男「...変わらなきゃ、ダメだ」 (13)




チュンチュン...

男「...うぅっ、陽射しが痛い」

男「...9時か、早いな」

俺は男。一応はなりたてほやほやの大学生である。...なんだけど俺は大学に入学式と二日目から行ってない。てか行きたくないのだ。
理由は、実に下らないと思う。
一つ目は、俺は友達がいない。
二つ目は、大学にはすんごくリア充どもが多いのだ。
入学式もぼっちでキツかった。
二日目にはリア充どもを見た。
これだけで俺は大学に通うのをやめた。
自分でも自覚がある、ダメ人間だ。
そろそろ単位もまずい頃なんだが、今更いく気も起きない。このまま退学しちまおうかとも思ってる。
生活費は高校の時アルバイトで稼いだ金があるので、取り敢えずは生きていられるがそろそろ底を尽きそうだ。
高校の時は少しの友達はいたからなんとか学校には通えてた。けど俺は糞みたいに頭が悪かったので、こんな地方のFラン大学に入学した。
...行ってないけど。よってある程度頭の良かった友達達は地元の大学に進み、俺だけこっちに来たわけだ。


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男「...飯買いに行こう」

ーコンビニー

店員「いらっしゃいませー」

俺の住んでるアパートはボロくて家賃も格安だが、コンビニがまどなりにあるのが救いだ。

店員「ありがとうございましたー」

コンビニでは、カップ麺とコーヒーを買った。後数週間後にはコーヒーを買う余裕がなくなるかもしれない。

男「...」ガチャ

家に帰って来ても、当然誰もいない。
正直実家が恋しい。
行ってもいない大学の近くに住んでいるよりも、いっそ実家に帰った方がいいのかもしれないけど、それは無理だ。男の沽券に関わる。

俺は親の静止を振り切って、この町に越してきたのだ。
大学に入れば、なにかが変わる気がした、けどやっぱり自分が変わらなきゃどうしようもないとわからされた。
かといって変わる気もないんだけど。

男「さて2ch...の前にアルバイト探してみるか」

こうやっていつもアルバイトの求人を見ても、結局自分に合わないだの時給が低いなどと思って誤魔化す。
本当にクズだ、と自己嫌悪に陥るがけど、やっぱり働くのは面倒くさい。

それでも、取り敢えず探そう。求人欄を見ても、やっぱり出てくる結果は同じで。虚しくなってページを閉じて2chを開く。もっと虚しくなった。

けど、2chを見てる間はなんだか落ち着く。なんか、こう、俺以外にもニートはいるんだなって思う。
スレを覗いてると間違ったことを言ってる奴や、言葉の使い方を間違えている奴を見つけると必ず「知ったか乙」や「コミュ障乙」などと書き込むのが俺の毎日の日課だ。けど実際コミュ障なのは俺だ、きっと同族嫌悪なのだろう。

そんな下らないことをしているとあっという間に夜になる。
昼飯は金が無いのでいつも抜く。夜は仕送りで送ってもらっている米を炊いてふりかけやら醤油やらをかけて食う。以外と美味いので飽きない。
晩飯を食い終わると暫くネトゲをしてから寝る。ネトゲは人気のMMOなのだが、やっぱり課金厨には勝てない。ネトゲの中でも最強になるのは無理みたいだ。

男「...今日は四時か」

昨晩ネトゲをやり過ぎたせいか、夕方に起きてしまった。
面倒だけど、食べないのはもっと嫌なのでその辺にあった服を着て、飯を買いに行く。
玄関で財布の中身を確認したら本当に大ピンチなので、今日はもやしでも炒めて食おう。
もやしはコンビニには無いので今日は近所のスーパーに買いに行くことにした。


店員「ありがとうございましたー」

もやしだけを買って帰る。二袋で58円だった。
店から出たところで雨が降ってきた。
予報には無かったので傘を持ってない、濡れたくないので早く帰ろう。


男「ふぅ...ん?」


アパート前にくるとこの雨の中、制服のおんなのが道の真ん中でぶっ倒れている。
知らんぷりしていこうとしたが、これで死なれては後味が悪いので病院に連れて行こう...と思ったけど、病院は俺のアパートからは無茶苦茶遠い。車などは持ってないので仕方無く家に上げることにした。
...絵面的に見るとさらってるみたいなので近所の人が見てなきゃいいけど。

取り敢えずその女子高生?を家に上げた。
制服だったのでなんかこう、色々とすごいことになっているが、俺は紳士なのでやましいことは何も考えてない、本当に。
さてどうしよう...と考えているといきなり女の子が飛び起きた。

女の子「うぐっ!?」

男「あのぅ...大丈...」

女の子「とっ、トイレ!トイレはどこですかっ!?」

男「ああ、そこ曲がって左...」

女「ちょっとお借りします!!」

男「おお...」

なんだかよくわからんけど女の子はトイレに駆け込んでいった。

ジャバババ ガチャ

ちょっとしたら女の子がトイレから出てきた。

男「...あの、大丈夫、か?」

女の子「ふぅ...いやーあなたのおかげで助かりました...」

女の子「あのまま放置されてたら私、車にひかれるか変態に連れ去られてましたよ」

男「お、おう、それは良かった。で、どうしてあんなことになってたんだ?いったい」

女の子「あ、それなんですけど、私生理がとっても重いんですよね」

男「お、おう」

女の子「で、今回も御多分にもれず重かったので、貧血で倒れちゃったみたいです」

男「な、なるほど」

女の子「なので本当に助けていただきありがとうございました」フカブカ

男「そ、そりゃどーも」

その女の子はというと背はちょっと小さ目で長い黒髪の娘だった。

男「と、取り敢えずこれでも飲んで...」コトッ

とトイレに入ってる間にいれておいた仕送りのお茶を差し出す。

女の子「あ、ご丁寧にありがとうございます」ズズッ

男「...んで、どうやって帰るんだ?家近いのか?」

女の子「んー...結構遠いです」

男「んじゃ親にでも迎えにきてもらうか?」

女の子「いえ、私の両親海外出張でいないんですよ。だから一人暮らしなんです」

男「そ、そうなのか...じゃあ電車かなんかで送って...」

女の子「いえ、私ここに住みます」

男「...え?今なんて...?」

女の子「私ここに住みたいです!一人暮らしも飽きたところなんでここに住みます!」

男「...はぁ!?ちょっと待てアンタ!いきなり今日ばっか会った奴に同居宣言て...正気か!?」

女の子「はい正気です!一人暮らし寂しかったんですよ」

男「お前、もし俺が強姦とかだったら...」

女の子「大丈夫です!あなたはそうは見えません!雑草みたいな感じです!」

男「どんだけ図々しいんだお前!?」

女の子「私料理とか出来ますよ?」

男「そういう問題じゃねえよ!!」

女の子「じゃ、これからよろしくお願いしますね」

男「勝手に決めんなよ!!」


.....こうして俺とこの娘の同居生活が始まってしまった。

いきなり頭オカシイこだな

〜一日目〜


女の子「...zzz」

男「...やっぱ違和感あるなこれ」

結局この娘は俺のうちに住むことになってしまった。昨日は洗濯だのの役割分担や住む上での決まりだのを決めた。特に外出については厳重に注意しておいた。
近所に見られたらたまったもんじゃない...。
しかし、今まで彼女なんかいたことなかったからなのか隣に女性が寝てるのは物凄く違和感がある。...もちろん布団は別だが。
狭いアパートなので女の子にあげられる部屋もないの、なので一緒の部屋で寝ているが...俺の理性がいつまで持つか。

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