ハンネス「俺にあの時、勇気と力があれば・・」(83)

49話から最後までの嘘SS
万が一、当たってたらゴメンナサイ
48話までのネタバレありまくりです。

ハンネス「俺にあの時、勇気と力があれば・・」
    「カルラを救えたかもしれない」
    「だが、あの時の俺とは違う」
    「神様が俺にもう一度チャンスをくれた」
    「命に代えても、今度こそ俺がこの子達を守る」
    -シュン-立体起動装置のアンカーをカルラを食べた巨人に打ち込む
    -キュイーン-巨人のうなじに切りかかる

カルラを食べた巨人のうなじがモゾモゾ動き割れる
そこから金髪の上半身が出てくる

金髪「待って、ハンネスさん」

ハンネス「ぬぁ?アルミン?」

アルミン「僕を討伐するのは、二人を助けてからにして」
    「二人は今、動けない。僕が二人を運ぶ」
    -うるうる目で訴える

ハンネス「って、カルラを食ったのはお前だろう」

アルミン「二人を安全な場所に届けてから説明するよ」
    「その後、僕を・・・・殺しても遅くない」
    「下の二人に説明してほしい」
    「他の巨人が来る。僕もいつまでも出ていられない」

ハンネス「わかった。二人への説明は俺にませてくれ」
    -シュン-二人の下に降りる
    「いいか、エレン、ミカサ、落ち着いて聞くんだ。決して逆上するな」
    「あの巨人はアルミンだ」

エレン「しかし、あれがアルミンだって保障が・・・」

ハンネス「今、俺がこの目で見て、話してきたんだ、信じてくれ」

エレン「あれは母さんを食った巨人だろ、何を言ってるんだハンネスさん」

ミカサ「エレン待って、今は落ち着いて話を聞くべき」

ハンネス「アルミンはお前たちを安全な所まで運ぶつもりだ」
    「エレンは回復していない、ミカサも怪我を負っている」
    「今はアルミンを信じるしかねぇ」
    「あいつが変な動きをしたら俺が討伐する。」

アルミン巨人-二人に右手を差し伸べる

エレン、ミカサ-ハンネスに促され掌に乗る

ハンネス-アンカーをアルミン巨人の首に打ち込み、左肩に乗る

5m巨人-しゃがむアルミン巨人の右肩に食いつく
 
アルミン巨人-噛み付かれたまま立ち上がり全身する
       
ハンネス「この野郎!」-5m巨人のうなじを切る
    「やった!討伐数1!」-思わずドヤ顔

3m巨人-アルミン巨人の両足に2体がしがみつく

アルミン巨人-スピードが落ちる

ライナー巨人-5m級巨人をアルミンに投げつけ命中させる

アルミン巨人-倒れるが二人を離さず握りつぶさない

ライナー巨人-アルミン巨人に肉薄する

アルミン巨人-立ち上がるところをライナー巨人に殴り飛ばされる

ライナー巨人-顔が半分になったアルミン巨人のマウントを取る

アルミン巨人-左手をかばう振りをする(こっちにはいないよ))

ライナー巨人-アルミン巨人の左腕を引きちぎる

アルミン巨人(僕は巨人化しても弱い・・・)

ユミル巨人-突如現れてライナーの顔に貼り付く

アルミン巨人-ライナー巨人をなんとか蹴り飛ばし逃げる

ライナー巨人-他の巨人に追いつかれてしがみつかれる
      -ユミル巨人を引き離し、出来るだけ安全な遠くに投げる
      -他の巨人に食われ始め蒸発が始まる

ユミル巨人-着地しコニーに助けられたクリスタを追う

ベルトルト「くそっ」-泣きながらライナーにしがみつく2体の巨人のうなじを切る
     「討伐数2!」-ついつい、晴れやかに微笑んでしまう

ライナー(お前って奴は・・・)

ベルトルト-とりあえず巨人化して横たわり、すぐにうなじから出てくる
     (僕の巨人がバリケードとエサになるだろう)
     「ライナー、今のうちに立体機動装置で逃げよう」

-巨人達は超大型と鎧の残骸に群がる、蒸気に包まれる

ライベル-立体機動装置で脱出するが、そこにエルヴィンとジャン

エルヴィン「さて、どうする?」
     「いくらお前達でも、もう巨人化は無理だろう」
     「これだけの巨人の中、馬無しで逃げ切れるか?」

ジャン「お前らには心底むかつく。今すぐにでも殺したいくらいだ」
   「でも、思い出しちまうんだ。あの3年間を」
   「エレンと俺が殴り合ってる時、お前らは俺たちが怪我しないように」
   「見守ってくれていたのを知ってるんだ」
   「大人しく捕まってくれ」

ライナー「俺たちは、もう兵士には戻りたくても戻れない」
    「虫のいい事とは思うが、104期訓練生って肩書きは捨てたくないってのが本音だ」
    -がっくりとうなだれる

ベルトルト-ただひたすら泣いている

-いつの間にか集まったモブ兵達が二人に猿轡を嵌め拘束する

エルヴィン「さあ、安全なところまで全速力だ!」

-安全な所にたどり着き、疲れきった兵士たち

エルヴィン「負傷者を手当てしろ」
     「はぐれてしまった馬を集めろ」

ハンネス「駐屯兵段策敵班は気を緩めるな」

エルヴィン「陣形が整い次第ストヘス区に向かう」

-憲兵隊はよれよれ
-ライナー、ベルトルト、ユミル、アルミンは拘束された状態
-エレン、ミカサ、ハンネス、ジャン、コニー、クリスタは抜刀し彼らを囲む

ハンネス「まずはアルミン、説明してくれ」

アルミン「エレン、ミカサ、ハンネスさん、本当にごめんよ」
    「僕も、ついさっきまで自分が巨人だなんて知らなかったんだ」
    「何かを成すためには、大切な何かを捨てなければならない」
    「二人を助けるためには、僕の命と、もう一つ何か?」
    「その時、アニ達の顔が思い浮かんだ」
    「何か目的をなす為に、僕ら104期生との絆を捨てた。」
    「そう簡単に捨てられるものじゃなかったはずだ。」
    「その時、突然、子供の頃の記憶が蘇った」
    「巨人が入って来た日のことを」
    「爺ちゃんに言われていたんだ。壁はいつ壊されてもおかしくない」
    「その時、絶体絶命の時、大切な誰かを助けたい時」
    「何をすべきかしっかり考えて、自分の皮膚を噛み千切れって」
    「あの時、僕を置いてアルミンとミカサが家に向かった時」
    「僕は怖くて一緒に行けなかった。」
    「でも、二人を助けたい。左手で右手掴み、噛み千切ろうか迷っていた」
    「そこにハンネスさんが来て、助けを求めた。」
    「僕もハンネスさんを追って見たものは」
    「壊れた家の下敷きになったカルラおばさんだった」
    「カルラおばさんの上にある瓦礫をどかさなきゃ」
    「僕はそう思って、勇気を出して右手の皮膚を噛み千切った」
    「そこからは記憶がぼんやりしている」
    「カルラおばさんの上にある瓦礫はどけたような記憶もある」
    「気がついたらウォールマリアの門のところにいた」

ライナー(カルラ?どこかで聞き憶えがある」

エレン「つまり・・・あの時、母さんを食った巨人は、アルミン・・・お前なんだな?」
   (わなわな震えている)

ミカサ「エレン、落ち着いて。今は話を聞く時」
   (エレンの手を強く握り締める)

アルミン「ごめんね、エレン、あの時、僕が本当に正しい答えを導いてから巨人になれば・・」
    「エレンの時もそうだったけど、慣れないうちは巨人化しても」
    「最初の目的だけは達成できるんだと思う。」
    「でも、達成した後は、巨人としての本能が知性を押しのけるんだと思う。」
    「だからあの時・・・瓦礫をどけたあと」
    「カルラおばさんとみんなを助けて逃げるって」
    「そこまで考えれば良かったんだ」

エレン「わかった。俺は3回目だってのにミカサを殺そうとした。」

ミカサ「違う。エレンはハエを叩こうとして」

エレン「ミカサ・・・それはもういいから」
   「許すも何もない。アルミンは母さんを助けようとしただけなんだ」
   (父さんが言ってた彼らの記憶って、アルミンが持つカルラの記憶?)
   (父さん、噛んだのか?俺が聞き違えたのか?)
   (父さんはミカサとアルミンを守れって言ってた)

ミカサ「エレンが許すなら私もそうしよう」
   「アルミンは巨人になっても決して強くなかった」
   「のに、私たちをボロボロになりながら守ってくれた」
   「アルミンは私の大切な幼馴染。家族みたいな者」

ユミル「惜しいなアルミン、それだけでは駄目なんだよ」
   「一度巨人化すると、お前は巨人の姿のまま、人間には戻れないはず」
   「巨人化できる者を食ってはじめて人間に戻れる」
   「言わば知性ある巨人になれるんだ」
   「私の村は猿の巨人に襲われたんだ」
   「私はユミル村の長の娘。長の娘は巫女でもあった。」
   「そして村名である、ユミルと呼ばれる慣わしがあった。」

クリスタ「さるの巨人って獣の巨人の事?」

ユミル「そう、壁の中にはいないのだが、猿は人間に近い動物。」
   「猿の巨人は人間を巨人化する力があった。」
   「奴らは長の娘であった私に、私か他の村人全員が巨人化するかを迫った」
   「私は村人達を守るために巨人化される事にした。生贄ってやつさ。」
   「しかし、猿は私達を騙し、結局は村人全員が巨人になった」
   「そのまま巨人化している状態で、60年はさまよったと思う」
   「村人の多くは今もさまよっている」
   「なあ、ベルトルさんよ」
   「私が知ってることはここまでだ。改心の気があるなら続きを説明してやれよ」

ジャン「そうなのか?、ベルトルト」

ベルトルト「ああ、ユミルの言うとおり。」
     「ユミルは僕達の幼馴染・・ベリックを食った」

ライナー「俺達を助ける為に・・・・」
    「だから、ベリックのように、仲間を助ける、お前達の兄貴になりたかった」

コニー「俺もライナーに助けられた。ライナーの気持ちは馬鹿だけどわかる」

ジャン「お前ら話を戻せよ。アルミンが食ったのはエレンの母さんだぞ」
   「普通の人間だろうが」
 
ハンネス「いや、カルラも巨人化出来る人だったのかもしれない」
    「グリシャ・・エレンの父さんの名前だが・・。優秀な医者だった。」
    「伝染病が流行った時、どこからかワクチンを持ってきて、シガンシナ区に住み着いた」
    「俺と女房も感染したがグリシャに命を救われた。」

ベルトルト(どこかで聞いた名前だな・・)

エレン「俺が巨人化できるのは、父さんに射たれた注射が原因だと思う。」

ハンネス「だとしたら、カルラも注射されていた可能性は十分あるな。」

アルミン「僕は子供の頃、病気で生死の間をさまよったんだ。」
    「その時、グリシャおじさんが僕を診察した」
    「熱で朦朧としてたけど、爺ちゃんとの会話が聞こえていたよ」
    「この薬を注射するしか助かる方法はない。でも恐ろしい副作用が・・・」
    「いいんですね?あともどりは出来ませんが・・・」
    「爺ちゃんは僕の命が助かるならってグリシャおじさんにお願いしたんだ」

ハンネス「きっとその注射は傷や病気を治癒する力があるが、副作用で巨人化するのかもしれない」
    「じゃあ、うちの女房も?え?って・・俺も?」
    「そういや、いくら酒呑んでも宿良いしないし徹夜も平気だ」

エレン「アルミンってひ弱だけど、病気もしないし怪我してもすぐ治ってたな」
   「ミカサも病気しないな。身体能力高いから怪我はそもそもしないけど。」

ミカサ「エレンと会う前、私もグリシャおじさんの診察を受けていた」

エレン「そう言えば、お前ほど元気なやつの、どこが悪かったんだ?」

ミカサ「病気ではないが、筋肉に比べて骨が脆かった」
   「ので、すぐに骨折したりして困っていた」
   「ので、グリシャおじさんは骨を丈夫にする注射をしてくれていた」
   「あれ?、気がつくとさっき巨人に握られた」
   「ので、折れた肋骨が治っている」
   「ので、私も巨人になれるのだろうか?」

コニー「俺はバカだから話についていけねぇー」
   「ちょっと待てよ。さるってなんだ?獣の事か?」
   「そいつらがユミルの村を襲って村人を巨人にしたのか?」
   「じゃあ、俺の村もそうだったのか?」

ライナー「お前はバカのままでいた方が・・お前のためになる。」

-キース教官、サシャ登場、ライベルアニの劣化版新兵3人が後ろに

キース(なるほど、アルレルトはシガンシナ区陥落の記憶が無かったから)
   (地獄を見た者には見えなかったのか)
   (出身がシガンシナ区と聞いて、動揺しちまって)」
   (変な名前だなとか言っちまったのは恥ずかしかった)
   「話は聞いた。グリシャとカルラについては私が話そう。」
   (読者は忘れ、解説本ではシカトされているが」
   「二人とは、ちょっとした間柄だったのだ」

ジャン「キース教官、どうしてここに?」

キース「ピクシス司令から依頼があってな」
   「前線が大きなチャンスを迎えていると同時に戦力が壊滅的だと」
   「そこで、105期の有志で現3位までの者と馬を補給して欲しいと」
   「馬を調達するために寄った村に、この芋女、いや、ブラウスがいてな」 

サシャ「自分も皆さんと戦いたく志願してきました。馬もたっぷりいますよ」

キース「貴様らも自己紹介しろ」-105期に促す
   「1位のナイラー・グレー」
   「2位のウェスト・ベルト・ポーチ」
   「3位のアネ・チキンハート」

ナイラー「先輩達、よろしくお願いします。」-ガチムチ系

ウェスト「未熟ではありますが、疲弊して消耗した皆さんの代わりに」-ノッポ

アネ「戦士として任務を全うする所存です」-鷲鼻、ライナー、ベルトルトを睨む

エレン(戦士・・・って言葉、なんだっけ?兵士と違うのかな?)

キース「教官になる前、儂は調査兵団にいた」
   「グリシャとカルラは訓練兵時代の同期」
   「カルラが1位、グリシャが2位、なのに憲兵団ではなく調査兵団に入った」
   「私は憲兵団を目指しておっただが、口笛が苦手なため馬術の成績がひどすぎて」
   「10位には、入れなかった。」
   「憧れのカルラがいるならと調査兵団を選んだのだ。」

ジャン(俺と微妙にかぶっている)

キース「初めての壁外遠征の時、私の班は巨人に囲まれた。」
   「新兵の私だけ、巨大樹に逃れさせてもらった」
   「先輩たちは皆、巨人に食われた」
   「夜になって馬を呼んだが、私は口笛が下手なので、馬は戻ってこなかった」
   「朝になり、巨人も動き出し、私は全てを諦めていた」
   「そこにグリシャとカルラが助けに来てくれたのだ」
   「10匹以上いる巨人に、二人は苦戦し、ついには呑み込まれてしまった。
   「その時、飲み込んだ巨人から、2体の巨人が現れたのだ。」
   「すぐに、グリシャとカルラだってわかった」
   「二人はあっというまに10匹の巨人を駆逐した」
   「人間に戻った二人に、巨大樹上で震えていた私は助けられた」
   「この事は、全て私の胸に収めた。いや、現実を受け容れられなかったので」
   「人間の二人に助けられたと記憶を改竄したのかもしれない」
   「壁内に戻った後、二人は軍を辞めた。」
   「座学トップのグリシャは医者になることにした」
   「ちなみに多くの先輩や同期が早死にしたので」
   「私は調査兵団の団長になってしまったというわけだ」

エレン「父さんも母さんも人間に戻る巨人化能力者だったんだ」
   「じゃあ、俺は生まれながらの巨人?」

ライナー「いや、生来の巨人ってのは聞いたことが無い」

ベルトルト「巨人化は遺伝子を変化させる薬によるものなんだ」
    「でも、人間に戻るには能力者を食うしかない」

ライナー「俺たちの故郷では、優秀な戦士が能力を引き継いでいく」    

エレン「でも、俺は食ってない。巨人化しても人間を食ったことがないぞ」

ミカサ「私が知る限り、エレンは巨人化しても人間を食べていない」
   「・・ので、トロスト区攻防戦の以前に巨人になっているのかもしれない」

エレン「その時、俺も誰かを食ったのか?」

-ライナー、ユミル、ベルトルトが俯きながら
   「俺が、私が、僕が・・・言うのもなんなんだが・・・」

-ハンネス、ミカサ、ジャン、クリスタも加わり
   「今はそこを考えない方が良い」

コニー「ちょっ・・・俺がバカだからわからないのか?エレンは誰を・・ぐへっ」

クリスタ-コニーの鳩尾に膝を入れる
   「バカはちょっと黙っていて」

アルミン、ライナー(???)

コニー「話を戻してすまんが、おでんって何だよ?」

サシャ「東洋の美味しい煮物ですかね?ミカサ知ってます?」

ミカサ「私は知らない。ので、アルミンに聞く」

アルミン「おでんじゃなくて、いでんって言ったんじゃないかな?」
    「僕も知らないよ。ライナー、どういう意味?」

ライナー「難しい理屈だから、俺もうまく説明できないが、ベルトルトなら・・・」

ベルトルト「ライナーやばいよ、ここで、それ以上言うのは・・・」

ウェスト「ちょっと、お取り込み中失礼します」
    「ここにいる能力者はライナーさん、ベルトルトさん」
    「・・・っとエレンさんでしたっけ?」

アネ「私の分もあるって事ね?」

ナイラー「3人とも疲れているようですから代わりましょうね。」

-ナイラー、ウェスト、アネは右手を口下に運ぶ

キース「ブラウスっ!」

サシャ「ハッ!させるかー!」

-キースがナイラー、ウェストを、サシャがアネ、同時に首を刎ねる

-ナイラー、ウェスト、アネの首から蒸気が立ち昇る

キース「キルシュタイン、レンズ、スプリンガー」
   「その3人を急いで拘束しろ!」

アルミン「その3人は?もしかして?」

キース「ああ、そのもしかしてだ」
   「ハンジから、この3人がブラウン達と同じ地方の出身であると報告があった」
   「真面目に訓練し、他の訓練兵からの信頼も厚く、成績も優秀だ」
   「志願してくれた、こいつらを信じたかったのだが・・・」
   「ブラウスにはここに来る前に話しておいたのだ。」

サシャ「私も信じられませんでしたが・・・今のこの蒸気。」

アルミン「その3人は?もしかして?」

キース「ああ、そのもしかしてだ」
   「ハンジから、この3人がブラウン達と同じ地方の出身であると報告があった」
   「真面目に訓練し、他の訓練兵からの信頼も厚く、成績も優秀だ」
   「志願してくれた、こいつらを信じたかったのだが・・・」
   「ブラウスにはここに来る前に話しておいたのだ。」

サシャ「私も信じられませんでしたが・・・今のこの蒸気。」

キース「さて、イェーガー、アルレルトは敵対の意思がないものと見る。」
   「ブラウン、フーバー、・・・ユミル」
   (あれ?こいつの苗字ってなんだっけかな?)
   「全てを正直に話してもらおう」
   「話さなくても、イェーガー家の地下室に行けば全てがわかるはずだが」
   「お前らも私の可愛い教え子だ、105期生のようにはしたくない」
   「全てを話し、敵対の意思が無い事を示して欲しい」

ライナー、ベルトルト、ユミル「・・・・・・・」

エルヴィン-指示と腕の応急手当をすまし話に加わる。
     「仕方がない、アッカーマン、キルシュタイン、スプリンガー」
     「その3人を巨人化できないように」
     「今の私のような状態にしてくれないか?」
     (ソバカス女の苗字がわからない。ま、その3人でみんなわかるだろ)

コニー「お言葉ですが・・バリカンもカミソリも脱毛クリームもありません」

エルヴィン「いや・・・こんな風にってことだ」-コニーを睨みつけ左手で右肩を示す

ミカサ「今度こそ、削ぐ」

ジャン「ちっ、裏切り者とはいえ・・・寝覚めが悪いぜ」

クリスタ「ライナーとベルトルトはともかく、ユミルは・・・・」

ユミル「ヒストリア頼む。チビや馬面でなく、お前が私を・・・」

ライナー「俺も、クリスタで・・・」

クリスタ「え?え?私?」(ちょっと嬉しいかも、討伐数1の時、快感だったし)

ベルトルト「僕はミカサで。スパっと斬ってもらう方が痛くなさそうだし。」

クリスタ「わかった、覚悟して」-左手で頬骨を押さえ、笑みを隠す

ミカサ「痛くないように斬る」

サシャ「ちょっと待って、足音がする。それと動物の匂い。」

一同-辺りを見回す

コニー「あっちだ、なんか毛むくじゃらのでかいのが2体近づいてくる」

獣の巨人達-手を振りながらどんどん近づいてくる。
    「おーい、みんな集まって何してるの?」
    「僕も仲間に入れてくれる?」
    「同じ言語なはずなんだよ」

エルヴィン「イェーガー、アルレルト、出来るか?」

アルミン「はい、命に代えても、みんなを守ります。」
    (巨人化しても弱いけどね)
    -巨人化する

エレン(あ、そういうことか)
    -慌てて巨人化する

獣の巨人達「あーそーぼ」
     -手をつなぎアルミン巨人の首筋にダブルラリアット

アルミン(駄目だ、僕は10m級、巨人化しても弱い。カルラおばさん、ごめん)

エレン「うぉぉぉぉ、うっえやう(食ってやる)」
   -獣にジャンピングニーパッド-ボキっ
   (やべぇ、また骨折っちまった、回復まで時間がかかる)

獣の巨人達「痛いじゃないですか」

ミカサ「エレン、アルミン、このままでは負ける」
   「戦わなければ負ける」
   「ので、私も巨人化してみる」
   -右手を口元に運ぶ

ハンネス「待て、ミカサ、俺がやってみる」
    「お前が知性無く暴れたら誰が止める」
    「リヴァイがここにいないだろう」

ミカサ「ハンネスさんが暴れても同じ」

ハンネス「いや、お前がいるだろう」
    「俺が暴れた時は、お前が俺のうなじを削ぐ」
    「俺ならきっと大丈夫。・・・のはず。ガリっ」
    -右手を噛み千切るが、何も起こらなかった。

ミカサ「ハンネスさんが射たれたのは、きっとただの風邪薬」
   「ので、巨人にはなれない」
   「違わない?」

ハンネス「ああ、そのようだ。ちょっとホっとした。」

ミカサ「やはり私が行くしかない」
   -右手を口元に運ぶ

ライナー「待て、ミカサ。ハンネスさんとやらの言うとおりだぜ」
    「俺はそろそろ巨人化できるまで回復している。」
    「さっき、腕を斬られなくて良かったぜ」

エルヴィン「それは出来ない。ライナーはまだ信用できない」

ライナー「頼みます、団長。兵士として認めてくれとか言えた義理ではありませんが」
    「少なくとも俺はもう戦士ではありません。」

エルヴィン「だから戦士と兵士はどう違うのかってさっきから聞いてるのだが」

ベルトルト「戦士とは僕らの故郷の工作員の事です。」
     「壁の中の人類を滅ぼす任務を持つ者です。」

ライナー「俺たちは105期の3人に食われかけました。」
    「能力を奪うために」

ベルトルト「つまり、故郷は僕たちを見捨てたんです。」
     「帰る場所はありません。それどころか。」
     「帰っても後継者に食われるだけなんです」

ライナー「お願いします団長。俺達二人の命を、
    「せめて、同期の奴らを守るために使わせてください」

ユミル「私はヒストリアさえ守れればそれでいい」
   「兵団に危害を加えるつもりは無い」

コニー「俺はバカだけど、こいつらが本気だって事くらいわかります」
   「それに、ライナーは俺の命の恩人です」

ジャン「団長、私からもお願いします。」
   「我々人類は弱い。この局面を打開できるのは、こいつら能力者です。」
   「私はトロスト区攻防戦で殉職した同期から言われました。」
   -遺骨の巾着を握り締め
   「弱い私だからこそ、正しい答えを導き出すと」

エルヴィン「わかった、3人の拘束を解け」

-3人が巨人化して獣の巨人達に向かう

ユミル(私のサイズじゃ役に立たないが・・クリスタさえ守ればいい)

超大型-踏み潰し作戦

鎧-エレンを守りながら格闘

アルミン「みんな!?」(喋れる事に気がつく)
    「獣さん達、この巨人数に勝てると思う?」
    「大人しく降伏すれば拷問などしない」

獣1「君達こそ勝てると思っているの?」
  「それよりいい事を思い出させてくれたね」
  「仲間を呼ぼう。うきききーーーー」

獣2「ぴーーーーー」指笛

ドドドドドドドド-遠くから獣の巨人数体と小猿が近づいてくる
小猿達が兵団に襲い掛かり手当たり次第に噛み付いていく
噛まれた順に巨人化する兵団
おそらく、牙に巨人化薬が仕込まれているのだろう
微妙に夫々の特徴が出現した巨人達
 ジャン:馬面の普通の10m級巨人
 エルヴィン:ツルツル頭の20m級
 キース:眼窩が以上に窪んだ8m級に
 コニー:巨人化するがなぜか1.5m級(寧ろ小型化した)
 サシャ:入団式の夜クリスタのパァンに飛びついた時の姿で8m級
 ハンネス:5mくらいの無個性で無難な巨人
猿に噛まれて巨人化した巨人達はエレン達を襲う

憲兵班長「憲兵団は全員撤退しろ!!」
   「急いで帰還して王をお守りするんだ」

マルロ「待ってください。敵前逃亡ですか?」
   -馬に跨る班長の足を掴む

憲兵班長「こら、手を離せ!」-マルロを蹴って遁走

マルロ「ヒッチ!!立てるか?」

ヒッチ「腰が抜けちゃった・・」

マルロ「何をしている、小猿が来るぞ」

ヒッチ「マルロも速く逃げろよ」
   「それが憲兵団ってもんだろ?」

マルロ「アニが言ってたあいつなら戦うんだろうね」

ヒッチ「そうかもね」-小猿に取り囲まれる

ミカサ「く・・このままじゃ負ける。」
   「戦わなければ勝てない。」
   「ので、私も戦う。ガリっ」
   -巨人化する。筋骨隆々の20m級巨人
   (大丈夫、私は自分の肉体を支配している。知性もある)
   -敵に操られる兵団巨人達をばったばったと薙ぎ倒す
   -エレンに組み付くエルヴィン巨人と対峙する
   (さすが団長の巨人はでかくて強くて眩しくてかなりヤバイ)
   -格闘の末、エルヴィン巨人の右腕を千切る

ユミルはクリスタを小猿から守っていたが
そのうち1匹がユミルの脇をすり抜ける
ついにクリスタも小猿に噛まれてしまう
翼の生えた10m巨人が出現し、周囲は光に包まれる
巨人というより女神の石造
やや、目の下に邪悪な隈取があるのは気のせいか?
その女神が翼をはためかせ・・・飛翔・・旋回する
巨人達が空を見上げる(この時点で全員が巨人)

アルミン(やっぱ女神・・・)

クリスタ「民よ、静まりなさい」-光を放ちながら

兵団巨人はエレン達への攻撃をやめる
小猿達は自分の手首を噛み千切り、一斉に5m級獣の巨人になる

クリスタ「兵団の巨人達よ、獣のうなじに答えがある」

兵団巨人達-一斉に獣の巨人達のうなじを目指す。阿鼻叫喚の地獄絵図
     -獣の巨人の中の小猿を引きずり出し食べる
     -食べた者の体から蒸気が出て縮小する

ユミル(ほら、これでも食いな)
   -コニー巨人に潰した小猿を渡す

コニー-体から蒸気が出て少し大きくなる(人間に戻る)

ミカサ-獣の巨人2を難なく倒し、中の猿を引きずり出し小型のハンネスに与える

エレン、アルミン、ライナー、ベルトルト、ユミル、ミカサ
   -獣の巨人達を次々に駆逐し、小猿を引きずり出し、手足を噛み千切る

クリスタ-突如、体が黒くなり、翼はコウモリのような形状に変化する
    -獣の巨人1に向かって急降下。そのままうなじを食い破る

アルミン(悪魔だったの?)

エルヴィン「小さい獣を全て捕獲しろ」

ミカサ-全員が人間になったのを見届けて、自分も捕獲した小猿を食い人間に戻る

~大団円の様相~

全員-休憩を取る。
  -負傷者達は巨人化能力の影響で、全員、怪我の回復が始まっている。

ベルトルト「アルミン、聞いてもいいかな?」
     「アニへの拷問の事だけど?」

アルミン「ごめん、あれは嘘。アニは地下牢で結晶の中」
    「誰も手をつけられない状態」
    「心配なのは、ピクシス司令くらいかな」
    「絶世の美女巨人に食われたいとか言ってたから」
    「ハンジ分隊長も解剖したがっているけど、負傷中で動けない」
    「アニについては僕が一任されている」
    「帰ったら尋問しなくてはいけない」
    「アニは僕だとわかって殺さなかったから」
    「あまり手荒な真似はしたくないんだ」
    「ベルトルトとライナー次第だけど」
    「今回、戦士だった君達や片腕になっても奮闘したエルヴィン隊長」
    「何かを成し遂げるには何か大切なものを捨てなければいけない」
    「そして、女神から悪魔に化身したクリスタを見て思ったんだ。」
    「任務のため、人類の為には堕ちなければいけない時もある」
    「アニを説得してくれるよね」
    「僕は帰ったら出世すると思う。」
    「訓練時代の成績では君達に叶わなかったけど」
    「ピクシス司令、エルヴィン団長、ハンジ分隊長らの
    「知性派幹部からかなりの信頼を得たからね」
    「協力してくれれば、君達が死刑や解剖にならないように頑張るよ」

ジャン「なあ、ライナー。マルコってお前の班だったよな?」
   「エレン巨人がトロスト区の扉の穴を塞ぐ作戦の時だよ」
   「どうして死んだんだ?巨人に食われたって亡骸じゃなかった」

ライナー「すまん。あの時、俺は兵士だったんだ?」

ジャン「兵士って事は、こっち側のって事か?」

ユミル「こいつは、戦士としての任務と、兵士として私達との絆の狭間で」
   「精神的におかしくなってたんだ。これは本当だ。」

ベルトルト「あの時、アニはガス欠寸前、マルコは右腕を負傷」
     「囮として行動していたが、本当に餌になる寸前だった」

ライナー「エレンが失敗したって煙弾を見たとき」
    「俺が鎧になって、エレンの代わりに穴を塞ぐって言ったんだ」
    「ベルトルトが必死で止めた。その時、口論になって。」
    「超大型の方が穴を塞ぐのに向いてるって俺は言った」

ベルトルト「その時、聞いていたマルコが不思議そうな、泣きそうな顔で呟いた」
     「君達は何を言っているの?ライナーもベルトルトも巨人なの?」
     「僕はなんとか取り繕ろおうとしたんだけど」

ライナー「俺が鎧の巨人だ。今からエレンの代わりに穴を塞ぐって言っちまった。」

ベルトルト「マルコが悲しそうな顔しながら、逃げようとした」
     「その時、アニがマルコを斬った」

アルミン「それで、アニがマルコの立体起動装置を・・・」

ベルトルト「アニのがガス欠しそうだ・・・」

コニー「んーん、微妙に許せない気がするのは、俺がバカだからか?」

ライナー「って、マルコが最後の力を振り絞って言ったんだ」
    「僕のを使えって」-涙を流す

ベルトルト「アニは泣き崩れた。それで、僕らの作戦は中止なった」
     「そもそも、ライナーがウォール・シーナを破壊し」
     「アニが外から巨人を連れて来るって寸法だった」

ライナー「結局、マルコが俺達の作戦を・・・」

ジャン「阻止したって事だ」-ボロボロと涙を流す
   「マルコ、お前の死は無駄ではなかった」
   「ウォール・ローゼを守ったのはお前だよ」
   「マルコぉぉぉ」

エレン「ジャン、お前ってけっこうイイ奴だったんだな」
   「俺、お前に謝らないといけない」
   「立体起動初歩訓練のベルトの金具を壊したのはお前だって」
   「疑っていたんだ。本当にすまん。許してくれ」

ジャン「エレン、俺を疑っていたのか?」
   「いや、いいよ。本当の事だから」

エレン「え?え?、やっぱお前だったの?」

ジャン「あんまりミカサと仲が良いもんで、つい・・」
   「お前さえ開拓地に送られちまえばって」
   「ま、裏事情を説明するならばな・・・」
   「作者は最初、俺を悪役として登場させたんだ」
   「コニーの背中で手を拭ったりしてただろ」
   「でも、作者はなぜか俺に感情移入しちまって」
   「なんか、お前のライバルみたいのに昇格させちまった」
   「いつか謝ろうと思ってたんだが、作者が機会をくれなかった」

ミカサ「死体がどうやって謝るの?」

アルミン「ミカサ、落ち着いて、ジャンの死亡フラグはまだ立ってない」
    「ライナー、故郷ってどこにあるの?なぜ人類に敵対するの?」

ライナー「ウォール・マリアの南東、壁外だ」
    「100年前に見捨てられた人類。地下で暮らしていた」
    「蟻のように穴を掘って、巨人に怯えて暮らしていた」
    「ユミルの村も似たようなもんだろう」

ユミル「ああ、私の村は海の中・・・ってか、島なんだが」

アルミン「海の中にある陸地だね?」

ベルトルト「僕達の祖先は・・・壁の巨人の同胞なんだ」
     「壁の巨人は同胞を人質にとられ壁になった」
     「僕達は壁の巨人を解放し、壁の中の人類を駆逐する」
     「それが悲願だった」

ライナー「アニが巨人を呼べる巨人、俺が鎧の巨人」

ベルトルト「僕が超大型巨人っていう形質が現れ」
     「100年に及ぶ恨みを晴らす事が出来る作戦が可能になった」

ライナー「俺達は訓練兵団卒業後、ウォール・ローゼを破壊し」
    「憲兵団になりウォール・シーナを破壊する予定だった」

ベルトルト「しかしエレンとマルコの存在が作戦を頓挫させた。」

ライナー「俺は戦士である事を忘れ、調査兵団を志願してしまった」

ベルトルト「僕はライナーを戦士に戻す為に後を追った」

アルミン「じゃあ、アニが憲兵団に行ったのは諜報活動の為?」

ライナー「わからない。マルコの意志を継いだのかもしれない」

ユミル「ベルトルさんよ。座標ってどういう意味なんだ」

ベルトルト「んーん。あまり理論的ではないんだけど。」
     「エレンを連れ帰って消したら、時間が元に戻って」
     「色んな事をやり直せるかもって・・・・」
     「ライナーが言うから・・・」

ライナー「まあ、俺達のトロスト区攻撃からは、エレンの巨人化で」
    「その後の作戦が台無しになっちまっただろ」
    「ループってやつだ。そんな感じになるかと思ったんだ」

アルミン「それは駄目だよ。この物語は魔法とか念の力とか神話とか」
    「非科学的な事はNGなんだよ」
    「タイムパラドックスとかパラレルワールドとかもね」
    「ましてや夢落ちとかループなんてのはありえないんだ」
    「ま、巨人の存在ってのは今後の意味づけによるとしても」
    「微妙といえば微妙だけどね・・・・」
    「理系の友達に頑張っていただかないといけないんだ」
    「・・・と。話を戻して、ユミル達の祖先は?」

ユミル「元々、島に住んでいたらしい。」
   「気づいた時、大陸は巨人に占拠されていたって事」
   「巨人は海を越えられないから安全だったが」
   「私達も海から出られない。魚ばっか食ってたよ」

アルミン「ところで、獣の巨人って何だろう?」
    「うなじの中にいたのは、さるって獣だったけど・・・」
    「ベルトルト達は何か知っているの?」

ベルトルト「さあ、俺達も獣の巨人については何も知らないんだ」

アルミン「ユミルの村は獣の巨人に滅ぼされたんだよね」

ユミル「奴らは人類そのものに恨みがあるらしい」
   「そもそも、猿ってのは獣だ。」
   「なんで、言葉を話すのかもわからない」

エレン「地下室に行けば、全てがわかるんじゃないかな。」

ミカサ「そうだ、クリスタが教団の秘密を知る事を許されているって話は?」
   「ニック司教がクリスタになら全てを話すって」
   
アルミン「そして公開するか否かを決断する権利がある」

クリスタ「私の本当の名前はヒストリア・レイス」
    「貴族の一つで、秘密を託された血族」
    「今まで、その宿命から目を背けていました。」
    「でも、私は決心しました。司教に会います。」

エルヴィン「それでは作戦を指示する」
     「レンズ、ヒストリアお嬢様はニック司祭に会う為、ストヘス区に戻る」
     「私、ユミル、ハンネス隊長達駐屯兵団、キース教官、憲兵隊員が護衛する」
     「シガンシナ区にあるイェーガー家の地下室には」
     「今、指名されなかった者が向かう」
     「我々全員、巨人化能力を持つので、ほぼ無敵と思われるが」
     「気を引き締めて任務を全うして欲しい」

--------
ハンジ「ねぇリヴァーイ、そう言えばさぁ、あんたの苗字ってなんてーの?」

リヴァイ「うっせーなぁ。クソメガネ。こんな時くらい黙ってられねぇのか?」

ハンジ「あんた、訓練兵団にもいなかっただろ?」
   「エルヴィン団長が地下街からスカウトしてきて・・・・」
   「いきなり、調査兵団に私の同期として入ったと思ったら」
   「誰よりも強いって、よく考えたら不思議なんだよね」
   「立体起動装置とか、どうやって練習したの?」

リヴァイ「ものごころ着いた頃には使っていた。」

ハンジ「ちょ・・子供の頃からってこと?」

リヴァイ「ああ、そういう家に生まれちまったって事だ」

ハンジ「んで、苗字は?」

リヴァイ「・・・・マンセル」

ハンジ「どこかで聞いたことがあるような・・・」

リヴァイ「俺は巨人の曾孫って呼ばれていた」

ハンジ「巨人の曾孫?その身長で?」

リヴァイ「クソメガネ・・・。もう教えん。」

--------
-王の城に招かれたヒストリアはニック司祭の案内で城内を進む

ニック司祭「ヒストリア様、よくぞご無事で。」
     「これから、私が伝える事をよくお聞きください」
     「聞いた後、どうするかのご決断は貴女にのみ許されております」
     「その昔、人類は今では考えられない文明を持っておりました。」
     「しかし200年前の大きな戦争で、人口の殆ど、自然環境、を失いました。」
     「強大な文明が全てを破壊し、生活は大きく後退しました。」
     「残った人類同士で、少ない土地と食料を求めて、再び戦乱の時代になりました。」
     「130年前、突如、巨人が出現し、人類を捕食し始めました。」
     「同時に人智を超えた存在、神が現れました。」
     「人類はお互いで争うことを止め、神の下に団結しました」
     「ところで、巨人の中には知性あるものが、存在しました」
     「彼らも元は人間で、彼らの仲間を救ってくれるのなら」
     「知性ある巨人達は壁となり、人類を守ろうと誓いました。」
     「こうして神のおかげで、巨人の壁で囲まれたこの国が完成したのです」
     「神はこの国の王となり、人類をお導きになったのです。」
     「王は世界を破壊するほどの文明を復活させる事を悪としました。」
     「民は、壁外に興味を持たず、勤勉に働き、税を払い、王に尽くす」
     「それが人類の幸福なのです。」

ヒストリア「つまり、神である王が、強大な文明により滅亡した世界を救済したと」
     「巨人が発生した時も、巨人を平伏させて壁にしちゃったと」
     「それで、今の王国があるってことですね?」
     「壁が巨人で出来ているって事ですね。」
     「その壁が壊れたら、巨人が出てくるって事ですか?」

ニック司祭「その通りです。巨人は壁の中で生きております。」
     「巨人は植物のように、日光の力で活動します。」
     「壁が破壊されると、巨人は一斉に活動を始めます」

ヒストリア「でも、壁の中の巨人はエレンのような知性を持つのでしょう?」
     「彼らが外の巨人をどうにかすれば良いのに」

ニック司祭「巨人の脅威が無くなれば、人々は再び争いを起こすでしょう。」
     「民は巨人に怯えながら、偉大なる王の下、暮らしていれば良いのです。」

ヒストリア「巨人で脅して民を支配しているっていうことですか?」

ニック司祭「王のお導きは正しいのです。」
     「民は必要以上の文明を持つ事は許されないのです。」
     「壁の外に興味を持つ事は許されません。」
     「壁に守られて慎ましやかに質素に暮らす。」
     「勤勉に王に忠誠を尽くし、税を払う」
     「それが人類が生存する為の、たった一つのお導きです。」

ヒストリア「んーん。そうは思えないけど・・・」

二人-王が佇む庭園に到着する

王-ロッキングチェアに座り揺れている

ニック司祭「血族の者をお連れしました。」

王-しばらくチェア遊ぶように揺れているが停止する

王「あ、もう入っていいよ」-振り向く
 「名前はなんと言うんですか?」

ヒストリア「あ・・・・あ、あ」

ニック司祭「ヒストリア様、落ち着いてください」
     -ヒストリアを取り押さえている

王「どうしたの?同じ言語のはずなんだが」
 「嬉しくてそれどころじゃないのか・・・」

ヒストリア「きゃぁぁぁぁぁああああああああああ ガリっ」
     -女神の巨人に変化し、飛翔して逃げる

王「まあ、いいや捕まえれ連れてくれば ガリっ」-獣の巨人に変化

女神巨人「みんな、逃げて!」

ユミル「あれってクリスタの巨人だよな?」
   
コニー「緊急事態か?俺達も巨人になって・・・」

サシャ「駄目ですよ。コニーは巨人化して小さくなっちゃうんですから」

女神巨人-急降下し、3人を拾いあげ飛び去る

--------
地下室にあった記録
エレンがここに辿り着き、アルミンが理解する事を望み、これを記す。

その昔
人類は空、宇宙を飛ぶ船を持っていた。
電気というエネルギーを利用していた。
何キロも離れた場所での会話も可能だった。
人口は80億にも達した。

200年前
世界はA、Cという二つの大国が終末的な戦争を開始した。
核使用による変異ウィルスは有色人種の殆どを死滅させた。

A国
電磁波爆弾により電子機器が破壊された。
全てのシステムが停止し、内戦が各地で勃発し、独裁国家が生き残った。
結果、原始時代に戻るような文明の崩壊につながった。
それがウォール・マリアに囲まれた国である。

C国
核兵器という巨大な爆弾により破壊された。
放射能により、人口の半数以上が死亡し、自然環境は悪化した。
放射能は、遺伝子という生物の設計図を変化させた。
様々な生物に突然変異体が出現した。
人類には巨大化するという変異が発生した。
巨人を殺人兵器に利用する研究を始めた。
人工的に遺伝子を変化させ、巨人を作り出す薬品を開発した。
同時に猿の知能を向上させ、兵士として使役する研究を進めた。
その途中、知能が向上した猿を巨大化させる実験を行った。

猿に支配されたC国
実験は成功し、C国がA国を制圧するかに見えたが・・・
飛躍的に知能を向上させた猿がC国に対し反乱を起こした。
実権を奪った猿達は、C国の人類を巨人化させてA国を攻撃した。
多くの巨人に知性は無く、無差別に殺戮をおこなった。

ウォールの秘密
稀に、知性を持つ巨人があり、それらの巨人はA国に助けを求めた。
A国はC国亡命者の救出を条件に、結晶巨人壁をつくる事を命じた。
亡命者を猿から助ける為に、言われるままに壁となった。
そして100年前、知性ある巨人の壁は完成した。
既にC国の猿が送り込む巨人によって、A国も多くの命を失っていた。
A国の人々は、巨人に追われるように壁の中に逃げ込んだ。
当時の貧富差、身分制度によって、壁の中のどこに住むかが決められた。
知性ある巨人との約束は破られ、C国亡命者は壁の外に取り残された。
彼らは巨人に追い詰められ、数を減らし、地下に住む事を余儀なくされた。

巨人化のメカニズム
薬品で遺伝子の一部が欠損し、細胞を活性化させる。
空気中から酸素、窒素、炭素、その他カルシウムなどの金属を吸着し体外に組織を形成する。
気体が急激に固体化するので、高温を発生する。
人間の本体は巨人の延髄部分に残り、巨人細胞と感覚組織が融合する。
急激な体積の膨張により、理性での制御が困難になり、本能で行動する。
植物のように、日光と空気中の水分、二酸化炭素から活動エネルギーを生産する。
食事の摂取は不要になるが、欠損した遺伝子を修復する本能で人間を捕食する。
しかし普通の人間を捕食しても、遺伝子の欠損は補修されない。

巨人化能力
稀に、巨人化してから遺伝子を自己修復する遺伝子を持つ固体が出現する。
その働きは免疫に似ていて、巨人細胞に対して一種の拒絶反応を起こす。
巨人細胞と本体が完全に融合しない事で、本体は理性による巨人の制御が可能になる。
巨人細胞の多大な欠損、もしくは意思の力による巨人細胞の崩壊で、人間体に戻る。
巨人は自己修復する遺伝子を持つ人間の捕食に成功すると、遺伝子が取り込まれる。
遺伝子を保有する者の肉体は巨人の胃の中の成分と反応し溶解していく。
脳死すると遺伝子は消滅するので生きたままの捕食が必要になる。
つまり、巨人体を自由に着脱し、操作する能力は得るには・・・
1/千の確立に当たるか、あるいは能力者を捕食する事に限られる。

C国の末裔
壁にならなかった巨人能力者と亡命者の子孫は地下で生き延びた。
C国の猿政権から、少量の巨人化薬を奪還した。
騙して捨てたA国政府への復讐の為に、巨人能力は受け継がれた。

私とカルラはC国の末裔だ。
シガンシナ区の運河から壁内に侵入し
戦士としての任務により訓練兵団に入団した。
いざという時の為に、巨人化薬を携行していた。
私達は戦士の任務よりも、訓練兵の絆を選んでしまった。
調査兵団を退団後、医学を学び、巨人化薬を改良した。

巨人化薬の改良
注射後即巨人化せず、意志を持ち自傷する事で発動するという制約を設けた。
そして、もう一息で、巨人を人間に戻す薬が完成する。
その為には巨人化能力者の細胞を培養しなくてはいけない。
サンプルがあまりにも不足している。
酵母を用いれば、理論的には成功するはず。
これまでのデータを以降に記す。

エレン「難しくて、意味がわかんねー」

アルミン「大丈夫、僕が理解した。」
    「今、巨人能力者が30人以上いるんだ」
    「あとは、グリシャおじさんが残した研究データから、薬を完成させるだけ」
    「それで、全てが上手くいく」
    「ハンジさんと僕なら、きっと出来る」

---------
ストヘス区知性派幹部会議
出席者 ザックレー提督、ピクシス指令、エルヴィン団長 座学のメガネ教官
    ハンジ分隊長 アルミン・アルレルト 
    ベルトルト・フーバー マルロ・フロイデンベルク

ザックレー「とりあえず、報告と意見を伺いたい」
     「司会は座学のメガネ教官君にお願いする」

アルミン(そう言えば、ザックレー提督って誰かと似てるんだよなぁ)
    (はっ! トロスト区で僕を食べようとした巨人!)
    (あ、でも、あの巨人はエレンにうなじを踏んづけられたっけ)
    (他人の空似ってやつだよね)
    (提督の双子の弟とか・・・・ないよね)

司会「エルヴィン団長より、壁外調査の報告をお願いします」

エルヴィン「かくかくしかじか・・・」
     「現在、調査兵団22名、駐屯兵団5名、憲兵団2名」
     「エレンのような知性ある巨人の能力者です」
     「巨人化能力を生み出す猿も20匹、捕獲しております」
     「105期生ナイラー、ウェスト、アネは切断しながら拘束中」
     「提督の判断をお待ち申し上げます」
     「ヒストリア・レイス嬢は、ニック司祭の案内で、王の下に訪問中」
     「ユミル、サシャ、コニーが警護にあたっております」
     「戻り次第、報告を受けます」

ピクシス「ハンネスを行かせて良かったようじゃの」
    「儂の目に狂いはなかった」

司会「アルミン・アルレルトより地下室調査の報告を」

アルミン「かくかくしかじか」
    「以上、この国の真の歴史、壁の成立、猿の存在、巨人の謎」
    「を解明しました。あとは巨人を人間に戻す薬を開発するだけです」
    「幸い、捕獲した小猿に巨人能力がありますので、時間の問題です」

女神の巨人「みなさん、大変です」-上空から叫びつつ着地
     「王の正体は・・・・猿でした」
     「かくかくしかじか・・・」

ベルトルト「じゃあ、僕達の先祖を騙したのは人類ではなくて・・・」

アルミン「じゃあ、僕の家族は・・・ウォール・マリア奪還作戦って」

エルヴィン「壁外で多くの犠牲があったはずだが、遺品は一つも回収されていない」

ピクシス「あの後から、壁外をうろつく巨人数がそれまでよりも増えているそうじゃ」

ハンジ「見えている物と実在する物の本質は・・・違っていた」

司会「提督は王に会った事はあるのですか?」

ザックレー「・・・・・・・・・・」

ピクシス「おぬしの立場で会った事がないって、わけはなかろうて」

エルヴィン「提督、全てを知っておられたのですか?」

ザックレー「仕方がなかったんだ。人類と弟を守る為に・・・」

アルミン(え?弟?)

ザックレー「この国は猿の牧場みたいなものだ」
     「働いて税をおさめ、猿を養っている」
     「壁に囲まれ、壁の外には巨人がいる」
     「猿がその気になれば、人類は巨人に滅ぼされる」
     「人類は家畜として生きなければ、安寧はない」

ピクシス「で、どうするつもりじゃ?」

ザックレー「王を倒し、C国末裔の誤解を解き、猿の国を滅ぼす」

エルヴィン「ハンジ、アルミン、巨人から人間に戻すのに必要な小猿の数は?」

ハンジ「5体もあれば十分です。」

エルヴィン「ハンジ、残りの小猿を全て使って、リヴァイはじめ、優秀な兵を能力者にしろ」

ハンジ「ミカサの立会いの下、ヒストリアの女神巨人がいれば大丈夫です」

エルヴィン「アルミン、巨人から人間に戻す薬を大至急、増産しろ」

アルミン「はい、既に実験は成功しているので数日中に増産に入ります」

エルヴィン「フーバー、105期生を説得し、故郷に向かい、誤解を解いて来るんだ」

ベルトルト「はい、ライナー、アニと105期生で和解を成功させます」

ピクシス「さて、これはクーデターじゃ」
    「商会への根回し教会の足止めはザックレーしか出来んじゃろ」

ザックレー「任せてくれ、あとは憲兵団をどうするかだが」

エルヴィン「ここにいるマルロ君は、新兵とは言え、遁走せずに現場に踏み止まった」
     「彼に実権を与え、憲兵団の粛清を図るというのはいかがでしょう」

ピクシス「腐りきった連中じゃからのう。それくらいの改革が必要じゃろう」

ザックレー「マルロ・フロイデンベルク! 貴様に出来るのか?」

マルロ「はい、腐った連中には、相応の報いを受けさせるのが夢でした」

--------------
その後
リヴァイ・マンセル率いる巨人能力者軍団はあっさり王都を攻略し、王を倒した。
ナイラー・グレー達105期により、C国の末裔の誤解は解け、人類として受け入れられた。
アルミン・アルレルトが開発した薬により、ウォール・マリア内の巨人は無力化された
ウォール・ローゼ、シーナを作っていた巨人は解放され、壁外の巨人も無力化された。
ウォール・マリアを作っていた巨人が開放された。
膨大な数の知性ある巨人達によって、猿の国を滅ぼした。
巨人を作る薬は、製造方法を含め、永遠に封印された。
巨人能力者達も、その力を封印した。

さらにその後
ミカサ「いってらっしゃい、エレン」

エレンとアルミンは外の世界の探検に出かけた。
エレンは多くの資源と豊かな土地を発見した。
アルミンは先史文明の痕跡から技術を復活させた。
二人は英雄となり巨万の富を築いた。
人類は、再び人類としての安寧を手に入れた。
豊かさと平和、文明をその手に戻した。
そして、世界各地に散らばっていった。

2000千年後
巨人は伝説神話となり、人々の記憶から消えていた。
高度に発達した文明は自然環境を破壊していた。
二つの大国に別れ、戦争をしていた。
核、電磁波爆弾が開発された。
猿の知能を向上させる研究が行われた。
そして、やっぱり、そうなってしまった。
次のループ世界では、人類は威厳を取り戻せるのだろうか?

------永遠に続く--------

作者です。次作の紹介です。
ミカサ「アルミン、どこで手を抜いたの?」
ミカサ「アルミン、どこで手を抜いたの?」 - SSまとめ速報
(http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/comic/6689/1380088214/)

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