非実在プロ幼女「モブおじさんのくせに!」 (28)


モブ(今までパッとしない人生だった)

モブ(彼女は出来ない)

モブ(友達だと思ってた奴はオレの事を紹介するとき知人と言ってて「えっ」ってなったし)

モブ(仕事先でもミスばっかり。しかも上司は年下だ)

モブ(ホワイトとは言い切れないがブラックとも言えない、そんな会社で残業時間は45時間)

モブ(特技はオナニーくらいしかない)

モブ(そんな特技が何に役たつんだと思っていたら)

モブ(電信柱に貼ってあるこんな求人を見つけたんだ)

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急募 オナニー大好きな男性
_________________________

モブ(これしかない)

モブ(そう思った)


モブ(俺はその場で書いてあった電話番号に電話をかけた)

モブ(すぐに面接が決まり、電話をしたその足で面接会場へ向かう)

モブ(外回り中だからスーツも着ていたし丁度良いと思ったんだ)

モブ(今思えば仕事中に何をしているんだと思う)

モブ(けどその時は何かに突き動かされる様に全てが進んでいた)


モブ(そして今、俺は繁華街の裏路地を歩いている)

モブ(面接会場は求人の貼ってあった電柱から少し歩いた所にある雑居ビルだった)

モブ(5階建てで全ての窓のカーテンが閉まっている)

モブ(そしてビルの前にある看板にはカードローン会社の「審査なし」という謳い文句)

モブ(ローン会社は地下にあるらしい)

モブ(電話では3階って言ってたな…)

モブ(3階を見る)

モブ「………えっ」

モブ(カーテンが少しだけ開いて、少女の顔が覗く)

少女「……!」シャッ

モブ(少女は俺の視線に気付いて、すぐにカーテンを閉めた)

モブ(今の…どう見ても小学生だったよな?)

モブ(え?あれ?電話ではここって、言ってたよな?)


モブ(急に冷水をかけられたように感じる)

モブ(考えてもみろ、オナニー大好きな男性を急募?)

モブ(即面接?)

モブ(おかしいだろ 普通に考えておかしいだろ!)

モブ(さっきまで感じなかったパンフレットの入ったカバンの重みが指に食い込む)

モブ(帰ろう、そうだ俺は仕事中!ノルマまであと5件も足らないんだぞ!)

モブ(あんな求人内容で、面接会場で、少女が居るはずないだろ!)

モブ(カバンを握りなおして踵を返す)

モブ(腕時計を見て時間を確認する)

モブ(ここからなら、外回り先に15分くらいで到着できるだろう)

モブ(さぁ急いで行「やぁやぁ待ってたよ!」


??「君が電話の人だよね!」

モブ「!あ、さっきの…電話の方ですか…?」

モブ(背後から声をかけられて振り向くと)

モブ(そこにはボサボサ頭の黒髪を肩まで伸ばし)

モブ(黒く丸いサングラスをかけた男が立っていた)

モブ(アフロシャツに短パン)

モブ(伸びたすね毛に便所サンダル)

モブ(…うわぁ…うさんくさい…)

??「君いま僕のこと胡散臭いって思ってるね!」

モブ「(ギクゥッ)いえ、そんなことは…」

??「あはは、大丈夫大丈夫!僕も自分でそう思ってるからね!あははは!」

モブ(男は大口を開けて笑うと俺の背中に手を回す)

??「まぁほら、ここで立ち話もなんでしょ。入って入って!ここの3階だから!」

モブ「えっ、あ…は、はい…」

モブ(男に促されるまま階段を上る)

モブ(エレベーターがそこにあるのに使わないんだろうか?)

??「ハァハァ、最近お腹が出てきててさぁハァハァ」

??「こうやって少しでも運動してるんだよね」

モブ(あんたの運動不足解消の為かい)

モブ「階段昇降って良い運動になりますもんね」

??「そうそう!ハァハァそうなんだよ!おかげで300g減ったんだよハァハァ」

モブ(いやそれは誤差の範「それは誤差の範囲よ!」


モブ(三階へ上りきろうとした時、上から可愛らしい声が降ってきた)

モブ(見ると少女が腰に手をあてて三階で仁王立ちをしている)

少女「遅いのよ!この遅漏野郎!!!」

モブ「えっ」

少女「面接の時間は2分過ぎたわ!お帰り下さい!!」

モブ「えぇ!?」

??「ちょっとちょっと、なに勝手に帰そうとしちゃってるの」

少女「アタシ時間を守れない奴って大嫌い!そういう奴って射精のタイミングも計れないのよ?」

少女「それにどう見たって碌でもないオチンポ野郎だわ」

少女「あんな頭空っぽな求人見て電話してきてこんな所まで来る頭空っぽ野郎」

少女「しかもアンタ、入るのを迷ってたでしょ!根性なし!」

少女「そんな奴がちゃんと使えるの!?」

モブ「」

モブ(怒涛の勢いで俺と俺の息子と俺の頭をけなしてくる少女)

モブ(よく通る声は聞き取りやすく階段に木霊する)

??「はいはい、シコちゃんそこまで~」

シコ「クズさんうるさい!」

クズ「おっと厳しいねぇ でも彼が遅れたのは僕のせいなんだよね」

クズ「だからほら、大目に見てよ~ ねっ?」

モブ(クズと呼ばれた男は両手を胸の前で合わせて少女にヘラヘラと笑いかける)

モブ「……えっと、ごめんね…?」

シコ「ちょっと何気安くタメ口聞いてんの?アタシ先輩だよ?」

モブ「えっ!?」

クズ「ああほら、そこらへんも面接で説明するからさ!」

クズ「さぁさぁシコちゃんお菓子買ってあるから君も入って入って!」

シコ「……ちゃんと不〇家のケーキなんでしょうね…?」

クズ「もちろんだよぉ!」

シコ「……」

モブ(あっちょっと嬉しそうに俯いたな けどすぐに唇を引き結んで顔を上げた)

シコ「それじゃアンタも入るのを許してあげるわ」

モブ「あっ、アリガトーゴザイマス・・・?」

モブ(この子は一体どういった子なんだろうか?)

モブ(先輩?先輩ってことはこの子もオナニー大好き?)

モブ(どう見ても小学生・・・小学〇年生だよな…?え…?)

なんも始まってないけど寝る
たぶん明日の夜に続く


モブ(面接室として通されたのはやけに物のない部屋だった)

モブ(校長が使っているような両袖デスクに両肘を置く、クズと呼ばれていた男)

モブ(彼が腰かけているのはボロいパイプ椅子。時折キシキシと音をたてている)

モブ(一方シコちゃんと呼ばれていた少女は肘置きのある革張りの一人掛けソファに深く座っている)

モブ(ご丁寧にサイドチェストにコーヒーを置いて満足そうにケーキを頬張る姿が可愛らしい)

モブ(腰に届くか届かないかといった長さの艶のある黒髪が、彼女の動きに合わせてサラサラと流れる)

モブ(不思議と俺は少女から目が離せない)

モブ(可愛いな……ものすごく美少女だよな…)

モブ(あんなに下品な言葉を吐かなければ深窓の令嬢と言われても違和感ないのに)

クズ「さて!それじゃ自己紹介から始めようか」

クズ「そこの美少女はシコちゃん」

クズ「そして僕のことはクズさんと呼んでね!はいこれ名刺!」

モブ(男―クズさんはサンダルをパタパタと鳴らして名刺を手渡しにくる)

モブ「あっ、恐縮です えっと俺…私の名刺が…」

モブ(俺は慌てて立ち上がって両手で名刺を受け取る。俺も胸ポケットから名刺を取り出して渡す。)

クズ「はいはいどうも!」

モブ(クズさんは俺の名刺を片手でヒラヒラさせながら、またパタパタとボロ椅子に戻っていく)


クズ「いやぁ~形式ばったのって苦手なんだよねぇ」

クズ「早速だけどさ、君はどれくらいオナニーが好き?」

モブ「えっ」

モブ(剛速球の質問に言葉が詰まった)

モブ(そこに少女が居るのに?答えないといけないのか?)

クズ「あはは、シコちゃんの事は気にすることないよ!」

クズ「シコちゃんはプロ幼女だからさ」

モブ「ぷろようじょ……?」

シコ「……そうよ、アタシは童貞野郎や変態野郎のオチンポを慰めてあげる天の使いなの」

モブ(少女は皮肉ったような顔でニヤリと笑った)

クズ「そんなわけだからシコちゃんの事は気にせず」

クズ「君の赤裸々な性事情をユー喋っちゃいなYO!」

モブ「……オナニーは、、大好きです…」

クズ「うんうん!」

モブ「どれくらいって言われると難しいですが、まるで我が子を慈しむがごとく…!」

クズ「それそれ!もう一声!」

モブ「毎日にように息子を可愛がっています!!!」ガタッ

クズ「よく言った!」パチパチパチ

シコ「……」

モブ(気付けば俺は片手を強く握りしめ、パイプ椅子から立ち上がっていた)

モブ(少女がじっとりと俺を見つめてくる。いや、睨まれている…?)

シコ「ねぇアンタ、お茶のおかわり入れてきてよ」

モブ「ええ!?」

クズ「ちょっとシコちゃん!?まだ採用って決まってないのに!」

モブ「ええっ!?採用きびしいですか!?」

クズ「あっ!そういう訳じゃないんだけどね!?」

シコ「お茶もいれられない様な奴、アタシ認めないから!」

シコ「クズさんよりアタシの方が偉いのに言うこと聞けないの!?」

モブ「!?」


モブ「き、君の方が偉いってどういう…?」

シコ「そのまんまの意味よ!プロ幼女であるアタシと、そのアタシを守るためのクズさん」

シコ「アイドルとマネージャーの関係みたいなものでしょ!」

クズ「ん~まぁ間違ってはいないけどねぇ、あはは」

クズ「けどまずは僕からお話しないといけない事があるから、すこ~し待ってね!」

シコ「えーーー!」

クズ「大体さぁコーヒー全然減ってないじゃないシコちゃん」

クズ「彼はここ初めてなんだからさ、いじわる言わないよ」

シコ「…っ、もう知らない!」

モブ(少女はボスンと音を立ててソファに座って膝を抱えてしまった)

クズ「それじゃオナニーへの愛を叫んでくれた所で」

クズ「お仕事内容を説明しよっかな!あとお給料とか!」

モブ「! お願いします!」

クズ「簡単に説明すると、シコちゃんにぶっかけたりシコちゃんを触ったり、犯したり、舐めたりするお仕事だよ!」

モブ「!?お、オナニーじゃないんですか!?」

モブ「それに!あの、小学生ですよね!?犯罪じゃないですか!!!」

クズ「それがねぇ~彼女相手では犯罪にならないんだよねぇ!」

クズ「まさに夢のようなお仕事!」

シコ「アタシそんな使えないオチンポ野郎 嫌なんだけど!!」

モブ「犯罪にならない…?」

クズ「彼女は【非実在幼女】なんだ!」

モブ「…?話がよく…」

モブ(よく分からないどころじゃない)

モブ(全くわからない)

クズ「混乱してるね!ゆっくり説明してあげるよ!」


クズ「君達、いや、君は」

クズ「性癖って呪いだ、と思ったことはない?」

モブ「のろい…?」

クズ「そう。世間一般的に認められない様な、人に言えないような事に興奮したことはない?」

クズ「好きな女の子が吐いた吐しゃ物に」

クズ「飼っていたいたペットが轢かれた跡に」

クズ「痛ましいテロのニュースに」

モブ「いや…そんな、俺は」

クズ「…なんて上級者向けだったかな?あはは!」

モブ(まさかこの人・・・そういう人なのか?)

クズ「ちなみに僕は健康的な体で程よいおっぱいが大好きだよ」

モブ(ビックリした)ホッ

モブ「…俺は大きい方が好きですね…」

クズ「それじゃ小さいのは嫌い?」

モブ「いや、嫌いじゃないですけど…大きいおっぱいに包まれると幸せじゃないですか!」

クズ「……おやおや?もしかして今までの彼女と赤ちゃんプレイとか楽しんでたくち?」

モブ「えっ?あ、いや……」

シコ「…ばぶーとか言ってたの?きもーい」

モブ「か、彼女なんていたことないですよ!そ、想像ですよ想像!!」

シコ「あっそう! 別に興味ないけど!」

クズ「想像かぁ~いいね その君が大きいおっぱいを夢見るように」

クズ「シコちゃんみたいな少女と言えないようなことした~い♡って人が」

クズ「この世界には存在するんだよね」

モブ「…ロ、ロリコンって言われる方々のこと…ですかね?」

クズ「そうそう」

クズ「そんな方々の妄想は全てフィクションであるべきで、実現してはいけないでしょ?」

モブ「それはそうですよ!」

クズ「けどそのフィクションの中では、ノンフィクションとして体験している少女がいる」

モブ「????」

クズ「妄想というフィクションの中に必要とされるリアリティ」

クズ「そのためだけに、この世界から切り離された少女たち」

クズ「総称して【非実在幼女】と呼ばれる存在」

クズ「それが、あそこでむくれているシコちゃんのことなんだ」

シコ「アタシはプロ!非実在プロ幼女って言ってよ!」

モブ「世界から切り離された…って一体…」

クズ「そうだなぁ~神様に選ばれたとでも思っといてくれればいいよ!」

クズ「だから彼女相手にする行為は全てこの世界におけるオナニー!」

クズ「犯罪にはならないから安心してね」

モブ(そんな無茶な…)

クズ「シコちゃんは今4年目なんだ!」

シコ「…誰かさんのせいでね!」

モブ(少女は膝を抱えたまま顔をあげずに声をはりあげた)

モブ(何かに怒っているような、そんな声だ)

モブ(もしかして彼女はやりたくないんじゃないのか?)

クズ「シコちゃん、あたらないあたらない!仕方ないことなんだから」

シコ「知ってるわよ!」

モブ「えっと、、すいません…俺はあの、彼女相手にはさすがに…」

シコ「!」

クズ「ああ、安心して!それならそれで正真正銘のオナニー、汁男優みたいなお仕事もあるよ!」

モブ「そ、それなら…」

シコ「ちょっとクズさん!?アタシはこんな奴 嫌だって・・・」

クズ「決めるのは僕だよ~まぁ、彼がやるって言えばだけどね!」

モブ「お、俺は…」


クズ「あっ言ってなかったね!お給料はこれくらいだよ!」

モブ(クズさんは電卓を軽快にたたいて見せてくる)

モブ(桁が1、2、3、4……)

モブ「え、これって・・・・本当ですか!?」

クズ「まじまじ!大マジだよ!」

モブ(そこに並んだ数字は俺の今の給料の2倍)

モブ「汁男優でも!?」

クズ「そうそう!君の精液にこれだけの価値があるんだよ!」

モブ「や、やります!!!」

シコ「いやぁぁーーーー!」


_______________________

モブ(今の俺の会社は副業禁止のため、1ヶ月半後から働き始めることに決めて俺は雑居ビルを後にした)

モブ(会社では大した位置に居る訳ではない)

モブ(辞表を提出すれば課長は中身も見ずに許可するに違いない)

モブ(クズさんからもらった名刺を見る)

モブ(本来なら会社名や役職があるだろう所には非実在幼女管理委員と書かれている)

モブ(そして名前のところにはカタカナでクズとだけ書かれている)

モブ(一番下には電信柱に貼ってあった求人の電話番号が記載されている)

モブ(…うさんくさい)

モブ(我ながら何故やると言ってしまったんだろう、と考える)

モブ(けれど電話をかけた時に感じたあの感覚。)

モブ(何かに突き動かされるように)

モブ(俺はあそこで働くことを決断していた)


モブ(1ヶ月半後と約束してから大体1ヶ月が経過していた)

モブ(会社へは辞表を提出して)

モブ(なんのドラマもなく辞めることが決定した)

モブ「あと3日で会社ともお別れかぁ」

モブ(長い様で短かかったな…確か3年くらいになるけど全く出世しなかったな…)

モブ(俺は電信柱に貼ってある求人を見ながら立っている)

モブ(あの日見たオナニー大好きな男性募集の求人は貼ったままになっていて)

モブ(まだ募集してるんだろうか、なんて考えながら)

モブ(あの日のビルへと足を進めた)


モブ(ビルがそのままそこにあることに安堵する)

モブ「ああ、良かった…現実だったんだあれは」

モブ(5階全ての窓のカーテンは相変わらず閉まったまま)

モブ(ここまで来たものの、入るのは気が引けるよなぁ)

モブ(…帰るか)

モブ(そう思って引き返そうとした瞬間)

クズ「やぁ!元気そうだねぇ~」ポン

モブ「うわっ!?」ビクゥ!

クズ「あはは!い~い反応だねぇ!」

モブ「いっいきなり両肩を後ろから叩かれたら誰だってそうなりますよ!」

モブ「何の音もなかったし!」

クズ「ごめんごめん!君の姿を見かけてついね!」

クズ「ところで、どうしたの?もしかしてもうお仕事したいのかな?」

モブ「えっ、いや…」

モブ(騙されてるか心配になったなんて面と向かっては言えないよな…)

モブ「あの、先に見学だけでもさせてもらえないかなって!思いまして!」

クズ「………いいよいいよ!やる気あるねぇ~!」

クズ「あっ でも今日はシコちゃんのお仕事はないんだよ~」

クズ「その代わり一押しの子のお仕事があるから一緒に行こっか!」

モブ「え?あの子以外にも居るんですか?」

モブ「その、プロ幼女?でしたっけ?」

クズ「そりゃそうでしょ~色んな需要に答えるためにはシコちゃんだけじゃ足りないからね!」


キンコンカンコーン
下校を知らせるチャイムが鳴り、生徒の下校が始まる。
沢山の子供の中に目的の少女の姿を見かけてオレはごくりと唾を飲み込む。
白いハ〇エースの運転席でハンドルを両手でギュッと握りしめると

「おらぁ早くしろよ!」

後部座席から怒号と椅子越しに蹴りが飛んで来た。

「はっ、はいぃ!」

震える声で返事をして運転席の窓を開ける。

「ちょっと、そこの、〇〇ちゃん!」

通学路の路肩に停めてあるハイ〇ースを避けるように歩道の縁石を落ちない様に歩く少女に声をかける。
運転席の窓を少し通り過ぎた所で声をかける事になり
少女はこちらを振り向いた。

「おじさん何で私の名前知ってるのぉ?」

間延びした声とぽんやりとした声。
茶髪がかったツーサイドアップの髪が傾げられた首に合わせて揺れた。

「きみのお母さんが急に病気になったから、おじさんが迎えに来たんだ!さぁ乗って!」

「えぇ?お母さんが病気?それなら早く行かなきゃぁ」

返答もなんだか間延びしている。少し気になりながらも助手席に乗るように促すと
少女は何の疑いもなく乗り込んでくる。
シートベルトを閉めようとする動作を見て俺は車内の全てのカギを閉める。
ガチャン

その瞬間に助手席のシートが後ろから倒された。

「きゃあぁ!?」

「さっさと車出せ!」

シートが倒れる音、少女の驚く声、男の声にオレの情けない返事。
全てをかき消すエンジン音と車の発車する音。
オレの視界の端で後部座席へと引きずられて行く少女の足が虚しく空を蹴っていた。


「んっ、あっやだぁ」

後部座席から衣擦れの音と少女の震える声が聞こえてくる。

「おい、お前は足抑えてろ!お前は腕だ馬鹿わかるだろそれぐらい!」

「すいません!」

興奮を隠しきれない男の息遣いが3人分。
バックミラーを見れば少女に大きな影が覆いかぶさっている。
服はほとんど脱がされてしまったようで白い肌が見える。

「おっぱいまだ小せぇな ホラこうして揉むと大きくなるらしいぞ嬉しいなおい」

「ひんっ!や、っやあ」

「ここを舐められると気持ちいいのかな?いっぱい舐めてあげようね」

「あっ、ああうっ」

少女の後ろから左胸をぐにぐにと揉みしだきながら空いた手で右足を開いて固定する男は
バックミラー越しにオレを睨み付ける。
見ていないで早く目的地を目指せと視線が命令してくる。
居たたまれなくて視線を下げると少女の足の間に顔を埋める男が自らを扱き乍ら
一心不乱に舌を動かしている。
車内に水音が響き出し、オレは視線を前へと戻した。


しばらく走り、通学路を外れた所にある工事中のビルへ。
関係者以外立ち入り禁止と書かれた扉の前で降車し、車を中へ停めてまた扉を閉める。
このビルは後部座席の男が言えない手段で入手したビルで、厚いコンクリートの壁で囲まれ
更に工事用の遮音シートで覆ってある完璧のお楽しみスポットだ。

後部座席の熱は最高潮で車がギシギシと揺れる。
ズボズボ グチュグチュという音と少女の嬌声が絶え間なく聞こえてくる。

「おら何がいやなんだよ! 指こんなに咥えこんでるくせによぉ!」

「やぁあああああっあっ あっだめぇ あーーーーーーーーーっ!!!」

一際大きな声があがり少女の足がビクンと跳ね上がり痙攣した後に弛緩する。
男達は少女の身体を抱え上げると足早にビルへと駆けだす。
殿で慌てて前を追う男が振り向いてオレを指さした。

「てめぇはここで見張りだ分かってんな!」

オレが頷く前に男達はビルへと消えて行った





ビルの中から少女の悲鳴に似た声が聞こえてくる。
男たちの下卑た笑い声も遮音されたビル内に響いている。
オレは言いつけられた用は車内でも事足りるだろうと
運転席へ戻ると、タバコに火をつけた。

ふと窓をノックする音がオレの右耳を叩く。
驚いて目を向けるとそこには1人の男が立っていた。






クズ「おつかれぇ~~~」

モブ「……!?? っていやちょっと!!!止めないと!!!???」

モブ(俺は慌てて運転席のドアを開けるようとして)

モブ(クズさんにドアを外から押さえつけられた)

モブ(仕方なく窓を開ける)

モブ「なんで邪魔するんですか!」

クズ「はいストップストップ! 大事なお仕事中だよ乱入はダメだよぉ~」

モブ「お仕事って言ったって、カメラもないし!」

モブ「第一これって完全にレ〇プじゃないんですか!?」

クズ「ん~?まぁ、始まりはそうだけど…」

クズ「このあとノリちゃんに全てを絞りつくされて逆レイ〇になるんだよねぇ」

モブ「ええ!?」

モブ「っていうかノリちゃんって!?」

クズ「さっき君が乗せて、ここまで運転して連れて来た子だよ~」

モブ「??名前、違ったじゃないですか!?」

クズ「あれは役名?みたいなものだよ!あ、リングネームって言った方が合ってるかな!」

モブ「リングネーム!?」


クズ「まぁ、ほら!見学お疲れ様ってことで!焼肉でも食べに行く?」

モブ「!?あれ、俺、オレは見張りを…」

クズ「大丈夫大丈夫!もう舞台がこっちになる事はないからさ!」

クズ「君は戻っていいんだよ!」

モブ「…え、あ、はい…?」

モブ(今度はクズさんの方から運転席のドアが開けられる)

モブ(車を降りるとビルの方からなんだか酷く野太いアヘ声が聞こえてきて)

モブ(俺は顔をしかめた)

クズ「あ、最初の方で背中蹴られてたけど大丈夫?」

モブ「え?ああ、大丈夫です。椅子越しでしたし…」

クズ「そっかそっか!それじゃ次のお仕事の見学と焼肉どっちがいい!?」

モブ「…焼肉で」


焼肉食べたくなったので寝る
おやすみおやすみ


モブ(肉の焼ける匂いってのは世界で一番最高な匂いなんじゃないだろうか)

モブ(疲労困憊のはずなのに美味しそうな匂いに体が喜んでいる)

モブ(焼肉って偉大だ)

クズ「はいはい!いっぱい食べて食べて」ジュージュー

シコ「クズさん玉ねぎなんかのせないでよ!」

クズ「玉ねぎは焼くと甘くなって美味しいんだよ~」

シコ「それより上カルビもっと焼いてったら!あとーウィンナーとー鶏肉も!」

クズ「こーら、シコちゃんばっかり食べちゃだめでしょ」

クズ「キミもドンドン食べないと無くなっちゃうよ」

クズ「これはキミの労いなんだからさ!」

モブ「あ…どうも…」

シコ「ただでさえパッとしないのに何をボンヤリしてるのよ」

シコ「賢者タイムなの?さいてー!」

モブ「ち、違っ…そうじゃなくて!」

モブ「クズさん!さっきのは一体なんですか!?」


クズ「さっきの?ああ!君がうだつのあがらない良い年したおじさんで」

クズ「数ヶ月先輩なだけの同じバイト仲間のDQNに脅されながら」

クズ「下校途中の女の子に声をかけて攫ったあげく」

クズ「暴行をただ見ていた…」

クズ「あれのことかな?」

モブ「そうですそれです!!ていうかもうちょっと言い方ないんですか!?」

モブ(事実とはいえ女の子のいる席で!と思いシコちゃんを盗み見る)

モブ(彼女は平然と肉を頬張っていた)

クズ「言い方なんて変えたところでねぇ」

クズ「それにそんなに気にすることないよ」

クズ「君は彼らに逆らえなかったんだからさ」



モブ「…ほんとにそうなんですよ…運転席にのって車を路肩につけるまで」

モブ「見学って聞いてたのに運転?って思ってて」

モブ「後部座席の彼らとよろしくーなんて言いあってたはずなのに」

モブ「チャイムが鳴った瞬間に」

モブ「俺は後ろの人達が怖くなって」

モブ「下校してくるあの子を待っていて」

モブ「後ろのアイツに逆らうと次のシフトの時に何をされるか分からない…」

モブ「って震えたんですよ…彼らとは初対面だし、そんなバイトだってしてないのに!」

シコ「アンタあの時聞いてなかったの?」

モブ「えっ?」

シコ「クズさんが言ってたじゃない。えっと、フィクションの中のノンフィクション?」

クズ「そうそう。君が体験したあの出来事は」

クズ「全て非実在の人物による非現実だよ」

クズ「ただ、あそこに居た人達にとって」

クズ「あれは間違いなくリアルの出来事なんだよ」



モブ「けど俺の感情とか、なんであんな一瞬で…」

モブ「後ろから椅子蹴られた時なんか」

モブ「バイト先でサボってるアイツに注意した時ロッカーを蹴とばされた記憶まで蘇りましたよ!?」

クズ「そんなの簡単さ!君たちはあの世界ではそういう役だったってことだよ」

クズ「ほら、捕まったスパイ物なのに抵抗してなかったり」

クズ「なんなら脱がされるときに腰を浮かせて協力してたりすると」

クズ「ちょっと興が削がれちゃったりしない?」

クズ「君達を非実在に選んだ神様もきっとそういうタイプなんじゃないかなぁ~」

モブ「そんなオカルトみたいな…」

モブ「けどその説明通りじゃないとおかしい事ばかりだし…」

シコ「喘ぎ声が演技だと男ってオチンポ萎えちゃうんでしょ?」

モブ「確かに演技丸出しだとちょっと……って!?女の子がそんなこと言っちゃだめだろ!?」

シコ「何よ今更!あと敬語は!?アタシの方が先輩だって言ってるじゃない!」

モブ「女の子がそんな事言っちゃだめですよ!」

クズ「あはは、順応が早いね!」

クズ「あ、ほらシコちゃん上カルビ焦げちゃうよ」

シコ「!クズさん早く取って取って!ちょうだい!」

クズ「はいはい~」


モブ「…………」

クズ「あれ?どうしたの?箸が進んでないね?」

モブ「・・・あの女の子は本気で嫌がってましたよね…?」

クズ「ああ、ノリちゃん?」

クズ「あの子は「本気なわけないじゃない!」」

シコ「ノリは生粋の淫乱よ?騎乗位でいっぱい動くのが大好きで」

シコ「男が泣いてお願いしてくるのが大好きな変態女!」

モブ「えっ、シコちゃん知り合いなの!?」

シコ「け、い、ご、は?」

モブ「あっ、…シリアイナンデスカ?」

クズ「そうだねぇ姉妹だったり恋人だったりしたことがあったねぇ」

シコ「クズさん余計なこと言わないで」ジロリ

クズ「あはは、ごめんごめん!」

シコ「ノリとは仕事仲間みたいなもの。だから断言できるの」

シコ「アイツのアレは演技!嫌がってるふりして男達を調子に乗せて」

シコ「そこから逆に男達を犯してグズグズにするのが大好きなの」

モブ「え、演技?あれが?本当に?」

クズ「そうそう!あのあと彼らはノリちゃんにこってり搾り取られてるよ~」

クズ「幼女を攫ってやらしい事したあと」

クズ「その幼女に逆レイプされちゃう☆」

クズ「っていう欲張りパックだったみたいだね」

モブ(あっけらかんとそう言うクズさんの横で)

モブ(シコちゃんは大きくため息をつくと)

シコ「ホントとんでもないこと考える変態オチンポ野郎がいるものね」

モブ(小さな口でウィンナーを噛み千切った)



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