勇者「もうやだこの国」 (127)

王宮 謁見の間

王様「勇者よ、お主も知っていると思うが、この国にも隣国を滅ぼした魔王が迫ってきている……」

王様「彼の魔王の力は強大無比、並び立つ事が出来るのはもはや勇者しかおらぬ…」

王様「どうか魔王を倒し、この国を救ってほしい…」

勇者「……王よ、その命、承りました。ですが………」

王様「……何じゃ、何でも言ってみろ」

勇者「それでは……王よ、あなたは何故」

勇者「女性用の水着を着ていらっしゃるのですか!!?」

王様「悪いかぁ!!!!」

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勇者「悪いに決まってるじゃないですか!!女性用水着ですよ!!!!!」

勇者「ご丁寧にマントだけはちゃんと着てますし!!水着にマントとかもはやなにも着ないよりも変態度がアップしてますよ!!!!」

王様「仕方が無いであろう……このマントは、我が王家の証にして代々伝わる誇りの象徴……脱ぐわけにはいかぬのだ……」

勇者「別にマントがダメって言ってんじゃねえよ!!!!下の水着が問題なんだよ!!!」

王様「わっ!儂に裸マントをしろと言うのか!…………仕方ない……」

勇者「服を着ろって言ってるんだよ!!!あと仕方ないって何!?まるで俺が望んだみたいに言いやがって!!何でジジイのストリップショーを楽しまなきゃいけないわけ!!!?」

王様「じゃあどうしろって言うんじゃ!!水着は脱ぐわけにはいかん!マントも脱ぐわけにはいかん!儂は何を脱げばいいんじゃ!」

勇者「何で逆ギレしてんの!?普通考えたら解るだろ!!!」

王様「…………勇者よ、その通りだな。お陰で目が覚めたよ……」

勇者「おっさん……解ってくれたのか……」

王様「ああ!儂は!この古くさいマントを捨てる!!」

勇者「よりにもよってそっち捨てちゃったよこのおっさん!」

王様「ありがとう勇者よ、晴れ晴れとした気分だ」

勇者「俺は目の前で変態の誕生を見せられて最悪の気分だよコンチクショーめ」

王様「変態の誕生ではない、これは誇り高き戦士の誕生だ……さて勇者よ、お主には儂が極秘で調べた魔王の情報を教えよう」

勇者「そんなことしてたのか……腐っても王だな……」

王様「儂が調べた極秘情報によると、魔王はここから3km離れた場所に城を構えておる」

勇者「い、異常なまでに近い…!」

王様「そして!その城を守るのは魔王の最高幹部達!九天王!」

勇者「言いにくい上に地味に多い…!」

王様「頼む勇者よ!民を守ってくれ…!」

者「…………ええ!任せて下さい!王様!」

王様「ゆ!勇者よ!ありがとう!」

勇者「いえ、世界を守るのが勇者の使命です、当然ですよ」

王様「頼んだぞ!これは、せめてもの支援だ…!」

王宮の外

勇者「やれやれ、散々な王様だったよ」

勇者「さて、王様から貰った袋の中には何が入っているかな~~」

▽ゆうしゃはふくろをあけた

▽なんと!あぶないみずぎをみつけた!

勇者「……………………」

勇者「……………………」ダダダダダダダ

勇者「……………………」ダダダダダダダ

勇者「……………………」ダダダダダダダ

バタン!

王様「どうした勇者よ!儂とのペアルックが気に入ったのか?」

勇者「死ねっ!!!」ガスッ!

王様「ゴハアッ!!!」

城下町 町中

勇者「あのおっさん、結局マシな物一つもくれなかっぜ……」

筋肉「筋肉!筋肉!」

勇者「まあいいや、貯金もあるしなんとかなるだろ」

筋肉「筋肉!筋肉!」

勇者「さて、まずは仲間を見つけることから始めないとな!一人じゃ旅は出来ねぇ!」

筋肉「筋肉!筋肉!」

勇者「優秀な仲間が見つかるといいな……ちょっとドキドキだ」

筋肉「筋肉!筋肉!」

勇者「…………」

筋肉「筋肉!筋肉!」

勇者「だぁぁぁ!テメーは何なんだよさっきから!」

筋肉「これか? これはモストマスキュラーのポーズだ!」

勇者「聞いてねえよそんな事!!!何で俺の周りで筋肉筋肉叫んでるのか聞いてるんだよ!」

筋肉「……このポーズは肩や胸、腕を強調するポーズでな、上半身の美しさが……」

勇者「聞いてねえって言ってんだろ!筋肉トリビアなんか知りたくもないわ!」

筋肉「……では、ダブルバイセプスのポーズで」

勇者「そのポーズした瞬間逃げるからな?」

筋肉「……………………」

勇者「……………………」

筋肉「ふんっ!!!!」キリッ!

勇者「じゃあな!!!!!」ダッ!

勇者「ハア……ハア……ここまで逃げれば……」

筋肉「勇者よ、もう終わりか?」

勇者「げげぇっーー!こいつついてきてるし!!」

筋肉「先ほどはすまなかったな、ついつい筋肉への情熱を燃えたさせてしまった」

勇者「ついついでポージングするなよ……」

筋肉「さて、追いかけっこをする前の質問に答えていただこう、貴公が王の勅命を受けた勇者でよろしいな?」

勇者「ん? ああ、確かに俺が勇者だけど……」

筋肉「やはりか、では、単刀直入に言わせていただこう」

筋肉「私を、貴公のパーティに加えてほしい」

勇者「お断りします」

筋肉「な、何故だ!!筋肉が足りないからか!!」

勇者「どちらかと言えば筋肉がありすぎるからだな」

筋肉「ぐぅぅ!悲しみのサイドトライセプス!!!」ビシィ!!

勇者「……じゃあ、俺はこのへんで……」

筋肉「まつのだ!」ガシッ!

勇者「グヘェ!!!」

筋肉「我にアピールする時間を頂きたい!それを見れば、貴公も意見を変えるだろう!」

勇者「ええー……まあいいや、お前の職業何だよ?戦士か?武闘家か?」

筋肉「我の職業は魔法使いである!」

勇者「何でよりにもよってそれなんだよ!!!」

勇者「筋肉使えよ!今までお前のキャラ筋肉で統一してたじゃん!なんで職業も筋肉関係にしないんだよ!」

筋肉「ククク……我の魔法を見たらそのような言葉は言えなくなるぞ!」

勇者(……まあ、人は見かけによらないって言うしな、こいつの場合は中身も筋肉だけど……もしかしたら、こいつは実は凄い魔法使いなのかもしれないな……)

勇者「よし見せてみろよ、お前の魔法! 向こうの岩に打ってくれ!」

筋肉「承った!見るがいい!我の筋肉魔法!」

勇者「え」

筋肉「始めに!体全体をパンプアップさせる事で全身に魔力を送り込む!!!ふぬぅぅぅぅ!!!」

勇者「すでに絵が魔法じゃねえ……」

筋肉「次に!一度体全体に行き渡った魔力を全て右腕に集中!!!!その過程で右腕に筋肉も集まる!!!!」

勇者「み、右腕が異常なまでの太さに!!!正直キモイ!!!!」

筋肉「この時!副作用として右腕全ての血管がはちきれる!!!」ブシャー!!!

勇者「怖えーーーー!!!!!」

筋肉「そして!!この腕を一気に相手に振り落とす!!!食らえ!!!」

筋肉「メラ!!!!!!!」

勇者「名前だけ滅茶苦茶ザコじゃねーか!!!!!!」

ズッドドドドド!!!!!!
ゴゴゴゴゴガーン!!!!

シュウウウウウウ

筋肉「……いかがだろうか」

勇者「す、すげえ……あんなにでかかった岩がバラバラになっちまった……」

筋肉「我の筋肉魔法にかかればこの程度の事は簡単だ。どうかな?貴公のパーティに我を入れてくれるだろうか?」

勇者「ああ、あんなの見せられたらしょうがねえよ、これから、よろしく頼むぜ!」

筋肉「おお!!!よろしく頼む!!!」

勇者「でもさ、一つだけ言ってもいいか?」

筋肉「何かね?」

勇者「お前のポジション、武闘家な?」

城下町 町中

勇者「さて、あと二人は仲間が欲しい所だ」

筋肉「貴公はどのような仲間を望んでおるのだ?」

勇者「そうだなあ、マトモな奴がいいな」

筋肉「む……その言い方ではまるで我がマトモでは無いかのようではないか」

勇者「ポージングしながら町を歩いている奴の何処がマトモなんだよ」

筋肉「何を言うか、これはアブドミナルアンドサイと言って腹筋と足の美しさを見せつけるポーズである。常に美しさを見せるのは筋肉研究家ならば至極当然でありーーー」

勇者「ああ、分かった分かったから」

筋肉「分かってくれたか!筋肉の素晴らしさが!」

勇者「……本当に、普通の、ごく普通の奴がいいなあ」

王様「待つがよい!勇者よ!」

筋肉「ぬ、貴公は」

勇者「王様のおっさんじゃねえか」

王様「儂をパーティに連れていけ!」ドン!

勇者「で、やっぱり酒場だよ酒場、仲間を探すにはあそこが一番人が集まるって言うしな」

筋肉「それであれば私がいい酒場を知っていてな、そこに行ってみるのはどうだろうか?」

勇者「お、いいねえ」

王様「聞けよ!!」

勇者(……マズイ、このままあぶないみずぎを装備してるおっさんをパーティに加えると、筋肉も併せて3人のパーティーの中2人が半裸になってしまう!これはもはや勇者パーティーが変態一行みたいになる可能性がある、というか絶対なる! なんとか突き返さなければ……そうだ!)

勇者「おっさん、旅に出るって言ってもお前王様だろう?仕事はどうするんだよ?」

王様「……儂はもう、王様では無い」

勇者「……は?」

王様「何故なら!儂は王の証であるマントを捨てたからじゃ!!」

~~~~~~~回想中~~~~~~~

王様「仕方ないがであろう……このマントは、我が王家の証にして代々伝わる誇りの象徴……脱ぐわけにはいかぬのだ……」

王様「ああ!儂は!この古くさいマントを捨てる!!」

~~~~~~~回想終了~~~~~~~

勇者「そう言えばこいつ捨ててた!王家の証捨ててたよ!!」

勇者「だけど、それなら今からでもあのボロマントを取りに行けば王様に戻れるんじゃ……」

王様「甘いぞ勇者!儂がマントを放り投げた時にすでにそれは出来なかった!」

勇者「ど、どうして!」

王様「それはな……儂がマントを投げた時偶然城の外で鬼ごっこをして遊んでいたたかし君にマントがすっぽり収まったからじゃ!!!!!」

勇者「た、たかし君に!?」

王様「左様!つまり今の儂は王様ではない!たかし君が王様じゃ!!!!」

勇者「何やってんだよ!!!!!!」

勇者「おっさんから王様を取ったら変態しか残らねえじゃねえか!ただの水着を着たニートじゃねえか!」

王様「そんな訳で、儂は勇者達の旅についていって大丈夫だ!さあ!行こう!」

勇者「嫌だからな!!第一おっさん連れていっても俺達にメリットが無いじゃないか!!」

王様「……パ、パンツくらいなら、見てもいい…よ?」カアッ

勇者「何処のヒロインだよ!!おっさんがやってもキモイ以外の感想が出ねえよ!」

王様「いーやーじゃー!儂はこのパーティのセクシー担当になるんじゃー!」

勇者「よりにもよってそのポジションを狙ってたの!?一生無理だわ!!」

筋肉「国王よ諦めなさい、このパーティーにあなたを迎える事は出来ない」

勇者「おお!筋肉!言ってやってくれ!」

筋肉「何故なら!既にセクシー担当として我がいるからだ!」

勇者「お前もセクシー担当狙ってたのかよ!!!」

王様「ならば……貴様を倒せば儂がパーティーのセクシー担当になれるのじゃな……」ゴゴゴゴゴ

筋肉「そうだな、『倒せれば』の話だが」ゴゴゴゴゴ

王様「良かろう!セクシー対決じゃ!!」

筋肉「受けて立とうではないか!!どちらが勇者パーティーにふさわしいセクシーポジションか!今ここで決めよう!!」

勇者「いや、どっちもセクシーとは違うから!!!おっさんに至っては吐き気しか起きないから!!!」

筋肉「先行は貰うぞ!!我のターン!!」

勇者「何処のカードゲームだよ!?」

筋肉「ハアアアアア!サイドチェスト!!!!」

王様「ぬうっ!これは!?」

筋肉「サイドチェストは君達もよく目にするポーズだろう!やや横を向き右手で左手首を押さえて上体を対象に向けるポーズだ!このポーズは胸の厚みや腕の太さを強調する事が出来る!」

王様「それだけではない!この男!ひっそりと脚を主張している!この隠し刃のセクシーさたるや…………グワァァァァァァァ」ズザザザザザザ!!!

勇者「ああ!おっさんが何故かふっとんだ!!!!」

筋肉「ふん、他愛のない。行こう、我がセクシー担当だ」

勇者「お前の筋肉は恰好良いのは分かるけどセクシーなのか……?」

王様「待て!!!!」

勇者筋肉「「!?」」

王様「ハア……ハア…まだ、儂のセクシーを見せてはおらんぞ……」

勇者「おっさんが立ち上がった!!あのまま死ねばよかったのに!!」

筋肉「ふん、あのセクシーを食らって立ち上がった事は驚きに値するが、すでに虫の息ではないか」

王様「たとえ死にかけでもセクシーアピールをする事は出来る!!儂は!セクシーを諦めない!」

筋肉「ならば来い!!貴公のセクシーを見せてみろ!!」

女子「ママー、セクシー対決だってー」

ママ「しっ!見ちゃいけません!」

勇者(なんだこれ)

王様「儂のターン!!!!お着替えターイム!!!!」バサッ!

勇者「いきなりおっさんの上に暗幕が降ってきたぞ!」

筋肉「魔力を感じる、おそらく奴が独自に開発した魔法だろう」

勇者「無駄な努力だけは最大限にしてますねえ本当に!!!」

王様「筋肉よ……貴様のセクシーは見事だった!だが、儂はその上を行く!!!」

筋肉「何だと!?」

王様「これが儂の新フォーム!」バサッ!

王様「バニーガールフォームじゃああああああ!!!!」

勇者「ぎゃああああああああああ!!!!!!!」

筋肉「な……なんだこの汗は……まさか、我が恐怖しているのか?」

王様「筋肉よ……貴様は素晴らしかった……敬意を払い、一撃で葬り去ってやろう!」

筋肉「馬鹿な!馬鹿なあああああ!!」

王様「くらえ!!!バニーガールセクシーショット!!!!!」チラッ

筋肉「ぐわああああああああ!!!」ズザザザザザザ

王様「儂の勝ちだ!!!」

勇者「オエーッ、ゲロロロロロ」

筋肉「ハア……ハア…見事だ!」

王様「これで、儂をパーティーに入れてくれるな!」

筋肉「ああ、約束だからな、今日からパーティのセクシー担当はお前だ!」

王様「ありがとう!……ところで勇者は何をしておるのだ?」

筋肉「何故か道ばたでゲロまみれになって寝てるな」

王様「ふむ……勇者も初めての冒険じゃ、疲れもたまるじゃろう、寝かしておいてやろう」

筋肉「それもそうだな、どうだね、勇者が起きるまでの間すぐ近くの酒場で一杯というのは」

王様「非常に良い提案じゃの!案内しておくれ!」

筋肉「ああ!では行こうか!」

王様筋肉「「ワーッハッハッハッハッハ!!!」」

勇者「」

???「あ、あの、大丈夫ですか?」

勇者「」

???「ゲロ吐いちゃってる……お酒を飲み過ぎたのかな?……違う、顔が赤くなってない」

勇者「」

???「とりあえず、道ばたは危険だよね、運んであげよう」

勇者「」

???「うう…重いよーゲロ臭いよー」

勇者「」

???「うんしょ、うんしょ……」

城下町 教会 一室

勇者「ハッ!」

僧侶「あ、起きましたか?よかった」

勇者「こ、ここは? バニーガールのおっさんは? 筋肉の化身は?」

僧侶「……どうも混乱してるみたいですね、大丈夫です、そんな悪魔は此処にはいませんよ」

勇者「あ……君は?」

僧侶「どうも、私はこの教会に住んでいる僧侶といいます、よろしくお願いします」

勇者「あ、これはどうもご丁寧に、俺は勇者だ……ところでどうして俺はここに?」

僧侶「通りの真ん中で嘔吐物にまみれて寝ていらっしゃったので大丈夫か心配で連れてきたんですが、ご迷惑でしたか?」

勇者「あ、ありがとう!とても助かったよ!」

勇者(あの露出狂共、俺を放置しやがったな)

僧侶「勇者さん、少し失礼しますね?」

勇者「え?あ、うん」

僧侶「……はぁっ!」

シュワァァァァ!

勇者「こ、これは回復呪文!?」

僧侶「はい、勇者さんはずっと道で寝ていたでしょう?体が疲れているかと思って」

勇者「すげえ!回復呪文が使える奴なんてそうそういないのに!僧侶ちゃんは天才なんだな!」

僧侶「あはは、天才だなんて恥ずかしいです。そんなに煽ててもこれしか出せませんよ?」コトッ

勇者「これは?」

僧侶「私のげぼ……お父さんが集めてくれた薬草で作ったハーブティーです、体があたたまりますよ?」

勇者「……ほんとだ、体がポカポカする!!」

僧侶「喜んでくれて幸いです」

勇者「……ん?あれ?」

僧侶「どうしました?」

勇者「いや……なんだか……急に眠くなって……」

僧侶「ふふ……眠いのなら、寝てもいいですよ?部屋は沢山ありますから」

勇者「そっか……じゃあ、言葉に甘えるよ……」

僧侶「はい、おやすみなさい」

勇者「そうりょちゃん……よかったら……おれの……なかま……に……くぅ……」

僧侶「ふふふふ……」

僧侶「うふふふふふふふふふふ」ニタァ…

勇者「…………ハッ!」

僧侶「おはようございます、勇者さん」

勇者「……えっと、何故かまた場所が変わってるようだけど此処は?」

僧侶「教会の地下にある拷問部屋ですね」

勇者「……どうして俺の手に手枷がはまってるのかな?」

僧侶「いやですねぇ、逃げ出さないようにに決まってるじゃないですか」

勇者「……………僧侶ちゃんが腕に持ってるそれは?」

僧侶「ムチですね」

勇者「…………………このまま俺を返してくれる可能性は?」

僧侶「ありませんっ!」

勇者「ちくしょーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

勇者「待って!話し合おうよ僧侶ちゃん!せっかく人と人は話し合うことができるんだからさ!!」

僧侶「……出来るわけないでしょう?」

勇者「待って!!イヤだ!!!!待ってくれえ!!!」

僧侶「ふふふ……問答無用です!さあ!勇者さん!」

勇者「うわーっ!!」

僧侶「私をムチで叩いてください!!!!!」

勇者「…………は?」

僧侶「早く!早く!この愚かな雌豚をムチで滅茶苦茶にして下さい!!!!」

勇者「い、嫌だ!どうして俺が叩かなくちゃいけないんだ!!」

僧侶「え?……だって、勇者さんって超鬼畜ドSなんでしょう?」

勇者「おい、その噂誰から聞いた」

僧侶「えっと……町内噂リーダーのママさんが、『勇者さんは元国王を街中で水着姿にさせて歩かせる超鬼畜ど変態ですわ!』って……」

勇者「あいつか!!!セクシー対決の時になんか言ってたあの親子か!!!」

僧侶「私!今まで女王様としてこの国のおっさん達を下僕にしてきたんですけど、実は超のつくドMなんです、そんな時勇者様の話を聞いて、そんなクレイジーな人なら私の理想のご主人様になってくれるって思ったんです!!!」

勇者「思わないでくれよ!!違うから!!嘘と偶然から出た誤解だから!!!」

僧侶「またまた、国王を路上プレイさせたのはあなたなんですから、謙遜しなくていいんですよ」

勇者「話聞いてねー!!!!」

勇者「とにかく!俺は僧侶ちゃんを叩いたりなんかしないぞ!絶対にだ!」

僧侶「……どうしても、叩いてくれないんですか?…………それなら」

僧侶「私が勇者さんを叩いてやるぅーーー!!!」

勇者「なんで!?」

僧侶「私に叩かれるかそれとも私を叩くか!選んで下さい!!!」

勇者「最悪の2択だぁぁぁぁ!!!」

僧侶「だ、大丈夫ですよ?私、 SでもMでもどっちでもいけますから、お父さんににせがまれて叩いた事もありますから!!ムチで叩くのも慣れてるんです!!!」

勇者「お前のお父さん最悪の変態だな!!!この国のおっさんロクな奴がいねぇよ!!」

僧侶「ど、奴隷って呼ばなきゃ怒ってくる以外にはいいお父さんなんです!!バカにしないで下さい!!!」

勇者「条件が厳しすぎるからね!?自分の事奴隷って言わせるって最低な行動だからね!?」

僧侶「さ、さあ!!!さあ!!決めて下さい!!叩くか!叩かれるか!!!……あと5秒!!」

僧侶「ごーーお!!!」

勇者(手枷は解けない、多分逃げれない、叫んでも外に届かない!……なら!)

僧侶「よーーん!!」

勇者「そ、僧侶ちゃん!分かった!国王のおっさん叩いていいから許してくれ!!」

僧侶「さんにーいちぜろ!!!!!!」

勇者「あっ!!いきなり早くカウントしやがったこいつ!!!」

僧侶「気のせいです!!決してあのジジイの姿を想像して気分が悪くなったからじゃありません!!」

勇者「ごめん!確かに俺が悪かった!!」

僧侶「もう叩きますよ!?いいですね!?」

勇者(くそっ!万事休す!)

僧侶「とりゃーーー!!!!」シュバッ!!

ドッカーン!!!!
ガラガラガラガラ!!!

僧侶「きゃあ!」

勇者「て、天井が割れた!!!」

「とおっ!!!」シュタ!

僧侶「だ、誰ですか!あなたは!」

「誰か……だと?我の名前を知らぬか、ならば教えてやろう!我は!芸術の体現者!!!」

筋肉「筋肉である!!!」

勇者「き、筋肉!!!」

筋肉「待たせて悪かったな勇者よ、少々貴公の筋肉を探るのに時間がかかってしまった」

勇者「おう!筋肉を探るって何だよとかそもそも放置するなよとか言いたい事は沢山あるけど今はどうでもいいや!助けてくれ!」

筋肉「承った、すぐに助けよう」

僧侶「き……筋肉の悪魔!あなたに勇者さんは渡しません」

筋肉「ふむ、雑魚ほど良く吠える……」

ゴゴゴゴゴゴ!!!!!!

勇者(絵だけ見ると筋肉が100%悪者に見える……)

筋肉「見せてやろう!!!風の筋肉魔法を!!!」

僧侶「風の筋肉魔法!?」

筋肉「まずは!前と同じように全身の筋肉のパンプアップを行う!!!ハァァァァ!!!」

僧侶「くっ、なんて熱気!ですが、長いタメが必要な技なら好都合です!その間に近づいて倒してあげます!!」ダダダダ!!!

ガンッ!!!!

僧侶「痛いっ!?……何これ!?目の前に透明な何かがある!」

王様「嬢ちゃん、ショーがいくら刺激的だからってお触りはNGなんじゃよ?」

勇者「おっさん!居たのか!」

王様「見えない壁を作り出す魔法!マジックミラールーム!!!」シュタ!

僧侶「か、壁!?なら回り込めば避ける事が出来るはずです!そうすればこんな魔法の意味なんて……」

王様「ふむ確かに。しかし、どうやら目的は達成出来たようじゃのう、筋肉よ」

筋肉「うむ……既に両腕に筋肉を集め終えた!!!!」

僧侶「し、しまった!ジジイの目的は時間稼ぎ!最初からそれを狙っていたんですか!!!!」

筋肉「ハァァァァア!!!」ブゥン!ブゥン!

勇者「筋肉が正拳突きをはじめた!?」

筋肉「我の拳の突き出すスピードは時速約1200km!!!その拳の繰り出される事により起きる風圧は!地面をえぐり木々をなぎ倒し辺りを完全に更地にするに至る!!!!!」

筋肉「これぞ範囲攻撃型筋肉魔法!!!バギである!!!!」

勇者「相変わらずやってる事すごいのに名前がショボすぎる!!!!!!」

筋肉「フォアアアアアアア」ブォン!ブォン!

僧侶「キャアアアアア!!」

勇者「うああああああ!!俺まで巻き添え食らってる!!!」

ドサッ

筋肉「ふっ……敗北が知りたい」

勇者「お前……さっきおっさんに負けてたじゃねえか……ぐふっ」

ドサッ

▽ゆうしゃはちからつきた!

勇者「…………ハッ!」 

筋肉「目覚めたか、勇者よ」

勇者「ああ……もういっそ死にたかった」

王様「全く勇者よ、聞くところによると勇者は今日3回も気絶しておるらしいな、少々メンタルが弱いんじゃないのか?」

勇者「おまえらと比べたら誰だって弱いわ」

僧侶「勇者さん、ご無事で何よりです」

勇者「うん、君のせいだからね?君が変態だったせいだからね?」

僧侶「へ、変態だなんて……そんな……ひどいです」

勇者「あ…………ごめ」

僧侶「ああ、でもそんな罵倒が嬉しいっ!!言葉責めされてるっ!今、私勇者さんに言葉責めされてますぅ!!」

勇者「やっぱり変態だ!絞り立て100%フレッシュ変態だ!」

筋肉「確かに……我以外変態のパーティというのは少しな」

王様「このパーティにマトモな人間は儂しかいないからの」

僧侶「勇者さん!!私を筋肉の悪魔やクソジジイと一緒にしないで下さい!!」

勇者「いや、全員変態だから!!迷うこと無い変態だから!!」

筋肉「しかし勇者よ、そう言う貴公も変態ではないか」

勇者「はあっ!?何処がだよ!」

筋肉「着ている服を見てみろ」

勇者「……服?」

▽勇者はあぶないみずぎをそうびしている!

勇者「……………」チラッ

王様「……………」

王様「…………礼はいらん!」グッ!

勇者「やっぱお前かよ!!!!!」

勇者(クソっ!どうしてこんなに俺の周りに変態が集まるんだ)

僧侶「勇者さーん、私も勇者さんとおそろいにするためにあぶないみずぎ着てみました!どうですか?」

勇者(このままじゃあ俺の旅が変態一行の布教活動みたいな感じになってしまう!そんなの認めてたまるか!)

僧侶「あ、あの……勇者さん?」

勇者(こいつらを置いていくしかない……なんか全員有能なのが腹立つけどそれはそれこれはこれだ)

僧侶「勇者さんが無視する……」シクシク

勇者(そうとなれば決行に移す!よし!)

僧侶「あ!でもなんか気持ちいい感じ!なんでだろ!!」

勇者「みんな!聞いてくれ!」

勇者「今から旅に必要なアイテムを手分けして買いにいこうと思う、お金を渡すからその範囲内でアイテムを出来るだけ沢山買ってきてほしい」

王様「ふむ! ワガママだった勇者もついに旅に出る決心がついたか、関心関心」

勇者「筋肉は食べ物を、僧侶は回復アイテムを、おっさんは防具を、俺は武器を買ってくる、いいな?」

筋肉「プロテインはオヤツに入るだろうか?」

勇者「鳥のササミとかゆで卵とかばかり買ってきたら筋トレ禁止だからな?」

王様「時に勇者はおどりこのふくとバニースーツどちらが好きかね?」

勇者「やいばのよろいかな? ツッコミにも使えるから」

僧侶「あの……」

勇者「ダメ」

僧侶「!?」

勇者(よし、これで全員をバラバラに行動させる事が出来る!)

勇者(バカ達が買い物をしている間に俺は一人で旅に出てしまう! 一人だと厳しいだろうけどバカと一緒よりは何倍もマシだ、その先の村で仲間を見つけてもいい! まさに完璧な作戦!)

勇者「よし! じゃあ行動開始だ!」

王様「よし、では行こうか勇者よ」

勇者「……は?」

筋肉「うむ、何事も速いほうがよい、貴公も急ぐべきだ」

勇者「……へ?」

僧侶「行きましょう? 勇者さん」

勇者「ちょっ! なんでみんなで一緒に行こうとしてるんだよ!」


僧侶「だって、そこにイオンがありますもん」


勇者「イオーーーーーーーン!!!!!」

勇者「なんでイオンがあるんだよ! おかしいだろ! 何がとは言えないけどおかしいだろ!」

僧侶「便利ですもん、仕方がないですよ」

勇者「違うだろ! ふつうは武器屋とか防具屋とかあるだろ!? そこはどうしたんだよ!」

筋肉「……頑張ってはいたのだがな」

王様「資本主義じゃもん、当然の成り行きというものじゃ」

勇者「もっとファンタジーらしくしろよ!」

僧侶「何言ってるんですか、ほら、行きますよ」

勇者「もう嫌だ…………」

イオン店内

王様「よっしゃ! 太鼓の達人しようぜ!」

筋肉「我はクレーンゲーム!」

僧侶「キノピオで最速タイム狙います!」

勇者「ゲームコーナーに行こうとするな!」

筋肉「ふん、武器など勝手に買ってくればいい、どうせ我の武器はこの筋肉、それは変わらぬのだからな。だから我は貴公らが買い物をしている間にラオウ昇天を狙う」

勇者「カッコいい事言ってるみたいな空気出してるけど本当は遊びたいだけなの解ってるからな?」

僧侶「防具屋には行かなくてもいいですよね、筋肉の化け物以外装備ありますし」

勇者「はたしてあぶないみずぎは装備と言えるのかな?」

王様「見てみて! 薬草を体に張り付けてみたぞ! これぞ新世代のセクシー「森ガール」じゃ!」

勇者「売りもので遊んでんじねえ!」

イオン店内 武器屋

勇者「いいか!? 真面目に自分の武器を選ぶんだぞ! 変なもの持ってきたらキレるからな!」

王様「解ったっ!」ヒュンッ!

筋肉「承知したっ!」ダッ!

僧侶「了解ですっ!」フワッ!

勇者(水を得た魚のようだ……嫌な予感しかしない……)

1時間後

勇者「………………よし、全員揃ったな」

王様「………………」ドドドドドド

筋肉「………………」ドドドドドド

僧侶「………………」ドドドドドド

勇者(凄い気迫を感じる……こりゃもしかしたら大当たりかもしれん)

勇者「よし、じゃあ王様からゲットしたブツを見せてもらおうか」

王様「おうっ!!!」どん!

王様「ククク……勇者よ、今まで「クソジジイ」だの「変態おっさん」だの「アイカツおじさん」などと好き勝手言いおって、だがそれも今日までよ」

勇者「最後のは言った覚えが無いけどな!」

王様「今回、儂が手に入れたのは100しか作られなかった伝説のアイテム! その道のマニアが舌を出してほしがるような伝説の力を持つアイテムよ!」

勇者「おお! 期待が持てる!」

王様「さあ勇者よ! 儂が手に入れた財宝に恐れおののくがよい! これが儂の手に入れた!」



王様「今大ブレイク中の超人気アイドル賢者ちゃんのサインじゃあああああ!!!」

勇者「何テメーサボってサイン会行ってんだよおおおお!!!」

勇者「次! 筋肉!」ビリビリッ!

王様「堪忍やから! 堪忍やから破らんといてーや!」

筋肉「…………」

勇者「あん? どうした筋肉」

筋肉「…………我も、サインだ」スッ

勇者「お前もサイン会行ってきたのかい!!」

筋肉「い、否! 我は王とは違うぞ! まだ切り札がある!」

勇者「切り札?」

筋肉「ああ! 我の左手は!」

筋肉「賢者ちゃんと握手をして貰っている!」ドン!

勇者「ただ握手会に出ただけやんけ!」

勇者「僧侶ちゃん! 君はサイン会に行ってないよね!」

僧侶「勿論です! 私が勇者さんの命令を無視してあんな腐れビッチ女のサインを貰いに行くわけがないじゃないですか!」

勇者「それじゃあ武器も!」

僧侶「はい! えへへ、頑張っちゃいました」

勇者「やった! 正直バカ共2人と同じだと思ってた!」

僧侶「見てください! これが私の武器!」



僧侶「携行式対戦車ロケット弾RPG?7です!」

勇者「…………」

僧侶「…………」ドヤァ

勇者「僧侶ちゃん」

僧侶「何ですか?」

勇者「君はよくやってくれた」

僧侶「はい」

勇者「でもね……」

僧侶「?」

勇者「あれはダメ」

僧侶「はい」

勇者「ダメなんだ……」

僧侶「はい」

勇者「何も買わずに町を出よう、もう俺はそれ以外に君たちを制拠出来そうにない」

僧侶「……はい」

▽ゆうしゃは諦めた!


ゆうしゃ  レベル20
ぶき  つっこみ
ぼうぐ あぶないみずぎ
EX  じょうしき

きんにく  レベル35
ぶき  きんにく
ぼうぐ きんにく
EX  きんにく

おうさま レベル10
ぶき  なし
ぼうぐ あぶないみずぎ
EX  セクシーダンス

そうりょ  レベル15
ぶき  じょおうさまのムチ
ぼうぐ あぶないみずぎ
EX  どえむ

▽ゆうしゃのぼうけんがはじまった!

スライム「俺はスライム、最弱の名前を与えられた小さい存在さ……」

スライム「ひょんな事で生まれてきちまってから数年、どうやら運だけはあったらしく、こうしてシガレットを味わう事が出来るまでになった」

スライム「神様ってヤツはクソ食らえだと思ってるけどよ、酒とシガレット、こいつを生み出してくれた事だけは感謝してもしきれねぇ」

スライム「喉をシガレットで埋め尽くす、煙が残っている喉を酒で洗い流す、たまんねぇ」

スライム「さて、そうしている間に仕事の時間だ、よれたスーツを着て、出かけなきゃな」

勇者「なんでそんなに……」

勇者「ハードボイルドなんだよ!!!!」グシャ!

スライム「ピギィ!」

勇者「そのハードボイルドおかしいだろ! 倒しにくいわ!」

僧侶「そりゃ生き物なんですから色々な性格がありますって」

勇者「濃さの問題だよ、これからの旅でいちいちこんな濃い性格のキャラが出てきたら俺が保たないわ」

僧侶「なんと自分本位な…」

勇者「ところで筋肉は?」

僧侶「ああ、彼なら……」

筋肉「最近の奴等は筋肉の見た目ばかりを意識しすぎていて中身を全く見てない、本当の筋肉とは中身が一番に大切であるのに全く嘆かわしい」

スライム「わかる」

僧侶「あそこでスライムと意気投合してます」

勇者「何してんの!?」

勇者「オラァァァァーーー!」

スライム「ピギィ!」

筋肉「スラ太あああああ!」

勇者「よし……っておっさんは!?」

僧侶「おっさんなら……」

王様「しょ……しょこりゃめにゃのおぉぉぉ! 感じちゃうぅぅぅ!」

スライム「ええんか ここがええんか」

僧侶「あそこでスライムプレイをしてます」

勇者「馬鹿ばっかりじゃねーか!!」

勇者「さっさと出ろ!!」

スライム「我が生涯にいっぺんの悔いなし!」ドガッ

王様「ああん、折角のサービスシーンじゃったのに、儂のファンを敵に回したぞ」

勇者「安心しろ、ジジイのファンなんてどこにもいねーから」

僧侶「いますよ」

勇者「いるの!?」

僧侶「はい、王都地下で行われるステージでこのおっさんはトップを争うダンサーでした」

王様「ふふん」ドヤァ

勇者「いやそんなドヤ顔で見られても別に見直したりはしないから、むしろさらに軽蔑してるから」

勇者「ていうか、ここはどこなんだよ…………あいつらのツッコミをしてたら道に迷っちまったじゃねーか……」

僧侶「ああ、それなら丁度いいものがありますよ?」

勇者「へ?マジで? ここらの地図でもあるの?」

僧侶「いえ、これです」

勇者「これ?」

僧侶「下を見てください」

勇者「下?」

スライム「踏んでください!もっと踏んでください女王様ぁぁぁ!!!」

僧侶「手懐けておきました」

勇者「お前俺と話してる間になにやってるの!?」

僧侶「じゃあ、こいつに道案内させますね」

スライム「ブヒィィィィィィ!!!、」カサカサカサカサ

筋肉「む、別に我が広範囲探索型の筋肉魔法を使っても良かったのだが」

勇者「お前の魔法で広範囲とかかなりヤバい気配がするから一生使わないでくれ」

筋肉「む?そうでもないぞ? 始めに辺りにマグニチュード8くらいの地震を発生させてだな……」

勇者「アウトーはいアウトー」

僧侶「まあまあ筋肉さん、この先何があるかわからないんですからMPは節約しておきましょうよ」

筋肉「うむそうだな、MP(マッスルパワー)も無限ではない」

勇者「ちょっとまて、略がおかしい」

僧侶「正しくはMP(ドMポイント)ですね」

勇者「正しくない、ちっとも正しくないないからね?」

王様「勇者、魔王城が見えてきたぞ」

勇者「流石3km、徒歩で約30分、近い」

スライム「案内いたしました女王様!どうかこの豚にご褒美をぉぉぉ!!!」

僧侶「はいはい」グリッ

スライム「足で踏んで頂けるとは!!ありがたき幸せ!!!!」

勇者「しかし変だな、王都に居たときはこんな馬鹿デカイ城なんて見えなかったぞ? どうして今になって見えたんだ? 」

筋肉 「 それはこのあたり一帯に巨大な不可視の結界魔法が張り巡らされてるからであろう、かなり近づかなくては魔王城をみる事は叶わぬというわけだな」

勇者「へえ、こんなにデカイ城にまるごと結界をか……魔族共の恐ろしさがわかるな」

王様「まあ、王都から近いからみんな場所は知っておるがな」

勇者「建てる段階で気がつかなかったのかな、魔族共のアホさがわかるな」

僧侶「勇者様! 立て札です!」

勇者「お、どれどれ……」

人族の勇者につぐ
ここまでたどり着いたのは見事、しかしここに入ろうと願う者は 資格なしでは立ち入ることは許されぬ
我の九つの腕 魔族九天王が持つ鍵
それをすべて手に入れた時 その時この門は開かれるであろう
それ以外の方法では一切この門を開けることは叶わぬ
(勇者以外のお客様は裏側の勝手口からお入り下さい)

勇者「………………」

王様「………………」

筋肉「………………」

僧侶「………………」

筋肉「よし、裏から入ろう」

王様「そうじゃな」

僧侶「ですねー」

勇者「ちょっと待とうか」

書き溜めきれたからゆっくりになります

勇者「違うだろ!? なんで魔王城に裏口があるのかとかツッコミたいけどさ! 」

僧侶「何を言っているのですか勇者様、わざわざ正面から入って罠を踏むバカが何処にいるのですか」

勇者「そうだけどさ! やっちゃいけない事ってあるじゃん! お約束ってあるじゃん!」

王様「だが、あの看板に書かれていたのは勇者に関することだけじゃよ? つまり儂らは裏口から入ってもよかろう」

勇者「俺が入れないじゃないか! 」

王様「む、確かにそうじゃのう……」

勇者「だろ!? だからここはきちんと鍵を集めて正面から……」

王様「じゃあ勇者は置いていこう」

勇者「おい」

筋肉「国王の戯言は置いておくとして、貴公は本当に正面から入る気なのか? 魔物の言うことなど聞く理由もない、正直メリットが無いように思えるのサイドチェストだが」

勇者「珍しく真面目なことを言ってるのに台無しだな……ああ、俺は正面から魔王の城に入る事にする」

僧侶「ですが、それは相当危険ですよ? 九天皇全員と戦って倒さなきゃいけません」

勇者「ああ、だから裏口から入りたい奴は行っていいぞ、俺はそれを止めない」

筋肉「……………………ふん、ここから一番近い村はフツー村だったな」

勇者「筋肉?」

筋肉「我は貴公のパーティーに入ったのだ、貴公の決断には当然従うさ」

勇者「お前…………」

僧侶「私も当然ついていきますよ? 勇者様が私のご主人様ですし」

勇者「僧侶……」

王様「ふ、ふん、別にアンタの事なんかどうでもいいんだからねっ! たまたま、アンタと同じ場所を私が目指してるだけなんだからねっ?」

勇者「死ね」

そのころ

下級魔族「……メデューサ様、本日の進軍ノルマ達成いたしました」

メデューサ「ふむ、随分と速いではないか」

石蛇のメデューサ
レベル50
彼女が本気を出すと彼女の周りの生物全てが石に変わると言われている

下級魔族「はい、兵達もいつも以上にやる気がみなぎっているようです」

メデューサ「ならば本日の食事はちと豪華にしてやれ、その士気を活かさない手はない」

下級魔族「畏まりました」

ダッダッダッダ

メデューサ「…………ク、ククク……」

メデューサ「フツー村、滅ぼしてくへよう」

性格
真面目

フツー村

衛兵「ふう、今日はあちーなあ」

衛兵2「本当にな、今年は特に暑い」

衛兵「そーだなー……ん? なんだあれ」

衛兵2「……おお? あれは……鳥? いや違う……マッチョ?」

衛兵「ま、マッチョが空を飛んでる!?マッチョが空を飛んでるぞ!?」

衛兵2「しかも3人を持ってるぞ! ジャグリングの要領で回転させてる! ……ていうかなんか近づいてきてる気が……」

衛兵「ほ、本当に近づいてきてる! 空から落ちてくるぞ!」

チュドーン!!

筋肉「ぬう……やはり空中浮遊の筋肉魔法4人乗りは厳しかったか……」

勇者「もう二度としない、もう二度とやらせない……オエーッ」

僧侶「ううう……筋肉の化け物にやられても気持ちが悪いだけですよ……」

王様「ふぇぇ……パンツが見えちゃうよう、えっち……」

衛兵「な、なんなんだお前らは!?」

筋肉「む、これは失礼、名乗らせていただこうか」



筋肉「我は筋肉研究家の筋肉!!!」ビシィ!

王様「世界一セクシー! 王様!」ヒラッ

僧侶「そして勇者様の奴隷の僧侶です!」


衛兵「へ、変態だ!!」

衛兵2「変態一行が来たぞ!!!」

勇者「ですよねーー!!!!」

勇者「待ってくれ、言いたいことは凄くよくわかるが俺達は変態一行じゃなくて勇者パーティーだ」

衛兵「ゆ、勇者パーティーだと?」

衛兵 2「本当か?」

勇者「ああ、俺の手に不思議な形のアザがあるだろ? これが勇者の証なんだ」

衛兵「確かに……」

衛兵2「言い伝えのとおりだ……」

勇者「解ってくれたか、よかったよかった」

衛兵「ああ、悪かった……ん?」

衛兵2「つい警戒しちまったよ……あれ?」

勇者「ん? どうしたんだお前達?」

▽勇者はあぶないみずぎを装備している

衛兵「へ、変態一行だ!!!」

衛兵2「引っ捕らえろ!!!!!」

勇者「え、えぇーーーーー!!!!!」

村長の家

村長「うーむ、今日も茶がうまい」

衛兵「そ、村長! 村長!!」

村長「む? どうしたのかね?」

衛兵2「変態一行に見せかけた勇者パーティーに見せかけた変態一行を引っ捕らえました!」

村長「意味が分からん」




勇者「いやー、誤解が溶けてよかった」

村長「ホッホッホ、申し訳ない」

衛兵「いやいや、まさか変態一行に見せかけた勇者パーティーに見せかけた変態一行に見せかけた勇者パーティーだったなんて」

王様「全く、この衛兵どもは人を見る目が節穴じゃな、厳しく罰してほしいぞ」

勇者「いや、俺が言うのもなんだけど普通の反応だと思う」

衛兵2「いやー、でも勇者様が来てくれているならこの村も安心ですね」

勇者「おう! 俺がいる限り魔物の被害はないと思ってくれ!」

衛兵「よかったよかった、なら今この村に迫ってきている魔物の大群も大丈夫ですね!!」

全員「「「「「アハハハハハハハハハハハハルハハハハ!!!!!!!!」」」」」

勇者「……………………」

村長「……………………」

衛兵「……………………」

衛兵2「……………………」

勇者村長「「ええぇーーーーーーーー!!!!!!!!!!」」






勇者「………………さて、お前らも聞いたと思うが、この村に魔族の軍が向かってきている」

勇者「数は大体300、とんでもない大群だよ」

勇者「……それでも俺達は勇者パーティーだ、勝つしかない」

勇者「お前ら、戦ってくれるな?」

王様「なあに、丁度ファンを増やしたいところだったのじゃよ」

僧侶「下僕は大いに越したことはないですからね」

筋肉「我の筋肉魔法、今まで見せたのはまだまだ序の口だ」

勇者(……もう、こいつらに頼るしかない)

勇者(こいつらは変態だけど、王様は変な魔法を使えるし僧侶は回復魔法を使える、筋肉は筋肉だ)

勇者(賽は投げられたんだ……魔物を倒して、この村を守ってやる!)

▽勇者はシリアスになっている!

勇者「俺達に一番必要な物は、武器だ」

僧侶「イオンでも結局買えなかったですもんね」

勇者「ああ、だから分かれてそれぞれの武器の調達を……」

筋肉「ふ、フフフフフ……」

勇者「は? 筋肉どうしたんだ?」

筋肉「笑止! 我らが何時までも同じだと思うたか!」

王様「筋肉の言うとおりじゃぞ勇者よ、儂たちも日々成長しているのだ」

勇者「お、おう、お前達の成長というと嫌な予感しかしないから出来れば成長しないで欲しいんだけど……」

王様「そのようなことを言えるのも今のうちじゃぞ! なんと儂たちは、勇者が言うことを事前に予想して武器を用意しておる!」

勇者「な、なんだってー!?」

勇者「マジかよ! それなら早く見せてくれ!」

筋肉「勿論だ勇者よ、我の物から見ていただこう」

勇者「元々お前は強いもんな、魔力を上げる武器とか持てばさらに強くなるんじょゃねえの?」

筋肉「残念だが、そのような武器はなかった」

勇者「あー、まあ大きな町でものいからな、仕方がないか」

筋肉「だが安心しろ、それ以上のものを用意している」

勇者「そうか! なら期待が持てるな!」

筋肉「フフフ、見るがいい、これが我の武器……」

バサッ

筋肉「村長の銅像だ!」

勇者「村長の銅像!?」

村長「ふむ、懐かしいな、あれは私が昔虎と戦った時に……」

勇者「唐突に現れて聞いてもいない話を語り出すのは止めてくれませんかねえ!」

筋肉「こう……な、髭の辺りがいい具合にフィットするのだ、トンファーのように使ってハゲ頭の辺りから魔法を出せば……」

勇者「筋肉隆々の男がハゲ頭の銅像を使って戦う姿なんてシュールすぎるわ!」

村長「いいね、それ採用」

勇者「勝手に採用するんじゃねーよ!」

勇者「ああもう! この際見た目は妥協するよ! 次!」

王様「ならば儂じゃな!」

勇者「え? 何? 新しいコスチュームても買ったの?」

王様「何を言っておる、たまには儂も真面目に武器を探すわ」

勇者「真面目に探したのか? なら少しは期待が持てそうだけど…… 」

王様「見て驚くがいいわ、これが儂の武器……」

バサッ

王様「村長の銅像じゃあ!」

勇者「天丼かよ!!!!」






村長「懐かしいな……、あれは私が熊と戦った時に……」

勇者「聞いてねえって言ってるだろ!」

勇者「ていうかおっさんは何で銅像を持ってきたんだよ、筋肉みたいな使い方も出来ないだろ」

王様「当然理由はあるぞ? 銅像の鼻の辺りを押してみろ」

勇者「ええー、凄く嫌なんだけど」

王様「早く押すがいい」

勇者「……わかったよ」

ポチッ

銅像「武器や防具はきちんと装備しないと意味が無いぞ!」

勇者「銅像が喋った!?」

王様「ほら、面白いじゃろ!? 超面白いじゃろ!?」

勇者「誰が面白アイテムを持ってこいって言ったんだよ!!」

村長「あれは儂が熊に対して放った名言でな……」

勇者「だから語るなって言ってるだろ! しかも熊が武器を装備出来るわけねえじゃねーか!」

僧侶「勇者さま! なら私の武器を見てください!」

勇者「そ、僧侶ちゃん! 確か僧侶ちゃんはイオンの買い物でも真面目な武器を買ってきてたよね! 」

僧侶「はい、期待してください!」

勇者「もう僧侶ちゃんだけが頼りだよ、武器を見せて欲しいな」

僧侶「はい、これが私の武器……」

バサッ

僧侶「村長の銅像です!」

勇者「3段重ねかよ!!!」

村長「懐かしい……あれは私が神竜と戦った時に……」

勇者「だから聞いてねえんだよ! しかも絶対にウソだろそれ!」

僧侶「………………」ポチ

銅像「ここから南には魔王城があるぞ!」

勇者「銅像を喋らせんな!」

筋肉「………………」ポチ

銅像「ヒヒーン!」

勇者「馬!?」

村長「………………さて」

筋肉「完璧だ」

王様「完璧じゃな」

僧侶「完璧ですね」

勇者「どこが完璧なんだよ!?」

筋肉「む、では逆にどこが完璧ではないんだ?」

勇者「全部だよ! お前らの存在から武器まで全部だよ!」

王様「えー、折角おそろいファッションにしたのにー」

勇者「武器をおそろいにする必要が何処にあるんだ! いいからさがしなおしてこい!」

僧侶「へ? でも勇者様」

勇者「なんだよ!?」

僧侶「魔物達の軍、もう近いですよ?」

勇者「……………………」

勇者「……………………」チラッ

ザッザッザッザッザッザッザッザッ

ザッザッザッザッザッザッザッザッ

勇者「……………………」

勇者「ちくしょーーーーーー!!!!!!!」

メドゥーサ「フフフ…… フツー村の人間共は今頃恐怖に怯えてているであるうな……」

メドゥーサ「私の精鋭部隊300で、人間一人も逃がすことなく捕らえて奴隷にしてやる……」

メドゥーサ「フ、フフフ………………」

メドゥーサ「フフフフフフフフフフフフ!!」

下級魔族「め、メドゥーサ様!!! 大変! 大変です!!」

メドゥーサ「む、どうした!?」

下級魔族「村の前を……村の前を1000超えるおっさん達が守っております!!!!」

メドゥーサ「…………は?」









勇者「もう、ヤケクソだ……」

勇者「お前ら! 銅像は持ったか!?」

筋肉「おう!!」

王様「おう!!」

僧侶「おう!!」

筋肉「………………銅像セット!」

王様「方向オッケー!」

僧侶「角度オッケーです!」

筋肉「食らえ! これが爆発型筋肉魔法……イオ!!!!」

勇者「ただ銅像をおもいっきり投げるだけだけどな」

筋肉「発射!!!!
!!!!!!!」ブォン!!!







下級魔族「め、メドゥーサ様!!」

メドゥーサ「なんだ!? 私は今あの軍隊を倒す策を練っておるのだぞ!?」

下級魔族「た、大変です、おっさんが…………おっさんが空をとんできてます!!!」

メドゥーサ「…………は?」

下級魔族「は、速くしないとここにおっさんが……」

チュドーン!!!!

下級魔族「うわぁ! 来た!」

メドゥーサ「ば、バカな事を言うな! 人間が飛べるはずない! 外に出るぞ!」タッタッタッタッ

チュドーン!!!

敵魔族「ぎゃー!!」

敵魔族2「うわー!」

メドゥーサ「………………お」

メドゥーサ「おっさんが空から降ってきている」


下級魔族「メドゥーサ様!このままでは我が軍はおっさんに押しつぶされてしまいます!」

メドゥーサ「あ、慌てるな! 幸いおっさんが降ってくるスピードは早くはない! 高速で進軍して敵の本部を叩けばおっさんの襲来も無くなる!」

下級魔族「なるほど! 流石はメドゥーサ様! 」

メドゥーサ「うむ、進軍するぞ! ついてこい!」

魔族「「「「おおおおおおお!!!!!!!」」」」」






勇者「お、おい! 敵が突っ込んできたぞ!?」

筋肉「むう…… イオは敵が集中してる時に効果的な魔法、そうでないときにはあまり意味がないぞ」

勇者「ど、どうするんだよ!?」

僧侶「大丈夫です勇者様! 私に任せてください!」

勇者「僧侶!?」

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