ことり「穂乃果ちゃん、海未ちゃん。久しぶり」 (15)

ミーンミンミンミン

あれから5回目の夏が来た。

穂乃果「やっ!海未ちゃん!」

海未「早いですね…」

穂乃果「まあね。久々だね~海未ちゃん」

海未「こないだ会ったじゃないですか」

穂乃果「こないだって二週間前じゃん」

海未「会っているじゃないですか」

穂乃果「二週間前だよ?私の人生で海未ちゃんと二週間も会わないなんて…高校生の頃じゃ考えられないよ」

海未「高校生じゃないですからね」

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穂乃果「あはは…そうだね」

海未「飲み物はもう頼んだのですか?」

穂乃果「まだだよ。二人が来てから頼もうと思ってさ」

海未「そうですか」

穂乃果「うん」

海未「穂乃果…少し髪が伸びたんじゃないですか?」

穂乃果「え?あ~…そう言えば伸びて来たかも」

海未「気にしてないのですか?」

穂乃果「そう言うわけじゃないけどさ」

カランコロンカラン

穂乃果「ん?あっ!ことりちゃん!」

海未「ことり?」

ことり「あ~穂乃果ちゃ~ん。海未ちゃ~ん。久しぶり~」

穂乃果「久しぶり~ことりちゃん。元気だった?」

ことり「うん。元気だったよ!穂乃果ちゃんも元気…だよね?少し髪の毛伸びた?」

穂乃果「うん。いや~ことりちゃんだ~」

ことり「うん。ことりだよ」

海未「ことり。お久しぶりです」

ことり「海未ちゃん!久しぶり~!海未ちゃんも元気そうだね」

海未「はい。お陰様です」

穂乃果「さあ、ことりちゃん。座って座って」

ことり「うん」

穂乃果「ほんと久しぶりだね。何年振り?」

ことり「えっと…三年振りかな?」

穂乃果「え~もっと会ってない様な気がするなぁ」

海未「そうですね。前に会った時は…確か皆んなで集まったんでしたっけ?」

ことり「うん。えっと…花陽ちゃん達が卒業するタイミングだったかな?」

穂乃果「そっか。それ以来か…」

ことり「ごめんね?なかなか帰ってこれなくて」

穂乃果「大丈夫だよ。仕方ないもん。ね?」

海未「そうですね。やはり忙しいのですか?」

ことり「うん。毎日が勉強勉強で充実してるよ。怒られてばかりだけどね。えへへ…」

穂乃果「そうなんだ…。ねえ?あっちってどんな感じなの?」

ことり「どんな感じ?」

穂乃果「うん。やっぱり皆んな日本語喋らない訳じゃん?」

ことり「うん。そうだよ」

海未「当たり前でしょう…」

穂乃果「やっぱりあれ?ことりちゃんも英語話しちゃうの?」

ことり「ん~英語じゃないけど…だいぶ話せる様になったよ」

穂乃果「そうなんだ!凄いね!」

ことり「やっぱりあっちで生活してると自然と身につくよ」

海未「へ~やはりそうなのですね」

ことり「うん。二人は最近どんな感じなの?」

穂乃果「私は毎日勉強ばっかりだよ~」

ことり「穂乃果ちゃんが?」

穂乃果「ことりちゃん…その言葉…傷つくよ」

ことり「あっ、ごめん」

穂乃果「まあ、そう思われても仕方ないけどさ」

海未「今までが今までですからね」

ことり「もしかして…留年しちゃったとか…」

穂乃果「ち、違うよ。まあ、あれだよ。やりたい事を見つけたんだよね」

ことり「え?そうなの?」

穂乃果「うん。まあね」

ことり「え?何?何?聞きたいなぁ」

海未「聞いたらビックリしますよ」

穂乃果「先生になろうかなって」

ことり「先生?」

穂乃果「うん。まあね…」

ことり「凄い!穂乃果ちゃんならきっといい先生になれるよ!」

穂乃果「えへへ。うん。頑張る」

ことり「海未ちゃんは…」

海未「私は家を継ぐ事にします。色々と悩みました。このまま決められた人生で良いのか。でも、やはり私は日舞が好きなんですね」

ことり「そっか。凄いな二人共…」

穂乃果「ことりちゃん程じゃないけどね」

海未「そうですね」

ことり「そんな事…ないけどな…」

穂乃果「ことりちゃん?」

ことり「このままあっちの学校卒業すれば取り敢えずあっちで就職する事になると思うんだ…」

穂乃果「え?そうなの?」

ことり「うん。そしたら…今度は今以上にこっちに帰って来れなくなっちゃうと思うんだ」

穂乃果「今以上に?」

ことり「うん。もちろん…今以上に毎日が充実するだろうし私の夢だって…でもね、時々皆に会えない事が凄く寂しく感じる時があるの…」

穂乃果「ことりちゃん…」

海未「ことり…」

ことり「だから…だからね…私…迷ってて…。もういっその事…こっちに帰って来ちゃおうかなって…」

穂乃果「だめだよ…」

ことり「え?」

穂乃果「それはダメだよ。ことりちゃんの夢が叶うチャンスなんでしょ?」

ことり「うん…」

穂乃果「あの時…ことりちゃんを引き留めておいてどのツラ下げて言ってるんだろうって自分でも思うけど。でも、上手く言えないけど…ことりちゃんに会えなくなるのは凄く寂しいけど…でも、ことりちゃんには自分の夢を諦めて欲しくない」

ことり「穂乃果ちゃん…うん。そうだよね。穂乃果ちゃんならきっとそう言うのかなって思ってたから。今日は会えて良かった。本当は背中を押して貰いたかったんだ」





穂乃果「そっか…」

海未「と言う事は…次に会う時はお互い夢を叶えた時になると言うかですかね」

ことり「うん。それまでは…もうしばらく会えなくなっちゃうけど…」

穂乃果「うん」

海未「そうですね」

それから私達はいっぱい話をした。

穂乃果「あの時さ~」

海未「そんな事ありました?」

ことり「あったよね~」

初めて三人で遊んだ時の事、三人でよくお泊り会をした事、三人で迷子になって大人達に叱られた事、私と海未ちゃんが喧嘩してそれをことりちゃんがいつも止める役目だった事、μ'sや仲間達の事、生徒会を三人でやった事、ラブライブの事…。

話せば話す程盛り上がってその空間が昔に戻ると同時に時間がドンドンと進んでいった。

穂乃果「じゃあね、ことりちゃん」

ことり「うん」

海未「体には気をつけて」

ことり「ありがとう。次に会う時は…」

穂乃果「うん。そうだね」

ことり「それじゃあ…」

穂乃果「バイバイ」

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