脇山珠美「一寸珠美」 (31)

昔々ある所にお婆さん・・・もといお姉さん(17歳)と珠美という小さな女の子が住んでいました

しかしその珠美ちゃんはなんと・・・

物凄く小さかったのです(推定10cmくらい)

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珠美「あの・・・菜々殿」

菜々「こらこら、家ではお姉ちゃんと呼びなさいと言ってるでしょう」

珠美「申し訳ございません、しかしどうしても気になって・・・」

菜々「どうしたんですか?」

珠美「何故珠美はこんなに小さいのですか・・・」

珠美ちゃんはいつもお人形セットの家で暮らしていました

菜々「そう言われましても・・・赤ん坊のあなたをお花畑で拾ってからずっとその大きさでしたし・・・」

珠美「そ、そうだったのですか・・・」

菜々「あれからもう16年になるんですね・・・」

珠美「そうですね・・・」

珠美(その10数年間外見が一切変化していない菜々殿の方がよっぽど不思議な存在ですよ・・・)

珠美「よし!珠美決めました!」

菜々「何をですか?」

珠美「珠美はこれから旅に出て大きくなる方法を探します!」

菜々「い、いきなりですね・・・」

珠美「そうと決まれば早速準備です!」

こうして、珠美ちゃんは旅に出る決心をしました

~旅立ちの日~

珠美「針の刀にお椀の船・・・準備完了です!」

菜々「本当に行くんですね・・・」

珠美「フフン、帰ってくる頃にはボンキュボンになっている事でしょう!」

菜々「あはは・・・期待して待ってますよ」

珠美「それでは行って参ります!」

菜々「気をつけて下さいね~」

そして、珠美ちゃんは川へ漕ぎ出していきました

~数分後~

珠美「う・・・結構流れが激しいですね・・・」バシャバシャ

珠美「コントロールが効かない・・・」

珠美「うぷ・・・酔った・・・」

珠美ちゃんはそのままお椀事流されるままに進んでゆきました

そうこうしてる内に川沿いの村に辿りつきました

珠美「うぷ・・・やっと止まった・・・」

珠美「どうやらどこかの村に辿りついたようですね・・・」

村人「はぁ・・・困ったわね・・・」

珠美「おや?何かあったようですね」

珠美ちゃんは村人が数人集まって何かを話しているのを見つけました

珠美「あの、何かお困りですか?」

ちひろ「え?」

みく「今誰か喋ったかにゃ?」

裕子「いえ、そんなはずは・・・」

美穂「じゃあどこから声が・・・」

珠美「下ですよ下!」

村人達「え・・・あ!!!」

村人達は珠美ちゃんを見て驚きました

みく「ち、小さいにゃ・・・」

美穂「まさかこんな人間がいるなんて・・・」

裕子「まさかサイキックの力でこんな・・・」

珠美「いえ、産まれつきですけど・・・」

ちひろ「そうなんですか・・・」

藍子「可愛い・・・」

珠美「それで、何かあったんですか?」

ちひろ「ええ、実は困った事があって・・・」

珠美「困った事?」

ちひろ「この村の近くにあるムナカタ山にはあつ鬼という鬼が住んでてね・・・」

ちひろ「その鬼がお山の大きな女の子を次々とさらっていっちゃうのよ・・・」

珠美「な、何と卑劣な・・・」

裕子「雫さんや早苗さんもさらわれました・・・」

美穂「かな子ちゃんも・・・」

藍子「愛梨さんも・・・」

みく「次はきっとみくの番にゃ・・・」

ちひろ「という訳なのよ」

珠美「そうでしたか・・・」

珠美「よし!珠美がその鬼を成敗して差し上げましょう!」

ちひろ「い、いいんですか!?」

珠美「旅をするには強くならねばなりませんし・・・それに・・・」

珠美「毎日修行してたので剣の腕には自身があります!」エッヘン

村人達(その大きさで言われてもなぁ・・・)

裕子「で、でも相手は鬼・・・生半可な相手ではありませんよ?」

珠美「そうですね・・・何か作戦を・・・ん?」

珠美ちゃんは自分が乗ってきたお椀を見て何かを思い付きました

珠美「これだ!」

~ムナカタ山ふもと~

珠美「藍子殿、打ち合わせ通りにお願いしますよ」ヒソヒソ

藍子「わ、わかりました・・・」

ガサガサ

あつ鬼「うひひ・・・今日も女の子をさらっていっちゃおうかな~」

藍子「あ、鬼が来ました!」

あつ鬼「お、女の子発見!」

藍子「・・・・・」

あつ鬼「ふむふむ、大きさも手頃・・・」

あつ鬼「よし!今日はこの子にしよう!」

あつ鬼「じゃあ連れ去る前にひと揉み・・・」ワキワキ

コツン

あつ鬼「え?固い・・・」

あつ鬼「一体どうなって・・・」スッ

あつ鬼「こ、これはお椀・・・なんで服の中に・・・」

藍子「珠美ちゃん!」

珠美「はい!」バッ

あつ鬼「な!?お椀の中に小さな女の子が!」

珠美ちゃんはあつ鬼にとびかかりました

珠美ちゃんはあつ鬼の手のひらや指先を集中攻撃しました

珠美「このこの!」プスプス

あつ鬼「い、痛い痛い!手を怪我したらお山の感触を堪能できなくなっちゃう!」

珠美「それではさらった女の子達を解放しますか?」

あつ鬼「せ、背に腹は変えられないわね・・・これが家の鍵よ」

珠美「やりました!」

藍子「これで皆助かります!」

あつ鬼「お、覚えてなさいよー!」

タタタ・・・

あつ鬼はどこかへ逃げ去っていきました

そして、村人たちとあつ鬼の家に行って女の子達を助けました

雫「や、やっと帰れる~」

早苗「く・・・手錠さえ奪われなければ・・・」

美穂「お腹空いてない?」

かな子「うん、鬼さんが出してくれたから」

愛梨「意外と美味しかったよね~」

みく「それはよかったにゃ」

ちひろ「これもあなたのお陰よ」

珠美「いや~ハハハ・・・」

他にもあつ鬼の家には様々なお宝がありました

ちひろ「あら、これは・・・」

それはピンク色に輝くサイリウムでした

珠美「何ですか?」

ちひろ「これは振ると何でも願いが叶う打ち出のサイリウム(桃)よ」

珠美「それは凄いですね・・・」

ちひろ「そうだ!お礼にあなたの願いを叶えてあげるわ」

珠美「い、いいんですか?」

ちひろ「勿論ですよ、ねぇ皆さん」

村人達「異議なーし!」

珠美「あ、ありがとうございます!」

ちひろ「それじゃ願いを言ってください」

珠美「珠美の願い・・・それはただ1つ・・・」

珠美「珠美を大きくしてください!」

ちひろ「わかりました、それでは・・・」

ちひろ「大きくな~れ、大きくな~れ」フリフリ

ゴゴゴ・・・

珠美「おお、体がどんどん大きく・・・」

裕子「まさにエスパー・・・」

愛梨「当たり前だけど服ごと大きくなるんだね・・・」

珠美ちゃんはどんどん大きくなり・・・

珠美「こ、これでボンキュボンの仲間入り・・・」

ピタッ

ちひろ「どうやらここまでですね」

珠美「え?」

珠美は身長145cmまで大きくなりました

珠美「ちょ・・・これで終わり!?ボンキュボンは!?」

ちひろ「どうやらその人の属性に合った色のサイリウムでないと効果が小さいみたいですね・・・」

珠美「そんな・・・」

ちひろ「珠美ちゃんの場合は蒼のサイリウムでないとダメみたいですね」

珠美「よし、それを探しに行きましょう!」

珠美ちゃんは旅の目標ができたみたいです

珠美「ああでも大きくなったから針の剣が・・・」

ちひろ「お宝の中に刀がありましたよ」

珠美「そうですか・・・斬刀・鈍?よくわかりませんが凄そうな刀です!」

ちひろ「それでは旅の無事を祈ってますよ」

珠美「はい!それではみなさんさようなら!」

村人達「さようなら~」

珠美「それでは、目指せボンキュボン!」

こうして、珠美はさらに大きくなるための旅に出かけました

めでたしめでたし

~おしまい~

これで終わりです

この後刀を巡っての戦いとか、蒼やオレンジのサイリウムを巡ってそれを守る鬼たちとの熱いバトルとかが展開される感じです

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