ミュウツー「私は私を生み出した者達に問わねばならない。何故私を生み出し、何故私にこの力を与えた？」

ミュウツー「救いの為ならそうしよう。だが破壊の為ならばーー私は破壊の限りを尽くそう」

ミュウツー「私はミュウツー。私は知りたいだけだ。何をするべきか、恨むべきか庇護するべきかを」

ミュウツー「私は何故ここにいる……？」

「おんぎゃーおんぎゃー」

ミュウツー「む？ あれは……人間の赤ん坊？」

「おんぎゃー」

ミュウツー「……煩い。消してしまおうか」すっ

「……？」

ミュウツー「む？」

「きゃっきゃっ」ちゅぱっちゅぱっ

ミュウツー「むぅ」

ミュウツー「皆の者」

サイドン「サイ？」

マルマイン「爆発？ 大爆発？」

ラッキー「ラッキーｗｗｗ１０円見っけｗｗｗ」

ベロリンガー「準備はもう暫く掛かりますぞ」

ミュウツー「やはり例の計画はもうしばらく見送ることにする」

三匹「え」

「ドン！？」

「きゃっ♪きゃっ♪」

三匹「え？」

「サイ？」

ベロリンガー「……その赤ん坊は一体……」

ミュウツー「レッドだ。今付けた。外で捨てられていたのだ」

サイドン「サイサイ！　ドンドン！」

ベロリンガー「落ち着けサイドン。どうしたと言うのだ」

ラッキー「サイドン的には自分の子供を捨てるなんて信じられない的な？」

サイドン「サイドン！！」

マルマイン「落ち着け！　　サイドン！　　ほら、ウイの実だ！」

レッド「だー」

ベロリンガー「……我が主君よ。その赤ん坊をどうなさるつもりか」

ミュウツー「育てる」

三匹「え」

「ド」

ミュウツー「私は人間を知らなくてはならない。ならば、育てるのが手っ取り早い」

ベロリンガー「成る程」

ラッキー「いや、ねえから」

そして時は流れ

ミュウツー「レッド！ 起きるんだ。今日はオーキド博士に呼ばれているんじゃなかったか？」

レッド「うわっ！ そうだった！」

ミュウツー「待ちなさいレッド」

レッド「な、何！？」

ミュウツー「朝ご飯は食べて行きなさい」

レッド「別に良いよ……」

ミュウツー「駄目だ。博士には私から遅れると伝えておくから、朝ご飯はちゃんと食べるんだ」

レッド「わかったよ。父さん」

ミュウツー「宜しい」

ベロリンガー(あれから時は流れ……レッドおぼっちゃまは１１歳に)

ベロリンガー(ミュウツー様はその力でレッドおぼっちゃまからも周りの人間からも自らを人間に見せている)

レッド「ベロリンガーおはよう！」

ベロリンガー「ベロー♪」

ベロリンガー(あの儚げだった赤ん坊がここまで大きくなるとは。時の流れという物は不思議なものだ)

レッド「サイドン、マルマイン、ラッキーもおはよう！」

マルマイン「ビriｗｗｗ……マルマインｗｗｗ」

ラッキー「ラッキーｗｗｗ」

サイドン「ドン！　ドン！」

レッド「くすぐったいよサイドン！　　もう、やめてたら」トンっ

サイドン「ドン！？」

ベロリンガー(立派になられたものだ)

サイドン「」ピクピク

ベロリンガー(立派に……なられたものだ)

6
ただのミスです。すみません。

TV「ポケモン集団失踪事件はロケット団の犯行と見て捜査を……」

ミュウツー「物騒な世の中になったものだ。ポケモンを悪事のために使うとはな」

ミュウツー「レッド。怪しい人を見かけても近づかないように、どうしても遠出するならベロリンガ達を連れて行くように」

レッド「分かってるよ」

TV「頑固な汚れも真っ白に」

ミュウツー「洗剤が切れかけていたな。また買いに行かなくては」

レッド「そろそろ行くよ」

ミュウツー「待ちなさい。帽子が少しズレているぞ……これで良し」

レッド「もう、俺ももう１１歳だよ？」

ミュウツー「ふっ……なら一人で起きられるようにしないとな？」

レッド「……頑張ります」

ミュウツー「さあ、気をつけて行って来なさい。直ぐそこだからと言って油断しないように」

レッド「はーい」

ミュウツー「……大きくなったな」

ベロリンガ「……ええ」

マルマイン「自爆ごっこしようぜｗｗｗ」

サイドン「サイドン！」

ラッキー「それｗｗｗ地震じゃねｗｗｗ」

ミュウツー「フッ……」

ベロリンガ「これで坊ちゃんも旅立ち寂しくなるという物」

ミュウツー「フフフ……ふ？」

ベロリンガ「いえ、ですから……坊ちゃんが旅立ち寂しくなるな、と」

ミュウツー「」

ベロリンガ「？」

ミュウツー「……その様な事」

ミュウツー「絶対に許しはしないぞ！　レッド！」

ミュウツー「絶対に許しはしないぞ！　レッド！」

ベロリンガ「今更何を。もう済ませた話の筈です」

ミュウツー「ぐぐぐ……だが、最近はロケット団とかで物騒だろう？　もし、レッドが誘拐されたらどうする。そうなれば私は私を抑える自信がないぞ」

ベロリンガ「坊ちゃんはお強くなられました」

ミュウツー「わかってはいる。だが……うむ……しかし」

マルマイン「心が大爆発的な？」

ミュウツー「ああ。そうだな……私は今胸が痛い」

ラッキー「坊ちゃんを信じてあげるのも愛情ですぜｗｗｗ」

ミュウツー「……」

「お父さん」

「何だ？」

「何で僕にはお母さんが居ないの？」

「……」

「ま、いいけれどね！」

「……レッド」

「ん？」

「母が居なくて寂しいのか？」

「ううん。僕にはお父さんやベロリンガ達が居るし……お父さんはずっと一緒に居てくれるんでしょ？」

「……お前がそう望むのならば」

「うん！　ずっと一緒だよ！」