【ラブライブss】花丸「善子ちゃんは今、月ちゃんに首ったけ」 (110)

他板のスレで途中からss投下、完結したやつです。誤字修正URL貼り付け用で立てました。

注意事項
・結構設定いじってたりするかもません。
・アニメ見返してはいますが、設定を付け足すために矛盾がある可能性があります。
・梨子ちゃん花丸ちゃん推しはごめんなさい、全面的にギャグ要員にしてます。
・ただのつきよしであり、マイナーカプ開拓ssです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1558858462

―部室ー

花丸「過ぎると思う」



梨子「わかる」

千歌「確かに、あの二人最近仲良しだよねー」

曜「過ぎるって言うほどじゃないと思うけどなぁ」アハハ…

ルビィ「善子ちゃんと月ちゃんが二人で楽しそうにしてるところ、最近よく見るもんね」

花丸「ほんと、気づいたらいつの間にか、一緒にいるのを見かけるようになったずら……」

梨子「甚だ疑問よ……」

千歌「不思議だよねー」

ルビィ「いつからあんなに仲良しさんになったのかな?」

花丸「善子ちゃんの身に何が起きて、どういう心境の変化が訪れたのか」

梨子「それを確かめるため、今日はみんなに集まってもらいました」

ルビィ「え!?今日はそういう集まりだったの?」

千歌「あれ、これただの部活前の集まりだよね?」

曜「まぁ、ちょうど今善子ちゃんいないし、練習にはちょっと早いし」

曜「情報交換程度に、みんなが見かけた、二人の話をしてみるのも面白そうかもね」

梨子「実は、前にこの話題を私たちだけで話してた時」

梨子「善子ちゃんって、私たちが思ってる以上に月ちゃんと仲が良いというか」

梨子「知らないところでめちゃくちゃ月ちゃんと絡んでるのよね……」ハァ

花丸「マルが見かけた時には、もう手遅れだったずら……」

千歌「手遅れって」

ルビィ「え、えっと仲が良いなら、それでいいんじゃない、かな?」

梨子「もちろんそうなんだけど!」ズイッ

花丸「マルたちは二人がなんであんなに仲が良いのか知りたいの!」ズイズイッ

ルビィ「ピギィッ!?」

千歌(なんか二人ともダイヤさんみたい)

梨子「というわけで、分析のためにみんなのつきよしエピソードを聞いていこうと思います」

ちかるび「つきよし?」

曜「それじゃあ私から話そうかな」

千歌「え?なにを?」

花丸「千歌ちゃん、水差しちゃだめずら」

梨子「月ちゃんと善子ちゃんの話に決まってるでしょ?」

从c*・ヮ・§   つきよしって二人のことなのかー

⌒°( ・ω・)°⌒ 専門用語って難しいね 

今日はなんでもない水曜日なんで、

 先だっての帰宅途中で わたしが体験したお話をひとつ。

―帰宅途中ー


曜「ふぅー、今日はあっついねー」

善子「ふふっ、この程度、地獄の業火に比べればなんとも無いわ」ダラダラ

月「ジュースでも買っていこうか」

曜「賛成!」

月「今日はこの月ちゃんがジュースを奢ってあげよう!」チャリンチャリン

曜「えー、悪いなー」ニコニコ

月「なにがいい?」

曜「おまかせで!」

月「オッケー」

善子「ふふっ、このヨハネの好物を当てることができるかしら?」バサァ

曜「なんでこのタイミングで堕天使衣装を……」

曜「そのマント、暑くないの?」

善子「暑い!」ダラダラ

月「おっ、善子ちゃん今日もマント?」テクテク

善子「わ、わるい!?」

月「そんなことないよ!相変わらずかっこいいねー!」

善子「そ、そう……」

曜「善子ちゃん、照れてる?」

善子「照れてない!」


善子「もう……」

月「じゃあはい!好きな方を選んでね!」

曜「おー、イチゴジュースにスポーツドリンクとはわかってるねー月ちゃん!」

善子「……甘いわね、ここにヨハネの一番好きなものは無いわ」

曜「え、善子ちゃんいちご好きじゃなかったっけ?」

善子「それはNo2よ,ヨハネのNo1は」

月「このチョコレートココア?」スッ

善子「なっ!?」

月「どっちも好きでしょ?だから僕の分は保険としてこれにしといたんだ」ニコッ

曜「おぉー」

善子「や、やるじゃない……」


善子「……ぁりがと//」ゴクゴク

月「どういたしまして」ニコッ

曜「あの時は気にしてなかったんですけど、」

曜「月ちゃん」

曜「別に」

曜「チョコレートココア、好きじゃないんですよね」

りこまる「きゃあああぁぁ」


千歌「なんで話の前後だけ稲川〇二風?」

ルビィ「月ちゃんって善子ちゃんの好きなもの、覚えてるんだね!」

曜「それもあるけど個人的には」

花丸「そんな絡み方を善子ちゃんがしてることが一番のびっくりずら」


千歌「え?善子ちゃんいつもこんな感じじゃないの?」

梨子「全然違うでしょ!?わからないの!?」

千歌「わからないから聞いてるんじゃん!?なんでチカが怒られてるの!?」


花丸「いつもの善子ちゃんなら、あのままずっと堕天使の流れの場面のはず」

梨子「なのに曜ちゃんの話のままだと、堕天使衣装に着替えたにも関わらず、」

梨子「それから全くと言っていいほど、堕天使の流れをしてないのよ!」

ルビィ「な、流れって……」アハハ…

曜「まぁ堕天使衣装と言っても、軽くマント羽織っただけ、だけどね」

ルビィ「えっと、善子ちゃんはもしかしすると」

ルビィ「月ちゃんに褒めてほしくて、わざわざ堕天使衣装を着たってことなのかな?」

りこまる「ぐはっ!?」ガタン

ルビィ「ピギッ」ビクッ


梨子「そ、そんな善子ちゃん……見たことない……」ガクッ

花丸「まさか、マルたちがまだ見たことのない善子ちゃんが存在するなんて……」オヨヨ

梨子「っていうか普段善子ちゃんって、人からもらうものにわざわざ注文なんかつける?」

花丸「さすがに無いと思うよ」

梨子「そうよね、これじゃあまるで、善子ちゃんが月ちゃんに甘えてるみたいじゃな……ぃっ!?」

りこまる「ぐはっ!?」バタン


千歌「今日、ほんとどうしたの二人とも?」

曜「仲の良い友達のね、自分の知らない部分を人伝(ひとづて)で聞いたり見たりしちゃうと」

曜「あーなるものなんだよ」アハハ…

曜「でも善子ちゃん、褒められた時そんなに嬉しそうには見えなかったんだけど――」

梨子「善子ちゃんの目的はいったい何なの!?あんな絡み方、私ですらされたことないのに!!!」

花丸「月さんに絡みに行く姿自体、想像できなかったのに……完全に容量過多ずらぁ……」

千歌「曜ちゃん、二人とも、全然曜ちゃんの話聞いてないよ」

曜「みたいだね」ハァ

ルビィ「あはは……」

梨子「じゃ、じゃあ、次は私の話ね」ガクガク

千歌「梨子ちゃんだいじょーぶー?」

梨子「全然平気よ、なんくるないさー」フラフラ

花丸「うぅ……空が落ちてくるずらぁ……」

ルビィ「花丸ちゃん……」

花丸「空が落ちる……?堕天……?ふふっ、リトルデーモン達が迎えに来てくれているわ」


从c*・ヮ・§     全然大丈夫じゃないね

⌒°( ・ω・)°⌒   花丸ちゃん、善子ちゃんのモノマネ好きだよね

(*> ᴗ •*)ゞ      (気持ちがわかる分、少し複雑であります)

―生徒会室ー

善子「え、えっと月、さんも曜と一緒で制服とか好きなのよね」

月「そうだよ!消防士の服とかあと宅配員の制服とかも好きで―」

善子「……」ゴクッ

善子「じゃあはい!」

月「?それって、善子ちゃんの堕天使衣装?」

善子「せ、制服好きなら、これも……着てみてほしいんだけど」

月「え?いや、それは制服っていうジャンルじゃないと思うけど……」


―生徒会室前廊下ー


善子「き、着てくれるか着てくれないかは、はやく決めなさいよ!」

月「う、うん!わかったから、着るから、落ち着いて……」


梨子「この声って……善子ちゃんと月ちゃん?」

梨子「なんか、めずらしい組み合わせね」クスッ

善子「ほら、こっちにいれるんだってば」

月「初めてだと、これ結構難しいね」

月「んっ、僕にはちょっときついかも」

善子「わ、私で入ったんだからきっと大丈夫よ!」


梨子「んん?二人ともなにしてるのかな?」コソッ



月「んしょ、よっと、入った!」

善子「ふふ、どう?主とひとつになった感覚は?」


梨子「え、は、入って一つになるって……」


月「うん、こういうのもかっこいいね」ニコッ

善子「そ、そうでしょ、それになにかこう、感じるものはないの?」

善子「こう胸の辺りからこみ上げる前世の記憶というか」


梨子「胸が感じる!?//」ドキッ

月「前世の記憶……?はっ、実は僕がヨハネ様だったってこと!?」

善子「ヨハネはヨハネ!」


梨子「ヨハネ様!?主従プレイ……?//」ドキドキ


月「あっはは、冗談だよ」ニコニコ

善子「もう、こっちは真剣なのに……」


梨子「月ちゃんにとっては善子ちゃんとはただのお遊びってこと!?」

梨子「はわわわわわわ////」ワタワタ


月「この服なんかハーブ?の香りがするね」スンスン

善子「あぁ、それは儀式とかによくセージとかを使うからね」


梨子「違法ハーブ!?」ハッ

梨子(いくら真剣にお付き合いしたいからって……!)

梨子「そ、それはダメよ善子ちゃん!!!」

バンッ

梨子「私が意を決して部屋に入ってみたら、」

梨子「な、なんと!」

梨子「月ちゃんが善子ちゃんの服を着てたの―――!!!」



ようまるびぃ「……」

千歌「梨子ちゃん」

梨子「……はい」

千歌「正座」

梨子「はい……」

千歌「もー!今日の梨子ちゃん、相手するのすっごい疲れるよー!」プンスカ

曜「ツッコミ担当って言えば、いつもは梨子ちゃんだもんね」

花丸「そこまで聞こえててその発想は、さすがに引くずら」

梨子「花丸ちゃんまで!?酷いっ!!!」

ルビィ「り、梨子ちゃん!月ちゃんが善子ちゃんの服を着てたってどういうことなの?」

梨子「そのまんまの意味で、善子ちゃんの堕天使衣装を、月ちゃんが着てたのよ」

曜「話を聞く限りだと、善子ちゃんがちょっと強引に着せてたように感じるね」

ルビィ「褒めてもらったのが、嬉しかったんだね」

曜「そうだね、それで嬉しくなって、じゃあ着てみてよ!って感じの流れだと思う」

千歌「でもそれって、そんなに真剣になることなのかなー」

花丸「自分のお気に入りを薦めるときは、誰でも真剣になるずら」

千歌「なるほど!」


ルビィ「ルビィ達も善子ちゃんの服、着させてもらったことはあるし」

千歌「この話はそんなにめずらしいって程じゃないね」

梨子「そ、そうみたいね」シュン


曜(二人きりで生徒会室にいること自体、善子ちゃんとしては珍しいと思うけど……)

ルビィ(花丸ちゃん達、今日の様子じゃそこまで頭が回ってないみたいだし……)

ようるび(ここは黙って様子見しとこう)

花丸「梨子ちゃんが部屋に突入した後は、なにもなかったの?」

梨子「うぅん、特には。善子ちゃんの様子も普通だった。」

梨子「あっ!けど……」

曜「けど?」


月『そうだ、善子ちゃん僕の帽子、かぶってみる?』

善子『いいの?』

シュルッ  パサッ

善子『どう……かしら?』

月『うん、似合ってるよ!善子ちゃんの雰囲気にも似合ってて、とっても可愛い!』ニコッ

善子『あ、ありがと//』


月『それじゃあ今日はそろそろ帰ろっか』

善子『……えぇ、曜が待ってるし早く行きましょ』


梨子「こんな感じのことはしてたわ☆」エヘッ

花丸「善子ちゃんがトレードマークのお団子を解くのになんの躊躇もないってすごいねー!」

梨子「そうなの!そもそも善子ちゃんがハット系以外の帽子かぶるの自体珍しいのよねー!」

花丸「未来ずらぁ~!」

梨子「未来よねー!」


曜「確かにその姿の二人と一緒に帰ったことはあるけど、これその日の話だったんだ」ナルホド

ルビィ「月ちゃんは堕天使姿のまま帰ったの?」

曜「うん、また洗って返すねーって話してたし、そのまま家まで帰ったんだと思う」

花丸「いつもの照れ隠しも、憎まれ口もしないの、すっごいめずらしいずらー」アハハ

梨子「ほんとほんと!堕天使どこ行っちゃったのよもうそれデフォルトー?って感じー!」アハハ


千歌「善子ちゃんって月ちゃんの前だとかなり素直なんだねー」

曜「そう考えてみると、二人の間の雰囲気って志満さんと千歌ちゃんに似てるかも」


花丸「善子ちゃん達は志満さんと千歌ちゃんに似てるみたいずら―!」アハハハハハ

梨子「なるほどねー!つまり二人は端から見れば姉妹のように仲の良い間柄ってことねー!」アハハハハハ

りこまる「あははははははは!」


りこまる「エンッ!!!」ドッサァ


ルビィ「梨子ちゃぁん!!花丸ちゃあぁぁぁん!!!!」アワワワワ

曜「あー、余計な事言っちゃったかぁ……」

千歌「三回転ぐらいしてたね今」ダイジューブー?

梨子「と、というか、曜ちゃんの発言も、正直見逃せないんだけど……」ボロボロ

花丸「その日の話だったんだってどういうことなの?もしかしてこんなレベルが日常的ってことなの?」プルプル

曜「う、うん、堕天使衣装を着た月ちゃんなら最近ちょこちょこ見るレベルではあると思……」

りこまる「」チーン

曜「し、死んでる……」

花丸「つ、次はマルの番だね」フラッ

ルビィ「は、花丸ちゃん、無理はしない方が」ハラハラ

花丸「大丈夫、マルのは短いやつだから」ニコ


千歌「梨子ちゃんほんと大丈夫?」

梨子「う、うぅーん……」

曜「完全にノビちゃってるね」

千歌「梨子ちゃーん」ペラッ

曜「あわわっ///」

梨子「ちょぉっ!?///千歌ちゃん何するの!!!///」

千歌「おぉ、一瞬で元気になった!」

曜「ピンクと白の縞模様///」

梨子「曜ちゃんもやめて!!!///」

花丸「あれはお昼休憩の時間、マルが図書館に行こうとしてた時ずら」



⌒°( ・ω・)°⌒   あ、このまま話に入るんだね

从c*・ヮ・§     梨子ちゃんにすっごく怒られたのだ

⌒°( ;・ω・)°⌒   それは……仕方のないことだと思うよ 

(*/// ᴗ ///*)ゞ   ド……ドキドキが止まらないであります

花丸「~♪」トコトコ

ワイノワイノ

花丸(あ、あそこのベンチにいるのって善子ちゃんと……月さん?)


善子「んみゃー!」

月「わっ!?」ビクッ


花丸「ずらっ!?」

花丸「よ、善子ちゃん達、いったいなにしてるずら!?」コソコソ

月「どっ、どうしたの善子ちゃん!?」

善子「月だけチョコケーキ食べるなんてずるいっ!」

月「そっか、ごめんね?それなら、善子ちゃんも半分食べなよ」スッ

善子「ヨハネは今ダイエット中なの!!!」

花丸(善子ちゃんんんん!?それはいくらなんでも理不尽だと思うよ!?)

月「え、こ、困ったなー、うーん……」

善子「」プクー

月「え、と、じゃあカロリー抑えめのチョコケーキとかなら食べられる……?」

善子「食べるっ!」

月「それなら……」ゴソゴソ

花丸(善子ちゃんほんとなにやってるずら……)

善子「おいしいっ!」ニパッ

月「よかった」ホッ

善子「この包装紙……これ、もしかして月の手作りなの?」モグモグ

月「うん、でもあんまり料理とかしたことなかったから正直心配だったよ」アハハ…

善子「へー、そうなのね」モグモグ


善子「ごちそーさま!ありがと、月」

月「お粗末様」

善子「その……これからも定期的に、ヨハネに供物を捧げる使命を与えてあげるわ」

月「……!善子ちゃんのお口に合ったみたいで、なによりだよ」ニコッ

花丸「その後は」

花丸「ダイエットの話とかで盛り上がってたよ」

花丸「マルはその後図書館に行って」

花丸「ムーミンを借りて読んだよ」


梨子「ムーミン、いいわよね。私も妖精になろうかしら」

花丸「今なら1作目がおすすめずら」

梨子「なるほど、このまま心ごと、洪水に流されるのも、悪くないのかもね……」サラサラ

花丸「まことに死せんときは、予てたのみおきつる妻子も財宝も、わが身には一つも相添うことあるべからず。」

花丸「マルたちは今から身一つとなって、狩野川を流れ、母なる海へと還るんだね……」サラサラ


曜「梨子ちゃんと花丸ちゃんがどんどん消えていく!?」

ルビィ「二人とも戻ってきてぇぇ!」ピギャアアァァ


千歌「なにこれ」

私の話の時よりもさらに仲良くなってるじゃないー 

友達に甘えるって水準を軽く越えてるずら― 
  

曜「空気中から声が!?」

ルビィ「二人とも、塵になっても、心で会話してるのっ!?」


千歌「いやほんとなにこれ」

これからヨハネに供物をささげなさい ってこれプロポーズか何かずら?

チョコケーキって味噌汁みたいなものよね?ならそう考えるのが自然じゃな

カチッ

ゴオオオォ

キャアアアァァ


ルビィ「あぁっ!?花丸ちゃん達が扇風機の風でどこかに飛ばされちゃう!?」

曜「千歌ちゃん!?なにしてるの!?」

千歌「だって蚊柱みたいで気持ち悪かったんだもん」

梨子「次は千歌ちゃんの番ね」サラサラ シャキーン

千歌「えー、と月ちゃんと善子ちゃんの話をすればいいんだよね」

曜(そういえば月ちゃんの手作りお菓子って、見たことないし聞いたこともなかったなぁ)


从c*・ヮ・§     どんな話をしたらいいか皆目見当もつかないのだ

⌒°( ・ω・)°⌒    二人が出てたらどんなお話でもいいと思うよ

千歌「はーぁ、今日のゴミ結構重いねー」トコトコ

月「最近イベント続きだったからね、仕方ないと言えば仕方ないよ」

千歌「そりゃーそうだけどー」

善子「ちょっとそこの方」シャラン

千歌「善子ちゃん!いいところに!」

善子「貴女ではありません、そちらの黒の髪の方」

月「僕?」

善子「黒髪の方、私を見て、何か変化を感じるところはありませんか?」

千歌「変化?うーん……」ジロジロ

善子「貴女ではありません」

月「……?あっ、そのリボン!」

千歌「リボン?あ、ほんとだ!ちょっと違う!」

善子「フフッ、ようやく気付いたみたいですね」

月「この学校のとよく似てて気がつかなかったよ!とってもかわいいね!」ズイッ

善子「え、あ、ありがと……//」

月「触ってみてもいいかな!」キラキラ

善子「えぇ、ど、どうぞ?」

月「うわぁ、すごい、なるほど、留め具がないやつなんだね」サワサワ

善子「んひっ」ビクッ

月「色合いが若干淡いのと、使ってる材料も少し違うみたいだね」フムフム

善子「……//」ドキドキ

千歌「あれ?善子ちゃん真っ赤だよ?大丈夫?」

善子「へ、平気ですわ」

千歌「ですわ?」

―小時間後ー

月「いいもの見せてもらったよ!ありがとう!」ツヤツヤ

善子「あ、うん、それは、よかったです」

千歌「じゃあ善子ちゃんまた後でねー!」


善子「……」シュン


月「あ、そういえば!さっきのリボン、僕の中学の時のリボンにそっくりだったよ」

千歌「へー、月ちゃんは確か〇〇中学だったよね!」

月「そうそう!〇中の文化祭はなかなか面白くて――――」


千歌「って話ぐらいかな、私が知ってるのは」

花丸「〇〇中学!?」

ルビィ「善子ちゃんの中学校と同じ名前だ!」

梨子「えっ?」

曜「そうなの!?」

ルビィ「うん、あ、でも別に善子ちゃんが直接教えてくれたわけじゃなくて」

花丸「クラスメイトの子が善子ちゃんと中学一緒だったから、それで遠回しに知っちゃったずら」

千歌「あー、そういえば善子ちゃん、中学の時のことは全然教えてくれないもんねー」


梨子「……だとすると、色々と見えてくるものがあるかも」

千歌「見えてくるもの?」

梨子「善子ちゃんが月ちゃんへ接触する目的はわからないけど、理由ぐらいならわかるかもって思って」

曜「あ、そういえばそういう話だったね」

千歌「すっかり忘れてた」

ルビィ「えっと、理由がわかるってどういうこと?」

梨子「同じ中学校ってだけじゃ接点があるとは言い切れないでしょ?」

梨子「けど、中学時代に似ているリボンを着けて、月ちゃんのとこに行ったってことは」

梨子「まず少なくとも善子ちゃん自身は月ちゃんとの接点があったのよ」


花丸「中学時代の月さんは善子ちゃんを知らなかったけど」

花丸「善子ちゃんはその時からすでに月さんを知ってたってことずら?」

梨子「そう」

梨子「そして口では言えないけど、同じ中学って言うのを月ちゃんに気づいてほしいのかもしれない」

ルビィ「よ、善子ちゃんが?」

曜「なんでそんな回りくどいことを……」

梨子「それはわからないわ」

梨子「でもそう仮定しとかないと善子ちゃんが月ちゃんに」

梨子「わざわざ自分と同じ中学を想起させるものを使うはずないと思うの」

花丸「褒められるために堕天使の衣装を着」


梨子「その堕天使衣装を月ちゃんに着せ」


花丸「月さんに甘えに甘え」


梨子「そして私たちにも話さない中学時代を」

花丸「わざわざ遠回しな方法で伝えようとした」


りこまる「これらから導き出される善子ちゃんの行動の理由とは!」


ようちかるびぃ「理由は……!?」

りこまる「……」

ヨイショ ストン

梨子「ふぅ、さ、次の話は誰?」

曜「え!?理由は!?」

花丸「まだそこは審議中ずら、曜ちゃん弁護人は私語を慎むずら」

曜「えぇーー……」


ルビィ「えっと、月ちゃんも知ってるけど、善子ちゃんに口止めされてるだけってことは……」

梨子「それも十分あり得るわね」ウンウン

花丸「間違いではないかもしれないずら」ウンウン


曜「でもそれなら、わざわざ同じ中学のに似たリボンをつけて目の前に現れる?」

花丸「月さんの反応からも、実は知ってると言う事はありえないずら」ウンウン

梨子「その通りね」ウンウン


ようるび「……」イラッ

りこまる「」シュン ←怒られた

ルビィ「本物じゃなくてわざわざ似てるやつを選ぶって言うのはどういうことなんだろう……?」

千歌「実は本物だったー!とかじゃないの?」

曜「それはないよ、月ちゃんがそれを見分けられないとは思えない」


千歌「それじゃあやっぱり他の同じ中学の人には伝えたくなくて、月ちゃんだけに伝えたいってこと?」

曜「そうなるんだけど、それなら別に二人の時に話して伝えればいいと思うんだよね」


ルビィ「そもそも善子ちゃんが月ちゃんを知ってたとしても」

ルビィ「善子ちゃんならむしろ中学時代を思い出させるようなことはしないと思うんだけど……」

曜「そこだよね、私たちにも話したくないようなことを」

曜「月ちゃんだけにわざわざ伝えようとした理由が知りたいよ」

梨子「なんとなく善子ちゃんが月ちゃんと仲が良い要因は出てきたけど」

曜「後は今の情報量で話してても、結論は出ないかもね」


千歌「もう善子ちゃんに直接聞いてみたらいいんじゃない?」

花丸「善子ちゃん、話してくれるのかな?」

千歌「わからないけど、今答えが出ないってことは」

千歌「みんなが持ってる他のつきよし?の話にもヒントは無いってことだよね?」

梨子「まぁ……確かにそうね」


花丸「でも、善子ちゃんに質問責めするの、ちょっと気が引けるずら……」

ルビィ「ルビィたちにも隠したがってること、かもしれないんだもんね……」

曜「そういえば善子ちゃん遅いね」

ルビィ「すぐに来ると思ったんだけど……あっ!」


ルビィ「善子ちゃん、ちょっと怪我しちゃったから保健室行ってくるって」スマホ

りこまる「保健室!?」

曜「善子ちゃん、大丈夫?」

ルビィ「うん、軽い打撲みたいだから大丈夫らしいけど」

千歌「でもやっぱり心配だから、みんなで保健室に行こう?」

曜「うん、そうだね」

トコトコ

花丸「放課後、先生のいない保健室」ブツブツ

梨子「密室で憧れの先輩と二人きり」ブツブツ

曜「怖いよ、二人とも」

ルビィ「あはは……」

千歌「善子ちゃん大丈夫ー?」ガラガラ

花丸「ちっ、千歌ちゃん!急に開けちゃダメずらー!/////」

梨子「そのカーテンの向こうには重なり合った二つの人影が―!/////」

善子「なによ、みんなして。わざわざ来てくれなくてもよかったのに」


花丸「あ、あれ?夕暮れ時に少しオレンジがかった仕切りの向こうで重なり合う二つの影は……?」

善子「長いっ!なにどういうこと?」

梨子「月ちゃんは一緒じゃなかったの???」

善子「なんでそこで月が出てくるのよ」

ルビィ「ケガ、大丈夫?」

善子「大丈夫って言ったでしょ、軽い打撲よ、打撲」

曜「そっか、よかったー」ホッ

梨子「ほんとね、いきなり保健室って言われたから」

梨子「てっきり月ちゃんへの想いが爆発しちゃったのかと思ったじゃない」ホッ

善子「だからなんでさっきから月が出てくるのよ……」

花丸「中学からの憧れの先輩と密室で二人きり、何が起きてもおかしくないずら」ウンウン

千歌「今の梨子ちゃんと花丸ちゃんは無視してくれていいからねー」

善子「え、えぇ」

善子「中学時代って言ったってことは、もうヨハネが月と同じ中学だったってこと知ってるのね」

花丸「えっ?あっ!」

ルビィ「言っちゃってたことに、気づいてなかったんだね……」


梨子「ご、ごめんなさい、善子ちゃんにとってはあんまり詮索されたくないかもしれないのに」

善子「別にいいわよ、揶揄われそうだから言わないだけで、隠してるわけじゃないし」

梨子「そうなの?」

善子「そうよ、だから別に心配するようなことじゃないわ」

花丸「よ、よかったずらー……」

梨子「それなら改めまして」

善子「?」


梨子「なんで善子ちゃんは月ちゃんにだけあんなに甘えるのか教えてくれる???」ズズイッ

花丸「月ちゃんと中学時代に何があったかも肌身隠さず答えるずら」ズズズイッ


善子「へっ!?」


梨子「なんでわざわざ生徒会室で二人きりなの?あんなの勘違いしても仕方ないわよね??????」ゴゴゴッ

花丸「チョコケーキ食べるんならあーんもしてもらうべきだと思うずら、こっちはそういうの求めてるずら」ゴゴゴッ

ジリジリ

善子「ちょっ、な、なんなのよもーーー!?」

―小取り調べ後―

善子「そ、それで色々話しやすかったから仲良くなってただけよ」

梨子「甘えてる自覚は無い、と言う事ですね」

花丸「恐ろしい色欲魔ずら」

善子「なんなのよさっきからその反応は!!!」ムキー


花丸「さー、この調子で中学時代のこともはくずらー」

梨子「月ちゃんと中学時代なにしてたの!?」

善子「別に、月とは特に中学で直接絡みがあったわけじゃないわよ」

善子「ただ」

梨子「ただ?」

善子「ただ……月は、中学の頃のヨハネに、初めて出来たリトルデーモンだったの」ギュッ

りこまる「えっ!?」

曜「月ちゃんが初めてのリトルデーモン?」

千歌「それは初耳……」


ルビィ「あれ?でもAqoursに入る前、私たちがリトルデーモンになるって言ったとき」

ルビィ「初めてリトルデーモンができたって善子ちゃんは……」

善子「それはそう、お互いの承認をしたうえで、関係を結べたリトルデーモンはあなたたちが初めて」

善子「月は確かにそうじゃなかった、けど私にとって、月は……」


曜「善子ちゃん……?」

善子「……月はヨハネにとって初めてのリトルデーモンなの、これは譲れないわ」プイッ

梨子「どういうことなの……?」


善子「……」

花丸「善子ちゃん……?」

ルビィ「善子ちゃんさっき、話で聞いてたのと違ってなんだか」コソッ

曜「うん、もしかしたら月ちゃんとのことで何か悩んでるのかも」


千歌「……」

千歌「善子ちゃん、その話もっと詳しく話してもらうことってできる?」

善子「……別にいいけど」

善子「ただ、そんなに面白い話でもないわよ?」

千歌「そんなことない!」


千歌「……って言えるかは正直わかんないけど」

千歌「善子ちゃんにとってそれは大切な思い出なんだよね?」

善子「まぁそうね」


千歌「その思い出の中に、月ちゃんへの悩みがあるんでしょ?」

善子「……まぁ大体は」


千歌「それならやっぱり私聞きたい」

千歌「聞いて、少しでも善子ちゃんの力になりたいよ」


ルビィ「ルビィも善子ちゃんの力になりたい!一人で悩むより、みんなで悩む方がきっといいよ!」

花丸「三人寄らば文殊の知恵ってやつずら。」ウンウン

花丸「それにマルは同じリトルデーモンとして、先輩リトルデーモンの話を聞いてみたいな」


曜「私も、月ちゃんと善子ちゃんが中学の時から接点があったなんて初耳だしね」

梨子「私はまぁ、上級リトルデーモンとして、ヨハネ様の悩みを聞いてあげてもいいかなーなんて」

花丸「ここでそれを出してくるなんて、梨子ちゃんは結構欲しがりずら」

ワイノワイノ

善子「全く、別に悩んでるなんて一言も言ってなかったのに」

善子「……みんな、ありがと//」ボソッ

千歌「さぁ、それじゃあどんとこいだよ善子ちゃん!」イェイッ

善子「そう改まられると話しにくいっ!」

善子「……ちょっと長い話になるけど、ほんとにいいかしら?」

花丸「前置きとかはいいから早く始めるずら―」

善子「なんなのよその言い方はー!」ムキー


`¶cリ˘ヮ˚)|  そ、それじゃあいくわよ……


メイσ_σリ ノcノ,,・o・,,ノレ (*> ᴗ •*)ゞ 从c*・ヮ・§ ⌒°( ・ω・)°⌒ ドキドキ


善子「コホン、あれはそうね、ヨハネがまだ中学二年の時で、ちょうど雨が降った次の日だったわ」

―放課後の屋上―


中学善子「堕天使ヨハネ、新たな装束を、仮の姿の身に纏い、今、ここに、降臨!!!」バッサァ

カー カー

中学善子「……」

中学善子「フフ、ここに堕天使がいる幸運を知らず、約束された安住の地(自宅)に帰ろうとしている者たちよ!」

中学善子「この新たなヨハネの装束をその目に焼き付けなさぁぁぁぁ」

ビュオオォッ

中学善子「きゃぁっ!」

ヒラヒラ

中学善子「あー!ヨハネのマント!!!」

中学善子「このっ」ツルッ

ズデッ

中学善子「いたたたっ、ま、待ちなさいよ!」

ヒラヒラ

中学善子「待ってってば!」ツルッ

中学善子「あいだっ!」コテン

中学善子「……フフ、ヨハネに嫉妬した、天界の神々によって注がれた幾千の天の涙」

中学善子「(要するに雨)によってここまで行く手を阻まれるなんて」

中学善子「ヨハネってば本当に不幸ね」フフッ

※雨でぬれた屋上は床によってはほんと危険なので注意しましょう

中学善子「フフ、それでヨハネの新たな漆黒の装束はどこに……」キョロキョロ

ビュオオォォ

ヒラヒラ

中学善子「ってあ‶-!」

中学善子「下に落ちるのはさすがに冗談になってないわよっ!?」

中学善子「ま、待って!ほんとに待ちなさいってば―!」

ヒラヒラ

中学善子「あぁ……なんてことなの……って」

中学善子「にゃ‶ー!?雫の結晶地(水たまり)に一直線に落ちてるじゃないのー!?

中学善子「あれ、ハイカラがなんとかいって、すっごい高かったのに」

中学善子「たった数日でクリーニング行きだなんて」グスッ

中学善子「そんなのってないわよぉ……」ヘタッ

バッ キャーツキチャーン

中学善子「えっ、なに!?窓から、あれ、人!?」

ズルズル

中学善子「よ、ヨハネの装束をとって教室に帰っていった……?」

中学善子「な、なに?どういうことなの?」ポカーン


―次の日―

中学善子「はぁ、昨日のアレは一体なんだったのかしら」

中学善子「窓から人が出てきて、マント……いやヨハネの翼だけを奪って引っ込むなんて」

中学善子「ヨハネに仇なし得るんだから、やっぱり天界からの使いが最有力かしら」ブツブツ

先生「おはよう津島さん」

先生「昨日届けられた落し物があるんだけど、たぶん絶対貴女のものだと思うから一度職員室に来てくれる?」

中学善子「へ?」

善子「あの時は本当に驚いたわ」

善子「窓から人が出てきたって言うのはもちろんだけど」

善子「それ以上に私が落としたものが返ってきたことによ」


善子「知ってると思うけど」

善子「基本、私が身に着けていたり、持ってたものが無くなったときって」

善子「返ってくることがほとんど無いの」

善子「昔からずっとそうだったから、あんまり高いものとか」

善子「手に入れにくいものとかは持ち歩かないようにしてたんだけど」

善子「あの時は嬉しくて、つい学校に持って行っちゃったのよね」


善子「正直あの時は窓から人が飛ぶなんて思ってなかったから」

善子「私は、ほんとに天界からの使いが現れて、マントを奪い去っていったと思ってて」


善子「マントを学校に持ってきたことに凄く後悔したし、それ以上に悲しかった」

善子「だからあの時、マントが帰ってきてくれたことは私にとって、飛び跳ねるぐらい嬉しいことだったわ」

ルビィ「その拾って届けてくれた人が、月ちゃんだったってこと?」

善子「まぁ、そうなるわね。あの時の私はまだ知らなかったけど」


花丸「それで恩を感じるなんて善子ちゃんらしいずら」

善子「なによ!」

梨子「茶化しちゃだめよ、善子ちゃんにとっては大切なことなんだから」


千歌「あの時は知らなかったってどういうこと?」

善子「あの時の私は返ってきてラッキーぐらいにしか思ってなくて」

善子「誰が届けてくれたのか、お礼言わなくちゃとか」

善子「そうことを考えられないような子だったのよ」


花丸「今とは大違いずら」

善子「なによ!」

花丸「褒めてるだけずら」

善子「それはそれで恥ずかしいからやめなさいよ!」

曜「じゃあどうして拾ってくれたのが月ちゃんってわかったの?」

善子「それは先生から教えてもらったんだけど、まぁその前にもいろいろあって」

善子「そこが本題みたいなものね、また長くなるけど聞いて頂戴?」

善子「今回は偶々戻って来ただけ不幸中の幸いだったって、あの時の私は思ってたんだけど」


中学善子「にゃ‶ー!?窓で干してたリボンが無くなってるー!?」


中学善子「フフ、この地にヨハネを彩る装飾品が運び込まれたと聞き及んだのだけど」ガラガラ

先生「装飾品?あぁ、そういえばリボンが届けられてたわね」

中学善子「やはり……!御苦労」フフ

先生「うん、津島さん、その話し方やめてくださいね」


善子「それからも落し物は私のもとに戻って来た」

善子「もちろん、落としたもの全部が全部ってわけじゃなかったけど」

善子「私としては十分すぎるほどだったの」

善子「月との初めの方の接点はこのぐらいかしら」

梨子「なるほど、そういう関係だったのね」

曜(ハイカラってことは制服、月ちゃんが飛びついたのも納得だぁ)

千歌「この時はまだ、善子ちゃんですら月ちゃんを認識してないんだね」

善子「そうね、私が月を認識したのは三年になってからだからまだ先ね」


善子「それじゃあ次は、リトルデーモンがいつ生まれたか、を話すわね」

中学善子「フフ、今日は地獄の門番が審判を務めし日(親の帰りが遅い)、少しコンビニで読書に耽るのも」トコトコ

ビュンッ

中学善子「いたっ!?なに!?」

ピーヒョロロロ

中学善子「トンビ!?あっ!?ボタン――」

トゥッ ピァーー

中学善子「えっ!?」

中学善子「今のって、あの時の……」


―次の日―

中学善子「フフ、我が装束を彩る調度品は」

先生「届いてますよ、あと津島さん話し方」

トコトコ

中学善子「まさかまたヨハネのもとにモノが戻ってくるなんて

中学善子「天界もそろそろヨハネへの嫉妬をやめたのかしら?」


中学善子「いや、それはあり得ないわね」

中学善子「昨日も道端でエジプトの原生生物(ネコ)が上から植木鉢落としてきたし……」


中学善子「まぁ、最近のは間違いなくアレのおかげよね……」

中学善子「もしやアレは天界からの使いじゃないのかしら?」

中学善子「ヨハネの眷属?でも、この学校でヨハネと契約を結んだものなんて」

中学善子「うーーん……」

中学善子「気になる!」ダッッシュ

―図書館―

中学善子「うーんと、魔導書魔導書……あ、あった!」

ファンタジー大全

中学善子「えー、と」ペラペラ

中学善子「あった!使い魔!えーっともっぱら魔女や魔法使いが主従関係でー」

中学善子「うーん、これはちょっと違うわね」

中学善子「デビル……は違うし、あっ!」


中学善子「デーモン、神々と人間の中間に考えられる悪魔……!これよ!」

中学善子「天界から堕とされ、堕天使となったヨハネの眷属にぴったりじゃない!」

中学善子「なるほど、この学校にはデーモンがいて、それがヨハネの眷属だったのね」

中学善子「眷属なら、助け合うのも当然のことよね」ウンウン

中学善子「でもデーモンかー、今のところ助け合うって言うよりはヨハネのために働いてるって感じだし」

中学善子「ヨハネにとっての使い魔って感じなのよね」

中学善子「それだとデーモンに分類するにはおかしいから、なにか名称を考えてあげないといけないわね」ムムム……


中学善子「ファイヤーデーモン?いやこれは違うわね」

中学善子「ホワイトデーモン?可愛くてもなんかイヤ……」

中学善子「ヨハネの使い魔……使い魔と言えばこうちっこい感じの……あっ!」


中学善子「リトルデーモン!!!」


中学善子「そうよ!これからはヨハネの使い魔のことを、リトルデーモンと呼ぶことにするわ!」ニコニコッ

善子「こうしてこの頃に、私の中で初めてリトルデーモンが誕生したの」

梨子「それで月ちゃんが初めての……」

善子「この頃はリトルデーモンって、無条件でヨハネに従うものだと思っていたから」

善子「とりあえず増やした方がいいかなって思って」

善子「それからの私はリトルデーモンを増やすために色々するようになったわ」

ルビィ「色々って?」

善子「い、色々は色々よ!そこは別にいいの!//」

花丸「なにをそんなに怒ってるずら?」

善子「別に怒ってないわよ!」

善子(生配信とか屋上での演説とか、そんなこと簡単に言えるわけないでしょうが!!!)


善子「それじゃあそろそろ、私が月を知るきっかけになった場面を話すわね」

善子「さっきも言ったけど、月のことを知ったのは、実はちょうど私が、中学三年生になった時だったの」

―生配信後―

中学善子「カメラの位置が見にくいねー、リトルデーモンの分際でなかなか言うじゃない」

中学善子「うーんと、それじゃあこっちで」

中学善子「うーん、ここだとベッドが映っちゃう」

中学善子「あー、こっちだとせっかくの飾りつけやり直さないといけない」


中学善子「むむむっ……」

中学善子「もう疲れた!ヨハネは背徳の安寧を得るわ!」ボフッ

中学善子「ふへー……フフッ、人をダメにするクッションとやらもなかなか」


中学善子「全く……見てくれるのは嬉……けど、主に意見する……ておかし……よ」

中学善子「あくまでリト……ンは従う……在な……に」

中学善子「あ、すご……このクッシ……ヨハ……ねですら……こんなにきもち……zzzZZZ」スヤスヤ

―次の日―

中学善子「もー!ママのばか!なんで起こしてくれなかったのよー!!!」

中学善子「まだ時間はある、ここをダッシュで抜ければまだ」ツルッ

中学善子「あ」

ズッテーン バッサー

中学善子「いったたた……あー!カバンがぁっ!?」

中学善子「げげげっ!?中身ぶちまけながら落ちてってる!?」

中学善子「も、もう時間もないのに」

中学善子「最悪……」

放課後

中学善子「はーぁ、今回のはさすがに酷かったわね」

中学善子「結局ほとんど見つけられなかったし……」

中学善子「魔導書(教科書)だけでも戻ってこないかしら」ガラガラ


中学善子「失礼、ここにヨハネの魔導書と装飾と、魔鏡と―――」

先生「届いてますよ、あと津島さん」

中学善子「御苦労、話し方についてはNoと言わせてもらうわ」

先生「今日はそうじゃないの、津島さん何かいいことでもしたの?」

中学善子「?」

先生「落し物と一緒に、あなた宛てのケーキが届けられたの」

中学善子「ケーキ!?」

先生「大丈夫、知らない人のだったら先生も受け取らないから」スッ

中学善子「ヨハネを魅了せし禁忌の箱舟(チョコケーキ)じゃない!!!」

中学善子「ふふっ、忠誠だけでなくヨハネに合った献上品まで送ってくるなんて、見上げたリトルデーモンだわ」フフフ

中学善子「フフ、今後も励みなさい、それじゃあヨハネはこれで」

先生「ほんとこの子は……」ハァ

スタスタ

先生「あ、渡してくれた人から伝言!」

中学善子「伝言?」クルッ


先生「ありがとう、だって。」

中学善子「ありがとう……」

中学善子「なんのこと?」

中学善子「ヨハネは別に何もした覚えは無いわ」

中学善子「むしろ、リトルデーモンの方こそいつも……」

中学善子「あっいやいや、リトルデーモンはヨハネの使い魔でしょ」

中学善子「これぐらいは当然のことなんだから別に」

中学善子「……」モヤモヤ

中学善子「ま、まぁ?主従関係といえど奴隷ではないんだし」クルッ

中学善子「たまにはねぎらいの言葉をかけてあげるのも悪くないかもしれないわね!うん!」タッタッタッ


ガラガラ

中学善子「先ほどのリトルデーモンの真名を教えてもらえるかしら?」

先生「リト……?ケ、ケーキを届けてくれた人ね?その人は――って言って、もう――」



中学善子「えっ……?」

善子「初めてのリトルデーモンの名も、去年学校を卒業したってことも」

善子「これまでの落し物は全部同じ人が届けてくれてた、ってことも

善子「いなくなってから初めて知ったわ」

善子「……主従関係って言うのは、お互いに利があって初めて成立するもの」

善子「片方は従ってるのに、お互いに利があるってところが昔から納得いかなかったんだけど」

善子「この時に少しだけわかった気がしたわ」

善子「一方的に甘えることの愚かさと」

善子「返す相手のいない、感謝の気持ちのやり場のなさは」

善子「主従変わらず、どちらにもあるんだってこともね」

善子「それから私はリトルデーモンのことを眷属と、改めて自分の中で認識させ、」

善子「リトルデーモンになるためには契約を必要としたわ」

善子「もう驕ることの無いように」

善子「お互いに与え、与えられる存在になるために」


善子「今なら十分にわかる」

善子「ヨハネの不幸は私、ヨハネ自身のもので」

善子「その不幸を少しでも和らげてくれた人には」

善子「どんな関係だったとしても」

善子「ヨハネも感謝し、返さなければいけないの」

善子「もちろん義務なんかじゃなくて、相手と、ヨハネ自身のためによ」

ルビィ「か……かっこいぃ/////」

花丸「うん、この善子ちゃんは素直にカッコイイずらぁ//」

善子「このってどーいう意味よ!///あと、善子じゃなくてヨハネ!」


梨子「ようやく、調子が戻って来たみたいね」クスッ

千歌「あれ?でもそれだと月ちゃんに出会たんなら、後はそのことを言えばいいだけじゃないの?」

善子「それは……」

曜「まだ、なにかあるの?」


善子「……うん、ごめんもう少しだけ聞いてくれる?」

花丸「……?」

ルビィ「善子……ちゃん?」

善子「それから地元の高校じゃなく、浦の星を選んで、Aqoursに入って」

善子「順風満帆とはいかなかったけど、とっても充実した楽しい日々を過ごして」

善子「そろそろ名前も忘れそうになってたその時に」

善子「あの人は現れた」


月『曜ちゃんのいとこの月です!よーろしくー!』


善子「最初はAqoursのこと、高校の統廃合のことで頭がいっぱいで」

善子「正直、あの時は驚きとか感動とかあんまり無かったんだけど」


善子「ある日、ふとクラスメイトと中学の話になったときに」

曜「その時のこと、思い出したんだね」

善子「えぇ、いろんな感情ごとね」

善子「やっぱり私、中学生の時に、学校でも何回か見たことあったの」

善子「あの人自体、結構有名人だったから」


善子「でも、その時の私は名前も知らなければ、ありがとうって気持ちも持ってなかった。」

善子「そんな自分がすっごく嫌で、恥ずかしくて」

善子「月に中学の話をしようとしても、どうしてもその気持ちが強くなって、なんか怖くなっちゃって」

ルビィ「善子ちゃんからは、どうしても言い出せなかったんだね」

善子「……」コクン

善子「なんとか話題をふってもらうために、思い出してもらえるように頑張ったんだけど」

梨子「月ちゃんは、善子ちゃんと一緒の時には思い出してくれなかったのね」

千歌「善子ちゃん、辛いかもしれないけど、教えて?」

千歌「……なんで、本物のリボンじゃなくて、あくまで似たようなリボンをつけてたの?」

善子「……」

善子「……もし、もしよ?」

善子「本物を着けていっても、気づいてくれなかったら」

善子「私が中学のこと話しても!そこまでしても、月が私とのこと思い出してくれなかったら、覚えて、くれてなかったら」

善子「月にとってはどうでもよかったのかなって、ヨハネにとっては大事なことでも」グスッ

善子「月には思い出にすらならないことだったのかなって……」エグエグ

花丸「善子ちゃん……」ダキッ

千歌「……もういいよ、ごめんね、話してくれてありがとう」ヨシヨシ

善子「うっ、ううっ、ぐすっ」

梨子「……善子ちゃんのこと、思ってたよりも深刻だったみたいね」

千歌「自分にとって大事でも、相手にとってはそうでもなかったって、凄く辛いよね」

花丸「特に善子ちゃんはそういうの気にするタイプだと思うし」

ルビィ「善子ちゃんにとって隠してたい中学時代の中の、いい思い出の部分なんだもんね」


花丸「……でも正直月さんが覚えてるかどうかって言うのも難しい話だと思うずら」

千歌「花丸ちゃん……それは……」

梨子「……月ちゃんからすれば接点らしい接点はほとんどないものね」

千歌「梨子ちゃんまで……」

ルビィ「うん、善子ちゃんの気持ちも大事だけど、月さんの気持ちも大事だもんね……」

千歌「……」


花丸「……あれ、そういえば」

ちかりこるび「?」


花丸「なんで月さんは善子ちゃんにありがとうって伝えたかったんだろう」

―帰路ー

ようよし「……」トコトコ


月「曜ちゃん、善子ちゃん!」タッタッタッ


曜「えっ、月ちゃん!?」

善子「っ」ビクッ

月「やっぱりそうだった!今日は部活終わるの、早かったの?」

曜「あー、うん!今日はフォーメーションの見直しだけだったから」

月「なるほど」

善子「……」

月「善子ちゃん?どうかしたの?」ヒョコ

曜「あ、つ、月ちゃ」

善子「……なんでもないわ、少し天界と交信を行っていただけよ」

月「そうなんだ、何を話してたの?」

善子「フフ、聞いて驚きなさい、なんとヨハネを奉る神社がそろそろ御神木だそうよ」

月「なにそれ」クスクス

善子「なんでもないわ、それよりも、昨日テレビで動物特集がやってたんだけど」

月「あ、それ僕も見たよ!ハンモックに乗るネコ、可愛かったなぁ」

善子「丸く太ったアザラシも捨てがたいでしょ?あのまんまるつぶらの凶悪な魅力はヘルデビルに相当するほど―――」


曜「善子ちゃん……」

トコトコ

月「怪我してた鳥が無事空を飛べた時なんか僕、思わず泣いちゃってね」フフ

善子「月らしいわね」

ガサガサッ ポロッ

善子「にゃっ!?」コツン

ニャーオ

月「あ、猫だ」

曜「首輪もついてないし、野良猫だね」

善子「ちょっと!ヨハネにモノぶつけてくるなんてどういう了見よ!」ムキー

曜「善子ちゃん……さすがに野良猫にあたるのはよくないんじゃ」

フシャー

月「おぉう、ネコちゃん側も臨戦態勢だ」

善子「やってやろうじゃないのぉ!」ズカズカ

ズルッ

善子「ぎゃっ!?」

バッサー

月「み、見事に側溝に足を……」

曜「カバンの中身派手にこぼしたねー」

善子「なんなのよもー!」

月「善子ちゃん、怪我してない?」スッ

善子「えぇ、まぁ、これぐらいで怪我してたらやってられないわよ」

曜「善子ちゃん、不幸体質に適応してるんだね」

月「それでも一応、確認するからあしを……」チラッ

月「!」

月「……これ」スッ

善子「どうしたのよ、つ、き……」

曜「?」

月「このボタンの校章って〇〇中学だよね、え!?ってことは善子ちゃんって〇〇中学校出身だったの!?」

善子「……っ!」ビクッ

曜「!?」

曜(なんで〇〇中学のボタンが、善子ちゃんのカバンに!?)

月「やっぱりそうなんだ!奇遇だね!実は僕も〇〇中学なんだ!じゃあ僕たち学校でもすれ違ったりしてたのかな?」ニコニコ

善子「!!!」

善子「はは、そ、そうかも、すれ違ってたかも、しれないわね」

月「うわー勿体ないなぁ、せっかく善子ちゃんとみんなより先に出会えるチャンスだったのに!」

善子「……ほんと、出会えてたら、よかったのに」


曜「よ、善子ちゃん……」

善子「……やっぱり」

善子(当たり前よ、覚えてなんかいるわけない)

善子(月と私は、中学では一度も話したことなかったんだから)


善子(私が勝手にリトルデーモンにして、勝手に喜んでただけで)

善子(月にとってはあんなこと、中学校での主な出来事レベルですらない)


善子(ちょっと考えればわかるでしょ、私との思い出なんて)

善子「はじめから、あるわけなかったのよ……」ギュゥ


善子(わかってた)


善子「……っ」ウルッ


善子(はずなのになんでこんな……っ!)ギュゥ

善子(やだ、も、泣きそう)グスッ


月「善子ちゃん!!!」ギュッ

善子「っ!?」 ビクッ


月「この傷が付いたボタンの持ち主って、善子ちゃんだったんだね!!!」

善子「えっ?」

月「あの時は本当にありがとう!!!」ニコッ

善子「な……なにが?」

月「あっ……ごめんね、説明しないと、わかるわけないよね//」アハハ

月「えーと、あれは確か、僕がまだ高校一年生になりたての頃、ちょうど始業式の次の日だったかな?」

月「あの日は始業式後の初めての授業なのに寝坊しちゃったから急いでて」


月『やばいやばい、遅刻する―!』


月「新調して履きなれない靴だったのに、家から全力疾走で学校に向かってたんだ」

月「でも早々に靴擦れ起こしちゃって、動けなくなっちゃった」


月『あいたたた……新しい革靴って、なんでこんな……』

『あー!カバンがぁっ!?』

月『えっ!?』

ヒュー コトン

月『あ、これ靴擦れ用の……』


月「上から靴擦れ用のバンドエイドが降って来たんだ!」

月「このボタンと一緒にね」ニコッ


月『つ、使っていいのかな……』

バサバサ

月『わわわっ!?教科書とかなんか色々落ちてくる!?』

月『あいたっ!?』コツン

月『な、なに?これ???』

月『これ、〇〇中のボタン?あっ、この傷……!』

月「あのバンドエイドのおかげで、僕は初日から遅刻しなくて済んだんだ」

月「だからあの時は本当に助かったよ!ありがとう!」ニコニコ

善子「あ、いや、説明とかされても」

月「そうだよね、まだ説明不足のとこが色々あるよね」ムムム

月「えーっと、どこから話していけばー」

善子「そうじゃなくて!えぇー、なんかもう、色々すぎてよくわかんないんだけど」ハァ

―小説明後―

月「なんか昔話みたいだね」

善子「……なにが?」

月「ん?あ、そっか」

月「善子ちゃんは、このボタンをどこかにただ落としただけって思ってるんだよね?」

善子(あ、それは思ってないです)


月「でも実はね、このボタン!トンビが持っていこうとしてたんだよ!」バーン

善子(知ってる)


月「さらにさらに!そのボタンをトンビから奪い返したのって、実は僕なんだ!!!」ドヤァ

善子(知り尽くしてる)


月「トンビとの空中戦は5分にも及んだ、なかなかの激闘だったよ」ウンウン

善子(さらっとちょっと盛らないの)

月「善子ちゃんのボタンを僕が拾って届けて、」

月「僕が困ったときに、ボタンの持ち主である善子ちゃんが僕を助けてくれた」

月「ほら、やっぱり昔話みたいだよ」ニコニコ

善子「鶴の恩返し的な?」

善子「でもこれはなんか、昔話とは違う気がするんだけど……」

月「ふふふ、僕と善子ちゃんは高校で一緒になる前から関わりあってたんだね」ニコニコ

善子「……嬉しそうね」

月「もちろんだよ」

月「これってつまり善子ちゃんと僕に、中学時代お互いに関わりがあったってことでしょ?」ニコニコ

善子「まぁそういうことになるわね」

月「ってことは、これで僕たち二人だけの、中学での思い出が、今早速出来たってことなんだよ!」

善子「!!!」

月「いや、もともとあったものを思い出したようなものだから、出来たって言うより見つけたって方が近いのかな……」ムムム

月「いやでもこの新鮮さは見つけたというより出来たって方が」

善子(中学の思い出が……出来た)

善子(ヨハネと、月の……?)

善子「……っ」ジワッ

ポフッ

月「善子ちゃん?」

善子(月に覚えててほしい、思い出してほしい、そればっかりで)

善子(お互いに話して、情報を共有して、思い出に昇華するなんて考えもしなかった)

善子(今更中学時代の思い出を作っていけるなんて、思いもしなかった)

善子「はぁ……話せてよかった、ほんとに」

月「?」

善子「月」

善子「あの時、トンビからボタン取り返してくれてその……ありがと//」ギュッ

月「!」

月「どういたしまして」ニコッ


月「あ!あのハイカラマントも善子ちゃんだったんだ!」

善子「そ、だからあれも、拾ってくれてありがと」

月「とんでもない、こちらこそ珍しいものが見られて嬉しかったよ!ありがとう!」

善子「なにそれ」クスクス


月「そうか、あのハーブの匂い、嗅いだことあると思ったらハイカラマントの時に嗅いだことがあったんだね」ナルホドー

善子「そういうことね、あ、月?三階の窓から飛ぶのはほんとに危ないからやめた方がいいわよ」

月「あ//あはははは……そうだね」

月「そういえば善子ちゃんは、どうしてあのボタンを今でも持ち歩いてたの?」

善子「えっ、そ、それは」

善子(自分への戒めのために持ってた、って言うのはさすがに言い辛いわね……)

善子「お、おまもり、みたいな!?」

月「へぇー、戻って来たからきっと御利益がある、みたいな?」

善子「そ、そゆこと!」

善子(言い訳が苦しい!)


月「それにしても、ちょっと欠けたボタンって趣があっていいよねぇ」ウットリ

善子「そんなものなの?」

月「へこんだり書けたりしてるのが年代モノみがあっていいというか」ウットリ

善子「へー、ほんとに好きなのね」 

月「うん、傷がついたら捨てるとかいう人いるけど、それなら僕に!ってぐらいには好きだよ」

善子(そういえば私、なんであのボタン捨てなかったのかしら)

善子(欠けたメダルならともかく、ボタンなら別に……)

善子「……あっ」



中学善子『むむむ、帰ってきたはいいけどこのボタン取り付けるとこがひしゃげちゃってるわね』

中学善子『どうしようかしら、ちょっと欠けてるし捨てても……』

中学善子『……いいえ』

中学善子『これはヨハネのリトルデーモンが、その身を賭してブラックカイト(とんび)から奪い返したもの』

中学善子『これをわが身から零すのは、主として不徳を積む、いわゆる背徳行為だわ』

中学善子『背徳行為……!』キラキラ

中学善子『』ハッ

中学善子『だ、ダメよこれはほんとにダメ!』

中学善子『せっかくヨハネのもとに戻ってきてくれたんだから!』

中学善子『……リトルデーモンが、取り返してくれたんだから』

中学善子『これはカバンにでも入れておきましょ』イソイソ

つまんね

ピタッ

善子「なんだ……あの頃から私……」

善子(自分で気づいてなかっただけで)

月「善子ちゃん?」

善子(月への感謝の気持ち、ちゃんと持ってたんじゃない)

善子「今の今までそれに気づかないなんて、堕天使にあるまじき失態ね」ハァ

月「???」

善子「月」

善子「……堕天使ヨハネと契約して、あなたも私のリトルデーモンに……なってみない?」ギラン

月「いいの!?もちろん喜んで」ニコッ

善子「フフフ、いい心がけね」

善子「貴女はリトルデーモンでありながら、ヨハネと記憶を共有するもの」

善子「ゆえに、特別に真名を授けてあげる」

善子「月!貴女は今日から――――」

―次の日―

千歌「善子ちゃん、ほんとに大丈夫かな……」

ルビィ「Aqoursのラインでは、もう大丈夫って言ってたけど」

梨子「強がってるだけって可能性も、あるわよね……」

花丸「善子ちゃんのために今日はチョコ持ってきたから、これで少しでも元気を」

ヨハネちゃん♪ ルーナ♪

千歌「んぇ?この声は」


月「どう、ヨハネちゃん、似合ってる?」

善子「うーん、ルナの髪だとヨハネ団子ほどはできないのね」

月「うん、思ってたよりも小さくなっちゃったけど、でもこれで僕たちお揃いだね」ニコ

善子「お揃い、いいわね」ニコ

アハハ ウフフ イチャイチャ

りこまる「は?」

千歌「善子ちゃん……!」

ルビィ「よかったぁ」ホッ



りこまる「いやいやいやいやいや」

りこまる「は?」


後にルナがヨハネのリトルデーモンからビックデーモンに昇格するのだが


梨子「待って、締めに入らないで」


それはまた別のお話


花丸「カメラ止めるずら、ちょっと責任者、マルたちが納得するような説明を」


めでたしめでたし


りこまる「私(マル)たちは全然めでたくない!(ずら!)」

これで終わりです。
改めてみても推敲したり、構成考えたりせずに、行き当たりばったりでやってる感がやばいですね

>>102
感想ありがとうございます!
楽しませられなくて申し訳ない……

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