マヤ「ええ!!いきなり出てけなんて、そんなのヒド過ぎます!!」 (45)


朝。
NERV寮。


管理人「あ〜伊吹さん、ちょっと」

マヤ「はい、何でしょうか?」

管理人「こっから出てってもらうから」

マヤ「ええ!!いきなり出てけなんて、そんなのヒド過ぎます!!」

管理人「…伊吹さん、ペット飼ってるでしょ」

マヤ「!」ギクッ



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205 :名無しさん@├\├\廾□`/:2011/11/20(日) 20:59:25.95 ID:4W0b/vAW
                                        ,. -——へ_,. ヽ
                                      /;;;;;_,. - — 、   ̄ヽ

                                    /,.-‐ ̄_,. -—、 \'  /
    ボディビルダーとして                  /''´         V∧_  〉/`ヽ
           栄光のロードを進むのだが      i   、;;;;;;;;;::::::〃人 ヽ /-ー'

                                 |i!,   _ア「 ̄ヽ__/-'´
                 それはまた別のお話    |i!;    彡ヘ
                                  |i!;;   彡i!ヘ

                   ./\────、,—┐     |i!;;    `、ヽ
                  ,;'         ヽ,;ノ     |i!;   、  `、ヽ
                  :l           ヽ.     |!;    ミ、  `:、\
                 :|  ●    ●    |:       !;;    ミ、    \
 *               :i,.   (_人_)     ノ;      !;;     ヾ  ヽ  ヽ
                  :i,.           ノ; >——-ヽヾ、    丶 ヾ ミ!i
               `   ト、 ミ、 __/≠〃j! /,. --‐==、  \    、ヾ  i! ミ;|
          *     ,. | >'' ̄   , , , ,`Y ,.〃⌒}}´     |i!ヽ\`-'''   川i!!
               //   ,.〃/;;;;;、//〃´         ノ人 \ヾ   ,.彳ミ jハ
              ///    '´      ヾi!川l!i;;,,     ,〃 __,./ _,.;;::''''’ 八ノ
              // //          ji!〃〃ツ;;;,,,、. ''´ 〃´ ,. ´ _,.;;;;:;:;/,イ
  *    *    /:.|〃'´           /;,i! ´      ,,,,;:;,,,/〃´; ; ;,;/ , ヽ
              /|:.:|i!           ,/;,;/, ,,  ,. ,. -- 、'''''’´: : : : : :イ〃// i; |
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                |::.:.:.:V;;\ `7;,;,;,`ヽ;,;,;,;,//// _,.- r⌒Y:.:;;;;;;;;;;;;,,,,,:.:.:.:.:.:////〃 i! ト、  
    *         |丶:.:.:V三ニ、 ____,. -—‐ /:/;|:|;:||;;;;;,.,.-‐  ̄ ̄ ̄ ̄´´〃, , ,i!;|  


206 :,:2011/11/20(日) 20:59:55.36 ID:4W0b/vAW

            \ヾ:.::\ト-=三丶      /乂ー! ー'j/           ;;;//i i!  
              \i!:.:.ヾ` 、三ニ\  /:.:.:.:.:.: ̄^フ´,..、;;;:;;;;;;;: : : , , , ,、_,,,.;;;;;// ;i|   
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               V:.:i!;;/ ,.,,,;;;;:、 `ー¨ ̄'''´     ,,,,...:;:;:;;:;〃///〃''''_,.' -===.  
                ヽ_/__/´ ,,,...;.;ヽヾ ,,,,.、  _,.、;;;;:〃'''''''''´ _,.;:z=ニ三三三/   
     、ヾi!,〃     >' ¨   ,,,,,,,-‐'''''’´,,,;;;;;;,,、,;'''''’´  ,,,,,,,....;;;;::ヽヽヽヾ_,. -‐ '.    
   -=   =-   , ‐ ¨  __,, -—'   ,,,,,.;.;;;;;;;;///;:  _,.、-———¬¨ ̄;;/         
    〃 V ヾ   ー‐''´  {  _,.ー‐''´ ;-‐;,///´ ̄,,,,...;;;;;::::''_,.八;;;彡'/      
                `{___ ー‐'';;;;;;;;;/:.:.:.:.:.:.:.'''',,,,.:.:.:.:..:〃,,,,,,.、/       
                 ト、ー—┬—'i!i!||i、::.:.:.:.:.``''''''''''''ヾ'''''''´/          
                     /ヽ.:.:.:.`ミi!:.::.:.:.:`ー、ヽ:.:.:〃:.:.:.:.:.:.:.:ノ、:..:/        
                 /  i!: : `ヽ:L:.:.:.:.:.:.:.i!:リ,,,:.:.ヾ,,,,,,,,,,,,〃;;;/r'       
                /_ミミ :i!: : : :ミミ ̄¨¬┬-''''___,.-‐イ!        
                 /,テYト、ヽミ: : : : :ミ  `` ーi!     彡  ,イ        
            /,〃//|!| `ミト、: i!: :i!  ` ー、i!    彳  {rリ         
            /  ヽ`| L| |  ミi!ト、、ヽヾ、  `ー-!!       j!ト、       
         /     ミ|j`Tj `ミミi! `\\;;;、  `ーz      〃}}         
       /      ミ    ヾ、: : : :\ ヾ;;;;、          /〃       
      /              |ヽ.: : : : \\ヽ  `ミ、   ;;;'〃|




管理人「でっかいトカゲかなんかをさ…」

マヤ「トカゲじゃありません!イグアナです!」

管理人「…うちがペット禁止だっての知ってるよね?」

マヤ「はい…でも、私が飼わないと処分することになるって言われて…」

管理人「でもも、だってもないから…出てってもらうよ」

マヤ「ま、待ってください!お金がないんです…全部使徒との戦闘被害によって家を無くした子ども達のために募金しちゃって…」

管理人「はぁ、なら、イグアナを保健所に連れてくんだね」

マヤ「そ、そんなこと出来るわけ無いじゃないですか!」

管理人「とにかく、イグアナを連れてる間は寮に入らせないから」

マヤ「そんな…」



同日。
NERV本部。


ミサト「困ったわ〜」

リツコ「愚痴を言いに来たわけね」

ミサト「そういうわけじゃ無いんだけど…シンジくんとアスカが全然打ち解けてくれないのよね〜」

リツコ「愚痴ね、パイロットの協調性を高めるのもあなたの仕事でしょ、努力なさい」

ミサト「簡単に言ってくれわね〜…今度、夏祭りがあるんだけどさ、それまでには仲良くさせたいのよね」

ミサト「アスカに日本の祭りの楽しさを味わってもらいたいからさぁ…」

リツコ「察するに、そのアスカが問題なわけね」

ミサト「そう!アスカがこれっぽっちも、シンジくんの実力を認めてないのがさ…」

リツコ「シンジくんは天才と言っても過言ではないのだけどね」

ミサト「アスカが第7使徒を無傷でしかも簡単に撃破しちゃったのがね…効いてんのよ…」

ミサト「あ゙〜アスカ1人では絶対倒せなくて3人で協力して初めて倒せるような、しかもシンジくんがチョー活躍するような…そんな第8使徒が来ないかな〜…」

リツコ「そんな強力な使徒が来たら困るわよ」


マヤ「どうしよう…」トボトボ

リツコ「あら、マヤまでブルーなの?」

マヤ「あ、おはようがざいます。先輩…」

ミサト「どうしたの?」

マヤ「それが…ペット飼ってるのがバレちゃったんです…」

リツコ「例のイグアナね」

ミサト「イグアナ!?マヤちゃんが!?」

マヤ「はい…そしたら、いきなり出てけって…イグアナを連れてる間は寮に入らせないとまで言われました…」

リツコ「随分な横暴ね」

ミサト「マヤちゃんの階級に嫉妬してんのよ、若出世は敵を作んのよね〜」

リツコ「私から管理人に一言いっといてあげるわ」

マヤ「そんな…ペット禁止なのに飼った私が悪いんですから、それよりも…」

マヤ「私、引越しするお金もなくて…次の給料日まで先輩の家に泊めてもらえたり…」

リツコ「イグアナとの共同生活なんて私には無理よ」

マヤ「そうですか…」

青葉「ん?泊まるとこ探してんの?」

マヤ「…はい」

青葉「なら、オレんちに来いよ」

マヤ「嫌です。」

青葉「…」

日向「は〜、お前みたいにチャラい奴の家になんか行くわけないだろ」

青葉「…」

日向「その点、僕は真面目だ」

日向「僕の家に来なよ」

マヤ「絶対、お断りです。」

日向「…」

青葉「お前…それでよく、デカイ顔できたな…」


ミサト「……!」ピコン

ミサト「マヤちゃん、私の家に来ない?うち、ペットOKだし…シンちゃんとアスカの仲が悪くて困ってたのよね〜」

マヤ「?」

リツコ「なるほど、マヤを状況打開の一石として投じるわけね」

ミサト「その通り!おいで〜」

マヤ「はあ、じゃあ…お邪魔させて頂きます」


葛城家。
夕方。


ミサト「———というわけで、今日からちょっちの間マヤちゃんをうちに泊めるから」

アスカ「え〜!!」

シンジ「…仕方ないよ」

アスカ「仕方無くないわよ!ペット禁止なのに飼ってるのが悪いんじゃない、自己責任よ!」

ミサト「これは命令よ、部下の面倒もみなくちゃいけないからね」

アスカ「う〜、また家が狭くなるわ…」

シンジ「狭いのは式波が荷物をたくさん置いてるからじゃないか…」ボソボソ

アスカ「なによ!私に文句言う気!ナナヒカリのくせに!」

ミサト「…」


同時刻。
葛城家。玄関前。


マヤ(そうか…シンジくんとアスカ、うまくいってなかったんだ…)

マヤ(私が頑張って仲良くさせなきゃ、居候させてもらうんだから役割は果たさなきゃね)


ピンポーン


ミサト「お!噂をすればね、どうぞ〜」


プシュン


マヤ「お邪魔します。」

ミサト「ようこそ我が家へ」

マヤ「よろしくお願いします。」ペコペコ

アスカ「よろしく」

マヤ「よろしく…アスカ?」

アスカ「…まあ、それでいいわ、私もマヤって呼ぶから」

シンジ「あの…よろしくお願いします」

マヤ「あ!よろしく、シンジくん」

マヤ(やっぱり、どっちもいい子そう…)


ミサト「あれ?ペットは?」

マヤ「あ、そうですね」

マヤ「ラチケ〜もういいよ、こっちおいで」

ラチケ「…」ノソノソ

アスカ「キャアアアッッ!!」ダッダッダッ

シンジ「式波!!」

ミサト「イグアナ…思ったよりデカいわね…」アセアセ

マヤ「はい、197�あります!」

シンジ「…」ゴクリ

アスカ「」ピョコン

アスカ「こ、こんなのと一緒に生活しなきゃなんないの?」

ミサト「そ、その通りよ…」

マヤ「ラチケがすごいのは大きさだけじゃありません!」

マヤ「ラチケは一般的なイグアナと違って声帯が付いてるので、恐竜みたいに鳴けるんです!」

マヤ「ほら、ラチケ、鳴いてごらん」

ラチケ「グオオオオオアア!!」

ミサト「!!」ビクッ
シンジ「うあっ!!」
アスカ「イイヤアアアアッッ!!」ダッダッダッ

マヤ「ね、すごいですよね」

ミサト「す、凄すぎるわよ…」

アスカ「」ピョコン

アスカ「む、ムリよぉ…やめましょうよぉ」ビクビク

シンジ「式波でもイグアナとかって怖いんだね」

アスカ「こ、怖いわけないでしょ!気持ち悪いだけよ!!」


マヤ「こうやって撫でると喜ぶんです」ナデナデ

ミサト「さ、触っても大丈夫なの?」

マヤ「もちろん、大丈夫ですよ」

ミサト「…」ソーット、ナデナデ

ラチケ「グオ…」クイ、クイ

ミサト「か、かわいいわ…」

シンジ「じゃ、じゃあ僕も…」ソロソロ、ナデナデ

ラチケ「クオ…」グリグリ

シンジ「す、すごい!頭を押し付けてきますよ!」

マヤ「ね、かわいいでしょ」

アスカ「私は触んないわよ…」

ミサト「歓迎するわ!さ、あがってあがって」

マヤ「はい!」



シンジ「えっと…ここが見ての通りキッチンです、そこが洗面所とお風呂場で…あ、後、冷蔵庫は好きに使ってください」

マヤ「わかりました」

ミサト(私の家なのに…シンジくんに完全に取り仕切られてるわ…)

シンジ「そこがミサトさんの部屋で、ここが僕の部屋、こっちが式波の…」

アスカ「」ガタゴト、カンカン

マヤ(アスカちゃんが部屋の前に…柵?)

シンジ「…式波、それ…」

アスカ「これは決して崩れることのないジェリコの壁!」

アスカ「ここから先にイグアナはぜえぇったい入らせない!!アンタも入んないでよ!!」

シンジ「わかったよ…」

ラチケ「グオア…」

マヤ「…」

シンジ「…じゃあ僕はそろそろ夕食の準備、始めますね」

マヤ「なら、私も手伝います」

シンジ「え、大丈夫ですよ」

マヤ「ううん、泊めさせてもらうんだから、なんか仕事しなきゃ!」

シンジ「…わかりました」



———2時間後。


マヤ「はい、これで完成!」

シンジ「マヤさんって料理、上手なんですね」

マヤ「褒めないで…シンジくんの方が断然上手だったよ…」

マヤ(最近、インスタントばっかりだったから下手になってる…)

シンジ「ごはん出来ましたー」

ミサト「待ってましたー!」


ガラッ


アスカ「…イグアナは?」

マヤ「あ、今、ラチケはゲージにしまってるよ」

アスカ「そう…」テクテク



ミサト「では、いただきます」パシン

マヤ「いただきます」
シンジ「いただきます」
アスカ「いただきます…」

シンジ「これ、マヤさんが作ってくれたんです」

ミサト「どれどれ〜…ん!おいしい!」

シンジ「そうですよね!マヤさんって、レシピをたくさん暗記してるんですよ!」

ミサト「それはすごいわね!」

マヤ「そ、そんなことないですよ」

シンジ「いや、すごいですよ!マヤさんってすごく尊敬できます!」ウキウキ

アスカ「ふ〜ん、ナナヒカリって、マヤみたいのがタイプなんだ」

シンジ「そういう意味じゃ…」

アスカ「なにマジになってんのよ…バカ」

シンジ「…」

マヤ(うーん、確かにあんまり仲良くないみたい…)

マヤ(何とかしなきゃ!…でも…どうすれば…とりあえず、初日は様子見かな…)



———夕食後。


シンジ「お皿洗いは僕がやりますから、大丈夫ですよ」

マヤ「でも…」

ミサト「ふ〜、いいお湯だったわ」ホカホカ

ミサト「マヤちゃん、入っちゃっていいわよ〜」

マヤ「えっと…」

シンジ「どうぞ」

マヤ「わ、わかりました…」

マヤ(えーっと…着替え着替え…)ゴソゴソ

マヤ(!!……どうしよう…くたびれたTシャツしかない…つい、いつもの寝巻きを持って来ちゃった…)

マヤ(う〜ん、葛城一佐はあんな感じだし…男の子はシンジくんだけだし…大丈夫だよね…うん、大丈夫)

アスカ「ボ〜っとして…どうしたのよ、マヤ?」キラキラ

マヤ「!!」

マヤ(アスカの寝巻きがかわいすぎる!!)

マヤ(反則的だよぉ…これじゃ絶対、比較されちゃう!!)

マヤ(だらしない女だって思われるっ!!)

ミサト「ヘックション!」

マヤ「…」

マヤ「あ、あ〜、パジャマ忘れちゃったみたいです。ど、どうすればいいんだろう…」

ミサト「私の貸したげるわ〜」

アスカ「ダメよ、ミサトはロクな服もってないないんだから」

ミサト「ひっど〜い」メソメソ

アスカ「待ってて、私のワンピ、貸したげるから」タッタッタッ

マヤ(アスカ、優しい…やっぱりライバル意識があるからシンジくんにつらく当たるんだ…)

マヤ(いや、学校でもなかなかうまくいってないらしいし、同世代の子全員にライバル意識を持って生きてるのかな…大変だな…)

アスカ「はい、これ」ヒョイッ

マヤ(かわいい…だけど丈が短い…)

マヤ(けど、背に腹はかえられないよね)

マヤ「ありがとう」

アスカ「別に〜」


マヤ「では、お風呂お借りします」

ミサト「どうぞ〜」


ガラッ、ピシャ


マヤ「」ヌギヌギ、ガチャ

ペンペン「」ブルブル ブルブル!!

マヤ「キャアアアッッ!!」ガラッ

マヤ「か、か、葛城一佐!!お、お風呂に変な生物がああッ!!」

ミサト「…」

シンジ「ああ、ペンペンっていうんです、温泉ペンギンっていう鳥の仲間で…あっ!!///」カアアァァ

マヤ「? …!! キャアアアッッ!!」シャガミ

アスカ「ど、どうしたのよ!?」ダッダッダッ

シンジ「///」アワワワ

アスカ「!!! この、変態!!」ドゴオッ!!

シンジ「あうッ!!グハァ…」ピクピク

ミサト(……恒例行事ね)

マヤ(は、恥ずかしい…///)


———深夜。


マヤ「」ヌイヌイ

シンジ「あ、あの…」

マヤ「シンジくん…まだ起きてたんだ」

シンジ「さっきはすいませんでした。」

マヤ「いいよ…いきなり開けた私も悪いし…」

シンジ「…」

シンジ「それって…手芸ですか?」

マヤ「うん、先輩のために猫のワッペンを作ってるんです」ヌイヌイ

シンジ「かわいいですね」

マヤ「本当?」ルンルン

シンジ「はい!…ぼ、僕も、作ってみていいですか?」

マヤ「いいよ!教えたげるね」

シンジ「ありがとうございます」

マヤ「まず、使いたいフェルトを決めてから…ここをこうやって…」

シンジ「こうですか」ヌイヌイ

マヤ「すごい、シンジくん上手!」


———1時間後。


シンジ「…」ウトウト

マヤ(…シンジくん、眠そう…)ヌイヌイ

シンジ「」コクッ、コクッ

マヤ(船こいでる…か、かわいい…)

マヤ「…シンジくん」

シンジ「はっ!あれ、寝てました…?」

マヤ「うん…ムリしないで寝たら?」

シンジ「あとちょっとで完成なんで、がんばります」

マヤ「そう…」

シンジ「…」ヌイヌイ

マヤ「…」ヌイヌイ

シンジ「…」ヌイヌイ

マヤ「…」ヌイヌイ

シンジ「…」ウトウト

マヤ「…」ヌイヌイ

シンジ「」コクリ、コクリ

マヤ「…」

シンジ「」コクリ、バタッ

マヤ(倒れちゃった!か、かわいすぎるよ〜)ブンブン

マヤ(……シンジくんの髪…サラサラ…)パサッ

シンジ「…」スヤスヤ

マヤ(きれいな顔…してるなぁ…)

シンジ「…スー…スー…」

マヤ(寝息まで…かわいい…)


マヤ「…シンジくん」

シンジ「はっ!…あれっ…」

マヤ「…もう寝たほうがいいよ」

シンジ「ほんとに、あとちょっとですから…」

マヤ「…」

シンジ「…」ヌイヌイ

マヤ「…」ヌイヌイ

シンジ「できた!」

マヤ「え!見せて!」

シンジ「これなんですけど…」スッ

マヤ「これって……ラチケ!?」

シンジ「はい!よかった…分かってもらえて」

マヤ「すごい上手だよ!私が欲しいくらい!」

シンジ「…あの…それ…マヤさんにプレゼントしようと思ってて…」

マヤ「えっ…」

シンジ「お風呂の時の埋め合わせもかねてですけど…」

シンジ「マヤさんて、尊敬できるから」ニコッ

マヤ「」ズッキューン

シンジ「受け取って…くれますか…?」

マヤ「う、うん、もちろんだよ///」カアアァァ

シンジ「よかった」ニコッ

マヤ「あ、ありがとう…ございます///」モジモジ

シンジ「じゃあ、僕はもう寝ますね、マヤさんも早く寝たほうがいいですよ」

マヤ「う、うん///」

マヤ(この気持ち………恋だ…///)ポカポカ

マヤ(まずいよ…シンジくんは14歳…子どもなのに…)ドキドキ

マヤ(でもこの気持ち……止まらない!!)



翌日。
朝。朝食。


シンジ「今日の朝ごはんは全部マヤさんが作ってくれたんです」

ミサト「おいし〜!」

シンジ「僕もそう思います!」

マヤ「そ、そんな…///」

アスカ「サボりね…」

マヤ「あ、シンジくん、これも食べて///」ウワメズカイ

シンジ「あ、ありがとうございます///」テレテレ

ミサト「…」

アスカ「……なんか…距離、近くない?」

シンジ「え!?」

マヤ「そ、そんなことないよ」アセアセ

アスカ「ま、別にどうでもいいけど…」

マヤ(…アスカ、鋭い!!…特別、態度を変えたつもりはないのに…)

マヤ(私がシンジくんを意識してるのを敏感に感じとってるんだ…気をつけなくちゃ…)

シンジ「気にしないでくださいね、式波っていつもこうなんです」

マヤ「うん、大丈夫だよ」

シンジ「いきなりあんなこと言われたら箸も進まなくなりますよね」ボソボソ

マヤ「え!シンジくん、食欲ないの?」

シンジ「いや…」

マヤ「なら私が食べさせたげる!」

シンジ「えっ!」

マヤ「はい、あ〜ん」ウキウキ

ミサト「ちょ、ちょっと待って、2人共なんかあったの?」

シンジ「僕はなにも…」

マヤ「私は…///」

アスカ「…」

ミサト(なんかあったのね……)


ミサト「と、とにかく普通にして、普通に」

シンジ「は、はい…」

マヤ(葛城一佐も感づいてるのかな……鋭い!!)


パクパク…


アスカ「…」
ミサト「…」
マヤ「…」
シンジ「…」


モグモグ…


アスカ「…」

ミサト「…」

マヤ「……シンジくん!」ルンルン

シンジ「は、はい」

マヤ「ふふ、呼んでみただけ」テヘッ

ミサト「伊吹二尉!!」バンッ

マヤ「は、はい!!」

ミサト「何のためにここに来たのかを忘れないで!!」

マヤ「も、申し訳ありません…」

シンジ「?」

アスカ「…」

マヤ(そ、そうだよ…浮かれてる場合じゃなかった…)

マヤ(仲良くするの……頑張らなきゃ!!)




———朝食後。


アスカ「今日は休みだし、もうひと眠りしよっと」スタスタ

ミサト「私も…寝るわ…」

シンジ「…僕は部屋で宿題やってますね」スタスタ


シン…


マヤ(困った…どっちも部屋にこもちゃったよ…)

マヤ「ラチケ〜」ガチャ

ラチケ「グオアア」

マヤ「………ラチケ先輩、助けてくれませんか?」

ラチケ「グオ!!」

マヤ「なんてね…昨日、夜更かししたから…眠たく……なってきちゃっ…た……」

マヤ「」ウトウト

ラチケ「…」ノソノソ ノソノソ

ラチケ「グオオオアアアアアッ!!!」バキバキ!!



\キャアアアアアアアッッ!!!/


マヤ「はっ!! どうしたの!?」タッタッタッ

マヤ(柵が……まさか!!)バッ

マヤ「ラチケッ!!」

ラチケ「グオオオオオアアア!!!」ブンブン

ミサト「どうしたの!?」ダッダッダッ
ペンペン「クエ!?」
シンジ「大丈夫ですか!?」

シンジ「って…なんだ…ラチケがアスカの部屋に入っただけですか…」

ミサト「いいえ…なにか、ラチケの様子がおかしいわ…」

マヤ「そんな、これは………ラチケが発情してます!!!」

ミサト「!!」
シンジ「ええ!!」
アスカ「イイヤアアアッッ!!」

マヤ「すごい…やっぱりアスカはかわいいから…」

ミサト「感心してる場合じゃないでしょ!!なんとかしなさいよ!!」

マヤ「難しいですね…発情してる時のイグアナは非常に凶暴なんです、噛み付いたり、爪で攻撃したり…ラチケは大きいですから、さらに危険です」

シンジ「イグアナってそんなに凶暴だったんですか!?」

マヤ「発情期だけです!!発情期でもないのにこんなことになるなんて…やっぱりアスカは…」

アスカ「もうイヤアアアアッッ!!」

シンジ「いったい、どうすれば…」

マヤ「あのゲージの中に入れればラチケを無力化できますけど…」

ミサト「……ペンペン」

ペンペン「クエ?」

ミサト「行きなさい」

ペンペン「クエッ!!?」

シンジ「そうですね…同じペットなんだから、ペンペンにならできるよ!」

マヤ「がんばって!」

ペンペン「クエ…」スタスタ

ペンペン「クエッ、クオ、ク———」

ラチケ「グオオオオオ!!!」ベッチーン!!

マヤ(尻尾で叩いた!!)

ペンペン「グエッ」ゴロゴロ、バンッ

ペンペン「ゴフッ………」

シンジ「尻尾の力だけでこんなに強いなんて…アゴの力はいったい…」ゴクリ


ミサト「私の部屋にある高電圧スタンガン…使う?」

マヤ「やめてください!!ラチケが死んじゃいます!」

ラチケ「グオア…」

マヤ「アスカ、こっちにジャンプして!」

アスカ「…もうイヤ…来ないで……私は負けられないの………お願い」

マヤ(声が聞こえてない…アスカ、本当にイグアナがダメなんだ…)

ラチケ「グオオオオオォォ!!!!!」ブンブン

ミサト「アスカを襲う気!?」

マヤ「ラチケッ!!やめて!!」

ラチケ「」バッ

アスカ「キャアアアアアッッ!!!」

シンジ「やめろッッ!!!」ダンッ

ラチケ「グオッ!」

アスカ「え…」

ミサト「シンジくん!!」

シンジ「式波には近づかせない!!」

ラチケ「グオオオオアアア」ガブッ!!!

シンジ「うあああッッ!!」ブシューー

アスカ「ナナヒカリ!!!」

シンジ「くッ!!うおッッ!!」グ、グ、グ、

アスカ「な、なんで私のためにそこまでするのよ!!ほっとけばいいじゃない!!」

シンジ「僕は誰にも傷ついてほしくない!!!」

アスカ「!……」

シンジ「うおおオオッ!!」バンッ!!

ラチケ「グオアッ!!」

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「マヤ!!ゲージの解錠、急いで!!」

マヤ「はい!!」ガチャ

シンジ「うおおオオオオオッッ!!!!」ブンッ、バンッ!!


ガチャ…




ミサト「………ふ〜、なんとかなったわね」

マヤ「ごめんなさい、ごめんなさい」ペコペコ

シンジ「大丈夫ですよ、これぐらい…ッッ!!」

マヤ「動かないで!今、救急セット持ってくるから」タッタッタッ

アスカ「…」

シンジ「…」

アスカ「あ、ありがと…」

シンジ「…うん」

アスカ「その…アンタに対する態度とか…悪かったわね…」

シンジ「そんなに気にしてないよ」

アスカ「これからは…少しだけ、だけど…なおすから」

シンジ「あ、ありがとう…」

アスカ「…ま、でも、使徒を倒すのは私一人で充分だし、エコヒイキとナナヒカリの力なんて必要ないけどね!」

シンジ「…」

シンジ「じゃあ…もし、式波が苦戦するようなことがあったら僕が助けにいくよ」

アスカ「…そんなことありえないわよ」

シンジ「なら、何でもいいから式波が助けてって言ったら、僕が必ず助ける」

アスカ「……ふーん…そう……」

ミサト「お!な〜んか、イイ感じじゃない?」

アスカ「ふん」プイッ

シンジ「…」

マヤ(よかった…)

マヤ「はい、シンジくん、見せて」

シンジ「あ、ありがとうございます」

マヤ「ラチケはしばらくゲージだからね!!」

ラチケ「グオ…」

マヤ「あと、おやつもなし!!」

ラチケ「グオゥ…」




翌日。
NERV本部。


マヤ「———ということで、シンジくんとアスカ、少しだけ仲良くなれたみたいです」

リツコ「ミサト、作戦成功ね」

ミサト「まあね〜」

リツコ「ああ、マヤ、そのご褒美というわけじゃないけどプレゼントがあるわよ」

マヤ「え!何ですか?」ワクワク

リツコ「管理人に言って、ペットOKにさせたから」

マヤ「え…」

リツコ「だからもう戻れるわよ、寮」

マヤ「…」

ミサト「えぇ〜、来週には夏祭りなのよぉ〜」

リツコ「なら、夏祭りのあとに戻ればいいんじゃない」

ミサト「楽しかったのに…イグアナとか…」

マヤ「わ、私も葛城一佐の家、楽しいなって思ってたところで…」

リツコ「あら、このまま居候を続ける気?」

マヤ「…」




休憩所。


マヤ(そうだよ…私って居候なんだよね…それを続けるって、やっぱりマズいよね…)

マヤ(…でも…シンジくん…)

加持「よっ、浮かない顔だな」

マヤ「あ!お久しぶりです、加持さん」ペコリ

加持「ほら、コーヒー、君の分」

マヤ「あ、ありがとうございます」

加持「なに悩んでたんだ?」

マヤ「い、いえ、悩んでなんて…」

加持「…」

加持「…ズバリ、恋だな」

マヤ「!!」ギクッ

加持「図星か」

マヤ「な、なんで…」

加持「恋をしている女性は特別美しいんだ、君みたいにな」

マヤ「…」

加持「相手は誰かな?青葉、日向、ここには優秀な男が多いからわからないな…」カチッ、ゴクゴク

マヤ「………シンジくんです」

加持「ぶはぁっ!!」ビチャ ビチャ

マヤ「き、汚いです!」

加持「す、すまない」フキフキ

マヤ「……やっぱり、変ですか?」

加持「…変ではないさ」

マヤ「でも、14歳だし…」

加持「しかも、上司の一人息子だ」

マヤ「やっぱり、変だと思ってます?」

加持「…愛に障害は付きものさ、ただ…本当に自分がその人にふさわしいかは考えるべきだな…」

加持「もし、他にその人にふさわしい人がいるなら、引き下がるのもまた、愛さ」

マヤ「…」

マヤ(私がシンジくんにふさわしいかどうか…)




葛城家。
玄関前。


マヤ「う〜ん…」


プシュン


\あ、やっと帰ってきたわね!/


マヤ「アスカ?」


\マヤね!早くこっち来て/


マヤ「?」テクテク


\そこでストップ!いくわよ〜/


アスカ「」ピョン、バッ

アスカ「じゃじゃ〜ん!!」キラキラ

マヤ「浴衣だ!かわいい!!」

アスカ「ふふ〜ん、そうでしょ」

アスカ「私の着こなしには本場の日本人でも勝てないわ」クルクル

マヤ「…」

マヤ(アスカの方が…シンジくんに似合ってる…気がするなぁ…)

マヤ(他にレイもいるし…)

アスカ「マヤ?」

マヤ「え…う、うん、すごく似合ってるよ」

アスカ「当たり前よ!」

マヤ「けど…完璧ではないかな…」

アスカ「なっ、どういうこと?」

マヤ「髪型も浴衣に合わせた方がいいと思うな」

アスカ「髪を結うってこと?」

マヤ「そう」

アスカ「でも、私…そういうの苦手…」

マヤ「こっち来て、私が結ったげる」

アスカ「できるの?」

マヤ「私、子どもの頃、人形の髪を針とピンセットで結ったりしてたから…」

アスカ「す、すごいわね…」


マヤ「…」ユイユイ

アスカ「…」

マヤ「…でも、意外だったな」ユイユイ

アスカ「なにが?」

マヤ「アスカってオシャレとか好きそうだからヘアアレンジとかも得意だと思ってた」

アスカ「あぁ…私、物心ついた時にはエヴァの搭乗訓練と勉強ばっかだったから、ほとんど自由な時間がなかったのよね」

マヤ「そうだったんだ…」

アスカ「でも、安定してトップスコア出せるようになってからはかなり自由になったけど…私がオシャレとか気にすることができるようになったのはそれからだから、いわば私はオシャレ初心者なのよね…」

アスカ「ま、この美貌と才能で有り余るほどカバーできてるけど!」

マヤ「ふふ」ユイユイ

マヤ「はい、できたよ」

アスカ「わっ!すご〜い、プロ顔負けね」クルクル

マヤ「そんなに?」

アスカ「うん」

マヤ「…アスカ、素直だね」

アスカ「? 当たり前でしょ?」

マヤ「ううん、シンジくんやレイといる時とは大違いだよ」

アスカ「別にそんなことないわよ…」

マヤ(………うん、やっぱりあきらめよう…寮に戻る、決めた!)

マヤ(だいたい、上司の息子である14歳の少年に恋するなんて…ドロドロだよ…)

マヤ(ネルフのみんなにバレたら絶対、軽蔑される…加持さんに口止めしなきゃ)

アスカ「ふん、次はマヤの番よ!」

マヤ「え?」

アスカ「浴衣を着るの!!」

マヤ「ええ、私、持ってないよ…」

アスカ「なら、今から買いに行くのよ」

マヤ「ええ!?」

アスカ「やっぱり、オシャレしたら出掛けたくなっちゃうのよね〜」ノビノビ

マヤ「なら、アスカひとりで…」

アスカ「そんなこと出来るわけないじゃない!マヤも夏祭りに行くんだったら必要でしょ、浴衣」

マヤ「でも…たぶん私には似合わないし…浴衣なんか着てったら、すごい気合いれてるって思われるかもしれないし…」

アスカ「いいから行くわよ」グイッ

マヤ「うぅ〜」




一週間後。
夏祭り当日。


シンジ「はい、綾波、リンゴ飴」

レイ「ありがとう。」

レイ「」ハムハム

レイ「…食べづらい。」

シンジ「はは、最初は食べづらいよね、一口りんごをかじり取れれば楽なんだけどね」

レイ「…碇くん、かじって。」

シンジ「え、でも…」

レイ「お願い」ジィー

シンジ「///」カジッ





アスカ「くっ〜〜〜〜、このクジこんだけ買ってるのに、なんで一つも当たんないのよ!!」

店主「お嬢ちゃんは運がないねぇ」

ミサト「ア、アスカ」ボソボソ

ミサト「こういうところのクジって、当たりが抜いてあったりするのよ」ボソボソ

アスカ「ええ!!それってインチキじゃない!!」

ミサト「うん…でも、もう仕方ないっていうか…」

アスカ「信じらなんない!!これだから日本人は!」

アスカ「この理不尽に甘んじるわけえ!!私は戦うわ!!」

ミサト「アスカ!?」

アスカ「そこのエセサギシ!!!」ビシッ

店主「………俺か?」

アスカ「アンタ、このクジに当たりを入れてないわね!!」

店主「入れてるよ…」

アスカ「はん、あくまでシラを切る気ね、私をナメないで!!」バンッ

店主「…」

アスカ「このクジ、全部買うわ!」

店主「!!」

アスカ「それでこのクジに当たりが入ってないことが証明されたら、クジを買った人たちに料金返して、土下座しなさいよ!!」

ミサト「アスカッ!?」

店主「……なら、もし、当たりが入ってれば、嬢ちゃんが俺に土下座しろ」

アスカ「いいわよ、このエセサギシ!!!」

ミサト「アスカぁ〜」




マヤ「」キラキラ

加持「気合い入ってるな」

マヤ「やっぱり…、そう言われると思ってたんです…」

加持「“綺麗だ”って意味さ、シンジくんはオトせそうか?」

マヤ「それはもう………諦めました」

加持「そうか…」

マヤ「明日、寮に帰ります」

加持「…シンジくんに“別れの挨拶”してきたらどうだ?」

マヤ「別れの挨拶?」

加持「別れのキスとかさ」

マヤ「キ、キ、キスですか!?」

加持「ああ、シンジくんも喜ぶぞ、それに、諦めるにしても思い出ぐらいには残りたいだろ?」

マヤ「……………はい」

加持「もうすぐ花火が上がるだろ、さっき調べたんだが…」

加持「この祭りにはトラブルに備えて簡易の医療所があってな、そこは花火を見る絶好のスポットになっているんだ」

マヤ「…」

加持「具合悪いフリして、シンジくんに連れて行ってもらって………あとはうまくやるんだな」

マヤ「…できるでしょうか?」

加持「シンジくんが好きな気持ちに変わりはないんだろう?」

マヤ「…はい」

加持「だったら大丈夫さ、ほら、早く」

マヤ「え、ここでですか?」

加持「ああそうだ、俺にまかせろ」

マヤ「わ、わかりました…」

マヤ「う、う〜、苦しい〜」フラフラ

加持「た、大変だああああッッ!!!伊吹二尉があああッ!!!」

マヤ(ええ!!こ、声が大きい!!///)カアアァァァ




ガヤガヤ

タッタッタッ


シンジ「どうしたんですか!?」

マヤ(シンジくん!!)フラフラ

加持「伊吹二尉が死にかけているんだッッ!!」

シンジ「ええっ!!」

マヤ(お、大袈裟すぎる!!///)

加持「シンジくん!!君が彼女を医療所に運ぶんだ!!」

シンジ「ぼ、僕がですか!?加持さんは!?」

加持「俺か、俺は野暮用でな…」

シンジ「!!? 人が死にかけてるんですよ!?」

加持「大人はズルいくらいで丁度いいんだ」

シンジ「ズルとかそういう問題じゃないでしょッッ!!」

マヤ「う、う〜、死ぬ〜」フラフラ

シンジ「マヤさん」

加持「早くするんだ、シンジくん」

シンジ「…わ、わかりました…マヤさん、オンブするから背中に乗ってください」

マヤ「え、えぇ、オンブはいいよ…歩けるから…」

シンジ「え……歩けるんですか…?」

マヤ「………………オンブしてください///」




医療所。


医者「なんの異常もないね、ただの疲れでしょ」

マヤ「…」

シンジ「そ、そんなわけ…」

医者「簡易ベッドは埋まってるから、そこのベンチとかで休んでなさい」

マヤ「…はい」

シンジ「…」


テクテク…、スタッ


シンジ「具合、悪いんですか?」

マヤ「え、えっと…」アセアセ

シンジ「」ジロリ

マヤ「そ、そんなに悪くないといいますか…仮病といいますか…」

シンジ「嘘ついてたんですか!?」

マヤ「」コクリ

シンジ「なんでそんな嘘つくんですか!!僕は本気で心配してたんですよ!!」

マヤ「ご、ごめんなさい…」

シンジ「…じゃあ、僕はもう戻りますから」スタッ

マヤ「待って」クイッ


シンジ「…」

マヤ「……っきりになりたかったんです」ボソボソ

シンジ「えっ…」

マヤ「シンジくんと二人っきりになりたかったの///」


シン…


シンジ「えっと///」

マヤ「///」モジモジ


\まもなく、花火の打ち上げを開始いたします/


マヤ「…座って。ここで一緒に花火、みよ?」

シンジ「は、はい」


マヤ「…」

シンジ「…」

マヤ(キス…いけるかな…シンジくんも満更でもなさそうだし…)ジイー

シンジ「…」ドキドキ

マヤ「シ、シンジくん」ドキドキ

シンジ「はいっ」

マヤ「あ、あの…私と…キ、キ、キ……」

シンジ「き?」

マヤ「…」

シンジ「…」

マヤ(…シンジくんの思い出に残る私……どんなふうに残るのかな…)


マヤ「…」

シンジ「…」

マヤ「…」

シンジ「あ、あの…」

マヤ「…やっぱり私はそういうの、いいや」

シンジ「? 何がですか?」

マヤ「ううん、なんでもない…シンジくんにお願いがあるんだけど、いい?」

シンジ「なんですか?」

マヤ「私と………手、つないで欲しいの」

シンジ「えっ」

マヤ「ダメ?」

シンジ「わ、わかりました///」ギュッ

マヤ「そうじゃなくて…こう」ニギッ

シンジ「///」




ヒュ〜〜〜……パンッ、パラパラ……


マヤ「きれいだね」ウットリ

シンジ「そうですね…」

マヤ「…」ヨリカカリ

シンジ「///」

マヤ「……シンジくん」ルンルン

シンジ「な、なんですか?」

マヤ「ふふ、呼んでみただけ」

シンジ「…」

シンジ「あ、あの……マヤさんって、その…」

マヤ「なに?」

シンジ「ぼ、僕のこと……好きなのかな、って…」

マヤ「…その質問はありえないよ、ダメ過ぎる」

シンジ「…す、すいません…」

マヤ「でも、答えてあげるとね……」

シンジ「…」ドキドキ

マヤ「………秘密。」

シンジ「…答えてないじゃないですか…」ガックリ

マヤ「私は答えてるつもりなんだけどなぁ……」ピトッ


ヒュ〜〜〜……パンッ、パラパラ……




翌日。
NERV本部。


リツコ「マヤ、そのデータ、整理しといて」

マヤ「はい」

ミサト「困ったわ〜」

リツコ「また、愚痴を言いに来たの?」

ミサト「愚痴ってわけじゃないんだけど〜」

ミサト「アスカが夏祭りで土下座させられてさ〜」

リツコ「ど、土下座!!?夏祭りで!?」

ミサト「そうなのよ…しかも私が一枚かんじゃっててさ…アスカと気まずいのよね〜」

リツコ「……アスカは?」

ミサト「部屋に引きこもって泣いてる……ギャラリーの数、100は軽く超えてたからね……」

リツコ「…」

ミサト「だから〜、今度はマヤちゃんに私とアスカの仲を取り持ってもらおうと…」

リツコ「ダメよ、マヤはうちの大事な戦力なんだから、ミサトの面倒をみる暇なんてないわよ」

ミサト「ケチんぼ〜」


マヤ「先輩、終わりました」

リツコ「あら、早いわね、じゃあ、TASK02の修正箇所のピックアップを…」

マヤ「それももう済ませました」

ミサト「さっすが〜」

リツコ「調子いいわね、何か良い事あった?」

マヤ「はい!それに今、ワッペン製作中で、少しでも空き時間を作ろうと…」

リツコ「…誰に?」

マヤ「べ、べ、別に、誰かにというわけでは…」

ミサト「あせってる〜、ん〜恋の予感」

マヤ「そ、そんなんじゃないですよ」

リツコ「どんなの作ってるの?」

マヤ「えっと…」

マヤ「優しい王子さまと、ちょっと真面目なお姫さまが手をつないでるワッペンです」ルンルン




終劇




この他に

アスカ「…そうだ!バカシンジに本気でイタズラしてやるわ!」
カヲル「僕が…レイくんと暮らす…」

というSSも書いているので
そちらも読んで頂けたら幸いです。

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