【ミリマス】琴葉「か、買っちゃった…催眠術アプリ…」 (37)

琴葉「……」

机に置かれた携帯「」

琴葉「はぁ…何してるんだろ、私…」

説明文『これを使えばどんな異性も自由自在! ダウンロードしたらやり方は簡単。起動ボタンを押し、光った画面を相手に向けて命令するだけ!』

琴葉(すごく嘘っぽいし…)

琴葉「それに数万円もするアプリなんて全く見ないけど、そんな高値な割にレビューも星5だなんて」

琴葉(でも、折角買ったんだから…一回くらいダメ元で試してみようかな…)

琴葉「まだいるかな、プロデューサー」

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事務室

コンコン ガチャ

琴葉「あ、プロデューサー…」

P「ん、どうした琴葉?」

琴葉「あの、実はプロデューサーに相談があるんですけど…」

P「相談? そうか、俺でいいなら何でも聞くよ」

琴葉「何でも? …良かった、えへへ…」

P「それで何の相談なんだ?」

琴葉「取り敢えず、それは携帯にまとめてきたので…」

琴葉「これ、見てください!」スッ

ピカーッ

P「!」

琴葉「な、なーんて…?」チラッ

P「」

琴葉「プロ…デューサー…?」

P「」

琴葉「…嘘、本当に?」トントン

P「…」シーン

琴葉(あっ…じゃなくて命令、しなきゃ…?)

琴葉「えと…その…」

琴葉(ど、どうしよう…まさか本当に成功するとは思ってなかったから…)オロオロ

琴葉「!」ティン

琴葉「じ、じゃあ…抱きしめて、ください…///」モジモジ

P「…はい」ギュッ

琴葉「!?///」カァァ

琴葉(わ、私…本当に抱きしめられて…///)

琴葉(…プロデューサーの温もり…心音…感触…全部が伝わってくる…)

琴葉(男らしい体つきに…私より大きい腕や手で全身を包み込まれるみたいに…)

琴葉(私のこの鼓動も…伝わっちゃってるよね…///)ドキドキ

P「……」ギューッ

琴葉「プロデューサー…いい匂い…///」クンクン

琴葉「ん~…///」スリスリ

琴葉「…って! ぷ、プロデューサー! もう大丈夫です!///」バッ

P「…ん、んん…あれ、琴葉? 顔真っ赤だけどどうしたんだ?」

琴葉「な、何でもないです…何でもないですから!///」タッタッタ

P「……?」

琴葉「本当に、使えちゃった…でも…」

琴葉(…駄目だよね。あんなの悪いことだもん…催眠なんて使ってプロデューサーを自分のものにしようだなんて…)

琴葉(プロデューサー、ごめんなさい…)

琴葉「危なかったけど、もう悪い気を起こさないように消そう…」

琴葉「さっきのは、夢…夢の中の出来事…」スッ

『このアプリを削除しますか?』

琴葉「……」ポチッ

琴葉「…」

琴葉「プロデューサーに抱きしめられるの…気持ちよかったな…」

翌日

恵美「やっほー! 琴葉、おはよっ!」

琴葉「おはよう恵美。今日は朝早いね」

恵美「にゃはは、まあたまにはね」ピッ

TV『…で活躍されていた…さんが覚醒剤を所持していることが発覚し…』

恵美「あ~またやってるよ~」

琴葉「? 何が?」

恵美「これこれ。最近見るんだよね~、有名人とかが薬物乱用? とかやって捕まっちゃうやつ」

恵美「薬物をやると中毒になるらしくって、やめるにやめられないらしいね」

琴葉「中毒…かぁ…」

恵美「何でそういうのに手を出しちゃうかなぁ~、楽しい事なら他にも沢山あるのに」

琴葉「そ、そうだね…」

TV『また、…さんは最初は軽い気持ちだった、などと言っており…』

恵美「軽い気持ちねぇ~…でもほんと、些細なことから中毒になっちゃうから気をつけないとね。薬物以外にも」

恵美「あたしも一時期すっごいハマっちゃったお菓子があってね? あれも中毒に入っちゃうのかなーなんて!」

琴葉「……うん」



琴葉「……」スタスタ

琴葉「…」チラッ

催眠術アプリ「」

琴葉(結局、アプリを消せなかった…)

コンコン

琴葉「プロデューサー…?」ガチャッ

P「ああ、琴葉。ボイスレッスンはもう終わったのか?」

琴葉「はい…それで…」スッ

琴葉(あと、一回だけ。本当に、あと一回。これが終わったら今度こそ消そう…)

琴葉「わ、私の事を抱きしめながら褒めてください…」ピカーッ

P「……琴葉、おいで」スッ

琴葉「…はい」ギュッ

P「琴葉は良い子だな…真面目だし、レッスンも居残りまでして頑張ってて…本当に凄いよ」ギュゥ

琴葉「そ、そんな…私なんて…あ、撫でてください…///」

P「掃除もやってくれるし、俺の仕事の手伝いもしてくれる…琴葉はとっても偉いなぁ…いつも助かってるよ」ナデナデ

琴葉「え、えへ…えへへ…///」テレテレ

P「照れてる顔も可愛いな、琴葉」ニッコリ

琴葉「!///」カァァ

琴葉(あぁ、もう…やっぱり駄目だ…)

琴葉「…ありがとう、ございます…///」スリスリ

P「よしよし♪」ナデナデ

琴葉(こんなの、やめられないよ…///)ゾクゾクッ

ガチャ

恵美「忘れ物したぁ!」

琴葉「!」バッ

恵美「って…あれ!? …こ、琴葉とプロデューサー? どしたの、そんな見つめ合ったまま立ってて…」

琴葉「…は、はい! プロデューサー、ネクタイ直しましたよ! ほら…」トントン

P「…ん…? あ、ありがとう…?」

琴葉「あれ、恵美…どうしたの?」

恵美「いやぁここに忘れ物取りにきただけだよ? …で、さっき琴葉がプロデューサーのネクタイ直してたけど…なんだか2人とも何だかいい雰囲気だったり…?」ニヤニヤ

琴葉「そ、そんな! もう恵美、プロデューサーまでからかわないの」

P「そうだぞ、身だしなみを直してもらっただけで別に深い意味はないよ」

恵美「へぇ~…そっか」

恵美「…じゃああたし、忘れ物取ったから帰るね。ばいばーい!」

P「気をつけてなー」

バタン

琴葉(…ふぅ。とりあえず恵美には見られてなかったみたい…危なかった)



扉の向こう側

恵美「はぁ、はぁ……」ドキドキ

恵美「こ、琴葉と…プロデューサーが抱き合って…」

恵美「…一体…どういう、事……?」

琴葉「…」カキカキ

琴葉「これで…よし」

『催眠術アプリ使用制限メモ

1.プロデューサーに甘えるのは1週間に1回だけ。
2.自分や相手が忙しい時は使わない。
3.他のみんなに迷惑をかけない。
4.過激なのは禁止。
5.これらの項目を必ず守る。

一つでも破ったら、このアプリは絶対に消す』

琴葉「制限があるなら、使ってもいいよね…?」

琴葉「さて、今日は火曜日だから…日曜日まで今日を含めて5日間、プロデューサーに甘えるのは我慢」

琴葉「…ううん。我慢というより、1週間頑張った自分へのご褒美だと思えば気持ち的に楽かも」

琴葉「よーし、今日のレッスンも頑張ろう」キリッ

ガチャ

P「おう、おはよう」

琴葉「おはようございます。プロデューサー」

P「どうした? 何だか清々しい顔して」

琴葉「いえ、何でもありません。じゃあ私、早速ダンスルームに行ってきますね」

P「ああ、行ってらっしゃい」

ダンスルーム

恵美(…プロデューサー…琴葉…)

恵美(見間違い、じゃないよね…うん。あれどう見ても抱き合ってたし…あんなの、あたしが忘れられないもん…)

恵美「はぁ…って、何であたしが悲しんでるんだろ…意味分かんない…」ボソッ

エレナ「メーグミ♪」ヒョコッ

恵美「うわっ!」ビクッ

エレナ「おっとと…どうしたノ? 何だかいつもより元気が全然ないヨー…?」

恵美「え、エレナ…もう、びっくりさせないでよね! 心臓飛び出るかと思ったじゃん…」

エレナ「ゴメンゴメン! それで、ホントに何があったノ?」

恵美「…大丈夫だって、何でもない。でも心配してくれてありがとね」

エレナ「? ウン、大丈夫ならいいんだケド…」

ガチャッ

琴葉「あ、エレナと恵美。もう来てたんだ」

恵美「! 琴葉…」

エレナ「おはよーコトハ! 今日も頑張ろうネ!」

琴葉「うん。…恵美?」

恵美「あっ、な、なに~?」

琴葉「大丈夫? なんだか顔色悪いけど…」

恵美「だから何でもないってば! もう、エレナも琴葉も心配性なんだから~!」

琴葉「…? もし体調が悪いならちゃんと言ってね?」

恵美「う、うん…分かってるって」

エレナ「じゃ、始めよっか!」

恵美(今は考えないようにして……あたしもちゃんと切り替えないと)



エレナ「ワン、ツー、スリー、フォー、ファイブ、シックス…ここで、こうだネ!」スッ

琴葉「エレナ…もう完璧に覚えちゃったの? やっぱりすごいなぁ」パチパチ

エレナ「エヘヘ、ダンスは大好きだから振り付けもなんだか勝手に覚えちゃうんだー♪」

恵美「……」ボーッ

エレナ「メグミ! どうだった!?」

恵美「えっ!? あ、うん…すごいよエレナ!」

エレナ「エヘ、ありがと! 何か分からないとこがあったら教えてあげるヨー!」

ガチャッ

P「おう、まだやってたな」

恵美「!」

エレナ「あ、プロデューサー!」

琴葉「お疲れ様です、プロデューサー」

P「3人ともお疲れ様。ちょっと休憩しようか。飲み物も買ってきたぞ」

琴葉「はい、わざわざありがとうございます」

P「いいって。ほらこれ、ダンスレッスンにはちょうど良さそうかも。アミノ酸がいっぱい含まれてるスポーツドリンクだってさ」スッ

エレナ「わーっ、ありがとうプロデューサー! これでワタシももーっと頑張れるヨー!」ハグッ

P「おっと…」

琴葉「!?」

恵美「…!」

P「え、エレナ…汗いっぱいかいてるじゃないか…ちゃんと拭かないと風邪引くぞ? ほら、タオル」スッ

エレナ「あっ、ホントだ…ごめんネ、プロデューサー」

P「大丈夫だよ。琴葉と恵美も…はい、ドリンクとタオル」

琴葉「……あ、ありがとう…ございます…」

恵美「ありがと…」

P「どうした…?」

琴葉「いえ、何にも…」

P「みんな順調そうだが、怪我と体調には気をつけるんだぞ? 俺は事務室の方にいるから何かあったら呼んでくれ」

エレナ「分かったヨー」

P「じゃあ頑張ってな」

バタン

琴葉「…え、エレナ…」

エレナ「ん?」

琴葉「さっき…ぷ、プロデューサーに抱きついて…」

エレナ「あー、さっきの? ん~…何でかナ、プロデューサーにはついハグをしちゃうんだヨ♪」

琴葉「!」

琴葉「そ、そう…」

琴葉「……」ギュッ

恵美(琴葉の反応…し、嫉妬…してるのかな…?)

恵美(プロデューサーの様子は琴葉の前でエレナに抱きつかれても特に変わりなかったけど…)

恵美(でも前は琴葉と抱き合ってて…ああもう、考えないようにしてたのに更に意味分かんなくなったんだけど……)

恵美「あ、あたし…なんか疲れちゃった…先帰るね…」

エレナ「あ、うん。お疲れサマ、メグミ」

琴葉「お疲れ様。気をつけて帰ってね」

恵美「うん…」

恵美「それじゃっ、ばいばーい」

ガチャッ

バタン

琴葉「…エレナ」

エレナ「なに、コトハ?」

琴葉「エレナって…いつもどれくらいプロデューサーに抱きついてるの?」

エレナ「うーん…分からないケド、嬉しくなったりプロデューサーに感謝するときはつい抱きついちゃってるヨ?」

琴葉「へ、へぇ…それで、プロデューサーは何て言ってるの?」

エレナ「なにって…? ど、どういうコト?」キョトン

琴葉(そう…特に何も言われてないのね…)

エレナ「…あっ、でも人前ではやめようって言われたカモ…これ、コトハの質問に合ってるかな?」

琴葉「うん…もう大丈夫」

琴葉「ごめん、私も用事思い出したから帰るね」

エレナ「えっ、そうなノ…? んー…じゃあ仕方ないネ。バイバーイ!」

事務室

ガチャ...

琴葉「……」

P「…」カタカタ

琴葉「プロデューサー」

P「うおっ! びっくりした…琴葉か。音もせずに入ってきて…」

ピカーッ

P「……」

琴葉「これから私が質問するのでプロデューサーは嘘偽りなく答えてください。いいですね?」

P「…ああ、分かった」

琴葉「エレナとはどういう関係ですか?」

P「アイドルとプロデューサーだよ」

琴葉「それ以外では?」

P「……」

琴葉「プライベートではどうですか?」

P「……」

琴葉(何も答えない…? プロデューサーはエレナの事、何とも思ってないってことかな…?)

琴葉「エレナにはどのくらい抱きつかれてます?」

P「…沢山だ」

琴葉「……」

琴葉「…そう…具体的な数も出てこないほど…抱きつかれてるんですね…」

琴葉(だったら、いいじゃない…うん、エレナがやってるんだもの…私だって、1週間なんて言わないで…)

琴葉「…抱きしめてください」

P「…」ギュッ

琴葉(あぁ、この匂い…温もり…まだ1日しか経ってないのに…もう久しぶりのように感じる…)

琴葉「…頭、撫でて…」

P「…分かったよ」ナデナデ

琴葉「ありがとうございます、プロデューサー…そのままずっと…私がいいというまでずっとそうしていてください…」

P「ああ…」

琴葉「すぅ…」

琴葉(ふふっ、私の肺…プロデューサーの匂いでいっぱいになっちゃった…///)

琴葉「はぁ…」

琴葉(なんだか、息を吐くのももったいないなぁ…♪)ギュッ

恵美の家


恵美「はぁ…いまいち調子が出ないなぁ…」ゴロゴロ

恵美「何か面白いゲームのアプリでもやって気分転換したいけど…ん?」

恵美「あなたにおすすめ…『催眠術アプリ』…?」

恵美「なにこれ、ゲームじゃないじゃん…」ポチッ

恵美「…へぇ、気になる異性に…ねぇ」

恵美「…ふーん…」ジーッ

恵美「…って! にゃはは、もうこんな説明文を真剣に読んじゃって、あたしったらバカみたい! あり得ないよこんなの」

恵美「しかも何万もするし…いくら詐欺っていってもここまで分かりやすいと逆に怖いよねっ」

恵美「でもほんとにこういうのあったら、あたし誰に使うんだろ…?」

恵美(気になる…異性、かぁ…)

恵美「…………」

琴葉「……」

使用制限メモ「」

琴葉「…」ビリビリビリ

琴葉「何考えてたのかな、私…」ポイッ

琴葉(こんなの作っちゃって…いつも恵美にも言われてるでしょ、もっと自分を出していいって)

琴葉(そう、これはただ自分に素直になっただけ…プロデューサーには迷惑をかけてないから…)


美咲「あ、プロデューサーさん。お疲れ様です♪」

P「お疲れ様です、青羽さん」

P「その書類…沢山ありますね、運ぶの手伝いますよ」スッ

美咲「あぁ、ありがとうございます! 倉庫に運ぶものだったんですが…って、あれ…?」

P「どうしました?」

美咲「…いえ、なんだかプロデューサーさん。いつもと違う匂いがするなーって」

P「違う匂い? 洗剤とかは別に変えてませんけど…」

美咲「うーん…気のせい、ですかね…とりあえず、運んじゃいましょっか♪」

P「ええ」

スタスタ


琴葉「……ふふっ。プロデューサーも私の匂いでいっぱいになっちゃったんですね。私だって、プロデューサーの匂いでいっぱいですから」



P「うーん…しかし、青羽さんにも言われた通り、なんだか最近自分でも分かるくらいよく匂いが変わるような…」

P「…それも劇場じゃなく、俺の服が…」

P「まあ良い匂いだからいっか…」


恵美「ねっ、プロデューサー」

P「ん? あぁ、恵美…どうした?」

恵美「いやね? なんというか…その、これ見て!」ピカーッ

P「……」

恵美「…ねっ、言う事…聞いてくれる?」

P「…ああ、いいよ」

恵美「…にゃはっ、たまには軽い気持ちでやってみるもんだね…」

恵美「じゃ、こっち来て」

ドレスアップルーム


恵美「あのね、プロデューサーが良かったら…あたしのこと抱きしめて…?」

P「…」ギュッ

恵美「んっ…あぁ…///」ギュゥ

恵美(わーっ…あたし、本当にプロデューサーと抱き合ってる…すっごいドキドキしてきたかも…///)

恵美「今度は…あたしの耳元で、いっぱい囁いて…」

P「…恵美」ボソッ

恵美「あっ……///」

P「恵美、綺麗だよ…赤くなった顔も可愛いな…」ボソボソ

恵美「にゃはっ…♪///」ゾクゾクッ

恵美(やばい…これ、ほんとに病みつきになっちゃうかも…♪)

恵美「じゃあ次…の前に、プロデューサー…嘘はなしで答えてね…?」

恵美「プロデューサーはさ……口でキス、したことある…?」

P「…ある」

恵美「っ…そっか…だ、誰と…?」

P「……」

恵美「…あれ? ちょっと! 答えてってば」ユサユサ

P「……」

恵美(な、何で答えないんだろ…確か説明には催眠をかけられた状態では隠し事なしで全部口を開くって…)

恵美「…まっ、この際どうでもいっか…今から、あたしが…全部、ぜーんぶ上書きしちゃえばいいんだから…」スッ

恵美(今になって分かったかも…あたし、プロデューサーのこと大好き…プロデューサーの、全部が欲しいんだって…)

恵美「プロデューサー…あたしに…キス…」



琴葉「なにやってるの、恵美?」

恵美「!? こ、こと…!」カタン

琴葉「?」

携帯(催眠術アプリ起動中)「」

琴葉「…へぇ~、そっか…恵美も、そのアプリを使ったんだね…」

恵美「えっ…恵美『も』って…まさか、琴葉…!」

琴葉「…うん。それ…私も使ってたよ」

琴葉「それを使って…プロデューサーに普段では出来ないお願いをしてたの」

恵美「じゃあ、あの抱き合ってたのって…」

琴葉「…あれ、見てたんだ…うん、そうよ。あれもこのアプリのおかげなの」

恵美「……」

琴葉「今、恵美が考えてる事、当ててみよっか?」

琴葉「…『先を越された』……」

恵美「!?」ゾワッ

琴葉「でもごめんね、私も残念だけど…プロデューサーとキスをしたのは私じゃないの」

琴葉「プロデューサーのファーストキスは…きっと相手の名前も覚えていないほど記憶に薄い頃だったのかも…ちょっともったいないけど」

琴葉「…プロデューサー、それならせめて…私のファーストキスは…奪ってくれますか?」ピカーッ

P「…ああ」スッ

恵美「! だ、ダメ! 止まってプロデューサー!」ピカーッ

P「…」ピタッ

琴葉「恵美…どうして邪魔するの?」

恵美「琴葉は好きな人が目の前でキスするところを見たいの…? まあ琴葉も好きだけどさ…プロデューサーの場合は、譲れないよ…?」

琴葉「…私だって…譲れない…」

恵美「……」

琴葉「……」

恵美「プロデューサー! こっち来て!」ピカーッ

琴葉「いいえ、プロデューサーは私の傍にいてください!」ピカーッ

P「……」

恵美「プロデューサーは私のものなの!」ピカーッ

琴葉「いいですかプロデューサー!? プロデューサーは琴葉のものです!」ピカーッ

恵美・琴葉「「あたし(私)だけの指示に従って(ください)!」」

P「…う、ううぅ…」


P「2人とも…もう、やめてくれ!」

琴葉「……!」

恵美「えっ…プロデューサー…?」

P「…俺は、琴葉のでも…恵美のものでもないんだ…だから…」

P「もう、やめてくれ…!」

琴葉「……プロデューサー…」

恵美「……」

琴葉「……」

恵美「ご、ごめん…プロデューサー…」

琴葉「……ごめんなさい…」

P「…んっ…?」


P「……えっ? ど、どうした2人とも! 何でそんな泣きそうな顔してるんだ!?」

琴葉「私…プロデューサーの気持ちも考えないで…あんな事して…!」ジワァ

恵美「あたしだって…あたしだけの為にプロデューサーを利用しちゃって…うわぁぁん…!」ポロポロ

P(な、なんだ? さっきまでの記憶は何故かないけど俺が泣かしちゃったのか…?)

P「…えと、ごめん…2人とも…」

恵美「えっ…?」

琴葉「どうしてプロデューサーが謝って…」

P「原因はよく分からないけど、俺が泣かしちゃったんだろ…? …いや、俺が泣かしてないとしてもお前たちをこんな可哀想な目に合わせて…ごめん」ギュッ

琴葉・恵美「「!」」

P「俺で良ければお願いでも何でも聞いてやるからさ…元気を出してくれ……な?」ニコッ

琴葉「プロデューサー…」

恵美(本当に謝るのはあたしたちなのに、なんで…プロデューサーはこうやって…あたしたちに優しくしてくれるのかな…本当にずるいよ…)

P「泣き止んだ…みたいだな。じゃあ…」スッ

恵美「ま、待って!」

琴葉「プロデューサー…もし、本当にお願いを聞いてくれるなら…」

恵美「このまま、あたしたちのことを抱きしめてて…?」

P「…ああ、分かったよ…」

P「俺なんかでいいなら、満足するまでこうしてやるから」

恵美(…あったかいなぁ…)

琴葉(強制的に命令する時とは全然違う…これが、甘えるってことなのかな…)



恵美「せーのっ」ピッ

琴葉「……はい。消したよ」スッ

恵美「ありがと。琴葉のも完全に消去しといたよ」スッ

琴葉「うん。ありがとう」

恵美「いやぁ、ほんとにあんなことが出来るアプリがあるなんてね…あたしびっくりしちゃった」

琴葉「…そうだね。でも、もう必要ないから…」クスッ

恵美「にゃははっ、まあね♪ 甘えたくなったら、素直に言えば済むからね」

琴葉「……でも、やっぱり気になるなぁ」

恵美「えっ? なにが?」

琴葉「プロデューサーのファーストキス…」

恵美「…別にいいってそんなの! 大事なのは、これからでしょ?」

琴葉「…うん」

恵美「ねっ、琴葉…あんまりのんびりしてると、今度はあたしが先を越しちゃうかんね?」

琴葉「恵美…私、絶対に負けないよ…?」


恵美「…あはは!」

琴葉「ふふっ…」

恵美「まあプロデューサーが関わらなければ琴葉は大好きだから…これからもよろしくね?」

琴葉「うん。私も恵美は好きだよ…こちらこそ、よろしくね」


…………

……

エレナ「エヘヘ、プロデューサー!」ダキッ

P「ははっ、よしよし」ナデナデ

エレナ「…あっ、プロデューサー…他の子の匂いするヨー? …よく知ってる匂いだから、コトハとメグミ…かな?」

P「ああ、さっきな」

エレナ「ハグだけだよね? それ以上はダメってワタシ命令したんだケド…」

P「もちろんだよ、エレナ」

エレナ「エヘヘ、なら良かった! じゃあこれからもずーっとそうだヨ?」

エレナ「他の子に許していいのはハグまでで…それ以上の事は絶対にしない! されそうになったら絶対に断る…」


エレナ「そして、ワタシとの関係は…何をされても、絶対に…ヒ・ミ・ツ…だヨ♪」ピカーッ



おわり

ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。

怖い怖い、乙です

>>1
田中琴葉(18) Vo/Pr
http://i.imgur.com/jVMavG6.jpg
http://i.imgur.com/ZJhfRu3.png

>>6
所恵美(16) Vi/Fa
http://i.imgur.com/IxuG9Xl.jpg
http://i.imgur.com/jDZzObt.png

>>11
島原エレナ(17) Da/An
http://i.imgur.com/PlGk6kr.jpg
http://i.imgur.com/mOR0gSU.png

>>20
青羽美咲(2X) Ex
http://i.imgur.com/N78dpoq.png

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