穂乃果「花陽ちゃんが…」ことり「光ってる…」 (23)

海未ちゃんに無人島に連れて行かれて半年

凛「修行キツいにゃ」

海未「さあ、凛!今日はこのライオンの群れを倒しますよ!」

凛「全部海未ちゃん一人で倒せないの?」

海未「それでは凛の修行にならないでしょう?」

凛「仕方ないにゃ…」ゴインゴイン



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凛「全部倒すまで半日もかかったにゃ」

海未「予想以上に多かったですからね」

凛「500匹はいたよ!普通は10匹もいないはずなのに!」

海未「でもいい修行になりましたね。明日に備えて早く寝ましょう」

凛「まだ明るいにゃ~」

海未「ほう…まだ修行がしたいのですか?」ニヤ

凛「うっ…おやすみなさい」

凛「おはよう!海未ちゃん!」

海未「おはようございます。お腹が空きましたね。昨日倒したライオンの肉に火を通しておきましたよ」

凛「希ちゃんに教えてもらった食べられる草や木の実と倒した動物の肉だけの生活はもう飽きたにゃ」

海未「贅沢を言ってはいけません。これでも栄養のバランスはしっかりとれているのですよ」

凛「あと、凛はそろそろ武器が欲しいにゃ!強くてかっこいいやつ!」

海未「あなたも私も既に全身武器ですよ」

凛「海未ちゃん手強いにゃ…」

海未「そんなことより、今日はキリマンジャロの山頂から、わざわざあのルスポッソ・ズルグッペさんが来てくださったのですよ」

ルスポッソ・ズルグッペ「こんにちは」

凛「どなたか存じませんがこんにちは」

海未「さあ!修行です!」

凛「ハァ…ハァ…ルスポッソ・ズルグッペさん強すぎにゃー」

海未「結局朝から晩まで2対1で戦い続けても勝てませんでしたね」

ルスポッソ・ズルグッペ「いえ、あと1時間続いていたら私は負けていました」

海未「しかし最初に制限時間16時間と決めてしまったので…今回は私たちの完敗です」

凛「ルスポッソ・ズルグッペさんは今回は凛たちに合わせて武器無しで戦ってくれたけど、普段は何か武器を使ってるの?」

海未「ええ、ルスポッソ・ズルグッペさんはこの間ピコピコハンマーでクジラを倒した程のピコピコハンマー好きです」

凛「クジラを!?」

ルスポッソ・ズルグッペ「30m級のクジラを百均のピコピコハンマーで本気で叩いてなんとか一撃で倒しました」

凛「」

ルスポッソ・ズルグッペ「では私はこの後コンガマトーを捕獲しに行くのでさようなら」

うみりん「ありがとうございましたー」

海未「では、私たちももう寝ましょうか」

凛「うん!おやすみー」

凛「おほほほほほ」

海未「おほほほはほほほ」

凛「ところで奥さま?」

海未「どうしたのですの奥さま?」

凛「どうして今日の修行はおままごとなのですの?」

海未「あらやだ!奥さまもしかして動けるのですの?昨日ルスポッソ・ズルグッペさんと16時間も戦い続けて、私の体はボロボロだわすよ」

凛「ふふ。私も全く動けないだわよ」

海未「でも明日にはまた本格的な修行を再開するのでごわすのよ?」

凛「やだもう奥さまったら!お厳しいこと」

海未「ほほほ!空気でできた旦那にご飯を用意するだけで全身の筋肉がギッシルンギッシルン言いますわ」ギッシルンギッシルン

凛「これでは家事も碌にできませんだわね」

うみりん「おほほほほほほほほほほほほほほ」

凛「だんだん筋肉痛がおさまって来たにゃ」

海未「きっとファンの皆様の応援のお陰ですね」

凛「ここ無人島だけど」

海未「日本できっと応援してくださっているはずです!ほら、希がよく言うスピリチュアルパワーでそれが私たちに届いてるんですよ」

凛「ありがたいにゃ~」

海未「さあ、昨日は一日中おままごとしかしていませんでしたので、今日はその分の修行も頑張りますよ!」

凛「おー!」

凛「ところで海未ちゃん、凛たちたまには日本に帰った方がいいと思うよ」

海未「そうですね、もう半年以上この無人島とその近くの島の沿岸から200海里よりも外には出ていませんからね」

凛「かよちんに会いたいにゃ~」

海未「では、一ヶ月後に一度帰国してみましょう!」

凛「ホントに!?やったー!」

海未「ええ、私もみんなに会いたいですし。でも、この一ヶ月間は今までよりもさらに気を引き締めて修行しますよ!」

凛「うん!」

海未「やっと日本に着きました!」

凛「流石に日本まで泳ぐのはキツかったにゃ」

ルスポッソ・ズルグッペ「あら、こんにちは」

凛「うわっ!ルスポッソ・ズルグッペさんだ!」

海未「何故あなたがここに!?」

ルスポッソ・ズルグッペ「コンガマトーはもうとっくに捕獲して暇だったので、あなたたちが来るのを待ってたんですよ」

海未「よく私たちが帰国しようとしていたことが分かりましたね」

ルスポッソ・ズルグッペ「暇つぶしにインド洋を横断していたら会話が聞こえたのですよ」

凛「流石だにゃ」

海未「私たちはオーストラリア付近の太平洋側の島に滞在していたのに」

凛「インド洋から会話を聞いてたなんてやっぱりルスポッソ・ズルグッペさんは素晴らしいにゃ」

ルスポッソ・ズルグッペ「このくらいの能力ならあなたがたも修行を続ければその内身につきますよ」

凛「でも凛はまだ耳をすませてやっと東京から中国の沿岸部の街の音が聞こえるレベルだよぉ」

海未「きっと青春が聞こえる~」

凛「海未ちゃんは?」

海未「えっ?私ですか?私はものすごく集中しても東京からモンゴルに吹く風の音がやっと聞こえるレベルです」

凛「凛よりすごいにゃ」

ルスポッソ・ズルグッペ「私はそのくらいなら映画を観ながらでも聞くことができますが、まああなたがたならそのレベルに達するのも時間の問題ですね」

凛「頑張るにゃ」

海未「久しぶりの日本ですし、まずは穂むらに行きましょう」

凛「かよちんにテレパシーで穂むらに行くって伝えとくにゃ」

ルスポッソ・ズルグッペ「穂むら!いいですね~一度行ってみたかったんですよ私」

海未「ええ、ルスポッソ・ズルグッペさんも一緒に行きましょう」

凛「じゃあ穂むらまで競走にゃ!この海岸線からスタートね!よーい、ドン!」

ルスポッソ・ズルグッペ「はい到着」ビュクルン

凛「負けたにゃー」ビュルルン

海未「敵いません…」ビュルルン

海未「こんにちはー」ガララ

凛「かよちーん!真姫ちゃーん!穂乃果ちゃーん!ことりちゃーん!」

ルスポッソ・ズルグッペ「こんにっつぁ!」

穂乃果「おお!海未ちゃん凛ちゃん久しぶり!」

ことり「二人ともたくましくなってるね」

花陽「すごいです…!」

真姫「で、誰よその人」

ルスポッソ・ズルグッペ「Oh…!」

真姫「なるほどね」

花陽「あ…あ…」ガクガク

穂乃果「海未ちゃんや凛ちゃんより強いなんて…」

ことり「世界は広いんだねぇ」

ルスポッソ・ズルグッペ「ふふ、もうすぐ二人に抜かされそうですけどね」

穂乃果「ええっ!?そうなの!?」

海未「とんでもない!まだまだですよ私たちは」

凛「ルスポッソ・ズルグッペさんを超えるなんてまだ凛たちには難しいよ」

ルスポッソ・ズルグッペ「いいえ、二人が思ってるよりもその時は近いですよ。頑張ってください」

うみりん「は…はい!」

花陽「すごい世界を見ちゃった」

ルスポッソ・ズルグッペ「!!」

凛「どうしたの?ルスポッソ・ズルグッペさん」

海未「凛…五感を研ぎ澄ませてください…」

凛「大変にゃ!」

海未「一体あれは…」

ことほのまきぱな「」ポカ-ン

ルスポッソ・ズルグッペ「みなさん、逃げてください!」

海未「私はここに残ります!」

凛「凛も!」

ルスポッソ・ズルグッペ「覚悟してください」

ことほのまきぱな「え!?え!?」バタバタ

プェスニッソ・ズルグッペ「よう」ビュクルン

ルスポッソ・ズルグッペ「何の用だ」

うみりん「……!!」

ことほのまきぱな「!?」

プェスニッソ・ズルグッペ「お前の新しい友達が見たくてな。まさかこんなにいたとは」

ルスポッソ・ズルグッペ「そんな理由で来たのかよ。あ、みなさん、こちらは双子の弟のプェスニッソ・ズルグッペです。邪悪なので気をつけてくださいね」

プェスニッソ・ズルグッペ「はっはー!喧嘩だ喧嘩!」ゴゴゴ

海未「典型的な敵キャラですね」ザッ

凛「強そうだにゃー」ザッ

プェスニッソ・ズルグッペ「言っておくが俺はなァ、姉であるルスポッソ・ズルグッペの3倍の強さだ!」

海未「そんな気がしてました」

凛「勝てるかどうかは別としてテンション上がるにゃー!」

ルスポッソ・ズルグッペ「二人とも、無理はしないでください!四人はあちらへ!」

ことほのまきぱな「…は、はい!」ドタバタ

海未「ぐはっ!」バタッ

凛「もう限界だよ…」バタッ

穂乃果「あの二人がいとも簡単に!」

ことり「穂乃果ちゃん…」

ルスポッソ・ズルグッペ「くっ…おのれ…!プェスニッソ・ズルグッペ!えーと…何だっけ」

プェスニッソ・ズルグッペ「世界征服だ」

ルスポッソ・ズルグッペ「そうそれ!世界征服なんて馬鹿げた夢はやめろ!多分いいことないぞ!」

プェスニッソ・ズルグッペ「うるせぇ黙れ」ドカッ

ルスポッソ・ズルグッペ「かはっ!」バタッ

真姫「これヤバいんじゃないの…?」

海未「まだ…です…」ムクッ

穂乃果「海未ちゃん!」

ことり「無理はしないで!」

凛「負ける訳にはいかない…」ムクッ

真姫「凛まで…」

海未「ふふっ、世界征服をもくろむ敵ですか」

凛「テンション上がるにゃー!」

プェスニッソ・ズルグッペ「これこれ!いいぞォ!」

ルスポッソ・ズルグッペ「くっ…二人とも…」

花陽「待って」

花陽「ここは私に任せて」

凛「かよちん!?」

海未「花陽が!?無理です!私たちでももうボロボロなのに…!」

真姫「何言ってるのよ花陽!これは遊びじゃないのよ!」

ことり「花陽ちゃん…何か作戦でもあるの?」

穂乃果「……」

プェスニッソ・ズルグッペ「は?面白いなお前」

ルスポッソ・ズルグッペ「やめなさい!悪いけどあなたには…」

凛「いや、できるにゃ」

6人「!?」

凛「かよちんを危険な目に遭わせたくないけど、凛たちがこのザマだからね…。ごめんねかよちん、お願いできる?」

花陽「うん!」

海未「ちょっと待ってください!意味が分かりません」

凛「〝モミガラ〟を…脱ぐんだね…」

花陽「うん…」

穂乃果「花陽ちゃん…勝てるの…?」

花陽「うん…」パキパキ

真姫「一体何なのよ…花陽…」

花陽「簡単に言うと…パワーアップ…かな…」ピキピキピキ

ことり「まさか…」

花陽「今から私は暴走します…みんな離れて」バリバリバリバリ

海未「……!」

ルスポッソ・ズルグッペ「これは…!」

凛「かよちん!やっちゃえー!!」

花陽「キエエエエエエ!!!」バキビキビッシ-ン

プェスニッソ・ズルグッペ「ほう…」

花陽「ふふ…」ピカ-

穂乃果「花陽ちゃんが…」

ことり「光ってる…」

海未「それに…なんですかこの空気…」

真姫「何が起こったのよ」

凛「かよちんは普段はモミガラというオーラで自分を包んで力を制御してるんだにゃ。それを脱いだ今、かよちんは最強」

ルスポッソ・ズルグッペ「間違いない…今あの子は世界一強い」

花陽「行きますよ!」

プェスニッソ・ズルグッペ「はははは!命をかけてかかって来い!」

プェスニッソ・ズルグッペ「ぐわああああああ!!」ドカ-ン

花陽「ふふ、私の勝ちです」

ルスポッソ・ズルグッペ「信じられない…プェスニッソ・ズルグッペをパンチ二発で倒した…」

凛「流石かよちんだにゃー!ヌカまで脱ぐほどでもなかったね!」

真姫「まだ先があるの!?」

穂乃果「すごいよ花陽ちゃん!」パチパチパチ

ことり「びっくりしちゃった」

海未「完敗です…」

花陽「えへへ…照れるよぉ…」

プェスニッソ・ズルグッペ「ぐぬぬ…」

花陽「はい、これ」

プェスニッソ・ズルグッペ「?」

花陽「おにぎりあげるので、世界征服は諦めてください」ニコッ

凛「かよちん優しいにゃー!」

プェスニッソ・ズルグッペ「…夢は諦めないよ」

花陽「……」

プェスニッソ・ズルグッペ「お前というトラウマができちまったけどな」ニコッ

花陽「ふふ…」ニコニコ

ルスポッソ・ズルグッペ「素晴らしい…!」

海未「では凛、そろそろ修行に戻りましょう」

凛「えー!?まだ日本に来て一週間しか経ってないにゃ!」

海未「一週間前に花陽の強さを見せつけられてからずっとウズウズしてるんです!もう我慢できません!」

凛「うーん、そうだね!今度は凛がかよちんを守りたい!」

海未「ルスポッソ・ズルグッペさんやプェスニッソ・ズルグッペさんにも早く追いつきたいですしね。では、港から泳いであの無人島に戻りますよ!」

凛「うん!出発にゃ!!」

凛(結局ズルグッぺ達は何者だったんにゃ?)

おしまい

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