風紀委員長(♀)「こら! 制服はちゃんと着なさい!」男「いやです」 (76)


風紀「なんで!」

男「解放感が欲しくて」

風紀「ブレザーのボタンを留めるだけでしょう!」

男「身長が伸びたので留めると苦しいんです」

風紀「じゃあ新しいのを買いなさい!」

男「いやです」

風紀「なんで!」

男「金かかるんで」

風紀「……じゃあ留めなさい!」

男「いやです」

風紀「もおぉぉ!」

男「牛の真似うまいね」

風紀「違う!!」


男「なんで留めなきゃいけないの?」

風紀「なんでって……制服はきちんと着るものです」

男「でも俺以外の人もこんな着方してるよ?」

風紀「他人がやってるからといってやって良いわけじゃありません!」

男「じゃあまずは他人がやってるからやってる他人をどうにかしないと」

風紀「そうです! ……ぇ? ん?」

男「ね?」

風紀「え、えっと……? いや違う! まずは貴方です! 危うく騙されるところでした!」

男「そんな悩むとは思わなかった」


男「委員長ってあんまり頭良くないよね」

風紀「そんなことありません!」

男「だってテストの順位で上位に入ってるの見たことないよ?」

風紀「うっ! そ、それは……」

男「俺はいっつも総合10位以内に入ってるよ」

風紀「知ってます……すごく尊敬してます……」

男「うちのクラスで10位以内俺だけだよ? 委員長は入らなくていいの?」

風紀「いずれは入る予定でして……」

男「よかったら今度勉強教えてあげるよ」

風紀「本当ですか!?」

男「だから見逃してよ」

風紀「それとこれとは話が別です!」

男「じゃあ教えない」

風紀「えぇぇ!? す、すみません……どうか教えてください……」

男「しょうがないなぁ。教えてあげるよ」

風紀「ありがとうございます!」

男「じゃあそういうことで。バイバイ」

風紀「ちょっと待ってください! 制服!」

男「……覚えてたんか」

風紀「そんなすぐ忘れるほど頭悪くないですっ!」


男「そろそろ帰してよ。早く家に帰りたい。廊下冷えるし」

風紀「だったら制服ちゃんと着てください!」

男「良いじゃん別に。全校集会でのチェックでちゃんとしてれば」

風紀「普段からちゃんとしてください! そのための風紀委員です!」

男「でも普段からしっかり活動してるのって委員長だけだよね」

風紀「……う、薄々感じてたことをストレートに言わないでください!」

男「頑張ってるよね」

風紀「え、は、はい……ありがとうございます///」

男「じゃあね」

風紀「待てぃ!」


男「お、何今の」

風紀「えっ」

男「『待てぃ!』だって。待てぃ!」

風紀「や、やめてください!///」

男「楽しくなっちゃったの? 待てぃ!」

風紀「やめてって言ってるじゃないですかぁ!///」

男「ちょ待てよ」

風紀「それは違う人です!」

男「じゃあ本物は?」

風紀「ぇ……ま、待てぃ!」

男「うわっ、本当にやるかよ……」

風紀「やれって言ったのはそっちじゃないですか!///」


男「ところで委員長」

風紀「な、なんですか?」

男「ウユニ塩湖って知ってる?」

風紀「なめないでください! それくらいは知ってます!」

男「どこにあるか知ってる?」

風紀「どこ? ……どこ? えーっと……み、南アメリカ……?」

男「の?」

風紀「の、の……アルゼンチン……とか?」

男「ばーか」

風紀「バカじゃないです!」

男「惜しいよ」

風紀「惜しいんですか!? じゃ、じゃあ……ブラジル!」

男「ばーか」

風紀「えぇこれもハズレ!? えーっとえーっと……チリ!」

男「バカだねぇ」

風紀「バカじゃないです!///」


風紀「正解は!?」

男「ボリビア」

風紀「ぼる、ぼりびあ?」

男「そうそうボルボリビア」

風紀「違いますよね!? 言い間違いですよ!」

男「でも知らないんだよね、おバカさんだもんね」

風紀「ち、違います!/// 不要な知識を入れてないだけです!」

男「でも今必要だったじゃん」

風紀「テストでは不要です!」

男「でもテストもあまり良く出来てないじゃん。必要な知識はどこに入ってるの?」

風紀「……ぁ……ぇぁっ……!」

男「そんな何も言えなくなることある?」


男「今度勉強しようね」

風紀「は、はい……」

男「……そういえば委員長とこんな話したことって今までないよね」

風紀「そ……そうですよね……言われてみれば」

男「待てぃ! 言われるまで気付かなかったの?」

風紀「掘り返していじってくるのやめてください! 気づかなかったというか、その……しっくりきてたので……」

男「たしかに。風紀さんとは気が合うかもね」

風紀「あ、あの……」

男「なに?」

風紀「風紀……でいいですよ/// 呼び捨てで……///」

男「分かった。バカ委員長」

風紀「なんで!? おかしいですって! 分かったって言ったじゃないですか!」

男「こっちの方が正しいじゃん」

風紀「正しくないですよ! 風紀の方が正しいですって!」

男「五分五分だけど、バカ委員長で」

風紀「五分五分じゃないです!」


男「じゃあ帰ろっか!」

風紀「いや制服!」

男「え、しつこっ……」

風紀「しつこくないですよ! なんで直さないんですか!」

男「え、なんで直さないかって?」

風紀「そうです! なんで直さないんですか!?」

男「え、なんで直さないかって?」

風紀「そうです! なんで直さないんですか!?」

男「え、なんで直さないかって?」

風紀「そうですって! 早く答えろ!」

男「どんどん口悪くなってるよ?」

風紀「貴方のせいです!!」


男「その前に風紀」

風紀「わ、はい、なんですか?///」

男「最近さ、あの……ふふふ……いいや、やっぱやめとくわ」

風紀「ちょっと! 気になるところでやめないでくださいよ!」

男「だってさぁ、はははっ。いいよいいよ、気にしないで?」

風紀「気にしますよぉ……! 教えてくださいっ、なんなんですか……!?」

男「言っていいの?」

風紀「い、言っちゃってください」

男「分かった。なら言うよ」

風紀「はい……!」

男「風紀、最近……」

風紀「っ……」ゴクリ

男「スカート短くしてるよね?」

風紀「っ!!///」


風紀「してません!///」

男「嘘だね。してます」

風紀「えっ、バレてたんですか!?///」

男「俺はね。みんなにはバレてるのかな? 他の男子と風紀のそういう話してないから分からん」

風紀「ぅ……興味持たれてないのはちょっと傷つく……」

男「……それとちょっと化粧してるよね?」

風紀「分かってたの!?///」

男「うん」

風紀「あぁもう……どうしよう……///」

男「オシャレしたいの?」

風紀「し、しちゃダメなんですか!?///」

男「いや全然いいと思うよ。そのくらいの化粧なら注意もされないと思うし」

風紀「でもぉ、うぅ〜……/// 恥ずかしいよぉ……///」


男「いやはや、あの真面目委員長がオシャレとはねぇ?」

風紀「私のこと全然知らないくせに……」

男「動機は?」

風紀「そんな事情聴取みたいな言い方やめてください……」

男「きっかけは?」

風紀「す……いや、あの/// か、可愛くなりたくて……///」

男「へぇ〜、可愛い理由」

風紀「そ、そうですかね……///」

男「女の子みたい」

風紀「女の子です!!///」


男「初めに気付いた時はびっくりしたよ。なんかヤバイことやり始めたのかと思った」

風紀「私ってどんなイメージなんですか……?」

男「うん、いいんじゃね?」

風紀「おかしくないですか?」

男「可愛いよ。ケバくならないように気をつけてね」

風紀「はい……///」

男「にしても頭良くないのによく化粧出来たね?」

風紀「頭悪くたってお化粧は出来るんです!」

男「おっぱいもこんなに大きいのに」

風紀「なっ! なんで関係ない胸の話が出てくるんですか! エッチ!」


男「待てぃ!」

風紀「だからそれやめてくださいって!」

男「いや真面目に待てぃ。おっぱいに興味があるだけの男子生徒とおっぱいデカくて可愛いミニスカ女子。どっちがエッチだよ、なぁ?」

風紀「ミニスカじゃないです、膝上!/// それに私はエッチじゃないです!///」

男「風紀、はねる」

風紀「ポケ○ンみたいに言わないでください! なんですか急に」

男「ジャンプジャンプ」

風紀「えぇ……? こ、こう?」タプンタプン

男「……やっぱりエッチじゃん……」

風紀「あ、そういう……!/// セクハラですよ!///」

男「知らねえなぁ。俺はエッチじゃんって言っただけで、何がとは言ってないもん」

風紀「普通に考えておっぱいのこと言ってるってなるでしょう!」


男「あらやだこの子ったら、おっぱいですって。大声で言うこと?」

風紀「ぁっや、こ、これは貴方が……///」

男「ちょっと風紀委員長さん? あら、どこ行ったのかしら? ってこの子が風紀委員長じゃないの!」

風紀「くさい芝居しないでください!///」

男「分かりました、おっぱ委員長さん」

風紀「な、ななんですかおっぱ委員長って!///」

男「おっぱいが巨大なる委員長」

風紀「解説なんかいりません!///」

男「なんですかって言ったじゃん……」


男「ねぇいつまでこのやり取り続けるの?」

風紀「貴方がブレザーのボタンを留めるまでです!」

男「じゃあ今夜は帰れないね」

風紀「帰りますよ! さっさと帰るんです!」

男「でも俺はボタンを留めないよ!」

風紀「留めてくださいよ!」

男「ボタン恐怖症なんだよ」

風紀「隠す気のない嘘を相手にする身にもなってください……」

男「風紀が留めて?」

風紀「え……? な、なんで私が!///」

男「ボタン留めるの上手そうじゃん」

風紀「ディスってます?」

男「称賛してる」

風紀「嘘つけ……」


風紀「しょうがないですね、も〜……」

男「ありがと〜」

風紀「じっとしててくださいね?」

男「はい」

風紀「まったく……」プチップチッ

男「……」

風紀「…………なんか夫婦みたい///」プチップチッ

男「……なんか夫婦みたい!!」

風紀「ちょ、なに人の言ったこと大声で繰り返してるんですか!!/// 誰かに聞かれたらどうするの!///」

男「だって聞こえたんだもん」

風紀「冗談ですよ!/// 誰が貴方なんかと!///」

男「嫌か」

風紀「い、嫌まではいかないかも知れませんけど……/// いきなり夫婦なんて、それは……///」

男「まずは付き合ってからだよね」

風紀「そうですね……まずはお互いを知らないと……///」

男「じゃあ付き合おう」

風紀「はい/// ……えっ?」


男「付き合おう」

風紀「ぅえ!? つき、付き合う!?///」

男「付き合おう」

風紀「ちょっと、えぇ!?/// こ、告白ですよねそれ!?///」

男「付き合おう」

風紀「待ってください!/// そんな……早いですよ!/// まともに話したの今日が初めてなのに……!///」

男「付き合おう」

風紀「ちょっとはまじめにやってくださいよ!!」


風紀「私はめっちゃ照れてるんですよ!? なんか他に言えないんですか!?」

男「可愛いよ」

風紀「うっ/// ありがとうございます……///」

男「化粧も似合ってるし」

風紀「ど、どうも……///」

男「おっぱいもデカい」

風紀「うわっ、台無しですよ!」

男「付き合おう」

風紀「素直に喜べないです!」

男「ツンデレ」

風紀「これはツンデレじゃないでしょう!」


男「付き合えない?」

風紀「だ、だって、あの……///」

男「好きな人でもいたりする?」

風紀「……いますけどぉ……!///」

男「あらら。だれ?」

風紀「いや、ぁ、えっと……/// うぅ〜っ!///」ギュウ

男「うおっ」

風紀「あ、貴方なんですけどっ……!///」

男「……えっ」


風紀「……///」

男「おぉ……」

風紀「貴方なんですよ……?///」

男「は、はい」

風紀「……///」

男「……好きな人だよね……?」

風紀「はいっ……///」

男「……えっ、で、どうする……?」

風紀「え、あぁっ、そうですね……/// えっと……お付き合い、お願いします……///」

男「こちらこそ、よろしく」

風紀「はいっ……///」ギュー

男「…………そろそろ離れない? 学校だし……」

風紀「あ、はい……」スッ

男「ふぅ」

風紀「あの……」

男「ん?」

風紀「聞きたいんですけど、貴方も私と付き合いたいんですよね……?」

男「そうだよ」

風紀「本気ですよね……?」

男「本気」

風紀「それにしては反応薄すぎませんか?」


男「……うふふ」

風紀「うふふじゃなくて!」

男「じゃあテンパって汗吹きながらドギマギすりゃいいの?」

風紀「そうじゃなくて! えっと……ゃ、そうです! テンパってくださいよ!」

男「無理だよ。だって俺の頭の中じゃウユニ塩湖はアルゼンチンに無いんだもん」

風紀「あっ、またバカにした!」

男「それは違う。『また』じゃなくて、『ずっと』バカだった」

風紀「ひどいです! 撤回を要求します!」

男「問題ッ!!!」

風紀「わぁ!?」

男「パナマ運河があるのはどこの国?」

風紀「え? えーっと……スエズ運河はエジプトだから……パナマ運河は……どこ……?」

男「……」


風紀「あっ! トルコ!?」

男「正気か?」

風紀「またハズレ!? 惜しいですか!?」

男「正気疑ってんのに惜しいわけないじゃん。大陸から違うよアホ」

風紀「うわぁぁん! アホじゃないですよぉ!」

男「なにが『あっ! トルコ!?』だ。閃いたつもりかアホ」

風紀「ねぇさっきからどんどん毒舌になってませんか!?」

男「風紀せいだよ」

風紀「私のせいじゃないです!」


風紀「結局答えはどこなんですか?」

男「パナマ」

風紀「……え? パナマ運河はパナマにあるんですか?」

男「そうだよ。でもどこにあるか知らないでしょ?」

風紀「それくらい知ってますし!」

男「本当? じゃあ答えられなかったらそこの自販機でジュース奢ってよ?」

風紀「い、いいですよ?」

男「それから腹が減ったからファミレスでなんか奢ってもらおうかな」

風紀「えぇ……も、もちろん……」

男「あと嘘つきとは付き合いたくないから、別れようか」

風紀「え……」

男「それでもやる?」

風紀「ぁっ……ぁ、ゃ……」ポロポロ

男「ぇっ……!?」


風紀「やだ……やだ! わ、別れたくないですっ……!」ポロポロ

男「え、ちょっと風紀? じょ、冗談だよ。別れないって、ね?」

風紀「で、でも私っ、分からないのに分かるって……嘘ついちゃった……!」ポロポロ

男「だから全部俺の冗談! 全然本気じゃないって! 風紀とせっかく付き合えたのに別れたりなんかしないよ!」

風紀「ほ、ほんとう……?」

男「ホントホント!」

風紀「うぅ、うぅぅっ……!」ギュウ

男「よ、よしよし、ごめんね。からかいすぎたよ、ごめんごめん……」ナデナデ

風紀「ひどいです……! ひどいですよぉ……!」ポロポロ

男「は、はい……ごめんなさい……流石にやりすぎました……」ナデナデ


風紀「えぐっ……うぅ……」

男「ごめんね、泣かなくてもいいから……」ナデナデ

風紀「はい……だ、大丈夫ですっ……平気です……」

男「よかった……」

風紀「ぐすっ……あ、あの」

男「ん?」

風紀「さっき、私とせっかく付き合えたのにって言ってました……よね?」

男「…………」

風紀「言ってましたよねっ……?」

男「……言ったね」

風紀「意味を教えてくださいっ」

男「いや、えっと……意味は、そのままだけど……」

風紀「私のこと好きだったんですか……?」

男「……うん」

風紀「ど、どうしてっ?///」

男「普段の立ち振る舞いとか、性格とか、なんか良いなって思ってて……あとは、まぁ……言いづらいけど見た目……」

風紀「それっていつ頃からですか?」

男「高校入ってからだよ?」

風紀「……んっ」ポコ

男「うくっ」


男「なぜ腹パン?」

風紀「貴方は高校からかも知れないですけど……」

男「うん」

風紀「わ、私は……中学の頃から好きだったんですっ///」

男「……え、中学同じだったんだ?」

風紀「…………」

男「怒ってる?」

風紀「覚えてないんですね……」

男「もしかして会ったことあるの!?」

風紀「本当に怒りますよ……?」

男「えぇ……ご、ごめん。でも風紀らしき人物の記憶がないんだけど……」


風紀「図書室で何かあったのを覚えてませんか……?」

男「中学で図書室……んー。ん? もしかしてあれ?」

風紀「貧血で倒れた子を保健室に連れて行きましたよね?」

男「うんうん! 背中に負ぶって保健室まで。え、あの子が風紀だったの?」

風紀「そうですよ……」

男「えーすご!」

風紀「顔は覚えてないんですか?」

男「急にぶっ倒れたもんだから俺含め周りの人みんな焦っててね……先生もいなかったからもう無我夢中よ」

風紀「その節はご迷惑をお掛けしました……///」


男「へぇーそんなことがねぇ」

風紀「他には覚えてないですか?」

男「え、他?」

風紀「むぅ……」

男「まだあるの?」

風紀「他に誰か背負った記憶は?」

男「そんなに背負った記憶…………マラソン大会?」

風紀「はい……」

男「あの子も風紀!?」

風紀「はい。なんで覚えてないんですか?」

男「だって髪の長さ違かったから」

風紀「あの時から伸ばしてたんです!」

男「それは言われなきゃ分かんないよ、別クラスだし……」


風紀「足を挫いたところに駆け寄って来てくれてがっつりやり取りしたじゃないですか……」

男「俺も走ってて疲れてたし……」

風紀「私はまたこの人に会えたって思ってたのに……」

男「俺は助けたの半分後悔してたよ」

風紀「な、なんで?」

男「中間地点までの1キロ半を女の子背負いながら走ったからね。死にかけたよ」

風紀「ひどいですよ、私が重いみたいな言い方……」

男「まぁ多分誰を背負っても同じこと思ってただろうから気にしないで」


男「あっ! あの〜……」

風紀「はい」

男「もう一つ女の子助けたような記憶あるんだけどもしかしたら……」

風紀「言ってみてください」

男「スキー教室……」

風紀「正解です」

男「マジかよ! あの時は転んでぶっ倒れてたよね」

風紀「じ、実は転んだっていうのは嘘なんです……」

男「え、そうなの? たしかに随分な転び方したなとは思ったけど……本当はどうしたの?」

風紀「滑りに行ったコースに小さい雪の山みたいな……ジャンプ台みたいなのが何個かあったじゃないですか」

男「あったね」

風紀「知らないで滑っちゃって……バランス崩して地面に叩きつけられたんです……」

男「はっはっはっはっ!」

風紀「笑い事じゃないですよ!/// 本当に痛かったんですからね!?」

男「ごめんごめん。なるほど納得。スキー板とストックが散乱してたわけだわ」

風紀「そうなんです……」

男「しかもその先に倒れてたからてっきり殺されたのかと思ったよ」

風紀「私も死んだかと思いましたよ……」


風紀「身体中痛くてしばらく動けなかったですし……」

男「代わりに俺がスキー板とストック拾い集めてね」

風紀「結局フリーの時間全部使って貴方から滑り方教えてもらいましたよね」

男「懐かしいなぁ。全然風紀には気付かなかったけど」

風紀「私は颯爽と貴方が助けに来てくれたそのときに完全に惚れましたよ」

男「うそ? なんというゲレンデマジック……てか俺って分かったの?」

風紀「『大丈夫ですか?』って声がマラソン大会と同じでしたし、ゴーグル外した時に顔も確認しました」

男「ひぇぇ」

風紀「なんですその反応は」

男「いやぁ、こういうのをご縁って言うんだろうね」

風紀「ならひぇぇなんて言わないでくださいよ……」


風紀「貴方は私のヒーローだったんですからね?」

男「過去形なの?」

風紀「こんな人だとは思ってませんでしたし……」

男「えー? そもそも俺そんなすごい人じゃないじゃん。中学の時に気付かなかったの?」

風紀「気付きませんでしたよ! だってヒーローなんですよ!? 陰から見ることしか出来なかったんですよ!?」

男「ちゃんと見てりゃヒーローじゃないって分かるんじゃね?」

風紀「私はですね、貴方みたいな正義の人になりたくて風紀委員長に立候補したんです!」

男「そう言われても……俺が風紀助けたのって全部偶々だし、委員長になれとも言ってないし……」

風紀「風紀委員として恥ずかしくない程度にオシャレもして! 他の子に負けないように頑張ったんですよ!?」

男「そこは気付いてたよ。可愛いからね」

風紀「ありがとうございます……/// なのに貴方はブレザーのボタンも留めないで下校しようとしますし!」

男「喜んだり怒ったり忙しいな」


風紀「いざ話したらこんな人だとは思いませんでした!」

男「どんな人だった?」

風紀「ドSです! バカバカアホアホ言ってきますし、私のことからかって楽しんでますし!」

男「可愛いんだもん」

風紀「ほ、ほらぁ!/// またそうやってからかうんです!///」

男「嫌?」

風紀「……い、嫌です!///」

男「嫌じゃないよ」

風紀「嫌ですよ! 勝手に決めないでください!」

男「絶対嫌じゃないよ。だって俺がドSでも幻滅したり別れようとしたりしないでしょ?」

風紀「そ……それとこれとは話が違います!///」

男「いや違くない。風紀はドMだよ」

風紀「違います!///」


男「違くないよ、風紀はドMだよ? だって風紀も俺との会話楽しんでるじゃん」

風紀「それは! えっと……す、好きな人とだから楽しいのであって!/// 決してMだから楽しいのではないです!///」

男「でも俺にイジメられるのが楽しいってのは事実なんだ?」

風紀「ち、違いますっ!///」

男「違くないよ。俺に会話でイジメられてるのもちゃんと楽しいんでしょ?」

風紀「ちがっ、違います……!/// そうじゃなくて、えっと……!///」

男「風紀」

風紀「は、はい?///」

男「可愛いよ」

風紀「え?/// ど、どうも……///」

男「よし! 風紀がドMだって結論が出たところで帰りますか!」

風紀「だから違うってばぁ!!///」

男「あれ、そこは『待てぃ!』じゃないの?」

風紀「いい加減そっちは忘れろ!///」


男「あ、時計見てよほら。風紀の相手してたせいで5時だよ?」

風紀「貴方がブレザーちゃんと着ないからですよ……ていうか全然キツくないじゃないですか」

男「そうかなぁ? 俺は窮屈に感じるけど」

風紀「でもちゃんと着てください」

男「風紀がボタン留めてくれるなら着るよ」

風紀「わがまま言わないでください、子供じゃないんですから!」

男「まだ子供ですぅ、べろべろべろべろばぁー」

風紀「こ、このっ……!」ヒュッ

男「避ける! そして!」キュッ

風紀「んきゅ!」

男「首絞め!」


風紀「ちょ、ちょっと……! 手を離してください……!」

男「別に本当には絞めてないじゃん。大袈裟だなぁ」パッ

風紀「だからって女子の首ねっこ掴む人がいますか!」

男「先に殴ってきたどっかの風紀委員長に言ってくれよ」

風紀「で、でもやりすぎです! それに殴ろうとしたんじゃなくちょっとはたこうとしただけです!」

男「でもはたこうとしたのは本当でしょ?」

風紀「くっ……自分の悪ふざけを棚に上げて……!」

男「それより風紀、靴。早く取りなよ」

風紀「え? あぁ、はい」


風紀「っしょ……」

男「風紀のとこ高めだから取るの大変だよね。いっつも思う」

風紀「本当ですよ……って! いつも見てたんですか!?」

男「余裕がある時に」

風紀「いや助けてくださいよ! 中学の頃の貴方はどこいっちゃったんですか!?」

男「本人の努力を尊重しようと思って」

風紀「優しさ!」

男「優しさ?」

風紀「そうです! 困ってる女の子を助ける優しさ! 無いんですか!?」

男「一緒に探してみる?」

風紀「無いですよ! どこにもありません!」


男「じゃあ俺のとこの下駄箱と交換する?」

風紀「え!? い、いいんですか?」

男「俺のはちょっと低いから。風紀のとこなら俺は使いやすいし、風紀もこっちの方がいいでしょ?」

風紀「え、えぇ。ありがとうございます……///」

男「……チョロすぎ〜」

風紀「はぇ!? な、何がです!?」

男「チョロいよ風紀。ちょっと優しくされたらすぐコロリなんだから」

風紀「違いますよ!/// やっぱり貴方は優しいんだなって思っただけで!/// 別にコロリってわけじゃ!///」

男「他の奴に優しくされてもコロっと落ちちゃダメだよ?」

風紀「落ちませんよ! 貴方だけですから! あっ……///」

男「あら大胆……」

風紀「ストップ!/// 今のは無しです!///」

男「いや、無し寄りのありだな」

風紀「なんで一回無しに寄るんですか!? それはそれで納得いきません!」

男「世は不条理に満ちている……」

風紀「ただの貴方のイジワルでしょう!」


男「そういや風紀」

風紀「今度はなんですか、まったく……」

男「この後って暇?」

風紀「暇? んー……まぁ、予定は特に無いですけど、どうして?」

男「俺ん家来ない?」

風紀「えぇ!? なんで……?」

男「俺が暇だから」

風紀「じゃあ貴方のおもちゃにされるだけじゃないですか!」

男「嬉しくないの? ドMちゃん」

風紀「嬉しくないしドMちゃんでもありません!///」

男「なんだショック……じゃあここでさよならだね……」

風紀「えっ……」


男「もっと風紀と話したかったな……でも本人が嫌なら仕方ないし……」

風紀「あ、あの!」

男「仕方ないよね、あんなにおっぱい大きいんだもん……」

風紀「おっぱい関係ないですし! ちょっと待ってくださいって!」

男「なに?」

風紀「よ、予定も無いですし、そんなに来て欲しいなら……行きますけど……///」

男「無理はしなくていいよ……」

風紀「行きますって……」

男「なんか嫌々っぽいし……」

風紀「喜んでお邪魔します!」

男「そんなにうちに来たいの?」

風紀「えっ、あーもぉ……はい……」

男「歓迎するよ! 入って入って!」

風紀「あれ!? ここ!?」

男「そうだよ」

風紀「学校からすぐじゃないですか! なんで遅刻多いんですか!?」

男「眠いんだもん」

風紀「たしかに朝は眠いですけど……」

男「ただいまー」ガチャ

風紀「ちょっと! まだ話の途中……お、お邪魔しますー……」


寝ます。
夕方くらいに再開しますね。


再開します。


母「ん、おかえりー」

男「ただいまー」

風紀「あ、お邪魔しますっ」

母「あら、どうも。その子誰?」

男「彼女」

風紀「ふぇ!?///」

母「あらぁ、やるじゃ〜ん」

風紀「違います!/// 勉強教えてもらいに来ただけで! ふ、風紀って言います!」

母「そうだったの? よろしくね風紀ちゃん」

風紀「よろしくお願いしますっ///」

男「え、なんで? さっき告」

風紀「あはははっ!/// じゃ、じゃあ私たち男くんの部屋に居ますので!///」グイッ

男「おわっ」

母「後でお菓子取りに来なさいよー」

男「はーい」


風紀「男くん!!///」

男「はい」

風紀「なんなんですかさっきの!///」

男「何って、事実じゃん」

風紀「事実でも恥ずかしいじゃないですか!/// もうちょっと隠してください!///」

男「でも男子が家に女子連れて来たら十中八九彼女でしょ」

風紀「そ、そうですけどぉ……!///」

男「まぁまぁ落ち着いて。お菓子と飲み物持ってくるよ」

風紀「話逸らさないでくださいよ……」

男「じゃ、ちょっと行ってくる」ガチャ バタン

風紀「ぁ、はい、いってらっしゃーい」フリフリ


風紀「……」チラッ

風紀「…………」チラチラッ

風紀「男くんの部屋……」

風紀「あの机で勉強して……」

風紀「このテーブルでお菓子食べて……」

風紀「このベッドで寝てるんですよね……」

風紀「……まだ戻って来ないですよね……」

風紀「んしょ……」モゾモゾ

風紀「……す、すご……/// 全部男くんの匂い……///」


風紀「すーっ、はー……すーっ、はー……///」

風紀「はぁ、はぁっ……!///」

風紀「すーー……はーっ……!♡」

風紀「はぁっ♡ はぁっ♡」

風紀「も、もうちょっとだけ……!♡」

男「とりあえずお菓子だけ」ガチャ

風紀「ぃっ!!?///」

男「持ってき……た……」

風紀「……///」

男「……」

風紀「……あ、あの!/// これはその……違うんです!///」

男「へー……」バタン カチャリ

風紀「私、ベッド出ますね!///」

男「そのまま」

風紀「えっ……?///」

男「俺もベッドに入るよ」

風紀「いや、だから/// 私はベッドから出るので……///」

男「そのまま。そっち詰めて」

風紀「ちょ、ちょっと……///」

男「よいしょっと」ギシッ

風紀「あわわわっ……!///」


男「ふぅ……」

風紀「ぁ、えっと……す、すみません///」

男「この枕は俺が使うから、風紀は俺が腕枕するね」

風紀「は、はい……///」

男「風紀、身体ごとこっち向いて?」

風紀「はい///」モゾモゾ

男「……」ギュゥ

風紀「ぁっ///」

男「よしよし」ナデナデ

風紀「……♡」

男「なんで俺のベッドに入ってたの?」

風紀「ぅ……!///」


風紀「すみません……!///」

男「風紀、責めたり怒ったりしてるんじゃないよ。理由聞かせてほしいだけ」

風紀「えっと……言わなきゃダメですか……?///」

男「ダメ」

風紀「…………お、男くんの匂いがするかなって、思って……///」

男「俺の匂い嗅ぎたかったの?」

風紀「……はいっ……///」

男「じゃあ嗅いでいいよ」

風紀「……? それって……ベッドから……?」

男「違う。俺から」

風紀「ちょっ、直接……?///」

男「うん。ちょうど向かいあってるから嗅ぎやすいでしょ?」

風紀「ぁ、ぇ……?///」


男「嗅がないの?」

風紀「えっと、本当に……いいん、ですか……?///」

男「どうぞ」

風紀「…………失礼しますっ///」ギュゥ

風紀「すー、はー♡ すーっ、はぁ♡」

男「……風紀」

風紀「はい……?♡」

男「犬みたいだね」

風紀「い、犬……!?/// そんな……!///」

男「嗅ぎ続けて」ナデナデ

風紀「は、はい……♡ すー……はぁ♡ すーっ、はーっ♡」

男「風紀は可愛い犬だね」ナデナデ

風紀「ふーっ♡ ふーっ♡」

男「俺の匂い好き?」

風紀「はい……♡」


男「あ、ダメダメ」

風紀「え……?♡」

男「犬なんだから、『はい』の時は『わん』って言わなきゃ」

風紀「そ、それじゃあ本当に男くんのペットみたいじゃないですか……!///」

男「風紀、『わん』」

風紀「ぁ、ぅ……ゎ……わん……?///」

男「お、良くできたね。えらいえらい」ナデナデ

風紀「わ、わん……♡」

男「俺の匂い好き?」

風紀「わん♡」

男「そっか。ちゃんと覚えるんだよ?」ナデナデ

風紀「わんっわんっ♡」


風紀「ふぅ、ふぅ……♡」ムニュ

男「……風紀、さっきから胸当たってるよ」

風紀「はぁっ……♡ はぁっ……♡」ムニュムニュ

男「…………そういえば風紀に言ったっけ、俺の能力」ナデナデ

風紀「へっ?♡ の、能力……?」

男「そう。俺はね、左手で他人の頭を触るとその人の思考を読めるんだよ」

風紀「え、えっ、嘘ですよね……?」

男「本当だよ。試してみる?」

風紀「あり得ないです! そんな非現実的な話!」

男「だから試すんだよ」


男「まずこうやって、左手で風紀の頭を撫でる」ナデナデ

風紀「は、はい……♡」

男「そうすると……ほら、分かってきた」

風紀「何を……ですか?」

男「なるほどなるほど……さっきの風紀の思考。俺におっぱい押し付けてエッチに持ちこもうとしてたでしょ?」

風紀「っ!!?///」


風紀「嘘です!!///」

男「お、図星突かれて焦ってるね。タネが気になるって? これが俺の能力なんだよ」ナデナデ

風紀「い、インチキです!/// あり得ませんそんなこと!///」

男「あり得てるんだからしょうがないじゃん?」

風紀「偶然です、偶々です!///」

男「じゃあ他のもやってみようか」

風紀「……何をするんです……」

男「……風紀がおっぱい大きくなり始めた頃を思い出して?」

風紀「な、なぜ?///」

男「俺の力って数日前くらいまでしか読めないんだよ。それより前は本人に思い出してもらわないといけなくて」

風紀「……どうせインチキでしょうけど、分かりました……はい」

男「どれどれ……」ナデナデ

風紀「……♡」


男「うーん…………」

風紀「読めるわけないでしょう……」

男「……これで俺に振り向いてもらえるかも?」

風紀「なぁ!!?/// えっ、ど、どんなトリックですか!?///」

男「トリックなんて無いよ」

風紀「あっ、分かりました! 友ちゃんですね!? 友ちゃんを買収しましたね!?」

男「違う。友さんの名誉の為に言うけど、そんなことはしてない」

風紀「じゃあなんで貴方が私と友ちゃんしか知らないことを知ってるんですかぁ!///」

男「さっきから言ってるのに。信じてくれないの?」

風紀「あああ、あり得ません!/// 信じるとか信じないじゃなくて、あり得ません!///」


男「じゃあもうちょっとやろうか」ナデナデ

風紀「う、嘘ですよこんなの……///」

男「……今日の昼休み、俺のこと見てたんだ?」

風紀「な、なんで……」

男「俺が珍しく弁当じゃなくて購買のパン食ってたから心配してくれたんだね。ありがとう」ナデナデ

風紀「怖いですよ! 一周回って恐怖になってきました!」

男「なになに……今日俺に声を掛けたのはブレザーがどうこうじゃなくてただお話がしたかったから?」ナデナデ

風紀「や、やめてぇ!///」

男「あ、これは言っちゃダメかな?」

風紀「なんですか……?」

男「……俺のこと考えてオナニーしてる」

風紀「っ!!!///」

男「……」

風紀「……///」

男「信じてもらえた?」

風紀「し、信じますから……もう許してください……///」

男「ふふん」ナデナデ

風紀「もうやめてぇ……///」


風紀「それ、いつから出来るようになったんですか?///」

男「分かんない」

風紀「えぇ……」

男「さてと、もう出ようか」

風紀「え、そんな……」

男「あぁそっか。風紀はエッチしたかったんだよね」

風紀「ぅっ/// 否定できない……///」

男「でもゴム無いから出来ないよ。そろそろ6時で時間ないし、母さん下に居るし」

風紀「……ですよね……」


男「……最後にキスしようか」

風紀「いいんですか!?」

男「そんな喜ばれると照れるよ」

風紀「ぁ/// そんなに喜んでました?///」

男「待ってましたと言わんばかりに」

風紀「す、すみません、はしたない女で……///」

男「風紀ってむっつりだよね」

風紀「もぉ……あんまりイジメないでください……///」

男「そういうとこも可愛いよ」

風紀「ありがとうございます……///」


男「じゃあ仰向けになって」

風紀「なんで仰向け?」

男「寝ながら横向いてキスしたらつば垂れるでしょ」

風紀「あ、なるほど///」

男「んじゃお願い」

風紀「わん///」モゾ

男「お、自分からわんこに。ご褒美にお腹撫でてあげるよ」サスサス

風紀「あぅっ♡ あの、それも良いんですけど、キス……///」

男「……そうだね、しようか」

風紀「わ、わん///」

男「……」

風紀「……///」ドキドキ

男「なんか緊張するね」

風紀「やるなら早く……!///」

男「はいはい。気が短いんだから」


男「ん……」

風紀「んっ♡」

男「……っ、風紀、口開けて」

風紀「わん♡ ぁー……♡」

男「んっ」

風紀「ぅん♡ んちゅっ♡ ちゅぱ♡ はぁ、はぁ……♡」

男「ふぅ……どう?」ナデナデ

風紀「わぅっわぅっ♡」

男「もっと? しょうがないなぁ。んむ」

風紀「んむっ!♡ ちゅう♡ ちゅぱっ♡ はぁっ……♡ んっ♡ んくっんくっ♡」

男「ん、くっ……はぁ、風紀……」ギュゥ

風紀「ふー、ふーっ……♡ わん♡ わうっ♡」

男「風紀っ……んっ……」

風紀「はむっ♡ んくっ♡ はぁ、ぁむ♡ ちゅぅ、ちゅぱ♡ んっんっ♡」

男「はぁ、はぁ……」

風紀「はぁっ、はぁ……♡ 男くんのつば、いっぱい飲んじゃった♡」

男「……風紀、エロすぎ」ギュッ

風紀「わん……♡」スリスリ


ガチャガチャガチャ

風紀「っ!?」

男「お?」

母「あれ? なんで鍵閉めてるのー?」

男「ノックしないで入ってこようとする人がいるからー」

母「やましいことしてないでしょうねー?」

男「いまエッチしてるー」

風紀「ち、違いますよ!?///」

母「あははは! 馬鹿なこと言ってないで降りてきて、ご飯だよー。風紀ちゃんも食べないー?」

風紀「私もですか!? えーっとぉ……」

男「せっかくだし一緒に食おうよ」

風紀「あ、じゃあ……すみません、いただきます」

母「はいよー」

男「もうちょっとしたら行くわー」

母「あーい」


風紀「もう!/// 変な冗談言わないでください、心臓止まるかと思いました……!///」

男「カナディアンジョークだよ」

風紀「下品なジョークにカナダを巻き込まないでください!///」

男「そんなこと言って。カナダがどこにあるかも知らないで」

風紀「知ってますけど!」

男「そうなの?」

風紀「アメリカの北にある国です」

男「大正解! えらいえらい!」ナデナデ

風紀「このくらい分かります!///」


男「それはそれとして風紀」

風紀「はい?」

男「今夜オナニーする?」

風紀「はぁぁ!?/// 何を馬鹿なこと聞いてるんです貴方!? セクハラですか!?」

男「はい、セクハラです」

風紀「いや、だから……分かってるならしないでくださいって!」

男「でもさっきのをおかずに夜中にするのかと思って」

風紀「そ……そんなの私の勝手です!///」

男「そこで賭けをしようと思って」

風紀「……賭け……?」

男「そうそう。どんな条件か聞きたい?」

風紀「私にとって良い条件ですよね?」

男「もちろん。少なくとも対等な条件だと思うよ」

風紀「じゃあ……聞いてみます」


男「明々後日の土曜日まで風紀がオナニーしなかったら風紀の勝ち。俺にして欲しいことをなんでもお願いして良いよ」

風紀「土曜日まで……お願いはなんでもですか?」

男「なんでもいいよ」

風紀「もし……し、しちゃったら?///」

男「風紀には俺のペットになってもらう」

風紀「ちょ、ちょっと待ってください! 私だけ代償重すぎませんか!?」

男「えー重い? 風紀だって俺のことペットに出来るんだよ?」

風紀「それは惹かれますけど……」

男「じゃあ風紀も条件決めて?」

風紀「……あ、じゃあ……私がしちゃったかどうか当てられたらにしませんか? 左手の力は無しで」

男「……なるほど。その場合したかしてないかどっちを当てても俺の勝ちだね?」

風紀「は、はい」

男「答え合わせの仕方は?」

風紀「男くんが答えた後に、左手で確認してくれれば……」

男「オッケー。じゃあ今度の土曜にウチに来て。10時ぐらいでいい?」

風紀「はい。……あの……本当になんでもいいんですか?///」

男「エッチなことでもなんでもいいよ。でも風紀が負けたら俺のペットだからね?」

風紀「ペット……/// エッチなことするんですか……?///」

男「いっぱいする」

風紀「……分かりました///」

男「じゃあそろそろ下に行こっか」

風紀「そ、そうですね。ご飯、いただきます」


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男子1「でさ! その店の唐揚げマジでデケェしうめぇし安いんだよ!」

男子2「へぇ〜、なんて店?」

男子1「名前? ……なんて言うんだっけ? 場所なら覚えてんだけど……」

男「山城じゃなかったっけ?」

男子1「あ、そうそう山城! なんだよお前、知ってたんなら教えてくれよー!」

男「いや、俺もそこ通りかかった時に見たことあるだけだったからさ。そんな良い店だったとは」

男子2「今度の休みに食いに行かね? 土曜とか」

男子1「土日部活あるわー」

男子2「あ、そっか。お前は?」

男「俺も土曜に予定ある。日曜も用事入りそう、すまん」

男子2「なんだよ……じゃあ俺一人で行くぜ」

男子1「ご飯無料で大盛りに出来っから!」

男子2「まじ?」

男「良いね」


友(♀)「男くん、ちょっといい?」

男「ん? あぁ友さん。どうしたの?」

男子1「お、何? もしかして土日は二人でデートか?」

男「違う。友さん、こいつは無視で」

友「分かった」

男子1「ひでぇ」

男子2「自業自得」

男「それでどうしたの?」

友「風紀がさ、男くんに超能力あってヤバイとかなんか訳わかんないこと相談してきたんだけど」

男「あ、マジで信じてたんだあの子」

友「どういうことなの?」


男「左手で頭に触ったらその人の思考読めるんだよーって言ってやってみただけ」

友「本当にあるのそれ?」

男「無いよ。超能力でもないしマジックでもない。ただ考えてること推理して当てただけ」

友「え、胸の話とかも?」ヒソヒソ

男「そうだよ。流石に外れるかと思ったんだけど当たったね」

友「でもなんで分かんの?」

男「……なんとなくそうかなぁって。分かりやすいじゃん風紀って」

友「それにしても察し良すぎない?」

男「そう? 長らく風紀が俺のこと好きってのは分からなかったけど」

友「それはあの子が積極的に行かなかったからってのもあるじゃん?」

男「たしかにそれはある」


男「他に風紀なんか言ってた?」

友「あぁ、後なんか賭けしてるんだっけ」

男「そう。何賭けてるかは聞いた?」

友「聞いてない。言えないってさ。何賭けてるの?」

男「うーん……俺もちょっと言えないわ」

友「あんまりヤバイもん賭けないでよ?」

男「大丈夫大丈夫。大したことないから」

友「本当に? てかそもそもどんな賭け?」

男「……それくらいはいっか。土曜までにあることをしたかしてないかを俺が当てるんだよ。当たったら俺の勝ち」

友「それって……あの子めっちゃ不利じゃん。顔に出るから」

男「はじめに俺が出した条件なら必勝出来た可能性あったんだけどね。俺も言った後にやべぇって思ったくらい」

友「あの子が条件変えたの?」

男「はじめの条件じゃすることは出来なかったからね。こっちのルールならしても俺が当てられなきゃ良いわけだから、そっちの方が良いと思ったんじゃない?」

友「それにしても必勝の条件崩すのか……アホかあの子は」

男「アホで助かったよ俺は」


男「それより風紀どんな感じだった?」

友「どんな……? あ、なんか勝つ自信はあるらしい」

男「自信あるのか……」

友「後は……なんかもじもじしてトイレ我慢してるっぽい。え、もしかして賭けってトイレ我慢みたいなやつ?」

男「いや、違う。流石にそれは身体に悪いしやらないよ。でもそっか、もじもじね。オッケー」

友「何がオッケーなんだか……じゃあ私そろそろ行くわ」

男「はーい。あ、ついでに風紀に言っといて」

友「何?」

男「『お前の負けだー』って」

友「……分かった、伝えとく」


とりあえずここまでです。
つづきは新スレを立てますのでトリップで検索等してまた読んで頂けると幸いです。
ありがとうございました。

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