王「勇者よ、お主の旅は基本無料じゃ」 (1000)

vipからの続きで申し訳ないが

王「勇者よ、お主の旅は基本無料じゃ」 - SSまとめ速報
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ここなら落ちる心配もないし少し休む

てつをRXの攻撃! リボルケインが 唸りをあげる!

長男勇者の仲間『薄幸の喪少女』は 爆散した!

薄幸の喪少女「己を生んだ母を怨むうぅぅぅ!!」チュドーン

長男勇者「俺の喪少女を喪少女を一撃で沈ませやがっただとぉーッ!?」

てつをRX「ここまでだ、ク ラ イ シ ス !!」

長男勇者「く、くるな……その仲間一体何なんだよ……どうして 何度も攻撃してもHPが自動で回復しやがる……」

『スキル:王石の光ver,2 → てつをRXは太陽の下にいる限りHPを自動的に回復し続ける』

勇者「今ので最後だろう」

勇者「もう お前に仲間は残っちゃいない。さっき爆死した次男勇者と同じ目に合いたくなければ、降参しろ」

長男勇者「この野郎……まだだ、また俺一人だけでも戦えるんだぜェ!?」  三男勇者「あんちゃん!もうやめてよぉー!」

三男勇者「勇者の兄ちゃんもこれ以上僕のあんちゃんをいじめないでよぉー……」

勇者「それなら、お前の『あんちゃん』に約束させるがいいぜ。二度と『無課金勇者狩り』なんぞ くだらん真似をするなって!」

三男勇者「あ、あんちゃーん……」  

長男勇者「たっ、頼む! もう俺は降参する、あんたの勝ちだ……だからコイツだけは生かしてくれ!」

キミは 『勇者×バトル』に勝利した!

勇者「とっとと僕の目の前から失せてしまえ、小悪党どもめ。どっかで足洗って真面目に勇者しやがれ!」

長男勇者「クソッタレめ……チート使ってる奴に敵うワケがねぇだろ! 覚えておけよッ!」  三男勇者「待ってよあんちゃぁーん!」

ならず者・勇者三兄弟は キミの前から去って行った!

勇者「…………あ、危なかったぞ」

勇者「まさか二連戦する羽目になるとはな、『精神力』も残り僅かじゃないか」

勇者「奴が降参していなければ回復薬を使わざるを得なかった……」  → 『精神力:09/46』

女神「…逆に聞きますよ、私の勇者? なぜ回復薬を買わないのです!? あなた最近調子に乗っているのではありませんか!?」

勇者「買うも買わんも僕の勝手だろうが一々強要してくるんじゃねぇよ!!」  女神「お金があれば使うのが消費者の義務でしょうが!!」

眼鏡勇者「あのぅー……」

勇者「あっ、もう大丈夫 安心してくれ。キミが奪われた『格闘魔法少女』と『ステマ・ゴウリキ』は取り戻したからな」

女神「ちょ、ちょっと 勇者! せっかくあなたが勝利して手に入れたレア仲間を無償で譲るつもりなのですか!」

勇者「何を言ってるんだよ、コイツらは元々彼の仲間たちだろうが。それをあんな卑怯なやり方で奪うなんて最低だぜ…」

女神「そこの冴えない眼鏡勇者よ……仲間を返して欲しくば24時間以内に10万用意するのです……もし払えなければ あなたの大事な仲間は」

勇者「このクズの言う事に一々耳を貸さなくていいよ。まともに相手をすれば胃に穴が開く」

眼鏡勇者「は、はぁ……すみません……」

女神「チッ……相棒の私に冷たいとは酷い勇者ですね。まったく、勝手にどうでもいい勇者を助けたりなんかもしちゃって!」

勇者「お前本っっっ当に女神名乗るのやめてくれないか!?」

眼鏡勇者「あの、その女神さまの言う通り どうして俺なんか見ず知らずの者を助けてくれたんですか…」

勇者「僕も仲間を奪われるつらさを知っているから。キミは無課金でこれまでコツコツ頑張って、その仲間を手に入れたんだろう?」

勇者「とても大切な筈だ、だからあんなカツアゲみたいな真似して奪われている所を放ってはおけなかった」

女神「勇者カッコいいですわねーいやぁ、さすが勇者サマですぅー」  勇者「お前はいくら課金すれば その口閉じててくれんだろうな!?」

女神「フン。……それにしても最近は無課金勇者が増えて、増えて 情けなくて見ていられませんね」

勇者「みんながそう簡単に課金へ手を出すわけがないだろ。しかも大体胡散臭いものしかないしな!」

眼鏡勇者「お、俺は 貧困街の生まれで中々お金に余裕が持てなくて……」

女神「やれやれ だからこそ毎日せっせと働き、お金を得て課金しまくるべきなのですわー」

女神「だって魔王を倒せば国から褒美として金銀財宝がタンマリ頂けるのですよ? そう考えれば今まで課金した分は無駄ではないでしょう?」

勇者「かならず魔王を倒せる保障はないだろうが…」

眼鏡勇者「……そういえば、あなたが使役していたさっきの仲間 とても強かったですね。3体の仲間が束になって向かっても敵わないなんて」

眼鏡勇者「やっぱりアレって チートを使ったんですか……?」

勇者「そんなワケがあるかっ、さっきのはてつをRXの実力だよ!」

眼鏡勇者「へー……あんな仲間もいるんですねぇー……俺、初めて見ましたよ……へー……フーン…………」

勇者「きっとキミもいつか そんな強い仲間に出会えるさ。じゃあ、僕は先を急ぐから。これで」

キミは 眼鏡勇者に別れをつげて その場をあとにした !



眼鏡勇者「アイツ欲しいなァ…………」

てつをRX「や゛め゛で ぐ れ゛ ゆ゛う゛じ ゃ゛ぐ ん゛っっっ!!」

勇者「ちょっとだけだから! 一瞬で終わるし、痛くないから! な!?」

キミは合成釜へ 『太陽の子・てつをRX』と『ゲル』を 放り込んだ!

「ブワアアアアアァァァァ……――――――」

勇者「あの合成の方法 もう少し優しい感じにならないのか」  女神「なりません。仲間合成一回 200円になりまぁーす♪」

勇者「っ~~~……それにしてもてつをRX かなり強くて助かってはいるが、まだ強くなるのか」

女神「正直 私としては史上最悪の厄介者ですよ、あの仲間は。このままでは てつをRXのみで色々突破されてしまいそうで……」

勇者「女神よ、お前は僕に魔王を倒してもらいたくはないのか? 苦しめとでも?」

女神「結果的にそれで勇者の課金額が増加するのであれば是非苦しんでいただけた方が!」 勇者「お前は僕の何なんだ!?」

女神「まぁ、どうせならば魔王は倒してはもらいたくはありますよ? そうなれば 同時に私も女神として格が上がってウハウハになれますしね」

勇者「女神の格が上がるってなんだよ……あっ、合成が終わったようだ!」

キミは 新たな力をみにつけた仲間を 手に入れた !

『レア度☆☆☆☆☆☆:太陽の子・てつをRX(スキル:王石の光ver,2)(スキル:怒りのフォームチェンジ)』

てつをRX「俺は太陽の子・てつをアールエックスッ!!」

勇者「別にどこも変わってなくないか?」  女神「いいえ、勇者。どうやらスキルが追加されたようですわ」

勇者「何だ『フォームチェンジ』って…………うーん」

女神「また今度は難しい顔をし始めてどうしたのですか、勇者?」

勇者「いや、女勇者ちゃんが「救ってくれ」と僕に頼んだのは 確かにあの『マッチョ』勇者だったんだよなって…」

勇者「ムキムキマッチョで見るからに健康体なアイツが病に侵されているとは到底思えなくて」

女神「それはどうでしょうかねぇ、あの筋肉は薬かなにかで無理に作ったものだという可能性もありますよ」

女神「ほら、ボディビルダーって結構体調崩しやすいではありませんか」

勇者「……どのみちアイツとはまた会わなくちゃいけない。その時に詳しい話を聞くしかないだろうな」

女神「というか何故ガチャを回さないのですか、勇者よ!?」

勇者「また唐突な!……だってもう回す必要がないだろう? てつをRXはレベルを上げなくても十分今のままで最強だしさ」

勇者「ああ、無料ガチャぐらいならやってやらんでもないぞwwwwwwwwwwww」

女神「て、天狗になっていますね……勇者よ……」プルプル

女神「あの日あなたは私に向かって約束してくれたではありませんか! レア仲間たちをコンプしたら僕と結婚してくれと!」

勇者「そんなフザけた告白を誰がするんだろうな! 大体お前が出すガチャは的屋レベルでゴミしか当たらねぇんだよ!」

勇者「真面目に一回中身見せてみろ。それで僕が納得がつければ回してやらなくもない……」

女神「えっ、それはなんだかセコくありませんか……」  勇者「それぐらい僕はお前を信用していない」

女神「酷いですわ 勇者……およよよよ……ぐすんっ……」

女神は キミへ背をむけて 顔に両手をあて 泣きだした!

勇者「うっ……な、泣かないでくれよ……全体的にお前が悪いのに僕が悪者みたいになるじゃないか……」

女神「うえーーーんっ! ……ら、らって、ゆうしゃが わたしをいじめるからぁー……!」

勇者「悪かったって 少し言いすぎたよ……女神、ごめんってば……!」

女神「しく、しくしく……この かなしみ を おさえるには ゆうしゃがレアガチャ をまわすしか方法はないのです……」

勇者「わ、分かったよ……じゃあ1回だけ回すから……」

女神「1回? え、たった1回ですか? ケチな勇者にわたしは悲しくなり、ますます涙が止まりませんが?」クルッ

勇者「やっぱお前のこと大嫌いだわ」

冷静になって読み返してみると確かに話が唐突すぎる・・・いちおう前スレ最後の1日後から始まったつもり
頭ボーっとさせながら書いてたな。何でもするから許して

ふぇぇ・・・お昼ご飯食べたら書くよぉ・・・

女神「くっ、あと一押し足りませんでしたか」

勇者「アホか。誰があんなワザとらしい演技に引っ掛かるものか…」

勇者「それより女神よ、ガチャを出してくれ。無料ガチャをだからな、言ってる傍から別の方を取り出すなっ」

女神「先程レアガチャを引いてくれると言ったではありませんか! この私を騙しましたわね!?」

勇者「先に騙しにかかって来た奴が誰だったか答えろよ!グダグダしてないで早く無料ガチャ回させろ!」

勇者「念の為に機械武闘家と[らめぇぇっ!]女騎士を強化しておきたいんだ。今残している素材ではレベルUPまで届かん」

女神「勇者、素材目当てに引かれる仲間の気持ちが分かって?」

勇者「うっ……仕方が無いだろう。無料ガチャを引いて手に入る仲間では即戦力を期待できないのだから」

女神「ですから レアガチャにすれば良いものを。ケチな精神で事を行えば碌な結果がでませんよ?」

勇者「煽っても無駄だからな?」  女神「失礼なっ、今のは美しい女神からのありがたい助言ですよ!」

勇者「自画自賛しているような女神の助言なんて聞く耳持たねーよ。ほら、さっさとレアガチャ引っ込めて―――ん?」

女神「あら! 勇者よ、気が変わったのですね!」  勇者「違うわ……なんか変なのが……」

キミの 視界に『天界から勇者会員さまへ』と書かれたメッセージ が映り込んだ !

勇者「女神、なんだか僕の目に謎のメッセージが浮かんで見えているんだが……」

女神「メッセージですか?」  

勇者「ああ、『天界から勇者会員さまへ』ってタイトルだよ」

勇者「コレはまたお前の仕業か? ゲージやらよく分からん数値が視界にあるのには慣れてきた頃だけど、こんなのは初めて…」

女神「いいえ、勇者。私は何もしていませんけれど……確かに天界(運営)は、勇者会員全てを対象にメールを送る事がありますわ」

女神「内容は ほとんどが今月の限定ダンジョンの解放、新仲間登場のお知らせとか。あとはアップデートを終えた知らせでしょうか」

勇者「アップデートってなんぞ…」

女神「ですが、基本的に勇者へメッセージが届かれる前に、一旦私たち女神が情報の確認をするものなのですが~……うーん」

女神「よく分かりませんが、とりあえずそのメッセージを開いてみてはどうです?」

勇者「開けと言われても その開き方が分からない」

女神「 『ニア』 コレを気合いでメッセージのところまで動かしてダブルクリックですよ、勇者!」

勇者「ニア……?」

勇者「本当にで動かせた……とりあえず開けてみるぞ……!」

キミは メッセージ を 開いた !

メッセージ『バカが見る~♪』

勇者「は?」

メッセージ『あああああああああああああああああああああああああああ(ry』

勇者「うわあああぁぁぁ、何だコレェ!? ひ、開いたら視界が『あ』で埋め尽くされ始めやがったぞ!?」

勇者「見えないっ、何も見えない……!」ブンブンッ

女神「勇者、あなた遂に頭の方が壊れてしまったというのですか……怖いですわよ……」

勇者「そんなワケがあるか!! 女神、絶対お前の仕業だろぉ!! 早くコレ何とかしろよ!?」

女神「ですから私は何もしていませんわ! 私はお金の絡まない事には一々手を出したりしません!」

勇者「じゃあコレは誰の仕業だって言うんだよぉーっ!? ――――――あっ」

次第に キミの視界は落ち着きを取り戻し始め、異常はなくなった !

勇者「……勝手に治った。まさか今のは魔物の攻撃だったとかじゃないだろうな?」

女神「その様な面倒臭いことを魔物がするわけないでしょう。彼らは間接的に襲いかかるよりは直接を好みますからねぇー」

女神「……というか勇者、あなたへ届いた『メッセージ』、本当に天界からのもので間違いなかったのですか?」

勇者「だ、だって天界からってしっかり書かれていたぞ。間違いないよ……!」

女神「肝心のメッセージの中身は?」  勇者「短文で『バカが見る』とだけ……その後すぐに変になって……」

キミは 勇者A、勇者B、勇者C、勇者D~~~勇者Z とフレンドになった !

勇者「えっ」

勇者Aが キミに仲間交換を求めている! キミは 勇者Aとの仲間交換に 応じた!

勇者「ちょ、ちょっ……は!? え!?」

勇者「女神!! またおかしいぞ!?」  女神「もう、今度は何です? 本当は勇者の方が私をからかっているのでは?」

勇者「そんなワケがあるか!! 真面目に変なんだよ、勝手に知らない勇者とフレンドになり始めたり……」

勇者Aは 『レア度☆:剛毛商人(スキル:なし)』を交換に出してきた!

キミは 『レア度☆☆☆☆☆☆:太陽の子・てつをRX(スキル:王石の光ver,2)』を交換に出した!

勇者「はぁ!?」

てつをRX「ゆ゛う゛じ ゃ゛ぐ ん゛っっっ!! お、おれのからだが……」

勇者「ま、待て てつをRXッ!!」

キミたちは 無事交換を終えた! キミは新しい仲間と出会った! → 『レア度☆:剛毛商人(スキル:なし)』

剛毛商人「毛が混入していたと毎回苦情が絶えません」

勇者「なんだコイツ……お、おい女神…………」

女神「勇者、なぜあなたの仲間内でエースである『てつをRX』を突然交換したのですか? というかどこの勇者と?」

勇者「僕が逆に聞きたいわ!! てつをRXを僕が誰かにワケなく渡すはずがないだろう!?」

勇者Aが キミに仲間交換を求めている! キミは 勇者Aとの仲間交換に 応じた!

女神「これは……」

勇者「うおおぉぉぉっ、また始まったぞ!? 女神なんとかしてくれ!?」

女神「緊急事態です『ゴッド女神』よ! この者へ『仮IDと仮パスワード』の発行を大至急お願いします!」

勇者Aは 『レア度☆:にやける魔法使い(スキル・なし)』を交換に出してきた!

キミは 『レア度☆☆☆☆:機械の武闘家(スキル・追跡)』を交換に・・・

勇者「機械武闘家ぁぁぁーーー!? め、女神早く助けてくれ……!」

女神「今やっている最中なのですから黙って待つのですッ!!」

機械武闘家「マスター……何が起きている、俺の体が突然……!」

勇者「チクショー! お前だけでも失ってたまるものかッ!! 行くな、機械武闘家! 行っちゃダメだ!」ガシッ

女神「勇者よ、私の話を耳穴かっぽじって真面目によく聞くのです。あなたを今から強制的に勇者会員から外しますわ!」

勇者「なんだとっ」  女神「良いから黙って最後まで聞きなさい!」

女神「外すとは言っても現在のあなたのステータスと仲間たちはあとで元にそっくりそのまま返しますし、勇者の称号は失いません」

女神「今だけ、この仮IDと仮パスワードで仮勇者へなるのです……早くなさい……!」

勇者「よ、よく分からないけれど機械武闘家を取られるわけにはいかない! 任せたぞ、女神!」


キミは 勇者から 一時的に『仮勇者』に なってしまった!


仮勇者「う、…………上手くいったのか……?」

女神「ええ、ギリギリなんとかなりましたわ。『ゴッド女神』の対応の早さには毎度のことながら目を見張ってしまいますよ」

仮勇者「それより機械武闘家は!?」  女神「安心なさい、勇者よ。ちゃんとあなたの現在の勇者データへ移し終えています」

女神「ただしステータスの処理の方に少し時間が掛かると報告がありまして……しばらくはこの町で大人しくしている事を勧めますわ」

仮勇者「何だよそれは……ていうか僕の『てつをRX』はどうするんだよ……勝手に変なのと交換されちまったぞ……!」

女神「今、行方を運営が追っているようですが どうなる事やら、ですかねぇ」 

仮勇者「そんなアホなっ」

女神「先程の謎の現象の原因は、あなたが開いた『メッセージ』が原因でしょうねぇ」

女神「おそらくメッセージを開くと自動的にその勇者のIDとパスワードが解析され、流出するものかと」

勇者「罠ってことなのか。誰がそんな酷い真似を……!」

女神「それも追って調べている最中ですよ。……やれやれ、こんな事は私たちとしても初体験なのですわ」

女神「とりあえずコレを受け取りなさい、勇者よ。今回の件は私にも問題がありましたし」

キミは 女神から『スーパーガチャ券×3』を 受け取った

勇者「お前がタダで物をくれるのか!?」  女神「ええ、お詫びの品として頂くのですよ」

女神「本当に今回はすみませんでしたわ、勇者よ。完全に私も油断していましたよ」

勇者「お前に真面目にあやまられると怖いんだが……本当にどこのどいつだよ、犯人は!!」

女神「分かり次第、神の怒りの炎によって垢を焼き払われますよ。分かり次第の話ですが」

勇者「……妙に煮え切らない感じだな、女神」

女神「ええ、実はさっきあなたへメッセージを送ってきた者 と 強制的に仲間交換を申し込んできた勇者を会員表から探しているのですが」

女神「前者は不明。後者は会員表に名を乗せていないのです……何度見直しても『勇者A』なんて勇者が見つからないのですわ……」

勇者「ど、どういうことだそれ……」  女神「ぶっちゃけさっぱりですよ!」

女神「ついでに他のフレンドになった勇者たちも探せば全く見つからない。ただ一人、実在する勇者ではありませんでした」

>>114 最後の行の女神の台詞「全員が、実在する勇者ではありませんでした」に修正


女神「どこぞの愉快犯の仕業でしょうが、まさか私たち運営を欺くとは……一体どこのどちらさまなのでしょうかねぇー」

勇者「そんな事知ったものか! 僕のてつをRXをよくも……」

勇者「……こんなところでじっとしていられるものか。女神、僕はその犯人を見つけて てつをRXを取り返すぞ!」

女神「無茶ですよ、勇者。運営でさえ すぐに特定できない相手をただの勇者ていどに見つけられるワケがありませんでしょう?」

勇者「ダメだと決まったわけじゃないだろう!お前ら女神が無能なだけかもしれないしな!」

女神「そんな筈はありません!相変わらず失礼な勇者です! というか、今回は下手に突っこまない方が身の為ですよ」

女神「あなたの安全の為にも言っているのです。相手は全知全能であるゴッド女神の捜索網にも掛からない者なのですから……」

女神「とりあえず奪われたてつをRXを無断に使用されないように、それと『罠メッセージ対策』に運営がアップデートをしましたから」

キミに 天界からメッセージが届いた! さっきキミが引っ掛かった罠を注意する内容 と アップデートに関する内容だ!

勇者「本当にコレで大丈夫だっていうのか……」  女神「運営を甘く見ると痛い目を見ますよ、勇者!」

女神「とりあえず気晴らしにガチャでもお引きなさいな。ほら、タダでも手に入ったチケットがあるでしょう? タダで」

勇者「うー……今はいいよ、そんな気分になれないわ……くそっ」

勇者の前に仮って付けるの忘れてた。面倒だからそのままで続けます


みさくら女騎士「んごおおおおおぉおおおおおまぁすたぁーんげんきだしてへぇえええぇん」

社畜戦士「真に申し訳ございません!! 申し訳ございませんでした!!」

勇者「お前が謝ることはないだろう。悪いのは犯人一人だよ…」  ハンカチプリンス「青山に土地買うってヤバいっスか?」

勇者「とにかくお前たちだけでも無事だったのは幸いさ……」

女神「かなりダメージが大きそうですね、勇者。まぁ、気持ちは分からないでもありませんが」

女神「これを機に新しい仲間を手に入れる為、バンバンレアガチャを回しちゃいましょうよ……それが良いです……良いのですとも……」

勇者「やっぱり本当はお前の仕業でしたってなれば お前が泣くまで殴らせてもらうぞ」

勇者「はぁ……てつをRX、無事でいてくれよ……あっ」

勇者「そ、そうだ。機械武闘家! お前の『スキル:追跡』で犯人を見つけてくれないか!?」

機械武闘家「悪いがそいつは無理な頼みだ、マスター。俺のスキルは相手を特定した状態でなければ発動させられない」

女神「世の中そう上手くはいかないというワケですわねぇー。今日はもう大人しく宿屋で体を休めてはどうです 勇者?」

勇者「お前、珍しく僕を心配してくれているのか……」

女神「珍しく? 私はいつでもあなたの身を案じていますし、考えていますよ?」

勇者「正確には僕の『お金』じゃないのか?」  女神「フフフ……何を当たり前の事を」

勇者「そうだよな。お前はいつだってそういう奴だよな……期待した僕がバカだった……」

女神「まぁまぁ、そう気を落とさずに。こんな美人と旅を共にしているのですから、文句は簡単に言わないものです。男の子でしょう!」

勇者「チクショー…………うん?」

キミは 裏通りで 勇者同士が 争っているのを 目撃した!

辺りが 暗くて 勇者たちの顔は 確認できない!

「話が違うだろ……その仲間は皆で共有するという約束で……」

「そんな約束しましたっけー? いいじゃないですか、どうせ みんな 強い仲間を 簡単に手に入れられるのだからー……」

勇者「アレは勇者たちか?」  女神「みたいですわね。どちらも無課金の雑魚勇者ですよ」

「今回は俺があの方へわざわざ頭を下げたんです。だから この『太陽の子・てつをRX』俺の仲間ですよ……」

勇者「いまアイツなんて言った……『てつをRX』だと……!?」

「この野郎、新入り勇者のくせして生意気だぜ!! どうしても渡さないというなら 俺も手段は選ばん!!」

「ゆけ、俺の最強の仲間たち――――――ぐえっ」

てつをRX「ふ゛ん゛っっっ、悪事はこれまでだ! ク ラ イ シ ス ッ!!」

てつをRXの攻撃! リボルケインがもう一人の勇者へ 突き刺された!

「お、お前……なんてことを……この、ひきょうものめ…………『無課金』のかざかみにもおけん……!」

「えー?聞こえなーい? トドメだ、俺のてつをRX」  てつをRX「任せておくんだ!」

「よせ、バカ……う、うわあああぁぁぁ…………われわれ『無課金勇者』たちへ 栄光あれぇぇぇーーーッ」

てつをRX「―欠」

リボルケインが 引き抜かれ、勇者が爆散した !

「フフフ、いいじゃあないか。てつをRXは……想像以上の強さだぜ……」

勇者「おいそこの無課金勇者ッ!!」

「あーん? …………げっ」

女神「勇者、あの無課金者は昼間あなたが助けた あの…」  勇者「お、お前……」

眼鏡勇者「やぁ、また会えましたね。何か縁でもあるのかな 俺たちは」

眼鏡勇者「昼は本当に助かりましたよ、勇者さん。危うくあんなゴロツキどもへ俺の大切な仲間が奪われてしまうところでした」

眼鏡勇者「まぁ、その大切な仲間も 俺がどこかの課金勇者から 『交換』してもらった奴らなんですけどね」

勇者「……じゃあ いまお前の隣にいる てつをRXは?」

眼鏡勇者「コイツですか? コイツもそうですよ。交換してもらったんです、どっかのアホにねぇ!」

女神「その『どっかのアホ』とはココにいるアホの事を指すのでしょうか?」  勇者「やめろ!!」

眼鏡勇者「ええ……たしかにそんな顔していたかも……フフッ」

女神「見つけましたよ、犯人・勇者Aよ! まさか ただの無課金勇者があの様な手の込んだ真似を!」

女神「そして なぜ あなた、てつをRXを使役させられているのです……アップデートによって使用できないはず……!」

眼鏡勇者「そんなの『バージョンダウン』させてしまえば何も問題ないんですがー?」

女神「バージョンをダウンさせたですって!?」  勇者「な、何だそのバージョンダウンってのは…」

女神「あなた、何者です! ただの勇者にそんな事ができるワケがない! 神が作ったシステムを組み替えるなど、人間ではありえませんわ!」

眼鏡勇者「まぁ、実際俺はコイツを手に入れる以外は何もしてないですよ。俺自身はただの無課金だから。取り得もない、ただの勇者……」

勇者「じゃああの『罠メッセージ』を送ったのはお前ではないのか?」

眼鏡勇者「さぁー? どうでしょうかねぇー?」

女神「答えなさい、眼鏡勇者よ。濁したところで無駄ですよ。あなたは運営によって裁かれるのですから」

眼鏡勇者「だから知らないんですってば。本当に『俺は』てつをRXを得る以外 何もしていない」

女神「フン! あくまで逆らい続けるつもりですか、分かりましたよ。あなたの垢をこれから神の炎によって焼きますからねっ!」

女神「それではお願いします! ゴッド女神よ! この者に罰をお与えくださいませーーー!」

勇者「お前がやるんじゃねぇのかよっ」

キミの目の前で 眼鏡勇者が 炎に包まれてしまった!

眼鏡勇者「ギャアアアアアアアアァァァァァ……」  勇者「むごいっ」

女神「はっはっはー! 運営を舐めたあなたが悪いのです、無課金の分際で!」

勇者「……これで てつをRXがまた僕の仲間に帰ってきてくれるのか、良かった」

てつをRX「……」

勇者「さぁ、てつをRX。一緒に帰ろう―――」

てつをRX「とうっっっ!!」  勇者「うわあああぁぁっ!?」

てつをRXがキミへ攻撃してきた! キミは寸でのところで 女神に引っ張られ、攻撃を回避した!

勇者「て、てつをRX! どうした!?」  女神「様子が変ですわ、勇者! てつをRXはあなたを敵と見なしたようですよ!」

勇者「僕だぞ、てつをRX! お前のマスターだ! 僕らは仲間じゃないか!」

眼鏡勇者「いいやァ、今は俺だけの仲間ですよ」

女神「はっ」

勇者「おい女神この野郎! アイツの垢は焼かれたんじゃないのか!」

女神「やっていただきましたよ! ですが……な、なぜ……」

眼鏡勇者「いま焼かれたのは俺の緊急用の『サブアカ』だ」

女神「サブアカですって? でもなぜそのアカウントで使役していた てつをRXは無事なのです!?」

眼鏡勇者「データをコピーしておいたのさ。何度でもBANしてみてくださいよ、運営……俺のサブアカはまだありますよ」

眼鏡勇者「お望みならば好きなだけ、今ここでサブアカを作れるんですよぉ!」

勇者「そんなことができるのか!」  女神「できるワケがないでしょう! おそらく奴はチートを使用していますわ!」

女神「チートを裁く『運営の力』を凌駕するチートを……一体どこでそのようなものを!」

眼鏡勇者「それは教えらないですよ。ていうか知りませんね、どこで手に入れたとか……別に俺自身が使ったワケではないし」

勇者「またそれかよ!」

女神「……まさか、別の何者かがあなたを手引きしている?」

眼鏡勇者「どうでしょうかねぇー。もう話はいいでしょう、俺はお前たちの顔を見飽きたぞ!」

眼鏡勇者は キミへ 『勇者×バトル』を挑んできた!

眼鏡勇者「勇者さん。あなたには昼間助けてもらった恩があります、だからもし俺に勝つ事があれば『てつをRX』を返してあげますよ」

勇者「何だと……本気で言っているのか!」  眼鏡勇者「ええ、俺としては絶対に負けない自信がありますがね!」

女神「いけません 勇者よ。そんな安い挑発に乗っては! きっとこれも罠に違いないですわ!」

女神「そしてよく思い出すのです! あなたのステータスはまだ戻っていないのです、初期レベルですよ!」

勇者「だけどしかし!」

眼鏡勇者「勇者さん、逃げるんですか? ただの雑魚無課金勇者を前に……恥ずかしいっスね~~~……!」

勇者「やってやろうじゃねぇかぁぁぁ!!」  女神「勇者のおたんこナス!!」


キミは 眼鏡勇者からの 挑戦を 受けた!  → 『戦う』

眼鏡勇者「男ですね、勇者さん!大したもんですよ あんた! 俺は『レア度☆3:生渇きの服を着た戦士(スキル:異臭)と」

眼鏡勇者「『レア度☆3:妖怪リモコン隠し(スキル:なし)』の二体。そして『太陽の子・てつをRX』で戦わせてもらいます!」

生渇き戦士「近寄ると皆が俺を見て指をさす」  妖怪「だいたい僕の仕業でした」

てつをRX「ここまでだ、ク ラ イ シ ス ッ!!」

勇者「て、てつをRX……ゆけ、『機械武闘家』、『みさくら女騎士』、『働かざる遊び人』たちよッ!」

機械武闘家「任務開始」  みさくら女騎士「んほおぉおおおおおおぉおぉぉお」  遊び人「調子乗んなババア!!」

女神「勇者、やるだけ無駄ですってばぁー! もう言っても既に遅いですが!」

勇者「神が裁けないのなら、真の勇者の僕があの外道を裁くまでだ! さらに『バールのようなもの』を僕は装備する!」

勇者「いくぞ、チート無課金勇者!」  眼鏡勇者「どこからでもかかって来てみろよ…」

てつをRXの攻撃! RXキックがみさくら騎士へお見舞いされた!

みさくら女騎士「しゅごいのきちゃうのぉおおおおおおおおおらめぇええええへぇええええええええ」

みさくら女騎士は 土に還った!

勇者「そ、そんな……たった一撃で みさくら女騎士を……」

眼鏡勇者「余所見している余裕あるんですかねー?」

てつをRXの攻撃! 機械武闘家にリボルケインを突き刺した!

機械武闘家「むッ……」

てつをRX「―欠」

機械武闘家「マスター、逃げ―――」

機械武闘家は爆散してしまった!

勇者「ウソだろ……!?」  女神「だからアレはチートレベルだと何度も言ったではありませんか!」

眼鏡勇者「僅か30秒であなたの仲間はたった一体だけになっちゃいましたねぇ。本当に強いです、このてつをRXってヤツは」

眼鏡勇者「どんな気分なんですか? 自分の仲間だったヤツに仲間を始末されていくってのは」

勇者「こ、このゲス野郎……遊び人よ、僕らだけでも戦おう。仲間を無視して眼鏡勇者のみに狙いを絞るぞ!」

遊び人「マズイ飯食わせんじゃねぇよババアーッ (ノ`Д´)ノ彡┻━┻゛:∴ 」

働かざる遊び人の攻撃! しかし、眼鏡勇者の前にてつをRXが立ちはだかった!

眼鏡勇者「丁度いい。スキルを使わせてやろうか……」

てつをRX「自分の母親にそんな酷いことを言うなんて、ゆ゛ る゛ ざ ん゛ っっっ!!」

その時 不思議な事がおこった! てつをRXのスキル発動! → 『怒りのフォームチェンジ』

女神「勇者! てつをが変身して…あ、青くなりましたわ」

勇者「あ、アレが女勇者ちゃんが言っていた てつをRX 強化体の一つ……」

バイオてつを「俺は 怒りの王子・バ イ オ て つ を !」

遊び人「金くれって言ってんだよクソババアぁーーー!!」

働かざる遊び人の攻撃! 床を殴り続け、鍛え上げられた拳が バイオてつを へ振り下ろされる!

バイオてつを「」

遊び人「!」

バイオてつをは 体がゲル化し、攻撃を 回避した !

勇者「何だよあのスキルは!!」  女神「どうやら ほぼ無敵になれるもののようです…」

『バイオてつを(スキル:ゲル化):全ての攻撃を回避する』

眼鏡勇者「スゲェ、スゲェよ 俺のバイオてつを! やっぱり勇者さんには宝の持ち腐れだ!」

バイオてつをの攻撃! ゲル化したバイオてつをが 働かざる遊び人の 体内へはいりこんだ!

遊び人「ゴポ…」

勇者「あぁ! 働かざる遊び人! や、やめてくれよてつをRX、お前が倒しているのはお前の仲間なんだぞ……」

バイオてつを「……」

眼鏡勇者「残念ながら勇者さん、そいつは既に俺の物なんですよ。俺だけのてつをRXなんですよぉ!」

女神「勇者、降参するべきですわ。その隙にあの眼鏡勇者から逃げなさい……手持ちの仲間でも、あなたでも バイオてつをに勝てませんもの」

勇者「僕一人でもまだ戦えるんだよ、見ていろ女神! コレが真の勇者ってヤツだ!」

生渇き戦士のスキル発動! 強烈なスメルが勇者をおそう! 勇者は鼻がまがって攻撃をしかけられない!

妖怪リモコン隠しの攻撃! キミが装備した『バールのようなもの』を どこかに隠してしまった!

勇者「うっ、うう……しくった……」  女神「言わんこっちゃありません!」

眼鏡勇者「勇者さん、あんた一人相手にするならコイツらでも十分だし、俺だけで戦っても勝てる」

眼鏡勇者「無謀でしたねぇ~……ダメですよ。無課金だからって相手を舐めてくれちゃあ……」

勇者「だ、黙れチート野郎め!……お前ずるいぞっ……」

眼鏡勇者「俺は卑怯もらっきょうも大好物なんですよ。それじゃあ勇者さん、トドメ刺しますからね」

女神「止しなさい!勇者の負けはもう確実ですよ! あなたの勝ち、それで終わっては良いではありませんか!」

眼鏡勇者「あいにく生温いのは大嫌いなんですよねぇぇぇーーー!」

生渇き戦士 と 妖怪リモコン隠し の攻撃! キミへトドメをさしにかかる!

?『ギャオオオオオオオォーーースッ』

眼鏡勇者「えっ」

突然 キミに襲いかかった 生渇き戦士 と 妖怪リモコン隠しへ ばくれつの疾風弾がとばされた!

二体は おおきく吹き飛び、空のかなたへと 消え去った!

勇者「な、なんだ今の攻撃は……僕の仲間は全員沈められたはずなのに……」

?「あの頃からまったく成長してねェみたいだな、微課金の甘ちゃん野郎」

?「相手はチートを使用した違反勇者よ。本来のルールは無視して、削り殺しておしまいなさいなぁ」

女神「く、『黒女神』姉さん! どうしてココに! それに『マッチョ勇者』までも!」

勇者「お前……この町にいたのか……!!」

マッチョ勇者「さっさと立ち上がってココから失せろ、邪魔だボケ」

眼鏡勇者「何だお前らは……俺たちの決闘を邪魔しようってんですかぁ……!」

黒女神「チート使っておいて何が決闘よん。アンタは勇者でも魔物でもなく、それ以下の虫ケラだわ」

黒女神「お上さまから 虫退治を頼まれちゃってねぇー。だから遠慮なくウチの勇者が始末させてもらうってワケ」

眼鏡勇者「重課金勇者の上に運営の犬のなり下がりなんてカッコ悪い奴ですね、あんた」

マッチョ勇者「そうかい。言うだけならタダだぜ、ただし お前は後で俺に泣きじゃくって謝るだろうよ」

勇者「マッチョ勇者、あんた 僕をまさか助けにきたわけじゃないだろうな?」

マッチョ勇者「勘違いすんじゃねェ。俺はあの程度相手に苦戦するお前に用はないんだよ!」

マッチョ勇者「だがよ、さっきはどうもコイツが黙っていられなかったようだ……」

究極武闘家「ギャオオオオオンッ(おひさしぶりだよ!)」

『レア度☆☆☆☆☆☆☆:青眼の究極武闘家(スキル:なし』

勇者「白武闘家ぁ!! …じゃないっ!」

マッチョ武闘家「悪ィな、俺色に染めちまったぜ」

ここで止めておかせてもらう
そして続きなんだが、申し訳ないことに今日実家の方へ帰らなきゃいけないんだよ
日曜日には帰ってくる予定なのでそれまでおやすみさせてもらう

待っていてくれた人もいるのにタイミング悪くて本当にごめんな。終わったら一気に書いてくよ

いま帰って来たよ遅くなっちゃった

勇者「白武闘家、お前しばらく見ない内にこんな姿になってしまうとは……」

究極武闘家「ギャオスッ(首が二つ増えたよ!強さも二倍なんだよー!)」

マッチョ勇者「二倍? ウソ吐いてるんじゃねェ、お前なに誇張してやがる」

究極武闘家「ギャオオオオオォォォ(てへぺろ!!)」

イチャイチャラブラブ…

勇者「え、なにアレ……なにベタベタしてんの……」  女神「勇者、女性とは益が無ければ過去を顧みない生物と知るのですよ」

女神「それより黒女神姉さん! コレはどういう事ですか、なぜあなたたちが!」

黒女神「さっきの私が話をしたのを覚えていないのね。なんて頭が弱くて出来が悪い妹を私は持ってしまったのかしらぁん」

黒女神「『お上(ゴッド女神)』が直々に私たちへチーターを潰せって依頼されたのよ」  女神「だからそれをなぜ姉さんが!」

黒女神「『お姉さま』と呼べと言っている筈よ、この無能め! …まぁ、当然よねん。女神の中で最も優れているのはこの私なのだから~♪」

黒女神「つまりお上に一番信用されているのはこの私よん! おーっほっほっほー!」

女神「くっ……誰が無能ですかっ!」   勇者(重ね同感)

眼鏡勇者「あんたたち、いま誰を前にしてダベってるのか理解してるんですか?」

マッチョ勇者「なんてことはねェー、ただのゴミ無課金だぜ」

眼鏡勇者「『犬』がペロペロ舐めてくれちゃって……!」

マッチョ勇者「今からこの微課金に変わって、この俺様がお前を完膚無きまで叩っ潰す。お祈りは済ませたか?便所にも行ったか? ガキ」

眼鏡勇者「そいつは俺のセリフですがね。あんたは俺たちの勝負の邪魔をした……覚悟はいいんですよねぇ、てつをRXに爆殺される覚悟は」

てつをRX「任せておけ、眼鏡勇者くん! 俺は悪にはま゛げ な゛ い゛っっっ」

眼鏡勇者「そうだ。アイツは悪だ、運営に加担している悪だ! 無課金こそが『正義』なんですよぉぉぉ!」

マッチョ勇者「前口上は十分だな。クックック……」

女神「ププ、どちらも噛ませ臭い勇者ですわねー」

勇者「またそんな煽ることを……マッチョ勇者、いいや 『究極武闘家』よ。あとは任せたぞ! みんなの仇を討ってくれッ!」

究極武闘家「ギャオオオオォォォンッ(わたしのマスターはマッチョ勇者様だよ!)」

勇者「あっ、うん……ごめん……」

眼鏡勇者「俺はこのてつをRX一体のみであんたに勝ってやりますよ。無課金を舐めたことを後悔させてやる…」

マッチョ勇者「そいつはお前の仲間じゃねェだろう。それでイイ気になれる頭が羨ましいぜ」

勇者「マッチョ勇者、気をつけろ! てつをRXはお前が考える数倍以上強いぞ!」  女神「不思議なスキルで殺されてしまいますからね!」

眼鏡勇者「その通りですよぉ!! てつをRXの力は未知数!常に進化し続ける! 弱点は……ないッ」

黒女神「あらぁん、本当にそう思ってるのかしらぁー?」   眼鏡勇者「え?」

黒女神「『弱点』ってのはね、作ることもできるものよ。……あなたの『てつをRX』は所詮過去の戦士」

女神「お姉さま 一体何を――――――はっ」  勇者「え、え? どういうことだ!?」

マッチョ勇者「さーて、ヒーロー狩りを始めるぜ……」

眼鏡勇者「俺のてつをRXが負けるわけないでしょ……出鱈目に決まっている!」

黒女神「そう思うなら思ってなさいな。私のマッチョ勇者が持つ仲間には、てつをRXを破る力を持つ仲間が存在するのよぉ~!」

黒女神「さぁ、見せてあげなさいなぁ! そして奴を絶望させて頂戴なぁー!」

マッチョ勇者「俺は……この『青眼の究極武闘家』、そして『少年武闘家隊』の2体で行くぜ」

究極武闘家「ギャオーーースッッ(マスター! わたしいっぱいがんばる!)」  怖い武闘家「ハイ 五郎さん!」

『レア度☆☆:少年武闘家隊(スキル:なし)』

勇者「あの☆2の仲間がてつをRXを?」  女神「見たところ スキルを一つも持たないただのゴミのようですが?」

黒女神「ちょ、ちょっとぉー!? なに変なの出しちゃってるのよぉー!!」

勇者・女神「!?」

マッチョ勇者「…………」

眼鏡勇者「…………あれあれぇ~~~?」

眼鏡勇者「仲間たった二体で この『てつをRX』に勝とうだって? 舐めプですか?」

マッチョ勇者「コイツは正規の『勇者×バトル』じゃねェからよ、ここぞという所で最後に残り一体を出してやるぜ」

黒女神「マッチョ勇者ぁ、アイツの言う通り舐めてかかるつもりぃー!? 相手の仲間は油断できないレベルの強敵なのよん!?」

黒女神「早くあなたが持つ『レア度☆☆☆☆☆:シャバドゥビ希望の魔法騎士(スキル:ドラゴン)』を出しなさいよぉー!!」

女神「やはり『その仲間』でしたか……」  勇者「そいつが持つスキルがてつをRXに弱点を作るのか?」

女神「いいえ、ソレが持つスキルや強さは関係ありませんよ。ココで重要とされるのは『補正』です、勇者」  勇者「補正ってなんぞ…」

女神「いわば主人公だけが持つ力のようなものですわ。たとえ窮地に立たされようが、奇跡や偶然によって最後にはかならず勝利する…!」

女神「いくら最強のてつをRXだろうと、現行補正には敵いません。今の『シャバドゥビ希望の魔法騎士』は補正が乗りに乗った状態なのです!」

勇者「それは有りなのか!?」  女神「だって仕様ですもの」

黒女神「そ、そうよぉ……なのになぜ あなたは仲間を出さないの!? ココで負けたらお上にお仕置きされるのは私なのよぉん!?」

マッチョ勇者「女がしゃしゃり出るんじゃねェッ! 何とかして貰いたいのなら黙って見ていろクソアマがッ!」

黒女神「ひぃ……すみません……」ビクゥ

女神「威厳の欠片もないwwwwww」  黒女神「うぅ、うるさいわよぉー!!」

マッチョ勇者「俺は強い奴に興味がある。そこの無課金なんぞ 正直どうでもいいんだよ……用があるのは、その仲間だけだ」

眼鏡勇者「お、面白い人だな あんた。運営の犬にしておくには惜しいぐらいですよぉ……」

眼鏡勇者「フフン、お望み通り てつをRXであなたのプライドをズタズタに裂いてやりますよ!」

てつをRX「俺は 太陽の子・てつをRX ッ!!」

マッチョ勇者(さて、俺の実力でコイツにどこまで通用するかね……)

眼鏡勇者「ゆけ、俺のてつをRX! まずはそこのゴミから片づけてやりなよ!」

てつをRXの攻撃! 少年武闘家隊へむかった!

少年武闘家隊「ボクらは少年武闘家隊!悪い奴らに負けたりしないぞ!」

てつをRX「な゛に゛っ、子どもたちがクライシスに操られている! キミたち目を覚ますんだ!」

あどけない子どもたちの姿に てつをRXは躊躇する!

マッチョ勇者「屑に使役されて根まで腐ったワケではなかったようだな。それでこそ『ヒーロー』の姿だよ…」

マッチョ勇者「ぶちかませ、究極武闘家ぁ! お前の技で奴さんを宇宙の彼方へ吹き飛ばしやがれ!」

究極武闘家「ギャオォオオオオオオオオオオオオオオオォォォ(これはマスターとわたしの愛のパワーだよ!)」

究極武闘家の攻撃! すべてを屠る ばくれつの疾風弾が 発射され、てつをRXへ直撃する!

てつをRX「ぶ わ゛ っっっ!!」

てつをRXのスキル発動! 怒りのフォームチェンジ!

バイオてつを「」ニュルニュル

バイオてつをは 直前でゲル化して攻撃を回避した!

究極武闘家「ギャンッ(あぁー! ずるーいっ!)」

マッチョ勇者「まぁ、だろうな…」  眼鏡勇者「ひゃー!! 大口叩いてコレですかwwwwww」

眼鏡勇者「バイオてつをは全ての攻撃に対して弱点を持たない。それだけは変わらぬ事実ですよぉ……」

マッチョ勇者「だからお前は無課金の雑魚だってんだ。コイツをよく味わいなッ!」

マッチョ勇者は『レア度☆☆:焼夷手榴弾』を装備して バイオてつをに 投げた!

バイオてつを「むっ――――――」

黒女神「う、上手いわぁ! 『バイオてつを』は唯一、『熱』に対して耐性を持たないのよぉーん!」

勇者「いや!! ……あ、アレを見ろ」

バイオてつを「」ニュルニュル

バイオてつをは ゲル化して 攻撃を回避した!

マッチョ勇者「はっ…… あの野郎は化物か……!?」

眼鏡勇者「いま俺が言ったじゃないですか、『全ての攻撃に対して弱点』を持たないと。スキルさえ発動すれば熱だろうがなんだろうが」

眼鏡勇者「バイオてつをには 無 意 味 だッ!!」

バイオてつをの攻撃! エネルギーをまとった『バイオブレード』で究極武闘家を 斬りすてた!

究極/武闘家「ギャアアアアアアアァァァァー……(´;ω;`)」

勇者「究極…白武闘家ぁぁぁーーー!!!」  女神「恐るべし、バイオてつを……」

バイオてつを「さぁ、クライシス! 早く子どもたちを解放しろ! さもなければ…」

マッチョ勇者「チッ……少年武闘家隊! バイオてつをに攻撃しやがれッ!」

少年武闘家隊「ボクらは少年武闘家隊! 悪い奴らはボクらの敵じゃないよ!」

バイオてつを「子どもたち……はっ」

バイオてつを「そうだ。俺のキングストーンフラッシュならば、怪人に洗脳された心を解けるはずだ……や゛る゛じ が な゛い゛っ!」

バイオてつをは てつをRXにフォームチェンジし、王石の光を 少年武闘家隊へ放った!

てつをRX「キングストーンフラッシュ!!」ペカー

少年武闘家隊「う゛っ…――――――あれぇ? ボクらは一体なにをしていたんだろう? あっ、RXだぁー!」

女神「どうやら てつをRXのスキルによって、洗脳が解かれたようですね…」  勇者「アレ別に洗脳じゃねぇだろ!?」

マッチョ勇者「や…………やれやれ、冗談キツいぜ」

眼鏡勇者「コイツが正義のヒーローの力なんですよぉぉぉ!!」

>>201の怖い武闘家って誰だよ。見なかったことにしよう

黒女神「もうっ、いい加減分かったでしょー! 諦めて魔法騎士を出すの、ソイツならば 補正によって勝利するわよぉ!」

マッチョ勇者「黙れと言ったのが理解できないか、黒女神サマ! 俺は謎の力に頼るぐらいなら敗北を選ぶぜ」

勇者「正気か、マッチョ勇者! こんな奴にお前が負けてなるものか!」  女神「さっさと課金ブーストをかけなさい!」

眼鏡勇者「潔い男は嫌いじゃないですよ。負けを認めるなら この辺で終わりにしてあげても構わないけれど?」

眼鏡勇者「俺の『精神力』に底はありませんからね……みんな大好きチートのお陰で……」

勇者「や、奴は『精神力』にもチートをかけてやがるのか!?」  女神「完璧に運営を敵に回しているようですね…」

女神「マッチョ勇者よ! とっておきの奥の手を奴に見せつけておやりなさい!」  黒女神「それ言うの私の役なんだけどぉ!」

眼鏡勇者「やってみろよ! 幸いHPまではチートに染まってないですよ! あんたの『とっておき』で俺を倒してくださいよぉ!」

眼鏡勇者「ただし……バイオてつをを先にどうにかできるなら、の話ですがね」

マッチョ勇者「…………コイツだけは出来る限り使用を控えておきたかった」

マッチョ勇者「だが、どうしようもねェな。むしろ今が使うべき時なんだろうよ」

黒女神「……ああっ、まさかマッチョ勇者。『ヤツ』を使うつもりだというのぉー!」

勇者「何だ、そのヤツってのは」  黒女神「『太陽』に相反するものは『月』。私のマッチョ勇者は月を手に入れたわぁ」

黒女神「『最悪の世紀王・影の月』をね……」

眼鏡勇者「出し惜しみしてないでさっさと出せばいいんですよ。その最強の仲間とやらを!」

マッチョ勇者「オイ 月は出ているか?」  眼鏡勇者「…はい?」

マッチョ勇者「『月』は出ているかと聞いているんだよ……」


カシャン、カシャン、カシャン・・・と、どこからか 金属が掏れる音が キミの耳に聞こえてきた!

ノブヒコ「……」

マッチョ勇者「待たせちまったなァ、コイツが俺の『とっておき』だぞ」

『レア度☆☆☆☆☆☆:影の世紀王・ノブヒコ(スキル:王石の光)』

勇者「アレは以前のてつをと姿が似ている…気がする!」  女神「勇者、あの仲間こそがてつをと対になる存在」

黒女神「ノブヒコよぉぉぉん!! で、でもマッチョ勇者 その子はあなたの手に負えない位のじゃじゃ馬!」

黒女神「また暴走してしまったらどうするのよぉー!」

眼鏡勇者「へぇ? 使役させきれていないんですか、その仲間? それで『とっておき』だって?」

眼鏡勇者「それじゃあ一勝掛かっても俺のてつをRXには敵いっ子ないじゃないwwwwww」

マッチョ勇者「だろうな。そして俺もコイツを扱いこなせるなんて到底思っちゃいねェ」

マッチョ勇者「だがよ、お前の『最強』の様子をよく観察してみやがれ!」

眼鏡勇者「何?」

てつをRX「お前は……シャドームーン…信彦ぉ!!」  ノブヒコ「地獄の底から舞い戻ったぞ、貴様を倒す為にな。ブラックサン!」

てつをRXは勝手にノブヒコへ 向かって行った!

眼鏡勇者「えっ……おい、てつをRX! 俺の命令を待たずに行動を起こすな!」

てつをRX「ノブヒコぉぉぉ! 目を覚ますんだ、俺たちの青春を忘れてしまったのか!」  

ノブヒコ「俺にお前との思い出など存在はしない。キングストーンを渡してもらおうか!」

二人は もう互いの姿しか目に映っていないようだ!

眼鏡勇者「な、なんで……どうして俺の言う事を聞かないんだ……」

マッチョ勇者「奴ら二人の関係は俺たちが想像する以上のものらしいぜ。誰にも邪魔はできねェぐらいによぉー」

マッチョ勇者「こっちはこっちで、決着着けようや……」

眼鏡勇者「はっ」

マッチョ勇者は『レア度☆☆☆☆☆☆☆:サテライトキャノン』を装備した!

眼鏡勇者「ま、待ってくださいよ。俺はただの無課金ですよ~……俺なんか倒してもあなたに得があるわけじゃないでしょう……」

女神「さ、サテライトキャノンですって!」  黒女神「なんてものぶっ放そうとしているのよぉー!?」

勇者「あの武器はそんなに強力なのか?」

女神「勇者……『強力』なんて可愛い表現では済まされません。一つの町が綺麗さっぱり消滅するレベルのヤバい激レア武器ですよ」

勇者「何だと……」

マッチョ勇者「お前らはさっさと避難しとけや。俺はこれから、そこの無課金に『重課金』の恐ろしさを教えてやるんでね」

眼鏡勇者「正気かよ あんた……この距離ならあんたもタダでは済まされないんだぞぉ……!」

マッチョ勇者「コイツは月の光と俺様の『精神力』を食って凶悪な一撃を発射する。耐えられれば お前、俺に勝てるぜ。無課金のお前がな…」

眼鏡勇者「やめてください! 耐えられるワケないだろ……」  マッチョ勇者「ご自慢のてつをRXならお前を守れるんじゃないかね?」

マッチョ勇者「最も、てつをRXはいまお前をかまっている暇じゃあなさそうだがなー!」

マッチョ勇者「無課金勇者が調子に乗りやがって。お前の負けは最初から決まってるんだよ! 敗北ってな!」

眼鏡勇者「あやまるから……チート使ったの、あやまるから……何でもするから……ごめんよぉ……」

マッチョ勇者「その捨てられた子犬みてェな目をしている方が無課金にお似合いだぜ?」

マッチョ勇者「てつをRXとシャドームーンごとぶっ飛ばす! 『サテライトキャノン』発射ァ――――――」

眼鏡勇者「」

眼鏡勇者は戦意を喪失し、気をうしなった!

マッチョ勇者「……なんてな、勇者の俺様が町の人間を巻き込むものか」

マッチョ勇者「『無課金』ってのはなァ、『負け組要員』なんだよ。俺たち『廃重課金勇者』を優越感に浸らせる為のな」

マッチョ勇者は 眼鏡勇者に 勝利した!

勇者「アレが 本物の重課金勇者の姿か……」  女神「ええ、あなたが目指すべき目標ですわ」

勇者「やはりお前はタダ者じゃなかったぜ。さすがは僕がただ一人認めた勇者……」

女神「お高く止まっているところ申し訳ありませんが、あなたではアレの足元にも及んでいないかと」

黒女神「その通り。どう? 私たちの実力ってヤツは? 私とマッチョ勇者がタッグを組めば怖いものはないわぁ~♪」

マッチョ勇者「あ゛?」  黒女神「ココは私を立ててください。お願いします」

マッチョ勇者「フン……てつをRX、割と骨がある仲間じゃねーか。お前が持つには勿体なさ過ぎるぜ」

勇者「また僕から仲間を取り上げるつもりか!? 白武闘家だけで気が済まないというのか!?」

マッチョ勇者「そうしてやりたい所だが、俺のノブヒコとお前のてつをRXは どこかに行っちまったようでね」

勇者「え?」 

女神「あの二人なら仲良く採石場へ向かって行きましたわ」  勇者「どうしてだよぉ!?」

女神「そんな事はさておき……黒女神姉さま、このチート勇者をどうするのです?」

黒女神「もちのろん 始末するわよん。垢を焼いても無駄ならばそうする他ないわぁ」

勇者「殺してしまうのか……これから改心できるかもしれないのに」

黒女神「あら、お宅の勇者ちゃんは甘々ちゃんねぇ~。自分の仲間を奪った憎むべき相手でしょうに」

勇者「いくらコイツが屑だろうと『勇者』には変わりない。どうしようもない屑ではないんだ……まだ更生できるさ!」

マッチョ勇者「俺はお前を多少は買っていたんだがな、これでも。だが今ので無しだ。お前には失望したぜ」

勇者「何とでも言え! 無課金で悪いなんて話はない。無課金でも勇者はやっていけ(ry」

女神「やっていけません!!お金無き勇者など勇者ではありませんわ!!」  勇者「お前は誰の味方なんだ」

眼鏡勇者「…………う、うう」

キミが抱きかかえていた 眼鏡勇者が 目をさましたようだ!

勇者「おい、目が覚めたのか? 気分はどうだい、眼鏡勇者?」

勇者「チートなんてやっても何も楽しくないだろう。これからは自分の力で『勇者』になろうぜ」

眼鏡勇者「あんたはどこまでお人好しの勇者でいる気なんですか……なぜ、あんたみたいな人間が女神の言われるがまま課金し続けるんだ」

女神「何ですかその私たちが悪者みたいな言い方は!失礼しちゃいますね!」  勇者「お前の性根は悪に染まりきってるよ」

女神「さぁ、眼鏡勇者よ。私たちに話すのです。あなたを手引きした者の正体、そしてその方法をー!」

眼鏡勇者「い、言えるものか……俺は『あのお方』だけは裏切れない……!」

眼鏡勇者「『運営』は悪なんだ……。勇者さん、あんたはオカシイと思わないのか? この勇者システムに疑問を全く抱かないのか?」

勇者「いや、オカシイ話だとはかなり思っているけど」  女神「勇者! 惑わされてはなりません!」

女神「『運営』はあなたたち勇者が無事に魔王を倒せるよう手助けをしてくれているではありませんか! それの何が悪です!」

眼鏡勇者「違う……違うだろう……もう俺たちにはバレてるんだよぉぉぉ……お前ら女神は、運営は――――――」

突然 キミの目の前で 眼鏡勇者は 粉微塵になってしまった !

勇者「ああっ!?」

黒女神「…………」

女神「ね、姉さん まだ最後まで話を聞いていなかったのに。犯人が分かったかも知れないのですよ!」

黒女神「……これ以上は、聞かなくていいわぁ。必要ないと思ったのよ」

黒女神「さぁ……私のマッチョ勇者、もう行きましょ……バカとこれ以上一緒にいると伝染ってしまうから……」

マッチョ勇者「だろうな。あばよ、微課金 お前とは二度と会う気はねェ」

勇者「ま、待ってくれ! お前には聞きたい事があるんだよ!」

マッチョ勇者たちは キミの言葉に耳を貸す気ないようだ! 二人は静かに町から去って行った!

勇者「行ってしまったか……アイツには女勇者ちゃんが話した『病気』について聞きたかったのに」

女神「病であのマッチョが死ねば、あなたの上にいる邪魔者が一人消えることですし 良いではありませんか?」

勇者「お前はどこまで腐っていけば気が済むんだろうか!」

女神「それより勇者、気がつきませんでしたか。あの眼鏡勇者の傍に一度たりとも『担当女神』が現れなかったことに」

勇者「言われてみれば確かに…チート使って愛想尽かされたんじゃないのか? お前 運営とやらなら奴の女神について調べればいいじゃないか」

女神「それがですねぇ、確かに眼鏡勇者の会員情報は存在していた。ですが、担当の『もじもじ女神』は現在行方不明となっているのですよ」

勇者「女神が行方不明ってなんかマヌケ臭い話……。なぁ、眼鏡勇者を手引きしている奴は他の無課金勇者も連れているんじゃないか」

勇者「例えば以前の『勇者ギルド』のような集団を作ってさ」  女神「ええ、可能性はありますわね」

勇者「眼鏡勇者は最後に僕たちを言ったよな「お前ら女神は、運営は」って「バレている」って」

勇者「お前ら、全貌が見えないだけあって さっきの言葉はかなり僕の心に残ったぞ……!」

女神「えっ、えっ 何言っちゃっているのですか 勇者! まさかあの眼鏡が話した内容を真に受けていると!」

勇者「全部ではないが、まぁ」

勇者(考えてみれば最初からこの『勇者システム』はどこか狂ってる。金さえあればどうにでもできるってなんだ)

勇者(言ってしまえば『金に余裕がある者』が勇者になれば、苦労せずに魔王は倒されて とっくの昔にこの世界は平和だ)

勇者(そして、父さんが『現魔王』は昔 僕の父さんが倒した『魔王』と同じか? それともまた違うのか?)

勇者(思いもしなかった。『魔王』は何者なんだろうか……)

女神「勇者? 勇者ー? 私の勇者ぁー? ……ゆ・う・しゃ!」ペチペチ

勇者「え?」  

女神「「え?」じゃありませんわよ。マヌケそうな顔をして何を思い悩んでいたのです」

女神「私にはあなたが考えている事は全て分かるのですよ。黙ってないで口に出せば良いではありませんか!私が暇になるのですからねっ!」

勇者「じゃあお前、魔王が何者か教えてくれよ。女神(運営)なら既にその程度分かっているんだろう?」

女神「知りません」  勇者「ウソ言うなよ」  

女神「ですから知りません!!」

女神「知らないったら知りませんわ! いくら私が美麗で生き字引と呼ばれようと分からないのです」

勇者「どうしてだよっ、運営のくせに僕らが目指す敵を知らないワケがない!」

勇者「……そもそも限定ダンジョンとかなんだ? お前たち女神が魔物を閉じ込めた祠とかなのか?」

勇者「お前ら『運営』って謎が多過ぎるぞ! 本当に僕たち勇者の、人類の味方なんだろうな!?」

女神「私はお金持ちの味方ですよ……いつだって……」  勇者「お前個人を聞いてるんじゃねぇよ」

女神「とにかく、お金の味方なのです。私たち女神は。なぜかって? 稼がなければ天界から追放されてしまうからですよ!」

勇者「女神も世知辛いんだ……」

女神「フン! 詳しい話を知っているのは『ゴッド女神』のみです。そのゴッド女神ですら私たちには何も教えてはくれません」

勇者「前から気になっていたが、その『ゴッド女神』は?」

女神「私たちにとって神のような存在です。誰もその姿を見た者はいない、声だけ、限られた者のみが彼女の声を聞けるのですよ」

女神「私たち女神は『ゴッド女神』にはけして逆らえません。逆らえば……仕事を失うどころか、住む場所すら奪われてしまうのですわ!」

勇者「とんでもない暴君だな」

女神「ああっ、これ以上ゴッド女神の事を話せば 私も無事ではいられなくなってしまう! やめ! もうやめ!」

勇者「わ、わかったよ……」  女神「勇者、あなたは細かい事なんて気にせずに『真の勇者』を目指していれば良いのです」

女神「魔王を倒すこととガチャを回すことのみ考えていれば良いではありませんか……課金するのです……課金ですよ」

勇者「お前が魔王だったら僕は心置きなくぶっ殺せる気がするよ」

勇者「ていうか『てつをRX』返せよッ! もう眼鏡勇者はいないし所持権は僕に戻っただろ!元々僕の仲間だし!」

女神「あれ、スーパーガチャチケット×3 お詫びにあげたではありませんか?」

勇者「それだけで済ませようとしていたのかお前は!?」

女神「えっ、はい」   勇者「清々しい女神だなっ…!」

勇者「さっさとゴッド女神にワケを話てくれよ。まともな運営なら勇者を助けてくれるんだろう!?」

女神「そんなに心配せずとも問題ありませんよ、勇者。てつをRX なら ノブヒコを倒していつか帰ってきますからね」

勇者「ふざけてるのか女神よ!?」  女神「いいえ、勇者。私はいつでもどこでも真面目な女神ですわ」

女神「ぶっちゃけコレで勇者から面倒な仲間も消えてくれた事ですし、更なる課金を望めそうですもの。私としてはこのままでオールOK…」

勇者「…………」

女神「きゃ、きゃあ! ごめんなさい…つい心の声が漏れてしまいました…」

勇者「マジかよこのドクズ」

今日ここまで

女神「勇者、今日はどちらへ向かうのです?朝ご飯は食べないのですか?そういえばガチャは引かないのですか?」

勇者「…………」

キミは 女神を無視して コーヒーをのんでいる!

女神「あっ、勇者はお子ちゃまですので『お砂糖』必要ですよね。良いのですよ、美しい私の目の前でカッコつけなくとも~」ニコニコ

女神「仕方がありませんねぇ、私が代わりに入れて差し上げましょう。フフフ、まったく勇者ったら手間がかかってー♪」

勇者(僕はコーヒーには『塩』入れる派だ。余計な事をするなクズ)

女神「え゛っ」

キミは 席を立ち、女神と 距離をとった!

勇者「…………」

女神「ゆ、勇者ぁー……なにを怒っているのですかぁ……そろそろ機嫌直してくださいよぉー……」

女神「昨日からずっとこうです。大人気ないじゃないですか……私、5分以上構っていただけないと寂しくて死んでしまうのですよ!?」

勇者(死ね)  女神「いやあぁ、私の勇者が恐ろしい事をー! そんなの勇者じゃありませんっ…!」

女神「そしてなにも頭で思うだけでなくとも、口に言葉を出してくれては良いではありませんか! 反抗期のつもりですか!」

女神「いくら私が考えている事を読み取れるといっても、私は会話がしたいのですわ! 会話をしましょう 現代社会の不況について!」

勇者(死ね)  女神「ぐふうううぅぅ……」

女神「く、くっ……いつまでもその調子ならば 勇者!! 私にも考えがありますよ!!」

女神「実家に帰らせていただき(ry」  勇者(死ね)

女神「  」

女神は 言葉をうしない、とぼとぼと キミから離れて 部屋を出て行った!

勇者「…………」

女神「寂しい? フフッ、さすが勇者の甘えん坊ちゃんです。やっぱり私が好きなのですねぇ~~~!」ガチャ

勇者(女勇者ちゃん 結構好みの顔してて好きだった)  女神「ううっ この外道!」

女神は部屋をふたたび飛び出した!

勇者「ようやく喧しいバカが消えた……どうせまた30分も経たずに顔出してくるだろうけれど」

勇者「…さて、いま僕の主力仲間である『てつをRX』はいないワケだ」

勇者「そしててつをRXに続いて優秀な『機械武闘家』、『みさくら女騎士』はいま死亡状態……!」

勇者「アイツらがいないんじゃ、ここから先の魔物やボスを撃破していくには あまりにも難し過ぎる! 手持ちの仲間ではつらい!」

『現在控えメンバー:ハンカチプリンス、社畜戦士、剛毛商人』  勇者「なんと見事なゴミ揃いじゃないかっ…!!」

勇者「それだけじゃない。僕の今のレベルの『スタミナ』や『精神力』では外に出てもすぐ底を尽き、立ったまま魔物になぶり殺されるだろう」

勇者「……ツケがようやく回って来たのか。今まで てつをRXで楽に魔物を倒してきたツケが」

勇者「今なら、女勇者ちゃん! キミがあの時僕へ話してくれた内容が痛いほど理解できるよ……この『勇者システム』は」

勇者「ほとんどの場合、旅が長くなるほど 『課金が強要』される……いや、『課金が必須』となるんだ……!!」

勇者「機械武闘家たちを死亡状態から回復させるには 課金か、ボスを撃破し その恩恵を受ける。この2択のみ!」

勇者「どう考えても課金した方が楽だし、いまの僕らではボス相手に勝ち目はほとんど無いに等しい……」

勇者「……だが、ボスは最悪女神に課金することで 強制的に倒したという結果にできる。また課金だ、課金すれば全部どうにかなる」

勇者「女神どもは、『運営』はなぜ僕ら人間から金をそうまでして搾取したがる!? 奴らは自分で『イカれてる』と思わんのか!?」

勇者「国はいつになれば口座へ給料振り込んでくれるんだ!?」  店員「あのぅーーー……」

勇者「はっ、あっ、な、なんですか!? 今の聞いていたんですか! ダメですかっ、理不尽な世の中へ不満を叫ぶのは」

店員「いや……それよりお客様、あなたへお電話が入っております」

勇者「電話だって?」

店員「ええ、おそらく実家のお母さまからでしょう。可愛い声でしたね、今度紹介してくださいね……♪」

勇者「母さんが僕に……なんて現状報告したらいいだろう。もっと金が欲しいとは口が裂けても言えない」

勇者「ていうか どうして僕がこの宿屋に泊まっているって知ってるんだ?」

勇者「もしもし?母さん?……うん、うん……僕は元気だよ。勇者として毎日頑張っているから(ウソではけしてない)」

勇者「え? まだ父さん家に帰って来ないの? 仕方がないよ、父さんは貧困に悩まされる人々を救って回っているのだから」

勇者「母さんだって知っているだろう。そりゃあ ずっとウチに帰って来ないのは感心できる事じゃあないが……」

勇者「うん、うん。母さんも父さんを信じているのなら、ゆっくり待ってあげるべきだよ。弟や妹も一緒にいるじゃないか」

勇者「えっ……お金ぇ……う、ううん……いいんだ……前回のでもう十分だよ!? 大丈夫だよ!?」

勇者「もう 母さんは心配性だなぁ。そんなに僕が可愛い? へへへ……僕も母さんを愛しているよ。家族みんなが大好きだよ」

勇者「ただでさえ ウチは貧乏一歩前って感じなぐらい大変なんだから、余計な心配はいらないって! お金が無くても勇者はやってけるさ!」

勇者「母さんも一緒に付いて行けば良かった? 無茶言うなよぉ、そりゃあ昔 母さんは父さんと一緒に旅をした僧侶だったけど」

勇者「僕たち人間はもう魔法を使えないだろう? そうだよ。今は大変なんだよ、みんな。僕も外へ出てようやく実感が沸いたよー」

勇者「うんうん、それじゃあそろそろ僕行かないと。……そういえば、母さんはどうしてココに僕がいるって分かったんだい?」

勇者「……え゛っ、女神が? そ、そんなバカなっ!」

勇者「あ、アイツが母さんへ一々僕が何処へいるか伝えていたってのか! どうして!」

『あの女神さまはとてもお優しい人よ。私たち親が自分の子は一体どこで何をしているのか気になるんじゃないか』

『そして、心配でどうしようもないんじゃないのかって。それで毎日教えてくれるのよぉー さすがは女神さまでしょう?』

『だから お母さんも少しだけ心にゆとりを持てるようになったわ。あとで女神さまに宜しく伝えておいてね……じゃあバイバイ♪』

勇者「ああ、あ、アイツが……そんな、ウソだ……なにか裏があるに違いない…………!」

勇者「母さん気をつけるんだッ!! ソイツは人の良心や弱音に付け込んで 金を奪うッ!!」

電話は 既に切れていた! キミは 嫌な汗を全身にかきはじめる!

勇者「うああぁ……か、かあさんも絞り取られてしまう……」

勇者「あのアマぁー! 人の母親にまで手を出すなんて、冗談じゃないぞ……」

勇者「まさか、既に何か母さんに吹き込んで『課金』させた後じゃねぇだろうな!? アイツならやりかねないっ」

勇者「クズ! クズ女神どこだ、どこに隠れて ほくそ微笑んでいやがる! 僕をコケにして…家族までも食い扶持に変えやがって!」

勇者「さっさと僕の前にそのふざけた面出しにこい! 細かく切り刻んで魚のエサにしてやるから!」

しかし 女神は キミのまえに現れない !

勇者「チクショー……今なら誰よりも魔王よりもアイツが憎くて堪らないぞぉぉぉ……」

勇者「アレは女神じゃない。羊の皮を被った悪魔かなにかの類だ……僕はいい。僕はいいが、家族を苦しめるなんて……」

勇者「……いや、でも 本当に苦しめているのか? 母さんは電話口でとても喜んでいた。特に不満をこぼすような事もなく」

勇者「もしかしたら 本当に母さんが言った通り、すべて僕を心配する家族を案じた結果だったら?」

勇者「でもアイツマジもんの屑だし……でも時々僕を助けてくれているし……どっちだ。どっちが正しいんだ」

勇者「とりあえず……一発殴るだけに抑えておけばいいのだろうか……」

キミは ベッドに倒れ込んで 幼い頃の父との思い出を 思い出した!

勇者「父さん、僕は勇者として正しいことを考えて実行していきたいよ。僕は何を信じていればいいのだろうか」

勇者「これから 僕はしっかり勇者をやっていけるのかなぁ……頼れる仲間もいないのに……」

勇者「もう『課金』したくないよぉー……これ以上 続けては、みんなに顔向けできなくなっちゃうよぉ……」

勇者「父さん。僕の尊敬する、ただ一人の『真の勇者』、父さん……僕を助けてくれー……グスン」

記憶は鮮明にうつし出される !

『勇者、ランチにサンドイッチ買ってきてあげましたよ~! 代金立て替えておいたので払ってください。私の分も』

勇者「これじゃないっ…!」

『半額、30%引き……これほど世の中で存在する言葉の中で素晴らしく輝いて見える言葉はないと思いませんか……』

勇者「これでもないっ…!」

『美味しいお肉食べたいと思いません? 食べたいですよね? 実は私 今夜お友達の女神と食べてくるのですよ。フフフ、羨ましいでしょう」

勇者「だあぁーっ!!」

勇者「思い出せば思い出すだけ 嫌がらせのようにアイツの顔が頭に浮かんでくる……」

勇者「父さん……」

『勇者というのはな、なろうとするんじゃあない。誰かに認めてもらうものなんだよ』

勇者「おっ」


~~~

勇者父「たった一人、誰かに『勇者』と認めて貰えたら それでもうその人は『勇者』になれるのさ」

勇者父「自らヒーローの称号を得ようとする人は いつの時代も真のヒーローになれちゃいない」

勇者父「大衆は人の意図や行動過程を評価してはくれないんだ。いつだって『結果』だ。結果を見てしか評価を下せない」

勇者父「ソレへ至るまでの行動が勇者としての評価に繋がるのは稀なケースでしかない。みんなに認めてもらいたければ『結果』が大切なんだよ」

ショタ勇者「でもでも、がんばった人が もし失敗しちゃったらどーなるの? がんばったのにかわいそーだよ?」

勇者父「確かに可哀想だよ。だけどね、現実はそう甘くはないのさ、父さんも苦労したよ」

勇者父「父さんは偶然良い結果を残せたから みんなに『勇者』と呼ばれているだけなんだ」

ショタ勇者「アハハハッ、バカだからよくわかんなーい!」

勇者父「お前も僕と同じように将来勇者になりたいんだろう? それなら最初から難しい事考えてちゃダメってことさ」

勇者父「大切なのは、お前の『頑張り』をしっかり見ていてくれる人だよ」

勇者父「お前を見ていてくれる人を大切にしなさい。きっとその人は お前を認めてくれるから」

勇者父「『勇者』にしてくれるからね……」  ショタ勇者「あっ! 見て! 犬のうんこ! うんこうんこ!」

勇者父「今朝の父さんのうんこの方が大きいぞ!」  ショタ勇者「きゃー! 父さんの勇者うんこの方がデカい!」

~~~


勇者「ふふっ、父さんの後にトイレ入るとスゴイ臭ったっけな……」

勇者「父さん、もっとだ、もっと僕になにかヒントをくれ……」


~~~

勇者父「決断とは冒険者にとって何よりも大切なことだ。時にお前は必要な選択を迫られるだろう」  勇者「選択?」 

勇者父「そうだよ。例えば今夜のオカズはハンバーグがいいか、麻婆豆腐がいいか…なんて」

勇者(それは例えとしては簡単すぎないだろうか)

勇者父「仲間が危機に陥ったら?魔物に人質を取られたら? 勇者だって万能の神じゃない、一人の人間だ。できる事は限られる」

勇者父「両方を取るとか救うなんて甘えた事は言ってられないんだ。自分が優先すべきこと、大切だと思うものを常に選択しなくてはいけない」

勇者父「その選択を『間違っている』だなんて思ってはいけないよ。下手な後悔はお前を追い詰めるだろうから」

勇者父「選んだものには責任を持つんだ。そして『正しかった』と思うんだ。いいね?」

妹「パパー お昼、冷やし中華 か 普通のラーメン どっちがいい?って ママが聞いてきてって」

勇者父「えっ? パパはあったかいのが良いな……冷やし中華とか邪道だろう……!!」  妹「わかったー ママぁー」

勇者父「あ…………」   

勇者「父さん? どうしたの いきなり神妙な顔付きになったりして」

勇者父「うーん、今日は暑いから 冷たいのでも良かったかなってね……失敗したなぁ」

~~~


勇者「『選択』か……そうだ、僕はいま選択を迫られているじゃないか……!」

勇者「『課金を続ける』か『課金をやめる』かだ。女勇者ちゃんが言う通り、このまま微課金のまま進めば確実に詰む!」

勇者「ならば いっその事 ドンと金を積むか、バッサリ切り捨ててしまうかだけ。ああ、なんて究極の選択だろう……」

勇者「よく考えるんだ、僕。課金すれば有利に魔物や他の勇者たちに対して立ち回れる。だが、肝心の『運営』は謎まみれな機関」

勇者「何を考えているのかも、何を意図して勇者から金を搾取するのかも分からない。本当に人類の味方かすらも不明だ」

勇者「ただ、金さえ払えば力にはなってくれる。……一方で課金を止め、無課金を貫こうとすれば今までのやり方では通用しなくなる」

勇者「だけど、金銭面は前者に比べれば優しくなるし 家族にも迷惑は掛からない。もしかすれば無課金は無課金なりのやり方で 魔王を目指せるかもしれない!」

勇者「どちらもメリット・デメリットはある。即効で強くなり、魔王を目指すのならば『課金し続ける』方が僕の為になるだろう」

勇者「……う、うう、難し過ぎる。頼り続けていいのか? ワケの分からない運営や女神を?」

勇者「いっそ、負担になっているのならば 課金を止めて、無課金勇者として生きた方が……そうだよ、まだ無課金にも可能性はあるんだ!」

勇者「てつをRXが帰ってきてくれたら どうにでもなるのだから!!」

女神「それは間違っていますわ!」  勇者「はっ!?」

女神「無課金に可能性があるですって? 根拠はあるのですか? ありませんよね、勇者はその目でこれまでにどれほど無課金勇者たちの無惨な姿を見てきましたか?」

女神「どれも課金勇者の足元にも及ばない、そこらの魔物にも太刀打ちできないような雑魚ばかりでしたでしょう……」

女神「あなたはその『雑魚』にこれからなり下がろうと今考えられて?」

勇者「お前……いまの盗み聞いていたのか、女神この野郎!」

女神「聞かぬフリして立ち去ろうとは思いましたわ。でもいきなり勇者が愚かな決断をなさろうとしているのだもの!」

女神「あなたの担当女神として、良いですか? 『無課金』止すのです 勇者……無課金勇者はいわゆるモブです……」

女神「あなたは背景同然の影の薄い ただのモブへなろうとしているのですよ。それはとても悲惨な事になるでしょうね」

女神「目指していた『真の勇者』とは程遠い存在……それが『モブ勇者』なのです……!」

勇者「真の勇者から程遠い存在だと……!?」  女神「その通りですとも!」

女神「あのマッチョ勇者も言っていたでしょうに。無課金勇者は課金勇者を優越感に浸らせる為の負け組要因だと」

勇者「つまりは、ただの土台なワケか。でもそんなのおかしいだろう! 金さえ積めばみんながしっかりとした勇者だって!?」

勇者「で、一方の無課金はモブで土台なワケだ! それもこれもお前ら運営がこんな糞みたいなシステムを築いたのが悪い!」

勇者「課金して納得できる恩恵を受けたのは数少ない!不満の方が大きい! そもそも こっちは生か死かの旅をしているのに」

勇者「それにギャンブル染みた要素を持ってくるとはどういう意図があってだ!? お前らは僕らが足掻く様を見て笑っているのか!?」

勇者「僕は勇者を遊びでやってるわけじゃないんだが!?」

女神「」パク、パク

勇者「……何も言い返せないようだな、女神よ」

女神「い、いえいえ……そんな……勇者にしてはよく吠えたな、と思いまして……別に言い返せないとかでは……なくて」

女神「えへへへへへ……」

勇者「笑いが引きつっているぞ、女神。お前も分かっていて今まで僕に課金させていたのだろう!」

勇者「お前も知っているだろう。僕らは金が無くてはもう生きてはいけない。社会があるんだ。野原を駆け回る動物じゃない」

勇者「社会で生きて行くには金が必要不可欠だ。お前ら女神は救うべきその人間たちから金を搾取し続けてどうするんだ?」

勇者「魔王の脅威からたとえ世界を救えたとしても、次は経済が滅茶苦茶だ……勇者は全国で12万人だっけ?」

勇者「12万人だろうと 課金して形のない見返りを受け取り続ければ 金がたちまち消えていく。天界に金が行けば循環せず、消えるんだ」

勇者「お前ら女神が人間界でどんどん金を落としてくれるのなら話は別だぞ。ちなみに天界の通貨は?」

女神「…ペリカです」  勇者「聞き覚えがないな。僕ら人間と通貨取引行ってるワケでもないんだろう?」

勇者「一方的搾取……!! これでは天界は人間界を中からジワジワ破壊している! もはや魔物同然!」

勇者「頼むからシステムを今すぐ作り直してくれ……お前らが人間の味方をしているのならば……」

キミは 女神の肩に手をおいた!

女神「   」

女神「……ゆ、勇者!あなたは私をいじめてたのs(ry」

勇者「そういう問題じゃないし、誤魔化しても無駄だぜ。会員なんだ……これまでの経験からの感想ぐらい受け取ってくれてもいいだろう」

勇者「キチンとした『運営』ならば!!」   女神「ぐふぅっ!?」

勇者「このままでは僕は王にお前たちがどれほど人間にとって害悪か告げなければならない」

勇者「そうなれば討伐目標の魔王の名の隣に『ゴッド女神』が並ぶぞ……神だろうと害になるなら駆除しなきゃならないからな……」

勇者「僕たち人間はそうやってこれまで生き残ってきた。そうでしか生き残れないからだ。頼むから、『神』で居続けたいのなら」

勇者「それ相応の事をしてくれないか……」

女神「あ、あ」

勇者「女神よ、耳穴かっぽじて聞いてくれ……僕は神サマを敵に回したくはない……」

勇者「昔のように、僕たちを正しい方向へ導き、平和を齎す神でいてくれよ。信じさせてくれよ。崇めさせてくれよ」

勇者「本当は宇宙人で人類滅ぼして地上を征服したいとかいうワケじゃないんだろう? なぁ?」

女神「う、うちゅうじん……っ」

勇者「今まで僕らは上手くやってこれたじゃないか……もしかして崇めた結果、調子に乗ってこんな事になったのか?」

勇者「人類は良いカモだって思ってるのか? 女神?」

女神「うう……ううぅぅぅっ……そんなこと、ただの女神の私に問わないで…くださいよぉ……」

勇者「泣いても僕は引かないぞ……今僕が話した全てをゴッド女神にそっくりそのまま言ってやってくれよ!」

勇者「それで説得してやれよ! こんなのおかしい、自分たちを拝んできた人間を敵に回したいのかって!」

勇者「くそぅ、今さらだけど王様は何とも思わなかったのか!? 頭足りてないのか!? どうしてこんな事を」

女神「あー…………」  勇者「まさか」

勇者「お前ら王様へ何か脅しをかけているワケではないだろうな……っ」プルプルプル…

女神「私は知りません。全てはゴッド女神だけが」

勇者「冗談だろぉぉぉ……」

女神「本当に知らないのです!私は言われた通り勇者担当女神をしているだけです!」

女神「上が何を考えてこのような事をしたのかも、ゴッド女神がなぜそれへ決断を下したのかも!」

女神「歯向かえば私たちは生きていけないのですよ! 疑問に思おうと口に出して意見するワケにはいかないでしょう……!」

勇者「……お前も本当はオカシイと思ってくれていたんだな」

女神「え、ええ!もちろん 女神ですし!(今回ばかりは下手な事を言えませんわ…)」

勇者「そういえば、お前が母さんの所へ一々僕の近況を報告しに行っていたと聞いたんだ。なぜ?」

女神「げぇ…………あ、いえ、たぶんお母様から聞いての通りかとぉ!」

勇者「女神……僕、お前のこと少し勘違いしていたようだ。ありがとう。殴ろうとして悪かったよ」

女神「殴る!? ……コホン、べ、別に大したことはしていませんよ。当然でしょう これぐらい」

キミは 女神の手をとって やさしく握った!

女神「ひゃあ!?」  勇者「母さん、お前をとても良い女神だってお礼を言っていたぞ」

勇者「しっかり伝えたからね。そして 僕からもありがとう。家族を気にしてくれてさ……」

女神(いやあぁ!! ゆ、勇者が今までになく素直な表情を私に向けてくるっ 気味が悪いっ)

女神「あの……その、そろそろ 手を離してはいただけませんか……勇者……」

勇者「あわっ…/// ああ、悪かったよ急に――――――って お前なんか肌にブツブツできてないか! 何だそれ!? じ、蕁麻疹…」

女神「ひっ!? あああ、あわわわわ……な、なんでもありまひぇん!! 勇者があまりにも素敵で体が反応してしまったのですわぁ!?」

勇者「お、おう……」

突然 キミ へ メッセージが届いた!  題は『女神に気付かれないよう開いてください』だ!

勇者「?」

女神「アー カユイカユイ……」ブツブツ

キミは 前回の経験からメッセージを疑うが 書かれた通り、女神に気付かれぬよう メッセージを開いた!

メッセージ『   』

勇者「何も書かれていないだと?」

女神「はぁ? いま何か言いましたか? まだ運営についての話があるのなら後にしてください……」ポリポリ

勇者「な、何でもないから。気にしないで続けていてよ……!」

『聞こえマスカ、ワタシの声が聞こえてイマスカ。勇者サン』

勇者「えっ!?」

キミの頭の中へ 無機質な声が響く!

『騒がないで聞いてくだサイ、勇者サン。悪いとは思いながらメッセージを開いて頂いてハックさせてもらいマシタ』

勇者(コイツ、まさかあの時僕の情報を流した犯人じゃないか!? どこから話しかけてきているんだ!?)

『探しても無駄デス。ワタシはあなたから離れた位置にイマス。ココには存在シナイ……』

勇者「えっ!?」   女神「ですからさっきからぁー!」

勇者(なぜ考えた事が向こうに……コイツも僕の思考を読める?)

『無駄に頭で考えないでクダサイ。傍にイル女神に勘付かれてシマイマス。ワタシの話を黙って聞いて欲しいノデス』

勇者「……」

『ご理解いただけて幸いデス、勇者サン』

『まずは自己紹介ヲ……ワタシは『No charger』。長いので『N』と呼んでクダサイ』

『その名の通り、ワタシは無課金。イイエ、『無課金ギルド』を立ち上げたモノデス。秘密裏にネ』

勇者「!! ……」

『勝手ながら先程のアナタの話ヲ聞かせていただきマシタ。そして、判断したノデス』

『アナタもワタシたちと同じく、『運営』へ疑問を持つ一人なのダト。勇者サン、アナタの考えは正しい。なに一つ間違ってイナイ』

『ヤツら(運営)は危険デス。とても正しい』

『正しいからコソ、アナタはいま、ワタシノ話を理解して貰えると考えマシタ。アナタの本質は『ワタシたち側』なノデス』

『できれば詳しい話をアナタへしたい。どうか、一度外に出て ワタシが指示する場所へ来てはいただけないデショウカ?』

勇者(怪しい。怪し過ぎる……コイツを信用して良いと思える要素が一つもない)

勇者(だけど、無課金ギルドだと? ソイツが気になる。そして『ワタシたち側』とは何だ? コイツらは運営を敵視しているのか?)

『全ての謎ハ ワタシと出会い、話をするコトで解消されるデショウ。こんなマネして信じろというのは難しいデスガ』

『悪いようにはけしてシナイデス。……この町の裏通りへ入リ、奥の『廃れた武器・防具屋』へ訪れてクダサイ。スグに見れば分かるデショウ』

『ワタシたちは アナタの訪問を待ってイマス。ワタシたちはアナタの味方デス』

『デハ、通信ヲ一旦切らせていただきマス―――プツッ、ツーーー…』

勇者「裏通りにある廃れた武器・防具屋……昨日見たな……」チラ

女神「はぁ~~~、ようやく蕁麻疹が落ち着きましたよぉ……勇者? さっきは何を言おうとしたのですか?」

勇者「……」

勇者「ちょっと外に出てくるわ。遅くなるかもしれないけど、待っててくれ。というか家に帰って休んでもいいぞ今日は…」

女神「それは困りますよ、勇者! 勝手に仕事を放り投げて家に帰るなんて ゴッド女神からお叱りを受けてしまいます!」

勇者「じゃあココで待っていてくれよ。ルームサービスは勝手に使っていいし、変な事以外なにしててもいいから…」

女神「むぅ~……ではなぜ勇者は外に行くのですか? 理由ぐらいは相棒の私に聞かせてくれても」

勇者「今回は少し言えないよ。…別にやましいことしてくるワケじゃないからな」

女神「ンフフ~♪ わかります、わかりますよ。勇者だって男の子ですものねぇ~♪ こんな美人と一緒では突然ムラッと来てもおかしくないですもの」

女神「でもお金を落としてくる遊びはいけませんよ。無駄な出費をするならば自家発電のが損はしませんからねー!」

勇者「違ぇよバカ!! いいから出てくるぞ。くれぐれもお前は着いてきたりするなよな。絶対だぞ? 分かったら許さないから」

女神「はいはいはいぃー。分かってますって。プライベートまで覗こうだなんて思いませんよ~♪」

勇者「ん……じゃあ、行ってくるから大人しく頼むぞ」

キミは 部屋を出て 謎の声がつたえた場所を 目指した!

女神「バカですね勇者ぁー……あんなに念押しされて何もしない者がこの世に存在してなるものですか」

女神「……それに 先程勇者が、なにやら気になる事を考えていたみたいですしねぇ」

女神「誰だか知りませんが、私の勇者がこの私を欺けると思っているのならば大間違いでしたね。私は怖い女神ですよー」

女神「そーれ、突撃ぃー♪」

女神は キミに隠れて こっそり後をついて行った!

勇者「もう昼時になっていたのか。よっぽど長い時間考え込んでいたんだな、僕……」

勇者「『廃れた武器・防具屋』、そこがあの声が言っていた『無課金ギルド』への入り口なのか、集会所なのか……」

勇者「とにかく探して入らなくては。かなり怪しいし、それに裏通りは長居していても落ち着かないからなぁ」

ガヤガヤガヤ、キャー・・・オニーサンイイコソロッテルヨー・・・シャチョサン・・・

勇者「昼間だというのに酷いなココは。集まってる連中は何を考えているんだろうかね」

勇者「もっと奥の方に店があった筈だ。確かあの露店の先に――――――」

ドンッ と キミは 酔っ払いの男 に肩を当ててしまった !

男「オラァ!!……なに、ひとにぶつかってー……なめてんのかぁ!! あ゛っ!?」

勇者「ひっ……別にそんなんじゃ、す、すみませんでした」

嬢「ちょっとオジさん。若い子なんだから もうその辺にしてあげてよぉー♪」ギュ

男「ケッ……なぁ~、さいっきん の 若者なんて 見た目だけでたいしたこたぁーないのさぁー」

勇者(何だあの酔っ払いのオヤジ、昼間から変な店のお姉さん連れて歩いちゃってさ。頭どうかしてるんじゃねーのか)

男「ミーちゃんみたぁ? さっきの、ぼく、ユーカンでしょー……ほれなおしたぁー? げへへへ」

嬢「うん♪ オジさんカッコ良かったよぉ~ ねぇねぇ、アタシまたお小遣い欲しいなぁ~♪」

男「デヘッ、まっかせといてよおぅー……だいじょぶ、だいじょぶ、いっぱいお小遣いあげちゃうぞぉー!」

嬢「さすが 『伝説の勇者』って言われたオジさん! アタシ濡れちゃうかもー♪」

勇者「えっ」

キミは 踵を反して さっきぶつかった 男の腕を掴んだ !

男「なぁんだ!? 喧嘩なら買うぞぅ――――――…………あっ」


勇者「……父さん?」

勇者父(男)「えっ、え」

ここで区切っておく。あとは夜に

勇者「……」   勇者父「あわっ」

女神(あの場へ行って指差しながらお腹抱えて笑いたいwwwwwwww)

勇者父「あわわわ…………あー、人違いだよ」

勇者父「僕はよく『伝説の勇者』に似ていると言われてね。恥ずかしながらソイツを利用させてもらっているだけさ」

勇者「そうであって欲しいよ」

勇者父「お、お父さんと勘違いしてしまったのかな…気にしないでくれよ…僕も気にしないから…」

勇者「……」

勇者父「いやぁ~~~……似てるから勘違いしちゃったか、そうかそうか……よくあるよね……僕も時々あるんだ……」

勇者「父さん」  勇者父「はい」

勇者「僕が世界で一番尊敬する人を簡単に見間違えるワケないだろう。それに父親なんだよ」

勇者「とても『尊敬』していた、『勇者』として目指すべき目標なんだと。そんな父を持った僕は世界一の幸せ者なんだっていつも感じていました」

勇者「愛してもいました。ずっと大好きでした。ファザコンだと言われても気にした事すらありません」

勇者父「唐突な敬語は止してくれませんか……僕たち家族じゃないですか……」

勇者「認めたな?」

勇者「いま自分で遂に認めたな? 家族だって、僕を息子と認めたな!?」

勇者父「あ、あ、ああ、ああああわわわわわわっ……!」

キミの前で キミの父が 地面に両膝をつけた!

勇者父「ご  め゛ ん゛」

勇者「    」

キミの父が キミへ 土下座した !

キミは切実に思った これが夢であってくれと! ついさっき非難した神にすら祈った!

勇者父「母さんには……言わないでください」

勇者「   」

崩れた! 音を立てて キミの理想が 崩れはじめた!

勇者父「家族のみんなには内緒にしてください。ごめんなさい、謝り切れない」

勇者「……父さん、どうか顔を上げて。僕 そんな悲しい父さんの姿を見ていたくない」

勇者父「しかし!」  

勇者「今からどれだけ あなたへ失望、したらいいのだろう…」  勇者父「ぐふぅっ!!」

勇者「いっその事開き直ってさっきの調子でいてくれたら良かったのに。衝撃すぎて涙すら出ないよ!」

勇者「父さん! どうして母さんという人がありながら そこの女に現を抜かした!? あんたには大きな子どもが3人もいるんだぞ!?」

勇者父「ち、違うんだ……コレは別に浮気とかじゃなくて……」

勇者父「……疲れていたから、父さん。疲れてたから癒されたくて。母さんが嫌いになったわけじゃないんだよ!」

勇者「『伝説の勇者』が言い訳をするのか!! さてはお前僕の父さんではないなっ、正体を現わせよぉぉぉ!!」ガシッ

勇者父「ぼ、僕を殴ってくれ!! これ以上耐えられないっ、バカになるまで殴り続けてくれ!!」

勇者「いやだああぁぁぁー……」

キミは その場にくずれ、父の無様な姿を それ以上見ようとはしなかった!

勇者父「父さんが全面的に悪かったよ……だけど聞いてくれ! 本当に寂しかったんだ!」

勇者父「お前たちのことは愛している! それだけは変わらない! そ、そうだ。父さんはきっと悪い魔物に騙されていたんだろうな!」

勇者「やめてくれぇぇぇ……もう、いやなんだよぉぉぉ……」

嬢「オジさん、この子 オジさんの子なのー? 結構可愛い顔してるねぇ。アタシの好みかもー」

勇者父「えぇっ!? ミーちゃん、僕が一番好きだとあの時言ってくれたじゃないか!?」

勇者父「あっ」

勇者「……」

勇者「そうだ、見なかった事にしよう!!」

キミは どこか吹っ切れた顔にかわり、その場をあとにしようとする!

勇者父「ま、待ってくれ! コレは違うんだ! 彼女は親に捨てられ路頭に迷っていた女の子『ミーちゃん』で」

嬢「ちょっと 勝手に可哀想な子設定にしないでよぉー。アタシはこの町のキャバで働く指名NO,1娘!みんなのアイドル☆・ミーちゃんだよ!」

嬢「よろしくネ♪ 勇者のお兄さん」

勇者「なにっ……お前、僕が勇者だとどうして」

嬢「んー ミーちゃん的な女の勘ってヤツかも? えへへっ、ウソウソ♪ 実は昨日キミが『勇者×バトル』してるの偶然見ちゃったの」

嬢「同じ勇者同士さぁ、仲良くしよーよっ♪」

猫耳女神「…………ニャンニャン」

勇者「!!」

嬢の 隣に女神の姿があったことに キミは気づいた!

嬢勇者「どうしたの? ……あっ、この子? この子はアタシの担当女神の『猫耳女神』だよ。ムカつくぐらい可愛いでしょ」

勇者「……キャバ嬢が勇者だって? 勇者も舐められたものだな。おっさんどもにチヤホヤされていい気になって」

勇者「お前が僕の父さんを誘惑したのか、いや そうに違いない! 僕の父さんを返せ!」

キミは 嬢勇者へ 殴りかかった!

勇者父「あふっ!」  勇者「と、父さん…!?」

父が 嬢勇者の 代わりに キミから殴り飛ばされてしまった!

嬢勇者「オジさんありがとー♪ ミーちゃん すっごい怖かったけど、オジさんが助けてくれて嬉しいよぉー♪」

勇者父「なぁに、お安いご用さ……息子よ、僕はお前に女の子へ殴りかかる教育を施した覚えはないぞ」

勇者「い、今のあんたには親の面して欲しくない!! 何やってるんだよ あんたは!!」

勇者「この女がそこまで大切か!?」

勇者父「ミーちゃん、下っていてくれ……キミを危険な目に合わせやしないよ、僕が保障しよう……」

嬢勇者「きゃー♪ オジさん す・て・きぃー」

勇者「父さんいい加減目を覚ませ! 僕はあんたの息子だぞ!? 何でそんな目して僕を睨むんだ!?」

勇者父「……母さんに伝えてくれ、父さんはもうしばらく帰りが遅くなると」

嬢勇者「行こっ、オジさん♪ バイバイ、勇者のお兄さーん♪」

勇者「待てよ! 逃げるのかッ、この屑野郎! うわあああぁぁぁー!」

父と嬢勇者は キミを置いて どこかへ 去った !

勇者「父さんにあんな目を向けられたのは生まれて初めての経験だ……」

勇者「きっと、あの『ミーちゃん』に何かされたに違いない。仲間のスキルを使って洗脳しているとか!」

勇者「そうだよ。僕の父さんがああなるワケないじゃないか……父さんは操られているんだ……」

勇者「奴と戦って父さんを取り返さなくては……!」

行商人「アンタ、悪い事ァ言わんよ。あの女とは関わらずにいた方が良い」  勇者「は?」

突然 キミの背後から 行商人の男が 声をかけてきた!

行商人「あの女は勇者ランク22位の勇者ですぜ」

勇者「22位だと……中途半端でスゴさがよく分からないけれど」

行商人「フッ、見たところアンタはかなり勇者としては未熟そうな男だ。まともに戦って敵う相手ではないだろうよ」

勇者「そんな脅し染みたこと言われ様となぁ、こっちは諦められん理由がある! 父親が奪われたんだぞ!」

勇者「それに僕は毎回 向かった相手に敵わない敵わないと言われているが、大体はなんとかなってきた! そんな奇跡の勇者だぜ!」

勇者「ボス魔物だって『ソフマップカンザキ』や『ドラゴン』をも倒した。たかが22位なんぞどうって事はない!」

行商人「いやいや、奴が本当に恐ろしいところは『取り巻き』だ。あの女には沢山の『オジサマ』が後ろにいる」

勇者「その……オジサマらが彼女に代わって戦うのか」

行商人「そういう輩もいるが、大体はあの女の『パトロン』さァ」

行商人「こんな噂を聞いたことがあるんだが、奴は今まで自分の金で課金を行った事は一度もないそうだ」

勇者「なんて勇者だよ……」

行商人「面白いだろう。奴に金が尽きることはけして、ありえない。それぐらい人気があるお嬢だってのサ、ありゃ天性の魔女だね」

行商人「オジサマどもは奴に気に入られようと必死こいて『お小遣い』を貢ぎ続ける。自分の生活がどうなろうとな」

行商人「さっきのー……アンタの親父、早いところどうにかした方がいいぜ。魅了されドップリ浸かられる前に」

行商人「さもなければ、奴さん 自分の家庭なんぞ放り出して お小遣いプッシュが止まらなくなる……オイラのダチ公と同じように」

勇者「お、おおお……マジか……」

やっぱ嬢勇者から『お嬢勇者』に名前変更で

行商人「それでも戦うってのかい? 下手すりゃアンタもあの女の取り巻きの一人っつー、ミイラ取りがミイラになんて事もありえん話ではない」

勇者「僕の決心は固いよ、おっさん。大切な父さんなんだぜ……『伝説の勇者』をあんな様にしちゃいられねーよ……」

勇者「きっと『お嬢勇者』を倒せば 父さんの目も覚めるだろう。ならば、絶対に負けられない! 奴には『勇者×バトル』をこちらから挑む!」

勇者(『無課金ギルド』のことは気になる。気になるが今優先すべきなのは 父さんだ。父さんを救わなくては!)

行商人「へへっ、イイ男の面構えになってきやがった。いいぜ、ならばコイツをお前にくれてやる!」

キミは 行商人から 『常連客の紹介状』を いただいた!

勇者「コレは?」

行商人「あの女が務める店は一見さんでは入れん。ただし、その紹介状があれば入店も容易いだろう」

行商人「いいか? 奴は昼間はけして戦おうとしない。店に訪れ、奴を指名するんだ。大丈夫……コイツがあれば優先してお前にあの女があてられる」

行商人「あの女と二人きりになった瞬間を狙え! そうでなければお前に勝ち目はけしてない!」

行商人「……それじゃあ、上手くやりなよ。ついでとは言わんが ダチ公の仇を取ってやってくれ、勇者さん」

勇者「おっさん……。ああ、もちろんだよ! 僕に任せておけ! 奴を倒して僕が22位の座へ着いてやるからね!」

勇者「そうと決まれば一旦宿屋へ戻って準備しなくては……じゃあ、恩に着るよ おっさん! 商売、上手くいくといいな!」

キミは 宿屋へ かけ足で 戻った!

行商人「……フウウゥゥ~~~~~~知らない人から物を貰ってはいけないと教わらなかったのか、あの小僧」

行商人「ああ、もしもし ミーちゃん様。また一匹鴨が釣れましたよ」

行商人「ええ、ええ。間違いないです。奴の実力は知れたものでしょうな。ミーちゃん様の敵ではない」

行商人「今夜あたりに向こうから現れてくれるかと……ええ、はい……では、どうぞ引き続き オジサマと『お楽しみ』ください」

勇者(今回の『勇者×バトル』ばかりは負けるワケにはいかない。しかし、自分でも分かっていたじゃないか)

勇者(今、僕の仲間はゴミしか残っていない。僕自身のレベル、『スタミナ』と『精神力』は以前のアカウントからしっかり引き継がれた後ではあるが)

勇者(それでも22位の勇者と戦うのに今の精神力では不安すぎる。今は出し惜しみしている場合ではないんじゃないか、僕は……)

キミは 部屋の扉を 力強く開け放ち 女神を呼んだ!

勇者「女神ぃーーー!! 仕事だぁ!!」  女神「はぁい、よろこんでー!」

勇者「うわっ、お前……後ろにいたのか……」

女神「えっ? あ、あー……ちょっと運営へ連絡を取る為に外出してましたわ」

勇者「そうか まぁ、いい。それよりガチャを出せ! 無料からレアまで、全てだッ!」

勇者「ココにお前らか昨日もらった『スーパーガチャチケット×3』と『一日無料ガチャチケット×2』がある。コイツで引かせろ」

女神「足りますかー? 相手は22位の超重課金勇者でしょう? もっとたっぷりチケット使ってガチャを回さなければ……」

勇者「待て、女神よ」  女神「えっ? …あ」

勇者「お前がなぜ今から僕が22位を相手にすると知っているんだ。おかしいよな?」

女神「いい、いえいえ! 勇者の思考を読んだから分かるのですよ! 私の能力をお忘れになって!?」

勇者「……イマイチ信用ならんが、とりあえず早く頼む。今夜にはあの女をぶっ潰すからな」

女神「やけにいつも以上なやる気を見せますね、勇者。それほどあの勇者が憎いというのですか?…よいしょと」ドン

勇者「当たり前だろう。奴は勇者などではない、僕は絶対に認めないぞ。父さんを散々弄んでいるだしな……まさに万死に値する」

女神「フフフ……では、その者を懲らしられる 強力な仲間を引けるとよろしいですね……何度でもチャレンジなさい……私の勇者よ!」

勇者「あの女を殺す仲間が欲しい。あの女を殺す仲間を――――――」

女神(人という生物は実に単純で愚かですね、勇者よ。既に先程までこの部屋で『課金し続ける』or『課金しない』と葛藤していたあなたは何処へ向かわれてしまったのでしょう)

女神(さぁ、我を忘れて ガチャを回しなさい……私は何百回だろうとそれに付き合ってあげますよ……何度でも、良い仲間が引けるまで……)

女神「良い仲間が現れてくれることを私も願っていますわwwwwww」

勇者「来いッ!」

がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

短いがここまでで。続きは明日の深夜ごろになるかもしれない
進み遅くていつも申し訳ないや

おっぱい! \   。  ∧_∧  +     /
おっぱい!   \ +  (0゚・∀・) ワクワク /おっぱい!おっぱい
 _  ∩  _  ∩\  (0゚∪ ∪ +   /      ̄ ̄
( ゚∀゚)彡( ゚∀゚)彡\ と__)__) + //.     ○ |      |
 _  ∩   _  ∩  \∧∧∧∧/ /         ヽ____/

( ゚∀゚)彡( ゚∀゚)彡  <    お > |          ヽ   /
 _  ∩  _  ∩   < 予 っ  > ヽ          ヽ /
( ゚∀゚)彡( ゚∀゚)彡  <    ぱ >  \          ∨
─────────< 感 い >──────────

  _______ <    の >  _  ∩  おっぱい!
  | ______ <  !!!    >( ゚∀゚)彡  おっぱい!
  | | 1000いったら/∨∨∨∨\ ⊂彡    _  ∩

  | | おっぱい /キタ━(ノ゚∀゚)ノ  \     ( ゚∀゚)彡
  | | うp   /キタ━━(゚∀゚)━━!!!\     ⊂彡
  | |します!/キタ━━(。A。)━━━!!!! \おっぱい!おっぱい!


キミは新しい仲間と出会った!  →  『レア度☆☆:ヒロイン気取りの僧侶(スキル:水差し)』

僧侶「やめて!私がヒロインだからって争わないで!私を奪い合わないで!」

勇者「微妙……次っ」  女神「勇者ファイトですよ~♪」

キミは新しい仲間と出会った!  →  『レア度☆☆:魔神ビーフストロガノフ(スキル:なし)』

ガノフ「俺こそが絶対なる覇者よ、何者にも俺を止める事はできぬ……」

勇者「魔神だと? コイツは精霊みたいなモノか?」

女神「どちらかと言えば、この仲間は魔物寄りですかね。ですが魔物といえども仲間には代わりありませんよ」

勇者「でも肉料理なんだけど」  女神「調理された後だったんでしょうね。美味しいですよ?」

勇者「くっ……スキル持ちが一体。もう一体は名前だけの肉。これではお話にならん!」

勇者「スーパーガチャチケットは残り1枚か。コイツでレア系を引けなければ後に期待はできないぞ…」

女神「あらあら、別に手持ちのチケットのみで打ち止める必要はありませんでしょう。課金すればチケットが買えますよ……買えますよ……」

女神「レアガチャ×1で300円、×3で550円! スーパーガチャならば1枚500円で、3枚セットで980円です! 毎度ありぃ!」

勇者「買うとは言ってねーよ! …ていうか前より値段がおかしくないか?ここぞとばかりにボッタクってるんじゃないのか?」

女神「勇者、忘れてしまったのですか? 前回まではキャンペーン期間で安値になっていたのですよ」

女神「あーあ! あの時どうして大量に買い置かなかったのか理解に苦しみますわ! 勇者はお買い物が下手っぴですよー!」

勇者「僕の機嫌を損なわせていいのか、女神よ……購買意欲がぐーんと今下ったワケだが……?」

女神「別に構いませんよ? だって今ガチャを回さずに後悔するのは勇者なのですから……フフフ」

勇者「あっ、がっ……こ、この!…クソめ! ……いい、残りのチケットに賭けるんだよ僕はぁ!」

女神(切羽詰まって冷静に思考を働かせられず、って感じですわね 勇者。良い調子ですよ。そのままガチャを引き続けるのです)

女神(あなたはゴミを抱え苦しみますが、私はハッピー……ココは稼ぎ所……お金を落としなさい、私の勇者よ……)

女神(その『スーパーガチャ(無料ガチャ)』をサルのように回してね!)

がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

キミは新しい防具を手に入れた!  →  『レア度☆☆:圧力なべのフタ』

勇者「また☆2のゴミ!? お前これ本当にスーパーなんだよな!?間違えて違うヤツ出してねーか!?」

女神「滅相もございませんわ。私がそのような間違いを犯す筈がないでしょう!」

勇者「まさかスーパー無料ガチャってオチじゃないだろうな……」  女神「スーパーですよwwwwww」

女神「それより勇者、初の防具取得ではありませんか。頑丈でしかも取っ手付き。これは殴れば痛いですよぉ~ 相手の勇者もイチコロ!」

勇者「過去に鍋のフタで人が殺された事件があっただろうか」

勇者「くそっ……人がここまで困っているというに、なぜゴミしか現れない!? 今の3つでどう戦えってんだ!?」

勇者「スキルで誤魔化そうにも所持する仲間はさっきの『ヒロイン気取りの僧侶』だけ……水差しってなんだよ……」

勇者「次だ!女神よ、次は『無料ガチャ』をココに出せ……そしてお前に聞いておきたい」  女神「はいな?」

勇者「お前散々僕に黙っていたが、いま僕のフレンドポイントはどこまで溜まっている!? 1回 何Pでガチャを回せるんだ!」

女神「えっ、フレンドポイントって何ですか……勇者こわいですね……」  勇者「うるせぇ!さっさと教えろタコ!」

女神「チッ……現在のフレンドポイントはまだ200Pですよ」

女神「100Pで1回のみガチャを回せます。どーぞ、好きに消費しなさいな」

勇者「……待て。昨日、勇者AやらBやらが一気にフレンドになったじゃないか…確か26人ぐらい…じゃあ合わせて2800Pは」

女神「違法な方法でフレンドになった勇者をカウントするワケがありませんでしょうが!!」

勇者「ケチ! 女神のケチ! 僕がこんなに苦しんでいるのを見て屁とも思わないのか!」

女神「女神としてしっかりお仕事させていただいているだけです。ソレに私情を挟むワケにもいかないのは勇者でも理解できるでしょうに」

勇者「だって……むぅ、いい。じゃあ無料ガチャを4回引く……ケチ、女神のケチ……」

女神「いつにもなく子どもぽくなっているではありませんか、勇者」

勇者「必死なだけだボケッ! お前に父親から裏切られた気持ちが分かるか!? 家族の為にも僕は父さんを取り戻さなければ…」

女神「……勇者よ、私個人の意見ではありますけどね、聞いてくださいな」

女神「たとえ あなたが『嬢勇者』を倒す事ができたとしても、あなたのお父上が帰ってくるとは限らないのでは?」

勇者「えっ」

女神「だってそうでしょう。相手は勇者ということを除けば普通の人間。魔法は使えませんし」

勇者「や、ヤツの仲間のスキルで誘惑されているだけで……」  女神「ありえません」

女神「仲間のスキルは魔物 or 勇者と戦う、何かブツを奪い返す時のみしか発動できないのですよ」

女神「一般市民はもちろん。さすがの元勇者だろうと効果を発揮させられるワケがないですわ」

勇者「ち、チート! チートだ! きっとあの女がチートを使っていて……!」

女神「さぁ、どうなんでしょうかね」 

勇者「……やめろ……僕にまだ父さんを信じさせてくれ……父さんは……」

女神「というかあなたのお父上でも一人の男なのです。ほら、よく聞くではありませんか? 『英雄色を好む』でしたっけ?」

勇者「家族がいるんだぞ!?」  女神「浮気は文化。そして勇者、キャバに通うのが浮気と決めつけるのは硬いですねぇ」

女神「彼は言った通り、『癒し』を求めているのでしょう……キャバ嬢はお金さえ払えば良き会話相手を勤めてくれます」

女神「勇者には無料で私という癒しの女神様が存在しますが、皆がそういうワケではないのです。そしてお父上はいわゆる『オヤジ』」

女神「ハゲがかって体臭も足の臭いもキツい、さらに脂ぎっていて、皺も年々増え出し、一々説教染みたことしか話さない」

女神「昼も夜も妻には適当にはぐらかされ、娘には下着をいっしょに洗わないで!とまで言われー」

勇者「あ、あ」

女神「あなたも歳を重ねればお父上のお気持ちが汲めるようになるのでは?」

勇者「父さんは違う……そんなに寂しいのなら僕が父さんの相手になってやるんだ!父さんを満足させてやる!」

女神「いやぁ、変態親子っ……とりあえずガチャを回すと良いです。よっこいしょ」ドン

勇者「くっそ……父さん……!」グッ

女神(少し親切に話し過ぎてしまいましたかね。でも、ここまで真っ直ぐなアホだとどうしても放ってはおけないというか)

女神(まぁ 何だろうとヤケクソになってガチャを回してくれる事には変わりなさそうですがwwwwww)

がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

キミはかつての仲間と再会した! → 『レア度☆:なまいき武闘家(スキル:なし)』

なまいき武闘家「チッ、おひさ」

勇者「うわあああああぁぁぁ!!」   女神「あら、常連さんです♪」

女神「落ち込まなくとも良いではありませんか、勇者! 素材が増えたのですよー!」  勇者「即戦力しか今は必要ない…」

女神「んー やっぱり無料ガチャですと大した仲間は望めないのかしらぁー? やっぱり課金した方がいいのですかねー? ねぇー? 勇者ぁ」

勇者「黙っていろっ……!」

勇者「残り3枚……やはりこのままではキツ過ぎる……だが、回さなければ……回していなければ」

勇者(不安に苛まれてしまう! ……次こそは次こそは22位に対抗できるモノが引けるんだ。かならず……)

勇者「女神よ、スーパーガチャチケットを―――」

突然 キミの頭の中へ 聞き覚えのある声がひびいた!

『いくらガチャを回そうガ、アナタはけして良き仲間や武器・防具ヲ入手できはしマセン』

勇者「!」

『種を明かしマショウ。彼女デス……アナタの女神がガチャへ細工ヲした! アレは『スーパーガチャ』に似せた『無料ガチャ』なのデス』

勇者「なん……だと……!?」

女神「へ? どうしましたか?」

『所詮、女神は運営側デス。信じるに値しない。勇者サンをあの手この手で騙し、搾取する事しか頭に無い』

勇者「そんな 今さら言われてもだが……」  女神「え? え?」

女神「勇者、まさか 何者かと通信を行っているのですか? でしたらすぐに止めなさい。危険ですよ!」

女神「無視して無料ガチャでも回していなさい!!」

『彼女の言葉へ耳ヲ貸してはなりマセン。……しかし、まだワタシを信頼できない気持ちハよく分かりマス』

『試しにガチャを回してみてクダサイ、勇者サン。ワタシが今からアナタが入手する仲間を当てて差し上げマショウ……』

勇者「それが、何だっていうんだ? 勘が当たって僕がお前を信用するとでも? 悪いが、今はお前に構っている暇はないぞ」

『ええ、コチラも理解していマス アナタのつらさヲ。ですから力を貸したいノデス』

勇者「力を貸したいだと……」

女神「私の勇者よ、聞いているのですか! またおかしな目に合ってしまってはどうするのです!」

女神は キミの腕に抱きしめ 無い胸を ここぞとばかり くっ付けてきた!

勇者「……」女神「私の言葉だけを聞き、信じなさい! 勇者!」

勇者「うるせぇ!! ……誰を信じるかは 僕の自由だ」 

『流石デス、勇者サン』

がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

『レア度☆:ピザポテトくん(スキル:なし)デス』

キミは新しい仲間と出会った!  →  『レア度☆:ピザポテトくん(スキル:なし)』

勇者「……たかが一回がなんだよ。こんなので良い気になるな」

『では続けて3回引いてくだサイ。もし、ワタシが全て言い当てた時ハ 勇者サン。黙ってワタシの言う事を聞いて』

『再び外へ出て、『廃れた武器・防具屋』へ向かってくだサイ』

勇者「……」   

女神「勇者勇者勇者っ! ああっ、ここまで私が密着しているのですよ!? 私へ夢中にならないとはおかしいですわ!?」ムニムニペッタンコ


『次は武器デス。レア度☆:コーラの空き瓶』

キミは新たな武器を手に入れた → 『レア度☆:コーラの空き瓶』

勇者「偶然だな、まだ偶然の域だぜ……」

『レア度☆:ウザイルカ(スキル:検索補助)』

イルカ「何について調べますか?」

女神「あっ! 勇者、この仲間はスキル持ちですよ! すごーい」

勇者「……お前まさかチート使ってガチャの中を」

『この程度に力ヲ使うほどワタシは愚かではありマセン。次でラストですネ』

『レア度☆☆:ニダ商人(スキル:訴訟)デス。コレが当たれば言う通りにしていただけマスね?』

勇者「どうだかな……おい、邪魔だ クソ女神!! さっさと僕から離れろ、鬱陶しい!!」

キミは ひっつく 女神を 振り払った!

女神「ああっ! ひ、ひどいですわ……女神に乱暴を……」

勇者「何が女神だ。お前、本当にさっきのスーパーガチャに細工してなかったんだろうな?」

女神「もちろんですよ……勇者、なぜ疑うのですか……私はあなたの味方。あなたが不利になるような事はけしていたしませんよ!」

勇者「……母さんのことはいくら下種のお前だろうと感謝はしている。しかし、コレだけは別だ」

勇者「お前は僕のことをただのカモとしか思っていないようだからな……疑って当たり前だろうが……!」

がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

キミは新しい仲間と出会った! → 『レア度☆☆:二ダ商人(スキル:訴訟)』

二ダ商人「ウリのデザインした物がパクられていた。訴訟を起こすニダ!」

勇者「……」

『決まりデスね、勇者サン』

『待っていますヨ。場所はもう記憶されてイマスね』

勇者「ああ……行くよ……クソッタレめっ」

女神「え、え!? 何処へ行こうとしているのです 勇者よ!?」

キミは 女神を無視して Nが指示した 店へ ふたたび向かった!

女神「いやあぁ、私のお財布が奪われるぅーーー!!」

あ・・・五回ひいてる・・・

キミは 裏通りをすすみ、奥に建っていた 『廃れた武器・防具屋』を見つけた!

外から 覗いても ボロボロになった店内が窓から見えるだけで、中に人の気配は 感じられない!

勇者「本当にココで間違いはないのだろうか……よく見ると結構廃屋が多いからな、この辺り」

勇者「もう日が暮れ始めている。ぐずぐずしている暇はないぞ、とにかく中へ入って『N』と会わなくては……」

キミは 廃れた武器・防具屋の扉をあけ 中へ踏み込んだ!

勇者「誰か、いないのか……? N、どこにいる……言われた通り来てやったぞ……!」

勇者「今日中にはあの女と決着をつけたい! 本当はこうしている時間すら惜しいんだ! 勿体つけてないで姿を現わせ!」

勇者(……まさかとは思うが騙されたというワケではないだろうな。確かに万に一つコレが罠ではないという可能性はないんだ)

勇者(相手はもしかすれば、昨日僕のアカウントを暴いて『てつをRX』を奪ったヤツかもしれない。怪し過ぎるんだよ、現時点じゃあ…)

神父勇者「……勇者様、でございますね?」  勇者「はっ!?」

神父勇者「お待たせしてしまい申し訳ない。私は『神父勇者』、あなたと同じ勇者会員の一人ですよ」

勇者「神父で……勇者……?」

神父勇者「ホホホ……そして私は『無課金ギルド』の一員でもあります。では、どうぞコチラへ」

いつのまにか カウンターの裏の床の一部が開いていて そこに地下へ通じる階段が できていた!

勇者「聞くのもマヌケ臭いがな、僕がお前の後ろを着いて行って辿り着いた先は『無課金ギルド』でいいのか?」

神父勇者「ええ。なぁに、恐れる必要などございませんとも。私たちは同士に対して手荒な真似はしないですよ…」

勇者「お前たちが昨日僕へ仕掛けてきた連中なのか? あの眼鏡勇者はお前らの仲間か? だとすれば僕はお前たちのリーダーのツラ見た瞬間何しでかすか分からんぞ…」

神父勇者「怒りもまた不必要でございます」

神父勇者「勇者様……人は完璧な生物ではない、『怒り』や『恐れ』は誰しもが抱く感情ですとも……」

神父勇者「そういう時に心を平常へ戻す良い方法がある。私のやり方ですが、『素数』を数えると良いかと……ホホッ」

勇者「けっ、ずいぶんまぁ胡散臭い神父がいたもんだね」

キミは武器・圧力なべのフタ を装備した!

勇者「構わないな? もしそっちがやる気になった場合は……!」

神父勇者「襲いかかりませんよ。そこの女神にでも誓いましょうか」

女神「……」   勇者「…お前 着いてきたのか 女神!」

女神「むぅ、だ、だって……私の勇者が取られると思って……!」

女神「勇者、ギルドにはもう懲りた筈でしょう? 私と一緒に宿へ戻ってガチャを回しましょうよ…」

勇者「却下!」  女神「えぇー!」

女神「やだやだやだ!嫌です! これ以上勇者が変な事へ頭を突っこむなんて私は許しませんー!」

勇者「知るかよ、どうせお前じゃ今回当てにならないんだからな」

女神「くっ」

勇者(……それに女神よ、よく聞け。コイツらのアジトへ上手く入り込めれば『チート』について何か分かるかもしれん)

勇者(お前としても チート勇者どもを野放しにはできないだろう。実体を知って、証拠を掴み ゴッド女神とやらに報告してやればいい)

女神「えっ」

勇者(別にお前の顔を立てようとは思っちゃいねぇからな。ただ、僕もてつをRXを奪われたり散々な目に合わされて まだムカっ腹が収まらないだけだ)

女神「ゆ、勇者ぁ~……」

女神「あなた初めて使える人だと思えましたわ!」  勇者「そいつはどうもだよっ…!!」

神父勇者「ホホホ…あなたはどうも素敵なパートナーをお持ちで。どうぞ、女神様もおいでなさい」

勇者「コイツも、中へ入れて平気なのか?」

神父勇者「我々『無課金ギルド』は来る者を拒みませんよ。ただし、良からぬ考えを持たぬことです」

神父勇者「『N』はあなたの全てを見て、全てを知る方です。お見通しなのですよ……何を考えているかなんてね……」

神父勇者は階段を降りはじめた! キミと女神も 彼に続いて 地下へむかう!

女神「ジメジメしていやな空気です。私のお肌が荒れてはどうするのですか、神父よ?」

神父勇者「程良い湿気かと……」

勇者「ところで、あんたも同じ勇者なんだろう? 担当女神は傍に付けていないのか?」

神父勇者「ホホホ、我々は自由の勇者ですよ。それを縛る『運営の犬』など既に除きましたとも」

勇者・女神「は!?」

勇者「それはどういう(ry」

女神「どういう意味ですか、神父!! め、女神を除く……それはつまり、まさか あなたたちは」

神父勇者「ご想像にお任せしますよ、女神様。我々はただ、勇者でありたいだけなのです……この世界へ真なる平和を齎す勇者に」

神父勇者「そして正してゆくのです。それを妨害する者は全て悪と見なし、相応の裁きを下す。我々が正義、『無課金』こそが正義!」

神父勇者「無・課・金! 無・課・金! ジャスティス! 『No charge = justice』ッッッ!!」

勇者・女神「   」

女神「勇者、コイツらは危険です。マジな匂いがしますわ。本当にヤバいです…」  勇者「あ、ああ……」

神父勇者「……ふぅ、しつれい。思わず高まってしまいました。大切なお客様を怖がらせてしまいましたね」

神父勇者「ですが勇者様。これだけは覚えておいて欲しい。運営どもへ『課金』をすれば後々バカを見させられるのは我々人類なのだと」

女神「なっ……! き、聞き捨てなりません! 訂正なさい、無課金の豚め!」

神父勇者「フン、運営が何を偉そうに物を言うか。無課金は賢いのです。課金勇者どもは一時の感情や運営に唆され、堕ちた愚かな勇者」

神父勇者「このまま運営が築いた『勇者システム』のままでいてみろ! その先に待つのは破滅のみだ!」

勇者(さっき僕が考えて気づいた話と同じだ。コイツら『無課金ギルド』は分かっていたんだ……このシステムの『最悪』に……)

勇者「俄然興味が沸いてきたぞ、お前らのギルド長にな」  女神「バカ勇者っ!」

女神「勇者はどちらの味方でいるつもりなのですか……ココは私側に立って反論するのが私の勇者でしょう……?」

勇者「どっちが正しいなんて明白だろうが。さっきもお前に話しただろう? お前ら運営はイカれてやがるって」

勇者「僕はソイツが話した中身は一理あるとは思っているぜ」  女神「もう、バカぁーっ!?」  

神父勇者「ホホホ……聡明な方で私も助かりますよ、勇者様。あなたならば きっと我々を気に入ってくれる事でしょう」

神父勇者「――――――さ、このエレベーターにお乗りください」

勇者「……まだ下に行くのか? ていうかどこまであるんだよっ」

神父勇者「ホホ、天国が遥か彼方上空へ存在とは限りません。我々の天国(ギルド)は地の底なのです。どうぞ、Nがお待ちですよ……」

勇者(最っ高 胡散臭ぇーーー……)  女神「だから帰ろうと言っているではありませんかっ」

勇者(今さら引けるか。行くぞ、見てやろうぜ ヤツらの天国ってヤツをさ)

キミは エレベーターにのりこんだ!

同時に 扉が閉まり、キミたちを乗せたエレベーターは さらに地下へ もぐってゆく!

エレベーターが開かれると 通路が先にみえた!

神父勇者「どうぞ、お降りになってから真っ直ぐ進んでください。道案内はココまでです」

勇者「お前の案内はここで終了なワケか。……なぁ、お前らの思想は良く分からんでもないんだ」

勇者「だけど、どうして女神を殺した? …ていうか女神を殺せるの? 勇者が?」

女神「可能なワケありませんでしょう。私たち神とあなたたち人間では格が違いますわ」

女神「物理だろうと魔法だろうと、いくら仲間に攻撃させようと 私たちはあなたたちの攻撃を全て無効化してしまいますよ」

女神「ですからっ、排除は『不可能』な筈なのです……! きっとデマカセを!」

女神「それに私たち女神がいなければ勇者なんてやってられませんよ! 課金はまだしも無料ガチャすら引けないです!」

神父勇者「その通りでございますよ、女神様。ホホッ」

神父勇者「Nにお会いすれば全て分かることでしょう……Nを信じなさい……信じなさい……」

神父勇者は キミたちを 見送ると エレベーターで地上へあがっていってしまった!

勇者「アイツ……結局何なんだ。本当に勇者なんだろうな?」

女神「名簿には、乗っていました。一応 ゴッド女神へ報告は済ませてあります。事と次第が分かり次第、ヤツは垢BAN決定です!」

女神「…チートで防がれない限りは」

勇者「ヤツの女神もまた、行方不明ってことに?」  女神「はい。担当女神は『ミニスカ女神』…」

女神「彼女もまた眼鏡勇者の担当どうよう行方が分からずと今し方調べてみたところ判明しました」

勇者「眼鏡の『もじもじ女神』と同じケースか。偶然とは思えない話だな」

勇者「ていうか、どうして今頃になって行方不明になったとかが分かる!?」

女神「そりゃあ私たち女神はお仕事に集中してて、一々他の女神へ構っていられませんもの。女神も沢山いるのですよ?」

女神「なるべくでしたら、同じ女神の好として救いたくはあります。ですから勇者 そろそろ向かいましょう、無課金ギルドとやらへ!」

勇者「うん。N、一体何者なんだろうか……」

キミは 無課金ギルド集会所への 扉をあけはなった!

勇者「……お前たちが『無課金ギルド』の連中か」

集会所には 数十人の勇者たちがあつまっていた!

勇者「Nに呼ばれてココまで来てやったぞ。ヤツはどこだ? 用があるのはソイツだけだ」

「ようこそ、勇者さん。よくぞここまで来てくれましたね。まずはその事を感謝させて欲しい」

女神「勇者、奥ですよ!」  勇者「アイツか!」

奥にある和室内に 全身を毛布でつつみ、マスクで顔半分を覆った者が そこに座っていた!

勇者「女だと……」

N「私がNです、勇者さん。この『無課金ギルド』を創立し、運営に立ち向かう者が一人・N」

女神「随分とおふざけが過ぎたギルドを立ち上げたご様子で。あなた、ご自分が何をしようとしているか理解しているのですか?」

勇者「待て、女神。……Nよ、お前には聞きたいことが山ほどあって 困るぐらいなんだが」

勇者「まずは僕に『力を貸してくれる』。それは期待していいんだな!?」

N「ええ、協力しましょう。ですが その代わりと言ってもなんですが、あなたにも私たちへ協力していただきたいのです、勇者さん」

女神「勇者、こんなヘンテコぶっ飛び集団へ手を貸す必要などありませんよ。大人しくテイクだけ受けておきましょう」

N「まぁ、セコい女神ですこと。いつのまにか女神はこの様な情けの無い者ばかりになってしまったのでしょうか」

N「それもこれも 全ては私に責任があるでしょうけれどね…ゲホゲホッ」

N「ゲホォッ!! おえっ……ちょ、ちょっと……咳止めのお薬を……」

双子女神(赤)「しょうち!」  双子女神(青)「ただちに!」

女神「えっ!? め、女神がいるですって!?」

N「ゴホォッ!! そ、それが、なにか……ゲボォッ!!」

女神「だ、だってあなたたち『無課金ギルド』は自身の担当女神を排除したと……」

勇者「いや! それより……N、あんたは……勇者なのか?」

N「コポォ、ゲホンッ!! ぜー…ぜー…ヒューヒュー……」

双子女神(赤)「大変! 大変!」  双子女神(青)「お薬ただちに!」

双子女神(赤)「Nさま、Nさま」  双子女神(青)「お薬ですよ、お薬飲んでがんばって」

N「ヒューヒュー……んぐっ、おえぇ 超苦い。次からは苺シロップのが良いです」

双子女神(赤)「苦いのがよく効くのです!」  双子女神(青)「早く良くなるのです!」

N「だ、だってー……――――――コホン、その質問にはどう答えるべきか ですね」

勇者「じゃあ質問を変えようじゃないか。お前は人間か」

勇者「お前はあの時、僕の思考を読むことができた……。この女神と同じように、ハッキリと」

女神「それは本当ですか、勇者よ? そのような芸当ができるのは女神以外考えられ……はっ」

N「……今は、女神の座から堕ちてしまいました。能力だけは今も変わらず健在していますが」

N「その通りです、勇者さん。私は人間でも勇者でもない、元女神です」

勇者「女神が勇者ギルドを作ったっていうのか……ていうか元女神って何を」

女神「基本的には ゴッド女神へ逆らった女神が罰によって追放を受けた者のことですわ」

女神「フフン! あなたはよほど愚かな女神だったのでしょうねぇ。逆らったか、失態を犯したかどちらでしょうか」

N「そのどちらでもない。私はあの邪悪なる者の力に敗れ、このザマなのですよ……」

N「名どころか全てを失い……いいえ、奪われて……」

勇者「よく、分からないけれど あんたは元女神なんだな。それで眼鏡勇者や神父勇者に付いていた女神はどうした? 本当に消してしまったか?」

双子女神(赤)「Nさまはそんな酷いことしてない!」  双子女神(青)「そうよそうよ!」

勇者「じゃあ何を」

N「『解放』したのです。彼女たちを、あの…『ゴッド女神』の呪縛から…あの者の手が、力が及ばぬ地へ送還しました。安普請ですが 住まいの方もどうにか」

女神「信じられませんわね。ゴッド女神からは誰も逃げられません。あの方は私たち女神全てを支配する方なのですから」

N「その力に僅かながら対抗できる『力』を私が持っているとしたら?」

女神「あ、ありえるワケないでしょう!! ゴッド女神には敵いません!! あの方に対抗できるのはあの方だけであり…」

勇者「……なぁ、N。お前が昨日僕へメッセージを送ってハッキングしたり、眼鏡勇者へチートをかけたのか」

勇者「お前なのか!!」

N「そうですよ。すべて私が仕掛けました。まさかあのような残念な事になるとは思いもしませんでしたが」

女神「チート……神の炎にも耐える、あのチートを……あなた、一体何者なのですかっ」

N「元女神ですよ。それしかもう、語れません」


勇者「よくもやってくれたな、オイ……それでのうのうと協力を仰ぐとはイイ性格してやがるよ!」

N「申し訳ありません、勇者さん。ですが『運営』を潰す為にはあなたの力が必要なのです」

N「あなたの『幸運』という『力』が!」

勇者「僕の……幸運だぁ……?」

N「ゴッド女神。いいえ、『運営』に対抗する手段はほぼ皆無と言っても良いでしょう」

N「ですが、私たち『無課金ギルド』は諦めずに日々運営を攻撃してきました。たとえやり方は誉められたものではないにしても」

女神「そのような事をしていてはすぐに運営に勘付かれて消されてしまうでしょうに」

N「私の力(チート)を舐めないでほしい」

N「よいですか、勇者さん。あの者は『運営』を語り、人類の味方をしているように見せかけているだけなのです」

N「実態は悪。……賢いあなたならば、もうお気づきではないでしょうか」

女神「私の勇者はどうしようもないアホですよ!」  勇者「否定はしないが怒るぞ、クズ女神」

勇者「あんたの話を全て信じられたワケでもない。正直ウソみたいな話だ」

勇者「だが、あんたの言う通りならば……『運営』。いや、『ゴッド女神』とやらは」

勇者「ま(ry」  女神「わああああぁぁぁぁぁ、わああああぁぁぁぁぁ!!!」ブンブンッ

勇者「な、何だよ急に!?」  女神「言っちゃダメです!ダメ! それ以上言ってはいけません! 私の為に!お願いしますっ!!」

N「女神、あなたもそろそろ受け止めるべき事実なのですよ。あなたたち女神を支配し、この『勇者システム』を作り上げた者は」

N「『魔王』なのです」

勇者「ま、まおう……」   

女神「あ、あ……あひ……ひ、ひぃ……」

N「その魔王というのが、過去にあなたのお父上が倒したと思われる魔王と同一。彼奴は蘇ったのです」

N「というよりは、完全に滅ぼされてはいなかった」

勇者「そんな、そんなバカな話があるものか! 父さんは死闘の末、勇敢な勇者たちと共に魔王を討ったと…」

N「魔王の体は遠い昔から既に滅んでいた。魂だけなのです。ですから、魔王は人間や魔物の体へ乗り移り 奪うことができる」

N「彼奴は上手くあなたのお父上から逃れ、身を潜めて好機をじっと待っていたのですよ……。そして私を破り……」

女神「……えっ」

N「あ、私 元ゴッド女神です。今はこんな情けない恰好してますが」

女神「    」パクパク






女神「あの……わたしを消さないでください……土下座ぐらい何度だってします……」

勇者「おう、やれやれ。土下座しろ、土下座」

N「うふふふ、私は魔王ではありませんよ。安心なさい、女神よ。さ、頭をあげて」

N「…勇者さん、まだ信じられた話ではないとは思います。ですがもう私にはソレを証明する物は何一つ残ってはいない」

勇者「……もし魔王が何者かの体を自由に奪えるというのなら、今は、誰に?」

N「分かりません。力が完全ではない私には 彼奴の気配を察知することができないのです」

N「ですがきっと 誰かの体に憑依しているでしょう。ただし男性のみです。魔王は女性の体を嫌いますからね」

女神「……コレはきっと悪い冗談です……ウソでしょう……魔王がゴッド女神? え、え?」

勇者「お前、前に話していたよな。誰もゴッド女神の姿を見たヤツはいないって」

勇者「それって……そういうことじゃないか?」   女神「いやあああぁぁぁぁ聞きたくないです!聞きたくないですっ!」

N「勇者さん、魔王は人間界か天界のどちらかにかならず存在します。私たちは彼奴の正体を暴き、完全に滅ぼさなくてはならない」

N「そうしなければ 二つの世界は内部から滅茶苦茶に破壊され尽くし、魔王の手に堕ちてしまうでしょう」

N「どうか、お願いします 勇者さん。私たちに力を貸してください……」

N「そして女神よ。あなたにもお願い……これ以上運営に加担してはなりません……この事は魔王へ報告しないように……」

N「でなければ、あなたをココから綺麗な体のまま外へ出してあげられなくなってしまうから」

女神「   」

勇者「協力、してやってもいい。それしか魔王を倒し、『真の勇者』へなれないのだと言うのなら」

勇者「僕が父さんのミスの尻ぬぐいをする! だが、その前に肝心の父さんを嬢勇者から取り戻したいんだ!」

N「ええ……では、協力の証に私の手をとって……」

キミは Nの手をとり、硬く握手を かわした!

勇者「共に運営(魔王)をぶちのめそう、ゴッド女神よ!」  N「止してください、私はNで良いのですよ」

女神「わたしの立場……いままでの努力……あわあわ……お金……そう、お金!!」

女神「今まで魔王に安月給で騙され働かされていた分、私にお金はいっぱい入りますか! ゴッド女神!」

N「えっ……あ……うん……か、考えておこうかしらー……おほほほ……」

女神「良しです! 勇者、これならば良しですよ! 私の勝ちです!」  勇者(あさましい…)

明日の午前2~4時あたりにまたくる

女神「それにしてもゴッド女神よ」

N「ですから『N』で構いません、女神。それで何か質問が?」

女神「あ、えーっと Nさま……あなたが仰るこの勇者の力という『幸運』とは一体どういう」

勇者「僕も気になっていたんだ。幸運ってそのまま言葉の意味で捉えていいんだよね?」

N「ええ、まごうことなく『幸運』です。勇者さん、あなたには神や魔王の予想を越えるレベルの運の良さが秘められているのですよ」

勇者「宝くじも当てた事もなく、思いを寄せていた女の子に毎回撃沈していたこの僕が?」

N「そのような平凡な運ではないのです。絶対的な強運。いいえ、逆境を押しかえせる まさに勇者のみに許されし運なのですよ」

女神「『超勇者級の幸運』ですって……!?」

勇者「運に救われたことがあるのなんて ほとんど記憶にないんだけれども」

N「いいえ、ある筈です。あなたはこの勇者の旅が始まってから、何度も自身の運に救われてきたでしょう」

N「何者にも入手できなかった『てつを』をあなただけがガチャで引き当て、偶然にも他の勇者より進化素材を譲り受けた」

N「何度だって、ピンチのときはあなたの仲間によってコチラの予想を越える規格外の方法で脱してきた。それだけでも十分なのですよ」

勇者「ピンチを跳ね返す運……奇跡か……どこかで聞いたことがある気がしなくも」

女神「『補正』ですわね。Nさま、要するに勇者には『てつをRX』のような『ヒーロー補正』が掛かっているというのですか?」

N「そう言い変えても良いでしょうかね。勇者さん、あなたは『勇者』としての条件のうち一つを生まれながら持っていたのです」

勇者「『伝説の勇者』である父さんから生まれた僕が……! やっぱり僕が真の勇者だったんじゃないか!あはぁ!」

女神「なに調子に乗っているのですか、バカ勇者め。きっとただの偶然です。自然とは気まぐれな物ですからねっ」

勇者「いやいや、コイツはきっと必然なんだろう。僕は魔王を討ち滅ぼし、世の中へ平和を齎す存在として誕生したんだよ!」

勇者「つまりだよ 僕以外の勇者には魔王を倒せないに違いない……!」

N「それは どうでしょうか」  勇者「え?」

N「いくらあなたに最強の『幸運』が宿っているとしても、魔王の『悪運』の強さを押しかえせるかどうかは分からない」

N「一つの可能性としてあなたがいるだけ。魔王を甘く見ないで……その名はけして伊達ではないのです……」

N「現時点ではあなたと魔王、比べて例えるのならば まさに『蚊と人間』」  勇者「分かり易いが悲しい例えだよっ…!」



女神「つまりNさま? 勇者はマラリアを持つ蚊ということで、上手く刺せれば魔王へ致命傷を与えられなくもないということでしょうかー?」

N「ええ、その通りですとも。感染症を抱える蚊でしょうね、勇者さんは」  勇者「お前ら人を蚊だ蚊だと、やめてくれないか」

勇者「…とにかくこの僕が魔王にとって大きな打撃を与えられるかもしれないんだな? ソイツはまぁ理解したつもりだ」

勇者「しかしだよ、N。あんたは元ゴッド女神なんだろう? なぜ わざわざ魔王が作った『勇者システム』に乗っ取って対抗している?」

N「答えはそうする他ないから、ですよ 勇者さん」  勇者「だからなぜと聞いている!」

勇者「チートでもなんでも不思議な力で殺しにかかるなり あんたならいくらでも他のやり方があるだろう!?」

女神「おそらく それで敵わないほど『運営』が強力な存在へなったというワケではないでしょうかねぇ?」

女神「失礼ながら、Nさまは本来の力の半分も発揮させられずにいるのでしょう。チートで運営の動きを最小限妨害することはできるとしても」

女神「それならば直接諸悪の根源である魔王を叩くのがベスト。ですが、魔王は現在何処へ潜伏しているのか、誰の中にいるかも分からない」

勇者「……だから『勇者システム』に従い、ラスボスである魔王を倒す為に?」

N「その手はもちろんなのですが、所詮『無課金』を貫こうとする私たちには到底 彼奴の元へは辿り着けないでしょうね」

N「しかもかならず魔王が顔を出すとは限られない。代役を立てるかもしれない。……問題はそこではないのです」

N「恐れているのは このシステムへどっぷり嵌まってしまった重課金者たち や 魔王が過去の記憶や人々の悪夢から作りだしたデータ(魔物)」

N「魔物には勇者会員でしか対抗することはできない。魔物如きにやられてしまっては元も子もありませんからね」

勇者「だから、会員にならざるを得ない? だけどあんたは女神なんだろう? その程度では」

N「『元女神』と言いましたよ。それに運営がその気になれば、いくら女神の能力があるとしても 無効化されかねません」

勇者「……魔王、強過ぎね?」  女神「そりゃあ現ゴッド女神を兼ねるぐらいですしね」

女神「それよりもなぜ、Nさま。重課金勇者までも恐れるのです? 彼らは所詮人間ですよ?」

N「人間だから恐ろしいのです。彼らは目先の物に囚われ、いつ暴走してもおかしくはない」

N「もし運営に唆されて 攻撃をしかけてきたら? 彼らは課金を惜しみません。目的の為ならば躊躇もしない」

N「…魔王へ私が元ゴッド女神であることがバレたとき、彼らに襲われたら一貫の終わりなのです」

N「そして私は人間をこの手で殺してしまいたくない……彼らは皆、私の子同然です……争いたくはない」

勇者「だからあんたは僕らの為に今まで運営と戦ってきたんだろう。任せろ! これからは僕も一緒に戦うよ!」

N「ありがとう……ありがとう勇者……恩に着ます……」

勇者「オイ どうだ!? コレが本来の女神の姿だぞ!? なぁ!?」  女神「はぁ!? 何ですか それ!?」

勇者「いいか、女神よ。この件は絶対運営側へ漏らすなよ? 絶対だぞ…裏切るなよ…」

女神「失礼なっ 私は裏切りのコウモリではありません! コチラでキチンとしたお給料が保障されるならばその様な事はしませんよ!」

女神「だ、大体 女神なのに魔王へ仕えていたという自分が許せないのです。いいように使われていたなんて……!」

女神「Nさま、私はあなたの味方ですわ! 大船に乗った気持ちになっていただいてよろしいかと!」

勇者「泥船でないのを祈ってるよ…」

N「ふふふ……女神もありがとう。とても心強いですよ。私もあなたを疑っていましたが、訂正します。そして謝らせてください」

女神「いえいえ、滅相もございません! それより 上手く魔王を滅ぼし、世界へ平穏を齎せられた暁には 私の位を……」ゴニョゴニョ

N「あ、あー……」

女神「何ですか 勇者、その目は。見返りを求めて何が悪いのです」  勇者「稀に見る畜生だよ、お前」

女神「私ていどで ですって? この世には頭頂部から爪先まで真っ黒の者がまだ存在していますよ……私なんて可愛い方でしょう……」

勇者「見返りで思い出した。そろそろ日が沈んで夜が訪れた頃だろう……時間だ、行かなければ」

N「そのようですね。長い時間私のお話にお付き合いしていただき、本当にありがとうございました。勇者さん」

N「では、約束通りあなたへ力を――――――ゲホォッ!!」

Nはさきほどのように 突然はげしく咳き込みはじめた!

女神「え、Nさま!」  N「げほっ、おぇ……」

Nが咳をおさえた 手のひらには 血が付着している!

勇者「あんた……ただの風邪じゃないだろう、それは……」

双子女神(赤)「Nさま!」  双子女神(青)「そろそろお休みになって! 限界です!」

N「げふっ!! ……え、ええ……そのようです……勇者さん、女神よ、わたしにも あまり時間は残されてはいないのです……げぇ」

双子女神(赤)「Nさまは魔王との戦いによって受けた呪いの後遺症を抱えているの!」

双子女神(青)「このままじゃ Nさまの命は長くは持たない! いそいで魔王をたおして完全に呪いをとかなきゃなの!」

双子女神「「Nさまは 消えてしまうの!!」」

勇者「そ、そんな……」  女神(つまりあの方が亡くなった後に私がゴッド女神の位へ就ける可能性が存在する?)

女神「Nさま、無理はお身体によろしくありませんわ……今日はありがとうございました……私はあなたに出会えたことを誇りに思いますよ……」

女神「どうか、魔王を倒すそのときまで 安静になさっていてくださいませ……!」

N「う、うう……あなたは優しい子ですね……ありがとう、女神……」

女神「よく言われます……ああ、Nさま……」

双子女神(赤)「Nさま、コチラにどうぞー」  N「ええ…」

N「申し訳ありません、勇者さん……見送りもできなくて……それに、あなたには謝っても謝り切れないほど 取り返しのつかないことを」

勇者「てつをRXなら いつか帰ってくるだろう。大丈夫だ。とにかく今は休んでくれ」

N「ごめんなさい、ごめんなさい……私がもっとしっかりしていれば この様な事態には……ゲホォッ!!」

勇者「もういいってば……」  女神「勇者の言う通りですよ、Nさま!」

N「は、はい……では私はこれで……勇者さん、『力』の方は そこの双子女神(青)よりお受け取りください……」

N「あなたの性格ならばチートをかけるのは気に食わないと思い、現物の方を用意させていただきましたから……」

双子女神(赤)「もうお話されない方が身の為です! さ、さ、奥でお休みになりましょー!」

N は 双子女神(赤)によって 部屋の奥へつれていかれた !

女神「Nさま お達者で~♪ ……いやぁ、早く良くなっていただけると良いですねー! フフフ!」

勇者「どうして機嫌良さそうにしてるんだよ」

双子女神(青)「勇者くん、こっちこっち~!」  勇者「は?」

双子女神(青)「力が欲しいんでしょう。それに急いでいるなら早くしよーよっ」

キミは いわれるがまま 双子女神(青)へ着いて行った!

双子女神(青)「はい! ではコレを受け取るのです。とても役に立つ武器と仲間なのですー」

勇者「現物って……コレを?」

キミは新しい武器を手に入れた! → 『レア度☆☆☆☆☆:南斗人間大砲』

キミは新しい仲間と出会った! → 『レア度☆☆☆☆:ニシカワアニキ(スキル:魔弾化)』

女神「スキルが付いた仲間と武器。どちらもレア度はやや高めですがー……普通じゃありませんかね?」

勇者「僕もそう思うのだが。コイツらが22位の勇者相手で役に立てるのか?」

双子女神(青)「むーっ! 青が選んだんだから間違いないよ!」

双子女神(青)「こっちの武器はねぇ、仲間を砲弾にして 相手へ直接攻撃することができるの!」  勇者「えっぐ」

勇者「それってつまりその仲間を犠牲にして攻撃するモンだろう!? 酷くないかぁ!?」

双子女神(青)「酷くないよ? 必要ないゴミ仲間をドンドン撃ち込めば持て余すことなくなるもん」

双子女神(青)「ちなみに場へ出ている仲間のみしか砲弾にして発射できませーん。覚えておいてねー」

女神「まさに外道が成せる技でしょうか……ですが相手へ直接攻撃できるというのは魅力ですね」

勇者「いや、だけどっ……それで、もう一つ貰った仲間の方は」

双子女神(青)「コイツのスキルがまたまた優れモノなのです! 『スキル:魔弾化』は自分の仲間をその名の通り『武器:魔弾』へ変えれるの!」

勇者「……そ、その魔弾とやらの効果は」

双子女神(青)「相手の勇者や仲間、魔物へ大ダメージを与えられる。こっちは控えの仲間も魔弾化できるから忘れないでねー」

双子女神(青)「そしてなんと、さっきの南斗人間大砲に入れて発射すれば 何が起ころうが、かならず対象へダメージを与えられるんだ!」

双子女神(青)「でも気をつけてねぇ、魔弾化した仲間は二度と蘇らせられないから~」

勇者「強力だが使用を悩むコンボってところだろうか……だが、ガード不可効果は美味しいぞ」

女神「もしかしてコレだけですか、授ける力とやらは?」

双子女神(青)「期待しちゃってる? するよねぇ~だいじょぶ! しっかり用意してあるよー!」

双子女神(青)「こっちはNさまから言われてキチンと用意した物。課金レアガチャと合成釜です。」

勇者・女神「え?」

勇者「おい、何だコレは……」  双子女神(青)「だから課金レアガチャと(ry」

勇者「それは分かる!!だが何でお前らが課金アイテムを渡してくるんだよ!?」

双子女神(青)「うーんとね、これからは勇者くんに『運営』への課金を控えていただいて、こっちのを使ってもらおうと」

女神「まさか……運営が用意した物と異なる特別性?」  双子女神(青)「いえすいえすいえーすっ!」

双子女神(青)「さすがに魔王へ挑むには、彼らが用意した無料ガチャだけを回すにはあまりにも効率悪くなるし、強力な仲間が手に入りにくいのです」

双子女神(青)「だからコチラで用意させていただいた、これからはこっちの『課金ガチャ』と『合成釜』を使ってねーってな感じ」

勇者「いやいやいやいや!!協力関係築いてるんだから無償で提供してくれよっ!!」

双子女神(青)「いやいや、こっちこそいやいやなのだ! この『無課金ギルド』を続けていくには どうしてもお金が必要! そしてNさまが強い力を発揮するにもお金の力が必要!」

双子女神(青)「大丈夫っ、私たちはしっかり人間界へお金を落とすから運営のようなことにはならないよ~!」

双子女神(青)「安くしとくからお願い使って! これ、誰も使ってくれないからいまギルドは財政難に陥ってるの!」

勇者「何が『無課金』だ……」  女神「ですが比較的良心的な基本無料ですよねー」

女神「ところでコレらは全てNさまお手製なのでしょうか?」

双子女神(青)「ううん、全部運営側のを改造しただけ。だから出てくる中身も仕様も変わりはないの! 変わっているのはお金が私たちに流れるという部分だけ!」

双子女神(青)「ちなみに私たちが使う『無料ガチャ』についても同じ。いくらNさまだろうと、奴らの技術を真似て作ったりはできなかったんんだよぉ」

勇者「だから無課金ギルドの勇者たちも女神無しでガチャを回せた、というワケか」

双子女神(青)「こっちの課金アイテムたちを使用するには女神の力が必要。だから、コレはあなたに授けましょー」

双子女神(青)は 女神 へ課金アイテムを 渡した!

双子女神(青)「あと、スタミナや精神力とかの回復については 残念ながどうにもなりませんでしたー。そこは仕方がないので、運営の力を使うか 時間経過の回復で堪えてちょーだいです」

勇者「なんていうか……完璧ではないよな……」

女神「……あのぅ、コレらを勇者へ使わせて私へ何か報酬というか、見返り的なものは」ゴニョゴニョ

双子女神(青)「あんまり多くは出せないけれど、お給料という形でちょっぴり……」ゴニョゴニョ

双子女神(青)「でも、頑張れば頑張るほど あなたに対するNさまの評価は上がるよね……」ゴニョゴニョ

女神「よしきたっ!!」

女神(いやでも待つのです、私よ。いくら頑張ろうがNさまがお亡くなりになれば意味は無い)

女神(効率を考えれば相当悪い……これでは)

女神「他に何かありませんか、やはり足りません」

双子女神(青)「えぇ…?」

女神「仮にも私はお仕事をする立場。これではモチベーションが持ちづらくなってくると思われますわ」

女神「後のことは良いとして、今すぐ受け取れる報酬の方があれば満足できるかと……」

双子女神(青)「じゃあ……がんばって日給で払うよぉ……」

女神「ええ、それは良しとします。他には?」  双子女神(青)「他ぁ!? 経営者舐めてるのぉー!?」

女神「課金アイテムを勇者が使用しないで困るのはあなた方でしょう……私は何も影響を受けはしないのですよ……」

勇者「お前らまだ何か相談してるのか? 僕は急いでるんだが…」

女神「あー! すぐに済みますよー勇者ぁー! ……さぁ、さぁ」

双子女神(青)「で、でも これで魔王に私たちが負けちゃったら世界は暗黒だよぉ……どっちみちあなたも困るんじゃ」

女神「その時は、その時でしょう? 早く、どうするか、お決めなさい」

双子女神(青)「じゃあ 青が大事にしてる宝物あげるよ……」

女神「はぁ、具体的に教えていただけませんか」  双子女神(青)「土地……96坪あります……」

女神「あら! アパート建てられるじゃないですかぁー……良いですね……欲しい、かも」

双子女神(青)「結果出してもらえれば所有権を譲渡します……だからがんばって……」

女神「良かろうなのです。手初めの目標金額は? アレもあまりお金の無い人間ですから、あまり高いと困りますが」

双子女神(青)「……」

女神「えぇ!? たった10万……いえ、5万ぽっちで!? なんと太っ腹なのでしょう!」  双子女神(青)「ち、ちがぁ…」

女神「はい?」  双子女神(青)「う、うう……」

女神「では約束しましたよ。楽しみにしておきますわ♪」

勇者「おい! いい加減に」  女神「はいはいはぁーい! 今すぐ行きますよぉー!」

双子女神(青)「悪魔…」

女神(レアガチャ1回で100円、スーパーガチャで200円…合成釜1回の使用に50円ですって…安い、あまりにも安すぎる)

女神(ですがこの安さが武器になるのでしょうか。問題はどう上手く勇者を釣るか、でしょうね)

女神(いくら向こうが出した課金アイテムだとはいえ、私が勧めれば今の勇者はかなりの確率で断りを入れるでしょう)

女神(勧めるタイミングが大切! 勇者にとって どうしようもなく絶望的状況が私の益になる! 心折れた瞬間が好機!)

女神(それまでは大人しく、少しずつです……功を焦ってはいけない……確実な時を狙うのですよ……)

勇者「女神、さっそく奴らの課金ガチャを試してみようと思う。レアガチャ2回やるわ」

女神「あ、900円になりますっ!!」  勇者「ぐふぅうーっ!?」

勇者「バカッ おかしいだろ!? 向こうは安値で設定したと話していたぞ! それでは運営のガチャと変わらんだろうが!」

女神「いやぁ おかしいですねー……では私がポケットマネーで誤魔化して値下げしようではありませんか!」

勇者「お、お、おまえが……それは、とてもこわいんだが……」

女神「フフ、遠慮なさらずー♪ 大丈夫ですよ。あとで出した分キッチリ返せなんて死んでも言いませんから」

女神「700円でどうです?」  勇者「まだ高いだろ!?」

女神「えー? じゃあ650円ですね!」  勇者「も、もう少しなんとか…」

女神「キツイですっ、私を殺すおつもりで!?」 

勇者「頼むよ…2回でそれは痛い…」

女神「じゃあこれが最後のチャンスですよ……よくお聞きなさい、勇者……『400円』で……どうです……」

勇者「……一回200円か。……う、うう……わかった……それでいいから、引くよ」

女神「毎度あり~!」

女神(これぞ古来より伝わりし『アッサラーム商法』。元値が知られていないからこそ発揮できるボッタクリの術!)

女神(先人たちは素晴らしい技を後世へ残してゆくのですね……)

勇者「本当に一回450円も取るのか? ただのレアガチャ如きに……まぁいい」


がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

キミは 新しい防具を手に入れた! → 『レア度☆☆☆:トゲつき甲羅』

キミは 新しい仲間と出会った! →  『レア度☆☆☆☆☆:金獅子・台バンシィ(デストロイモード)』


台バン「ガンダムは敵!私が倒すべき敵!」

勇者「おぉ!良さ気な仲間と防具きたぁーー!」

女神「そちらの防具は攻撃してきた敵へ微量ですがダメージを与えられる物のようですね」

女神「……で、仲間の方は また余計なヤツを引いてくれたようで」

女神「とりあえずまだ引き足りませんでしょう、勇者! さぁ、次は何回ガチャを回します?スーパーガチャいっちゃいます?」

勇者「じゃ……じゃあもう一度だけレアガチャ行くかな。なんかお前が前出してきたガチャより良いヤツが当たりそうだしな…」

女神「失礼な! 中身はコチラも変わりませんわ、仕様が異なるだけです!」

勇者「へー……とりあえず400円だったな。ほら、お前の好きな金だ。もっていけ」

女神「フフフ、毎度毎度 毎度ありぃーですわぁ♪」

勇者「Nから貰った仲間と武器も強力だが 念には念をだ。確実に強い仲間が今必要……その為にも、父さんを取り戻す為にも」

勇者「ガチャよ! 僕に力を!そして僕の『幸運』よ、今がその時だ!」


がちゃがちゃがちゃ・・・PON!


キミは かつての仲間と再会した! → 『レア度☆☆☆:しとやか武闘家(スキル:微笑み)』


しとやか武闘家「マスター!うふふっ、お久しぶりですわ~」

勇者「懐かしいヤツがきた…」  女神「あら、雑魚の癒し要因ですね」

勇者「しとやか武闘家、まさかお前と再び顔を合わせる時がくるとは」

勇者(思い出してみれば コイツから僕の旅が始まったんだな。合成して生まれた『青眼の白武闘家』もコイツがいたからこそ誕生して…)

なまいき武闘家「私、私の方が先」  勇者「アレはなかった事にしてるよ」

女神「思い出に浸るのは勝手ですが 急がなくて良いのですか? 遅れればお父上がしっぽり絞られミイラになっている可能性が高まりますよ」

勇者「怖い事言うの止せよ……わかっているさ、次だ次!コレでラスト!」


がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

キミは 新しい武器を手に入れた! → 『レア度☆☆☆☆:セーラー機関銃(女性仲間専用)』


勇者「武器……あれ、コイツは僕じゃ装備できないようだが」

女神「ああ、仲間専用の武器でしょうねぇ。時々出てくるのですよ」

勇者「女性の仲間専用の武器か……丁度しとやか武闘家が手に入ったところだ。コイツに使わせてもいいだろうな」

しとやか武闘家「マスタぁー…わたくし、一生懸命戦わせていただきますわよ」

なまいき武闘家「ふんっ」ペチン  しとやか武闘家「あうっ!」

なまいき武闘家が しとやか武闘家を 叩いた!

勇者「おい、何してんだ なまいき!」  なまいき武闘家「うるさいわよ、痰カス」

勇者「たんかっ……」

なまいき武闘家「あんた、アイツに気に入られようたってそうはいかないわよ」

しとやか武闘家「え? えぇ…?」 なまいき武闘家「ちょっとレア度が高いからって調子乗るなビッチ!」

なまいき武闘家「『なまいき』なのよ……存在が、このアタシより生意気……気に食わないわ」

なまいき武闘家「ペッ」  しとやか武闘家「いやぁ! 唾吐きかけないでー!」

勇者「何だアレ……」  女神「なまいき武闘家ですからね、仕方がありません」

明日の昼以降に。遅くても4時には書く
今日はちと都合つかん

「勇者のオニーサン!良い子揃ってるヨ!しっぽり一発1万5千円からネ!」  勇者「ひぃ、結構だよ……」

女神「裏通りだとしても恐ろしく荒んだところですね、勇者。あなたが救う人間たちにはこの様な下種も含まれるのですか?」

勇者「こういう奴らは後回しでいいだろう。今は目の前のことに集中しなきゃ。僕も体は一つしかないんだから」

勇者「それより女神よ、お前はココらで暮らすと丁度良いんじゃないか? お似合いだぜ」

女神「こんなところに居ると怖い目に合いそうですから結構。きっとエロ同人のようなおぞましい展開に…」

勇者「待て。……ココだ、あの『嬢勇者』が働く店ってのは」

キミは 行商人からいただいた『常連客の紹介状』の裏にかかれた 地図を頼りに 店前へたどりついた!

店は 周りの店とくらべ 一際 目が痛むほどライトアップされている!

女神「いかにも腹黒い雌犬のアジトって感じで分かり易いですわ」

女神「……勇者ぁ?」   勇者「……」

キミは 表に張り出された 人気ランキングNO,3の嬢 に目を奪われた!

勇者「この子 好み……かわいい……」  女神「あぁ!?」

女神「ミイラ取りがミイラになるつもりですか、アホ勇者! この雌豚のどこが良いのです!」

勇者「いつか見た『エルフの女騎士』に顔がソックリなんだよ……見てるとトキメク」

女神「フン、どうせ会えば写真との違いに絶望しますよ。見てビックリ、声を聞いてビックリ。コイツは処女膜から声が出ていないでしょうね」

勇者「お前 仮にも女神が下品極まりねーぞ」  女神「勝手に女神へ幻想を抱かないでくださいよ、迷惑ですわ」

女神「ここの写真の女の子たちより私の方が可愛いです。私で良ければ1時間5,6万で踏んであげますから」

勇者「罰ゲームだろう、それ」  女神「勇者よ、大人になればそれはご褒美へなるのです」

勇者「……とにかく店に入ろう。父さんも中へいるのだろうか」

勇者「できれば居て欲しくないけれど…」

「いらっしゃいませ、お客様」

店の暖簾を くぐると そこに待っていたのは 身形から顔まで もはや全身がととのった ボーイが キミをむかえた!

女神「まぁ! ……///」  勇者「おい」

ボーイ「お客様、本日当店を訪れるのは初めてのようですね。申し訳ありません。コチラ 紹介が無ければ…」

勇者「問題ないよ 僕にはコレがあるぜ! さぁ、通してくれ!」

キミは ボーイへ『常連客の紹介状』を 見せた!

ボーイ「……」

女神「勇者、勇者ぁー! 見てください彼を。私の美貌に目を見張って あなたの相手どころではないみたいです!」

勇者「人に散々言っておいて自分だって『顔』に騙されてるじゃん……なぁ、コイツで店へ入れるんじゃないのか?」

ボーイ「あ、はい。どうぞ……勇者さまでございますね……お待ちしていましたよ……」

ボーイ「お相手は当店NO,1嬢『ミーちゃん』でよろしいですね。丁度空いていますので、すぐにお席へお通しできます」

ボーイ「ただその前に確認なのですが、そちらの女神さまの入店は許可できません」

勇者「えっ?」  女神「はっ」

勇者「別にコイツが同伴だろうといいだろ? 客の勝手じゃないか、その分の金だって払うよ」

ボーイ「いいえ、勇者さま。当店は女神さまは入ってはいけない規則なのです。他の勇者のお客様も皆守られていますよ」

勇者(勇者の客がいるのかよ)

女神「あー……仕方がありませんね。どうせ彼女へ用があるのはあなただけですし、時間まで私はそこの彼と外へ楽しいお散歩を(ry」

勇者「ま、待ってよ……もし『勇者×バトル』がココで始まったらどうすりゃいいんだ? お前に頼るつもりは元々ないけれど、何かあったら」

女神「大丈夫。そうなればすぐに私が察知して駆けつけますわ。これでも自分のお仕事には誇りを持っていますからね!」

勇者「だから異常なレベルの貪欲さがあるワケか」  女神「何事にもハングリーな精神を持つのは大切ですよ」

女神「それじゃあ私は外で待っていますわ。どーぞ、ごゆっくりお二人の時間を楽しんできてくださいな」

勇者「おい、皮肉しても言って悪いこともあるだろ。誰が仇の女と楽しめるかよ!!」

ボーイ「はい?」   勇者「あっ…」

女神「良いですから、早く怪しまれないうちに行きなさい。話合いでさっさと解決できたらそこのパチンコ店に迎えに来てください、勇者」

女神「時間もありそうなので新台打ってきまーす♪」

勇者「アレで誇りとか言えた口なのか……」

女神は キミを置いて 外へでていった!

キミは ボーイへ 暗幕でさえぎられた 個室へ案内された!

勇者「何この真っピンクのお部屋……」  ボーイ「VIPルームですよ。コチラに案内するよう事前に言われていました」

ボーイ「メニュー等はあとで嬢が一緒にお持ちしますので しばしお待ちを」

勇者「ところでボーイさん。ミーちゃんとやらはこの店で人気NO,1なんだろう? それを待たずにすぐ付けられるって」

ボーイ「ミーちゃんはあなたをずっとお待ちになられていたのですよ。あなたが当店を訪れるのをね…」

勇者「……どういう意味だ」  ボーイ「気に入られたようですね、あなた」

ボーイ「ここは『ピュアな紳士』のみが訪れる事ができるお店。あなたのピュアなお心をミーちゃんは察し、招いたのですよ」

ボーイ「それでは私は失礼します。どうぞ、彼女と短い間ですが、楽しい一時をお過ごしくださいませ……」

ボーイは キミへ怪しげな笑みをうかべると 部屋から出て行った!

勇者「僕が『ピュアな紳士』だと? あの男、何を口から出まかせを。いかにも胡散臭いって感じで気に食わんぜ」

勇者「……父さん、居るのだろうか。でもミーちゃんは今フリーという事は。……父さん」

勇者「あんな雌猫に騙されちゃダメなんだ……僕が父さんを正気に戻さなきゃ―――」

「キミのお父さんはとても『ピュアな紳士』で良いオジサマだよ」

勇者「はっ!?」

キミの 目の前に 嬢勇者が あらわれた!

嬢勇者「ハロ~♪ ようこそ、『DREAM C CLUB』へ」

勇者「お前……どのツラ下げて僕の前に現れやがった!」  嬢勇者「んー、指名したのはキミだよぉー?」

嬢勇者「待っていたよ、勇者ちゃん♪ …あ、『勇者のお兄さん』だと堅苦しい感じだから『勇者ちゃん』って呼ぶね」

嬢勇者「なんだか可愛い響きでしょう、勇者ちゃーん♪」

勇者「喧嘩売ってるのか、お(ry」  嬢勇者「はぁーい! お隣座っちゃおっと!」

勇者「うっ……」

嬢勇者のペース に キミは呑まれかけている!  

勇者「さっさと本題に入らせてもらうぞ、嬢勇者よ!! 僕はお前から父さ(ry」

嬢勇者「あっ、はい お飲み物のメニューだよ♪ ガソリンからドンペリまで何でも揃っているから ゆっくり選んでねー」

勇者「ふ、ふざけてるのか!? お前も分かっているだろ、僕がココへわざわざ来てやって意味が!」

嬢勇者「えー? ^^」  勇者「  」

嬢勇者「んーとね、アタシのオススメは このカクテルとか♪ ほらぁ、色もカワイイよ~味も甘くて超グイグイいけちゃうの!」

勇者「いい加減に!!」  嬢勇者「お話より先に、まずはお飲み物のご注文をどーぞ♪」

勇者「っ~~~……水!!」  

嬢勇者「はぁーい かしこまりィー♪ 800円の綺麗なお水入りましたぁー♪」

勇者「はぁ……はぁ……!?」

嬢勇者「お値段ねぇ、ちょっぴり高いけれど その分美味しいよぉ。ウチはお酒以外にもかなり気合い入っちゃってるからサ」

勇者「水が800円はボッてないか!?」  嬢勇者「うん、高いよねぇー^^」

勇者(だ、ダメだ……コイツ、女神とは違う意味でぶん殴りたくなる……)プルプル

勇者「……そろそろ話させてもらってもいいよな? 嬢勇者、僕の父さんを(ry」

嬢勇者「ね、ね? フレンド登録しよ? せっかく仲良しになれたんだからネ。アタシ毎日ラブラブメッセージ送っちゃう♪」

キミへ 嬢勇者から フレンドの登録希望メッセージが 届いた!

勇者「頼むから……真面目に話聞いてくれよぉ……」  嬢勇者「フ・レ・ン・ド 、えへっ♪」

勇者「登録したら今度こそ話聞くな!? 絶対だからな!?」

嬢勇者「あはは、勇者ちゃん必死でかわいい~」 勇者(絶対に『勇者×バトル』でケリつけてやる)

キミは 嬢勇者と フレンドになった!


嬢勇者「フレンドありがとー♪ 勇者ちゃんかわいいから一杯メッセージやり取りしたいなっ」

勇者「その『勇者ちゃん』やめてくれんか。呼ばれるたびに顔がピクピク痙攣起こすんだが」

嬢勇者「勇者ちゃん、勇者ちゃ~ん♪ ああ、お飲み物はすぐに来るからもうちょっとだけ待っていてね。すぐにくるよ、800円の美味しい水が」

キミは 苛立ちのあまり ソファをなぐった!

勇者「嬢勇者っ、お前みたいな甘ったるい女が僕は世の中で一番嫌いだボケッ!! さっきから調子に乗って、人の事をコケにして…!」

嬢勇者「うーん、嬢勇者って呼ばれるよりは 『ミーちゃん』のが かわいいし 嬉しいなぁー?」

嬢勇者「ほら! 一回呼んでみよっ、さん はい!」

勇者「…………」  嬢勇者「こらぁー! ノリ悪いぞぉー?」

勇者(こんなアホに父さんは嵌まっていたのか……情けなくて、情けなくて)

勇者「あああぁぁぁーーーーッ!! ぶっ殺したくなるッッッ!!」


キミは 我慢の限界をこえてしまったようだ! 武器・バールのようなものを 嬢勇者目掛けて 振り下ろそうとした!


しかし 突然 バールのようなものが 何かに弾かれ、ふっ飛ばされた!


勇者「!? ……う、うう て、手が痺れる」

嬢勇者「ミーちゃんビックリしたぁー……いきなり危ない物取り出すなんて、めっ!だよ、勇者ちゃん」

嬢勇者「勇者13オジサマ ありがとー♪ 助かっちゃったぁ、オジサマの狙撃の腕はホント殺し屋レベルだね!」

勇者「狙撃……お前、まさか この部屋の周りには」

嬢勇者「うん♪ ミーちゃんのこと心配してくれたオジサマ方が見守ってくれてるよ」

嬢勇者「だからぁ……もういきなり変な事したらダメだよ? オジサマ怖い人もいっぱいだからネ」

勇者「…………」

キミは 全身に 冷たい汗をかいた。四方八方から 殺意が秘められた眼差しを感じたのだ!

嬢勇者「もう分かってるよね、勇者ちゃん。キミが今どんな状況に置かれているかなんてサ」

勇者「僕は見事罠にかかったマヌケなサルとでも言いたげだな、嬢勇者……」

嬢勇者「ミーちゃん! ミーちゃんって呼ばなきゃアタシプンプンだよっ!」

勇者「死んでも言ってたまるものか……あの行商人、やけに人が良過ぎるとは思っていたが!」

勇者「卑怯だぞ、お前!」  嬢勇者「どーしてかな?」

嬢勇者「アタシはキミをお店で待っていただけ。勝手にのこのこやって来たのはキミの方だよ?」

嬢勇者「わざわざようこそ。ミーちゃんのホームグラウンドへ~♪」

勇者(こうやって父さんも嵌められたに違いない。コイツは勇者なんかではない。ただの『魔女』だ!!)

猫耳女神「こうやって父さんも嵌められたに違いない。コイツは勇者なんかではない。ただの『魔女』だ!!……にゃん」

勇者「ああっ!?」

嬢勇者「えへへ、魔女だなんて失礼しちゃうなぁー♪ ……いきなり喧嘩腰になるのは良くないよ、まずはお話しようよ」

嬢勇者「今必要なのは『それだけ』。キミに選択権はないんじゃないかなぁ。ねぇ、そこのとこどう思ってる? まだ攻撃してくるの?」

勇者「……女神を中へ入れなかったのも策の内か。お前、僕をどうするつもりだ」

嬢勇者「お友達になろうよ、勇者ちゃん。アタシたちは仲良くなれそうなんだ♪」

嬢勇者「でもー……ミーちゃんいっぱいお友達いるから、コレは特別になんだよぉ。だ・か・ら」

嬢勇者「お友達料金、一月10万円ちょーだいっ! ミーちゃんと親しくできるならコレぐらい安いもんだよね」

勇者「……アイツに似ているな」  嬢勇者「んー?」

勇者「僕の担当している屑(女神)に似ているって言ってんだよ!! このクソビッチ!!」

突然 キミの 右太ももが 焼けるように痛みはじめた !

勇者「うぅっ…!?」

いつのまにか 弾丸が 貫通していたようだ!

嬢勇者「いま、なんて?^^」

勇者「……処女膜から声出ていないぞ、お前」

黒人勇者「フンッ!」  勇者「あうっ!?」

いきなり部屋の中へ 黒人勇者が入って来たと思えば、キミの鼻 を殴り折った! 終えると 黒人勇者は 部屋からでてゆく!

勇者「こ、この……げどう……!」

嬢勇者「勇者ちゃんてば 超かわいいぃ~……」

嬢勇者「アタシはね、勇者ちゃん。チヤホヤされるのが死ぬほど大好きなの。お姫様に憧れているんだぁー」

嬢勇者「だから、アタシは最強の勇者になって魔王を倒すよ♪ そしたらみんなアタシをチヤホヤしてくれるもん♪」

嬢勇者「ココまでくるのにあまり苦労はなかったよー。親切なオジサマたちがいっぱいお小遣いくれるし」

嬢勇者「最っ高だよねぇ! 趣味で遊んでいたらタダでお金はいっぱい貰えるんだから! 課金なんて全然痛くないんだもーん♪」

キミは 床をはいつくばって 嬢勇者の足をつかんだ!

勇者「お前は間違っているぞ……みんな、お前の顔や体目当てに金を貢ぎ続けているだけだ……」

勇者「誰も本当にお前を愛してなどいない! お姫様気分もそこまでだ……!」

嬢勇者「えぇ? 顔も体を愛してくれるって、それ 結局は愛の形の一つじゃない? ミーちゃん何も間違ってないよねぇー?」


\ ミーちゃんかわいいよ!! /


嬢勇者「オジサマありがとー♪」

勇者「お前は自分のことしか頭にないのか、お前へ貢いでいる奴らのことは何も考えちゃいないのか!?」

勇者「聞こえているか、父さん…いや、『オジサマ』たちよ……この女にいくら小遣い与えようが絶対振り向いてもらえんぞ……」

嬢勇者「ううん、アタシはオジサマ全員を愛している。分け隔てなく、みーんな アタシの恋人なんだよ」

ボーイ「……お取り込み中、申し訳ありません。お飲み物をお持ちしました」

ボーイは 800円のお水を テーブルに 一つ置いて さっさと出ていった!

嬢勇者「これ、アタシが飲んでもいーい? いっぱいお話して喉かわいちゃった」

勇者「どうぞ……『ミーちゃん』よぉ……」

嬢勇者「あはっ、初めて呼んでくれたぁー! うれしいっ、じゃあありがたく貰っちゃうねー♪」

嬢勇者「ん、ん、ん…………ぷはぁ! さすが800円もする美味しいお水だね!」


\ ミーちゃんお水おいしいー? /


嬢勇者「おいしいよぉー♪」

勇者「その水がお前が味わう最後のモンだ……よく味わえよ、雌豚……」

嬢勇者「勇者ちゃんもお水飲みたい? じゃあ、ミーちゃんの口ついちゃったけど 飲ませてあげる」

嬢勇者は キミへ 残った水を あたまから かぶせた!

勇者「…………」   嬢勇者「勇者ちゃん、ミーちゃんのお水は美味しかったですか♪」

嬢勇者「……ケッ、ガキでもないんだし もう甘やかす必要ねーよな?」

勇者「は?」

嬢勇者は キミを 上からふみつけた!

勇者「むにゅう……!」

嬢勇者「冗談みてェにつまらないヤツだな、お前。人が良い顔してやってるのによォ~~~……」

嬢勇者「このミーちゃん様が? お優しくサービスしてやってるのに? 雌豚だ? ビッチだ?」

嬢勇者「ん~~~? 汚い言葉吐く口はコレですかぁー? おらおら、アタシの靴を美味そうにしゃぶれ オラ」

勇者「あがっ、げぶ! んーっ、んーーーっ!!」

嬢勇者「えー? なに言ってるんだか分かんなーい。人の言葉話してくれよ、豚野郎!」

嬢勇者「……てめぇが最っ高に役立つ仲間を所持してんのはオジサマから話聞いてんだよ」

嬢勇者「たしか、『てつをRX』とか言ったか? チートレベルの強さらしいじゃねーか、ソイツでここまでお前は昇り詰めてきたんだろう」

嬢勇者「ソイツをアタシに無償で寄越しな。あとはアタシの夢実現の為に有り金だせ」

勇者「……!」

嬢勇者「ほら、言ったろ。お友達料金。欲しいんだよ、お前の金が」

嬢勇者「お前みたいなケツの青い勇者が一番腹立つんだな、アタシャ。よぉー、勇者ちゃんよ?」

嬢勇者「ココで八つ裂き豚のスライスに変わり果てるか、アタシへ貢ぐか。どちらか選びな…」

嬢勇者「それ以外ぃ、キミに残された道はないんだよぉ~♪」


「あら、まるで醜い女王さま気分ですねー!」


勇者「んぐぅ…!!」

嬢勇者「……はい?」

女神「『ピュアな淑女』、ピンチに参上致しましたわ 私の勇者」

嬢勇者「どこのアマかと思いきや コイツは女神サマじゃねーか……」

嬢勇者「ボーイは何をしていた。誰がこの勇者の女神を入れろと言った? お呼びじゃないんだよ、雌豚」

女神「えっ、雌豚ですか? 私はあなたの鏡ではないのですけれども」

嬢勇者「……猫耳女神ィ!! このブタ女神をどうにかしろォー!!」

猫耳女神「にゃんにゃん……」   嬢勇者「はっ」

猫耳女神は 亀甲縛りされて 床にころがっていた!

女神「邪魔者は先に黙らせておきました。幸い私の気配に気づくこともなかったみたいで、楽に処理できましたわ」

勇者「お前どうしてココに……?」

女神「あらあら、なんて無様な姿へなっているのですか 勇者……私を笑わせる為にわざわざ体を張ったりして……」

女神「だから最初に言ったではありませんか。ここにいる女の子たちより私の方が可愛いと。碌でも無いクズしかいませんよ、このお店の子」

女神「たとえば そこの雌豚なんかがwwwwww」

嬢勇者「この、クソ女神……次何か余計な口滑らせてみろ。オジサマたちがそこの勇者に黙っちゃいねーからよォ!」

女神「やってごらんなさい。その時は私がかならずあなたへ同じ目に合わせてやりますわ」

女神「私の『お財布』に手を出せば、私が黙ってはいませんからね」

嬢勇者「なんて欲丸出しな女神サマだよ……!」

勇者「おい、いまのお前のお客様は僕だろうが ミーちゃん……」

嬢勇者「はいー?^^」

勇者「お前に注文させてもらうぞ……」

勇者「『勇者×バトル』を嬢勇者!! 貴様に申し込むッ!!」

嬢勇者「あんたが、アタシに『勇者×バトル』ぅーーー? 百年以上早いんじゃあないのぉーーー?」

勇者「いや、十分お前に勝てるだろうよ。お前の底は既に知れた。嬢勇者、お前は勇者なんかじゃないぞ……!」

勇者「僕が尊敬する『伝説の勇者』が言っていた。自分を見ていてくれる人を大切にしろと!」

勇者「それを蔑ろにするお前には勇者を語る資格も、なる資格もない!!」

嬢勇者「なぁにそれ、食べたら美味しいの? ^^」

勇者「僕は父さんの言葉を信じている! だからこそお前をけして勇者とは認めたりはせん!」

勇者「だから、全力でブッ潰させてもらう! 勇者ランク22位、嬢勇者よ、堂々と挑戦を受けてみせろ!」

キミは 嬢勇者 へ 『勇者×バトル』 を申し込んだ!

嬢勇者「…じゃあ軽く捻って絞り上げたげる、勇者ちゃーん♪」


嬢勇者が キミからの 挑戦に 乗った!


女神「勇者よ、気をつけるのですよ。あの雌豚は性格はどうあれ 実力は間違いないと見てもよいでしょう」

勇者「だが、今の怒りに燃える僕の敵ではない!」  女神「あなた、脳筋バカすぎでしょう」

女神「恐ろしいのは、ヤツの周りの『オジサマ』の存在……彼らは皆、ヤツの財布同然ですわ」

女神「つまり、ヤツが課金すれば 全てオジサマの財布から抜かれる!」

勇者「バトル中に第三者から援助って有りか!?」  女神「ですから『オジサマ=お財布』なのです!」

勇者「なんと滅茶苦茶な話だろうか……つまり、オジサマの手持ちの金が尽きない限り、嬢勇者は」

女神「ええ、精神力や仲間の体力も 何度だって回復させられます。他人のお金ですからね、惜しみなく使うでしょう」

勇者「……ていうことは、普通に戦えば確実に僕が負ける」

嬢勇者「察したね、勇者ちゃん♪ そうだよ。オジサマがアタシにいるかぎり、あんたは勝てねェよバァァーーーカッwwwwww」

勇者「いや、勝つねッ! 負けて泣きを見るのはお前だ、クソビッチよ!」

嬢勇者「なら やってみろォーーー!!」


→ 『戦う』!

勇者「僕は仲間を3体、『ニシカワアニキ』『金獅子・台バンシィ』『ヒロイン気取りの僧侶』を出す! ゆけ、僕の頼れる仲間たちよ!」

ニシカワ「YO!SAY!夏が胸を刺激するッ!」  台バンシィ「修正が入らなければ…!」

僧侶「私の為にどうして争いが始まってしまうのー!?」

女神「えっ、てっきり三体目には『しとやか武闘家』が入ると思っていたのに……まさかのゴミですって!」

勇者「僕に考えがある! 僕はコイツの力を信じるぞ!」

嬢勇者「何が出るかと期待していれば、そんなwwwwwwゴミ同然wwwwwwそいつらレア度低すぎwwwwww」

勇者「笑ってないでお前のも早く見せやがれ……人の金使って手に入れたゴミをな……」

嬢勇者「えぇー? いいの? じゃあミーちゃん最強のゴミ出しちゃうよぉ~♪」

嬢勇者「行きな、アタシの下僕よ! こっちも三体揃えて勝負サぁー!」

旦那「ククク…久しぶりに楽しめる闘争であってほしいな。私を愉しませろよ、小童」

ゲロ以下「微課金勇者か…このゲロ以下の相手ではない…」

ダンディー「お初にお目にかかる、そしてコレが最後だ」

『レア度☆☆☆☆☆☆☆:ドラキュラ伯爵・旦那(スキル:不死)』

『レア度☆☆☆☆☆☆:邪悪の化身・ゲロ以下(スキル:不死or時間停止)』

『レア度☆☆☆☆☆:ダンディズム吸血鬼(スキル:連続吸血)』

嬢勇者「この子たちがミーちゃんが持ってる仲間内で最強の3体だよぉー♪ きゃあー、吸血鬼かっこいいね!」

勇者「レア度たっか!?」

女神「……あ、負けた」  勇者「はぁ!?」

女神「無理無理無理。絶対無理です、コレ。勝てというのが無理です。勇者のいまの手持ちで敵う相手じゃ…」

勇者「それ毎回言われてるけどなんとかなってんだよ! 問題ないさ!」

女神「いえ…あの、てつをRXが帰ってきてから また挑みましょうよ……」

勇者「……どうしていきなり弱気なんだ」

女神「一言で言うしかありませんわ。『ヤバい』確実に」

嬢勇者「さぁー、いつでもどこからでもどーぞ♪ 手負いの相手に容赦なく攻撃するのも大人気ないもんねっ」

勇者「くっ……(確かに僕はさっきのダメージが残っている。何かで体を支えていなければ立っているのもやっとなぐらいだ)」

女神「帰りましょう!? ねぇ!?」  勇者「お前は何なんだよ!?」

女神「22位なんて中途半端なランクに騙されていました。あの雌豚の仲間は本物の化物揃いなのですよ!」

女神「チートクラスのてつをRXでなければ、どうにもならないかと……」

勇者「いいや、なるさ……『真の勇者』は逆境にこそ強い! そして僕は『超勇者級の幸運』の持ち主なんだろ!」

勇者「『補正』が味方してくれる……ヤツとの差はそれで十分埋まるぜ……!」

勇者「まだ『南斗人間大砲』と『魔弾』の使用は控える。コイツらはいざってときにだ、無駄に仲間を消費するワケにはいかない……」

勇者「いくぞ! 台バンシィ、嬢勇者の『ダンディズム吸血鬼』を攻撃だ!」

ダンディー「ん? 来るかね? デートに間に合わせたいのでね、早いところ始めてもらおう」

台バンシィ「ガンダム! ガンダムがそこにいる! ガンダムは、私の敵ぃ!」

台バンシィの攻撃! ビームサーベルを ダンディズム吸血へ なげる!

ゲロ以下のスキル発動! 時間は彼一人のこして とうけつする!

勇者「   」   台バンシィ「   」

ゲロ以下が わざわざ ダンディズム吸血鬼をかついで 移動させた!

時間が うごきだす!

ダンディー「おぉ? いま何か投げたかね?」

勇者「は!? い、いつのまに位置がズレている……だと……」

勇者「まだだ 台バンシィよ! ガンダムかよく分からんが、ソイツはお前の倒すべき敵だ! 殺れ!」

台バンシィ「お前が私の敵かぁー!!」

台バンシィの攻撃! アームドアーマーが唸りをあげる ビームが 旦那をつらぬいた!

旦那「…………ニヤリ」

旦那は ビーム射撃によって 消し飛んだ!

勇者「何もしないで、ただ突っ立っているだけ……お前の仲間はレア度だけのお飾りだったようだな、嬢勇者!」

嬢勇者「そんなまっさかぁーん♪」

旦那「ククク…面白い銃だ…」   勇者「えっ…」

旦那は よみがえった!

勇者(何か……よく分からんが、コイツら……普通じゃない仲間だぞ……!?)

女神「勇者! 敵が油断しているウチにダンディズム吸血鬼のみに対象を絞るか、雌豚へ魔弾を急いでぶち込むのです!」

女神「仲間を温存している場合ではありませんよ! 戦闘不能になった『機械武闘家』でも『みさくら女騎士』でもいい、早く魔弾に!」

勇者「ま、魔弾……そうか、魔弾ならアイツへ直接ガード不可攻撃を与えられるぜ!」

勇者「ニシカワアニキよ! 僕の控えにいる『なまいき武闘家』を魔弾化しろ! 遠慮はいらん、コイツは何度でも引ける!」

ニシカワ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」

なまいき武闘家「きゃああああああぁぁああぁああああああぁぁぁぁ……ひ、ど、い―――――」

なまいき武闘家は 弾丸の中へ 凝縮され、『武器・魔弾』へ変化した!

勇者「ひえっ…」  女神「えぐいっ」

女神「た、躊躇っている場合ではありませんよ 勇者! 発射なさい!」

勇者「言われんでもだぜ……!」

キミは 武器・南斗人間大砲を そうびし、魔弾を込めた!

嬢勇者「あの豚野郎……何だ、あのスキルは……ゲロ以下、念のためだ 時間を止めて攻撃をどうにかしてきやがれ……」

ゲロ以下「このゲロ以下に命令だと? フンッ、下等生物が偉くなったものだな…」

嬢勇者「うるせぇ! 日光晒すぞ!」

ゲロ以下「……ザ・ワールドッ! 止まれィ時よッ!」

勇者「くたばれ、めすb――――――」

ふたたび 時間はゲロ以下を除いて とうけつする!

ゲロ以下「大砲でマスターを直接攻撃…か……考えたな、そして悟ったようだ。わたしたちを相手に戦っても敵わないと…」

勇者「     」

ゲロ以下「だがコレは無駄無駄…! 『魔弾』の軌道をぐいっと そらしてやれば 弾は明後日の方向へ……」

魔弾は ゲロ以下の手をかんつうして 嬢勇者めがけて まっすぐ 突っこむ!

ゲロ以下「な、何ィ~~~~~ッ!? このゲロ以下の止まった時の世界へ入門してくるだとォーッ!?」

時間が うごきはじめる!

嬢勇者「―――はっ、えっ?」

魔弾が 嬢勇者を つらぬく!

嬢勇者「ひぎぃ…………っ!?」   勇者「行った……! 魔弾が命中しやがった!確実にッ!」

嬢勇者「あ、あぁ……? なにこれ……え、HPが……1ケタまで? アタシのHP……2000はあるんだぞ……そ、そんなバカな……っ」

『HP:2035/2035』 → 『HP:8/2035』

女神「さすが仲間を犠牲にして放つ必殺の一撃といったところでしょうか……」

勇者「なまいき一体であの威力だと!? ほ、他にゴミ…他にゴミ…あ、ハンカチプリンス…」

ハンカチプリンス「ヤバいっすよ…いや…」プルプル

ダンディー「お嬢さん、我々があの勇者めを抑えているウチに回復を急ぐといい。死ぬぞ」

嬢勇者「わかってるんだよぉぉ!! ボサっとしてねーで早くどうにかしやがれ!!」

嬢勇者「大体ゲロ以下、てめぇ何してやがったんだ……どうにかしろっつったはずだぞコラ……」

ゲロ以下「おれの餌になりたいか 女ッ! ……ヤツの弾丸に何か『秘密』があった…ザ・ワールドの力をまさか跳ね除けて 進むとは」

ゲロ以下「貴様ッ! いい加減遊んでいる場合ではないぞ…貴様の『力』を見せてみろ…」

旦那「見せてみろ?随分と気安く言ってくれるな。この戦争に楽しみに見出せる その時までじっくりと待っていろ、吸血鬼」

嬢勇者「コイツら……強過ぎたのが仇になっていやがるじゃねーか……猫耳女神、回復薬Gを買うからはよ寄越せタコ!」

猫耳女神「タコじゃないもん…ニャンコだもん…」

勇者「回復? させるかよ、仲間たちよ 僕が次の魔弾を装填するまでに奴らの攻撃を食い止めてくれ! ニシカワアニキ!」

ニシカワ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」

ハンカチプリンスが 魔弾へ 変化する!

嬢勇者「あの豚野郎……なにが周りの人間を大切にしろだ!? テメーの仲間をただの道具扱いしてよく言いやがるなオイ!!」

勇者「コイツはゴミだから……。南斗人間砲弾 へ 次の魔弾を込めるぞ! 回復前に撃ち込めれば僕の勝ちだ!」

台バンシィ「NT-D」

台バンシィのスキルはつどう! きょうあくむてきなデストロイモードへ変身する!

台バンシィ「強キャラ使って勝つとか当たり前だろこっちはワザワザ弱キャラだぞ あぁ!_?」

台バンシィのこうげき! 灰皿が ゲロ以下めがけて なげられる!

ゲロ以下「無駄無駄無駄ァ!」  ダンディー「灰皿見てから昇竜…」

ダンディーのこうげき! 『2S(CH)>低空ダッシュJHS>着地HS』!

ついげきにゲロ以下の攻撃! 

ゲロ以下「永久コンボだッ! WRYYYYYYーーーッ!」

台バンシィ「ぬ、ぬ、ぬけ…ぬけられ…」

勇者「ヒロイン気取りの僧侶! スキルで援護を!」

僧侶「スピード『ワゴン』行き確定って本当なのー!?」

ゲロ以下「ぐぬぅ…………!?」

僧侶のスキルはつどう! ゲロ以下の行動をきょうせいてきに とめた!

ダンディー「一人止めたからどうだというのかね? まずはキミから始末させていただこうか」

ダンディーのこうげき! 吸血攻撃を台バンシィへ ・・・しかし、台バンシィには 効果がないようだ

ダンディー「んん……?」

台バンシィ「捕まえたぞ……ガンダム……!」

台バンシィのこうげき! アームドアーマーVNがうなりをあげる!

台バンシィ「てめぇ、死体蹴りとか舐めてんのかあああぁぁ!?」  ダンディー「…退屈しのぎにはなったよ」

ダンディズム吸血鬼は ばらばらに ひきさかれる前に 逃走した!

勇者「一体、ようやく一体退けられた……嬢勇者、これでトドメだ 魔弾をぶち込む!」

南斗人間大砲 が 魔弾を発射する! 魔弾はまっすぐ嬢勇者めがけてとんでゆく!

嬢勇者「ひっ……何とかしてよぉーもぉー! ミーちゃんこわいよぉぉぉ! ……旦那、命令だ。とめろ!」

旦那「了解した。我が主人(マイマスター)、嬢勇者」

旦那は 嬢勇者の 前にたち、魔弾を ふせ・・・げなかった!

旦那「!」

二発目の魔弾も 嬢勇者を つらぬく!

嬢勇者「がぼぉ……おっ……!」

勇者「終わりだ……雌豚、あっけない最後だぜ……」

女神「あら、勝っちゃった……?」

勇者「もう聞こえちゃいないだろうがな、雌豚野郎。所詮お前の力量はこのていどだったワケだ」

勇者「僕が勇者もどきに負けるはずねーだろ! ザマぁみろ、スカタンが!」

女神「想像以上に凶悪なバランス崩壊武器でしたね、魔弾は。コレはこの先魔王を討つのに重宝するのでは 勇者?」

勇者「ああ、余裕だぜ。ニシカワアニキさえいれば魔弾でゴリ押せる……!」

旦那「つまり、その仲間が例の『魔弾』を作るために必要というワケか」  勇者「えっ」

女神「なぜマスターである嬢勇者が倒されたというのに、ヤツの仲間が……あっ」

「ゴリ押し……? ならこっちも同じなんだよぉぉぉ……こっちもな、『ゴリ押せる』んだよ……」

嬢勇者「金の力でよぉッ!!」  →  『HP:2035/2035』

勇者「な、なんだと……お前まだ生きてたのか……」

嬢勇者「そうだボケ!! 金の力でな……もう容赦しねぇし、猫耳女神ィ! ありったけの攻撃力・素早さ上昇魔法薬を買う!」

猫耳女神「かしこまったニャンニャン♪」

嬢勇者パーティ全体の 攻撃力と素早さ が 限界をこえて上昇する!

嬢勇者「さらに例のアレを……買う……! オジサマたち、ミーちゃんのためにお金ちょーだいにゃん♪」

\ いーよ! /

勇者父「金、金……あははっ、ミーちゃん! オジサン ミーちゃんのためにATMで100万下ろしてきちゃったぞー!」

勇者「と、父さん!?」

嬢勇者「テメーのパパは既にアタシのパパだ!! もう夢中なんだよ……この、アタシにね……」

嬢勇者「猫耳女神、『相手の勇者の武器封印魔法』を発動しな! テメーの好きな金だ、ドンと持って行きな!」

嬢勇者「もちろん 豚野郎が装備している『南斗人間大砲』を使用不可に、だ!」

猫耳女神「いろいろしめて、18万6千280円になるニャン」

勇者「あぁ!? や、やめろ……そこには父さんの、僕たちの金があるんだぞ!」

嬢勇者「『アタシの金』だ!! ありがたく好きに使わせてもらうよ……」

キミは 『南斗人間大砲』の使用を禁止された!

勇者父「ミーちゃんファイト!」  嬢勇者「はぁーい♪ 伝説の勇者のオジサン♪」

嬢勇者「アレバカじゃねーの?wwwwwwねぇ、見たアレ?wwwwww」

勇者「と、父さん……そんな……」

嬢勇者「豚野郎。お前の魔弾は確かに凶悪すぎる……だけど、装填から発射までの一体何ターンかけてるつもりぃ?」

嬢勇者「このアタシが初っ端から本気を見せていなくて、助かったねぇ? でも次は全力全快だよぉー♪」

嬢勇者「命令だ。旦那、そこのハーフパンツの男を始末して」

旦那「了解した。我が主人(マイマスター)、嬢勇者……ククク」

旦那は 13mm拳銃を かまえて 不敵な笑みで キミへ 歩みよる!

女神「ゆ、勇者よ! 魔弾は武器を介さずとも放てることをお忘れになって? ニシカワアニキを倒される前に魔弾でヤツを木っ端微塵に、です!」

勇者「ニシカワアニキ! 『剛毛商人』を魔弾に変える! 僕が直接…ヤツを狙ってぶっ殺すッ」

ニシカワアニキ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」

剛毛商人が 魔弾へ 変化する!

勇者(さっきまでの防御無視ダイレクトアタックは『南斗人間大砲』とのコンボあってこそだ…これだけでは防がれる可能性はある…)

勇者「だけど、ぶっ放して大当たりすりゃ大ダメージなんだよ!」

キミは いつのまにか 手元に召喚された 拳銃に 魔弾をこめ、旦那へ狙いをさだめた!

旦那「殺るか? 試してみるがいい、私が実験台役を買って出てやろう」

勇者「くたばれ、化モンめっ―――」

ゲロ以下のスキルはつどう! 時間がとうけつすると、ゲロ以下は 旦那の前に ニシカワアニキを置いた!

ゲロ以下「そして時は動き出す……」

ニシカワアニキ「早すぎる時のぉーーー!?」ズドン

ニシカワアニキは 自らがつくりだした『魔弾』へうちぬかれ 絶命した!

勇者「は!? …アニキぃぃーーーっ!!」

嬢勇者「はぁい、もう手無しだね~ブタの勇者ちゃん♪」

旦那「余計なことをするなよ、吸血鬼。先にお前を殺すぞ」

ゲロ以下「フン、確実な勝利がおれは欲しいだけだ…貴様の遊びに付き合っていられるか…」

嬢勇者「んーと、1、2。あーっ! 勇者ちゃんの仲間が残り2体になっちゃったwwwwww」

勇者「ヤロー……」  女神「勇者よ、自棄になれば危険ですよ。といってももう打つ手無しなんですけどね」

勇者「お前は切り替え早すぎるだろう!?」  女神「ただでさえ化物揃いなのに課金アイテムで強化されては勝ち目なんてあるワケないでしょう」

女神「土下座です、勇者。土下座で許しを請うのですよ……お金以外で問題を解決するのです……身を売ってでも」

勇者「さっきと言ってた言葉がウソになったな! お前僕がどうなろうと構わんのか!」

女神「勇者? 自業自得という言葉がありますわ。そもそもあなたのお父上にも問題があったのです。そして喧嘩を先に売ったのはあなた自身」

女神「もうコレどうしようもない(苦笑)」

勇者「ああああああぁぁ!! 台バンシィ、敵をぶちのめせ!」

台バンシィ「そこか! 見つけたぞ、ガンダム! 私の敵!」

台バンシィの攻撃! アームドアーマーが火を吹く! ビームが旦那へはなたれた!

旦那「2度食らう趣味はない」

攻撃がはずれた!

旦那の攻撃! 台バンシィの強固な装甲を 腹からこじあける!

旦那「オープンセサミ……」ギギギ

台バンシィ「あ、あ……っ」ギチギチギチ…

空いた穴へ片手をつっこみ、13mm拳銃を中からぶっぱなす!

台バンシィ「投げ読みしくった――――」

台バンシィは 爆発を起こして 派手にちった!

勇者「あ、ああ……機械武闘家をも超える防御力を備えた台バンシィを、簡単に」

僧侶「ビュウ……今までありがとう……でも、わたし、もう戻れないの……たのしかった あのころに」

ヒロイン気取りの僧侶は 裏切る気を おこしはじめた!

勇者「いやいや……!?」

嬢勇者「終わったっぽいね。遊んでくれてありがと、勇者ちゃん。つまらなかったよ♪」

ゲス以下「念には念をだ…おい、女……残った仲間を始末してから マスターを殺すのだ…」

嬢勇者「仲間のアンタがマスターであるこのアタシに指図するんじゃないよ! もう十分、さっさと殺して終わりにする」

嬢勇者「アンタの仲間が手に入らないのは惜しいけれど、気に食わないからサ。命乞いも無駄ですからねー」

勇者父「いいぞぉー! そこだ、やれ! ミーちゃん!」

\ 世界一 かわいいよー! /

嬢勇者「ありがとー♪ ……フッ、ねぇ聞いたいまの。あんたの親父ってよっぽど薄情だねぇ」

勇者「うぅ……最後まで情けなさ過ぎる…………ていうか女神いねぇ」

猫耳女神「キミの女神ちゃんはとっくの昔に逃げ出した後ニャン」  勇者「死ね…死んだらアイツ呪い殺す…」

嬢勇者「ん~~~、さっき勇者ちゃん何て言ってたっけかなぁ……そーだ! 『僕が勇者もどきに負けるはずねーだろ! ザマぁみろ、スカタンが!』……ぜんぶ覚えてるよ?」

嬢勇者「そっくりそのまま返してやるよスカタンがァー、アタシがテメーみたいな『もどき』に負けるワケねーだろ」

嬢勇者「これでもアタシはランク22位の上位勇者だぞ。最初から負けは決まっていたんだよ、勇者ちゃんの負け、が」

勇者「くそぅ……チクショー……」

嬢勇者「ああっ! 泣いちゃったぁー! ミーちゃん、勇者ちゃんを泣かせちゃったぁー!」

嬢勇者「ウケルwwwwwwウケルんですけどwwwwwwオジサマも見てよコレ! 勇者ちゃんイイ歳こいて泣いてるwwwwww」

勇者父「バカスwwwwwwwww」

勇者「うわっ……ウソだろ、父さん……何かの間違いであってくれよ……そんなの僕の知ってる父さんじゃねーよ……!」

嬢勇者「人間みんな仮面つけて生きてんだよ。たとえ実の息子だろうと本性は誰にもわからねーの」

嬢勇者「じゃあ、親に指差されながら リタイアしちゃってー!」

ゲス以下「このゲス以下が直々に貴様へトドメをさしてやろうではないか…喜べよ、微課金勇者…なぁ……」

勇者(何が『超勇者級の幸運』だ。こんな肝心なときに限ってどうにも起こらないじゃないか)

勇者(ここで終わってしまうのか……僕の旅は、人生は……父さんに笑われながら……)

勇者「こんなのって……あんまりだよぉ……不幸だ」

女神(勇者……勇者よ……私の声が届いていますか……勇者……私の勇者……)

勇者「よりにもよって最後に聞きたくない声が聞こえる。コイツは史上最悪の不幸だわ」

女神(はぁ!?)

勇者(逃げ出したヤツが今さら僕に何の用だ。さっさと他の勇者見つけてソイツから金絞りとれよ)

女神(バカを言わないでください、勇者。それではまた私は魔王の手先に戻ることになるではありませんか)

女神(それに、私の勇者はあなたただ一人ですよ……信じて私の話をよく聞いて……)

勇者(信じられねェ)  女神(ええ、でしょうね! 勇者最低っ!)

女神(良いから聞くのです……課金アイテムの中には『相手の仲間を強制的に控えへ戻す』という物が存在します)

女神(コレはあなたにとって奥の手でしょう……課金なさい、私へ……そして『ドラキュラ伯爵・旦那』だけでもいい。奴を控えへ返しなさい)

女神(ちなみにあれクラスだと60万円ほどかかります)  勇者(ふざけてない?)

女神(ふざけてなどけしていませんわ。信じて、私へ頼みなさい。大丈夫……あなたの『お財布』から抜いておきますから……)

勇者(僕の財布の中に20万も入ってない。無理だ、そんな額は払えないよ。おしまいだ コレで)

女神(いいえ、勇者よ……入っているではありませんか……丁度さきほど100万円ATMで下ろしたと聞いたはずですわ……)

勇者「お前まさか!?」  

ゲス以下「最後の言葉にしてはマヌケだな。死ねィッ 小僧ッ!!」  僧侶「ジョースターの血には敵わないって本当なの!?」

ゲス以下「…………何だと?」

僧侶のスキルはつどう!

僧侶「いまよ! マスター!」  勇者「はっ」

勇者「ヒロイン気取りの僧侶……ありがとう……そして女神よ、課金するぞ!『ドラキュラ伯爵・旦那』を控えに戻せ!」

嬢勇者「あぁ? 無理無理、文無しの貧乏勇者ちゃんじゃ コイツを戻す金は」

旦那「   」ぱっ

嬢勇者「……うそ」

勇者「あったんだよ……僕の財布の中に……丁度大金がよ……なぁ、父さん……」

勇者父「えっ……――――――はっ、いつのまにか諭吉が滅茶苦茶減っているだと……」

本当だ名前間違ってた。まぁあながち間違ってもいないだろう
ゲス以下→ゲロ以下です

女神「親は子の『お財布』ですよ……子の成長を願う親ならば、何百何千万だろうが『課金』は惜しめないはずです……」

勇者「お前調子良いところで帰ってくるな」  女神「てへ」

女神「本当に子をどうでも良いと思う親からならば、お父上は勇者のお財布へはなれなかったでしょう」

女神「心のどこかでは常に息子さんのことを考えていたのです。そうでしょう? 勇者のお父上よ」

勇者父「ちがうぞ! 僕はミーちゃんで頭がいっぱいだ! ミーちゃん一筋愛してる!」

嬢勇者「そ、そうだ……そうに決まっているだろ……お前の親父はアタシに完全にハートキャッチされてる! そんなのありえねェ、さてはパクったな女神!」

女神「いいえ、私はお財布からお金を頂戴しただけですわ。もしお父上の心が支払いを拒否すれば絶対に頂けません」

勇者「父さん……」  嬢勇者「オジサマぁ! 裏切ったの!?」

勇者父「い、いや……僕はミーちゃんだけの味方なんだよ……ミーちゃんだけの……ミーちゃん……ミーちゃんは僕の」

嬢勇者「テメー……グダグダ言ってんじゃねーぞ……クソジジイ……」

勇者父「あっ、あっ―――」

勇者父「―――失望した。もうミーちゃんのファンやめます……」

嬢勇者「ああっ、結構だボケッ!! 誰が使えねェジジイを引きとめるかよォー!!」

勇者「父さん……正気に戻ったかはよく分からないけれど……良かった」

嬢勇者「『良かった』なんて安心した台詞言ってる状況か? コレが? お前は今から親父に惨殺死体拝まれて逝くんだよ!」

嬢勇者「ゲロ以下だけでテメーごときどうにかできる!!」

ゲロ以下「このゲロ以下の敵ではないッ! ザ・ワールド! 時よ止まれッ!」

勇者「―――やってみろ!! 僕には『ヒロイン気取りの僧侶』がまだついているぜ……」

嬢勇者「いやいやぁ、その子もう死んじゃうよー♪」

勇者「!」

ゲロ以下「頸動脈がコリコリしているぞ…」 僧侶「」

いつのまにか ゲロ以下が僧侶のところまで 移動を終え、僧侶はしまつされたあとだった!

ゲロ以下「このゲロ以下をちょっぴりだけ止められたことは誉めてやろう、女……だが所詮おれの相手ではなかったぞ」

勇者「またあの仲間だ……アイツ、気づいたときには 位置が変わっている。まるで瞬間移動みたいに」

女神「勇者よ、あの『邪悪の化身・ゲロ以下』のスキルですわ。アレは時を自在にとめられるスキルを所持している恐ろしい仲間なのです!」

勇者「大事な事先に教えろよ!! ……時間を止めてくるなんて、太刀打ちできねーぞ」

勇者(また『課金アイテムの力』に頼るか? いや、頼りたくてもさっきの課金でだいぶ父さんの財布は薄くなってしまった)

勇者(ゲロ以下を戻す場合、かかる金額は)  女神(10万落ちて50万円になりますわ。お父上の所持金では足りませんねー)

勇者「こ、ここに来て万事休す……仲間はもういない……残っているのは僕一人だけじゃないか!」

嬢勇者「そういうことだねっ♪ じゃあ死ね、このクソ豚野郎が とまどらせやがって! ゆけ、ゲロ以下!」

女神「勇者! 防具……何でもよいのです、早く装備して攻撃に備えて!」

勇者「う、うわああああああああああぁぁぁぁぁぁ!? ぼ、ぼうぐ…ぼうぐ…なにか、どれなら…」

ゲロ以下「これが正真正銘、『最後』の時間停止だァーーー! いくぞ、ザ・ワールドッ!」

勇者「ひっ――――――」

ゲロ以下のスキルはつどう! ゲロ以下一人残して時間がとうけつする!

勇者「   」

ゲロ以下「フン、青ざめているな 微課金……恐怖に染まった良い面だ…これから貴様はこのゲロ以下に始末されるのだからな…」

ゲロ以下「時が止まる寸前、何か装備したようだが…フハハハハ、おれの攻撃に耐えられる防具など貴様が持っているワケがないだろう」

ゲロ以下「では、遠慮なくトドメをささせてもらうぞォーーーッ!!」

ゲロ以下のこうげき! ザ・ワールドの拳がキミの腹をつらぬきにかかる!

勇者「   」

ゲロ以下「そして時は動きだ……な、何ィイーーーーーーッ!?」

時がふたたび刻まれ始める! キミは攻撃によって大きくふっ飛ばされ、かべに叩きつけられた!

なぜか ゲロ以下 の 拳が ドロドロに 溶けていた!

勇者「―――あうっ!?」 

女神「ああっ、やっぱり終わったぁー!? ……ん」

『HP:15/167』

勇者「……うっ、うう」

嬢勇者「あァん!?」

ゲロ以下「ば、バカな……! おれの拳がとけている? 貴様ッ、一体何をしたというのだァーーーッ!」

勇者「……これは」

キミは 『武器・丸太』を防具と間違えて 取り出していたらしい!

オジサマ「あ、アレは伝説の対吸血戦最強汎用武器・丸太だ……!」  オジサマ2「知っているのか!オジサマ!」

オジサマ「話に聞いていただけだ…この目で拝むのはコイツが初だぜ…」

オジサマ「丸太は、ソイツを構えているだけで吸血鬼の攻撃から身を守り、ダメージを与える超激レア武器よ!」

オジサマ「そして丸太は法儀礼済み武器! 吸血鬼がまともにアレを食らってみやがれ! ……浄化され、滅ぶんだよ」

勇者「この『丸太』は女勇者ちゃんが僕へ託した……いや、直に倒して手に入れたの僕だけど」

勇者「とにかく、女勇者ちゃんが残してくれた激レア武器だ……あの子が僕を守ってくれたのか」

嬢勇者「テメー……どれだけ救われてんだオイ……」

嬢勇者「いつになれば大人しくくたばってくれんだよ! 猫耳女神、ゲロ以下へ回復薬Gをくれてやれ!」

猫耳女神「ニャンニャーン♪」

ゲロ以下の体力が全快し、溶けた拳が もとにもどった!

ゲロ以下「ぐ、ぐぬぅ……貴様ァ……」

勇者「た、戦える!! この『丸太』でゲロ以下を倒せるぞ!! 運が僕に味方しているっ…」

女神「やっぱりこうなると私は予想していたのですよー! 私の勇者が負けるワケ―――」

ゲロ以下のスキルはつどう! 時間がとうけつした!

ゲロ以下「ちょっぴりだけ油断していたぞ…詰めが甘かったとでも言っておこうか…」

ゲロ以下「だが、貴様に近づきさえしなければ何も恐怖などないッ! その方法はすでに思いついたッ!」

ゲロ以下は ふところからナイフを 取り出し、キミへ 数十本は 投げた!

投げられたナイフは 空中でせいしし、キミの目の前で 群をつくる!

ゲロ以下「チェックメイトだ 死ねィッ!!」

時が ふたたび きざまれる!

勇者「――――――……はっ!?」

勇者「……丸太にナイフが刺さっているだと」

ゲロ以下「ハッ!?」

丸太は ゲロ以下のナイフ攻撃から キミを守ってくれた!

ゲロ以下「こんな、バカなァ~~~~~~ッ!? あ、ありえん……このゲロ以下の予想を越える?」

ゲロ以下「め、目眩がする…吐き気もだ……この、ゲロ以下がだと……」

嬢勇者「この豚バカ野郎!! ボサっとしている場合じゃねーんだよ!!」

勇者「その通りだぁぁあああああああああああああ!!」

キミのこうげき! 丸太をゲロ以下めがけて 投げつけた!

ゲロ以下「うぬぅぅっ!? と……時よ止まれザ・ワー(ry」

直前で 丸太が ゲロ以下の頭部へ ちょくげき する!

ゲロ以下「うげぇ……!?」  嬢勇者「ヤベェ、だがアタシの回復は無限大なんだよ! 猫耳ィー!」

勇者「うるせぇ、雌豚野郎! まだ僕のターンは終わっていない……!」

キミは 武器・バールのようなもの を そうびした! ゲロ以下へいっきに接近する!

ひるみ、よろけた ゲロ以下の露出した 脳へ かいしんの いちげき!

ゲロ以下「うげええぇぇあああぁぁぁ~~~~~~……」

ゲロ以下の体は 塵と化し、風化するようにボロボロ に崩れて ほろんでしまった!

勇者「はぁ、はぁ……やったぁ……やったぞ!」

まわりで キミたちの『勇者×バトル』を見ていた オジサマたちが ザワめきはじめる!

「ミーちゃん大ピンチ……」  「ミーちゃんの最強がやられてゆく……」 「俺たちのミーちゃんが負ける……」

勇者「なにがランク22位だ! 僕が何位かはまだ知らんが、格下を舐めていたようだな!」

嬢勇者「ありえねぇー……チートじゃねーのか、いや、チートだろ……意味不……クソゲー……!」

女神「『運も実力のうち』という言葉があります。あなたは最初から『運』で勇者に劣っていたようですね」

嬢勇者「調子に乗るなよ薄らボケカスが……まだアタシには金がある……ジジイどもの金だ、課金できる」

嬢勇者「課金すりゃ運にも勝るんだよォーーー!!」

勇者「じゃあ 決着、つけようかね」

嬢勇者「テメーの残り精神力とアタシのじゃお話にもならねー……負け、認めろよ」

勇者「どうした。余裕がなくなってきたんじゃないのか? 汗垂れてるぜ」

勇者「お前武器は持っていないのか? あるならさっさと出せよ、この丸太で勝負してやる」

嬢勇者「……雑魚を相手に武器なんて勿体なくて使ってられねーんだよ…素手で…いい…」

勇者「声が震えているぞ」   

嬢勇者「は…? なにバカ言ってんの…ちげぇから…」

勇者「お前の敗因第一、慢心しすぎたのが問題だ。超激レア仲間に頼りすぎたな!」

嬢勇者「っー! くそ猫耳女神、課金する! この状況を打開するアイテム……『バトル開始の状態へ戻す魔法薬』を寄越しやがれ!」

猫耳女神「構わないけれど、80万と6000必要ニャン。全然足らないようニャけども」

嬢勇者「は……はぁ……? 足りねェ……?」

嬢勇者「そんなワケありえねーだろォ!? アタシにはジジイどもの潤沢に潤った財布がある! 足らない筈がない!」

猫耳女神「みんな、嬢勇者ちゃんにお金を出し渋って回収できないのニャン……」

嬢勇者「えぇ……」チラ

「なんかミーちゃんの顔、さっきからこわい」  「急に言葉が汚くなった、天使じゃない、おトイレで大きい方だしそう」

「俺たちの天使はどこに行った……」  「ミーちゃんどこー」  「ミーちゃんは悪い言葉を使う子なんかじゃないんだよね……?」

嬢勇者「な、何言ってやがんだよテメーら! アタシはココだ! アタシがテメーらの大好きなみんなのアイドル☆ミーちゃんだ!」

嬢勇者「つべこべ言わず課金させろよ!? 使いどころがない、テメーらの金をアタシに全投資しろ!」

勇者「……どうやらようやく『オジサマ』たちが気づいたようだ。お前のこびり付いたクソのような汚ない本性に」

勇者「日頃の媚び売っていた態度が裏目にでたな。お前のいまのキャラじゃ誰も持て囃すようなことはしねーよ」

勇者「それもこれも、お前が本当に彼らを大切に思っていなかったのが原因じゃないのか。だからこうして肝心なときに」

嬢勇者「黙れ豚野郎!! ……みんなぁー♪ ミーちゃんだよぉ。ミーちゃんね、いまクッソ困っててぇー……♪」

オジサマ「ミーちゃんは『クソ』なんて言わない」

嬢勇者「み、ミーちゃん困っててぇ~……みんなのお金が必要なの。おねがい! オジサマ、アタシにお金ちょーだい♪」

勇者「よく見て聞け、オジサマたちよ! コレがコイツの本性だ……ミーちゃんはアンタらの金にしか用がない! アンタら男どころか、同じ人間じゃなくただの便利な『ATM』扱いされているぞ」

嬢勇者「あぁっ……!?」

嬢勇者「で、でもぉー! ミーちゃん、みんなにいっぱい『夢』あげたんだしぃ……それでWin-Winな関係だよね……ね……?」

勇者「夢振り撒くのなら黙って そのキャラ貫き通してりゃ良かったんだよ。下手にキャラ作ってるから痛い目見るんだ」

勇者「なんていうかー……そう、プロ意識が足らなかったんじゃないの? お前は詰めが甘かったんだよ」

嬢勇者「うるさいうるさい! アンタに何が分かるんだよ!? 何様目線で語ってんだぁ!?」

勇者「落ちたな。いや、最初から落ちている勇者に言う台詞でもないのか」

嬢勇者「どうして テメーら急に アタシに飽きてんだよ!? あぁ!? 今まで仲良く一緒に過ごしてきた時間はウソだったのか!?」

嬢勇者「アタシのこと好きとか、可愛いってベタベタに気色悪いぐらい誉めちぎっていたのも、全部ウソだってのか!?」

「「「失望しました。ミーちゃんのファンやめて別の子へいきます…」」」

嬢勇者「おい待ってよ! 冗談じゃねーよ! アタシ可愛いだろ!? テメーの家でゴロ寝しているブス妻より! 最っ高によぉー!?」

嬢勇者「そ、そうだ……金くれんなら 抱かせてやってもいいぜ!? お前らアタシの体目当てだったんだろ!?」

嬢勇者「待てよぉぉぉ……どうしてみんな帰ってくんだよぉぉぉ……なぁ……チヤホヤしろよ…………」

女神「ようやくケリがついたようですね、勇者」

勇者「嬢勇者、お前の敗因第二だぜ! お前にはファンを大切に思う心がなかった、だ!」

勇者「そして敗因第三! お前は最初から『勇者』ではなかった!」

勇者「そんなヤツがマジな勇者に敵うワケねーだろ……!」

キミの精神こうげき! 嬢勇者の『精神力』がみるみる減少し、底をついた!

嬢勇者「……うう、うううぅっ」

キミは 『勇者×バトル』に勝利した! 嬢勇者の『レア度☆☆☆☆☆☆:邪悪の化身・ゲロ以下(スキル:不死身or時間停止)』を手に入れた!

ゲロ以下「このゲロ以下のマスターになるだと。フン、貴様がおれを扱いきれるものか…」

女神「あら? なぜ『ドラキュラ伯爵・旦那』にしないのですか、勇者」

勇者「アイツ、舐めプがすぎて使い勝手が悪そうに思えて……」  女神「そのゲロ以下も大概だと思いますよ」

勇者「別に今回は仲間目当ての戦いじゃなかったんだ。何だろうと構わん。もしゴミなら即効で魔弾へ作り変えるよ」

ゲロ以下「……」

勇者「……それより、嬢勇者よ」   嬢勇者「……あ?」

キミは フラつく体を 丸太で支え、すわりこんでいる嬢勇者 へちかよった!

嬢勇者「潰しときたいならさっさと殺れよ……もうアタシは疲れたわ……」

勇者「正直お前の顔面一度蹴飛ばしておきたいところだが、僕は女の子に酷い真似をする趣味は持ち合わせちゃいないんで」

嬢勇者「じゃあ何の用だってんだよ! ムカつくなら好きにしろよ、もう!」

嬢勇者「アタシみてーな捨てられたクソに価値はねェんだろ? じゃああとはサンドバック代わりだ」

女神「殴っておいてあげてはどうです、勇者。このままでは哀れな雌豚で彼女は一生を終えますよ?」

勇者「本気で言ってるならさすがの僕も引くぞ…」

勇者「嬢勇者、いや ミーちゃんよ。お前はココで腐って終わるつもりか? …あの勝利に対して見せたお前の貪欲さだけは僕も認めるよ」

勇者「こんなランク下位の勇者に負けて悔しくはないか。お前22位なんだろう?」

嬢勇者「は……? 何言いたいかさっぱり分からねーよ、ボケ」  勇者「悔しいのか聞いてんだよ、雌豚」

嬢勇者「当たり前だろ……こんなのアタシは認めねー……!」

勇者「なら一度よ、真っさらな気持ちにリセットしてからやりなおせ 勇者を」

勇者「それから人としてまともになろうぜ。せっかく見た目は綺麗なんだから、中身も磨いとけよな」

嬢勇者「……」

勇者「まぁ、僕の好みではないがな!お前!」  

女神「勇者は私のような清楚系女子好みですものねー!」  勇者「お前も中身磨き直してくれないか」

勇者「用はこれだけだよ、嬢勇者。悪かったな お前から大事なパトロンを払っちゃって」

勇者「だが覚えておけ……僕の父さんに次また同じように手出したら、ゆ゛る゛ざ ん゛」

女神「あっ、いまのちょっと似てました! デブ勇者の真似!」  勇者「ちがうちがう」

勇者「それじゃあな、ミーちゃんよ……」

キミは 『DREAM C CLUB』をあとにした!

嬢勇者「はわわ…………///」

猫耳女神「!?」

ここで一旦おわり
続きは明日の深夜になるかと

深夜とか予定してたがうそになったな・・・
今日中には続きやらせていただきます絶対ですとも

女神「何だかんだ言ってもどうにかなるものですねぇ、私の勇者はー」

勇者「凄いだろう?」  女神「フッ、思い上がりも良いところです。あなたの『幸運』に感謝するのですよ」

勇者「…その幸運も実力のウチだとかほざいていたのはどの口かね」

勇者「ああ、明日にでも『無課金ギルド』へ行ってNへお礼言わなきゃだよな? 魔弾と人間大砲がなければどうなっていた事やらだし」

女神「あらー、本当に助かったのは例の『丸太』のお陰ではありませんかー」

勇者「そうなんだよなぁ……女勇者ちゃんが僕を守ってくれたんだよぉ……」  女神「へー!ふーん!」

女神「……勇者? あそこ、見てくださいな」  勇者「へ?」

女神に言われ 目をむけてみると そこには キミの父が いた!

人ゴミからはなれ、焼酎瓶を かかえて うずくまっている!

勇者父「枝豆ほしい」

勇者「父さん……おい、父さん!」

勇者父「ひっ…………と、父さんなんて呼ばなくていいんだよ。僕はお前たちを裏切ってしまった。呆れて泣けるだろう!?」

勇者「正直言えば、呆れたよ」  勇者父「うわあああぁーんっ!」

勇者「いいおっさんが子どもの前で泣き顔見せるんじゃないよ…葬式でもあるまいし…」

勇者「ねぇ、父さん。呆れたとは言ったけれど 父さんは 世界でたった一人の僕の父さんなんだよ」

勇者父「そうだ……そして同時にお前が憧れていた『伝説の勇者』さ……今は名ばかりのオジサンだけど」

勇者父「お前の気持ちは知っていたよ。僕はそれをこんな形で裏切ってしまった。なぁ、どうしたらいいと思う?」

勇者「勇者も人の子だったって話だろう? もういいんだよ、父さん。それだけ反省していれば 大丈夫でしょ?」

勇者「言うのもおかしいけれど、今回は良い勉強になったと思おう。……『選択』には責任を持てと昔話してくれたじゃないか」

勇者父「あわ……」  勇者「正しい、間違っているって問題ではないとは思うけど」

勇者「父さんよ、人は間違えば反省して その経験を生かしていける生物だ」

勇者「そうやって道を正していけばいいじゃない! 父さん 人生は長いよ!」

勇者父「   」

女神(親の面目丸潰れ……)

勇者父「父さん、浮かれていたんだ……。魔王を倒して世界を救った勇者ならば その後の世界も、住む人たちも笑顔にしてやれるんだって」

勇者父「現実はそんなに甘くなかったよ。レベルアップして良い装備つけたって魔物を倒す事はできても、毎日ひもじい思いをしている貧しい人は救えないんだ」

勇者「うんうん、そうだね」  勇者父「今は昔とは違ってさ、魔物倒してもお金はドロップしないし 働けと言うしかないんだよ…」

勇者父「じゃあ何処の親切な資産家が彼ら全員を雇ってくれる? どこもなかったよ。あって労働に見合ってない賃金を払うようなダークでブラックな酷い所だけ」

勇者父「雇うだけマシだとか思うだろう? 違うんだ。それだけでこの世知辛い社会では生きてはいけないのさ…へへ」

勇者父「国はどうして彼らを放っておくのだろう。さっさと餓死してしまえという魂胆なのか、同じ人間とは思っていないのか」

勇者父「僕が目指していた平和な世界は魔王を倒してもやって来なかったよ!」

女神「ぶっちゃけ魔王復活したのですけれどね」  勇者「黙って聞いてやれよ」

勇者父「父さん『伝説の勇者』とかじゃないんだ…もう魔物とは戦えないし…オジサンが出しゃばるのは鬱陶しいとはわかってる…」

勇者父「だけど、黙ってじっとしていろなんて無理だろう…だって元勇者なんだぞ…」

女神「勇者のお父上、いえ 伝説の勇者……あなたは『勇者』に縛られているのです……過去の栄光を忘れられないのですね」

勇者「女神、お前は喋るな!傷に塩塗るつもりか!?」  女神「しつれいなっ、真面目な話ですよ!!」

女神「コホン……伝説の勇者よ、もしまた人々からの称賛の声を浴びたいと言うのならばですね、息子さんへお金の援助をなさい」

勇者「真面目!?」  女神「ええ、真面目ですけれど」

勇者父「援助……? そりゃあ 彼の旅を助けられるのなら金銭での援助を惜しむつもりはないが」

女神「伝説の勇者よ、お聞きなさい。勇者の戦いは変化したのです……いまはお金の力がすべて……」

女神「まさに課金が物を言う時代。お金がなければ戦えない。ですから息子さんはお金があってもあっても足らない状態でして」

勇者父「それは本当なのか?」  勇者「え、え…あ、あながち間違ってはいないけれど…」

女神「もしあなたに彼へ伝説を継いで欲しいというのならば、ふたたび栄光を手にしたいというのならば」

女神「ありったけお金くださいな……」   

勇者父「ああ……」   勇者「よ、よせ…」

女神「だって勇者、よく考えなくとも分かるでしょう。彼はもう若くはないオジサマ。勇者として戦ってゆくには厳し過ぎる」

勇者「それは分かってるけれど! だからってお前が僕の父さんに金寄越せってのはないだろう!?」

女神「私が言わなければあなたは一生こうして頼みはしないでしょう」  勇者「当たり前だろう!!」

勇者父「いや、女神さまを叱るんではないよ……僕はお前にもっと甘えてほしかった!」

勇者父「昔から欲を言わない子だとは思っていたが、僕がいけなかったね。甘えていいんだよ ぜひ甘えてくれよ」

勇者父「もっと僕らを頼ってくれて悪い事はないんだよ。お金だろうとなんだろうと、お前は僕らの大切な息子なんだからさ……!」

勇者「父さん……」

勇者(やめてくれ……コイツの前でこれ以上付け入る隙を見せないでくれ……)

勇者父「いくつ欲しいんだ? そうだよね、お小遣いあげようじゃないか…ドンと来い! あはは、父さんがお前の力になるよ!」

勇者(ミーちゃんが終わって父さんの生き甲斐が僕に変わったのか……)

女神(いいえ、元々あなたの事を思っていたでしょう。喜んで頼ってあげては良いではありませんか)

女神(年寄りはお小遣いをあげるのが唯一の楽しみなのですよ、勇者)  勇者(父さんはまだ40後半だよ!!)

勇者「き、気持ちはとても嬉しいよ 父さん! 嬉しいけれど…いまは大丈夫…まだ何とかなっているからさ…」

勇者父「えっ……」  勇者(なんでスゲーガッカリするんだよぉ!)

女神「ではお父上? 勇者の相棒である私に授けると良いかと。有効活用致しますわ」

勇者「うるせぇ!! ……父さん、いまはいいんだ。僕はお金なんて貰わなくても父さんたちの存在に助けられているんだよ」

勇者「父さんや母さん、弟と妹がいるから頑張れるんだ。それだけで十分じゃないか!」

勇者父「でも……」

勇者「これからは困ったらすぐに父さんたちへ頼るようにする! 絶対だ!」

勇者父「はぁぁ~~~……!」パァァ

勇者父「息子よ、お腹減っただろう!? ご飯食べに行こうよ、そこに吉牛あったの見つけたんだ! 好きだろ、吉牛!」

女神「うわ、牛丼……」  勇者「言うんじゃねぇよ!!」

勇者父「さぁー、父さんの奢りだよ! 何食べても良いからね、父さん汁だくってヤツを頼んでみようかなぁー!」

勇者「じゃあ僕も同じのでいいよ」

勇者父「むふふふ、こうしてお前と外食なんていつ以来かな。本当に遠慮しないで色々注文していいからね」

女神「吉牛でwwwwww」  勇者「やめろぉ!」

勇者父「おしんこ食べる? ココはお味噌汁お代わりできるのかな」ウキウキ

勇者(父さん、旅へ出てからどんな食生活してきた……)

キミ の前に 牛丼(並盛り)がおかれた!

勇者「わぁい、いただきます……」  勇者父「ハフハフ、ハフッ……!」

勇者父「ぎゅうどんおいひぃーね! 汁べちゃべちゃで食べづらいけれど!」パクパク

勇者「うん。とっても美味しいよ、父さんと食べるといつもの10倍美味しく感じられる」

勇者「……ねぇ、これからどうするの? まだ一人で旅を続けて?」

勇者父「ううん、父さん一度家に帰ろうと思うんだ。久しぶりに母さんたちの顔見てホッとしたい」

勇者父「そして今回の件を包み隠さず話して(ry」  勇者「それだけは墓まで持って行こうね」

勇者「きっと帰れば母さんも安心するよ。今までずっと心配していたんだよ、父さんがいなくて寂しいってさ」

勇者「弟も妹も待ってるよ。お土産は『ひよこまんじゅう』がいいって」

勇者父「……みんなに心配かけさせていたんだな。これで誰かを助けようだなんて自分勝手も甚だしい」

勇者父「ごめんよ、お前にも迷惑をかけてしまって」

勇者「父さん……いいんだよ、父さん! またこうして元の父さんに戻ってくれたんだから!」

強盗勇者「金を出せェー!!」

店員「あわわわ、すき家はお隣ですよぉー!!」

むこうが騒がしい どうやら 強盗がこの店へ 入ったようだ!

勇者「なんてタイミングでだよ……!」

女神「あら、どうやら強盗に入ったのは勇者会員の一人のようですわ」  勇者「勇者決めるのって人をまず見ないのな」

強盗勇者「俺は勇者だぜ、金が欲しい! 魔王を倒して世界に平穏を齎してやろうってんだ つべこべ言わずに出しな!」

店員「そんな横暴な……お願いですからすき家へ行ってください。ココは吉牛です。他のお客様にも迷惑に」

強盗勇者「ふん! どうしても寄越さないってのならば こっちにも考えはある……痛い目見たくはないだろう!」

勇者「あんなのが勇者だと……信じられないな、父さん 待っていて。僕がすぐに静かにして―――」

女神「お父上ならば 強盗へ向かって行きましたけれど」  勇者「なぜ止めなかった!?」

勇者父「キミ、勇者だというのは本当かい?」

強盗勇者「誰だ このおっさんは……正義漢ぶりたいのならやめとけ。大体勇者さま相手に敵うと思ってるのか?」

勇者父「質問には質問で返していいと習ったのか。先生の顔が是非見てみたいもんだね」

勇者父「もし、キミが本当に勇者だっていうのならば 僕は悲しくて仕方がないよ」

強盗勇者「説教垂れるつもりかテメー! 勇者が強盗して何がおかしい! あんたの時代でも勝手に家に上がってタンス漁るぐらい普通だったろう!」

女神「言われてみれば確かに。勇者が強盗でもおかしくは」  勇者「絶対おかしいんだよ!」

勇者「父さん危険だ! ソイツは本当に勇者で、今の父さんでは相手にならない!」

勇者「ここは僕に任せて……」  

勇者父「いや、父さんに任せておきなさい。お前は怪我をしているのだから」

強盗勇者「カッコつけていられるのも今のウチだけだぜ……おっさん……ゆけ、俺の仲m…」

キミ の父が 強盗勇者 蹴飛ばした!

強盗勇者は 丁度よくひらいた 出入口から いきおいよく ふっとぶ!

勇者父「僕まだまだ強いからね、そりゃカッコつけたくなるさ……キミ、彼の分は僕が払っておくからね。吉牛安いから好きだよ」

店員「280円です…」

勇者「ひええっ…」  女神「アレが『伝説の勇者』と呼ばれた者……『勇者ああああ』の力ですか……」

勇者父「いやぁ、待たせたね。せっかくの親子水入らずな食事を邪魔されて父さんカチンときちゃって」

女神「お父上、ぜひ私の勇者になりませんか」  勇者「てめぇ屑が!」

女神「だって勇者! さっきの彼の強さを間近で見せられてしまったのですよ! 勇者やっていくに厳しいとか言って本当に申し訳ないレベルです!」

勇者父「お世辞でも嬉しいよ、女神さま。でも僕は本当にあなたが言う通りいまでは勇者をやっていけそうにはない」

勇者父「全盛期の力の半分も出せなかった……今は魔物を倒してレベルが上がろうとステータスも大して変化ないんだろう?」

勇者父「僕、力ぐらいしか自慢できるものもないしね。これからの時代の勇者へ戻れそうにはないよ。そろそろ若い世代へ譲らなければ」

勇者「父さんがあんなに強かっただなんて知らなかったよ……魔王を追い込んだという話も今ので説得力増したわ」

勇者父「……追い込んだ?」  勇者「あっ……」

勇者父「……そうかそうか、やっぱりそうなんだな。僕は魔王を倒していなかったのか」

勇者「ち、違うんだ 父さん! 倒した事には倒してはいたんだが!」

勇者父「ううん、何となく気づいてはいたよ。いつかヤツが帰ってくるんじゃないかとね」

女神「お父上よ、魔王は一体どのような相手だったのです? 彼奴に憑依能力があることは」

勇者父「知っているさ。実際に目の前で見せつけられたよ、ヤツは最後にヤツの側近である勇者に憑依して 滅びた。そう思い込んでいた」

勇者「魔王の側近が勇者……だと!?」

勇者父「女の子だったよ。丁度お前ぐらいの年頃だったね、彼女はとても強かった……僕一人では敵わないぐらいに」

勇者父「魔王はそれ以上の強さだ。いまの勇者がどんな戦い方をしているかは僕にも分からないが、小手先では通用しない」

女神「お金の力ならば問題ありませんよ!」  勇者「その課金システム作ったのが魔王なんだが」

勇者父「……いいかい? 魔王は人を騙す。中身こそ大した器ではない小悪党に見えたが、恐ろしいよ」

勇者父「父さんの全盛期でも倒せなかった敵だ。引き返すならいまだと思うな」

勇者「いや、僕は父さんに継ぐ『真の勇者』を目指しているんだ! 今さら逃げ帰られるものか!」

勇者「父さんと、僕で、ヤツにかならず決着をつけるよ! 大丈夫、僕は父さんの息子だから!」

勇者父「お前は父さんに似ないで本当に良い子に育ったねぇ……母さんゆずりかな」

勇者父「それじゃあ、一緒にご飯も食べられたし 僕は帰るとするよ」

勇者「今から!? もう夜だよ……今日は一緒に宿で過ごそうよ。明日の朝からでも遅くはないじゃないか」

勇者父「母さんたちが家で帰りを待っているんだろう? 急いで帰って安心させてあげたいんだよ」

勇者父「あっ、事前に連絡とかはするなよ! いきなり帰ってみんなを驚かせてやりたいんだ!」

女神「帰るとそこには見知らぬ男と妻がベッドの上で…」  勇者「やめてくれないか!」

勇者「……分かったよ、父さん。でも気をつけて帰ってね。無理だけはしないで」

勇者父「こっちの台詞だ。お前もくれぐれも無理はしないで欲しいな、大事な長男なんだから」

勇者父「時々は電話してくれよ……父さんも母さんと一緒にお前を心配しているからね……!」

勇者父「お金に困ったらすぐに言うんだよ!?」ガシッ  勇者「は、はい…」

勇者父「じゃあ、本当にバイバイ」


キミの父は キミへ 手をふり 去っていった!


勇者「父さんの背中大きなままだったなぁ……やっぱり大好きだよ、父さん」

女神「ファザコンだったのですか、勇者」  

勇者「否定はしない。だってカッコいいんだもの 僕の父さん」  女神「でもキャバ嬢に貢ぎこんじゃうような人でしたね!」

勇者「……頼むから今だけは水差さないでほしいんだが」

女神「それにしてもゴッド女神…いえ、魔王はどれほど強敵なのでしょうねー。全盛期の『勇者ああああ』ですら敵わないとは」

勇者「大丈夫! 僕にはたくさんの仲間が付いているからな、『幸運』もあるんだから……」

勇者「ところで……いや、なんでもないか……気にするな……」

女神「は?」

キミへ さきほどから 立て続けに 嬢勇者から メッセージがとどいている!

『タイトル:勇者ちゃん好きになりました』  

『タイトル:勇者ちゃんいま会える?』

『タイトル:アタシ勇者のこと見てるよ^^』

女神「そろそろ私も天界へ戻りますかねー。最近色々あって夜は帰ればすぐ寝る毎日ですよ、まったく」

勇者「えっ、帰って大丈夫なのか? 天界はもう魔王の手に落ちているようなもんだろう」

女神「とは言っても私の家は天界にありますし。問題ないでしょう、Nさまの件についてさえバレていなければ」

『タイトル:帰りにローソンでアイス買った♪』

勇者「……見張られていたらどうするんだよ…安心しきってるときが一番怖いぞ…」

女神「あらあら、私の心配をしてくれていると?」  勇者「いや、お前がいないとレアガチャと合成が使えん」

女神「むーっ……勇者は乙女心という物を理解していないようで」

『タイトル:勇者ちゃんいま起きてる?』

勇者「いや、多少は心配している……お前が僕の知らないところで始末されたとかは後味悪過ぎるからな」

勇者「魔王は油断ならない相手なんだろう。何を考えているか分からないんだぞ」

女神「では、こちらのお部屋で私と一晩過ごしていただけます? 勇者」

勇者「やだよっ お前といるとまた悪夢見そうだ!」  

女神「……フフ、なら仕方がありませんね」

女神「今日は勇者が眠りに付けるまで子守唄歌ってさしあげましょう。あの時のように」

『タイトル:起きてるの分かってるんだけど? ねぇ?』   『タイトル:寂しいよ勇者ちゃん;_;』

勇者「…とにかく気をつけてくれよ?」  女神「勇者つまんないですー……」

勇者「明日はNのところへ顔出しと『機械武闘家』たちを回復させる為にボス魔物へ挑もうと思う。てなワケで 明日もよろしく頼むぞ、女神……ひえっ」

女神「はい?」

『タイトル:手首切りました・・・T_T(画像あり)』

勇者「何でもないから帰っていいぞ!!」  女神「なんと思わせぶりなっ」

女神「つーん! 勇者のおたんこナス!」

女神は 次元の裂目へ とびこみ 天界へ もどっていった!

勇者「面倒臭いのにフォロー入れちまった……」


ここは天界・ゴッド女神の間。女神の中でも最も信頼をおかれている女神のみが入ることを許される!

長い階段のさきに しろく巨大なカーテンがさげられている! カーテンには ゴッド女神と思わしき 影が 映っていた!


黒女神「ゴッド女神さま……報告に参りました……」

黒女神「申し訳ございません……もうお休みになられる頃だというのに……お許しを」

ゴッド女神?「ええ、あなたがココへ訪れることは既に分かっていたことです。問題ありませんよ」

ゴッド女神?「面をお上げなさい。あなたの話を是非聞かせてほしいわ……」

黒女神「はっ……」

黒女神「例の『アレ』へ彼女の後を着けさせておいて正解だったようです」

ゴッド女神?「まぁ、居場所がようやく発見できたのですね。時間は掛かりましたが よくやりましたよ、黒女神」

黒女神「ありがたきお言葉……」

ゴッド女神?「そうですか。やはり生き延びていたのですね、彼女は。そして我々へ妨害を働こうなどと……」

黒女神「『ギルド』への入り口には対女神用と思われるチート結界の存在が確認されました。許可なく踏み込めば焼かれ、『廃』になるかと」

ゴッド女神?「まぁ、用心深いですこと……それには私の力で無理にこじ開けることは可能かしら」

黒女神「『不可』でございます。あなた様のお力を持ってもチートに対しては……ですが策は練られています」

黒女神「引き続き追跡は続けさせますが、『アレ』の力が必要になります。早い段階でコチラへ深く引きこまねば」

ゴッド女神?「あなたへ任せましょう……『アレ』へはあなたから話すべき……その後ココへ連れてきなさい」

黒女神「かしこまりました、ゴッド女神さま」

ゴッド女神?「彼女との決着の時は近いようですね。楽しみでしようがないわ……」

黒女神「ええ、あの者が消えれば 何者にもあなたさまを止められません。確実に」

ゴッド女神?「フフフ……そろそろ『限定ダンジョン』のお知らせメッセージを送らねばなりませんね……フフフ」

ゴッド女神の 妖艶な雰囲気を ただよわす 笑い声が こだまする!

『タイトル:おは♪勇者ちゃん(≧∇≦)キャー♪』  『タイトル:お弁当作ってみました(画像あり)』  『タイトル:寝てんのか?』

『タイトル:育てていた花が芽をだしました』   『タイトル:好き』  『タイトル:起こしにいこーか?』 『タイトル:ねぇ』

勇者「……コイツ一晩中メッセージ送ってきやがった」

女神「グッモーニン 勇者ー♪ 今朝のお目覚め絶好調ですよー♪」  勇者「こっちもウザいっ…!」

女神「あら、目の下にクマ……いやですねぇ、私のことを考えて一晩中もんもんしていたのですか? スケベな勇者です」

勇者「なぁ、メッセージ拒否したいんだけど どうしたらいい」

女神「メッセージ? ……まさか例の嬢勇者から」

勇者「お前にしては察しが良くて助かる。昨日の夜から酷いんだ、クマもそのせいかと」

女神「朝から取り付かれたように酷い様子だとは思ってはいましたが、そうでしたかぁー」

女神「忘れました。拒否とか」  勇者「あぁ!?」

女神「だ、だってー……勇者にフレンドとか不必要だと思っていたワケですし? というかアレとフレンドになるとは思いませんでしたし?」

勇者「……じゃあもういい。着替えたらすぐに外に出るぞ……いや、その前にガチャ」

女神「レアガチャかしこまりぃー!」ドン

勇者「バカっ、無料の方だ! アホ!」  女神「バカやらアホやらと散々に言ってくれますね…」

勇者「朝の恒例と言えば無料ガチャだろう。Nのガチャとはいえ金はかかるし、贅沢してられんしな」

女神「あなたが課金出し惜しみすればするほど あの『無課金ギルド』の経営は追い込まれますが」

勇者「お前そうやって人の良心を利用してくるのやめてくれねーか……ただでさえ今イラついて仕方がないんだから……!」

『タイトル:今日の下着は青縞模様!勇者ちゃん縞パン好きでしょー♪』

がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

キミは 新しい仲間と 出会った! → 『レア度☆☆:福岡人(スキル:手榴弾)』

福岡「兄貴、よろしゅう頼んますわ。手前 やらせてもらうけんのぅ!」

勇者「こわい…」  女神「あらら、見るからに物騒な仲間ですねぇ」

勇者「そういえば最近はこの町が拠点になりかかっているような気がする。この宿も2日は連続だよね?」

女神「そうですねー……魔王の居場所が分からないにしても、そろそろ出て良い頃かと。あ、でもNさまに会えなくなるか」

勇者「なぁ、魔王ってゴッド女神なんだろう? ならば天界に在住しているのが普通じゃないのか?」

女神「Nさまも仰っていたではありませんか。魔王は自由に誰の体にも憑依できると。それなら確実に天界だとは思えませんよ」

女神「私が魔王でしたら人間界に降りて、ゴッド女神の役には別の者を当てるとかー…ですわねぇ」

勇者「もし人間界の誰かに憑依しているとしたら……勇者とか? 何にしても動き易い誰かの体を乗っ取るだろうな」

キミは 裏通りにある『廃れた武器・防具屋』の扉をひらいた!

勇者「……お前、今日もか」

神父勇者「これはこれは、勇者様。それとお付きの女神様ではございませんか。ホホホ…」

神父勇者「Nさまへ面会へいらしたのでしょう……さぁ、どうぞコチラへ……」

女神「私、この勇者はどうも好きになれません。まず目がやらしいもの!」  勇者「ああ、確かにやらしい!」

神父勇者「それは光栄の極みで。先日は申し訳ありませんでしたね、紛らわしい事をお話してしまって」

勇者「お前らに付いていた女神どもの話か? それなら本当に驚かされたぞ、始末してしまったのかと てっきり」

神父勇者「ホホホ…ええ、Nさまからもお叱りを受けてしまいましたよ。ですからこうして先に謝らせていただ―――」

神父勇者「…………」

女神「神父勇者。神父勇者よ? どうされたのです、急に立ち止まったりして……」

神父勇者「ハイレタ」  勇者「は? いま何て…」

神父勇者「いえ、別に何も。家鳴りが聞こえたのでしょう…ココはもう古そうですし…」

神父勇者「さぁ、行きましょうか……どうしました……まだ何か……」

勇者「いや、別に……うん、行こうぜ……」

キミたちは 『無課金ギルド』をめざした!

N「勇者さん、女神よ……よくいらしてくれましたね……」

勇者「ああ、昨日のお礼を言いに来たんだよ。あんたがくれた『仲間』と『武器』のお陰で」

双子女神(青)「私が選んであげたんだもん!」  N「ふふふ、そうでしたね。お礼ならばその子へ言ってあげてくださいな…」

女神「あの、Nさま? 今日はいきなり体調が優れないようにお見受けされるのですが」

双子女神(赤)「朝からずーっとだよ。今日は調子が悪いみたいでして、ねー?」

N「ええ、お恥ずかしながら……ゲホッ!! おえぇ……」

勇者「おいおい、魔王に対抗できるのはいまあんただけなんだ。無理だけはしてくれるな」

N「分かってはいますが……せめてあなたと顔を合わせておきたくて……ガフッ!!」

N「ゲホ、ゲホォッ!! あぅぅ……ご、ごめんなさい……はぁはぁ……」

女神(これは……私の野望が本当に叶ってしまうのでは……!)

勇者「今日の用はこれだけなんだ。あとはもう休んでくれても……!」

N「いえ……! お茶ぐらいは出さなければ……双子赤よ、彼らに……ゲブッ!!」

双子女神(赤)「Nさまぁ~」  双子女神(青)「無理はなさらずぅ~」

N「だ、だって……せっかく勇者さんがわざわざこのような穴蔵へいらしてくれたのですよ……」

勇者「えっ、なにそれ」   女神「はい?」

勇者「N……かわいい、のかも……」   女神「あなた変に惚れやすいところありますよねぇ―――あっ」

女神「えっ、えっ、どうしていま!? タイミング悪っ!」

N「天界からの呼び出しですか……女神よ……」

女神「は、はい……というか着信が……ココで出るワケにはいきませんよね……」

勇者「じゃあ丁度いいし、これでおいとまさせてもらおうじゃないか。N、本当に無理はしないでな」

N「はぁぁ、はいっ……大丈夫ですっ!……たぶん!」

N「またいつでもギルドへ来て下さいね。私たちはあなたたちをいつでも歓迎しますよ……」

勇者「ああ。それじゃあ、女神 行くか」  女神「ええ。Nさま、お身体をお大事に~……」


キミたちは 来てそうそう 『無課金ギルド』を出て行った!


双子女神(赤)「Nさま、今日はもうお部屋でお休みしましょー」

N「…………」    

双子女神(青)「Nさまぁー?」

N「いえ、なんだか 少し嫌な予感がして……ふふ、気のせいでしょうね。最近歳なのかいつもこんなで嫌になってしまいますよ」

キミは 女神とともに 『無課金ギルド』をあとにして 裏通りに戻った!

勇者「いや、Nかわいいなぁ……アレでゴッド女神なんだろう? どこぞの女神と違って可憐というかだね」

勇者「おい 聞いてるのか、女神よ。お前へ遠回しにケチつけてんだぞ?」

女神「はい!はい、はい…ただちに…ええ、ええ…了解です……」

女神「お疲れ様です…………はぁ」

勇者「天界から? 珍しいな、僕と一緒にいるときは滅多に連絡が来ることはなかったじゃないか」

女神「ええ、全くですわ!! それで勇者 申し訳ないですけれど、今から私は天界へ戻る用事ができてしまって」

勇者「今からって……はぁ!? じゃあボス魔物はどうするのさぁ!?」

女神「そうですね、私の用が済み終えるまで町で待ってはいただけないでしょうか。一時休憩ということで」

勇者「『真の勇者』を目指す僕に休みはないぞ……。大体まだ運営に従わなければいけないのかよ?」

女神「そりゃあ……無視はできないでしょう……。一応は私運営側に属している女神なのですから」

女神「もし裏切ったという明確な意思が向こうへ伝われば 私が消されるどころか、ココへ出入りしていたことを怪しまれてしまいますし」

勇者「女神のくせにしっかり考えていたのか、悪い」  女神「それ本当にすまないという気持ち込めてますか」

女神「とにかく理解いただけたのならお願いしますよ、勇者。すぐに戻るというワケにはいきそうにはありませんが」

勇者「むぅ……まぁ、仕方がないよな。わかったよ 行ってこい、女神よ」

返事もかえさず 女神は いそいで 次元の裂け目へ 飛び込んだ!

勇者「よっぽど急ぎの用なんだろうか。……さて、僕はどうしたものか―――」

『タイトル:うしろ見てみ』

勇者「はっ!?」

キミは メッセージを 確認すると そくざに 背後を振り返った!

嬢勇者「ミーちゃんが会いに来てやったぞ、勇者ちゃーん♪」

勇者「ミーちゃん帰れッ!!」

そこには 嬢勇者が 笑顔をうかべて 立っていた!

続きはたぶんまた夜ごろに(^ν^)

嬢勇者「つれない事言わないでよー♪ せっかく会いに来たのに。ていうか、女の子からのメッセージ放置って結構酷くね?」

勇者「何言ってるんだかな……お前からのメッセージなんて届いてないから……!」

嬢勇者「んー、アタシが勇者ちゃんに送ったって一言でも口に出したかね?」  勇者「うるせぇな!」

勇者「お前のせいで昨日の夜は最悪だったぞ。頭どうかしてるんじゃねーの……」グイ

嬢勇者「ん?」

キミ は 嬢勇者の 腕をとって じろじろ 見ている!

勇者「傷は? まさか猫耳女神に頼んで回復して貰ったのか? ダメだぞ…仮にも女が自分の体傷つけるのは…」

嬢勇者「え、あっ! あっはははははwwwwww勇者ちゃんクッソかわいいwwwwww」

勇者「な、何だよぉー!? 心配しちゃ悪いってのか!?」  

嬢勇者「ううん……! 違くて、画像開いてないんでしょ? 昨日のメッセージの」

嬢勇者「あんなの冗談。あーあ、ちゃんと確認すればミーちゃんの『おおきなお胸』の画像が見られたのかもしれないのに」

勇者「マジで?」    嬢勇者「いや、ウソだけどさぁー」

勇者「……それで、どうしていきなり馴れ馴れしいんだ 嬢勇者よ」

嬢勇者「好きになっちゃったんだよ~ 勇者ちゃんのこと! ていうか初めて見た時から好きになれたね。うんうん」

勇者「お前は好意を持った僕相手にあんな酷い事をしたワケだが」  嬢勇者「行き過ぎた愛情表現って感じじゃね?」

勇者(やっぱりコイツはどうも苦手でしょうがない勇者だ……頭の中どうなってるんだよ、この女)

嬢勇者「いま『コイツ頭の中沸いてんじゃね?』とか考えてるでしょ。猫耳女神に思考読ませないでもアタシには分かるよ」

嬢勇者「ところで勇者ちゃんの雌豚女神はどこいんのよ? 別に顔見たくはないけどサ」

勇者「天界に急用ができたんだと。……おい、どうして嬉しそうな顔してるんだよ」

嬢勇者「むふふっ、いやぁ! あの雌豚がいないなら勇者ちゃんとイチャイチャし放題かなってよォー! ふ・た・り・きっ・り ♪」

猫耳女神「ニャーもココにいるのにゃん…」  嬢勇者「テメーも天界へ召されてきな クソビッチッ!」

勇者「なぁ、お前僕に用があるとかじゃないのか…お前に怨み買って あんな執拗にメッセージ貰っていたんじゃないのかと僕はてっきり…」

猫耳女神「そんな事ないのにゃん。ミーちゃんは本当にキミへ恋しちゃったらしいにゃん(棒」

猫耳女神「やれやれ、そのせいで昨日は修学旅行の夜的なノリでずっと相談されていい迷惑だったにゃんよ(棒」

嬢勇者「やぁん! い、言わないでって約束したじゃーん……も、もぉー!ほらぁ! 勇者ちゃんがアタシの事凄い意識し始めてる……///」

勇者(うぜえええぇぇぇーーー……)

勇者「悪いけどお前は好みじゃない! 僕は尻軽そうな女はご免だぜ!」

嬢勇者「えっ、なになに、処女じゃなきゃアウト系ですか? はっ、コレだからドーテイ勇者はねぇ……」

嬢勇者「つーかデートしよっ♪」   勇者「嫌だね!!」

勇者「どうせお前の事だ 援助してくれる『オジサマ』代わりに僕を使おうとしているんだろう。その魂胆は見え見えなんだよ!」

嬢勇者「あぁ? クソバカボケナスのド阿呆が そうじゃねーよ。テメー自分で昨日アタシに説教した内容も覚えちゃいねーのか? ドーテイの脳容量はエロとエッチでおっぱいいっぱいか?」

勇者「お前絶対僕のこと怨んでるだろう…」  嬢勇者「まぁ、聞けや 勇者ちゃん」

嬢勇者「勇者ちゃんの事を気に入ったのはマジ話よ。ぶっちゃけ一切合切テメーを怨んじゃいねェ」

嬢勇者「じゃあその証拠はとか言われも困るからな。思いは形じゃねェからな!」

勇者「お、おう……そうか……」

勇者「それじゃあ今回は僕に愛の告白の為に登場したと?」  嬢勇者「大当たりだよ!そういう事だボケ!」

嬢勇者「アタシの男になりな、一生可愛がってやるぜ。テメーはヒモで構わねェからよ…絶対アタシが勇者ちゃんを守るからな…」

嬢勇者「このミーちゃんがテメー程度の男にこの身を『課金』してやろうってんだよ!! 黙って買われろッ!!」

嬢勇者「OKならアタシのこの手を取れや、勇者ちゃんよォー!」  勇者(男らしい……!)

勇者「い、いきなり昨日会ったばかりのヤツに結婚前提の告白とかないよ! 僕だって困るもの!」

嬢勇者「なに女々しいこと言ってんだタコ……テメーそれで玉ぶら下がってるのかよ……あ!?」

勇者「お前僕に説教されたからってオープンになりすぎじゃねぇのか!? 酷いぞ!?」

嬢勇者「どーしてもよ、気持ちつかねェのなら……奥の手だわ。アタシともう一度『勇者×バトル』しろや」

勇者「はぁ!?」   嬢勇者「アタシが勝てば結婚! 負けたら……その時は……その」

嬢勇者「ちょっと間置いてからまた再戦な……」  勇者「グイグイ来るくせして随分お前に都合良いよなぁ!」

勇者「そういうバトルなら折らせてもらうぜ、嬢勇者。大体僕は『真の勇者』を目指す男! いま身を固めているときではない!」

嬢勇者「そうだ! そういう所がアタシは気に入ったのよ! 好き! 超ラブだよっ勇者ちゃん!」

勇者「……なぁ、アイツ連れて帰ってくれよ。お願い」   猫耳女神「まずはチップを払うにゃん」

嬢勇者「ねぇー、勇者ちゃんてばぁー……もしもーし 聞こえるんだろオラァー!」

勇者「アイツ『ヤンキー勇者』の間違いじゃないの……」

キミは 嬢勇者を 無視して 町中を歩きまわった! しかし いつになっても 嬢勇者は キミを おいかけまわす!

嬢勇者「まさかアタシ以外の誰かに好意持ってたとかじゃねーだろうな! あの雌豚(女神)か! 趣味ワリィぞォー!」

勇者「その言葉は最もだ、アイツのような下種に僕が好意抱くワケがないだろう!」

勇者「嬢勇者よ、いい加減諦めてくれないか……僕はお前にこんな事して欲しくて説教したんじゃないんだぞ……」

嬢勇者「……なんだよ、迷惑か」  勇者「ああ、すごくな!」

勇者「何度も言うが僕はお前のような女は好みでは――――――はっ」

キミは 嬢勇者の ほほに ひとすじの涙が 流れるのを みた!

嬢勇者「…………そっか わかったよ」

勇者「お、おい……言いすぎた、泣かないでくれよ……僕が悪かったから……!」

嬢勇者「じゃあ……結婚、してくれるか……?」  勇者「ごめんなさい……」

嬢勇者「いいよ、もう……勇者ちゃんは悪くねェー、アタシが発情した犬みたいにアタックしすぎた……」

嬢勇者「でも このミーちゃんは勇者ちゃんを諦めたワケじゃない! 告って無理なら逆に告られるまで! へっ、逆転の発想だ!」

勇者「っ~~~……潔く諦めるのが今の流れで行きつく結果じゃないかね」

嬢勇者「勇者ちゃん、アタシはあんたにいつか絶対かならず惚れられる。今に見ていろよー!」

勇者「アイツって元々あんなキャラだっけ…」  猫耳女神「本人も今まで色んなキャラ作って遊んでたから自分を忘れてるのにゃん」

猫耳女神「勇者ちゃん、キミも少しはアレの気持ちを汲んであげて欲しいのにゃん。冗談かと思ってたら本気だったみたいだし」

猫耳女神「きっと今までチヤホヤされすぎて キミみたいな人が新鮮に感じただけだとは思うけれどにゃん」

勇者「気持ちの勘違いで恋が芽生えてるじゃねーか!」

嬢勇者「勇者ちゃんさぁ……もしかしてアタシのこの『キャラ』が気に入らない?」  勇者「え゛っ」

嬢勇者「アタシさ、勇者ちゃんに言われて もう仮面被るの止めようって決心したワケ。だからアタシもよく分かっていないけれど」

嬢勇者「これが たぶん本当のアタシなんだよ! 勇者ちゃんには『ありのまま』を見ていて欲しかった!」

勇者「お前……嬢勇者ぁ……」  

嬢勇者「で、でもさ……もし勇者ちゃんが気に食わないのなら……アレだよね!」

嬢勇者「こっちのミーちゃんに戻るよぉー♪ もえもえキューンッ♪ って!」

勇者「……いや、ありのままの方が落ち着けるぜ。いつかお前らしさを取り戻せると良いな、嬢勇者よ」

勇者「女神遅くないか、もう昼過ぎたぞ……本当に運営にバレてないだろうな……」

嬢勇者「つーか 雌豚野郎は何の用で呼び出されたとか聞いてないの? でも女神どもは秘密主義だからなァ、アタシらには何も教えてくれないし」チラ

猫耳女神「当たり前にゃん! ニャーたちが『勇者会員』へおいそれと色々話していたら不都合が起きるもの!」

嬢勇者「不都合だァー……? テメー、それどういう意味だ コラ。テメーらはアタシら勇者の味方じゃねーのかよ」

猫耳女神「そう言われても……。ニャーたちは『ゴッド女神』の命令に従うしかないにゃんよ、逆らえば恐ろしい目に」

嬢勇者「じゃあアタシら人間がテメーの勝手で魔王に負けたときはどうするのさ。今まで肩貸していた分、それじゃあ元も子もないでしょーよ」

猫耳女神「そ、それはぁ~……にゃうん…」   嬢勇者「ねぇねぇ、勇者ちゃんもおかしいと思わない?」

勇者(そうか コイツらはまだ何も『事情』を知らないんだな。運営が魔王が築いたものだという事すら)

勇者(嬢勇者たちのような勇者を利用されるのをNは恐れていた……勇者は『運営』を自分たちの味方だと信じ切っているから……)

勇者「おのれ、魔王め! 小癪な手をッ!」ダンッ  嬢勇者「うひゃあ!? な、なによぉー!?」

勇者「……こうしてはいられない。魔王がどんな汚い手で侵略を進めて行くか分からないんだ!」

勇者「嬢勇者よ、お前とはここでさよならだよ。僕はココでボーッとしているワケにはいられない」

嬢勇者「い、いやいや……勇者ちゃんなに一人で燃えちゃってるの……怖いんですけど……」

勇者「一々あの女神を待っている場合じゃないって事さ。僕はNのためにも、世界のためにも 動かなければならん」

勇者「女神がいなくともボスぐらい僕一人でどうにかできるさ……もうあの頃のようなヘタレ初心者じゃないんだしな!」

嬢勇者「なぁ、勇者ちゃん気でも狂ったのかなァ…アタシ支えていけるかな…」  猫耳女神「最悪施設に任せればいいのにゃん」

キミは ベンチから たちあがると 町の門から 外へ出て行こうとした!

嬢勇者「ちょっと 勇者ちゃんってば!」ガシッ   勇者「な、なに?」

嬢勇者「まさか……勇者ちゃん、女神無しで外に出るつもりなワケ? それどんな無謀?」

勇者「ふん、あんなのいなくても一人で戦えるだろう。たまにはアイツ無しの静かな旅も悪くはないしな」

嬢勇者「別にあの雌豚を擁護するつもりはねェーけど、女神無しで外に出たら もし『スタミナ』や『精神力』が切れたときどうするのサ?」

嬢勇者「悪いことは言わないよ、アイツが来るまでココで待ってな。大丈夫だってば! 魔物ども も 魔王も逃げやしねェーから」

勇者「そういう場合じゃないんだよ……!」

嬢勇者「あぁ? じゃあ何でそこまで急いでるのか教えてからゴネろ クソガキ。テメーにもしもの事がありゃアタシが心配するだろうが ボケッ!」

勇者「いや……だって……」   嬢勇者「ンだよ、言わねェーならアタシも無理矢理勇者ちゃんに着いてくからな」

勇者「……えっ、何だって?」

嬢勇者「無理矢理デートに誘われてやるって言ってんの。丁度 邪魔で家畜臭ェ雌豚はお留守だし……ね?」

勇者「今使える仲間は『邪悪の化身・ゲロ以下』『しとやか武闘家』残り以下ゴミどもぐらいか……武器はまぁ豊富だけど」

嬢勇者「武器なんて奥の手って思っておいた方がいいと思うけどなー、勇者ちゃん」

勇者「お前それで僕に負けたんじゃないのか?」  嬢勇者「えーんっ! 勇者ちゃんがいじわる言うよぉー!」

勇者「都合悪いときに性格変えやがって……それにしても『ニシカワアニキ』が使えないとなると現状つらいだろうか、せっかくの豊富なゴミを『魔弾』へ作り変えれない」

嬢勇者「そーだ、勇者ちゃん。『てつをRX』はどうしたのよ? アレがいれば大抵の敵は指先一つでダウンなんしょ?」

勇者「アイツはいま採石場から宇宙へ旅立ったらしいんだ」  嬢勇者「宇宙刑事かよ」  勇者「えっ」

嬢勇者「アタシはてっきり勇者ちゃんあの時(勇者×バトル時)ワザと出さずにいたのかと思ってたんだけどォー」

勇者「いれば即効出すに決まってるだろう! お前の言う通り出せば勝ち確定の仲間だったんだぞ!?」

猫耳女神「その『てつをRX』なんだけれどにゃ、実は他の勇者や女神たちから『下方修正』の希望があったのにゃよ」

猫耳女神「魔王退治に強い仲間を弱体化という話もアレだけれど、もしこのまま暴れまくりなら次回の『アップデート』で修正されるらしいにゃん」

勇者「なん……だとっ……」

嬢勇者「きっとその希望出した連中は勇者ちゃんのてつをRXに嫉妬したんだろうな。チートレベルの仲間を下位ランク勇者が引きつれているなんてセコいとかなんとかでさァー」

勇者「いやいやいやいや!! それにしてもおかしい話だろう!?」

勇者「その前に『運営』は仲間の性能をいじくれるのかよ……いや、考えてみれば普通なんだろうけれども……」

猫耳女神「強過ぎる力は いつか危機を齎してしまうのにゃ。残念だけれど諦めて―――」

勇者「なぁ、猫耳女神。……そもそも『仲間』って一体何なんだろうか」

嬢勇者「いや、今さらでしょ勇者ちゃん。『仲間』は仲間よ、アタシらの命令に忠実な下僕! 戦いはもちろん下のお世話まで…」

勇者「そういう事じゃないんだよ! ……アイツは、女神は 『人間』や『精霊』と話したことがあったが、もはや最近その枠では収まりきらないヤツらを見るようになった」

勇者「僕たち人間はいま魔法を使えない。だけど、仲間は魔法染みた『スキル』を自由に使える。ここからもう普通の人間ではないことが分かるよな…」

勇者「おまけに合成すれば強くなるとか進化するやら謎だらけじゃないか。ていうか、どうして僕は今まで疑問に思わなかったんだ?」

嬢勇者「まぁ、言われてみれば魔物並に常識を越えたヤローどもだらけだわなー……でも別にそれが分かったところでどうもならなくね?」

勇者「いや……あるだろ……(もし、もしもだ。運営が自由にステータスを上げ下げできる事のならば)」

勇者(マスターである勇者へ 魔物と同じように仲間から『襲わせる』ことも可能ではないだろうか…)

勇者(考えてみれば 魔物だって魔王が生み出したんだ。じゃあコイツらは? 仲間も同じように魔王が生み出した物じゃないのか?)

勇者(そうだとすれば、僕たち勇者は……今まで魔物を使役していた……)

猫耳女神「んーっ、勇者ちゃんが考えてる事はニャーにはさっぱりだけれど、キミたち勇者が従わせてる仲間は」

猫耳女神「過去に魔王へ挑んだ者たちの成れの果て。または功績を残した英霊。そしてまたはこの世界とは異なる別次元に生きる生命…」

猫耳女神「そんなのの記録や星の記憶のデータを、あるいは遺体を蘇らせて、ゴッド女神さまがキミたちへ力を授けているのにゃん!」

勇者「ゴッド女神……ま、魔王……!」  

嬢勇者「はぁ? ……もうちょい かみ砕いて説明できねーのかよ、ネコ。お前人に物教えるの下手すぎ」

猫耳女神「今のは説明書に載っていた文章をそのまま読み上げたからニャーのせいじゃないもん! ニャーは全然下手じゃないよ!」

勇者「……そして、魔物は」

猫耳女神「えぇ…まだ訊くの……。ええと、魔物は、魔王が過去の記憶やら人々の悪夢、または抱える苦痛から生み出したデータの塊にゃんだって」

猫耳女神「つまり! データに対抗するにはデータでというサルでも分かる簡単なお話! 仲間やガチャから生まれる武器がなければ人々は魔物に対応しようがないのですにゃ」

嬢勇者「まぁ、今さら当たり前の話だったワケだなァー……だから今の『勇者システム』があるわけっつーことでしょう?」

猫耳女神「たぶん」  嬢勇者「なんかテキトーじゃん?」

勇者「あ、あ、あわ、わ…………」   

嬢勇者「あれ、勇者ちゃん? 顔色悪いけれど、平気? 大丈夫? 結婚する?」

勇者「ゴッド女神、ゴッド女神よ! 僕の声は聞こえているだろう! ゴッド女神よ!」

キミは ここにいないゴッド女神へ 声を荒げてよんだ!

嬢勇者「また勇者ちゃんおかしくなるの巻……」  猫耳女神「ていうか何故にゴッド女神さまにゃん?」

勇者「あっ、うう……な、何でもない……!!」

勇者(聞こえているのならば返事をしてくれ、ゴッド女神。僕はあんたが何も対策を練っていないとは思っちゃいない)

勇者(しかし、抜かっていたという可能性が少しでもあるのなら…聞いてほしい、『仲間』は危険だ…!)

勇者(仲間を生み出した存在が魔王だというのなら、仲間は『魔物』同然。魔王が仲間へ細工を仕掛けていたとしても それなら十分納得がつけられる)

勇者(つまり 最悪の場合だよ、もし魔王が一気に人間を滅ぼそうと考えを変えた瞬間、僕らは仲間(魔物)に……!)

勇者(もし僕のこの考えが真実ならば、コレは最初から仕組まれていた酷い出来レースだ。データにはデータを…だが、そのデータは全て魔王が生み出したもの)

勇者(じゃあそのデータどもが一気に敵に回れば、僕らは完全に『敗北』する! 課金とか無課金とか言ってる場合ではなかったぞ!?)

勇者(攻撃も通らないような相手にどう戦える!? その前に僕ら程度のちっぽけな人間で『てつをRX』並のチートを相手にできるか!?)

勇者(ゴッド女神! ……もし、もしもだよ? ソレを考えずに『勇者システム』を利用しているのなら、急いで、何か対策を)

勇者「ゴッド女神よ。……ダメだ、まったく反応がない。向こうから接触してこなければ話せないのか」

嬢勇者「あ、あのー……勇者ちゃん? 本当に大丈夫? ら、ラリってないよなァー?」

勇者「十分すぎるぐらい正常だろうが。ただ、少しヤバい事に気づいたかもしれなくて、その、僕の思い違いであって欲しいが…」

嬢勇者「ゆ、勇者ちゃん!」

嬢勇者は キミの 手を力強く にぎった!

嬢勇者「たぶん勇者ちゃんの考えは間違ってねェーよ! だってアタシの勇者ちゃんだし! カッコいいし…!」ニギニギ

勇者「だから間違っていてほしいと言ったのだが」

勇者(……とりあえず、コレについては後で直接 Nへ会って話をしてこよう。いまは…な、仲間を…とにかく仲間がいなければどうしようもないんだ)

勇者「嬢勇者、ボス魔物を倒しに行こう。僕の仲間を復活させておきたいんだ。この先、何が起こるか分からないからな…」

嬢勇者「勇者ちゃんの手の平スゲープニプニなんですけど、なにこれ…かわいい…」プニプニ

そのころ 無課金ギルド では 不穏な空気が ただよっていた!

双子女神(赤)(青)「…………」

忍女神「お主が この『無課金ギルド』を設立し、我らが『運営』…もとい、我らが『ゴッド女神』へ逆らっていた者、と見て間違いはないな」

N「……さぁ、どうでしょうかね。それよりもあなたへ聞きたい事があるのだけれど よろしいですか?」

N「このギルドへは 私が許可を下ろした女神のみが入れるのです。私はあなたを招いた記憶がないのですが……そこのところ、どうなんでしょう」

双子女神(青)「どうして ココまで誰にも気づかれずに侵入できたの!」  双子女神(赤)「どうして 入口の結界を突破できたの!」

忍女神「対女神用の結界の事か。それならば拙者がココへ邪魔する前に解除してもらったよ」

忍女神「そして、誰にも気づかれずになど拙者には容易い。拙者の女神スキルは『隠密』。並大抵の者では拙者を肉眼では捉えられまいて」

忍女神「一度に質問へ答えるのは苦労する。……さて、そろそろ宜しいか 堕ちた女神よ」

N「…………そこに、隠れているのですね。出てきなさい。女神よ」

女神「う、うう……すみません、すみません……」

かくれていた 女神が すがたを あらわした!

双子女神(青)「まさか あなたが結界を解除したの!?」  双子女神(赤)「そうとしか考えられないよ!」

双子女神(赤)「見て あの後ろめたそうにしている情けのない姿を! それに、中へ入れる『運営に属する女神』はアイツだけ!」

双子女神(赤)(青)「よ、よくも……裏切り者め……!」

N「止すのですよ、双子女神たち。彼女にも何か事情があるのでしょう。彼女を怨んだ所でどうしようもない」

女神「本っっっ当に、本当に……申し訳ありませんわ……焼き土下座だろうと何だろうと喜んでお受けさせて(ry」

忍女神「……どうした、女神ちゃんよ。この反逆者どもに恩でもあるのか。なにを そんなに焦っている?」

女神「あああ、あわわわっ……!?」   N「大丈夫、大丈夫よ。心配しないで…」

N「あなたの目的は……この私を始末しにきた、ということで間違いなさそうですかね……」

忍女神「如何にもで候。お主には多くの罰がある。チート、反逆…つまり『始末』に値するのだ。ゴッド女神もそれを望んでおられる」

N「魔王……やはりでしたか、私の油断が招いた結果ですね…コレ……」

双子女神(赤)(青)「Nさまぁー……」   女神「ひぃぃ……」

突然 部屋に ふてきな 笑い声が ひびく!

神父勇者「ホホホ……ホホホ……なんつて。いやはや、随分とまぁー面白い状況でございまーすねぇ 元・ゴッド女神さま」

N「神父勇者……い、いえ、あなたは 神父勇者では……まさか……?」

神父勇者「とんでもない! 我は魔王なんかじゃあないよ!」  N「くっ、やはり魔王ですか!」

夕方か夜に続き。今日はそう遅くはならない

双子女神(赤)「魔王だぁ……」  双子女神(青)「魔王が帰ってきたんだぁ……」

女神「アレがこの世界を陥れようとした『魔王』ですって。ただの神父勇者……いえ、彼の体に憑依したというワケですか」

女神「ですが遂に姿を現わしましたね、魔王。忍女神ちゃんよ、見てください 魔王ですって!」

女神「つまり今は『無課金ギルド』をどうこうしている場合ではありませんわ!」

神父勇者「自分魔王だなんて自己紹介した覚えありませんよ。私はこのギルドへ所属する神父勇者でしょう? どこから見ても」

女神「いいえ お前はっ――――――」   N(女神よ、その口を塞いでいるのです!)

N(コレはあなたの脳内へ直接語りかけている……黙って聞いてください。いま、あなたは彼奴に対して余計な口を開いてはいけない)

N(それ以上自分の立場を悪くしてはなりませんよ。あなたと勇者さんは私たちの希望なのですから)

N(状況を判断なさい。狡猾かつ冷酷な魔王が無策でこの場に現れて、あなたたち女神が居る手前で正体を話す筈がないでしょう)

女神(魔王は勝算を、というかこの場へ現れても問題はないからこそ現れたと? い、いえ、今がチャンスでしょうに!)

女神(私の傍には従姉妹の『忍女神』ちゃんがいます。彼女へ真実を話し、全ての女神へ伝えてもらうのですよ! 忍女神ちゃんならば…)

N(いえ、女神よ……この場は上手くやり過ごして、あなたは表向きは『運営側』でいて……あなたの安全の為にも、最悪の場合に備えてとしても……)

神父勇者「すみません、そこの頭巾被った女神さま。あなたには私が魔王へ見えますか? 困ったことに 彼女ら、私を魔王と呼ぶのです…」

忍女神「拙者からはお主をどう眺めてみても『勇者』にしか見えんで候」

神父勇者「ですよね、それを聞いて安心した……。あーもう、いきなりで驚いてしまったなぁ……」

双子女神(赤)「ま、魔王め! 調子に乗ってー!」

神父勇者「えぇ~~~え? 何ですかぁ、よく聞こえないですねぇ~~~?」

神父勇者「おや、Nさま。随分とまぁ体調が優れないようで。顔色も悪いし……というか私を睨まないでくださいよ!」

神父勇者「私はあなたの無課金ギルド(笑)のメンバーの一人ではありませんか! これまで あんなに優しく接してくれていたのに ><」

N「……のうのうとこの私の前にその顔を晒すとは。私があなたを相手に躊躇うと思っているのですか? たとえ人間の皮を被ったところで」

N「感謝していますよ、魔王。コレは好機です。私のチートであなたの魂ごとその身を焼き殺しますね」

神父勇者「ひ、ひどい……なんて外道なんだ……ですが、仕方がありませんね。私が憎いのならば どうぞお焼きになればいい。ささ、美味しいウチにお早目にお召し上がりを!」

N「うっ…………」   

神父勇者「ひゃー! やっぱり躊躇っちゃうじゃないですかーwwwwwwwwこの人 口ばっかりやwwwwwwww」

神父勇者「ほらほら、お得意のチート使いましょう! みんな大好きチートですよ! プロアクションリプレイで所持金MAXにするように!」

N「ま、魔王……!」

神父勇者「『ぐぬぬ顔』しちゃってなにこの人かわいいぐぬぬかわいい」

神父勇者「いいのかね、Nさまよ。我を滅ぼす好機じゃないのかね? ん? 我は逃げも隠れもしないよ、ココにいまちゅよぅー」

神父勇者「まぁ、今のお前の中途半端な力なんぞ臆するでもないのだがな。なぁ、そこの女神さま」

女神「えっ……あ、はい。私を呼びましたか、神父勇者よ……」

神父勇者「この方を連れてくなら早いウチさっさとした方が良いと思いますよ」

女神「え、えっ……!」

神父勇者「でなければ、酷い事になってしまうのではないかと、そんな嫌な予感が、虫の知らせとでも言うのですかね…」

双子女神(赤)「も、もう我慢できないよ!」  双子女神(青)「コイツは私たちだけでも倒すよ!」

双子女神たちが 神父勇者へ おそいかかる!

しかし それは 忍女神によって 妨害されてしまった!

忍女神「『ルール違反』だ、愚かな双子女神よ。我々女神は勇者を理由なく攻撃するのを禁じられているで候」

忍女神「罰としてお主ら二人は 女神としての権利を剥奪! さらに度重なる運営への妨害を含め、地下帝国にて強制労働の形と処す!」

忍女神「と、ゴッド女神からの通達を受けたで候。更生してくるのだぞ」

双子女神(赤)(青)「ひぃ!……あわわわ……え、Nさ……やぁあああぁぁぁ~~~~~~ん―――――――――」

双子女神たちの 足元に 次元の穴が ひらく!

穴は 二人を 獄へ 送り届けると しずかに とじられてしまった!

女神「ち、地下帝国……なんて惨いお仕置きを……!?」

忍女神「命を取られずにいただけありがたいと考えた方が良い。だが彼女らは重罪人、いつ日の目をその身へ浴びられることやらな」

N「ああ、双子女神たち……私が不甲斐ないばかりに……」

忍女神「残るはお主ただ一人よ、N殿」

女神「いいい、いけませんわ……この方は、Nさまは……そ、そのぅ」

N(良いのです、女神よ。良いではありませんか。ふふ、コレであなたが狙っていた通り私の後釜も継げるというものでしょう?)

女神「ぶうっっっ……!」

N(元ゴッド女神とはいえ、あなたが考えていた事は何でもお見通しですよ。あなたはとても貪欲な女神です)

N(ですが、勇者さんをお手伝いできるのはあなただけです……あなたも私の希望なのです……あなたは生き延びなくてはならない)

N(約束してくださいな、女神。きっと私の意思を引き継いで 魔王の手からこの世界を救済することを。元ゴッド女神最後のワガママです)

N(そして彼へ伝えて……『対策』はある。彼女を、『忍女神』を信じてください。彼女は―――)

忍女神「女神ちゃん。拙者らの出番はコレまでのようだ……」

女神「え? ど、どういう意味ですか 忍女神ちゃん……」

忍女神「ゴッド女神から撤退の命令が下ったで候。あとの始末は、拙者らの仕事ではないらしい。帰ろうぞ、天界へ」グイ

女神「い、嫌です! ま、まだNさm……彼女の最後を見届けなくては……! そうでしょう!」

忍女神「その必要はないであろう。女神ちゃんは趣味が悪いのか。命令で候、ゴッド女神は『戻れ』と命じられた」

女神「そうですか……わかりました……それでは、帰りま(ry」

N(…………『レア度☆☆☆☆:漆黒を纏いし者・しげる(スキル:愛のメモリー)』を求めなさい、女神)

女神「はっ!?」   忍女神「どうした?」

N(その仲間には魔王さえ気付けなかった大きな『穴』がある。魔王の力を逃れるヒントへなれるでしょう……勇者さんへ、どうか……つたえてほしい)

女神「Nさまぁ!――――――――」

女神は 忍女神に手を引かれ 次元の裂け目へ つれこまれてしまった!

N「……コレで良いのです。コレで」

神父勇者「邪魔者は皆消えた、あとは元ゴッド女神よ……あなただけじゃないですかぁー……」

N「その様ですね、魔王よ。さぁ、どこからでもかかって来なさい……窮鼠猫を噛む、ですよ。最後に私から痛い目をみないと良いですね」

神父勇者「なにか勘違いをなされているようでございますねぇー。まさかエロ同人みたいなことを期待していらっしゃるのか!?」

神父勇者「元ゴッド女神、貴様を裁くのは我でも女神でもないぞ……クックック」

N「えっ……」

神父勇者「なぜこうも騒ぎ立てているというに、貴様のギルドに属する勇者どもは一人も駆けつけぬか。気づいてなかった?」

神父勇者「本当の本当にこの『無課金ギルド』内には今貴様と我のみなのだよ。正確には三人かね、この神父勇者を入れれば」

N「まさか……彼らに罪はなかったでしょう!? ……とあなたへ訴えたところで意味はありませんか、魔王」

N「一体何をするつもりだというのです……私はあなた如き小物の企みなどに屈しはしません。負けません…げほっ」

N「元ゴッド女神の意地で…がぶっ……意地です。ココを今日からあなたの墓場とします!!」カチッ

神父勇者「柱へ仕掛けられていた爆弾は既に撤去させてもらった……念には念をだろう、貴様の事だ何か小細工があるのは分かっていたぞ」

N「で、でしょうね……読まれていたとは……ですが、それだけでは…ごほ、げほぉっ!! く、食らうのです! 魔王!」カチッ

神父勇者「天井へ仕掛けられていた聖なる金ダライも既に撤去させてもらった……あの時の我とは違うのだ。二度同じ目を食らってなるものか」

神父勇者「ついでに言うと床に仕掛けてあったホイホイも、只も、子猫も、底抜けドッポントイレも、ブーブー鳴るクッションも、田中も既に撤去済みよッ!!」

N「くっ……」   神父勇者「貴様の手緩いトラップなんぞに我が簡単にかかるワケないじゃーん!」

神父勇者「さて、そろそろって感じかね……元ゴッド女神よ……お前の処刑タイムだ……!」


「「「「ココガサイカソウカ……コノオクニ……ユダンスルナ……ナカマ ト ソウヒハバンゼンカ…………!」」」」


奥のほうから たくさんの足音や話し声がきこえてくる!

どうやら こちらへ 全員 向かってきているようだ!

N「…………そういう事ですか、魔王。あなたはどこまで下劣に染まっているのです」

神父勇者「貴様はもう女神ではない。人間どもやその仲間の攻撃はどう足掻いても防ぎようはなかろう?」

神父勇者「よくその身で味わってくだちゃいなwwwwwwかわいそーにwwwwww」

N「げほ、げほ…………ううっ!」

神父勇者「やーんwwwwwwNちゃん顔青ざめちゃってるんですけどwwwwww」

神父勇者「そんなあなたへ贈る言葉『Dirty Deeds Done Dirt Cheap』! えげつなく死ねがよい――――――」

神父勇者は こときれたように その場へ たおれた! どうやら魔王が 体から ぬけたようだ!

N「こんな……こんなはずでは……げほ」


「この部屋中に例のボス魔物『えぬたそ~』がいるようだ! 倒せられればレア度☆8の最強防具が手に入る!」

「今日限定のダンジョンだ! みんな、必死で狩るぞオラァ!」  「お前ら超激レア防具が欲しいかァー!」

「お前らに防具を渡してなるものか! 私が絶対に手に入れるのだ!」  「私の防具だよ! 手を出さないで!」

「「「「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」


N「ゆ、勇者さん……私はもう力になれそうにないようです……ご武運を……」


扉が ひらかれ 大量の勇者たちが Nの部屋へ なだれこんできた!

サキュバス「…………」

サキュバスが 妖艶な笑みを うかべて キミを 見下ろす!

勇者「アイツ! 羽根が生えていたのか、飛ぶなんて卑怯だぞ!」

嬢勇者「急いで倒さなきゃ逃げられちまうぞ、勇者ちゃん! あのボス魔物は一定時間経過すると仲間を引き連れ、ダンジョンにいる間襲いかかってきやがる面倒なアマだ!」

嬢勇者「仕留め損なえば、夜寝室へ忍び込んできて枯らされちまう」

勇者「くっ、魔物の夜の相手なんぞ死んでも御免だぜ……『ゲロ以下』よ、ヤツを撃ち落としてくれ!」

ゲロ以下「フン!このゲロ以下への頼み方がなっていないようだが…貴様如きモンキーにおれを従わせられると思っているのかッ!」

勇者「おい、やっぱりコイツある意味ゴミじゃねーか!……あとで『魔弾』へ変えられたくなければどうにかしろ、ゲロ以下!」

ゲロ以下「…………ザ・ワールド! 時よ止まれッ!」

ゲロ以下のスキルはつどう! ゲロ以下一人をのぞいて 時間がとうけつする!

勇者「     」

嬢勇者「     」

サキュバス「    」

ゲロ以下は どこかへ 跳び立った! 5秒経過! 6…7…8…!

ふたたび 時が きざまれ はじめる!

サキュバス「フフフフ……」

嬢勇者「ゲロ以下、いなくね?」   勇者「くっそ、アイツ時を止めて自分だけ逃げ出しやがったな!」

勇者「いまの手持ちの仲間や武器では……『セーラー機関銃』を『しとやか武闘家』に装備させれば……いや、攻撃力が足らなすぎるか」

勇者「あ、あのゲロ以下野郎! さっさと合成でも何でも素材に回しておけば良かったんだ!」

サキュバス「…………」   

勇者「はっ!」

サキュバスが これは好機と キミへ攻撃をしかけてきた!

サキュバスのこうげき!  ゲロ以下のこうげき!

ゲロ以下「―――――タンクローリーだッ!!」   サキュバス「きゃ!?」

ゲロ以下は 空中から どこからか持ってきたタンクローリーを サキュバスへ落下させる!

勇者「げ、ゲロ以下……!」

ゲロ以下「勘違いするな…この淫魔はこのゲロ以下を一瞬でも見下ろしていた…それがムカっ腹にきただけだ…!」

サキュバス「う、ぐ、ぐ……ぎぎぎ……ぃ!」

ゲロ以下「ほう? まだ息があったとは…だが安心しろ、これでトドメだァァァ~~~ッッ!!」

ゲロ以下のこうげき! タンクローリーを 上から ラッシュで叩っつぶす!

ゲロ以下「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」   サキュバス「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」

ゲロ以下「ぶっ潰れちまえよッ! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄……!」

ゲロ以下「WRYYYYYYYYYYYYYYY――――――ッ!!」   サキュバス「うきゅう…!」

タンクローリーは キミの目の前で だいばくはつを おこした!

キミは BOSS:サキュバス へ 勝利した!

勇者「やった! やったぞ、ボスを倒せた! お前のお陰だよ、ゲロ以下……一瞬でも疑った僕を許してくれ……っ」

ゲロ以下「おい、貴様ッ!このゲロ以下は最も強いのだ…魔物なんぞ敵ではないぐらいにな…おれは他の誰よりも役に立つ…忘れるな…!」

勇者「ああ、ああ! もちろんともさ! 魔弾へ変えるのはまだ止してやるよ!」

嬢勇者「つーか アタシの下僕のときより張り切ってるじゃねーか、ゲロ以下この野郎」  ゲロ以下「……」

嬢勇者「ううん……やっぱり勇者ちゃんは最高ってことだろうな! 勇者ちゃんはどんな曲者でも従えるカリスマがあるに違いねェ!」

勇者「まぁ、真の勇者になる男だからなぁ。フフン、僕こそが最強の仲間マスターだぜ!」

勇者「ボスを撃破したことで『機械武闘家』たちも完全回復した……これでこの先強敵と出会ってもしばらくは十分戦っていけるだろう」

嬢勇者「なんか今日でますます惚れ直せちゃったよ、勇者ちゃん。勇者ちゃんカッコいい! すてk……あん?」

勇者「嬢勇者、どうした――――――あ、メッセージ? いつのまに……」

キミへ 運営から メッセージがとどいていた! 

『タイトル:本日限定! スペシャルダンジョンのおしらせ! 今しか手に入らない超激レア防具入手のチャンス!』

嬢勇者「あー……今頃になって。ねぇ、勇者ちゃん どうせならこっちのボス倒せば良かったね? そうすりゃ一石二鳥だったじゃんサ」

勇者「スペシャルダンジョンなんて『ソフマップカンザキ』以来じゃないか……確かに嬢勇者の言う通りだよ。……どれどれ」

キミは メッセージを ひらいて 詳細を よみはじめた!

『本文:本日限定のスペシャルダンジョンへのゲートが、いま開かれる…! 奥地へ潜むボス魔物『鬼女・えぬたそ~』を撃破せよ!』

『本文:『えぬたそ~』を撃破できれば、少数点以下の確率で超激レア防具である『レア度☆8太陽印の鎧』をドロップする!わたしきになります!』

『本文:いまだけの見逃せないチャンス! 腕に自信があるキミはチャレンジだ! 入口はココ→『廃れた武器・防具屋』」

『本文:スーパーガチャに新たな仲間、妹シリーズ登場! おにいちゃんわたしを手に入れてー』


勇者「…………うそだろう?」

嬢勇者「あれ、この限定ダンジョンの入り口って裏通りの? ほぇー、ねぇ 勇者ちゃん、せっかく仲間も回復したし今から二人で(ry」

勇者「嬢勇者ぁ!!」ガシッ   嬢勇者「は、はひぃ!?」

嬢勇者「こ、こんなところで……せめて町へ戻ってからにしよーよ、勇者ちゃん……///」

勇者「うるせぇ違うわ! お前の猫耳女神に頼んで町まで『瞬間移動』させてくれ! その分の金は全て僕が出すから!」

嬢勇者「勇者ちゃん……? なにそんなに切羽詰まった顔しちゃってるの、普通じゃねェーぞ……」

勇者「早く、してくれないか!? Nの身が危ないんだよぉ!? う、運営が…運営が……!」

嬢勇者「う、うん……よく分からないけれどわかった……お金、あとで返してくれて良いからね?」

嬢勇者「オラァ! 聞いてただろ、クソビッチ! 分かったらさっさとアタシらを町まで運べやァー!」

猫耳女神「それが女神に頼む態度かにゃん!? ニャーだってさすがにムカついちゃうよっ!」

勇者「た、頼む……早く……! お願いしますから……!」

猫耳女神「むーっ、最初からそう丁寧に頼めば良かったのにゃん。了解にゃん。二人で合計800円になります」

勇者「僕の女神より良心的価格……いやいや、できれば急いでくれよ!」

嬢勇者「そんなに慌てなくても限定ダンジョンならすぐ入れるってば……まぁ、急がなきゃ他の勇者たちがどんどん潜るか」

勇者「ソイツらを止めなければいけないんだ!! Nが、Nが勇者たちに殺されてしま――――」

キミたちは 猫耳女神の力で 町まで 瞬間移動する!

キミは 町へ 瞬間移動してきた!

勇者「―――うんだよ!! 今Nを失っては……」

猫耳女神「もう着いたにゃんよ? 大サービスで『スペシャルダンジョン』の手前にゃん。ニャーを誉めると良い!」

嬢勇者「アホのくせに玉に使えるじゃねェーか。ほら、勇者ちゃん 入るならさっさと(ry」

キミは 話も聞かずに 『廃れた武器・防具屋』へとびこんだ!

中では ギルドへつながる階段へ 大量の勇者たちが列をつくっている!

勇者「な、なんだコレは……おい、お前ら退いてくれ! 通して! Nを倒しちゃダメなんだ、やめてくれ……!」

ジーパン勇者「おい、ガキ! 俺らも順番守ってるんだぜ! 割り込むなんてマナー違反だろうが!」

口びる毛勇者「そうだよチミィ、チミも勇者ならば素直に後ろへ並びなおしたまえ」

勇者「うるせぇ!! そこを退かないならば力付くでも押し通らせてもらう……全員蹴散らせ 機械武闘家ぁー!」

機械武闘家「了解した、マスター」

嬢勇者「ちょちょちょ、勇者ちゃん何バカな真似してるんだよ! いくら何でも焦りすぎだろーが!」

嬢勇者は キミを うしろから はがいじめた!

勇者「離してくれよぉー!! お前ら誰を倒そうとしているのかわからないのか!? ゴッド女神なんだぞ!?」

「ゴッド女神だと?」  「このガキ何を出鱈目言い出すかと思えば…」  「女神が討伐対象になるワケないでしょ?」

「仲間を出してきたわ、私たちを全員を敵に回すつもりなのかしら」  「こんな貧弱そうなのが僕らに敵うはずないだろうに」

お姉さん勇者「ボクー? 悪い事言わないから、本当に後ろへ並ぼう? みんなも早くダンジョンへ潜りたい気持ちを抑えてるのよ。だから」

勇者「レア防具が欲しいワケじゃないんだよぉ! 話を聞いてくれよ……お前たちは運営に騙されているんだ……!」

勇者「奥にいるのは元ゴッド女神で、Nっていって…えっと、えっと…とにかく殺さないでくれ! やめて!」

リーマン勇者「先程から耳触りな声でギャーギャーと。いい加減お前に飽き飽きしてきたぞ……ゆけ、『重力を自在に操る高貴なる女警備員』よ!」

女警備員「寝言は寝てから言え!(久しぶりに呼び出された、がんばらなきゃ…)」

『レア度☆☆☆☆☆☆:閃光の異名を持つ・重力を自在に操る高貴なる女警備員(スキル:おーでん)』

リーマン勇者「やるというのならそれ相応の覚悟を決めてかかってこい。全員がお前の敵だからな…」

勇者「うっ……」

嬢勇者「な、勇者ちゃん止そうってば。この数の勇者を相手に戦えるワケでもねェーだろ?」

勇者たちは おのおのが 仲間を召喚し、武器をかまえて キミを にらむ!

勇者「…………別に戦う必要はない! ゲロ以下、時を止めて僕をNのところまで運んでくれ!」

ゲロ以下「ふん…ザ・ワールド!」

ゲロ以下のスキルはつどう! ゲロ以下は キミを かかえて かいだんへ 足をおろそうとした!

ゲロ以下「扱いが荒いマスターめ…見ておれ、いつの日か貴様をこの手で…………む?」

「チュ…チュミミィーン……チュミミミィーン…………」

ゲロ以下「何か…声のような…コレはなんだ…後ろからだとッ!?」

絶対に殺すマン「チュミミミィーーーィン」   ゲロ以下「な、何ィ!? またもこのゲロ以下の止まった時の世界へ入門されるだとォーッ!?」

『レア度☆☆☆☆☆☆☆:どこまでも追いかけて絶対に殺すマン(スキル:追跡)』

絶対に殺すマンのスキルのはつどう! なにものも 絶対に殺すマンからは 逃れられない!

絶対に殺すマンのこうげき!

絶対に殺すマン「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」  ゲロ以下「ぐぇあぁあ~~~ッ!!?」

時が うごきはじめる!  キミは ゲロ以下ともども 攻撃をくらい ふっとんだ!

勇者「――――――ごふっ!?」

金髪勇者「ていうか逃がさねぇーじゃん。時間を止めようが俺は見逃さないんだぜ、テメー!」

勇者「う、うぅぅ……行かなきゃ ダメなんだよ……僕が行かなきゃ…………!」

嬢勇者「お、おいテメーら! いくら何でもやり過ぎじゃねーのかよ! アタシの勇者ちゃんをこれ以上痛めつけたら……!!」

「アイツ、勇者ランク22位の『嬢勇者』じゃないか」  「噂には聞いていたが この町に来ていたとは…」

嬢勇者「次に手ェ出したら誰であろうとぶっ潰す! このアタシがまずは相手になってやるからよォー!」

勇者「嬢勇者ぁ……」

突然 階段から 勇者たちが 次々 店の中へ あがってきた!

ジーパン勇者「げっ! 結局先越されちまったみたいだぜ…ありゃあ……」

勇者「え……えぇ……う、うそだぁ……」

お姉さん勇者「どうだったの超激レア防具は?」

猫背勇者「ああ、しっかり出て来たらしいぜ。チクショー……最後に俺が攻撃を当ててさえいれば」

「ダンジョンには『えぬたそ~』たった一匹だったらしい」  「なんでもほとんで衰弱した状態で苦戦することはなかったそうな」

「ボスはじっと黙って攻撃を受け続けていたんだってよー」  「何だそれ。珍しいな、キャンペーンかなにかの雑魚じゃねーのか」

「俺後ろの方で見てることしかできなかったんだけど、凄く異様な光景だったよ。こっちは全員熱入ってるってのにさ、ボスはしくしく泣いてて」

勇者「あ、あ……Nが……」

「おい、例の防具を手に入れた勇者サマが上がってきやがった」  「あれ、あの人隣の町で『勇者ギルド』を作った勇者じゃないの」

水着勇者「やりましたねぇ、ギルド長! みんなウチらのこと見て悔しがってますよー!」

ガテン系勇者「コレで俺らの知名度がまた上がる感じっすね!」

マスター勇者「どうだろうかな……またコレで加入者が増えてくれれば喜ばしい事だが―――おや、キミは」

勇者「えっ……」

マスター勇者「やぁ、久しぶりだな。まさかこんな所で再び顔を合わせられるとは。…もしかして私を忘れてしまったのかな?」

勇者「いや……あんたは覚えてる……あの時いきなり殴っちゃってごめんなさい」

勇者「な、なぁ? 本当に奥にいたヤツを倒してしまったのか? 何か悪い冗談なんだろう?」

勇者「頼むからウソと言ってくれないか……」

マスター勇者「早々どうしたというのかね。キミも超激レア防具を狙っていた口か? それなら私がボスを倒して手に入れてしまったのだが」

勇者「    」

マスター勇者「申し訳ないけれど、大切な防具だ。譲るワケにはいかない……やれやれ、急いでダンジョンへ駆けつけ本当に良かったよ。あははは!」

勇者「ひっ……」

嬢勇者「あぁ! 勇者ちゃんどこ行くんだよォー? もうボスは倒されちゃったんだぞー?」

キミは いそいで 空いた階段をおりてゆき、『無課金ギルド』をめざした!

勇者「Nがあんな勇者どもに簡単に倒されるワケがない! アイツには『チート』だってあるじゃないか!」

勇者「きっと、倒されたのは影武者だったとか……そういうオチに違いない……そうであってくれ……」

勇者「Nが死んだら、僕はどう魔王と戦って行けばいいんだ……?」

エレベーター が ひらかれて 見えた通路は 大勢の勇者たちが 一気にはいりこんだせいか ひどく荒れていた!

その光景をかくにんして キミは さらに焦り、『無課金ギルド』への扉を ひらいた!

勇者「ひ、ひどいじゃないか……なんて荒れようだ……」

勇者「ギルドメンバーはどこにいるんだ? 双子の女神たちは? みんな、何処かへ身を潜めているのだろうか」

神父勇者「   」  勇者「お、お前は!」

そこには 神父勇者が 一人ぽつんと うずくまっていた!

勇者「しっかりしてくれ、神父勇者だろう? 一体何があったんだ…ココにいた勇者たちや女神はどこにいるのか教えてくれないか」

神父勇者「やはり課金勇者どもは悪なのだ…ヤツらこそ悪…おのれ、恨めしいぞ……」ブツブツ

勇者「お、おい……大丈夫なのか、お前……」

神父勇者「貴様だ。貴様がすべての原因なのだろう! 何が『幸運』の持ち主だ、貴様は私たちのギルドへ災厄を運んできたぞ!」

神父勇者「貴様のせいで……もう、終わりになってしまったじゃないか……全部が台無しだよ……世界は闇に染まってゆくしかなくなってしまったぞ……」

勇者「……み、みんなは」  神父勇者「皆、魔王に殺されたのだろう! 双子女神さまたちは行方がわからん!」

神父勇者「そして我らが主、Nさまは……うぅ」

神父勇者は キミへ Nがくるまっていた 布団を 見せた! 布団は もはやボロ雑巾だ!

勇者「ば、バカな……そんなワケがあってたまるものか……!」

Nの部屋 は 勇者たちのこうげきによって ひどい有り様と化している!

勇者「あわわわ……あわわわ……!?」

神父勇者「彼女は死んだ! その身を残すことも許されず、徹底的に痛めつけられた末 爆死したのだよ!」

神父勇者「それはとても愉快で爽快な光景だったぞwwwwwww録画したの見せてやろうかwwwwwww」

勇者「な、何だと……」

神父勇者「ぷぷぷ、愉快愉快……あー お腹抱えて息吸えないぐらい笑わせていただけましたとも」

神父勇者の ようすが どこかおかしい!

予定があえば今日の深夜につづきを書かせて

今日の9時以降から書きにあらわれます

勇者「冗談でも言って悪い事の区別ぐらいつくだろう。お前、Nをあんなに慕っていたじゃないか……」

勇者「遂に気でも違えたか! 神父勇者よ!」

神父勇者「私が? キチガイと? ダメですよ、勇者さま……口が汚すぎるな……」

勇者「き 貴様、さては何か企んでいたな!? 運営のスパイだったのか!?」

神父勇者「さてねぇ、あなたのご想像にお任せしますよ。憂さ晴らしに私の顔でも殴りますか? 仲間を召喚して殺しますか!?」

神父勇者「別にあの元女神を手にかけたのは私じゃないですけどwwwwww外の脳味噌腐れた勇者どもなんですけどwwwwww」

勇者「わ、ワケが分からんぞ……お前本当にあの神父勇者か……前々から変人だとは思っていたが……」

勇者「その豹変ぷりは異常すぎるぜ! まるで別人が乗り移ったような!」

神父勇者「あら、いまのは的を射ていたんじゃーないの 勇者きゅん」  勇者「まずはその人を舐めた態度を止せよ!」

勇者「『無課金ギルド』メンバー唯一の生き残りがこんなイカれた野郎だなんて……きっと混乱しているんだろう? 少し落ち着こうよ」

神父勇者「どこまでwwwwww人が良いのかwwwwww勇者きゅんは純情wwwwwwピュアピュアハートですなwwwwww」

神父勇者は キミを指差したかわらう!

どこからどうみても 正常な ようすでは ない!

神父勇者「クソワロタ!wwwwww」  勇者「や、ヤロー……一発ぶん殴ってやろうか!」

キミは 神父勇者の 胸ぐらを つかんで 拳をふりあげる!

神父勇者「――――――はっ……ゆ、勇者さま? ……いかがしたのですか」

勇者「舐めるな、クソボウズめ!」  神父勇者「ちょおっ!?」

キミのこうげき! 神父勇者を 力いっぱい なぐりとばす!

神父勇者「うぅ……ゆ、勇者さま……私が何をしたのです! なぜ私へ暴力を振るうのか!」

勇者「……やっと正気に戻ったようだな。これが『真なる勇者・必殺の正義鉄拳』だ!」

神父勇者「ですから なにを――――――痛いよぉぉぉ~!! 勇者きゅんが無実の僕を殴るよぉぉぉ~!!」

神父勇者「すぐ暴力に訴える人って最っっっ低。まるでキチガイ老害どもみたい! この人で無し!」

勇者「……お前、神父勇者じゃないな。一体誰なんだ? 正体を現わせ、卑怯者め!」

神父勇者「ゆ、勇者くんが……『殺したい』ほど『好きな魔王ちゃん』だよぉー……///」

勇者「お前が魔王だと……冗談も休み休みにしろよ、この野郎……」

神父勇者「信じるも信じないも全てはあなた次第ッ!」

勇者(まさか、Nが話していた魔王の『憑依能力』じゃないか? だとすれば、ヤツは神父勇者の体を乗っ取って……一体なぜ?)

勇者「バトルを挑むぞ、魔王っ……ニシカワアニキィー! 控えのゴミ、『ピザポテトくん』をただちに魔弾化しろ!」

ニシカワアニキ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」  ピザポテト「ミニストップ店員が俺にあだ名を付けなければこんな目にはぁ!」

ニシカワアニキのスキルはつどう! ピザポテトくんは魔弾化した!

キミは 『南斗人間大砲』を装備する!

勇者「人間大砲へ魔弾を装填したぞ……もし間違えていても僕を怨むなよ、神父勇者もどきよ! 貴様の冗談が僕にとって過ぎたものだったのが悪いんだからな!」

神父勇者「勇者きゅんカッコいいんですけどぉー!!」

勇者「魔弾を発射だ! 目標は『魔王?』へ、食らって滅びろ! お前はここで確実に殺す!」

南斗人間大砲 が 『ピザポテト魔弾』を 射出した! 弾丸は 目標へ 命中するまで 何者からの妨害をもふり切り 追跡しつづける!

勇者「たとえ魔王だろうと、この『魔弾コンボ』は防げまい! 当たるまで魔弾は勢いを殺さないのは既に嬢勇者でお試し済みさ!」

勇者「父さんに代わり、息子のこの僕が、真の勇者であるこの僕が、貴様を抹殺だぜ!!」

神父勇者「ほう? …………んぐぅーッ!?」

神父勇者は かいひ しようともせず 魔弾を そのみで 受け止めた!

勇者「やったか!?」   

神父勇者「     」

神父勇者は ふらりと 前から 床へ たおれて うつぶせに なった!

勇者「魔王は……本当に魔王かよく分からんが、仕留めたか?」

神父勇者「    」

ニシカワアニキ「アレ、さすがに生きてないやん。僕の魔弾は絶対やから」

勇者「ああ、息は既にないように見えるが……念には念をだ。勇者ですら魔弾を一発耐え抜いたからな……完全なトドメを刺して終わらせなければ」

台バンシィ「会いたかったぞ、ガンダム! この時をどれほど待ちわびたことか!」

キミは 『丸太』を 装備する! さらに『金獅子・台バンシィ』をよびだした!

キミのこうげき! 丸太を 上から 神父勇者へ たたきおろす!

神父勇者「    」メギョリ

勇者「……台バンシィ、初っ端からクライマックスでいくぞ! スキルを発動してヤツを細切れに変えてやろう!」

台バンシィのスキルはつどう! 最強最悪の『デストロイモード』へ ヘンシンする!

台バンシィ「アプデ入ってコンボ入らなくなったとか消費者舐めてんじゃねぇぞ外道バンナムがあああぁッ!!」

台バンシィのこうげき! アームドアーマーVNがうなりをあげる!

しかし 超振動する爪は 神父勇者を とらえていなかった!

台バンシィ「ガンダムが、消えた!」   勇者「はっ!?」

そのばへ 倒れこんでいた 神父勇者の姿が そこには いない!

勇者「やはりまだ仕留め切れていなかったのか!? ど、どこだ……どこに隠れた、魔王…………あれ」

キミの 『スタミナゲージ』 と 『精神力ゲージ』 が 視界から きえている!

勇者「な、ない! 僕のスタミナと精神力が ないぞ! 突然見えなくなるなんて事は一度もなかった! ど、どうしたんだ!?」

神父勇者「もしかして、勇者きゅんが お探しの物は コレですかな?」

勇者「ううっ!? お、お前……なんで……」

神父勇者の 両手には キミの 『スタミナゲージ』と『精神力ゲージ』が にぎられていた!

神父勇者「トドメを刺して完璧な安心を求めようとするその考えは嫌いじゃなかったぞ、勇者きゅん」

神父勇者「だが、我を相手にそう上手くいくワケないだろう。我は魔王ぞ。人の浅い知恵も行動も手に取るように読めるわ」

勇者(雰囲気が変わってやがる……もう、アレは神父勇者ではないぞ……化物の『ソレ』だ! 邪悪なオーラが僕にも見える)

神父勇者「どうしたのかね、勇者きゅん。戦慄しているように見えるのだが? ピクリとも足を動かせずにいるじゃないか?」

勇者「あわわ、わわ…………!」

神父勇者「クックック! 所詮貴様ごとき勇者が我を前にするのは100億年以上早かったというワケだな。何が『真の勇者』だ、バカらしい」

神父勇者「それにしても、言われて気付いたぞ。お前はよく父の若かりし頃にそっくりさんじゃないか」

勇者「はっ……」   神父勇者「比べてゲス度は少なそうだが」

神父勇者「あの親からコレが生まれるか。人間も奇妙な生き物だ。そして、子が我へ剣を向けることになるとは思いもしなかったわ」

神父勇者「ヤツのガキだという時点で貴様は我の手によって始末される価値はある。親によぉーく感謝しておくのだぞ……」

勇者「う、う」

勇者(げ、ゲージが、僕の二本のゲージが……どんどん減少している……ヤツに握られているだけで!)

神父勇者「ほれほら、貴様のゲージをしごいてやろう! 気分はどうかな!」シコシコ

勇者「ひぎぃ…!」

勇者「…………ま、まおうよ……いい気でいるな……僕はかならずお前を殺すぞ……はやくトドメをさしてみろ……」

勇者「ふ、ふん! しょせん、お前ていどの小物に……僕を殺せはしないだろうがな……!」

神父勇者「見栄を張るなよ、三下勇者め」

神父勇者は キミの『スタミナゲージ』と『精神力ゲージ』を こなごなに粉砕した!

勇者「     」

キミは 廃人と 化してしまった !

勇者「ぁ……ぁぁ……」

神父勇者「めんごめんごwwwwwwつい力んじゃったのwwwwww」

神父勇者「……貴様ら勇者が持つそのゲージは非常に大切なものなのだ。魂が露出しているも同然だよ」

神父勇者「こうして破壊されれば正気ではいられんだろう。垢BANされずとも無気力なニート以上な『廃人』へ堕ちる」

勇者「ぇ……ぅぇぇ……」

神父勇者「始末するとは言ったが、勇者きゅんがあまりにも吠えるからな。考えを改めさせてもらったよん」

神父勇者「まだ助かれるぞぉー勇者きゅーん! 貴様の女神に救ってもらえればの話だがよぉー!」

神父勇者「勇者きゅんは我にいっぱいお金貢いでくれるからね、これからも頑張って課金してくれたまえ」

神父勇者「無駄な投資をお願いいたしますぞwwwwww」

勇者「ぁぅぁぅぁー……(^q^)」

神父勇者「我を殺せるものならば、殺しに来てみろよーwwwwww期待しちゃうからね、勇者きゅーんwwwwww」

神父勇者「いやー……勇者きゅんは運がいいなぁー……頑張ったら我のボディにしてあげるからね。楽しみね」

神父勇者「ばいばい、勇者きゅん (´∀`)ノシ」

神父勇者は その場で どさり と きをうしなって 倒れた!


キミは 魔王に 敗北 してしまった!


勇者「ぁぅ、ぁ……ぉぉ……」

嬢勇者「勇者ちゃんここにいるのかぁー! おぅーい――――――勇者ちゃん?」

勇者「ぁぁ……ぁ……」

嬢勇者「な、何だよコレ!? 廃人になっちまってるじゃねェーかよ!?」

猫神女神「垢でも焼かれてしまったのかにゃん? 随分マヌケな姿に変わり果ててしまって」

嬢勇者「い、言ってる場合かよ……そこの勇者は……と、とにかく外へ運ばなきゃ……」

キミは 嬢勇者たちの手で 外へ はこばれていった!

キミは 嬢勇者の家のベッドに よこたわる!

勇者「ぁぅ…ぁ……」

嬢勇者「勇者ちゃんこのままだと死んじゃうんじゃねーか? なぁ、どうするんだよコレ!? 婚前から要介護なんて洒落にならねェ!」

猫耳女神「どうするもこうするもにゃん。きっと運営へ逆らうような真似をしてしまって現在に至るのにゃん」

猫耳女神「それを助けるなんて無理だし、諦めて他の男の子を探すべきかと…」

嬢勇者「嫌だ! アタシは勇者ちゃん以外の男になんて絶対に靡かねェー! いくらでも課金してやる、助けろよォー!」

猫耳女神「ニャーはそんな力持ってないし。大体所詮他人事にゃよ、ぶっちゃけどうなろうと困らない」

猫耳女神「そこの哀れな勇者は残念ながら、ココで『リタイア』にゃん。コレが運営に逆らった者の末路なのかにゃ…」

嬢勇者「勇者ちゃぁぁぁんっっ!! 正気に戻ってアタシを抱きしめてくれよぉぉぉ!! うわああーんっ!」

神父勇者「う、うう……ココは……な、なんだこのHPの減り具合は……一体私に何をしたのだ!?」

嬢勇者「知らねェーよぉ! お前こそアタシの勇者ちゃんに何しやがったんだよぉ!」ガシッ

神父勇者「は、はぁ?」

「勇者、ココにいたのですか。探しましたよ……私の勇者よ……」

キミ の 目の前に 女神が 瞬間移動して すがたを あらわした !

勇者「ぁぇ……ぉ……」   

女神「ああ、可哀想に。言葉を話す事すらままならぬのですね」

女神「なんて哀れな姿へ変わり果ててしまったのでしょうか。いつもならば爆笑モノですが……!」

嬢勇者「雌豚女神、テメー……主がこんなになってるって時に何処ほっつき歩いていやがった!」

女神「今回ばかりは全て私の責任ですわ、勇者よ。謝っても謝りきれません……本当に、本当に申し訳ないことを……!」

勇者「ぁぅ……」

女神「資産を全て私へ託す? よ、止しなさい 勇者……えぇ、ハンコも……あなたはどこまで私が大好きなのですか、勇者……!」

神父勇者(ド畜生女神……)

嬢勇者「テメー、どこまで頭イカれてやがるんだよ! この勇者ちゃんを前にして言う台詞なのか!」

女神「いえいえ、今のは私と勇者との間にあるお決まりの挨拶みたいなものですよ。雌豚はせっかちで困ってしまいますわね」

猫耳女神「ていうか『私の責任』とはどういう意味かにゃん?」

女神「ええ、正直に話させていただきましょう。丁度ギルドメンバーもこの場に居る事ですし」チラ

神父勇者「わ、わたしか? 女神さま、私には今回何が起きたのか分かりません……気づいたらこの部屋で目覚めていて……」

女神「神父勇者よ、あなたは魔王へその身を乗っ取られていたのですよ」

神父勇者「えっ」

女神「まさか魔王がこの付近まで移動していたとは思いもしませんでしたが……考えてみれば当然でしょうか。彼奴は運営の支配者・ゴッド女神なのですからね」

猫耳女神「魔王がゴッド女神さまって何にゃん。今日は四月バカの日じゃなにのに」

女神「事実です。すぐには受け止められないとは思いますが、お願い、私を信じて」

猫耳女神「それだけは絶対無理な話かにゃ」

嬢勇者「そんな事はどうでもいいんだよ!」  神父勇者「いや、かなり重要では…」

嬢勇者「テメーが余計なことして勇者ちゃんを廃人に変えちまったのか!? あぁ!?」

女神「結果的には……そうでしょうね。私が勇者を。間違ってはいないでしょう」

女神「そして、『無課金ギルド』を壊滅させ、双子女神たちが地下帝国送りへなってしまったのも私のせい」

女神「Nさまの死も……然り、ですわ」   神父勇者「なん、だとぉ」

神父勇者「き、貴様ぁ!! 今何と言ったのだ!! えええ、え、Nさまが……し、しっ……」

女神「そうです、神父勇者。元ゴッド女神であり無課金ギルドの長、Nは死にました」

神父勇者「うそだぁああああああああ!?」

神父勇者は がくり と うなだれた!

猫耳女神「ニャーにはさっぱり話が理解できないのにゃん。無課金ギルドって? Nさま? それが元ゴッド女神?」

猫耳女神「ゴッド女神はただ一人でしょう! ニャーたちの主は今も天界にて人間界の危機を案じていらっしゃるのにゃん!」

女神「猫ビッチめ、骨抜きにされたか……あなたたちへの詳しい説明は後にさせていただきますわ。ややこしくなり本題から離れるワケにはいきません」

神父勇者「本当に……本当に我らギルドは、Nさまは……バカな……この、クズ女神め!」

女神「ごめんなさい。憎むのならば遠慮なくどうぞ。騙され、姉さんの脅しに屈した私こそが全ての原因なのですから」

神父勇者 は 女神へ なぐりかかった! しかし 直前で 拳が 女神のからだを すりぬける!

神父勇者「く、くぅっ……!!」   

女神「人間では私たち女神へ危害を与えられませんよ、神父勇者。私が堕ちない限りは」

女神「魔王を滅ぼした、その後に、相応の罰を甘んじて受け入れましょう……それしか償い方が思いつきませんよ……」

嬢勇者「テメーがどう罪を償うとかはいいわボケナス! まずは勇者ちゃんに謝りやがれ! テメーが勇者ちゃんをこんな目に合わせたのなら!」

勇者「ぁぅぅ……ぅぇ…」

女神「廃人。おそらくは魔王の仕業か……垢BANを受けてはいないようですね……何か別の方法で」

嬢勇者「き、聞いてるのか雌豚女神がよォー!!」

女神「あなたがどれ程このアホ勇者へ好意を持っているのかは知りませんが、心配な気持ちは私も同じですよ」

女神「謝るのはコレを正気に戻した後にさせていただきます! ですから今は耳元でキーキーと騒がないで欲しいですわ!」

女神「Nさまが消えた今、もはや運営の力に頼らざるを得ないですかね。ですが、魔王へ直接懇願するのは癪…と頑固になっている場合ではない」

忍女神「……ふん、その様な面倒をせずとも、他に方法はあるであろう。女神ちゃんよ」

女神「はっ!? し、忍女神ちゃん……」

嬢勇者「おい、女神ってどんだけレパートリー豊富なんだよ」  猫耳女神「ニャーが担当な時点で色々察して欲しいのにゃん」

女神「私を着けていたのですか、忍女神ちゃんよ……ゴッド女神からの命令でしょうか……」

忍女神「案ずるな、拙者はいま彼奴らの目から離れている。拙者の能力は完全なる隠密。運営といえどもすぐには気付けぬだろうよ」

女神「安心させておいて、どうせ私を泳がせているつもりでしょう? もう騙されませんわ!」

忍女神「……そこの、横たわっている女神ちゃん勇者を復活させる方法だ」

忍女神「以前、N殿とやらにハックされた覚えがあるだろう。その時女神ちゃんは勇者のアカウントを別に用意して回避した筈で候」

嬢勇者「つまり別垢ぁー?」   忍女神「そう。現在の勇者のアカウントは予備の物よ」

女神「ま、まさか……」

忍女神「気がついたか。N殿が消えたいま、本アカウントへ戻しても問題はないのだよ」

忍女神「コレを利用すれば、お主の勇者の『スタミナ』『精神力』は本アカウントのものが適用され、廃人から脱せられるだろう」

忍女神「……無論、コレについてはゴッド女神もとっくの昔にお気づきだろう。最初から女神ちゃんは試されていた」

忍女神「拙者はそう考えている。もし、お主がココで勇者を見限ったとしても何とも思わなかったであろうが」

女神「見限るものですか、コレは私のお財布ですよ! 誰が喜んで私財をドブへ投げ捨てたままにするものですか!」

女神「魔王を倒す為にも…私の汚名挽回の為にも……勇者にはココで立ち上がってもらわねばなりません!」

女神は キミの アカウントを 以前のものへ もど・・・

女神「あっ、というかこの方法だと今までの勇者のステータスや仲間たちが」

忍女神「仲間は、彼らにお手伝いしてもらえばよかろう。丁度フレンドの勇者が一人。残りの神父勇者は違ったが」

嬢勇者「アタシが勇者ちゃんの仲間をアタシのゴミと交換して、一時的に預かればいいってことか? そんなのお安いご用だわ!」

忍女神「ステータスについてはどうしようもあるまい。また途中から上げるしか手はない」

女神「い、いえ……仲間だけでも十分ですわ……雌豚、どうかお願いしますね!」

嬢勇者「雌豚言うんじゃねェーよ! 雌豚ぁ! ……アタシだけじゃ時間かかるし手持ちのゴミが足りねェ。おい、ボウズ。テメーも協力しろや」

神父勇者「なんだと……仇の女神が付く勇者を、私がなぜ助けてやらねばならんのだ!? 随分調子が良い話じゃないか!?」

神父勇者「なにが『超勇者級の幸運』だ、こんなクズを貰った貴様は『不運』だったな……!」

女神「し、神父勇者……どうか、どうか今だけでもお願いします……彼を救うと思って……」

神父勇者「黙れ!」   女神「Nさまが悲しみますよ…あなたのお心の狭さに…」

神父勇者「…………たしかに、Nさまならば、何者にも手を差し伸べている」

神父勇者は キミへ フレンド登録希望メッセージを おくった!

ハックされたえいきょうか キミは 自動的に 神父勇者を フレンド とした!

女神「Nさま、あの時のチートは結果的に勇者を助けているようですよ! さぁ、どんどん勇者から仲間を奪ってゴミを送るのです!急いで!」

嬢勇者「勇者ちゃんにアタシのいらないゴミをー!」  神父勇者「ゴミをくれてやる! ありがたく思うがいい!」

勇者「ぅぁぁ……ぁぅぁ……」

お風呂入ってあがったら続ける(^ν^)

勇者「ぉぇぅ…ぃぅ…ぁ…」

女神「さぁ、皆さん。勇者にゴミを全てのゴミを送り終えましたか! 今なら処分に困っている仲間を放棄できるチャンスですよ!」

神父勇者「仲間は回収し終えたが、武器や防具がまだじゃないだろうか」

嬢勇者「あっ……アタシは装備の交換は無理だぞ。アタシ自身一つも所持してねェーんだわ」

神父勇者「どういう考えで一つも持たずにいられずにいたのでしょうかねぇ。分かった、少なくはあるが必要そうな分は私が交換しておこう」

女神「よろしいのですか、神父勇者よ。あなたはただでさえ無課金を貫く勇者。ゴミともいえど、失えばこの先苦労することに」

神父勇者「……ふん、どのみちギルドを失った身よ。女神も従えていない私にこれから勇者として再起する事は難しいだろう」

神父勇者「良い機会だと思い、私はココで勇者を『ドロップアウト』させていただく。これからは本職の方へ専念するよ」

神父勇者「ただし、クズよ。私がこれまで所持していた物を失ってまでそこの勇者を復活させてやるのだ。それ相応の活躍はしてくれ!」

神父勇者「死に逝った同士たちの為にも、Nさまの為にも……!」

女神「ええ、かならずや魔王を討って参りますわ。感謝しますよ、神父勇者……無課金を、私は侮っていたみたいですね……」

女神「これからは人間たち相手にお金を大量にお布施させるのですよ……あなたならば、老人たちを言葉巧みに操り、回収できるでしょう」

神父勇者「人を生臭坊主のように言うんじゃないぞっ…!」

女神「お陰さまで無事勇者の仲間たちの移動が済みましたよ。それでは今から、『勇者復活の儀』を執り行わせて頂きます……」

女神は キミの アカウント を 以前の アカウントへ 戻した!

嬢勇者「仰々しいこと言ってやる事は随分簡単じゃねーか。でも、これで勇者ちゃんは廃人から立ち直ってくれるワケだよな!」

嬢勇者「勇者ちゃん、アタシだよ! 勇者ちゃんが結婚してくれって言ってくれた嬢勇者ちゃんだぜ!?」ガシッ

女神「雌豚が図々しいことを……勇者、私の勇者よ、私の声が聞こえていますか?」

神父勇者「コレで失敗したとなれば最悪な結果となるが、そこの女神! 本当に貴様の言葉は信用できたのだろうな!」

忍女神「間違いはないで候。拙者もココでいじわるをする悪趣味は持ち合わせてはいない」

忍女神「しかしな、女神ちゃんは良いとして、その他キミらの存在を そこの勇者は記憶に持っていたない事だろうさ」

女神「え、えぇ? ど、どういう意味でしょうか それは一体……」

忍女神「『アカウント』とは即ち、それまでの冒険の記憶をセーブする為のものよ。では今まで使っていたサブ垢から本垢へ何の処置なく映せばどうなる」

忍女神「たとえ、仲間や装備を持ち越せたとしても、サブ垢で経験したことまでは移せぬということだ。経験とは記憶なり。勇者会員になるとは同時に運営へその身全てを差し出すことと同然よ」

嬢勇者「は……はぁ……? つ、つまり 勇者ちゃんはアタシのことを知らない状態へ戻るってことか!?」

女神「勇者がサブ垢へ移った日は、確か……チートによって『てつをRX』を奪われていた……眼鏡勇者との対決の前でしたっけ」

女神「コレは色々説明が面倒になりそうな…!」  嬢勇者「そういう問題じゃねーよ!」

嬢勇者「ゆ、勇者ちゃんがアタシとの思い出を失っているだって……冗談きついぜ……い、いやだよぉ……」

猫耳女神「でもたった二日間の思い出にゃん?」   嬢勇者「それだけでも十分だろうが!」

嬢勇者「勇者ちゃん……そんなぁ……」

勇者「―――――――――……う、うう」

キミは 意識を とりもどしはじめた!

女神「勇者、ああ、私の勇者が戻ってきましたねぇー!」

勇者「女神じゃなかい……そのムカつく笑顔が目覚めてすぐ見えると鬱になりそうだ」

女神「抱きついても良いのですよー! 一回5000円からで!」  勇者「うおおおぉっ、言う前にお前が既に抱きついてきてるじゃねーか!」

女神「良いのです……コレで良いのですわ、勇者……お金は後払いで構いませんからね……」ギュゥゥ

勇者「ふざけるなよ!? だ、大体お前今まで何してやがったんだ! 大事なときに…僕は魔王と戦っていたんだぞ…」

女神「えっ」

嬢勇者「ゆ、勇者ちゃん……はじめまして……アタシ、勇者ちゃんの婚約者の嬢勇者ちゃんっていってな…そのぅ」

勇者「お前にいつ僕が結婚の約束を取り付けたのか言ってみろタコ!!」

嬢勇者「ええっ……覚えているの、アタシのことを……?」

勇者「何をバカなことを言い出すんだ、嬢勇者よ。いや、さっきもだけれどさ……!」

神父勇者「コレはまさか。忍女神、貴様が話していたことは確かだったのだろう? だが、この有り様は一体どういう」

勇者「神父……いや、魔王か! 貴様はッ! ココでぶっ殺すッ!」  神父勇者「はぁ!?」

キミは 神父勇者へ なぐりかかろうとした! しかし 女神が キミを とめた!

女神「お、落ち着きなさい 勇者。彼からはもう魔王は抜けた後ですよ……魔王は既に帰りましたから……そ、それより」

忍女神「…どうやら記憶が、引き継がれているようで候。なぜだろうかな、彼が持つ『幸運』とやらの力か」

忍女神「または ゴッド女神の計らいか」

嬢勇者「どうでも良いんだよ、そんな意味不明な話はさァー! 勇者ちゃん好き好き愛してるから結婚しよーぜ」

勇者「やっぱウゼーなこの雌豚! ……それより、ココは何処なんだ? 僕はさっきまで魔王と無課金ギルドの集会所で」

女神「勇者よ、あなたは魔王に敗れてしまったのですよ。ココはそこの雌豚のハウスです。ほら、家畜の臭いがプンプン漂っていますよね」

勇者「嬢勇者の家? な、なぁ、記憶があやふやなのかな…僕は魔王に負けて、どうなっていたんだ…何がなんだかだよ!」

忍女神「まぁ、一旦気を静めるで候。お主は今まで廃人と化されていたのだ。二本のゲージを破壊されたことによってな」

忍女神「そこの女神ちゃんによく感謝しておけよ。彼女でなければお主を救えなかっただろう」

勇者「お前が僕を助けた? た、頼んでいないんだから金は払わない……」  女神「うわっ、どこまでも失礼な勇者ですね!!」

キミは 嬢勇者たちから 仲間と装備を かえしてもらった!

神父勇者「装備に関しては私の方でも補いきれない物があった。必要そうな物だけは確保しておいたつもりだが」

勇者「……本当だ、少し武器が減っている。だけど元々ゴミ同然のヤツだったし問題はないよ。ありがとう、神父勇者」

神父勇者「ところでキミに殴られた記憶が私に残っているのだが。それは…」   勇者「『魔王』なら殴った」

忍女神「ステータスの方はどうで候。記憶が引き継がれているのならば、可能性も無くは」

キミは じしんの ステータス値をかくにんした!

勇者「数値が減っているじゃないか……スタミナも精神力も、HPまでも……?」

女神「ステータスはダメだったみたいですかね。ですが、元に戻る事ができただけ良しとしましょう 勇者」

勇者「良しとできるものか! コレでは一からやり直し同然じゃないか、僕はまたレベルを上げ直さなければいけないのか!?」

勇者「魔王は僕の想像を遥かに凌駕する域だったんだぞ……それにこれからフィールドを歩き回るのにもこのスタミナでは足らな過ぎる」

忍女神「それについては『課金』という方法でどうにでもなろう。スタミナも、レベルアップの為の経験値は 課金アイテム『経験値アップ魔法薬』を服用すれば」

勇者「魔王にまた金を渡せというのか!? それじゃあ魔王の思うがままじゃないか…」

勇者「だ、大体お前 忍女神よ……なぜお前がこの場にいるんだ……アレから天界で何をしていた」

忍女神「お主にそれを報告する筋合いもあるまいて…」

忍女神は キミに近づき 耳打ちする!

忍女神「勇者、今回ばかりはお主の『幸運』とやらで魔王からも見逃されたようだが。これからはそう上手くは行かぬだろうよ」

勇者「お前、まさかゴッド女神が魔王と…」

忍女神「とにかく今はお主に拙者の現状は明かせられん。くれぐれも注意せよ、お主の幸運と女神ちゃんの幸運があろうと」

忍女神「それだけで魔王を滅ぼすことは不可能なのだ」

女神「忍女神ちゃん、勇者に何を吹き込んだのですか。私の勇者はそう簡単に靡きませんよ」

忍女神「……女神ちゃんよ、拙者を、信じていてくれ。拙者の味方はもはやお主らだけだろうから」

女神「なにを――――――ああっ」

忍女神は 次元の裂け目へ とびこみ 天界へもどった!

勇者「……アイツ、何と言った? 僕と女神の幸運だと?」

嬢勇者「そうめげる必要ねェーってば勇者ちゃん! だって勇者ちゃんには結構強い仲間もあるし、武器も防具だって!」

勇者「その仲間や装備を完全に信用していいかだよ。よくよく考えてみると、コレらは全て運営が用意した物なんだ」

勇者「アップデート?…それによって性能を上げ下げできるならよ、つまりその気になれば僕らから取り上げることだってできる」

勇者「最悪全国の勇者が従えている仲間が暴走させられたら? みんな成す術なく、かつての仲間たちに殺されてしまうぞ!?」

嬢勇者「勇者ちゃんが言ってることアタシ全然理解できないよー」

勇者「……女神!! そこのところどうすればいい!!」

女神「考えてもいませんでしたわ……」   勇者「だろうな、期待した僕が悪かったよ!」

女神「ですが、勇者よ。まだ希望を捨ててはなりません。『漆黒を纏いし者・しげる』を手に入れましょう!」

女神「その仲間はきっと魔王の力から逃れるヒントへなるのだと、Nさまも仰っていましたから」

神父勇者「え、Nさまが……そう言ったと……本当なのか!」

勇者「だけど、Nが提供してくれたガチャや合成釜はもう使えないだろう。運営の課金アイテムでは信用ならんぞ」

勇者「何度ガチャを回せばソイツは手に入るんだよ!? どうなんだ、女神よ!?」

女神「そ、それは……私にも……そのぅー……わからないかな~、と」

勇者「ただでさえ狙った仲間が出てくる確率が滅茶苦茶低いというのに、どうしろっていうんだよ……」

嬢勇者「じゃあアタシらも協力すれば良い。そうでしょ? なぁ、猫ビッチ?」

猫耳女神「はぁ? どうしてワケの分からないことへニャーたちが協力する必要があるのにゃ」

猫耳女神「ていうか、なんだかコイツら得体が知れなさ過ぎるにゃよ! さっきから意味不明にゃ!」

猫耳女神「もしゴッド女神さまへ立て突く気ならば、ニャーはこの話を上へ報告(ry」

勇者「そんな事をすればお前をまずは始末するぞ!」  女神「また縛り上げられるのがお望みですか。次は海へ投げますよ」

猫耳女神「にゃんという過激にゃ……」

嬢勇者「アタシだって許さねェーぞ。勇者ちゃんがしようとしてる事が間違っているワケねーんだ。それを邪魔するならアンタの勇者やめるわ」

猫耳女神「だ、ダメ! それだけはダメだもん! ニャーが路頭に迷っても良いの!?」

嬢勇者「じゃあこの件に関しては黙認の方向でな、可愛いアタシの猫耳ちゃん」

猫耳女神「ぐ、ぬ、ぬぁ……」

神父勇者「……勇者、私にも手伝わせてくれまいか。Nさまが言い残した言葉を聞いては放ってはおけません」

勇者「だが、お前は勇者をやめるんだろう? 本職の方へ専念する筈じゃ」

神父勇者「問題ない。コレでも私はできる男さ、ただし そこのクズ女神へ協力してやるワケではないぞ……そこを勘違いしてくれるな!」

勇者「クズ女神……いや、確かにクズである事には違いないが。急にどうした? なぁ?」

女神「あ、いえぇ……それについては……後ほど、しっかりお話させて頂きますから……」

女神は キミと 視線を あわせようとしない!

勇者「……ふむ、じゃあそうして貰おうかね(なるほど。大体想像はついたぞ)」

キミたちは 嬢勇者の家から 出た !

神父勇者「……それでは、私はここで去らせて貰うよ。勇者、今回の件はキミやクズ女神が原因ではない」

神父勇者「この私自身も原因の一つなんだろう。私がもっと慎重であればこのような事態を招きはしなかった筈なんだ」

勇者「自分を責めたってギルドもNも帰ってはこないよ。僕らは前へ進むしかないんだぜ、神父勇者」

勇者「そりゃあ心配だって、問題だって山ほどあるけれど、それでも僕たちが『勇者』であるのならば 世界を救いに行かなければ」

勇者「全ての原因は『魔王』なんだ。誰のせいでもない、あの野郎がNを殺った! 事実はそれだけだよ……!」

勇者「Nの思いを汲む為にも、このまま破滅に向かっている人間の為にも、魔王を倒そうじゃないか。勇者として」

神父勇者「私はもう勇者ではありませんが……」

勇者「僕の父さんが昔話してくれたよ。『勇者』なんて称号は本来初めから与えられる物なんかじゃない、相応の働きをしていれば勝手に付いてくるものなのだー!」

勇者「…僕はお前が勇敢な精神の持ち主であることを知っているよ。僕がお前を勇者として認める。たとえ勇者会員でなくても!」

神父勇者「そうか、そうですか……救われましたよ、勇者……ありがとう」

神父勇者「キミのこれからの旅に幸多きことを祈っていよう。困った時には是非私へ連絡してくれたまえ、コレ 私のラインのIDだ」

勇者「携帯電話もってないんですけど」

神父勇者は キミに別れをつげ、去っていった!

勇者「去り際までは完璧だったはずなのに……!」  女神「勇者もスマホ買いましょうよ。地図アプリ便利です」

嬢勇者「勇者ちゃん! 勇者ちゃんは、この町を出て行くのか……?」

勇者「ああ、いつまでも同じ所へ居るワケにはいかないだろう。ココは僕の故郷じゃないしね」

女神「ぶっちゃけ宿代嵩んできただけですよねぇ」  勇者「やかましいぞ…」

嬢勇者「住む所がないのなら、アタシの家に来たらいいじゃん! 行っちゃやだよぉー!」

勇者「そういうワケにもいかないよ。気持ちは嬉しいけれど、僕は勇者だ。魔王もきっと僕が来るのを何処かで待っている」

勇者「借りを返しに行かなきゃ……今度こそヤツの鼻っ柱折ってやるぜ」

嬢勇者「じゃあアタシも勇者ちゃんの旅に付き添わせてくれよ! それなら良いだろ! ……なんて」

嬢勇者「ワガママ言って勇者ちゃんを困らせるのは悪ィよな。アタシがいたらきっと迷惑になるでしょー♪」

嬢勇者「だ、だがらね゛っ……? ま゛お゛ー だお゛じだら、また ごの゛まぢに戻ってぎで……勇者ぢゃん゛…!」ポロポロ

勇者「泣くなよ、化粧崩れて雌豚に白紙がつくぞ 嬢勇者よ」

勇者「きっと戻ってくるさ! また会えなくなるワケじゃないんだから、一々泣くなよぉー!」

嬢勇者「う、うん……じゃあその時までに結婚のこと考えておけよ……」

勇者「か、考えておこうかね……誰も好きな人できなければね……」

勇者「それじゃあな、嬢勇者。そしてその女神の猫耳よ。僕たちはきっと魔王をぶっ殺して帰ってくるよー!」

嬢勇者「ちゃんと考えておけよな!? 絶対だからな!? ……あっ、『例の仲間』について分かった事があればすぐにメッセージ送るからな!」

嬢勇者「勇者ちゃんお達者で~~~!!」ブンブン


嬢勇者の あつい見送りに キミは失笑しながら 町の門をくぐった!


勇者「…色々歪んじゃいたけどよー、あの嬢勇者も本当は良いヤツだったんだよな。できれば違う形で出会いたかったよ」

勇者「さて、女神よ。これから僕たちの旅は再スタートって感じだ。目的も明確になった、方法はよく分かってはいないが」

勇者「この分だと近いウチに『真の勇者』へなれてしまうかもしれんぞ! 魔王は僕を気に入ったようだし、ヤツを倒すのはこの僕しかいないだろう!」

女神「あなたのその無駄な前向きさは一体どうなっているのでしょうかね。さっきまでは散々文句を言っていたというのに」

勇者「アレは起きて突然あんな話をされれば誰でもああなるだろう。それから、言い忘れていたけれど、ありがとう 女神」

女神「え゛っ キモい…」  勇者「は!?」

女神「勇者が素直に私へお礼を言うなんてありえませんわ……気持ち悪い……おええっ……!」

勇者「僕の『ありがとう』を返してくれないか」

勇者「なぁ……クソ女神よ、僕は何だかんだで お前から『二度も』命を救われているんだ。ここは素直に礼を受け取っておけよ」

勇者「金を払えという形では感謝を返せないが」   女神「私そこまで金の亡者ではありませんわ!」

勇者「とにかくお前がいなければ今回も僕はヤバかったことだろう。これからも助けろよ、無償で」

女神「……いえ、その……今回はまず私のせいで 勇者がヤバくなったと考えていただいてよろしいかと」

勇者「わかった。それじゃあ話を聞かせてもらおうかね、丁度話の邪魔になるヤツらもいないことだしさ」

女神「ど、どうか 怒らずに聞いて……ううん、やっぱり怒ってくれて構いませんわ……全部私が悪いのですから」

女神は キミへ 自分がなにをしたか そして なぜ今回のじたいを ひきおこしてしまったのか 涙目で 説明しはじめた!

勇者「そうか、お前があの『黒女神』に脅されてやってしまったのか。まぁ、大体そんな感じだろうとは予想していたよ」

女神「それ どういう……コホン、魔王は私たちへ忍女神ちゃんを追跡させていたようでした。ですから『無課金ギルド』へ入ったことも向こうへ筒抜けで」

勇者(忍女神だと。アイツの立ち位置本当にどうなってやがる。味方か敵なのか。信用しろとは話していたけれど…)

女神「私がしっかりしていればこの様な結果は起こらなかったでしょう。最初から勇者のあとをこっそり付けなければよかったのです」

女神「雌豚なり役立たずなり貧乏神なり好きに罵ってくださいな……今だけは黙って勇者が言うどんな罵声だろうと受け止めますわ……!」

勇者「クズ!ゴミ!金の亡者!死んじまえ!」  女神「ぐふぅ…!!」

勇者「よぉ、足りないならもっと言ってやらんでもないぞ。お前へ言ってやる言葉はいくらでもあるぜ!」

女神「も、もう十分でしょう……十分足りていますから……」ピク、ピク

女神「私は、私が全てを台無しにしました……『希望』を摘んでしまったのはこの私ですわ……」

女神「どんな罰だろうと受けましょう。ですが、命を絶つのは魔王を倒した後でお願いします! 何でもしますから!」

勇者「そんな調子良い事言おうが、僕にはお前が逃げ出した未来しか見えんぞ」

女神「ウソではありませんよ! 私だって責任を感じています! Nさまは、こんな下種の私を最後まで信じていてくださったのです!」

女神「そんな純粋なお気持ちを裏切ったのですよ、私は! どうしようもないクズでしょう! ならばせめて、クズから脱却したい!」

女神「その為にも魔王をかならず討ちたいのですわ……本当に、何でもします、勇者……ですから、今だけは」

勇者「本当に何でもするんだな? いまそう言ったんだな? 僕はしっかり聞き届けたぞ!?」

女神「うっ……」

勇者「じゃあ今まで通り僕の『力』になってくれ、女神よ。あとはな、最後まで僕だけは裏切ってくれるな」

女神「だ、抱かせろとか言わないのですか…///」   勇者「なんてハレンチな女神だ!」

勇者「お前はな、どうしようもなくクズでゴミな女神だが、それでも僕はお前を一人の大切な仲間だと思っているぞ」

勇者「だからこそお前を信じさせてくれ。お前だけは何があろうと、起ころうと、僕の味方であると」

女神「えっ、勇者のくせに……」  勇者「は?」

勇者「……女神よ、今はお前が起こした件について攻め立てはしないし、触れずにいる。それが良い関係を築くベストな方法だろう」

勇者「だからと言って甘やかす気はないからな。罪は罪だ、よくその腐ったハートに刻みこんでおけ」

女神「はい……」   勇者「それから」

勇者「張り切って世界を救いに行こうぜ、女神。だから今はメソメソしている場合じゃねーぞ!」

女神「は、はいっ……今の台詞軽くイラッときましたけれど、私も頑張りますね! 勇者よ!」

勇者「僕に対する態度も改めろって命令も付け足しておこうかね」


キミの 反撃の旅が いま はじまったようだ !

切りいいし、とりあえずここまで
続きは今日の昼から書けたら。夜は用事があって次の日まで帰ってこれそうにない

こっちに移ってからグダグダで申し訳ない。でもそろそろ完結の兆しが見えてきた

続きは明日の夜からに変更する、すまぬ…(^ν^)

ちょいとゴタゴタしてて続き書きにこれなかった
今日の夜からはいつも通り書いてくよ

すこし待っていて。0時はすぎない

勇者「この魔物、体力値の桁間違えちゃいないだろうか……」 → 『HP:129/188』 『精神力:25/96』

ウイダーinスライム「様々なシーンで、あなたのイキイキとした毎日をサポートします」 → 『HP:109750/120000』

女神「勇者よ、お聞きなさい。あのスライムを倒せば良い回復薬に代わる『お助けアイテム』をドロップするようですよー」

女神「しかも仲間の合成素材にも使える万能アイテムですって! 素敵ですわ、これは目から鱗って感じでしょうか!」

女神「まぁ、10秒以内に仕留めねば入手不可らしいですがね。つまりもう遅いというワケですよ、フフ」

勇者「お前は僕を助けてやろうという気持ちがあるのか!?」  女神「ですからこうして丁寧に教えてあげたでしょうに」

勇者「じゃあ遅いと思う前には教えろバカ!! ……つまり、今コイツを倒しても得る物はないんだな」

女神「うーん、経験値は入るし 一刻も早くレベルを上げたいのでしたら倒した方が良いのでは?」

勇者「そりゃそうだけれど、こんな魔物一匹に時間を掛けているワケにもいかんだろう。これなら別の奴をちまちま倒した方が効率良いし」

女神「げぇ、出た 効率厨! 私の勇者はつまらない効率重視の人間へ変わってしまいましたか」

勇者「魔王の元へさっさと辿り着く為にだろうが!! 僕は遊びで魔物と戦っているんじゃねぇ!!」

女神「はいはい。……というか、今の勇者の『精神力ゲージ』では倒す前に底を尽きてしまうのではないかと」

勇者「そうだ。だからこそ効率が悪いと言ったのだ。ようやく気付いたか アホの女神め」

勇者「まぁ、最も僕の例の『仲間のスキル』と『武器』のコンボを使えば あんなのイチコロだが!」

勇者「ニシカワアニキよ、控えの『魔神・ビーフストロガノフ』を『魔弾』に変えてしまえ! 使ってないが、たぶんそいつゴミだ!」

女神「ああっ、美味しそうな仲間なのに!」

ニシカワアニキ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」  ガノフ「グオオオ!?俺が死んでも第二 第三の魔神料理がお前を待っているゾ!!」

魔神・ビーフストロガノフ は 魔弾へ変化した! キミは『武器・南斗人間砲弾』へ ガノフ魔弾を そうてんする!

勇者「目標の『ウイダーinスライム』を狙い撃つッ!」

ウイダーinスライム「あぁ、我慢できねぇ、ぶちまける!!」

キミのこうげき! ウイダーinスライムへ 魔弾が ちょくげきした!

『HP:109750/120000』 → 『HP:731/120000』

女神「あの魔弾を僅かに耐えるなんて中々の防御力も備えているようですね、勇者ー!」

勇者「少なくともコレで10秒以内にアレを倒すのは難しい事がわかった。面倒だ、逃げよう…」

女神「ひえっ、ビーフストロガノフの犠牲を無駄にするおつもりですか」

勇者「無駄ではないだろう。一つ発見もあったぞ。ゴミともいえど、下手に消費するつもりはないんだ」

勇者「あの硬さじゃ僕の手持ちの仲間と今の精神力で削り切るのは無理。時間の無駄。次に奴で出会ったら即効で逃げるを選択するぞ」

勇者「とりあえずいまは一方的になぶり殺される前に退散だ、女神よ!」

女神「効率厨マジ効率厨…」

キミは ウイダーinスライムから 逃げ出した!  →  『精神力:15/96』

女神「もうせっかく良さ気な魔物と遭遇できたのに、逃げてしまうだなんて」

勇者「お前がもっと早い段階で『良さ気』だと伝えてくれたらな、僕も張り切ったわ」

勇者「それにしてもこの3日間でようやく『レベル31』か……一体どれだけ強くなれば魔王をギャフンと言わせてやれるのか」

女神「実際にあなたは魔王と戦ったのでしょう。その時でどう感じましたか?」

勇者「絶対に敵わないと思った。まるで天と地の差、月とすっぽんよ。Nが例えた『人間と蚊』ぐらいってのも実感させらちまった」

勇者「ヤツはまったく僕相手に本気を見せなかったしな!ふざけた上、あろうことか 僕の『スタミナ・精神力ゲージ』を奪って破壊するという卑怯極まりない攻撃を仕掛けてきた」

勇者「おそらく魔王と戦うときは、今までの常識は通用しないんだろう」  女神「随分まぁメタ的ですね、魔王」

女神「では、こうして出鱈目に強くなってもあまり意味はないのでは? また外道な手段を取るかもしれませんし」

勇者「だからこそ、Nが最後に言い残した『しげる』を手に入れるんだろう。ソイツがあれば魔王へ対抗できるかもしれん」

勇者「とにかく今は魔王の元まで辿り着くのに十分なステータスが欲しい! まず優先すべきはソレだ!」

女神「いえいえ、ステータス強化よりも強い激レア仲間を入手すべきでしょうに」

女神「さぁー、本日もやって参りました。お待ちかね『課金ガチャ』タイムですよ!」  勇者「やってきちゃダメだろ!?」

勇者「誰が魔王の設定したガチャへ金をかけるものか! お前はどっちの味方だ、女神! あぁ!?」

女神「す、すみませーん。職業病というか いつもの癖でつい。てへっ」  勇者「一々僕をイラつかせるのもお前の仕事か」

女神「ですが勇者。このまま課金ガチャを回さないでいれば、きっとこの先詰まってしまいかねませんわ」

勇者「何を言うか。これだけ今豊富な仲間たちがいるだろう? 魔弾のコンボもあるワケだしさ」

女神「そう、その魔弾ですわ」  勇者「はい?」

女神「良くお考えなさいな、勇者。確かに『スキル:魔弾化』は優秀で強力です。必要ないゴミも同時に始末できますしー」

女神「ですがね、ゴミは有限ではありませんよ。一日無料ガチャでケチって満足していても、強力な魔物と戦うたびに魔弾の使用を繰り返せば」

勇者「それは、分かっているよ……このスキルはある意味『諸刃の剣』だって。じゃ、じゃあさ、合成で他の仲間を強化したらいい!」

女神「はい勇者甘ぁーい! いつか女勇者が話していたではありませんか、合成でレベルを上げていくほど、後々その仲間は経験値を取得しづらくなってくると」

女神「それに合成には やはりゴミを使用しますわ。つまり、このまま魔弾に頼っていれば 他の仲間が強くなれない」

勇者「ぐぬぬ……」   女神「やーい!やーい!完全論破ですねー!」

女神「……というワケですから、課金ガチャを回すのは必然となってくるのです。女勇者の言う通りですわね、中途半端な課金は後に身を滅ぼすことになる」

女神「私とて、これ以上運営へ私のお金を無駄に流したくはありませんよ。だって私のお金なのですから」  勇者「僕のだよ」

勇者「お前の言い分もわからなくもない。ていうか納得した。Nが死んだいま、僕たちは『運営の力』へ手を出さなければいけないんだ」

勇者「魔王め、よくも恐ろしいシステムを生み出してくれたな……僕を敢えて生かし 自分へ向かわせているのも企みの内か!」

女神「ようは魔王は勇者を都合の良いお財布と考えているワケですね…酷い話ですよ…!」  勇者「誰かさんも同じ様な考えを持っていたよなぁ!」

女神「とにかく許せませんわ、魔王! 今も昔も低賃金で人を扱き使うし、今年の夏のボーナスは出さないし!」

勇者「お前たち女神には他の働き口はないのかよ」

女神「ああ、というか勇者よ! Nさま亡きいま、私はまた運営からのお給料で生活せねばなりません……!」

女神「つまりは あなたが課金を渋れば 私の収入はさらに落ちてしまう! さぁ、課金なさいな!! 早く!! いやぁぁ、私を殺すおつもりで!?」

勇者「清々しいほど自分の事しか頭にないヤツだな お前は!! 勝手に路頭へ迷って死ね!!」

女神「うう、勇者の人で無し……悪魔ですかあなたは……っ」   勇者「残念ながら勇者さまだ、スカタン」

勇者「…とりあえず近くの町へ行きたいな。スタミナも精神力もこのまま徒歩で進むには厳しい残量だしさ」

勇者「そういうワケだから女神よ」   女神「あっ、あの雲 ステーキみたいな形してますね~」

勇者「『瞬間移動』頼もうと思っていたが、やっぱり止そうかな」   女神「あー! あー!! 聞いています、聞いていますから!」

女神「是非、瞬間移動を私へ頼みましょう 勇者。そうですね、このままだと危険ですものね。うんうん♪」

勇者「御託はいいからさっさと値段教えろよ」  女神「じゃあ1500円です」

勇者「じゃあって何だ!? 前に頼んだときより倍に増えているじゃねーか!!」

女神「えー、いやね、勇者? ここからですと町まで距離もありますしー。というか安いものですよ。ちょっと贅沢なラーメン一杯と思えば」

勇者「そんな高級なラーメン知らない……嬢勇者の『猫耳女神』は比べてかなり安値で町まで運んでくれたぞ。お前ここぞとばかりにボってるんだろう?」

女神「じゃあ1450円ですね。精一杯の価格下げですわ」  勇者「くたばれ!」

女神「ああ、歩きは止めましょうよ 勇者~! もう少しまけてあげますから、私を助けると思って課金しましょうよ~!?」

キミは 残りすくない スタミナで 次の町をめざした!

?「…………遂に見つけたぞ、勇者め」

なにやら 怪しいかげが キミたちを 木陰から にらみつけている!

キミは 港町へ たどりついた! かすかな 潮のにおいが 鼻を くずぐる!

勇者「町目前でスタミナ切れた時は死ぬかと思ったが……やはり僕の『幸運』は凄いぞ。無事に町へ辿り着けたぜ」

女神「最初から瞬間移動を頼れば、怖い思いをせずに来られたのにー」

勇者「女神が折れなかったのが悪い。大体お前、本当に反省しているのか? コレじゃあ以前のお前と変わりないじゃないかよ」

女神「そうは言われても私にだって生活はありますわ。全く収入がなければ、打倒魔王とか目指している場合ではありません」

勇者「そりゃそうだ……ならば、これからは外食やらギャンブルは控えるんだな。お前の金使いの荒さが不味かったんだぞ」

女神「うっ……あの日から贅沢を敵としましたわ。ですから真面目にお金と向き合ってます。無駄遣いは魔王を倒すまでしません」

勇者「言ったな? 僕はしっかり聞いたぞ」  女神「ええ、絶対ですとも。Nさまへ誓おうではありませんか!」

勇者「どうだろうかねぇー……ところでお前に聞きたいことがあるんだが、女神よ」  女神「へ?」

勇者「お前にも『忍女神』のような能力が備わっているのか。ヤツの『隠密』みたいな便利なのがさ?」

女神「ありますけれど。というか以前お話してあげたようなー」  勇者「僕に? いつさ?」

女神「ほら、勇者のお金を増やそうとしていたときですよ。パチンコ屋で」

勇者「その思い出は既に僕の頭の中から抹消済みだぞ。二度とあんなゴミの掃き溜めみたいな所へ行くものか……!」

勇者「で、何だったっけ? もう一度教えてくれよ」  女神「ですから、『運を上昇させる』という女神の力ですよ」

女神「まぁ、上昇させると言っても僅かなものですわ。基本的には自分の事以外には使おうとは思えないレベル」

女神「ですけどねぇ、どうも私自身の運を上げても しばらくすると運が周りの何処かへ勝手に流れ出てしまうのですよ。本当に使い勝手が悪い力です」

勇者「……忍女神が僕へ話した事はコレだったのか」  女神「はい?」

勇者「お前は知らず知らずに僕の『幸運』へブーストをかけていたのではないか?」

勇者「だからこそ、他の重課金勇者でさえ 入手できない『てつを』のような仲間も偶然手に入れられたんじゃないかな?」

女神「ですから、偶然でしょう? それは?」  勇者「運ってヤツは偶然に働くものだろ」

勇者「もしそうであれば、何て偶然だったのだろう…女神と僕が出会い、コンビを組めたのは…それともコイツは必然なのか」

勇者「女神、お前もっとその力を惜しみなく使えよ! ていうか、どうして今まで黙っていやがった!?」

女神「だから以前伝えたと今お話したではありませんかー。しっかり覚えていなかった勇者にも問題がありますよ?」

勇者「じゃあどうしてその力で僕を手助けしようと思いもしなかったよ……」

女神「当てにならないレベルだからです。それに力使用すれには、私たち女神個人のお金が必要となるのですわ」

女神「ね? 簡単に使う気にはなれないでしょう、勇者」  勇者「パートナーがピンチの場面で金惜しむなよ…」

勇者「でも、運を上昇させられるんでしょう? 確かに絶対に窮地を脱せられるワケでもないだろうけど…」

勇者「というワケでだ、女神よ。今からその力を早速発揮してもらおうじゃないか」  女神「えぇ!?」

勇者「金の消費が惜しいのならば、これからは使用の際に僕が金を払ってやろうじゃないか。他でもない、お前への課金ということさ」

女神「ああ、勇者にしては冴えていますねぇ! それはナイスアイディアですよー♪」

女神「でも本当に払って宜しいのですか? 私も鬼ではありませんよ、これぐらいならサービスしてあげても」

勇者「じゃあサービスでお願いしよう」  女神「やはり課金制でお願いします。ごめんなさい」

勇者「だろう? これでお前へ金が渡れば、天界では使えんが 人間界では物を買って食うのも可能な筈だ。そうしたら、さっきのような文句も簡単には口に出てこまい」

女神「ゆ、勇者ぁ~……あぁ、やっぱり『ギブ&テイク』って素晴らしいですわ!」

女神「では、これからは私の『運上昇の力』を頼る際、『一日一回100円からスタート』させて頂きます♪」

勇者「100円からスタート…?」  女神「ええ、次に頼むと200円。それまた次は300円と価格を上げてゆきます」

女神「言わば 値段つり上げ方式ですね。大丈夫! 翌日になればまた100円からですよ!」

勇者「そうそう頼むとは思わんが……いや、今までと比べたら かなり良心的なのか? いかん、もう色々と感覚が麻痺してきた」

女神「ではでは、とりあえずお試しということで今回はタダで一回、勇者の『幸運』を上昇させましょうかね」

女神「ただし注意してください、勇者。あなたがさっきお話した通り 幸運だけではどうにもならない事もありますわ」

女神「そして! 私の力の効果は時間制限付きです。もって約5分かその前後でしょう。あとでケチ付けないでくださいね~」

勇者「場合によっては分からん。女神、さっそく頼むぞ。ついでに無課金ガチャを回してソイツで効力を見る!」

女神「無料ガチャ如きで分かるものじゃないと思うんですけどねぇー。まぁ、さっそくやってみましょうかー」

女神が キミの手をとった! と、思えば すぐに その手を はなしてしまった!

女神「はい、完了です」  勇者「ウソみたいに地味じゃねぇか」

女神「一体女神の力の発動へ何を期待していたのですか。魔法でもないんですし、光るワケないでしょう?」

勇者「魔法みたいなものだろう……」

女神「とりあえず ガチャを回してみたらどうです? 三日分の『一日無料ガチャ券』もあるし、一気に3回ガチャガチャと」

勇者「あ、ああ……よーし、コレで激レアでも引き当てれば最高だぜ……頼むぞ 僕の『超高校級の幸運』と『女神の力』よ!」


がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

>>796
やだ!『超勇者級の幸運』だよぉ!

キミは 新しい仲間と出会った! → 『レア度☆☆☆:青眼の銀腐武闘家(スキル:なし)』


腐武闘家「今はやっぱり勇者×機械武闘家。勇者が受けで決まりだよぉ~」

勇者「白武闘家キ……じゃねぇ!!」  女神「あら、腐ってますわね。この武闘家は」

勇者「女神よ、お前の力はどうした? コイツはたぶんスキルも備えていないのを見るにゴミじゃないか!?」

女神「ですから絶対ではないと説明したではありませんか、勇者。元々の幸運値が低い状態であれば どうしようもありませんよ」

勇者「いや、僕は『超勇者級の幸運』なんだろう!?」  女神「運というものは気まぐれなのですよ」

女神「まぁまぁ、そんなに焦らず次の仲間か装備へ期待すれば良いではありませんか。もう2回も残ってますわー」

勇者「所詮は『無料ガチャ』なのか……いや、次こそは最低でもレア度4ぐらいのヤツが来るに違いない!」


がちゃがちゃがちゃ・・・PON! がちゃがちゃがちゃ・・・PON!


キミは 新しい武器を手に入れた! → 『レア度☆☆:ド乳化ラーメン二郎』

キミは 新しい仲間と出会った!  → 『レア度☆☆:アパレル商人(スキル:ゴリ押し)』


商人「お客様はスタイル良さ気ですし、コチラのスキニーで脚線美を出すと良いかなぁ~~~あらぁ!!超素敵!!イケますってぇぇぇ!!」

勇者「だ、ダメだ……相変わらず変なヤツが出てきやがる……!」

女神「こういう日もありますよ、勇者。元気を出しましょう!」  勇者「大体こんな感じでしかないんだが!」

勇者「もう少しで5分経過してしまう……まだ、もしかすれば何か奇跡を起こせるかもしれない」

勇者「女神、ガチャだ! 僕は今だけ課金レアガチャを回す! 上手くいけば例の仲間を引き当てられるかもだぞ!」

女神「こ、ここまで来てどうして前向きでいられるか不思議で仕方がありませんわ。まぁ、出せと言われたら出しますけれども…」ドン

女神「それじゃあ、レアガチャ一回のチケット分 200円になります」

勇者「えっ、安くないか……ま、まさかとは思うが 不運な僕を気遣って、あえて値段を下げたワケではないだろうな……?」

女神「そんなことしたって私に何の得もないでし―――い、いえいえ! 勇者の言う通りですよ! お安くさせていただきましたぁー!」

勇者「女神、お前……」  女神「こ、これからもこのお値段で構いませんよ 勇者! いや本当に良かったですねぇー!」

勇者「やっぱり今までボッタクリ価格で僕にチケットを買わせていたんだな」

女神「い、いやぁー……どうでしたっけー……」

勇者「この分なら、Nが教えてくれた通り 今まで課金ガチャと偽った無料ガチャを僕へ引かせていたという話も事実だろうかね」

女神「ぶっっっ!!」

勇者「いやいやいや、いいぞ? 別に今さら謝ろうとしてくれなくても? 全然気にしていないからさ?」

女神「ご、ごめんなさい……本当に申し訳ありませんでした……」ピク、ピク

勇者「本当にこのレアガチャチケットの値段は正当な物なんだろうな。まだ意地汚いままのお前だ。どう信用して良いものか」

女神「200円で正当です! 本当ですわ! 信じて下さい、勇者!」

勇者「ふん、ようやくか。コレに懲りたら少しは3日前の事を思い出して反省しろよ」

女神「…あのぉー……『例の件』を武器に私を脅して、値下げしようとかは」

勇者「あの時言った筈だろう? Nの事についてはもうお前を責めやしない。僕はお前の様にずるくもないんでね、そんな卑怯な真似は絶対にしねーよ」

女神「あうぅ~…」  勇者「少し時間を置くとすぐアレだ。いくら僕相手でも調子に乗って良い時と悪い時があるぞ、女神」

女神「分かりました。とりあえず200円支払ってからお説教を続けてください……」

勇者「うおおおおぉぉっ、反省する気ないのか、この屑は!?」

キミは 女神へ 200円を払って レアガチャチケットを 1枚てにいれた!

勇者「結局は運営へ課金してしまうワケか。女神の力を試す為とはいえ、少し考え無しすぎただろうか」

女神「一応効果は表れているのですよ、勇者? ほら、魔弾変換用や素材用のゴミが手に入ったと思えば良いではありませんか」

勇者「そんなの幸運が絡んでなくとも 嫌でも手に入るわ! ……コレでNが話した仲間が引けるといいが」


がちゃがちゃがちゃ・・・PON!

キミは 新しい仲間と出会った! → 『レア度☆☆☆☆☆:経済の父・ミスタースミス(スキル:見えざる手)』


スミス「ママ、私のママは一体どこに消えたのか。ああ、ヒューム、私が書き上げた『道徳感情論』を読んでくれまいか」

勇者「何ぞ……」  女神「ある意味幸運がもたらした奇跡でしょうか……」

勇者「やっぱりレアガチャは出る物が違うな、レアガチャは」

女神「くっ……こ、コレで満足がいったでしょう 勇者よ。何でしたらもう一回力を使いましょうかー!」

勇者「だから調子に乗るなって言っただろう。言った矢先にコレだよ」

勇者「そろそろ僕の『スタミナ』と『精神力』も回復してきた頃合いだし、先へ進むとするぞ 屑」

女神「あれれ~~~……いま『屑』と聞こえたのですが、私は『女神』ですよ? 勇者ぁ…」ピク、ピク

勇者「うん、女神弄りも飽きてきたぞ。正直もっと色々言ってやりたいところだが、『真の勇者』を目指す者として弱い者虐めは良くないだろう」

勇者「ところで先へ進むのを決めたまではいいが、次はこの町から何処へ向かえば良いんだ。もう前は海だし、横へ道を逸れても何もないぞ?」

女神「うーん、この大陸にいるボス魔物も粗方撃破しちゃいましたし、この際海を渡って別大陸へ向かうのも良いかもしれません」

女神「現在の勇者の目的がレベルアップによるステータスの強化ならば、さらに強い魔物と戦って より多くの経験値が欲しいところですよね」

女神「向こうの大陸にはこの辺りには無い『限定ご当地ダンジョン』等もありますし、そこで激レア装備を手に入れるのはどうでしょうか?」

勇者「ようやくそれらしいアドバイスが出てきやがったな。よーし、それじゃあ少しばかり向こうへ渡って鍛えてこようじゃないか!」

勇者「そうと決まれば女神よ、例の瞬間移動で僕を向こうへ運んでくれ。ただし 値段はボッてくれるなよ」

女神「えっ、勇者何を言っているのですか……」  勇者「惚けるな、アホ女神め!」

女神「いえいえ、そちらの事についてではありませんよ。瞬間移動で向こうの大陸まで運べという事についてですわ」

勇者「はぁ?」

女神「確かに瞬間移動は遠くの町やダンジョンまで運べますけれど、大陸を跨げるような便利な旅行ではありませんよー」

女神「海を渡るならば当然『船』でしょう。勇者の基本ではありませんか! これだから文明の豚は困ってしまいますわ」

勇者「…じゃあ、素直にこの町の乗船場へ行けと?」  女神「ええ、勿論ですよ?」

勇者「どうして変なところで融通効かない設定かな……」

勇者「―――えっ、乗れない? どうして?」

船員「あなた勇者の人でしょう。国からの通達で勇者がウチの船に乗るには『勇者専用乗船パス』がなければいけない事になったのだよ」

勇者「何だよそのワケの分からんパスは。おい、そんなの聞かされていないぞ! 頼むよぉ!」

船員「そう言われても、こっちも上からの命令だしなぁ……」

女神「よく分からないけれど、私たちも先を急いでいますし 諦めてこちらの大陸でレベルを上げたらどうですか、勇者よ?」

勇者「でもボス魔物は大体倒しちまったんだろう? このレベルで現れる魔物では大した経験値を得られないじゃないか」

女神「では、優先順位を『しげる』として あちらこちらを駆け回って入手を急ぐとか。ほら、探してみれば色々ではありませんかー」

勇者「うーん……ところで船員よ、そのパスとやらは何処へ行けば手に入るというのだ。この事を王へ伝えれば良いのか?」

船員「違う違う! 『勇者専用乗船パス』を手に入れるには、この町から東へ進んだ先にある『不思議のダンジョン』へ潜らなければならないんだぞ」

勇者「『不思議のダンジョン』だと……おい、女神。近くにそんなダンジョンがあるなんて言わなかったじゃないか。勿体ぶってでもいたのか」

女神「そんなワケないでしょう! わ、私はそんな名前のダンジョンがあるなんて知らされていませんよ!」

船員「そりゃそうさぁー なんせ、ダンジョンは最近になって出現したらしいからね」

女神「最近出現したですって? では、すぐに運営から報告があっても良いでしょうに……コレは裏がありそうな予感がしますねぇ」

勇者「ていうかなぜ急に現れたダンジョンへ パスなんて物があるんだよ!?」

船員「いや、ダンジョンの中に隠されているワケじゃない。人の話は最後まで聞かないか、坊主」

船員「ダンジョンの奥に潜んでいるボス魔物『VITAちゃん』を撃破するんだよ」

船員「で、ソイツがドロップするアイテムを俺へ渡してくれたら、『勇者専用乗船パス』と交換って仕組みさ」

勇者「はぁ? ま、ますます意味が分からない…まさか魔王の仕業とかじゃないだろうな、コレ…」

女神「もう聞くからに胡散臭い話ですわ、勇者。どうしますか?」

勇者「ボス魔物はそこに居るんだろう? それなら経験値目当てに潜ってみるのもありなんじゃないかと思うんだけれど」

女神「絶対怪しいですってば~~~……まぁ、あなたが行きたいのなら止めはしませんが」

勇者「決まりだな。もしウソをついていたと分かったら後で承知しないからな、船員よ!」

船員「だから俺に言われても…上が決めた事だし…」

勇者「ふん、とにかくちょっくら その『不思議のダンジョン』とやらへ潜ってくる。なーに、日暮れには間に合わせてやるさ」

?「おやおやおやぁ~~~……コレはコレは、随分とまぁ懐かしくも憎たらしい顔と再会してしまいましたなぁ~…」

突然 キミの はいごから 聞き覚えのある 忌々しい声が した!

勇者「……まさか ど、どうしてお前がココにいるんだ!?」

デブ勇者「ハッハー! フォカヌポゥ!」

続きはまた深夜あたりに。次回、ぜかましちゃん

勇者「デブ勇者、まさか生きていたとは思いもしなかったぞ!」

デブ勇者「ふん、貴様の☆4程度の雑魚仲間にやられる吾輩ではないわ」

秘書女神「ですが不味いところまで追い込まれていたのは事実です。たかがビキニによくもまぁ必死になって」

デブ勇者「やかましい!!……とにかく、吾輩をそんじょそこらの勇者と一緒にしてくれるな。だって重課金なのだから」

女神「あら、秘書女神ではありませんか」   秘書女神「そういうあなたは女神さん。どうも、お久しぶりですね」

勇者「アイツの女神とも知り合い?前回はデブに着いていなかったが…お前 結構知り合いとバッタリ鉢合わせているよな」

女神「ええ。彼女は秘書女神。彼女とは昔、女神小学校でクラスが6年間ずっと一緒だったのですよ、勇者」

女神「だからといって交友関係があったワケではありませんが……むしろ、気に食わない存在でしたよ!」

秘書女神「奇遇ですね、女神。私もあなたを良いお友達とは一度も認識できませんでした。お互い色んな意味で切っても切れない関係でしたね」

女神・秘書女神「……」ペチペチペチペチ!

女神たちは たがいを 叩きあっている!

勇者「うわっ、あっちは放って置いた方が良いのかなー……」

勇者「ところでデブ勇者よ、今さら僕に何の用だ。まさかとは思うけれど あの時の仕返しにと僕の目の前へ現れたか!」

デブ勇者「吾輩はそんなショボイ考えを持ってはいないわ。貴様へ出会ったのは単なる偶然」

デブ勇者「……しかしねぇ、吾輩も貴様と同じように向こうの大陸へ渡ろうと考えていたのだよ。話も聞かせて貰った」

勇者「……じゃあ、協力して『不思議のダンジョン』を攻略しようとでも提案する気か」

デブ勇者「そんなワケあるめぇ! 誰が微課金カスと手を組むものか! 先にボス魔物『VITAちゃん』を撃破するのは この吾輩よォー!」

勇者「そう来ると思っていたぞ。つまりお前はこの場で僕を倒して、ダンジョンへ向かうという魂胆かね」

勇者「いいぜ、お前がその気ならば あの時の雪辱を果たさせてもらう! 僕はもうあの時とは違うぞ!」

キミは デブ勇者へ 勇者×バトルを・・・

デブ勇者「はぁん! 何故重課金勇者である吾輩がちんけな貴様なんぞに時間を費やさねばいかんのだね!」

デブ勇者「バトルなんて貴様との間には不要!もやは勝ちは見えているんだよ、吾輩が貴様をコテンパンにして踏みつけている場面がなぁー!」

デブ勇者「そうでしょう!?」  秘書女神「イエス。デブ勇者様が勝利を収める確立は『約99.8%』です」メガネクイ

女神「私の勇者がそこの醜い豚めに負けるワケがないでしょう!? 計算を見誤っていますわ!」

秘書女神「まさか。私は全てにおいて完璧を誇ります。考えてもみてください、女神よ」

秘書女神「あなたの勇者がせこせこ経験を積み、仲間を手に入れている間、私のデブ勇者も同じような事をしていたのですよ」

秘書女神「まず元々の土台から違いますよね。あなたの勇者は最近勇者会員へなった初心者同然。比べてデブ勇者は……ほら、一目瞭然」

女神「フン、私の勇者には『超勇者級の幸運』がありますよ! つまり主人公です! 勇者オブ勇者なのですから!」

秘書女神「相変わらず困ると非現実的な話へ頼りたがりますね、あなた。これだから考える脳を持たない『おバカさん』女神は」

女神「きぃーっ!!」  勇者(どっちを応援しようか迷うところだな…)

女神「秘書女神、あなたがそこまで私の勇者がそこのデブより劣っていると言うのでしたら…」

秘書女神「あら、勝負は無駄とつい先程こちらで仰ったばかりでしょう。諦めて認めてはどうです」

勇者「認めてたまるものか!!」

勇者「僕がそこの卑怯な勇者へ劣るだと? 天地が引っくり返ってもありえねぇ、僕こそが正義だ。正義は最強だ!」

秘書女神「……あなたがお着きになるに相応しい勇者ですね。良いコンビです、フフ」

女神「こ、この性悪……勇者ぁ!見返してやるのです!泥棒デブにあなたは負けません!」

女神「それにヤツはあなたのお財布を奪ったままです。かならず盗った分は取り立ててやりましょう」

デブ勇者「あんな中身の薄い財布なんて、中身抜くまでもなく『赤十字募金』へそっくりそのままシュートしてやったわ!」

勇者「なんだと…デブのくせに良いヤツ…!」  女神「良いワケないでしょう 勇者のお金だったのですよ!」

勇者「く、くぅ……貴様ァーッ!! デブゥーッ!!」

デブ勇者「ワロタ」   秘書女神「コレではお笑いコンビですね。漫才コンテスト目指して今から特訓するのをお勧めします」

勇者「いけ好かない勇者に女神だ…僕はああいう人をコケにした様な態度を取るヤツらが一番嫌いなんだ…っ!」

勇者「勝負しろ、デブ勇者! 今回こそは正々堂々と!」

デブ勇者「しつこい微課金だなぁ。何度同じことを言わせれば気が済むのかね?そうやっていつまでも自分を惨めに晒すか?」

秘書女神「イエス 彼の言う通りです。公衆の面前で負け犬が延々繰り返し吠えたりして。女神、手綱はしっかり掴んでいてください」

女神「ウチの猛犬は怖いですよ。あなたの予想を越え、かならずや一泡吹かせる事でしょう」

勇者「ココで犬扱いは腹立つが……お前ら、逃げるならば僕の勝利と見なして構わないな」

デブ勇者「なんですと?」   勇者「本当は口ばっかりで僕と真っ向から戦うのが怖いんじゃないのか?」

勇者「だから不意打ちなんて汚い手を使わなければ勝てないのだろう、デブ勇者よ。お前なんぞ臆するに足らず、だ!」

デブ勇者「ぷぎぎ……聞き捨てならんぞ、この貧乏人めがッ!!」

デブ勇者「嫌味でも言って去ろうと思っていたが…貴様へ土を食わせてやる事にした…そうだよな、吾輩がギルドから追いやられたのも元はと言えばこのカスが原因…」

デブ勇者「やってやろうではないか、勝負とやらを。ただし後悔してももう遅いんだから!」

勇者「それでこそ男だ、デブ勇者! ならば早速貴様へバトルを(ry」

秘書女神「待ってください、『勇者×バトル』は不要です」

女神「いい加減あなたも見っとも無いですよ、秘書女神よ。あなたの勇者がやる気を見せたのです。あなたも挑戦を認めなさい」

秘書女神「ええ、挑戦は認めますし、乗ろうではありませんか。そうでないと あなた方がいつもまでも鬱陶しいので」

秘書女神「ただし 『勝負』の内容はコチラで決めさせていただきましょう。それが条件です。OK?」

勇者「問題ない! ……とは言ったが勇者が『勇者×バトル』以外でどう決着をつけろと」

女神「男の決闘といえば『賭博』でしょう。ええ、決まりですとも。それでお金をデブから巻き上げれば万々歳ですよー!」

秘書女神「却下。あなた、過去にそう言って私と対決してイカサマを使ったではありませんか。絶対に仕掛けてくるでしょう」

秘書女神「大体、内容はコチラで決めると言いました。あなたは人の話も理解できないチンパンジーでしょうか」

女神「きぃーっ!! 何ですあの態度、見ましたか勇者! あの性悪の酷いこと!」  勇者「お前も人の事言えたもんじゃねぇよ」

秘書女神「漫才を始めるのは舞台の上でお願いします。……勝負は簡単、『不思議のダンジョン』へ潜り ボス魔物をいち早く撃破し、ドロップアイテムを入手した方が勝者です」

秘書女神「元々お互い『勇者専用乗船パス』を狙っていたし、勝負としては丁度良いのではないでしょうか。勝者はパスを手に入れて大陸を渡る事ができますし」

勇者「あぁ確かに……僕は異議なし。それで構わん」   

デブ勇者「吾輩の方も問題はないぞよ」

デブ勇者「だがな、コレではあまりにも勇者殿が可哀想よなぁー! だって吾輩の早さに敵うワケないしねぇー!」

勇者「さぁ、やってみなければ何も分からんぜ。大体デブが早いワケがないだろう! デブは『すっとろい』と相場は決まってるもんだ!」

勇者「デブは家に帰ってピザでも取ってろ!! 向こうの大陸へ渡るのはこの僕さ!!」

デブ勇者は キミの話をきかずに さっさと 『不思議のダンジョン』へ むかった!

勇者「ああっ、アイツせこいよ!」

女神「何をボサっとしているのです、勇者よ。早く私たちもダンジョンへ駆け足ですよ!」

勇者「わ、分かってる――――――お、おおぉ? な、何ぞ……いつのまに道が工事で封鎖されてやがる……」

工事のおっちゃん「通行禁止です。これ以上先へ立ちいらないようお願いしまーす」

女神「くっ、では回り道ですが向こうから行きましょう!」

勇者「ダメだ 女神! そっちはラーメン屋の行列が出来ていて通れそうにないぞ!」

大学生たち「俺たちマシマシいく!ヤサイニンニクアブラカラメ隊!ニンニク臭もみんなの目線も特に気にしないよ!」

女神「ひ、ひどい悪臭が辺りを包んでいますわ……」

勇者「うう、なんてタイミングで……これじゃあ『幸運』どころか『不運』の持ち主じゃないか……」

女神「やれやれ、ようやく町を抜けられましたね。秘書女神たちは既に『不思議のダンジョン』へ辿り着いてしまったのでしょうか」

勇者「『瞬間移動』でもされてちゃ とっくの昔にだろう……僕たちも先を急がなくては!」

突然 キミの めのまえに ぼうれいたちが あらわれた!

箱○「ブオオオオオオーーーン!!!!!!」

勇者「な、何だコイツは!? 魔物!?」   女神「いえ、勇者。彼らは戦に破れ去った、あるいは、過去となった『亡霊』ですよ」

女神「ですが、何故こんなところに現れたりしたのでしょうか。襲ってくる気配もありませんわね?」

勇者「おい、亡霊どもよ。僕は急いでいるのだ。道を開けてくれ! 今はお前たちの相手を務めている場合ではない!」

DSちゃん「まってお兄さん! 私たちの話を聞いてほしいの!」

勇者「話ならば他のヤツに聞いてもらえよ、幸いこの辺りは色んな人間が通ることだろうさ」

ドリームキャストさん「他の人間ではダメなんだ。他でもない勇者のあなたへ頼みがある」

ワンダースワン子「勇者さん、勇者さん どうかお願いします。そう時間は取らせませんから」

勇者「むぅ……では急いでくれないか。コレでデブ勇者に負けたらお前たちを一生怨むぞ?」

ミス64「ありがとう勇者さん。あなたは、これから『不思議のダンジョン』へ向かうと風の噂でお聞きしました」

マザーPS「あのダンジョンには、私の孫がいるのです。孫は邪悪なる者の手によってさらわれてしまったのです!」

勇者「邪悪なる者だと……まさか魔王ではないだろうな?」

マザーPS「分かりません……ですが、彼の者は孫を悪の波動によって『魔物』へ変えたと聞きました」

女神「もしかして、『不思議のダンジョン』の奥地へ潜むボス魔物『VITAちゃん』の事でしょうかね?」

クイーンPS2「そう、その通りなのです……VITAは私の二人目の娘。大切な子なのです」

PSPたん「妹を、妹をどうか救ってあげてほしいです! 妹は悪者に正気を失わされているだけなの」

PSPたん「お願い勇者たん! あたしの大事な妹をたすけてください! やさしい子なの!」

勇者「そうは言われても魔物へ堕ちたヤツを救う手段なんぞ僕は知らないぞ。ていうか、魔物は倒すしかないだろう」

勇者「いくらお前たちの家族といえど、魔物に変わってしまえば、何をしでかすかわからない。もしかしたらお前たちへ襲いかかるかもしれん」

ゲームボーイくん「そんなことはないよ。彼女は新入りだけどとても良い子なんだ。きっとあなたなら助けられるさ!」

アドバンスやん「せやで……もうあんたにしか頼れるヤツがおらんのや。頼むで!」

女神「このまま断り続けても意味はなさそうですよ、勇者。面倒ですけれど 頼みを聞いてあげてはどうです?」

勇者「うーむ……分かった。出来る限りはどうにかしてみるよ。ただ、絶対に助けられるとは思ってくれるな、亡霊たちよ」

「「「ありがとう!ありがとう!ありがとう!勇者さん!」」」

ミス64「勇者さん、『コレ』をお受け取りください。きっとあの娘を救うのに役に立つでしょう……」

キミは ぼうれいから 武器 『レア度☆☆☆☆☆:GC』を さずかった!

女神「あら、コレは武器ではありませんか! しかも☆5のレア武器ですね、勇者!」

勇者「いいのか? こんなに貴重な物をタダで譲るなんて……ていうか亡霊がどうやって勇者の武器手に入れたんだよ」

ミス64「ええ、構いません。コレは既に『亡き骸』ですから。ですが非常に頑丈で、防具としても使える優れ物です」

ミス64「…………ただし気をつけて、強力な武器ですので 扱いにはくれぐれも注意のほどを」

勇者「わかった。それじゃあそろそろ行かないと! 待っていろ、亡霊たち! 『VITAちゃん』を連れ戻してきてやるからな!」

PSPたん「きっとだよ! きっと良い子のVITAちゃんを取り戻して、勇者たん!」

キミたちは ぼうれいたちへ 別れをつげ、『不思議のダンジョン』を めざした!

キミは 『不思議のダンジョン』へ 足をふみいれた!

勇者「中は至って普通のダンジョンのように思えるが、どこが『不思議』なんだろうかね?」

女神「見たところでは完全に名前負けしていますね。せっかくなら一歩進むたびにリッチになれるとか嬉しい要素があれば良いのにー」

女神「さ、勇者 秘書女神たちはきっとこの先ですよ!グズグズしている場合ではないのです!」

勇者「応とも!……とは言うが、もし既にボス魔物が倒されていたらどうしよう。しかも それじゃあ亡霊たちとの約束もダメになっちまう」

女神「『案ずるより産むが易し』と脳筋人間はよく言うものですわ。負けては私たちのプライドが傷つくというものです。頭よりまずは足を動かしなさい、勇者よ」

勇者「『私たち』ねぇ……自分がアイツに劣るのが嫌なだけだろうに」

女神「では、あの豚のようなデブにあなたが負けても構わないと?」  勇者「それだけは『真の勇者』としてあってはなるまいよ!」

勇者「進むぞ、女神! かならずヤツらの口から『ギャフン』と言わせてやる!」

キミへ 運営からメッセージが とどいた!

勇者「ありゃ? おい、運営からのメッセージがいま届いたぞ 女神よ……大体嫌な予感しかしないんだよな、コレ」

女神「まぁ、今まで開いて良かった事の方が少なかったですしねぇ。タイトルは?」

勇者「『不思議のダンジョンへ挑むキミへ注意事項! 要チェック』……まさかデブがハッキングを仕掛けてきたとかじゃないだろうな?」

キミは メッセージを ひらいた!

『いらっしゃいませ。選ばれし勇者のみが挑めるテストダンジョン・不思議のダンジョンへ♪ このダンジョンは~~~』

勇者「くどいっ…!!」

勇者「ていうか、『テストダンジョン』って何だろう。どういう意味?」

女神「さぁ……聞いたことがありませんわ……」

『この不思議のダンジョンはキミがかつて挑戦してきたものとはワケが違うぞ!メッセージをよく読んで注意しよう!』

『※不思議のダンジョン内では特殊な制限ルールが実装されています。ダンジョンを進む際も今までの仕様が変更された状態で~~~』

勇者「特殊な制限ルール? 仕様変更? どうしてお前ら女神は分かる言葉で説明する努力をしないのか!」

女神「それを私へ言われても困ってしまいます。文句があるのなら直接運営へメッセージでも出しなさいな、勇者」

勇者「……なになに、注意事項その1・『ダンジョンフロアを移動する際、かならず次のフロアへの移動にルーレットを回していただきます』」

『ルーレットの結果によってあなたが移動するフロアが決定されます。なお、課金によって何度もルーレットを回し直せます(一回150円から。使用のたびに値段は50円つり上がるので注意)』

勇者「…………^^」  女神「あら、勇者 どうしたのですか?説明が理解できない?」

『注意事項その2・フロアでは様々な仕掛けが設置されています。例:モンスターハウス、体力(スタミナ、精神力)減少、何かしらの封印』

『注意事項その3・一度戦闘へ参加させた仲間と、装備は不思議のダンジョン内にいる間、二度使用できません』

勇者「ウソだろコレは……マジなのか……」

『課金アイテムの使用に制限はありません。あなたのお財布の中にあるお金がダンジョン攻略の鍵となるでしょう』

『以上が注意だぞ!このダンジョンでしか手に入らない仲間や装備をGETしよう!きっと苦労する価値はあるだろう!』

『はたしてキミは不思議のダンジョンを乗り越えられるか!? キミの財力がいま試される・・・』

『朗報!勇者会員13万人突破おめでとうキャンペーン近日開催!レアガチャによって超激レア仲間や装備が当たる確率大幅UP!そして今だけレアガチャ3枚セットがお得プライスに!キミの旅を助ける最強仲間たちを大量GETだ!』

『さらにお得な情報!今だけ合成釜による装備合体事故率がUP!上手く利用して『黄金シリーズ』をGETしよう!(注意:合成釜使用の際に支払う値段は通常通りです)』

運営からのメッセージは 以上のようだ!

女神「その顔色から察するに碌な内容ではなかったようですね、勇者」  勇者「また10万人ほど勇者会員が増えたらしい…」

勇者「このままでは僕ら人類は魔王の思う壺じゃないか! ていうか、このダンジョン搾取する気まんまんだぞ!?」

女神「一度に色々お話されても~……ああ、というか10万人突破なのですね。この世にどれほどアホがいるのかしら!」

勇者「アホで悪かったなぁ!! ……何が『財力が試される』だ、もはやいやしい部分隠す気すらないのか…」

キミは 財布のなかみをかくにんした! 財布の中には ゆきちが3枚 ほほえんでいる!

勇者「3万と、小銭を合わせて、いま僕の手元には『3万と800円』だ」  女神「500円玉1枚あると心強いですよね、勇者よ」

勇者「この『不思議のダンジョン』を進む気にはなれなくなったが、今さら引き返すワケにもいかないぞ……悔しいことに」

勇者「ど、どうしよう女神!? 今までで一番最悪なダンジョンだぞ、ココ!? お前も僕を手伝ってくれるな!?」

女神「女神個人のお財布を頼るなんて勇者失格ですわ、勇者。ソレとコレとは別のお話なのですよ」

勇者「しかしっ」  女神「『貸す』という形であれば考えてあげなくもありませんがね」

勇者「お前の事だからまたおそろしいレベルの利子が付くんだろう…」

女神「ええ、もちろんです……お金は誰へも微笑みますが怖いものですよ……」

女神「まぁ 勇者よ、少し落ち着きなさい。あなたには『超勇者級の幸運』が備わっていたではありませんか」

勇者「運で運営のいじきたない罠を突破できるか? 正直最近になって僕の幸運もあまり当てにして良いのか 分からなくなってきたんだが」

女神「では、私へ課金して『力』を借りるのです……それこそがベストなのです……課金しましょう?」

女神「ね、課金しましょう。運営以上の力となれますわ、私は!!」  勇者「お前もお前で運営並に信用ならないんだけれど」

勇者「しかし、今さら進む事を躊躇するワケにもいかん。僕はこの『不思議のダンジョン』を攻略しなきゃダメなんだろう」

勇者「『デブへ勝利してパスを入手する』、『VITAちゃんを救う』。どちらも達成しなければいけないのが真の勇者のつらいところか…」

勇者「長話はココで終わりにしようか、女神。そろそろ前へ進む!!―――むっ」

キミ の前に ルーレットが あらわれた! ルーレットは 今か今かと 投入口へ コインが入れられるのを まっている!

ルーレット「ぷるぷるぷる……」

勇者「出たな、コイツが例の『課金ルーレット』か!」  女神「どうやら悪いルーレットでは無さそうですね」

女神「ココへお金を入れると自動的に回転が始まるみたいです。ええと? 右のフロアへ、左のフロアへ…今のところポケットに書かれているのはその二つだけですね」

女神「じゃあ、課金します?」  勇者「じゃあもクソも最初は何が出ても良いわ」

女神「とはいっても、いきなり恐ろしい罠が張られたフロアへ移動されるのは勇者としても嬉しくはないでしょう?」

女神「ココは『確実』を狙うのですよ。私の力であなたの幸運へブーストがかかれば、もう何も怖くない…」

キミは 女神の話を聞かずに 投入口へ 150円 イン した!

女神「ああんっ! 勇者のおバカ!」

ルーレット「運命のルーレット廻して~♪ ずっとー、キミを見ていた~♪」カラカラカラ…

かしゃん・・・!

ルーレット「『左のフロアへ』どうぞお入んなさい。結果が気に入らなければ、200円を入れてね。結果が~~~」

キミ の目の前にあった 右のフロアへつながる道が シャッターで とざされた!

勇者「……こうして決まると、なんだか左の方が不安に思えてきてしょうがない」

女神「そんな一々戸惑っていてはデブ勇者へは追いつけませんよ。失敗したなんて行ってから後悔するものです、勇者」

勇者「まるで父さんが僕へ昔言ってくれた言葉だな。よし、僕は僕の幸運を信じて『左フロア』へ進もうじゃないか」

キミは 左のフロア へ すすんだ!

左のフロア で キミを 待ちうけていたものは !

自販機「おはようございます!」ピピッ

勇者「自販機だぞ……」  女神「ええ、普通の、タダの自販機ですね」

勇者「まさかコイツが罠だっていうのかぁ~~~? 覚悟決めて進んだが、かなり拍子抜けしちまったぞ」

女神「確かに肩透かし食らいましたけれども。つまり、コレはどういう事でしょうかね? 何もなかったと見て良いのかしら?」

勇者「そうだろう。さぁ、このまま次のフロアへ進ませて貰うぞ。ザマァみろ 運営め!」

キミは 自販機をとおりこして 岐路へ 立とうとした!

しかし 突然 フロア内へ 皆口裕子な 声が ひびく!

「はぁーい♪ このフロアでは『ミッション』を達成しなければ、ルーレットを回せませんよ」

勇者「み、ミッションだと……おい!そんなモノがあるなんて聞いていないぞ!?」

女神「ある意味で『罠』かもしれませんよ。で、そのミッションとは一体どういう?」

「そこの自販機で『MAX COFFEE』を手に入れて、お姉さんにください。それまではココは絶対に通しませーん」

女神「そんな甘ったるいものを飲んで、糖尿病へなりたいというのですか!」

勇者「……ふざけているのか本気なのか」  女神「明らかです。おふざけですわね」

女神「コーヒーなんて120円で易々と手に入りますわ! さぁ、とっとと手に入れて進みましょう、勇者!」

勇者「くそっ、くだらん所でも金を取りに来やがって……待っていろ、今すぐ買って終わらせ―――」

女神「どうしました 勇者? ……はっ、こ、コレは一体…」

自販機 の中にかならず あるはずの 飲料サンプルが 一つも入っていなかった !

勇者「なん…だと……」

「『MAX COFFEE』を、お姉さんにちょうだい♪ 勇者くん♪」

勇者「おい、これじゃあどれが『MAX COFFEE』なのか分からないじゃねーか!全部適当に買って確かめろってか!」

『お姉さん早くコーヒー飲みたいなぁ、勇者くん…』

勇者「僕にシカトとは良い度胸してるじゃないか…」  女神「勇者の言う通り、全て購入するしかなさそうですねぇ」

女神「確か、自販機で販売される『MAX COFFEE』は120円……ですから下の150円が並んだ欄はスルーで大丈夫でしょう」

女神「問題は『あたたかい』か『つめたい』ですよ、勇者。もしかしたら両方に入った可能性もありますが~」

勇者「所持金3万800円。女神の言う通り150円の飲料を除けば、残り30個……30分の1の確率ってどういうことなのか……」

女神「ですがもし30番目で当たったとしても合計3600円の出費で済みますね。3万もありますし、まだ余裕でしょう?」

勇者「アホ! ここから先でもし こういった罠(ミッション)が待ち受けていたらどうする!」

勇者「それにもし入っていなかったら? もし、150円の方へ入っていた場合があれば?」

女神「勇者は変に考えすぎですわー。鬼畜な運営といえど、『入っていなかった』なんて酷い真似はしない筈です」

勇者「何を根拠にそう言えるのか理解できん。……大体なんだよ、今までにない仕掛けすぎるだろう」

勇者「運営は運営らしく、今まで通り、僕たちへ魔物と戦わせて課金をせがめが良いだろうに! …いや、全然良くないのか」

勇者「とにかく これじゃあタダの悪ふざけダンジョンだよ。内容も酷い、露骨に金を取りに来ている。もはや課金ではないぞ?」

女神「ええ、たしかに今までと比べれば『らしくない』というかー…まるで試されているようなー…」

『コーヒーまだかなぁ……』   勇者「うるせぇ!自分で好きに淹れて飲んでろ!」

『あー!男子が女の子に冷たくしちゃいけないぞー?」  勇者「ならば、逆も然りだ!少しはヒントの一つ寄越せよ!」

『自販機から『MAX COFFEE』を手に入れてね。いつまでも待ってるよ、勇者くん』

『くれなきゃずーっとこのフロアに居てもらうんだからねっ』

勇者「……マジか」   女神「急がねばなりません、勇者。ここで立ち止まっているワケには!」

勇者「分かってるんだよぉぉぉ!! チクショー…きっとあの魔王の仕業だ…アイツ完全に僕を舐めてやがる…」

キミは 200円を さいふから とりだした!

勇者「こんな、くだらない事に、どうして時間を取られなくちゃいけない……コーヒー1缶如きに……」

勇者「悔しすぎんだろうが……おのれ、運営…魔王め……!」

キミは 自販機へ 200円を入れ、てきとうな ボタンを おし・・・キミは バールのようなもの を そうびした!

勇者「そうだ。ぶっ壊して中身を取り出そう」

女神「あららら……」

『ええ~!勇者くんそれは犯罪だよ、『勇者』が器物損害、窃盗なんて(ry』

勇者「いいや、勇者だからこそだろうよ! 『勇者』っていうのは壺割っても良いし、人ん家のタンス漁っても良い!」

勇者「らしいぜッ!?」

キミは 自販機へ こうげき!

自販機「おはようございます!お仕事頑張ってください!」ガンッ

女神「ああ、私の勇者……初めの頃と比べてたくましい『勇者』へ近づきましたね……」

女神「それで良いのですよ、勇者。勇者と『泥棒』は表裏一体。真の勇者』心得その一、欲しい物は殺してでも奪う、ですわ!」

勇者「オラ、『MAX COFFEE』を吐き出せ! 出すまで僕は攻撃を止めない! このまま解体しちまうぞ!?」

キミは さらに自販機へ こうげきする!

『グスンッ…ひどいよ、勇者くん。自販機さんは悪くないのに…』

自販機「おは…ざ、ます…! し、ご…がば、て…さい!」

勇者「僕のお仕事は勇者だ。応援寄越すぐらいなら、さっさと例の品を寄越せ!」

勇者「さもなければ、次は仲間を召喚してお前を完膚なきまで叩き潰させる……」

女神「勇者、無駄に仲間を召喚してはこの先(ry」  勇者「お前は黙っていろ!! 僕が決める!!」

女神「真面目に助言してあげようとしたのにー……それにしても本当に勇者は変わりましたわね」

女神「こんな行動、以前ならば絶対に考えられないでしょう。なんていうか、その、過激に……」

女神(まぁ、勇者はこれまでに『地獄』を幾度と味わいましたからね。そう考えれば不思議でもないのかしら?)

女神「それとも、さすがは伝説の勇者『ああああ』の血を引く子という事なのか……」

自販機「お……ま…! ご……て、い……」

勇者「もう一度お前に頼もうか。僕に『MAX COFFEE』を渡せ……この先へ進むにはそれが必要だ」

キミは バールのようなもので 自販機を こうげきして おどし続けた!

自販機の取り出し口から ゴトンと、音がした!

自販機「プスプス…………」   勇者「よし、よく応えてくれたな」

勇者「……おい 声の主よ! お前が欲しがっていたコーヒーとやらはコイツで間違いないだろう」

『……えっ、あれ? どうして手に入ったの? 何で? ええ? 勇者くん本気? 冗談でしょう?』

キミは MAX COFFEE を 放り投げて ふたたび 岐路へ たった!

勇者「約束は果たした。通せよ、お姉さん!」

『ど、どうぞ~……勝手に進んじゃって……どうして? 本当におかしいよ』

女神「何がそんなに不思議なのでしょうかね、声の主よ。まさか不都合でも起きたのかしら? ココは『不思議のダンジョン』ですし、不思議なことが起きてもおかしくはないのでは?」

『…………』

声の主は コーヒーをうけとると 黙って 気配をけした!

女神「あらまぁ、やはりこのダンジョンには何かありますわねー」

ルーレット「運命のルーレット廻して~♪ ずっとー、キミを見ていた~♪」カラカラカラ…

かしゃん・・・!

ルーレット「『右のフロア』へお入んなさい。結果が気に入らなければ、200円を入れてね。結果が~~~」

キミ の目の前にあった 左のフロアへつながる道が シャッターで とざされた!

女神「ルートをランダムで決めさせるというのは分かりますが、先も見えないのにやり直しが効かせられるというのは変な話ですねぇ」

勇者「それどういう事だよ?」  女神「少しよく考えてみればすぐに分かりますわ」

女神「おそらく、適当にルーレットを回して進んでもボスが待つフロアへ到達できないという事でしょうけれど」

女神「下手を打てば同じ所をグルグル回る羽目になるかもしれませんね。『ふりだし』へ戻される罠もきっと存在するでしょう」

勇者「…………」   女神「コラコラ、勇者!私がまともなお話をしたら一々驚くのやめていただけませんか!」

勇者「だ、だって……何ていうか真面目なのは女神じゃないというか……」

女神「私は勇者の女神さまです! それに今までだって真面目に接していたではありませんか」

勇者「いや……」   女神「このまま助言や手助けが必要ならば、一度につき1000円支払ってください」

勇者「そう!それでこそ女神じゃないか!あー、気持ち悪かった」  女神「本当にお金頂きますよ!?」

女神「全くもって失礼な勇者で困ってしまいますわ。人が下手に出ればツケ上がって……もう、私の儲けは期待できないというのに」

勇者「ねぇ、お前もし魔王を倒して人間界と天界が平和になったら、その後どうするつもりなんだ? 隠居生活か?」

女神「うーん、そうですねぇー……とりあえず双子女神から土地を受け取って、アパートを一件建てましょうか」

女神「そこの一室に住んで大屋を務めるのです。後は入居者から上手いこと家賃やらなにやら搾り取って、一生を安泰に過ごしたいですねぇ」

勇者「なにやらってなんぞ……」

女神「まだまだ私の夢は止まりませんよ、勇者! 私はきっと『ゴッド女神』へ伸し上がってみせましょう!」

勇者「お前がゴッド女神にだと。じゃあ第二の魔王の誕生だな」  女神「まさか。私がゴッド女神へ着いた暁には」

女神「……このまま魔王の『勇者システム』を流用して稼ぐのも悪くありませ(ry」

勇者「僕の言ったこと正しかったじゃねーか! そんな事してみろ、僕はお前をぶっ殺す!」

勇者「これ以上世界を滅茶苦茶にされてたまるものかっ、しかも女神なんかに!」

女神「し、しっかりシステムは改善しますよぉー……でも、世界が脅かされる事が無くなれば、もう『勇者』なんて必要なくなりますね」

女神「そうなるとあなたもお父上と同じ末路を辿りそうな」

勇者「バカ野郎。勇者が必要ない世の中の方がみんな幸せってことなんだ。それで全然構わないじゃないか…」

女神「必死に『真の勇者』へなれたとしても? あなたは本当に世界の為に、『勇者』へなろうとしているのですか?」

勇者「いや、正直に言えば自分の為だろうさ。でもその結果、平和が訪れたのなら最高だろ? 結果オーライというかね」

勇者「二兎を追う者は一兎も得ず、だぜ 女神。僕はお前みたいに欲張りじゃないからな、いま自分ができる事にしか手をつける気はないさ!」

女神「それが、魔王へ喧嘩を売りに行くと」  勇者「言わせてもらうが、売られたのはこっちだ!」

勇者「魔王を倒せば『真の勇者』として皆に認めて貰えるというのならば、たとえヤツが地の果てまで逃げようが 誰の中へ隠れようが」

勇者「僕はかならず『魔王』を殺しに行こうじゃないか。そうだろう、女神?」

女神「勇者は良い意味でも、悪い意味でもブレることを知りませんねー……引きますわ……」

キミは 右のフロアへ すすんだ!

右のフロアで キミを 待ち構えていたものとは!

オークの大群「エルフ……女騎士、修道女……それから村娘と女戦士……」モゴモゴ

女神「た、大変です勇者よ! ココはオークハウス、彼らは色々といきり立っている様子ですわ!」

『ミッション! オークの群れを一匹残らず殲滅せよ! 気をつけろ、ヤツらは発情期!…そう、私のゴーストが囁くのよ』

どこからか 田中敦子な 声が キミにそう つげる!

勇者「なるほど。さっきのよりは断然分かり易くて やり易い……が、数が圧倒的に多過ぎる」

オーク「腹ボコォ……孕ませボンバー……!」

女神「勇者、私は身の危険を感じますので逃げても構いませんでしょうか……!」

勇者「その必要はないぞ、アホ女神。僕に『いい考え』がある!」  女神「ああ、その考えとやらを本当に当てにして良いのでしょうか」

勇者「へっ、待っていろ…すぐにコイツを全員始末するからな。ゆけ、『みさくら女騎士』よ!」

みさくら女騎士「んほおおおおおおおおひさしぶりなのぉおおおおおんん嬉しいでしゅうううっっ」

勇者「ああ、さて みさくら女騎士よ。今こそお前の属性が役に立つときだ!」

オークの大群「女騎士……便器(女騎士)がキタ!……犯せ、犯せ…………!」

みさくら女騎士は オークの群れにあっというまに かこまれてしまった!

みさくら女騎士「あ、あ、あひぃいいいいぃいきにゃりオークにぃかこまれひゃったのぉおお! どうしようマスター」

勇者「よし、作戦通りだぞ!」  女神「鬼ですか、あなたは」

オークの群れが みさくら女騎士へ おそいかかる!

みさくら女騎士「いやぁあああああああたしゅけてええぇ! おっ、お゛っ、おほおおおおおおおおおおおぉぉぉ」

女神「まさか彼女を犠牲にしてフロアから脱出するつもりですか? ですが、ミッションを達成しなければ」

『そう、このフロアからは出られないわ』

勇者「僕が仲間を置いて逃げるような事を一度でもした時があるのか? 囮には使うが、見捨てたりなんて絶対に、ない!」

キミは しとやか武闘家 を しょうかんした! さらに 武器・セーラー機関銃を とりだす!

しとやか武闘家「まぁ、なんという混沌なのでしょう……け、汚らわしいわ……」

しとやか武闘家「マスター!私は彼らへ近づけませんわ……しとやか的に……」

勇者「だからこそ『コイツ』を使って貰おうと思ったんじゃないか。しとやか武闘家、武器を装備するんだ!」

キミは しとやか武闘家へ セーラー機関銃を そうびさせた!

おや? しとやか武闘家の ようすが・・・

勇者「なにっ……」  女神「勇者、コレは…まさか…!」

しとやか武闘家「『しとやかパワー メイクアップ』」

セーラー武闘家「マスター! 私、まるで生まれ変わった気分です!誰よりも強いですのよー!」

しとやか武闘家は セーラー機関銃を そうびしたことにより 『セーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家』へ 強化進化した!

『レア度☆☆☆☆☆:セーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家(スキル:掃射)』

勇者「しとやか武闘家……まさか進化するなんて」

女神「ですがアレは『強化進化』、通常の進化とは違い 戦闘が終了すれば、また元の『しとやか武闘家』へ戻りますよ」

女神「噂には聞いていましたが、こんな所で見られるとは思ってもいませんでした。勇者よ、みさくら女騎士の犠牲を無駄にはできませんわ!」

勇者「分かっているぜ、そして ありがとうみさくら女騎士……お前のお陰だよ……」

勇者「セーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家よ、オークどもを蜂の巣に変えてやれ!」

セーラー武闘家「はーいっ!」

セーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家の スキルはつどう! 腰部にそなわった ニ対のほうしんが オークの群れへ 火をふく!

セーラー武闘家「デスペラード・ブラスターをお受けなさいよ!」ズドドドド…

オーク「ひぎぃ!」

勇者「凄い…凄いぞ、僕のセーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家!あっという間に魔物を倒している!」

女神「広範囲高火力の力を持った武闘家ですか。台バンシィに匹敵しますねぇー」

勇者「だけど、肝心の機関銃は使ってなくないか」  女神「フフフ、細かいところは気にしない」

セーラー武闘家「粗方片付きましたね、マスター。残るはあと一匹……ボスオークといったところかしら」

ボスオーク「ぶひぃいいいいいいいいいいいいいい」  みさくら女騎士「いちゃいのやらのぉおおおおおおおおおっ!」

女神「見てください、勇者。みさくら女騎士はまだ無事だったようですわ」

勇者「み、みさくら女騎士……あんなにボロボロになっても堪えていたのか……」

セーラー武闘家「マスター! みさくら女騎士が豚煮込みにされる前に、私へヤツを倒せと指示を」

勇者「任せたぞ、セーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家……お前の力を見せてみろ!」

セーラー武闘家「了解ですわよ、私のマスター!」

セーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家の こうげき! 二丁のけん銃をてにもちかえて、ボスオークへ きんせつせんとう を しかけた!

セーラー武闘家「武闘家だもの。ガンカタで、ケリをつけるのっ……!」

ボスオーク「   」  

セーラー武闘家「良い子ね、そのままお寝んねしな」ズドーン

キミは オークの群れを みごと げきは した!

『よくやった、勇者。キミにはこの先へ進む資格があるとみたわ。気をつけて』

セーラー服でへそチラリ・しとやか武闘家は しとやか武闘家 へ もどってしまった!

しとやか武闘家「マスター、一生懸命頑張りました!あんな『なまいき』よりずっと役に立っていますわ。撫でてくださいまし…」

みさくら女騎士「しゅごぉ…」ビクンビクン

勇者「み、みさくら……みさくら女騎士! しっかりしろ!」

みさくら女騎士「マスターぁああんわたしもうらめなのおおおおお……」

勇者「どうした、いつもの喘ぎに元気がないじゃないか……まだお前は生きているよ……」

女神「自分で囮に回しといてその心配は卑怯ではありませんかね?」

みさくら女騎士「おごおおおお、ま゛ずだぁーあああ、わたしをしゅきにしてぇん」

みさくら女騎士「本当はもうわかってたのおおお。わたしはこのさきついていけしょうにないって」

勇者「みさくら女騎士……」

みさくら女騎士「だから、マスターのしゅきにわたしをちゅかってへぇえええん。きっとしゃいごぉにお役に立ってみしぇりゅのおおおおお」

みさくら女騎士は ひかえに じぶんから もどった!

キミは 『しとやか武闘家』、『みさくら女騎士』、『セーラー機関銃』、『バールのようなもの』を この先使えなくなった!

女神「聞きましたか、勇者よ。みさくら女騎士は自分は既にゴミの仲間入りをしたと理解していたようです」

女神「そして自分の体を好きに使えと。つまりはですね、魔弾化しようが、合成素材にしてくれようが問題ないですって!」

勇者「そうだな。アイツも控え固定メンバーとして居座るぐらいなら何かに変えられてしまった方が報われるだろう…」

勇者「だが、みさくら女騎士よ。お前はけして『ゴミ』なんかではなかったぞ。お前は十分いままでよく働いてくれたさ…」

勇者「……さぁ、道が開かれた! 先へ進むぞ!」

女神「あら、せっかくですし 合成で仲間を強化しても良いのに」

勇者「魔弾のことを考えると、今素材としてみさくら女騎士を失うのは怖い。それにもし合体で変な仲間になられても困るだろう?」

勇者「とりあえずこの『不思議のダンジョン』を抜けるまでは『みさくら女騎士』は保留だよ……ルーレットまだか!?」

ルーレット「ぷるぷるぷる…今あらわれたよぉ…」

勇者「もう少し早めに来てくれないかね。ここまでは順調だ。この先も何とかなれば良いけれども」

キミは 150円を ルーレットへ いれ・・・

女神「むっ、少し待ってくださいな」  勇者「どうした?」

女神「よくルーレットのポケットを見てください、勇者。今回は『右』、『左』だけではないみたいですねー」

勇者「本当だ……『上』、『下』、『ランダム』。ランダムって?」

ルーレット「どのフロアへ出られるかお楽しみってヤツだよぉー」

女神「何処かのフロアへ飛ばされてしまうってな感じですかね。運が良ければ、ボスの前へ行けたりも?」

ルーレット「その通り。運が良ければ」

勇者「じゃあランダム一択しかないだろう!」  女神「勇者は本当におバカですねー! メリットもありますが、それが全てではないでしょう?」

女神「もし入口に戻されるようなハプニングが発生したら? モンスターハウスへ跳び込んでしまったら?」

女神「最悪のケースがいくつも想定できますわ。ココは慎重になるべきでしょう、勇者よ」

勇者「らしくないじゃないか?」  女神「下手を踏まれては私があの秘書女神に負けてしまうのですよ!」

女神「それにあなたもです。頼まれていたVITAちゃんを救うのではなかったのですか、勇者。彼らとて早々ボスの待つフロアへ辿り着いているとは考えられません」

女神「焦らず、慎重にですよ! 一時の迷いはかならず後悔を生むのですから!」

勇者「最初から迷いなんてないさ。僕は先を進むだけだ、このルーレットが指し示す道をなぁー!」

キミは ルーレットへ 150円を いれた!

ルーレット「運命のルーレット廻して~♪ ずっとー、キミを見ていた~♪」カラカラカラ…

かしゃん・・・!

ルーレット「『ランダム』です。結果が気に入らなければ、200円を入れてね。結果が~~~」

女神「早速引き当てちゃうし…」  勇者「なーに。コレでボスの近くまで行けたら万々歳ってもんだよ」

勇者「……で、どう進めば良いんだ。今まではルートを示されてその道を進んでいただけだが」

ルーレット「ランダムルーレットタイム~!」

勇者「は?」   ルーレット「ルーレットを回してフロアを決定してください。全てはあなたの運次第!」

ルーレット「なお、この『ランダムルーレット』に課金でやり直しは効きませんのでご注意を」

勇者「飛ばされる先もルーレットで決めるって面倒な話だな! ……じゃあ、回すよ」

女神「あっ、『ゲロ以下』を使ってそれらしいフロアへ止めて貰うというのはどうです、勇者? それならば確実でしょう」

勇者「それはそうだが、もし後でゲロ以下の力が必要になれば困るぞ。アイツ、アレでも今の主力メンバーの一人なんだから」

勇者「ココは自分の幸運を信じる! そして、女神よ! お前の力を貸せ!」  女神「はぁぁ~~~……♪」

女神「ええっ、そりゃもう是非是非頼りなさいな! まずは200円を私へ寄越すのです、勇者ぁ~♪」

キミは 女神へ 200円課金して 運上昇の力 をうけた!

女神「いえーい! まいどありっ!」   

勇者「コレで僕の幸運へブーストがかかった。さぁ、VITAちゃんの元へ連れて行ってもらおうか!」

ルーレット「グルグル回る グルグル回る グルグル回る グルグル回る~ フワフワに浮かぶ私今日も~一人、くーもの上~」カラカラ…

かしゃん・・・!

ルーレット「出ました! 『もう一人の僕 の フロア』へ 行ってらっしゃい」

勇者「ええっ、なんぞ――――――――」

キミは どこかの フロアへ とばされた!

女神「更新の早い課金SSもありますよ~?1レス250円です毎度!」

俺「いえ基本無料のこのSSでいいです・・・」

勇者「――――――だ……有無を言わさず瞬間移動させられたようだな」

女神「余計な事一々言われても困るのですよ、消費者っていつの時代も大事にされます。だからこそ厄介です」

女神「さて、ルーレットが言った『もう一人の僕 の フロア』でしょうかね? 名前の意味わかります? 勇者」

勇者「僕は運営の頭の中なんて一生理解できん。つまり、意味不明だよ……次は何が来るんだろう」

フロア には キミと女神以外 誰もそんざい していない!

勇者「……来ないという場合もあり得るかね」  女神「とりあえずいつもの『天の声』は変わった様子を知らせてませんね?」

勇者「じゃあもう一つの『声』に尋ねるまでだよ。おい、聞こえてるんだろう? もう次のルーレット回して進んで良いのかー?」

『良いワケないじゃない。あなた気が早すぎよー、ちょっと今休憩から戻ってきた所なの』

どこからか 佐藤利奈な 声が 聞こえてきた! どうやら お取り込み中だったようだ!

勇者「また別の声……ていうか、勇者がダンジョンに二人も入ってるのにのんびりやってるんじゃねーよ!!」

女神「それで声の主さん? お次はどの様な『ミッション』を達成させれば?」

『待って。え~~~と、確か……』

勇者「どうして自分の担当されたフロア内容把握してないんだよ!?」

『だって、今日台本渡されたばっか……ゲフンゲフン』

『あ、思い出したわ。ミッションについて説明します。このフロアでは『とある敵』を一体撃破してください』

女神「あのー、その『とある敵』のお姿がいつになっても現れないのですけれど。もしかして、その方も休憩中ですかね」

勇者「なぁ、僕いまスゴくやるせない気持ちなんだけど……」

『い、いま用意されるから少し待っててよ! もう、せっかちは嫌われるわよー?』

勇者「悪いがコッチは個人的な理由で滅茶苦茶急いでいるんでねぇ!! 早くしろ運営!!」

『もういるじゃない。目の前を向いて確かめてちょうだい』

勇者「何……?」

キミ の 目の前には 影が あった!

影は ヒトの形を とりはじめ、段々とソレへ 構築されていく!

女神「アレって……まさか?」

勇者「……まさかのまさかじゃないか」

勇者?「その通りだ、もう一人の僕よ」

もう一人の キミ が キミのまえに あらわれた!

勇者「女神、僕だ……僕が僕の前に立っているぞ……!」  女神「まぁ! 二人の勇者で、課金額も二倍ですねぇ~!」

勇者・ニセ勇者「「こういう時ぐらいは空気の一つ読んでくれ、女神よ」」

勇者「あぁっ、僕の台詞を丸々真似してきやがった!?」

ニセ勇者「そりゃあ僕はキミなのだから。キミが何を言いたいのか、何をしたいのか、全て分かっているさ」

ニセ勇者「なぁ、どちらが本当の僕で、『真の勇者』として相応しい存在か、確かめ合おうぜ……!」

女神「『真の勇者』脳なところもコピーしているとは、完璧ですわ。というか、『とある敵』というのはアレの事なのですか?」

『そうよ。このフロアではもう一人のあなた自身と『勇者×バトル』で戦い、勝利する、それが次へ進む条件』

『ここでしか体験できない二度とないチャンスでしょ? 自分と戦えるなんて。ついでに記念撮影しても見逃しておいてあげる』

勇者「やらねーよ……」  女神「んー、ついでにもう一人の私がいたら勇者はまともでいられなくなっていたでしょうね」

女神「それにしても、今回もこれまでの運営らしからぬ『罠』ですか。一体あなたたちは何を企んでいるのです?」

『あら? 女神さん、あなたも運営側の人な筈でしょう。まさか、自分の会社に疑いを持っているの? それって問題よ?」

女神「うっ、下手打ちましたかね、勇者よ!」  勇者「いや、誰だろうと疑問に持つだろうコレは」

勇者「……じゃあ言わせてもらうがな、声よ! 何故運営の社員である、この女神に、『不思議のダンジョン』の内容が知らされていないんだ!」

勇者「それどころか、コイツは『ダンジョン』の存在すら把握していなかったぞ。担当のミスか? それとも、お前ら運営があえて女神へ告げていなかったのか?」

『ごっめーん! 私、今回だけの雇われだから深い事情は知らないの! あと、ちゃっちゃと終わらせてくれないかしら?』

女神(どういう事でしょうね……まぁ、考えられるのは『魔王』、ですかね)

勇者「……ああ、急いでるんで早く済ませたい。特に変わったルールはないのか? もう一人の僕と戦うのに」

『ん~、しいて言わせてもらえば、そこの『あなた』はあなた自身。だから、所持する仲間と装備も同じ。ステータスもよ』

『それだけ。あとは頑張って倒してみたら?』

勇者「なんて適当だよ!」  女神「ええ、今に始まったことではありませんね!」

ニセ勇者「ヘヘッ、そろそろ始めて貰っても良いかい? 僕にはお前に負けない自信がある。だって僕は『真の勇者』となる男なのだから」

勇者「違う! 偽物が『真の勇者』を語るんじゃない、僕こそが勇者であり、『真の勇者』!」

女神「うわぁ、鬱陶し……」   勇者・ニセ勇者「喧しいぞ、アホ女神!!」

ニセ勇者「さぁ、かかって来いよ、『僕』!! どちらが最強で本物か、決着を着けようか!!」

ニセ勇者が キミへ 『勇者×バトル』 を もうしこんできた!

勇者「僕はこの世に一人だけで十分。偽物は、殺す!!」  女神「本物のほうが過激な悪役染みていますかね」

キミは 『戦う』を 選択 した! → 『戦う』or『拒否』

ニセ勇者「ゆけ、『邪悪の化身・ゲロ以下』、『台バンシィ』、『ニシカワアニキ』たちよ!」

ゲロ以下2「ふん…このゲロ以下にどうして欲しいというのだ」  台バンシィ「アレが、ガンダム! 私が倒すべき敵!」

ニシカワアニキ「ちょっと、マスター二人いるやん(笑)」

女神「予想はしていましたが、出てきた仲間は今の主力パーティですね」  勇者「まぁ、だろうな…」

勇者「そして、『ニシカワアニキ』を出してきたとなれば やる事は一つ。アイツは『魔弾』で一気に仕掛けてくる」

勇者「ゲロ以下と台バンシィは魔弾化、あるいは魔弾発射までの壁役といったところだろう。どちらも凶悪レベルの仲間だぞ……」

勇者「対面して始めて分かった気がする。僕、滅茶苦茶強かったんだな!」  女神「正しくは仲間と装備が強かった、ですよ」

ニセ勇者「どうした? お前の仲間を早く召喚してしまえよ。それとも戦う前から諦めに入ったのかね」

勇者「やはりお前は僕ではない! 僕はそんな生意気でも、下手な挑発もしないぞ!」  女神「あら、ご冗談を!」

勇者「お前、本当に揺るがないよな」  女神「キャー! 私の勇者がんばってー! ファイトですよ!」

勇者「チッ……まぁ、いい。僕は『経済の父・ミスタースミス』、『台バンシィ』、『ニシカワアニキ』を出させてもらう!」

スミス「水ほど役に立つものはないが、水では何も買えない。反対に(ry」  台バンシィ「見つけた! ガンダムッ!」

ニシカワアニキ「最近奈々ちゃんとデュエットさせて貰えたんですけどね、まさか自分とやる時が来るとは思いませんよね(笑)」

女神「あら、『ゲロ以下』ではなく『スミス』ですか? まだ戦闘に参加させたこともないのに」

勇者「僕に考えがある!! 黙って見ていろ、女神よ!!」

ニセ勇者「まさか、後に控えている『ボス戦』用にゲロ以下を出さなかったのか。だとすれば、それは失敗だったぞ!」

ニセ勇者「ゲロ以下、お前のスキルで先制だ。そこの柔な学者から叩きのめしてしまえ!」

ゲロ以下「なぜわたしが貴様などの言うこと(ry」  ニセ勇者「アニキ、ゲロ以下を『魔弾化』…」

ゲロ以下「ザ・ワールドッ! 止まれィッ時よッ!!」

ゲロ以下のスキルはつどう! ゲロ以下一人をのこし、すべての時間は 凍結 する!

スミス「   」

ゲロ以下「スタンド使いでも、波紋が使えるワケでもないタダの生っチョロイ老いぼれめ…このゲロ以下の敵ではない…」

ゲロ以下「……が、考えたな 敵ながら良い対策だぞ」

スミス には すでに 『武器:丸太』が そうび させられていた!

ゲロ以下「しかし、わたしが二度同じ手を食らうと思っているのかァーーーっ!! 目標を『敵マスター』へ変更するッ!」

ゲロ以下「ザ・ワールドの射程範囲内に入ったぞ! まぬけめッ! これにて貴様の旅は終了だァァーーーッ!!」

勇者「    」

ゲロ以下のこうげき! ・・・しかし ザ・ワールドは 直前で 手を とめてしまった

ゲロ以下「……」

時間が うごきだす!

魔弾が ニセ勇者 の かお ギリギリを とび はいごのかべへ めいちゅうした!

ニセ勇者「……は」

勇者「僕に感謝しろよ、偽物め。仲間からよく信頼されていたこの僕にな。だからお前は難を逃れたのだろうよ」

キミは 時間停止の ちょくぜんに 拳銃 から 魔弾を はっしゃ していた!

勇者「知っているか? 今のは『ニダ商人』を変化させた『魔弾』だぜ……」

女神「あれ、それって確か一昨日あたり魔物との戦いに結局使わなかった魔弾ではありませんか?」

ニセ勇者「何だと…」

勇者「この魔弾とやらはな、使いきれなかった場合は『武器』として手元に残る仕様らしい。偶然だが役に立てられたぞ、ゴミよ」

ニセ勇者「そ、それでも『真の勇者』を目指す者かお前……!」

勇者「必要な犠牲だった!! それだけの話だろう……お前、本当に僕なのか? 僕はそんな甘い人間じゃないのだが」

ニセ勇者「うっ……ま、まだだ。僕にだって『魔弾』はある! ニシカワアニキ、控えの『みさくら女騎士』を魔弾化してしまえ!」

ニシカワアニキ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」 みさくら女騎士「ひいいやああああああぁしゅごいのくりゅううう」

勇者「外道か、貴様……許せん」   ニセ勇者「お前にだけは絶対言われてなるものか!!」

ニセ勇者「時間稼ぎだ、ゲロ以下!台バンシィ! ゲロ以下はもう一度スキルを発動して、次こそはヤツの仲間を潰せ!」

ゲロ以下「チィ…ザ・ワー(ry」

勇者「スミス、お願いします」  スミス「お安いご用だとも」

スミス「話には聞いていたよ、ゲロ以下くん。私たちはお互いイギリス国民だ」

ゲロ以下「それがどうした? 年寄りの長話か、このゲロ以下に貴様の説教は必要な(ry」

スミス「ゲロ以下くん、我々が食事を取れるのは、肉屋や酒屋やパン屋の主人が博愛心を発揮するからではない」

スミス「自分の利益を追求するからだとは思わないか?」  ゲロ以下「うむ…?」

スミス「キミは貧困層の家庭出身だと聞いたよ。だが、自分の生まれを憎み、さらには勤勉なキミは向上を目指したというではないか」

スミス「私はね、ゲロ以下くん。貧困を解決するにはまず、その国の市場経済を発達させなければいけないのだと思う」

ゲロ以下「……」

スミス「市場が成長すれば経済が活性化して、人々の生活を次第に良く変わってゆく。貧困を解決するなら市場を発展させて、多くの人々が市場に参加できるようにすれば良いんだ」

スミス「すまないね、私はキミより古い人間だ。…そうだ、聞かせてくれ。キミの時代を…この老いぼれに…」

ゲロ以下「……ああ、ミスタースミス。こっちに来てくれ。私と友達になろう。わたしとキミは良い関係を築けそうだ…ふふ」

ゲロ以下は いつのまにか ベッドと大量の本を 用意して スミスを やさしく手招いている !

スミス「ありがとう、ゲロ以下くん。そうだ。キミの神学における解釈についても是非聞かせていただきたいな…」

ふたりは ベッドのうえで 本をよみ なかよく 話をしあっている!

ニセ勇者「はっ……はぁー!?」

ニセ勇者「な、何をしているんだ ゲロ以下! 早くそこの『スミス』を倒してしまえ!」

勇者「お前はどうやら仲間の事を何一つ理解していなかったみたいだな。ゲロ以下は性格に難ありだが、話ができないワケでも、バカでもない」

勇者「ゲロ以下の話相手にはやはりスミスが適任だったみたいだ。お前の敗因は、仲間を『便利な道具』としか思っていなかった!…そんなところだな」

ニシカワアニキ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」 働かざる遊び人「明日こそはハロワ行くつもりだったのに!」

働かざる遊び人はニシカワアニキの スキル によって、魔弾と化した !

ニセ勇者「はっ」

キミは 魔弾を 拳銃から ニセ勇者めがけて はっしゃする!  どうじに ニセ勇者も 拳銃から 魔弾を はっしゃした!

ふたつの 魔弾は 空中で しょうとつしあい たがいの弾丸を かきけした!

ニセ勇者「何が、『仲間を便利な道具としか思っていないだろ』だ! お前が人のことを言えるのか!?」

勇者「知るものか! 人は人、自分は自分だ! それを自分と同じ見た目のヤツへ言う日が来るとは思ってもみなかったぞ!」

女神「とっても極論、というか返しに全くなっていませんよ 勇者!」  勇者「問題ないさ。だって相手は僕自身なんだろう」

勇者「僕は、僕を、諭せたり、止められたりできるとは思えないよ。だって僕なのだから!」

女神「ん、さっぱり意味不明ですわ」

勇者「さぁ、偽者よ。コレで僕とお前は同じ状態へなったというワケだ。仲間はお互い『台バンシィ』と『ニシカワアニキ』の二体」

ニセ勇者「……魔弾コンボもお互い使う事ができる。つまり!」

勇者・ニセ勇者(次に狙ってくるのは、確実に『ニシカワアニキ』……!)

勇者・ニセ勇者(と見せかけて、ヤツは先に『台バンシィ』を殺しにかかるだろう!)

女神(あらら……)

ニセ勇者「ふん、台バンシィよ! 向こうのお前を潰してこい!」

台バンシィ「ガンダムゥー!!」

勇者「ニシカワアニキッ!」  ニセ勇者「このタイミングで魔弾化? へっ、僕は完全にお前を見誤っていたらしい!」

ニセ勇者「手薄になったいまがチャンスだ、台バンシィ! 殺れ!」

勇者「攻撃しろ!」

台バンシィのこうげき! キミの台バンシィへ アームドアーマーBSをむける!

ニシカワアニキのこうげき! ニシカワアニキは いつのまにか きわどい衣裳へきがえていた!

フロア内に海がながれこみ、とっぷうが ふきはじめる!

台バンシィ「!」  ニセ勇者「こ、これは……まさか」

ニシカワアニキ「YO!SAY!夏が胸を刺激する!」

とっぷうが ニセ勇者たちへ おそいかかった! かぜで みうごきが うまくとれない!

ニセ勇者「全体攻撃かぁ~~~!?」

ニシカワアニキ「宝物の恋ができそうかァーいッ!?」ドヒュゥウウウウー

女神「きゃあ! ゆ、勇者のおバカ! こちらにまで風を吹かせるなんて! ちょっと、もう止めてっ!!」

女神は スカートを ひっしに おさえている!

勇者「め、目が開けてられん……台バンシィ、いまのウチにヤツの『ニシカワアニキ』を!」

台バンシィ「お前もガンダムかぁー!!」

台バンシィのこうげき! ビームサーベルとビームトンファーの ニ刀で ニセ勇者の ニシカワアニキを まっぷたつに きりすてる!

ニシカワアニキ「えっ……―――――」

ニシカワアニキは ばくし した!

ニセ勇者「ハイ…アニキィーーーーーー!?」

勇者「コレで、お前はもう魔弾を使えない……それじゃあ遠慮なくコチラの魔弾を撃ち込ませてもらおうか」

ニシカワアニキ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」 ウザイルカ「何について調べますか?→『お前を消す方法」

ウザイルカは魔弾と化した!

ニセ勇者「だ、台バンシィ! 僕を魔弾から守ってくれ!」

勇者「無駄だろう。大砲で行くぜ……だが、ニシカワアニキ。『みさくら女騎士』を魔弾化しろ!」

ニシカワアニキ「眠りにつかない恋の骸にィィ~~~!!」 みさくら女騎士「ますたぁあああああああ」

みさくら女騎士「いままでぇんありがとほおおおおおおおおおおおおん」

みさくら女騎士が 魔弾化した!

勇者「……魔弾は二発作らせてもらった。コレでしくじりはしないだろうさ」

ニセ勇者「まだ終わっちゃいないぞ! 台バンシィ、ヤツへ攻撃してコンボの阻止を(ry」

勇者「台バンシィ! ヤツの台バンシィへ攻撃しろ!」

台バンシィたちのこうげき! たがいを ビームサーベルで こうげきしあっている!

キミは 『南斗人間大砲』へ 『ウザイルカ魔弾』を そうてんした!

ニセ勇者「げっ」  女神「決まりましたね」

勇者「くたばれ、偽者め! 魔弾は、貴様へ直撃するまで追跡し続けるぞ!」

キミのこうげき! 南斗人間大砲から 魔弾を はっしゃ した!

ニセ勇者「あ、あ……ぐふぅーっ!?」  『HP:188/188』 → 『HP:0/188』

勇者「あっ、一発で仕留められただと? ……そうだった。ヤツと僕のステータスは同値だったな」

女神「ですが、後のことを考えれば けして『みさくら女騎士』を魔弾化しても問題はありませんよ」

勇者「そ、そうだけども……」

ニセ勇者は まっくろなかげへ なり、げんけいを とどめず しょうめつしてしまった!

おや、なにかが 床に おちている!

勇者「何だコイツ? もしかして、仲間かな……」  女神「あら、コレって噂の激レア仲間ではありませんか!」

『ミッション達成おめでとー。ソコに落ちている仲間があなたへ変身していたのよ、勝利の証に受け取って』

勇者「やっぱり『もう一人の僕』でもなんでもないじゃねーか!!」

キミは 新たな仲間と 出会った! → 『レア度☆:コピーロボット(スキル:ジェミニ(0M0 ) )』

勇者「おい、女神よ。激レアじゃないぞコイツ。レア度1のゴミじゃないか」

女神「いえいえ、勇者。レア度で騙されてはいけません。この仲間のスキルは他の誰にも使用できない『強力スキル』なのですわ」

勇者「本当かよ。イマイチお前の話は信用性がないなぁ……ところで、もう進んで問題はないな? 声の主よ」

『ええ、先へ進んで。ただしルーレットを回す必要はないらしいわ』

勇者・女神「……は?」

勇者「お、おい! 一体今度はどういうつもりだ!」  女神「そうですよ。何故急に普通に進め、となるのです!」

『だって そう言うように伝えられてるし、私に文句言われても困るのよ そんなの』

『この先には『BOSS:VITAちゃん』が待ち構えているわ。気をつけていってらっしゃいね。じゃ、バイバ~イ』

声は もう キミへ 語りかけてはこなかった!

勇者「しかも、もうボスのフロアにだと。……本当にこのダンジョンどうなっているんだ」

女神「私にもさっぱりですよ、勇者。これでは今まで何のためにわざわざ妙な進み方をさせていたのか、ワケが分かりませんわ…」

勇者「女神でも呆れるレベルだよなぁ、さすがに……」  女神「まぁ、絶対に裏があるとは考えています」

女神「とにかくボスが先で待っているのなら、さっさと救って、秘書女神たちを『ギャフン』と言わしてしまいましょう! 私の勇者よ!」

勇者「うーん……そうだな、じゃあ行こうか……なんか拍子抜けなんだよな……」ブツクサ

キミは フロアを出て ボスフロアへの 道を すすんだ!

大きくて見るからに重々しい扉が ある!

勇者「……コレ、ボスに見せかけた罠とかじゃ(ry」  女神「どのみち、もう後には戻れません。行きましょう、勇者」

勇者「むぅ……VITAちゃんいるか?」

キミは 扉を あけはなった!

VITA「モンハンが来なくても、GE2とダンガンロンパが来るんだもん!」

そこには BOSS:VITAちゃん の すがたがあった!

続きは明日の夜・・・うそじゃない(^ν^)

女神「秘書女神とデブ勇者の姿が見当たらないところを見るに……やりましたよ、勇者! 私たちの勝利確定ですね!」

勇者「いや、それより……」

VITA「どうしてみんな私を愛してくれないの!? 持ち歩かないの!? ホコリ被ってるのに気付いてくれないの!?」

勇者「アレがこの『不思議のダンジョン』のボス、『VITAちゃん』で良いのか? 亡霊たちと外見が似ているぞ」

女神「ええ、ですが妙に興奮していますわ。フロアいっぱいに叩き割られたUMDディスクの山が積み重なっていますよ」

女神「あの様子だと話合いではどうにもなりそうにないかと。どうするのですか、勇者よ?」

勇者「まぁ、待て。亡霊が言うように本当にもし操られているだけだというのなら……おい、VITAちゃんよ!」

VITA「ギャルゲーハードなんかじゃないもん! うぅ、スクエニもコナミも私をソシャゲー媒体にして……」

勇者「お前が何を言っているのか僕にはさっぱりだ!」

VITA「うるさいうるさい! もっと新作よこせ! 3DSちゃんばっかりズルいよぉ~~~!」

VITAちゃんは こんらん しているようだ!

女神「あなたにはまだ利用価値がありますよ、VITAちゃん!」

女神「良いではありませんか。あなたのお陰で古き良きゲームのリメイクを楽しめるのです! 私もアーカイブス活用してますよー!」

VITA「新作がなきゃ話題性に欠けるんだよぉぉぉ~……うえぇーんっ!!」

勇者「おい、泣かせてどうするんだよ!?」  女神「私は現代携帯ゲーム機の便利さを語ったまでですよ!」

勇者「ええいっ、揃いも揃って何をワケの分からん話ばかりを……こうなれば力付くで抑え込んでくれる」

キミは VITAちゃんと 『戦う』 or 『逃げる』!

勇者「もちろん『戦う』を選択――――――ん?」

『戦う』 or 『逃げる』 → 『逃げる』 or 『逃げる』

キミは VITAちゃんと 『逃げる』 or 『逃げる』!

勇者「なんだとっ!?」  女神「どうしました、勇者よ?」

勇者「お、おかしいんだよ。ヤツと『戦う』選択肢が突然なくなった! ていうか、『逃げる』のコマンドへ変化しているぞ!」

女神「…………」  勇者「おい!その可哀想なヤツを見るような目を止めろ、女神! マジだ!」

女神「ぷっ、そんなバカな事があるわけないでしょう? 冗談にしても下手すぎですわ、勇者」

勇者「だから本当なんだってば!! どうして分かってくれない!?」

女神「んー? ……もし事実だとすれば、運営があなたとボスを戦わせたくないという事ですか?」

女神「では、それはなぜです?」

?「その答えを教えてやろうではないか~……」

勇者・女神「はっ!?」

デブ勇者「んくくく……ご無沙汰、いやいや、数時間前に会ったばかりでしたかな」

女神「ああーっ! 勇者がモタモタしていたから追いつかれてしまったではありませんか!」

勇者「だから、僕が原因じゃないだろう! ……それより、デブよ。お前 まさか何か知っているのか」

デブ勇者「ん~! 知っていますとも。だってまぁ、このダンジョンを作らせて、そこの『VITAちゃん』を洗脳させたのも」

デブ勇者「この吾輩なのですからなァー!」

勇者「な、何だって!?」  女神「騙されてはいけません。ヤツはまた汚い手で勇者を出し抜こうとしているに違いありませんよ!」

女神「そもそも一勇者会員の分際で『ダンジョン』を用意できる筈がありません。チートでも無い限りは!」

デブ勇者「チート? …ああ、あのチョコざいでお間抜けだった『元ゴッド女神』の力の事を指しているのかね」

女神「えっ……」

デブ勇者「おや、女神さま。あなたはもしかして あの鬼女とお知り合いで? お友達? それってマズくなーい?」

デブ勇者「だってぇー それ運営を裏切っちゃってるって意味になるよねぇー……そこンとこどうなの? 詳しく聞かせてごらん?」

勇者「……そういう事か、『魔王』」

デブ勇者「はぁ~いwwwwww魔王でございましたーwwwwww」

勇者「お前!――――」

デブ勇者「『待ってるよ、勇者きゅん(はぁと』とか言っといて間隔開けずに会いに来ちゃった事におこなの? ねぇ、おこなの!?」

デブ勇者「だって魔王ちん 勇者きゅんのことがとっても気になってて、興味深々でさぁ……会いたかったんだょ…///」

勇者「っ~~~……!」

デブ勇者「勇者きゅん顔真っ赤っかやwwwwwwプゲラwwwwww」

勇者「今回乗り移ったデブの容姿も手伝って、今のお前は相当ムカつくぞ!!」

女神(ゆ、勇者ぁ~……どうしましょう……)  勇者(お前は何も知らない体でいるんだ、女神よ)

勇者(ココでお前までヤツに消されては、僕は完全に魔王への対抗手段を無くしてしまうだろう)

勇者(しかし、あの様子だと とうの昔には気づいているな。僕とお前が無課金ギルドと接触していたことについて)

女神(でしょうね……まさか本当に『不思議のダンジョン』に魔王が絡んでいたなんて)

女神(まさか、秘書女神はそれを知っていて あえて私たちを挑発してきたというのでしょうか…!)

デブ勇者「ねぇねぇ、二人とも黙り込んでないで我とお話しようよー」

勇者「貴様に語りかける義理はない! かける言葉は「死ね」の一つだ、魔王よ!」

デブ勇者「通報すますた! ……やぁ、それにしてもビックリだよ 勇者きゅんよぅ」

勇者「…どういう事だ」

デブ勇者「キミの『超勇者級の幸運(笑)』にビックらこいたって言ったのだ」

デブ勇者(魔王)は キミへ MAX COFFEEを なげわたした!

女神「ソレは確か最初のフロアの『ミッション』で獲得する物だった」

デブ勇者「そうなの、魔王ちゃんも愛飲している『MAX COFFEE』。コレね、手に入るワケがなかったのさ」

勇者「は?」  デブ勇者「まぁ、人の話は最後まで聞こうよ」

デブ勇者「あの喋る自販機は『ダイドーの自動販売機』。でもこのコーヒーはね、『コカコーラの自動販売機』じゃなければ絶対に手に入らない」

デブ勇者「コレ、どういう意味かおわかりいただけただろうか?」

女神「……まさか、最初から入っていなかったと」

デブ勇者「さっすが女神ちゃんだよ! 大当たりぃ~!」

勇者「ふざけるな、魔王め!! それじゃあ最初から僕は『ミッション』を達成できる筈がなかったというのか!!」

デブ勇者「でも、勇者きゅんは難なく突破できちゃったってことサ」

デブ勇者「無い物から、自分が欲しい物を作り出す……それって十分『チート』の域だよねぇ。魔王ちゃんマジドン引き」

勇者「そうか……分かったぞ、魔王。この『不思議のダンジョン』は僕の『超勇者級の幸運』を試す為の囮だったのか」

デブ勇者「えっ、今さら気づいたの? 遅くねwwwwww最初からあからさまだったじゃないwwwwww」

デブ勇者「こんなクソみたいなつまんねーダンジョンを提供するワケねーだろ。質悪すぎ、テンポ悪すぎ」

女神「自分で作ったくせにメタクソな……!」

デブ勇者「現代の頭ユルユルな勇者たちに分かり易いシンプルダンジョンじゃなきゃ、課金だって捗らないよね? フツー皆さんこんなのに貢ぎたがりませんよね」

デブ勇者「毎度ありがとうございました、勇者きゅん! わざわざこんな出来そこないゲームにお金払ってくれて!」

勇者「…………」

デブ勇者「頭弱い勇者きゅんとそれを手伝ってくれた女神ちゃんのお陰で、我にマネーがっぽがっぽヨ」

女神「ぐ、ぬ、ぬ……っ!」

デブ勇者「人って怖いよねー。競争意識持つとリミッター外れちゃうというかー……まぁ、このデブ勇者に勝てたし、喜ぼうよ」

勇者「…………」

デブ勇者「無反応な勇者きゅんの代わりに我が喜んじゃうwwwwwwたのちーwwwwww」

デブ勇者「今の勇者きゅんの心の声を我が代弁して喋ってあげようか」

デブ勇者「『糞ゲー乙!!!』なんてネ」

勇者「……お前がふざけたヤツだとは知っていたが、もはやココまでとは。小悪党め」

勇者「リベンジ戦には早すぎたがな、魔王。僕は今度こそお前をぶっ殺す! 確実に! この場で!」

女神「いえいえ、それは無茶です 勇者よ! 今のあなたでは再び魔王へ返り討ちにあってしまうだけでしょうに!」

勇者「目の前に、いや、向こうから僕に会いに来たんだぞ!? 見逃せるか!? できるワケがないだろうっ」

勇者「Nを悪く言うどころか、僕までもを……許せん、魔王!」  デブ勇者「勇者きゅん、それ逆逆」

デブ勇者「まぁ、今回は我も勇者きゅんと一戦交えに来たのだけれどね。最初から戦う気満々よ」

女神「何ですって……」

デブ勇者「とはいっても、弱者と強者の実力の差有りまくりな状態での『ゲーム』なんてつまらないよなァ」

デブ勇者「ソコでだよ。勇者きゃん、我と『勇者×バトル』で勝負しよっ」

勇者「お前と……『勇者×バトル』……?」

勇者「それのドコがハンデになるというんだ。この『勇者システム』を作り上げたのはお前だぞ、魔王!」

勇者「システムを熟知している制作者とのゲームと素人の僕、公平なワケがあるものか!」

デブ勇者「問題ないよん。我はこのデブ勇者の手持ちの仲間と装備で戦うし、HPも他のステータスも勇者きゅん以下に設定したげる」

女神「そのデブ勇者は重課金勇者ではありませんか! ならば、仲間も装備もコチラより強力でしょう!」

デブ勇者「そうだよね。だから、ちょいとクセが強いのだけをチョイスさせて頂くとする」

デブ勇者「で、どうかしらん?」

デブ勇者(魔王)は キミへ 『勇者×バトル』を いどんだ!

キミは 挑戦を 『受ける』 or 『受けない』!

女神「止しましょう 勇者……きっとまだ悪い企みがあるに違いないです……」

女神「ココは逃げるべきですわ……」  勇者「しかし……!」

デブ勇者「にwwwwwwげwwwwwwるwwwwww勇者きゅん敵前逃亡の巻wwwwww」

デブ勇者「我をココでこてんぱんに倒せるチャンスなのにwwwwww逃げるのかねwwwwww」

デブ勇者「チーキン! チーキン! チーキン!」パン、パン!

勇者「あぁ!?」  女神「い、いけませんわ勇者! 落ち着きなさいな!」

デブ勇者「……貴様、腐っても勇者なのだろう? いいのか。魔王を前にして逃げるつもりでいて」

デブ勇者「真の勇者(笑)(笑)(笑)wwwwwwwww」

勇者「…女神よ、もう止めてくれるな」

キミは デブ勇者(魔王)からの 挑戦を 『受ける』!

女神「ああっ、おバカ勇者……」

デブ勇者「それでこそ『真の勇者(笑)』だぞ、勇者きゅん。もし我に勝てたらスゴイ秘密とか教えてあげる」

勇者「必要ないッ! その前に貴様はこの僕が滅ぼしてくれる……覚悟しろ、魔王よ」

勇者「ゆけ! 『邪悪の化身・ゲロ以下』、『福岡人』、『機械武闘家』たちよ!」

ゲロ以下「魔王だと? ふん、このゲロ以下の上を行く者はいない…」  福岡人「ッシャオラァー!兄貴、カチコミじゃあ!」

機械武闘家「マスター、久しぶりだな。俺に任せてくれ」

勇者「お前たち、敵は『魔王』だ。勇者ではない。だから、一切の遠慮はいらないぞ! 最初から殺す気でかかるんだ!」

女神「やはりまだ『不思議のダンジョン』内での制約は効いているのですね。という事は、『魔弾化』もそれによるコンボも使用できない」

女神「魔王相手にそれでどう戦えというのでしょうかねぇ……」

デブ勇者「いやいや、そこは勇者きゅうの『実力』次第じゃなーい? 我はとっても楽しみにしているよ」

デブ勇者「『駆逐艦という名の何か・ぜかましちゃん』、『ガールフレンド(仮)』、『ダークドクトル・ハザマクロオBJ』、任せたぞ」

ぜかまし「スピードなら誰にも負けません。速きこと、島風のごとしです!」 ガール(仮)「声、出ちゃってもいい…?///」

BJ「その言葉が聞きたかった」

『レア度☆☆☆☆:駆逐艦という名の何か・ぜかましちゃん(スキル:課金+「素早さ」)』

『レア度☆☆☆:ガールフレンド(仮)(スキル:課金+「魅了」)』

『レア度☆☆☆☆☆:ダークドクトル・ハザマクロオBJ(スキル:違法治療)』

女神「あ、アレは! ……確かに一癖ある仲間たちを出してきましたね」

勇者「見たところは普通のレア度な仲間だが……?」

女神「ヤツが出してきた仲間たちは皆、スキルの使用に『課金』が求められます。例を上げれば『なまいき武闘家』辺りでしょうか」

女神「彼らは『課金』をすればするほどステータスを上昇させたり、特殊な力を発揮するタイプです!」

女神「そしてお金を払って貰えなければけして自ら戦おうとはしません」  勇者「本当にそのタイプ性質悪いな!!」

勇者(……しかし、アレを使うのが魔王となれば話は別か。ヤツには勇者たちから巻き上げた金がたんまりとあるからな)

女神(その通り。つまり、魔王はあの仲間たちの力で際限なく強くなれる。いわば…)

女神(『無限の力』を持つこととなるでしょう! ソレのどこがハンデですか!?)

勇者「くっ……やはりお前は小悪党か、魔王め!」

デブ勇者「おらおらかかって来いよーwwwwwwうりうりーwwwwww」

デブ勇者「ハンデが足らないように見えるねぇ、勇者きゅん! まだ欲しいってか、欲しがり屋さんねぇ~~~」

女神「勇者よ、ここは魔王のご機嫌を取ってもう一声おねだりするのです」  勇者「自分で今何を言ってるか理解しているよな、女神よ」

勇者「それで十分だ、魔王。それよりいつまでも舐めてくれちゃ僕も困るな。僕は以前の僕とは違う!」

デブ勇者「フム、確かにレベル上げ頑張ったようね。でもそれだけじゃん? 魔王的に全然脅威感じないですやん?」

デブ勇者「強がり勇者きゅんきゃわわ!」

勇者「強がりじゃねーよ!! 本気で貴様ぶっ殺してやるからな!?」

女神「もう、開幕から魔王のペースに呑まれているではありませんか。相手は無限に仲間を強化できる。それでどう戦おうと」

デブ勇者「ちょっぴり勘違いしてるな、女神ちゃん」  女神「え?」

デブ勇者「我こと魔王と言えば舐めプが基本。こんな最初から勇者を煽って『どうせ最強の俺様にお前程度が敵うワケないっしょ?』なんてヤラレ役を体現する子よ」

デブ勇者「そんな『悪い子』がいきなり正義のヒーローを殺しにかかるわけないじゃなーい?」

女神「ですが、あなたは魔王ではありませんか! ラスボスですわ!」

デブ勇者「ラスボスだけど、こんなお手並み拝見でガチる筈ないですわよね。真面目なお二人ですわ」

デブ勇者「つまりよ、潤沢な我のポケットマネーをこのバトルで落とすつもりも、運営が勇者どもから稼いだ金を使う気もないのだ。課金へ使用させて頂くのは」

デブ勇者「この『デブ勇者』のお財布の中身だけデース」

勇者・女神「なっ……!?」

女神「体を奪うどころか、彼の意識が無い間に無理矢理課金を! もはや窃盗ではありませんか!」

勇者「やはり外道か貴様ッ!!」

デブ勇者「だってボク魔王ですしおすし……でも、コレで少しは安心して戦えるんじゃないの?」

デブ勇者「もしかしたら、勝てる見込みもあるかも? なんて『ホッ』としちゃってるでしょ?」

デブ勇者「勇者きゅんが持ってる『魔弾』を一発、我へ撃ち込めば、それで勝ちだよ? ねぇ、超ハンデくれてあげてない?」

勇者「だ、黙れ 魔王如きが! さてはその為に ココまでで僕へ仲間を消費させていたな!」

勇者「だが、問題はないぞ 魔王よ! 僕はこの3体だけでお前の首を取ってみせるぜ……」

女神(本当にこの『勇者×バトル』のために? というか、魔王は初めから勇者へ勝つ気はないのでは?)

女神(『お手並み拝見』……つまり、このバトルは……私の勇者とデブ勇者から有り金しっぽり頂くのが目的!)

女神(いいえ、それどころか 勇者に秘められた『超勇者級の幸運』を見定めようとしている)

女神(思えば この『不思議のダンジョン』はランダム性というか、『運』の要素が要所でよく絡んでいました)

女神(ただ、『試していた』ワケではないのでは……)

勇者「女神よ、聞こえているのか!」  女神「えっ!? あ、はーい 課金でしょうか。毎度あり」

勇者「間違ってはいないが一々ムカつかされるなお前には……女神よ、僕にお前の『力』を貸してくれ!」

勇者「ヤツが僕の『幸運』を試しているのなら、僕もココで、僕とお前の力の合わせ技を よく試してみようと思うのだ」

女神「でも、バトル中永遠に効果が持続するワケではないのですよ? もって5分程度、それに『幸運』へブーストがかかって『勇者×バトル』において意味を成すのですか、勇者」

勇者「そんなの知るか! だけど、『何かが起きれば』万々歳だろう……」

勇者「もっとも、僕は『超勇者級の幸運』と『女神の力』なんて胡散臭い物に頼らなくても、お前と戦えるぞ! そこは勘違いしてくれるな!」

デブ勇者「言い訳がお上手なのね、勇者きゅん。段々お父さんの性格に似てきたんじゃないかね。やはり血は争えんのね」

勇者「お前に僕の父さんの何が分かるというんだ。魔王なんぞに、『伝説の勇者』が理解されて堪るか!!」

デブ勇者「盲信的なんだよね、勇者きゅんは。そこがウィークポイントじゃないかな」

デブ勇者「ちったぁ疑う事を覚えなさいよ。この旅を始めて色んな人にあったでしょ? 色んな酷い目も見たでしょ?」

デブ勇者「飽きずにまだ『魔王が作った勇者システム(笑)』に『課金』してくれたりしてサ、何か意外な対抗策思いつかないの?」

勇者「うっ、うるさいぞ……黙れ、魔王!」

デブ勇者「まぁ、便利な物に一旦縋ってしまうと中々手放せなくなるよね。危険だと分かっていても」

デブ勇者「ねぇ、勇者きゅん。どうしてこんな『詐欺染みたゲーム』にお金がたんまり集まるか分かる?」

女神「課金を強要され、しなければ先へ進むことが困難だからでしょう。基本無料が聞いて呆れますわ!」

デブ勇者「うーん、少し質問を変えようか。どうしてみんな必死こいて『ガチャ』を回すのだ?」

勇者「どうしてって……そりゃあ、皆 強い仲間や装備を求めているからだろう。分かり切ってるじゃないか」

デブ勇者「本当にソレだけだと思う?」

デブ勇者(魔王) は キミへ 『エルフの女騎士』の 写真をみせられた!

勇者「ああっ、エルフの女騎士ちゃん……!」  女神「まだ諦めていなかったのですか」

勇者「だ、だって……ほら、結構見た目良いし、強いかもしれないし……」

デブ勇者「ほうほう、勇者きゅんはこの可愛い女仲間がお気に召していたのか。そうか そうか!」

デブ勇者「なぁ、『エルフの女騎士』が欲しいかい? 手に入れれば、戦闘以外の場面でも好きな事を命令できるよ?」

デブ勇者「あんな事とかさ、こんな事とかさ……楽しくお話もできるし、触れあえるし……想像するだけでwktkしてくるよね」

勇者「……ゴクリ」   女神「まぁ、勇者も男の子ですね。ですが魔王の言う事にこれ以上耳を貸してはなりませんよ!」

勇者「ん…」チラ   女神「……? ど、どうしました。突然私の顔を見たりして」

勇者「確かに『エルフの女騎士』がいれば、僕の旅が今以上に潤う……!」

女神「ちょっと勇者ぁ! 私も相当美人ではありませんか!? あなたも初見ウットリしたでしょうに!!」

勇者「本性を知るまでは目の保養ぐらいにはなれていたよ、そりゃあ!! お前は羊の皮を被った悪魔だった!!」

女神「女神ですが!?」

デブ勇者「ふふーん、見せつけてくれるな。勇者と女神の夫婦漫才か!」

勇者「黙れ! もうくだらん話は終わりだっ、そろそろ『勇者×バトル』を―――」

デブ勇者「勇者きゅんさぁー、そんなにこの『エルフの女騎士』欲しいなら、我があげようかい?」

勇者「なん…だと……?」  女神「ああっ、知らない人から変な物を受け取ろうとしないでくださいよ!」

勇者「……ま、魔王からは何も受け取るつもりはない。要らない」  女神「ええ、よく堪えましたよ 勇者!」

デブ勇者「本当に? じゃあね、この『光の魔導士・しろまちゃん』とかも可愛いよね。コレがよろしいか?」

勇者「かわいい、とっても……」

デブ勇者「欲しい?」   勇者「あ、あ」

女神「こんな茶番にいつまで付き合えというのですか、勇者よ。あなたにはこのクールビューティ女神さまが着いているでしょう!」

デブ勇者「そんな口煩くて 金の事しか頭にないオバサンよりさー、こっちの可愛くて強い仲間の方が良いでちゅよねぇー?」

女神「おおお、オバ……訂正なさい、魔王ッ! でなければセクハラで訴えますよ!?」

デブ勇者「ほら、あんなに怖いのより、マスターの命令に忠実かつ純粋に従ってくれるピチピチ女の子でしょう」

勇者「た、確かに……」   女神「そろそろ私が泣きますよぉーっ!?」

デブ勇者「欲しい? ねぇ、勇者きゅん。我にコレあげて貰って欲しいの? どうなの? ん? あげよっか?」

勇者「くっ! …………仕方がないから、そうしてくれても構わないぞ 魔王よ」

女神「『超勇者級のおバカ』……ぁ!」

デブ勇者は ニコニコと笑顔をたやさず キミへ 近づいてきた!

デブ勇者「まぁ、ウソなんですけどね」   

勇者「えっ……」  女神「『えっ』じゃないでしょうに……」

デブ勇者「勇者きゅんさぁー、色々乗り越えて、経験して、だいぶ成長してる様に見えていたのは、ただの見せ掛けですか。その場限りか?」

デブ勇者「全く成長してないんじゃないの。勇者きゅんはただ、性格悪くなって策士気取ってるだけの恰好付けたがりになり果てたワケよ」

デブ勇者「あっ、『エルフの女騎士』と『光の魔導士・しろまちゃん』はレアガチャを回して手に入れようね。15回連続で回せば『レア仲間』出現確率も大幅UPだよ!」

デブ勇者「……なーんて感じに騙されやすいというか、乗せられやすい勇者きゅんみたいなヤツらが沢山いるのだよwwwwww」

勇者「貴様ァー! 魔王が勇者を散々おちょくりやがってッ!!」

女神「いえ、今回ばかりはあなたが悪いと思えますよ 確実に……あの頃から全く成長していない……ああ、誰が勇者をこんな扱い易い人間へ変えてしまったのかしら」

デブ勇者「他ならぬ女神ちゃんじゃないのさ! 自分のノルマを達成する為、昇格の為、お金の為! 勇者きゅんを自分に都合が良い財布としか考えていなかった、他ならぬお金大好き女神ちゃんのせいじゃないかさ!」

女神「で、出鱈目を言いなさい……さすがは魔王ですね、ある事ない事適当言って、人を惑わすとは!」

デブ勇者「その性格の悪さが仇となっている事に何故気付かんのかね、チミは?」


デブ勇者「いや、言い過ぎたかね。女神ちゃんの『ハングリーな精神』は我も認めているよ」

デブ勇者「上手く良い鴨を見つけた、なんて思っちゃって。便利なお財布手に入りましたわ♪ なんて浅ましい事なんかも思ったりして」

デブ勇者「本当に素晴らしい女神ちゃん」

女神「お黙りなさいな! 今の私は既に改心しています、私は勇者と共に今までの罪を清算するのです!」

デブ勇者「ご立派ですねぇ、綺麗事なんかも吐くようになっちゃってwwwwww」

デブ勇者「……ああ、勇者きゅん。どうしてこんな『ガチャ』で稼げているか、答えがまだでしたな」

勇者「だ、だから単純な勇者たちが女神どもに乗せられて……」

デブ勇者「『コレクター精神』という物が人間にはあるのです。そして、人間は欲深な生物なのです」

デブ勇者「この仲間たちはさ、元はただのデータだけど、一度手に入ればしっかり形として残るでしょう? そこに確かに存在する生物として」

デブ勇者「触れる事も、語りかける事もできる。自分の好みな仲間がいれば幸せでしょう。しかも、我は皆さんの幅広い需要にお答えして、様々な種類の仲間を毎度仕入れてあげれるのよ」

デブ勇者「『形として残る』というのが一番のポイントだよね。それだけで『勇者会員』になった甲斐もあるし」

デブ勇者「我を倒す旅に出ずに、金に余裕がある人間どもは自分が欲しい仲間をガチャで引き当てて、仲良く暮らす事もできるよねぇ~」

デブ勇者「そしてしっかり勇者してる連中は、冒険を有利に進める為にガチャや課金アイテム、合成釜なんかも使ってさ」

デブ勇者「あとは『勇者ランキング』の上位へ名前を乗せて、自己満足に浸ろうとする層もいるよね」

デブ勇者「色んな要因や人間たちによって、我々運営はたっぷり課金して貰っているのです。全て、皆さま勇者の方々のお陰で廻っているのです」

デブ勇者「こら苦労して色々仕込んだ甲斐もあるってモンですわwwwwww魔王ちゃん大勝利やwwwwww」

女神「で、ですが人間にはいつか『飽き』というものが訪れるではありませんか! その儲けは永遠ではありませんわ!」

デブ勇者「そうだよ。そして、この我にもいつかは飽きが来ると思う」

デブ勇者「このぼろい商売に対してか、快感にか、茶番にか。まぁ、それまでが所謂『タイムリミット』よ」

勇者「……ど、どういう事だ」

デブ勇者「このゲームに我が飽きたら、全部ぶっ壊してじゃんじゃん、ってことなのだよ。勇者きゅん」

勇者「は!?」

デブ勇者「だってねぇ、『ゴッド女神』も『真の勇者』もいないんじゃ、もう我の独壇場じゃなーい?」

デブ勇者「世界征服なんてのも元々趣味と暇潰しで行ってましたし、実のところデータだけの魔物しかいないんで、そこから我一人で繁栄させられるわけもないし」

デブ勇者「ようは今は本当にただのお遊びだったわけなのだ。多少は勇者どもへ復讐のつもりもありましたけど」

女神「こ、これが全てお遊びですって!? なんともまぁハタ迷惑な!!」

勇者「お前はそうだろうけどな、こっちは遊びじゃねーんだよ!!」

デブ勇者「ナハハハ……正直言うと我は誰にもガチンコ勝負で負ける気しないぞ。人間如きが束になって掛かって来ようが無駄無駄!」

デブ勇者「たとえ魔法を取り戻しても、勇者きゅんのお父さんがブチ切れで向かって来ても、絶対に勝てない」

勇者「と、父さんが本気を出せばお前なんてイチコロな筈だ! そんなワケがあるか、出鱈目を!」

デブ勇者「出鱈目じゃねぇよ。あの時だって我は一度たりとも、本気出しちゃいなかったですし」

デブ勇者「伊達に慢心してるんじゃーないのよ、勇者きゅん。実力があるから『舐めプ』したくなっちゃうのサ」

デブ勇者「おまけに我の能力で、もしピンチに陥っても、誰かの体へ逃げれば問題ない。ぶっちゃけ魔王ちゃん無敵よん」

デブ勇者「じゃあどう勝てば良いかって? ココ使えよ、ココ。尤も、勇者きゅんでも、誰であろうと、そんな方法思いつかないよね」

デブ勇者「規格外に強い相手だもの、この我はなァッ!!」

勇者「……う、うう」

女神「勇者よ、あんなものハッタリに決まっていますわ。臆する必要はありません。魔王を倒して『真の勇者』へなるのではなかったのですか!」

勇者「そうだ、その通りだよ 女神……どうやら腑抜けていたようだ……何を動揺させられていたんだ、僕は!」

勇者「バトルの前にそんな適当言って、僕の『精神力』を削るつもりだったのだろう! 魔王よ! もう貴様の話に付き合うつもりはないぞ!」

デブ勇者「おや、『バトルの前』といま言ったのかな、勇者きゅんよ?」

勇者「は?」

デブ勇者「『勇者×バトル』は既に始まっているだろう? 我も、お前も、仲間を場に出しているのだから」

女神「…………まさか!?」

ぜかまし「速さなら誰にも負けない自信があるよ! 私が一番速いもん!」素早さ↑↑

ガール(仮)「いま着替え中で……きゃあ!」魅了↑↑

BJ「手術は成功しましたよ。コレで彼はもう『吸血鬼』ではない」カチャカチャ

ゲロ以下「    」

BJ「原因は不明だが、なんらかの病原菌が脳下垂体の中に入り込んで、大量のエンドルフィンを分泌させていた事で彼は不死となっていたのだろう。見た事もないケースだった」

ゲロ以下の 『スキル:不死身』が 一時的に発動できなくなってしまった!

勇者「ああぁぁ~~~~~~っ!!?」

勇者「ゲロ以下の『スキル』が封印されてしまったぞ…」  女神「それどころかですよ!」

女神「見て下さい、勇者。魔王が従える『ぜかましちゃん』と『ガールフレンド(仮)』のステータスが滅茶苦茶上昇していますわ!」

女神「い、一体何円このバトルで捨てるつもりなのですか!」

BJ「約束の3000万円はスイス銀行にかならず振り込んでおいてもらおうか」

デブ勇者「ええ、問題ありません先生。医療費はかならずこのデブ勇者が払う事でしょう」

デブ勇者「彼の病気を治せたのです……3000万円なんて安いぐらいに思えますよ……ははっ」

BJ「では、私は引き続き戦闘に集中させてもらいますよ。一回の攻撃に350円は頂きましょうか」

ぜかまし「私は250円だよ~! 早く早く!」

ガール(仮)「その、わたしは500円からです……///」

勇者「ひえっ、『課金スキル』所持仲間……なんて常識がないヤツらなんだよ!」

女神「ですが、お金を払うだけそれ相応の強さがあります。いわば彼らは雇われの凄腕傭兵といったところでしょう」

デブ勇者「BJ先生へ手数料に1000万、ぜかましちゃんとガール(仮)の強化に14万840円。残りの3000万はデブが払うとして」

デブ勇者「まぁ、結局全部払うのはコイツなんだがwwwwww我は痛くも痒くもなしであるwwwwww」

女神「なんと恐ろしい敵でしょうか……私がまだ可愛く見えるでしょう、勇者よ……」  勇者「比べればな」

勇者「卑怯だぞ、魔王! こんなのあって堪るものか!」

デブ勇者「卑怯? 勝手に我の長話へ付き合ってくれたのは勇者きゅんの方ではないか。おまけの女神ちゃんも一切気付かず会話へ参加してきてくれて」

デブ勇者「人が良いのね……♪」

女神「ぐっ……ゆ、勇者! アレを放って置いては世界は終焉を迎えてしまいます、ここでケリをつけなくてはー!」

勇者「勿論だッ!! 福岡人はスキルで敵グループ全体へ攻撃を、機械武闘家とゲロ以下は追い打ちをかけろ!」

勇者(僕は、隙をついて『最後の魔弾』を魔王へぶち込む。絶対に当てられると自信がある時だけ、構えなければ……)

デブ勇者「ようやくバトルスタートだね、勇者きゅん! いっぱい楽しも^^」

福岡人「うだらこん畜生がッ、報復じゃあ!!」

福岡人のスキルはつどう! 懐から とりだした しゅりゅうだんが 敵グループへ むかって なげられる!

ぜかまし「させないよー!」

ぜかましのこうげき! 連装砲ちゃんが 火をふく! しゅりゅうだんが 破壊 されてしまった!

福岡人「あぁン!?」  勇者「こ、行動が早い……今まで見た事がないレベルじゃないか」

機械武闘家「お前を始末させてもらう。マスターの命令だ」

デブ勇者「BJ先生、お願いします」

BJ「その言葉が聞きたかった」

BJのこうげき! 投げたメスが 機械武闘家の ひざかんせつ部の間へ ひっかかり、機械武闘家の すばやさが おちた!

機械武闘家「異物が俺の中へ……」素早さ↓

ゲロ以下「たとえ、このおれが『吸血鬼』から元の『人間』へもどろうと スタンド攻撃は避けられまい! 死ねィッ女ッ!」

ゲロ以下のこうげき!

ガール(仮)「きゃあっ……やめてぇ~」

ゲロ以下「!」ピ タ ァ

勇者「どうしたゲロ以下。なぜ攻撃の手を止めたんだ!? 早くザ・ワールドを叩き込んでしま―――」

ゲロ以下の反逆こうげき! キミへむかって ザ・ワールドがむかってきた!

勇者「あぁっ…ゲロ以下、貴様裏切ったのかあああぁぁ~~~!?」   女神「いけませんわ、勇者!」

女神「ゲロ以下はガール(仮)の高い『魅了値』に負け、彼女へ対して攻撃ができないのです! そして攻撃の矛先があなたへ向けられてしまった!」

勇者「ゲロ以下よ、僕が分からないのか? 僕がお前のマスターじゃないか!? 攻撃を止めてくれよぉ…」

ゲロ以下は こうげきをおえるまで 意識を とりもどせないようだ!

ゲロ以下「WRYYYYYYYYYYY――――――ッッ!!」

機械武闘家「むぅ……」

機械武闘家が キミのまえに たった! ザ・ワールドの突きを 代わりに うける!

デブ勇者「見事な主従関係だなぁ、良い仲間がいるじゃないか」

勇者「き、機械武闘家!」

ゲロ以下「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄、無駄ァァァーーーッ!!」

機械武闘家「マスター……無事か……お、おれは、『機能停止』」

機械武闘家の活動が止まってしまった! こうてつの体が ボロボロになって ふっとぶ!

ゲロ以下「……ハッ」

ゲロ以下は しょうきに もどった!

女神「本当に戻ってるのか疑いたくなりますね。それより勇者、あの仲間たちは侮れませんよ。簡単に攻撃してはカウンターを食らい受けてしまうだけです!」

勇者「そのようだな……お陰で早速『機械武闘家』を戦闘不能にさせられてしまった」

勇者「何か策を考えなければ、魔王へダメージを与えるどころかだぞ……!」

デブ勇者「じゃあ、勇者きゅんの中に秘められた『幸運』に祈ればいいじゃないのさ」

勇者「ふざけているのか、魔王。それとも僕の『超勇者級の幸運』をまだ試したいのか……」

デブ勇者「いやいや、だってあとは『奇跡』にでも期待しなきゃ勝ち目なんてないじゃないか?」

デブ勇者「ゲロ以下は『吸血鬼』から『人間』へ戻り、不死身はおろか ステータスも大幅減少。ほら、見てごらんなさいよ」

ゲロ以下「な、なぜだ…おれのこぶしの傷がいつになろうと治らん…腕もだ…痛みが引かん…!」

ゲロ以下は 鋼鉄ボディの 機械武闘家へ ぜんりょくで ラッシュを叩き込んだせいか 自分自身も 大きなダメージを うけた!

女神「まずいですわね……これじゃあ『時間を止めた』としても満足に動き回れないのでは」

勇者「だが、まだダメと決まったわけじゃないぞ。それに福岡人だって僕には着いているんだ!」

デブ勇者「福岡人のスキルは無駄だと理解できないかね。我がぜかましちゃんの素早さならば、かならず先手を取って行動できる」

デブ勇者「その気になればな、勇者きゅんよ。ぜかましちゃんだけでお前たちを完封可能なのだよー!」つんつん

ぜかまし「おっ!?」ビクン

デブ勇者「侮っていたな? 課金とは力だよ。金が勝負を決めるのさ、この『勇者×バトル』の世界じゃあね…」

デブ勇者「だけども、勇者きゅんには不可能を可能へ変えてしまう程の『幸運』がある。見せてくれよ、ソイツを」

女神「とは言われても勇者の『超勇者級の幸運』は絶対ではありませんよね? いつ発動しているのかも分からないし」

勇者「その通りだ、肝心な時に使えない力へ頼るより、僕は自分自身の力でこの状況を切り開いてみせる!」

勇者「ゲロ以下よ! 時間を止めて、飛び道具で敵仲間を攻撃するんだ! 直接攻撃を狙わなければまだチャンスはあるぞ!」

ゲロ以下「言われんでもなのだよ、このタンカスがァーッ!! ザ・ワールド、このゲロ以下を残してすべての時は止まるッ!!」

ゲロ以下のスキルはつどう! 時間が凍結した!

勇者「     」   女神「     」

ゲロ以下「ふん、一体何秒間動いていられるか…良い機会だ。確かめながら、攻撃を仕掛けてくれる…」

デブ勇者「   」

ゲロ以下「さすがの『魔王』とやらも、この止まった時間の世界へは入門できなかったようだな。やはりこのゲロ以下こそが全てを支配するに相応しい…」

ゲロ以下「では、遠慮なく攻撃させてもらうぞッ! 処刑してくれるッ!」

ゲロ以下は たいりょうの ナイフを 取り出して 敵グループ全体へ なげる!

ナイフは 敵の前で 動きを制止し そのときを まっている!

ゲロ以下「5秒経過!! ……どうやら限界が近いようだな。やはり生の人間では無理があったか…そして時はうご――――――」

ぜかまし「マスターたちをやらせない!」

ぜかまし が とつぜん うごきだし 止まった ナイフの方向を キミたちへ かえてしまった!

ゲロ以下「な、なにイィィィ~~~~~~!? ま、まただと…おれの『世界』へ、また、そんな…バカな…!」

ゲロ以下「貴様ァーーーッ!! なぜ止まった時の中を自由に動けるというのだッ!?」

ぜかまし「だって私が一番速いんだよ。このスピードは『光を越えた』の!」

ぜかまし「そして『時を越えた』だけ! こうなれば、流れる時間は『ゼロ』!」

凍結した 時間が ふたたび 動きはじめる!

ゲロ以下「はっ……!?」

ゲロ以下のこうげき! キミたちへ向かってくる ナイフを ザ・ワールドの突きのラッシュで 防ぐ!

ゲロ以下「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄」

勇者「あっ!? ど、どうしてゲロ以下のナイフがコチラに飛んできているんだ」

デブ勇者「ウチの優秀なぜかましちゃんが、ちょっとね」

ぜかまし「提督ー! 私速かったでしょう。あとで新品のボイラーに交換してね」

女神「敵に構っている場合ではありませんよ、勇者! ゲロ以下が大ピンチです!」

ゲロ以下「ぐぬうううぅぅぅ~~~……!」

勇者「ま、まずい! 福岡人もスキルで援護しろ、手榴弾でナイフの群れをふっ飛ばすんだよ!」

福岡人「兄貴の命令にゃ逆らえんからのぅ、ゲロ以下下っちょれや!」

福岡人のスキルはつどう! しかし、しゅりゅうだんは BJのメス投擲によって 逆に キミへ 向かって ふっとばされた!

勇者「あぁ!?」   女神「ゆ、勇者避けなさい!」

デブ勇者「『避けろ』なんて台詞が出てくる時はもう既に手遅れなのだよ、女神ちゃん」

デブ勇者「丸焦げになるか、力を使うか、さぁ勇者きゅん絶体絶命よん^^」

ゲロ以下「ぐうっ……ザ・ワールドッ! 止まれィ時よッ!」

ゲロ以下のスキルはつどう! そくざに 突きのラッシュで 残りのナイフを 叩き落とした!

勇者「    」

ゲロ以下「クソめ…残り3秒といったところか……あの『女』は動きだす気配がない。おれが攻撃を仕掛けた瞬間のみに絞っているのか」

ゲロ以下「…ふん、貴様に死なれてはこのゲロ以下も終わりを迎える。そのためには、まだ死んでもらっては困る」

ゲロ以下は しゅりゅうだんを つかんだ!

ゲロ以下「コイツをうーんと遠くへ運ぶ時間もない。敵へ投げれば、あの女が動き出すではないか…では、残るは」

ゲロ以下「このおれで処理するまでよーッ!! 残り1秒だッ!」

ゲロ以下は しゅりゅうだんを 自分の下へ おいて その上に おおいかぶさった!

ゲロ以下「そして……時は動き出す……」

凍結した時間が ふたたびうごきだした!

どうじに ゲロ以下の体の下にある しゅりゅうだんも 爆発する!

ゲロ以下「   」ド ン

勇者「―――はっ!?」

ゲロ以下は いきたえてしまった!

勇者「そ、そんなバカな……手榴弾か? ど、どうしてそんな真似をしたんだ、ゲロ以下よ」

福岡人「決まっとるじゃろうが!! ソイツは兄貴を身を呈して守ったんじゃ!!」

福岡人「畜生め……漢じゃ……!」グッ

女神「感傷に浸っている場合ではないでしょうに!」

福岡人が BJの元へ ゲロ以下の遺体を かついで 土下座をした!

勇者「あぁ、バカ野郎!! 敵に何を頼むつもりだ!?」

福岡人「この人は医者じゃ! 頼むっ、金ならいくらでも、何年かかってでも俺が払うから! コイツを助けてやってくれ、先生!」

BJ「彼は既に琴切れている……私は神じゃないんだ。死んだ人間を生き返らせるなんて不可能だよ」

福岡人「まだ死んでないかもしれないじゃろ!? 頼むぅぅぅー……」

BJ「どうして救われた命を無駄にするんだ…おれは誰も救えちゃいないじゃないか。医者とは何のためにあるのだー!!」

BJの叫びと 福岡人の泣き声だけが フロア内に こだまする!

デブ勇者「はい、コレで残りの仲間はそこで泣き喚いてる福岡人だけになったわけだよ。勇者きゅん」

デブ勇者「で、どうしたら良いのかね? このままソイツもさくっと倒しちゃって、我は勇者きゅんをなぶり殺せば良いのかい?」

勇者「う、うう……こんな筈ではなかったのに……!」

女神「諦めるのなら、もう少し足掻いてからになさい 私のおバカな勇者よ! まだ戦えるではありませんか!」

勇者「そこのゴミ一体でどう打開しろと言うのだ!?」

女神「勇者よ……課金です……私の『力』に賭けるのです……私と、あなたの力に……」

勇者「力だと……」   女神「幸運という名のお金の力です」

女神「どうせダメなら足掻きましょう、奇跡を起こしましょう。さっさと300円寄越すのです!」

デブ勇者「んー? 300円女神ちゃんへ渡してどうなっちゃうの? まさか女神ちゃんの力で『超勇者級の幸運』へブーストかける気?」

女神「その通りですよ……私とこの勇者の力を持って、あなたを『ギャフン』と言わせますわ……」

女神「見ていなさい、秘書女神。私の目に狂いはなかった。彼を選んだ私は間違っていなかったのです」

女神「さぁ、勇者! 課金ですよ!」

勇者「ええいっ、ままよッ!!」

キミは 女神へ 300円をわたして 女神の力を 借りた!

勇者「…………」

デブ勇者「別段、特別変わった様子は見られませんねー。覚醒勇者きゅんはピカピカ光ったり、髪が逆立ったりはしないですか?」

女神「勇者、効果が発揮していられる時間は持って5分程度です。そこからはまた別料金頂きます」

勇者「いや、コレだけで十分だろう。なんて自信満々じゃ言えないが」

キミは 『防具:トゲ付き甲羅』と『みさくら女騎士の魔弾が込められた拳銃』を そうびした!

デブ勇者「何だその情けない恰好はwwwwww魔王相手にそれかよぅwwwwww」

勇者「笑うならいくらでも笑え、魔王! 僕は本気だ!」

勇者(もし魔弾を撃っても当たらなければ? 確実にヤツや仲間へ当てられる自信はないぞ)

勇者(それに、またさっきのナイフのように僕へ向かって反射されてしまう可能性もなくはない)

勇者(ヤツの仲間にはまだなにか『秘密』があるのだろう。しかし、それを解明する余裕は、もはや僕に残されちゃいないわけだ)

勇者「しかし、撃たなければ……僕と女神の『幸運』に賭けるしかないぞ……!」

福岡人「兄貴、待ってくれや」  勇者「どうしたゴミ、邪魔をするな!」

福岡人「兄貴ィ……ゴミにもゴミなりのケジメがあるんじゃ」

福岡人「俺が奴さんの仲間どもを全員引き受けたるわ! その隙に兄貴の『魔弾』をぶち込んだれや!」

デブ勇者「たった☆2のゴミ風情がよく言うではないか。一体我の仲間たち相手に何ができるというんだかね」

福岡人「こうするんじゃ……」

福岡人のスキルはつどう! 取り出した しゅりゅうだんを 懐にかまえて 線をぬいた!

女神「あ、アレはまさか 伝説の『神風特攻』では!?」

デブ勇者「自爆に我の仲間たちを巻き込むつもりでいるのか。哀れなゴミよのぅ! 必死で考えた策がそれか!」

デブ勇者「くやしいのぅwwwwwwくやしいのぅwwwwww」

福岡人「黙れやカスめ! 俺だって日本男児じゃけん、やる時ゃやる……兄貴、勝手なことしてスマンかったなぁ」

勇者「全くだぜ……バカな真似しようとしやがって……」

勇者「よし、僕も腹をくくったぞ! ゆけ、福岡人! ゴミの意地を見せて華々しく散れッ!」

福岡人「へへ……カチコミじゃぁぁぁあああああああああ!!」

福岡人のこうげき! 敵グループへ ひとり とびこんでいった!

キミは 銃口を デブ勇者(魔王)へ 向けて 狙いを定める!

勇者「この一撃でお前を葬ってやる、魔王!! 覚悟しろ!!」

デブ勇者「くっさ! この茶番くっさ! おえぇ~……」

デブ勇者「ぜかましちゃん、さっさと駆逐しちゃってください ><」

ぜかまし「了解よ、提督!」

ぜかましのこうげき! 突撃してきた福岡人を 連装砲ちゃんで 迎撃した!

福岡人「うぐぅ!? ……ま、まだじゃあ」

福岡人のこうげき! 『HP:0』へ なりながらも 立ち上がって よろめきながら 敵グループへ 向かった!

ぜかまし「あれ、しっかりHPを0まで削り切った筈なのに! 敵戦艦、まだ来ます!」

勇者「ふ、福岡人……待っていろ、お前の犠牲は無駄にしないぞ……」

デブ勇者「バカなwwwwww主を信じる仲間の思いがwwwwww奇跡を起こしたとでもいうのかwwwwww」

デブ勇者「全員でめげずに一斉攻撃だよ。福岡人はもう虫の息に変わりないのだ」

デブ勇者「ほら、勇者きゅんはよく狙いなさいよぉー? せっかく仲間がゾンビしてまで頑張ってるんだからサ」

女神「勇者、ヤツの声にもう耳を貸してはいけませんよ! 一本集中です! 集中して狙いをつけるのです! さぁ!」

勇者「隣でギャーギャー言われる方が集中できないんだよ、黙っていろアホんダラ!!」

福岡人「あ、あにきィ……もう間に合わん……はよ……」

勇者「ち、畜生ッ!! しっかり当たれよ『みさくら女騎士』! お前だけがもう頼りだ!」

キミのこうげき! 『しゅごい魔弾』が拳銃から発射され、デブ勇者(魔王)目掛けて まっすぐ 飛ばされた!

ぜかまし「させないよ!」

ぜかましが デブ勇者(魔王)の手を引き、高速移動で その場から はなれた!

キミがはなった 魔弾は 何もない空間を つうかして 壁へ当たり、はじけてしまった!

勇者「あ、ああぁ~~~っ!?」  女神「もうっ、どうして焦って撃ち込んでしまったのですか!?」

勇者「だ、だって 福岡人が……」   女神「今さらもう助けようもないですよ! そ、それにアレを見てください 勇者よ……」

ガール(仮)「けんさくけんさく♪」ポワポワ

福岡人「ああ^~ここみん可愛いんじゃ~……」

福岡人は ガール(仮)の魅了 によって キミへ向き直り コチラへ せまってきた!

勇者「うわぁあああああああああ!! 爆弾抱えてこっちに戻ってくるんじゃねぇよ!!」

デブ勇者「こりゃあ完全に勇者きゅん詰みましたな(笑)」

デブ勇者「そのチンケな防具では手榴弾の爆発を防ぎ切れないだろうよ。他に何か手はあるかね?」

デブ勇者「もう使ったあとかwwwwww奥の手はwwwwww」

女神「こうなっては仕方がありませんよ、勇者。福岡人が自爆するまで逃げ回るのです! 無様ですが止むを得ません!」

勇者「無様なんて言うんじゃない!! ふ、福岡人 僕の声を聞いてくれ! 敵は向こうにいるんだよ!」

福岡人「しゅが美の声良いんじゃ~……」

女神「もはや何を言っても彼は止められません。あなたを道連れにするまでは!」

女神「まぁ、そうなれば後はあの世での邂逅だけでしょうが……」   勇者「やめろ!!」

デブ勇者「そら、どうするのさ 勇者きゅーん! 逃げろ逃げろwwwwww」

勇者「や、ヤロー……絶対一泡吹かせてやる……やりたいのに……」

勇者「もう僕には、ヤツへ対抗する手段がないじゃないか……!」

女神「諦めちゃいけませんよ! 自分の幸運を信じるのです、信じる者はいつだって救われるのですから!」

勇者「そんなこと言われても……う、うわあああぁぁ!! こっちに来るな、福岡人よ!! 正気に戻ってくれ!?」

福岡人「おおぁ~……」

福岡人は キミを 壁際までおいこんだ! もはや キミに 残された 逃げ場は ない!

勇者「あ、ああ……父さん……母さん、弟に妹よ……無様な僕を許してくれ……」

女神「あわわわわ……」

デブ勇者「何が『超勇者級の幸運』か。肝心な時に発動しないんじゃ、ゴミ同然の才能じゃないか」

デブ勇者「これじゃあもう勇者きゅんに利用価値は無いじゃない! ただの『ウンコ』勇者だよ!」

デブ勇者「ではな、ウンコ勇者きゅん。あの世で楽しく過ごせよ」

勇者「っ~~~……!」

そのとき ふしぎなことが おこった!

?「とうっ!!」

フロアのてんじょうを つきやぶり 何かが キミと 福岡人の 間に 割って入る!

?のこうげき! 福岡人を、ガール(仮)へ 蹴り飛ばした!

ガール(仮)「そんなのないよぉー!――――」  福岡人「あっ――――」

福岡人 と ガール(仮)は 爆発して いきたえてしまった!

勇者「……何だって!?」   女神「ほら、やっぱりこうなると私は初めから信じていましたわ!」

デブ勇者「おぉ、ようやく帰って来たか。良かったですねぇー、勇者きゅん」

デブ勇者「さすがは『超勇者級の幸運』じゃないの……」

てつをRX「俺は太陽の子! てつを! RX!」

てつをRX「今まですまなかった。どうやら長い間、キミを待たせてしまったみたいだな…勇者くん! 俺と一緒に戦ってくれ!」

勇者「て、てつをRXだと……」

とりあえずここまでで
このスレだけで完結まで行けると思ってたんだけどな、次スレが必要になりました(^ν^)

次回あたりに新スレ立てて、そこで続ける。すまぬ

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