京子「ゆいきらい」 (34)

結衣「はいはい」

京子「あれ、結衣って私に嫌われても平気なの?」

結衣「また冗談なんだろ?」

京子「ちぇーっ」

ちなつ「もう、京子先輩、結衣先輩を困らせちゃ駄目ですよ!」

京子「ちなつちゃんは優しいなあ!ちゅっちゅしてあげよう!」

ちなつ「いりません」

あかり「あははは」

京子「おっと、そろそろ下校時刻だね」

結衣「だな、じゃあそろそろ帰るか」

ちなつ「はい!」

あかり「うん!」

結衣「京子、今日は普通に家帰るの?」

京子「うん、毎日泊ってたら悪いしね」

結衣「そっか、じゃあ今日はご飯簡単な物で良いかな」

京子「ちゃんと栄養の事も考えろよ~?」

結衣「はいはい……」

~結衣宅~


結衣「……と言いつつ、カップラーメンで済ませてしまった」

結衣「まあ、片付けの手間がかからないしね」

結衣「さて、お風呂入れてる間に宿題終わらせておくかな……」カキカキ

結衣「これくらいなら30分で終わるだろうし」カキカキ

結衣「ふー、いいお湯だった……」

結衣「よし、ゲームの続きでもするか」

結衣「そろそろボス戦があるだろうから、レベル上げしておかないとね」

結衣「……」ピコピコ

結衣「……」ピコピコ

結衣「あ、もうこんな時間か……」

結衣「明日は1限目から体育だしなあ……そろそろ寝ておかないと」

結衣「……」ゴソゴソ

結衣「よし、布団も敷けたし、そろそろ電気消すかな」


カチッ


結衣「……」モゾモゾ

結衣「……」

結衣「……」

結衣「……」

結衣「……」

結衣「……」


カチッ


結衣「……」

ピッピッピッ


トゥルルルー



「はーい、もしもし京子ちゃんですよ~」


結衣「あ、京子、もう寝てた?」


「いや、ゲームしてた……って、もうこんな時間か」


結衣「早く寝ないと、明日辛いぞ」


「うんー、あんがと~」

「それで、何か用でもあった?」


結衣「え……」


「いや、こんな時間に電話してくるの珍しいから」

結衣「いや……うん……」


「ん?」


結衣「あー……ほら、明日提出の宿題あっただろ?」


「あったっけ?」


結衣「忘れてるんかい」


「えへへー、けど今からじゃちょっと無理だから、結衣明日見せてよ」


結衣「……」


「ゆいー?」


結衣「も、もう、仕方ないな、京子は」


「ありがとっ☆」

「それで、用はそれだけ~?」


結衣「あ……う、うん……」


「んじゃ切るね~」


結衣「あ、待って……」


「ん?」


結衣「えっと……」


「どかした?」


結衣「今日の事……なんだけど」


「今日の事?」

結衣「ほら、京子、部活で変なこと言ってただろ?」


「えー?何か言ったっけ」


結衣「言ったよ、言った」


「何て言ったっけ?」


結衣「あの……私の事が何とかって」


「ん?結衣の事?」


結衣「おま……忘れるなよ……」


「んー、ごめん、本当に想いだせないや」


結衣「……ったく」

「それで、私なんて言ったっけ?」


結衣「……私の事が、ほら」


「結衣の事が?」


結衣「……好きとか嫌いとか」


「……」


結衣「……」


「……」


結衣「……」ドキドキ

「あー!言った言った!思い出した!」


結衣「だ、だろ?」


「んで、それがどっかしたの?」


結衣「……」


「ん?」


結衣「えっと……あれだよ、あんまりそういう事……」


「え?」


結衣「……」

結衣「……ほら、あれだ、私だから別にいいんだけどな」

結衣「他の人に、ああいう事は言うなよ?」


「ほへ」


結衣「だから、例えば綾乃とかに言ったりるなよ?また怒られちゃうぞ」


「あー、だねえ、綾乃には言ったりしないよ」


結衣「……そっか」


「うん」

「じゃ、用件はそれだけ?」


結衣「……うん」


「ん、また明日ね~」


結衣「あ……」


「ん?」


結衣「……いや」


「なになに?どったの結衣、なんかおかしいよ?」


結衣「……別に」

「何か拗ねてるの?」


結衣「す、拗ねてなんかないよ、というか何の理由で拗ねるんだよ」


「だよね」


結衣「うん」


「じゃ、もう切っていいよね?」


結衣「……」ウルッ


「結衣?」


結衣「……い、いいよ、別に切っても」

「なに?なにか結衣の声、鼻声なんだけど」


結衣「ああ、ちょっと風邪気味だからな」


「あー、それは気をつけないとねえ……もう大分涼しくなったし」


結衣「そうだな」


「じゃ、あったかくして寝てね」


結衣「……うん」

「……結衣?」


結衣「なに」


「ほんとは何か隠してない?」


結衣「べ、別に隠してなんか」


「うそばっかり」


結衣「……」


「もー、結衣ってば妙に1人で抱え込む事多いよね」


結衣「……」


「私じゃ、力になれないかな?」


結衣「……」

結衣「別に、そんな大した事じゃないよ」


「あ、何か隠してる事は認めるんだ」


結衣「……っ」


「言っちゃいなさい言っちゃいなさい、この京子ちゃんがどーんと受け止めてあげるから」


結衣「……」


「ちっさい事でもいいからさ、言ってみて?」


結衣「……ほんとにちっさい事だよ?」


「うん」


結衣「絶対笑うよ、京子」


「笑わないって」

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