竜「儂をそなたの嫁にしてくれぬだろうか」勇者「え?」(85)

竜「見事な腕じゃ。か弱い人間の身で儂に勝つとはのう」

勇者「囚われの人々を解放してもらうぞ」

竜「もちろんじゃ。約束を違えるような真似はせん」

竜「ところで一つ頼みがあるのじゃが」

勇者「頼み?」

竜「儂をそなたの嫁にしてくれぬだろうか」

勇者「…………」

竜「…………」

勇者「え?」

竜「え?」

勇者「え、どういうこと?」

竜「簡単なことじゃ。儂はそなたを好いておる」

竜「そなたのような強い男子の子を産みたいのじゃ」

勇者「えええええ! ますますわけがわからなくなったんだけど!?」

竜「なにも憶することはない。儂を愛してくれればそれでよい」

勇者「いやいやいやいや! きみ頭だいじょうぶか!」

竜姫「きみじゃなくて、儂のことは竜姫と呼んでほしいのじゃ旦那様」

勇者「旦那様!?」

竜姫「これ、急いで嫁入り道具の用意をせい」

竜A「ははっ、直ちに」

勇者「ちょっと!! 勝手に話を進めないでー!!」

――――――――
――――
――


勇者(あー俺は馬鹿か! こんなんじゃ勇者失格じゃないか!)

勇者(今からでもきっぱりと断らないと!)

女の子(?)「旦那様、お加減はいかがかの?」ヒョコッ

勇者「あれ、きみは……」

竜姫「ふふっ、驚かせたかの。竜姫じゃ」

竜姫「旦那様に愛してもらうためには竜の姿のままでは不都合だと思ってな」

竜姫「人の姿になってみたのじゃ」クルリ

勇者(かわいい///)

勇者(って、いかんいかん。ここは心を鬼にしないと!)

勇者「コホン……」

竜姫「旦那様?」

勇者「ごめん竜姫。君の気持ちには答えられないよ」

竜姫「い、いやじゃ! いやじゃいやじゃ!」

竜姫「そのような言葉聞きとうない!」

ギューーー

勇者「おわっ!?」ドシン

竜姫「儂は旦那様の側にいるのじゃ! 離れたくないのじゃ!」

勇者「困ったなぁ……」

竜姫「旦那様は他に想い人がおるのか?」

勇者「い、いないけど……」

竜姫「だったら儂のことを愛してほしいのじゃ!」ギューーー

勇者「だー! そういう問題じゃなくて!」

竜姫「……旦那様は儂のことが嫌い、なのかの?」

竜姫「いくら人の姿に化けたとはいえ、完全に同じとまではいかぬ」

竜姫「儂の皮膚は厚いウロコに覆われておるしシッポも生えておる」

竜姫「耳も人間のそれとは程遠い形じゃ」

竜姫「人間である旦那様が儂のことを醜いと思うのは……仕方なかろう」

竜姫「旦那様が本当に嫌ならこれ以上無理はいわぬ。潔く諦めるから……だから」ウル

勇者(この子……そんなにまで俺のことを)

ギュッ

竜姫「旦那様……?」

勇者「きれいだよ竜姫」

勇者「だからこれ以上自分のことを悪く言わないでくれ」

勇者「俺のことをこんなに愛してくれた女性はきみが初めてだ」

勇者「正直……嬉しかった」

勇者「勇者の立場とか、竜と人間のこととかいろいろ考えたけど、今はそんなの関係ない」

勇者「俺もきみが好きだ竜姫」

竜姫「う、うえええええん! 旦那様、旦那様あああああ!!」ギューーー

勇者「いてててて。いたいって」

竜姫「うーーーー! うーーーーー!!」

勇者(王様、姫様ごめんなさい。勇者の身で魔物と婚姻することをお許しください)

姫「くちゅんっ!」

メイド「姫様いかがされました?」

姫「あのね、だれかが私のウワサをしている気がするの」

メイド「自意識過剰では?」

姫「ああん!?」ギロッ

メイド「……いえなんでも」

姫「ああ、はやく愛しの勇者さまに会いたいわ。今はどこにいるのかしら?」

メイド「…………」

チュンチュン

勇者「……ん」

竜姫「旦那様、おはようなのじゃ!」

勇者「おはよう」

竜姫「昨日はすまなかったのう。年頃の娘のように泣きじゃくって」

竜姫「儂も長い間生きてきたがあんなに涙を流したのは初めてじゃ」

勇者「あのときの竜姫すっごくかわいかったよ」

竜姫「は、恥ずかしいから忘れてくれ///」

勇者(それは無理だと思うなぁ)

竜A「おはようございます。ゆうべはおたのしみでしたね」

竜姫「これ、恥ずかしいことを申すでない///」

勇者(昨日は添い寝しかしてないけどな)

竜A「勇者さまはこれから旅を続けられるので?」

勇者「うん、それが使命だからね」

竜姫「儂も旦那様についていくのじゃ。それが妻の務めというものじゃ」

竜A「ダメです姫様。勇者さまを困らせてはいけませんよ」

竜姫「なんじゃと! 儂が旦那様の足を引っ張ると思うてか!」

竜A「あの……ご迷惑でなければなんですけど」

勇者「あはは、わかりました」

竜A「勇者さまのこれからの旅の成功を願って餞別の品を用意しました。どうぞお受け取りください」

竜B「こちらは竜族に伝わる伝説の鎧です」

勇者「ありがとうございます」

竜C「こちらは伝説の剣です」

勇者「ありがとうございます」

竜D「エルフの飲み薬です」

勇者「え、こんなにもらっていいんですか?」

竜E「100000ゴールドです」

勇者「いや……もうさすがに」

竜F「小さなメダル50ma勇者「あ、あの! お気持ちだけで十分ですから!」

竜A「勇者さま、くれぐれも姫様のことをよろしくお願いしますね」

…………

勇者「いやーこんなにもらえるなんて。旅がグッと楽になりそうだよ」

竜姫「でも過保護すぎなのじゃ。儂をいつまでも子ども扱いしおって」プー

勇者「怒らない怒らない。みんな竜姫のことが心配なんだよ」

竜姫「んー、それはわかっておるが」

勇者「そういえば竜姫って何歳なんだっけ?」

竜姫「儂は200歳じゃ」

勇者「200!?」

竜姫「1人前の竜と認められるには1000年が必要なんじゃ。想像がつかんじゃろ?」

勇者「ほえー」

勇者(ケタが違いすぎる)

竜のほこら近くの村

村長「おおっ、勇者さまご無事でしたか!」

男「ええ、村の皆さんは?」

村長「勇者さまのおかげで全員無事です! ほんとになんとお礼を言ったらいいか」

村長「……そちらにおられるもう一人の方は?」

竜姫「儂は竜族の姫じゃ」

村長「ひいっ!? お助けを!?」

竜姫「安心せい。竜族はもう人間に害の及ぶようなことはせぬわ」

村長「へっ?」

竜姫「これもすべて旦那様と儂の愛のおかげじゃな///」

村長「あの……一体なにが?」

勇者「その……いろいろ深い事情があって」

勇者(その後、村の皆さんが僕らのために祝宴を開いてくれた)

竜姫「もぐもぐ……おかわりなのじゃ!」

村娘「はーい」

勇者(馴染みすぎだろ。というかよく食べるなあ)

村長「ささ、勇者さまもどうぞ」トクトクトク

勇者「あっ、どうも」

村娘「竜姫さま、これは村の名物『とろとろ蜜だんご』です。よかったら召し上がってください」

竜姫「なんじゃこの珍妙な食べ物は。儂はそんなものより肉が食べたいのじゃ」

勇者「こら、竜姫。村の人がせっかく勧めてくれてるのにそんなこと言っちゃダメでしょ」

竜姫「むぅ、旦那様がいうなら一つだけ食べてみるのじゃ」ヒョイッ

竜姫「……んむんむ」

竜姫「………っ」プルプル

勇者「竜姫?」

竜姫「すっっっっごくおいしいのじゃっ! おいしすぎてほっぺたがとろけ落ちそうなのじゃ!」

勇者「ず、ずいぶん気に入ったんだね」

竜姫「うむ! しあわせな気分じゃ~。人の世にこのように美味なものがあるとはのう」キラキラ

村娘「うふふ、気に入っていただけたようでよかったです」

竜姫「これを作っているのは誰なのじゃ。おそらく只者ではあるまい」

村娘「練習すれば誰でもできますよ」

竜姫「なんと!」

村娘「竜姫さまもやってみますか?」

竜姫「やりたいのじゃ!」

勇者「あはは……」

宿屋

竜姫「世界には儂の知らない美味なものがまだまだあるんじゃろうな~。明日からの冒険が楽しみじゃ」

勇者「おいおい、本来の旅の目的を忘れないでよ。俺たちは……」

竜姫「わかっておる。魔王討伐じゃろう」

竜姫「旦那様は魔王配下に四天王と呼ばれる者たちがおるのを知っておるか?」

勇者「四天王? 知らないなぁ」

竜姫「人間である旦那様がしらんのも無理はないわい」

竜姫「四天王は儂ら魔物の前にも滅多に姿を現さない謎に包まれた存在なのじゃ」

竜姫「やつらは一匹一匹が強力な魔物であるだけでなく、なにやら得体のしれない力を操ることができるらしい」

勇者「なんだか不気味だなぁ……」

竜姫「いくら旦那様とはいえ生身で立ち向かうのは危険きわまりない。対抗策を用意する必要があろう」

勇者「この冒険は、魔王軍に苦しめられてる人たちを救うのが第一の目的で」

勇者「四天王に対抗する力を見つけるのが第二の目的ということだね」

竜姫「うむ、それとおいしいものを探すのが第三の目的じゃ♪」

勇者「ほんと食いしん坊だなぁ」

勇者「よーし、明日からの冒険に備えてゆっくり休むぞ~」

竜姫「…………」キュッ

勇者「竜姫?」

竜姫「先日は初夜なのに、なにもしないまま眠ってしまったの」

竜姫「それがずっと……心残りだったのじゃ」

竜姫「儂はまだ眠りとうない」

竜姫「儂を旦那様の女にしてほしいのじゃ……」

勇者「いいの?」

竜姫「…………///」コクリ

勇者「…………///」ドキドキドキドキ

竜姫「灯を……消してほしいのじゃ///」

勇者「う、うん!///」

フッ……

――――――――
――――
――


竜姫「……朝か」

竜姫(以前は色恋など婦女子のくだらぬ遊びと考えておったが)

竜姫(不思議と満ち足りた気分じゃ。これも旦那様と結ばれたおかげじゃ)

竜姫(昨晩は……激しかったのう)

竜姫「…………///」ポッ

勇者「くかー」

竜姫「平和そうな顔をしおってからに」

プニプニ

勇者「ん、んんー?」

竜姫「ふふっ」

竜姫(寝床の上では獅子のように勇ましかったが、寝顔は赤子のようにかわいいのう)

竜姫「んっ」チューーー

勇者「……竜姫?」

竜姫「!?」

ドッタンバッタン

竜姫「うぅーいたいのじゃー。たんこぶができたのじゃー」ポロポロ

勇者「おいおい、なにやってるんだよ」

竜姫(寝床の上では獅子のように勇ましかったが、寝顔は赤子のようにかわいいのう)

竜姫「んっ」チューーー

勇者「……竜姫?」

竜姫「!?」

ドッタンバッタン

竜姫「うぅーいたいのじゃー。たんこぶができたのじゃー」ポロポロ

勇者「なにやってんの! ほら、傷口みせて!」

竜姫「う~~~」

村長「もう旅立たれるのですか、残念ですな」

勇者「ええ、お世話になりました」

村長「次の目的地に迷っておられるなら、北のリッチの町に行かれるのはどうでしょう」

村長「あそこは交易が盛んで多くの人が集まります。情報収集をするにはうってつけの地でしょう」

勇者「リッチの町……行ってみます!」

村長「どうかご無事で。また会える日を願っております」

竜姫「また『とろとろ蜜だんご』を食べにくるのじゃ!」

勇者「竜姫、ちょっと話があるんだけど」

竜姫「なんじゃ?」

勇者「これからの旅路で、俺たちはいろんな人と出会うと思う」

勇者「魔物に寛容的な人、魔物にそこまで感心がない人」

勇者「……魔物を忌み嫌っている人」

勇者「竜姫を危険な目にあわせようとする人も中にはいるかもしれない。だから――」

スッ

竜姫「ローブ……旦那様のか?」

勇者「うん、ボロで悪いけどね。竜姫にはこれで身を隠しててほしいんだ」

竜姫「旦那様ー!!」ギューーー

勇者「うわあっ!」

竜姫「嬉しいのじゃ! 儂のことを心配してくれたんじゃな!」

勇者「ちょっと竜姫、恥ずかしいから」

竜姫「好きじゃー! 大好きじゃー!!」

竜姫「あいわかった。これからは身分を偽ることにするのじゃ」

竜姫「そうじゃな……勇者の妻の女魔導士という設定はどうじゃろう!」

勇者「なんか照れくさいな///」

勇者「そういえば、竜姫は魔法は使えるの?」

竜姫「さっぱりじゃ! 殴り合いは自信があるがのう」

勇者「そ、そっか……」

勇者(拳のみが武器の女魔導士……いろいろ矛盾してるけどまあいいか)

竜姫「…………」クンクン

竜姫(このローブ……女の匂いがするのじゃ)

リッチの町

ザワザワザワ

竜姫「お~~~。お~~~」キョロキョロ

竜姫「人と物が多すぎて目が回りそうじゃ~」

勇者「ほんとだね」

勇者「これだけ人が多いとはぐれちゃいそうだ」

ギュッ

勇者「手放しちゃだめだよ?」

竜姫「うむ!」

竜姫(旦那様の手、大きい)

竜姫(……温かいのじゃ)

勇者「さて、夜になる前に用事を済ませないと」

竜姫「うむ、食べ歩きじゃー!」

勇者「それは後ね。まずは情報を集めよう」

竜姫「うぅ……」ウルウル

勇者「そんな物欲しそうな目してもだめ」

竜姫(放っておいても食べ物のにおいが鼻に入ってきおるのに……恨めしいのう)

婦人「今はこの町も平和だけど、魔王軍のことを考えると恐ろしくて夜も眠れないわね」

…………

少年「町のはずれに誰も住んでいないお屋敷があるんだけど、友達がそこに肝試しに行くんだって」

少年「ボクはやめようって言ったのに……」

…………

商人「他の大陸は魔王の手に落ちたらしいですぜ。この大陸もそう長くはもたないでしょうね……」

…………

旅人「オークスの村が魔物に占領されたそうだ。命が惜しいなら近づかないほうがいいぞ」

…………

男「はぁ……あのときの快感が忘れられねえ。もう人間の女じゃ満足できねえよ」

…………

娼婦「あなた知ってる? 夜になると現れるサキュバスの話」

娼婦「そいつが客を奪っていくせいで最近は商売あがったりよ。警備兵はなにをやってるのかしら!」

…………

勇者「だいぶ情報が集まったね」

竜姫「玉石混交じゃがな。優先すべきはオークスの町じゃろう」

勇者「そうだね。オークスの件は魔王軍に一番関係がありそうだ」

勇者「なにはともあれ、今日は体を休めて明日から行動しよう」

竜姫「…………」

竜姫「旦那様、今日の儂はがんばったのじゃ」

竜姫「はらぺこでも我慢したのじゃ」

勇者「うん、よくがんばったね竜姫」ナデナデ

竜姫「足りないのじゃ」

勇者「竜姫はえらい」ナデナデ

竜姫「もっと褒めてほしいのじゃ」

勇者「えらいえらい」ナデナデ

竜姫「えへへ///」

勇者「がんばったご褒美に、今日はお腹いっぱいになるまで食べていいよ」

竜姫「!!」パァーッ

竜姫「やったのじゃ!」ピョンピョン

勇者「あーよだれ垂れてるから、もう」フキフキ

勇者「竜姫はえらい」ナデナデ

竜姫「もっと褒めてほしいのじゃ」

勇者「えらいえらい」ナデナデ

竜姫「えへへ///」

勇者「がんばったご褒美に、今日は好きなだけ食べていいよ」

竜姫「!!」パァーッ

竜姫「やったーなのじゃ!」ピョンピョン

勇者「あーよだれ垂れてるから、もう」フキフキ

メイド「あ”あ”ーーーちくしょー! あの変態ドS腹黒姫め!」

メイド「人使いが荒いんだよ! あたしをこんなところまで使いっ走りさせやがって! くそがっ!!」

メイド妹「お姉さま、口が悪いですよ~」

メイド「知るかっ! 普段は口に出せない分、思いっきり愚痴ってやるからな!」

メイド妹「い~けないんだ~いけないんだ~♪ 姫様に言っちゃ~お~♪」

メイド「ごめん……マジでやめて。それだけはマジでやめて」

メイド妹「え~いやですよ~」

メイド「お願い、お姉ちゃんの一生のお願いだから」

メイド妹「だって、いいことをすると姫様からご褒美がもらえるんですもの」

メイド妹「うふふ、想像するだけでゾクゾクしちゃいます///」ゾクゾクッ

メイド(ドM……)

メイド妹「お姉さまだって姫様のお仕置きがほしいでしょう?」

メイド妹「ね、お姉さまもいっしょに気持ちよくなりましょうよ。ねっ?」

メイド「なんでだよ! いやだよ!」

メイド妹「気持ちいいのに……」

メイド妹「……あら?」

メイド「どした?」

メイド妹「しっ」

メイド「いきなりなんだy……もがもが!」


竜姫「んむんむ」

勇者「おいしい?」

竜姫「うむ、おいしいぞ!」



メイド妹「行きましたか」ササッ

メイド「……ぶはっ! おまえ急になにすんだよ!」

メイド妹「あれは勇者さまですわ」

メイド「は?」

メイド妹「尾行しましょう」

メイド「?」

勇者「ねえ竜姫、なんか視線を感じない?」

竜姫「はて、なにも感じぬが……」

勇者「うーん」


メイド妹「じーーー」

メイド「ねぇやめようよー。お姉ちゃんもう疲れたよー」

メイド妹「先ほどから勇者さまの隣を歩いてる少女。一体何者……?」

メイド「ただの迷子だろ」

メイド妹「お姉さまは黙ってて」ビシッ

メイド(妹がこわい……)

竜姫「次はあれが食べたいのじゃ!」

勇者「はいはい」

<どろぼー!

勇者「ん?」

女「泥棒よ! だれかつかまえてー!」

竜姫「旦那さま」

勇者「任せて」

あらくれ「なんだにいちゃん? 俺とやるってか?」スチャッ

グイッ

あらくれ「いててててて!」


メイド妹「あら」

メイド「…………」

――――――――
――――
――


警備隊長「いやーお手間をとらせましたな。近年ああいった手合いが増えて困ったものです」

警備隊長「あなたのお名前を伺ってもよろしいかな? 相当な手練れの方とお見受けするが」

勇者「勇者です」

竜姫「妻じゃ!」

警備隊長「なんと! 勇者さまがこの町にこられるとは! むむむ」

警備隊長「ここだけの話、あなたの実力を見込んで頼みたいことがあるのですが……」

勇者「俺に協力できることなら是非」

警備隊長「それはありがたい! 勇者さまはサキュバスの噂をご存知ですかな?」

勇者「夜になると人を襲うんですよね」

警備隊長「ええ、どうやら一匹のサキュバスがこの町を餌場に選んだようで、ここ一か月の間若い男性の精が絞られ続けています」

警備隊長「昨日は三人の被害者がでました。そのうち二人は我が隊の者です」

警備隊長「幸い命に別状はないのですが……」

兵士「あへえぇぇぇぇ」

警備隊長「あのようにまともに動けぬ状態です」

勇者「ひどい」

竜姫(そうか……?)

警備隊長「我々を挑発するかのように、サキュバスは毎晩0時ちょうどに現れます」

警備隊長「どうかこのとおり! これ以上人員の被害を出してはこの町の治安が!」ガバッ

勇者「あ、頭をあげてください!」

勇者「俺も事件の解決に協力しますから」

警備隊長「ありがとうございます! ありがとうございます!」

竜姫「よいのか? この事件の規模は小規模、魔王軍になんの関係もなさそうじゃが」

勇者「困っている人が目の前にいるんだ。それを見捨てることなんてできないよ」

竜姫「……サキュバスに精を絞られたいなどと考えてはおるまいな?」ジトーーー

勇者「ええっ!? そ、そんなこと!」

竜姫「スケベ」

勇者「りゅ、竜姫がいきなり変なこと言うからだろ!」

そして――

男「もうこんな時間か。急いで帰らないと」

?「ねえ、そこのお兄さん。今から私と遊ばない?」

男「!!」

男(うおっ、ちょ~美人! 逆ナンか!?)

?「ふふふっ」

…………

勇者「そろそろだね。竜姫はそっちの通りを頼むよ」

竜姫「やはり儂もいっしょのほうが……」

勇者「だめだよ。二人で行動したら怪しまれるでしょ?」

竜姫「むう……」

勇者「だいじょうぶだよ。俺はサキュバスの誘惑に負けたりしないって」ナデナデ

竜姫「信じておるからな」

勇者「うん」

メイド妹(勇者さまを見失ってしまいました……)

メイド「ねーほんとかえろうよー」

変態「ふふふふ」

メイド(なんだこいつ……)

変態「見てください」

メイド妹「はい?」

変態「僕を見てくださーい!!」バサッ

メイド妹「きゃああああああっ!!」

メイド「てめえ! うちの妹にきたねえもん見せんじゃねー!」

バキッ

変態「あひっ」ドサッ

メイド「だいじょうぶか!?」

メイド妹「お姉さま~こわかったです」ウルウル

メイド「だから言ったろ。ほら、宿にもどるぞ」

メイド妹「はい……」シクシク

勇者「いないなぁ」キョロキョロ

<あ、うぅぅ……

勇者「だれかいるんですか!」ダッ

勇者「こ……これは」

男「ほへぇぇぇ……しゅごかったよぉぉぉ」

勇者(うっ……すごい匂いだ)

勇者「まだそう遠くへは行ってないな」

勇者(それに……かすかに気配も感じる)


?「…………」

竜姫「旦那様……」

竜姫「…………」

竜姫(なんだかいやな胸騒ぎがするのう……)

<助けてくれー!

?「ふふふ、冷たいのが絡みついて気持ちいいでしょ?」

?「おとなしくしてくれたら、もっと気持ちよくしてあげるよ~」ニュルニュル

兵士「う、うわあああ」

竜姫「そこまでじゃ」

?「ふっふっふ、わたしが誰だかわかってるのかなー?」

?「わたしはサキュバス様だぞー!」

竜姫「知っておる」

?「襲っちゃうぞー!」

竜姫「やってみろ」

?「こ、こわいんだぞー!」

竜姫「言いたいことはそれだけか?」スッ

スライム娘「ぷるぷる、ごめんなさい。いじめないで」

竜姫「やれやれ、まさか模倣犯がおるとはのう」

スライム娘「ごめんなさい」

竜姫「二度としないと誓うなら許す。とっとと去ね」

スライム娘「ひーん!」ニュルニュル

兵士「スライムに遅れをとるとは……お恥ずかしい限りです」

竜姫「そっちの区域はどうじゃった?」

兵士「こちらは特に異常もなく」

竜姫(とすると、残るは旦那様の……)

竜姫「……っ!」ダッ

兵士「竜姫さま!」

勇者「…………」

勇者「………っ」ザッ

勇者「いいかげん出てきたらどうだ! そこにいるんだろう!」

<へ~すご~い

?「私がいるってわかっちゃうんだ~」

勇者「おまえが……」

サキュバス「そう、私がサキュバスよ。よろしくねぼうや」

勇者「どうして人間を襲うんだ!」

サキュバス「そんなの決まってるじゃない。サキュバスにとって人間の精液はごちそうなのよ」

サキュバス「誰だって好物が目の前にあったら、つまみ食いしちゃうでしょ?」

勇者「ふざけるなっ!」スチャッ

勇者「これ以上好き勝手するのは、俺が許さない!」

サキュバス「ふふっ、そうこなくっちゃ。お姉さんのテクは一度味わうとやみつきになるわよ~」

サキュバス「私以外じゃイケない体にしてあげる♪」ペロッ

勇者「やあっ!」

サキュバス「くっ!」

キインッ

勇者「そりゃっ!」

サキュバス「このっ……!」

ガキッ…キキキキ

サキュバス(なんてパワーなの……私が斬撃を防ぐだけで精一杯なんて)

サキュバス(やっぱりこの子ただ者じゃない!)

勇者「……もらった!」

キインッ!!

サキュバス「!!」

カランカランッ

勇者「きみの負けだ。大人しく降伏しろ」

サキュバス「さあ、それはどうかしら?」

サキュバス(正面から挑んでも勝ち目は薄いわね。こうなったら――)

バサッ

勇者(飛んだ……?)

サキュバス「残念ね。空中ならきみの自慢の剣技も私に届かないでしょ?」

サキュバス「ほめてあげるわよぼうや。私に魔法を使わせるなんて……」

サキュバス「人間ではあなたがはじめてよ!」

サキュバス「はああああああ」キュイイイイ

サキュバス「燃えよ火球! 我が敵を焼きつく……」

勇者「デイン!」

サキュバス「!?」

サキュバス(しまっ! 回避が間に合わ……!!)

バチチッ

サキュバス「く……うっ」フラッ

勇者「うおおおおおお!!」

ザシュッ

サキュバス「きゃああああああ!!」

サキュバス「く……うぅぅ」

勇者「おまえの敗因は二つだ」

勇者「一つ目は、俺が魔法を使えないだろうと高をくくっていたこと」

勇者「二つ目は、詠唱に時間のかかる魔法で大きな隙を作ったことだ」

サキュバス「デインの魔法……もしかしてあなたがウワサの」

勇者「勇者だ」

勇者「さあ観念してもらうぞ」

サキュバス「お、お願い許して! これからは心を入れ替えるから!」

勇者「…………」

サキュバス「言い訳をするわけじゃないけど、私だってやむにやまれぬ事情があったのよ」

サキュバス「かつては、人を襲うのをやめて真っ当に生きようと考えたこともあったわ」

サキュバス「……うまくはいかなかったけどね」

サキュバス「娼婦として働こうと思ったこともあったのよ。でもそれも、いろんなところから反対があっておしまい」

サキュバス「しだいに食べるものにも困って、現在に至るというわけよ」

勇者「そんなことが……」

勇者(この魔物は、最初から人間に敵対していたわけじゃなかった)

勇者(人間が拒否しなければ……今頃は共存できていたかもしれない)

勇者(立場が違っていれば俺と竜姫だって……)

勇者「…………」

サキュバス「私だってチャンスがあるなら、こんな自分を変えたいと思ってる」

サキュバス「信じて……ほしいの。この目が嘘を言ってるようにみえる?」ジッ

竜姫『旦那様!』

勇者(そうだよな……竜姫)

勇者「わかった、俺はきみを信じ……」

サキュバス「■■■■」ギンッ

勇者「る……あ?」

バタッ

勇者「」

サキュバス「いい子ね勇者くんは。ほんといい子」ナデナデ

サキュバス「お姉さん、きみのこと気に入っちゃたぁ」

勇者(しびれ、て……うごけな……)

サキュバス「これからは町の人を襲うのはやめるわ。その代わり……」

サキュバス「きみをお姉さん専用の搾精奴隷にしてあげる♪」

サキュバス「朝から晩までSEXして寝るだけの日々……死ぬまでそれが延々に続くのよ」

サキュバス「まさに夢のような生活でしょ。どう思う?」

勇者「……ま……れ」

サキュバス「へ~そういう態度とっちゃうんだ~~~」ニヤリ

サキュバス「じゃあ……なにも考えられないようにしてあげるね♥」

サキュバス「ふふっ、動けないのも興奮するでしょ?」

サキュバス「おち○ちん……たっぷり虐めてあげるね♥」

ヌギッ

サキュバス「わ~おっきい~♥ なにもしてないのにビンビンになってる♥」

サキュバス「くすっ、この状況で勃起してるって……もしかして勇者くんは筋金入りの変態さん?」

サキュバス「恥ずかしいと思わないの? さっきまでは真面目そうなこと言ってたくせに」

サキュバス「心の中では、お姉さんにおち○ちん弄られるのずっと期待してたんだ~」

サキュバス「あっ、大きくなった♥ ほんと勇者くんは救いようがない変態さんだね」

サキュバス「ふーーーー」

サキュバス「ふふっ、ビクンってなった♥」

サキュバス「どう? おち○ちんに息吹きかけられるのも悪くないでしょ」

サキュバス「もどかしくて……切なくて……たまらないでしょ?」

サキュバス「おち○ちん、手でイカせてほしい? ダメ~」

サキュバス「手でイカせてほしかったら……奴隷らしくもっと物欲しそうな目をしてみてよ」

サキュバス「そうすれば、私の考えも変わるかもしれないよ?」

サキュバス「ふーーーー」

サキュバス「うふふ♥」

チュパチュパ

サキュバス「お味はどう? ストッキング一日中履きっぱなしでむれむれの足、気にいってくれたかしら?」

サキュバス「匂いもたまらないでしょ? ゆっくり堪能してね♥」

サキュバス「それにしても、今まで勇者くんに期待してきた人も浮かばれないわね」

サキュバス「魔王討伐のために旅立ったはずなのに……やってることがこれだもの」

サキュバス「きみのご両親、王様、友達、故郷の人たちがこのありさまをみたらなんて思うかしら?」

サキュバス「きっとみんなきみに失望して、そのうえ軽蔑するに違いないわね」

サキュバス「申し訳ないと思うなら心の中で謝りなさい? 謝っても許してくれる人は誰もいないだろうけど」

サキュバス「でも安心して。私だけはあなたのことを見捨てたりしないから」ナデ

サキュバス「だからもっと私に従順になりなさい。そうすれば、おち○ちんもっとかわいがってあげるわよ♥」

サキュバス「さて、次はどう料理してあげようかしら」

<旦那様!

勇者「!!」

勇者(竜姫!!)

竜姫「これは……これはいったい……なにが?」

サキュバス「なに? 今はせっかくのお楽しみの最中なの。邪魔しないでくれる?」

竜姫「貴様……! 儂の……儂の旦那様になんてことを!」

竜姫「絶対に許さんぞ!! 貴様ぁ!!」

サキュバス「はぁ……興覚めもいいとこだわ」

サキュバス「ちょっと黙りなさいよアンタ」

勇者(ダメだ……竜姫……こっちに来ちゃだめだ!!)

サキュバス「私の目をみなさい」

竜姫「!」

サキュバス「ふふっ、バカね!」ギンッ

勇者(竜姫ーーー!!)



竜姫「…………」

サキュバス「…………」



竜姫「なんじゃ。それで終いか?」

サキュバス「え……?」

サキュバス「な、なんで!」ギンッ

サキュバス「なんで私の魔眼が効かないのよ!」ギンッ

サキュバス「こんなのおかしいわよ!!」

竜姫「無駄じゃ。かような子どもだまし、儂には通用せぬ」

サキュバス「なんで!」

サキュバス「なんでよー!!」

竜姫「知りたいか。ならば教えてやろう」

パサッ

サキュバス「そのウロコ……アンタまさか」

竜姫「いかにも。竜じゃ」

サキュバス「ひっ……!?」バサッ

竜姫「逃さんっ!!」






<ぎゃあああああああああ!!!!

サキュバス「」ピクピク

竜姫「悪は滅びたのじゃ!」

勇者「ありがとう。竜姫がこなかったら俺は今頃……」

ギューーー

竜姫「…………」

勇者「竜姫?」

竜姫「……すんっ」

勇者「竜姫、泣いてるの?」

竜姫「泣いてないのじゃ……えぐっ、儂は別に……」

勇者「…………」

勇者「ごめん……ごめんよ竜姫」

竜姫「う、あうぅ……」ポロポロ

…………

宿屋


竜姫「と・こ・ろ・で」

竜姫「先ほどからそそり立ったまま、まったく治まる気配のないこれはなんじゃ?」ニギッ

勇者「あうっ!」

竜姫「詳しく説明してほしいのう」ニッコリ

勇者「竜姫、怒ってるよね?」

竜姫「ほほう、思い当たる節があるのじゃな?」

勇者「そ、それは……!」

ニギッ

勇者「ひぎいっ!?」

竜姫「まったく。いっそのこと一思いに噛みちぎってやろうかの」

勇者(やめてくれーーー!?)

竜姫「冗談じゃ。旦那様も十分反省したようじゃしの」

竜姫「れりゅ……ちゅぷ……♥」

竜姫「優しく愛でてあげるのじゃ♥」

勇者「竜姫ってこんなにエッチな子だったっけ……?」

竜姫「儂をこんなふうに変えたのは旦那様じゃぞ」

勇者「…………」

竜姫「ふふっ、今宵は寝かさぬからな///」

~翌日~

警備隊長「さすがです勇者さま。あなたならやってくれると信じていましたぞ!」

竜姫「うむ、礼の品はだんご一年分でよろしく頼むのじゃ!」

勇者「こらこら……」

勇者「あれからサキュバスはどうなりました?」

警備隊長「今は牢に閉じ込めているのですが、どうも……」

勇者「一筋縄ではいかないようですね……」

警備隊長「はい……」



サキュバス「ふざけんじゃないわよー! 目隠しをはずしなさいよー!」

サキュバス「私をこんな狭いところに閉じ込めて、ただで済むと思ってるの!」

サキュバス「きーーー!!」

勇者「元気そうだねサキュバス」

サキュバス「えっ、その声は勇者くん? お願い、お姉さんをここから出してよ」

サキュバス「お礼にお姉さんのスペシャルおま○こ使わせてあげるからさ~」

竜姫「こやつ、殺す……!」ユラリ

勇者「竜姫おさえて! おさえて!」

サキュバス「なんだ、竜のちんちくりん娘もいるのね。アンタに用はないんだけど?」

竜姫「よーし、殺す!」

勇者「わーーー!!」

警備隊長「おわかりいただけましたかな?」

竜姫「うむ、危険きわまりないやつなのがよーーーくわかったのじゃ」

サキュバス「なんですってー!!」

勇者「…………」

勇者「警備隊長さん、サキュバスの処遇を俺に任せてくれませんか?」

竜姫「!?」

警備隊長「ですが、むむむ……」

勇者「お願いします、決して悪いようにはしません」

警備隊長「うーむ……わかりました」

警備隊長「正直、我々もサキュバスの扱いにほとほと困っていたところ」

警備隊長「そしてなにより、あなたはこの町の恩人だ。その言葉は信頼に値する」

勇者「ありがとうございます」

ガチャガチャ

警備隊長「おい、出てこい」

サキュバス「ありがとう勇者くん!」

竜姫「なにを考えておるのじゃ! 旦那様は昨日の出来事を忘れたのか!」

勇者「わかってるよ。でもこの場は俺に任せてほしいんだ」

竜姫「むぅ……しかしのう」

勇者「ね?」

…………

勇者「サキュバス、昨日言ってたチャンスがほしいって言葉。あれは本心かい?」

サキュバス「もちろんよ。私も可能なら人間と仲良くしたいと思ってるわ」

勇者「そっか」

勇者「…………」

勇者「そこで提案なんだけど、行き場がないなら僕たちといっしょに旅をしないかい?」

竜姫「旦那様!?」

サキュバス「それ本気……?」

勇者「こんなときに冗談は言わないよ。どうかな?」

サキュバス「もちろん喜んで! 改めてよろしくね勇者くん!」


サキュバスが仲間にくわわった!

竜姫「儂は反対じゃ。こやつが仲間なぞ断じて認めぬぞ」

勇者「俺は戦わずにすむなら、一匹でも多くの魔物と共存していきたいと思ってる」

勇者「そして、困っているなら手を差し伸べたいんだ」

勇者「それって傲慢かな?」

竜姫「ふんっ、認めぬ! 認めぬ!」

勇者(簡単にはいかないなぁ……)

サキュバス「勇者くん、いつでも私のおま○こ使ってもいいからね♥」

竜姫「スケベ」

勇者「なにも言ってないよ!?」

勇者「次の目的地はオークスの町だね」

竜姫「うむ!」

ザワザワ

サキュバス「人だかりが出来てるわね。なにかあったのかしら?」

勇者「行ってみよう!」

男「なんだ、悪ガキがまたイタズラをしでかしたのか~?」

あらくれ「また俺たちを騙そうたってそうはいかねえぞ」

悪ガキ「ちがうよ! 今度はほんとうなんだって!」

町人「失せな。俺たちは暇じゃねえんだよ」

悪ガキ「信じてよー!!」

サキュバス「あら、かわいい男の子♥」

悪ガキ「大変なんだよ! 友達を助けてよ!」

勇者「その話、詳しく聞かせてくれないか」

悪ガキ「お兄ちゃんたち、友達を助けてくれるの?」

勇者「うん、俺たちに任せてくれ」

悪ガキ「ありがとう!」

竜姫「イタズラかもしれんぞ?」

勇者「そのときはそのときだよ」

竜姫「まったく……旦那様はお人よしじゃのう」

サキュバス「それが勇者くんのいいところじゃない」

―――――――――
――――
――


古びた洋館

勇者「ここが例の洋館か。人の住んでる気配はなさそうだね」

勇者「中に取り残された少年も一人で心細いはず。はやく助けてあげないと!」

竜姫「…………」ブルブル

勇者「竜姫、震えてるけどだいじょうぶ?」

竜姫「ふ、震えてなどおらん。ただの武者震いじゃ……」

サキュバス(ふふ、強がっちゃって)

サキュバス「あっ、ユーレイ!」

竜姫「……ぴっ!?」ビクッ

勇者「サキュバス、竜姫をいじめるのはやめてあげて」

サキュバス「は~い♥」

勇者「竜姫も怖いなら外で待ってていいよ」

竜姫「構わぬ! 儂も行くのじゃ!」

竜姫(あの淫魔と旦那様を二人っきりにするわけにはいかぬ)

竜姫(それに……一人で待つ方がもっと怖いのじゃ)

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