いつか世界がおわるまで (7)

女「やぁ、久しぶり」

男「……あぁ、なんだお前か。久しいな」

女「なんだとはなんだ、せっかくの数十年ぶりの対面だというのに」

男「初対面だけどな。【今回】は」

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女「それにしても君、渋いオジサンになったねぇ」

男「『前回』からのブランクがおまえよりも長かったからな。今年でめでたく三一だ」

女「勝った」

男「何にだ」

女「こちとら花の女子大生でね――ねぇーん、オジサマ奢ってーん」

男「ハッ」

女「鼻で笑われた!」

男「何千年生きてるんだおまえ、歳を考えろよ」

女「レディに年齢の話をするものじゃあないよ、ボウヤ」

男「もうメチャクチャじゃないか、年功序列はどっちなんだ」

女「実際覚えてないから、そんなこと言われてもね」

男「まぁな」

女「んじゃあ、ま、とりあえず」


我々の、何回目かの初めましてに。


男「乾杯」

女「乾杯!」

男「……なぁ、これは何世紀か前から言ってると思うんだが」

女「なんだい、私が蠱惑的だってことかい」

男「なんでもいいが、お前はカフワ――じゃない、珈琲にミルクを入れすぎなんだ。四つって、それなら初めからラテを頼め」

女「これだって何世紀も前から言っているけどね――私は、これが、好きなんだ」

もしもなにかの間違いで、俺がある女の伝記を書くことになったとしよう。

あいつのことを書くとなると俺はきっと否応にもなく言葉数が多くなると思うが、書き出しはきっと、こうだ。

「彼女は人間ではない」

「幾度となく生まれ変わり、その都度国籍も人種も異なった姿で筆者の前に現れる」

「何故か互いに、会った瞬間に直感のようなものが働き、『あぁ、あいつか』と認識してしまう。ようは腐れ縁のハイエンドみたいなものだ」

「もう一度言おう。彼女は、人間ではないのだ」

「筆者と同じように」

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