マミ「彼の名はドッピオ」 (103)

  ~見滝原・中心街~


ドッピオ「………」

ドッピオ「日本か、本当に治安のいい国なんだね。ここに来てから引ったくりにも合ってないし…こんなに人が多いのに」

ドッピオ(…でも、ぼくはこの国に観光目的で来たんじゃない)

ドッピオ(こんな事を言うと『精神異常者か?』と言われてしまうかもしれないが、ぼくは時々記憶が曖昧になる時がある)

ドッピオ(曖昧といっても、精々十数秒が限度だけど)

ドッピオ(しかも感情が昂ったり怒りに燃えると、勝手に物が壊れたりする。誰に言っても信じてもらえないし無意識だから勘違いかもしれない)

ドッピオ(けれど間違いなく、どうしてかは分からないが…なんとなく、感覚で…これはぼくが原因と分かるんだ)

ドッピオ(…――ぼくは、ぼくはこの力が恐ろしい。だからこの国へ来た)

ドッピオ(突然掛かってきたあの『謎の電話』を便りに)


  ~数日前・イタリア~


『ドッピオ…私の可愛いドッピオ』

『日本に行け、日本に行けばお前は間違いなくこの能力と向き合う事ができる』

『いいかドッピオ…日本に行くのだ、わたしからの声も能力も全てッ!恐れる必要はない』

『わたしの名は『ディアボロ』…君の友達であり、理解者だ…』

『わたしのかわいいドッピオ、必ず日本に行けッ!そこに答えがあるッ!!』

ドッピオ(とか言われて来たけど…何なんだよぉ、誰だよディアボロって!聞いた事無いよ!趣味の悪い名前だし…『悪魔』って…)

通行人「おいアンタ!信号赤だぞ!!」

ドッピオ「―――え?」

運転手「うわぁぁあッ!!」

   ガシッ!!

ドッピオ「ぅぐえッ!」

運転手「気を付けろバカヤロォ!!」ブゥーン

ドッピオ「あ、あぃっ…たたたた…」

マミ「ちょっと!危ないですよ!ちゃんと前を見て歩かなきゃ!」

ドッピオ「ひっ!ご、ごめんなさい…日本には初めて来たものですから…っ」

ドッピオ(――――!!)ドクンッ

マミ「…どうかしましたか?」

ドッピオ(…その時、どうしてか、ぼくは彼女の顔を見て思った)

ドッピオ(『あぁ、この子は死ぬ』)

ドッピオ(『ぼくでは多分、どうする事もできないんだろう』と)

『どうにか出来るのは、わたしの********だけだ…わたしのかわいいドッピオ』

ドッピオ(ッ!!)ズキィッ

マミ「!?ど、どうしたの」

ドッピオ「うぅ…!あ、頭が…頭が痛い…ッ!す、凄くだ…ぅぐ…っ!」ドサッ

マミ「ちょ、ちょっと大丈夫ですか!?」

キュゥべえ「マミ、一先ず君の家で休ませたらどうだい?」

マミ「え、えぇ」

ドッピオ(な、なんだ…?あの…白い生物…)

……………

『目覚めるのだ、わたしのドッピオ』

『この国に答えがある。お前の求める全ての答えがある』

『わたしのドッピオ、わたしのかわいいドッピオ』

『目を覚ませ…そしてわたしに…***を―――』


ドッピオ「ぅああッ!?」ガバッ

  ~巴マミの家~

ドッピオ「ハァーッ、ハァーッ!ハァッ…ぅ…ぐ…」

マミ「あ、目が覚めましたか?」

ドッピオ「うぐぇッ!…うぶっ、…す…すみません…っ!桶か何かありませんか…!」

マミ「え?桶?」

ドッピオ「うぶぇえッ!」オロロロロロォッ

マミ「」

キュゥべえ「」

ドッピオ「…ご、ごめんなさい…寝起きはこうなる事が多くて…」

マミ「…うん、えぇっと…」

キュゥべえ「気にする事はないよ」

キュゥべえ「さぁ掃除だ、マミ!」

マミ「…そ、そうね」

ドッピオ「ぼ、ぼくもッ!ぼくも手伝いますから!!」

~~~~~

~~~


マミ「はい、片付け終わり!もう気分は大丈夫ですか?」

ドッピオ「あ、ありがとう御座います…見ず知らずのぼくなんかを介抱してくれて…」

ドッピオ「ぼくの名はドッピオです、ヴィネガー・ドッピオ」

マミ「私の名前は巴マミよ、宜しくドッピオさん」

ドッピオ「…………」

マミ「どうかしたの?」

ドッピオ「いえ、日本人は優しいなぁって…」

マミ「そう言えば、ドッピオさんは何処から来たの?」

ドッピオ「イタリアです」

マミ「イタリア!?」キラキラ

ドッピオ「!?は、はい…」

マミ「ね、ねぇ!『最終射撃』ってイタリア語で言ってみてくれない!?」

ドッピオ「え?……『Tiro finale』…ですか?」

マミ「~~~~~~!」グッグッ

ドッピオ(なんだろう、凄く喜ばれてる)

ドッピオ「な、何て言うかでも、いい部屋ですね、お洒落で」

キュゥべえ「………」

ドッピオ「この猫も可愛いですし…日本にしか生息してないんですか?見たことないなぁ」

マミ「え!?」

ドッピオ「…え?」

マミ「あ、貴方…キュゥべえが見えるの?」

ドッピオ「…は、はい…ハッキリと…」

マミ「………!」

キュゥべえ「これは驚いたね」

ドッピオ「え?え?」


~~~~~

~~~

ドッピオ「ま、魔法少女!?」

ドッピオ「…………」

ドッピオ「からかってます?」

マミ「本当なのよ!」バンバン

キュゥべえ「本当だよ!大体こんな饒舌に喋る猫なんているかい?」

ドッピオ「いや、それはいないですけど…」

ドッピオ「魔女と戦う魔法少女って…ファンシー過ぎます…」

マミ「し、仕方無いじゃない!本当なんだから!」

ドッピオ「……でもつまり、それって…いつも死と隣り合わせって事ですよね?」

マミ「…そ、そうだけど…」

ドッピオ(だからか?ぼくがさっき彼女を『死ぬ』と感じたのは)

ドッピオ(いや違う、もっとアレは鮮明だった…『映像を見た』と言える程のレベルだった)

ドッピオ(…頭が痛い)

マミ「…ドッピオさん?」

ドッピオ「マミさんが魔法少女なら…ぼくの悩みも聞いてくれるでしょうか?」

マミ「あら、何かしら?」

ドッピオ「…ぼくは、少し前にエジプトの遺跡発掘隊にバイトとして参加していました」

ドッピオ「そこで偶然、古い『弓と矢』を手に入れたんです」

ドッピオ「…それから、何だか身の回りで不思議な事ばかり起こるようになりました…物が突然壊れたり、記憶が曖昧になったり」

ドッピオ「…体調不良もそれからなんです」

マミ「…キュゥべえ」

キュゥべえ「いや、分からない。少なくとも魔女が関係しているとは思えないが…僕の姿が見える理由はその『弓と矢』かもね」

マミ「ドッピオさん、探索するようだけれどその弓と矢は?」

ドッピオ「怖くて売っちゃいました、変なお婆さんに…あ、1本だけ手元に残してるんですけどね」

マミ「見せてもらえる?」

ドッピオ「え?いや、この鞄の中にはありません…関税通りませんし…」

マミ「あ、あぁ…それもそうよね」

ドッピオ「どうしてこんな事になったのか、原因が知りたいし解決したいんです」

マミ「んん…私達もちょっと調べてみる?何かの縁だもの」

キュゥべえ「マミがやりたいならいいんじゃないかな?」

ドッピオ「ぇえ!?ほ、本当ですか!?」

マミ「えぇ、勿論!だからねぇ、もう一回最終射撃ってイタリア語で…」

ドッピオ「え?…『Tiro finale』…」

マミ「きゃーっ!!」バンバンバン

キュゥべえ「好きだねマミも」

ドッピオ「あ、あはは!」

ドッピオ「それじゃぼくはそろそろ…連絡先、置いてきますから」スッ

キュゥべえ「え?行くのかい?同じ目的を探るなら一緒にいた方が効率的じゃないかな?」

ドッピオ「…は、はい?」

マミ「ちょ、ちょっとキュゥべえ!」

キュゥべえ「?マミも前から『誰かとお泊まりしたい』って言ってたじゃないか」

マミ「ちょ、ちょっ!!」

ドッピオ「いやいや!駄目!駄目です!会ったばかりの男と一晩明かすなんて!」

キュゥべえ「君、寝床はあるの?」

ドッピオ「無いですけど……ビ、ビジネス・ホテル泊まりますから!それじゃ!」ダッ

キュゥべえ「あ、行っちゃった」

マミ「こ、こっちからまた連絡しますねー!」


……………

………

  ~深夜・外~

ドッピオ「はぁ…ビジネス・ホテル…満室だった…野宿か…いいけどね…」

ドッピオ「…………」

ドッピオ(どうしてぼくはあの子に…ぼくの悩みを打ち明けたんだろう)

ドッピオ(それに彼女から読み取ったあの『死』…)

ドッピオ(あの鮮明な予知は…い、一体…)

ドッピオ「とおるるるるるるるる」

ドッピオ「…あれ?電話だ…」

ドッピオ「とおるるるるるるるる、とおるるるるるるるる」

ドッピオ「何処かで電話が鳴ってるぞ?一体どこで…?」

ドッピオ「とおるるるるるるるる」

ドッピオ「あっ!こ、これか…!物陰過ぎて気付かなかった…!今の電話は小型化が進んでるなぁ…」ガシッ

バッタ「…………!」ジタバタッ

ドッピオ「ガチャッ。はいもしもし、ドッピオです」

『わたしのかわいいドッピオ、こんな所で何をしている』

ドッピオ「!?お、お前はッ!」

『ディアボロ…忘れてはいない筈だ、わたしの名前はディアボロ』

ドッピオ「な、何の用だ!こんな時間に電話してきて!」

『巴マミの避けようのない死の運命を見たな?』

ドッピオ「!!!」

『わたしなら彼女を死の運命から救う事ができる。わたしのキ*グ・ク**ゾ*ならッ!』

ドッピオ(聞こえない…このノイズはなんなんだ…?)

『わたしのかわいいドッピオ、わたしに全てを委ねろ…わたしとお前は2人で1つなのだ、表裏一体!お前が表でわたしが裏だ』

『わたしを表にしてくれ…君が裏になってほしい、そうすれば巴マミは救われる…』

ドッピオ「ぐ…ぅう…ッ!」

『ドッピオ…わたしのかわいいドッピオ…忘れるな、わたしはお前を導く存在だ…わたしはお前の、ボスなのだ』

ドッピオ「うるさぁぁいッ!ぼくはぼくだッ!ぼくはヴィネガー・ドッピオだッ!」ブンッ

バッタ「!!」ペシッ

ドッピオ「こんな電話ッ!」グシャッ

バッタ「」ペキョッ

ドッピオ「うぅ…ううぅっ…!」


~~~~~

~~~



マミ「」

ドッピオ「ビジネス・ホテルが…満室で…」

キュゥべえ「うん、なら泊まるべきだねここに」

ドッピオ「…頼れるところがもうここしか…あ!床!床で寝るから大丈夫です!なんだったら縛ってくれても…!」

マミ「だ、大丈夫よ!…そこまで言う人なら安心でしょう、隣の部屋を使ってもらえるかしら?」

ドッピオ「…な、なんだか…申し訳ないです…」

マミ「もう謝らないで?寝ましょう、明日も学校だから…」

ドッピオ「はい……」

ドッピオ(…………)

ドッピオ「あ、あの…マミさん…」

マミ「?」

ドッピオ「これからとても…とても奇妙な質問をすると思いますが、答えてください」

マミ「いいけれど…何かしら?」

ドッピオ「当然というか、当たり前…っていうか、そういう話なんですけれど…」

ドッピオ「…………」

ドッピオ「死にたくない…って、思いますか?生きたいって思いますか?」

マミ「…確かに凄く奇妙な質問ね、勿論死にたくはないわよ」

マミ「魔法少女なんてやっていると、尚更かしら」

ドッピオ「…そうですよね、僕も死にたくないです」

マミ「ドッピオさん?」ズイッ

ドッピオ「は、はいっ!?」

マミ「軽々しくそんな事を言っちゃダメよ」コツン

ドッピオ「あ…あはは…!そうですよね、はい…すみません…」

マミ「ふふ、おやすみなさい…ドッピオさん」

ドッピオ「…うん、おやすみなさい…マミさん…」

ドッピオ(あの電話が無かったら…ぼくはここに戻ってこなかっただろう)

ドッピオ(…彼女は、死んではいなかった)

ドッピオ(もう寝よう…今日は…今日は、ゆっくり…眠ろう……)

~~~~~

~~~

ドッピオ「…………」

ドッピオ(マミさんが学校に行ってから、時間を持て余し気味だ)

ドッピオ(…出掛けようかな、合鍵あるし)


  ~見滝原・郊外~


ドッピオ(さすがにこっちの方は閑散としてる…)

ドッピオ「帰り道も不安になってきたし、そろそろ戻ろうかな…もう夕暮れだ」

OL「…………」ドンッ

ドッピオ「あ、すみませ…っ」

OL「……………」スタスタ

ドッピオ「………ぅ…ッ!!」ズキッ

ドッピオ(なんだ…!?また、『見えた』ぞ…!)

ドッピオ(あの女の人は『死ぬ』…このままだと『死んでしまう』…!)

ドッピオ「す、すみません!あの、ちょっと!!」ガシッ

OL「…なにか…?」クルッ

ドッピオ(な、なんだ…?この首筋の痣は…)

OL「もう引き止めないでください、私は死ぬんです」スタスタ

ドッピオ「ま、待って!ぼくの話を聞いてください…!!」ダッ


  ドドドドドドドドドド…


ドッピオ(!?ち、地形が…!)

OL「……―――」

ドッピオ「これはッ!マミさんの話していたッ!!魔女の結界!?」


   ―ぐにゃっ


ドッピオ「う、うわぁぁ――――ッ!!」

使い魔「キャキャキャキャキャ!!」

使い魔「ヒヒヒヒヒヒヒッ!!」

OL「…………」スタスタ

ドッピオ(お、女の人が奥に…!いけない、駄目だッ!!)

ドッピオ「とおるるるるるるるるるるる」

ドッピオ「!?」

ドッピオ「こ、こんな時にッ!!一刻を争う時に電話だってぇ!?」

ドッピオ「とおるるるるるるるるる、とおるるるるるるるる」

ドッピオ「ッ!!!」

ドッピオ「とおるるるるるるるるるるるるるるる」

使い魔「ギェッ!!?」ガッシィッ

ドッピオ「ガチャッ。うるせええぇッ!!一体どういう状況の時に電話してくるんだテメェはよォーッ!!」

『落ち着けッ!わたしのッ!!ドッピオ!!』

ドッピオ「ッ!!ディ、ディアボロ……!!」

『いいかドッピオ…話には聞いているだろう…これは魔女の空間だ』

『落ち着いて対処すれば問題ない…お前なら何1つとして、問題は…な』

ドッピオ「あんた…一体何なんだよォ~~ッ!…どうしてオレに関わるんだ!」

『言った筈だ、わたしとお前は表裏一体!2人で1つなのだッ!!』

『ドッピオ…お前はわたしの最高の理解者になりうる存在なのだ…わたしのかわいいドッピオ…』

ドッピオ「う、ううぅ…ッ!」

ドッピオ(頭が痛い…!割れそうだッ…!!)

『奥へ向かえ…お前には能力がある、キ**・**ム**の『腕』と『エピタフ』があるッ!!』

ドッピオ「なんの…話…だ…」

『奥へ向かうのだドッピオッ!!お前が行かなくてはならないッ!!』

ドッピオ「…電話が…切れた……」グシャッ

使い魔「」ブジュッ

ドッピオ「…奥へ…奥……へ…」フラフラ


~~~~~

~~~



マミ「ここに魔女の結界があるわ」

さやか「っはぁ~…!遂に戦闘ですか!!」

まどか「マミさん、頑張ってください…!」

マミ「あなた達も私から離れちゃ駄目よ?」

まどさや「はいっ!!」

キュゥべえ「マミ、既に何人か結界の中に足を踏み入れているようだ!」

マミ「分かったわ、即魔女を倒すッ!」ダッ

さやか「さやか、いきまーす!」ダッ

まどか「ま、待ってー!」ダッ

ほむら「…………」

ほむら「………」シュタッ

~~~~~

~~~


ドッピオ「う…ぁああぁッ…!!」

魔女「ンガクク」

ドッピオ「なんだこの…生物ッ!!」

OL「………」スタスタ

ドッピオ「!?い、行ったら駄目です!!」ガシッ

OL「離して!私は死にたいの!殺されるの!!今からあの魔女に!!」

ドッピオ「魔女!?やっぱりここは魔女の…!!」

使い魔「ギャギャァアーッ!!」

ドッピオ「う、うわぁあッ!?」


  ――ドゴォッ!!


ドッピオ「!?」

使い魔「プゲェッ!?」ドグチャッ

ドッピオ(な、なんだ!?今、ぼく、何をしたんだッ!?何をッ!!)

魔女「…………」

ドッピオ「う、うわぁ…凄く見られている…!」

ドッピオ「とおるるるるるるるるるる」

ドッピオ(また電話!?ここ最近多いな…あぁ、クソ!)

使い魔「」グチャァッ…ガシッ

ドッピオ「も、もしもし!?またあんたかッ!?ディアボロなのか!?」

『ドッピオ、わたしの名をあまり公言してはいけない。わたしの事は「ボス」と呼ぶのだ」

ドッピオ「だ、誰がお前なんかをボスなんて認めるか!」

『ドッピオ…落ち着いて、冷静にわたしの話を聞け』

『お前が今使い魔を叩き潰したのは、このわたしがお前に『授けた能力』だ』

ドッピオ「授けた…能力?」

『そうだ…お前には「腕」と「エピタフ」がある!「エピタフ」を使え!』

ドッピオ「つ、使うってどうやるんだよォーッ!!」

『思うのだ!自分は「エピタフ」を使えると感じろッ!!見える筈だ、未来が読めるッ!!」


  ドドドドドドドドドド………!!

ドッピオ「な…ッ!なんだこの…僕の肩から出てきた『右腕』は!?」

ドッピオ(そして…この、この脳裏に浮かぶ『映像』ッ!!)

ドッピオ(分かる…本能的にッ!本質的にッ!理解できるッ!!この『映像』は未来だ!未来に起こる『事実』が映し出されているッ!)

ドッピオ(あと…あと5…いや、4秒後に…!)

魔女「ックァアァァアァァッ!!」

マミ「――無事ですかッ!!」バッ

まどか「だ、誰かいますよマミさん!」

さやか「外人と女の人です!!」

マミ「ド、ドッピオさん!?」

ドッピオ「…………『エピタフ』……」

マミ「悪いけど、そんなに付き合っている時間はないの…魔女さん!」

魔女「!!!」

マミ「ティロ…フィナーレッ!!!」

   ドゴオオォォォォン…!!


ドッピオ(発音が…もう少し…こう…)

さやか「おー!すっげー!!」

まどか「マミさんカッコイイです!!」

魔女「」プシュゥウーッ

マミ「さ、帰りましょうか…キュゥべえ」

キュゥべえ「大丈夫、こっちの女の人は気絶しているよ」

マミ「…そう、よかったわ…って、ドッピオさん!なんであなたこんな所に!」

ドッピオ「えぇ!?ご、ごめんなさい!散歩!散歩してたらなんか…!」

マミ「全くもう…!!」

さやか「あれあれ?もしかしてこのヒト、マミさんの彼氏ですかぁ?」

まどか「さ、さやかちゃん!」

マミ「み、美樹さんっ!!」

ドッピオ「ち、違いますよ!そんなワケないじゃないですかっ!!ねぇ、マミさん!」

マミ「…………」

マミ「そうね」フイッ

ドッピオ「あ、え!?」

さやか「うはぁ、やっちゃったわー」

まどか「あははは…」

ドッピオ「!?」

~~~~~

~~~


さやか「へぇ…魔女とはまた違う『不思議な何か』に囚われてる…って?」

ドッピオ「…そ、そうなんです」

まどか「ドッピオさん…見る限り間違いなく年上なんですから、敬語じゃなくてもいいんですよ?」

ドッピオ「す、すみません!なんか初対面だと…こう…」

さやか「弱気なヒトねぇ」

ドッピオ「ごめんなさい…」

マミ「でもその力が今回は少し役に立ったみたいだけれどね」

ドッピオ「え?」

マミ「だって、あなたでしょう?使い魔を叩き潰したりしていたのは」

キュゥべえ「そうだね、マミが来る前から使い魔が潰れて死んでいたし…あれは君がやったんだろう?ドッピオ」

ドッピオ「…それは…た、多分そうだと思いますけど…」

ドッピオ(あの『右腕』がぼくの身を守るのに使い魔を攻撃した…)

ドッピオ(…そもそもあの『右腕』は本当に僕のものなのだろうか?)

『ドッピオ…わたしのかわいいドッピオ…』

ドッピオ(それとも…あの電話の主、『ディアボロ』がぼくに貸している能力なのか?)

ドッピオ(分からない…)

マミ「ドッピオさん?」

ドッピオ「え!?」

マミ「…難しい顔してたわよ、大丈夫?」

ドッピオ「ご、ごめんなさい…」

マミ「怒ってないわ、不安なの。…自分の能力の正体が分からないのは怖い事かもしれないけれど、大丈夫。私もついてるから」

ドッピオ「マミさん…マミさんは、強いんですね…」

マミ「え?そ、そんな事無いわよ…!私だって不安で泣きそうになったりするし…」

ドッピオ「そうなんですか?」

マミ「もう!あんまり探索しないで!」

ドッピオ「ご、ごめんなさい!」

さやか「………ねぇ、ホントに付き合ってないんですか?」

ドッピオ&マミ「「付き合ってないです!」」

まどか「一文字一句違わなかったね…」

さやか「お、おう…」

  ~某マンション・屋上~

ほむら「…………」

ほむら(あの男…一体、何者…?)

~~~~~

~~~


さやか「それじゃマミさん!ドッピオさん!あたし達こっちなんでー!」ブンブン

まどか「今日はありがとうございましたー!」ペコリ

マミ「えぇ、さようなら」ヒラヒラ

ドッピオ「………………」ペコッ

ドッピオ「…マミさん、彼女達は?」

マミ「魔法少女の素質がある子達よ、でも今はまだ普通の一般人…魔法少女は危険が付き纏う、だから私と一緒に魔法少女体験コースを行ってるの」

マミ「そうしてじっくり考えて、自分が魔法少女になるべきかどうかを決めてほしいから」

ドッピオ「…………」

ほむら「…そうかしら、あなたは彼女達に魔法少女になってほしいとしか思えない」スッ

マミ「…暁美さん…」キッ

ドッピオ(え?誰?)

ほむら「巴マミ、彼女達を危険な場所に連れまわすのはやめて」

マミ「私がついている、問題ないわ」

ほむら「あなたが魔女に殺されたら?誰が彼女達を守るの?そうなったら、彼女達はどちらかが契約するしかない」

ほむら「その危険をあなたはまるで無視している」

マミ「…………!」

ほむら「あなたも、彼女のやっている事について疑問を思わないの?」

ドッピオ「え!?ぼ、ぼくですか!?」

ほむら「そうよ」

ドッピオ「ぼ、ぼくは……マミさんは、強いと思いますし…」

ドッピオ(…………)

ドッピオ「でも確かにその子の言う通り、『素質がある』ってだけで同伴させるのは危険だと…思うけど」

マミ「ドッピオさん…」

ドッピオ(もし…もしぼくが…最初に彼女と出会った時…)

ドッピオ(あの妙な『死の感覚』さえ感じなければ、こんな事は言わなかっただろうけど)

ドッピオ「マ、マミさんの強さを信じてないワケじゃないですから!!」

マミ「ありがとう、でも一般人のあなたにそう言われたら確かに少し考えなきゃならないかもね」

ほむら「…………」

ほむら「それと、あなた」

ほむら「あなたは一体何者なの?」

ドッピオ「え!?…ぼくは…ぼくは……」

ドッピオ「…旅行者です…」

ほむら「…最初に断っておく、魔法少女に関わらないで」

マミ「暁美さん!」

ほむら「さもなくば、あなたも魔女にいつか殺されてしまうわよ」スッ

マミ「…………」

ドッピオ「……………」


~~~~~

~~~

ドッピオ「マミさん、これから…どうするんですか?」

マミ「え?」

ドッピオ「あの子にはああ言いましたけど、ぼくとしてはやっぱり…最後はマミさんの判断だと思うんです」

ドッピオ「あの女の子達を魔女退治に同行させるか、どうするか…」

マミ「…私も、少し浮かれていたのかもしれない」フゥ

マミ「同じように戦ってくれる仲間の魔法少女が現れたら…って、ずっと思ってたから」

ドッピオ「マミさん…」

マミ「…次!」

ドッピオ「え?」

マミ「次の魔女退治で…最後にする。それ以降はもう連れ回したりしないわ、例え魔法少女になろうとなるまいと」

マミ「魔法少女って、そういうものだものね」

ドッピオ「…………マ、マミさんっ!」ガシッ

マミ「え!?ど、どうしたの急に肩なんて掴んで…」

ドッピオ「彼女達が!…もし、魔法少女になるって結論を出したら…」

ドッピオ「そうしたら……やっぱり、連れ回すのも必要なんじゃないかなって…!」

ドッピオ「だってホラ!先輩の教えって必要ですし!闘い方とかのノウハウも!」

ドッピオ「だからその…最後とかじゃなくて、ちゃんと…みんなで行動…できます…よ…きっと…」

ドッピオ「もしかしたらッ!あの、さっきの黒髪の子とも仲良くできるかも!」

マミ「…………」グスッ

ドッピオ「え!?えぇっ!?」

マミ「ごめんなさい…ごめんなさいね、ありがとう…ドッピオさん…」グスッ

ドッピオ「あ、あの…ごめんなさい!これ、ハンカチ…あれ?お、落とした?さっき魔女の結界で…!?」

マミ「ふ…ふふっ!」

ドッピオ「え、いやあの…すみません…!」

マミ「いいのよ、ホント…ドッピオさんって、肝心な所でウッカリ屋さんよね」クス

ドッピオ「あ、あはは…あははは…」

マミ「ふふふ…っ」

マミ「ねぇ、ドッピオさん」

マミ「前…私にこう聞いたわよね?「死ぬのは怖いか」って…」

マミ「あの時は怖いって言ったけど、あれ…少し訂正するわ」

マミ「死ぬのは勿論怖いけど……それでも、満足して死ねる事はあると思うの」

ドッピオ「満足して死ねる…ですか?」

マミ「…私は魔法少女として、この街を守ってきた。最後は魔女に敗れて死んでしまうとしてもよ?」

マミ「そうやって私がこの街を守り続けたという過程は、間違いなく真実として残る…」

マミ「真実から出たまことの行動は、決して滅びはしない。…死ぬのは怖いけれど、死ぬまでに何をしたか…何を残せるか」

マミ「それに対して胸を張れる限り、きっと私の存在は無駄じゃない」

ドッピオ(……………)

ドッピオ(死なせない)

ドッピオ(彼女を、死なせない)

ドッピオ(ディアボロ…いいだろう、お前の言葉に乗ってやる…)

ドッピオ(次に電話が来た時に…全てを打ち明けよう…『ぼくは巴マミを死なせたくない』)

~~~~~

マミ「そういうワケで、今日の魔女退治を最後にしたいと思うわ」

さやか「えぇー、まだあたしはやれますよ!」

まどか「さやかちゃん…」

さやか「ぅ…ま、まぁマミさんが考えた事なら、さやかちゃんもしれに従いますっ!」

マミ「ありがとう、それじゃ…魔女探しを始めましょうか」

まどさや「はいっ!!」

  ----

ほむら「…………」

ほむら(今日が…お菓子の魔女が孵化する日)

ほむら(巴マミ…)スッ

  ----

ドッピオ「くそぉ~ッ…!待ってる時に程電話ってかかってこないんだなぁ~…!」

ドッピオ「ぼくはアイツの電話番号を知らないし…家でじっとなんかしてられる気分じゃあないぞ…!」ダッ

……………

………


  ~病院~

さやか「…嘘でしょ?」

まどか「さやかちゃん、ここって…」

マミ「2人共…この病院に覚えがあるの?」

さやか「あたしの幼馴染が入院してるんです、ここ…!」

マミ「…………!!」

さやか「こんな所で、魔女の結界が発生しているなんて…!」

マミ「正確には『発生しつつある』ね」

まどか「マ、マミさん!」

マミ「分かってる…この場所に早めに来られてよかったわ」

マミ「孵化と同時に中に入って魔女を叩くッ!」

さやか「も、勿論私も行きますよ!!幼馴染の病院が魔女の結界に襲われてるなんて、気が気じゃない!」

まどか「さやかちゃんが行くなら私も…っ!」

マミ「何度も言ってるけれど、私から離れないで…ね?」

まどか「勿論です!」

さやか「がってんですよ!!」

キュゥべえ「マミ!孵化する!もう間に合わない!」

マミ「行くわよ!!」ダッ

さやか「はいっ!!」ダッ

まどか「行きますっ!」ダッ

~~~~~

~~~

ドッピオ「電話に出ない…どうしたんだろう、マミさん…」

ほむら「―――あなた、巴マミと一緒に行動していたヒトね」

ドッピオ「…!君は確か…えぇっと…」

ほむら「暁美ほむらよ」

ドッピオ「…あ、そうだ…そう、思い出した…」

ほむら「巴マミを探しているの?」

ドッピオ「そうだけど…」

ほむら「早くしないと、手遅れになるわよ」

ドッピオ「…なんだって?」

ほむら「巴マミが今回戦う魔女は…徹底的に相性が悪い」

ほむら「彼女は死ぬわ」

ドッピオ「死ぬ、死ぬだって!?まさかッ!!」

ドッピオ(『巴マミの避けようのない死の運命を見たな?』)

ドッピオ「……………!!」

ほむら「だから私は彼女を助ける、あなたは関わらないで」ダッ

ドッピオ「ま、待って!彼女は何処にいるんだ!おい!!」

ほむら「あなたに教える必要はないわ」

ドッピオ「た、頼む!頼むよ!教えてくれ!お金なら払う…払うからッ!!」

ほむら「関わらないでと言っているでしょう!」

ドッピオ「…………ッ!!」メシメシミキミキメキッ

ドッピオ「テメェェエーッ!!スカして気取ってるんじゃあないぞッ、このゲロメスがァーッ!!」ガシィッ

ほむら「ッ!!?」

ドッピオ「オレが!教えろっつってんだよォォッ、この便器に吐き出されたタンカスがァーッ!!」グググググ…ッ

ほむら(い、痛いッ!?この、この力強さは一体…!?それに体型が!?体型が変化しているッ!?)

ドッピオ「とおるるるるるるるるるる」

ほむら「!?」

ドッピオ「おいッ!!なんだ!?電話だと!?こんな時にッ!!クソ!!」

ドッピオ「おいテメェ!どこで電話が鳴ってんだよ!!教えろ女!!」

ドッピオ「とおるるるるるるるる、とおるるるるるるるるるる」

ほむら「……な、なっ…!」

ドッピオ「とおるるるるるるるるるる、とおるるるるるるるるる」

ドッピオ「ほら聞こえるだろォ~ッ?どこで電話が鳴ってんだクソッ!!」

ドッピオ「あっ!!こんな所に…電話、だッ!」ガサゴソッ…バッ

ほむら「ちょ、ちょっと!それは私の武器の拳銃…っ」

ドッピオ「――はァい、もしもしドッピオです…」

ほむら(なに…一体…なんなの、なんなの!?)

ドッピオ「ドッピオ…わたしのかわいいドッピオ…わたしだ…」メキメキメキッ

ほむら「!!!」

ほむら「こいつ…電話から何まで…『1人芝居』…全部が『たった1人でやっている事』…」

ドッピオ「あんた…あんた、ディアボロかッ!?」

ドッピオ「わたしの事は『ボス』と呼べ、名前を明かしてはならない」

ドッピオ「なぁ…頼むよ…あんたがボスでも何でもいい…オレの『ボス』ならそれでいい…巴マミはどこにいる…オレには分からない…!」

ドッピオ「落ち着けわたしのかわいいドッピオ…わたしに任せるのだ…全て、わたしの言う通りにするんだ…」

ほむら(こ、こいつ…想像以上に…ヤバイッ!)バッ

……………

………

  ~魔女の結界内~


マミ「こっちね、使い魔を相手している暇はないわ…」ダッ

さやか「そうだね…早くやっちゃいましょう!」

まどか「…!あ、あれ…!」

ほむら「…………」ザッ

さやか「転校生!!」

まどか「ほむらちゃん!」

マミ「暁美さん……」

ほむら「巴マミ…」

ほむら「ここの魔女は、私に任せて頂戴」

マミ「なんですって?」

ほむら「グリーフシードが欲しいのならそれはあなたに上げるわ、でもこの魔女を相手にしては駄目」

ほむら「ここにいる魔女は今までの連中とは違うの」

マミ「…………っ」

ほむら「…それと」

ほむら「ヴィネガー・ドッピオ」

マミ「!!!」

ほむら「あの男は…あなたの想像以上に『得体が知れない』…もう関わってはいけないッ!!」

マミ「あのヒトの事を悪く言うのはやめて!!」

ほむら「巴マミ!!あの男は、私達以上の闇を背負っているかもしれないの!!」

マミ「!!!」シュババババッ

ほむら「ぅぐッ!?と、巴マミ……!!話を聞きなさい…!」グルグルッ

マミ「…この魔女を倒したら、解いてあげるわ」

マミ「そうしたらちゃんと…ドッピオさんに謝りなさい…」

ほむら「巴マミ!!話を!聞きなさいッ!!」

まどか「ほむらちゃん…だ、大丈夫…すぐ戻るからね!」

さやか「やーい反省してろー!」

ほむら「くっ……!!」グイグイッ

????「………」スッ

ほむら「…!?」

ほむら(い、一般人が魔女に誘われた!?)

ほむら「あ、あなた!そっちに行っちゃ駄目です!戻っ―――…」

????「……お…前…『スタンド使い』ではないようだが…」

????「一応…こうしておこう…」

????「わたしと出会ったこの数秒間を…『吹っ飛ばす』………!」

ほむら「―――っ!!」

~~~~~

~~~


マミ「ここね…この扉の先に魔女がいる…!」

さやか「はぁ…ま、間に合った…!」ゼェゼェ

まどか「急ぎましょう、マミさん!」

マミ「えぇ…今…っ!!」


  ドドドドドドドドドド…


マミ「!!」

マミ「この気配…何…!?魔女のモノじゃないッ!!」バッ

さやか「え?」クルッ

まどか「ま、まさかほむらちゃん?」クルッ

ドッピオ「……マミさん…」

マミ「ド、ドッピオさん!!」

ドッピオ「行っちゃあ駄目だ…その扉の向こうで……」

ドッピオ「君は死ぬ」

マミ「…………!」

ドッピオ「分かったんだよ…ぼくの能力は…つまり『そういう事』だ…『未来が読める』…」

ドッピオ「いや、ぼくの能力じゃあない…ディアボロ…ボス…ボスの…」

マミ「…ドッピオさん…」

ドッピオ「ぼくはボスの能力を『借りていただけ』だったんだ…貸してくれていたんだ…だから『未来しか読めない』」

ドッピオ「その未来の結果を『消し去れる』のはボスだけだッ!!」

ドッピオ「み、見て…今もボスと…ボスと電話が繋がっているんだよ!」スッ

まどか「ひぃっ!?」

さやか「う…っぐぇええッ…!!」ビチャビチャ…ッ

使い魔「」グチャッ

マミ「…………!!」

ドッピオ「もしもし!!はい、ドッピオです!」ビチャッ

使い魔「」ビチャッ

ドッピオ「予定通り巴マミと接触しました、今説得に当たっています」

ドッピオ「説得!?違うぞわたしのドッピオ…!時間を吹き飛ばせるのは『まだ先』だ、予知を見ろ!『エピタフ』を使え!」

ドッピオ「あ…あぁあ…!まだです、まだ巴マミは有利に戦っていますッ!!」

ドッピオ「そうだ、時間を飛ばすのはまだ早い!落ち着くのだ…わたしのドッピオ…」

マミ「あ…あぁぁ…っ」

まどか「マ、マミさん……!!」

さやか「やばい…こいつ、絶対やばいヒトだよ…!!」

ドッピオ「まだ…まだですマミさん、必ず助かります…死ぬ瞬間を吹っ飛ばす…!」クルッ

マミ「ひぃ…ッ!?」サッ

ドッピオ「………マミ…さん?」

マミ「来ないでッ!!あなた、あなた今自分が何をしているのか分かっているの!?」

ドッピオ「何って…電話、だろう?」

ドッピオ「ほら…これ、受話器…」

使い魔「」グチャッ

マミ「いやァッ!!」

キュゥべえ「ドッピオ…君は……」

まどか「………っ」ザザッ

ドッピオ「おい…おい!待て!なんでオレから離れる!死ぬぞ!みんな死ぬ!!」

ドッピオ「ボスとオレを信じてくれよォォオ――――ッ!!!」

マミ「っ!!!!」シュルルルルルッ

ドッピオ「ぅぐえッ!?」グルグルッ

さやか「い、行きましょうマミさん!」

マミ「えぇ…!」

マミ「ドッピオさん…っ」グスッ

ドッピオ「な、なんで泣いてるんだ…マミ…お、お前…お前ッ!!」

ドッピオ「オレの言う事を聞くんだァーッ!!!」


  ―バタンッ!


ドッピオ「あ、あぁぁあ…っ!間に合わなくなる!間に合わなくなる!!ボス!!」

ドッピオ「落ち着け…」

ドッピオ「落ち着けわたしのドッピオ……!!」

ドッピオ「いいか、わたしの話をよく聞くのだ…お前にはキング・クリム*ンの『右腕』と『エピタフ』がある」

ドッピオ「とても重要な話だ…確かにお前の『右腕』だけでは、このリボンを外すのは容易ではない」

ドッピオ「だがッ!!もしわたしがそちらへ行き…キング・クリムゾンの『全て』を使えればッ!!」

ドッピオ「…このリボンの拘束は解ける、そして巴マミが死ぬ未来を消し飛ばす事ができるッ!銃弾に当たる結果を消し飛ばすが如くッ!」

ドッピオ「あ、あぁぁ…ぁぁあああっ…!」

ドッピオ「だがそれには『一言』必要だ…『ただの一言』ッ!!」

ドッピオ「ひ、一言…!?」

ドッピオ「『譲る』と言えッ!ただのそれだけだ!『主人格を譲る』とッ!!」

ドッピオ「あ…あぁ…っ!分かった!分かりました!ボス!!『譲る』よッ!『貴方に譲る』ッ!!だから、だから――」

ドッピオ「あ、あぐ…ぅぐあぁああッ……!?」メキメキメキッ

ドッピオ?「…………」

ディアボロ「ハ…ハハッ…!フハハハハハハ…ハッハハハハハハハハハハハッ!!!」

ディアボロ「『入れ替わった』ッ!遂に!表と裏がッ!!『支配関係』がッ!!」

ディアボロ「ヴィネガー・ドッピオは支配者では無くッ!このディアボロが!支配者となったのだッ!この肉体の、精神のッ!」

ディアボロ「…………」グルンッ

ディアボロ「…巴マミ、お前の逃れられない死の運命ッ!!」

ディアボロ「今一度…確かめてみるとしよう」

ディアボロ「『エピタフ』ッ!!」バサァアッ

 ~~~~

マミ『ティロ・フィナーレ!!』ドゥンッ

まどか『やった!』

さやか『ま、待って!マミさん!!上…っ!』

マミ『え?』

シャルロッテ『』ガブゥッ

 ~~~~

ディアボロ「『エピタフ』の予知は絶対だ…必ず訪れる未来ッ!その未来の結果を消し去れるのはわたしのキング・クリムゾンのみだ」

ディアボロ「……………」クルッ

ディアボロ「だが巴マミ、お前は知りすぎた…このわたしを、ドッピオを知りすぎた」

ディアボロ「お前の人生は…―――これにて終了だな」ザッ

ディアボロ「だがお前は立派に役立ったぞ…ドッピオではない…そう、『このオレの為に』な…」


「ティロ・フィナーレ!!」

「やった!」

「ま、待って!マミさん!!上…っ!」

「え?」


   ―ガブゥッ

ディアボロ「これでいい、扉越しに聞こえる奴の『死』…これでわたしの安泰は守られる、わたしの素性を知る者は死ぬ。死ぬべきだ」

~~~~~

~~~


『ボス…ボスッ!マミさんは…どうなったんですか!ボス!!』

ディアボロ「ドッピオ…わたしのかわいいドッピオ…すまない、彼女は…彼女は死んだ」

『し、死んだ…!?そんな…そんなッ!!』

ディアボロ「彼女は気高かった、だが間に合わなかったのだ…許してくれ…」

『なんでだよ!マミさんは…言っていた…「真実から出たまことの行動は決して滅びはしない」と…!』

『そのマミさんがどうして…どうして、ボスッ!!』

『助けてくれるんじゃなかったのかよォォォオ!!ボスゥゥウッ!!』

ディアボロ「…本当にすまない、それしか言葉が見付からない」

ディアボロ「だが1つ言わせてもらう。滅びはしない?…それは違う、滅ぶ滅ばないは『結果』だけが決めるのだドッピオよ」

ディアボロ「精神論ではなく、絶対的事実…過程がどれ程美しくとも、過程がどれ程見事であろうとも」

ディアボロ「死んでしまっては全てが無意味」

『う…うぅっ……!!』

ディアボロ「これは大事な話をしているのだドッピオよ、我々は彼女を教訓にしていかねばならないのだ」

ディアボロ「それこそが我らが出来る、彼女への鎮魂だ」

ディアボロ「『真実から出たまことの行動は滅ばない』…巴マミがそう言ったのは奴の考え方だ、その結果奴はどうなった?ただただ死んだ」

ディアボロ「お前もわたしも…そうあってはならないのだ、ドッピオ」

ディアボロ「わたしはお前の味方だ、お前だけの味方だ……ドッピオ、わたしのかわいいドッピオ…」

『ぅあああぁ…っ!』

ディアボロ「その証拠にお前は…最終的に、覚えているだろう…?巴マミもお前を拒絶したんだぞ」

『うわああぁぁぁッ!!』

ディアボロ「わたしだけを頼ればいい…わたしだけを…それで全て、上手くいく…わたしのドッピオ……」

~~~~~

~~~


さやか「返せよ…返せ!それは…それはマミさんのものだ!!」グズッ

ほむら「そうよ、これは魔法少女の物」

ほむら「あなた達が触れていい物じゃない」ザッ

まどか「マミさん…マミ…さんっ……!!」ポロポロ

さやか「う…ううぅっ…っく…う…!!」ポロポロ…

ほむら「………」スタスタスタ

ほむら(巴マミ…今回も説得ができなかった…)

????「…………」

ほむら「…!」ピタッ

ほむら「…あなた…あなたは……」

ほむら「ヴィネガー…ドッピオ…」

ドッピオ「…………」

ドッピオ「…マミさんは…」

ドッピオ「マミさんは…本当に…死んだのかい…?」

ほむら「えぇ…死んだ」

ドッピオ「…ハハ…ハハハハ…ボスの言った通りだ…」

ほむら「…?」

ドッピオ「『真実から出たまことの行動は決して滅びはしない』…?『死ぬまでに何をしたかが残れば、胸を張れる人生』…?」

ドッピオ「違う」

ドッピオ「死んでしまったらもう終わりだ…お終いなんだ……」

ドッピオ「…『結果』を残せなければゴミも同然」

ドッピオ「巴マミは、ゴミになったんだよ」

ほむら「…っ!!あ、あなた…!」

ドッピオ「違うのか…?何かして、足掻いて、結局最後には何も残らなくて…そんな人生を歩んだのが、巴マミだ」

ほむら「…………!」

ドッピオ「そんな無意味な人生…バカげた人生…どんなに『いい子』でも『優しくても』…」

ドッピオ「…何も残らないんだよ、『結果の伴わない生涯』なんて」

ドッピオ「『結果』さえ残せれば…過程なんてどうでもいい…そんなモノ、どんな過程を経てでも『結果』に辿り着かなきゃ意味がないんだ…」

ドッピオ「だから巴マミは死んだんだ」

ドッピオ「ぼくは死なない、死んでたまるか。そんな『結果』は認めない」

ほむら「………あなた、最初に会った頃と変わったわ」

ドッピオ「…………」

ほむら「醜悪で邪悪で、どす黒くて泥みたいな、吐き気を催すおぞましい漆黒の眼をしているわよ」

ドッピオ「…………」

ドッピオ?「キング・クリムゾン」ドギャンッ

ほむら「―――っ!?」

ほむら(あら…?)

ほむら「私…今、誰と…喋っていたの…?」

ほむら「…………」

ほむら(それより今は、巴マミが死んだ後の事を考えなくちゃならない…哀しんでばかりも、いられない)ザッ

~~~~~

~~~


『ボス…ボス、これからイタリアに戻って何をするんですか…?』

ディアボロ「我々が帝王になる…全てを牛耳るのだ、ドッピオ」

ディアボロ「このディアボロと!ドッピオ…我等2人で…イタリアを動かす…」

ディアボロ「帝王になるという『結果』を目指しッ!突き進むのだ…道半ばで倒れる事は無様な事だ」

『はい…分かっています』

ディアボロ「巴マミのようになってはならない…我等は『勝つ結果』を追い求めるのだ、ドッピオ…」

『……………』

ディアボロ「ドッピオ?」

『はい…はい、ボス…勿論です…僕もそれが………』



『生き甲斐です』

fin.

また規制食らった
ごめんなさい

飯食ってきます、ありがとうございました。
今までのと合わせて楽しんで頂ければ幸いです。

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