唯「みんながお湯をかぶって男の子になっちゃった!」(470)

http://imepita.jp/20090709/004170
の画像を見て思いついたネタ

~放課後ティータイム~

紬「唯ちゃん、お湯入れてきてくれる?」

唯「うん!」

いつもと同じ音楽室
いつもと同じメンバー
今日も紬が家から持ってきた高価なお茶とお菓子を振る舞う
だが、事件はその時起こった

唯「はい、むぎちゃん」

紬「ありがとう」

唯が紬にティーポットを手渡そうとしたその時である


唯「うわっ」

足を滑らせその場に勢い良く転げる唯
ティーポットは宙を舞い、蓋が外れ、皆の頭上に降り注いだ

律「うわっちー!」

澪「ああっつぅぅぅぅ」

紬「もう唯ちゃんったら、ウフフ」
唯「あっつーいー!!!!」

律「何やってんだよ唯!」

唯「えへへ…ごめん~」

澪「おぉあつ…まったく…」

紬「皆、大丈夫?」

紬のみあっけらかんとしていたが、他の3人はその熱さに悲鳴をあげた
と、同時に何か違和感に気付く

律「ん…」ゴシゴシ
目を擦り紬を見つめる律
唯「あれ?」
目をパチクリさせ律を見つめる唯
澪「お、おい」
目を見開き唯を見つめる澪
紬「あら?」
いつもと変わらぬ眼差しで澪を見つめる紬

皆「誰?あなた達…?」

皆「…えぇぇぇぇぇ!?」

何と4人は男の姿へと変貌していた

唯「みんながお湯をかぶって男の子になっちゃった!」
澪「な、なんだ何がどうなって…」
律「あれ?私髪型変わってないな…」
紬「一体これは…」

その時、音楽室の扉が開く音がした
入ってきたのは1年生部員の中野梓だ

梓「すいません、遅く…」

梓「…え?」

梓の顔に不安な表情が宿る

梓「あの…どちら様ですか‥?」

唯「あっ!あずにゃーん!見てよこれ~」ガバッ

いつもの調子で梓に抱きつく唯
しかし梓は激しい剣幕でこれを振りほどいた

梓「う、うわぁぁ!ちょっと誰ですか!?や、やめてください!」

唯「あ、あずにゃーん…」

ここは女子校、男子生徒などいるわけもない
どこからどう見ても不審な男子高校生4人組を梓は警戒した

梓「あ、あなた達何なんですか…!今先生に…」

そう言い残すと梓は音楽室を後にする

律「ふぅ…やれやれ」

澪「どうなっちゃうんだろ…」

紬「でも何だか面白そうね」ウフフ

紬だけが呑気に微笑んだ

やがて梓が息を切らせながらさわ子を連れてきた
さわ子はワケがわからぬまま音楽室に入る

唯「あ、さわちゃんせんせ~」

さわ子「さ、さわちゃん!?」

梓「勝手に私達の部室でくつろがないでください!」

律「あのな…梓‥」

梓「な、何で私の名前を!」

まったく話にならない
豪を煮やした澪がさわ子に状況を説明した

澪「ってわけで…私達は紛れもなく軽音部の4人なんですよ‥」

さわ子「ふむ…確かにどこか面影があるわね‥」

唯「うーん美味しい~」

最初は慌てて混乱していた唯も既にお菓子に夢中であった

梓「そ、そんなの信じられません!」

紬「梓ちゃん…」

唯「あずにゃ~ん!ほら、アーン」

普段の調子で梓にケーキをアーンする唯
その光景はいつもの軽音部そのものであった

梓「……あっ‥唯先輩‥」

姿は違えど梓の目には唯の面影が映った

唯「あずにゃーん!やっと信じてくれた~」

再び梓に抱きつく唯

梓「ちょ、ちょっと!やめてください!」

とはいえ男に抱きつかれている事に変わりはない
梓は再び抱きつく唯を振りほどいた

さわ子「とりあえず、信じるって事でいいかしら?梓ちゃんも」

梓「は、はい…」

律「ふーよかったぁ」

澪「…全然よくないけどな」

さわ子「何かいつもと変わった事は無かったの?」

唯「えーっと、いつもみたいに普通にお菓子食べて~お茶してて~」

紬「唯ちゃんがティーポットを引っ繰り返しちゃったくらいね」

梓「わ、私先輩達がずっとこのままなんて嫌ですよ!」

さわ子「そうねぇとりあえず」

澪「とりあえず…?」

さわ子は4人の姿に目をやる

さわ子「その姿、不気味だから着替えてくれる?」

そう、4人はずっと男になってからも今までの制服を着ていたのだ
確かにその姿は不気味としか言いようがない

律「いや…でもそんな事言っても着替えなんかないし」

澪「今日は体育無いからジャージも持ってきてないし…」

さわ子「ふっふっふ…」

(暗黒微笑)を浮かべるさわ子
取り出したのは1つのトランクであった

唯「何ですかそれ?」

律「なんかヤな予感…」

紬「ワクワク」

さわ子「こんな事もあろうかと作っておいたのよ~!」

さわ子「桜高制服男子Ver!」

取り出したのはブレザーの男子制服である
ネクタイの色などは唯達の学年の色だ

律「どんな事だよ…」

さわ子「ほら!着てみなさい!」

澪「で、でも…」

紬「私、着てみたいで~す!」

唯「あはっ私も私も~!」

澪「えぇ!?」

律「お前らなぁ…」

直ぐ様そこで着替えだす唯、スカートを脱ぎブラウスを脱ぎ捨てる

梓「ちょ!ちょっと唯先輩!!」

顔を真っ赤にしながら怒鳴る梓
普段は女子校であるがため皆恥じらいなくその場で着替えるが、今は状況が違う

唯「あ!そっかそっか」

紬「唯ちゃん、奥で着替えましょ」

紬が優しく微笑む

唯「ほ~い!」

梓「し、信じられません!無神経です!不潔です!」

梓の怒りは尚も納まらず唯にむけられていた

さわ子「ほら、あなた達も着替えないの?」

澪「そ、そんな事より元に戻る方法を…」

律「あー澪…」

澪「律!お前からも…」

律「…とりあえず私らも着替えようぜ?確かに不気味だこりゃ」

澪の姿と鏡に映った自分を見て律は呟いた

唯「じゃーん!」

紬「ど、どうですか?」

着替えを終えた唯と紬が出てくる

さわ子「よく似合ってるじゃなーい!いい男よ~」

さわ子の目にどこか怪しい輝が灯る

梓「はぁ…何でそんな呑気なんですか皆さんは…」

律「おーい、どうだ?」

澪「……」

着替えを終えた律と澪も奥から出てくる
嫌がっていたわりに、澪はネクタイまできちんと締め
律は律でカッターは着ずにブレザーの下にパーカーを着込んでいた

唯「あはっ似合う似合う~!」

紬「2人共よく似合ってるわ」

梓「……」

さわ子「ん~やはり私の目に狂いは無いわね!」

尚もどこか怪しい目で2人を見つめるさわ子 
一方梓は着替えた澪を見てから急におとなしくなっていた

唯「ねぇりっちゃん」

律「あん?」

唯「なんか股の辺りが落ち着かない…」

梓「!!」

律「あー…まぁそりゃ初めてついたもんだしなぁ」

澪「……」

紬「そうねぇ、落ち着かないものねぇ‥この…」梓「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

すかさず台詞をかき消す梓
しかし無理もない、唯達が着替えたのは制服だけで下着はそのままだった

律「なぁさわちゃん、下着ないの?」

さわ子「しまった…!うかつだったわ」

唯「なんか股に張りついてきもちわるぅいこれー」

梓「……」

澪「これから…どうしよう‥」

紬「大丈夫よ、きっとそのうち戻れるわよ」

澪「むぎ‥」

律「てか明日から学校どうすりゃいんだ?治るまで休むか?」

澪「バカ!そんなわけにいくか!」

梓「で、でもうちは女子校ですよ…大丈夫なんでしょうか‥」

唯「あ!女装していくとかは!?」

律「声でばれちまうよ…」

澪「う~ん…」

紬が皆に微笑む

紬「学校の方は任せて、今日中になんとかしておくわ」

澪「え?」

律「どうするんだ?」

紬「うふっ任せて」

唯「じゃあ明日はこの格好で登校だね!楽しみ~!」

澪「呑気だな唯は‥」

平沢家

唯「ただいま~!」

いつもと変わらず元気に帰ってくる唯
奥から妹の憂が出てくる

憂「?」

声が変わっているため姉とはわからずに憂は玄関に向かった
憂の目に映ったのは1人の男子高校生の姿

憂「あの~…どちら様でしょうか?」

唯「うい~私だよ!唯だよ~!」

憂「え?」

憂はこう見えて只者ではない
第六感でこの人物が唯ではないか?と言うことを感じ取っていた
姉が世界で一番好きな憂は直ぐ様唯の話を信じた

憂「う、うそみたい…一体なんで…」

唯「えへへ、それがわからなくてさ~りっちゃん達も皆なんだよ」

憂「えぇ!?そ、そうなんだ…」

唯「とりあえず明日はこの格好で学校いくよ!」

憂「大丈夫なの…?怒られない?」

唯「むぎちゃんが何とかしてくれるんだって~!」

憂「そうなんだ、紬さんなら心配ないねお姉ちゃん」

唯「ちがうちがう憂~」

憂「え?」

唯「今はお兄ちゃんだよ~」

憂「お、お兄ちゃん」

唯「そうそう~!」

憂「えへへへ」

唯の事が大好きな憂は姉が兄になろうと変わり無かった

田井中家

律「たっだいまー」
澪「お、お邪魔します…」

どんな顔をして家に帰っていいのかわからない澪は、律の家に今晩泊めてもらおうと付いてきていた

奥から弟の聡が出てくる

聡「はーい、えっと姉はまだ学校で…」

高校生らしき2人組を見て律の知り合いか何かと思い、聡はそう答えた

律「あー…あのな聡」

聡「え?」

澪「……」

律は音楽室で起こったあらましを聡に説明した

律「…ってわけなんだよ」

聡「じゃ、じゃあそっちは澪姉さん…?」

澪「こんばんは聡君…」

聡「し、信じられにぃ…」

聡は自分のホッぺをつねる
夢でないのを確認し律に切り出した

聡「これからどうすんの?」

律「とりあえず母さん達には聡の友達が泊まりに来てるって事にしてくれ」

聡「いいけど…姉ちゃん達の事はなんて言うの?」

律「それは私らの顧問の先生に学校に泊まり込みで練習してますって電話してもらうから」

聡「わかった」

律「んじゃ私達部屋いくから」

澪「ごめんね聡君…」

聡「い、いえ」

律「あ‥それと聡」

聡「ん?」

律「トランクスかしてくれ!」

紬邸

紬邸では、既に紬が斎藤と話をつけていた

紬「よかった‥お父様もお母様も海外に出てて…」

斎藤「しかしお嬢様…まだ私には信じられません‥一体何故このような‥」

紬「斎藤、今はお嬢様ではなくてよ」

斎藤「申し訳ありません若様…学校の方はお任せください、後程話をつけて参ります」

紬「ありがとう斎藤…それと」

斎藤「はい若様」

紬「その…パ、パンツを‥!」

平沢家

唯「ういー!ういー!」

憂「なにお姉ちゃ‥お兄ちゃん?アイスなら夕飯の後だよー」

唯「おしっこ外れちゃったよ~!」

憂「え?」

そこには思いっきり便器からはみ出たおしっこの濡れ後があった

唯「えへへ…難しいねこれ」

憂「もーぉ私掃除しておくからお兄ちゃんお鍋見てて」

唯「は~い!」

翌日
平沢家

憂「お姉ちゃん、起きて~」

いつもの風景、唯の朝は憂に起こされる所から始まる

唯「うぅん…もうちょっと‥後5分だけ~」

憂「あ‥お、お兄ちゃん遅刻するよ~」

唯「はっ!」

いつもと違うお兄ちゃんと言う呼び声に唯が目を覚ます
しかし唯は下半身に違和感を覚えた

唯「ん…なんだこれ」

憂「え?」

唯「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

憂「お、お姉ちゃ…じゃないお兄ちゃん!?どうしたの!?」

唯「お…おちんちんが…おちんちんが大きくなってるよ憂!」

憂「!!!」

憂は一瞬にして凍り付いた
いわゆる朝立ちであるが、父親以外のソレを見たことが無い平沢姉妹にとって驚きであった

唯「なになにこれ!ねぇ憂見てよ~!」

憂「で、でも…」

唯「うぅ…病気じゃないよね?」
憂「びょ、病気!?」

その一言は憂をいきり立たせた

憂「み、見せてお姉ちゃん!」

唯「うぅ…何なんだろうこれ…」
憂「気分は!?悪くない!?」

憂「今体温計持ってくるから!」

唯「あ、憂~」

憂が慌てて唯の部屋を飛び出す
唯が病気だとしたら大変だ、憂の頭にはその事しかなかった

唯「あれ?しぼんじゃった」

憂「お姉ちゃん!はい体温計!今救急車を…」

唯「憂~なんかしぼんじゃったよ」

憂「え…?」

またも唯のソレを覗き込む憂

憂「ほ、本当だ…」

唯「不思議な現象だね~」

憂「お姉ちゃん気分は?大丈夫?」

唯「平気平気~!早く行かなきゃ遅刻しちゃうよ憂」

憂「あ、うん!」

唯はさわ子にもらった制服を着込み憂と共に駆け足で家を出た

律の部屋

律「澪、ほらこれ」

律が聡から貰ったパンツを差し出す
少し派手な中学生にありがちなトランクスだった

澪「あ、ああ…」

律「ん?早く着替えろよ」

澪「で、出ててくれよ」 

普段は心許した律となら、恥じらいなく着替えもできる澪だが今日は違った

律「はぁ?何恥ずかしがってんだよ今更…」

澪「う、うるさい!いいから出てろ!」

律「ったく…」

琴吹邸

紬「このトランクスというのはスースーするわねぇ…」

紬「昨日調べた所ブリーフは小学生までらしいし…」

ピルル
斎藤「お嬢様」

部屋に配置されている無線機に斎藤から連絡がはいる

紬「斎藤、どうもその…トランクスというのは落ち着かないわ‥」

斎藤「なるほど、ではこういうものはいかがでしょう若様」

メイド越しに送られてきたのはボクサーパンツであった

斎藤「いかがですか?」

紬「まぁ!ぴったりよ!」

斎藤「それはようございました」

唯・憂通学サイド

憂「ほらお兄ちゃん、ネクタイ曲がってるよ」

憂「ほら、ここも撥ねてるし」

唯「えへへ…慌てて出たから」

和「あれ?憂?」

丁度唯達が歩く後ろに和の姿があった
憂の姿を確認しもう1人を唯であろうと確信していたがどうやら違うらしい

和(だれ…?まさか憂に彼氏が?)

和が横目に憂達を見て通り過ぎようとしたその時である

唯「あ、和ちゃーん!」

和「え?」

その気の抜けた呼び方、発音は正に唯そのもの
幼なじみである和にはすぐわかった
しかし目に映るのは、幼さと可愛らしさこそ残っているものの男子高校生である

和「えっと…」

憂「あ、和さんおはようございます」

和「おはよう…こちらは‥?」

唯「和ちゃん私だよ~唯だよ~」

和「は‥?」

唯「あのね~私」

憂「あ、お兄ちゃん!急がないとだよ!和さんも!」

和「あ…そうね」

和はこの人物が誰なのか謎を残しまま学校へと向かった

律・澪通学サイド

澪「はぁ…気が重い…どうなるんだろ‥」

律「まぁむぎが任せておけって言ったんだし平気だろ」

律「しかしさぁ、澪」

澪「なんだ?」

律「小便しやすいよなぁこの身体」

澪「……」

律「まぁ狙い付けるのは難しいけど、立ったまま出来るしさぁ」

そんな律の呑気な話を聞きながら、今日一日の計り知れない不安を胸に澪は学校へと向かった

紬サイド

紬「しゃらんらしゃらんら~」

皆より早めに家を出た紬
もう学校についており職員室の客間へと案内されていた

理事長「事情は斎藤様より伺いました」

校長「……」

理事長「ではあなた方4名を転校生として待遇、単位の方はそれぞれ同4名の方に振り替えますので」

理事長「よろしいですね?校長先生」

校長「はぁ…」

紬「ありがとうございます」

紬は微笑みを浮かべると理事長に向け会釈し、客間を後にした

律「お、むぎー」

職員室を出た所で律達が呼び掛ける

律「ここに来るまですごい注目されたぜ~」

澪「うぅ……」

律「澪がもう恥ずかしがって恥ずかしがってさ」

澪「し、仕方ないだろ!」

紬「ふふ、大丈夫先生方には話通ってるから」

律「そういや唯は?」

紬「それがまだ見てないの…早朝にメールで職員室に来てもらうように送ったんだけど」

紬は先程理事長から受けた説明をそのまま律達に伝えた

澪「よかった…これで単位は大丈夫だな」

律「クラスはどうなるんだ?」

紬「今まで通りよ」

澪「えぇ!私1人…」

律「ププ、頑張れよ澪ちゅわん」
紬「それと2人共、口調は男っぽくね!」

澪「むぎ…楽しんでないか‥」

唯「りっちゃんりっちゃん!オナニーってきもちいいよぉ」

律「なに本当か!?むぎもやってるのか?」

紬「私は斉藤のお尻専門ですから」


澪「くっ・・・おまえら」



梓「澪さん・・・よかったら私の下のお口で///」

女子校に男子が転校…

>>101
おとぼくだな。

校内

憂「お姉ちゃん、後1人で平気?」

唯「うんうん、また後でね憂~」
憂と唯は1階で別れた
1組以降の2年生クラスは全て2階である
1組である和は2人の会話に疑問を抱きつつクラスに入った

2-2(唯紬律のクラス)

唯「みんなおはよ~!」

ざわ…

最後に憂からお姉ちゃんと呼ばれた事で今男になっているという事実が、唯の頭から完全に抜け落ちていた

支援

「だれ?」
「どこの学校の子?」
「誰かの弟~?」
「かわいい~」

男子高校生にしては明らかに小柄になってしまう唯
そう言われても仕方なかった

唯「し、しまった…えっとぉ…」
ピルルル
不意に唯の携帯が鳴る

唯「あ、むぎちゃんからだ」

紬『もしもし唯ちゃん?』

唯「あ、むぎちゃん!よかった~」

紬『今どこ?朝職員室に来てってメールしたんだけど…』

唯「え?あ…ごめん見てなかった‥」

紬『今から先生と教室向かうけど、今どこ?』

唯「えっとね~実は既に…」

「むぎちゃん?」
「ひょっとして琴吹さんの弟!?」

唯「あ、いや…」

紬『もしもし唯ちゃーん?』

ガラッ
その時教室のドアが開いた

2-1(和澪のクラス)

澪のクラスでは既に澪の紹介が始まっていた
元々恥ずかしがり屋の澪がこの事態に平然といられる筈はない

担任「えっとそれじゃ自己紹介をしてもらえる?」

澪「は、はい!」

澪の脳裏に先程のムギの言葉が蘇る

紬「一応皆偽名になるから」

律「え?そうなのか?」

紬「男の子だしね、澪ちゃんは~」

ムギに言われた名前を思い出し、なんとか切り出した

澪「あ、秋山勝彦です!おおおねがいしまままます」

………

元々知っているはずのクラスメイト相手なのだが澪は顔を真っ赤にして緊張していた

担任「はい、それじゃ秋山君はあの席に」

和「え?」

席は和の隣であった

1-?(憂梓純のクラス)

担任「出席とりまーす、赤木さん~」

純「ねね、憂ちゃん」

憂の後ろの席である純が肩をつついた

憂「なに?」

純「今日男の子と登校してたって本当?」

憂「えっあ…う、うん」

2人のヒソヒソ話は斜め横の梓にも聞こえていた

梓「……」

純「えー!彼氏?ねぇ彼氏??」

憂「ま、まさか~あれはお姉ちゃ…」

純「え?」

憂「の友達だよ~」

純「なんだぁ、抜け駆けかと思ったよー」

梓(…唯先輩だ)

2-2(唯紬律のクラス)

担任「はい、席に着いた~席に着いた~」

担任に連れられ教室に入ってくる律とムギ
後ろでは唯を取り囲んだ集まりが出来ていた

担任「こらそこー」

「あ、やっば」

律「って唯…あっ」
律は慌てて口を塞いだ

紬(唯ちゃんもう来てたのね)

担任「お、平沢か?」

唯「は、はい」

担任「はい前来て前」

担任「えーっと転校生を~」

話の途中ムギがこっそり唯に呟いた

紬「唯ちゃん、名前なんだけど」

唯「え?」

紬「これ」

ムギは忘れやすい唯のため小さな紙に書いた名前を渡した

唯「平沢進…?」

担任「はい、自己紹介して」

唯「は、はい!平沢しんです!みんなよろしくね~!」

律「ばか…すすむだ‥」

紬「うふふふ」

紬「あっそうじゃないそうじゃない‥がっははは」

紬「こうかしら」

律「田井中貞利だーよろしくな!」

紬「ことぶき、光です」

いきなりの転校生であったが美少年3人組にクラスが騒ぎ立った

~休み時間~

「ねー貞利くんってどっからきたのー?」

「そのカチューシャかわいいね~」

律「ああ、えっと…」

律(こいつら…)

普段顔を合わせてるクラスメイト達、どうにも妙な気分であった

2-1
3時間目

澪「あ…やば英語の辞書私の机ん中だ…」

澪「ど、どうしよ…」

澪が挙動不審にしていると和が気付く

和「無いの?」

澪「えっあ、うん…」

和「はい、使っていいわよ」

澪(の、和ぁ~!)

和「…?」

澪「あ!ありがとう!」

OP「夢みる機械」
ED「白虎野の娘」

2-2
休み時間

紬「ああそれでね、僕はね~」

「あはは~光君面白い」

紬「この眉毛沢庵なんだよ」

「マジうけるー」

ムギの会話を少し離れて見守る2人

律「むぎの奴…キャラぶっこわれてんぞ…」

唯「むぎちゃん楽しそう~」

2-1
お昼休み

澪「あ!しまった…」

澪「お弁当無い…学食いくか…」

教室を出ようとする澪を数人のちゃらい女生徒が呼び止めた

「ねー学食?一緒に行かない?」
「うちら今日割引券もっとるねん」

澪「あ…えっと‥」

ふと1人でお弁当を広げている和が目にとまる

澪「あ…そうか私がいないから…」

「ほなアッキーいこかー!」

澪「ご、ごめん私…じゃない、僕ちょっと…」

澪「の、和!さん…」

和「え?」

お弁当の箸を止める和

澪「あの、よかったら学食で一緒に…」

和「あ、いいけど」

~学生食堂~

和「多いわねー」

澪「あ、わた…僕料理頼んでくる」

和「席取っておくわね」

券を買い列に並ぶ澪
ここでもやはり注目されていた

「ねね、あれ例の転校生じゃない?」
「本当だ」
「結構美形じゃん~」
「何組の子?」

澪「……」

自分が注目される事が大の苦手な澪、俯いたままであった

澪(明日は絶対弁当買っていく…)

時を同じくして律と唯も食堂にやってきた

唯「りっちゃん何食べる~?」

律「だからりっちゃん言うな」

唯「なんだっけ?覚えらんないよ~」

律「その喋り方も何とかしろ」

唯「えへへ、でもお弁当食べたのにまだお腹すくね~」

律「やっぱ男になったからだろうなぁ」

唯「あ、りっちゃんこれにしようよ!今日のスペシャルランチ!」

律「ばーか食いきれんのかよ」

律「ん?あれは…」

一応文化祭ネタもやるので時系列的に今10話と11話の間で頼む

律の目に映ったのは和と談笑しながらご飯を食べる澪の姿であった

律「……」

唯「ねぇりっちゃん~この特盛りカキフライ丼ってさ」

律「あ、ちょっと私あっち行ってくる」

唯「え?」

「あなたが噂の転校生君?」

不意に女生徒から声をかけられる唯

唯「え?あ、はい平沢しんです!」

「かわいーっ」
「ねねなんでこの学校来たの?」
唯「あーえっとその~」

和「へーっ楽器やってるの?」

澪「うん、ベースなんだけどさ」
向かい合って食べる2人の間に天ぷらうどん持った律がやってくる

律「ここいいっすかー!」

澪(げ!律!)

和「あら、あなたも転校生の…」

律「田井中貞利でーっす!」

律「いやーうちの勝彦がお世話になって」

澪「ば、バカお前」

和「あら、2人共知り合いなの?」

放課後
音楽室

律「いやーやっぱ疲れたなぁ」

唯「りっちゃんお昼からずっと寝てたじゃん」

律「あ?そうだっけ?あははは」

澪「……」
ガラッ

やや不機嫌な形相で澪が入ってくる

律「おう澪!やっぱここは落ち着くね~」

唯「あれ?むぎちゃんは?」

律「ああなんか改めて入部届け出さないとみたいでさ、今まとめて…」

澪「おい律!」

律「なんだよー」

澪「昼間のあれ!あんな事言ったら和に私らの正体バレるだろ!」

律「澪だってベースがうんぬん言ってたじゃん」

澪「う…」

律「それとも和とのランチタイム邪魔されて頭にきたとかー?」

ピクッ
澪の眉間に皺がよる
澪「そんな事言ってないだろ!」
唯「ちょ、ちょっと2人とも~」

さわ子「うーんいいわね…若い男の…はっ!いかんいかん…」

唯「さわちゃん先生~」

こんにちは中野梓です

まさか文化祭を前にしてこんなピンチを迎えようとは…

憂「梓ちゃんばいばい」

梓「あ、憂…ねぇ唯先輩達…」

憂「うん…」

梓「文化祭どうなるんだろ…」

憂「あのままじゃダメかなぁ?」

梓「えぇ!」

憂「演奏は出来ると思うし…」

梓「お、男になった先輩達があの歌詞を…」

梓妄想タイム

澪「ああ神さまっおねがいっ☆」

唯「ほーらホッーチキスでー止めちゃおう☆」

妄想タイム終了

梓「無い…」

訂正
「そーだホッチキスで綴じちゃおう」でした

音楽室

ガラッ
入部届けを出し終えた紬が音楽室に戻ってくる
その空気から律と澪がケンカしているのを察知した

紬「あらあらまぁまぁ」

紬「でも男の子のケンカは後に引かないさっぱりしたもののはず!」

唯「むぎちゃーん何ぶつぶつ言ってるの?」

紬「何でもないんだぜ、がはははは」

唯「がはははは」

梓「もう先輩達!笑ってる場合じゃないですよ!」

唯「おおあずにゃん~!会いたかったよ~」ガシッ

いつもの調子で抱きつく唯

梓「ちょ、ちょっと」

バチィィィン!
勢い良く梓の平手が唯の左頬にHITする

梓「あ…!つ、つい…」

唯「……」

梓「あ、あの唯先輩…」

紬「ゆ、唯ちゃん…」

お互い黙り込んでいた律と澪もこれには驚き顔を見合わせた

律「お、おいヤバくねこの空気…」ボソボソ

澪「せ、先生!」

さわ子「あ?」

そこには菓子を貪り堕落した美人教師の姿があった

唯「い…」

梓「ご、ごめんなさい唯先輩!」
梓「その…一応男性なのであの…」

唯「い…」

紬「唯ちゃん梓ちゃんも悪気があったわけじゃ…ね?」

梓「すいません…」

唯「痛くない!」

梓「は…?」

唯「いやぁすごいね~男の子になってからやたら身体が頑丈でさ~」

唯「ギターもなんか軽いしいいことづくめだよ~」

梓「も、もう!」

唯「えへへへ‥」

紬「よかった…」

律「んだよもー」

澪「びっくりしたぁ…よくは無いけど」

さわ子(誰か喰いたい…)

烈先生「鍛え 研磨すまされた肉体の肌から―――気娘の柔肌まで
     脱力を実現させた掌で打たれたなら 等しく痛いッッ
     ドカンと打たれたとき 花山さん
     赤ン坊とあなたではまるで痛みが違うでしょう
     ところがです ピシャンと打たれたなら
     赤ン坊と不死身の花山薫 痛みはまるで同等じなのです」 

徳川・花山「(ナ・ル・ホ・ド~~)」




帰路にて

唯「じゃあね、ばいばい~」

律「おーうまた明日な」

澪「またなー」

いつもの場所で別れる3人

律「なぁ澪、コンビニよってかね?腹減ってさ」

澪「はぁ?あんだけお菓子食べただろ…」

律「なんか炭水化物系が摂りたいんだよ」

唯帰路サイド

唯「はぁ…」

梓に叩かれた左頬をさする唯、少し赤くなっている
痛くない、などと言ったのは嘘であった

唯「あずにゃん、昨日から全然抱きつかせてくれないなぁ…」

唯「やっぱり、男になったせいなのかな…」

唯「ちょっと…つらいな‥」

本当はあの場で泣きたかったのだが、唯は部の雰囲気を崩してはいかぬと耐えていたのだ

セブン○レブン前

コンビニ前に到着した2人、急に律が入り口付近に座り込む

律「なあ澪、見て見て」

澪「何してるんだ…?」

律「よくいねぇ?こうやってコンビニ前でウンコ座りしてる連中」

澪「あぁ…いるな」

律「だろ?」

澪「ていうか、よく似合ってるぞ律」

律「なにをー!」

澪「アハハハ」

先程のケンカなどもう忘れたかのように笑い合う2人であったが
不意に横から声がかかる

DQN「おいてめぇどこ中よ?」

律「は?」

声の相手に振り向く律、そこにいたのは頭の悪そうな腰パンしすぎのガラの悪い高校生4人組であった

DQN2「あほ、中とちごうて高やろ」

DQN「でもこいつら中房くせえっすよ」

律「げげ…」

澪「り、律…」

澪が怯えながら律にすがる、明らかに絡まれたのがわかった

律「い、いやあの僕達は~」

DQN3「ここで何偉そうにたむろっとんや?」

DQ4「おいちょっと顔貸せや、ついでに金も貸せや」

律(やっべぇ…)

澪は震えて声も出ない

DQN「こいつ何プルプル震えてんだ?おいオカマ野郎!」

澪「ひ、ひぃぃぃぃっ」

DQN2「おい人が見とる、こっちや」

都合の良い廃墟跡

律(ど、どうする…どうする…)
澪「うぅ…」ガクガクガクガク

澪の震えが止まらない、律は意を決してリーダー格らしきDQN2に切り出した

律「あ、あの」

DQN2「あぁ?」


律「お、お金なら渡すから…見逃してくれませんか?」

DQN4「金はもろとこ!」

律は財布の中身(1487円)全てを渡した

律「じゃ、じゃあこれで」

律「おい澪、いくぞ」

澪「う、うん…」

よかった…律が安堵したその時

DQN2「待てや」

律「え?」

DQN2「ワシは金よこせなんか言うとらんで」

律「え…あーでも」

DQN2「ワシの望みはこれだけや」
不意にDQN2の右フックが律の顔面目がけて飛んできた

律「おわっ」

律はとっさに後ろに退け跳ぶ、これでも身軽さは軽音部一だ

DQN2「ほう」

DQN2「お前ら塞げ」

DQN共「へい」

DQN連中が入り口を塞ぎ始める

律「澪!逃げろ!」

澪「で、でも…」

律「いいから!」

DQN「オラッ」ファッ

律「くっ!(やはりダメか……)」

澪「ッッ!」ガタガタガタ

紬「……クロックアップ…」

クロッークアッープ!

ドカバシザシュッ!
吹き飛ばされるDQNたち

律「なっ…む、紬」

澪「」ポケー

紬「大丈夫?律ちゃん澪ちゃん この程度のなら身体能力の上がった私たちなら余裕よ がはははは」

DQN3「にがさへんで!」

澪を取り押さえようとするDQN3、その時である

律「こっのぉぉぉぉぉ!」

律の頭突きがDQN3の下顎にHITする
DQN3は焦点が定まらずその場に倒れこんだ

律「いってぇぇぇぇぇぇ!澪早く!!誰か呼んでこい!」

澪「り、律…」

澪は律が開いた突破口を駆け出す

律(なんか身体能力あがってね?勝てるんじゃね?)

律はそう思い始めていた

すると、全身に光をまとった男が現れた

澪「あ…あれは…!」
律「ムギ……!?」

紬は軽やかにDQNたちの攻撃をかわし、目にも留まらぬ動きで次々に敵を沈めていく

紬「これが新しく私に目覚めた力…そう…」


紬「裏不無ッ!!!」

平沢家

唯「ただいまぁ…」

憂「お兄ちゃんおかえり~」

梓に叩かれたショックと、もう女に戻れないのではという不安をようやく抱き始めた唯
明らかに元気の無い姿が憂を心配させた

憂「お兄ちゃんどうしたの?」

唯「え?いや何でも…」

憂は唯の左頬の赤みに気付く

憂「お兄ちゃんそのほっぺ…」

唯「憂…」

憂「な、なに?」

唯「もうお兄ちゃんって呼ばないで…」

憂「どうしたの…?学校で何かあった…?」

弱々しくうなだれている唯に優しく問い掛ける

唯「憂はさ…私が男のままでもいいの?」

憂「え…?」

唯は自分が男になってしまった為、梓だけでなく憂にまでも拒絶されるのではと考え始めていた

唯「私このまま戻れないのかな…」

憂「お姉ちゃん…」

唯「憂のお姉ちゃんに戻りたいよ…」

憂は少し考えた後唯に向かって言った

憂「私、平沢憂は」

唯「え…?」

憂「世界で誰よりも平沢唯を愛しています」

憂「誰よりも…」

唯「う、憂…」

憂「どんな姿になっても、私はお姉ちゃんが大好きだよ」

唯「憂~!」ガバッ

憂「もうお姉ちゃん、苦しいよ」
唯が憂に抱きつく、憂はそれを優しく抱き返した

唯「あれ?」

憂「お姉ちゃん?」

唯は下半身に違和感を覚える

勃起きたーーーー

澪「はぁ…はぁ…り、律…」

廃墟跡から逃げ出した澪、交番に行くべきなのだが気が動転しているせいか思い付かず
直ぐ様ムギに電話をかける

プルルル

澪「は、はやく…はやく…」

紬『はい、澪ちゃん?』

澪「む、むぎ!律が!律が殺されちゃう!」

紬『え…?』

廃墟跡

DQN1「どへぇぇぇ」

鼻血を吹きながら転がるDQN1、律の圧勝であった

律「へっへ、私こんなに強くなってんのか」

DQN2「次」

DQN4「お、俺は遠慮しときます…へぇ…」

逃げ腰になるDQN4にDQN2の怒りの鉄拳が入る

DQN4「ふぅぅぅべぇぇぇぇぇ」

鼻の軟骨が潰され地面に崩れ落ちた

律「お、お前仲間を…」

DQN2「やるやないか坊や」

律「ぼ、坊や?」

DQN2「どや?ワシとつるんでこのへんの高校しめへんか?」

律「はぁ?バカかお前…」

DQN2「ワシをバカ呼ばわりしたんはおまんが初めてや、やっぱおもろい小僧やないか」

律「興味が無い」

DQN2「ほなここで死んでもらおか、血祭りや」

律「血祭りって…」

だんだん律はバカらしくなってきていた
だがその時

平沢家

唯「な、なんか…」

憂「この硬いのって…」

唯「うん、なんかだんだん硬くなって大きく…」

唯のソコは何故か限界超に勃起していた
憂を抱き締めた時、極度の興奮状態に陥った所存である

憂「あ、朝と同じ…だね」

唯「なんかさ…これ触るときもちが…」

憂「え?」

唯「うい~うい~」シコシコシコシコシコシコ

憂「お姉ちゃん~お姉ちゃん~」クパパクパクニクニ

憂「……」ドキドキ

唯と憂には性に関する知識はほどんどない
朝の出来事の通り勃起が意味する事も理解出来ていないだろう

憂は恐る恐る唯のソレに手を伸ばす、スボンの上からだが浮き上がったソレはよくわかった

憂「す、すごいこんなに…」

唯「ねぇ憂…今、すごく…」

憂「な、なに?」

唯「憂を…こうしたい気分…」

リビングの真ん中で唯は憂を押し倒した…

性に関する知識は無くとも人間には本能がある
お互いの本能は今合致した

憂「お、姉ちゃん…」

唯「憂…」

少し男らしく憂の名を呼んでみる
憂にもそれがわかったらしく顔を赤らめた

唯の顔が憂に近づく
憂も何をされるのか理解し、唯を待つ
お互いの唇が、軽く触れる…

1度目は軽く
2度目は…

また廃墟に戻るのかよー

廃墟跡

DQN2「ぼらぁぁぁぁ!」
律「うおっ」

DQN2は破壊力だけでなくスピードもあった
とっさに律の後ろに回り込みチョークスリーパーをかけてきたのだ

律「うぐぐぐっ…」

DQN2「はははは、もがけ…苦しめ…窒息等生ぬるいことはせん」

DQN2「このまま首の骨を…」

律「うらぁ!」ゴッ

とっさに頭を突き出しまたも頭突きを放つ律
DQN2の手が一瞬緩む、それを見逃さずチョークスリーパーから脱出した

律「はぁ…はぁ…」

あのままもがいていたら死んでいただろう
律はいかなる時も引き下がったら終わりな事を本能で感じ取っていた
いや、この男となった身体が教えてくれていた

DQN2「やるのう…」

平沢家

力強く…

ねっとりと卑猥な音が屋内を包み込む
口の中でお互いの唾液が交換される
1分程であろうか、2人は初めて口と口、舌と舌を絡めキスをした
幼い頃にした子供のチューでは無い
大人の甘く切ないキスであった

憂「ぷはっ…お姉ちゃん…もっと…したい…」

唯「憂…」

唯は憂の上着に手をかける
服を脱がし、部屋着のズボンを脱がせる
見慣れた憂の下着姿が目に入る
しかし今日はいつもと違う、いつもと違う目でこれを見る唯

憂「お…姉ちゃん‥恥ずかしい…」

その恥じらう憂の姿に、唯の頭から完全に理性が吹き飛んだ

唯「う、うい!」

憂「お、お姉ちゃん?」

ブラを上にずらしおへその上から胸に舌を這わせる唯

憂「あっ…お…お姉…ちゃん‥」
胸に到着した舌を更に乳首に這わせる
ピンク色をした憂のそれは既に硬くなっていた

唯「憂、きもちい?」

口に含み吸ったり舐めたりしてみせる唯

憂「き…ぁっ…もち…ぁやっ…もちいぃ…」

胸を味わいつつ、唯の右手はパンツに向かっていた

パンツの上から憂の割れ目をなぞる
唯もオナニーくらいはした事ある、女の子のツボはわかっていた

憂「やっ…お、お姉ちゃん…恥ずかしいよぉ…」

唯「ちゃんと濡らしておかなきゃね、憂」

少しほほ笑み憂に語り掛ける唯
憂もここに何が入るのか、今はもうわかっていた
少しの不安を感じたが、唯の笑顔がそれをかき消した

紬『お、落ち着いて澪ちゃん!』

澪「どうしよう私…は、早く…律が‥どうしよう…」

紬『今どこ!?すぐそっちに行くから!』

澪「い、今…今…セブン○レブンの…」

紬『わかったわ!すぐ行くから!』
プープー…

澪「………」

澪の脳裏に自分を庇い逃がしてくれた律の最後の笑顔が甦る

澪「…行かなきゃ……」

澪「律…律‥!」

澪は廃墟跡へと引き返した

憂のパンツに手をかけ足元に向け下ろす唯
完全には脱げずに、左足首の少し上で引っ掛かる

憂の割れ目に指を軽く入れる唯、憂は恥ずかしさと気持ち良さで声も出ずに固まっていた

唯「憂、かわいい声聞かせて」

その台詞と同時に自分の顔を憂の割れ目へともっていく

憂「お、お姉ちゃん!?だ、だめだよそんな所…ぁっ…だっだめだよ…っぁ‥汚いよそんな所…」 

唯が膜の張った憂の秘部に舌を入れる
指とは違う生々しく暖かいそれに憂は再び喘ぎだす

りっちゃんはそろそろアナル処女失うよ

憂「はぁっはぁっはぁっ…お姉ちゃん…私‥もう…」

唯「うん…私も…もう無理…限界‥」

十分に濡れた
唯はそう思った
もう大丈夫…もう大丈夫…

唯はズボンを下ろしパンツを脱ぐ
焦ってこけそうになる姿に憂が微笑んだ
やっぱりお姉ちゃんだ…と

澪「はぁ…はぁ…律…今行く…」

憂とはまた違う吐息を洩らす澪
廃墟まわりにあったバケツ、鉄パイプ、ガラスのマキビシで戦闘準備は万全だ

澪「律!」

怒号の声でわめきながら突入する澪、しかしその目に映ったのは倒れこんだ律の姿であった

澪「り、律…あ…あ‥」

澪「りつぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

律「死んでねーよバカ!」

倒れた律にすがり、泣きじゃくる澪に律が声をかけた

澪「え…」

律「みぞおちに食らって気絶しちゃったんだけどこいつがさ…」

DQN2「動かん相手に止めをさすのは好かん」

律「ってさ」

澪「え?」

澪「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

律と澪のすぐ近くにはDQN2がいた
気付かれずに澪に泣かれたDQN2にはどこか哀愁が漂っていた

憂「お姉ちゃん」

唯「うん?」

憂「大好き」

唯「私も」

唯が憂に覆い被せになる

唯「入れ…るよ…」

憂「う‥ん」

憂は目を瞑り口をキュッと閉じている
初めての感覚…未知の世界…

今…唯と憂が…1つになる

DQN2「決着をつけるぜよ」

何かなまりが変わってきているが気にしない
数回拳を交えただけだがDQN2の性格はよくわかった
律はこの勝負、逃げる事は出来ないと悟った

律「澪」

澪「や、やめろ律!逃げよう!」
律「澪、下がってろ!」

律「私…この勝負に勝ったら澪に…」

澪「え…?」

律の決意が固まった

律「いくぞっ!DQN2!」

DQN2「ぼらぁぁぁぁぁ」

憂「いっ、いたいっ…いたっ…」

唯「え!?う、憂…大丈夫?」

憂「大丈夫…ごめんね大丈夫だよ…」

唯「……」

憂の苦痛を浮かべた表情が、唯を不安にさせる
自分の欲求を満たすために憂に辛い思いをさせているのではないか、と…

唯「…憂‥やっぱり…」

憂「お姉ちゃん」

憂が引き止める

憂「えっと…その…」

憂「お、お姉ちゃんの…ちょうだい…」

またもや唯の理性は吹き飛んだ

廃墟跡

お互いに宙を舞う
DQN2の右ストレートが一歩早く律に飛ぶ

律「これを…かわして…」

律「左のクロスで勝負だ…!」

DQN2の右ストレートをかわし予め出していた左手をクロスさせる
必殺クロスカウンター!
だが律予想は甘かった

ヒュンッ
律「な…!」

DQN2はクロスカウンターをかわす
既に身体は律の下にあった

DQN2「そう来るなら仕方ないぜよ」

パカーン

下から勢いよく左アッパーが律の顎入る

律「うぐっ」

下顎にヒットした律はその場に倒れこんだ…

澪「り、りつ…?」

澪「りつぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

律「く、来るな澪…まだ…」

既に焦点は定まらない律にDQN2は歩み寄る

DQN2「止めさしちゃるばい」

澪「や、やめて…やめて!やめてぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

その時である

平沢家

唯「はぁ…はぁ…ごめん…もう我慢出来ない憂!」

唯は理性こそ吹き飛んだものの、憂が痛がらないよう
怖がらないよう、精一杯優しく、ゆっくりと挿入した…

憂「いっ…いっ…うっ…お…お姉ちゃん…大好き…」

唯「憂!私も!私もだよぅ‥」

憂の処女膜が破ける音

唯のソレは憂の奥に達した

廃墟跡

廃墟跡の入り口が開く…
その先に映る姿…
ブロンドの髪をなびかせた少年…

紬「はっ‥はっ‥」

澪「むぎ…?むぎ!!」

律「な、なに…」

ふらつく頭を起こし律も入り口を見つめる

DQN2「はぁんお仲間かい、すぐに相手しちゃるけんそこで…」

傷ついた友人、泥まみれ汗まみれになった友人がむぎの目に映る

むぎもまた…理性が吹き飛んだ…

紬「てめぇ…この落とし前つけてもらうぜ…」

普段のそれとは比べものにならない、むしろ真逆の剣幕

百合の話をする時以上にむぎの表情が燃え上がる

澪「むぎ…?」

律「や、やめろむぎ…」

止めに入ろうとする律

紬「りっちゃん…女の子が…顔に傷なんて…」

更にむぎの戦闘力が上がる
元々アンプを超軽々汗一つかかず運ぶこの少女
素質は十分にあったのだ

DQN2もこのただならぬ殺気を感じ取る
達人同士にしかわからぬこの気配
DQN2「!!」

DQN2「武道家として…是非手合せ願いたい」

DQN2のなまりが消える

紬「ふん、只の屑では無いようね」

………
……


紬「破ぁ!」

勝敗は一瞬であった

平沢家

リビングには全裸の唯と憂が鎮座していた

唯「はぁ…」

憂「お、お姉ちゃん元気出してよ…」

唯「うぅ…ごめん憂‥」

~回想~

唯「は、入った…入ったよ憂…」

憂「う、うん…お姉ちゃ…んっ…ぁっ…ん…ぁっ…」 


唯「す、すごいよ憂…これ…って…うあ!」ズポっ


動きすぎた唯は勢い余ってソレが憂のアソコから抜けてしまった…
また抜けた衝撃でイってしまっていた‥

憂「またしようよお姉ちゃん、ねっ」

唯「うぅ…憂~!」

こうして平沢家の夜は更けていった

廃墟跡

紬「りっちゃん大丈夫!?今救急車を…」

律「平気平気、最初は顎に当たってふらついたけどさ」

律「ちょっと舌噛んだだけだし…こいつこう見えてそんな悪い奴じゃ…」

律は血反吐を吐き転がったDQN2を見つめた

澪「うわぁぁぁぁりつぅぅぅぅぅぅぅりつぅぅぅぅぅぅ」

律に泣きながらすがりつく澪

律「お、おい」

紬「ふふ、それじゃあ私お邪魔だから帰るわね」

律「え?あ、ちょっと…」

紬「大丈夫、この方達はすぐに病院に搬送してもらうわ」

紬「じゃあねっ」

律のお部屋

律「あいててててててて!」

部屋で澪に手当てを受ける律
幸い怪我は舌と口を少し切っただけであった

澪「おいあんまり騒ぐとおばさんが…」

律「わ、わかってるよ…」

律「……」

澪「……」

無言の空気が流れた

澪「なぁ」律「なぁ」

2人の言葉が重なる

律「な、なんだ?」

澪「り、律から言えよ」

律「はぁ?澪のが早かっただろ!なんだよ?」

澪「いーや律のが早かった!早く言えって!」

律「絶対言わねぇ!」

澪「じゃあ私も!」

こうして2人の夜は更けていった

むぎちゃんのお部屋

斎藤「あの技の出来はどうでございましたか?お嬢さ…失礼、若様」

紬「いいわよ、お嬢様で」

斎藤「左様でございますか」

紬「やっぱり私、女の子のがいいな…」

斎藤「お嬢様…」

紬「あ、でもせっかくだしもっと色々教えてもらおうかしら!」

斎藤「ではこれ等いかがでしょう」

紬「これは何という技なの?」

斎藤「牙突」

こうして琴吹家の夜は更けていった

~1週間後~

放課後音楽室

梓「文化祭まであと5日…」

律「だなぁ…」

紬「そうねぇ」

唯「う~ん」

澪「……」

さわ子「おいお茶」

この1週間、様々な方法で先輩達が元に戻る方法を試行錯誤しました
しかし結果は得られず…

梓「先輩達真面目に考えてますか!?」

律「そうは言うがな梓」

唯「この身体生理が来ないし結構便利だよあずにゃん!」

梓「……」

唯「でもあずにゃんに抱きつけないのは辛いなぁ…」

徐々に擦り寄る唯

梓「べ、べつにいいですよ…」

唯「え?」

梓「そ、そんな事よりまだ試してない方法は無いんですか!」

紬「そうねぇ」

澪「あ…」

律「ん?」

皆「またお湯をぶっかける!?」

澪「う、うん」

紬「そういえば試してなかったわね…」

律「更に男っぽくなるんじゃねぇだろうな!?」

唯「りっちゃんもう十分男っぽいよ~」

律「うっせー!」

梓「でもお風呂じゃ反応しないんですよね?」

澪「前はこのティーポットのお湯を…」

梓「熱そう…」

律「まぁモノは試しだ」

お湯を準備するむぎ
構える唯

唯「いっくよー!」

律「お、おい冷ましたか?」

唯「平気平気~」

律「平気じゃねぇよ!」

澪「じゃ律、頼むな」

律「俺かよ!」

梓「すっかり男子ですね…」

紬「大丈夫りっちゃん、水もあるから~!」

律「……」

唯「いくよ~うわっ」ズルッ

またも盛大に転ぶ唯
そしてポットは…

澪「えっ?あっちょっと!」
バシャん
澪に降り掛かるお湯

澪「あぁぁぁぁぁつうううううううううううういいいい!」

律「ダメか」

梓「はぁ…」

唯「ご、ごめん澪ちゃん~」

紬「澪ちゃんお水よ!」

むぎはバケツに組んだ冷水を澪に振り掛けた

そういや水はかぶってないわな

ぐしょぐしょになる澪

唯「濡ちゃん澪れ澪れだね~」

律「あっはははは」

梓「……ププッ」

紬「あらあら」

澪「おーまーえーらーぁ!」

澪「あ…」

唯「あっ!」

そこには現役女子高生秋山澪の姿があった

律「マジかよ!?」
紬「澪ちゃん!」

梓「み、澪先輩…」
何故か少しがっかりする梓

唯「澪ちゃんだーっ!」

澪「も、戻れた…」

律「おい次私だぞ!」

唯「えー私~!そしてあずにゃんにチューするのチューを~!」

>唯「えー私~!そしてあずにゃんにチューするのチューを~!」
憂「…!?」

そして全員元に戻る軽音部メンバー

唯「なんだかんだで楽しかったねこの1週間!」

律「疲れたよ‥なぁ澪」

澪「……」

律「澪?」

澪「え?あ、そうだな」

紬「不思議な体験だったわね」

梓「本当ですよ、文化祭間に合わなかったらどう…」

唯「私お茶入れてくるね!」

律「いやー久しぶりに家帰れるな澪!よかったなー」

澪「うん…」

梓「澪先輩急に元気なくなりましたね」
梓がむぎにヒソヒソと語り掛ける

紬「うふふ、それはきっと男りっちゃんに二度と」

唯「皆おまたせ~!うわっ」ズルッ
デジャヴとはご存じだろうか

唯「永遠にループする~」

唯「うわっ」

足を滑らせその場に勢い良く転げる唯
ティーポットは宙を舞い、蓋が外れ、皆の頭上に降り注いだ

律「うわっちー!」

澪「ああっつぅぅぅぅ」

紬「もう唯ちゃんったら、ウフフ」
唯「あっつーいー!!!!」

律「何やってんだよ唯!」

唯「えへへ…ごめん~」

澪「おぉあつ…まったく…」

紬「皆、大丈夫?」

紬のみあっけらかんとしていたが、他の3人はその熱さに悲鳴をあげた
と、同時に何か違和感に気付く…

唯「みんながお湯をかぶって男の子になっちゃった!」

唯「私達の正体ってどっち?」

澪「り、りつぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」

これで本編は終わりで…
この後自由に変身可能になり原作11話に繋がっていくかんじにしたかった

とりあえず昨日の昼から寝てないので休憩する!
続編っていうかこの後の番外的な話は需要あれば書く

このスレは落としちゃってOKです

>>1
投下頻度凄いな

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