P「雪歩、誕生日おめでとう」 (4)

雪歩誕生日SSだけど、間に合わなかった……

週末には完結させる予定です。


P「雪歩、誕生日おめでとう」

プ、プロデューサー!?

P「ははっ、何を驚いているんだ?」

だ、だってプロデューサーが今日いるなんて……

P「何を言っているんだ? お前の誕生日なんだから当たり前だろ?」

……でも、プロデューサーには…………

P「それにな雪歩、今日はお前に伝えたいことがあるんだ」

えっ!?

P「今までまたせてごめん。これを受け取ってほしい」

これは……指輪……?

P「雪歩これからもずっと俺がお前をプロデュースしていくからな」

! は、はいっ! よろしくお願いします、プロデュー……




ピピピピ、ピピピピ、ピピピピ……

雪歩「……そう、だよね……夢だよね…………」

 残酷な、いやひょっとしたら優しいのかもしれない、目覚まし時計の音で目を覚ましました。
 時間を見ると午前7時、そして日付は12月24日。

 私の誕生日です。



雪歩「行ってきます」

 身支度を整えた私は10時ごろにお家を出ました。
 白いコートに白いニット帽。
 私のイメージカラーに合わせたそれは、私のお気に入りでそれで……

P『雪歩ってやっぱり白が似合うよな』

雪歩「っ、」

 思い出してしまったその言葉を頭をぶんぶん振って振り払いました。 

 いけない、いけない。
 今日は滅多に集まれない皆が私のお祝いをしてくれるんだから笑顔でいかなきゃ。

 皆の中にはあの人はいないけれど……

 そんな心にチクリと刺さった棘を気づいていないふりをして私は事務所へと急ぎました。


春香・真「「雪歩!! 誕生日おめでとう!!」」

雪歩「春香ちゃん、真ちゃん、ありがとう!」

 事務所についた私を春香ちゃんと真ちゃんが迎えてくれました。
 おめでとうの言葉は夜にLINEできていたけど、やっぱり面と合って言ってもらえるとすごく嬉しいです。

春香「雪歩、はいプレゼント! ……ごめんね、本当は去年とは変えようと思ったんだけど」

雪歩「ううん、すっごく嬉しいよ。ありがとう春香ちゃん」

 春香ちゃんからのプレゼントはケーキ。
 春香ちゃんは去年と同じことを謝っていたけど、私としては忙しいのに二年連続で手作りでケーキを作ってくれた春香ちゃんの優しさが何より嬉しかったです。

真「ボクからのプレゼントは、はい!」

雪歩「これは……バレッタ?」

 真ちゃんのプレゼントは少し予想外でした。
 もともとショートのボブヘアーの私は衣装とかでもない限り髪留めなどをつける機会はありません。

真「うん、雪歩最近髪が伸びてるでしょ?
  もしかしたら伸ばしているのかなって思って」

 そういえば最近切る暇がなくてけっこう伸びてきていたかも

真「もしかして、違った?」

 私の反応の薄さを心配してか真ちゃんが不安そうに見てきました。

雪歩「ううん、ありがとう真ちゃん。すごく嬉しいよ。
   髪、伸ばしてみようかな……」

 意図的に伸ばすつもりはなかったんだけど、せっかくもらったんだしちょっと伸ばしてみようかな。

律子「はいはい、あんたたち、しゃべっててもいいけど、そろそろ収録の時間じゃないの?」

 律子さんの声で私たちは現実に引き戻されました。
 たしかにそろそろ事務所を出ないと仕事場まで間に合いません。

春香「えっ、もうそんな時間ですか!? 真、雪歩、急ごう!」

真「そうだね、雪歩!」

雪歩「う、うん。でも、春香ちゃんそんなに急ぐと……」

 どんがらがっしゃーん。

 言うより早く、いつもの音を立てて春香ちゃんが転びました。

雪歩「春香ちゃん、大丈夫?」

春香「いてててて、うん。ありがとう雪歩」

真「まったく、春香は相変わらずだなあ」

律子「はあ、あんたたち、今日プロデューサーが休みだからって気が抜けすぎなんじゃないの?」

 そんな律子さんのぼやきを私は聞こえないふりをするのでした。

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