南条光「ヘレンの奇跡!変えるぜ!世界!!」 (34)


※ウルトラマンジードのパロディネタです


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1524675968


 ドゴォォォォン!!


ブリュンヒルデ「あーっはっはっはっはっは!!」


 復活したウルトラアイドルブリュンヒルデにより
 宇宙は騒乱の渦中にあった


アキハ「よし……完成だ」


 戦いに終止符を打つため
 科学者でもあるウルトラアイドルアキハはアイドルカプセルを開発する

 カプセルにはアイドルたちの強大な力が宿っていた
 手のひらに収まるほどの大きさしかなかったが
 たった一つで戦局を覆すほどの可能性を秘めていた


ブリュンヒルデ「ハァッ!!」ゴォォッ!!

タクミ「ぐあぁぁっ!」


 しかし……


ブリュンヒルデ「超時空消滅爆弾、起動」

タクミ「何っ……!?」


 ゴゴゴゴゴゴ……


ブリュンヒルデ「フフフ……せいぜい足掻くが良いわ。あーーっはっはっはっはっは!!!」


 ゴゥゥゥン……


タクミ「地球が……!何とかしねえと!」

ハルナ「行っちゃだめです!」ガシッ

タクミ「けど……!」

ハルナ「この宇宙は……もう持ちません」

タクミ「……。そんな……」


 キィィィィィン――――!!!


 地球を中心に生じた次元の断層は宇宙全体に広がり……
 星々は消滅した……


 シュバッ!!


 ……かに思われた


???「ヘーーイ!!!」


 キィィィィィン……!!

♪GET OVER NOW!! GET OVER PAIN!!
♪GET OVER MIND!! JUMP UP! HIKARU!!
♪覚悟決めるぜ!! HERE WE GO!


 14歳の少女・南条光
 ヒーローに憧れる、どこにでもいる女の子


ノノ「いやいや……光さんは絶対地球人じゃないと思うんですけど……」

光「そんなことないって!アタシは地球人だ!」


 “机下宇宙人”モリクボ星人ノノと一緒に星雲荘というアパートに住んでいた
 ノノが言うように光には超人的な身体能力が備わっており
 光も口では否定するがその異常さを自覚していた

 それでも二人は仲良く穏やかな生活を送っていたのだが……


 ドゴォォォォォォン!!

スカルピニャ「ビニャァァァァァ!!!」


 突如として出現した“ブリュンヒルデ融合獣”スカルピニャ
 その怪獣の襲撃を境にして、彼女の運命は大きく動き出す


報告管理システム・ノア『Bの遺伝子を確認した 基地をスリープモードから通常モードへ移行』

ノア『権限が上書きされた これからこの基地は光、貴女の物よ』


光「あの怪獣を止めることができるのかっ!?」

ノア『ええ 貴女が貴女本来の姿に戻れば』

ノノ「そ、そんなの……むーりぃー……。あんな大きな相手に勝てるわけ……」

ノア『勝てる 何故なら光は、ウルトラアイドルの遺伝子を継いでいるから』

光「……!」


 街を、人々を守るため
 アイドルカプセルと変身アイテム“ヒカルライザー”を使い
 光はウルトラアイドルに変身する!


光「融合!」シャキンッ!

ミホ『マ、マダダメッ!!』

光「アイ、ゴー!」シャキンッ!

ランコ『ヤミニノマレヨ!!』

光「――ヒアウィーゴー!」

 ヴンッ ドクンッドクンッ

≪フュージョンライズ!≫

光「決めるぜ、覚悟!はぁぁぁぁ……っ!はぁっ!!」

 ピキィィィィン!!

光「――ヒカルーーーーッ!!!」

≪コヒナタ ミホ! カンザキ ランコ!≫

≪ウルトラアイドルヒカル! クマモティブ!!≫


ヒカル「クマモティブバースト!!」

スカルピニャ「ビニャァァァァァ!!!」ドゴォォォォン!!!


 本来の力に戸惑いながらも勝利したヒカル


TV『突然現れた巨人の正体も依然として不明のままになっています』

光「あれが……アタシ……?」


ノノ『ノアさん……光さんの中にある強大な力って……』

ノア『血液からBの因子が確認されたわ』

ノア『光はこの基地の本来のマスターと 99.9%の確率で親子関係にある』

ノノ『親子……!?光さんが誰の子か知ってるんですか!?』

ノア『ええ 彼女の母親はブリュンヒルデ』

ノア『ウルトラアイドルランコよ』


光「……!!」ガァァァン


 自分が悪のウルトラアイドル・ブリュンヒルデの娘だと知りショックを受ける光
 だが彼女は憧れていたヒーローになるべく
 街を襲う怪獣と、謎の宇宙人フミカと戦っていく……


光「えーーっと……その刀は何?」

珠美「これで怪獣を斬るのです!」


柑奈「光様~~!」ガバッ

光「うわっ、柑奈!?……えっと、その人は?」

柑奈「えっ?あぁ、私が勤めているニコニコ生命保険の先輩、片桐サナエさん」

サナエ(!この子……地球人じゃない……?)


莉嘉「うわぁぁぁん!おねーちゃーーん!!」

 ガッシャアアアアン!!

歌鈴「あっ、危ない!」タタッ

 つるっ

歌鈴「!?何でこんなところにバナナの皮が――」

 キキーーッ!!

歌鈴「……!!」

 ド ン ッ

タクミ『見てたぜ……お前、あの子を助けようとしたな』

タクミ『気弱そうな見た目しといて中々の根性じゃねえか。アタシと一体になって、一緒に戦おうぜ!』キィィィン…!!

歌鈴「ふええっ!?」


タクミ「アタシの名はタクミ!ウルトラアイドルタクミだッ!」


 頼もしい仲間たちの助けもあり
 光は新たな力を手にしながら、前に進んでいく……


 だが――


???『―――が―――来る―――』

珠美「えっ……?」

???『逃げなさい……ブリュンヒルデが来る……!』

珠美「――!!」


 ゴゴゴゴゴゴ……


ヒカル「お前は……!!」

ブリュンヒルデ「逢いたかったわ、我が娘よ……」

ヒカル「アタシのことを娘って呼ぶなぁっ!!」


 ロールにした銀髪のツインテール
 赤く光る切れ長の眼
 そして雄々しく広げられた一対の黒き翼

 黒雲を引き連れて現れたのは紛れもなく
 悪夢を形にした最悪の敵・ブリュンヒルデ


タクミ「ブリュンヒルデ……!」

ブリュンヒルデ「久しぶりね、タクミ……」

タクミ「やっぱり生きてたのか……!今度こそ地獄に送ってやる!」


 かつての宿敵タクミも交えた激闘が繰り広げられる中――


≪フュージョンライズ!≫

≪虹ぴにゃ! 秘丹弥虚羅多尊像!≫

≪ブリュンヒルデ キメラピニェロス!!≫


キメラピニェロス「ピニャァァァァァァ!!!!」

タクミ「何だと……!?」

キメラピニェロス「さぁ、母の元へ戻ってくるがよい!」


 ギュゥゥゥゥゥン……!!


ヒカル「うわぁぁぁぁぁ!!」

タマミ「光ちゃんーーっ!!」


ノノ「ノアさん……光さんはどうなったんですか!」

ノア『月面にいるキメラピニェロスの体内に取り込まれているようね』

ノノ「そんな……」

ノア『早く分離しなければ完全に融合し 光は二度と戻らない』


 人々が絶望に沈む中
 珠美たちは光を奪還すべく立ち上がる!






 ウルトラアイドルヒカル 第17話

        『ヘレンの奇跡!変えるぜ!世界!!』





~星雲荘~


 ウィィィィン


珠美「ただいま、戻りました」

ノノ「珠美さん……」

タクミ『珠美。偉そうな声が聞こえるって話だが』

珠美「は……はい。威厳のある声が、ブリュンヒルデの接近を予言したのです」

タクミ『その声はたぶん、ウルトラアイドルヘレンだ』

ノノ「ウルトラアイドル……ヘレン……?」

タクミ『クライシス・インパクトの崩壊からこの宇宙を守ってくれた伝説のアイドルだ』

タクミ『悔しいが、アタシもあいつに勝ったことは一度もねえ……』

珠美「そんな力のあるアイドルなら、ヒカルをキメラピニェロスから分離できるかも……」

タクミ『ヘレンのエネルギーが濃く残ってる場所がある。そこへ行けば交信できるかもしんねえ……!』

珠美「それはどこですかっ!?」

タクミ『ヘレン生誕の地。エアーズロックだ』

珠美「エアーズロック」

タクミ『うん』


~キメラピニェロスの体内~


 バキッ! ドカッ!

光「くっ……!はぁっ!」

ブリュンヒルデ「目を覚ましなさい、我が娘よ」

光「アタシのことを……娘って呼ぶなぁっ!」ブンッ!!

 ガシッ!

光「!」

 ドゴォッ!!

光「ぐふっ……」

ブリュンヒルデ「私はお前の母親よ」

 ぎゅっ……

光「……!」

ブリュンヒルデ「娘よ……逢いたかったわ……」

光「…………」


 オギャァ!オギャァ!!


光「ここは……アタシが捨てられていた天文台……」

ブリュンヒルデ「孤独だったでしょう」

光「!」

ブリュンヒルデ「戻ってきなさい、母の元に……。私は貴方を独りにはしない」

光「アタシを……受け入れてくれるのか……?」

ブリュンヒルデ「無論よ。だって……私たちは家族でしょう」

ブリュンヒルデ「地球人はお前を完全には受け入れていない、臆病な者共……」

光「でも、アタシを育ててくれたのは地球人だよ……」

ブリュンヒルデ「心の奥底では求めていたはずよ。本当の家族を……」


ブリュンヒルデ「さぁ……身を委ね、楽になりなさい……」


 ドクンッ――


光「……――――」


 ばたっ……


~星雲荘~


ノノ「どんどん光さんの反応が減っていってませんか……?」

ノア『同化の速度が上がっているわね このままだと二時間後には消滅してしまうわ』

ノノ「ど、どうすればぁ~……」

タクミ『20時間経過……さて、と。行くとすっか』

ノノ「えっ……どこに?」

タクミ『決まってんだろ。月だ』

 キィィィィン……!!



~月面~


 ドォォォォン!!

キメラピニェロス「来たわね……タクミ」

タクミ「待たせたな……ったく、何度も何度も生き返りやがって」ボキッバキッ

キメラピニェロス「フフ……お前との闘いは血が滾る」

タクミ「行くぞッ!!」

 ドンッ!! ドゴォッ!!

タクミ「フンッ! てやぁっ!」

キメラピニェロス「ピ--ニャアアアァァァァァァァァァ!!!」ゴォッ!!

タクミ「ぐっ……!?さっきより力が増してる……!?」


~エアーズロック~


珠美「ぜぇ……はぁ……やっと辿り着きましたぞ……」フラフラ

 キィィィィィン……

珠美「!この光は……」


ヘレン『ヘーイ!よく来たわね、珠美!!』


珠美(軽くないですかノリ)

ヘレン『ノンノン!ヘレンのパッションはいつでも最高潮!それこそ世界レベルというものなのよ!』

珠美(!?どうして考えていることがわかったのですかっ!?)

ヘレン『私がヘレンだからよ』

珠美(な……成程。伝説のアイドルというだけはありますね……)

ヘレン『ところで、貴方がわざわざ海を渡ってまでここに来たのには理由があるはずよ』

珠美「そ、そうでした!頼みがあって来たのです!」

ヘレン『彼女を、救いたいのね』

珠美「はい。光ちゃんは……大切な仲間なんです」

ヘレン『わかったわ。共に行きましょう。若きアイドルの魂を連れ戻しに……!』


 キィィィィン……!!


~キメラピニェロスの体内~


珠美「ここは……?」


 ドゴォォォォン!!


ヒカル「であっ!はぁっ!うあぁぁッ!!」バキッ!! ドカッ!!

タクミ「ぐあぁぁぁっ!!」


珠美「……!」

珠美「光ちゃん!目を覚ましてくださいっ!」


ブリュンヒルデ「我が娘よ……よくやったわ」

ブリュンヒルデ「これからは母と共に歩もうぞ。さあ、おいで……」

ヒカル「……」フラフラ


珠美「光ちゃん、ダメです!ブリュンヒルデに惑わされないで!!」


ヒカル「……!」



ブリュンヒルデ「ヘレンか……余計な真似をッ!!」


 ゴォッ!!


珠美「うわぁぁっ!?」


 シュバァッ!!


珠美「あ、あれ、攻撃がかき消され……」

ヘレン「珠美。ここは私が受け持つわ」

珠美「ヘレンさん!」


ブリュンヒルデ「はぁっ!」ゴォッ!!

ヘレン「フンッ!」

 シュバッ シュバッ シュババババッ!!!

ヘレン「ヘーイ!!」ビシッ☆

ブリュンヒルデ「くっ……猪口才な!」ズドドドドドド!!!

ヘレン「フフッ、ヘレンは久方ぶりに目覚めたばかり。ウォーミングアップにはちょうどいいわ!」シュババババッ!!!


珠美「す、すごい……華麗な動きであの連撃を全て躱している……」

ヘレン「珠美!今のうちに光を!」

珠美「!は、はいっ」


珠美「光ちゃん、忘れないでください!仲間のことを!」


<ヘイヘイヘーーイ!! ドウシタノ ソンナモノ!?
<ザレゴトヲ!! キサマノチカラナド ドウトイウコトハナイッ!!


珠美「地球のことを!光ちゃんの夢を!」


<フンッ、ハッ!! コウゲキノアイダニ カンプマサツデキテシマウワ!!
<キサマァァァ ナメタマネヲ!!


珠美「光ちゃんは……みんなのヒーローなのですから!!」


<ヘーーイ!! ワールドレベルダンサブルステップ!! ヘーイ!!
<グゥゥゥゥッ!! オノレ…ヘレン…!!


ヒカル「……!!」


<フフ…ブリュンヒルデガ キイテアキレルワ
<オ…オ、ノ、レ……


珠美(……あれ、ヘレンさん普通に勝ってませんか)


ヘレン「ヒカル、行きなさい!運命をひっくり返すのよ!」

ヒカル「……!」

珠美「光ちゃん!」

ヒカル「珠美ちゃん……。……ありがとな」

珠美「はいっ!」


ヒカル「うおおおおーーーーっ!!」シュバァッ!!



キメラピニェロス「ビニャァァァァァアアア!?!?」

ヒカル「はぁっ!!」ドスーーン!!



ノア『ウルトラアイドルヒカル、キメラピニェロスから分離成功』

ノノ「や……やった……!珠美ちゃんがやってくれたんですね……!」



タクミ「ったく……おせーぞ、ヒカル」

ヒカル「主役は遅れてくる。前にそう言ってたよなっ」


~エアーズロック~


珠美「ふぅ……何とかやり終えましたな」

ヘレン『いいえ。まだ終わっていないわ』

珠美「へっ?」

ヘレン『カモン!ミュージックスタート!』


 ヘレンがそう言うと珠美の脳内に陽気な音楽が流れだした!


珠美「こ、これは」

ヘレン『珠美、貴方のリトルスターを彼女に届けるのよ!レッツダンシン!』

珠美「お、踊るんですか?何で?」

ヘレン『そこに世界があるからよ!』

珠美「??」

ヘレン『さぁ早く!後悔先に立たず、始めるなら今のうちよ!ヘーーイ!!』

珠美「わ……わかりました!」


~月面~


 ガシィッ!

キメラピニェロス「貴様……如何様にして我が呪縛から抜け出した……!!」グググ…!!

ヒカル「アタシには……仲間がいたからだッ!!」


 ゴォォォォ……!!


ヒカル「ハァァァ――――!!」キィィンッ!!

ヒカル「クマモティブバーストォォォォ!!!」シュバァァァァッ!!!


 ヒカルが放った光線は月面を撃ち
 彼女の体を捕えていたキメラピニェロスごと反動で押し出す!

 その勢いは大気圏を越え
 今なお暗雲渦巻く地球の大地へ!


~地球~


 ドオオオオオオオオオオオン!!!


キメラピニェロス「ビニャァァァアアアアッッ!!!」


 再び降り立った怪獣の前に人々は逃げ惑う
 サイレンが鳴り響き、街頭モニターには怪獣出現を告げる緊急ニュースが流れる

 しかし――
 降り立ったのは絶望だけではなかった!


≪フュージョンライズ!≫

≪カミジョウ ハルナ! ヒノ アカネ!≫

≪ウルトラアイドルヒカル! グラッシーバーニング!!≫


 燃え上がるような熱気を全身から迸らせるヒカルの姿!
 赤ぶちのメガネをかけ、情熱と知的さを併せ持つ、それが“グラッシーバーニング”!


ヒカル「グラッシーブースト!!」ゴォォォォォッッ!!

キメラピニェロス「ビニャァァァァァ!!」


 メガネから放たれる72万度の高熱光線!
 進撃を始めようとしていたキメラピニェロスの体を押し返す!


キメラピニェロス「ビニャァァァァアア……!!!」


 反撃に転じようとするキメラピニェロスを見てヒカルは姿を変える!


≪フュージョンライズ!≫

≪ナカノ ユカ! イケブクロ アキハ!≫

≪ウルトラアイドルヒカル! アキハスマッシャー!!≫


 その長髪をツインテールスタイルにしたヒカルの次なる姿!
 「空手に先手なし」を体現するかのごとき流麗な捌きで
 キメラピニェロスの破壊光線を受け流す!

 立ち込める爆煙
 その中に消えたヒカルを案じる街の人々


≪フュージョンライズ!≫

≪ムカイ タクミ! オイカワ シズク!≫

≪ウルトラアイドルヒカル! サガルマータ!!≫


 だがその勇壮な地響きを耳にするや否や、再び歓声を上げる!
 煙の中から現れたのはダイナマイトボディを持つ、ヒカルの強化形態だ!


キメラピニェロス「ウルトラの乳か……。シズクには恨みがあるわ、容赦はせぬ……!!」

ヒカル「であぁぁッ!!」


 ドォォォオオン!! バゴォォォオン!!


キメラピニェロス「ビニャアアアアア……!!!」

ヒカル「ぐぅぅぅっ……!!」


 激闘が繰り広げられる、その裏で――



~エアーズロック~


珠美「も……もう……限……界…………」

ヘレン『もう音を上げたの!?珠美、貴方が立っている場所がどこかを思い出してみなさい!』

珠美「エ……エアーズ……ロック……」

ヘレン『そう。貴方は今“世界”の上に立っているのよ!』

ヘレン『今こそ自分の限界を打ち破り、ネクストステージの景色を見る時!』

ヘレン『そうは思わない、珠美?!さあ、レッツダンシン!!』

珠美「ぐ、ぅぅぅぅう~~~~っ!!!」ヨロヨロ


珠美「光ちゃん、助けてぇぇ~~~っ!!」


 その時――


珠美「えっ……?」


 珠美の胸から溢れ出してくる光の球体!
 その小さな光は宙に浮かび、空の彼方へ消えていく!



ヒカル「……!」

 キィィィィン!!

ヒカル「これは……」


 遠く離れた戦場にその光は届いていた
 ヒカルが手にしたカプセルに描かれていたのは伝説のアイドル・ヘレン


キメラピニェロス「ピニャァァァァアア……!!!」

ヒカル「母さん……アタシはあなたを、超えてみせる……!!」


光「融合!」シャキンッ

ランコ『ヤミニノマレヨ!!』

光「アイ、ゴー!」シャキンッ

ヘレン『ヘ------イ!!』

光「――ヒアウィーゴー!」

 ヴンッ ドクンッドクンッ

光「はぁっ!」

≪カンザキ ランコ! ヘレン!≫

≪我、世界の名の下に!≫

 ヒカルライザーから溢れた光が神秘の剣“ヘレンソード”の形となる!
 ヘレンカプセルを装填し、中央の宝玉に手を翳すことでエネルギーが満ちる!

光「変えるぜ、世界!はぁぁぁぁ……っ!はぁっ!!」

 ギュィィィンッ!!


光「――ヒカルーーーーーーッ!!!」


 黄金の光の粒子に包まれたヒカルの姿が変貌する
 暗雲を切り裂き、太陽の光と共に舞い降りた、その姿は――


≪ウルトラアイドルヒカル! ワールドレベルダンサー!!≫


キメラピニェロス「その姿は……莫迦な、認められたというのか……ヘレンに!」


 たなびくマント
 露出度が高い衣装
 ところどころに添えられた鳥の羽

 威風堂々たるその姿こそ
 ヒカルが世界レベルとなった証

 最強形態、“ワールドレベルダンサー”!!


ヒカル「あなたは強い……だけど、間違っている!」


 ヴォンッ! シュバァァッ!


キメラピニェロス「ビニャアアアアア……ッッ!!」


 キメラピニェロスの反撃をものともせず
 華麗なステップでそれを躱し
 ヘレンソードで敵を切り裂く

 間を取ろうと後退するキメラピニェロスに対して
 光はヘレンソードの宝玉に手を翳して追撃をかける


≪ヘイ! ヘーイ!!≫

ヒカル「――スウィングダンサブル!!」


 光の刃が飛びキメラピニェロスを襲う
 悲鳴を上げながらも、怪獣は意地の一撃を放つ


キメラピニェロス「ビィィィイイイイニャァァァァァァァァァアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!」


≪シンデレラガールズ!≫

ヒカル「シンデレラシールド!!」


 だが、ヘレンソードに装填された“シンデレラガールズカプセル”

 その力によりアイリ、ランコ、リン、シューコ、ウヅキ、カエデ
 “シンデレラガールズ”と称される六人のアイドルの力が発動し

 時計盤を模したような強固なバリアで
 キメラピニェロスの破壊光線をいともたやすく防ぎ切った


キメラピニェロス「何で向こうにいるの我!?」


キメラピニェロス「ビィィィィ…………ビニャァァァアアア!!!」


 やぶれかぶれといった風情で
 巨大な翼を広げてキメラピニェロスが飛び立つ

 マントをはためかせながらヒカルも空へ身を躍らせる
 キメラピニェロスの体当たりも華麗に受け流し
 世界レベルの攻撃で跳ね返す


キメラピニェロス「我をどれほど否定しようと……お前はブリュンヒルデの娘……!」

キメラピニェロス「生きている限り、我が名前からは逃れられぬ!!」


ヒカル「逃げるつもりはないッ!」

ヒカル「この体があなたから作られたものでも……」

ヒカル「この魂は……アタシのものだ!!」


キメラピニェロス「変えられるものか……運命を!」

ヒカル「変えてみせる!アタシの運命は――アタシが決める!!」


 ヘレンソードから放たれた電撃光線を受けキメラピニェロスが地上へ墜落する
 ビルの瓦礫の中で身を起こそうとする、その姿に向けて
 ヒカルは最強必殺技を放つ!


≪解放せよ!世界レベルの力!!≫

光「はぁっ!」

≪ヘイ! ヘイ!! ヘーーーイ!!!≫



ヒカル「――ワールドエーーーーンド!!!!!」


 天高く掲げたヘレンソードに光輝が満ち
 190万度の火力を誇る超絶破壊光線が地上に向かって降り注ぐ!


キメラピニェロス「莫迦な……何だ……この力はぁぁあああああ!!!」


 光線を浴びたところから体組織が崩れ落ち
 悪夢の象徴のような異形の怪獣は
 跡形もなく砕け散った!


ヘレン『やったわね。珠美、光、グッジョブ!』

珠美「や……やったのですか……疲れたぁ……」

ヘレン『ちなみにリトルスターは保有者の祈りによってアイドルに譲渡されるわ。覚えておきなさい』

珠美「そうだったのですねぇ……。ご丁寧にどうもあり……」

珠美「……………………」

珠美「……珠美、こんなに頑張ってダンスする必要ありましたかっ!?」

ヘレン『グッバイ!また用事があるなら呼びなさい!ヘレンはいつでも世界と共にあるわ』

珠美「ちょっと!!!!!!!!!!!」



ノア『お帰りなさい、ヒカル』

光「うん。心配かけてごめんな」

ノア『無事で安心したわ』

ノノ「そうですよぉ~……もうずっと心臓がバクバクしてて……もうむーりぃー……」

タクミ『光、お前は誰にも出来ないことをやり遂げた。誇っていい』

光「……うん!」

柑奈「よーっし!じゃあ祝勝パーティといきましょうか!」



珠美「ちょっと!!!!!!珠美のこと!!!忘れないで!!!ください!!!!!」


 アタシは今日、お母さんを超えることができた
 でも、これからも色んな試練が待っているだろう


フミカ「ブリュンヒルデ様の紡ぐ悪夢は私が継承しました……」

フミカ「誰一人……安心して眠らせはしません……!!」


 でもきっとそれも越えていける
 だってアタシには支え合う仲間がいるから
 その笑顔が力になってくれるから


≪デモニックフュージョン・アンリーシュ!≫

≪ミシロジョウム! クロイシャチョウ!≫

≪ブリュンヒルデ ローゼンブルクエンゲル!!≫

ブリュンヒルデ「フフ……フフフ、あーーっはっはっはっはっは!!!」


 アタシの使命は宿命を塗り替えること
 そしてみんなのヒーローとして、みんなの笑顔を守ること

 アタシはこれからも強くなる

 みんなのために覚悟を決めて、
 明日に向かって進み続けよう!


おわり

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