ミカサ「アルミン、どこで手を抜いたの?」(31)

104期訓練兵団解散式の夜のSSです
ネタバレはあります。

アルミン「え?何のこと?」

ミカサ「10番に入らなかった」

アルミン「僕は座学だけだから、当然だよ」

ミカサ「そんな事はない。」
   「立体起動もジャンに追いつけるくらい上達した。」

アルミン「それなら、みんな頑張ったって事だよ」

ミカサ「いや、私にはどう考えてもアルミンは10番以内」
   「不正の匂いがする」
   「ので、あのハゲに文句を言ってくる」

アルミン「待って、ミカサ、言うよ。」
    「ミカサの目はごまかせないかぁ」
    「絶対に誰にも言わない?」
    「今みたいに誰かに怒ったりしない?」

ミカサ「アルミンが理由あって決めたのなら・・・」

アルミン「実は・・・座学の試験は最後が論文だろ?」
    「巨人の秘密、武器の改良、訓練のやり方・・・」
    「色々と提案していたんだ。」

ミカサ「じゃあ、あのインテリメガネが?」

アルミン「違うよ、教官は僕の意見に感心してくれていたよ」

ミカサ「じゃあ、なぜ?」

アルミン「『各兵団のあり方と仕組み』についてって題材で」
    「教官が中央にレポートを出すって事で」
    「僕に意見を求めてきたんだ」
    「僕は自分の考えを教官に伝えた」
    「教官は自分だけの手柄にしたくなかったんだろう」
    「座学しか撮り得の無い僕の総合成績が」
「少しでも上がるように考えてくれたんだと思う」
    「共同執筆者に僕の名前を書いてしまったんだ」
    「それで、危険人物扱いされてしまったらしい」

ミカサ「インテリメガネはどうなった?」
   「アルミンに責任を全て押し付けた?」

アルミン「ちょ・・・教官は減給だよ。給料が半分」
    「僕が10番に入らないように、反政府的な意見を教官に伝えた」
    「教官は改革に意欲があったから、そのまま書いたけど」
    「僕には結果はわかっていたよ」
    「そうした理由はそれ以前にもあるんだ」

ミカサ「それ以前?」

アルミン「頼まれたんだ」
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作者です。
期待されるほどでも、ないかもしれませんが、続けます。

ユミル「アルミンちゃんよ、ちょっといいか?」

アルミン「なに?えっと、ユミルだよね。」
    (苗字は・・・???)

ユミル「実は折り入ってお願いがある」

アルミン「なあに?」

ユミル「アルミンちゃんは調査兵団志望だったよな」

アルミン「そうだよ。外の世界を見たいんだ。エレンと一緒に」

ユミル「じゃあ、10番以内に入らなくてもいいんだろ?」

アルミン「うん。憲兵団に行くつもりはない」

ユミル「じゃあ、頼む。私はクリスタを死なせたくないんだ。」
   「あのバカも死に急いでいる」

アルミン「クリスタが?そうは見えないけど」

ユミル「あいつは、ああ見えて暗い過去がある」
   「自分が生きている意味がないと」
   「誰かを助けて自分が死にたいってな」
   「まあ、格好良く死にたいってこった。」

アルミン「そう言えば・・冬山訓練の時」

ユミル「そう。ダズを助けてあいつが死のうとした」
   「私は助けられないなら見捨てろって言ったのに」
   「そして、二人とも死ぬところだった」

アルミン「結局ユミルが二人を抱えてきたんだよね」
    「ユミルがいくら強いったて、女の子なのにって思ったよ」

ユミル「私が女の子?」-頬を赤らめる

アルミン「うん、女の子だろ?」

ユミル「確かに、あれはついてないからな」-もじもじする
   (こいつこそ、もしかしてついてないとか)

アルミン「無我夢中で、どうやったか忘れたなんて言ってたけど」
    「ミカサやライナーでも、あの状態で二人を救助するのは難しい」
    「どうやったの?巨人駆逐の役に立つかもしれない。」

ユミル「巨人駆逐・・・アルミン先生の目はごまかせないか」
   「実は・・・私は・・・・巨じ」-意を決したように

アルミン「巨人を倒したいんだよね。」
    「わかったよ。ユミル」
    (その先を聞いちゃうと、また胃痛のもとが増える)
    「僕も、クリスタには憲兵団に行ってほしい」
    「女神に戦場は似合わないとか、思ってたんだ。」

ユミル「ありがとう。助かったよ」

作者です
二人の会話をもちっと引き伸ばしますので、一時、休憩

アルミン「僕は調査兵団に入って生き残りたい」
    「だから、立体起動だけは全力で頑張る」
    「座学なら余裕があるから、成績を下げずに上手くやるよ」

ユミル「すまんな、恩にきる。」

アルミン「ところで、ユミルはどうするの?」
    「その気になれば10番以内に入るでしょ?」

ユミル「私もついていって、卒業後も守ってやりたい。でも」
   「ミカサ、ライナー、ベルトルト、アニじゃあ」
   「順位を下げろってっても無理な話だ。不自然すぎる」
   「エレンはわざと順位を下げるなんて、器用な真似は出来そうもない」
   「ほかの奴等はみんな憲兵団狙いだ」
   「目標を持って頑張っている人間を蹴落とすなんて気が退ける」
   「正直、クリスタは10位が限界だ」
   「二人で10番以内は無理ってもんだ」

アルミン「もしも、僕が断っていたら?」

ユミル「アルミンならOKしてくれるだろうって思っていた。」
   「でも、断られたら・・・教官だって男だろ?」
   「一晩くらい枕を共にしてやろうって思っていたよ。」

アルミン「駄目だよ。そんなの。自分を大事にしなきゃあ」
    「他人の為に死にたがってるっていうクリスタとかわらない」
    「それに、そんな事をクリスタが知ったら・・・」

ユミル「確かに、私じゃあ色仕掛けなんて無理だろうな」
   「せめて、ミカサやアニくらいの器量がありゃあな」

アルミン「何を言ってるの?もっと自信を持ちなよ」
    「ユミルは美人だよ。」
    「スラっと背が高いし、黒い髪も素敵だ。」
    「同じくらいの年のはずなのに・・・」
    「大人っぽい魅力というか、色気というか・・・」

ユミル「そうか、大人っぽいか・・・違いない。」-フっと笑う
   「ありがとな。お前が調査兵団に行くなら私もそうするよ」
   「クリスタと離れた後は、お前に付きまとうことにする」
   「小柄な金髪で、作者の絵が微妙だから」
   「時々、見分けがつかないくらいだもんな」
   「そして、お前を守ってやる」
   -立ち上がり、アルミンの唇を奪う
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ミカサ「ユミルのクリスタを思う気持ちはわかる」
   「私も、エレンとアルミンが望むなら憲兵団に行ってもらいたい」
   「ので、何も言わず、黙っていることにする」

アルミン「ありがとう。ミカサ」
    「ところで、順位についての考察ってした事ある?」

ミカサ「どういう意味?」

アルミン「1位のミカサは潜在能力を人間の姿で発揮する巨人の対極存在」
    「2~4位の3人は確かに実力があるけど、何かあると思う」
    「5位のエレンは主人公だから」
    「6位のジャンは主人公のライバル」
    「7位のマルコは悲しい理由かもしれない」
    「8,9のコニー、サシャはボケ担当かな」
    「10位のクリスタはきっとキーワードの一つ」
    「僕が10位に入らないのは、きっと・・・」

ミカサ「単行本の裏表紙とか関係あるのか?」

アルミン「あると思うよ」
    「あと、表現はされないけど、僕も時々、悪夢を見るんだ」
    「僕にもミカサのような、何か辛くて厳しい過去があると思う」
    「ミカサやエレンと一緒にいられなくなるような過去が」

ミカサ「どんな過去があろうとも、アルミンは私の幼馴染」
   「そして、いつも正しい答えを導き出す信頼できる友」
   「あと、エレンのブレーキ」
   「私の言う事は聞かないけど、アルミンの言う事は聞く」
   「アルミンも私の家族、私が守る」
   「この世界は残酷だけど」

アルミン「何かを変える為には大切な何かを捨てなければいけないけど」

二人「エレンと3人で生き残る」
  「そして、巨人を駆逐する」

エレン「おーい。お前ら何を二人で話しているんだ?」
   「俺も仲間に入れろよ」

ミカサ、アルミン-二人で顔を合わせて微笑みあう。

    終

作者です。
10番以内が憲兵団なら、成績に占める座学の比率は少なくないはず。
憲兵団は確かに堕落しているとはいえ、仮にもエリート。
頭脳がないがしろにされるわけがない。
座学ダントツのアルミンが、いくら運動音痴とはいえ、10位以下はありえないだろうって思いました。
しかも、物語の主役クラス「心技体」の技なのに。

つーわけで、ユミルがクリスタを10位に入れるために何かやったという疑惑と絡めて考察してみました。
アルユミというコンビの珍しいSSになればと思いました。

きっと、巨人化したアルミンの危機と命を救うのはユミル巨人でしょう?
人間に戻った後も、ユミルがエレミカを説得しアルミンを受け入れさせるでしょう。

ハンネス「俺にあの時、勇気と力があれば・・」
ハンネス「俺にあの時、勇気と力があれば・・」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/comic/6689/1379345127/)
こちらもご覧ください。

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