるかしら」 ペリーヌ「え」(232)

昼食後 食堂

ルッキーニ「ねーねー!何でジャムって甘いのに赤いんだろ!」ペロペロ

ゲルト (…………?)ズズッ

シャーリー「ジャムの赤はトマトじゃなくてイチゴなんだよ」ズズッ

ルッキーニ「あー、そっちかー!騙されたぁ!」キャッキャッ

ゲルト(……なるほど、わからん)

エイラ「ロシアンティーはジャム混ぜないんだゾ、ツンツン眼鏡」ニヤニヤ

ペリーヌ「もう、わかってますわ!」



ミーナ「そうだわ、明日の訓練なんだけど」カチャ

ミーナ「皆さん、二人組を作ってもらえるかしら」

ペリーヌ「え」

エイラ「ハイハイハイ!サーニャは私と、私とだかんナ!」ガタッ

サーニャ「んぅ……ねむ……」ムニャムニャ


ルッキーニ「ぱふぱふシャーリー!」

シャーリー「しましまルッキーニ!」


ペリーヌ「あ、あ……」


エーリカ「ねぇ、明日は私が長機でいい?」

ゲルト「おまえについていけるのは私くらいだからな」


ペリーヌ「えっと……リーネさん?」キョロキョロ


リーネ「がんばろうね!芳佳ちゃん!」ギュッ

宮藤「うん!」ギュッ

ペリーヌ「宮藤さんと……」シュン


もっさん「んー?ペリーヌはまた余ったのか」

もっさん「よし、私と組むか!」

ペリーヌ「あ……よろしくお願い致しますわ……」


ミーナ「あ、そうじゃないわ」

ペリーヌ「?」

ミーナ「今回はいつもと違うペアを組んでほしいの」

ゲルト「いつもと違う……?」

もっさん「それはどういうことだ?」

ミーナ「ウィッチーズが二人一組のロッテ戦術を基本としているのは知っているわね」

ミーナ「訓練によっていつものペアの連携を高めるのも重要だけど」

ミーナ「今回は違うペアを組むことで、戦略性の幅を広げたいの」

ルッキーニ「えと、それって……?」

シャーリー「つまり新しいペアを試してみようってことさ」ナデナデ

ゲルト「なるほど!新しい可能性だな!」ピョコン

ゲルト「それでは宮藤!私との新しい可能性を」キョロキョロ


宮藤「サーニャちゃん!いっしょにやろっか!」

サーニャ「んぅ……なにを……?」ゴシゴシ

エイラ「ダメダメダメー!」

エイラ「サーニャは私の!私のものだかんナ!」ガバッ

シャーリー「ひゅー」ニヤニヤ

エーリカ「大胆だね、エイラ」ニヤニヤ

エイラ「エ?いや、今のはそういう意味じゃなくて」アタフタ

サーニャ「……それじゃ、どういう意味なの?」

エイラ「ウワ!起きてたのか!?」アワワ

ミーナ「駄目よ、エイラさん」

ミーナ「具体的には同じ部屋以外の人とペアを組んでほしいの」

エイラ「うぐぅ……それでもミヤフジだけはダメだ!」

宮藤「えー、なんでですかぁ?」

エイラ「ダメなもんはダメなんだ!」ベー

宮藤「私のこと、そんなに嫌いなんですかぁ」ウルウル

エイラ「!」

ルッキーニ「ああー!芳佳を泣かせたー!」

ルッキーニ「謝りなよ、エイラ!」メッ

エイラ「エー、だってさー」

サーニャ「……エイラ」ジトーッ

エイラ「ウッ、わかったヨ……」

エイラ「ゴメンな、ミヤフジ」

ルッキーニ「エイラも謝ってるし、許してあげて」

宮藤「あ、私はそんな怒って」

ルッキーニ「ペアならあたしがなってあげるから、ね?」ナデナデ

宮藤「……ありがと、ルッキーニちゃん!」

サーニャ「……エイラは何で芳佳ちゃんが嫌いなの?」ジトーッ

エイラ「イヤ、嫌いじゃないんだけどサ」

エイラ「その、サーニャとペアを組ませたくないと言うか」モジモジ

エイラ「もちろん、私以外は誰でもいやなんだけど」モジモジ

エイラ「特にミヤフジだけはダメって言うか」モジモジ


エーリカ「サーニャんは誰か決まったー?」

サーニャ「いえ、まだ……」

エーリカ「じゃ、私と組もっか!」ニシシ

サーニャ「はい」ニコッ


エイラ「ダカラ、できれば私と組んで欲しいナーって」モジモジ

エイラ「……アレ?」

ゲルト「あ……宮藤……」


ルッキーニ「でねー!あたしがバババーッ!って銃を撃ったらー」

宮藤「うんうん!」


ゲルト「……」

シャーリー「宮藤に告白する前にふられちゃったなぁ」ポン

ゲルト「んなっ!告白だなんて、たかが任務だ!」カァァ

ゲルト「それと馴れ馴れしく肩を掴むな」フンッ

シャーリー「まぁまぁ、落ち着きなって」ニヤニヤ

シャーリー「ペアならあたしがなってやるからさ」

ゲルト「リベリアンが私の動きについてこれるとでも?」フフン

シャーリー「おまえこそあたしのスピードに遅れるなよ」フフン


ペリーヌ(……何だかんだペアを組むつもりなんですのね)

リーネ「……」

ペリーヌ「……」

ペリーヌ「……あの、リーネさん」

リーネ「……そうですね」ハァ

ペリーヌ「ちょっ!それは何の溜息ですの!」キーッ


ミーナ「あら、聞いてなかったの?」

ミーナ「同室の隊員以外って言ったでしょう?」

ペリーヌ「つまり、わたくしとリーネさんは……」

リーネ「そういうことになりますね」

ミーナ「ちなみに私は美緒と組むわ」ニコニコ

もっさん「お、ミーナも訓練に参加するのか?」

ミーナ「ええ、久しぶりに頑張ろうかしら」

もっさん「うむ!久しぶりだからと言って手は抜かないからな!」

もっさん「しっかりしごいてやろう」アッハッハ

ミーナ「やだ、美緒ったら!みんなの前で」カァァ

ペリーヌ(……あら、これって……)キョロキョロ

リーネ「……!」


ルッキーニ「そしたらマーマがバケツを持ってきてさ!」キャッキャッ

宮藤「えー、ウソでしょー!」キャッキャッ



シャーリー「やっぱりスピードが全てだろ」

ゲルト「いーや、圧倒的な火力と物量こそチカラだ」


エーリカ「サーニャん、寝癖ついてるよ」サッサッ

サーニャ「あ、気持ち良いです……」


ペリーヌ(残っているのは……)

エイラ「サーニャぁ、私も寝癖に気づいてたヨー」ウワァァァン

リーネ「エイラさん、明日は頑張りましょうね」ニコニコ

エイラ「ナンダ……?」グスグス

ペリーヌ「ちょっ!ズルいですわよ、リーネさん!」

ペリーヌ「エイラさん!わたくしと組みましょう!」

エイラ「アー……ペアの話かぁ……」グスグス

リーネ「ええ、私とペアを組む話です」ニコニコ

ペリーヌ「いいえ!わたくしとですわ!」




エイラ「……んじゃ、ツンツン眼鏡」グスン

リーネ「!」

ペリーヌ「!」

ペリーヌ「わ、わたくしとですの!?」アタフタ

エイラ「ナンダヨー、イヤなのかー?」ゴシゴシ

ペリーヌ「いえ!こういう場合、余るのはいつもわたくしだったので」

ペリーヌ「少し、びっくりしただけで……」ウルウル

リーネ「……」

エイラ「ウワ!なに泣いてんだヨー」ニヤニヤ

ペリーヌ「もう!泣いてなんかいませんわ!」キーッ

エイラ「エェー?ホントかー?」ウリウリ

ペリーヌ「ちょっと!髪が乱れてしまいます!」ボサボサ

リーネ「……チッ」


ミーナ「あら、リーネさんは余ってしまったの?」

ミーナ「いつもは余らないのに、何でかしら?」

リーネ「……痴呆が始まったんじゃないですか」ボソッ

もっさん「では、リーネはミーナのポジションだな!」

シャーリー「つまり指揮官ってことか?」

ゲルト「それはさすがに……」

もっさん「なに、ネウロイの予測周期も二週間後だ」

もっさん「ミーナにも息抜きは必要だろう」

ミーナ「……そうね、訓練は今日と明日の二日間の予定だし」

ミーナ「重要な仕事だけ私がやることにすれば構わないわ」

ミーナ「それに、リーネさんには指揮官の素質を期待しているの」ゴニョゴニョ

リーネ「……顔が近いです」ボソッ

宮藤「うわぁ!指揮官なんて凄いよ、リーネちゃん!」

リーネ「うん、頑張るね!芳佳ちゃん!」ニコニコ

もっさん「うむ!それでは決まりだな!」

ミーナ「ええ、訓練は二日間」

ミーナ「もうお昼過ぎだから、今日は新しいペアとの交流を深めること」

ミーナ「明朝から、そのペアで演習を行うわ」

ミーナ「では、解散……」

リーネ「エヘン」

リーネ「そういうことですから、解散してください」ニコニコ

宮藤「はぁーい!」

ルッキーニ「行こっ、芳佳!」タタタッ

宮藤「あ!待ってよ、ルッキーニちゃん!」タタタッ

エイラーニャ 私室

エイラ「サーニャ……」ゴロゴロ

エイラ「サァァァニャァァ……」ゴロゴロ

エイラ「サーニャン!」ゴロゴロ

ペリーヌ「いつまで、そうしているつもりですの!」

エイラ「あ、サーニャの枕」ピタッ

エイラ「サーニャの匂い、サーニャの温もり」クンクン

エイラ「こ、これとキスしたら……!」プルプル

ペリーヌ「ちょっ!何を!」アワワ

ペリーヌ「わかりました、サーニャさんの様子を見に行きましょう!」

エイラ「!」ガバッ

エイラ「ソウダ!良い事言ったぞ、ツンツン眼鏡!」ワシャワシャ

ペリーヌ「だから髪を!」

エイラ「タラタラすんな、行くゾ」タタタッ

ペリーヌ「もう、待ってくださいまし!」

ガチャ

バタン

エーゲル 私室

「サーニャァァ!サーニャァァァ!」
「もう少し静かにしなさい!」

ガチャ!

エイラ「サーニャ!寂しくないか!」バン

ペリーヌ「まったく貴女って人ははしたない」ブツブツ

サーニャ「くぅ……すぅ……」Zzz

エーリカ「ふひゅ……んあ……」Zzz

ペリーヌ「あら、こんな昼間から」

エイラ「ナ、ナ……!」

エイラ「ナンデ、同じベッドで寝てるんダヨ!」クワッ

エイラ「おい、起きろ!中尉!」ユサユサ

ペリーヌ「ちょっと貴女はなにを!」

エーリカ「くぁ……あと二時間……」ムニャムニャ

エイラ「オイ!サーニャに何をしたんだヨォ!」ガクガク

ペリーヌ「何かするのは貴女だけですわ!」

エーリカ「んみぃ……何だよ……」ゴシゴシ

サーニャ「うるさい……エイラ……?」ゴシゴシ

ーーーーー
ーーー

エーリカ「だからぁ、私は自分のベッドで寝てたんだけど」

エーリカ「起きたらサーニャんのいるベッドで寝てたんだよー」

エイラ「ホントか!?」

エイラ「変なことされてないか、サーニャ?」ペタペタ

ペリーヌ「貴女こそ何処を触ってますの!」

サーニャ「ちょっと、くすぐったい」モジモジ

エイラ「とにかく!私はサーニャの側を離れないからナ!」

エイラ「文句があるならツンツン眼鏡が出ていけよ!」イー

ペリーヌ「文句も何も、訓練ですからわたくしもここにいます!」

エーリカ「サーニャん、水飲む?」

サーニャ「ありがとう……」コクコク

エイラ「中尉!間接キスとかズルいぞ!」キーッ

ペリーヌ「まだ話は終わってませんわ!」キーッ


サーニャ「……楽しい」クスッ

エーリカ「そだね」ニヒヒ

シャッキーニ 私室

ゲルト「何とも油臭い部屋だな」ポスッ

シャーリー「バイクとか置いてるからなぁ」ボフッ

シャーリー「あ、ミーナには秘密だからな」パタパタ

ゲルト「おい、足が当たってる」ペシッ

シャーリー「仕方ないだろー」

シャーリー「ルッキーニもいっしょに寝るから、ベッドはひとつしかないんだ」

シャーリー「まぁ、そのルッキーニもあまり部屋にいないんだけど」

ゲルト「ということは、今晩は……」

シャーリー「え!?」カァァ

シャーリー「そりゃ、ベッドがひとつってことはそうなるけど」モジモジ

シャーリー「あ、でもあたしはおまえと違ってパジャマを着て寝るし」モジモジ

シャーリー「だから狭いとは言っても、肌はくっつかないから安心して」モジモジ

シャーリー「別におまえとくっつくのがイヤとか、そうじゃなくてさ!」アワワ

ゲルト「?」

ゲルト「いや、家主はおまえだから私が床で寝ようかと」

ゲルト「それに今日は私だって裸で寝たりしないぞ」

シャーリー「……ハルトマンは良くて、あたしが同室だとダメなのか」ブツブツ

ゲルト「はぁ?変なやつだ」

シャーリー「いや、上官様がベッドで寝てくれよ」

シャーリー「堅物軍人にはあたしの柔らかいベッドは合わないかもな」フフン

ゲルト「……おまえはいつもそうだな」ムッ

シャーリー「え」

ゲルト「私が嫌いなのかは知らないが、すぐそういう態度をとる」

シャーリー「あ、いやそれは」アタフタ

ゲルト「いい機会だ、正直な気持ちを言ってみろ」

ゲルト「批判も甘んじて受け入れよう」

シャーリー「正直な気持ちって……」モジモジ

シャーリー(私だってわからないのに……)

シャーリー(嫌い?……じゃないのはわかる)

シャーリー(説教を喰らうのも口喧嘩になるのも、あまり嫌いじゃない)

シャーリー(何でだろう?)

ゲルト「……まぁ、上官に言いにくいのはわかる」

ゲルト「なので私から言おう」

シャーリー「んなっ!?」

ゲルト「おまえの言うとおり、私は堅物軍人なんでな」

ゲルト「おまえやハルトマンのようなズボラな軍人は」

ゲルト「正直、嫌いだ」

シャーリー「!」

シャーリー「そうか……」ジワッ

シャーリー(うわ、やばい)ゴシゴシ

ゲルト「だが、実力があるのは認めている」

ゲルト「今回のペアも連携さえ上手くいけば、少佐やハルトマンのペアにも勝てると思っている」

ゲルト「だから、からかうのを少しだけ控えてほしいんだ」

ゲルト「そうすればもっと連携が取れると言うか」

シャーリー「……それって」グスッ

ゲルト「お!何だ何だ?」ズイッ

シャーリー「それって、あたしが素直になったら」

シャーリー「もっと仲良くしてくれるってこと?」

ゲルト「仲良く?」

ゲルト「まぁ、そういうことになるか……」

シャーリー「じゃあ、もうイジワルしないから!」

シャーリー「だからあたしと仲良くしてくれ!」カァァ

ゲルト「どうした、急に」

ゲルト「……だが、おまえがそう言うのなら」カァァ

シャーリー「ホントに?」

ゲルト「そうだな、私より大きな妹というのもアリかも知れん」モジモジ

シャーリー「……え?」

ゲルト「たしかに、妹は小さいものという考えが堅物だったかもな」モジモジ

ゲルト「姉より発育した身体を恥ずかしがる妹……うん、アリだ」モジモジ

シャーリー「え?え?」

ゲルト「あー、そう考えると憎まれ口も悪くないな」モジモジ

ゲルト「むしろイイものに思えてくる、不思議だ」モジモジ

シャーリー「……おまえの中では」プルプル

ゲルト「んー?どうしたの、シャーリー」ヨシヨシ

シャーリー「仲良くなるってことは姉妹になるってことかよ!」クワッ

ゲルト「……?」キョトン

シャーリー「何だよ、その顔は!おかしいだろ!」ピョコン

ゲルト「まぁまぁ、落ち着け」

シャーリー「あたしか!?あたしのほうがおかしいのか?」ピョコピョコ

ゲルト「うさ耳カワイイなぁ、シャーリー」モフモフ

シャーリー「妹になった途端それかよ!騙されないからな!」カァァ

シャーリー「で、でも」カァァ

シャーリー「もうちょっと撫でて欲しいと言うか、しっぽも触って……」

ゲルト「!」ピョコン

シャーリー(あ、犬耳かわいい)

ゲルト「この足音は……!」ガバッ

シャッキーニ 私室前廊下

バタン!

シャーリー「ちょっ、何だよ!急に」

ゲルト「シッ」ガバッ

シャーリー「んー!?」モゴモゴ

シャーリー(近い!顔が近い!)カァァ

ゲルト「……」

ゲルト「やはりこの足音は!」ピョコ

シャーリー(……足音?)ピョコピョコ

ダダダッ

「こちら宮藤!指示をお願いしまぁす!」
「こちらルッキーニ!そのまま全速前進だー!」ウジュジュ


シャーリー「この声は……宮藤とルッキーニ?」ピョコピョコ

ゲルト「うむ、やはり妹たちの足音だったか」


宮藤「あ!前方に敵影発見!」ダダダッ

ルッキーニ「よーし!そのまま激突だぁー!」ダダダッ


シャーリー「……おい、こっちに来るぞ」

ポイン

シャーリー「おおっと」ボイン

宮藤「敵機接触ぅ」ムニュムニュ

ルッキーニ「うひゃ、撃墜だー」モミモミ

シャーリー「おいおい、二人がかりは重いぞ」グリグリ

ゲルト「なっ!おまえたち何を!」

ルッキーニ「やっぱり一日一回はぱふぱふしないとぉ」パフパフ

宮藤「私は何回でもやりたいなぁ」パフパフ

ゲルト「なぁ宮藤、こっちに来てもいいんだぞ」

宮藤「でもシャーリーさんのおっぱ……温かさには敵いませんよぉ」ギュッ

シャーリー「ちょっ、強い」モジモジ

ルッキーニ「えー、芳佳知らないのぉ?」グニグニ

ルッキーニ「バルクホルン大尉のもすっごいんだから!」クニュクニュ

シャーリー「ルッキーニ、少しやめて」カァァ

ゲルト「はっ!?」

ゲルト「これも妹たちが戯れていると考えれば……」

シャーリー「なぁバルクホルン、やめさせて」モジモジ

ゲルト「よし、もっとやれ」ツー

シャーリー「くっ、バルクホルンはもうダメだ」

宮藤「えー、ホントにー?」

ルッキーニ「あたしはウソつかないよぉ」

ゲルト「まぁまぁ、そう言うなら確かめてみればいいじゃないか」ダラダラ

シャーリー「確かめる前に鼻血を止めないか」

ゲルト「ここじゃ人目につく」ダラダラ

ゲルト「シャーリーの部屋に入ろうか」ダラダラ

シャーリー「人目を気にする時点でアウトだぞ」

ガチャ

宮藤「うわー!シャーリーさんの部屋って初めてです!」

ルッキーニ「あー、またバイク増えてるー!」

ゲルト「適当にくつろいでくれ」

バタン


シャーリー「……あたしも確認する!」ガチャ

滑走路

ミーナ「ちょっと待って……ゲホッ」ハァハァ

もっさん「何だ、まだ三時間しかたってないぞ」

ミーナ「ヒュー……ゴホッ、三時間はオーバーワークよ」ゼェゼェ

もっさん「やはり身体がなまってるんじゃないのか?」ジーッ

ミーナ「やだ……ケホッ……そんな目で見ないで」カァァ

もっさん「赤くなったり青くなったり忙しい奴だ」

ミーナ「はぁ……ふぅ……」

ミーナ「明日は朝から演習でしょ?」

ミーナ「そろそろ切り上げない、美緒?」

もっさん「ん、もう夕方だったとは」

もっさん「そうだな、夕食のまえに風呂に入っておくか」

もっさん「なぁ、ミーナもいっしょ」

ミーナ「もちろん!もちろん、ご一緒するわ!」ムフーッ

もっさん「何だ、そんなに風呂が好きか!」アッハッハ

ミーナ「ええ、……大好きよ」カァァ

サウナ室

ペリーヌ「……」

エイラ「……」

ペリーヌ「……もう限界ですわ!」ガバッ

エイラ「まだ五分もたってないゾー」ガシッ

ペリーヌ「暑いですわ!限界ですわ!」

エイラ「キンキンうるさいナァ」

ペリーヌ「元はと言えば!」

ペリーヌ「貴女がサウナを大好きだと聞いたから、こうやって一緒に」

ピトッ

ペリーヌ「キャアァァッ!」ギュゥッ

エイラ「ウェ、重いって」ギュゥッ

ペリーヌ「今!何か!私の!」ギュゥッ

エイラ「暑苦しい……」ギュゥッ

ペリーヌ「エイラさん!私の肩に!」ユサユサ

エイラ「アー、そりゃトントじゃないか?」

エイラ「あいつはイタズラ好きだからナァ」

ペリーヌ「トント……?」

ペリーヌ「ああ、前に話していたサウナ妖精でしたっけ」

エイラ「ウン」

エイラ「きっとツンツン眼鏡にウルサイって言いにきたんだ」ニヤニヤ

ペリーヌ「そんな、ふざけてないで」

エイラ「ムッ、ふざけてるって何だよ」

エイラ「トントはちゃんと私が連れてきたんだからナ!」

エイラ「サーニャも見たって言ってたし」フフン

ペリーヌ「……貴女って不思議ちゃんでしたのね」

エイラ「?」

ペリーヌ「いえ、前からわかっていたのですが」

ペリーヌ「今日いっしょにいて、改めて思いましたわ」ニヤニヤ

エイラ「!」カァァ

エイラ「ペリーヌのくせにバカにスンナ!」ワシャワシャ

ペリーヌ「ちょっと、それどういう意味ですの!」グニグニ

ガチャ

ミーナ「あら、すっかり仲良くなったのね」フフッ

エイラ「ア、ふぉうふぁ」グニグニ

ペリーヌ「この声はミーナ中佐と……」

ペリーヌ「そちらの方は……?」ジーッ

もっさん「ん?私の顔に何かついてるのか?」

ペリーヌ「しししし少佐!?」カァァ

もっさん「ほう、眼鏡なしもなかなかいいじゃないか」グイッ

ペリーヌ(少佐のお顔が目の前に!でも見えない!)

ペリーヌ(少佐に顎を持ち上げられて、これってキ、キッス)

ペリーヌ「あわわわ」プシュー

もっさん「おい、ペリーヌ?」

エイラ「ウワ!これはダメだ!」

「ペリーヌ!」

「ペリーヌさん!」

ペリーヌ(あら、ぼやけて……エイラさんの頭の上に小人が……?)

ーーーーー
ーーー

ーーーーー
ーーー


ペリーヌ「少佐ぁ!」ガバッ

エイラ「ナンダ、ナンダ!?」ガバッ

ペリーヌ「少佐とキキキッスを……」

ペリーヌ「ってあら?」

エイラ「ファァ……私も寝ちゃったのか」

ペリーヌ「そうだ、わたくしったらサウナで」

エイラ「ホント、いい迷惑だよ」ウーン

ペリーヌ「あ……エイラさん、看病してくださったの?」

エイラ「そりゃ、ペアなんだし」

ペリーヌ「……ありがとう、エイラさん」

エイラ「べ、別に!ツンツン眼鏡の心配なんてしてたワケじゃ!」フンッ

ペリーヌ「フフッ、意外とわかりやすい方でしたのね」クスクス

エイラ「なんだよ、もう!」カァァ

エイラ「ホラ、朝ごはん食べに行くぞ!」

ペリーヌ「そうしましょうか」

食堂

シャーリー「その、今朝のは事故だからさ……」カァァ

ゲルト「ああ、わかってる」カァァ

宮藤「背中痛い……」スリスリ

ルッキーニ「えー?あの枝はあたしのお気に入りなのに」

エーリカ「夜のサーニャんは格好良いんだねー」

サーニャ「そんなことないですよ……」モジモジ


エイラ「夜の!夜のサーニャってなんだよ、中尉!」ユサユサ

エーリカ「なにって、夜間哨戒しかないだろぉ」グワングワン

ペリーヌ「エイラさんの頭の中が心配ですわ……」

リーネ「……」ブツブツ

宮藤「リーネちゃん、目の下に隈ができてる!」

宮藤「寝てないの?何かあったの?」

リーネ「ううん、何もないよ」ニコニコ


もっさん「何だ、ミーナ?腰を押さえて……」

もっさん「筋肉痛か?少したるんでるな!」

ミーナ「もう、美緒が昨晩あんなに……!」カァァ

もっさん「ん?昨晩はワインを呑んでからは覚えてなくてな」アッハッハ


リーネ「……どいつもこいつも盛りやがって」ブツブツ

ルッキーニ「どしたの?リーネ?」

リーネ「ううん、気にしないで」

リーネ「エヘン」

リーネ「それでは昨日言った通り、午前中は演習を行います!」

宮藤「うわぁ!指揮官っぽいよ、リーネちゃん!」パァァ

ゲルト「その、頑張ろうな……シャーリー」カァァ

シャーリー「うん……トゥルーデ」カァァ

リーネ「イチャイチャしたら罰則を与えようかな」ボソボソ

エーリカ「サーニャんは眠くない?私は眠いよぉ」ファァ

サーニャ「眠いけど、がんばりましょ」ファァ

エイラ「何ダヨ、いっしょに欠伸って!見せつけてんノカ!」ドン

ペリーヌ「今朝の言葉は取り消しですわ」

ーーーーー
ーーー

ロマーニャ基地 上空

もっさん「うーむ、バルクホルン組が全戦全勝か」

ミーナ「腰が痛くて」

エーリカ「まだ眠いよぉ」

サーニャ「ふにゅ……くぁ……」Zzz

エイラ「サーニャぁ、眠りながら飛ぶのはダメだってば!」アワワ


ゲルト「まぁ、連携さえとれればと思っていたからな!」フンス

シャーリー「あたしたち、息ピッタリだもんな!」フンス

ゲルト「シャーリーのスピードあってこそだ」ギュッ

シャーリー「ううん、トゥルーデの判断力のおかげだよ」ギュッ



ペリーヌ「恋人繋ぎって……甘すぎますわ……!」

リーネ「狙撃手こそ最強です、ヘッドショットしますよ」

ミーナ「あら、これはロッテを考え直す必要があるかしら」

もっさん「しかし、残ったほうがなぁ」


ルッキーニ「あそこは左にグイッとやってからズバッてやるべきだったよ!」

宮藤「うーん、右からグルッとするほうがよくないかなぁ?」

エーリカ「サーニャん、どうやって眠りながら飛ぶの?」

サーニャ「目を閉じて、頭だけ休憩させる感じで……」

エイラ「ダカラ、それはダメー!」



リーネ「……とにかく!」

リーネ「これで午前中の訓練、及び新ペアの開拓訓練は……」


『ウゥゥーー』

もっさん「このサイレンは……!」

ミーナ「ネウロイ!?」

ミーナ「そんな!予測では二週間後って!」

ゲルト「落ち着け、ミーナ!」

もっさん「……敵影を確認した!」キィィィ

サーニャ「こっちも捉えました」ピョコン

サーニャ「十時の方向、小型ネウロイが一機、接触まであと七分」

シャーリー「どうする、あたしたちは模擬弾しか装備してないぞ」

ミーナ「……そうね、まずは一度基地に帰還して」

もっさん「待て、ミーナ」

ミーナ「!」

もっさん「リーネを見てみろ」

リーネ「基地まで二分……往復で四分……」ブツブツ

ミーナ「リーネさんって……美緒、あなたまさか!」

もっさん「今の指揮官はリーネだろう?」

もっさん「敵は小型だし、私は烈風丸も装備している」チャキ

もっさん「……少しだけやらせてみてはどうだ?」

ミーナ「そんな、無茶よ!」

サーニャ「接触まで六分」

もっさん「……私はリーネに懸けてみたい」

リーネ「……」ブツブツ

ミーナ「……いいわ」

もっさん「!」

ミーナ「リーネさん、指示を!」

リーネ「そ、そんな!私は……」

もっさん「私が責任をとる!やってみろ、リーネ」

リーネ「……はい!」

リーネ「では、指示を出します!」

リーネ「バルクホルン!シャーリー!」

リーネ「エイラ!ペリーヌ!」

リーネ「両ロッテはネウロイと接触、撹乱を行ってください!」

ペリーヌ「え」

リーネ「その他は即座に基地に帰還して、装備を換装!」

リーネ「換装完了後は各自撃破に向かってください!」


「「了解!」」

ペリーヌ「え?え?」

ゲルト「シャーリー!おまえのスピードを見せてやれ!」

シャーリー「しっかりついてきてくれよ、トゥルーデ!」

ゲルト「ああ、何処までもついていくさ!」

ブィィィーーン


エイラ「おい、バカップルに先を越されたゾ!」

ペリーヌ「え?行きますの?模擬弾だけで向かいますの?」

エイラ「だって命令だろ?」

ペリーヌ「いや、この作戦は明らかに私怨ですわ!中佐に抗議を……」

エイラ「大丈夫だ、心配スンナ!」

エイラ「私の尻尾が掴める位置に着いてくれば」

エイラ「ペリーヌには一発もかすらせないさ」ニッ

ペリーヌ「なっ!」ドキ

ペリーヌ「……もう!その言葉、サーニャさんの前でも言ってごらんなさい!」

エイラ「ヴェ!?サーニャは関係ないダロー!」

ブィィィーーン

ロマーニャ基地 ハンガー

ミーナ「ちょっと、美緒!」

もっさん「何だ、こんな時に!」ガチャン

「サーニャん、行こ!」ガチャ
「うん!」ガコン

ブィィィーーン


ミーナ「リーネさんの命令はあれでいいの!?」

ミーナ「リーネさん、暗い目をして命令してたわよ!」

リーネ「……」ジーッ

もっさん「とにかく出るぞ!」

もっさん「話は上空で聞こう!」

ミーナ「ちょっと、待って!」

ブィィィーーン

ブィィィーーン

もっさん「まず、撹乱役にエイラを選ぶのは順当だ」

ミーナ「未来予知ね……」

ミーナ「じゃあ、トゥルーデは」

もっさん「シャーリーのスピード、バルクホルンの判断力も撹乱役には申し分ない」

もっさん「なにより、今日のあの二人は異常な強さだ」

もっさん「急造ペアだからこそ、調子のいい二人を前線に出したんだろう」

ミーナ「……急造ペアにこだわる必要はなかったんじゃ」

もっさん「……リーネも緊張していたのかな」

もっさん「む!見えた、が……」キィィィ

ミーナ「どうしたの?」

もっさん「予測より早く来たからか」

もっさん「サイズも小さく、攻撃頻度もかなり低い」

ミーナ「……不幸中の幸いかしら」

シャーリー「遅い、遅い!」ビュィィーン

ゲルト「!」

ゲルト「シャーリー!こっちだ!」グイッ

シャーリー「わっ」ギュッ

びゅん!

シャーリー「ありがと」カァァ

ゲルト「まったく、私がいないとダメなのか?」

シャーリー「……うん」カァァ

ゲルト「そうか……私もだ」カァァ



エイラ「ヴェェェ、甘過ぎて死にそうダ」ピュンピュン

ペリーヌ「凄い、これが未来予知……」

ペリーヌ「ビームの隙間を縫うように……!」ピュンピュン

エーリカ「おっまたせー!」ダダダダ

サーニャ「意外とちっちゃい……」ズドン ズドン


宮藤「いくよ!ルッキーニちゃん!」

ルッキーニ「うじゅじゅ!芳佳!」

宮藤、ルッキーニ「「多重シールドアターック!!」」

ズドン!


もっさん「うむ!良いネーミングだ!」

ミーナ「美緒のほうがかっこいいわ」カァァ

もっさん「むっ、コアが出てきたぞ!」

ペリーヌ「エイラさん、コアが!」

エイラ「!」ピクッ

エイラ「ペリーヌ、くっつきすぎだ!」

ペリーヌ「え?」ガシャ

エイラ「ウワ!」グラッ

ペリーヌ(わたくしがエイラさんに近付きすぎて!)

エイラ「バランスがっ」ヒュー

ペリーヌ(エイラさんがネウロイに激突する!)

ペリーヌ「くっ!間に合えーーーーーっ!!」



ズドン!

ネウロイ「キュオォォオ」パリィン



エイラ「うわ!衝突寸前で助かった」フゥ

ペリーヌ「エイラさん!」ギュゥッ

エイラ「チョ、苦しいっテ」ギュゥ


リーネ「……」シュゥゥゥ

リーネ「……ネウロイ、撃破完了です!」

ーーーーー
ーーー

この後、特別訓練は無事終了
新ペアの案は、バルクホルン大尉とシャーリー大尉のペアが異常なほどの強さを見せたのですが、他のペアがほとんど機能しなくなったため廃案になりました
それでも時々、お互いの部屋を行き来していらっしゃるようです
あの日なにがあったのかしら

エイラさんはわたくしのミスであわや大惨事という所でしたが、「ナントモナイッテ」と言って許してくれました
ただ、あの日からツンツン眼鏡ではなく、ペリーヌと呼ぶようになり、少しだけ距離が縮まった気がします
わたくしも何だかエイラさんのことを、

トントン

ペリーヌ「!」パタン

エイラ「ナー、ペリーヌ聞いてくれよぉ」ガチャ

ペリーヌ「あら、またサーニャさんに怒られた話かしら」ニヤニヤ

ペリーヌ(……この先はまだ書き記せそうにありませんわ)


おわり

ねぇ、俺は平日になにやってんの?
馬鹿なの?死ぬの?

えっと、リーネちゃんがとことん黒かったり、ペリーヌに「間に合えー!」と言わせるために無茶苦茶な展開になったのは、ご承知の通りラジオのせいです
ラジオ聴いてみてね、あゆたのタロットを続けさせてね

プロットをしっかり練った前作は落ちて、オチを用意してなくてグダグダになった今回は完結できた、ごめんなさい
次は時間をあけて、プロットを練って完結させます
リーネちゃんが黒くて、シャーリーが乙女で、お姉ちゃんが鈍感たらしだったら俺かも知れない

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