花陽「凛ちゃんの誕生日」 (30)

──10月31日 23時59分

花陽「もうすぐ凛ちゃんの誕生日」

花陽「日付が変わったらすぐにお祝いのメールを送ってあげるんだ」

花陽「もう文面も用意してあるし、あとは送信ボタンを押すだけ。えへへ、凛ちゃん喜んでくれるかなあ……」

花陽「あと5……4、3、2、1、今だ!」ポチ

花陽「うん、ちゃんと送れたみたい。よかったあ」

花陽「明日は改めてもう一度おめでとうと言おう。凛ちゃんの笑顔楽しみだなあ」

ピロリン♪

花陽「凛ちゃんからだ! ええと……えっ!?」

花陽「凛ちゃん、明日やることがあるから学校休むって……」

花陽「明日は凛ちゃんと会えないってこと……?」

花陽「ぐすん──寂しいよう」

花陽「でも、わざわざ誕生日に何をするんだろう……?」

──10月31日 23時59分59秒

ピロリン♪

凛「にゃ?」

凛「あっ、かよちんだにゃ」

凛「『お誕生日おめでとう』、っか。ふむふむ」

凛「かよちん日付がぎりぎり昨日になってるにゃ~」

凛「送っちゃった。これでもう後には退けないニャ!」

凛「かよちん、寂しがってないかなあ。かよちんの悲しそうな顔を想像するとつらいニャー……」

凛「ううん! もう決めたんだから! 凛、絶対にやるニャ!」

凛「それにきっとかよちんだって喜んでくれるはずニャ!」

凛「よーし、明日は頑張るぞー! というわけで今日はもうお休みニャ」

──翌朝

花陽「そうだよね、学校お休みってことは朝に迎えに来ないってことなんだよね……」

花陽「凛ちゃんがお休みなんて今までほとんどなかったし、なんかすごく変な感じ……」

花陽「それだけじゃなくて通学路も一人ぼっち」

花陽「いつもは凛ちゃんの元気な声がずっとすぐ横で聞こえるのに今日はすごく静か……」

花陽「昨日まではこの日をことをすごく楽しみにしてたのに……」

花陽「うう、凛ちゃん……」グスン

──放課後・部室

穂乃果「せっかく今日は凛ちゃんの誕生日なのに凛ちゃんお休みで残念だね」

ことり「そうだね、お祝いの準備も無駄になっちゃったね」

海未「残念ですが誕生日会は中止ですね」

にこ「もう、せっかく準備したっていうのにー!」

絵里「でもどうして休んだのかしら? 風邪を引いたとかではないのよね?」

花陽「うん、何かやることがあるからって……」

真姫「わざわざ誕生日に? イミワカンナイ!」

希「まあまあ、それくらい大事な用ってことなんやろ? あまり追及せんとこ」

ピロリン♪

花陽「あ、この着信音、凛ちゃんからだ」

穂乃果「凛ちゃんのだけ着信音変えてるんだ。ホント、花陽ちゃんは凛ちゃんのこと好きなんだねー」

花陽「も、もう、穂乃果ちゃん!」

穂乃果「あはは、ごめんね」

海未・ことり(私も穂乃果(ちゃん)のだけ着信音変えてるなんて言えない……)

真姫「で、凛は何て言ってるの?」

花陽「あ、うん……。えと、用事が思ったより早く終わったからこれから学校に行くって……」

穂乃果「本当!?」

ことり「よかったね、花陽ちゃん!」

海未「準備も無駄にならなくて済みそうですね」

絵里「そうね、急いで準備しなおしましょう」

にこ「まったく人騒がせな」

希「そんなこと言ってないで準備するよ」

にこ「はいはい……」

真姫「ほら、花陽も」

花陽「うん!」

ガチャ

凛「おはようニャ!」

花陽「凛ちゃん、誕生日おめでとう!」

みんな「おめでとう!!」

凛「び、びっくりしたニャ……」

花陽「えへへ、驚かせようと思って準備してたの」

凛「そうだったの!? 凛、すっごく嬉しいよ!」

真姫「それなのに学校休んだと思ったら、いきなり来るとか言い出すわ、こっちの方がもっとびっくりしたわよ」

凛「あちゃー、ごめんなさいニャ」

絵里「まあそれはいいから、とにかく始めましょう」

みんな「はーい♪」

みんな「かんぱーい!」

希「ついこないだ絵里ちの誕生日会したばかりやのに、今度はもう凛ちゃんの誕生日かあ」

絵里「やっぱり9人もいるとすぐ誰かの誕生日にぶつかるわよねえ」

ことり「ええと、まだ誕生日が来てないのは……花陽ちゃんと海未ちゃんの二人だけかな?」

花陽「そうですね」

海未「はい、楽しみにしておきます」

穂乃果「それで全員かあ。楽しみだね」

真姫「私、祝ってもらってないんだけど……」

希「ウチもやね」

穂乃果「あはは……だって二人はそのとき加入してなかったし……」

絵里「まあまあ、希の誕生日は私が祝ってあげたじゃない」

凛「じゃあ真姫ちゃんだけ誰にもお祝いされてないのかニャ?」

真姫「…………ぐすん」

にこ「真姫ちゃんの誕生日はこの先何度もニコが祝ってあげるから気にしないでいいニコ♪」

真姫「ニコちゃん……///」

にこ「真姫ちゃん……///」

穂乃果「あの二人は本当に仲良いねえ」

ことり「そうだね、見ていて微笑ましいね」

海未「え、ええ……」

花陽「あ、ところで凛ちゃん」

凛「ん? なにかニャ?」

花陽「今日のことなんだけど、結局なんの用事だったの?」

凛「あ、そうだったニャ! すっかり忘れてたニャ!」

ことり「凛ちゃん……あはは」

凛「うーんとね、それはこれを貰いに行ったからニャ!」ババーン

花陽「それは……免許証?」

凛「うん! 原付免許を取りに行ったのニャ!」

希「確かに原付の免許は16歳になったら取れるけど、でもどうしてまた?」

凛「せっかくだからすぐに取っておきたかったからニャ」

凛「それと早く免許を取ってかよちんを後ろに乗せてお出かけしたいなあと思って」

花陽「凛ちゃん……。うん、一緒に行こうね!」

凛「うん! 早速、今度の休みにどこか行こう!」

絵里「あー……盛り上がってるところ非常に申し訳ないんだけど……」

凛・花陽「?」

絵里「原付の免許じゃ二人乗りはできないわよ」

凛「えっ!?」

海未「ええ、確か二人乗りをしていいのは普通自動二輪からだったはずです」

凛「ええっ!?」

絵里「それに普通自動二輪を取ったところで取得後一年経たないと二人乗りは許可されないわよ」

凛「えええっ!? それじゃ凛はなんのために急いで免許取ったかわからないニャー……」

真姫「勉強してるときに気がつかなかったの?」

凛「ただ頭に詰め込んだだけだからわからなかったニャー……」

絵里「ちゃんと理解してないとダメじゃない」

凛「うう……」

花陽「凛ちゃん……」

ことり「ええと……なんていうか……」

にこ「ご愁傷様ね」

凛「うわああああああああああん!!!!」

穂乃果「落ち着いた?」

凛「うん……ごめんなさいニャ……」

絵里「気にしないでいいわよ。今日は凛が主役なんだし」

花陽「私も気にしてないよ?」

凛「かよちん……」

花陽「オートバイで一緒にお出かけはできないけど、そうじゃなくてもお出かけはできるよ」

花陽「電車でも自転車でも徒歩でも、凛ちゃんと一緒なら何でも楽しいから」

凛「かよちん……。うん、ありがとうニャ!」

海未「これにて一件落着ですね」

真姫「全く、散々騒がせといて最後にこれとか……」

凛「まあ免許を取ったってことでいいとするニャ!」

希「そういや16歳になったらもう一つ出来るようになったことがあるな」

凛「え、それは何かニャ!?」

希「結婚やな」

凛「え……?」

希「せやから結婚やって」

凛「でも結婚なんて凛にはまだ早いニャー……」

希「そうかもしれんけど、少なくとも法律的には問題はないってことや」

凛「なるほど……。じゃあ凛、結婚するニャ!」

みんな「ええええええええ!?」

穂乃果「あ、相手は誰なの!? 私たちの知ってる人!?」

凛「誰って、もちろんかよちんに決まってるニャ」

花陽「私!?」

凛「うんっ! ……もしかして嫌だった?」

花陽「ううん、そんなことない! けど、まだ私たちには早いような……」

みんな(そういう問題!?)

花陽「だってまだ私15歳だし……」

みんな(問題点そこなの!?)

凛「そうだったニャ! じゃあかよちんが16歳になったら結婚しよう!」

花陽「うん!」

みんな(もうツッコミ疲れた……)



終わり

くぅ疲
拙作ですが支援してくれてありがとうございました
凛ちゃんかわいいよ! 誕生日おめでとう!

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