千歌「遊びに来たのだ!」 (40)

【はじめに】 
このスレに投稿するSSは、作品番号1~6までそれぞれ違う作者さんのSSです。 
一つ一つで完結だと思って読み進めてください。 

それでは↓

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1

善子「えっ……うん、何?」

千歌「遊びに来たのだ!」

善子「それはさっき聞いたけど……って言うか今なm」

千歌「だーかーらー、遊びに来たの!」ジダンダ

善子「うわっ、ウザっ!」

千歌「で何する? オセロ? 将棋? 神経衰弱?」

善子「二人で神経衰弱は本当に神経衰弱しそうだから嫌」

善子「っていうかそもそも遊ぶ約束もしてないわよね?」

千歌「うん!」

善子「自信満々に言い切った! じゃあ何で急に来たの?」

千歌「ホントは曜ちゃんと遊ぶ予定だったんだけどね、家に行ったら出かけてるって言われちゃって」

善子「あら、曜が予定とか約束を忘れるなんて珍しいわね。寧ろ10分前にはスタンバってる人なのに……」

千歌「や、別に約束はしてないんだけどね」

善子「"予定"の意味知ってる?」

千歌「前もって考えとくって事でしょ? 昨日の夜からちゃんと考えてたから大丈夫!」グッ

善子「相手にも伺いを立てなさいよ! ……で、曜がダメだったからウチに来た、と?」

千歌「正解! さすが善子ちゃん、賢いね!」

善子「それくらい誰でもわかるわよ」

千歌「で何する? ビーチバレー? スイカ割り? サーフィン?」

善子「実質"海に行く"一択!?」

千歌「まぁ曜ちゃんと遊びに行くつもりで考えてたからね」

善子「冒頭のオセロとかはどうした」

千歌「私なりに気を遣った結果です」

善子「それはどうも、気遣いついでに帰ってもらえると助かるんだけど?」

千歌「冷たい! 真冬の海より冷たいよ善子ちゃん!」

善子「相手してあげてるんだからそこまで冷たくはないわよ」

千歌「千歌っちは大変傷ついたので曜ちゃんに慰めてもらいます」

善子「ご自由にどうぞ。でも今いないんでしょ?」

千歌「曜ちゃんの事だし制服をエサにすればひょこっと現れるでしょ」

善子「扱い軽っ、いくらなんでも

曜「制服と聞いて!!」シュバッ

善子「嘘ぉっ、ホントに来たぁっ!?」

千歌「曜ちゃーん!」ダキッ

曜「千歌ちゃーん! ……って善子ちゃん何でこんなとこにいるの?」

善子「ここ自分の家だっつーの!」

曜「あ、ホントだ」キョロキョロ

善子「何この人コワイ」

千歌「曜ちゃん遊ぼう! 海に行こう! スイカ割りしよう!」

曜「いいね、こないだ新しい水着買ったからそれ用意するね!」

千歌「よし、じゃあ出発だ!」

曜「ヨーソロー!」





善子「何だったの一体……」

善子「まぁいいわ、これで平穏がおとずr……あっ」チラッ

【PC画面】
何だコレwwwwww 先輩?友達? ヨハネ様ー! まとめサイトに載るな
いつものヨハネ様じゃない…… ツッコミスキルの高さよ 炎上案件
コントの練習中かな? 放送事故 ヨハネちゃん大変そう Aqoursじゃん
3人とも可愛い ちちっちがでかっち これ事故だろwwwwww エロい
ヨハネ様のリトルデーモン達? その辺の芸人より面白い 事故だろ
次回から漫才放送枠 wwwwww 事 故 っ て る ! 急上昇ランキングから

善子「」



その後この動画がいろいろなサイトに転載されAqoursの人気は急上昇した。

この事にみんな喜んだが、理由がバレてダイヤさんにめっちゃ怒られた。

2

曜「…zzZ」

千歌「あれ? 寝てるの?」

曜「zzZ」

千歌「おーい、起きてー」ササヤキ

曜「っ…zzZZZ」

千歌「起きないとみかん食べちゃうぞー?」

曜「ぷっ」

千歌「え」

曜「あはははっ!」

千歌「起きてたの!?」

曜「そんなので起きるのは千歌ちゃんくらいだよ」クスクス

千歌「そんなことないもん」プクー

曜「まあまあまあ」

千歌「もうよーちゃんとは遊ばない」プイッ

曜「ふーん、まあ私は今千歌ちゃんで遊んでたからいいけど」

千歌「じゃあ、私も曜ちゃんで遊ぶ」

曜「え、それ宣言していいの……?」

千歌「ダメなの?」

曜「あーいや、言っちゃうとこっちも身構えるからやりにくいんじゃないかなぁって」

千歌「あ」

曜「ね?」

千歌「なんかズルくない?」

曜「まったくズルくないよ」

千歌「なんかやる気なくなってきちゃったなぁ……」

曜「最初からなかった」

千歌「だからそんなことないー!」

曜「そもそも何しに来たの?」

千歌「だから遊びに」

曜「なにして?」

千歌「なにかして」

曜「ふーん」

千歌「…………」

曜「…………」

千歌「…………」

曜「なんかやる気なくなってきちゃったなぁ……」

千歌「ねえ!」

曜「え?w」

千歌「もしかして、わざとやってる?」

曜「うん」

千歌「もう!」

曜「えー、だって暑いじゃん……」

千歌「よーちゃんは暑さに強い人です」

曜「じゃあ海行くー?」ダラー

千歌「この間行ったし、今日はいい」

曜「でしょ。やっぱ部屋がいいよ、クーラー最強だし」

千歌「それわかる」ダラー

曜「ね?」

千歌「うん?」

曜「ほんとにやる気なくなってきたでしょ?」

千歌「……うん」

曜「あ」

千歌「どうしたの」

曜「アイスあるよ?」

千歌「食べる」

曜「了解。ヨーソロー!!」

千歌「……なんかいきなりテンション高くない?」

曜「仕方ないよ」

千歌「なにがさ?」

曜「夏のせいってヤツ?」ドヤ

千歌「それ言いたいだけでしょ?」ジトー

3

曜「えっ!?今確かに千歌ちゃんの声がした?」

シーーーーーン

曜「…………やっぱり、気のせいだよね。」

曜「…………」

曜「千歌ちゃんは今頃何してるんだろう。」

曜「…………」

曜「あっ、これ昔の千歌ちゃんとのツーショット……」スッ

曜「はぁ……この頃に戻れたらいいのに。」

ピンポーン

曜「ん?こんな時間にチャイム?いったい誰が?」ガチャ

千歌「じゃじゃーん!千歌っち登場~!」

曜「千歌ちゃん!?……って、どうしたのこんな時間に!」

千歌「んー、何となく曜ちゃんが会いに来てほしそうにしてる気がして。」

曜「そう……なんだ……」

千歌「曜ちゃん?どうしたの、そんなに浮かない顔して。」

曜「なんか千歌ちゃんに、また迷惑かけちゃったな……」ポリポリ

千歌「えへへ……お互い様だよ。私だって今までたくさん曜ちゃんに助けられてきたんだし。」ナデナデ

曜ダキッ

千歌「わわわ、どうしたの曜ちゃん///」

曜「千歌ちゃん……会いに来てくれて嬉しいよ……」

千歌「もう、曜ちゃんったら大げさだなぁ///」テレテレ

曜「さすがにこんな時間だし、泊まってくよね?」

千歌「うん!なんだかんだ曜ちゃんの家に泊まるの久しぶりな気がするな~」ワクワク

曜「任せて!こんなこともあろうかと、ちゃんと千歌ちゃんの洋服は置いてあるから!」

千歌「おぉ~さすが曜ちゃん、頼もしい!」

千歌「……ってこれ、私が普段着てたやつじゃん!」ピシッ

曜「ありゃ?ほんとだ。」

千歌「なんで曜ちゃんの家にあるんだろ?」クビカシゲ

曜「前泊まっていったときに置いていったとか?」

千歌「??そうだっけ~?」ハテナ

曜「まあ、そんなことはいいからさ、先にお風呂入ってきなよ。」

千歌「私はお風呂入らなくても大丈夫だよ。曜ちゃん入って来なよ。」

曜「嫌だよ!そしたら、また千歌ちゃんがいなくなっちゃう!」

千歌「え~千歌はいなくならないんだけどなぁ……」

曜「いやだ!千歌ちゃんから離れたくない!」ギュッ

曜「今日はこのまま寝るの!」

千歌「えぇ~汚いよー?」

曜「いいの!」ギュー

千歌「曜ちゃんは甘えん坊さんだなぁ。」ナデナデ

曜「千歌ちゃん。もうどこにも行かないよね?」

千歌「それはさすがに無理だなあ。」

曜「嫌だよ、私にこれ以上寂しい思いをさせないで。お願い、どこにも行かないで……」

千歌「…………じゃあさ、私と一緒に来る?」

曜「えっ?」

千歌「私と一緒に来ない?」

曜「……う、うん。行くよ。私、千歌ちゃんと一緒がいい。」

千歌「そっか……曜ちゃん!ほら、こっちだよ。」

曜「わわ、待って~!!」


────────────────



──次のニュースです。昨夜未明、沼津市下河原町の住宅の2階で、この家に住む高校2年生の少女が床に倒れた状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されました。少女の側には睡眠薬が散乱しており、警察は少女が自殺を図ったとみて調べています。また、その後の調べで、少女の部屋からは4日前に沼津市内浦三津で発生した女子高生の交通死亡事故について記された遺書も発見されており、今後の捜査の焦点となりそうです。
それでは、次に天気予報をお伝えします────。



「──千歌ちゃん。」


「やっと一緒だね。」

4

——やば珈琲 沼津店——

梨子「まあ、遊びに来たといっても……」

曜「私の衣装素材選びに付き合ってもらってるだけなんだけどね」

千歌「ふふん♪ 2人とお出かけなんだからいいのいいの!」

梨子「……まあ、楽しいのは分かるけど」クスッ

曜「あははっ!2人ともありがとね」

梨子「それにしても、今日はけっこう収穫多かったわね?」

曜「本当!きっとルビィちゃんも喜ぶよ!」

千歌「おお~♪ いいなぁ曜ちゃん、かわいいかわいい後輩ちゃんと一緒に作業なんて……」

曜「あ、そっか……千歌ちゃんの作詞や梨子ちゃんの作曲って1人なんだね」

梨子「まあね。私はたまに鞠莉ちゃんの知恵を借りるけど」

千歌「私も花丸ちゃんに手伝ってもらうことあるよ!でも曜ちゃんとルビィちゃんほどガッツリ一緒にはならないかも……」

梨子「なんだか、曜ちゃんって私たちの中で一番1年生の先輩って感じがするわね」

曜「そう……かな……?」

千歌「あ、そうかも!善子ちゃんとも沼津組でよく一緒になってるし!」

千歌「花丸ちゃんも、ルビィちゃんや善子ちゃんから曜ちゃんの話をよく聞くって言ってた!」

曜「へぇ……!ふふっ、なんだか光栄でありますなぁ♪」

千歌「いいなぁいいなぁ、先輩感いいなぁ~……」

梨子「……千歌ちゃんも先輩らしいことしたいの?」

千歌「そりゃあしたいよ~、これでも一応Aqoursの言い出しっぺなんだし……」

曜「うーんどうかなぁ……千歌ちゃんはどっちかっていうと後輩感強い気がする」

千歌「うぇっ!?」

梨子「分かるかも。果南ちゃんに可愛がられてるイメージとか、ダイヤさんに面倒見られてるイメージとか強いわよね」

千歌「そ、そりゃ3年生が相手ならみんなそうじゃん?」

曜「……いや、同じ2年生でも千歌ちゃん後輩・梨子ちゃん先輩って感じするかも」

千歌「うぇえー!? なんでー!?」

梨子「抗議の声を上げるんだったら、せめて歌詞を期限通りに出してくれないとねー?」

千歌「ゔっ……!? もーーー、ひどいよ2人してーーー!!」

曜「あっはははは!やっぱり梨子ちゃんの方が一枚上手だ」

千歌「むぐぐぐぐ……こうなったら!」

千歌「決めた!この後曜ちゃんの家に突撃する!!」

曜「……え?」

梨子「ど、どうしたのよ急に?」

千歌「曜ちゃんがちゃんと先輩な秘密を暴いてやるの!!」

曜「えぇ!? そんな秘密別にないよ!?」

千歌「いーや!絶対ある!絶対見つけ出す!!」

千歌「んぐんぐ……ぷはっ!すみませーん、お会計お願いしまーす!」ダダダッ!

梨子「ちょ、千歌ちゃん!?」

梨子「……全くもう、変なこと思いついてはすぐ飛び出すんだから」

曜「ふふふっ……私たちみんな、千歌ちゃんがリーダーだからついていってるのも知らないで、ね」

梨子「本当よね」クスッ

ヨウチャ-ン! リコチャ-ン! ハヤク-!!

曜「はいはい……それじゃ、リーダーさんのわがままにもうちょっとついていくとしますか」

梨子「ふふっ……そうね」

この後、曜ちゃんのあんな昔話やこんなエピソードを探る会が千歌ちゃんの手により勝手に決行されるのですが……それはまた別のお話。

5

梨子「歌詞は?」


千歌「…」ピタッ


梨子「…」


千歌「…」


梨子 ドンッ!


千歌「ひっ!?」ビクッ


梨子「ねぇ」


千歌「は、はい」


梨子「はい、じゃないが」

千歌「お…っ…ね、ねぇ梨子ちゃん…あの…その…」


梨子「…」


千歌「…、…お、怒って、ます


梨子「…」ギロッ


千歌「っ、で、ですよね、…顔がだって…もう、」


梨子「は?」


千歌「めめめ、め、っ目も笑ってないし」


梨子「…」


千歌「…」ソッ


梨子「96時間15分」


千歌「…へ?」キョトン

梨子「これ、なんの数字だと思う?」


千歌「え、えとー…きゅうじゅう…えー…な、なぞなぞ?」


梨子「5秒前ー、ごー、、よーん、、さーん」


千歌「え、ううううそ!まって!、」


梨子「にーいーちぜーろ終わりでーす地獄行きー」


千歌「ぎゃー!最後はや!3秒からの速さやば!」


梨子「ヒントは歌詞でしたー、でも終わりでーす」


千歌「ヒント遅っ!いやてかそれ答えじゃん!」


梨子「…」ギロッ


千歌「ごめんなさい」土下座

梨子「…はぁ」


千歌「…」


梨子「もういいよ、ほら」


千歌「ほんと?」


梨子「よくはないか」


千歌「はい。」


梨子「こんな状況でさ、『遊びに来たのだ!』なんて言われたらさ」


千歌「プフッ!、ねぇそれちかの真似?ねぇねぇ!もっかいやって!もっかい!」ケラケラ


梨子 ドンッ!


千歌「ひっっっ!?!?」


梨子「何笑ってんの?」


千歌「うっ…しゅみません…」

梨子「もぉ…ほら、手伝ってあげるから、さっさと集中してやろ?」


千歌「っ!」パァァ


梨子「うわっ!眩しい!目、目から星出さないで」


千歌「頼りになるなー梨子ちゃんは!」オオゴエ


梨子「うるさいの…。はじめからそれが目的だったくせに」ハァ


千歌「ううん?」


梨子「は?」


千歌「遊びにきた、ほんとに、…あ、曜ちゃんも誘ったんだった、LINE来てるかな」


梨子 ピキッ




ぎゃぁぁああああああ!!!

6

曜「…………」

曜「はぁ……」


───
──


千歌「よーちゃーん!」

曜「あ、千歌ちゃん!」パァァ

千歌「今日も、一緒に遊ぼ!」

曜「うん!」

千歌「よーちゃーん、一緒に遊ぼ!」

曜「……」

千歌「よーちゃんどうしたの?」

曜「あ、あのね……」

千歌「うん」

曜「実は、引越しするの……」

千歌「え!?」

曜「だからもう……遊べないかも……」

千歌「そ、そんな……」

曜「今日は、ごめんね……」

千歌「……………………」

~ニュー曜ちゃんハウス~

曜「……」

オーイ! ヨーチャーン!!!

曜「え……?」

千歌「よーちゃん!」

曜「千歌ちゃん……ど、どうして……」

千歌「遊びに来たのだ!」ニシシ

曜「! うん!」

千歌「今日で卒業かぁ……」

曜「……うん」

千歌「よーちゃんとは、ほぼ毎日一緒に遊んだよね……」

曜「うん、楽しかった……」

千歌「前、よーちゃんが引越ししたとき──」

曜「来てくれたよね?」

千歌「うん……」

曜「なんか懐かしいな……」

千歌「……そうだね」

曜「……それじゃ、元気でね。千歌ちゃん」

千歌「うん……よーちゃんも」



──
───

曜「千歌ちゃん……」

曜「今頃何してるかな……」

曜「元気かな……」

チャイム「誰か来たようだ」ピンポーン!

曜「! 宅配かな……?」

曜「はーい」ガチャ

曜「──!」


「よーちゃん」


曜「ち、千歌ちゃん──」

千歌「遊びに来たのだ!」

終わりです。


読んでいただきありがとうございました。


こちら、同じ企画の過去作です。
・海未「なんだかお腹が空いてきました……」
https://t.co/KJKKmpceVS

・真姫「眠い……」
https://t.co/Z9aqbGc2fi

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