にこ「Gが出た」 (26)

にこ「ぎぃやぁぁぁぁぁぁ」

絵里「な、な、何?いきなり何なの?」

にこ「で、で、出た…」

絵里「お、オバケ?」

にこ「違う…もっとおぞましいもの…」

絵里「お、オバケよりおぞましいものって…」

にこ「Gよ。そこにGが…」

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絵里「G…?」

カサカサ

絵里「あ~そう言う事」

にこ「ぎゃぁぁぁぁぁぁ。こっち来る。こっち来る」

絵里「にこも女の子なのね。ゴキブリが怖いなんて。ふふっ。こんなのカブトムシと大差ないのに」

にこ「あ、あんたはロシアの生活が長くてGの事をよく知らないから平気なのよ」

絵里「別にゴキブリの事は知ってるわよ」

にこ「分かってない。分かってたらそんな平然とはしてられないもの」

カサカサ ブーーーーーーーン

にこ「ってこっちに飛んでキタァぁぁぁ。いやぁぁぁぁ」

絵里「元気が良いわね。にこもゴキブリも。そんな隅の方に逃げなくてもいいじゃない」

ピタッ

絵里「ほら。そんな壁際に行くから逃げ場を失った」

にこ「なに冷静に喋ってんのよ!!!」

絵里「だって私は怖くないもん」

にこ「うわっ

絵里「ふふっ」

にこ「だから笑うんじゃないわよ。そんな余裕があるなら退治してよ」

絵里「退治するの?」

にこ「当たり前じゃない。早くしなさいよ!!!バカ!!アホ!!!トンチキ!!!!」

絵里「あなたねぇ。それが人に頼む態度?」

にこ「あーーー。もう分かったから。早くこの…Gを」

絵里「ゴキブリね」

にこ「なんでもいいから。早く退治して。お願いします」

絵里「仕方ないわね」

にこ「ふう。こう言う時雪国生まれは強いわね。知らないって本当に幸せね」

絵里「別にロシア全体が雪国って訳ではないけどね。それにさっきも言ったけどゴキブリくらい知ってるから。今にこの目の前にいるそのゴキブリはクロゴキブリと言って日本全国に生息する…」

にこ「そんなのどうだっていいから!!!!ゴキブリのウンチクなんて聞きたくないから!!!お願いだから退治してよ」

絵里「全く。注文が多いんだから」

にこ「そんな事ない。一つだから!にこの願いは一つだからぁぁぁ!」

カサカサ

にこ「ぎゃぁぁぁぁぁぁ」

絵里「なんか凄い可哀想になって来たわ」

にこ「だよね?だったら早くしてよ」

絵里「さてと…ティッシュはどこだったかしら?」

にこ「は?ティッシュ?」

絵里「流石に素手で捕まえるのは…」

にこ「捕まえる気なの?新聞紙か何かで一発で仕留めてよ」

絵里「え?それは可哀想じゃない。何もしていないんだし捕まえて窓から逃がしてあげましょうよ」

にこ「いやいや。無理だって。確実にやっつけてよ」

絵里「でも…新聞紙もないし」

にこ「別に新聞紙じゃなくてもいいから!適当なもの見つけてやっちゃってよ」

絵里「え~…じゃあ、これで」

にこ「ちょっと待った!」

絵里「何?」

にこ「それにこの雑誌じゃない!!!」

絵里「まずいの?」

にこ「普通に考えれば分かるじゃない!まずいわよ!もう読めなくなるでしょ!」

絵里「もう読まないでしょ?だから何週間も放置してるんじゃないの?だいたい私がいくら片付けろと言っても片付けないで」

にこ「いや読むから」

絵里「本当に?一回も見た事ないわよ?」

にこ「また…見たくなる日が来るかもしれないじゃない」

絵里「いつ?」

にこ「分からないけど。それはやめて。お願いします」

絵里「じゃあ、やっぱりティッシュで」

にこ「もうそれでいいから。それでいいから早くして…」

絵里「じゃあ、ティッシュ取って来るわね」

にこ「は?」

絵里「ティッシュ切らしてるでしょ?最後に使った人が補充するなりしなきゃダメよ!ちょっと取って来るから待ってて」

にこ「いや、待てない。待てない」

絵里「そんな事言っても仕方ないじゃない。少しくらい我慢しなさいよ」

にこ「無理だからお願いしてるんじゃない。ティッシュならにこの鞄の中にポケットティッシュが入ってるから。それでどうにかして」

絵里「なによ。あるなら最初から言えばいいじゃない。えっと…どれどれ?」

ガサゴソ

絵里「ねえ?教科書が何にも入ってないんだけど?」

にこ「そんなもん教室よ!どうだっていいでしょ!」

絵里「よくないわよ。全く、家で勉強してない証拠ね」

にこ「そんなんどうでもいいからぁ」

ガサゴソ

絵里「あっ!前回のテストの答案用紙…なんで今出て来るのよ。しかもこの点数…」

にこ「そんなもん出さなくていいから!!!わざとやってんの?」

絵里「もう。えっと…これね。さてと」

にこ「早くして」

絵里「よ~し。ちょっと動かないでね~。怖くないからね~」そろ~りそろ~り

にこ「何言ってんのよ!犬や猫を相手にしてる訳じゃないんだから!!!!」

絵里「よし。捕まえ…たっ!」

ブーーーーン

絵里「あっ!?逃げた…」

にこ「いやぁぁぁぁ。バカぁぁぁ」

絵里「やっぱり素早いわね」


にこ「何やってんのよ。バカバカ、もうバカ!!!」

絵里「はあ?」

にこ「も~も~どこ行った?どこ行ったの?」

絵里「知らないわよ!!もう知らない!!!」

にこ「ちょっとぉぉ。何怒ってんのよ」

絵里「怒るに決まってるでしょ?そんなバカバカ言われて」

にこ「悪かったから。謝るからアイツをどうにかしてよ」

絵里「もう知らないわよ」

にこ「絵里ぃぃぃ。お願いだからぁぁぁ」

絵里「知らない」

にこ「も~なんでよぉぉ」

ガチャ

ことり「遅くなりました~…あれ?」

にこ「この通りだからぁ」

絵里「それはさっきも聞きました」

にこ「じゃあ助けてよぉぉ」

ことり「あの~……どうしたの?」

にこ「あっ……ことり……」

絵里「別に何もないわよ。心配しないで」

ことり「そ、そうは見えないけど…にこちゃん何をしちゃったの?」

にこ「どうして真っ先に私の行動を疑うのよ」

絵里「間違いじゃないじゃない」

にこ「いや…それは…ことり!」

ことり「え?何?」

にこ「Gが出たの。この部室にGが出たのよ」

ことり「え?それって…」

にこ「そうよ。黒光りの例のヤツよ」

ことり「ど、どこにいるの?」

にこ「それが分からないのよ」

ことり「えぇぇぇぇぇ」

にこ「絵里。ことりも怖がってるわよ」

絵里「にこ…姑息な手を…」

にこ「手段なんか選んでいられないのよ。ほら、早く退治してよ」

絵里「そんな事ばかりしてるといつか痛い目に合うわよ」

にこ「もう合ってるわよ。ほら、ことりからもお願いして」

ことり「絵里ちゃぁぁぁん。おねがぁぁぁい。助けてぇぇ」

絵里「くっ。分かったわよ。けど、どこにいるのか分からないし」

ガサゴソ

ことり「あっ!ひぃぃぃぃぃぃ」

ガシッ

絵里「痛い痛い痛い。ことり痛いから離して」

ことり「だってぇぇぇぇ」



絵里「はあ…もう。分かったから落ち着いて」

ことり「うん。絵里ちゃん…お願い」

絵里「とは言っても敵は素早いし…」

にこ「絵里!さっきから大人しいわよ!今がチャンスよ!」

絵里「はいはい。よっと」

にこ「あっ!」

絵里「捕まえた!あっさりね」

ことり「良かったぁ」

絵里「さて。じゃあ、窓開けてくれる?外に出しちゃうから」

にこ「オッケー。あ~やっぱり絵里は頼りになるわぁ」ガララ

絵里「よく言うわ。さっ、じゃあねゴキブリちゃん。もう入って来ないでね」ポイッ

にこ「いやぁ。良かった良かった」

ことり「絵里ちゃんかっこ良かったよぉ」

絵里「そう?ただゴキブリを捕まえただけだけど」

にこ「いやいや。あんたは英雄よ」

絵里「それは言い過ぎよ」

にこ「そんな事ないわよ。ねえ?」

ことり「うん」

にこ「まあ、取り敢えずさぁ」

絵里「取り敢えず…何?」

にこ「手を洗って来たら?」

絵里「手?」

にこ「ゴキブリ触ったんだし…」

絵里「いや…別に素手で触った訳ではないじゃない。別に洗うけど」

にこ「ティッシュの上からじゃ素手で触った様なもんよ。薄いし」

絵里「何枚も重ねて使ったんだけど」

にこ「うん。何でもいいから洗って来なさい」

絵里「洗うけど…人を汚いみたいで言わないでよ。ね?ことり?」

ことり「えっと…取り敢えず洗って来た方が」

絵里「ことりに言われると傷つくわ…」

ことり「あっ!ごめん。違うんだよ」

絵里「はあ…洗って来よ」

ブーーーーーン

にこ「え?」

ことり「あっ!?」

絵里「あら」

カサカサ

にこ「入って来たぁぁぁぁ」

ことり「えーーーーーーーっ!!?」

絵里「同じ個体かしら?」

にこ「もぉぉぉぉぉぉぉ。窓を開けっ放しにするからぁぁぁぁ」

ことり「あっ…ああ…そんな…」

絵里「よっぽどこの部室が気に入ったのかしら」

にこ「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!!!やっぱり逃すんじゃなくて叩かなきゃ」

絵里「そうする?」

にこ「そうして。ことりを見てよ」

絵里「え?」

ことり「………」チーーーン

絵里「え?気絶してる?」

にこ「可哀想に」

絵里「よっぽど苦手なのね」

にこ「ことりの仇を討つためにも」

絵里「でも…あっ!そうだ!そこの引き出しにいらないチラシが…」

にこ「マジ!って言うか何でそんなもんがあるの?」

絵里「捨てないで取っておいて良かったわ。さて…」

スパーーーーン

絵里「一発で仕留めるわ」

にこ「頑張って!」

絵里「どこに行ったかしら?」

カサカサ

絵里「いた!えいっ!」

スパーーーーン

カサカサ

絵里「くっ、速い」

にこ「頑張れ!ファイト!」

カサカサ

絵里「そこだ!」

スパーーーーン

絵里「何っ!?」

ブーーーーーン

にこ「げっ、こっちに飛んで来た!!!助けて」

絵里「オッケー」

スパーーーーン

にこ「ぐはぁ」

絵里「あっ、ごめん」

にこ「痛ぁぁ。超痛ぁぁぁぁぁ。何するのよ!!!!!」

絵里「ごめん。やっぱり飛んでる所を叩くのは無理があったわ」

にこ「無理があるならやらないでよぉぉ」

絵里「悪気は無かったのよ」

カサカサ

にこ「くぅふぅぅぅ。もう…嫌…痛いし…」

ことり「……」チーーーン

にこ「ことりは倒れるし…ちょっとした事件…」

カサカサ

にこ「嫌ぁぁぁぁぁぁ。またこっちに来たぁぁ。絵里ぃぃぃ」

絵里「次こそ仕留めるわ!」

にこ「嫌ぁぁぁ」

ガチャ

希「何してるの?」

にこ「の、希!?」

絵里「……遅かったじゃない。何してたの?」

希「別に…何でもええやん」

絵里「何でもいい事はないでしょ」

希「何をしてようが別にウチの勝手でしょ。絢瀬さんにとやかく言われる筋合いはありません。全員揃ってないんだし」

絵里「あっそ」

希「ふんだ」

にこ「え?え?何?あんた達ケンカしてるの?」

カサカサ

にこ「嫌ぁぁぁぁぁぁ。ゴキブリ来たぁぁ。絵里ぃぃぃぃぃぃ」

カサカサ

絵里「あっ、今仕留めるから」

スパーーーーン

スカッ

絵里「くっ。また…」

希「ふーん。ゴキブリ退治してるんや」

にこ「そうなのよ。希も助けて!お願い!助けて!絵里と協力してGを仕留めてよ」

希「……まあ……にこっちがそう言うなら仕方……」

絵里「私一人で十分よ!」

希「……だって。そう言う事だから」

にこ「はぁぁぁぁぁぁ!!?何言ってんの?仲直りしなさいよ!!!!」

カサカサ

にこ「嫌ぁぁぁぁぁぁ。迫って来てるぅぅぅ」

希「だってえりちにその気がないんだから仕方ないやん」

にこ「子供じゃないんだから。ケンカなんかしないでぇぇ」

絵里「ケンカなんてしてないけどね」

希「そうやね。えりちに心辺りがないなら…ケンカにもならないわ」

絵里「あなたねぇ…言いたい事があるならはっきり言いなさいよ!」

希「それはこっちのセリフだよ!えりちは…ウチと仲良くしたのはたまたま同じクラスになったからなんやろ?」

絵里「はあ?」

にこ「待って。その話し長くなるの?ねえ?長くなる?Gが迫って来てるんですけどぉぉ」

希「クラスの子と話してやんか。クラスが同じじゃなかったらウチと友達になんてなってなかったって」

絵里「あっ…それは…」

希「ウチ…聞いてたんやから」

にこ「一旦よくない?その話長くなるでしょ?ねえ?」

希「ウチがどれだけ…どれだけ傷ついたかえりちに分かる?」

にこ「そんな事より助けてよ!!!!」

希「えりちとの出会いを運命だって喜んでた…一人で舞い上がって馬鹿みたい…」

絵里「そうよ。希は馬鹿よ」

希「えっ…」

絵里「希と友達になったのはたまたま同じクラスになったから」

希「やっぱり…」

絵里「確かにそう言ったわ。希と友達になったのはたまたまクラスが同じになったからでクラスが違ったらきっと友達になってなかったって。だから私はそのたまたまに感謝してるの。親友と巡り合わせてくれてありがとうって」

希「えりち…」

絵里「普段余裕かましてる癖に。変に早とちりなのよ、希は」

希「えりちぃぃぃ」

にこ「絵里ぃぃぃ。Gがぁぁぁ」

希「えりちごめん。勝手に勘違いして勝手に怒って。ウチ…ウチ…」

絵里「ふふっ。じゃあ…仲直りね。親友」

希「うん。ありがとう、えりち」

にこ「解決ね!解決したのね!じゃあもう一人の友達を助けてくれない?」

絵里「あっ、忘れてた。でも良かったわ。ここにいるのがにこだけで。1、2年生の前で恥ずかしい所を見られる所だったわね」

希「ふふっ。そうやね」

にこ「どうでもいいからぁぁぁ。早く!Gがこっちを見てるから!」

ことり「……」チーーーン

絵里「待っててね、にこ。今助けるから!」

スパーーーーン

絵里「あれ」

スパーーーーン

絵里「えいっ!」

スパーーーーン

絵里「逃げ足の速い…」

希「えりちファイト!」

にこ「頑張って!」

絵里「くらぇぇぇぇ」

スパーーーーン

ガサガサ

ガチャ

穂乃果「でね~そのお饅頭がさ~」

海未「なんですかそれは。ふふっ」

ブチッ

絵里「あっ!?」

希「穂乃果ちゃん…」

穂乃果「ふえ?」

にこ「取り敢えず上履き洗って来なさいよ」

穂乃果「へ?」

海未「そんな事よりことり倒れてません?」

ガチャ

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