どきどきっ☆第104期訓練兵団!-体験版-(115)

・Hな訓練の女版がいくら探しても見当たらなかったので自分で書いた
・ただし、エロはなし。エロはない。
・タイトルセンスは気にするな


—— 深夜の女子寮

ミーナ「……」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……ミーナ、それ何?」

ミーナ「PSP-1000スイートエディションだよ、アニ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「ぴ……? 何? なんだって?」

ミーナ「PSP-1000 Sweet Edition」カチカチカチカチカチカチ

アニ「ごめん。言っている意味っていうか単語がよく聞き取れないんだけど」

ミーナ「昨日ね、裏通りにあるお店で見つけたの」カチカチカチカチカチカチ


アニ「……あのさミーナ」

ミーナ「何」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……それで何をしてるの?」

ミーナ「……知りたいの?」...ピタッ

アニ「いや、別にそこまでじゃないけど」

ミーナ「知りたいの?」ニコォッ...

アニ「ねえ、そろそろ消灯時間だし」

ミーナ「 知 り た い の ? 」ズイッ

アニ「ミーナ、顔が近い近い」


ミーナ「もーアニったら興味あるなら最初から言ってよねー! コソコソやってた私が馬鹿みたいじゃーん?」イソイソ

アニ「私は別に、興味なんか……」フイッ

ミーナ「照れなくてもいいっていいってー! ——はいっ、隣に座るよ!」ムギュッ

アニ「もう……それで、その物体は何なの? ちゃんと説明してよ」ハア

ミーナ「ふふふ……よくぞ聞いてくれました! ——これはね、絵がついた恋愛小説なの!」

アニ「小説? 鈍器じゃなくて?」

ミーナ「やーだーもうアニったら、発想が物騒ぉー!」ウフフ


アニ「でも、どう見てもそれ本の類には見えないんだけど」

ミーナ「ふふふ……百聞は一見にしかず! アニもやってみればわかるよ! ——あっ、ちょっと待って今セーブするから」カチカチカチカチカチカチ

アニ「せー……? いいや、もう聞かないことにする」

ミーナ「よーしオッケー! じゃあここの真ん中の黒いところに絵が映るからちゃんと見ててね?」ポチットナ



         \シャラーン/  \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/



     『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-体験版-』


アニ「……なんて書いてあるの?」ノゾキコミ

ミーナ「さあ? でも操作方法や文章は全部音声で読み上げてくれるから大丈夫だよ!」



  エレン『おかえり、待ってたぜ!』



アニ「!? 今、どこからかエレンの声が……?」

ミーナ「それ、このPSP-1000 Sweet Editionから流れてる声だよ。時間帯で挨拶が変わるの」

アニ「その名前もう少し縮められないの?」

ミーナ「無理。……えーっと、はじめからでいいよね? 操作は私のほうでやるから、アニは横から見てて!」ポチットナ



     『まずは、あなたの名前を入力してね!』


アニ「名前……なんでもいいの?」

ミーナ「できるだけ自分の名前のほうがいいと思うよ?」

アニ「なんで?」

ミーナ「破壊力が違うから」

アニ「破壊力? これ砲台じゃないでしょ?」

ミーナ「まあある意味その通りかなー」

アニ「どこに火薬が……」マジマジ

ミーナ「取り敢えずアニの名前入れるね?」カチカチカチカチカチカチ



     『あだ名は何にする?』


ミーナ「うーん……あーちゃんでいいや」カチカチカチカチカチカチ

アニ「私に選択権はないの?」

ミーナ「何か呼ばれたいあだ名ある?」

アニ「…………ないかな」

ミーナ「じゃあいいよね。次に進むよー」



     『生年月日を教えてね!』


ミーナ「あ、誕生日は知ってるから入れちゃうね」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……」



     『お部屋のデザインはどれにする?』


アニ「……いつまでかかるのこれ」イライラ

ミーナ「もう、アニったら短気なんだから……これで終わりだよ」カチカチカチカチカチカチ



     『一緒に訓練したい男の子を選んでね!』


アニ「一緒に訓練? この鈍器走るの?」

ミーナ「鈍器じゃなくてPSP-1000 Sweet Editionだよ、アニ」

アニ「はいはい。——ライナー、ベルトルト、エレン、ジャン、マルコ、コニー……この中から選べばいいの?」

ミーナ「それなんだけどね……これ、体験版だからジャンしか選べないの」シュン

アニ「…………ジャンかー」

ミーナ「うん。ジャンだよ」

アニ「……まあいいや。じゃあ続き早く見せてよ」

ミーナ「お? お? 何なに? アニも興味出て来ちゃった系?」ムフフ

アニ「ここまでの過程でそういう要素あった?」



     『私、アニ! 今年の春からは、第104期訓練兵団の訓練生!』


アニ「……どこにもいないんだけど。兵舎が私なの?」

ミーナ「アニ視点で話が進むからアニは映らないよ? まあスチルにはそれっぽい女の子の姿が出るけど」

アニ「ミーナ、いい加減専門用語使うのやめてくれない?」

ミーナ「進めます」

アニ「どうぞ」



     『田舎の村から出て来たばかりで、ちょっぴり不安もあるけど……』


     『三年の訓練生活……私、がんばる!』


アニ「ところで私は誰に向かって説明してるの?」

ミーナ「独り言なんじゃない?」

アニ「……友だちできなさそう」

ミーナ「一応これアニって設定だからね?」

アニ「……」

ミーナ「自分で言ったのに泣きそうな顔しないでよアニ……」ナデナデ


ミーナ「ほら、そろそろジャンが出るよ!」

アニ「ジャンが出るまで五分くらいかかってるけど」

ミーナ「文句ばっかり言わないの」


 ジャン 『おいお前! ここで何してるんだ?』


アニ「」ビクッ

アニ「……ジャンの顔近くない?」

ミーナ「スチルだもん」



 ジャン 『はぁ? 道に迷っただぁ?』

 ジャン 『仕方ねえな……ほら、入団式の会場まで案内してやるからついて来いよ』


アニ「これ……絵が動いたよ、これ」

ミーナ「うん。立ち絵はライブ2Dだからヌルヌル動くよ」

アニ「……」

ミーナ「Live2D」

アニ「聞いてないよ」



     『今週は何をしようかな?』


アニ「訓練でしょ?」

ミーナ「訓練の中で恋を育んでいくの」

アニ「ふぅん。……じゃあ対人格闘にしようか」ワクワク

ミーナ「ダメだよ。ジャンは立体機動が得意なんだから立体機動訓練を中心に進めていかないと。というわけで今週は立体機動訓練ね」カチカチカチカチカチカチ

アニ「さっきから私の意見が何一つ反映されてないんだけど」

ミーナ「気のせいじゃない?」



     『今週は何をしようかな?』


アニ「一週間が十秒くらいで終わった……」

ミーナ「基本パラ上げだしねー。ジャンのスチル見れるまで先が長いからサクサク進めるね」カチカチカチカチカチカチ

     『今週は何をしようかな?』

     『今週は何をしようかな?』

     『今週は何をしようかな?』

     『今週は何をしようかな?』


アニ「……出てこないジャン」イライライライライライライライラ

ミーナ「先が長いって最初に言ったジャン? 私」

アニ(今度の対人格闘はジャンと組もう……)イライライライライライライライラ


ミーナ「さて、パラメータも溜まったしそろそろフラグ建てなきゃ。まずはデートに誘うね!」カチカチカチカチカチカチ

アニ「もう好きにしてよ」


   アニ『ねえジャン! 今度のお休みの日、一緒に出かけない?』

  ジャン『悪いな、その日は用事があって——』      ——プツッ


アニ「? ……なんで画面が暗くなったの?」

ミーナ「……」カチカチカチカチカチカチ

アニ「ねえってば。なんで暗くなったの?」


   アニ『ねえジャン、今度のお休み一緒に出かけない?』

  ジャン『悪いな、その日は用事があって——』      ——プツッ

   アニ『ねえジャン、今度のお休み一緒に出かけない?』

  ジャン『悪いな、その日は用事があって——』      ——プツッ

   アニ『ねえジャン、今度のお休み一緒に出かけない?』

  ジャン『悪いな、その日は用事があって——』      ——プツッ

   アニ『ねえジャン、今度のお休み一緒に出かけない?』

  ジャン『俺とか? ……いいぜ。どこに行くんだ?』



ミーナ「——っしゃあっ!!」

アニ「!?」ビクッ

ミーナ「ジャンは最初警戒心が高いからデートに誘いにくいんだよね〜」

アニ「とんだごり押しだね。しつこい女は嫌われるよ」

ミーナ「どうせジャンは覚えてないよ」カチカチカチカチカチカチ

取り敢えずここまで。短くて悪い。需要があったら後日続ける
ラストもちゃんと決めてあるから投げっぱなしにはしない予定

前回の投下よりも短いけど続き書く




   アニ『今日はデート当日! さて、何を着ていこうかなぁ?』



アニ「……あ、このパーカーかわいい。これにしようよ」ユビサシ

ミーナ「それカテゴリーがスポーティだからダメ。ジャンは小悪魔系のファッションじゃないと」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……なんで全部ジャンに合わせなくちゃいけないの? 私の自由は?」

ミーナ「ないよ。だってそういうお話なんだもん」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……」ムスッ




   アニ『ジャンったら、遅いな……』

     『ねえ君一人? よかったらそこの喫茶店でお話ししようよ?』



アニ「奇遇だね。私も今誰かと拳で語り合いたい気分だったんだ」

ミーナ「そういう選択肢はないよ」

アニ「……」

ミーナ「今ジャンが助けに来るから待ってて」

アニ「自分の身くらい自分で守れるよ」

ミーナ「だからー、そういう物語じゃないんだってばー」カチカチカチカチカチカチ




  ジャン『おい、何してんだ』

     『いえっ、なんでもないです! 失礼しましたー!』

   アニ『……ありがとう、ジャン』

  ジャン『大したことねえよ。それよりも、あんな奴に声かけられてんじゃねえ』



アニ「あんたが遅れてきたから声かけられたんでしょうが……」イライライライラ

ミーナ「すごいね、ジャンのナンパイベントって起きる確率低いんだよ? 運がよかったねー」

アニ「いくら運がよかろうが、物語の私は脳内お花畑みたいだけどね……」イライライライラ




   アニ『今日は楽しかった。ありがとう』

  ジャン『ああ。気をつけて帰れよ』



アニ「……デートに三分もかかってない」

ミーナ「そうだね」

アニ「しかも食堂でご飯食べて少し会話しただけ」

ミーナ「そうだね」

アニ「……楽しくない」

ミーナ「でも物語のアニは楽しいって言ってるよ?」


アニ「そもそも、帰るところ一緒なのに街中で別れるのおかしくない?」

ミーナ「そうだね」

アニ「ていうかなんで兵舎から一緒に来なかったの?」

ミーナ「他の人に見られたくなかったんじゃない?」

アニ「……」ムス...ッ

ミーナ「うーん、今日はそろそろ寝ようか。キリもいいし。というわけでセーブ!」ピロリンッ


—— 翌日 対人格闘訓練

アニ「……」キョロキョロ

エレン「よおアニ、相手がいないんだったら俺と組もうぜー?」

アニ「……悪いね。今日はちょっと組みたい奴がいるんだ」スタスタ...



ジャン「さーって、今日も軽く流すかー」セノビ

アニ「……ジャン。ちょっと話があるんだけど」

ジャン「? いいけどよ……話って今か?」

アニ「うん。今じゃないと話せないでしょ? ……物理的に」

ジャン「……は?」

アニ「昨日から、あんたに言いたいことがたくさんあってね……」ニコッ...



                                  \ギャー!!/


—— 深夜の女子寮

アニ「……」スッキリ

ミーナ「? アニ、なんだかご機嫌だね?」

アニ「気のせいじゃない? ……それより昨日の続き見せてよ」

ミーナ「おっ? もしかしてこれが楽しみでたまらなかったとか?」

アニ「違うよ」

ミーナ「そっかーやっとアニもこっちの道に目覚めたかー。いらっしゃいませ、ようこそ二次元の世界へ!」

アニ「違うからね」

ミーナ「照れなくてもいいのにぃ。というわけでスタート!」ポチットナ



         \シャラーン/  \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/



     『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-体験版-』




  エレン『あんまり夜ふかしすんなよ!』



ミカサ「……エレンの声がした」ヒョコッ

ミーナ「あ、ごめんミカサ。起こしちゃった?」

アニ「……あんたも見る?」

ミカサ「見る……? というか、それは何?」

ミーナ「PSP-1000 Sweet Edition」

アニ「走って喋って砲弾をぶっ放す鈍器のような恋愛小説だよ」

ミカサ「? ……よくわからない」


ミーナ「さっきの声はこのPSP-1000 Sweet Editionから流れてた声だよ! 時間帯に合わせてセリフが変わるんだー」カチカチカチカチカチカチ

ミカサ「……なるほど」フムフム

アニ「……あんた、こういうのには食いつくかと思ったんだけど」

ミカサ「? だって、私にはエレンがいる。そういうのは、本人に直接言ってもらえばいい」キョトン

ミーナ「リア充爆ぜろ」ボソッ

アニ「!?」ギョッ

ミカサ「……? ミーナ、今何か……」

アニ「なんでもないよそれよりそろそろ寝たほうがいいんじゃないの夜更かしするとエレンが心配するからさ」

ミカサ「……エレンに心配されたくないから寝る。おやすみなさい」スッ


アニ「……ミーナ、さっきのは何のつもり?」ギロッ

ミーナ「ご、ごめん……なんか無意識で喋っちゃった……」テヘペロ

アニ「今は私がフォローできたからいいけど……あまり度が過ぎると私も庇えないよ?」

ミーナ「あっ、庇ってくれるんだ? 嬉しいなー」ニコニコ

アニ「……続き」

ミーナ「はーい。じゃあデートの後だから……今日も訓練からはじめようね!」



     『今週は何をしようかな?』



アニ「立体機動訓練なんでしょ、どうせ」

ミーナ「アニもやっとコツが掴めてきたみたいだね!」ニコッ

アニ「何の役にも立たない偏ったコツだけどね」

今日はここまで。書けたらまた夕方に書きこむかも

夕方に書きこむつもりだったんだけどなんか続き書けちゃったから貼っていくわ。というわけでまた途切れるけど再開




   アニ『よーし、今日は立体機動訓練の試験だ……頑張らないと!』



アニ「? ……なんかいつもと違うね。ミーナ、これはどういう——」

ミーナ「きたああああああああああああああああああっ!!」ガタッ

アニ「!?」ビクッ!!

ミーナ「はいっ! アニが操作して!!」ポイッ

アニ「えっ、ちょっ、何? 何すればいいの?」オロオロ

ミーナ「右と左を交互にタイミングよく押すだけだから! ほら!!」

アニ「えっ? えっ?」オロオロ



   アニ『ジャン、二人で頑張ろうね!』

  ジャン『ああ。……足引っ張るなよ?』



     『START!!』


アニ「……?」

ミーナ「アニってば! もう始まってるよ!」

アニ「何が? 何が??」アタフタ

ミーナ「ほらっ、ここの表示に合わせてボタンを押すの! ほらっ!」

アニ「えっ? えっ? こう?」ポチポチ


     『MISS!』

     『GOOD!』

     『MISS!』

     『MISS!』

     『MISS!』



     『GOAL!!』


  ジャン『へったくそだなぁ!』 BAD!!


アニ「…………」イラッ

ミーナ「違うのアニ!! ここからなの!!」


  ジャン『仕方ねえな。……俺が手取り足取り教えてやるよ』ニカッ


アニ「なんで人の失敗見て笑ってんのこいつ……」ゴゴゴゴ

ミーナ「はいっ!!/// よろしくお願いしますっ!!///」

アニ「大体、あんたに教えてもらわなくたって立体機動くらいできるよ……」ゴゴゴゴ

ミーナ「現実のジャンももっと笑えばいいのになー。顔は割と好みなんだけど」カチカチカチカチカチカチ


アニ「……ねえ、次はミーナがやってみてよ」

ミーナ「私? いいよ? ——よーし、今日こそフルコンしちゃうぞー!」

アニ「……ふるこん?」



     『START!!』



     『EXCELLENT!!』     『EXCELLENT!!』     『EXCELLENT!!』



アニ(!? 指が見えない……!!)



     『EXCELLENT!!』

     『EXCELLENT!!』

     『EXCELLENT!!』



     『EXCELLENT!!』

     『EXCELLENT!!』

     『EXCELLENT!!』


     『FEVER TIME!!』


ミーナ「フィーバーターイムッ!!」

アニ「」ビクッ

ミーナ「ミュージックスタート!!」



  ジャン『とーりはーとーぶたーめにーそのかーらをーやぶってーきーたー♪』



アニ(ジャンの声!? っていうか歌うまっ)


     『EXCELLENT!!』

     『EXCELLENT!!』

     『EXCELLENT!!』


     『GOAL!!』



  ジャン『なかなかやるじゃねえか!』 COMPLETE!!



ミーナ「やったー! フルコンだー!!」バンザーイ!!

アニ「…………」

ミーナ「? アニ、どうしたの?」

アニ「いや、その…………」



アニ(……ミーナ、怖い)ガタガタ


—— 翌日 立体機動訓練

ベルトルト「ジャン、なんかボロボロじゃない……? どうしたの……?」

ジャン「ああ……なんでだろうな……」ボロッ...

ジャン(くっそ……アニの奴、好き放題に人を投げやがって……)

ジャン(ていうか……なんで、今日もアニと一緒の班なんだろうな……?)チラッ

アニ「……」ジーッ

ジャン(気のせいかもしれねえけど、俺、アニに見られてねえか……?)ビクビク

ベルトルト(アニがジャンのことじっと見てる……? 何かあったのかな……)ソワソワ

アニ「……」ジーッ


ベルトルト「えーっと……今日の立体機動訓練は、移動の速さを見る試験だったよね?」

ジャン「ああ、そうだな……」チラッ

アニ「……試験、か」チッ

ジャン(!? なんだ? アニの殺気が増したような……?)ゾクッ

アニ「……ジャン」

ジャン「な、なんだよ……?」ビクビク

アニ「……あんたに教えてもらわなくても、私は自分でできるから」ボソッ

ジャン「……はっ? 何が??」

アニ「うるさいよ。……とにかく、今日は覚悟しておくんだね」ギロッ

ジャン(お、俺、なんかしたっけ……?)ガタガタガタガタ



   「フーバー! キルシュタイン! レオンハート! 貴様らの番だ、行け!!」


ベルトルト「! ——ほら、僕たちの番だよ!」パシュッ

ジャン「あ、ああ!」パシュッ

アニ「……ちっ」パシュッ

ジャン(助かった……!)ホッ

ジャン(今日の試験は確か、移動の速さだったよな……)

ジャン(殺傷能力ならともかく、速さならこの二人にも俺は負けてねえ!)

ジャン(一気に引き離して点数取ってやる!)ゴオッ



アニ「……」パシュッ



ベルトルト(二人とも、今日は速いなぁ。  ……!?)



ジャン(よしっ、ここまで来ればもうあいつらも……)チラッ



アニ「……」パシュッ



ジャン「!?」

ジャン(なっ、なんで真後ろにぴったりくっついてきてんだ!?)


アニ「……」ブツブツ...

ジャン(!? 何か呟いてるな……)





アニ「右……左……右……左……右……左……」ブツブツ...





ジャン「」

ジャン(え? え!? 何? 超こええええ!! やべえやべえやべえやべえやべえ!!)ヒュンッ




   「見事だキルシュタイン! レオンハート! 新記録だぞ!」



ジャン「……そ、そうですか……」ゼエゼエ

アニ「……ありがとうございます」スッキリ

ジャン「……な、なあアニ。俺、お前に何かしたか……?」

アニ「……」ギロッ

ジャン「ひっ……」ビクビク

アニ「……」

ジャン「……」

アニ「……」

ジャン(たっ……! 耐えられねえ……っ! なんだこの空気……!!)

ジャン「その……俺が何かしたんなら、謝るからさ」ビクビク


ジャン「でも俺自身は、全く身に覚えがねえんだけど……」ビクビク

アニ「……まあ、覚えがなくて当然だよね」

ジャン「へっ……?」

アニ「ごめん。今までのは私のやつあたりだった。もうしないよ」

ジャン「あ、ああ……そうか……?」オドオド

アニ「悪いけど、この話はおしまいにしてくれる? ……私も引き摺りたくないからさ」

ジャン「あ、ああっ! いいぜっ! これで終わりなんだよな!?」

アニ「そういうこと。……悪いね」

ジャン「いや、いいよ気にすんな!」ホッ





ベルトルト(置いて行かれた……)シクシク


—— 深夜の女子寮



         \シャラーン/  \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/



     『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-体験版-』 



ベルトルト『お疲れさま。今日もよく頑張ったね』



アニ「……今日はベルトルトなんだね」

ミーナ「そだねー」カチカチカチカチカチカチ

アニ「それで、今回はどうするの? また三秒で終わる訓練?」

ミーナ「ううん。結構進んだから、訓練の前にジャンとの相性見てみようかと思って」ポチットナ




 アルミン『男の子の情報が知りたいの? それなら僕に任せてよ!』



アニ「なんでアルミンが他の男子の情報把握してるの?」

ミーナ「アルミン相手だと話しやすいからじゃない?」カチカチカチカチカチカチ



 アルミン『ジャンとの相性だね! それなら今はこんな感じかな?』



アニ「……いくら話しやすいからって、細かい恋愛事情までは話さなくない?」

ミーナ「きっとみんな口が軽いんだよ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「本当にこいつら兵士?」




 アルミン『ドキドキは最高潮! 次回のデートでスキンシップモードが発生するよ!』



アニ「すきん……? もー……??」

ミーナ「……アニ、ごめん」

アニ「何が?」

ミーナ「私本気出すわ」

アニ「今まで本気じゃなかったの?」




   アニ『ねえジャン! 今度のお休みの日、一緒に出かけない?』

  ジャン『悪いな、その日は用事があって——』      ——プツッ

   アニ『ねえジャン! 今度のお休みの日、一緒に出かけない?』

  ジャン『俺とか? ……いいぜ。どこに行くんだ?』



アニ「ジャンも不憫な男だね。私たちの都合で予定を変更させられてさ」

ミーナ「むしろ暇なのに最初からすんなり了解しないジャンが悪いんじゃないの?」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……それもそうだね」

ミーナ「そうだよー。もうジャンったらシャイなんだから。そういうところもいいんだけど」カチカチカチカチカチカチ

ここまで。夜来れたら来る

短いけど書けた分だけ置いていく。朝からグダグダで悪い




   アニ『今日はデート当日! さて、何を着ていこうかなぁ?』



アニ「……パーカー」ボソッ

ミーナ「ダメ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……」シュン

ミーナ「よし、こんな感じかなー」カチカチカチカチカチカチ

アニ「この前のデートと服装一緒じゃない?」

ミーナ「アクセ変えたら判定変わるから大丈夫だよ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「洗濯しないの? ていうか洗濯してる場面ないよね」

ミーナ「洗濯から生まれる恋もあるんだよ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……ミーナ? 今なんて言ったの?」

ミーナ「? あれ……? 私、今何か言った?」キョトン




   アニ『お待たせ、ジャン。……待った?』

  ジャン『いや、そんなに待ってねえよ。行こうぜ』



アニ「休日無理矢理付き合わされたあげく待たされたなんてかわいそうに」

ミーナ「それだけ愛されてるってことでしょ? 言葉で言われなくても私わかってるよ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「内容が三分で終わるデートなのに……」

ミーナ「愛は時間じゃ測れないよ」カチカチカチカチカチカチ




   アニ『今日は楽しかった。ありがとう』

  ジャン『ああ。……今日は送っていくよ』



アニ「帰る場所一緒だってば」

ミーナ「よし……よし……」ゴゴゴゴ

アニ「ミーナ?」

ミーナ「ちょっと黙ってて。今いいところなの」

アニ「……」シュン




     『スキンシップモード発生!』



アニ(ジャンが近い……すちる? っていうのかな……? でもなんか動いてるし……らいぶつーでぃーっていうのかも……)モジモジ

アニ(ミーナには聞けないし……)チラッ

ミーナ「……」カチカチカチカチカチカチ



    ピロリンッ♪〜   ピロリンッ♪〜


         ピロリンッ♪〜   ピロリンッ♪〜


       ピロリンッ♪〜               ピロリンッ♪〜


アニ(もうミーナが何やってるかわかんない……)グスン


    ピロリンッ♪〜   ピロリンッ♪〜


         ピロリンッ♪〜   ピロリンッ♪〜


       ピロリンッ♪〜               ピロリンッ♪〜


  ジャン『おい、よせって……』


アニ「ねえ……ジャン、嫌がってるよ?」クイクイ

ミーナ「違うよ。喜んでるんだよ。」カチカチカチカチカチカチ




   アニ『……送ってくれてありがとう』

  ジャン『大したことねえよ。……じゃあな』



アニ(よくわからない間に終わった……)ショボーン

ミーナ「……」ニコニコ

アニ「あの、ミーナ……」

ミーナ「何? アニ」ニコッ

アニ「その、今のって……何?」モジモジ

ミーナ「……気になる?」ニコッ...

アニ「! ……べっ、別にそこまでじゃないよ」ムス...ッ

ミーナ「そっか。じゃあ今日はキリもいいしここまでにしようね。というわけでセーブ!」ピロリンッ


—— ある日の女子寮廊下

サシャ「ミーナ! 頼まれていたもの街で買ってきましたよ! おつりはこれです」ジャラッ

ミーナ「……うん、これで大丈夫。ありがとうね、サシャ!」

サシャ「いえいえ。明日の朝食のパァン楽しみにしてますね!」ニコニコ





ミーナ「……よし」

今日はここまで。いつも書きため派だから投稿間隔よくわからん……
取り敢えず今日はもう来ない予定。たぶん

これ面白いのにタイトルで損してるな

>>76 タイトルセンスは気にするなよぉ地味に気にしてんだから(´;ω;`)
とにかく最後までできたからぼちぼち貼っていくわ


—— 数日後 兵站行進訓練

ジャン(今日は……よし、近くにアニの姿は見えねえな)

ミーナ「きゃっ!」ドサッ

ジャン「! ……おい、何転んでんだよ。大丈夫か?」

ミーナ「あいたたた……うん、平気——」ハッ



  ジャン『モタモタしてんなよ、置いていくぞ?』



ミーナ「!! そうだよね! ごめんねもう転ばないようにするね!」ムクッ アセアセ

ジャン「あ? ああ……気をつけろよ……?」

ジャン(なぜ嬉しそうに……?)


—— 深夜の女子寮



         \シャラーン/  \ギーッ...ガリガリガリガリガリ/



     『どきどきっ☆第104期訓練兵団!-体験版-』 



 アルミン『おかえり。課題があるなら手伝おうか?』



アニ「? アルミンも喋るんだ、これ」

ミーナ「あーそれねー、私も気になってたんだよねー。攻略対象キャラじゃないのにさー」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……まあいいや。それで、今日はどうするの?」

ミーナ「うーん、一通りの要素はこなしたからなぁ。名前の呼ばれ方でも変えてみよっか」カチカチカチカチカチカチ




 アルミン『男の子からの呼ばれ方を変えたいの? どれにする?』



アニ「謎は全て解けたよ、ミーナ」

ミーナ「これ推理小説じゃないよ?」

アニ「アルミンはきっと男子全員の弱みを握っているんだね」

ミーナ「そんな殺伐とした物語じゃないよこれ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「そうじゃないと説明つかないでしょ。普通他人の呼び方なんて変えさせられないよ」

ミーナ「じゃあアルミンは裏番長なんだよ。陰の実力者」カチカチカチカチカチカチ

アニ「そっちのほうが殺伐としてる気がする」




 アルミン『これにするんだね? ちょっと呼んでみるよ。—— あーちゃん 』



アニ「!? これ……これ」ワナワナ

ミーナ「ふふっ。びっくりした?」

アニ「びっくりするほど棒読みだった」

ミーナ「セリフと一緒だとそこまで違和感ないから大丈夫だよ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「ふうん……」

ミーナ「じゃあ名前も変えたしジャンに会いに行こっか」カチカチカチカチカチカチ

アニ「たまにはジャンのほうから会いに来てくれないかな。こっちから出向くのいい加減面倒くさいから」




   アニ『ジャン! こんなところで何してるの?』

  ジャン『ん? ……ああ、 あーちゃん か』



アニ「!?」ゾクッ

ミーナ「どうよ? どうよ?」ニヤニヤ

アニ「……鳥肌立った」ゾクゾク

ミーナ「わかるわかる。私も最初はそうだったもん。普段呼び慣れない呼ばれ方するとドキッとするよねー」カチカチカチカチカチカチ

アニ「うん……その通りだね」




   アニ『あのね。私、ジャンに用事があって来たの』

  ジャン『ちょうどよかった。俺も あーちゃん に用があったんだ』



アニ「……用があるならそっちから来てって言ってるのに」イラッ

ミーナ「言ってるのはこっちの世界のアニでしょ」カチカチカチカチカチカチ

アニ「物語の私は随分暇らしいね。事ある事に男のところ通ってさ」

ミーナ「訓練してるじゃん。毎日」

アニ「一週間が十秒で終わる訓練の内容なんてたかが知れてるよ」




  ジャン『俺、 あーちゃん のことが好きだ!』



アニ「おっとこれは急展開」

ミーナ「びっくりした? びっくりした?」ニヤニヤ

アニ「ジャンの頭の緩さにびっくりしたよ。デート一回しかしてないのに何考えてんのこいつ」

ミーナ「これ体験版だからミニゲーム以外は判定緩いし、展開も早いみたいなんだよねぇ」カチカチカチカチカチカチ



   アニ『私……私の答えは……!』



アニ「断れ物語の私。軽い女になるんじゃないよ」

ミーナ「しかし現実は残酷であった、っと」ピロリンッ




   アニ『私でよかったら……喜んで!』



アニ「……私の意見は? ねえ、私の意見は?」

ミーナ「因みに断ると確認が入るよ。三回ほど」

アニ「……やったの?」

ミーナ「アルミンに『その選択肢で本当にいいの?』って言われた」カチカチカチカチカチカチ

アニ「アルミンは何? 四六時中私たちのこと監視してるの? それとも何か超常的存在なの?」

ミーナ「きっと任務なんだよ。でも断らない辺りアルミンも好きでやってるんじゃないかな」カチカチカチカチカチカチ


ミーナ「さて、これで一応全部こなしたかな」フーッ

アニ「ジャンの告白は投げっぱなし?」

ミーナ「ううん。これから恋人モードがあるらしいんだけど、そっちはまだ私がやってないんだー」

アニ「……ああ、自分がまだやってないから見せられないってことか」

ミーナ「そうそう。解説しながらやらないと、アニも何をやってるかよくわからないままでしょ?」

アニ「現状でもよくわかってないよ」


ミーナ「まあ、私が恋人モードクリアしたらまたアニを誘うから楽しみにしててよ」

アニ「……いや、私はもういいよ。これ以上続けたらそのうち現実のジャンが塵になっちゃう」

ミーナ「そう?」

アニ「うん。だから、ミーナだけで見て。私はもういいから」



 アルミン『……その選択肢で本当にいいの?』



アニ「……?」キョロキョロ

ミーナ「? アニ、どうかした?」

アニ(……私も疲れてるみたい。早く寝よう)

アニ「ううん。なんでもないよ。——私はもう寝るね。おやすみミーナ」

ミーナ「うん、おやすみー」フリフリ


—— 数日後 女子寮

アニ「……」ペラッ

ミーナ「……」チクチクチクチク

アニ「……ミーナ? 何してるの?」

ミーナ「んー、ちょっとー」チクチクチクチク

アニ(縫い物……?)

ミーナ「……あ、そろそろ夕食の時間だね」ヒョイッ

アニ「……? ねえミーナ、なんでその鈍器持ってるの? ご飯食べに行くんでしょ?」





ミーナ「うん。ダーリンと食べる」

アニ「」


アニ「……は?」

ミーナ「ダーリンと食べる」

アニ「……」

ミーナ「じゃあ行こっか。遅れたらまずいよねー」スタスタ...

アニ「待って、待ってミーナ。それだけはダメ。やめて」ガシッ

ミーナ「? どうして? 恋人同士一緒にご飯を食べるのは普通のことでしょ? フランツやハンナだってやってるよ?」

アニ「あのバカップルを参考にしてどうするの」

ミーナ「そんな、アニったらぁっ、……私とダーリンがカップルなんて……改めて言われなくっても知ってるよぉ……っ!!///」クネクネ

アニ「」


アニ「……ミーナ。いくつか確認したいんだけど」

ミーナ「何? なんでも聞いて!」

アニ「ダーリンって誰?」

ミーナ「ジャン・キルシュタイン。身長175cm体重65kg。格闘術9・行動力8・頭脳戦7・協調性5・認識力10。立体機動装置の理解が深くその性能を引き出す術に長けている。現状を認識する能力も持っているが抜き身すぎる性格が」ペラペラペラペラ

アニ「長い長い長い。名前だけでいい」

ミーナ「じゃあキルちゃん」

アニ「あー……あだ名は名字からなんだ」

ミーナ「人前だと恥ずかしいからダーリンって呼んでほしいんだって!」

アニ「どっちも恥ずかしいよ。何様なのジャン」

ミーナ「私の大切なご主人様!」

アニ「ミーナには聞いてないよ」


ミカサ「……二人とも、早く行かないと席がなくなる」ガチャッ

ミーナ「あっ、ごめんミカサ今行くね! ほらダーリンも行こっ?」ダッ

アニ「待って待って待ってミーナってば」ガシッ

ミカサ「? ……だーりん?」キョトン

アニ「なんでもないから先に食堂に行ってていいよ私たちは後から行くからほらほらエレンが待ってるよ」

ミカサ「……エレンが待ってるから先に行く」バタンッ


アニ「……ミーナ」ギロッ

ミーナ「なーにっ? アニ」ニコニコッ

アニ(ぐっ……! なんて純粋な瞳……っ!!)

アニ(……いや、ここで私が諦めちゃいけない。なんとかしてミーナを真っ当な道に戻さないと……っ!)ギリッ...

アニ「……ねえミーナ。ジャンとご飯を食べるとして、どうやって一緒に食べるつもりなの?」

ミーナ「こう、目の前に置くつもりだよ?」ミブリテブリ

アニ「でもその中のジャンはこっちのご飯食べないでしょ?」

ミーナ「この前私の手料理食べてくれたよ?」

アニ「」


アニ「……あのさ、そんなに好きになったんなら、もういっそのことジャンに告白したら? ちゃんと返事もらったほうがいいよ」

ミーナ「オッケーもらったよ?」キョトン

アニ「……そのちっさいジャンに?」

ミーナ「うん。——それに、ジャンは小さいんじゃないよ」

アニ「……いや、ちっさいけど」

ミーナ「画面の中から出てこないだけだよ?」

アニ「」


アニ「……とにかく、それは持って行っちゃダメ、絶対」

ミーナ「ええー? どうして?」

アニ「壁内では見ない珍しい物だからね。最悪取り上げられるかもよ」

ミーナ「……それは嫌だなぁ」シュン

アニ「でしょ? だから、その鈍器はこの部屋から持ち出しちゃダメ。それに関する話も外でしちゃダメ。わかった?」

ミーナ「しょうがない、ダーリンと離ればなれになりたくないから我慢するよ……」ショボーン

アニ(なんとか説得できた……)ハァ

アニ「それじゃ、食堂に行こう。……もう席ないかもしれないけどね」


—— 食堂

アニ(取り敢えずこの場はなんとかなったけど……どうしよう……)ズーン

アニ(ミーナが執着してるのはゲームのジャンだから、現実のジャンを血祭りにあげても意味がないし……)ギロッ



ジャン(!? 今、どこからか殺気が……?)キョロキョロ

マルコ「? ジャン、どうかした?」

ジャン「いや、なんでもねえよ……たぶん」



アニ(……もう、放っておこうかな。私には関係ないし)ハァ

アニ(部屋の中で話すくらいなら、私が聞いてあげれば問題ないし……)チラッ



ミーナ「あーあ、ダーリンと一緒にご飯食べられたらよかったのになー」モグモグ

コニー「ん? ミーナって誰かと付き合ってたのか?」

ミーナ「ふふっ、秘密だよー♪」

アニ「」


—— 数日後 女子寮

アニ「……」ジッ...

アニ(……これを壊せば、ミーナも目を覚ますかもしれない)

アニ(でも……あんなに楽しそうだったのに、壊すなんてことは……)

アニ(……)

アニ(いやでも壊したほうが)

ミカサ「……アニ。鈍器を見つめてどうしたの?」

アニ「……あんたも気づいてるだろ。最近のミーナはおかしいって」

ミカサ「うん。夜中じゅうその鈍器に話しかけているのを何度も見た」

アニ「わーお」


ミカサ「何か困り事なら、アルミンに相談する?」

アニ「こっちでも相談するのか……」ハァ

ミカサ「? こっちって何の話?」

アニ「いや、なんでもないよ。——でも、相談はできないよ。こんなこと他の人に知られたらミーナがかわいそうすぎる」

ミカサ「……アルミンは、他の人にバラしたりしない」

アニ「バラすバラさないの問題じゃないの。ミーナの尊厳の問題なの」

ミカサ「……?」キョトン


—— 更に数日後 女子寮

アニ「……」ペラッ

ミーナ「……」チクチクチクチク

アニ「……」チラッ

アニ(まだ何か作ってる……)

ミーナ「よし、でーきたっ♪」ジャーン!!

アニ(? いったい何を……)ヒョコッ





ミーナ「ほらほら見てよアニ! ダーリンの人形作ったの! これでもういつでも一緒だよね!!」ジャーン!!



アニ「」


アニ(手縫いの……人形……!? なんてこった、もうそこまで……!!)ガクゼン

アニ「ミ、ミーナ……」ジワァ...

ミーナ「アニ、どうしたの? どこか痛いの?」

アニ「あんたが痛いから……私が代わりに泣いてるんだよ……っ!」グスッ

ミーナ「私? どこも痛くないけど……」キョトン


アニ(その後、「これなら問題ないよね!」と言いながら手縫いの人形を持って外に出かけようとするミーナを、ミカサと二人がかりでなんとか止めた)

アニ(その日から……というかそれ以前からだけど、少しずつミーナの行動はエスカレートしていった)

アニ(消灯時間を過ぎると、ミーナのベッドには仄かな光が灯る)

アニ(夜な夜な鈍器に向かって話しかけるミーナを見て、当然ながら人がどんどん離れていった)

アニ(逆にミーナは絶好調らしく成績を伸ばしていたけれど、それも最初だけですぐ頭打ちになり)

アニ(更には連日の寝不足が祟り、伸びていた成績が徐々に下降しはじめた、その矢先のこと——)


—— 更に更に数日後 深夜の女子寮

ミーナ「……」カチカチカチカチカチカチ

アニ(またやってる……)ハァ

ミーナ「……あっ」ピタッ

アニ「?」

ミーナ「あれっ? そんな、嘘でしょ? えっ?」カチカチカチカチカチカチ

アニ「……ミーナ、どうしたの?」ヒョコッ

ミーナ「アニ……」ジワッ...

アニ「?」

ミーナ「ジャンが……ジャンが……画面からいなくなっちゃったよぉぉおおっ!!」ウワーン!!





アニ(私が、その鈍器をはじめて目にしてから三週間)

アニ(——ついにジャンが、私たちの元から旅立った)

アニ(私が内心ガッツポーズしたのは言うまでもない)


—— 深夜 営庭

ジャン「……」テクテク...

ジャン(眠れねーからって散歩に出たはいいけど、教官に出くわしたらどーすっかなー……考えてなかった……)アクビ

ジャン(? あれって……)



アニ「ミーナ、大丈夫?」

ミーナ「うん……アニ、ありがとう。大分落ち着いたよ」グスッ

アニ「気にしなくていいよ。今更」ナデナデ



ジャン(暗くてよく見えねえけど、アニとミーナか……? あいつら、こんな時間に何してるんだ……?)コソコソ


ミーナ「ぐすっ……私、最後に、お別れの言葉もろくに言えなかった……っ!!」

アニ「ミーナ……」ナデナデ

ミーナ「こんな別れ方って、ないよぉっ……!!」



ジャン(なんでミーナが泣いてんだ? 何かあったのか……?)コソコソ



アニ「……ねえミーナ。空を見てごらん」

ミーナ「空……?」グスッ



アニ「あのね、ミーナ。——私たちのジャンはね、星になったんだ」



ジャン「!?」


ミーナ「星に……?」グスッ

アニ「そう。だから、いつまでもミーナのこと、空から見守ってるよ……」

ミーナ「……うん、そうだよね」コクッ

アニ「落ち着いたんなら、そろそろ戻ろうか。教官にでも見つかったら面倒だし」

ミーナ「わかった……ありがとうね、アニ」ニコッ

アニ「どういたしまして。……ほら、行こ」ギュッ




                     \スタスタ...ガチャッ  バタンッ/



ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「……」

ジャン「……俺?」





おわり

おしまい! ずーっとイチャイチャラブコメSS書いてたからいい息抜きになったわ! 読んでくれてた人ありがとー 因みに最後は電池切れで画面が映らなくなっただけだからバッテリーさえ調達したらまだ使えます

本当はHな訓練にならって女子全員でやろうと思ったんだけど、冷静に考えたら女子が寄って集って男子一人を攻略するっていう凄まじい構図になったからこういう形になったわごめん
需要があるなら別キャラ別プレイヤーでまた書くかも。体験版としてはここで終わりっす

最後にageとくわ。じゃあな!

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