【安価SS】元帝国軍人「元帝国軍人でも恋がしたい」 (239)

??「……」

『本日は1941年から1945年にかけて行われた、太平洋戦争をカラー映像でお送りします』

『まずは陸軍の映像です』

『天皇陛下…バンザーーーイ!!!!』

『バンザーイ!!! ウオオオオオオオ!!!』

??「……」

『こちらは海軍の映像』

『特攻隊のパイロットたちは出陣前に、一杯の酒、そして血染めの日の丸ハチ巻を額に巻いて…』

??「……」

暗い部屋で、NHK番組を見る1人の青年
熱い想いが込み上げたり、同時に悲しい過去を想いおこされたり、様々な感情が渦巻いている。

??「色々あったな、本当」

??「……」

??「おっと、もうこんな時間か」

??「明日は早い。もう寝よう」

??「明日から、オレの新しい人生が始まるんだ」

??「明日からおれは…私立・インターナショナル学園の生徒だ」


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【遡る事、数年前。アメリカのある研究施設にて】

??「」

研究者「今日も寝たきりと…もう何年目なんだ、この男は」

??「っ」

??「……」モゾッ

研究者「ん?」

??「うっ…」

??「……こ、こ、こ、は?」

研究者「」

研究者「ぎゃああああ!!!!!」

??「……っ??」

【数分後】

日本人研究者「○○さん。はじめまして。日本人の研究者です」

??「……」ボーッ

??(研究者?なんだ、軍の兵器開発の研究者か?)

??(それよりも、体が動かない。うまく呂律もまわらん)

研究者「すっげ…本当に蘇った…」

日本人研究者「蘇るも何も、まだ死んではいない」

??(となりにいるのは白人)

??(ドイツ人かイタリア人なら良し。アメリカ人やイギリス人なら大問題だ)ググッ

??(だめだ、体が動かない…くそ、何者なんだ。あの白人研究員)

??(早く日本人研究者に話かけないと…)パクパク

日本人研究者「上手く話せなくて、困っているようですね」

日本人研究者「無理もない」

日本人研究者「今から、あなたに衝撃的な真実を打ち明けなければなりません」

??(ん?)

日本人研究者「いまは201X年…」

日本人研究者「日中戦争も、大東亜戦争も終わり迎え…いまは、日本に平和が訪れています」

??「」

??「っ!?…!!!?」ジタバタ

??(201X年だと!?じゃあ今は昭和…えーと…)

日本人研究者「昭和は64年で終わり、その年には平成という時代が訪れました」

??(ッ!!!?)

日本人研究者「その平成も、もうすぐ終わりを迎えるかもしれません」

??「に、に…ぉ…ん」

日本人研究者「む?何か質問があるようですね」

??「に、ほぉ、ん…と…へ、い、か…どご、なた…」

日本人研究者「昭和天皇は天寿を全う致しました」

??「ああぁ、が…お、よがっ…だ…」ボロボロ

寝たきりだったその男は、ガラガラとした声を振り絞りながら、大粒の涙を流す

??「で、ん…の…へ、い…がっ…ばん…ざ…い…」ボロボロ

日本人研究者「……」

??「……で、にぃぃほ…んわ」

??「だい…でぃ、ぼん、で、いごくばぁ」

日本人研究者「残念ながら大日本帝国は滅びました」

??「」

??(どういう事だ!?我らが陛下は天寿を全うし崩御。日本も平和に)

??(なのに帝国が滅んだ?意味がわからん)

日本人研究者「落ち着いてください。まずは順をおって説明します」

??(日本人の研究者は懇切丁寧に、これまであった出来事を説明してくれた)

??(そうか。日本は…植民地にならずに済んだのか)

??(軍の有名人たる東城さんも、山本さんも亡くなったのか…でもきっと、陛下をお守りする為に、その身を捧げたに違いない)

??(でもひとつだけ解せぬ事がある)

??(なぜココが敵国・アメリカの研究施設なのだ)

??「ぉ…ぃ…」ギロッ

日本人研究者「○○さん。戦争は終わったのです。もうアメリカもイギリスも敵じゃない」

??(そんな簡単に割り切れる物じゃない)

??(……全国で行われた国民への空襲。それと広島と長崎への新兵器投入)

??(そんな話を聞かされて冷静でいられる筈も無い。身内がどうなったのか心配だ)

研究者「私は出て行ったほうが良さそうかな?」

日本人研究者「ああ、そうだね」

??「ばて!!おに…じくじょう!!!」

研究者「ヒッ!?」ビクッ

??「が、えせ…おぉぉれ、の、ダチを、が、ぞく、お…」

日本人研究者「ほら、早く」

研究者「ソーリー」

研究者は水を渡し、男はのどを潤す

日本人研究者「少しは落ち着きましたか?」

??「が、ぁぁ」コクッ

日本人研究者「……あなたは数十年間、コールドスリープし、眠りについてました」

??(コールドスリープ?なんじゃそりゃ)

日本人研究者「だけどそれ以前に、実はあなたは…」

日本人研究者「大日本帝国の科学者達が作った、ある実験薬を体内に摂取した事が原因で」

日本人研究者「強靭なる肉体を手にしました」

日本人研究者「あなたは当時、戦死してもおかしくない、多大なる肉体的損傷を負いましたが…今日まで生き延びる事が出来ました」

??「」

??(実験薬…まさか、出征前に打たれた注射の事か?)

日本人研究者「思い出してください」

日本人研究者「あなたは、死んでもおかしくない傷を負った筈です」

??「……」

??(ああ、そうだ)

??(おれはたしか…)

日本人研究者「○○さんには暫く、リハビリを行ってもらいます」

??「い、が、いり?」

日本人研究者「はい、リハビリです」

日本人研究者「そして、これからの事を考えていただきます」

【半年後】

驚くべきスピードで、男は体を回復させていった。

日本人研究者「すごいです。驚くべき早さ。ここまで回復するとは…」

??「先生のおかげです」ペコリ

研究者「全くユーはミラクルだね!」

??(鬼畜米英…殺してやる…)ギロッ

研究者「OH…ソーリー」

日本人研究者「まあまあ落ち着いて」

??「先生、リハビリの御恩は一生忘れません。オレに出来る事なら何でも言って下さい」

日本人研究者「そうですね。あなたは長年、寝たきりでありながら、重要なサンプルとして、医学会の発展の手助けになっていました」

日本人研究者「あなたには今後、日誌を書いてもらおうと思います」

??「日誌?」

日本人研究者「あなたがこの研究施設を卒業し、自立したとき」

日本人研究者「毎日の生活、体の状態を、記入し、定期的に提出してもらいます」

??「じゃあ、引き続きオレは研究に手を貸すわけだな」

日本人研究者「申し訳ございません。イヤな気持ちにもなるでしょうが…」

??「とんでもない。受けた恩は必ず返します」

??「それにしても信じられん…もう80歳をとっく超えてるのに」

??「いまだに若い頃の姿のままだ」

鏡の前で、自分の若々しい姿を見る

??「さて、日誌を渡された訳だが。とりあえず名前でも書くか」

??「おれの名前は…」サラサラ

安価下1
※出来るだけ明治~昭和風の名前で

源四郎「衣旗源四郎(きぬはたげんしろう)…と」カキカキ

源四郎「さてと、まだ施設の卒業はしてないが、日誌は毎日書くよう言われたし」

源四郎「なんか手始めに書いておくか」

源四郎「おや、何か最初のページに質問事項が書かれているな」

質問1『あなたの最後の記憶は?』

源四郎「ふむ。まあ当然、大きな傷を背負ったときだが」

源四郎「おれは」

※陸軍出身か、海軍出身か、どちらか選んでください
安価下1

源四郎「天皇陛下バンザイと叫んで突撃して…」

源四郎「銃剣で敵を切り刻んだと同時に、機関銃で蜂の巣にされた」

源四郎「普通なら原型を留めないハズなのに、なぜか生き延びていた」

源四郎「…おれはその当時○○才で、闘った場所は」

安価下1(選らんで下さい)
①沖縄での決戦(少年兵として参加。15歳にて負傷、寝たきりに)
②東南アジアでの闘い(18~20才頃にて負傷、寝たきりに)

源四郎「沖縄での決戦に参加した」

源四郎「おれがあの闘いに参加できた理由は」

安価下1
①言うまでも無く、沖縄人だから
②本土出身者だが、運動神経と愛国心が認められ、特別枠として県外からはるばる沖縄へ赴いた。

源四郎「本土出身者だが、運動神経と愛国心が認められ、特別枠として県外からはるばる沖縄へ赴いた」

源四郎「おれは軍隊に入りたかった。まさに夢のようだった」

源四郎「軍に入って国の為に、そして陛下をお守りする為に、立派な兵隊になりたかった」

源四郎「日本人の誇りにかけて」

源四郎「おれは当時、まだ学生で…まあ家は貧しかったけど」

源四郎「文武両道、いろいろ頑張ってたおかげで尋常小から更に進学が叶って…」

源四郎「早く学校卒業し、軍隊に入隊する事ばかり夢見てた」

源四郎「む、日誌にまだ質問事項があるな」

『あなたの性格的特徴を教えてください』

源四郎「……これって本当に日誌なのか?いちいち質問事項が多いな」

源四郎「おれは国を愛してる。そして陛下の為に身を捧げたいとも思っている」

源四郎「他は…なんだ?まあ義理人情は大切だと思ってるし、努力は常にし続けてきたし」

源四郎「……」

源四郎「でも意外とオレって多趣味で、嗜好に関しては割と寛容と言うべきか」

源四郎「日本が明治時代、他国の文化を沢山受け入れたように…」

源四郎「『異物』を受け入れ、取り入れる事は、むしろ賛成的な考えだ」

源四郎「他に性格的特長はあるだろうか」

源四郎「うーん、己の欠点とかはどうだ」

源四郎「国家を心から愛し、主君の為なら命も惜しくないこのオレに…欠点?あるわけ無い!」

源四郎「……違う。それはただの慢心。短所は必ずあるはずだ」

源四郎「でもなんだろ…おれの欠点」

源四郎(気がついてないのは、おれが受け入れたくないだけか?己の未熟さを…)

※ 源四郎の短所・欠点は?
(何個でもオッケー。ただし、下記の補足事項と、決定的な矛盾点があるものは無し)
安価下1

(補足)源四郎の長所は、「努力家。人情家で仁義を大切にする。そして意外と多趣味」
    短所とも長所とも言えるのが「強烈な愛国心。プライドが高い」

後先考えずに行動しがち、悩みを1人で抱え込みやすい

家事特に料理が壊滅的に下手
すぐ独創的な物を作りたいとアレンジ精神に走って10回中9回は兵器と化す

※多趣味と『異物』を受け入れる寛容性から様々な文化を入れようとしてのアレンジ失敗

※長所の努力家があるから頑張れば克服はできるがまずマトモな料理の師と呼べる人を人生で知らないから直せない

せっかくなんで、>>23だけでなく>>24もとりいれます。
(元々22レス目で、『>>23>>24』と打つつもりだったが、無意識にコピペで安価下1と間違えた入力してた)

源四郎「欠点…おれの欠点…」

源四郎「ええい!!」

源四郎「欠点など後で考えればいい!」

源四郎「む、やっと最後の質問事項か」

『コールドスリープしていた貴方は、過去に何か未練後悔はありますか?』

源四郎「あるわけ無かろう!」

源四郎「国家のために、陛下のために、この身を捧げたこの人生に、何の悔いがあろうか!」

源四郎「……」

源四郎(なんだこのモヤモヤした気持ち…急に。さっきまでは後悔などあるはずないと思ってたのに)

源四郎「おれは…」

源四郎「……」

数日後

日本人研究者「日誌、読ませて貰いました」

源四郎「見苦しい物をお見せして、申し訳ない限りです」

日本人研究者「いや、そんな事は無いです」

日本人研究者「ただ一つだけ、気になった事が」

日本人研究者「なぜ最後の質問たる『未練や後悔』について白紙なのでしょうか」

源四郎「後悔などあるはずない。だから書く理由も無い。以上です」ガタッ

そういって逃げるようにして、席を立ち、部屋に戻ろうとする

日本人研究者「……突然ですが、コールドスリープで目覚めたのは、貴方以外にもいまして」

源四郎「ん?」

日本人研究者「貴方みたいに、いつの間にか人体実験された軍人もいれば、突発的に成長がとまった人…まあ色々いますが」

日本人研究者「コールドスリープ体験者のその全員が、まったく同じ事を言ってましてね」

源四郎「なんの事だか分かりませんが」

源四郎「おれは自分の生き方に悔いはありません。では」

日本人研究者「コールドスリープ体験者は全員、いや男性全員、こう言っていました」

日本人研究者「『女遊びをしたかった』とね」

源四郎「」ビクッ

源四郎は体をブルッと震わす
そして見る見ると、顔が真っ赤に染まっていく

日本人研究者「おや?なにやら顔が赤くなっていますが?」

源四郎「はぁぁ…」

源四郎「ああそうだ。そのとおりだ」

源四郎「女の味を知りたかった」

源四郎「もっと女子と遊びたかった」

源四郎「遊郭通いだってしたかった」

源四郎「だがオレは天皇陛下に使える、誇り高き兵士」

源四郎「鼻の下を伸ばし、女の尻ばかり追いかける、醜い生き様は死んでもゴメンだ」

日本人研究者「なるほど。だがやはり、コールドスリープから目覚めた一番のキッカケは、やはり強烈な性欲か…」

源四郎「……」

源四郎「自分でいうのも何だが若い頃…割とモテてた…と、思う」

日本人研究者「ほうほう」

源四郎「学校で一番の美少女の高嶺之 花さん、幼馴染だった幸子、可愛い後輩の貴美子、遊女で年上の蘭さん…」

日本人研究者「む、なぜ遊女と知り合い?」

源四郎「外で買い物をしていた時に、いきなり声を掛けられて…まあ知り合いに」

源四郎「ま、まあ、恥ずかしい物ではあるが…この際、正直に言おう」

源四郎「オレはどうしようもない程、根はスケベだし、女好きだ」

源四郎「だがしかし。そのスケベ根性を、堕落した心を押し殺せねば、誇り高き武士、日本男児を名乗る資格は無い」

源四郎「故に当時、関った女子には全員、素っ気無い態度で接し、まるで興味など微塵も無い振る舞いをしていた」

日本人研究者「で、後悔は?」

源四郎「メチャクチャ後悔している…い、いや、撤回! 後悔などあるはずも無い!オレは誇り高き元帝国軍人だ!」

日本人研究者「素直じゃないな…」

その夜

源四郎(そう言えば、同級生の高嶺之さんも、幼馴染の幸子も、後輩の貴美子も、遊女の蘭さんも…あれからどうなったんだ)

源四郎(戦争に巻き込まれて、死んでなければ良いが)

源四郎(……)

源四郎(みんな、オレには勿体無いくらい可愛くて、素敵で…良い女達だったな)

源四郎(ああ、昔の様に、甘酸っぱい想いを…)モゾモゾ

源四郎(元帝国軍人でも恋がしたい)

今日はここまで

次回からはリハビリ終了し、家族(安価)と面会。
そしてわけ合って学校入学と、ヒロインとの出会い(安価)します。

【目覚めて10ヵ月後】

日本人研究者「早い物ですね、もうすぐ一年がたちます」

源四郎「ええ、あっと言う間でした」

源四郎「それで先生。そろそろ家族との面会を…」

日本人研究者「その話ですが」

日本人研究者「ようやく許可を頂きました」

源四郎「本当ですか!!」

日本人研究者「ええ。ここまで話を長引かせて申し訳ありません」

日本人研究者「何せ大日本帝国が開発した人体強化薬も、アメリカが始めたコールドスリープも」

日本人研究者「一般的に世間には公開せず、秘匿されてきました」

源四郎「よく研究機関と、米国政府から許可を得られましたね」

日本人研究者「理由は…恐らく近年、コールドスリープ被験者が、続々と寝覚めている事と」

日本人研究者「どこから情報が漏れたのか、ネットで『コールドスリープ』の件も、『人体強化実験』の件が、徐々にバレてきてしまっていて…」

源四郎「ネット?」

日本人研究者「インターネットの事です。近いうちに何なのか教えます」

源四郎「??」

日本人研究者「では改めて、あなたの名前と生年月日、地元を、この用紙に書いてください」

日本人研究者「研究機関と米国政府、日本政府に提出します」

源四郎「うむ…」カキカキ

安価下1(コンマです)
※ 源四郎の地元

①東京(00~50)
②広島(51~99)

源四郎「はい」

日本人研究者「確かに受け取りました」

源四郎「先生」

日本人研究者「はい?」

源四郎「以前より気になっていたのですが」

源四郎「長崎と広島に投下された新兵器って一体何なのでしょうか。普通の空襲とどう違うのですか?」

日本人研究者「……私からお答えはできません」

日本人研究者「日本へ帰郷し、心を落ち着かせ覚悟ができたら…原爆ドームと平和記念資料館に行って見てください」

源四郎「……原爆、ドーム??」

【一ヵ月後(11ヶ月目)】

日本人研究者「源四郎さん、ご家族が当研究施設に訪問に来られました」

源四郎「おおついに…!」

日本人研究者「では、どうぞ」

ガチャッ

コンマ安価(下1)
① 車椅子に乗った自分の弟と、その家族。 弟の両手には、両親と兄の遺影を持っている
(00~50)
② 日本政府職員から、家族および親族の遺影を渡される
(51~99)

カラカラ…カラカラカラ…

車椅子のタイヤが回転する音が近づいてくる

源五郎(弟86歳)「……」

五郎(甥62歳)「初めましておじさん。おいの五郎です」

源四郎「はじめまして」

初老を迎えた甥の五郎は、車椅子の動きを止め、頭を下げる。

伸五(又甥37歳)「初めまして、又甥の伸五です」

伸五(又甥37歳)「脇にいるのは嫁です。その隣にいるのは息子たちです」

又甥の嫁「はじめまして。ほら挨拶」

伸一(12歳)「伸一です」ペコッ

伸二(11歳)「伸二でーす」ペコッ

伸一は爽やかで心優しそうな印象。どことなく昔の弟に似ている。
一方で信二は女の様に髪が長い。顔立ちは女顔だった兄に似ている。

源四郎「弟よ…会いたかった」グスッ

源四郎の瞳から水滴が溢れる。

源五郎(弟86歳)「……」

源五郎(弟86歳)「シュコー…シュコー…」

鼻穴に透明な管を通し、酸素を送る音が静かに響く
うっすらと目を明けて、手を弱々しく伸ばす

源四郎「……」ギュッ

源四郎は優しく、その手を握る

源四郎「なんだよお前、髪の毛ひとつも残って無いじゃないか」

源四郎「それにどうしたその管は?呼吸が上手くできないのか」

源五郎(弟86歳)「シュコー…シュコー…」

虚ろな眼差しで、源四郎を見つめる弟。

源五郎(弟86歳)「……ァ…ァァ…」ツーッ

その弟も、目を薄っすらと明け、頬に水滴が静かに流れる

源四郎「……」

源四郎「お前も苦労したんだな」

五郎(甥62歳)「父はずっと、後遺症と闘っていました」

源四郎「後遺症?なんの話だ」

全員「……」

源四郎(…? なぜ黙り込む)

源四郎(いったい、おれが眠っている間に何が)

ガチャッ

扉が開かれると、ゾロゾロと沢山の人間がこちらに寄ってくる

親族1「親父の体調はどうだ?」

親族2「親父も大事だけど、まずは源四郎さんに挨拶だ」

親族3「源四郎さん!会えて光栄です!」

親族4「すっごーい!とても90歳に見えないわ!」

親族5「っていうか結構カッコよくない?」ヒソヒソ

親族6「確かに」ヒソヒソ

親族7「コールドスリープが本当に実在するなんて…」

源四郎「」

源四郎「えっと…息子の五郎を含めると…」

源四郎「弟よ、お前8人も子供を育てたのか……!?」

五郎(甥62歳)「父は本当に苦労人です。私の母…つまり父の嫁は」

五郎(甥62歳)「さらに後遺症が酷くて。俺が二十歳になる前に…」

源四郎「……」

源四郎「手に持ってる遺影は、親父とお袋の写真か」

源五郎(弟86歳)「シュコー…シュコー…」コクンッ

うっすらと目を明けながら、首を縦に振り答える

そしてゆっくりとした動きでもう一枚の遺影を見せる

源四郎「兄貴…」

源四郎「親父とお袋はさすがに覚悟していた」

源四郎「だが兄貴まで…」

源五郎(弟86歳)「シュコー…シュコー…」

源四郎「それにしても、よくもまあ8人も子供を…」

五郎(甥62歳)「親父とお袋は、本当は10人の兄弟を作る予定だったみたいです」

五郎(甥62歳)「ただ二人とも後遺症が酷く…特にお袋が。だから8人目で諦めたんです」

源四郎(弟はもっと大人しい感じの奴だったんだがな)

源四郎(子孫繁栄に躍起になる大きな理由でもあったのか? それとも単に若さゆえの勢いか)

【1ヵ月後(目覚めて丁度1年後)】

日本人研究者「本日は、コールドスリープ被験者の退所日でございます」

日本人研究者「あなた方は退所組、1期生となります」

源四郎「まだ目覚めてない者もいるのか…」

日本人研究者「でも源四郎さんが目覚める前後あたりから、続々と覚醒者が増えてきました」

日本人研究者「いずれ日米の両政府が、強化人間の存在、そしてコールドスリープの存在も公表する日も近いでしょう」

源四郎「ふむ」

源四郎「それじゃそろそろいきますか」

源四郎「『浦島会』のみなさん」

そういうと、ぞろぞろとコールドスリープ被験者が源四郎の背後に現る。

日本人研究者「浦島会?」

源四郎「我々は浦島太郎の様な体験をしてしまっている」

日本人研究者「だから浦島会」

源四郎「ところで浦島会のリーダーはおれで良いんですか?おれは90歳で、一番の年下ですが」

鷹飛(98歳)「かまわんよ。若いのが一番だ」

源四郎(鷹飛さんは、元海軍の神風特攻隊。空母に突撃し、爆死したハズなのに、なぜか生き延びた元帝国軍人)

海原(97歳)「んだんだ」コクッ

源四郎(海原さん。元海軍出身で、爆薬を積んだ潜水艇『人間魚雷』を操縦。軍艦に突撃した。が、やはり何故か生きていた)

鷹飛(98歳)「俺達は、年齢も組織もバラバラだ。でも同じ『強化人間』しての実験体であり、コールドスリープの被験者仲間だ」

海原(97歳)「我らは同士だ。これからも、互いに支えあっていこう」

源四郎「……互いに生活が落ち着いたら、同窓会を開きましょう」

海原(97歳)「いいねそれ!やろうぜ!ガンガン酒のんでよ!」

鷹飛(98歳)「決まりだな…みんなはいつ頃がいい?」

元軍人1「一週間後でどうだ?」

元軍人2「ばか、早すぎだろ!」

ワイワイ、ガヤガヤ

源四郎(総勢30名を越える『強化人間コールドスリープ被験者』…卒業1期生)

源四郎「みんな退所したら何がしたい?」

鷹飛(98歳)「決まっている。女遊びだ」

鷹飛(98歳)「遊郭は廃止になったと親戚から聞いた。正直がっかりだ」

鷹飛(98歳)「その代わり、親戚の曾孫達が今度…キャバクラ? という良い所に連れてってくれる約束をした。ああ楽しみだ!」

海原(97歳)「オレは親戚の曾孫に、ソープランド?っていう場所に連れてってもらうぜ!すっげ楽しみだ!」

軍人1「オレは曾孫に合コン?っていうお楽しみ会に参加させてもらうことになっている!早くいきたいぜ!」

~~~

源四郎(『浦島会』の全員が女遊びを考えていた)

源四郎(皆だらしなく、鼻の下を伸ばしてるが)

源四郎(ここにいる全員…自ら『喜んで特攻兵器の道を志願』した)

源四郎(誰よりも強烈な愛国心を胸に抱いた、筋金入りの帝国軍人たちだ)

源四郎(その全員が戦時中は、オレと同様、国と陛下に身を捧げる事のみを胸に誓い)

源四郎(女など目もくれなかったと語っている)

源四郎(半分以上が女の味を知らない者達だ)

日本人研究者「最後に二つほど」

日本人研究者「今後も医学会に協力して頂きたい。日誌を定期的に提出願います」

源四郎「勿論です」

全員「うんうん」

全員がうなづく

日本人研究者「では最後に、昭和天皇が生前撮っていた、強化人間コールドスループ被験者へのビデオレターを拝聴いたします」

全員「!!?」

源四郎「そんなものがあったのか!?」

全員、その場で床の上で正座する

日本人研究者「みなさん、そんな冷たくて硬い床に正座は膝を痛めます。どうか椅子の上で」

源四郎「陛下は勿体無くも、我らにメッセージを賜ったのだ!」

鷹飛(98歳)「椅子に座るなんてとんでもない!!」

海原(97歳)「陛下のお言葉を聞けると思えば、膝の痛みなど屁でもないわい!」

長くも無く、短くもない、そのビデオレターは締めくくりに

『朕は戦後にその存在を聞かされた、君たち強化人間を忘れた事は無い』

『どうか余生を穏やかに、幸せに暮らして頂きたい』

『真にご苦労であった。 朕は勇敢な国民に支えられて幸せであります』

全員「……」ボロボロ

浦島会の全員、声を震わせ、大粒の涙を流していた

鷹飛(98歳)「くっ…ぅぅ…なんと勿体ないお言葉…」ボロボロ

海原(97歳)「うおおおお!!!うおおおおお!!!!」ボロボロ

源四郎「天皇陛下!!!バンザァァァイ!!!!」ボロボロ

全員「バンザァァァイ!!!!バンザァァァイ!!!!バンザァァァイ!!!!」

研究者全員「」アゼン

研究者1(すっげ、やっぱこいつら本物なんだ)

研究者2(本物の軍人。いや、日本のサムライたち)

研究者3(さっきまでスケベ話をしていた、同じ連中とは思えん。筋金入りのチーム・カミカゼ)

日本人研究者(……)

日本人研究者(さて、日本人は戦後、民主主義に順応していったが)

日本人研究者(誰よりも愛国心が強い、彼らは果たして…)

病院いってくるので、続きは数時間後に再開します。いったん中断

『強化人間コールドスループ被験者』通称『浦島会』は、日本まで飛行機で移動

全員空港にくるまでの道中、その圧倒的な文明力に、ただただ開いた口が塞がらなかった

元軍人1(こりゃアメリカに勝てないわけだ…)

元軍人2(圧倒的な開発力…)

源四郎「……」

源四郎「アメリカの文明力は圧倒的だ。見た事も無い建物、機械、音楽、食べ物…」

源四郎「故に皆、黙ってはいるが、口にしたくない事を思っているはずだ」

源四郎「だが文明力なら日本とて、成長しているハズだ」

元軍人1「っ!!そうだ、我ら日本とて負けちゃいない!」

元軍人2「そうだそうだ!日本は凄い国になっているぞ!間違いない!」

―――その後、空港へ到着。
日本の様変わりした圧倒的な文明力に、皆が歓喜した。

だが同時に、あまりに発展し開発されすぎた祖国日本に、何ともいえない寂しさもあった。

バスで移動し、靖国の前に立ち寄り、その後は国会議事堂で政府と挨拶。締めくくりに皇居の前にて敬礼・御辞儀をした。

【東京平和祈念展示資料館】

館内は特別に貸切となっていた
浦島会の全員が、食い入る様に眺めている

東京都出身元軍人1「よくも家族をこんなエライ目に…!」

東京都出身元軍人2「やはりは米英は鬼畜生だ」

東京都出身でなくても、全員怒りが込み上げていた。

それでも館内自体は空調がしっかりした施設で、東京自体も圧倒的な文明力を誇っていた。

ひとまず今の日本は平和なのだと再認識され、次第に怒りは治まっていった。

が、しかし

【沖縄平和祈念展示資料館】

戦友1(90歳)「友よ」

源四郎「なんだ」

戦友1(90歳)「お前たしか、広島の人間だったな」

源四郎「ああ。だがお前と共に過ごした日々は忘れた事も無い」

源四郎「お前の胸に抱いている怒りの気持ちはよくわかる」

源四郎「今すぐにでもアメリカ人に復讐がしたい…!!」

戦友1(90歳)「チクショウ!!!なんなんだよ…なんなんだよ!!」

貸切となった館内に、すすり泣く声、怒りの叫びが響く

そして日本政府職員に連れられ、最後の目的地広島へ向かう

【広島平和祈念展示資料館】

源四郎「」

源四郎「」

戦友1「お、おい、大丈夫かよ。源ちゃん」

源四郎は顔面、真っ青になっていた

海原(97歳)「こ、こんな事が…!」

鷹飛(98歳)「惨い…!」

全員、顔を青くし、唖然としながらその資料館を回っていた

源四郎「」フラッ

戦友1「源ちゃん!?どこへ!?」

―――フラフラとした足取りで、原爆ドームの前に立ち寄る

源四郎「」ガクッ

源四郎「ぅ…ぉぉ…ろろ…」

四つん這いになり、胃液を吐く

戦友1「源ちゃん……」

源四郎「お前、沖縄出身だろ? いいのかよ、あのまま留まってれば良かったのに。 どうせ沖縄帰るのに、二度手間だぜ?」

戦友1「源ちゃんが心配だったんだよ。広島と長崎はとくに酷い目に合ったって言うし。どんなえげつない物が展示されてるか…」

源四郎「……」

源四郎「何なんだアレは。人間の皮膚がめくれて、全身血だらけ、毛髪は抜け落ち、ドロドロになっていって…」

源四郎「生き残った者にも、後遺症というあらゆる苦しみが待っていて…」

源四郎「ぅぅ…くっ…」ボロボロ

源四郎「あああああああああああ!!!!!!」

観光客達「ッ!?」ビクッ

源四郎「許さん!!!絶対に許さんぞぉぉぉぉ!!!!」

源四郎「親戚を!ダチを!!地元の仲間を!!!」

源四郎「親父を、お袋を…兄貴を!!!オレの可愛い弟をよくも!!!よくも!!!」

源四郎「あああああああああああ!!!!!!」

とある旅館

源四郎「……さっきは、取り乱してすまない」

戦友1「気にするな」

海原「あんなの見せられて冷静でいられるハズも無い」

鷹飛「まして地元なら尚更だ」

源四郎「今日で日本政府による案内も終わりだ」

源四郎「明日から俺達は、この時代の社会を生きてかなければならない」

源四郎「陛下の遺言は…俺達の『余生の幸福』だ」

源四郎「みな、幸せになることだけを考えよう」

戦友1「んで、同窓会はいつやる?」

源四郎「連絡網は貰ったし、全員が落ち着いてからにしよう」

源四郎「みな明日の栄光を願って…乾杯」

全員「乾杯」

おちょこに入った日本酒を軽く飲み干す

皆がご馳走を頂いてる最中

源四郎は一口もご馳走を頂くことなく、外を眺めていた

【翌日・広島・弟の実家】

源四郎「」

源四郎「なんだお前の家…随分とデカイじゃないか!」

源四郎「数世帯は余裕で暮らせる広さじゃないか」

源五郎(弟・86歳)「シュコー…」コクン

言葉を発せず、車椅子に乗った弟。
心なしか、以前よりも顔色が良くなっている

源四郎「この家は種類的にいうと」

安価下1
※ 家のタイプを選択肢3つから選んでください。
(後々、ヒロインの好感度に繋がってきます)

①2階建ての武家屋敷(完全和風の家。現代的な要素もアリ)

②2階建ての洋館(9割洋風。和室は1部屋のみ。現代的な要素アリ)

③2階建ての和洋折衷な豪邸。(現代的な要素と、大正ロマン風の要素が、バランスよく絡まっている)

源四郎「2階建ての和洋折衷な豪邸といったところか」

源四郎「昨今の建築物な要素と、大正ロマンの要素が、バランスよく絡まっている」

伸五(又甥37歳)「僕たちも一緒です」

又甥の妻「よろしくお願いします」ペコッ

伸一(12歳)&伸二(11歳)「よろしくね、叔父さん」

源四郎「こちらこそ、ご迷惑をお掛けします」

源四郎(基本的には皆は家を出て行って、広すぎる家に、孫の一家が残ったと行った所か)

五郎(甥62歳)「私もいます。妻と共に、親父の介護をしています」

源四郎「大変だなあんたらも。どれ、おれも手伝うとしよう」

五郎「いえ、週に何回かヘルパーさんも来てもらってます。そこまで負担はありません」

五郎「源四郎さんは天皇陛下の遺言通り、余生の幸福だけを願ってください」

源五郎(弟)「シュコォォ……」コクコク

源四郎「お気遣いありがとう。だが可愛い弟にずっと苦労をかけてきた」

源四郎「介護の勉強はさせていただく」

源四郎「しかし、よくもまあこんな豪邸を」

源四郎「弟は一体何の仕事を」

五郎「親父はまず地元で新聞配達。その後、自衛隊の前身組織、警察予備隊に入隊」

五郎「そこであらゆる経験を得て、私のお袋と結婚」

五郎「その後自衛隊を退職し、普通のサラリーマン。退職後は穏やかに日々を送っています」

源四郎「後遺症が酷いハズなのに、よう頑張った」

源四郎「ただ疑問がある。おれの実家は元々貧乏だったし」

源四郎「いまの話を聞く限りじゃ、弟の収入では、ここまでの豪邸は建てられないのでは」

五郎「あー…非情に申し上げにくいのですが」

五郎「叔父さんが医学会で、色々と貢献したという話は伺ってますね?」

源四郎「ああ、そうだけど。まさか収入がちゃんとあったのか?」

五郎「すいません。親父の本音を代弁させてもらいます。勝手ながらお金は使わせて頂きました…」

源四郎「構わん構わん!どうせ寝たきりだったんだ。下手すりゃあの世に行ってた可能性もある」

源四郎「三年寝太郎に報酬はいらん。好きに使ってくれ」

源四郎「で、いま家の資産はどれくらいなんだ」ボソッ

五郎「これが預金通帳です」

源四郎「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん…じゅうまん、ひゃくまん、せんまん…億…」

源四郎「はぁぁ!?なんじゃごりゃ!!」

五郎「医学会での貢献は凄かったようですね叔父さん」

源四郎「お、おう。こりゃ研究機関から渡された日誌も真剣に書かないとな」

【1年後】

源四郎(あれから一年)

源四郎(この家に来て、外でも家でも、美味しい料理を沢山食べた)

源四郎(弟の曾孫たちと、遊んだり、買い物したり)

源四郎(図書館に行って本を読んだり、新聞読んだり)

源四郎(弟の曾孫たちと、テレビゲームという摩訶不思議な物で遊んだり)

源四郎(映画館で適当な作品をボーッと、観にいってたり)

源四郎(それらの日々は、楽しいといえば楽しい。充分、幸せな余生と言えるだろう)

源四郎(だが時代に取り残された感は否めず)

源四郎(ニュースや新聞を見ても、首を傾げる事が多く。概要ではない。心で理解ができない)

源四郎(おれはまだこの時代に順応できていない)

源四郎(何より、女の味を知りたい)

源四郎(でも、どう味わえば良い?)

源四郎(おれはある時、浦島会の面子を何人かよんだ)

ある懐石料理店にて

源四郎「ひさしぶりだな」

海原「おうよ!元気だったか」

鷹飛「互いに肥えたな」

源四郎「何を言ってる。おれもあんた等も、まだデブってほどじゃないだろ」

~~~

談笑をしていく中に、源四郎は本題を切り出した

源四郎「なあみんな…女の味は知れたかい?」

海原「おうよ、おれはソープランドやデリヘルで豪遊してるぜよ!」

源四郎「あんた、性欲旺盛そうだもんな」

海原「でも時々、孫や曾孫のような連中を相手に…オレは何やってるんだって気持ちにもなる」

海原「オレは、祖国を守る誇り高き帝国軍人・サムライの化身だったハズなのに」

全員「……」

鷹飛「おれは、まだ女との交わりはしてないが」

鷹飛「キャバクラいくたびに、ジェネレーションギャップって奴に悩まされる」

鷹飛「何よりもオレは、誇り高き神風特攻隊の一員だったのに…おれはあんなチャラチャラした空気で、一体何をやってるんだってな」

鷹飛「まあ曾孫がキャバクラ好きだからよ、おれも現代社会勉強の一環として、かつ女遊び兼ねて、毎週通ってはいるんだが…」

海原「はぁぁ…なにやってんだろな俺達」

鷹飛「全くだ。源ちゃんはどうなんだ?」

源四郎「おれは女遊び以外なら、大体、何でもやってきた」

鷹飛「女遊びは?」

源四郎「おれもソープランドやキャバクラの、目の前までは行った」

源四郎「でも何故か、心の中の大切な何かが、傷つきそうで…やめた」

鷹飛「わかる!おれも大切な何かが傷ついた!悲鳴を上げている…」

海原「なのに一度手を出したら止められない…悲しいぜよ」

鷹飛「オレの場合、辞めよう思えば辞められるが…女と交わっちまったんじゃ、その快楽に病み付きだわな…」

源四郎「……」

源四郎「わからん。おれはどうやって、女の味を知れば良いのだ」

源四郎は浦島会の同窓会から帰宅した

源四郎「ん?なんだ伸一、勉強してたのか」

源四郎「エライじゃないか」ナデナデ

伸一「ありがとう」

源四郎「そういやお前は、まだ13歳なのに、進学塾にも通ってるんだって?」

伸一「うん、将来は海外でお仕事したいし」

源四郎「……………………………………」

源四郎「そ、そう、そうか」

源四郎「んで、目指してる学校とかあるのか」

伸一「東京都にある高校なんだけど」

伸一「私立・インターナショナル学園って所なんだ」

伸一「そこには日本人だけでなく」

伸一「あらゆる国籍の人間」

伸一「日本人と外国人の、ハーフや、クォーターの人も沢山いるって話なんだ」

源四郎「国際的な高校なんだな」

伸一「うん」

源四郎「……………………………………」

源四郎(浦島会の皆、現代社会の適応に苦しんでる)

源四郎(小野田さんは1974年にフィリピンから帰還後、現代日本が好きになれず、ブラジルでの暮らしを選んだ。それも一つの決断だ)

源四郎(正直、おれもドコか遠いところへ行きたいと考えた事がある)

源四郎(でも弟の変わり果てた姿を見て、オレは思う)

源四郎(弟が、かつて滅んだ広島のために、沢山の子孫を残した)

源四郎(おれもまた、たくさんの子孫を残したい)

源四郎(何よりオレの中にはまだ、強烈な愛国心が残っている)

源四郎(おれは)

源四郎「お国の役に立ちたい」

伸一「うん?」

源四郎「何ができるか分からん。何をしたいのかも分からん」

源四郎「ただ今のままじゃ駄目だ。」

源四郎「オレは米英が憎い。その連合軍も然り。憎くて仕方が無い。今すぐぶっ殺してやりたい」

源四郎「でもこのままじゃ駄目だ。おれも時代に順応したい」

源四郎「伸一よ、力を貸して欲しい」

伸一「えっと…なんの?」

源四郎「おれも学校に通う。お前と同じ学校を受験する」

源四郎「そこで学問を身につけ」

源四郎「運命の相手も、そこで見つける」

今日はここまで
もし余裕があったら夜も少し投下します

投下します。

※主人公・源四郎の、戦友(沖縄出身)の名前表記を『戦友1』としてきたが、これからは『島袋』と表記します。

源四郎の無二の親友。
場合によっては、登場回数が多くなる事もありうるので、名前をつけることにした。

戦友たちの名前はサラッと付けたししますが、ヒロインの名前・設定は安価で決めてもらう予定です。
そこから選択式にするか否かは、まだ考え中。

数日後、源四郎は電話にて、沖縄出身の戦友に連絡を取り合っていた

島袋(91歳)「え、高校受験!?」

源四郎「ああ」

島袋「また学生に戻るのか。大丈夫か?」

源四郎「わからん。まあ成る様になれだ」

島袋「…源ちゃんらしいな」

源四郎「おう、お前とオレは戦友であり兄弟だ」

源四郎「どうだ、お前もいっしょにこないか?」

島袋「……」

島袋「気持ちは嬉しいが、オレは別な道を選ぶ」

島袋「源ちゃんは尋常小を卒業した後も、進学したんだろ?」

島袋「少なくとも教養がある。知識の土台が整っている」

島袋「おれはただの百姓」

島袋「帰郷したら沖縄決戦で…親兄弟、親戚、ダチ…みんな米軍に殺されていた」

源四郎「兄弟!だったら尚更、オレと…」

島袋「いや。尚更、親の意志を受けつがないかん」

島袋「コールドスリープで、いつの間にか貯まってた貯金で、土地を買うことにした」

島袋「農業やってる奴、昔と比べて減ってるって話だろ?」

島袋「サトウキビやトウモロコシ…他にも、色んな野菜を作りたい」

島袋「農作の発展こそオレの使命だ」

源四郎「兄弟…でもお前、天涯孤独に」

島袋「なーに。人との繋がりは、また新しく築けば良いだけだ」

島袋「……原爆ドーム前で、泣き叫んだ源ちゃんの苦しみに比べれば、大した事はない」

源四郎「おれには弟がいる。でもお前は」

島袋「考えようによっちゃ、オレを縛る物は何もない」

島袋「自由に気ままにやるさ」

源四郎「兄弟…」

島袋「いつか野菜が出来上がったら、そっちに送るよ」

源四郎「……わかった、楽しみにしてる」

~~~

電話をきった後、沖縄の元兵隊、島袋は綺麗な海を眺める

島袋「……」

島袋「ま、本当は寂しくて仕方ないんだけどな」

島袋「戦争から帰ってきたのに、知り合いが1人残らず亡くなってるって…そりゃねぇよ」

島袋「はぁぁ…農業が軌道に乗ったら」

島袋「お見合いでもするかな。それとも…」

【進学塾にて】

友「よお伸一」

伸一「やあ」

友「あれ、隣にいるのは?」

伸一「親戚のおじ…じゃなくて、おにいさん」

友「ふーん、どうも」

源四郎「はじめまして、衣旗源四郎です」

友「……」

友(全身、カーキ色の服…黒いブーツ…)ジーッ

伸一「おじさ…いや、兄さん。やっぱ見られてるよ」

源四郎「ワークマンで買った。結構高かったぞ」

伸一「いやまあ、ワークマンは確かに最近、職人向けの物だけじゃなくて、ファッション性も評価されてきてるけどさ」

伸一「着こなしが…軍人じゃないんだから」

源四郎「こっちのほうが落ち着くんだよ。それに黒のブーツだって高かったんだぞ」

伸一「いや、そういう意味じゃなくて」

―――そして数年後・受験を終えて

【広島駅】

伸一「じゃあ、いってきます」

伸五(弟の孫)「おう。東京行ってもガンバレよ」

伸一「ああ、おじさんもいるから心配ないよ」

源四郎「弟よ、すまんな。せっかく介護のコツを掴んだ所だというのに」

源四郎「……寂しいぜ。また離ればなれだ」

源五郎(弟)「シュコー…シュコー…」

酸素が送り込まれる音が響く

源五郎(弟)「ぅぅ…ぉぉ…」ガタッ

身内一同「ッ!?」

五郎(弟の息子)「親父が立った!?」

源五郎(弟)「ひまご…しん…いち…」

源五郎(弟)「あ…あに…き…げんしろうあにき…」

源五郎(弟)「バンザイ…バンザイ…バンザーイ…」

源五郎(弟)「ゴホォ!ゴホォ!ゴボォォ!」

無理に立ち上がったせいで、激しく咳き込む
さらに後遺症の影響からか、ドバッと血を吐く

五郎(弟の息子)「親父!?無理すんな!」

伸一「ひいじいちゃん大丈夫!?」

源五郎(弟)「ゼーヒュー、ゼーヒュー…」

親戚一同は、やや困惑した表情で源五郎を見つめる。
だが1人だけ、涙ぐむ者がいた

源四郎「……泣かせてくれるじゃねぇか。弟よ」グスッ

源四郎は敬礼をする。

源四郎「己の幸福と、国の発展の為に、必死に勉学に励む決意であります!」

五郎(弟の息子)「やれやれ、まるで出征の儀だ」

源五郎(弟)「シュコー…シュコー…」

寮に入る。それぞれ個室が用意されている。

そして支給された制服を試着している

伸一「おお、なかなか良いブレザー!」

源四郎「最近は学ランが随分と減ったな」

伸一「割合的に、ブレザーの方が多いかもね」

源四郎「おれらの時代は、マントや学帽もあったんだがな」

源四郎「これも時代の変化ってやつなのか」

伸一「あ、そういえば靴は自由で良いって話だけど」

伸一「初日位は革靴で。二日めからスニーカーで行こうと思うんだけど」

伸一「おじさんは?」

源四郎「初日はお前と同様で革靴で行く。二日目からは…すでに新しい靴は買ってある」

源四郎「かなり高かった。上等な物だぜ」

伸一「そっか!じゃあ安心だね」

伸一(広島にいた時に散々、忠告してきたし…まさかね)

【入学式当日】

学園長「この度は、我が栄光ある私立・インターナショナル学園にご入学、おめでとうございます!」

伸一「…」

源四郎「…」

入学式はあっと言う間に終わり、それぞれのクラスに移動する

~~~~

伸一「僕とおじさんは…」

源四郎「同じクラスだと良いな」

コンマ安価下1
※ 弟の曾孫、信一とは

・一緒のクラス(00~50)
・違うクラス(51~99)

違うクラスになっちゃったか、あと差し支えなければ>>1にご質問がありますヒロイン設定って一人幾つまで書けるとかありますかね?


源四郎「おれは1年A組、伸一はB組か」

伸一「離ればなれ…残念だ」

源四郎「まあ仕方ない。来年もあるから、その時を期待しよう」

伸一「えっと大丈夫おじさん?うまくやれる?」

源四郎「成るようになれだ。後の事など知らん」

伸一「おじさん、その言葉好きだね…」

~~~

教室に入ると日本人のみならず、外国人、日本と外国のハーフ、クォーターの生徒がゾロゾロいた。

源四郎(まるで異国に来たようだな)

源四郎(まあ初日位は少し様子見るか。下手に自己主張せず)

(次の日)

カラコン…カラコン…

伸一「おじさん」

源四郎「ん?」

伸一「2日目からは、とっておきの靴で登校って言ってたよね?」

源四郎「ああ」

伸一「なんでまた下駄を履いてるの…」

源四郎「好きな靴を履いて良いんだろ?なにが悪い」

伸一「あのね…祭りじゃないんだから。スニーカーとかにしなよ」

源四郎「コッチのほうが落ち着くんだよ」

カラコン…カラコン…

伸一「先が思いやられる」

カラコン…カラコン…

源四郎「いざゆけ~つわもの~日本!男児!」

伸一「朝から軍歌も止めろって…」

源四郎「うるさい!何が悪い!」

【1年A組の教室にて】

ワイワイ、ガヤガヤ

源四郎(それにしても…)

源四郎(最近の女子はみんな、身長も大きく、胸やら尻やらも、なかなかデカイい)ゴクリ

思わず視線が釘付けになる

源四郎(小柄と呼ばれた日本人も時代の流れで、だんだん外国人に近い体型になってきたな)

源四郎(おれなんか、身長は昔、大きい方だったのに…いまじゃ、平均より小さい方に入ってしまってる)

ワイワイ、ガヤガヤ

源四郎「……」

源四郎(朝から伸一に叱られた。いい加減に時代に順応しろと)

源四郎(順応とは難しい物だ)

源四郎(まずは仲の良い友人を…)

源四郎(でも、最近の若者は、どんな風に声を掛け合ってるんだ?)

源四郎「むむむ、うーん」

??「どうしたの?難しい顔して」

源四郎「む?」

ヒロインキャラ設定(安価下1~3まで候補を取ります。その後、アンケートとります)
・名前
・人種(アメリカ人かイギリス人。それは日本と米英の、ハーフかクォーターで)
・容姿(髪色など二次元キャラ基準でもOK。例えば緑髪やピンク髪など)
・性格
・特技
・趣味
・その他

今日はここまで
安価は下1~3まで
あとでアンケとります

やっぱ1~3まで候補ができたら
そのままアンケの流れで

締め切りは次回の投下まで

名前 エリザ・ベレスフォード

・人種 イギリス人クォーター

・容姿 肩に少し掛かるくらいの長さの金髪縦ロール…要はISのセシリアをちょっと短髪にした感じ

・性格 常に自信に満ちたですわ口調でプライド高くて
    傍から見れば如何にもな自信過剰でよく高笑いする高慢で嫌なお嬢様、と思うだろうけどノブレス・オブリージュ気質
    …強きを挫き弱き者に手を差し伸べる精神、普通に勉強できない奴が居たら教えたり面倒見がいいんだが第一印象で誤解されるタイプ
    一言二言話した程度の浅い付き合いじゃ根は良い奴という本質に気づけない、あとポンコツお嬢様であることも


・特技・趣味 後述のその他に詳しく書きますが読書と学術全般






・その他


 欧州5月祭りと同じ5月1日に生まれた女性、3年間の留学で日本へ来たそれ以降は親との通話で留まるか帰るかで口論になっている


短所・長所↓

短所①【お化けが怖い】
長所①『天才』

子供の頃は絵本のターザンが好きだったけど、成長するにつれて名探偵ホームズ、SF物の小説をよく読むようになった
 幽霊や怪談が心底苦手でよくある戦時中に焼夷弾で焼かれた子供の亡霊が旧校舎に出る的な七不思議なんか特に苦手

『全ての物事は科学的に推理して解き明かせるロジック』で幽霊だと思った物は木の枝に引っ掛かったビニール袋を見間違えたり
欧州の伝承で底なし沼に人を引き摺り込む悪霊ウィル・オ・ウィスプなんかも実は沼から発生したメタンガスの自然発火が原因と科学で照明できたり

ちゃんと科学的に分析・推理すれば幽霊なんて非科学的な存在居るはずないと証明できますわ!と豪語(震え声)している




つまり怖いからこその裏返しで科学や探偵力で死んだ人間が現世で蘇って悪さするとか言うオカルト話はありえないと否定したい


…そんなこんなで科学論文なんかも趣味の延長で読み漁った結果、天才と呼ばれる程に開花した



短所②【料理(英国人級)】

「なっ、馬鹿にしてますの!料理位できますわ、ちゃんと白米だって洗剤で洗ってから天日干しにして炊きますしカップラーメンだってできましてよ!」



留学理由

自分が知らないことを知りたい、書物で学べる事には限界がある
 例えば出版社が出した観光雑誌や旅行記は所詮自分ではない第三者の見聞であって自身の感性とは異なる場合がある

 自分の脚で大地に立って、自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分の肌で感じてそうやって考えてこそ意味があるからというのが信条
日本史や技術を見たくて来た、あと英国より評判が良い食事

親と口論の末、大喧嘩してでも意地を通して海外の見知らぬ地に行くクソ度胸の持ち主

>>85
二人までなら良いよ複数書いても

・名前アリサ・クロウリー
・人種日米のハーフ
・容姿金髪のロングストレートを後ろで三つ編み風に縛ってる
・性格かなり内気で引っ込み思案
・特技料理・裁縫など家庭的なこと全般
・趣味読書や動物と戯れること
・その他彼女の父は現在米軍の高官であり、母と二人暮らしである。父のことは個人的には好きであるが「軍人」という肩書には複雑な思いがある

>>93
ありがとうございます!

名前 アニー・A(アンダーソン)・雪村

・人種 アメリカ人クォーター

・容姿 ブロンドの三つ編みハーフアップの髪型、誰にでもフレンドリーな明るい元気っ子の童顔でにへら笑いが多い所為か子供っぽく見えるけど
     まさにアメリカな体でデカい、普通に男の源四郎よりデカいのが並ぶとすごく目立つ、日本男児涙目である

・性格 『基本的には』誰にでもフレンドリーな明るい元気っ子……それは間違いないけど後述のその他で詳しく書きます

・特技・趣味 野球部で活躍すること、両親の経営するカフェレストランの手伝いをすることが好き


・その他


短所・長所↓
長所①『料理上手』

今の両親が自宅で営業してる喫茶店、頼まれればがっつりしたハンバーグ定食や御膳も出すカフェレストラン寄りの店で
好き好んで手伝うから自ずと料理も上手い、こじんまりした自営業ゆえあんまり知名度は無いけど知る人ぞ知る穴場の味


長所②『基本的には人と仲良くできる』

誰とでもフレンドリーに話せる性格で、人付き合い自体は嫌いじゃない…ただ例外的に何かを盲目的に信じる人が少し苦手



短所①『飛行機が怖い』

飛行機に乗るのが怖い、別に高所恐怖症ではない


短所②『盲目的に何かを信じる人が少し怖い』

盲信的な人は正直に言って何考えてるのか理解できない所があって恐ろしいと思ってる
歴史の授業なんかで「天皇陛下バンザイ」とか言いながら大戦中に神風特攻した人間の話なんかも
初めて聞いた時は困惑した、命をそんなに粗末にできるのか何でそんな行為ができるのか…何故なら彼女にとっては









短所にして最大の欠点&そもそも日本に居る理由

アニー・アンダーソンは米国で暮らしてた、でも今のご両親の雪村家は血のつながりが無い
本当の親はもういない、二人共亡くなった


米国で高収益の裕福層の家に生まれた、でも幼少時代のある年
母親が家にアニーを置いて父親の勤め先に向かった、理由は早く仕事を終える父と共に娘のプレゼントを買う為

その為に職場の貿易センタービルに向かった、そして両親ともに亡くなった




短所③『弱音を悪い意味で誰にも見せない』

明るい元気っ子だけど、その実は闇が深い


飛行機事故のニュースや中東なんかでテロが起きる話題を聞くと一瞬だけ顔が曇る
今お世話になってるご両親や野球部の友達、親しい人に心配かけたくないから頑なに隠そうとする
死んだ親の分まで今生きてる自分はせめて笑って生きようと努めるからこそ泣きたい時に泣かない

胸の内に溜め込む事が多くて、野球部の活動前に胃を痛めたまま出たり
普通に精神科医に診て貰った方がいいのに心配かけたくないからと無理に笑って隠し通そうとする

職場から乙です
アンケートは>>95で願います

サブヒロイン枠なら>>104みたいなのもありですか?
サブだと設定が多すぎて扱いきれない感もあるけど

あっ、じゃあ自分はウィルちゃんに1票を

アンケありがとう

それぞれのヒロインとの話の流れを、休憩中に考えてた。
特に個人的にアニーちゃんはツボだったが、アンケ結果はアリサちゃん>>94で決定。

またいずれ、メインヒロインを安価もしくはアンケで決めます。
(予定ではあと3人だが、もしかしたら増えるかも)

その時に新キャラを候補に乗せるか、今回の落選キャラを再び挙げるのもアリなので。

>>107
アリだよ

アリサ「どうしたの?難しい顔して」

源四郎「む?」

金髪のロングストレート、後ろで三つ編み風に縛ってる少女が話をかけて来る

源四郎「ちょっと緊張してな」

アリサ「分かる。やっぱりそうだよね」

源四郎(あまり社交的には見えないが、オレがガチガチになってる姿に親近感を覚えたか)

源四郎(割とあっけなく声をかけられしまった)

源四郎(…っていうか)

源四郎「むむむむ……」ジトッ

アリサ「え、ど、どうしたの?」オドオド

源四郎「別に」

アリサ「わ、私もあまり人と話するの得意じゃないから…緊張しなくても大丈夫だよ?」オドオド

源四郎「オレは人と話するのが苦手な訳じゃない」

アリサ「あ、ごご、ごめんなさい…」シュンッ

源四郎「……」ジトッ

源四郎(雪の様に透き通るような白い肌。 綺麗な金髪。 茶色と青が混じった瞳。整った顔立ち…そして整った体つき…)

源四郎(なんじゃごりゃ。 超がつく、べっぺんさんじゃ)ドキドキ

源四郎(くそっ!目が離せない!)ジトッ

そのままガン見してしまう

アリサ「ひっ……」ビクビク

担任「ホームルームを始める」

担任「しってると思うが、この学校が様々な人種が集っている」

担任「半分が日本人、残り半分が外国から来たものたちだ」

担任「ハーフやクォーターも多い」

担任「改めて自己紹介をしようと思う。ではひとりずつ」

~~~

担任「では、つづいて…衣旗源四郎さん」

源四郎(……?なんでオレだけ『さん』付け呼びなんだ)

源四郎(おれの素性を知ってるのか?)

源四郎(まあ入学届けには、生年月日も経歴も、正直に書いた訳だし…知ってても不思議ではないが)

担任「衣旗さん?」

源四郎「あ、すいません」ガタッ

源四郎「フーッ…」

源四郎(さて、どんなノリで行けば良いんだ)

安価下1

①大東亜戦争の時と同じノリ。気合マックス

②無難に済ませる
(声と台詞が、緊張でガチガチ)

源四郎「キ、衣旗源四郎デゴザイマス。ヒ、広島県出身デス」

源四郎「趣味ハ、浅ク広ク、何デモゴザレ」

源四郎「長所ハ仁義ヲ重ンジル。短所ハ…多分、気ガ、短イ、カナ?」

源四郎「イ、以後オ見知リオキクダサイ」

プ、ハハハハハハ!

固い固い!

ロボットみたいな口調!

源四郎「……」カァァ

源四郎(やっぱり、いつものノリで行けば良かったか?)

アリサ「クスクス」

源四郎「ん?」

アリサ「あ、ご、ごめんなさい」

源四郎「大丈夫だ。気にしてない」

アリサ「ほっ……」

アリサ(やっぱり緊張してるだけなのね…ジッと見つめられた時は、ビクビクしちゃったけど)

担任「つづいて、アリサ・クロウリー」

アリサ「はい」ペコッ

源四郎(綺麗なお辞儀だ)

アリサ「アリサ・クロウリーです」

シュバッ

源四郎(ん?)

無意識に源四郎は、両方の耳を、手で塞いでいた。

源四郎(な、なんだ?何故オレは両耳を塞いでいるのだ)

アリサ「出身国は―――」

源四郎(早く、早く手を!)

安価下1

①両手が、耳から離れてくれなかった

②両手を、耳から離す

源四郎「おら……ッ」バッ

アリサ「アメリカ出身で、日本人とアメリカ人のハーフです」

源四郎「」

アリサ「昔から、日本とアメリカを行き来してるので、私にとってどちらも母国です」

アリサ「趣味は読書と動物と遊ぶこと。特技は裁縫で…料理も…」モジモジ

アリサ「あまり話のは得意じゃありませんが、こんな私で良ければ、仲良くしてください」ペコッ

パチパチパチパチ!

男子1(今の子、結構可愛かったな)

男子2(普段目立たないけど、隠れファンが沢山いそう)

源四郎「」

源四郎「」

アリサ「ふぅぅ」

アリサ「な、なんとか、切り抜けられたよ」ボソッ

アリサはそっと、源四郎に呟く
しかし

源四郎「……」

アリサ「あの衣旗君?」

源四郎「……」

アリサ(なんだろう。 まだ緊張が解かれてなくて聞こえてないのかな?)

源四郎「……」

源四郎(正直、聞きたくなかった。知りたくなかった)

源四郎(鬼畜米英…)ギリッ

源四郎(汚らわしい血筋)

休み時間

アリサ「……」

アリサ(いきなり男の子と一緒に、ごはん食べるのはさすがに…)

アリサ(でも友達なんていきなり作れないし)

アリサ「あれ?衣旗君がいない…」キョロキョロ

~~~

(食堂にて)

伸一「どうだった2日めは?」

源四郎「よく分からん」

伸一「同じく。まあこれからだよ」

源四郎「……」

源四郎「この学校はアレだ、やたらと美人が多いな」

伸一「うん、分かる。僕のクラスにも可愛い子が沢山いた」

源四郎「近年の日本人は発育も良いな」

源四郎「ハーフや異国の連中も美人ぞろいだ」

伸一「確かに。まあハーフとかクォーターってどういう訳か、綺麗な人多いんだよね」

源四郎「ムカつく話だぜ」

源四郎「さっきもよ、思わず見惚れちまった女子(おなご)がいた」

源四郎「ハーフだったよ。日本とアメリカの」

伸一「あー…えと、つまり」

源四郎「どうしようもない、怒りと憎しみが込み上げてきた」

伸一「あのさ、別に彼女が何かした訳じゃ…」

源四郎「んなこたぁ、言われなくても分かってる」

源四郎「分かってるんだよ。そんな事。言われなくても…」

伸一「おじさん」

源四郎「もうどうしようもねぇんだよ。こればっかりは…」

源四郎(時代に順応するために、この学校を選んだと言うのに…)

伸一「おじさん、部活とかはどうするの?」

源四郎「オレは強化人間だからな」

源四郎「色んな事を反則的にこなしてしまう。これはファアじゃない」

源四郎「少なくとも運動部は止めておく」

伸一「手を抜けば?ほどほどに」

源四郎「努力してる連中に失礼だ」

源四郎「文化部でも入るか…それともバイトでもやるか…勉学に勤しむか」

伸一「バイトって…もうおじさんは、預金通帳が凄い額になってるじゃん」

源四郎「そうなんだよ…だから、あるとすれば文化部。あるいは生徒会とかか?」

源四郎「お前は?」

伸一「まだ何も決まってない」

源四郎「そうか」

源四郎「まあここは東京。遊ぶ場所も沢山ある」

源四郎「それに『浦島会』のメンバーも、この東京には沢山いる」

伸一「浦島会って…おじさんと同じ『強化人間・コールドスリープ被験者』の?」

源四郎「ああ。 特攻隊だった鷹飛さん、人間魚雷の海原さん…他にも精鋭達が大勢いる」

源四郎「放課後は彼らと、遊ぶっていう青春も悪くない」

伸一「まあ、それも悪くないけど」

伸一「そればっかりじゃ、成長できないよ?」

源四郎「むむむ、そりゃごもっともだ」

源四郎「まあ今日は2日目だ。帰りは浦島会の連中に会いに行く」

源四郎「お前も来い」

伸一「はいはい」

今日はここまで
次回またヒロイン安価(あるいはアンケ)とります。

伸一と浦島会の皆とで、ファミレスで夕食をとった源四郎

その晩、ある夢を見る。
懐かしい記憶だった

~~~~~

高嶺之 花「源四郎さん、出征おめでとうございます」

源四郎「高嶺乃さん。身に余るお言葉光栄です」

源四郎(うわぁぁ。今日も高嶺乃さん、めちゃくちゃ可愛いいぃぃぃ)

源四郎(あまりの美しさで直視できん!それと何だあの胸は!?この戦時下において良くあそこまで!!)

高嶺之「いってしまうのですね。まだわずか15歳になったばかりで」

源四郎「はい。この命。日本を天皇陛下をお守りする為に、燃やし尽くす決意であります」

ギュウゥゥ

源四郎「」

源四郎(な、なんだ!?なぜオレは高嶺乃さんに、真正面から抱き着かれているんだ!!?)

高嶺之「ねぇ、源四郎さん」

高嶺之「一緒にどこか遠い所へ逃げましょう?」

源四郎「」

源四郎「何をいうか。そんなの非国民だ」

源四郎(一瞬、それも良いかと思った自分が恥ずかしい)

源四郎(だってこんなにも綺麗な同級生に言い寄られたら…)ドキドキ

源四郎「大体あんたは良家の娘だろ。愚かな事を言うな」

高嶺之「立場を捨ててでも、貧乏になってでも、貴方のそばにいたいの」

高嶺之「家の都合で婚約者もいるけど、私には関係ない。貴方に尽くしたい」

源四郎「離してくれ。オレには闘い守る以外、道はないのだ」

源四郎(ずっと一緒にいたい。抱きしめたい)

幸子「あーー!まーたイチャイチャしてる!」

源四郎「幸子…」

幸子「この浮気者め!」

源四郎「いつからお前と結婚した」

幸子「あんたと私は幼馴染。だからずっと一緒でしょ!」

源四郎「勝手な」

幸子「……私じゃ不満?」ウルウル

ギュウゥゥゥ

源四郎「お前まで…抱きつくのやめろ。右腕を離せ」

源四郎(幸子…お前が結構、モテてるのは知っている)

源四郎(実際、オレにはもったいない位美しい)

源四郎「お前にはもっと相応しい奴がいる」

幸子「あんたじゃなきゃイヤ!!なんならアタシも戦場にいく!」

高嶺之「私も!!お供します!!」

源四郎「二人ともバカな事を言うな」

源四郎(来て欲しい。でも危険な目に合わせたくない)

ギュゥゥゥ

源四郎「ん?」

源四郎(今度は誰かが、左腕を掴む)

貴美子「せ、先輩…いかないで…」

源四郎(後輩の貴美子…)

貴美子「私と一緒に、何処かへ逃げましょう?」

源四郎「お前までそんな事を…」ナデナデ

貴美子「ああ…それ好き。ずっとナデナデしてほしい」

源四郎「これが最後だ。お前には別な男と一緒にいた方が幸せだ」

源四郎(違う。オレの側にいてほしい。ずっとナデナデしていたい)

ムギュウゥゥゥ

源四郎「」

源四郎(背中に二つの柔かい何かがあたる。これは…)

蘭「わっちでありんす、源四郎はん」

貴美子「でたアバズレ」

高嶺之「遊郭のお方ね」

幸子「わたしの源ちゃんを誘惑するな下品アバズレ!」

蘭「アバズレだの下品だの乱暴な…これでもわっち、凄く売れてるんでありんすよ?」

蘭「でも源四郎さんがわっちを選んだら…」

蘭「身も心もすべて、貴方様に捧げます。だからわっちを…」

源四郎「あんたなら引く手あまただろうに。オレは戦地へ赴くのだ」

源四郎(遊郭…いきたかったなぁ。筆下ろしさせてほしかった)

高嶺之「いやだ!いかないで源四郎さん!」ギュゥゥ

幸子「ぜったいに離さないぞ源ちゃん!!」ギュゥゥ

貴美子「ずっとナデナデして!」ギュゥゥ

蘭「源四郎さんと、子供10人を生み終えるまで離さないでありんす」ギュゥゥ

源四郎「離せ、貴様ら非国民呼ばわりされるぞ」

源四郎(ああ、みんなとずっと側にいたい)

源四郎(なぜ戦争なんかがこの世に…)

~~~~~

ジリリリリン

パチッ

源四郎「んんん…」

目覚ましを消す

源四郎「懐かしい記憶が夢に出るとは」

源四郎(彼女達はあの後、どうしたのだろうか。最後にあったのは出征日の駅ホームだが)

源四郎(夏休み、広島に帰省したら行方をおってみるか。弟のように奇跡的に生き延びた可能性もある)

ガチャッ

伸一「おじさん、朝ごはんできたよ」

源四郎「あいよ」

源四郎「……」モゾモゾ

伸一「……朝から凄い事になってるね」

源四郎「ま、男だしな。あんま見るな」

(3日目。1年A組)

担任「いまから集会にて部活紹介を行う」

担任「放課後、好きな部活を見学すると良い」

はーい

源四郎(部活か)

アリサ「何か入ったりする?」

源四郎「あぁ!?」ギロッ

アリサ「ひっ…!」ビクビク

源四郎(鬼畜米英め)

源四郎(……なんだよビクビクして。オレが悪者みたいじゃねぇか)

源四郎「なんだよ」

アリサ「あの、なにか、部活…」オドオド

源四郎「まだ何も決まっとらん」

源四郎「ただ運動部は多分、入らないだろう」

アリサ「あ、じゃあ文化部?私も考えてるんだけど」

源四郎「知らん。先のことなど知らん」

日中、部活紹介を終え、放課後に部活の見学を行う。

源四郎(運動部には入部しないと決めてたが、あとで見学位するか)

源四郎(それより文化部をみるか。部活だけでなくクラブもあるようだが)

伸一「この学校はいっぱい部活とかクラブがあるから迷うね」

源四郎「うむ、そうだな」

※安価下1~3まで
(正当な文化部から、小規模なクラブ。ラブコメ特有の変な部活まで…好きなの書いて下さい)

今日はここまで
安価は下1~3まで

伸一「まずは新聞部から…」コソコソ

源四郎「どうした。そんな覗き見する様にしなくても、堂々と入れば良いだろう」

伸一「ええ…だって、なんか『入部してくれって』ってしつこく、せがまれそうだし」

源四郎「まだ考え中だと伝えれば良いだろう」

伸一「ええ…だって、言い辛いし」

源四郎「だってもへったくれもない!いくぞ!」

伸一「す、ストップ!おじさんストップ!」ガシッ

源四郎「なんじゃ!男がビビッてんじゃない!」

~~~

源四郎「ったく、仕方がねぇな」コソコソ

伸一「ほっ…」コソコソ

強化人間の源四郎が、伸一の腕を振りほどくなど造作もない。
だが仕方なく伸一の思いを汲む。

源四郎「全くつくづく、お前さんは弟にそっくりだよ」

伸一「僕が、ひいじいちゃんに?ふーん」

源四郎「もっと昭和の男らしくなれ」

伸一「ひいおじいちゃんも昭和の人間でしょ?」

源四郎「ふーむ、外から覗く限り結構、真面目にやってそうだな」

伸一「うん」

源四郎「将来的に考えても良い勉強になりそうだ。悪くない」

伸一「でも、つまらなくない?なんで放課後に、また授業みたいな事しなきゃなんないの」

源四郎「お前、将来は海外で働きたいんだろ?勉強になると思うが」

伸一「うっ、それを言われると」

源四郎「それに、良い感じの女子がいるぞ」

伸一「え」ドキッ

源四郎「よし、いくか」

伸一「ちょ、ちょちょ!ストップストップ!」

源四郎「なんだよ…全く、根性ねぇな」

源四郎(新聞部に入れば取材とかで、色んな地域や、広島にも行くやすくなる)

源四郎(昔、仲良かった女子たちの行方も調べられるかもしれんと)

源四郎(ま、そんな事は個人的に、夏休み使って調べることもできるが)

源四郎(……とはいえ新聞部。悪くないとは思うが)

源四郎「次は文芸部か」

伸一「これは面白そう」

源四郎「お前も結構、本よんだりするもんな」

伸一「うん」

源四郎「お、またしても、麗しき女子が…おお、結構いるな」

伸一「ええ!嘘だろ!?ああいう場所って、大抵は地味な男たちの巣窟じゃ…」

源四郎「嘘じゃない、さあいくぞ」

伸一「待て待て待て!!」

~~~~

源四郎「なにが不満だ」

伸一「だって可愛い子が多かったらドキドキしちゃうじゃないか」

源四郎「良いじゃないかドキドキして。お前もとっと結婚し子供作って、ひいじいちゃんに見せてやれ」

伸一「話が飛躍しすぎ!」

源四郎「ここは…なんだ? 『異性間交流部』?」

伸一「あまり良い噂を聞かない場所だ」

源四郎「何か聞いてるのか?」

伸一「通称合コン部。不純異性交遊してる場所だとか…」

源四郎「ようするにヤる場所って所か」

源四郎「……悪くない」

伸一「おじさん。前から思ってたけど、性に関しては正直だよね」

源四郎「だがそんな事をして、もしバレたら、オレやお前の将来に響く」

伸一「まったくだよ」

源四郎「どれ、次の部活見学へいくか」

伸一「うん」

源四郎「………」

源四郎「百聞は一見しかず!せめて一目でも見ておこう」サッ

伸一「え!?」

源四郎「お、またしても可愛い子がいるな」

伸一「……」ドキドキ

源四郎「でもなんだ…各々が自堕落に…」

伸一「じ、自堕落に…!?」ドキドキ

源四郎「うん、遊んでるな見事に」

伸一「」

源四郎「でも学校でやる必要あるのか?まるで友達の」

伸一「も、もう良い!ここはやっぱり危ない!次次!」

源四郎「あ?ああ…」

源四郎「本当にただ遊んでるだけの、中身の無い部活だったな」

源四郎(でもまあ若い頃、そんな青春も歩んでみたかった)

(次の日)

アリサ「入る部活。決まった?」

源四郎「……」

アリサ「あ、あの」

源四郎「ああ?」ギロッ

アリサ「ひぃぃ!」ビクッ

源四郎「……まだ何も決まってない」

アリサ「そ、そうだよね」

源四郎「そっちは?」

アリサ「調理部か…手芸部か、悩んでる」

源四郎「ふーん」

アリサ「てっきり衣旗くんは、野球部か柔道部に入るのかと思ってた」

源四郎「文化部しか入らんって言ったろ。それより、なぜその二つ?」

アリサ「きれいな坊主頭だし」

源四郎「坊主なのは…まあ、こっちの方が馴染んでるんでな」

(数日後)

源四郎(授業も本格的に始まり、そろそろ学校にも慣れたい所だが)

源四郎(未だに友達がいない)

今度こっそり、クラブ初体験、行っちゃおうぜ!

ウェェィ!ウェェィ!

源四郎(現代日本人のノリが良くわからん)

イェェェア!ミーも行くね!アゥゥ!

マジ?さっすがアメリカン!ウェェィ!ウェェィ!

源四郎(それと外人が多いせいか、外国人特有のノリにもついてゆけん)

ゲタ!お前も行く?

おーいゲッタン!

源四郎(ゲタ?はて…そんな奴このクラスにいたか?)

アリサ「衣旗くん。呼ばれてるよ?」

源四郎「え、ゲタっておれの事か」

チャラ男1「いっつも下駄はいてるじゃん」

チャラ男2「だからゲタ。ウェェィ!」

チャラ女1「ゲッタンも行っちゃう~?」

アメリカン男「イッちゃおうぜブラザー!アゥゥ!」

アメリカン女「一緒に楽しんじゃおう!アゥゥ!」

源四郎「」

源四郎(駄目だ。アメリカ人が混じってるのとか関係無しに、こいつらとは馴染めん)

アメリカン女「ねぇ、アリサもレッツゴーよね?」

アリサ「え」

アメリカン男「アリサはたしかハーフだっけ?可愛いよね~」

チャラ男1「あんまアメリカンな性格じゃないけどな」

チャラ男2「でも良いんじゃね清楚で」

チャラ女1「んじゃ今度は、派手派手に大変身しちゃう?ハーフだし何でも似合うよきっと!」

アリサ「あ、ごめん…気持ちは嬉しいけど、クラブとかはちょっと…」オドオド

全員「ウェェィ!ウェェィ!」

アリサ「……」オドオド

源四郎「その辺にしておけ」

全員「え」

源四郎「そいつはクラブとか行きたくないと言っている。ノリで強引に誘うな」

源四郎「バカもんが」

全員「……」

アメリカン男「オー…ソーリー」

アメリカン女「楽しく生きられない人達は可哀そうネ」

チャラ男1「なんだよ。やっぱお堅いキャラなのかよ」

チャラ男2「一生、下駄でもはいてろ」

チャラ女1「ゲッタンのバーカ。折角、アリサともども、派手派手に変えてあげようと思ったのに」

源四郎「あんな品の無い連中と付き合ってられるか」

アリサ「ああ、あの」

源四郎「ん?」

アリサ「さっきはありがとう…」モジモジ

源四郎「貴様はあの連中と人種が違うようだからな」

アリサ「え?でも私は日本人でアメリカ人だし…人種的には間違ってないけど」

源四郎「そういう意味じゃない。今風で言うとタイプが違うと言いたいんだ」

アリサ「ああ!そっか…フフ、ありがとう衣旗くん」

源四郎「ふん」

(放課後)

源四郎「さて放課後になったが」

伸一「そろそろ、部活を決める?」

源四郎「そうだな。とりあえず入部して」

源四郎「続けるかどうかは、あとで考えよう」

伸一「うん」

アンケート(部活は何が良い?)
※締め切りは、4月6日深夜00時まで

①可愛い子が多い『新聞部』
②意外にも可愛い子が多い『文芸部』
③謎に満ちた(?)『異性間交流部』(通称合コン部)

※ その他、もし何かアイデアがあれば書いてってね

今日はここまで

【文芸部の部室前】

源四郎「図書室のすぐ近くで、準備室の隣か」

源四郎「よし入るぞ」

ガララッ

源四郎(む、今日は1人か。以前こっそりと見学した時はもっといたが。まあいい)

源四郎「失礼します!」

??「……?」

源四郎「お初にお目にかかります。1年A組の衣旗源四郎でございます」

??「……」

深く頭を下げる源四郎、本を読んでいた少女は、栞を本に挟んで閉じる。

??「……」

【ヒロイン安価】
部員(二人目のヒロイン)です。
簡潔にお願いします。(過去のレスに上がった、ヒロイン候補をあげるのもOK)

・名前

・人種
※今回は純粋イギリス人か、日英のハーフ&クォーター
前回がアメリカと日本のハーフだったので

・容姿、体型など
(髪色は二次元キャラ基準なので何でもOK)

・性格

・特技

・趣味

・ その他

安価は>>196

・名前 岸波 マリー

・人種 日英ハーフ

・容姿、体型など
金髪茶眼、150後半の身長、全体的にスラッとしているが出るとこは出ている

・性格
陽気で明るい性格。細かいことは気にしない。
物事の選択肢はその時のノリと気分で決める。

・特技
身体を動かす事、ムードメーカー

・趣味
カラオケ、ダンス

・ その他
異性との経験がなく、迫られると弱い。自称尽くす女

>>196
OK。

髪型はどうしますか
安価下1

(長さ、髪質、髪型など)


マリー「あ、もしかして新入部員?」

マリー「私は岸波マリー!この文芸部の一年生よ!」

マリー「よろしくね!」

源四郎「……」

源四郎(それにしてもこの学校は美人が多い)

源四郎(目の前にいる彼女も…憎たらしい程に、とにかく美しい)

源四郎「同じ一年か」

マリー「ええそうよ」

源四郎「……ハーフ?」

マリー「この学校でハーフなんて珍しくないでしょ?」

源四郎「ドコとドコのハーフだ?」

マリー「イギリスと日本」

源四郎「……」ギロッ

マリー「ちょっ、なによ!?怖い顔して!」

源四郎「別に」

マリー「驚かさないでよ、もう」

源四郎(ま、どうせ、どの部活にもアメリカ人もイギリス人もいるだろうしな)

源四郎「ごほん。それよりもう一人、紹介しておこう」

マリー「?」

源四郎「オレの後ろにいるのは、衣旗伸一」

源四郎「オレの又甥の」

マリー「え、また又甥???」

源四郎「間違えた。同級生で従兄弟だ」

源四郎「さあ、挨拶しろ」クルッ

源四郎「ん??」

マリー「誰もいないよ?」

源四郎「あんの根暗のアホんだらが…ビビって逃げやがったな」

マリー「ふふふ、面白いねキミ!」

源四郎「先輩たちは?」

マリー「さあ、今日はお休みなんじゃない?」

マリー「文化部なんて、吹奏楽や演劇とかでもない限り、ゆるーい部活ばっかりだし」

源四郎「そうか」

マリー「とりあえず、紅茶とスコーンでもいかが?」

~~~

源四郎「イギリス人は本当に、紅茶が好きなんだな」ズズッ

マリー「緑茶と煎餅のほうが良かった?」

源四郎「いや、貰える物に贅沢は言わん」

マリー「ふーん」

源四郎「ん?」チラッ

マリー「どうしたの」

源四郎「いや、いま誰かいたような」

マリー「気のせいじゃない?」

源四郎「……」

源四郎(伸一か?いや。わざわざ引き返して戻ってくるわけ無いよな…)

マリー「ふんふーん」

源四郎(しかしまあ、英国人とは何となく、勝気かつ頑固なイメージあったが、割とさっぱりしてるな)

源四郎(それと、あまり読書家には見えないが…)

マリー「きみはどんな本を読むの?」

源四郎「む?そうだな」

源四郎「割と何でも読む」

源四郎「宮本武蔵、新撰組…忠臣蔵とかな」

マリー「…??えと、時代劇的なの?」

源四郎「他には歴史本」

源四郎「ニセ情報ばかりの教科書などとは違い」

源四郎「歴史の『真実』が語られている内容のな」ジッ

源四郎「……」ギロッ

マリー「ちょ、怖い怖い!なんでいちいち睨むの!?」

マリー「えっと、他には?できれば堅苦しくないので」

源四郎「んー」

源四郎「従兄弟の伸一がよく読んでる…ライトノベルってやつは面白かったな」

源四郎「そーどあーと?何たらとか、ちゅうにびょうでも?何たらとか。 まあ割りと面白かった」

源四郎「あとは…タイトルが長すぎで、覚えておらんな。最近流行の本は題名がくどいし、無駄に長い! ま、面白かったけど」

マリー「えっと…従兄弟の伸一君って人は、いわゆるオタクッて奴なのかな?」

源四郎「おたく?お宅の…なんだ。どういう意味だ?」

マリー「ええー…」

マリー(なんかズレてそうだな~この男子)

源四郎「お前は何を読むんだ」

マリー「え、私?」

源四郎「見た感じ、あまり読書家では無さそうだが」

マリー「失礼な!私はね!」

マリー「>>206

安価下1
①こう見えて読書家よ。私は何でも好きなの!。
②日本の漫画が大好きよ!(ドヤ顔)
③その他(何か台詞を入れてください)

1

マリー「こう見えて読書家よ。私は何でも好きなの!」

源四郎「……」ジーッ

マリー「信じられてない!」ガガーン

源四郎「ふん、まあいい。どんなの読むんだ?」

マリー「何でも読むわ」

源四郎「ほう。好奇心が旺盛なのは良い事だ」

源四郎「で?いま手に持っている本は何を読んでいる」

マリー「えと///れ、恋愛小説とか///」モジモジ

源四郎「ふーん」

マリー「反応薄!」

源四郎「恥ずかしがる物でもないだろ?」

源四郎「恋愛とは誰もが夢見る物だ」

マリー「そ、そう?」

源四郎「ああ」

マリー「そ、そうやって、言ってくれるの、結構うれしいな」モジモジ

源四郎「ん?」

マリー「私、スポーツとか得意で、高校に入るまでは体動かしてる時間の方が多かったし」

マリー「高校に入ってからは、前に友達とクラブで遊んだ事もあったけど」

源四郎「お前あんな下品な所に行ったのか」

源四郎「アバズレめ」

マリー「ひどい!ビッチじゃないし!」

源四郎「おれはアバズレと言ったんだ」

マリー「似た様なもんでしょ!?」

マリー「っていうか、私エッチな事したことないし!」

源四郎「どうでもいい」

マリー「良くない!」

マリー「まあダンス自体は楽しかったけど、行く度に迫ってくる男の人が多くて…」

マリー「多分、もういかない」

源四郎「ふーん」

マリー(それにしても、凄く仏頂面ねこの人)

源四郎「おれから言わせりゃ、あんな下品な所に行く時点で、充分問題がある」

マリー「もう何よ!初対面なのに、いちいちいう事が辛辣ね!」

源四郎(貴様が米英の、鬼畜の血を引いてる事を恨むんだな)ギロッ

マリー「あ!また意味も無く睨んできた!」

源四郎「とりあえず、入部の件はまだ保留だ。従兄弟を説得してくる」

源四郎「それでは今日の所は、おいとまいたします。失礼しました」

マリー「本当に失礼な男よ!」

(帰り道)

鷹飛「おーい源ちゃん」

源四郎「鷹さん。奇遇ですね」

ホスト風の男「だれこの人」

鷹飛「ああ、組織は全然違うが、元帝国陸軍の特別少年部隊の…」

ホスト風の男「ああ、この人もおじさんと同じ」

鷹飛「ああそうだ。おれと違い陸軍だけどな」

ホスト風の男「あ、おじさんは特攻の方か」

源四郎「む、身内ですか?」

鷹飛「ああ、おれの兄貴の血筋で…又甥だ」

ホスト風の男「ちーす」

源四郎「おう」

鷹飛「これから又甥と、クラブに行ってくる」

源四郎「キャバクラの次はクラブか。相変わらず特殊な社会勉強してんなアンタも」

鷹飛「まだあの空気には馴染めそうに無いけどな」

鷹飛「でもまあ家でゴロゴロするよりマシだと思って、な」

ホスト風の男「つーか、おじさんのダチも、やっぱゲタはいてんだな」

源四郎「まあ、これが俺達の青春だし」カラコン

鷹飛「大和民族ならやっぱ下駄だろ」カラコン

ホスト風の男「服装もなんか、昔の国民服っぽいし」

鷹飛「ワークマンで買ったんだぞ!最近はワークマン服でおしゃれする奴が増えたって教えてくれたじゃないか」

ホスト風の男「いやまあ言ったけどさ、着こなしに問題が」

源四郎「鷹さんもワークマンか!やっぱワークマン良いよな!」

鷹飛「ああ!大きめのホームセンターでも結構良いのあるぞ」

源四郎「ほう、今度行ってみるか」

ホスト風の男「どんだけワークマン好きなんだよ」

ホスト風の男(本当、戦中の男がまんまタイムスリップした様な感じだぜ)

鷹飛「源ちゃんもクラブに来るかい?」

源四郎「いや。オレは…あんな下品な所」

鷹飛「何事も経験は大事だ」

源四郎「そりゃごもっともだ。だが駄目だ。あの客たちを見てると無性に腹がたってくる」

鷹飛「気持ちは痛いほど分かる」

ホスト風の男(分かっちゃうのかよ…)

鷹飛「…だがそれは、おれが昔の価値観しかない人間だからだ」

鷹飛「残りの余生、オレは時代に適応できるように、挑み続けたい」

源四郎「ですが、あんな場所にオレは…遊郭ならいいけど…」

ホスト風の男(あ、遊郭はいいのね)

源四郎「……」

鷹飛「ま、機会があったら、また会おうぜ」

源四郎「ええ、またいずれ会いましょう」

(寮に帰宅後)

源四郎「バカもんが。敵前逃亡しよって」

伸一「だって女の子しかいないとか、恥ずかしいし…」ペラペラ

源四郎「ライトノベルみてないで、おれの話を聞かんか!」シュバッ

伸一「あ、返せよ!」

源四郎「……面白そうだからオレが借りておく」ペラペラ

伸一「おい老害」

源四郎「明日は部室に来い!」

源四郎「でなければ、おれが勝手に入部届けだすぞ」

伸一「えー…」

源四郎「それが嫌なら、何が自分で決めてみろ」

伸一「決めろって…」

伸一「おじさんは昔、剣道やってたんだよね」

源四郎「ああ。剣道部と…あと生徒会を掛け持ちでやっていた」

伸一「ふーん、剣道部とかけもちで…えええ!?」

源四郎「なんだ知らなかったのか」

伸一「剣道で全国大会に行ったのは聞いてたけど」

源四郎「生徒会長もやったぞ。日の丸ハチマキ付けて演説したのが懐かしい」

源四郎「ま、戦争で途中からオレは沖縄へ行って…事実上休学だ。生徒会長職も、副会長に会長代理として明け渡した」

伸一「……」

源四郎「おれは既に生徒会を経験してるからな」

源四郎「また生徒会に入る事も考えたが、せっかくの人生だ」

源四郎「今度は違う道を行く」

伸一「……」

源四郎「とにかく、お前も何か入れ」

伸一「うん…」

(部室の前)

源四郎「さあ、ついたぞ」

伸一「あ、おじさん」

源四郎「なんだ、また逃げる気か」

伸一「あのもう少し考えても良いかな?」

源四郎「またそうやって逃げる口実を」

伸一「違うんだ!その…僕もおじさんの様に、今までやったこと無い事がしたいというか」

源四郎「ん?」

伸一「僕も中学時代、剣道やってて」

伸一「まあその、源四郎おじさんにも随分、鍛えてもらったし」

伸一「遊ぶときも、買い物の時も、いつもいつも…一緒だった」

伸一「だからこそ、たまにはおじさんと違う道を歩むのも…」

源四郎「……」

源四郎「良く言った!!」

源四郎「ずっと本当の兄弟の様に一緒にいたが、いつまでもそれじゃ駄目だからな」

源四郎「早いうちに結論だして、おれに報告しろ」

伸一「うん」ギュッ

伸一は手に握られたプリントを、クシャッと握る

ガララッ

源四郎「失礼いたします!」

マリー「あ、結局また来たのね」

源四郎「結局とは何だ。おれは従兄弟を説得しに行っただけだ」

マリー「それで、その従兄弟君は?」

源四郎「ああ、あいつは別の道を歩みたいと言っていた」

マリー「読書好きなのに?」

源四郎「ああ。まあアイツなりに何か考えがあるのだろう」

マリー「ふーん」

??「おや、新入部員君かな?」

源四郎「む?今日は他にも人がいるな」

??「はじめまして」

髪は茶色、紙の長さはロング。髪型はワンサイドアップ
身長は160cm台

源四郎(またしても、とんでもない美人きたな)

源四郎(でもどうせまた、連合国の末裔なんだろうな…)

??「自己紹介、しよっか!」

モニカ「うちの名前はモニカ。よろしく」

両手で、源四郎の手を握り締めてくる。
更に、半分露出した大きな胸を押し当ててくる

源四郎「ッ!?ぐああああ!!!」

モニカ「んん?どしたし」

源四郎「あ、あの近い…」ドキドキ

モニカ「あらら、欲情しちゃった?」ペロッ

舌を出して唇をなめ回す

源四郎「ぜぇぜぇ……!」

マリー「モニカ先輩ハレンチ過ぎぃ!」

源四郎(え、エロい女は…嫌いじゃない…ぶっちゃけ体は好みだ)

源四郎(だが、この女もまた、連合国の血筋の者なのだろう)

源四郎(この欲望に忠実そうな感じ…アメリカ人か?)

モニカ「あなた、純粋日本人?」

源四郎「いかにも」

モニカ「そうなんだ!うちはね」

モニカ「イタリアと日本のハーフなんだ!良く美人だねって言われる!」

源四郎「」

源四郎「なん…だと…」orz

源四郎はその場で崩れ落ちる

マリー「ちょ、どうしたの!?」

モニカ「あれれ、どしたし?スカートの中みたいのかな?」ニヤッ

源四郎(このアバズレが…我が大日本帝国の同盟国・イタリアの末裔…)

モニカ「んん?そんなにウチのパンツがみたいのかな??」ニヤニヤ

源四郎「しかも化粧が濃い…濃すぎる…」

モニカ「え、うちのメイクが濃い?そりゃギャルメイクだもん、当たり前過ぎだし!」

星野モニカ。イタリアと日本のハーフ。
彼女はいわゆるギャル系である。

モニカ「あ、もうこんな時間!」

モニカ「そろそろ掛け持ちしてる方の部活に顔出してくるね!」

源四郎「あ!おれの名前は」

ガララ

マリー「行っちゃった」

源四郎「おい、なんだあの淫売は」

マリー「我が文芸部の部長」

源四郎「はぁぁぁ!!?」

マリー「信じられないでしょ?でもあの人ああ見えて、かなり読書家だからね」

源四郎「し、信じられん…そして複雑だ」

源四郎(あれが部長で…しかも、同盟国の末裔…)

源四郎(だが同盟国である以上、不遜な態度は控えるとしよう)

源四郎「いったい何部と掛け持ちしてるんだ?」

マリー「家庭部」

源四郎「またしても意外な一面が…」

マリー「あの人、料理好きだし」

ガララ

マリー「あ、別な先輩がきた!」

源四郎「ん?」

??「失礼する」

黒に近い茶髪、ロングヘアで、身長はおおよそ165cm位。
スレンダーな体型をした女性が歩いてくる。顔立ちはかなり整っている。

源四郎「……」ジロッ

そしてなぜか、制服の上に、ロングの白衣を着ている

源四郎「えっと…なぜそんな長い白衣を」

??「好きな服を着たいと言うのは、人類の共通認識ではないかね?」

源四郎「む、いかにも」

??「ふむ、そしてキミもまた、好き好んで、この部を選んだ訳だ」

??「個体名称は?」

源四郎「は?」

??「人間という個体には必ず名前があるはずだ」

源四郎「ああ、おれは、衣旗源四郎です。1年A組です。以後、お見知りおきを」

ヴェロニカ「2年A組のヴェロニカだ。よろしく」

ヴェロニカ「科学部と掛け持ちしている」

源四郎「ああ、うん。見るからに科学者だな」

ヴェロニカ「……」

源四郎(科学…アメリカと言えば科学大国)

源四郎(まさかこの先輩も)

ヴェロニカ「ふむ」サスサス

源四郎「なっ!?」

ヴェロニカは、源四郎の体のあちこちを触ってみる

ヴェロニカ「見た目は細いが、意外と筋肉質だな。いやかなり鍛えてある」

源四郎「一体何を…!?」

ヴェロニカ「ふむ、文化部に入る位だから、あまり筋肉質でなく、柔かい筋肉なのだろうと思ってな」

ヴェロニカ「だが予想を裏切られた。人は見かけによらないな」

源四郎「おれの体をさする必要性は」

ヴェロニカ「私は科学が好きだ。時々、実験に使う道具を持ち運ぶのでな」

ヴェロニカ「私は貧弱だ。そして悔しい事に胸も貧乳だ」

源四郎「えっと、つまり…?」

ヴェロニカ「時々、実験道具の持ち運び手伝ってほしい」

源四郎「それくらい構いませんが…いきなり男の体を触るのは誤解を生むから止めておくべきかと」

ヴェロニカ「む、心配してくれてるのか、ありがとう」

ヴェロニカ「ま、私の『もう1つの祖国』に比べれば、この程度のボディタッチなど大した事ないけれどな」

源四郎「もうひとつの祖国…あんたもやっぱりハーフか?」

ヴェロニカ「私はドイツ人と日本のハーフだ」

源四郎「」

ヴェロニカ「そして私の家系は代々、科学者だ」

ヴェロニカ「科学を心から愛している。科学より至高なものなどない」

ヴェロニカ「そろそろ実験がしたくなった。今日はこの辺にして、科学部へ戻る」

ガララ

源四郎「」

源四郎「」orz

マリー「大丈夫?今日で二度目だよ、四つん這いになるの」

源四郎(ドイツ…ああ、なるほど。納得したよ。全て納得した)

源四郎(ナチスドイツ…アウシュヴィッツ…)

源四郎(まさかヒトラーが、ナチスが裏で、あんなおぞましい事をやっていたとは)

源四郎(同盟国ではあるが…数年前に読んだ雑誌で、色々と裏切られた気分になったのを今でも覚えてる)

源四郎(あれじゃ鬼畜となんら変わらん。当時のユダヤ人の気持ちを思うと、胸が張り裂けそうだ)

マリー「おーい」

源四郎(……まあ、ヴェロニカ先輩が何か悪い事をした訳じゃあるまい)

マリー「おーい」ゲシッ

源四郎「ッ!?何をする、蹴るな!」

マリー「だって何回呼んでも無視するんだもん!」

源四郎「ふん、暴力女が」

マリー「ああ!?」

源四郎(まあ、一応同盟国だし…礼儀は尽くしておこう)

源四郎(正直、警戒はするけど)

マリー「うがー!誰が暴力女だー!」プンスカ

源四郎「だまれ鬼畜生」

マリー「ちょ、酷すぎ!?」

(翌日・全校集会にて)

ガヤガヤ、ガヤガヤ

伸一「おじさん、文芸部の方はどう?」

源四郎「美人ばかりだ」

伸一「やったじゃん」

源四郎「だがアバズレと、マッドサイエンティストがいるな」

伸一「は?」

源四郎「鬼畜生もいるな」

伸一「えと、大丈夫なの文芸部…?」


源四郎「ふん、別にビビって何かいねぇよ」

~~~

源四郎(最近の学生は、集会中に寝る者も少なくない、けしからんな)

伸一「zzz…」

源四郎(お前もか、全く情けない)

教員「続いては、生徒会の会長からご挨拶です」

伸一「zzz…ハッ!生徒会のお話か…!」

源四郎「うぉ!?なんだ起きたのか」

源四郎(…?なんだ、そんなに生徒会の話が聞きたいのか)

コツコツ…コツコツ…

???「みなさん、おはようございます」

???「生徒会会長の○○です」

源四郎(ん?あれは…純粋日本人か)

黒髪ロング、バランスの取れた体つき、程よい高さの身長
何よりも彼女は、とびっきりの美人だった

男子生徒1(やっべ可愛い///)

男子生徒2(お近づきになりたい~///)

源四郎(んん?なんか、どこかで見たような…??)

伸一「」ポーッ

伸一「な、なんだあの美人…この学校には美人多いけど、あの人は破格の美しさだ…///」ボソボソ

源四郎(ほう、伸一のドストライクか。よし、伸一の恋路を全力で応援し、手伝うぞ!)

源四郎(それにしても、誰かに似てるんだよな…誰かに)

生徒会長「この学校は、多数の国家から来た人々、またハーフやクォーターの方々が多くいます」

生徒会長「時代は21世紀。しかし、まだまだ戦争や紛争が消える事はありません」

生徒会長「私たちは、この学校で多くの事を学び」

生徒会長「真の世界平和を目指そうじゃありませんか!」

パチパチパチパチ

伸一「良い演説だ」

源四郎(真の世界平和…か、いつか訪れると良いが)

生徒会長「そのためには、まず私たちは…人類が皆、過去の歴史を、反省しなければなりません」

源四郎(うん、反省は大切な事だ。米英には必要な事だ)

源四郎(アジアの治安を守りし日本を、戦争の道へと仕向けるように煽った中国も)

源四郎(そして今なお、ある事無い事ふき込み、ニセ歴史を主張し、それに同調する愚かもの共も)

生徒会長「そして当然」

生徒会長「私たち日本人もまた、大きな反省が求められます!」

生徒会長「太平洋戦争は…それは悪です」

生徒会長「日本人は昔、侵略戦争をしたのです。アジアの方々に迷惑をかけました」

生徒会長「その因果が巡り巡って、本土への悲惨な末路へと繋がっているのです!」

生徒会長「憎しみが憎しみを呼ぶ。悲しい話です」

生徒会長「私たちは、もう過去の過ちを冒しません!」

パチパチパチ…!

全員(良い演説だ)

拍手が喝采するなか、ある1人の人物は顔面が真っ青になっていた

伸一「あ…ぁぁ…」ガクガク

伸一は怯えていた

伸一「生徒会長…な、何て事を…」ガクガク

伸一の怯える理由は、ただ1つ
すぐ隣にいる男から発せられる、ドス黒いオーラだった

源四郎「」

伸一「お、おじさん…どうか、落ち着いて…」

源四郎「」ポタポタ

伸一「え、血?」

ふと床を見ると、血が滴り流れ、赤くしていた

源四郎「フー…フー…」ピキピキ

源四郎の目から、額から、血が流れていた。

源四郎「大東亜戦争が…悪だと…?」フルフルフル

伸一「おじさん、頼むから堪えt」

源四郎「それは違う。断じて、断じて」ボソッ

小さく呟いた、そして今度は大きな声で叫ぶ

源四郎「断じて違がああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」

全員「ッ!?」ビクッ

生徒会長「っ!?」ビクッ

源四郎「違…んん!!!モゴ!!モゴ!!!」

伸一は両手で、源四郎の口を抑える

伸一「おじさん!今は集会中!」

源四郎「フー…フー…!!」

男子生徒1「なんだなんだ!?」

男子生徒2「おい、あいつ血を流してるぞ!?」

女生徒1「あ、良く見たらゲッタンじゃん!」

女生徒2「本当だ!下駄クンだ!」

モニカ「あれ、新入部員の…」

ヴェロニカ「どうした?人体の異常でも起きたか、何が原因だ」

アリサ「あわわわわ、大変!衣旗くんが血まみれに!?」

マリー「え、ちょ、あれ源四郎じゃん!?」

~~~~

担任「大丈夫ですか衣旗さん!」

源四郎「大丈夫、です」

担任(目が完全にイッている。強い憎しみのあまり、激情が…)

担任(無理も無いか、この人の人生を考えたときに、さっきの生徒会長の演説は…)

伸一「ほらおじさん、肩貸すから保健室に」

源四郎「いらん。1人で歩いて行ける」

【保健室】

伸一「落ち着いた?」

源四郎「あんな話を聞かされて、落ちついてられるとでも?」

伸一「……さっきよりは落ち着いたみたいだね」

伸一「っていうか、激昂して血管ブチ切れる人、初めてみたよ」

源四郎「フー…フー…ああ、アタマが痛い。オレは強化人間のハズなのに」

伸一「目は見える?」

源四郎「少し、視界が赤い」

伸一「あとで眼科にも行かないと」

ガララ

アリサ「失礼します」ペコッ

伸一(わぁぁ、綺麗な子だな)

アリサ「あ、衣旗君は!?大丈夫ですか!?」

伸一「ああ、おじさんは…じゃなくて、お兄さんは、今は落ち着いてる」

ガララ

エリー「源四郎、大丈夫!?」

伸一(また可愛い子が来た)

源四郎「……」ギロッ

アリサ「えっと、包帯は?」

伸一「いまから巻く所だよ」

アリサ「じゃあまずは消毒を」

エリー「はい消毒液」

アリサ「ありがとう」

アリサ(……ん?この子、誰だろ)

エリー「はいこれは綿」

アリサは、エリーから手渡しされた消毒と綿で、処置の準備を整える

源四郎「……」

アリサ(なんだろ…酷く怒ってる?)

アリサ「いくよ、ちょっと染みるからね」

ポンポン、ポンポン

源四郎「……っ」

源四郎「すまん。本当にすまん」

源四郎は深々と頭を下げる。

エリー「じゃあ次は、私が包帯を巻いてあげる」

アリサ「あ、それも私が」

エリー「いや、包帯は私が。人に頼んでばかりってのも何かね…」

エリーはやたら慣れた手つきで包帯を巻いていく

エリー「中学まではスポーツ少女だったから、よく怪我しては包帯まいてたよ」

源四郎「岸波まで…すまない」

エリー「エリーって呼んでよ。なんか岸波って呼ばれるの、あんま好きじゃない」

アリサ(この子は衣旗君とどんな関係なんだろ)

ガララ

モニカ「大変そうだね~」

源四郎「モニカ先輩!申し訳ございません!ご心配かけてしまい…」

モニカ「んじゃ元気つけて貰う為に…」

モニカ「スカートたくし上げて、パンツでも見せてあげよっか?」ニヤッ

アリサ(え、なにこの人)

エリー「先輩!自重!」

源四郎「謹んで丁重にお断りします」ゴクッ

モニカ「あ、いま、見たいって思ったでしょ?生唾ゴックンしてたし!」

源四郎「からかわないで下さい」

伸一(なにやら強烈な人が来たけど、おじさんも、頭が良い具合に冷えてきたみたいだ)

ガララ

ヴェロニカ「いたな」

源四郎「ヴェロニカ先輩まで…本当にこの度はご迷惑をお掛けしました」

ヴェロニカ「とりあえずこれを」

源四郎「これは…栄養剤?」

ヴェロニカ「出血で、鉄分が足りなくなってるはずだ。飲みたまえ」

源四郎「かたじけない」

伸一「おじさん、血の気濃いし、むしろ飲まなくても良くね?」

源四郎「親戚のおじさ…じゃなくて兄に向かって失礼な」

伸一「だって実際、血の気濃いじゃん」

源四郎「悪かったな」

アリサ「ふふふ、元気になってよかった」

アリサ(ところでこの美人さんたちは誰なんだろう。衣旗君とどんな関係が)

エリー「……」

エリー「あなたは、保健委員?」

アリサ「いえ、私は同じクラスメイトのアリサ・クロウリーです」

エリー「そう。私はエリーよ。1年C組、よろしくね」

アリサ「あ、どうも、よろしくね」

エリー(保健委員でもないのに、わざわざお見舞いに…ね)

マリーでは?

今日はここまで
変態ギャルのイタリア人ハーフの3年部長と、変人科学者のドイツ人ハーフの2年先輩は、サブヒロイン枠(枢軸国枠)って事で。

サブヒロインはまた何かをきっかけに増やすかもしれない。
メインヒロイン(連合国枠)はあと2人追加予定(安価で)

平和主義の生徒会長(純粋日本人)も一応、サブヒロイン枠で、名前は公開はまた後ほど。

>>233
ぐああああorz

ごめんなさい。次から訂正します。
あとで訂正文ものせます。

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