真「カオス――コントロール……!」 (66)

真「して時間を止めてる間に他のアイドルの足下に石鹸をおけばトップアイドルなんて楽勝ですよプロデューサー!」

P「ゲームのやりすぎだ真。いくらお前の髪がトゲトゲしててもお前はハリネズミじゃないんだから」

雪歩「あ、あのシャベルクロウは必要ですか?」チャキーン

P「オーディション会場にそんなもん持って行ったら怒られるぞやめとけ。穴を掘ったってマスターエメラルドは実在しない」

美希「ねえプロデューサー! このピコハンで他のアイドルをたたき落とせばオーディションなんて余裕だよ!」ピコピコ

P「お前は毎度毎度どっからそれを持ってくるんだしまっとけ」

P「いいか、やるなら正々堂々だ。それで勝ってこそ真のトップアイドルなんだからな。いいな、そんなせせこましい心は捨てろ」

真雪歩美希「はーい……」

P「それでいい」

支援

僕の名はシャドウ。この地上で唯一にして究極の生命体

会場

P「ほらついたぞ。いいか絶対変なことはするなよ?」

真「わかってますって」

雪歩「はい……」

美希「はいなの」ピコピコ

P「はい美希。それ没収」

美希「あぁん、ダメなの! それがないとミキ!」

P「美希なら大丈夫だ。ほら行ってこい」

美希「……はーい」

支援

雪歩「真ちゃん、どうしよう私……」チャキーン

真「あはは……持って来ちゃったんだ……まあボクもカオスエメラルド持って来ちゃったし」キラーン

美希「ミキのピコハンはまだまだあるのにプロデューサーってば迂闊なの。あはっ☆」ピコピコ



真雪歩美希「はぁ……」



P「大丈夫かねえあいつら……問題だけは起こさないでくれよ……」

支援

チャオ☆

雪歩「やっぱり私なんて穴掘って埋まってますぅ!!」

美希「雪歩、もう本番始まるよ? 今埋まったらモグラたたきの刑なの」ピコピコ

雪歩「ご、ごめん」

真「ま、まあ持って来ちゃった物は仕方ないよし」



真「行こう」

雪歩「うん……」

美希「いざとなればなんとでもなるの! 雪歩はもっと自信持つ!」

雪歩「そ、そんなこと言われても!」



P「そろそろ始まるか。いろんな意味でどきどきだ……」

ソニアドDXやりてぇなぁ

支援

そしてオーディション

真「言いたいことさえ言えない私だけれど」

雪歩「もし恋愛するなら第一候補はいるの」

美希「もしお化粧しておしゃれして背伸びした自分ならば」

真「(あ、美希! 歌詞とんでるよお!)」

雪歩「この初めての気持ち通じるの? マニュアルで読んだ?(あれ? これでいいんだっけ)」

『It's My first stage』

真「(雪歩も釣られた!)くそっカオスコントロール!!」

――――――

支援

時間停止。

真「はぁ……もう美希!」

美希「えぇ!? ミキなの!?」

雪歩「えぇと、やっぱり歌詞間違っちゃった?」

真「うん……」

美希「ご、ごめんなの」

真「カオスコントロールじゃ止めていられる時間も限界があるし、『あなたはいつでも』から再開するからね」

美希「うん……」

支援

真「あなたはいつでも優しい微笑みくれる」

雪歩「でも私はどきどき不器用ひきつり笑顔」

美希「もしお化粧しておしゃれして背伸びした自分ならば」

雪歩「この初めての気持ち通じるの? マニュアルで読んだ」

『It's my first stage』

真「Love you, Love youあなたへのあふれる」

真「混乱した心もどかしてくて」

美希「Love me, Love me私に気づいたら」

雪歩「少しだけ意識してくださっわわっ」スッテン

真「カオスコントロール!! 雪歩!!」

真「危ない!」ズサー

雪歩「きゃうっ」ドサッ

真「ふぅ……いててて」

雪歩「ご、ごめんね真ちゃん!」

真「大丈夫大丈夫、怪我はない?」

雪歩「うん……」

真「よかった。もう、気をつけてね雪歩」

雪歩「うん、ごめんね……」


美希「真くん! ミキの時と対応が違いすぎるの!」

真「え? そう?」

美希「雪歩ばっかり優しい言葉かけるのにミキは怒鳴られて! ひどいの!」ピコピコ

真「あっ……ごめんそんなつもりじゃ」

美希「もういいの。ミキは帰る」

支援

真「そんな勝手!」

美希「ふんっ」ピコピコ

雪歩「ま、まって美希ちゃん! 私が謝るからごめんなさい」

美希「雪歩に謝られても嬉しくないの」

雪歩「そんな」

真「美希!!」

美希「べーっだ」

真「……」

真「わかった、勝手にすればいいよ」

雪歩「えぇ?」

真「もう動き出すし、ボクたちはボクたちでなんとかするしかない」

雪歩「うん……」

全てのものに復讐を!

支援

真雪歩『It's my first stage』

P「……あれ!? 美希は! まさか」

――――――
――――
――


審査員「合格は――」

真「……」
雪歩「……」

審査員「――番だ! あ、呼ばれなかった奴は帰っていいぜ。お疲れっしたー」



真「そりゃそうだよね……」

雪歩「ごめんね真ちゃん私のせいで……」

真「まあ過ぎちゃったことはどうしようもないし……帰ろう」

これは合格しなくて当然

P「真、余計なことするなって言ったよな」

真「……」

P「使ったんだろ、カオスコントロール」

真「えぇ……使いましたよ」

P「しかも美希を帰らせたな」

真「美希が悪いんですよ、わがままばっかり言って」

P「そうか。でも真がカオスコントロールを使ってなければ帰ることもなかった。違うか」

真「……」

P「それで合格なら俺も文句は言わないつもりだった。でも実際どうだ、不合格だぞ。
 当たり前だ、オーディション中に消える奴がどこにいる」

真「……」

支援

P「ひとまずカオスエメラルドは没収する。事務所の保管庫の鍵も変える」

真「わかりましたよ……」

P「ほら早く出せ」

真「今出しますよ……急かさないでください」ゴソゴソ

P「……」

真「……」スッ

P「それでいい。じゃあ帰るぞ」

真「はい……」

P「ったく……問題ごとばかり起こしやがって。怒られるのは俺なんだからな」スタスタ


真「雪歩……」

雪歩「……」コクッ

真「カオス――コントロール!!」


P「!?」

支援

P「……は?」

P「事務所のエメラルドはしっかり6つあったはず……まさか」ゴソゴソ

P「やっぱり、こいつはマスターエメラルドじゃねえか!」

P「まんまと騙されちまったってわけだ……」

P「くそっ、雪歩も共犯か……」



P「もうたくさんだ! こんな事務所、辞めてやる!」

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支援

真「はぁはぁ……さすがに一日に何回もすると疲れるね……」

雪歩「でも明日からどうするの? これで事務所に帰っても……」

真「そうだよねえ……どうしよっか……」

雪歩「……」

真「……」

雪歩「とりあえず、家に帰ろっか……」

真「そうだね……」

雪歩「うん、じゃあまたあしたね。お疲れさま真ちゃん」

真「うん、お疲れ」

マスターエメラルドは実在しない(棒)

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事務所

P「戻りましたー、あ」

美希「あ……」

P「美希……お前なぁ、よくもまあ呑気にババロアなんか食えるもんだ。敵前逃亡したんだぞ」

美希「だって……あれは、真くんが」

P「最初に歌詞を間違ったのは美希だろ」

美希「うん……」

P「それで、なんで逃げる」

美希「それは……真くんが……」

P「雪歩にだけやさしいからか?」

美希「!?」

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支援

支援

やべぇ新ソニやりたくなってきた

支援

美希「なんで」

P「そうだな、雪歩はミスらしいミスをほとんどしない。
 まあ本番中というか大事な場面でたまにやらかすときはあるが、それでもレッスンなんかは熱心にやってるだろう」

美希「……」

P「それに引き替え、美希。お前はどうだ。才能にまかせてレッスンには身を入れない。すぐに寝る。やる気がない。
 そりゃあ天才だから今はそれでもいいかもしれないが」

美希「……」

P「少なくとも俺はやる気のない奴に何かを教える気にはれない」

美希「……」

P「まあ真の考えなんか知らん。ただの憂さ晴らしかもしれないしな」

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P「全力とは言わない、まずは仕事に対してやる気を見せろ」

美希「……」

P「そうすれば真だって」

美希「……」

P「まあ今日の敵前逃亡は許されないけどな!」

美希「……」

P「と、いうわけだから。俺は帰るぞ」

美希「うん……ごめんなさい」

P「じゃ、またあしたな」

美希「うん……」

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翌日

P「……美希だけか?」

美希「うん、みたいだね」ピコピコ

P「……」

美希「み、ミキはなにも知らないからね!?」
P「いや、まあいいか」

美希「いいの!?」

P「カオスエメラルドを持ってるってんならレーダーでおおよその位置は探知できる」

P「ね、音無さん」

小鳥「……」

P「おーい音無さーん」

小鳥「……」

P「だめだ死んでる」

小鳥「待ちぼうけ」

P「?」

小鳥「昨日、待ちぼうけ食らいました」

P「ほほう、誰にです」

小鳥「プロデューサーさんにです」

P「ほう、そいつは最低野郎ですね。こんな健気な事務員さんを忘れるなんてごめんなさい!!」

小鳥「二時間待ったんですよ!!」

P「いやごめんなさい!! 本当昨日は大変だったもんですから……」

小鳥「言い訳無用です!」

美希「小鳥どうしたの」

小鳥「二人で飲みに行きましょうって約束してたのに」

P「ごめんなさい本当にごめんなさい!!」

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美希「プロデューサー、最低だね」

P「……お前にだきゃ言われたくないな」

美希「……あはっ☆」

P「……ぶっ飛ばす」

小鳥「まあいいですよ! 結局一人で寂しく呑んで帰りましたから!」

P「申し訳ない」

小鳥「で、なんでしたっけ」

P「エメラルドレーダー貸してください」

小鳥「あ、あーあれですね。あれがですねー」

P「ええあれですよ早く出してくださいよ」

小鳥「こないだ踏んづけちゃって……パリって……」

P「はい?」

小鳥「だから今修理中なんです」

P「マジですか」

小鳥「大マジです」

P「……ったくつかえねえ鳥だなお前は!!」

小鳥「!?」

P「でもそんなところも素敵ですよね」

小鳥「え?」

P「ごほげほっ。危ない危ない」

美希「使えないんじゃしょうがないね」

P「そうだな。仕方ないからレッスンでも行くか」

美希は可愛いなぁ!

あらやだ間違えちゃった

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真「んー……朝かぁ……」

真「さてどうしようかな」

ガサッ

真「なに!?」

雪歩「んー……Zzz」

真「え!」

雪歩「まことちゃん……そこは……Zzz」

真「え!?」

雪歩「すー……Zzz」

真「……なんで?」

雪歩「んふふ……Zzz」

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真「かかか、カオススピアー!?」シュンッ

雪歩「Zzz……ばっ!?」チャリンチャリンチャリン

真「あ、ごめん間違えた」

雪歩「ま、真ちゃん?」

真「ごめん、大丈夫? 怪我はない?」

雪歩「うん? どうしたの?」

真「いや、なんでもないならいいんだけど、あはは……」

雪歩「んー……なんだか体が痛いような……」

真「あああごめんねボクのベッド硬めだからさ!」

雪歩「真ちゃんのベッド? え……?」

支援

雪歩「な、なんで私、こんなところに!?」

真「それはボクが聞きたいよ……」

雪歩「もしかして真ちゃん、帰るときにカオスコントロール使った?」

真「え、えぇと、うん」

雪歩「……」

真「雪歩?」

雪歩「たぶんそれだよ。私、それに巻き込まれちゃったんだと思う」

真「そうなの?」

雪歩「たぶん……なんで気づかなかったのかはわからないけど」

真「……わかんないなぁ」

真「……あ、もうこんな時間だ」

雪歩「うん、行こっか」

真「プロデューサーにちゃんと謝らないとね」

雪歩「うん」



真「カオス――コントロール!!」

支援

支援

歌詞レッスン中

美希「あーあー」

P「初めの『言いたいことさえ』からやるぞ」

美希「はい」

P「ミュージックスター――


シュッウォオオオオ


真「お、遅れてごめんなさいプロデューサー!!」

雪歩「はぁ……はぁ……ごめ……なさい……はぁ!」

P「遅かったな真。もっと早くくるかと思ったけど。っていうか大丈夫か雪歩?」

雪歩「だ、大丈夫じゃないれすぅ……うぇほっ……」バタンキュー

P「雪歩ぉ!??」

真「はぁ……ボクももうダメぇ……」バタンキュー

P「真まで!?」

P「おいおいしっかりしろよ二人とも。まさか走ってきたのか?」

真「えぇ……カオスコントロール中は電車も動きませんからね……自転車ならあったんですけど……」

雪歩「うぅ……」キュー

真「二人乗りはまずいかなって……」

美希「どうせ誰も見てないっていうか見れないのに律儀すぎるの」

真「へへっ……」

P「そりゃあここまで何キロあると思って……俺たちだって車だぞ? 逆に雪歩がここまで耐えられたのが不思議なぐらいだ」

真「それは途中、ボクがお姫様だっこしてきましたから……!」ビシィッ

美希「むぅ、雪歩うらやましいの」

P「へっ、そりゃ真もへばるわけだ」

真「はい……」

P「とまあ、へばってるところで申し訳ないが、始めるぞ」

真「ちょっと待ってくださいよ! 殺す気ですか!」

P「美希のためだ仕方ないだろ。文句なら昨日歌詞間違えた美希に言え」

美希「はえ? ミキのせい?」

P「当たり前だ。今日一日で頭にたたき込むからな覚悟しとけよ」

美希「はーい」

真「はぁ……よっと。よっしゃぁ! 気合い、入れますよ!」

雪歩「くーZzz」

P「よし眠っちまった雪歩はおいといてだ。やるぞ!」

真美希「おー!」

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美希「あと少しだけ前に出て言葉かけられたならば」

P「そう、いい感じだ」

真「手を伸ばしたら届くほど近い存在なだけに」

『It's my first stage』

P「よしよしその調子」





Perfect Lesson

~♪ That was Tight!

P「やればできるじゃないか」

美希「これがミキの本気モードなの!」

真「やっぱり美希は凄いや。ボクも負けてられないな」

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