安価で指定されたアイマスカプでSSを書く (67)


タイトル通り、安価で指定されたカプでSSを書いていく

アイマスキャラ限定

DS、モバ、グリ等のキャラは無し

基本的に募集するのはカプのみ

時系列は無視

響や貴音が指定されればそれはアニマス的な時空


とりあえず適当に>>2のカプで

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1374363158

貴音 雪歩


私と四条さんは、

正直に言ってしまうとあまり仲が良いとは言えません

と、言うのも

一緒にユニットを組んでいるいないとかいう問題ではなく、

私自身が四条さんの雰囲気に怯えてしまっているからです

不思議で、大人びている四条さん

でも、優しくて、暖かくて。ユーモアもある人だと、

いつも観客である私にでさえ解る良い人

そんな私に対しても、

四条さんは接しようと近寄ってきてくれます

なのに……逃げてしまう

雪歩「……戻りましたぁ」

貴音「お疲れ様です、雪歩殿」

雪歩「はぃっ!?」

事務所でまさかの2人きりです


雪歩「お、お茶入れます!」

緊張して声が裏返ってしまいます

貴音「いえ、そんな気にせずとも良いのですよ?」

それはどっちの意味でなのだろう?

お茶か、緊張か

その思考に全力を注ぐ私を、

四条さんの笑みが見つめていた

そのせいで頭の中が服のように白くなっていく

雪歩「ぁ、う……」

綺麗な笑顔

自分とは比べることのできない笑顔

雪歩「穴掘って埋ま――」

貴音「お待ちなさい」

逃げることは許されない

そう言わんばかりに四条さんは私の手を掴んだ


貴音「穴を掘ってはいけません」

雪歩「うぅっ……」

貴音「嫌いなのですか? わたくしが」

一転して悲しそうな表情

それもそうだ

私が避けてしまっているんだから

雪歩「ち、違います……けどっ」

貴音「では、なぜ?」

雪歩「四条さんとは釣り合わないなって……」

綺麗で、可愛くて、優しくて、暖かくて、

面白くて、スタイルも良くて、大人で……

そんな人を陰らせてしまいそうで

貴音「……わたくしと釣り合わない?」

雪歩「だって、私は――」

弱気な言葉を、四条さんの目が制した


貴音「雪歩殿が言わんとしていることは判ります」

雪歩「え?」

貴音「ゆえに言わせていただきます。貴女は貧相でもちんちくりんでもない。と」

四条さんの強い視線

雪歩「でも……」

貴音「確かにばすとやひっぷはわたくしの方が上だと言えましょう」

四条さんはそう言いながら私の頭を撫でた

貴音「ですが、大きいだけが魅力ではありません」

雪歩「…………」

貴音「貴女の白さも、純粋さも、弱さも、愛らしさも、優しさも、すべてが魅力なのです」

四条さんが笑う。

貴音「ですから、わたくしと釣り合わないことなどありえません」

四条さんの言葉が嬉しかった

こんな私を同等に見てくれていることが嬉しかった


雪歩「四条さん……あの……」

貴音「はい」

四条さんは手を離し、解放してくれた

けれど、もう逃げようとは思わない

逆に、四条さんともっと仲良くなりたいと思った

もっと四条さんのことを知りたいと思った

みんなのように、分け隔てなく接することができるようになりたいと思った

雪歩「らーめん。食べたいです」

貴音「おや……真ですか?」

嬉しそうな表情で、

あぁ、本当に好きなんだな。なんてほっこりとしてしまう

雪歩「はい、四条さんが良ければオススメのお店に行きたいです」

貴音「では雪歩殿のお茶を頂いてから参りましょう」

これは自分たちを知るための第一歩

仲良くなるための第一歩

雪歩「はいっ」

いつかは2人でユニット……組めるかな

ううん、組めたらいいなぁ

そんな願いを込められて、2杯のお茶は作られていく


基本的にはこんな感じの短編の予定
ソフトな感じにしようと思っていますが、
要望があればもう少し深いものになるかもしれません

短編なのでそれぞれ個別ですが安価で指定されたのであれば続きも書きます

あと、アイマスキャラたちの口調・キャラ練習でもあるので、
おかしいところの指摘は是非ともお願いします



>>9

ちはゆき


千早「歌を教えて欲しい?」

雪歩「は、はいっ」

千早ちゃんは歌が上手い

それはもうなんで歌手デビューじゃないのかを疑うくらいに

あの澄んだ声

伸びのある声

私には真似なんてできない素晴らしい声

千早「それならレッスンに行けばいいんじゃないかしら?」

雪歩「その、レッスンだけじゃダメかなって思ったんですぅ……」

千早ちゃんの少し強い口調に怯えてしまう

向こうはそういうつもりなんてないのに

千早「……そういうことなら」

千早ちゃんは読んでいた雑誌を閉じると、席を立った

雪歩「ごめんね? せっかくの休みに」

千早「ううん、平気よ。暇だから事務所に来ているのだし」

最もな回答を返され、言葉がなくなってしまう。

こんな弱い私だから、歌もダメなんだろうなぁ……


運良くレッスン場所を借りることができた私たち

私はというと、

早速千早ちゃんに怒られてしまっていた

千早「萩原さん、もう少し頑張れないかしら」

雪歩「はいぃ……」

声の伸びが弱かったりブレスが弱かったり

……音程が外れていたりと

もう散々なものだと言われました

これでも以前よりはうまくなっていたりするわけで……

雪歩「だめだめな私は穴掘って埋まってますぅ!」

千早「穴……そうね、穴だわ」

雪歩「へ?」

千早「どこかで穴を掘ってくれないかしら」

なぜか穴を掘ることになりました


ところ変わって郊外の開拓地

人気の殆どない最高の場所です

雪歩「ほ、本当に掘るんですか?」

千早「ええ、重要なことなのよ」

千早ちゃんが言うなら間違いはないはず

まさか自分の隠れるための穴を頼まれて掘ることになるとは思いませんでした

浅いとダメらしく、深く深く掘り進む

大体4、5mといったところでストップがかかった

ちなみに地盤がそこまで固くなかったので1mで1分くらいです

雪歩「それで、私はどうしたら……」

千早「穴に向かって歌うのよ」

雪歩「え?」

千早「まずはその臆病さを無くしましょう」


千早「対人でないのなら、そう控えめになることもないと思うのよ」

雪歩「そ、そうかもしれないけど……」

やっぱり恥ずかしいということに変わりはない

そんなこんなで歌えない私を見かねてか、

千早ちゃんが手本で歌う

千早「~~~~~~~」

綺麗な歌声

この青空に適した澄んだ声

聞き惚れてしまいそうな声

ごめんね? 千早ちゃん

千早「萩原さんの番よ」

雪歩「ご、ごめんなさいっやっぱり歌えないですぅ!」

こんな歌声のあとに歌うなんてできないよ……


千早「どうして?」

雪歩「私じゃ千早ちゃんみたいには……」

千早「どうしてなる必要があるの?」

そんな私の言葉を、思いを、

千早ちゃんは一言で断ち切ってしまった

雪歩「ぇ……」

千早「私には私の、萩原さんには萩原さんの声があるわ。なのにどうして真似る必要があるの?」

正論だった。

それぞれの個性がある。

だから、声だってそれぞれ違う。

千早ちゃんみたいに歌うことなんて私には無理だ

でも、うまいと思うから、

そんな風に歌えるようになりたいなって……だから……

子供みたいに涙ぐむ

雪歩「っ……ご、ごめんなさい」

千早「萩原さんの声は悪くないと思うわ。貴女にだって合う曲はある」

千早ちゃんはそう言うと、

少し苦手そうに柔らかく優しい曲を歌いだした


千早「私の声が特徴的だと先生たちは良く言うわ」

それは解る。

歌い方も特徴的だっていうのも解る

だから上手いんだろうなって思う

千早「だから歌えない曲も当然出てくる。今の曲は私よりも萩原さんの方がうまいはず」

雪歩「そんなことっ」

苦手そうに歌う曲

それでさえもうまいと感じた。

それなのに、下手だっていう

そんな千早ちゃんを羨ましく思い、

ほんの少し芽生えた妬ましさに嫌悪感を抱く

千早「なら歌ってみたらどうかしら。ここで」

雪歩「っ……」

歌うのが恥ずかしい

比べられるのが怖い

でも……はるかに高い場所にいる千早ちゃんに届きたいと思った


雪歩「っ~~~~~~~」

勇気を出して踏み出す

眼下に広がる穴へと向けて叫ぶように全力で

でも、歌の雰囲気は壊さない

壊れないように忠実に

優しく繊細になぞっていく

今の私にはうまく歌おうなんて出来はしない

歌を守ることしかできない実力

それでも精一杯に歌う、声を出す

千早「ふふっ、良かったと思わない?」

雪歩「え?」

声を聞いている余裕なんてなく、

千早ちゃんの賛美に首をかしげた

千早「萩原さん、いつも上手く上手くってそればかり。だから歌自体を壊してしまっていたのよ」

そんな私と対照的に、千早ちゃんは微笑んだ


雪歩「そ、そう……だったかな?」

最近は周りの成長に怯えて、

自分も自分も。

そう焦っていた気がしないわけじゃない

千早「貴女には貴女の歌い方がある」

雪歩「私の歌い方……」

千早「万能じゃなくて良いの。貴女の歌い方で歌える曲を歌えばいい」

千早ちゃんはそう言って掘った穴へと土を戻していく

千早「それに惹かれているからファンがついているんだから」

雪歩「……ありがとう、千早ちゃん」

上手くなれたわけではないかもしれない

けれど、

私自身の歌を、千早ちゃんは教えてくれた

千早「気にしなくて良いわ。私も好きだから、萩原さんの歌」

雪歩「ぇ……」

憧れている人が、好きと言ってくれた

千早「だから頑張って」

雪歩「う、うん!」

これからも頑張ろう。そう思えた

雪歩「千早ちゃん、これからも宜しくお願いします」

千早「こちらこそ」

ちはゆき終わり
間違って雪歩視点にしてしまった……

またあとで


短編だからヤマオチが中々作れず……
一応SSの練習でもあるのでこなしていく内に書けるようになればなと思います


というわけで次>>24


ちはやとあずささん


千早「離れないでくださいね?」

あずさ「あらあら、大丈夫よ~」

その大丈夫を信用できないから行っているんです、あずささん

極度の方向音痴であるあずささんだけでもきついというのに、

なぜか私たちは通勤ラッシュ真っ只中の駅にいた

と、いうのも――

P『すまない、渋滞が長引きそうなんだ。電車で行ってくれ!』

そういうことです

通勤ラッシュの荒波xあずささんの方向音痴

どうなるかは恐ろしくて口にできません

千早「あずささん、ついてきてますよね」

あずさ「いるわよ~」

再度確認まだ声は近い

少しして確認。

千早「あずささん」

あずさ「ぁらあら~」

ちょっと離れた――離れた?

慌てて振り向くと、見覚えのある姿はどこに行くのか、

予定とは違う電車の中へと閉じ込められ――走り去っていった


千早「すみませんプロデューサー……あずささんは行方不明になりました」

即電話、こういう時の緊急マニュアルによれば、

プロデューサーに連絡、近い人が追いかける。のが流れ

撮影所にはあらかじめあのあずささんであることは連絡済みなので問題はないそうだ


電車が来る前のあいだにメールを打っておく

千早『今どこにいますか? そこで降りて待っていてください』

あずさ『新橋っていうところにいるわよ~待ってるわね~』

2駅くらいしか離れずに済んだらしい

電車だったのが幸いしたと言えるかもしれない

もともと車だったはず。ということは言わないでおくべきとして

暫くして電車に乗り込み新橋で降りてみる

付近に姿はなく、

正直なところ嫌な予感しかしない

千早『今、どこにいますか?』

あずさ『もうすぐ品川よ~』

離れた、なんで離れたんだろう?

あたりを見渡し看板を見上げる

千早「……東海道本線?」

どうして乗ったんですか……?


千早『そこで待っていてください、絶対ですよ?』

あずさ『は~い』

のんきなことに絵文字付きのメール

本当にマイペースな人だ

それがいいところでもあるのだろうけれど、

もう少ししっかりして欲しいと思う。

少なくとも歳上なのだから

千早「撮影には間に合いそうもないわ」

ため息絵をつく私に一通のメール

あずさ『次は川崎~』

千早「えっ」

ちょっと待ってください

さすがに怒っていいですか?

怒鳴っていいですか?

一体どこに行くつもりなんですか?

待っててと――……

降りて待ってとは言っていない自分に苛立った


追えど逃げていくあずささん

どこまでも逃げていくあずささん

おそらく本人に自覚はない

それが一番ずるいこと

自覚がなければ責められない

そんな不幸な体質だと言われればそれまでになる

千早「……面倒くさく、なってきたわ」

さすがに私もだれてしまう

撮影はとっくに開始されているだろう

おそらく着く頃にはまた明日の朝一で。となるだろう

千早「…………はぁ」

そんな自分にため息一つ

千早『次の駅で降りてください、そこで絶対待っていてください』

あずさ『はぁ~い』

楽しそうな、嬉しそうな、おちょくっているようなメール

千早「やっぱり放っておこうかしら」

そう言いつつ追いかけ列車に乗ってしまった


千早「あずささん」

あずさ「あらあら……大丈夫?」

そう言って、あずささんはハンカチを貸してくれた

場所は熱海という終点

次で降りてと言ったのに、何故か降りずに熱海まで

あずさ「ごめんね~千早ちゃん」

千早「一体どう言うつもりなんですか……降りてと、待ってと。言いましたよね?」

息を整え睨む

あずさ「ごめんなさい……」

しょぼんと呟く姿に意を削がれ、言葉が詰まってしまった

怒ろうと思った、怒鳴ろうと思った。けれど、

千早「無事ならそれでいいです……もう、それで」

あずさ「……あのね、千早ちゃん」

そこで一転、あずささんは神妙な面持ちで告げた

あずさ「今日の撮影っていうのは嘘なの」

千早「え?」


あずさ「実は熱海のホテルの宿泊チケットがあってね」

千早「……はい?」

話が掴めず首をかしげる

撮影がない? 宿泊チケット?

あずさ「たまたま私たちしか休みじゃなくて……だから、でも、千早ちゃんは嫌っていうと思ったから」

千早「ちょっと待ってください、なんで、いや、私しか暇じゃないのは解りました。確かに拒否もすると思います」

自分が行かずにご両親でも良かったはず。

もしあれなら音無さんでもよかったはずだし、

最悪ひとりでも良かったはず。なのにどうして……

そんな疑問に気づき、あずささんは微笑んだ

あずさ「だって~千早ちゃんと仲良くしたいじゃない」

千早「っ……」

一時期一線を引いてしまっていた

そんな私をみんなは助けてくれた

そんなみんなのおかげで過去を克服することもできた

でも、一度した強い別れの経験が、

私とみんなとを隔てていた


あずさ「前よりも明るくなって仲良くするようになって、それはいいことだって思うわ。でもね?」

あずささんはそれに気づいていたということだ

別れを恐れるあまり、

表面上でしか付き合えていなかった私の心に。

あずさ「時々、すごく寂しそうだったから」

そばにいるのに遠くて、

目の前にいるのに離れていて

追えば逃げる、追われれば逃げるそんな距離

千早「私は……」

あずさ「撮影って言えば来てくれると思ったの……だましてごめんなさい」

気持ちを隠すことに離れていたはずだ。

嬉しいことも楽しいことも、辛いことも悲しいことも、

大人ぶって隠してきたはずだから。

目の前で頭を下げる大人は、

少なくともそんな自分よりは大人だった


千早「頭を上げてください、あずささん」

この人は私のことを気にかけてくれていた。

あずささんだけじゃない、

カラオケや、ショッピング、お泊まり会や、自主練

それ以外の色々なことにも、みんなは誘ってきてくれていた

でも、ここまで遠回りで面倒くさいことをされたのは初めてだった

千早「私……動き回って疲れてしまったんですが、休みませんか?」

わざわざ嘘までついて、

そして、頭を下げてまでしてくれた厚意

受けないわけには行かない

あずさ「え、ええ、いい場所があるのよ?」

それに、目的地が熱海なのだとしたら、

あずささんは迷わずに来た。それはつまり、どうしても来たかったという強い意志があるということ

千早「下調べとかしてたんですか?」

あずさ「ちょ、ちょっとだけよ、ちょっとだけ」

そう言って隠した手帳の見えた一ページにはびっしりと情報が書かれていた


それに対して、私は思わず笑ってしまった

あずさ「ち、千早ちゃん?」

千早「迷子にならないでください」

伸ばした手が、あずささんに触れる

私は初めから触れることができたのだ。

臆病になって見えていなかっただけなのかもしれない。

眼下の大穴はただの錯覚

伸ばせば届く近い距離にみんなはいてくれた

あずさ「姉妹に見えたりするかしら~」

嬉しそうに笑いながら、

あずささんは私の手を握って引いていく

不思議と嫌ではなく、恥ずかしさもない

私はようやくみんなの隣にならべるのだから。

恥ずかしいよりも嬉しい。

そして私はあずささんに導かれ、一緒に踏み出していく

次のステージへと……


ここまで
あずささんの誕生ネタにすればよかったと3レス目で後悔

なんか暗い話ばかりですね、申し訳ない


次のカプ>>37

貴音と伊織


事の発端は伊織殿がご両親の社交場に連れられ、

同年代のお嬢様方と出会われたこと。

お嬢様という身分ゆえか、

どうやらご友人ですら気品を伺われるらしく、

今度会われる際に同席して欲しい。ということらしいのです

本来ならばやよい達を誘いたいのでしょう

ですが、おそらく笑われることを危惧している

やよいたちが悪いわけではない

しかしながら、相手の方々はやよい達の良さを知らず、

だからこそ、その気品でしか判断しない

お世辞にも良いとは言えない家庭環境ゆえの低い立場

真……世知辛いものです

伊織「頼める……かしら」

貴音「良いでしょう。わたくしでお力添えできるのでありましたら」

やよい達そして伊織殿のため、この願い。しかと引き受けました


翌週、わたくしと伊織はご令嬢たちの集う会食へと出席することになりました

大食いと言われるわたくしですが、

今日ばかりはそう節操なく食べ渡ることなどしませんよ

貴音「ですので、どうか朝食を多く食べさせようとするのはお止め下さい」

伊織「そ、そう?」

予想していなかった。といったご様子

実に心外です、伊織殿

伊織「とりあえず今日は伊織殿っていうのはやめて欲しいのだけど」

貴音「では、伊織。とお呼び致しましょうか」

伊織「そうね、私もいつも通り呼び捨てにするから」

呼称の確認を終え、

わたくし達は伊織殿……伊織の大きく長いりむじんという車に乗って会場へと向かうことにしました

りむじんではありませんが

わたくしも古都では似たような大きい車に良く乗せられていたものです


伊織「貴音には悪いけど、本当はやよいを誘いたかったのよ……」

窓の外を眺めつつ、

伊織は急にそのような言葉を呟く

貴音「はい、恐らくそうではないかと思ってはいました」

伊織「さすがね、貴音の洞察力は」

伊織は少しだけ笑ってはくれましたが、

その表情は相も変わらず嫌悪感を隠しきれてはいない

それはわたくしではなく、今から会う予定のご令嬢たちへの感情

伊織「無駄に高いだけの料理だけど、あの子達なら喜ぶでしょ?」

貴音「ええ、きっと喜ばれることでしょう」

伊織「でも、みんな馬鹿にすると思う。されると思う……ほんと、つまらなくてくだらない」

それは伊織の本音

伊織はぷらいどこそ高いものの、

優しさというものをしっかりと持ち合わせていることを知っている

伊織「……意味のない話で悪いわね」

貴音「そんなことはありません。伊織が彼女たちを思う気持ちが再度確認できました」

そう答えを返すと、

伊織は少し恥ずかしそうに席園して、そんなことないから! と否定し、

そんなことあるということを、強く教えてくれました

×席園 ○赤面



会場につくと、

それはもう眩いまでのどれすを着込んだ令嬢たちが視界に写りこんできた

貴音「わたくし達も着るのですか?」

伊織「まぁ……そうなるんでしょうね」

気だるそうに答えると、

それはやはり的中し、係りの執事らしき殿方に連れられて化粧室へと向かう

伊織「ドレスって嫌いなのよね、動きにくいし」

貴音「だんすの方のどれすは動きやすいのですが、やはり見た目にこだわるものとなると……」

凄く動きづらいものです

伊織「全部虚勢よ。すべて親のおかげでしかない」

そんなわたくしの思考に声が割り込む

貴音「虎の威を借る狐……だと?」

伊織「そう思わない? 私は凄いのよ? なんて言いつつそれは全部親のおかげで成り立ってるじゃない」

貴音「ええ、そう言う事もできるでしょう」

伊織「私はそれが嫌、親あっての自分の人生なんて嫌。私は私自身の手で未来を掴むのよ」

伊織のしっかりとした信念

わたくしは思わず言葉を失い、伊織は微笑む

伊織「さっ、見せつけてやりましょ。井の外と中の違いを」

貴音「はい、参りましょう」


悪い目がさらに悪くなってしまいそうなどれすの数々

それに目を細めていると、早速近づいてきた

「ごきげんよう、水瀬さん」

伊織「ええ、ごきげんよう」

伊織の変化は恐ろしく、

さっきまでの強い牙を隠して笑う

それが仮面だと、彼女たちが気づくことは恐らくできないでしょう

「えっと、そちらの方は?」

伊織「私の友人の貴音よ」

どうやらわたくしの出番のようです

貴音「初めまして、四条貴音。と、申します。以後お見知りおきを」

「ええ、よろしくね。四条さん」

一応、ふぁーすと・こんたくとは問題なかったようで一安心

伊織「それでは、私たちは挨拶回りをしてきますので」

「はい、またあとでお会い致しましょう」


伊織「悪いわね、茶番で」

貴音「いえ、結局は暇を持て余していた身。お役に立てるのならば良きことです」

伊織「そっ、ならいいんだけど」

挨拶回りを済ませていざ会食

最近こそマナーを考えずに食事をしていましたが

ここではさすがにマナーに縛られてしまう

そんな堅苦しさもまた、伊織は嫌いなのでしょう。

やや不満そうにしていました

伊織「やっぱり、貴音って良いところの人なの?」

貴音「さて、どうなのでしょうか」

伊織「言いたくないなら別に良いけど……いつか聞けるのかしら?」

伊織の好奇心宿る瞳に対して、私は微笑みを返し言葉を紡ぐ

貴音「とっぷしぃくれっと。と、言わせてください」

伊織「なによ、気になるじゃない」

そうは言いつつも、

伊織がそれ以上追求してくることはありませんでした


会食が無事に終わり、

わたくし達も帰る事となりました

伊織のことも、伊織の友人である皆のことも

これで笑われたり、馬鹿にされるようなことはないでしょう

無事にやり遂げることができて一安心です

貴音「ご苦労様でした、伊織殿」

帰りの車内

お疲れの伊織殿にそう言葉を向けると、

開放感からか嬉しそうに笑った

伊織「はぁ~っこれで終わりっもう二度とやりたくない」

貴音「ふふっ、さっきまでとは大違いですよ?」

伊織「良いのいいの、今は貴音しかいないから」

貴音「そうですか、わたくし相手には偽る必要などない。と」

伊織「当たり前でしょ、仲間だし、友達なんだから」

少し呆れ気味の言葉

ええ、わたくしもそう思っていますよ、伊織殿

伊織「だから」

貴音「はい?」

伊織「もう殿はやめてくれない? もうずっと伊織でいいわよ」


貴音「伊織殿ではなく伊織。と?」

伊織「そっ、嫌とか言わないでしょうね?」

それは脅迫なのでしょうか?

さすれば断ることもできません。

貴音「では、これからはずっと伊織と呼ばせていただきます」

伊織「ええ、構わないわよ」

少し強気な態度をとりつつも、その表情も声も嬉しそうで、

わたくしもなんだか嬉しく……

そんな空気だったからか、

伊織はわたくしを見つめると、ふいっと視線を逸らした

伊織「今日は……ありがとう」

貴音「……ふふっ」

伊織の素直なお礼

私は思わず笑ってしまい、睨まれてしまいました

伊織「もう! 人がせっかくお礼言ってあげたのに!」

貴音「すみません、伊織。貴女にお礼を述べられるのは初めてですから」

伊織「もう絶対にしないから!」

貴音「ふふっ楽しい時間でしたよ、伊織。ありがとうございました」

伊織「っ……そ、そう」

怒ったように言いつつも嬉しそうな表情

わたくしは声にはせず笑う。

……真、良き一日でした

心の中に言葉をしまいこみ、わたくし達は事務所へと戻って行く……


ここまで。

貴音と伊織の口調とかがちょっと難しくて崩れてるかもしれない
少し重いみたいなので今日の投下はここまでで終わりにします


指摘等ありましたらお願いします


元961プロダクション所属、我那覇響

自分だけでなく、貴音も元961プロ所属のアイドルだった

けれど、ちょっとした方向性の違いから自分と貴音は765プロへと移籍した

そして、自分はアイドルランクだけじゃなく勝負したい相手を見つけてしまった

それが真、菊地真

運動神経抜群で、自分と並んで女性ファンを獲得している真は、

それが本人の意思に反することだとしても好敵手、ライバルなのだ

と、自分は思ってる……と、待ち人来たる

真「あれ? 響?」

真の家の前で待っていると、

真が一時間もかけたジョギングから帰ってきた

響「はいさーい、真。待ってたんだぞ」

真「待ってたって……なんで?」

今日は自分も真も揃ってオフの日

利用しない手はない。と、貴音に相談したら教えてくれたのだ


響「決闘を申し込むぞ、真!」

真「けっ、決闘?」

果たし状(貴音作)を真へと突きつける

血糖を申し込む時は必ず果たし状が必要だって貴音が教えてくれた

……なんで自分で書かなかったのかって?

いや、自分頑張って書いてたんだけどうまく書けなくて、

そしたらみかk……見兼ねた貴音に書いてもらったのが上手かったんだ!

仕方ないよね?

真「ごめん、達筆すぎるっていうか、難しい漢字多くて読めない」

響「え……いや、自分も貴音の解説がないとわからないぞ……」

真「えー……」

あ、呆れられてしまったぞ!?

響「け、決闘の内容を教えるぞ!」

すかさず話に入るのがいい……と、思う


真「休日くらいゆっくりしたいんだけど……」

響「!」

モチベーションが低い、話に乗らない、決闘破棄、決着つかず――。

響「だ、ダメだぞ真! 逃げるのか?」

真「逃げるのかって……そもそもやるなんて言ってないよ?」

響「ぐぬぬ……」

確かにまだ一方的だけど。

こんな時のために亜美に教えて貰った挑発術その1……

響「やーいやーい、腰抜けー」

真「な、なんだよ急に、酷いなぁ……」

ぎゃ、逆効果だぞーっ!?

しかもなんか嫌われちゃったかもしれない

響「ご、ごめん! 腰抜けっていうのは冗談さー」

真「……?」

怪しまれてるみたいだなぁ


真「とりあえずさ、血糖なんていう物騒なことはやめようよ」

響「べ、別に物騒じゃないぞ、すごく安全だぞ、ちゃんと痛くないし危なくない種目にしたんだからな」

それだけはしっかりと考慮したんだ

もちろん、貴音たちの助力もあったけど

真「例えば?」

響「特盛ラーメン早食い競争!」

真「ものすごく痛いと思うよ? 主に胃が」

即却下されてしまったぞ貴音ぇ……

響「み、みんなのモノマネ対決!」

真「それなら……まぁ、安全かな」

真美の提案は良かったみたいだなっ

響「あとは……いたずら危機一髪!」

真「うん、却下」

亜美ぃ……


と、いうわけで

自分たちの対決種目はみんなのモノマネとなった

審査員はいつも事務所にいるためか、

退屈しているであろうピヨ子

小鳥「はいっ、今年もやってまいりました紅白モノマネ対決! 司会兼解説は私、音無小鳥と、」

ハム蔵「チューチューッ」

小鳥「我那覇ハム蔵こと、ハム蔵さんでお送りいたしまーす」

本人は仕事あるらしいけれど、

律子が暫く戻らないのを良い事にサボろうということらしい

自分たちからしてみればすごくありがたいけど……

良いのかピヨ子、それで! ってハム蔵は言ってるぞー

小鳥「まずは誰のモノマネ?」

真「誰?」

響「ん~と……まずは春香!」

真「春香かぁ……」

小鳥「これはいきなり難題ですね、ハム蔵さん」

ハム蔵「チュー……チューッ! チュー」

小鳥「なるほど、春香ちゃんにも個性があり、それを理解していればできる。と」


真「じゃぁ、ボクから行くよ」

響「いいぞ、強者は弱者に譲るものだからな」

真美の挑発リスト1、見下し!

真「まだわからないけどね」

響「あ、うん……」

しかし効果はないようだ

真「コホンッ」

ひとつ咳払いをし、

真は真剣な表情であたりを見渡す

そして見つめたのはピヨ子

真「………………」

さぁ、どう出る? 真

真「プロデューサーさん! モノマネですよ! モノマネ!」

小鳥「ピヨッ!? こ、これは?」

ハム蔵「チュゥチュー……チューッ!」

響「プロデューサーに対して春香が自己顕示するときの口調○○ですよ! ○○!」

くっ……これはまずいぞ

小鳥「これは中々良いところを突いてきましたね」

ハム蔵「チューッ!」

小鳥「ええ、ですがまだ勝負はわかりません。さぁ、我那覇響選手、どうぞ!」

響「っ……残ってるのなんて……」


響「プ、プロデューサーsわぁぁぁっ」

ドンガラガッシャーンと何もない場所で転んでみせる

あと自分が知っているのはこのくらい

真も当然同じやつだって油断してた……

自分の運動神経ならうまくやれるって。

小鳥「実に忠実な再現でしたが……どう思いますか?」

ハム蔵「チューッ、チュー……チューッ!」

小鳥「そうですね、残念ながら普段からしている転倒と希にする口調では理解のしやすさが違いますね。よって」

ピヨ子とハム蔵が真を指差す

小鳥「1回戦は真ちゃんの勝利!」

真「へへっやーりぃ!」

転ぶのと口調に理解のしやすさなんて……いや、

深く考えるまでもない。

自分は負けた。それだけ……でも、次は負けないぞ!

次は千早


響「次は、自分だぞ」

マイナーな部分が有利だって言うなら、

千早が滅多にしない、

けれど自分たちが見たことあるであろう

あのモノマネで行く!

小鳥「はい、意気込み十分です。ではどうぞ!」

響「……………」

とりあえずは見渡す、

そこにいる人や場所をイメージ

ピヨ子や真を貴音達に変換

よし、行ける!

写すは胸、見るは胸!

そしてすぐさま自分の胸へと手を当てて――

響「……くっ」

ハム蔵「チューーーーーーッ!!」

小鳥「おーっと、これはとある場面での千早ちゃんの苦悶の声! さぁ、どう出る!? 菊地真!」

真「そうきたかぁ……へへっ負けないけどねー」


真はすぐにそのモノマネを披露した

真「高槻さん可愛い!」

響「!?」

小鳥「はい、可愛いですよね。やしないたいくらい可愛いです、ですが、」

ハム蔵「チュー………」

確かにそれはわかるけど。

小鳥「残念ながら、千早ちゃんはそこまで露骨じゃありません。よって」

今度はその指が自分へと向く

小鳥「響ちゃんの勝ち!」

真「そ、そんなぁ……」

1勝1敗、そんな引き分け状態。

小鳥「さぁっ、次――」

がちゃっと開いた扉から見えるメガネをかけたスーツの女性

響「り、律子」

戦いの決着は延期となり、

なぜか自分たちまで説教を頂き、家へと返されてしまった


響「ぐぅっ次こそって思ってたのに」

真「仕方ないよ。小鳥さんの邪魔になってたんだし」

響「それは……そうだけど」

みんなに協力してまでやってもらったのに決められなかった

そんな罪悪感を感じてしまう

真「どうしてそこまでこだわってるの?」

響「誰だって上が良いに決まってるぞ……」

真「あはは、たしかにそうだね」

真は笑ってそれを流してしまう。

まるで、それは自分の答えじゃないというように。

案の定、でも。とつながった

真「ボクは響が上だって思ってるよ」

響「え?」

真「だって、ボクにないものを響は持ってるだろ? だから上じゃないか」

響「でも……真だって」

言おうとした言葉を聞かずに、真は頷いた


真「そういうものなんじゃないかな。上には上がいる」

真「ボクの上には響が、響の上には僕が」

真「ボクにとって、響にとって。それぞれ価値観は違うだろ?」

真の言葉は完璧に理解するには少し複雑で、

だけど、するべき部分は理解できた……ような気がした

真「まぁ……プロデューサーさんの受け売りなんだけどね」

笑って言われ、

感心した自分が少し恥ずかしくなった

響「か、かっこいいって思ったぞ……一瞬」

真「可愛いって言われたいなぁ」

響「……………」

真「な、なんで黙るのさ!」

心外だ。と、真は怒鳴る

響「……チュラカーギー」

真「え?」

響「なんでもないさー次は負けないって言っただけ」

真「ボクだって、勝負するなら勝つよ……響はボクのライバルなんだから!」


ごめん、何を書いてるか解らなくなった

うっうー……まだまだ未熟です

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