海未「良い詞が思い浮かばない」 (13)

海未「はあ…どうしましょう…」

ガチャ

にこ「お疲れ~」

海未「はあ…」

にこ「何よ?ため息なんてついちゃって。辛気臭いわね」

海未「にこ…いつの間に」

にこ「いや…今来たばっかりだけど…」

海未「ああ…そうですか。気が付きませんでした」

にこ「気がつかなかった?何?どうしたの?なんかあった訳?」

海未「実は…良い詞が思い浮かばなくて…」

にこ「詞?」



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海未「はい。どうやらスランプの様で…」

にこ「ふ~ん。そうなの…どうりで目の下にクマが…」

海未「え?本当ですか?」

にこ「うん。一応アイドルなんだから気をつけなさいよ。って言っても詞が書けないんだもんね」

海未「はい。何か…せめて参考になるものでもあれば…」

にこ「あるけど?」

海未「本当ですか?」

にこ「うん。実はいつか海未の力になれたらなって暖めていたのがあるのよ。聞きたい?」

海未「ぜひ!聞かせて下さい!」

にこ「仕方ないわね~。ズバリ!タイトルはにこにーにこちゃん!」

海未「すいません。却下で」

にこ「はあ?なんでよ?」

海未「μ'sの曲を作りたいので。それはにこ個人でやって下さい」

にこ「なによ。せっかく力になってあげようと思ったのに」

海未「気持ちだけで」

にこ「あっそ。じゃあ、私は先に行ってるけど!!後からお願いされてももうダメだからね?チャンスは今だけだから。いいの?」

海未「はい。ありがとうございました」

にこ「…………あっそ」

ガチャ

海未「はあ…何か良い詞が…」

ガチャ

凛「にゃー!」

海未「…凛」

凛「あれ?海未ちゃんだけ?」

海未「にこが先に屋上に行ってます」

凛「ふ~ん。海未ちゃんは?」

海未「作詞中です」

凛「作詞?」

海未「はい。なかなか良い詞が思い浮かばなくて。ちょっと困っているんです」

凛「そうなの?よく見たら海未ちゃん顔が悪いにゃ…」

海未「え?か、顔が?」

凛「うん。目の下にクマが出来てるし。寝不足?」

海未「あ、ああ…顔色が悪いですか?」

凛「うん。海未ちゃん可哀想…凛、何か力になれる?」

海未「う~ん……じゃあ、一緒に考えて貰っても良いですか?」

凛「詞を?」

海未「はい。新たな閃きに繋がるかもしれません」

凛「そっか。凛、作詞とかやった事ないけど頑張るよ」

海未「ありがとうございます。凛は優しいですね」

凛「えへへ~大好きな海未ちゃんの力になれるなら凛、頑張るにゃ」

海未「ふふっ。そう言ってもらえて嬉しいです」

凛「さっそくだけど凛ちょっと思いついたにゃ!」

海未「もうですか?」

凛「うん。タイトルだけなんだけど」

海未「はい」

凛「ultra soulなんてどうかな?」

海未「凛…」

凛「え?なに?」

海未「私達はμ'sです」

凛「うん。ダメかな?」

海未「ちょっと…そうですね」

凛「う~ん…そうか。じゃあ、ギリギリchop…」

海未「凛…私達はμ'sです」

凛「え?じゃあ…恋心(KOIーGOKORO)…」

海未「ワザとやってますか?」

凛「え?だ、ダメなの?」

海未「ダメです。ラブライブ辞退する事になりますよ?って言うか詳しいですね!」

凛「ご、ごめん。真面目にやったつもりなんだけど…凛、邪魔しちゃってるよね?」

海未「あっ、いえ…そんな事は」

凛「ごめんね。本当にそんなつもりはなくて…凛、屋上行ってるよ」

ガチャ

海未「はあ…ちょっと言い過ぎてしまいました。凛に謝らないと」

ガチャ

穂乃果「おっつかれさまで~す」

海未「穂乃果…」

穂乃果「おっ!海未ちゃん!なんだ~部室に居たのか~」

海未「はい。あの…ちょっと作詞中で…」

穂乃果「作詞中?」

海未「はい…」

穂乃果「もしかして難航してる?」

海未「そうですね」

穂乃果「やっぱりね~。長い事幼馴染やってるとすぐにわかるよ。海未ちゃんの事」

海未「そうですか」

穂乃果「うん。そっか。スランプ中か~」

海未「せめてキッカケでもあれば…」

穂乃果「う~ん…実はユニット曲の詞を考えてたんだけど…もし思い浮かばないんであれば」

海未「え?でも…それはプランタンの為の詞でしょう?それを使うなど…」

穂乃果「μ'sあってのプランタンだからね~。力になれるんなら喜んで提供させて貰うよ~」

海未「穂乃果…じゃあ、お言葉に甘えて」

穂乃果「うん。タイトルはぷわぷわーお!」

海未「はい?」

穂乃果「だから、ぷわぷわーお!」

海未「ちょっと意味が…」

穂乃果「だから、ぷわぷわーおだって」

海未「ぷわぷわーおって…何ですか?」

穂乃果「何ですかって言われてもなぁ。ぷわぷわーおはぷわぷわーおだからねぇ。詞も少し出来てるんだよ。君に飛んでけスキスキぷわぷわ~」

海未「ごめんなさい。ついていけないです。斜め上過ぎて私の理解力が追いついていかない」

穂乃果「え~ぷわぷわーおだよ?」

海未「え~と言われても」

穂乃果「ダメなの?」

海未「それで詞を書ける気がしないです。出来たら天才だと思います」

穂乃果「そうかなぁ」

海未「そうです。だって意味が分からないじゃないですか。ぷわぷわーおって…ぷわぷわなのは穂乃果の頭の中なのでは?」

穂乃果「酷い事を平気で言うね」

海未「だって…あなたはこの歌を本気で作る気だったのですか?」

穂乃果「だから本気だって。くどいなぁ」

海未「ことりと花陽はなんと?」

穂乃果「固まってた」

海未「そう言う事です」

穂乃果「ちぇ~まあいいよ。ぷわぷわーおは自分で作るから。後で譲ってって言われてもやだからね」

海未「大丈夫です」

穂乃果「あっそ。先に屋上行ってるよ」

海未「どうぞ」

ガチャ

海未「穂乃果をアテにした私がバカでした」

ガチャ

絵里「海未!?スランプなんですって?」

海未「絵里…はい。実は…そうなんです」

絵里「そうなの。何か力になれる?」

海未「そうですね。せめてタイトルだけでも思い付けば…あるいはそこから何か想像が膨らむかもしれませんし」

絵里「タイトルね…ちょっと考えてみるわ…………」

海未「………」

絵里「……………………………………」

海未「………」

絵里「…………………………………」

海未「絵里?」

絵里「………………………」

海未「あの…」

30分後

絵里「…………………………」

海未「絵里?」

絵里「ごめんなさい。今のところ何も…」

海未「ええ…」

絵里「燃えよドラゴン…なんてダメよね?」

海未「ドラゴンって…」

絵里「酔拳……死亡遊戯……」

海未「映画でも見ました?」

絵里「深夜にテレビで特集やってて…頭の中が…」

海未「そうですか…ちょっと歌詞には出来そうにないですね」

絵里「そうよね…あの…出直してくるわ」

海未「え?ちょっと…」

ガチャ

海未「行ってしまいました…」

希「そうか~。海未ちゃんスランプなんや~」

海未「希…いつの間に…」

希「人を急に生えたように言わんで欲しいなぁ」

海未「生えたって…」

希「少し方向性を変えて見たら?」

海未「方向性?」

希「普段聞かない様な歌を聞いてみるとか」

海未「普段聞かない歌?例えば?」

希「エアロスミスとか…」

海未「歌えこなせますか?」

希「椎名林檎とか!」

海未「スクールアイドルが歌うんですよ?」

希「じゃあ…長渕?」

海未「ですからスクールアイドルが歌うんです。学生が歌うんですよ」

希「じゃあ、尾崎!」

海未「アイドル要素ありますか?」

希「ん~…難しいなぁ」

海未「ふざけてます?」

希「まあ」

海未「せめて否定してください」

希「つい」

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