アライさんは神様が守ってくれるのだ (42)

アライさんだって生きているのだ。だから神様はアライさんもきっと見てくれているのだ

NF(ニューフレンズ)部隊快進撃。第54戦車中隊、反政府軍を要地から排除
NF開発所、再利用部門の所長に元戦闘NF部門部長が就任。実質の左遷との声も
お手伝いアライさん育成校、新校舎設立。エリアの野良アライさんの更生に期待

バイト「うちの都市に新所長来るみたいっすね」
店長「みたいだな。この地区に配属されたってことは出世はのぞめないな」

店の外の電光掲示板に表示されるニュースを見ながら、茶髪の青年と大柄の中年男性がレジの内側にある椅子に座ったまま雑談をしている。
この地区は治安が良くない。このコンビニに強盗が来たことも一度や二度ではない。
そのためこの町の商店のレジは防弾のアクリル板に守られ、レジの下には金属バット、景気の良い店には銃が置かれている。

バイト「高校卒業したら、この街離れて、治安の良い街に行きたいっす」
店長「じゃあタバコ止めないとな。治安の良い街はそういうのうるさいぞ」
バイト「そーっすねぇ。タバコ代も馬鹿にならねーです」

今日は客も少なく新しい商品のトラックが来るのは4時間後。二人が座りながらだらだらと雑談をしていると、入店のチャイムが鳴り扉が開いた。

バイト「いらっしゃ・・・あっ」

バイトがチャイムに反応してマニュアル通りの挨拶をした。が、入ってきたのは人間ではなかった。

アライさん「チビ達!いくのだ!」
アライしゃん1「のだぁあああああ!」
アライしゃん2「アライしゃんはおかずをねらうのだあああ」
アライしゃん3「スナックおかしは臭くてくえないのだ!チョコレートをねこそぎ頂くのだ!」
アライちゃん「うりゅううう、ありゃいしゃんもおべんとうをねらいたいのりゃあああ」
アライさん「ちっちゃいチビ!わがまま言わないのだ!チームワークを乱さないのだ!ちっちゃいチビはジュースを持って行くのだ!」

そう言いながらアライさんは両手いっぱいに弁当を抱えると、外に逃げようと踵を返していた。あるアライしゃんはおかずを、あるアライしゃんはチョコレート菓子を、
家族がバラバラに食料を万引きしようとしている。

バイト「あっこの!待てや!」

青年がアライさんを捕まえようと金属バットを持ってレジから出ようとするが、侵入しにくいレジというのは出るのも時間がかかる。青年が鍵のかかった扉を開けて外に出る頃には、
アライさんと二匹のアライしゃんは逃亡。最期の大量のおにぎりを備え付けの買い物かごに満載したアライしゃんは店の扉を開けたところだった。

バイト「クソッ!お前は逃がすかよ!」
アライしゃん「うすのろなーのだ」

カァン!

バットは空を切り店の床を叩いただけだった。
青年は店内に目を向ける。

アライちゃん「おもいのりゃ・・・うんしょ・・・うう・・・うんしょ・・・あっおとしてしまったのりゃ」

両手に1リットルペットボトルを8本抱えたアライちゃんがまごまごしていた。飲料は店の一番奥でさらに店にある物の中で重い部類だ。アライちゃんが迅速に逃げられるはずはない。つまりはそういうことだ。

青年「捕まえた!」

青年はアライちゃんを両手で持ち上げた。このアライちゃんの身長は90センチ程。アライしゃんになるにはまだかかる位か。

アライちゃん「はなしゅのりゃあああ。ありゃいしゃんをはーなすのりゃあああ」
バイト「痛っ!この野郎引っ掻きやがったな!」

青年の膝がアライちゃんの腹にめり込む。アライちゃんは未練がましく持っていたペットボトルを取り落とすと地面に倒れ、咳き込みながらくの字になった。

アライちゃん「うぶぅううう、うぶっぶ、いだいのりゃぁ…」
青年「うっせぇ!誰が片付けると思ってんだ!ああ?」
アライちゃん「ぶびぃいい」

青年の強烈な蹴りがアライちゃんの顔面に叩き込まれ、アライちゃんは床を滑り本棚にぶつかった。

店長「まぁまぁヨシ君落ち着け。アライさん被害はエリアの駆除業者に連絡すれば良い。それにアライさんが持って行ける数なんてしれている。盗難保険で賄える」

店長は金属バットを拾い上げると、本棚の下で頭を抱えてうずくまっているアライちゃんの目の前にしゃがみ込んだ。そして穏やかな口調で話しかける。

店長「キミのお母さん達はどこにいるのかな?おうちは何処かな?」

アライちゃんは顔を上げると鼻血まみれの顔で店長をにらみ付けた。

アライちゃん「おかーしゃんに、わるいひとしゃんにおうちをおしえてはいけないって言われてるのりゃ!」
店長「そうか…仕方ない。他のアライさん家族にここは狙い目と思われてはいけないし」

店長は立ち上がり、金属バットを大きく振りかぶった。とっさにアライちゃんは両手をクロスして上にかざした

ボキィ ガァン ガァン

アライちゃん「あががああああああ、おっ・・・おっ・・・おおおおが」

金属バットはクロスしたアライちゃんの両腕を容易く折り、その手首は床とバットにサンドされ砕け散った。

アライちゃん「あ…ありゃ・・・うで・・・うで・・・しろいぼうが・・・おげぇえええ」

痛みで嘔吐をするアライちゃん。しかし嘔吐物は少なくほとんどが胃液だった。

ヨシ君「うわっ汚っ!掃除すんの俺っすか?」
店長「ははっ、掃除は私がするさ。[ピーーー]と連絡が面倒だしこのアライちゃんの顔をもう2,3発やってから表の通りに投げておいてくれ」
ヨシ君「了解っす。おらいくぞ」
アライちゃん「あああびぇええええはーなじで・・・はなじでのりゃああ」

青年はアライちゃんの尻尾をつかむとそのまま持ち上げると店の外に出た。外は暖かくて気持ちが良い天気だ。

ヨシ君「もう二度とくんなよ!殴れって言われたけどフライドチキン揚げる前にそんな鼻血まみれの顔殴りたくねぇよ」
アライちゃん「のりゃっ」

青年はアライちゃんを投げ捨てると店の中に戻って行った。顔面から地面に投げつけられたアライちゃんはしばらくそのままうめいていたが、
やがて立ち上がり。グニャグニャになった両手をだらりと下げたままフラフラと歩き始めた。


アライさん以外のフレンズはサンドスターで偶発的に生まれる。だがアライさんだけは子供を産むことでもその数を増やすことができる。
どうしてアライさんだけがそうなのか。そんなことは誰にも解らない。ただアライさんは増え続けた。そして人々に害を成すようになった。
戦いがあった。アライさんを駆除する。アライさんを飼い慣らす。アライさんが来ることができないように対策する。
その果てにこの街はアライさんは害を成せば駆除をするが、積極的に殺しはしないと決めたのだ。
ただこの街は恵まれている。アライさんの駆除を街が請け負っているし、なにより

NF開発所があるのだから



鼻血にまみれ、両腕を砕かれたアライちゃんはフラフラとさまよっていた。自分はおとりにされた。頭の悪いアライちゃんでもなんとなくそう気付いた。
だから家に帰っても自分には居場所は無い。

アライちゃん「ちゅかれたのだ・・・よいちょ」

ガードレールの支柱に背をあずけてアライちゃんはうなだれた。帰る場所も無く、両腕は動かないしとても痛い。たぶん自分はこのまま死んでしまうだろう。
たとえ血が止まっても、自然に腕が元通りになることはない。

アライちゃん「けじゅくろいすりゅのりゃ・・・」

しっぽを自分の前に出し両手を上げようとするが折れた両手は動かない。それでも痛みに耐えながらぎこちなくしっぽを整えようとする。
しかしそれは両腕の血をしっぽになすりつけるだけに終わった。

アライちゃん「おかーしゃん」

その時、頭上から穏やかで、そして柔らかい少女の声がした。

「あら…あらあら。怪我をしているのね」
アライちゃん「のりゃ?」

アライちゃんは頭を上げる。その視線の先には優しむ微笑む青い目の少女が居た。
身長はかなり低い。140センチにも届いていないだろう。
年齢は10歳前後に見えるがその仕草や笑顔に少女のあどけなさは全く無い。
上下が一体化したロングスカートで紺色の修道服を着た、その細身の少女は笑顔を崩さないままアライさんに言葉を投げる。

修道服を着た少女「怪我の具合はどうかしら。あら、ひどい。よいしょっと…」
アライちゃん「のりゃ?」

少女はポケットからスプレーを取り出すとアライちゃんの両手に吹きかけた。

アライちゃん「いいぃしみりゅのりゃあああ」
修道服を着た少女「あら、あらあら。ごめんなさい。でもこれで血は止まるはずよ?その両腕はどうしたのかしら?」
アライちゃん「おかーしゃんやおねーしゃんたちとこんびににいったのりゃ・・・でもあらいしゃんはてんいんさんにつかまったのりゃ」
修道服を着た少女「可愛そうに、お腹が空いていたのですね。丁度パンを買っているのです・・・が、その手では一人では無理そうですね」

少女はしばらく思案すると、何かを思いついたのか手を合わせた。

修道服を着た少女「そうだ、あなたの家族の住んでいる場所にまず行きましょう。そうして貴方を病院に連れて行って良いか聞くのです」
アライちゃん「ありゃいしゃんはみすてられたのりゃ・・・かえれないのりゃ」

そう言って血まみれのしっぽをなんとか動くようになった両手でなでながら暗い顔でつぶやくアライちゃんに、少女は微笑んだまま返す。

修道服を着た少女「あら、あらあら。大丈夫ですよ。家族の愛は尽きないもの。それに私は食料を持っています。それをあなたの手柄にしてしまえば良いのです。きっと家族も喜んでくれるでしょう」
アライちゃん「え?いいのりゃ?ひとしゃん」

スプレーの効果なのか、それとも突然やって来た幸運のおかげか、アライちゃんは腕の痛みを忘れて笑顔になった。
少女はアライさんの笑顔を見て、人差し指を立てた。

アネモネ「私の名前はアネモネと言います。ですが皆さんは私をシスターと呼んでくださいます。うふふ、これでも成人した立派な大人ですよ?」
アライちゃん「ししゅたー・・・あぬぇも・・・あにゃもにゃ・・・ししゅたーしゃん」
アネモネ「ではアライ・・・ちゃんかしら?あなたのおうちは何処かしら?これから貴女を救うお許しを頂きに行きましょう」
アライちゃん「のりゃ!ししゅたーしゃんはいいひとなのりゃ!とくべちゅにおうちをおしえるのりゃ」
アネモネ「ええ、ええそうでしょうか。私は皆様をお救いするのが役目なのです。これくらいお安い御用。では車を呼びますね。その怪我ではそちらの方が良いでしょう」

少女は微笑んだまま携帯電話を取り出すとどこかに電話をかけはじめた。

アライちゃん「ふふふ・・・おかーしゃんやおねーしゃんとまたくりゃせるのりゃ」

アライちゃんはこのシスターの笑顔に釣られてだんだん元気が出てきた。彼女の微笑みは、そう、とても幸せそうなのだ。彼女はとても幸せそうに見えるのだ。
その心底幸せそうな表情のおかげで、アライちゃんは生きる気力をまた掴み取ることができたのだ。
しっぽに付いた血も乾き始めた。この腕が治ったらこのしっぽを綺麗にしよう。疲れが限界を迎えたアライちゃんはそう夢見ながら、しずかに眠りに落ちた。


今日はここまで

>>身長はかなり低い。140センチにも届いていないだろう。

某SSの危ないお嬢様的な何かを彷彿とさせる

>>10
JCvsアライさんのことでしたら、書いたのは同じ人です。
あの世界線で最悪の結末を迎えたお嬢様の末路がシスターアネモネになります

ああ、あの人か~
今作はアラ虐描写がメインなら嬉しいですが、とにかく応援してます
更新待ってます!

アネモネ「あらあら、これはこれは、立派なおうちですね」
アライちゃん「おかーしゃんがみちゅけてくれたのりゃ」

目の前の廃屋は確かにアライさん達が住むには立派だった。
窓もほとんど割れていないし、なにより窓から見える家の中は、まだ人が去って1か月経っていないのだろう、まだ人が住んでいるかのようだ。

アネモネ「これは、玄関から入ればよろしいでしょうか?」
アライちゃん「ちがうのりゃ。おもてはかぎがしまってりゅのりゃ。だから、裏の窓から入るのりゃ」
アネモネ「あら?出口は一か所なのですか?それは不便なのでは?」
アライちゃん「そうでもないのりゃ。ししゅたーしゃんあらいしゃんのかわりに・・・しょの・・・」

アライちゃんはまだ見捨てられたことを気にしているらしく、アネモネの後ろに回ると頭を下げた。

アライちゃん「こえはかけるのりゃ。だからきゃわりにあらいしゃんをまたおうちにいれてもりゃえるようにこーしょーしてほしいのりゃ」
アネモネ「ええ、そのほうがいいのでしょうか。そうですね、そうしましょう。ではアライちゃんはここで待っていて下さい。いいですね?この後はあなたを病院に連れて行かなければなりません」
アライちゃん「わかったのりゃ・・・よいちょ・・・おかーしゃーん!あけてほしいのりゃー!ぱんをいっぱいもってきたのりゃあああ!」

アライちゃんはそう大声で伝えると、庭の石に座り尻尾を振る遊びを始めた。
少女は左手にパンの入った袋を抱えて言われた扉の前に立った。少女の背丈はアライさんの成体より10センチも低く、当然アライさんの背よりも高い扉の横の窓からは見えないし、裏の扉にはドアスコープはなかった。そして響いたのは自分の家族の声。

アライしゃん1「おおチビ生き残っていたのだ!流石はアライしゃん達のいもーとなのだ。今開けるのだ」

アライしゃんは何の疑いも無く扉を開けた。内開きの扉が開き、外の景色が映ったその1秒後

ゴッ

アライしゃんの左顔面に登山用のピッケルが刺さった。少女はそのまま豆腐でも崩すように容易くアライしゃんの顔面を突き刺したピッケルで抉り取った。
氷の壁すら突き刺す登山用ピッケルの歯はノコギリのようにギザギザになっている。そのためアライしゃんの顔の肉と骨の一部はピッケルにまとわり付いた。

アネモネ「あら、あらあら。はしたなかったかしら?いえ、いえ。妹を見捨てた罰なのです。そうです、違います。これはその贖罪」
アライしゃん1「うぶっ――」

突然の激痛に脳が追い付いたらしく、アライしゃんは悲鳴を上げようとする。だが少女は自分の腕をアライしゃんの口に差し込み、喉まで押しこんだ。

アライしゃん1「ぐぅううううううう」

少女はアライちゃんに見せた微笑みのまま、ピッケルを持った方の手の人差し指を上げ。唇に付けた。血まみれのピッケルから手に散った血や肉片が彼女の唇を汚す。

アネモネ「お静かに。ええ、それとも叫んでいただいた方が便利でしょうか。ええですがどちらでもいいでしょう?ねぇ?」

呼吸を完全に遮断されたアライしゃんはその場でビクビクと両腕を痙攣させ、膝をついた。少女もその重さに負けるかのようにその場にしゃがみ込み、今度はアライしゃんの脳天にピッケルを叩きつけた。

グシャ グシャッ ゴンッ

アネモネ「あら?私にも刺さってしまいました。」

ブチブチブチッ

アライしゃん1「ぶぶぶひゅーひゅ」

少女はピッケルが深く刺さったままの腕をそのまま引き抜いた。そのためアライしゃんは顔面から喉までを突き破られる形になり、空気と血の泡の混じった悲鳴を上げて後ろ向きに倒れた。
痙攣するアライしゃんのズタズタになった顔面からピッケルに切り裂かれた脳の一部が落ちる。少女は特に気にすることなく自分の骨まで食い込んだピッケルを特に表情を変えることもなく抜くと、落としたパンの袋を拾い上げた。

アネモネ「家族の愛はやはり尊いのです。このアライしゃんは疑わなかった、そしてアライちゃんを迎え入れた。私、はしたなくも犬食いしてしまいました」

少女はピッケルを修道服に収めると、代わりに杭を取り出した。40センチほどの金属のそれで、少女はドアの横の花瓶を殴った

ガッシャーン

アネモネ「鐘は鳴りました。ラッパだったかしら?」

そう微笑む少女の前に、盗んだ弁当を食べながらアライさんが慌ててやって来た。

アライさん「あああ!大きいチビこけたのだ?大丈夫なの・・・」

アライさんと少女の目線が合う。少女は微笑みを崩さないまま頭を下げる。ここには何もおかしなことは無いかのように。

アネモネ「はじめまして、私の名前はアネモネ。シスターアネモネ」
アライさん「お前がやったのだ?お前が・・・お前が・・・」
アネモネ「はい、ええ、他者の家で汚い食事を申し訳ありません。あら、あらら食事中でしたか。お弁当が床に落ちてしまっています」
アライさん「答えるのだ!おっきいチビを・・・」

怒りに震え、野生開放をしてにらみ付けるアライさんに少女は杭を振りかぶった。

ズボッ!

アネモネ「あらら、外してしまいました。」
アライさん「のだあああああああ」

ゴキン!

杭を床に刺して前かがみになった少女の無防備な顔面をアライさんは全力で爪を立てて抉った。野生開放をしたアライさんの一撃は成人男性の頭蓋骨を砕くまではいかないが、この華奢な少女の顔を砕くのは容易い。
骨が砕ける音と共に少女の顔は切り裂かれた、はずだった。

アライさん「え?て、手ごたえがあったのだ!確かに殴ったのだ!骨も折ったのだ!」
アネモネ「ええ、殴りました。こういう時は・・・ええ、ええそうですね。痛い」

少女の顔はアライしゃんの血と肉片が付いたまま、そして微笑んだまま。殴る前と何ら変わりはない。

アライさん「に、人間じゃないのだ…」
アネモネ「そう変わりはしません。私の力は弱く、足も速くない。重い物などとてもとても」
アライさん「に、逃げるのだ!みんな逃げるのだはっ!」

そう叫びながら少女に背を向けたアライさんは腐った床板を踏み抜いてしまった。

アライさん「昨日までここはぴかぴかだったのだ!うぎぃ!抜けないのだ!」

はまった左足を何とか抜こうとするアライさんの右足を少女はパンケーキにフォークを刺すかのように杭で突き刺した。

アライさん「だあああああああのだだだ!」
アネモネ「アライしゃんはあと二人でしたね。ええ、ここでお待ちしても良いのですが、迎えに行くのが客人のマネーでしょうか?」
アライさん「ぐぐぅ・・・へっ!おまえのようなチビの痩せっぽちから逃げるのはアライさんのゆうしゅーなチビ達なら楽勝なのだぼっ」

そう悪態を吐くアライさんの背中に少女は杭を刺した。金属の杭はアライさんの脊髄に刺さりアライさんは糞尿を同時に漏らした。

アネモネ「あら、あらあらどうやって?出口は私の後ろだけでは?それとも他に出口が?ええ、そうでした、そう、目的を忘れていました。このご近所にいる全てのアライさんの家族。それを教えていただければ。あなた方は救います。」
アライさん「ぐ・・・助けてくれるのだ?」
アネモネ「はい、そうです。救済します。ですがあのアライちゃんは病院に連れて行くのです。ああ、これが目的でした」
アライさん「ちっちゃいチビは好きにするのだ。それとアライさんも病院に連れて行くのだ。腰から下の感覚が無いのだ」

熱を持つ傷の痛みに耐えながらアライさんは少女をにらみ付ける。少女は床に落ちている食べかけのハンバーグを拾い上げてムシャムシャと食べ始める。

アネモネ「これおいしいですね。どこのコンビニですか?」
アライさん「えーと・・・お前・・・大丈夫なのだ?本当に約束が守れるのだ?」
アネモネ「ええ、守りますよ?それでアライさんの家族の場所を」
アライさん「わ、わかったのだ。それにちっちゃいチビも病院に連れて行っていいのだ」

アライさんは自分が知る限りのアライさんの住処を正直に教えた。ここで嘘を教えてしまってはこの少女はきっと帰ってくる。他の家族には悪いが自分の家族の生存が第一である。
最期の家族の場所をメモした少女は立ち上がると、先程のピッケルを取り出した。

アネモネ「ありがとうございます。あなた方は救いましょう。ええ、その前に、トイレはどこでしょうか?」
アライさん「トイレは水が流れないのでアライさん達は玄関をトイレにしているのだ。今おっきいチビが使っているから待つのだ。」
アネモネ「あら、あらそうですか。もう一方は・・・くんくん・・・くんくん・・・ああ、もう良いですわかりました」

少女はピッケルを持ったまま家の奥に向かう。アライさんは慌てて声を上げた。

アライさん「約束が違うのだ!アライさん達の家族は助けるって」

振り返った少女は微笑んでいる。ここまで彼女はずっと微笑んでいた。誰もを安心させる微笑みを浮かべたまま、その表情が途切れることはなかった。

アネモネ「ええ、助けます。だって、そうでしょ?生きたまま長く苦しむより『中ぐらい苦しんで、キラキラしたまま死んだ方が幸福』でしょう?」
アライさん「ちびぃいいいいいいちびぃいいいいいいい!ああああああ!逃げるのだ!逃げるのだあああああ」
アネモネ「神に祈るのです。アライさんの祈りは神に届くでしょう。ええ、そうですね、届きます。貴方の祈りは届くのです」

アライさんの叫びを聞きながら、少女は廊下を歩く。その後ろには、下半身を不自由にされたアライさんと、腐り始めたアライしゃんだったもの。

確かなのは、彼女の言う「助ける」「救済する」の主語は命ではない。

今日はここまで。

>>12
出来るだけアライさんの害悪ムーブと虐待は意識して入れて行こうと思います。最低でもJCシリーズの2倍以上アライさんは虐待されると思います

アライしゃん2「おかーさんを助けるのだ…」

アライしゃんは二階のキッチンに隠れていた。その手には錆びた包丁。母アライさんは逃げろと言ったが、敵はどうやら唯一の出口の前に居る。
だからここで来るのを待つ。もし敵が立ち去ったようなら一階に降りて母アライさんを救えばいい。
誰かが階段を上る音がする。母アライさんではない。階段の軋む音が母アライさんより「そいつ」が軽いことを教えてくれた。

アライしゃん2「しっぽの音がしないのだ。大きい方のいもーと達でもないのだ…」

ギシッ…ギシッ…ギィ…

「そいつ」がキッチンにやって来た。アライしゃんは包丁を振り上げて侵入者に襲い掛かった。

ザクッ!

包丁は「妹」に刺さった。

アライしゃん3「ぐ…いだ…」
アライしゃん2「いもーと!なんで!しっぽの音がしなかったのだ!」
アライしゃん3「怖かったからしっぽをさわさわしながら上がってきたのだ。うぅ…肩に刺さってるのだ…」
アライしゃん2「今包丁を今抜くのだ。とあ!」

ズボッ

アライしゃん3「いだいのだああああああ!おねーちゃんもっとやさしく抜くのだ!」
アライしゃん2「わ、悪かったのだ。今なにか押さえるものを…よいしょ」

刺した方のアライしゃんは戸棚に潜り込み何か布でもないか探し始めた。しばらく漁っていると奥の方に綺麗なぞうきんを見つけた

アライしゃん2「あったのだ!いもーとよこれで血を拭くのだ」
アライしゃん3「ありがとうなのだ!」

刺された方のアライしゃんはぞうきんで止血をすると、ついでに糞まみれの自分のお尻も拭いた。

アライしゃん3「ちょこれーとを食べてからおなかがゆるゆるなのだ」
アライしゃん2「くいすぎなのだ…ドキドキしたらもう食べるなって何時もおかーさんに言われてたのだ」
アライしゃん3「うるさいのだ…おねーちゃんはそろそろアライさんになるからいばりすぎなのだ!」

刺した方のアライしゃんは満面の得意顔で答える

アライしゃん2「ふふふアライしゃんの方がけーけんが豊富なのだ!いもーとは後ろに下がっているのだ。おねーちゃんが守ってあげるのだ」
アライしゃん3「おねーちゃん」

刺された方のアライしゃんが姉と同じ笑顔を浮かべようとしたその時、彼女がやって来た。

アネモネ「あら?糞の匂いを辿ってきましたら、お二人共見つけてしまいました」
アライしゃん2「たぁああああああ!」

アライしゃんが少女に襲い掛かる。しかし彼女は避けるそぶりしかない。身長はアライしゃんの方が高く、そして体重は圧倒的に重い。

アライしゃん2「のりゃあああああああ!」

体重差を生かし、少女にタックルをして押し倒し馬乗りになったアライしゃんは彼女の華奢な体に向けて何度も何度も包丁を突き刺した

ドスッ ドスッ ドッ ドスッ ドスッ ドスッ ガチン カラーン

アライしゃん2「この!やっつけて!やる!のだ!アライしゃんの!勝ち!なのだ!」

少女の体内で折れた包丁の柄を後ろに投げ捨てたアライしゃんは、どうだとばかりに少女の顔を見た。

アネモネ「少々お待ちください、今血を吐くので。ええ、ええこういう時の演出はとても大切なのはわかっています。ゴボッ」

少女の吐いた血がアライしゃんの顔にかかる。その血のせいでアライしゃんは視界を潰された。

ザクッ

いつの間にか少女の手にあったのは体内にあるはずの折れた包丁の刃。その刃がアライしゃんの腹に突き刺さった。


アネモネ「よいしょ」
アライしゃん2「きゅ!ぶっぶっ!」

包丁で刺し傷を少し切り広げた少女は自分の拳を傷口に無理やり押し込み、アライしゃんの体内をしばらくまさぐると、目的の物を探り当てた。

アネモネ「ん?これは救済ではないでは?いえ、いいえ痛みを取る救済です」
アライしゃん2「きゅ!きゅる・・・きゅ・・・うきゅ・・・」

心臓を文字通り握られたアライしゃんは数度大きく痙攣すると前のめりに少女に倒れ込んだ。自分より重い死体に苦戦しながらなんとか死体プレスから脱出した少女は立ち上がる。

アライしゃん3「ひっ…」

台所の奥で糞尿を漏らしながら震えるアライしゃんに少女は微笑みを崩さないまま歩み寄る。

アネモネ「あら、あらトイレは玄関では?」
アライちゃん3「く…くるんじゃないのだ化け物!」
アネモネ「あら化け物と呼ぶには私は非力ですよ?」
アライちゃん3「ぐ…ぐぅ…うぅううう…のだぁ!」

最後の抵抗なのか、アライしゃんのプライドが呼び覚まされたのか、アライしゃんは尻尾を逆立てると四つん這いになり、牙をむき出しにした。

アネモネ「じゃあ私も、がおー」

少女も口を開けて対抗する。アライしゃんは自分の勇気を全て振り絞って燃料にし、怒りを着火剤にして少女に飛び掛かった。自分はまだアライさんと呼ばれるほど大きくはない。
だがこの少女を付き飛ばして逃げるパワーと重量はある。このまま少女を突き飛ばして、一階に降りて母親と一緒に逃げる。それがアライしゃんの作戦だった。

アライしゃん3「のだあああああああ!」

少女を突き飛ばしたアライしゃんは全力で階段を下りる。そして一階にいたのは杭の刺さった自分の母親。

アライしゃん3「おかーさん!」
アライさん「う…ちび…ぶじだったのだ。よかったのだ…アライさんはもうだめみたいなのだ」

そう言ってアライさんはなんとか動く自分の上半身をひねり右足を見た。右足に刺さった杭の周りの肉は完全に壊死している。それだけではない、背中の杭の周りに至っては肉は完全に腐り落ち骨が覗いている。

アライしゃん3「ひ…ひどいのだ…毒なのだ?」
アライさん「わからないのだ。とにかく逃げるのだ。たぶん外にはちっちゃいチビもいるのだ。一緒に逃げるのだ」
アライしゃん3「わかったのだ・・・おかーしゃん、大好きなのだ」
アライさん「おかーさんもちびのこと…大好きなのだ。だからちっちゃいチビと一緒に生き残るのだ!」
アライしゃん3「わかったのだ!」
アネモネ「ええでは、参りましょうか」
アライしゃん3「わかってるのだ!今行くの…だ?」
アネモネ「ああ、神よ、届かないでしょうが、私の罪をお許しください。この親子の輝きを見て、私、私、とてもとても、おいしそうで」

少女はアライしゃんを優しく抱きしめると、首筋に噛みつきアライしゃんの肉を食い千切って食べ始めた。

アネモネ「ああ…おいしい…」
アライしゃん3「ぎゃああああ!やめるのだぁあああ!ああ、力がでないのだ!おかしいのだ!抵抗できないのだ!」
アネモネ「あむっ…はぐっ…はぐっ」
アライしゃん3「あぶ…ぶぐぐ…ごぼっ…」

仰向けに倒れ込むアライしゃん。その体に少女は覆いかぶさり、アライしゃんの首の肉を食い漁り始める。

アライしゃん3「ごぷっ…ごぷっ…」
アネモネ「はぐっ…あぐっ…あぐっ…がぐっ」
アライさん「ちびぃ…ちびぃ…」

目の前で少女に野良犬より汚い食べ方で食われていく自分の子供をただ見ることしかできないアライさんはただ涙を流すことしかできなかった。
首の肉を粗方食い尽くした少女はアライさんの方を向いた。そのワインの様な赤い瞳に射抜かれたアライさんは引きつった笑いを浮かべる。
しかし少女は危害を加えることはなく、アライさんに刺していた杭を抜くと懐に収めて裏の出口から出て行った。
一人残されたアライさんは目を閉じてその場に横になった。頭がボーっとする。傷口の肉は腐り落ち、もう熱を持つことすらできない。

アライさん「うう…痛い…痛いのだ…アライさんの足が腐っていくのだ…体が…体がどんどん腐っていくのだ。教えてほしいのだ…アライさんは何をされたのだ」

腐敗が足から下半身まで侵食し始めた。どんどん自分の体が劣化していく。

アライさん「あっ…あああ…死にたくないのだ…死にたくないのだ…ああ…おかーさん…おかーさん…たすけて…たすけてなのだ…」

右腕が肩から腐り落ちた。しかしまだアライさんは死ぬことができない。腐った臓器と体液が混じった液体が肛門から一人でに流れ出す。

外から声がする。自分の一番下の子供の声だ。


「ししゅたーしゃんおかえりなーのりゃ。ちょっとちまみれなのはかっこわりゅいけど、ありゃいしゃんがいまかんがえたしっぽのだんしゅみるのりゃ?のりゃのりゃのりゃー」

「このだんしゅは10ばんまであるのりゃ。ぜんぶみるのりゃ」

「もちろんなのりゃ。あらいしゃんはおかーしゃんにだんしゅがじょうじゅっていわれてたのりゃ。ありゃいしゃんのせくしーなしっぽのだんしゅをたんのーするのりゃ」

ここでアライさんの頭が完全に腐り落ちた。

今日はここまで。
シスターアネモネの顔見せはここまで

男は森の中にいた。スキーゴーグルの上にガスマスク。全身はプロテクターで覆われており、相方の姿も同じような姿だがこちらは手に銃を携えている。
この仕事は嫌いではない。街の平和に少しでも貢献できているだろうし、なにより雇い主はNF開発所で不払いが無い。
大柄で体を動かすことが好きな自分にとってはまさに天職だ。
中央から派遣されたNFに指図されたり、妖精のような美しい外見の気狂いに予定の無い捕獲を指示されたりすることなど些細な事だ。そう言い聞かせた。

男「こんな夜に仕事かよ…今日は帰ってセルリアン討伐番組見ようと思ってたのに」
相方「俺は暇だったからちょうど良いや」
男「全くあの聖女様にも困ったもんだ。突然回線に割り込んできて『ええ、そうです、神の声が聞こえました。アライさんを通じてですが』だぜ?」
相方「この前も服が臭くなったとか言って捕獲作戦中に全裸になって噴水に飛び込んでたな」

などと二人が雑談をしているとインカムから部隊のリーダーの声が響いた。

リーダー「スリー応答してください。どうぞ」
男「スリー、配置につきました。いつでもいけます。どうぞ」
リーダー「はい。では突入お願いします。今回は時間外ですので手当が付きます。時間外報告書に記入しておいてくださいね。どうぞ」
男「あざっす。では突入します。どうぞ」
リーダー「はい。他部隊も配置に付きました。終了します」

相方「じゃあいきますか」
男「だな」

男は目の前にある土管に目を移した。直径2メートル程のその土管の後ろに相方が回り込んだの確認して、男はスモークグレネードを投げ込んだ

プシッ…シュウウウ

煙が土管の内部に流れ込む。そして1分後

アライさん「火事なのだ!チビ達にげるのだ!」
アライちゃん1「のりゃああああこわいのりゃああおかーしゃあああん」
アライちゃん2「うりゅ?まだねむいのりゃ・・・」
アライちゃん3「すぴーすぴー」
アライさん「とにかく煙と反対に逃げるのだ!おかーさんはチビを起こすのだ」
アライちゃん1「わかったのりゃ!」

アライちゃんはよつんばいになり慌てて土管の反対側から飛び出し、森に逃げようとするが

パシュ

アライちゃん1「のりゃ!ちくっとしたのりゃ…んー?ありゃいしゃんのおしりになんかささってるの・・・りゃ?」

麻酔銃の針を抜こうとするアライちゃんだったが、すぐに眠そうに目をこすり眠ってしまった。

アライさん「チビ!おーきーるのーだー!ああもう!アライさんが背負っていくのだ!そっちのチビは向こう…」

まだ起きないアライちゃんを背負いながら逃げる準備をしているアライさんの足元に筒状の物が投げ込まれた。

パンッ!

アライさん「ぎゃっ!まぶしいのだ!何も見えないのだ!」
アライちゃん2「うりゅううううみえないのりゃー。でもこっちのほーこーであってるはずなのりゃ」
アライちゃん3「すぴーすぴー」

フラッシュバンを受けて三者三様の反応を見せているアライさん達の前に煙に紛れて男が接近する。そして腰にあるスラッパーと呼ばれるゴムの中に鉛が詰まったこん棒でアライさんの頭を殴りつけた。

アライさん「のべっ」
失禁しながらその場に倒れ込んだアライさんの両手両足を素早く結束バンドで縛ると、男は視界を失いフラフラとこちらに向かってくるアライちゃんを抱き上げた

アライちゃん2「のりゃ?おかーしゃんだっこしてくれるのりゃ?」

無言で麻酔薬をアライちゃんのお尻に注射する。残りのアライちゃんは何もしなくてもすやすやと寝入っているが念のため結束バンドで拘束した。
男はインカムの通話ボタンを押す。

男「スリー。アライさん家族全員捕獲。アライさん1、80センチのアライちゃん3です。見た感じ欠損等ありません。どうぞ」
リーダー「了解しました。今運搬させます。お疲れさまでした。どうぞ」
男「はい。収容所行きのトラックは通れそうにないのでケージ用意お願いします。終了します」

相方「アライちゃんばかりで楽だったな」
男「そうやって尻尾を持つな。ちぎれでもしたらそいつのランクが下がるぞ。」

眠っているアライちゃんのしっぽを持ってぶら下げている相方に男は注意をするが、相方はそれがどうしたとばかりにアライちゃんをブラブラと揺さぶった。

男「欠損はないって報告したんだ。それとも始末書を書いてくれるのか?」
相方「あっ、悪い悪い」

相方はアライちゃんを気絶しているアライさんの隣に置いた。スラッパーの一撃を受けたとはいえせいぜい脳震盪を起こした程度、そのうち目が覚めるだろう。

男「こいつらも収容所送りか…何やってんだろうな収容所って」
相方「あのシスターが考えた収容所だろ?考えたくも無いな」
男「だな…」

ケージを持った運搬部隊のライトが近づいてきた。男はガスマスクを外すとポケットから煙草を取り出し火を点ける。

男「あー、帰りにラーメン屋食いに行くか」
相方「店を食うのかお前」
男「細かい奴だな」
相方「お前はシャレのわからないやつだよホント」

男の吐いた煙草の煙が闇夜に混じる。仕事の後のこの一服は最高だ。男はこれから収容所送りになるこの一家を少し憐れむ視線を送ったがただそれだけだった。



大型トラックが走る。その荷台には両手を拘束され、5人1組に繋がれたアライさんやアライちゃん達が規則正しく座っていた。その数は100人程、ほとんどのアライさんは不安そうな表情を浮かべている

アライさん1「アライさん達はどこに連れていかれるのだ。」
アライさん2「アライさんは路地裏で餃子を食べていたら捕まったのだ」
アライさん3「あんなまずいものよく食べれるのだ」
アライさん2「慣れると意外といけるのだ。それよりおまえはどこから来たのだ」
アライさん3「アライさんは土管で寝ていたら殴られてチビ達と一緒に捕まったのだ」
アライさん4「チビ達はまとめて後ろの方にいるみたいなのだ。それにしてもだいぶん乗っているのだ」
アライさん2「お昼にだされたお弁当は中々うまかったのだ」
アライさん1「うんこしたいのだ…」
アライさん3「やめるのだ…さっき向こうの方で漏らしたアライさん達の周りがじごくと化したのだ。我慢するのだ」
アライさん5「こーそくされているけどしっぽの手入れは出来るようにしてくれてるのだ。もしかしてこいつら良い奴らかもしれないのだ」
アライさん3「うーむ。確かにトイレきゅうけいもあるし、もしかしたらアライさん達はスカウトされたのかもしれないのだ」
アライさん2「アライさん達をスカウトしてどうするのだ」
アライさん3「うーん。アライさん達が美人過ぎるからもでるとかいうやつにするとかのだ?」
アライさん5「ぶふふ、その顔でモデルは厳しいのだ」
アライさん1「やばいのだ…おしりの穴が痛いのだ…これは来てるのだ…」
アライさん4「次のトイレきゅうけいまで耐えるのだ。」
アライさん1「…もう遅いのだ」

ブリブリブリブリ

アライさん4「のわっ!おまえのうんこくさすぎるのだ。いったい何を食べたらこんなうんこになるのだ」
アライさん1「昨日は焼肉屋さんのゴミを食べたのだ」
アライさん2「うぅ…次のトイレきゅうけいまでじごくなのだ…」
アライさん5「おっ?停まったのだ。トイレきゅけいなのだ?」

運転手「お前ら降りろ!収容所に着いたぞ!」

アライさん2「おっ後ろが開いたのだ」
アライさん1「やばいのだ…またきたのだ…」
アライさん5「おまえは少し黙るのだ…」


5人のアライさんは順番に外に出され、すべてのアライさんがそろうまで広場のような所で待たされた。

アライさん3「向こうのあれが入り口みたいなのだ。チビ達は別の入口みたいなのだ。」
アライさん1「アライさん達の番はまだみたいなのだ」
アライさん4「逃げるにも周りはへいに囲まれているのだ。ここは大人しくするのだ。」

1時間ほどで5人の番となった。アライさん達はゲートを潜ると椅子に座らされた。その目の前には軍帽を被った150センチ程の女性と取り巻きの男性が二人が立っていた。

検査官「私はこの収容所の検査官である。お前達は今日からここの収容所に入ってもらう。拒否権はない。」

アライさん2「おーぼーなのだ!」
アライさん4「チビ達にあわせるのだ!」

検査官「心配するな。この検査が終われば家族は同じ部屋で暮らすことになる。ここでは順序を決めるだけだ」

検査官は後ろの壁にある票をアライさん達に見せた。そこにはAからEまでのクラスが書かれており、一つのクラスの中も細かくランク付けされていた。

検査官「このランクに従い、部屋や仕事、食事のグレードに至るまですべて決定される。この収容所のルールで大事なことは、まずはランクが上の者には服従をすること。そして騒ぎを起こさないことだ。」
アライさん5「チビ達にもランクが付くのだ?」
検査官「ランクはあるが、基本的にアライちゃんやアライしゃんについては順列は平等に扱う。だが当然住居や食事等生活面は親のランクと同じとする。他に質問は?」

検査官の問いかけに車内でうんこを漏らしたアライさんが訪ねる。

アライさん1「その順序は時々変わるのだ?」
検査官「仕事の出来栄え、子供の有無、その子供の成績等で定期的に上下する。なに大したことはない。仕事を真面目に行い、騒ぎを起こさず、きちんと上のランクの者や我々に服従していれば生活に困りはしない」

検査官は両脇の男性二人に目で合図する。すると取り巻きの一人が一番左のアライさんの手錠を外し、両脇を抱えるようにして検査官の前に連れてきた。

検査官「では検査を始める。特に問題なければお前達はC5から開始される。」

こうして移送中に車内で問題を起こしていないか、身体に障害が無いか、きちんと子供が産めるか、簡単な学習能力等を検査されたアライさん達は、一人を除いてC5のエリアに連れていかれた。

アライさん1「なんでアライさんだけD8なのだ!おかしいのだ!」
検査官「公平な検査結果だ。連れていけ」
取り巻き「はっ…」
アライさん1「のだあああああ!いんぼーなのだ!これはアライさんをおとしいれるいんぼーなのだああああ」

両手両足を抱えられながらDエリアの入口連れていかれたアライさんを見送ると、検査官は帽子を脱いだ。帽子に収められていたネコ科の動物の獣耳がぴょこんと飛び出す。

検査官「ふぅ…あとどれ位ありますか?」
取り巻き「あと4グループ程かと。」
検査官「では、次のグループをお願いします。早く済ませてしまいましょう」

検査官は帽子をかぶり直すと、威厳を見せるかのように背筋を伸ばした。

今日はここまで

看守1「そろそろいいかな?」
看守2「睡眠ガスも抜けてる頃だろうしそろそろ開けるぞ」
看守1「おう」

看守の片割れはコーヒーを飲み干すと相棒と共にトラックの後部、アライちゃんやアライしゃんが収納されている区域の扉の前に向かった。
アライしゃんやアライちゃんが泣き喚いては面倒、アライさんに比べて頭数が多く統制が取れないとの現場の意見を受け、
この区画は密閉された金属の箱とし、内部には椅子もおかず、睡眠ガスを注入し眠らせるという措置が取られる。

大きな閂を外し、重い扉をそれぞれ一人ずつが担当して全開にする。途端に中から閉じ込められていた糞尿の匂いが放たれた。

看守1「あいかわらず野良達の糞はくせぇな」

そう言いながら看守は棒のような物で一番手前のアライちゃんの尻尾をスキャンする。捕獲された際、家族全員にチップが埋め込まれる。これによりどの子供がどのアライさんの子供なのかが容易に判るのだ。
なおこのチップは一時的な物のためしばらくすると信号が出なくなりそのうち排出される。

ピッ

看守1「Cのアライちゃんだ」
看守2「OK。体長を測る」

相棒からアライちゃんを受け取った外の看守はそのアライちゃんを検査台に乗せ、体長を測った。

看守2「80センチか。不適格」

看守はアライちゃんを右のコンベアに乗せた。そのコンベアの先は工場のような場所に向かっている。
この場所では「親がCランクであり、体長が75センチ未満のアライちゃん」を選別する。75センチはアライちゃんに物心がつき、言葉を覚えしゃべり始める頃だ。
この段階以後のアライちゃんは教育をしても効果が低く、つまりは無駄なコストとなるため入所不適格となる。そしてDランクのアライさんは子供を持つことが許されないためDランクの子供は75センチ未満であっても不適格と判断される。

看守3「おーもうやってたか、すまんすまん、今手伝う」
看守1「おー。じゃあこっち手伝ってくれ。計測はひとりでできるだろ」

その後2人を加え、総勢5人でアライちゃんの仕分けを黙々とこなす。時たま眠りから覚めそうなアライしゃんをスタンガンで気絶させる以外は特にトラブルもなく30分ほどで仕分けが終わった。

看守2「よっしゃ終わった!じゃあ汚れてない俺がトラックを洗車場に回しとくから先にシャワー行っていいぞ」
看守4「おう、おつかれ」
看守3「ビールが支給されるってのはこの作業の役得だよな」

ガヤガヤと話をしながら看守達は人間用のシャワールームに向かった。
その途中で監視官の女性と出会う。職員はペコリと頭を下げるが監視官の女性は考え事をしているのか素通りしようとする。

看守3「監視官殿、挨拶しないと」

そう言われて気が付いた監視官の女性は帽子を取って頭を下げる。

監視官「は、はい!すみません覚えることが多くて」
看守4「いえいえ。では」

監視官が歩き去ってしばらくして看守の一人が忌々し気につぶやいた。

看守3「どうして人間の俺達がNFのお嬢ちゃん達に気をつかわないといけないんだか…」
看守5「しょうがないだろ。本部からのエリート様だ、頭にケモ耳付いてたとしても上司なんだよ」
看守3「はぁ…愛玩用のNFの子達は可愛いんだけどなぁ」
看守1「愛玩用NF施設の募集あったぞ。行けばどうだ?」
看守3「冗談はやめてくれ…」

男はため息を吐くと地面に唾を吐いた。

その部屋はとても質素なものだった。広さは6畳ほどで、奥に水洗の洋式便器と洗面所があり、部屋の真ん中にはちゃぶ台がある。床は掃除がしやすいフローリングだ。
部屋の扉はのぞき窓があり、外側から鍵をかけられるが内側からはかけることが出来ない少し豪華な牢屋のような造りだ。

アライさん「なかなか居心地が良さそうなのだ。ところでチビ達はいつ来るのだ?さっき聞いた話だと子供は多い方がランクが上がりやすいって聞いたのだ。アライさんは4人チビがいるのであどばんてーじがあるのだ」

両手をすり合わせながらニヤニヤ笑うアライさんの質問に、看守は届いた書類を見ながら答えた。

看守「お前の子供達は全員検査に合格できなかった。よってお前の子供の数は0人だ。」
アライさん「ど、どういうことなのだ!」
看守「むやみに看守に近寄るな!」
アライさん「ぐぼっ」

看守につかみかかろうと近寄って来たアライさんの脇腹を看守は鉄の棒で強く打った。アライさんは脇腹を抑えてその場にうずくまる。

看守「この施設の者へは服従する事。教えたはずだ。初日なので査定に影響は無いが、今後気を付けるように。緊急時を除いて我々に急に近づいたり、後ろから近づいたりしてはダメだ」
アライさん「(うぅ、今は不利な状況なのだ。とりあえずわかったふりをするのだ。チビ達のかたきは後でとるのだ)わかったのだ」
看守「お前絶対わかってないだろ。まぁいい、この収容所には密告制度がある。気を付ける事だな」
アライさん「待つのだ。密告制度ってなんなのだ?」
看守「今説明する。お前に説明の後に収容所で使うチップを埋め込むんだが、識別番号の他にも色々記録されていてその中に査定ポイントというのもある。良い事をしたらプラス、悪いことをしたらマイナス。ここまでは解るな?」
アライさん「わかるのだ。」
看守「密告制度というのは逃げ出そうとしていたり、仕事でミスをして黙っていたり、我々職員をだまそうとしたりする悪いアライさんがいたら毎朝の点呼の時に我々に教えることだ。それが本当と確認できれば大きくプラスが付く」

看守はここで腰から太い針の付いたネイルガンの用な道具を取り出しながら話をつづけた。

看守「良くあるのはランクの低いアライさんのごはんを奪っているとかだな。有益かどうかはこちらが判断するのでどんどん言ってくれ。じゃあこっちに尻を向けて肛門が見えるように四つん這いになれ」
アライさん「え?な、なぜなのだ、恥ずかしいのだ」
看守「この道具の針を肛門に刺して体内にチップを入れるんだよ。ここが一番良いんだよ。いいから尻をこっちに向けろ」
アライさん「嫌なのだ!アライさんはおとめなのだ!なんでお尻を見せないといけないのぼぁ!」

そう訴えかけるアライさんの顔面を鉄の棒が襲う。牙が一本折れたらしく歯のかけらがアライさんの口から飛び出した。その場に倒れ込み体を縮めたりピンと伸ばしたりして痛みに悶えるアライさんの脇腹を看守は鉄の棒で何度も殴る

アライさん「ぶぉ!ぶぉおおお!のだぁ!わはったのら・・・わはったからもう殴らなひでほしいのだ…」
看守「我々は忙しいんだ早く尻を出せ」

アライさんは観念して四つん這いになる。看守はアライさんのしっぽを持ち上げて肛門が見えるようにすると、太い針をアライさんの肛門に突き刺した。

ブツッ バシュ

アライさん「のだあああああああ!」
看守「これで終わりだ。明日から仕事だ。今日は休むと良い」
アライさん「うぅ…わかったのだ…」

扉が閉まりアライさんは一人ぼっちになった。数日前まで4人の子供達と、廃ビルの路地裏で決して優雅ではなかったがささやかな幸せを感じることができる生活をしていた。
だがもうその子供達も何処かに連れていかれたらしく居ない。アライさんは顔面と尻の痛みに悶えながらたださめざめと泣くことしかできなかった。

今日はここまで。
このSSでは、アライちゃんは120センチ未満の個体全般を指すので一番身長の幅が激しいです

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