魔法少女「補導された」(1000)

刑事「あの、つまりお前何よ」

少女「愛と勇気で悪を砕く、プリティーエンジェルです……けど……」

刑事「」
刑事「あのね、貴方何歳よ」

少女「……今年で24です」

刑事「職業は?」

少女「市役所に勤めてますけど……」

刑事「どうしてそんな格好したのさ、地域の人から苦情きてたよ? 不振者がいるって」

少女「不振者? 悪者なら私が……」

刑事「」

少女「ごめんなさい」

刑事「質問に答えてもらおうか」

少女「はい」
少女「ある日突然宇宙の彼方から現れた白銀の妖精プリーティーミカに地球を守る戦士に選ばれた私は魔法少女になりました」

刑事「少女……」

少女「少女。」

刑事「少女?」

少女「少女。」

刑事「少女……」

少女「少女。」

刑事「24……」

少女「少女」

刑事「……」

少女「……」

刑事「やま」

少女「かま」

刑事「かま?」

少女「やま」

刑事「かまって何よ」

少女「さあ」

刑事「」

刑事「まあいいや、とにかく職場と親に連絡いれるね」

少女「いえ、それはちょっと……」

刑事「」

少女「あの……私がプリティエンジェルだって事はほら、あの、クラス……じゃなくて職場のみんなには秘密というか……」
少女「……私が魔法少女だとばれたらもうみんなとは一緒にいられないの」

刑事「そのまえにアンタ前科だよ。」

少女「あう……」

刑事「前科者が公務員やれると思うの?」

少女「」
少女「貴方、私魔法少女ですよ? 本気になればこれくらいぶっ壊せますよ?」

刑事「勝手にしろ」

少女「」

刑事「だがな、もしお前が警察という組織を敵にするなら、全国30万人の警察官は命をかけて、最後の一人まで戦い抜くぞ。その覚悟はあるのか!!」

少女「机叩かないでくださいよ……怖いですから」

少女「ごめんなさい」

刑事「うむ」
刑事「じゃあ身分証明書を」

少女「保健証でいいですか?」

刑事「ああ」
刑事「保護者の電話番号は?」

少女「……」
少女「家族は……モンスターに殺されました」

刑事「……」
刑事「急に話が重くなってきたな」

刑事「……少し待ってろ」

少女「はい」

同日、同県警内、刑事部屋

伊藤刑事「巡査部長!」

刑事「……なんだ」

伊藤「信じたくは有りませんが……やはり」

刑事「ああ……」

伊藤「この一週間で七件ですもんね」

刑事「若い女性が突然襲われ、性的暴行を受ける事件……か」

伊藤「科捜研の分析によると、被害者3号の子宮内からは人間とは違う精液が発見されたと。」

刑事「……」

刑事「3つめの事件……あの亡くなった方か……」
刑事「……もう一度奴から話を聞いてくる」

伊藤「解りました」

同、取調室

少女「こういうのってカツ丼とか出ないのですか?」

刑事「実際の取り調べでカツ丼が出ることは無いよ。凶器になるからね」

少女「……なんか夢のない話ですね」

刑事「……お前、本当に魔法少女なのか?」

少女「そうですけど」

刑事「今日は現場で何をしていた」

少女「それ、現場で何度も話しましたよ」

刑事「私以外の刑事に、だろ、もう一度話してもらえないか?」

少女「面倒くさいのですが」

刑事「話せ」

少女「厭な人」

刑事「こちらも仕事だからな」

少女「化け物が居たから、私が魔法で殺しました、おしまい。」

刑事「ふざけてるのか?」

少女「何をしてたかについて答えただけでしょ? 問題有る?
   大体、私何の罪でいま捕まってるわけ? 化け物を殺したら罪になるの?」

刑事「……君の攻撃で車が二台ほど。」

少女「……」

刑事「お前、もしかして開き直ったら逃げられると思ってた?」

少女「ごめん、思ってた」

もう落として


ガチャ

伊藤「取調べ中失礼します」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「・・・取調べ?」

伊藤「巡査、課長がお呼びですが・・・」

少女「・・・ちょっと待って、取調べ?」

伊藤「は?」

少女「私、補導されてここに来たんですが・・・」

伊藤「・・・巡査、この参考人はなにを・・・」

刑事「・・・プリティーなんとかさん」

少女「ぷ、プリティーエンジェルですけど」

刑事「24歳を補導はしない」

少女「なっ・・・!!」

設定が面白いから勝手に続けるけどちょっと調整したいから待って

割と続きと落ちは考えてたけど、ノリで書いた結果が掲示の設定が酷いことなっちまったね!
歩道とかデカ部屋とかだから>>43頑張れ!


刑事「補導というのは、少年少女にしか適用しない」

少女「そ、そんな・・・」

伊藤「・・・巡査、まだ説明していないんですか?」

刑事「ああ。これから話して、さらに情報を引き出す」

少女「・・・引き出すったって・・・。私、なんでここにいるんですか?」

刑事「あんたはある事件の重要参考人だ」

少女「重要参考人!?じゃあさっきの地域住民からの苦情っていうのは・・・!?」

刑事「ああ、あれは嘘だ」

少女「う・・・、嘘?」

刑事「あんたをここに引っ張ってこられれば良かった」

少女「・・・う、嘘か。良かった・・・、いよいよ皆様にそう思われてると思った・・・」

刑事「・・・まぁ苦情は後々来るだろうけどな」

少女「あれ!?やっぱりギリギリアウトですか・・・!?」

刑事「24歳は完全なアウトだ」


少女「自分でも気にしてたのに・・・」

刑事(自分でも気にしてたのか)

伊藤「自分でも気にしてたんだ」

少女「・・・なんでそんなことを・・・」

刑事「あんた今日現場に居ただろ」

少女「そりゃ居ましたけど・・・」

刑事「その事件について話せと言ったら?」

少女「だからぁ。私がこう、怪物をぶっ殺しただけですよ」

刑事「・・・それを取調べ室で詳しく話していただきたいのですが」

少女「ええー。それだと私の正体がバレかねないからご遠慮・・・、ん?」

刑事「そんなわけで、職務質問としてご同行頂いた」

少女「職務質問・・・」

刑事「そんな格好で夜中にウロウロしていればな」

少女「なっ・・・!プリーティーミカに謝れ!!」

テス

ID:GjtQo23p0だけどなんかID変わったwwなんだこれwww
ちょっと書き込み不安定だけど待たせてすまない


刑事「・・・伊藤」

伊藤「はっ。・・・あっ!ええと、課長がお呼びです・・・」

刑事「取調べの進行状況か」

伊藤「そんなところだろうと思います」

刑事「見ての通りだ。これから本格的に入る。そう伝えてくれ」

伊藤「了解です!」バタン

少女「・・・なにがなんだか、こんがらがって・・・」

刑事「これから事件やあんたについて聞く。それに答えてくればいい」

少女「もう話しましたって」

刑事「もっと詳しく。詳しく聞きたいことが、まだまだたくさんある」

少女「・・・ふ、普段の勤務態度とかですか・・・?」

刑事「・・・確かにある意味気になる・・・」

少女「ま、真面目です」

刑事「・・・・・・・・・」


刑事「あんたはなんで、現場に居たのか」

少女「・・・はぁ。化け物をー、殺してたからですー」

刑事「・・・化け物」

少女「化け物」

刑事「その化け物っていうのは、なんだ?」

少女「さぁ?」

刑事「・・・知らないのか」

少女「知らない、っていうかよくわからないんですよ」

少女「とりあえず、プリーティーミカから『殺して』って言われてるので殺してます」

刑事「・・・ずいぶん大雑把なんだな、魔法・・・魔法、女性さんは」

少女「魔法少女ですってば」

刑事「・・・魔法市役所職員さんは」

少女「ぎゃーっ!昼間は関係ないじゃないですかっ!!」


刑事「・・・ここ一週間で、七件」

少女「!」

刑事「若い女性が性的暴行を受け、殺害される事件が発生している」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「被害者は18歳から30歳。警察はこれを同一犯の犯行として調査している」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・心当たりは」

少女「ありまくりですよ」

刑事「その、化け物とやらか」

少女「ええ。でも、同一犯っていうのは違います」

刑事「なに?」

少女「私は誰かが襲われるたびにヤツらを殺していますし。つまり・・・」

刑事「複数いるのか、化け物は」

少女「そんなところです。骨が折れるんですよこの仕事は」


刑事「・・・なるほど」

少女「信じてくださるんですか?」

刑事「信じてない」

少女「あれぇ!?めちゃくちゃ真剣に聞いてたじゃないですか!!」

刑事「そもそも、魔法少女の件から信じちゃいない」

少女「なんですと!?さっきから言ってるじゃないですか!!」

少女「私はえーと、愛と勇気で悪を砕く・・・、プリティーエンジェル、ですよ」

刑事「・・・信じられないというか、信じたくないというか・・・」

少女「・・・それは言わないでください・・・」

刑事「・・・なんというか、その、名前はなんとかならないのか」

少女「決められてるんですよ!白銀の妖精プリーティーミカから!!」

刑事「ああ・・・もういい・・・、プリティーでいい・・・」

少女「・・・・・・・・・」


刑事「・・・とにかく突拍子がない」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「でも、辻褄は、合う」

少女「!」

刑事「実際、被害者の遺体から明らかに人間のものではない成分が検出されている」

少女「じゃあ決定じゃないですか」

刑事「・・・それでも、化け物は突拍子がなさすぎる」

少女「頭固いんですねー」

刑事「誰だってそうだろ。当たり前じゃないものは信じたくない」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・あんた、魔法が使えるのか」

少女「使えますけど?」

刑事「それで判断する。化け物の存在も、あんたの存在も」

少女「・・・なるほど」


刑事「どんな魔法が使えるんだ?」

少女「そりゃ・・・、いろいろできますよ」

刑事「それを飛んだりか?」

少女「え?」

刑事「後は・・・、なにか、光線をだすとか・・・」

少女「え、えーと」

刑事「そういうのを見せてくれれば、信じるしかない」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「どうだ」

少女「こ、光線はちょっと・・・」

刑事「なら、空を飛ぶのは」

少女「空はええと・・・、なんというか・・・」

刑事「ん?」

少女「体調が優れないというか・・・」ダラダラ

刑事「・・・・・・・・・」


刑事「・・・体調か」

少女「はい・・・」

刑事「・・・なら空はいい。他には」

少女「他ですか・・・?ええと・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「・・・な、殴ったり・・・、蹴ったり・・・」

刑事「殴ったり蹴ったり!?」

少女「こう、化け物をズドンと・・・、ズドンと・・・ね?」

刑事「・・・他に」

少女「・・・あ、あとはそうだな・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「・・・食べたり、飲んだり・・・」

刑事「・・・寝たり」

少女「ああ寝れます!寝れます私最近良く!」

刑事「もういい」


少女「・・・信じていただけましたか?」

刑事「信じていただけたと思いましたか」

少女「お、思いませんよねぇー・・・」

刑事「ふざけるのもいい加減にしろっ!!こちらが真剣に聞けばっ!!」バンッ!

少女「ごごごごめんなさい!いやでもっ!でもホントなんです!」

刑事「食って飲んでが魔法少女か!!」

少女「その辺は冗談ですけど!でも!!魔法少女は本当です!!」

刑事「空も飛べないでか!?」

少女「まっ、魔法少女全員が空飛べるなんて思わないでください!!」

刑事「なんだと!?」

少女「わ、私だってそりゃ、飛びたいですよ!!だけどっ・・・!」

少女「魔法少女が飛べないだなんて思わないじゃないですかぁっー!!!」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「うう・・・ぐすっ、ちくしょう・・・、プリーティーミカのやろう・・・」ゴシゴシ


刑事「泣くなよ・・・、いい大人が・・・」

少女「魔法少女だもん・・・」グスッ

刑事「魔法も使えないでか・・・」

少女「使えるんですよ!殴ったり蹴ったりできるんですよ!!」

刑事「そんなもん、俺でも出来るわ」

少女「違うんですよ、私の殴る蹴るは・・・」

刑事「違う?」

少女「ええ・・・ぐすっ、私の魔法は・・・。すいません、ティッシュあります・・・?」

刑事「ティッシュくらい持ち歩いてくれ・・・。ほら」

少女「すいません・・・」チーン!

刑事「・・・なんというか・・・」

少女「ふぁい・・・」

刑事「24歳としてダメだな」

少女「・・・・・・・・・」


少女「・・・じ」

刑事「じ?」

少女「自炊はできます・・・」

刑事「・・・ああ、そうですか・・・」

少女「・・・そんなことより魔法ですよ」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「プリティーエンジェルはですね、悪を砕く魔法少女なんです」

刑事「・・・なぁ名前・・・ああなんでもない続けて」

少女「・・・悪を砕くって言うのは、物理的な意味でもあるんですよ」

刑事「ほう」

少女「プリティーエンジェルはですね・・・」

少女「魔法によって自分の攻撃力を引き上げて戦う魔法少女なんです・・・!」

刑事「・・・それって、魔法少女か・・・?」

少女「・・・魔法少女なんです・・・」


刑事「・・・自分の攻撃力を引き上げて戦う・・・」

少女「そうそう」

刑事「・・・という設定」

少女「ちょっ、事実!事実ですって!」

刑事「でもなぁ・・・。なんだかなぁ・・・」

少女「・・・もし設定なら、もっと飛んだりビーム打ったりしますよ・・・」

刑事「ああ・・・、なんだかすごく説得力ある・・・」

少女「・・・信じていただけましたか?」

刑事「信じられるか。色々と」

少女「色々と・・・。・・・じゃあもう、見せます」

刑事「見せる?」

少女「私の魔法を」

刑事「見せるったって・・・」

少女「それなら信じていただけるでしょう?」


少女「いきます」

刑事「呪文とかあるのか?」

少女「ありますよ・・・。あの」

刑事「なんだ」

少女「笑わないで・・・くださいますか・・・?」

刑事「場合による」

少女「・・・いきます。はぁぁ・・・!」

少女「・・・マジカル・・・ミラクル・・・プリティーエンジェル・・・」ブツブツ

刑事「・・・・・・・・・」

少女「・・・愛と勇気のパワーを・・・、――すいません待ってください」

刑事「笑ってないぞ」

少女「いや・・・、ちょっとあの・・・、勇気が足りないというか・・・」

刑事「24歳だもんな」

少女「24歳ですから・・・」


刑事「俺だったら・・・」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「死にたくなる・・・」

少女「・・・いきます」

少女「・・・マジカル!ミラクル!プリティーエンジェル・・・!」

刑事(さっきとは表情が違う・・・開き直ったか・・・)

少女「愛と勇気のパワーを・・・拳に!」

刑事(・・・拳に?)

少女「・・・突き抜けて!私の正義!」

少女「ミラクルプリティー・・・」

少女「――ナックル・アローッ!!!!」


ズドンッ・・・


――ゴガシャァァァァ!!!


パラパラ・・・

刑事「―――」

少女「・・・ふぅ」

少女「・・・こんな感じです、私の魔法」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「・・・お分かりいただけました?」

刑事「・・・ああ、わかった・・・」

少女「良かった・・・」

刑事「プリティーがかすりもしないことが・・・わかった・・・」

少女「・・・・・・・・・」

バターン!!

伊藤「ななな何事ですか!?いったいなにが・・・なんだこの壁の穴は・・・!?」

刑事「――愛・・・?勇気・・・?はは・・・、ちゃんちゃらおかしいぜ・・・」

少女「・・・ちくしょう・・・ひっく、ちくしょう・・・!プリーティーミカのやろう・・・!」グスグス

伊藤「ほ、本当に何があったんですかっ・・・!?」

風呂入りますアデュー

たらいま

課長「――それで?」

刑事「彼女に協力を要請したいのですが」

ヒソヒソ ヒソヒソ

少女「・・・・・・・・・」ダラダラ

課長「魔法・・・ね・・・」

少女「け、刑事さん刑事さん」コソコソ

刑事「なんだ」コソコソ

少女「皆さんに見られてる気がするのですが」コソコソ

刑事「女性がそんな格好して魔法少女名乗ってたら俺も見る」コソコソ

少女「そんな・・・」

課長「そんなものを信じろと?」

刑事「・・・自分も半信半疑ではありますが・・・」

伊藤「・・・あの壁はちょっと・・・」

少女「・・・ご迷惑をおかけしました・・・」


課長「・・・ふぅむ。だけども一般人を捜査本部に入れるのは・・・」

刑事「あくまで協力という形を維持できないかと」

課長「うーん・・・」

少女「・・・・・・・・・」ソワソワ

課長「それで、ええと・・・。お名前は」

少女「は、はい。魔法少女プリティーエンジェルです」

課長「プリ・・・え?」

少女「・・・プリティーエンジェル、です」

課長「・・・本名は?」

少女「ほ、本名だなんて・・・。変身前の私は関係ないので・・・」

課長「じゃあえっと・・・、魔法・・・、魔法、少女・・・?」

少女「ギリギリ・・・、ギリギリ少女、かな、と・・・」

課長「はい。じゃあギリギリ少女プリティーさん、話聞かせてもらえる?」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「伊藤。笑うな」


課長「――じゃあその、化け物ってのがこの連続殺人事件の犯人?」

少女「手口が似ているというか・・・。今日の現場は私もいましたし」

課長「信じられた話じゃないよねぇ」

刑事「自分もそうですが、でも辻褄はあいます」

課長「そりゃそうだけど・・・」

刑事「でも魔法・・・、魔法のようなものはありましたよ」

少女「ちょ、魔法!全然魔法ですけど!」

課長「魔法?こう、呪文を唱えるの?」

少女「唱えますよ。唱えないと使えないんです」

刑事「マジカル・・・、パワフル?なんとかかんとかと・・・」

少女「マジカル、ミラクル、プリティーエンジェルです」

課長「ああ!プリティーさん魔法っぽかった今の!」

少女「ほっ・・・、ホントですか・・・?」

課長「もう一回やって!」

少女「ええっ・・・?・・・ま、マジカル、ミラ、ミラク・・・ごめんなさい、ここでは勘弁してください」


刑事「とにかく魔法で、壁を壊せます」

少女「か、壁だけじゃありませんけど!」

課長「それで化け物と戦ってるの?」

少女「ええ・・・まぁ・・・」

伊藤「見事に壁に穴が空いてましたよ」

課長「他にはなにかできるの?」

少女「えっ・・・」

課長「私は魔法少女には疎いんだが、こう・・・、空を飛ぶとか、変身をするとか・・・」

少女「・・・ええと、そういうのは、ちょっと・・・」

刑事「そういうのはできないらしくて」

課長「あれ、そうか。てっきり魔法少女ってそういうもんかと」

少女「え、ええ・・・、そうですよね・・・」

課長「そうか、魔法少女って言うのは案外肉体派なんだね。壁殴ったり怪物殴ったり」

少女「・・・ええ、本当・・・、本当にそう、ですよね・・・」グスッ

刑事(課長が魔法少女を精神攻撃している・・・)


課長「ふーん・・・。なるほど」

刑事「信じられましたか?」

課長「いや、まったく」

少女「あれぇ!?」

刑事「ですよね」

少女「ちょ、待ってください!ま、魔法見せましたよね!?」

刑事「いや・・・、あんたが魔法しょ・・・、魔法を使える女性だってのは信じる」

少女「・・・魔法少女です・・・」

課長「私もまぁ、ギリギリ少女が魔法を使って壁を壊せるのは信じてもいいが・・・」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「まだ化け物のほうが残ってる」

少女「化け物・・・」

刑事「化け物が居て、そいつが今回の事件に携わってるかはまだわからない」

少女「み、見せろってことですか・・・?」

刑事「・・・まぁ、簡単に言えばそんなところだ」


刑事「伊藤」

伊藤「はっ。集めてきました」

少女「なにを・・・」

刑事「あんたが魔法使いになったのはいつごろだ」

少女「・・・魔法少女、です」

刑事「・・・魔法を使えるようになったのはいつごろだ」

少女「・・・ええと、白銀の妖精プリーティーミカが宇宙の彼方から現れたのが・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「・・・びっくりして熱燗をこぼしたときだからええと・・・」

刑事「熱燗・・・」

少女「・・・去年のクリスマスごろですかね」

伊藤「近っ!!」

刑事「・・・クリスマスに熱燗呑んでたのか・・・」

少女「い、いいじゃないですかなに呑んだって」

刑事「ああ・・・、いい、もうなに呑んだっていい・・・」


課長「その時の年齢は」

少女「早生まれなので、まだ23でした」

課長「うん、まぁどっちにしてもアウトだよね」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「半年強しか経ってないのか・・・」

少女「そ、それがなんですか」

刑事「いや・・・。過去の行方不明事件の資料を集めた」

伊藤「これです」ドサッ

少女「行方不明事件?」

刑事「あんたが魔法使いになったのは、化け物を退治するためだろう?」

少女「はい。それで地球を守るようにプリーティーミカに言われたんです」

刑事「・・・もし化け物がいるとしたら、その被害者もいるんじゃないかと踏んだんだ」

少女「はぁ・・・」

刑事「だが、今回の事件と似たような被害は過去になかった」

刑事「・・・しかし思い出したんだ。このあたりは元々、行方不明者が多く出ている」


少女「そうなんですか?」

刑事「多い時には月に3人。少なくても、ひと月に1人は行方不明がでる」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「それで伊藤、どうだった」

伊藤「巡査の言ったとおり、ぱったりと止んだ月がありました」

少女「!」

伊藤「ちょうど、今年の1月に入ってからです」

刑事「・・・一致してるな、あんたのところに宇宙人がやってきた時期と」

少女「・・・プリーティーミカは妖精です・・・!」

課長「それじゃ、プリティーさんが化け物を退治していたから・・・」

刑事「そういう仮説をたてました」

刑事「それだけでも、彼女を捜査に協力させるのは良いかと」

課長「なるほどな。・・・でもそれだと、今回の事件は?」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「それを、彼女に聞きたいんですよ」


少女「・・・新種」

刑事「は?」

少女「今回の事件の犯人・・・、最近出てきた新種だと思うんです」

課長「新種・・・」

刑事「新種だと?」

少女「・・・まず、化け物についてなんですけど、こいつらは人間を食うんです」

課長「・・・食う」

少女「なんでかはよくわからないんですが・・・、とにかくそういう化け物で」

少女「そいつらを殺すようにプリーティーミカに言われました」

課長「なるほど」

刑事「・・・それで、新種っていうのは?」

少女「・・・最近現れてきた奴らで・・・、人に近い形をしているんです」

刑事「人に?」

少女「はい。これは私の考えなんですけど・・・」

少女「ヤツらは、人に近づいて進化しているんだと思います」


刑事「意味がよくわからないな」

少女「要するに、人に近づいてるんですよ。姿や考え方が」

伊藤「考え方・・・」

少女「なんというか・・・、今までの奴らはこう、化け物!って感じで・・・」

少女「昆虫っぽくて、動作も動物っぽいんですけど・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「最近のは、戦ってみると少し知性のようなものが見えるんです」

刑事「知性、ね」

少女「・・・それに、遺体、ですか?今まではそんなものなくて」

課長「そりゃ、全部食べちゃったんだもんね」

伊藤「遺体が見つからないから、行方不明として処理されたんですよね」

少女「・・・今回遺体があるってことは・・・」

少女「食べる以外の目的で殺したとしか思えないんですよね」

刑事「・・・なるほどな」


伊藤「食べる以外の・・・、ああ」

刑事「知性が生まれた結果ソレか。反吐がでる話ではある」

少女「・・・というか、信じていただけたんですか?」

刑事「いや、まったく」

少女「あれぇ!?滅茶苦茶聞いてましたよね!?さっきからなんなんですか!!」

刑事「解決には何通りものパターンを推理しなきゃいけない」

刑事「今回も一つの線としては面白い、ってだけだ」

少女「そんなもんですか・・・」

刑事「だが、全体の辻褄は合う。・・・課長」

課長「そうだな。その線でも当たろう。お前らに任せていいか」

刑事「もちろん」

伊藤「了解です!」

少女「ど、どうなったんですか?」

刑事「あんたと協力して調べるぞって話だ」

少女「は、はぁ・・・」


課長「協力してくれるかい、プリティーさん」

少女「え、えっと、何をしたら・・・」

刑事「そうだな、とりあえずその化け物が本当にいるのか調べたい」

少女「どうやって?」

刑事「どうやって・・・、まぁあんたに見せてもらうとか」

少女「か、簡単に言いますね」

伊藤「あとはどのくらい危険なのかも調べたいです」

刑事「整理して本格的に調べるか」

課長「プリティーさん。事件解決に向けてよろしくお願いしますよ」

少女「は・・・、はいっ!」

少女「愛と勇気で悪を砕く、魔法使いプリティーエンジェルにおまかせくださいっ!!」

伊藤「・・・・・・・・・」

課長「ん、しっくりこないな」

刑事「・・・あれ、魔法少女じゃなくなったのか」

少女「どうしたら良いんですかもぉぉぉぉぉ!!!」

キリが良いのでこの辺で・・・寝かせてください・・・あでゅー

反省してまーす


――翌日 某市役所

女「・・・・・・・・・」カキカキ

刑事「・・・失礼ですが」

女「・・・申し訳ございません、次の受付は13時からぎゃあああああああっ!?」

刑事「バカ、市役所だぞ」

女「こっちのセリフですよおおおお!市役所ですよおおおお!?」

刑事「飯時に抜けられないもんかと思って。確認したいことが」

女「・・・お昼抜けますぅっ!!」

同僚A「お、おう」

刑事「あれ、いいのか?」

女「いいからっ!早く来てくださいよ!!」

刑事「おい待て・・・」

タッタッタッタ

同僚A「・・・あ、あんな性格だったか?」

同僚B「いや・・・。しかも男がランチ誘いにきたぞ」


女「なんで私だってわかったんですかっ!!」スタスタ

刑事「はぁ?」スタスタ

女「魔法少女!普段正体はわからないはずなのに・・・!!」スタスタ

刑事「ああ・・・。調書」スタスタ

女「調書?」スタスタ

刑事「昨日書かせただろ。仕事場書いてあったぞ」スタスタ

女「はっ・・・!」

刑事「・・・まぁ、市役所で働いてるってだけで十分だけどな」

刑事「ダメもとで来てみたら、っぽい奴が居たから話しかけただけだ」

女「・・・抜かった・・・、これ以上ないほどに・・・」

刑事「まさか窓口してるとは思わなかったが・・・」

女「さすが刑事・・・、穴を見つけるのがお上手ですね」スタスタ

刑事「あんたが阿呆なだけだ」スタスタ


女「職場だけはほんっとーに勘弁ですよ!」

刑事「すまん」

女「職場の皆さんにバレたら、魔法少女になれなくなっちゃうんですよ!?」

刑事「社会的にか」

女「しゃ・・・、社会的に」

刑事「・・・さきにご実家にも伺ったんだけどな」

女「実家ですと・・・!?」

刑事「あんたが住んでる八百屋」

女「え!?何故・・・」

刑事「調書」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・それよりだ」

女「え」

刑事「よいご両親じゃないか。立派なスイカを頂いてしまった」

女「・・・・・・・・・」ダラダラダラ

>>226
あれ、刑事収賄じゃね?


刑事「・・・誰が、モンスターに殺されたって?」

女「・・・ええ・・・っと、誰だろ・・・。父方の祖母の・・・」

刑事「とぼけんなッ!!勝手に親殺してんじゃねぇ!!」

女「だってぇ!!あのとき刑事さん怖かったしぃ!!」

刑事「俺が怖くて親殺すか!?」

女「それに親に『魔法少女でした♪』だなんてバレたら、なに言われるか!!」

刑事「そりゃ・・・」

女「ある意味職場より辛いでしょうよ!!ね!?わかりますか!?」

刑事「・・・・・・・・・」

女「わかってくださいよぉぉぉ・・・、私に、に、24歳なんですよぉぉぉ」

刑事「・・・分かった、分かった。同情する」

女「・・・八百屋から公務員になった自慢の娘(24)が夜な夜な魔法少女・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・わかりますっ!?ねぇ!?刑事ざんっ!?わかりますかっ!!??」

刑事「分かった!分かったから!!悪かったから!!」

少女から女になってるぞ少女だろ少女!

>>227
よく知らんけど刑事って聞き込みみたいのでも物もらっちゃだめなの?
だめならまぁ、バレなきゃ良いじゃんくらいでお願い

ついでに丸一日の保守すいませんでした。
実家暮らしは肩身が狭いよね、って感じです。

>>230
変身前変身後くらいで頼む

女「・・・それで要件ってなんですか」

刑事「まぁ飯食いながらでも。・・・どうする」

女「なにが?」

刑事「飯」

女「飯?パンですけど」

刑事「パン?そんなもんで腹一杯になるのか」

女「じ、じゅうぶんですけど・・・」

刑事「・・・俺はならん。付き合ってくれ、食いに行くぞ」

女「あっ、え?でも私持ち合わせ・・・」

刑事「それくらい出す」

女「いいんですか!?じゃ、じゃあ甘えついでにあの!私、入りたいお店あるんですけど・・・」

刑事「こ洒落た店は勘弁だぞ」

女「ら、ラーメン屋なんですけど・・・」

刑事「・・・・・・・・・」


――同日 某ラーメン屋

女「塩!」

刑事「・・・中華そば」

店主「あいよっ!」

女「・・・ふふーん。職場のですねー、男性達がですねー、噂しててですねー」

刑事「・・・・・・・・・」

女「一回来てみたかったんですけどー、女一人で入るのって気が退けるじゃないですかー!」

刑事「そうか?最近結構多いって聞いたが」

女「なにいってんですか!恥ずかしくって来れたもんじゃないですって!」バシバシ!

刑事「痛・・・。女性数人で昼にラーメン食うって結構流行ってた気が・・・」

女「・・・うん、まぁ、その、それもそうですね、はは・・・」

刑事「・・・同僚の方は・・・」

女「・・・・・・・・・」

刑事「ああ、うん。そうか。・・・おっ、スピリッツ今週号」

女「餃子一枚くださーい!!」


刑事「それで要件なんだが」

女「すいませんお冷とってください」

刑事「水飲むの早っ」

女「外あっついんですもん」

刑事「ほら」

女「あ、どうも・・・」コポコポコポ・・・

刑事「・・・それで要件なんだがな」

女「昨日言った通りー、奴らは夜しか動きませんって」ゴクゴク

刑事「本当にそうなのか」

女「ホントです。そうじゃなきゃ、昼間働いたりなんて出来っこないですってば」

刑事「・・・なるほどな。それは分かった」

女「他ですか?」

刑事「ああ。あんたが働いてる間に、その、なんだ・・・」

女「?」

刑事「その・・・、プリなんとかっていう宇宙人に接触できないかと思ってな」


女「ああ、プリーティーミカ」

刑事「そうだ」

女「プリーティーミカは妖精ですって」

刑事「・・・その妖精に、会わせてもらうことはできないか?」

女「んー・・・。できないことはないですけど。今どこに居るかですよねー」

刑事「は?」

女「プリーティーミカ。普段はこう、丸っこいなんか・・・羽が生えたような奴なんですけど・・・」

店主「――はい塩!お待ち!」トンッ!

女「わぁー、どうも!」

店主「中華そばもすぐ出るからねー!」

刑事「はぁ・・・」

女「・・・このお店、塩がおいしいらしいんですよ」

刑事「なっ。早く言えよ」

女「中華そばがお好きなのかと」

店主「・・・あい!中華そばもお待ちっ!」トンッ!


女「いっただっきまーす!」パキッ

刑事「・・・いただきます」パキン

女「・・・こう、まずはスープをですね・・・!」スッ

刑事「・・・・・・・・・」ズスッ、ズズズッ

女「・・・んっ・・・。・・・はぁぁ~、美味しい・・・!!」

刑事「・・・そうか」モグモグ

女「それに麺です麺!麺をこう・・・んむ」チュル

刑事「・・・・・・・・・」ゴクゴク

女「・・・旨いっ!すごいですこれ!すごい美味しいですこれ!!」

刑事「・・・中華そばはまぁ、普通だ」ズスッ

女「こう・・・、絶妙なんですよ!スープと麺がですね、こう、丁度良くてこう」

刑事「いちいちうるせぇ!いらねぇよそんな感想!」

女「ばっ!刑事さん私がどんだけこのラーメン楽しみにしてたか知らないでしょ!!」

刑事「知るか!だいたいテメェだけ塩頼みやがって!!」

店主「・・・はい餃子。置いとくよー」


女「餃子も旨っ!」モグモグ

刑事「ん、イケるな」モグモグ

女「はぁー、呑みたくなるぅー・・・。呑みたくなりますよねぇー・・・」

刑事「勤務中だし車だし」

女「そういう意味じゃないですよー・・・。連れねー・・・」

刑事「というか大丈夫なのか」

女「なにが?」

刑事「昼から餃子食べて」ズズズ

女「・・・・・・・・・」チュルチュル

刑事「・・・・・・・・・」モグモグ

女「・・・べっ、別にですね、歯磨きすればでふね、だいじょぶ・・・」

刑事「口に物入れて喋るなよ」ゴクゴク

女「・・・・・・・・・」ゴクゴクゴクゴク

刑事「・・・それで、妖精のことだが」

女「・・・ああ・・・。今、すっごい話したくない・・・、その辺の話・・・」

美味しい塩はほんとに美味しい。
店知ってる人に連れてってもらうべき。


刑事「その辺のために一緒にラーメン食ってんだろうが」

女「そりゃそうですけどー・・・」チュルチュル

刑事「それで。妖精がなんだって?」

女「・・・プリーティーミカはー、好奇心がすごく強いんですよー」チュルチュル

刑事「ほう」

女「だからぁー、何と言うかー・・・」モグモグ

刑事「・・・・・・・・・」ズズズス

女「昼間は人間に化けて遊んでるんですよねぇ・・・」

刑事「ぶほっ」

女「だっ、大丈夫ですか!?お水・・・」

刑事「げほっ、えっほ・・・、・・・ん・・・」ゴクゴクゴク

女「何やってんですかもう」トントントン

刑事「・・・っほ・・・。げほっ。気管に、入ったっ・・・げほっ」


女「ほんとに何やってんですか・・・。お水飲みます?」

刑事「いい、いい・・・。で、なんだって」

女「プリーティーミカは、人間になれるんですよ」

刑事「人間・・・」

女「ていっても子供ですが。お金も持たせてないんで、そう遠くへはいけないはずです」

刑事「・・・信じていいのか・・・」

女「信じられませんか?」

刑事「そりゃあな・・・」

女「・・・ともかく、会うのはちょっと難しいかもですね」チュルチュル

刑事「そうか・・・」ズスッ

女「あ、夜はちゃんと帰ってくるんで心配しないでください」

刑事「一緒に住んでるのか?」

女「まぁ一応。・・・両親にバレない程度に」チュルチュル

刑事「なるほどな・・・」

女「・・・今日はどこにいってるんだろうな・・・?」モグモグ


女「・・・ぷふぅ」

刑事「行くか」

女「ごちそうさまでしたー!」

店主「あいよっ!」

刑事「時間大丈夫か」

女「んー、まぁ余裕で戻れるくらいです」

店主「1620円になりまぁす」

刑事「ん・・・、悪い」

女「え、ふぁい?」

刑事「小銭あるか」

女「小さっ!ありますけど・・・、ガツンと払ってくださいよ。いくらですか」

刑事「120。小銭嫌いなんだよ」

女「ほっ。・・・ちょうどです」

刑事「・・・はい、ごっそさんです」

店主「まいどっ!またどうぞぉー!」


ガラガラガラ・・・、ピシャ

女「んー・・・!食べたぁ!」

刑事「確かに良く食べたな」

女「ごちそうさまでした」

刑事「いいえー」

女「この後どうするんです?」

刑事「そうだな。・・・ひとまずあんたが動けないと話にならん」

女「それは・・・」

刑事「わかってる。どっちにし化け物が現れないと意味ないしな」

女「じゃあ・・・、夜ですね」

刑事「昨日の通りだ。あがれる頃に伊達と迎えに来る。何時に終わる?」

女「ええっと・・・、5時で・・・、6時。6時頃でもいいですか?」

刑事「ん、分かった。そのくらいにここにくる」

女「あっ。一応入口別なんで、そっちまで車回してもらっても?」

刑事「分かった分かった。じゃあ6時にな」


女「了解しましたー」

刑事「俺はこれからやることもないし、妖精を探してみる」

女「はっ・・・、本気ですか?」

刑事「どうせ付け焼き刃だろうけど。見つからなくても、夜にはいるんだろ?」

女「いる・・・はずです。え、でも本当に探すんですか?」

刑事「なにか不満か?」

女「いえ・・・。ただ、難しいと思うので・・・」

刑事「はっ。刑事舐めんな。そのくらいわけないさ」

女「そうですか」

刑事「ま、今回は暇つぶし程度だ。見つかれば色々と早く済むし・・・」

刑事「・・・とりあえず、簡単な特徴だけ教えてもらえるか」

女「ええと、とりあえず目立つことは目立つんですよ。格好も宇宙人っぽいし」

刑事「子供とか言ってたな。オス?メス?」

女「ちょ・・・、女の子です!」

刑事「目立つ女の子・・・と」


刑事「・・・服装、髪、背丈・・・。まぁこんなもんか」

女「大丈夫ですか?」

刑事「ああ。後は軽く似顔絵を・・・」

女「に、似顔絵・・・」

刑事「・・・は、いいか。大丈夫大丈夫」

女「あ!描けないと思ってるでしょ?そりゃあちょっと自信はないですけどでも」

刑事「必要ない。あってもなくても、同じそうだし」

女「なっ!描かせろ!」

刑事「ほら時間」

女「え?・・・わっ、ギリギリ!」

刑事「妖精の移動範囲はわかるか」

女「・・・んー、さっき言ったとおりお金は持ってないんで、うちから徒歩圏内だと思います」

刑事「ん、十分だ。じゃ、午後もお勤めがんばれ」スタスタ

女「あっ、・・・もう!じゃあ6時に!お願いしますね!」

刑事「あいよー」ヒラヒラ

区切りがよろしい

地方はそんなもんだよ。
ちなみに680、590、350な

ラーメンってのはだな・・・、こう、餃子と一緒に頼んじゃうと
千円ちょっと超えるくらいな値段がちょうど良いんだよ。
今月厳しいからラーメンだけかな、とか、
ちょっと今日は豪勢に餃子頼んじゃおうかな!?とか

たらいま

上手くまとまらぬ。ごめん飯にしますあでゅー

>>291
俺はどの24歳が来ても愛するよ。
ただいも


刑事「・・・さてと」

刑事(どこから手をつけるか)

刑事(簡単には見つからないだろうし、とりあえず市内を車で一周・・・)

女の子「・・・怪しいの」

刑事「・・・ん?」

女の子「男はいないって言ってたの。・・・はっ!まさかプリティーエンジェル、ミカに嘘ついた!?」ブツブツ

刑事「・・・・・・・・・」

女の子「・・・隅におけないの!くそーう、他にも色々秘密がありそうなの・・・」ブツブツ・・・

刑事「・・・失礼」

女の子「はっ!な、なに?なんなの!?な、ナンパ!?」

刑事「君はもしかして・・・、えーと、プリ、プリーティー・・・」

女の子「プリーティーミカ?」

刑事「それだ。君は、プリーティーミカか?」

女の子「ななななんで知ってるの!?何故!?何故バレたの!?」

刑事「・・・・・・・・・」


ミカ「――いかにも!白銀の妖精プリーティーミカなの!!」

刑事「・・・ああ」

刑事(こんなに簡単に会えるとは・・・)

ミカ「なぁんだ刑事さん。早く言って欲しいの」

刑事「ん?」

ミカ「刑事さんのことは、プリティーエンジェルから聞いてるの!」

刑事「ああ、そうか」

ミカ「確か約束は夜のはず?こんなところで会うのは予想外なの」

刑事「少し予定を変更してな。先に君に会おうと思ったんだ」

ミカ「こ、こくはくなの・・・?」

刑事「は?」

ミカ「やーん刑事さん、積極的過ぎるの。ミカたちってばまだ互いを知らなすぎるんじゃない!?」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「ぬふふ、気持ちはわかるの。でも、でもやっぱりいろいろと、場数は踏むべきだと思うの・・・!」

刑事「・・・・・・・・・」


ミカ「ミカとしてはぁ、やっぱりぃ、とってもありがたいことんだけどぉ・・・」

刑事「・・・・・・・・・」イライラ

ミカ「――うん!やっぱりミカ達お友達から始めるべきいたたたいたいいたいのののの」

刑事「ごめんな、宇宙ジョークが、わからなくてな」グリグリグリ

ミカ「ききき気にしないのミカはかかか寛大なのててて手をどけるべき!手をどけるべき!!」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・きゅー・・・」

刑事「・・・この非現実っぽさ・・・」

刑事(ちょっとあいつの魔法少女っぽさが上がった・・・)

ミカ「・・・人間ってやっぱり野蛮なの。野蛮さこそが人間のあるべき姿なの・・・?それならもっと・・・」ブツブツ

刑事「・・・なぁ」

ミカ「イエッサァッー!!」

刑事「まだなにも言ってない」

ミカ「あ、はやとちったの。へへっ!」

刑事「・・・・・・・・・」イライラ


ミカ「・・・化け物?」

刑事「ああ。お前のお抱え魔法少女が、素性をよく知らないそうでな」

ミカ「あれぇ?そーなの?おかしいの、ちゃんと教えたはずなの」

刑事「本当か?」

ミカ「うん!んーと・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・そう!人間喰われちゃうから、ぶっ殺すべきなの!」

刑事「・・・それで?」

ミカ「そーいうわけなの」

刑事「・・・もう少し詳しく」

ミカ「えー、もう一回言うの?あのね、人間喰われるから!ぶっ殺すの!」

刑事「・・・・・・・・・」ゴツン

ミカ「痛っ、無言で!?無言でぶつの!?なにが気に入らないの!?」

刑事「何もかもだ阿呆!!それのどこが詳しいんだ!!」

ミカ「アホ!?アホって言ったの!?アホって言うほうがアホ・・・ウェイト!!拳を引っ込め痛」ゴツン


ミカ「・・・人間は・・・!・・・人間は・・・!」

刑事「・・・さてと。立ち話もなんだ、場所を移さないか」

ミカ「場所?」

刑事「どこか涼めるところに行こう。喫茶店でも入るか?」

ミカ「どこでもいいの?」

刑事「・・・まぁ、行ける所なら」

ミカ「ミカ、これに乗りたいの!」

刑事「これ?車のことか?」

ミカ「たくさん走ってるの!でも、一回も乗ったことないの!!ダメ!?」

刑事「駄目じゃないが・・・。まぁいい、乗れ」

ミカ「きゃっほーぅ!!初めて動かすの!!!」

刑事「ばっ・・・!お前はこっちだ!」

ミカ「やぁだー!ミカが動かすミカが動かすミカが動かすぅぅぅー!!!」

刑事「・・・助手席に・・・、乗れ」

ミカ「ミカが動かひぃぃっ!?鬼のようっ・・・!!いいいイエッサァァァァッ!!!!」


――同日 某市 某国道

ブーン・・・

ミカ「――すごーい!はやーい!」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「じてんしゃ!じてんしゃより早いの!?」

刑事「・・・まぁ、早いな。場所によるが」

ミカ「すっげー!すっげーの!!なにで動いてるの!?でんき!?」

刑事「これはガソリン」

ミカ「がそりん!すっげーの・・・!!」

刑事「・・・さて、なにから聞こうか」

ミカ「あ!ひこうき!ひこうきより早いの!?」

刑事「・・・いや、飛行機よりは遅いな」

ミカ「なんだ、ひこうきよりは遅いの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「あっ、人間!人間遅っ!!きゃっほーぅ!!」


刑事「それでだ」

ミカ「白銀の妖精プリーティーミカなの!!」

刑事「それは聞いた」

ミカ「あり?」

刑事「・・・なんというか、聞きたいことが山ほどあるんだが」

ミカ「ぷ、プリティーエンジェルの通帳なら引き出しの上から三番目なの・・・」

刑事「・・・そういうことは、もう一生口外するなよ」

ミカ「イエッサァー!!」

刑事「・・・それで、なんだ。その、君は宇宙から来んだったよな」

ミカ「宇宙の彼方から現れた、白銀の妖精なの」

刑事「ああ、うん。それもどこかで聞いた。それで」

ミカ「白銀の妖精プリーティーミカなの!!」

刑事「それは聞いた。・・・ああもう!!」

ミカ「あり?」

刑事「・・・お前らの言う、化け物ってのはなんだ」


ミカ「化け物?」

刑事「化け物」

ミカ「えーと・・・。人間喰われちゃうから、ぶっ殺すべきなの」

刑事「なぜソイツらは人間を喰う」

ミカ「えー。お腹が減ってるからじゃないの?」

刑事「腹が減ってるなら喰えばいい。人間以外をな」

ミカ「なるほどー」

刑事「なぜ人間を喰う。人間を喰うために、ソイツらは地球に来たのか?」

ミカ「知りたいの?」

刑事「・・・っ!」

ミカ「本当に、知りたいの?」

刑事「・・・知りたくはない」

ミカ「あれー?おかしいの」

刑事「・・・知りたくなくても、知らなきゃならないことはある」

ミカ「・・・ほー」


刑事「教えられないのか」

ミカ「教えられなくはないの。ただあまり乗り気ではないの」

刑事「なぜ?」

ミカ「下手に混乱させるとミカの立ち位置が危ういの」

刑事「立ち位置」

ミカ「白銀の妖精、プリーティーミカが危うくなるの」

刑事「・・・ほう」

ミカ「・・・でもまぁ、刑事さんは知るべきだと思うの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「一応、口外しないことを約束するの」

刑事「場合による」

ミカ「いけずー」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・うーん、ちょっと難しいの。とりあえず、さっきの質問」

ミカ「アイツらが地球にいるのも、人間を喰うのも、たまたまなの」


刑事「・・・たまたま」

ミカ「たまたま」

刑事「・・・どういう意味だ?」

ミカ「そのままの意味なの」

ミカ「アイツらは地球にたまたま着たから、たまたま人間を喰うの」

刑事「・・・人間が偶然標的になったのか?」

ミカ「うーん。そうとも言えるけど、でも違うの」

刑事「・・・まどろっこしいな」

ミカ「仕様なの。ミカ達と刑事さん達との間には、言語やパフォーマンスに若干齟齬があるの」

ミカ「だから情報が欲しいならミカの言語を紐解くしかないの。きゅー?」

刑事「・・・だいぶお喋りになったな」

ミカ「プリティーエンジェルは挫折が早かったの。刑事さんのお手並み拝見なのー?」

刑事「・・・あいつが阿呆なだけだろ」

ミカ「それは同感なの」

刑事「俺は甘くないぞ」


刑事「ソイツらに名前は?」

ミカ「アイツらのことをミカ達がどう呼ぶかは、言語の関係で刑事さん達には解読不能なの」

刑事「なるほど」

ミカ「だから刑事さん達があれを『化け物』と呼ぶことにミカ達は特に反対しないの」

刑事「そうか」

ミカ「でもまぁ、あえて地球上の出来事に例えるなら、アレは『天災』だと思うといいの」

刑事「・・・『天災』?」

ミカ「ふっと現れて、ばっと命を奪う。『天災』に対して、嘆けても怒れても倒せないでしょう?」

刑事「・・・まぁな」

ミカ「雷は殴れないし台風は蹴れないし地震は止められないの」

刑事「そういう話はいい。今知りたいのは、なぜそれが人間を襲うかだ」

ミカ「ほんとーにいけずー。ミカは久しぶりにお喋りが楽しくて楽しいのに」

刑事「時間が惜しいからな」

ミカ「・・・ふーん。さっきも言った通り、たまたまなの」

ミカ「たまたま、地球に『天災』が来てしまったの。お分かり?」


刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「あれあれ、こんがらがるの?」

刑事「少し整理させろ。質問を変える」

ミカ「しんきんっぐた~いむっ」

刑事(くそ・・・、何を話しても同じ話をしている気がする・・・)

ミカ「ちっ♪ちちっ♪ちちちっちっち♪ちちっ♪ちちっち♪ちっち♪」

刑事(会話はなんとかできているはず。こちらの出方を変えればいいだけのはず・・・)

刑事「・・・ふぅ」

ミカ「お、まとまったの?」

刑事「・・・化け物は、偶然地球に来た。それは地球以外にも行く可能性があったってことだ」

ミカ「そのと~りなの」

刑事「地球に化け物が現れた理由は偶然。じゃあ、ソイツらはなんで人間を喰うんだ?」

ミカ「お腹が減ってるから」

刑事「人間以外のものも喰うのか?」

ミカ「まさか。人間を食べるの」


刑事「地球以外の星に行く可能性があったにも関わらず、ソイツらは人間しか喰わない」

ミカ「ふん」

刑事「おかしくないか?地球以外には人間はいないだろう」

ミカ「ふんふん」

刑事「ソイツらは他の星に行ったとき、何を食べるつもりだったんだ」

ミカ「・・・・・・・・・」

刑事「いいか妖精。もう一度聞くぞ」


刑事「『天災』が人間しか喰わないのは、何故だ」


ミカ「・・・・・・・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・ぬふふー」

刑事「質問に答えろ」

ミカ「いけずー」

刑事「・・・質問に、答えろ」

よせやい照れるぜ


ミカ「そう問われたら、答えるしかないの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・確かに、人間しか食べないのは不自然なの」

ミカ「ヤツらは他のものなんて気にも留めず、人間しか喰わないんだもの」

刑事「・・・理由があるのか」

ミカ「ぴんぽーん。ご名答なの」

ミカ「ソイツらはね、降り立った星で、一番強い生き物を食べるの」

刑事「――は?」

ミカ「だからー、その星で一番強い生き物を食べる生き物が、ソイツらなの」

刑事「一番強い生き物・・・」

ミカ「そ。地球の場合、それは人間なの?」

刑事「待て・・・、もっといるだろ、生き物は」

ミカ「その生き物達を全部殺せる生き物が人間なの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・人間に殺されない生き物は一握りで、それらも人間を殺せないのがほとんどなの」


ミカ「完全に人間に殺されないで完全に人間を殺せる生き物はいないの」

ミカ「いたとしても・・・、ソイツらには見つけられないらしいの。きゅー」

刑事「・・・そういうことか」

ミカ「奴らはとてもとても厄介なの。星に降り立ち、降り立った時点でその星の最強を喰う」

ミカ「・・・ソレが降り立った時点で、最強。ソレは『天災』以外の何者でもないの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・お分かり?」

刑事「・・・それでどうする」

ミカ「うい?」

刑事「そんな最強が、地球に降り立ったから、どうする」

刑事「俺達は・・・、喰われるしかないのか?」

ミカ「怖いの?」

刑事「まさか・・・」

ミカ「・・・・・・・・・」

刑事「怖いさ」


ミカ「ご安心なされい!」

刑事「は・・・?」

ミカ「パンパカパーン!そんなときのためのこちらなの!」

刑事「どちらだ」

ミカ「『魔法少女』」

刑事「!」

ミカ「・・・ソレが星に降りると、その星の文明が滅ぶ危険性があるの」

刑事「・・・当然だな」

ミカ「その文明を守るために、ミカ達妖精がほんの少し力を加えるの」

刑事「力」

ミカ「力」

刑事「それが・・・」

ミカ「そう。『魔法少女』。・・・まぁ名称はなんでもいいの」

ミカ「要するに、その星の最強を降り立った最強よりも、さらに最強にしてしまうわけなの!」

刑事「それが・・・、『魔法少女』・・・!」


刑事「今の地球上の力関係は、『人間<化け物<魔法少女』ってことか?」

ミカ「ご名答ー!飲み込みが早くて助かるの!」

刑事「なら、『魔法少女』がいれば地球は助かるのか?」

ミカ「それも若干難しいの」

刑事「若干?」

ミカ「アイツらが現れたから倒す。今の状況は完全な後手なの」

刑事「他の星ではどうしていたんだ」

ミカ「んふー、さっさと現れそうなところを探って、一斉に殺すの」

刑事「それは出来ないのか」

ミカ「地球は広すぎる」

刑事「・・・!」

ミカ「広くて、デコボコしてるの。探し辛いの」

刑事「・・・それじゃあ、地球上のどこかで頻繁に現われてるのか?」

ミカ「んー、そういうわけでもないの。広すぎるせいで、アイツらの範囲も狭まってるの」

ミカ「今の所はね」


刑事「どうしてわかる」

ミカ「ミカ達にはわかるの。ヤツらを探知できる。わかるからここに居るようなもんだし。いえー」

刑事「なら・・・」

ミカ「初めて地球に来たときに、広すぎて全体に探知を広げるしかなかったの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・その後、現れたココを叩いたの。つまり完全に後手なの」

刑事「・・・さすがに、こんがらがる」

ミカ「ぬふふ。一気に喋り過ぎたの。おつかれちゃーん」

刑事「・・・いま抑えなきゃいけないことはなんだ」

ミカ「んー?それをミカに聞くのー?」

刑事「・・・・・・・・・」

刑事(・・・妖精には化け物が探知できる・・・。完全に後手だから殲滅は難しい・・・)

刑事(・・・今のところ化け物はこのあたり周辺にしか現れない・・・。でもいつどこに出るか不安はある・・・)

刑事「・・・こんなところか」

ミカ「ぬひひっ、久しぶりにお喋りできて楽しいーなー」


刑事「・・・まだいくつか質問がある」

ミカ「もうやめといたらー?疲れちゃうの?」

刑事「補足程度だ、心配無い」

刑事「・・・現時点での地球最強は、『魔法少女』」

ミカ「そのとーりっ!」

刑事「その最強が捕食されることはないのか?」

ミカ「何の為に昼間は人間に戻してると思ってるの?」

刑事「・・・なるほどな」

ミカ「ヤツらは完全な夜行性なの。だから活動時間も多くなし、活動個体も多くないの」

ミカ「ヤツらの存在を探知し、最強の『魔法少女』が現れた時点で、後出しジャンケンなの」

刑事「他の個体の最強序列が更新される可能性は」

ミカ「それもないの。そもそも群れないってのがひとつ。人間に戻る事でリセットされることがふたつ」

刑事「ふむ」

ミカ「ま、人間形態の時に喰われないって保証はないの」

ミカ「ただ、喰われる頃には探知も終了してるし、変身は済んでるだろうから可能性はほぼ0なの。お分かり?」


刑事「・・・だいたいな」

ミカ「他にあるの?」

刑事「他にはそうだな・・・」

ミカ「こうしてると、先生と生徒みたいなの!」

刑事「・・・お前らは、そういう知識をどこから仕入れてくるんだ?」

ミカ「星に降りる前に星の環境を把握するのは常識なの?」

刑事「そんなもんか」

ミカ「ただ、こっちも急ぎだから大まかにしか把握してないの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「だから多少片寄るのはご愛嬌ってことにしてほしいの。テヘッ」

刑事「じゃあもしかして『魔法少女』って・・・」

ミカ「地球を守るのは巨大ロボか巨大人間か群れるヒーローか仮面ヒーローか魔法少女って決まってるの!」

ミカ「敵の大きさもそんなにないし、群れると面倒だし、最後はミカの趣味で『魔法少女』!どう!?」

刑事「心から同情する」

ミカ「あり!?」

こう見えて実はキリが良い。お風呂行ってきますアデュー。


すっげぇノリノリで書いてるわりに、ノリで書いてるから穴だらけなのはご愛嬌で・・・。
設定にツッコミどころありまくると思うけど、ツッコまないでね・・・。
疑問は俺かプリーティーミカが極力答えます。
魔法少女ものかと思ったらSFになっていた。魔法少女ってなんだよ。

たらいま・・・。
乗っ取りで始めたし設定がでたらめになっても怒らんといて・・・。
そんときは言って!そしたら「忘れて下さい」って言うから忘れて!ね!?


刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「難しい顔してるの?」

刑事「そりゃあな。・・・そろそろか」

ミカ「なにがなの?」

刑事「時間。そろそろ6時だ。市役所職員さんを迎えに行かないとな」

ミカ「で、でーとですか」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「み、ミカは空気読めるから!エアーをリードするから!降りる!降りる!」

刑事「うるせぇ座ってろ!そんなんじゃない!」

ミカ「いやー!そんな空気ミカ居たたまれないの!気を使う必要はないの!降して欲しいの!!」

刑事「居たたまれないのもなにも、お前もいなきゃ駄目なんだよ!」

ミカ「しゅ、しゅらばですか・・・!」

刑事「・・・ここからなら警察署のほうが近いか。伊達を拾ってからでも間に合うだろ」

ミカ「うお、無視!無視なの!?怖ぁ!降ろせ降ろせ痛ぁ!!ゴツン


ミカ「・・・人間は、ミカを殴るから、大嫌い」

刑事「真ん中8文字だぞ」

ミカ「そもそも文字数を固定する概念がわからないの!もっと自由でいいんじゃないの!?」

刑事「そういう遊びだからな」

ミカ「そういう遊びじゃ仕方無いの」

刑事「・・・なんであいつを選んだんだ?」

ミカ「あいつ?」

刑事「市役所職員さんだよ」

ミカ「しゃ、しやくしゃしゃ、え?」

刑事「『魔法少女』だよ!お前の!!」

ミカ「あー!プリティーエンジェルなの!?」

刑事「それだ。ちなみにこれから迎えに行くのもな」

ミカ「なぁんだミカうっかりなの。・・・ん?プリティーエンジェルとでーとなの?」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「え!?ミカと刑事さんとプリティーエンジェルでしゅらばなの!?え!?いつ頃そうなったの!?」

ちょっとまって伊藤と伊達がいるの?

大変お世話になっております。
今回発覚しました「助手刑事」の名前の「伊藤」に、
「伊達」が混入していた件についての調査報告をさせていただきます。
調査の結果、>>258より前のレスすべての名前が「伊藤」、
それ以降がすべて「伊達」になっていることが発覚しました。
その直接的な原因といたしましては、「伊藤」と文字のよく似ている「伊達」を
誤って打ってしまった結果だと推測しております。
多大なご混乱を心からお詫び申し上げます。
誠にお手数ですが、皆様には、>>258以降の「伊達」という文字を
すべて「伊藤」に変換してお楽しみいただけるよう、皆様のご協力をお待ちしております。

                                      ID:V0oLBPag0

龍が如くに伊達という刑事がいてだな
なんとなく刑事=伊達ってイメージがあるんだよきっと


ミカ「・・・刑事さん、ちと暴力が すぎるぜよ」

刑事「なんで土佐弁だよ」

ミカ「じゃあミカは居ていいの!?」

刑事「ああ」

ミカ「きゃっほーぃ!」

刑事「というかお前がいなきゃ始まらんだろ」

ミカ「うい?」

刑事「今夜、お前の探知で『魔法少女』が動く」

刑事「伊藤・・・、俺ともう一人の刑事は、それに可能な限り一緒に行動する」

ミカ「そんな作戦なの?」

刑事「『魔法少女』に聞いてないのか」

ミカ「うーん、『なんか一緒に調べることになったよどうしよう』くらいしか言ってなかったの」

刑事「まったく・・・、あいつも理解してないんじゃないだろうな」

ミカ「後、『明日も仕事かぁ、地球滅びないかなぁ』って言ってたの」

刑事「『魔法少女』が地球崩壊望んだらまずいだろ」

>>409
だてさぁん!!

ミカ「ミカがね、『何が嫌なの?』って聞いたの」

刑事「分かったから、あんまりプライベートなことは話してやるなよ」

ミカ「そしたらプリティーエンジェルったら、『お昼ごはん』って言ってたの」

刑事「お昼・・・」

ミカ「お昼ごはんが嫌なら食べなければいいの。ちゃんちゃらおかしいの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「人間って変なところでおかしいのー。理解不能なのー」

刑事「・・・っと」キキィ

ミカ「うえ?どうして止まっちゃうの!?プリティーエンジェル!?」

刑事「の、前だな」

伊藤「・・・巡査、お疲れ様です!」

刑事「おう。準備いいな。乗れ」

ミカ「ぷぷぷぷぷぷプリティーエンジェルはこんなんじゃないっ・・・!!」

刑事「・・・知ってる」


伊藤「この子供が?妖精、ですか?」

刑事「まぁそんなに信じられた話じゃないと思うが」

ミカ「宇宙の彼方から現れた・・・、白銀の妖精プリーティーミカなの!ぶい!」

伊藤「ああ・・・、なんとなく、信じます・・・」

ミカ「話わかるー!」

刑事「なんとなくでも十分だ。他にもいろいろ面白い話が聞けた」

伊藤「へぇ。どんなのです?」

刑事「化け物の正体とかな」

伊藤「そうですか・・・」

ミカ「刑事さん、またアレやるの?」

刑事「やるか頭痛ぇ。・・・伊藤、あとで詳しく話す」

伊藤「はっ。そうおっしゃるなら・・・」

刑事「そっちはどうだった」

伊藤「駄目ですね。一向に掴めません」

刑事「そうか・・・。それだけでもわかればな」

巡査把握。とりあえずなんか思いつくまで置いとくわ


ミカ「なにがなにがー?」

伊藤「んー?・・・えっと」

刑事「大丈夫だ。・・・伊藤には調べ物をしてもらっていたんだ」

ミカ「調べ物なの?」

伊藤「ええ。実は被害者の身分が特定できていないんですよ」

ミカ「みぶん?」

刑事「どこの誰だかわからんってこと」

ミカ「ほう!」

伊藤「行方不明のセンから当たってるんですが、サッパリですね」

刑事「捜索願のほうはどうだ」

伊藤「それも駄目ですね。少ない上に、あってもほぼ児童ですよ」

刑事「そうか・・・」

ミカ「ひがいしゃって、死んじゃった人?」

刑事「・・・ああ、そうだな」

①名前が巡査
②名前が刑事

大変お世話になっております。
今回発覚しました「主人公の身分が先輩」にも関わらず、
渾名が「巡査」になっていた件についての調査報告をさせていただきます。
調査の結果、>>20で初めてID:XonDdVZw0が「巡査」という渾名が使用してから、
それ以降の渾名をすべて「巡査」にしてしまっていたことが発覚しました。
その直接的な原因といたしましては、私共が刑事の身分関係を
よく理解していなかったため、誤って使ってしまった結果だと推測しております。
多大なご混乱を心からお詫び申し上げます。
誠にお手数ですが、皆様には、>>415までに使われた「巡査」という渾名をを
すべて「見なかったことに」にしてお楽しみいただけるよう、皆様のご協力をお待ちしております。

                                               ID:1gAubcQ80


ミカ「おかしいの」

刑事「何がだ」

ミカ「遺体が出たの?」

刑事「ああ」

伊藤「・・・ここ7日連続で、女性が遺体となって見つかる事件が起こっているんです」

伊藤「我々はそれを連続殺人犯の犯行と見て調査していたんですが・・・」

刑事「昨日、『魔法少女』に出会ってからは少し考えを変えることにしたんだ」

ミカ「・・・それで、化け物のことを聞きに来たの?」

刑事「・・・そうだ。その様子だと、『魔法少女』から聞いてないようだな」

刑事「勝手に進めてすまんな」

ミカ「構わないの。・・・でも、化け物は人間を食べちゃうの?遺体がでるのはおかしいの」

伊藤「それを『魔法少女』さんに話したところ、新種の仕業ではないか、と」

ミカ「新種・・・」

刑事「心当たりはあるか?」

ミカ「・・・β?」


伊藤「は」

刑事「・・・何て言った?」

ミカ「β。新種の名前なの」

刑事「β・・・」

伊藤「な、なんの話です・・・?」

刑事「違いは」

ミカ「色々あるの。どこまで聞いてるの?」

伊藤「え、ええっと・・・」

刑事「確か、『人間に近づいている』とかなんとか」

ミカ「・・・その様子だと、全然聞いてないの?」

刑事「そうだな。それも、あいつの口からだし」

ミカ「うーん。どこから説明すればいいの・・・!」

刑事「ああ・・・、またああやって聞き出さなきゃならんのか・・・」

伊藤「え、ど、どうしたんです?」


ミカ「聞くの?」

刑事「・・・仕方ないからな」

ミカ「ふん、お安いご用なの」

刑事「・・・あー・・・、そうだな・・・」

刑事「・・・βがいるってことは、その前、進化前か?それはαか?」

ミカ「ぴんぽーん。ご名答ー!その通りなの!」

伊藤「αと、β・・・」

刑事「αとβ。その二種類の違いは?」

ミカ「βのほうが人間に近いの」

刑事「あー、ん・・・。じゃあ・・・」

刑事「さっき、『遺体がでるのはおかしい』って言ったよな?」

ミカ「言ったの!」

刑事「それじゃ、普通は遺体が出ないってことだ。そうだろ?」

伊藤「・・・・・・・・・」

刑事「なら、『遺体が出る可能性』として、お前がβの名前を上げたのはどうしてだ」


ミカ「そんなの簡単なの」

刑事「!」

ミカ「βは人間を、食べないの」

刑事「!?」

伊藤「ど、どういうことです?」

刑事「・・・詳しいことは省くが、これから俺達の追う化け物ってのは人間を喰うんだ」

伊藤「は、はぁ。昨日もそれらしきことを・・・」

刑事「だが今、化け物には、『喰う』個体と『喰わない』個体が存在することが分かった」

伊藤「ええ!?じゃあ、この事件は・・・」

刑事「・・・ああ。化け物の仕業だとしたら、明らかにβ種ってことだな・・・」


ミカ「――緊急警報」


ミカ「個体数1。『魔法少女』出撃要請」


刑事「――!?」


伊藤「み、ミカちゃん!?」

ミカ「個体数1。『魔法少女』出撃要請」

刑事「おい、おいっ!どういうことだっ!?おい!!」

ミカ「――ぷふふぅー・・・。焦りたいのはこっちなの・・・」

刑事「どういうことだ!?」

ミカ「ちょっと待っ・・・、げほ。普段出さない声を出すと疲れるの・・・」

刑事「答えろっ!個体数1!?まさか出たのか!?」

伊藤「まさかっ・・・!」

ミカ「ちょっと落ち着くの。『出撃要請』だからまだ余裕はあるの。それでも・・・」

刑事「お前らの話だと化け物は夜にしか現れないんじゃなかったのか!?」

ミカ「それについては私も戸惑ってるの。どうか落ち着いて欲しいの」

伊藤「ば、場所は!?」

ミカ「特定済み。この車で行ったほうが早いの。それより、プリティーエンジェルと接触したいの」

刑事「・・・向かってる!そろそろ着く・・・!」

伊藤「い、一体どういうことなんですか・・・!?」


――同日 午後6時 市役所駐車場

キキィ、バタン!

女「あ、どーも」

刑事「早く来い!」

女「わっ、え?きゃ!?ななななんですか!?」

刑事「いいから!早く・・・!」

女「ちょ、ちょっと待っ・・・て!」

刑事「時間がない!」

女「どうしたんですか刑事さん!!落ち着いてください!!」

刑事「・・・・・・・・・」ハァ・・・ハァ・・・

女「・・・な、なにがあったんですか・・・」

ミカ「・・・出撃要請なの、プリティーエンジェル」

女「ぷ、プリーティーミカ!?合流できたんだ!!」

ミカ「もちのろーん!ついでにドライブ楽しんじゃったの!ぴーす!!」

伊藤「皆さん時間がぁ!」


女「どうしてこんな時間に!?まだ日も落ちていませんよね!?」

刑事「そこの妖精に聞けっ!!・・・本当に車でいいんだな!?」

ミカ「うきゃきゃ、人間焦りすぎなの痛い痛いギブギブグブ」

伊藤「その様子だと、まだ余裕が・・・?」

女「本当に出撃するときは『出撃準備』になりますから、いっつもラグがあるんですよ」

ミカ「そもそもミカのは、化け物が出てくる時のエネルギーを探知するって仕組みなの」

ミカ「出はじめの時に出るエネルギーを見つけて、出る前に討つか出た直後に討つの!」

伊藤「な、なるほど・・・」

刑事「どこに行けばいい!!」

ミカ「えーと、ここはどこなの?・・・ああ!そこを曲がってまっすぐ!」

女「き、緊張してきた・・・」

伊藤「変身して走ったほうが速いのでは?」

ミカ「速いけどその分消耗するの。今回はちょっと謎なのでギリギリ温存作戦でGO!なの」

女「そ、そうだ・・・。変身、変身だ・・・」

刑事「次はどっちだ!!道なりでいいのか!?」


ミカ「どんどん近づいてるの!」

女「ああああ~・・・!」

伊藤「ど、どうかしました?」

女「・・・いえ、ちょっと・・・。あはは。心の準備がですね・・・」

ミカ「・・・あれ、ちょっとマズいの」

刑事「なんだッ!?」

ミカ「プリティーエンジェル、今日呑んでないの?」

刑事「・・・・・・・・・」

伊藤「・・・・・・・・・」

女「・・・・・・・・・」ダラダラダラ

刑事「・・・呑んででるのか、いつも」

女「・・・・・・・・・」ダラダラダラ

刑事「・・・呑んででるのか、『魔法少女』・・・」

女「・・・い、言い訳をさせてください」

刑事「・・・・・・・・・」


女「・・・い、言い訳を・・・」

伊藤「ど、どうぞ・・・」

女「・・・私ですねー・・・、そりゃもう、ね?ちょっと・・・」

女「・・・いろいろ、限界なこともあるんですよ・・・」

女「・・・それで夜中にですよ?あん、あんな格好をですね!?出来ますか・・・!?出来るんですか!?」ガクガク!

刑事「ななにもいい言ってないだだろ」

女「私・・・!私24ですよ!?24ですよ!!ええ!!それで、それっ・・・」

伊藤「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・・・・・・・」

女「・・・素面で行けるわけないじゃ無いですかぁぁぁあぁああっ!!!!!!」

刑事「おっ・・・、泣くなこの大切なときに!!」

女「ちくしょう・・・!!ひぐっ、プリーティーミカっ・・・!プリーティミカのせいで私は・・・!!」グスグス

ミカ「ぬへ!?ミカのせいなの!?ミカはエアーをリードしてたのに!?」

刑事「・・・24歳の『魔法少女』ってのは結構アウトなんだ」

ミカ「マジで!?ミステイクっ!!」

深夜に一杯飲んでから化物退治に出かけるギリギリ少女(24)


女「うう・・・、ううう・・・!」

伊藤「あ、あっと、ええと・・・」

女「ううう・・・」

伊藤「び、ビールでも買ってきますか!?コンビニに痛ッ!!」ゴスッ

女「昼から・・・!ビールなんて・・・!呑みません・・・!よっ・・・!!」

刑事「ちょっと今の発言は慰めじゃないぞ・・・」

伊藤「すっ、すみません・・・!」

ミカ「あれ、刑事さん落ち着いてきたの?」

刑事「・・・少し馬鹿らしくはなったな」

ミカ「まぁそのくらい斜に構えてるほうがいいの。下手にリキむ方が返って喰われるの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・そして残念なお知らせなの。この反応は、βじゃないの」

刑事「何・・・?じゃあ人喰いのほうか」

ミカ「うーん当たってるような違うような・・・。まぁとにかく、そこを左!」

ミカ「そこが目的地周辺なの」


――同日 午後6時15分 住宅街

伊藤「住宅街、ですよね」

刑事「・・・ここにαが?」

ミカ「間違いないの。・・・プリティーエンジェル!そろそろ準備なの!」

女「・・・・・・・・・」

刑事「顔青いぞ」

女「・・・てやんでぃ、しゃらくせぃ・・・」

刑事「なんで江戸っ子だよ」

伊藤「こんなところで戦って大丈夫なんですか?」

ミカ「大丈夫じゃないの。ヤツらは強い奴に魅かれる習性があるから、まずはおびき寄せるの」

刑事「広い場所にか?」

ミカ「そうなの。この辺は一度戦ったことがあるから・・・、ふむふむ。同じ工事現場が使えるの」

刑事「だそうだ」

女「・・・寿司と蕎麦は・・・、喉で味わう・・・」

刑事「なんで江戸っ子だよ」


女「・・・刑事さん」

刑事「なんだ」

女「笑わないでくれますか・・・」

刑事「なにをだ」

女「・・・その・・・、変身・・・」

刑事「場合による」

女「・・・そこはガツンと、熱いこと言ってくださいよ・・・」

刑事「嘘が嫌いなんだ」

女「・・・・・・・・・」

刑事「それとも、なんか服が破けたりリボンが巻ついたりするのか?」

女「なっ・・・!」

ミカ「需要があるなら作るの!作るの!?」

女「ありません!そんなのありません!!」

刑事「それならまぁ、恥ずかしがることもない」

女「そんな・・・」

なんで刑事さんはそんなに詳しいの?

>>480
娘と一緒に見てるうちにハマっちゃったんだよ
言わせんな恥ずかしい


刑事「・・・かじる程度だが、事情はそこの妖精に聞いた」

女「事情・・・?」

刑事「なんで戦わなくちゃいけないかとか、なんで24にもなって『魔法少女』なんだとか」

女「う、うう・・・」

刑事「・・・あんたはよくやってると思うぞ」

女「!」

刑事「望まない格好しなきゃいけないのにも同情する。それも踏まえて」

刑事「お前は頑張ってる。だから馬鹿にはしない」

女「刑事さん・・・」

刑事「・・・まぁ、それだけだ。よろしくな」ヒラヒラ

女「・・・ま、またっ!」

女「・・・また、ラーメン食べに、連れってってくれますか・・・?」

刑事「・・・今度は呑もう。奢ってやる」


女「――わ、私!やります・・・!」

心は少女


女「――集まれっ!!みんなの願いっ!!」シャンッ!

キィィィン・・・!


伊藤「おお・・・!」

刑事「・・・変身に呪文は必要なのか」

ミカ「ぬふふ。調査済みなの。『魔法少女』は呪文をあげないと、変身できない・・・!」

刑事「その辺は消費しても良かったんじゃないか?」

ミカ「なぬ!?可能なの!?」

刑事「まぁ工夫次第じゃないか・・・」



女「・・・マジカル、ミラクル、プリティーエンジェル・・・!!」

女「希望の光を・・・つば、翼に変え、変え・・・」


伊藤「あれ?」

女「・・・ごめんなさい、もう一回いいですか・・・」

刑事(確かに、見てるこっちまで恥ずかしい)


刑事「・・・市役所職員のお姉さーん」

女「そそそそれで呼ばないでくださいっ!!」

刑事「ガンバレッ」

女「!・・・が、がんばります」

伊藤「が、頑張ってください!」

女「は、はい!頑張ります!」


ミカ「――緊急警告」

ミカ「個体数1。『魔法少女』出撃準備」


刑事「・・・!?」

女「しゅ、出撃準備から出撃要請に・・・」

刑事「急げ!来るぞ!!」

女「は、はいっ・・・!」

女(くっそー・・・、早く終わらせるんだ・・・)スチャッ

女(そして刑事さんと・・・、餃子で呑むんだ・・・!!)ググッ・・・

ギリギリ少女「この戦いが終わったら餃子で一杯やるんだ」


 女「――集まれっ!!みんなの願いっ!!」

        シャンッ!

       キィィィン・・・!

 女「マジカル、ミラクル――」


 ――プリティーエンジェル・・・ッ!!!


 ・・・希望の光を翼に変えてッ!!

        キィンッ!

 ・・・明日を望む笑顔の胸にッ!!

        キィンッ!


 ・・・愛と勇気で悪を砕く!


 ――魔法少女!プリティーエンジェルッ!!



 魔法少女「・・・サクっと、参上っー!」


少女「・・・っほ」スタンッ!

伊藤「・・・おおお」

刑事「・・・プリティー、エンジェル・・・」

伊藤「すごい・・・、改めて見ると、ホントに彼女だったんですね・・・!」

刑事「あ、ああ・・・」

少女「け、刑事さん・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「ど、どうですか・・・?」

少女「・・・やっぱり、ちょっと・・・。ギリギリ、ですか・・・?」

刑事「・・・いや」フッ

少女「・・・!」ドキン



刑事「アウトだ」

伊藤「アウトですね」

少女「ちくしょー!石ぶつけてやろうかぁ!!」ブンブン!

  ( ^ω^) …
  (⊃⊂)


  (^ω^;)⊃ アウアウ!!
 ⊂ミ⊃ )
  /   ヽ


少女「うう、ぐす・・・。わかってますよ・・・」

少女「・・・スカートの丈も、これ、んっ、短いし・・・」

刑事「スカートの丈はギリギリだな」

少女「うるさいおやじぃっ!!」

ミカ「完了なの?」

少女「プリーティーミカっ!」どう!?」

ミカ「ちょうど良かった」

ミカ「――お出ましなの」

刑事「ッ」

伊藤「!?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・


少女「・・・んっ」コキッ

少女「・・・アンタらさえいなければ・・・」

少女「私は普通の・・・、公務員でいられるのに・・・!」グッ・・・


ズズズズズズ・・・


伊藤「・・・つ、土の中から・・・!?」

ミカ「いや、厳密には土じゃないの。掘れば出てくるわけでもないし」

刑事「どうなってやがる」

ミカ「文字通り『現れる』の。それは超常現象といっても過言ではないの?きゅー」


フゥン・・・フゥン・・・フゥン・・・


α「――ズ―――ズズ――・・・」


伊藤「・・・カマキリ!?いや、でも二本足で・・・!!」

刑事「・・・2メートルはあるんじゃねぇか・・・?」

ミカ「大体こんなもんなの。お分かり?これが、α種」


α「――ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂチィィィ!!!!」ズダンッ!


ミカ「通称『天災』?さぁて、鬼ごっこの開始なのん♪」


刑事「こんなデケェの・・・、あいつどうやって・・・」

ミカ「もう仕掛けてるの」

刑事「は?」


少女「・・・マジカル、ミラクル、プリティーエンジェル・・・」ブツブツ

α「――ヂ゙チチッ?」

少女「愛と勇気のパワーを脚にっ」グッ

少女「・・・ふっ!」シュンッ

少女「砕いてっ、私の正義!」ヒュッ!

α「――ジシチチチジチ?」

少女「ミラクルプリティー、フライングニールキックッ!!!!」ガッ・・・

α「ヂチ―――」


・・・ガガガガガガガガシャァァァァンッッッ!!!!



刑事「・・・は、はは・・・」


ミカ「そのまま逃げるの!」

少女「了解!道順は!?」

ミカ「この間のが使えるの!起床まで残り5秒!!」

少女「しっかりついてきてよねー!」タンッ、ダダッ・・・!

刑事「お、おい。これからどうするんだ」

ミカ「さっきの攻撃であのαの中の最強がプリティーエンジェルにインプットされたの」

伊藤「・・・と、いうと?」

ミカ「これでアイツはプリティーエンジェルしか攻撃できなくなる。ぬふふ。らくしょーなのん」


α「――ヂチッ――ヂチチチチチチヂチヂチチチヂチ!!!」ムクリ・・・


ミカ「おおーう、相当ご立腹なの」

刑事「お前、アイツが何言ってるのかわかるのか・・・?」

ミカ「わかるわけないの。ただの温度変化を見てるだけなの。頭に血が昇ってるの」


α「――ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ!!!!ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ!!!!!」


――フゥン――フゥン――フゥン――


α「――ヂチチチチチチチチチ」フワ・・・


刑事「と、飛んだぞ・・・!」

ミカ「プリティーエンジェルを追うつもりなのん。作戦成功!」

伊藤「あ、あんなのが街に出たら・・・!」

ミカ「心配ないの、アイツは人の視覚を騙すことができるの」


α「――ジチ――チ――チ――」スゥ・・・


伊藤「きっ、消えた・・・!」

ミカ「これで他の人からアイツは見えない。アイツはプリティーエンジェルしか見てない。完璧なの!」

刑事「俺達はどうする」

ミカ「案内するから車で工事現場まで来て欲しいの!」

刑事「分かった。・・・伊藤!乗れ!」

伊藤「は、はいっ・・・!」

ぐ・・・キリがよい・・・ね、眠る・・・アヅー

ギリギリ少女「DATTEやってらんないじゃん!」

みんなの心に、それぞれの魔法少女がいる。
それでいいじゃないか。俺が、俺たちが魔法少女だ!!


少女「・・・この前の道、って・・・」スタンッ!

少女「確か商店街の脇の・・・」タタタッ!


子供「・・・お母さんあれなにー!?」

お母さん「え?どれ・・・、あれ何!?」


少女「・・・やばっ!」バッ

少女(ああ今6時過ぎだッ!!)


学生「や、屋根の上でコスプレ!?」

サラリーマン「アグレッシブなイメクラの宣伝!?」


少女(ひぃぃぃん!お嫁に行けないー!!)タタタタタッ

ミカ『落ち着くの。プリティーエンジェル=普段のあなたの方程式は特定できないようにしてるの!』

少女「でもっ!今日刑事さんにはバレたよぉ!?」

ミカ『・・・んい?おかしいの。あなたが認めない限り外からは確定できない作りにしたのに・・・』

少女「・・・はっ!」


ミカ「・・・プリティーエンジェルがシラを切ればいいだけの話なのー」ブツブツ

ミカ「・・・おおかた焦って自分から認めちゃったんじゃないの?」ブツブツ

刑事「なにブツブツ言ってるんだ!道はこっちでいいのか!」

ミカ「んー商店街の向こう側へ行くの、次を右。・・・そしてこれは『テレパス』!」

伊藤「テレパス?」

ミカ「ぬふふ。ミカからプリティーエンジェルへと通信を送れるの。逆もしかり!」

刑事「離れてても喋れるんだな」

ミカ「そゆこと!んーんー、ミカのバックアップあってこそのプリティーエンジェルなのん!」

伊藤「・・・それにしても、全然みえませんね」

ミカ「そういう奴なの。でも今前方上空にいるの!」

伊藤「車で追いつけるスピードなんですか?」

ミカ「んふー、普段はそうじゃないの。今回は最大のイレギュラーがあるの」

刑事「・・・時間か」

ミカ「ぶい!本調子じゃないのは向こうも同じみたいなの!」

ミカ「・・・本調子じゃないのに、どうして出てきたの?ミカにはそこが疑問符なのん」


刑事「なにかありそうだな」

ミカ「なにか?」

刑事「俺はいままでのお前らの行動を見てきたわけじゃないが、夜中に出てきたんだろ?」

ミカ「そのとーり!」

伊藤「6時・・・、まだ日も出てますよね。なんでこんな時間に」

刑事「本調子でもないのにな」

ミカ「んんー?いったいぜんたいどういうことなの?」

伊藤「・・・なにか、企んでる?」

刑事「・・・そう考えるのが妥当だろうな」

ミカ「企む?化け物が?そんなー、考えにくいの」

刑事「じゃあなんでこんな時間に出てきたのか。たまたまか?」

ミカ「たまたまなんじゃないの?」

刑事「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」

伊藤「・・・ひとまず、目の前?のアイツを倒すことには変わりありませんよね・・・」

ミカ「プリティーエンジェルがそろそろ目的地につくの。ミカ達がつくのは距離的にその30秒後!」


――同日 午後6時35分 某工事現場

少女「・・・んー・・・、透明状態は闘いにくいんだよなぁ・・・」カチカチカチ

ミカ『ゴーグルを装着するだけなの?』

少女「温度の位置しかでないでしょ?ぼやぁっとして・・・。・・・来た」

――フゥン――フゥン――フゥン――

α「――ヂチ――ヂチチチチチ」

少女「女の子を待たせるなんて、関心しないな・・・」スッ

少女(・・・脚への魔法がまだ少し残ってる・・・)

少女(まだ呪文は要らないか。とにかく仕掛けて様子をみる・・・)

α「――ヂシチチチシチチチシチチッ!!!!」

少女「・・・はぁぁぁぁ・・・」

少女「――ほぁっ!」トッ!

α「――ジシチッ」

少女「ミラクルプリティー、ローキィックッ!!」ズダァン!

α「――ヂチチチッ」ゴシャァッ!!


少女(・・・あれ?)

ズダン!ズダン!ガシャァァン!!

α「――ジチシッ・・・ヂチチチチチ」

少女(・・・おかしい、手応えがありすぎる・・・!)

キキィッ!・・・バンッ

刑事「『魔法少女』!!」

少女「刑事さんっ!なにかおかしい!!」

ミカ「熱烈調べ中なの・・・!ひとまずソイツの相手をするの!!」

少女「手応えがありすぎる!弱すぎるの!!」

刑事「恐らく時間の関係だ!この時間のソイツの動きは鈍い!!」

伊藤「・・・陽動!陽動の可能性はどうです!?」

ミカ「ないこともないの。ただ、このあたりにはまだ出現予定は出ていないの!」

少女「ど、どうすれば・・・」

α「――ジチチチチチチチチチ・・・」ムクリ

ミカ「――とにかくソイツは倒さなきゃダメなの!弱いなら速攻で潰すの!!」


少女「わ、分かった!」ヒュッ

α「――ヂチチチチッ!」ブゥンッ!

少女「わ・・・、っと!」ヒュン!


ミカ「いったいどういうことなの!?」

刑事「推理なら俺達が引き受ける。とにかくお前らはアイツを倒すんだ!」

伊藤「・・・材料が少なすぎますよね。どうしたら・・・」


少女「・・・なんだかっ、わかんないけど・・・!」

α「――ヂチヂヂシチヂヂヂ」

少女「弱いに、こした事はない!」

少女「・・・マジカル、ミラクル!プリティーエンジェル・・・!」パァァァ・・・!!

少女「愛と勇気のパワーを・・・拳にっ!!」ガシィ!!

α「――ヂチチチチチチチチ」

少女「・・・さぁ、サクっと終わらせるわよっ!!」


α「――ヂチッ!」ブンッ

少女「ほっ!」スカッ!

少女(かがんだ姿勢のまま・・・)

少女「・・・踏み込むッ!!」ザンッ

α「――ヂチ、ヂジチチチチチヂヂチ」

少女「舌噛むよ!!」

少女「ミラクルプリティー・・・!」ヒュンッ

α「――ヂ」

少女「――アッパーカットォッ!!!!!」シュバッ!

ガツ・・・


――ガダァァァァァァァァンッ!!!!!


α「―――――」

少女「・・・・・・・・・」

パラパラパラ・・・


刑事「・・・倒したか?」

伊藤「・・・みたい、ですね・・・」

ミカ「死体は透明のままだから放置しとけば勝手に風化するの」

刑事「げ、アレがあのまま置いてあるのか・・・?」

ミカ「いったんねー。でもそのうちお仲間が吸収しにくるからなくなる」

伊藤「・・・・・・・・・」

少女「・・・終わりました・・・」

伊藤「お、お疲れ様です!」

少女「何だったんですか?全然手応えが・・・」

刑事「さぁな。たまたまでたか、もしくはなにか目的があるかだ」

少女「目的・・・」

刑事「思いつくものにはそうだな、陽動か、あるいは『魔法少女』の消耗を狙うか・・・」


ミカ「――緊急警報。個体数1。『魔法少女』出撃要請」


刑事「・・・そのどちらも、とか」


――同日 午後9時 某警察署、会議室


少女「・・・・・・・・・」

刑事「反応は」

ミカ「今の所無いの」

伊藤「コーヒー煎れました。飲んでください」コトッ

少女「・・・ありがとうございまふ・・・」

刑事「3時間で3体・・・。すべてα型、か」

ミカ「もう!プリティーエンジェル情けないの!一晩で5匹ぶっ殺したことを忘れたの!?」

少女「だって・・・、だって、時間が・・・」グスッ

刑事「・・・・・・・・・」

少女「・・・なんですかコスプレって・・・!なんですかイメクラって・・・!ひどいっ!そんなの・・・!!」グスグス

伊藤「・・・肉体的よりも精神的ダメージのほうが深刻そうですね」ボソボソ

刑事「まぁ・・・、アレで公衆の面前に出たことがないんだろ・・・」ボソボソ

少女「ひっく・・・、地球を守ってるのに・・・!ひっく、公務員なのに・・・!」グスグス


ミカ「刑事さん、なにかわかったの?」

刑事「ん・・・。これだけ頻繁だと、やはり消耗のセンか」

ミカ「協力してプリティーミカを消耗させて、一網打尽にしようっていうの?」

刑事「それが一番考えられるな」

ミカ「ふふぃー。でもそれはおかしいの。そんなこと考えられないはずなの」

伊藤「どうしてです?」

ミカ「アイツらにはねぇ、『協力』って概念がそもそもないの」

刑事「・・・なぜ」

ミカ「アイツらはねぇ、分裂して個体を増やすから、すべての個体が同一の個体なの」

伊藤「個体、え?ど、どういうことですか?」

ミカ「んーと、えーと・・・。刑事さーん」

刑事「分裂?ええと、どう聞けば・・・。んー・・・」

刑事「・・・分裂っていうのは、『10が居て、その10が別れて、1が10個できる』・・・ってことか?」

ミカ「んーと違うの。その例え話で行くなら、『10が、ひたすら10を生み出していく」の!」

刑事「・・・?コピー、みたいなものか・・・?」


ミカ「近いかもなの」

伊藤「コピーってことは、ええと・・・」

伊藤「『1』があって、それのコピーが生まれ続けてるってことですか?」

ミカ「おお!そのとーりなの!伊藤っち冴えてるー!」

刑事「今日の奴らは増えないのか」

ミカ「増えるのはあくまで、『1』のコピーだから、『1´』のコピーは増えないの」

伊藤「じゃあその『1』を叩けば化け物は・・・」

ミカ「そーう!それこそが最大のキモなの!!」

刑事「それは難しいのか」

ミカ「さっき言った通り、今ミカ達は後手だかんねー。向こうからでないと探せないの」

伊藤「・・・弱りましたね・・・」

刑事「・・・今は、今日の異変についてが先か」

伊藤「ああそうか」


少女「・・・伊藤ざん・・・、すみまぜん・・・、もう一杯・・・甘ぁいの煎れてくだざい・・・」


刑事「じゃあ連係プレー案は無しか?」

ミカ「無いというか、難しいの。ヤツらには『個体』の概念がないはずなの」

刑事「・・・指示なんかはどうだ。何かの指示をあおいだ」

ミカ「その『何か』は第三者の話なの?『天災』内部の話なの?」

刑事「どちらもだ」

ミカ「前者はほぼ0なの。化け物を知ることのできる人間は、いないの」

刑事「人間以外は」

ミカ「うい?この星もどの星も、星を移動するには知力と技術力が足りなすぎるの」

刑事「・・・そうか」

ミカ「ああ、ミカ達も省くの。ミカがわからないはずがないの」

刑事「第三者のセンは薄いな」

ミカ「・・・後者だけど、こちらもあんまりないの。『個体の概念がないから』」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「ただ一つだけ、ちっとばかし警戒しなきゃいけないポイントもあるの」

ミカ「・・・アイツらは、進化してる」


刑事「・・・β」

ミカ「ん?アイツら?アイツって呼んだほうがいいの?個体はないの?」

刑事「そもそもだ。βってのはなんなんだ」

刑事「コイツらに個体っていう概念がないなら、二種類に増えるのはおかしくないか」

ミカ「むむん、そのへんは首をひねるしかないの」

刑事「化け物の『1』が、コピーの仕方を二通りにしたっていうのか?」

ミカ「それはすごく近いと思うの!」

ミカ「『1』が自分のコピーを作る時に、αとβに分けて作ったって感じ?」

刑事「なぜ、そんなことを?」

ミカ「・・・ここからは憶測になるの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「アイツらは、生殖がしたいんじゃないの?人間みたいに」

刑事「っ!」

ミカ「アイツらに知能はほとんどないけど、この星の最強のことは観察するはずなの」

ミカ「・・・その最強を倒したら、更に最強が現れた。こりゃもう、進化するしかないのー?」


刑事「だからって人間に・・・」

ミカ「んむ?」

伊藤「・・・コーヒー入りましたよ」コトッ

刑事「あ、ああ。すまん」

ミカ「・・・そんな進化、他の星ではなかったから超不安なの」

刑事「なぜ?」ズス・・・

ミカ「むむー、理由はいくつかあるの。とりあえず、地球での殲滅に時間がかかってるってのが一番かも」

刑事「・・・なるほどな」


伊藤「・・・はい、どうぞ」コトッ

少女「・・・zzz」

伊藤「あれ?」

刑事「・・・疲れたんだろ、寝かせといてやれ」

伊藤「は、はい。毛布とってきますね」

刑事「・・・ったく。緊張感のないヤツだな・・・」


少女「・・・ん、にゅ・・・zzz」スースー

刑事「・・・なぁ、なんでこいつなんだ」

ミカ「うい?プリティーエンジェル?」

刑事「そうだ」

ミカ「たまたまなの。ヤツらの出現付近に生息する人間から、抽選したの」

刑事「へぇ」

ミカ「こう、パージェーロ!パージェーロ!って言いながら名前を回転させて・・・」

刑事「よりによってダーツで!?」

ミカ「やっぱり抽選はドキドキ感が大切なの!」

刑事「・・・ますます同情するな・・・」フニ

少女「んむ・・・zzz」

ミカ「・・・『魔法少女』は、この人間の負担になってるの?」

刑事「は?」

ミカ「疲労や運動能力はすべてミカがなんとかできるの。でも、精神面には鑑賞しようがないの」

刑事「・・・まぁ、なってる、だろうな」


ミカ「どうにかできないの!?」

刑事「え?」

ミカ「ミカ達は人間の価値観が理解できないから、精神のバックアップはほぼ不可能なの」

刑事「・・・そうか」

ミカ「地球上での『魔法少女』には登録済みだから、人間の書き換えはできないし・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「『魔法少女』は、なんで負担になっているかを教えて欲しいの!」

ミカ「特に精神状態が不安定になるのは、変身するとき、技を放つとき、変身後の姿を見られるとき・・・」

刑事「・・・その辺は羞恥心というか・・・」

ミカ「・・・布団に入るとき、仕事に向かうとき、恋愛ドラマを見るとき、通帳を見るとき・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・いつもより多くお酒を呑むとき、男性の話題になるとき、結婚という単語を目にしたとき、後」

刑事「・・・そ、そのくらいに」

ミカ「β種を殺すとき」

刑事「――は?」


ミカ「ぬぬぬぬ精神面をどうにかしないとこの人間に申し訳が・・・!」

刑事「おい最後・・・、最後、何て言った?」

ミカ「んい?」

刑事「最後だ、最後!」

伊藤「・・・?どうかしました?」

刑事「こいつが、なにを殺すとき・・・」


ミカ「――緊急警報。個体数1。『魔法少女』出撃要請」


伊藤「!?」

刑事「ちぃっ!!」

ミカ「・・・いよいよβ種のお出ましなの」

伊藤「本当ですか!?」

ミカ「刑事さん。ちょっと良く見てて欲しいの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「良く見て、『魔法少女』のバックアップをお願いしたいの」


伊藤「車出しますか!?」

ミカ「んい!結構遠目だから、体力温存作戦で行くの!」

伊藤「・・・急がないと、次の犠牲者が・・・!」

ミカ「んー?β種は人間食わないよ?」

伊藤「食われなくても犠牲者は出るでしょう!・・・車まわしてきます」ダッ

刑事「・・・おい、起きろ」

少女「・・・ふあっ。・・・あれ、私寝ちゃってまひた・・・?」

刑事「また現れた。今度はβ種だそうだ」

少女「――っ」

刑事「・・・!」

少女「・・・わかりました。早く行きましょう」

刑事「・・・ああ」

刑事(『魔法少女』がいれば犠牲者はでないはず。だが、実際に犠牲者は出ている)

刑事(・・・それが負い目か?そうだとしたら、そんなもの、取り返しのつけようがない・・・)

刑事(・・・なんだ、この違和感。まるで噛み合っていないような・・・)


――同日 午後10時10分 某国道

ファンファンファンファン!!

ミカ「すっげー!止まんねー!止まんねーのこの車!!」

伊藤「・・・犯人が化け物だったなんて、信じますかね」

刑事「そうだとしか考えられないんだから、信じさせるしかないだろ」

伊藤「そうですね。実際人間のものではない物質は見つかってますし、それが証拠になれば・・・」

少女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・妖精、座れ」

ミカ「んい?」

刑事「β種についておさらいしておきたい」

ミカ「イエッサー!」

刑事「・・・今までαだけだった『1』のコピー活動が、αとβに別れた」

ミカ「ふん」

刑事「αは今まで通り、人間を喰う。βは喰わない」

ミカ「そうなの!」


刑事「・・・なぜ、コピーの方法が別れたんだ」

ミカ「・・・憶測はあまり話たくないの」

刑事「大丈夫だ。ほとんど憶測だし」

ミカ「んーと、進化するためなの?」

刑事「βになっただけでも進化なのに、更にか?」

ミカ「んふー、最強を求めるためなら仕方ないと思うの」

刑事「・・・その方法が、生殖活動?」

伊藤「!」

ミカ「たぶん、としか言えないの」

刑事「でも、そう思った根拠はあるんだろ?」

ミカ「んい!βは、生殖活動に特化したタイプだからね!」

伊藤「生殖活動するために生まれたのがβ・・・」

伊藤「そのβが生殖活動を行って生ませるのが、更なる進化・・・?」


ミカ「――緊急警報。個体数1。『魔法少女』出撃準備」


刑事「っ、まずい!!」

伊藤「これ以上飛ばせないですよ!?」

少女「・・・プリーティーミカ、場所は?」

ミカ「ええっと・・・、繁華街?から一本入った裏路地なの」

伊藤「人の集まるところが近い!」

少女「・・・マジカル、ミラクル!プリティーエンジェル・・・」ブツブツ

伊藤「え?」

少女「愛と勇気のパワーを・・・脚にっ」キィン!

刑事「おい・・・」

少女「全力で飛ばします!たぶんこっちのほうが速いです!!」

キキィ・・・バン!

ミカ「道順は『テレパス』で指示するの。ぎり間に合うくらいの距離なの」

少女「うん、分かった!」

刑事「・・・なぁ、あんた・・・」

少女「行ってきますっ・・・!」ヒュバッ!


伊藤「・・・我々も急ぎましょう」ブゥゥゥン

ミカ「・・・そう、そのまままっすぐなの。まず目立つところに付いてから詳しく指示するの・・・」ブツブツ

刑事「ああ・・・」

ファンファンファンファン!!

伊藤「こちらの道順は!?」

ミカ「道なりでへーきなの!でも路地は狭いから車は入れないの!」

伊藤「さらにロスするんですか・・・!」

ミカ「・・・刑事さん」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「今日プリティーエンジェルは、精神的疲労をためすぎているの」

刑事「・・・ああ」

ミカ「・・・フォローが難しいの。もしかしたら、もしかしたら」

ミカ「プリティーエンジェルは、パンクするかもしれない」

伊藤「なっ・・・!?」

刑事「・・・・・・・・・」


――同日 某時刻 某裏路地

タッタッタッタ・・・

女子高生「・・・やば、遅くなっちゃった・・・」

女子高生(あー、こんなことなら行くんじゃなかったなぁ・・・!)

女子高生「お父さんに怒られる・・・、ああもう!」

女子高生「近道しても間に合わな・・・きゃっ!?」

ドンッ!

バサァ!

女子高生「ご、ごめんなさい!前よく見えなくて・・・!」


 「―――」


女子高生「立てますか?どこか怪我とか・・・」

女子高生「・・・え?」


 「――ヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ」


――同日 午後10時25分 某国道

ミカ「・・・そこを右、さらに左・・・」ブツブツ

伊藤「間に合いますよね、『魔法少女』は」

刑事「・・・ああ」

刑事(・・・何か大きな見落としをしている気がする)

刑事(どこだ、どこがおかしい?なにか、なにか抜ける・・・)

刑事(・・・精神がパンク?なぜ?現在精神的に疲れているから?)

刑事(βとの戦闘がトリガーになるのか?なぜ?そこには犠牲者がいるから?)

刑事(『魔法少女』が間に合えば犠牲者は生まれないはず。それなら、パンクは怒らないはず)

刑事(なのに、なのに、なぜ・・・)

刑事(――なぜそんな、『必ずパンクする原因が起こる』ような言い方・・・)

ミカ「――体力はどうなの?・・・じゃあいつも通りにいくの」ブツブツ

伊藤「え?」

刑事「どうかしたか?」

ミカ「・・・プリティーエンジェルが、対象と接触したの」

キリが良い。飯・・・!

残りレス数が少し心配ではある。少々急ぎ足になってもごめんなちゃい


――同日 10時30分 某裏路地

バタバタバタ・・・!!

刑事「この先か?」

ミカ「間違いないの」

――キィィィン

伊藤「!?この光は!」

ミカ「・・・うい、うい。――え」ブツブツ

刑事「どうかしたか!?」

ミカ「刑事さん、急ぐの!!」タッ

刑事「どうした!!」ダタッ

伊藤「被害者ですか!?」ダッ

ミカ「いいから早くするの!!」

伊藤「!・・・あそこにっ・・・!!」


少女「・・・・・・・・・」


刑事「――おいっ!!大丈夫か!!」

刑事(暗くて表情が・・・!)

伊藤「ッ!あそこですっ!!」


少女「・・・・・・・・・」

女性「・・・・・・・・・」


伊藤「・・・ッ!くそッ!!また被害者が・・・」

ミカ「被害者!?伊藤っち、βは人間を食べないの!!」

刑事「おいッ!無事か!?なにがあった!?」


少女「・・・・・・・・・」

女性「・・・・・・・・・」


女性「――ヂチ・・・チヂジ・・・」



刑事「――!?」ゾクッ!


伊藤「い、今・・・!」


少女「・・・ミラクル、プリティー・・・」ボソッ


刑事「――っ」


少女「・・・ボディブロー・・・!」グツッ

ドォンッ!!

女性「――――」


伊藤「――嘘だ、なんで・・・」

刑事「・・・はぁっ、はぁっ」

ミカ「・・・刑事さん、どうしてプリティーエンジェルの精神はあんなに乱れてるの・・・?」

刑事「・・・はっ、はぁっ・・・」

ミカ「・・・?刑事さん?なにを驚いているの?」

刑事「・・・なに、って、お前・・・」

ミカ「――プリティーエンジェルが、βを、倒したの。お分かり?」


刑事「・・・意味が、わからない。あの女性が、β・・・?」

ミカ「散々説明したの。βは、生殖活動に特化したタイプだって」

刑事「あれは、・・・人間だろう?」

ミカ「βだよ。生殖活動に特化した化け物」

刑事「じゃあ化け物は・・・」


刑事「――化け物は、子供を宿せるように人間の女性の形をしてるっていうのか・・・!?」


ミカ「ぴんぽーん。ご名答なの」

ミカ「βはαとの生殖のために現れるの。だから、αよりは討伐が楽勝なの」

伊藤「・・・ちょっとまってくださいよ・・・。あれは人間でしょう・・・!?」

ミカ「ヤツらは人間をモデルに進化しようとしてるの」

ミカ「ミカもびっくりだけど、人間を忠実再現したの?」

伊藤「・・・ま、まさか・・・」

伊藤「まさか、これまでの身元不明の遺体っていうのは・・・」


β「―――」


刑事「・・・忠実な、再現・・・」

伊藤「・・・人間の遺体だと思っていたのは・・・、『魔法少女』が倒した、β?」

伊藤「そっ、それなら・・・」

刑事「!おい!待て――」

伊藤「それなら、我々の追っていた『殺人犯』っていうのは・・・!」


少女「――さつ、じん」


刑事「――っ」ゾクッ


少女「――わたしの・・・、わたしの・・・まほう」

刑事「馬鹿野郎ッ!!」ダッ!

少女「・・・わた、わたし・・・、わたし・・・」

刑事「違う!!あんたは化け物を倒しただけだ!」ガシ!

刑事「誰も殺しちゃなんかいないッ!!分かるかッ!?なぁッ!?」


少女「・・・けい、じ・・・さん・・・」

刑事「そうだっ、俺だ。分かったな!?あんたは闘っただけだッ!」

少女「・・・私・・・、人の――」ガクンッ

刑事「っ!」

シュゥゥゥゥン・・・

女「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・どうしてプリティーエンジェルは、精神が不安定なの・・・?」

刑事「・・・伊藤。車だ」

伊藤「――っ。は、はいっ」ダタッ

ミカ「・・・ねぇ、刑事さん」

刑事「・・・殺したからだ」

女「・・・・・・・・・」

ミカ「他の化け物は殺すのと、どう違うの?」

刑事「・・・形が、違う。βは、人間に似過ぎた」

刑事「――人間を殺したと、思っちまったんだ」


――――魔法がつかえるようになりたいって思ってた。
      私は引っ込み思案で、いつも周りに合わせてヘラヘラしてたから、
      画面の向こうの、底抜けに明るい少女に憧れていた。
      彼女のように魔法がつかえれば、
      私も彼女のように、なれるような気がして。
      私も魔法が、つかえるようになりたいって思った。
  
      成長するにつれて、もうそんな願い事は言わなくなったけれど。
      なにか困ったり、困ったひとを見かけたりしたら、
      魔法がつかえたらなぁ、って思ってた。
      自分で解決したり、自分から手を差し伸べられないで、
      すぐ魔法に頼りたくなる自分が、嫌いだった。

      23歳のクリスマスに妖精が現れたときは、さすがに戸惑ったけれど。
      心のどこかでは、やっと夢が叶うんだと思って、嬉しかった。
      これで私は、誰かを救えるんだと思った。
      これで私は、変れるんだと思った。

      だけど。
      だけど。
      だけど。
      私は、何?
      私が倒してるのは、何?
      私が殺してるのは、誰?

      私は、何?


――翌日 午前1時30分 某病院

女「・・・ん」

刑事「・・・気がついたか」

女「・・・けいじ、さん・・・?」

刑事「ああ」

女「・・・わたし・・・」

刑事「よく眠っていた。なんなら、もっと寝てても大丈夫だ」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・なにか飲むか」

女「・・・・・・・・・」

刑事「何がいい。甘いものか?どれ、買ってく・・・」スッ

女「・・・いかないで・・・」

刑事「・・・・・・・・・」ストン

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・・・・・・・」


女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・みましたか」

刑事「何をだ」

女「・・・敵」

刑事「・・・みた」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・あれは・・・、ビックリしたな」

女「・・・私にですか」

刑事「・・・っ」

女「私に・・・、びっくりしましたか」

刑事「そんなわけない」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・そんなわけ、ないだろ」

女「・・・・・・・・・」


刑事「・・・調子はどうだ」

女「・・・え?」

刑事「どこか痛いところとか、ないか?」

女「・・・だい、じょうぶです」

刑事「気持ち悪いとかは」

女「・・・ありません。・・・ふふ」

刑事「どうした?」

女「・・・けいじさん、お母さんみたい・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

女「ん・・・、そうやってすぐ、黙るし・・・」

刑事「・・・ちょっと、体起こせるか?」

女「え・・・?」

刑事「体。・・・無理はしなくていいからな?」

女「はぁ・・・、まぁ・・・。・・・ん」モソッ

刑事「・・・これなーんだ」トンッ


女「・・・え・・・?」

刑事「ヒント、あんたの好きなもの」

女「・・・『お・・・に、ご・・・、ろ・・・し』・・・?」

刑事「そうそう」ポンッ

女「――酒っ!?」

刑事「ご名答」

女「え、え?意味がよく・・・?」

刑事「おちょこもあるぞ」

女「しかも呑む気ですか・・・!?」

刑事「悪ぃのかよ」

女「悪ぃですよ!ここ病院!私病人・・・!」

刑事「別に、あんたに呑めとは言ってないだろ」

女「ま、マジですか・・・?」

刑事「マジだ」トクトクトク・・・

女「・・・だめ刑事・・・」


刑事「呑むか?」

女「の・・・、呑みませんよ・・・!」

刑事「ふーん、やっぱり燗のほうが良かったか・・・」

女「そういう意味じゃないです!」

刑事「まぁ付き合え。ほら、持つだけ」トクトクトク

女「そんな・・・」

刑事「はい、かんぱーい」

女「・・・・・・・・・」

カツン

刑事「・・・んっ」キュッ

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・はぁ、旨。やっぱこのくらい辛くなくちゃな」トクトクトク

女「なんか一気にオヤジっぽくなりましたね」

刑事「ほっとけ。もうオヤジだっての」

女「・・・・・・・・・」


刑事「・・・妖精に、遺体を確認させた」

女「――っ」

刑事「予想通り、全部βの死体だった。・・・ん」クイッ

女「・・・そうですか」

刑事「・・・なんだかなぁ、上手く作り過ぎてて、透明化も風化もしないんだと」

女「・・・・・・・・・」

刑事「解剖もすっかり騙されてた。中身もまるっきり一緒だったから」

刑事「・・・へんなところこだわるよなー」

女「・・・そうですね」

刑事「・・・ん」クイッ

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・よく似た化け物だった」

女「・・・・・・・・・」

刑事「よく似た、化け物だったな」クイッ

女「・・・・・・・・・」コクン


刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・私っ」

刑事「うん?」

女「・・・私・・・。・・・んっ!」クイッ!

刑事「お」

女「・・・んっ、・・・ふはぁー・・・」トッ!

刑事「・・・いい飲みっぷりだな」

女「・・・辛っ・・・」

刑事「辛いから旨いんだろうが」トクトクトク

女「・・・よくこんなの呑めますね・・・」

刑事「でも旨いだろ」クイッ

女「・・・旨いです」

刑事「・・・・・・・・・」


女「・・・あー、旨・・・」ポロポロ


刑事「泣くほど旨いのか」

女「泣くほど旨いんです・・・」ポロポロ

刑事「そうか。持ってきて良かった」

女「・・・んっ」グビッ

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・っはー、染みる。染みます」グズッ

刑事「仕事上がりは格別だな」

女「本当ですねー・・・ん」ズズッ

刑事「・・・鼻はかめ」スッ

女「えっ、あ、あはは。ずびません・・・」・・・チーン

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・っはふ。・・・私っ」

刑事「ああ」

女「私っ、魔法少女っ、憧れてたんですよねっ・・・!」

刑事「・・・・・・・・・」

支援


女「すーっごく可愛くてー、すっごく強くて、それでっ」

女「・・・すーごく、明るくて、魔法でなんでも解決しちゃうんです」

刑事「・・・そうだな」

女「それでっ・・・、それで、そうなれたらなー、って・・・。・・・んっ」グイ

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・ふはぁ。・・・そうなれたらなーって、今まで、思ってたんです・・・」

刑事「・・・そうか」

女「・・・おかしいですよねー。馬鹿みたいですよねっー・・・!」

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・なったらなったで、やりたくないだなんて・・・」

女「・・・ほんと、ばか」

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・俺は、ヒーローになりたかったな」

女「・・・へ?」


刑事「・・・困ってる人のところに颯爽と現れて・・・」

女「・・・・・・・・・」

刑事「ガツンと敵を、成敗!事件解決!」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・そう、なりたかったんだけどな。・・・ん」

女「・・・じゃ、じゃあ・・・、もしかして・・・」

刑事「・・・ふぅ。・・・笑うなよ」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・それで刑事になった」

刑事「でも、理想とは違かったなぁ。颯爽となんか、できないしな」ポリポリ

女「・・・そんなこと、ないです」

刑事「・・・慰めてくれるのか?」

女「・・・違います!そうじゃなくて・・・!」

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・憧れを・・・、形に出来るのって・・・、スゴイことです・・・」


女「・・・私・・・、刑事さんを尊敬します・・・」

刑事「ヒーローに憧れて、刑事になったことをか?」

女「はいっ・・・。私には、そんなこと、できなかったから」

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・ずっと理想は変わらなかったのに・・・」

女「私は・・・。その理想を、叶えようともしなかった・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

女「私には・・・、そんな勇気はなかった・・・」

刑事「・・・俺はそんな大層な人間じゃないぞ」

女「そんなっ・・・」

刑事「憧れてたヒーローになんて、なれちゃいない」

刑事「・・・でもお前は、なれてるじゃないか」

女「は・・・」

刑事「憧れてた、『魔法少女』に」


女「ッ!こんなのっ!!」

刑事「・・・・・・・・・」

女「こんなのっ・・・、魔法少女じゃないですよ!!」

刑事「・・・・・・・・・」

女「私はもっと・・・、もっと・・・」

刑事「・・・あんたが憧れてたのは、どんな『魔法少女』だ?」

女「それは・・・!」

刑事「可愛い美少女か?それとも、ステッキでもをふるって、花でも咲かせたいのか?」

女「・・・違っ・・・、もっと・・・」

刑事「もっと?」

女「・・・もっと・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・俺はあんたに、助けてもらってると思った」

女「・・・っ」


刑事「・・・空は飛べない」

女「・・・・・・・・・」

刑事「ビームだって打てない。変身もできない」

女「・・・・・・・・・」

刑事「でも、あんたは救ってくれた」

刑事「名前も知らない化け物に食われてるだけの人間を、助けてくれただろ?」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・だいぶ肉体派だもんな。そりゃみんな、『魔法少女』だなんて思わないかも知れない」

刑事「・・・俺もそう思った。・・・あんたの活躍を見るまでは」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・なぁ、『魔法少女』」

女「・・・・・・・・・」

刑事「俺達は、あんたに助けられてる」


刑事「――ありがとうな」


――――ありがとう。
      そう言ってくれた。
      少しも明るくなくて、少しも可愛らしくもない私の魔法に、
      ありがとうと、言ってくれた。

      私は誰かの力になりたかった。
      私の力を誰かに使いたかった。
      私に使えるだけの力はなくて、
      その力を手に入れたところで、
      化け物を殺すだけで、精一杯。

      そんな私にあなたは、
      ありがとうと、言ってくれた。
      ああ、私は誰かを救えたんだ。
      ああ、私は魔法が使えたんだ。
      
      ああ、私は、

      魔法少女に、なれたんだ。



女「――わぁぁぁぁぁぁん!!」

刑事「なっ!?ど、どうした!?」

女「わぁぁぁぁん!ひっく!!う、うぐ、わぁぁぁぁん・・・」

刑事「ど、どっか痛いのか?おい・・・!?」


ガチャッ

ミカ「・・・残念なお知らせなの・・・」

刑事「あ・・・」

女「ぐすっ、ひっく、うぐ、うううぅぅぅ・・・!」

ミカ「しゅ、しゅらばですか!?」

刑事「違うッ!!」

ミカ「伊藤っち来ちゃダメなのー!!!しゅらばなのー!!!」

刑事「おいバカっ!!」

伊藤「修羅場!?」

刑事「伊藤っ!!」

女「うぅぅぅ・・・ひんっ、うっく、ひっく・・・」

伊藤「いったいなにが・・・、ってこの人病室で酒呑んでる!?」

刑事「こ、これはちょっと止む終えなく・・・」

伊藤「・・・・・・・・・」

ミカ「なんなの!?サケ!?美味しいの!?わーい、ミカも呑むミカものむ痛」


伊藤「・・・ご気分どうですか・・・、って酒・・・」

女「・・・も、もう大丈夫です・・・えへへ・・・」

ミカ「なんでミカはダメなの!?」

刑事「なんでも駄目なんだよ!」グリグリグリ

ミカ「痛い痛い人間め人間め・・・はっ。こんなことしてる場合じゃないの!」

刑事「ん?なんだ?」

ミカ「・・・プリティーエンジェル!」

女「っ!」

ミカ「・・・高エネルギー反応を探知したの」

刑事「!?」

伊藤「な、なにが!?」

女「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・種族はβ。たぶん・・・」


ミカ「――『個体』を宿したβなの」


伊藤「・・・でも、まだ要請は」

ミカ「振り切ってるの」

伊藤「振り切る!?」

ミカ「『凄いエネルギーを宿したβが現れる』ことしかわからないの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「そりゃ、出現場所と出現したときはわかるの。でも」

ミカ「今までみたく出現を秒読み単位で出すことはできないの」

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・場所は」

ミカ「ええっと、プリティーエンジェルと待ち合わせをした・・・」

刑事「・・・市役所!?」

刑事「くそっ・・・、反対方向か・・・!」

伊藤「く、車だしますか!?」

ミカ「作戦は温存。まだ少し時間はあるはずだからお願いしたいの。でも、えっと・・・」

女「・・・・・・・・・」


ミカ「・・・プリティーエンジェル」

女「・・・なに」

ミカ「ミカはその・・・、人間の精神がわからないから、えっと・・・」

刑事「・・・・・・・・・」

女「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・ごめんなの」

女「・・・っ」

ミカ「ミカ、人間に無理をさせすぎたの。だから、プリティーエンジェルは・・・」

女「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・もうやりたくないかもだけど、でも・・・」

女「わかってる」ギュッ

ミカ「ほ・・・」

女「大丈夫、やれる。私、もう無理だなんて思ってないから」ギュゥ・・・

女「私にやらせて、プリーティーミカ。私は・・・」

女「愛と勇気で悪を砕く、プリティーエンジェルだよ」


――同日 午前2時50分 某国道

ファンファンファン・・!

伊藤「・・・あとどのくらいですか!?」

ミカ「まだ平気なはずなの!」

刑事「・・・無理はするなよ」

女「無理なんてしてませんよ」

女「私じゃなかったら、誰が地球を救うんですか?」

刑事「・・・大丈夫そうだな」

女「平気です!いい感じに、お酒も入りましたしね!」

刑事「・・・ああ」

刑事(さっきから赤い顔してるとは思ったが・・・)

ミカ「・・・今日のαの異常な発生は、これが原因かもしれないの」

伊藤「・・・どういうことです?」

ミカ「ヤツらには『個体』の概念がない。ということは、これから生まれてくる『個体』は・・・」

刑事「・・・すべてのαの子供、ってことか」


伊藤「子供を守るために・・・?」

ミカ「出産を邪魔させないために、って感じだと思うの」

刑事「なるほどな」

ミカ「・・・そんな概念で動くってだけでも、相当珍しいの」

刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・そうだ。伊藤っち」

伊藤「はい?」

ミカ「良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」

伊藤「え・・・、いまそんな場合ですか!?」

ミカ「良いからー!」

伊藤「え、ええっと・・・。じゃあセオリー通り、悪いニュースから」

ミカ「繁殖率をあげるために、これから生まれる『個体』にコピー対象が映ったの」

刑事「・・・なんだと?」

伊藤「じゃ・・・、じゃあこれから生まれる『個体』が、αみたく増えるってことですか!?」

ミカ「ごめいとーう!ちょっとヤバめなの」


女「・・・でもそれなら・・・」

刑事「ん?」

女「その『個体』を倒せれば、地球での繁殖を止められるかもしれないってことですよね・・・!?」

刑事「・・・ああ!」

ミカ「ちょ・・・!良いニュース言うななの!それはミカが言うの!!」

伊藤「生まれてくる『個体』さえ倒せば、もう化け物は増えないってことですね!?」

ミカ「違ーう!良いニュースはえっと、あれです!プリティーエンジェルの通帳は引き出しの二段目です!」

女「なんで急にそういうことバラすの!?」

伊藤「・・・しかもそれを良いニュースとして受け取ってどうしろと・・・」

ミカ「プリティーエンジェルが悪いの!対して入ってないくせになの!!」

女「入ってます!遊びになんていかないから、すごく貯まってるもん!!」

ミカ「え・・・?じゃあなんでいつも通帳見てため息ついてるの・・・?」

女「それは・・・、お金の使い方知らなすぎた結果の数字をみるとすごく惨めに・・・」ブツブツ

刑事「ふざけてる場合かっ!?」


伊藤「あああまだ着かない・・・!」

女「変身して走ったほうが速いですかね・・・?」

刑事「いや。これから未知の強さの敵と戦うんだ。少しでも警戒して行ったほうがいい」

ミカ「・・・そうも言ってらんないの」

刑事「は」


ミカ「――出現する」


――カッ!!!


伊藤「~~~っ!!」

女「市役所の方向・・・!」

刑事「おいどうする、もう出たのか!?」

ミカ「まだ!まだβが外に出ただけなの!!」

伊藤「じゃあまだ余裕が・・・?」


女「――いえ、降してください」


刑事「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・んい。生まれる瞬間にその場に居たほうがいいと思うの」

伊藤「・・・わかりました」

・・・キィッ

バタン

女「・・・・・・・・・」

刑事「・・・すぐ行く」

女「来て下さるんですか?」

刑事「当たり前だ。無理はするなよ」

女「分かってますって」

刑事「・・・地球を、守ってくれ」

女「・・・当たり前じゃないですか」

女「『魔法少女』は、地球を守ってきます」

刑事「・・・終わったら呑みに行こう。奢る」

女「やった」


女(・・・サクっと終わらせて)


女(刑事さんと呑むんだ)





  ――集まれっ!!みんなの願いっ!!


 
          シャンッ!






         キィィィン・・・!





女(ああ、全部終わったら)

女(この変身も出来ないんだ)



 マジカル、ミラクル――


 プリティーエンジェル!!!



女(ちょっと残念かも)



 ・・・希望の光を翼に変えてッ!!


        キィンッ!


 ・・・明日を望む笑顔を胸にッ!!


        キィンッ!


女(――私って、わがままだな)

女(・・・でも、いいんだ)




    愛と勇気で


    悪を砕く!




 ――魔法少女!プリティーエンジェル!!!





女(それが私なんだ)






魔法少女「――サクっと、参上」


――同日 午前3時10分 某市役所


――フゥン――フゥン――フゥン――

β「――ヂチ・・・ヂチ・・・」


ピシッ!


β「――ヂチチヂ――」


ピシピシピシッ・・・


β「――――」


ピシンッ


ブビジュアアアアァァァアアァアアァァァァッ!!!!!!!


  「――――」

ポタ・・・ポタ・・・ポタ・・・


――γ、とでも呼べば良いのかな



γ「――ッ?」



少女「・・・轟けっ!私の正義!」ヒュンッ


少女「ミラクルプリティー、ドロップキックッ!!!!!」


ズシンッ・・・



γ「――――」



――ガリガリガリガリガリィィィィッ!!!!!!


少女「・・・ふっ!」スタンッ


パラパラパラ・・・


少女(・・・柔らかい?生まれたてだからかな・・・)

少女(αよりも打撃は効くのかも。でも相手の攻撃は未知だし・・・)


γ「――――」


少女「・・・はぁっ!」

少女(・・・連続攻撃で、息の根を止めるっ・・・!)

少女(先手必勝、拳に魔法をためて手数を増やすか)

少女「・・・マジカル、ミラクル、プリ――」ブツブツ


γ「――ナゼ、ワレワレノコノシフクノイトナミガクラヤミデスカ?」


少女「――ッ!?」ゾクンッ

タタッ・・・!

少女(――喋った!?)


γ「――ココノナニノアナタノドコノワタシデス?アン?」


少女「・・・あなた、喋れるの・・・!?」

γ「――アナタ。シャベルチャベルノラリルレロレルロ・・・」キュルキュルキュル・・・

少女「・・・プリーティミカ・・・、γが言葉を発してる」

ミカ『言葉ぁ!?ソイツらに言語の概念なんてあるはずがないの!?』

少女「でも、確かに・・・。意味はわからないんだけど・・・」

γ「――カックウノケリノヨコノシタノザリノザリノテキノミカタ?アン?」

少女(・・・どうする・・・、いや、やることは変わらないはず・・・!)

少女「・・・悪いけど、サクっと決めるからね」

γ「――コウゲキノイリョクノアタマノカラダノアシノツケネノコノケツマツヲイカニツケルノ・・・」

少女「・・・マジカル、ミラクル、プリティーエン」




γ「――アアクエバイイノカ」




少女「――~~~!?」ゾクゾクゾク!


γ「――ハラガヘッタハラガヘッタハラガヘッタ」

――キィン

少女「早」


ブン


ズダダダダダダダダダダダダンッ!!!!!



少女「――――」

γ「――アアデタゾボクガデタゾアイコデショアイコデショアイコデショ」

少女「・・・ぐふっ」ポタポタポタ

ミカ『――プリティーエンジェル!?プリティーエンジェル!?」

少女「・・・油断・・・、しただけ・・・」パラパラ・・・

γ「――アアソレデモナオソノアシノジメンニオシツケテノヲヤメナイ」

少女「・・・はぁっ・・・、はぁっ・・・。・・・あぁ」

ミカ『プリティーエンジェル!状況を言うの!!』


γ「――カルイウンドウハケッコウヲヨクスルタメニケンコーニヨイデス?マス?」ヒュッ

少女「っ!!くっ・・・」バッ!!

――ドガァァァン!!

γ「――ボクコンヤハハンバーグガタベタイ」クルリ

少女「マジカル!ミラクル!プリティーエンジェル!!」

少女「愛と勇気のパワーを腕にっ!」キィィィン!!

γ「――ワァオキレイデモドウセタネガオアリニナルンデショウ」ブンッ

少女「くっ・・・!!あああああ!」ガキィン!

γ「――カイソクキュウコウハジンシンジコノタメウンテンテイシ・・・」ガガガガガガガガガガガガガガガ

少女「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!」ガガガガガガガガガガガガガガガ


――ガダァァァァァン!!!!!


少女「・・・はぁ・・・、はぁ・・・、けほっ・・・」

γ「――アラマーナガモチシソウネ」

少女「耐え切ったっ・・・!!」


ミカ『戦闘力は!?』

少女「・・・魔法で・・・、五分五分くらい・・・」

ミカ『本当に!?本当に五分五分なの!?』

少女「うるさいなっ・・・!いま・・・、超えてみせるよ・・・!」

γ「――ンーサンスウモコクゴモデキルナンテエライナァ」

少女「・・・はぁ・・・、はぁ・・・」

少女(・・・魔法の呪文がネックだ・・・、それさえなければ追いつけるはず・・・)

少女(あまり唱えたくない・・・、今の呪文でどこまでもつ・・・?)

γ「――イチニツイテー・・・」

少女(・・・隙を見て唱えるしかない。それを撃ち込めばいける・・・)

γ「――ヨーイ・・・」

少女(・・・まずは・・・、耐えるッ!!!)

γ「――ドンッ!!!!!!!!!」ヒュンッ!

少女「おおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」ダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!

γ「――セイソウチュウセイソウチュウセイソウチュウセイソウチュウ・・・」ダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!!!


――同日 3時15分 某国道

刑事「・・・あの光か!?」

ミカ「間違いないの!!」

伊藤「着きます!!」

ミカ「二人とも!『個体』・・・γは、一筋縄じゃいかないやつなの!!」

刑事「分かってる!」

ミカ「プリティーエンジェルでも苦戦してるの!どうか死なないように気をつけるの!!」

伊藤「そんなこと行ったって――わぁっ!?」

――ガシャァーンッ!!!

ミカ「あうっ!?」

伊藤「ぐっ・・・、車になにかが・・・っ!」

刑事「痛ッ・・・、なんだ!?くそっ・・・!」バタンッ



少女「――――」

刑事「――ッ」ゾクッ


少女「――――」

刑事「――お、い。おいっ!!!」

少女「――あ・・・、けいじ・・・さん・・・」

刑事「お前こんなっ・・・!」

少女「・・・へ・・・しくじっちゃいました・・・、げほっ」

刑事「ミカッ!!!!」

ミカ「プリティーエンジェル!?ななななななんてことなの!?」

少女「・・・だ、い・・・じょぶ・・・。はぁ、はぁ」

伊藤「ぼ、ボロボロじゃないですか・・・!」

少女「・・・マジカル、ミラクル、プリティーエンジェル・・・」ボソッ

少女「愛と勇気のパワーを・・・脚に・・・!」

キィィィン

少女「速さなら負けないんだからっ・・・!」シュンッ!

刑事「おい!」

ミカ「五分五分・・・!?違うの、プリティーエンジェルがしがみつけるだけなの・・・!!」


伊藤「・・・あれっ!」

刑事「!?」


γ「――ナカナカ、ナカナカナカナカ、ナカナカダ」シュンシュン、シュバッ、シュン!

少女「地球は渡さない・・・!渡さないんだからっ・・・!!」バシバシッ、ヒュン、バシッ、バシィ!!


刑事「・・・あれが、γ・・・?」

伊藤「人間くらいの大きさですか・・・?」

ミカ「・・・本当に喋ってるの」

伊藤「ま、『魔法少女』が負けたら、アレがうじゃうじゃ現われるんですか・・・!?」

ミカ「ばか!伊藤っちのばか!!縁起でもないこと言うななの!いうななの!!」バシバシッ

刑事「・・・『魔法少女』・・・」


γ「――コマメナスイブンホキュウガタイセツデスマスダダダ」ガクンッ

少女(――隙がっ!!!」


少女「マジカル!ミラクル!プリティーエンジェル!!」グッ!!


少女「愛と勇気のパワーを、拳にッ!!!」

γ「――イケニサンダルガ・・・」

少女「・・・突き抜けてッ!!私の正義っ!!!」

少女(――もらったッ!!!!)

少女「ミラクルプリティー・・・」

γ「――ワオ。ワンダフル?」


少女「――ナックル・アローッ!!!!」



ズドンッ・・・



γ「――――」



――ゴシャァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!



伊藤「入ったっ!!??」

ミカ「きゃっほーぅ!!!」

刑事「・・・・・・・・・」


パラパラパラ・・・

少女「・・・はぁ・・・、はぁ・・・」

少女「・・・ぐ」


刑事「・・・っ、おい、大丈夫かぁ!!?」


少女「・・・けいじ・・・、さん・・・」

少女「・・・う、ん。平気――」


γ「――ソリャナイゼトッツァーン」


少女「ッ・・・!」


刑事「!?」


γ「ソリャナイゼトッツァーン。トトトトトッツァーン」ヒュインヒュインヒュイン


伊藤「アイツまだっ・・・!」

ミカ「――プリティーエンジェルッ!!」


ミカ『奴の腹部にエネルギーが集まってるの!!ヤバイの!!』

少女「え・・・!?」

γ「トットトトットトトトトッツァーン。トトトットットトットトッツァーン」ヒュインヒュインヒュイン

少女(・・・あれで半径だとしたら、避けるのは簡単か・・・。問題は威力だけど・・・)

γ「――ヤ、ジ、ウ、マァァ、ァァン?」ヒュゥゥゥゥゥゥ・・・

少女「!?」ゾクッ


γ「――ピーチクパーチクウルセーンダヨ」ニタァ


少女「――逃げてッ!!!」



ミカ「――ふえ!?」


少女「間に合え―――」


刑事「おいっ―――」



γ「――アン」


ヒュバァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!!


少女「おおおおおおおおおおおおお」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


刑事「『魔法少女』っ・・・!」


少女「おおおおおおおおおおおおおおお」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


刑事「『魔法少女』ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

カッ――――


――シュゥゥゥゥゥゥゥゥゥン・・・

刑事「・・・くっ」


・・・ドサアッ


刑事「・・・っ」


少女「――――」


刑事「・・・『魔法、少女』・・・」


少女「――――」


刑事「――おいっ!『魔法少女』!!『魔法少」



γ「――イマガシュンデスカ?」



刑事「――!?」

>γ「――ナカナカ、ナカナカナカナカ、ナカナカダ」

ポケモンの歌かと一瞬オモタw

母胎βが潜伏してた場所で聞こえていた言葉から学習したんだろうか
ルパン覚えてる当たりネトカフェとかかな…


少女「――――」

γ「――ゴカテイノアジガソノママメシアガレマス?」


伊藤「・・・目がっ・・・」

ミカ「・・・プリティーエンジェルっ!!??」


γ「――ンーマルデヤキタテノパンミタイダワ」

少女「――――」

γ「――ツマミグイシチャオウカナアハアハアハハ」

ガンッ

γ「――ンーフーン?」

刑事「・・・硬ってぇー・・・!」ジンジン

γ「――チョウセンシャガアラワレマシタチョウセンシャガアラワレマシタ」

刑事「うるせえんだよ。とっつぁんなんて呼ばれたら、出てくるしかねぇだろ」


伊藤「――先輩っ!?」


ミカ「刑事さんはなにしてるの!!??」

伊藤「あっ、あの人まさか『魔法少女』を助けに・・・!?」

ミカ「無理に決まってるの!!生で勝てる相手じゃない!!!!」


刑事「・・・また、守ってくれたな。『魔法少女』」スッ

少女「――――」

刑事「俺も、あんたを尊敬する。だから、俺もヒーロー目指していいだろ?」

少女「――――」

γ「――ウツクシキユウジョウカナ?」

刑事「なかなか粋な言葉知ってるじゃねぇか。・・・でも惜しいな」

γ「――アン?」

刑事「友情じゃない」


刑事「愛情だ」


γ「――ジャアシネ」グワァ・・・

母胎βめ、味な胎教してやがる


ミカ「――伊藤っち!」

伊藤「な、なんですか!?」

ミカ「この星の、『復活のセオリー』はなんなの!?」

伊藤「はぁ!?セオリー!?」

ミカ「イメージ!単純なイメージを直結させないとミカ達のパワーを人間に使えないの!!」

伊藤「セオリーがあればみんな助かるんですか!?」

ミカ「『魔法少女』を復活させるセオリー!早く!刑事さん死んじゃうの!!」

伊藤「ま、『魔法少女』のせ、セオリー!?えーっと、うーんと・・・」ダラダラダラ

ミカ「早く早く早く!!!」

伊藤「わわわわかりませんよ!自分『魔法少女』なんて見たこと・・・!」

ミカ「早く早く死ぬ!刑事さん死ぬ!!!」

伊藤「せ、せ、セオリーなんてそんなぁぁぁぁ!!!!」


伊藤「――キスすれば目覚めるんじゃないんですかぁぁぁぁぁ!!!!」


ミカ「――かがんでキスしろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


刑事「――はぁ!?」ガクンッ

γ「――ストライーク」ブゥンッ!

刑事「おわっ・・・、痛ぇ!!」ズテンッ

γ「――ニダセキメツーストライクワンボール・・・」

刑事「・・・き!?」


少女「――――」



γ「――ピッチャーフリカブッテ・・・」



刑事「――ええい、ままよっ!!!」



γ「――ナゲタッ!!!!」




――――カッ







―――刑事さんと


―――呑みに行くんだ












少女「――そうですよね?」


刑事「・・・あぁ、俺は嘘が嫌いなんだ」




γ「――チョットケイサンガオッツカナイゾォォォォォ」


刑事「・・・その、調子どうだ」

少女「・・・戸惑ってます。私じゃないみたい・・・」

ミカ『――プリティーエンジェル!!!・・・いや、違うの!!』

少女「プリーティーミカ?」

ミカ『今のあなたは、愛する者の力で復活した、愛の戦士!!」

ミカ『――プリティーエンジェル・ハイパーラヴ!!!!!』

少女「・・・プリティーエンジェル・・・」

刑事「・・・ハイパーラヴ・・・」

ミカ『――どう!?どう!?伊藤っちどう!?ナウくね!?ナウくね!?」

刑事「・・・アイツの名称ダサいな」

少女「・・・ホントですよね」


γ「――スミニオケナインジャナァァァァイ?」

少女「っ!」キッ

γがヒロインの友達ポジションだ


少女「・・・刑事さん。離れててもらえますか?」

刑事「・・・大丈夫か」

少女「・・・私を誰だと思ってるんですか」

刑事「市役所の受付窓口?」

少女「もう!そういうのいいんですって!!」


γ「――アイデゴハンガタベラレルノナラワタシズットアナタヲアイスワハハ」


刑事「・・・『魔法少女』」

少女「はい」


刑事「頼んだ」

少女「頼まれました」


γ「――ヤスミジカンノチャイムナルヨー?」

少女「わかってますよ」

少女「――サクっと、やっちゃいましょうか」

>>895-896
美沙緒って

ピク○ーミサ「――スミニオケナインジャナァァァァイ?」

こういうこと?


少女「愛と勇気で悪を砕くッ!!」スッ・・・


γ「――アーハーン?」


少女「――プリティーエンジェル・ハイパーラブッ!!!!!」ビシィッ!


γ「――ワレワレワウチュウジンダダダダダ」ヒュインヒュインヒュインヒュイン


少女「マジカル!ミラクル!プリティーエンジェル!!」


γ「――ワレワレワウチュチュウチュチュチュチュチュワレワワレワレワ」ヒュインヒュインヒュインヒュイン


少女「愛と勇気のパワーを!私にッ!!!」キィィィィィィィン!!!



γ「――ワレワレワワレワレワワレワワレワワワレワレワ」ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ‥・



少女「――弾けろっ!私の愛っ!!!!!」ピピピピピピピピピピ・・・







魔法少女「ミラクルプリティー・ラヴエターナルカノン!!!!!!!!」





γ「――アン」









カッ―――――





ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


――同日 午前4時 某市役所



モクモクモクモク・・・


伊藤「・・・め、目が・・・」

ミカ「・・・どうなったの・・・?」ゴシゴシ

刑事「・・・『魔法少女』・・・」



ヒュォォォォォォォォォォン・・・



γ「――ヂチ――ヂチヂチシ――」



伊藤「――そっ・・・、そんな・・・」ヘナッ

刑事「・・・・・・・・・」


γ「――ヨクガンバリマシタァ」ニタァ

γ「――ヂチ――タイキバンセイ――リュウトウダビ――ユダンタイテキ――」


刑事「ん?油断大敵」


γ「――ユカイユカイユカイユカイユカイユカイユカイ」


刑事「そりゃあお前、人のこと言えないんじゃないのか?」


γ「――ヂチ?」


少女「――マジカル、ミラクル、プリティーエンジェル」

少女「愛と勇気のパワーを拳にっ!」


刑事「・・・なぁ、おい」


γ「――シシテシカバネヒロウモノナシ」


少女「ミラクルプリティー、ナックル・アロー―――」


――ゴガシャァァァァ!!


パラパラパラ・・・


γ「―――」


少女「・・・はぁ・・・、はぁ・・・」

刑事「・・・おう」

少女「・・・あ、けいじさん・・・、わっ・・・」

刑事「おっと」ダキッ

少女「すっ、すみません・・・!ええと、あの!」

刑事「もっと堂々としろよ。あんたの勝だ」

少女「は、はぁ・・・」

刑事「・・・俺達を守ってくれてありがとうな」

少女「・・・いえ、私こそ・・・」

刑事「・・・私こそ?」

少女「・・・あっ、その・・・」

刑事「・・・お前、気絶してたんじゃ・・・」


ミカ「・・・生体反応、なしなの!」

伊藤「ほっ・・・、ほんとですね?」

ミカ「ミカを信じるの!こいつからはもうエネルギーや熱が嘆息できない!」

伊藤「だって、何度も起き上がるから・・・」

ミカ「・・・お疲れなの!プリティーエンジェル!」

少女「え、ああ、うんと・・・」

ミカ「ん?どうしたの?刑事さん」

刑事「・・・なんでもない」

ミカ「それは喜んでる顔じゃないの!!せっかく勝利したのに!!!」

刑事「なんでもない!うるさい!」

少女「・・・て、照れてるんですか?」

刑事「あん?」

少女「や、なんでもないです」

ミカ「ずるいずるーい!ミカにも愛が欲しーいミカにも愛が痛って!今の一撃には愛がないの!!!」


伊藤「お疲れ様です」

刑事「・・・ん」

ミカ「伊藤っちにその態度はないの!!伊藤っちがいなかったら死んでたの!?」

刑事「はぁ?」

伊藤「や、でも今考えたらあれって、『白雪姫』でしたね。『魔法少女』ではなく」

刑事「・・・お前かぁ!!」

伊藤「ひぃ!?なんでこんなに機嫌が悪いんですか!?」

少女「あはは、照れてるんですよー」

刑事「・・・・・・・・・」

少女「や、なんでもないですホント」

ミカ「・・・人間はγの死体いるの?」

刑事「・・・もういないんだろ?なら、いらない」

ミカ「きゃほーぅ!ミカがもらうー!次の星に現れた時の重要な資料になるのー!」

少女「・・・次・・・」

ミカ「んい!・・・地球での活動は終了なの。殲滅完了!」


少女「・・・そっか。じゃあもう、『魔法少女』は終わりなんだ」

刑事「・・・・・・・・・」

伊藤「・・・・・・・・・」

ミカ「・・・いろいろと迷惑をかけたの」

少女「そんな・・・。まぁ確かに、テンパっちゃったから、軽くいうと嘘になるよね」

ミカ「・・・・・・・・・」

少女「・・・でも、楽しかった。大満足。ありがとう、プリーティーミカ」スッ

ミカ「・・・プリティーエンジェル・・・!」ダキッ

伊藤「・・・・・・・・・」

刑事「・・・ああー、終わった終わった。変えるか!」

伊藤「あ、ほら。朝日登ってきますよ」

少女「・・・本当だ」

ミカ「・・・・・・・・・」グスッ


――夜が明ける。

――――もう、誰かが喰われる夜は終わった。
      
      また新しい日が、始まる。


女「・・・キレイ」

刑事「・・・あれ、変身・・・」

女「ああ・・・、とけちゃいましたね」

刑事「・・・本当だな」


――――私の『魔法少女』としての夜も明ける。

      私はこれから、普通の公務員の日常へと戻る。

      それは、ちょっと寂しくて。

      ・・・・・・ちょっと、楽しみ。


刑事「あー、疲れた」


――――普通の公務員?

      まさか。

え、コピー対象がγになったのはわかるけど
これまでに分裂してたαの大元がいるんじゃね?

>>936
分裂するためのコア?的なものがあって、これまでαにいたそれがγにうつったって解釈じゃね


女「・・・刑事さん」

刑事「ん――んむっ!?」


――――ほら。

      彼の顔が赤くなった。


ミカ「きゃ!・・・伊藤、手ぇー!!」

伊藤「あ、あはは・・・」

刑事「・・・なにすんだ」

女「魔法です」

刑事「はぁ?」


――――でもそれは内緒。

      私はまだ、

      魔法が使える。


                         fin.

お疲れちゃぁぁぁぁぁぁん!!!!!!
俺だってもっと戦闘したかったけどぉぉぉぉ!!!終わらないしぃぃぃぃ!!!!!
のっとりだからちょっと雑だけどぉぉぉ!!!ありがとぉぉぉぉ!!!

>>936
>>938他の解釈であってます。


保守ありがとうございました。読んでくれてありがとうございました。
またどこかで会いましょう。さらば!!


おまけ

γ「――ナゼ、ワレワレノコノシフクノイトナミガクラヤミデスカ?」
翻訳:どうしてあなたは我々の生活の邪魔をするのですか。

γ「――ココノナニノアナタノドコノワタシデス?アン?」
翻訳:ここはどこですか。あなたはどこの誰ですか。私は私です。答えて下さい

γ「――カックウノケリノヨコノシタノザリノザリノテキノミカタ?アン?」
翻訳:あなたの滑空しながらの蹴りで私が傷ついたということはあなたは敵なのですね。

γ「――コウゲキノイリョクノアタマノカラダノアシノツケネノコノケツマツヲイカニツケルノ・・・」
翻訳:すさまじい攻撃力で全身が痛いです。どうしてくれるんですか。


あとはテレビや街でのセリフを蓄積したものを、その場っぽいところで言ってました。

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