13年後のラブライブ (26)
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「はい。という事で今日はここまで。今週から新入生の部活動見学が開始するから先輩としてお手本となる行動を取るように!」
私、高坂穂乃果。音ノ木坂学院に勤務する数学教師。
梨子「高坂先生。明日、健康診断もありますから」
穂乃果「あっ、そうだ!それも忘れない様に!」
この人は桜内梨子先生。私が受け持つ2年A組の副担任で担当教科は音楽。
そして私達二人はアイドル研究部の顧問と副顧問も受け持って居ます。
ガラガラ
須田いるか「あっ!高坂先生来た!」
多々良「ほ、本当だ」
穂乃果「あれ?珍しい人が来てるね」
絵里「何よ。私もこの部の顧問なんだから。今年はなるべく顔を出す様にするわよ」
この人は綾瀬絵里。私とは高校の頃からの付き合い。アイドル研究部の顧問なんだけど色々と忙しいみたいで部活の方は私と梨子先生に任せがち。
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須田「先輩達が一気に抜けてしまったから今年は沢山部員を獲得しないとね」
多々良「うん。そうだね」
この二人はアイドル研究部の部員の三年生。須田いるかさんと多々良るうさん。
そして
下園「すいませ~ん。アイドル研究部の部室はここだって聞いて来たんですけど~」
穂乃果「もしかして入部希望者?」
下園「はい!下園咲って言います!」
今年もまた一年が始まる。
~夜~
絵里「ん~お酒が美味しいわ~」
穂乃果「なんか今年は幸先良さそうだね」
梨子「ふふっ、それ毎年言ってますけどね」
真姫「まっ、穂乃果は昔からそんな感じよ」
穂乃果「真姫ちゃん…来たんだ」
真姫「穂乃果が呼んだんじゃない!」
穂乃果「いや~忙しいって言ってたから。まさか来てくれるとは思わなかったよ」
真姫「何よそれ。って言うか他に誰も声かけてないの?」
穂乃果「皆んな家庭があるからさ。段々と声もかけ辛くなって来たよね。希ちゃんも子供生まれたばっかりだし」
真姫「そっか。そうよね」
絵里「あっ!真姫は会った?」
真姫「会ったって言うか私の病院で取り上げてるからね」
絵里「そっか。ねえ?凄い可愛かったでしょ?目なんて希にそっくりで。も~可愛いくて可愛くて。こないだもね可愛いお洋服を見つけちゃってね~。もうちょっと大きくなったらきっと似合うんだろうな~って」
真姫「そ、そうね。ねえ?絵里は大丈夫なの?」
穂乃果「ん?大丈夫だよ。それよりも一つ面白い話があってさ。ね?」
梨子「そうですね」
真姫「何?面白い話って?」
穂乃果「今年アイドル研究部に入った子がね。実は…」
~数時間前~
須田『ようこそ。アイドル研究部へ』
多々良『これから…よろしくね』
下園『はい!よろしくお願いします!先輩方!それから、元μ'sの高坂穂乃果先生と綾瀬絵里先生。Aqoursの桜内梨子先生も』
穂乃果『あ~なんだ。知ってるんだ』
絵里『どこで情報が漏れるのかしら?μ'sもAqoursももう数年前のスクールアイドルなのに』
下園『私、小さな頃からジュニアアイドルをやってるんです』
多々良『へ~凄いね。プロのアイドルなんだ』
下園『まだデビューもしてませんけどね。なかなか厳しい世界なので』
絵里『芸能事務所に所属しているんでしょ?それなのにスクールアイドルとして活動するのは。事務所的にも大丈夫なの?』
下園『大丈夫です。むしろ事務所に言われて来ました。一度スクールアイドルとして勉強して来いと。スクールアイドルでなければ学べない事もあるからって。講師の先生が!』
穂乃果『へ~講師の先生がね~。講師の先生はスクールアイドルに詳しいんだ?』
下園『はい。先生も元スクールアイドルですから』
絵里『そうなんだ。私も知ってるかしら?』
下園『高坂先生と綾瀬先生は良く知ってると思います。私の講師の先生は…』
真姫「待って!それってもしかして」
穂乃果「そのもしかしてだね」
真姫「にこちゃん!」
穂乃果「そっ!にこちゃんの教え子みたいだよ。引退して育成の方に回るとは聞いていたけど。まさか送り込んで来るとは思わなかったよ」
真姫「そっか。にこちゃん元気にしてるんだ」
穂乃果「うん」
絵里「全く。普段ろくに連絡も寄越さないくせにね。おじちゃんおかわり頂戴~。熱いのね」
穂乃果「絵里ちゃん…。そんなの飲んで泥酔しないでよ?だからモテないんだよ…」
絵里「そんな事ないわよ!」
梨子「うふふっ」
真姫「そっか。にこちゃん。元気にやってるんだ」
~翌日~
ガラガラ
多々良「あっ!先生。こんにちは!」
穂乃果「はい。こんにちは。あれ?綾瀬先生は?」
須田「綾瀬先生は来てないですよ」
穂乃果「そっか。見学の子は~」
下園「こんにちは!先生、よろしくお願いします!」
穂乃果「あっ、うん。元気いいね」
下園「もちろんです。アイドルですから!」
穂乃果「うん。そっか」
多々良「先生。今日は下園さんだけじゃなくって他の子達も」
生徒A「よろしくお願いします」
生徒B「お願いします」
生徒C「よろしくお願いします」
穂乃果「お~。三人も!」
須田「はい!これでアイドル研究部は来年からも安泰ですね」
多々良「そうだね」
穂乃果「よしっ!じゃあ取り敢えず並んで貰って自己紹介して貰うか」
下園「はい!1年B組下園咲です。私は小さな頃からジュニアアイドルとして活動して来ました」
生徒A「へ~凄い」
生徒B「プロなんだ」
下園「スクールアイドルを始めるからには勿論!ラブライブ優勝します!よろしくお願いします!」
多々良「わ~。言い切った」
須田「目指しますじゃなくて優勝しますって言ったね」
下園「当たり前ですよ。やるからには優勝です!」
生徒A「え~…でも…ラブライブ優勝かぁ。大変そう…」
生徒B「だって。エントリー数って凄い数だよね?その中で一番になるなんて」
下園「やる前からそんな事言ってたら優勝なんて絶対に出来ないよ」
生徒A「えっ…でも…」
穂乃果「まあまあ。今は自己紹介の時間だから。さっ、次行こうか!」
生徒A「はい!1年A組の…」
ガラガラ
梨子「すいません。遅くなりました」
穂乃果「桜内先生」
梨子「あら?新しい子が増えたんですね!」
穂乃果「まあ…」
梨子「たしかに。これは高坂先生の言う通り幸先良さそうですね」
穂乃果「どうかな~。もしかしたら一波乱あるかも」
梨子「へ?」
穂乃果「まあ。我々はしばらく見守ろうか」
梨子「はあ…」
心配は的中した。
部活動体験期間最終日。
須田「はい。ここまで」
生徒A「はあ…はあ…アイドル研究部って結構キツイですね」
生徒B「はあ…はあ…想像と全然違う」
多々良「そ、そうだよね。私も入った時はそう思ったよ。でも大丈夫!私でも…」
下園「甘いですね」
多々良「え?」
下園「このくらいで音を上げるなんて。こんなんじゃラブライブ優勝なんて夢のまた夢です」
多々良「そ、そっか。でも、二人はまだ始めたばかりだし」
下園「始めたばかりかどうかはお客さんには関係ありません。アイドルは人を笑顔にするのが仕事なんです。これくらい出来ないで人を笑顔にするパフォーマンスなんて…」
須田「あ~…ちょっと言い過ぎじゃ…」
下園「先輩達もラブライブ優勝を目指しているんでしょう?」
須田「まあ…」
下園「だったら…」
生徒A「辞めます」
須田「え?」
生徒A「私…辞めます」
須田「いやいや。そんな事言わなくても。まだ仮入部しただけだし」
生徒A「無理です。私は下園さんの理想には着いて行く自信がありません。そもそも…私は高校生活の思い出にスクールアイドルをやりたかっただけですから」
多々良「で、でも…」
生徒B「すいません。私も同じです。下園さんは凄いけど。私には出来ません」
須田「一回落ち着いてさ」
下園「いいじゃないですか。やる気がないなら早めに辞めた方がお互いの為です」
須田「いや…でもさぁ」
生徒「短い間でしたけど。お世話になりました」
ガチャ バタン
須田「本当に…短かった」
多々良「三人に…なっちゃったね」
下園「いいじゃないですか。初代スクールアイドル王者も三人組でしたし」
ガチャ
穂乃果「お疲れ様。練習は順調にいってる…」
多々良「先生……」
須田「あはは……」
下園「お疲れ様です!高坂先生!」
穂乃果「なんか…あったみたいね」
~その日の夜~
絵里「へぇ。そんな事があったの」
穂乃果「うん。私もその場にいた訳じゃないんだけどね」
梨子「下園さんがそれだけ本気なのも分かりますけどね」
穂乃果「ん~。どうすればいいんだろう。あまり口を出し過ぎるのも良くないかなぁ」
梨子「そうですね」
穂乃果「はあ。教師になってもう3年経ったけど。どうしたらいいか分からない事ばかりだね」
梨子「うん。子供だった頃は大人は正解を知ってると思ってた。大人がこんなに悩んだりするなんて知らなかった」
絵里「けど私達は教師だから。生徒の前でそんな態度を見せたらダメよ。おじちゃ~んおかわり追加ね~」
穂乃果「そうだよね。うん」
ガラガラガラ
穂乃果「ただいま~」
穂乃果母「あら?穂乃果?なによ。帰って来るなら連絡頂戴って言ってるでしょ。ご飯ないわよ?」
穂乃果「あ~大丈夫。近くで飲んでたからついでに寄っただけだよ」
穂乃果母「あんた…平日から飲んでるの?」
穂乃果「絵里ちゃんが行きたがるんだよ。どうせ一人だと晩御飯を作るのも面倒くさいし」
穂乃果母「だから戻って来ればいいじゃない。お父さん喜ぶわよ?」
穂乃果「それはやめておくよ。で、お父さんは?」
穂乃果母「もう明日の用意も終わってるから寝てるわよ」
穂乃果「えっ!?まだ9時だよ?」
穂乃果母「最近寝るの早いのよ。疲れてるのよ。もう歳だし。最近腰も痛いみたいだしね」
穂乃果「え?大丈夫なの?…お母さんも白髪が増える訳だ」
穂乃果母「あんたが心配掛けるからね。男の人でも連れて来ればねぇ」
穂乃果「はいはい。努力しますよ」
穂乃果母「あんた…その気はあるの?あるなら…」
穂乃果「あっ、いいや。今日はもう帰るから!」
穂乃果母「え?もう帰るの?」
穂乃果「明日も学校だし」
穂乃果「はあ。家に帰る度に結婚、結婚って。絵里ちゃんじゃないけど嫌になるなぁ」
女「ねえ。待ってよ。行かないで」
男「うるせぇな。離せよ」
穂乃果「うわぁ。痴話喧嘩だよ」
女「待って…うっ…ううっ…」バタッ
穂乃果「修羅場だぁって…坂巻さん?」
坂巻「うっ…うっ…高坂先生?」
穂乃果「だ、大丈夫?」
坂巻「先生…見てました?」
穂乃果「いや…あの…」
坂巻「先生ぇ。私…私ぃ…うわぁぁぁぁん」
穂乃果「ちょ、ちょっと。あ~どうしよう。私もの家はすぐそこだから」
穂乃果の部屋
ガチャ
穂乃果「散らかってるけど。どうぞ」
坂巻「お邪魔…します」
穂乃果「紅茶でいいかな?」
坂巻「ありがとうございます」
穂乃果「久し振りだね。何があったかは…まあ聞かないけどさ」
坂巻「彼は…大学のサークルの先輩なんです。女の子から凄い人気があって。私もずっと憧れてて。だから、付き合えるってなった時凄く嬉しかった」
穂乃果「そ、そうなんだね」
坂巻「でも…彼、他にも付き合ってる子が居たみたいで。私とは遊びだって。だから…だから私みたいな重い女はゴメンだって」
穂乃果「そうなんだ。でもさ」
坂巻「私…彼が居ないとダメなんです。好きなんです。彼の事が。こんなに…こんなに好きなのに…」
穂乃果「うん…」
何も言えなかった。ただ、黙って彼女の話を聞いて居た。
朝起きたら書き置きと貸したパジャマが丁寧に畳まれて居た。
穂乃果「う~」
梨子「具合悪いんですか?」
穂乃果「いや。ただの寝不足。ちょっと寝付けなくてね」
梨子「コーヒー…飲みます?」
穂乃果「ありがと…」
絵里「ちょっと。シャキッとしなさいよ。生徒の前でそんな態度取らないでよ?」
穂乃果「分かってるよ。さあホームルームだ…」フラフラ
梨子「大丈夫ですかね?」
絵里「全く。今年で30歳だと言うのに」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「はい。きりーつ、れい」
「おはようございま~す」
穂乃果「じゃあ、昨日の続きから始めます。13ページ開いて」
プルルルル
穂乃果「ん?誰かな~?授業中はマナーモードにって決まりのはずだけど?」
生徒「ごめ~ん。忘れてた。彼氏から電話なんで出てもいいですか~?」
穂乃果「ダメに決まってるでしょ。今は授業なんだから。って言うか何でこんな時間に電話掛けられるの…」
生徒「え~でも。緊急事態かもしれないし」
穂乃果「そんな事言ってこないだも他の先生の授業で同じ事してたでしょ?ちゃんと報告受けてるんだからね。没収されたくなかったら電源切る!」
生徒「え~」
穂乃果「拗ねてもダメ」
生徒「…………は~い」
穂乃果「じゃあ、13ページの二行目を…」
生徒「………」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「はい。じゃあ、ここまで。今日やった所は家でちゃんと復習するように」
~職員室~
穂乃果「ふう」
梨子「お疲れですね」
穂乃果「なんかさ。最近、ウチのクラス、授業態度が悪くなってる様な気がするんだよね。弛みきってると言うか」
梨子「確かにその傾向はありますね。堂々と居眠りしたりスマホをいじったり」
穂乃果「でしょ?注意はしてるんだけどね」
絵里「誰かさんも授業中は居眠りばかりしてたわよね~?」
梨子「そうなんですか?」
穂乃果「いや…いきなり話に入ってこないでよ。だいたい絢瀬先生は学年が違うんだから私の授業態度なんて知らないでしょ」
絵里「海未から聞いてもの。まあ、確かに目に余る子がいるのは確かよね」
穂乃果「一度キツく言った方がいいかなぁ」
穂乃果「という事で。最近の皆さんの授業態度は目に余る物があります!」
生徒「え~そうかなぁ?」
生徒「そんな事ないよね?」
穂乃果「そんな事はあるの!もう二年生になって後輩も出来たんだから。あまりだらしない態度を取らない様に。分かりましたか?」
生徒「は~い」
穂乃果「はい。じゃあ日直。号令!」
~帰宅中~
穂乃果「牛乳と…えっと…玉ねぎと…ん?」
虎太郎「……」
穂乃果「よっ!」
虎太郎「げっ!?穂乃果さん」
穂乃果「随分なご挨拶だね。部活帰り?」
虎太郎「うん」
穂乃果「ふ~ん。で、スーパーで何してるの?」
虎太郎「あ~。今日、皆んな帰り遅いって言うから晩飯を買って帰らないといけないんだよ」
穂乃果「え?そうなの?」
虎太郎「母親と一番上の姉貴は仕事だし。後の二人も帰りは遅いって言うから」
穂乃果「それで…スーパーのお弁当を買ってるの?」
虎太郎「まあ…」
穂乃果「そうなんだ…。あっ!じゃあ…」
~穂乃果の部屋~
穂乃果「頂きま~す」
虎太郎「頂きます。あの…本当に…」
穂乃果「遠慮しなくていいよ。虎太郎君は私にとって親戚の子みたいなもんなんだからさ」
虎太郎「はあ…じゃあ、お言葉に甘えて…」
穂乃果「成長期なんだから沢山食べなよ」
虎太郎「うん。ありがとう」
穂乃果「ふふっ。所で虎太郎君は…彼女は出来た?」
虎太郎「居ないけど。今は野球しか興味ないし」
穂乃果「おっ!流石、高校球児!あはは」
虎太郎「別にそれは関係ないし。あっ、この佃煮…美味しい」
穂乃果「でしょ~?それ高坂家伝統の味」
虎太郎「穂乃果さんって意外に料理が上手いんだ」
穂乃果「そうだよ。意外は余計だけど。良いお嫁さんになるよ~私は」
虎太郎「それ自分で言う事じゃないけど」
穂乃果「誰も言ってくれないから自分で言うしかないんだよ。あはは」
虎太郎「別にそんな事もないと思うけど」
穂乃果「え?何~?もしかして口説いてる?あまり歳上の女性をからかっちゃダメだよ~」
虎太郎「そ、そんなんじゃないよ。褒めて損した」
穂乃果「あはは。冗談だよ~冗談!おかわりはあるから沢山食べてね」
虎太郎「うっす」
ピンポーン
穂乃果「ん?こんな時間に誰だろう?は~い」
ガチャ
坂巻「せんせぇ~。うわぁぁぁぁん」
穂乃果「え?あっ、坂巻さん」
坂巻「先生。私…私もう…ダメ…うわぁぁぁん」
穂乃果「え?例の彼の事?」
坂巻「うん…」
虎太郎「………」
坂巻「え?先生……もしかして…その人先生の…」
穂乃果「へ?あっ、ち、違うよ。友達の弟だから」
坂巻「そうなんですか?」
穂乃果「そうなんですよ。ね?」
虎太郎「うん」
坂巻「どうして友達の弟さんが先生の家でご飯を食べてるんですか?」
穂乃果「それは…坂巻さんが思ってる様な事ではないから安心して。それよりも大丈夫?」
坂巻「今日も…彼の所に行ったんです。そしたら…そしたら…私の事ストーカーだって。気持ち悪いって。お前なんか…お前なんか…」
穂乃果「あのさ…悪い事は言わないから。そんな酷い事言う人の事は忘れた方がいいと思う」
坂巻「無理です。そんな事が出来たらこんなに悩みません。終わりだよ…もう死にたい」
穂乃果「あの…」
虎太郎「そんなに簡単に死にたいとか言うなよ!!」
坂巻「へ?」
穂乃果「虎太郎君…」
虎太郎「さっきから聞いてりゃあ何なんだよ?たかが男に振られたくらいでどうして死にたいとか言えるんだよ?そんなにその男が特別なのかよ?」
坂巻「特別に決まってるでしょ。好きなんだから」
虎太郎「あんたの親よりもか?友達よりも特別なのか?酷い事ばかり言う奴が何より一番なのかよ!あんたにとってその男以外はどうでもいいのか?」
坂巻「そんな事は…」
穂乃果「坂巻さん。高校生の時いつか有名なデザイナーになりたいって言ってたよね?その夢は?その夢さえもどうでも良くなっちゃったの?」
坂巻「そんな事ないよ。そんな事ないけど…」
虎太郎「夢があるんだろ。家族も…仲間もいるんだろ?だったら…そんなくだらない男が一人居なくなったくらいで終わりなんて言うなよな」
穂乃果「そうだよ。坂巻さんにはまだ将来があるんだから」
虎太郎「いつか言ってやれよ。お前と別れたお陰で前に進めたって」
坂巻「……うん。そうだね」
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