京太郎「超影の薄い俺と麻雀」 (108)

遅筆、初心者、咲にわか気味、妄想
以上四点注意です
批判はする前に帰ってください、全員が気分よく楽しめるSSスレにしましょう

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1520226712

咲「…………京ちゃん? 京ちゃん?」

京太郎「おう。どうした?」

咲「多分そこに……いるよね? あ、いた」ギュ

京太郎「声も出してたのに聞こえてないとか、いよいよ重症だなこりゃ」

咲「そうだね……触るまでどこにいるかも分からなかったし」

京太郎「そのうち戸籍とかまで改竄し始めるんじゃねーだろうな」

咲「さ、流石にそこまでは行かないと思うけど」

京太郎「まぁいいや。でどうした?」

咲「京ちゃんって部活は何するかもう決めた?」

京太郎「何するもなにもなぁ。運動部全般は無理だし、つっても文系も趣味じゃないんだから選択肢ないしなぁ」

咲「中学の時は酷かったもんね……」

京太郎「どこにいるかも分からない打者を相手に投げたと思ったら球が飛んでって、どこにいるかも分からない走者を相手に守備。敵も味方も分からない間にホームインと来たもんだ。そりゃ誰が見ても「ふざけんな」だよな」

咲「ビデオにも映らないせいでどうなったかも分からないから、【須賀禁止令】とか【須賀お断り】とか酷いこと言われてたよね」

京太郎「教師すら諦めたからもうどうしようもないしな」

咲「でもせっかくなんだから、どこか部活に入りたいよね」

京太郎「まぁそりゃな?」

咲「何か無い? 京ちゃんのやってみたいこととか」

京太郎「やってみたいことねぇ……」

『京ちゃんなら――』

京太郎「……ったく。心配してくれるのはありがたいけど、お前はお前のやりたいことをやれって。俺は一人でも割りとなんとかなるから」

咲「でも京ちゃん、私以外の人と話せるの?」

京太郎「必要なら今みたいに触ってりゃ良いんだからなんとでもなる。だから大丈夫だ」

咲「……そっか。じゃあ私がどこか入るときに京ちゃん誘うね」

京太郎「あのな」

咲「京ちゃんが一人で良いって言っても私は嫌だもん」す……タタタッ

京太郎「おい咲! …………ほんと決めたことは絶対譲らねぇんだからなあいつも」

『京ちゃんなら、麻雀で強くなれると思う』

京太郎「ちょっと興味あったけど、咲が一緒じゃあな……。咲までぼっち仲間にするのもあれだし、あいつの入る部活に着いていくか」

京太郎「本物の幽霊部員になりそうだけどな」

どんっ

京太郎「んっ?」
「いたっ!」

大きい娘「ゆーき、大丈夫ですか?」

ゆーき?「へっ!? い、今何かにぶつかっ……?」

京太郎「悪い、後ろは気を付けてなかった」

大きい娘「え? ……いえ、何もありませんけど」

ゆーき?「確かに今何かにぶつかったんだって! この辺……」ぐっ

京太郎「ああ、悪かったな」

ゆーき?「ぎ…………ぎょえええええ!!! ゆゆゆ幽霊ーーー!?」

大きい娘「幽霊だなんて、そんなオカルトありえません」

ゆーき?「もういない!? のどちゃん! 気を付けるじぇ!」

京太郎「他人から周りの風景がどう見えてるのか気になる所だな」

のどちゃん?「もう……からかわないでください」じー

京太郎「……近いな」じー

のどちゃん?「きゃあああ!」ぱたっ

京太郎「俺が見えてたら間違いなく取り押さえられるんだろうなこの光景……大丈夫か?」

のどちゃん?「いない! ……ゆーき、ゆっくりと……後ろに下がりましょう……」ずり……ずり……

ゆーき?「呪うのだけは勘弁してくれぇ……まだタコス……タコスが食べたいじょ……」ずり……ずり……

京太郎「タコス? いや呪う気は特に無いから。……聞こえないってのも厄介だなほんと」

京太郎「…………」

教師「~~~で~~~が」

京太郎「授業中ずっとケータイ弄ってても注意されない。なんて素敵なんでしょう、っと……」ロン

京太郎「完全に無視される訳ではないけど要所々々でスルーされるな。俺を無視しないのはCPUくらいなもんだ」

京太郎「いっそ悪用できるクズだったら世の中楽しかったのかもしれんけど。……二位か」

キーンコーンカーンコーン

京太郎「麻雀してたら終わったか」

咲「京ちゃん、帰ろ。あれ、なにしてるの?」ぎゅっ

京太郎「なんでもない、ちょっと動画見てただけ」さっ

咲「ふーん。どんな動画?」

京太郎「おっ咲も見るか? 心霊特集」

咲「見ない! 京ちゃんの馬鹿!」

「あの、宮永さんかしら?」

咲「え? あ、は、はい……そうです、けど」

京太郎「誰って顔してるけど清澄の、生徒会長さんだからな?」

咲「えっ」

会長?「少しお話、良いかしら」

咲「あ、はい!」

会長?「ありがとう。宮永さんってもう部活は何をするか決めたのかしら?」

咲「部活ですか?」ちら

京太郎「俺を見られても。……あー、なるほどそうか。この人、『宮永』を部活に誘いたいらしいぞ」

咲「宮永……? それに部活って、生徒会に?」

会長?「え? えーと、どういうこと?」

咲「あ! 違うんです! ええと、生徒会に誘うつもりなのかな、って!」

会長?「あぁ違うのよ。そっちじゃなくてね、麻雀部の人が足りなくて。もし良ければどうかなって」

咲「麻雀……?」

京太郎「学生議会長兼麻雀部部長なんだよ。で、お前が『宮永』だから直々に声をかけてきたと」

会長?「どう? ……もし麻雀やったことない、とかなら」

咲「私、麻雀嫌いなんで」ぷい

久「嫌い? あら、そう……分かったわ、ごめんなさいね。もしお友達に麻雀に興味のある子がいたら教えてあげてちょうだい。っと、私は竹井 久。それじゃあね」

咲「………………」

京太郎「未練ありって感じだな?」

咲「そんなことないし」

京太郎「誰に似たんだか。……ちょっと用事思い出したから、先に帰っててくれ」

咲「えっ、ちょ、京ちゃん? いない……」

ガチャ

久「はー……」

のどちゃん?「お疲れ様です」

広島弁?「あからさまに落ち込んどるのぉ。勧誘失敗ってとこか」

久「全然ダメ。宮永さん麻雀嫌いみたいで。ちょっとは期待してたのになぁ……」

広島弁?「焦らず行くしか無いわ」

久「そうね。そっちはなにやってるの?」

ゆーき?「今朝の幽霊について話してたじぇ!」

コンコン

広島弁?「ん? 客か?」

のどちゃん「幽霊なんてオカルト、あり得る筈がありません」

ゆーき?「でものどちゃんも見てただろー!?」

ガチャ

のどちゃん?「あれは疲れから来る幻覚です。今日は早めに休むことにします」

広島弁?「誰も居らんわ、気のせいか?」

京太郎「失礼します」すっ

久「幽霊ねぇ……金髪でうちの学校の制服着てたんでしょ?」

ゆーき?「のどちゃんと同時に見てたのにのどちゃん認めたがらないんだじぇ!」

久「誰?」

広島弁?「いや、気のせいじゃったわ。まぁ幽霊なんて信じとらんけど、居るなら話してたみたいのぅ。普段なにやっとるかーとか」

のどちゃん?「そんな居るわけも無い存在よりも今は部員、麻雀部のことです! このままだと部長は大会に出場できないまま引退してしまうんですよ!」

久「本命は空振りだったし、どうしたもんかなぁ……」

ゆーき?「そもそも本当に照って人の妹なのかー? プロフィールとかでも触れてないじょ?」

久「今は妹だと確信してるわ。顔立ちも似ているし、私の掴んでいる情報だと姉妹仲が悪いんだって。それに宮永さんは興味が無い訳じゃなくて正面から嫌いだと言ってのけた。麻雀関係で姉と何かあったと考えるのが妥当よ」

京太郎「流石にわかる人には分かるか。姉妹仲が最悪というより些細な喧嘩が拗れて直らないまま離ればなれになっただけなんだけれども」

久「あの宮永照には及ばないまでも、多少は精通してると思うし……もうちょっとなんとかできないか試してみるつもり」

京太郎「実際の所は実力伯仲、それが原因の喧嘩なんだけど。まぁ良い機会なのかも知れないな」

トントン

久「ん? なに、まこ?」

まこ?「ん? なにがじゃ?」

京太郎「こんにちは」

久「」

京太郎「咲のことで話が「お化けーーー!!!」どざぁぁ

京太郎「……やれやれ……」

また書けたら投下します

久「………………話は分かったわ……いたた……」京太郎の腕に触れながら

京太郎「時間をかけた甲斐がありました。驚かせてしまってすいません、こういう性質なもんで」

優希「幽霊じゃなかったのは良いけど幽霊とほぼ変わらんじぇ」京太郎の腕を掴みながら

和「こんなに近くにいても手を離すと見えなくなるなんて……こんなオカルトみたいな……」京太郎の肩に触れながら

まこ「今まで苦労したんじゃろうな。普段の生活もままならんわ、こんなもん」京太郎の肩に触れながら

京太郎「にしても凄い光景ですねこれ。とりあえず話しても?」

久「あ、宮永さんのことなんだっけ?」

京太郎「えぇはい。さっき会長が咲と話してた時に俺も隣にいまして」

久「全然気付かなかったわよ」

京太郎「でしょうね。で、それなんですけど。咲の奴ああ見えて頑固者でほんとどうしようもない奴なんですよ。お姉ちゃん大好きな癖に向こうが悪い向こうが悪いって二年は連絡しないくらいには」

久「じゃあ仲が悪いっていうのは本当なんだ?」

京太郎「二人ともお互いのこと大好きですよ?」

和「じゃあ何故そんな仲が悪いなんて噂が」

京太郎「似た者姉妹なんだよ。姉も姉で咲が悪い咲が悪い……どっちかが謝れば終わる話がここまで長引くと思ってなかった俺も悪いんですけど」

まこ「はぁん……須賀も苦労しとるんじゃのぅ」

京太郎「それほどでも。まぁそんな訳で、これを機に咲には麻雀に戻ってもらって、あわよくば全国進出して向こうで照さんと会えればなって所です。まぁそれはそうなれば良いって話でまずは咲の復帰が目標ですけど」

久「なるほど……というか、喧嘩の理由はなんなの? 聞いてる感じ相当くだらないことみたいだけど」

京太郎「んー……そこはプライバシーってことにしておいてください。端から見たらくだらなくても本人達にとってはかなり重要なことみたいですし」

久「なら聞かないでおくわね。とにかく須賀くんが宮永さんに麻雀をやらせたい、私たちは部員が欲しいって所で利害が一致してるからここに来たわけね?」

京太郎「その通りです」

久「でもどうするの? 宮永さん大分強く拒絶してたみたいだけど」

京太郎「あんなもんどうとでもなりますよ。それよりもこっちの、ここに今いる面子に咲のことを話しておく必要があるかと思っていまして」

まこ「なんか問題でもある奴なんか? 宮永は?」

京太郎「コミュニケーション能力にやや難ありですけど基本的に良いやつですよ? ただ麻雀の方にちょっと問題があって」

京太郎「結論から言うと、咲は滅茶苦茶強いんです。麻雀」

久「あら、良いことじゃない」

まこ「弱いよりは強い方がええじゃろ」

京太郎「30回連続でツモあがり、30回とも嶺上開花。どう思いますか?」

優希「連続ツモあがりが全部嶺上開花? そんなのあり得ないじぇ!」

和「ゆーきの言う通りです。そんなオカルト染みたことが」

京太郎「それをやらかしたのが咲だ。あいつには嶺上牌が見えてるみたいでな。正確には『分かる』らしいんだが」

京太郎「そんなことをやらかしたもんで周りからは散々言われましてね。そんなやつをここに迎え入れたいと思いますか?」

久「……面白いじゃない! そんな逸材、むしろ逃すなって方が無理よ!」

優希「本当にできるんなら見てみたいじぇ!」

京太郎「良かった。もて余してハブったりされないかが心配だったもんで。じゃあ早速明日にでも連れてきますよ」

まこ「なんちゅうか、保護者やっとんのぅ」

京太郎「ええまぁ……あいつ一人だと色々終わっちゃうもんで……。それじゃあ今日はこれで」すっ

久「わっ! 本当に見えない……そこにいるのよね?」

ガチャガチャ

優希「ひとりでにドアノブが動いてるじぇ……ホラーだじょ……」

京太郎「あ」

久「きゃっ!」

まこ「んっ? どうした?」

京太郎「俺、こんな見た目してますけど犯罪やフェアプレーの精神に反することは嫌いなんで……そういう目的では頼らないでくださいね? 大丈夫だと思いますけど一応」

久「え、ええ……」

京太郎「それじゃ」

和「大丈夫ですか? 何か変なことでもされました?」

久「ううん、なんでもないわ。さて結構経っちゃったけど部活始めましょうか」

宮永宅

咲「麻雀部……?」

京太郎「露骨に嫌そうな顔するなよ」

咲「あてつけ?」

京太郎「いや別に? 照さんに昔「京ちゃんは麻雀をやれば上手く行くよ」とか言われたのを唐突に思い出してな。そういうわけで俺のことは心配するなよ」

咲「…………ふーん……」

京太郎「天職ってやつだよ。運はそんなに良くないけど俺にはこれがあるし、部のメンバーみんなかわいいし」

咲「そんな不純な気持ちで入ったんだ。最低」

京太郎「世の中に不純じゃない生き物なんていない。全員自分の為に生きてるんだ、違うか? いやそんな哲学もどきみたいな話がしたいわけじゃなくてだ。とにかく俺のことは気にせずにお前は好きなことをしてくれってことだ」

咲「なにそれ」

京太郎「残念なことに咲が嫌いな麻雀部なんでな。悪いとは思ってるんだ」

咲「………………」むっ

京太郎「咲は本読むのが好きだもんな。文芸部にでも入ったらどうだ?」

咲「なんっ、で……京ちゃんはそうやって……! 私が麻雀嫌いなの知ってるでしょ!」

京太郎「お前がそうやって意地張ってるからだろうが。いつまでそうやっていじけてるつもりだ?」

咲「馬鹿! 京ちゃんなんて嫌い!」

京太郎「俺はお前のことも照さんのことも大好きなんだよ。だから今の状況が嫌いだ。後はお前次第だ、咲。俺はもうこれ以上なにも言わん、好きにしてくれ」

咲「京ちゃ」

京太郎「じゃあな」すっ

咲「…………私は……私は今のままで……」





京太郎「嘘つき」ボソッ




咲「ッ! 京ちゃん!」

また書けたら来ます

久「来るかしら、宮永さん?」

まこ「さぁのぅ須賀のやつは任せろ言っとったけど」

すっ

京太郎「これでこなけりゃどうしようもないですね。俺の想定以上の頑固者ってことで」

和「何をしたんですか?」

京太郎「散々煽ってきた。あいつ大人しそうに見えて相当な負けず嫌いだから、勢いで飛び込んで来るかなと」

優希「淡々と酷いこと言ってるじぇ」

コンコン

全員「!」

久「はい!」ガチャ

咲「………………京ちゃんいますか?」

久「ええいるわよ。須賀くん、ご指名よ」

すっ

京太郎「なんだ、咲? お前の大嫌いな麻雀部になんのようだ?」

咲「分かってるんだから。私のこと怒らせて麻雀部に入れようって魂胆なんでしょ」

京太郎「ああそうだが」

咲「認めるんだ。馬鹿」

京太郎「お前のことは良くわかってる。それはお互い様だろ? お前は分かってても来ると思ってたよ」

咲「……麻雀なんて嫌いだもん」

京太郎「そんなことが聞きたいんじゃない。お前はどうすんだ?」

咲「……お姉ちゃんに勝ちたい」

京太郎「ったく、無駄に長引かせやがって」がしがし

咲「むぅ……」ぐしゃ

京太郎「俺も悪かったな、咲。下手に触れない方がお前の為になると思ってたんだが……」

久「えーと……話は終わった、のかしら? ごめんなさいね、須賀くんの方が分からないから」

京太郎「っと。はい、とりあえず終わりました。無事に咲も入部する決意を固めたのであとは煮るなり焼くなり好きにしてやってください」すっ

咲「なにさそれ。……あの、改めまして宮永 咲です。断っておいてむしの良い話ですけど、麻雀部に入部させてください」ぺこり

久「もちろん! よろしくね、宮永さん」

京太郎「……というようなことがあったのが一週間前のこと、今は大会に向けて練習をしている最中だ」

京太郎「全員が近くある県予選へ向けて練習している……が」

京太郎「今日は何故か部長が「須賀くんの攻略をするわよ!」などと言い出したのでずっと卓に座ることになっていた」

優希「のどちゃんそれロンだじょ! 」リーチドラドライーペーコー

和「あら……やられてしまいましたか」

とんとん

優希「ん?」

京太郎「残念ながらフリテンだ」

優希「ま……またかーーー!!!」ばん

咲「え? あ、もしかして……」

和「また須賀くんですか……なんなんですか見えなくなるって。こんなの麻雀になりません」

京太郎「そんなこと言われても」

久「三人ともちゃんと須賀くんの捨て牌に集中してた?」

和「してました。ちゃんと直前に【三】を捨てたのも……確認、してました」

咲「はい。私も【三】は確認してました」

優希「私も見てたじぇ!」

京太郎「一巡前に捨てた牌なんだけどなぁ」

優希「一巡前に捨てた牌だって言ってるじぇ」

久「これは本当に厄介ね。麻雀にならないわよこんなの」

京太郎「俺は俺で鳴いても気づいてもらえないっていう縛りプレイみたいなことになってますけどね」

優希「あ、そうか。相手が気づかないから鳴けないもんなー」

久「そうね、須賀くんじゃ鳴くこともできないわね」

京太郎「勝手に宣言して勝手に牌貰っても気づいてもらえないし。三人で遊んでる所に横入りしてるような気分です」

優希「京太郎麻雀できないんじゃないのか?」

まこ「なんでじゃ?」

優希「勝手に宣言して勝手に牌持ってってるけどそれすらも気づいてもらえないみたいだじぇ」

和「信じたくありませんけど、前世でとんでもない大罪でも犯したんじゃないですか?」

京太郎「ひでぇ」

久「今度は私とまこが入るわね。和、優希の二人は須賀くんの後ろから見ててもらえる? 優希はそのまま須賀くんの通訳で」

優希「わかったじぇ」

京太郎「俺が言うのもなんですが、俺攻略に力注いでても良いんですか? 正直練習にならないと思うんですけど」

優希「確かに!」

久「ん?」

優希「京太郎を倒そうとする意味がわからんじぇ!」

久「あぁ……確かに須賀くんに勝つ必要は無いけれど、県予選や全国で須賀くんみたいな相手がいるかも知れないでしょ? 備えておくことは悪いことじゃないし、須賀くんとやってると感覚が研ぎ澄まされて行くような感じがするからむしろどんどんやっていくべきだと思ってるの」

京太郎「部長が良いなら俺は文句もないんですけど」

咲「それに京ちゃんに負けるのは悔しいし」

京太郎「悔しいって、俺少なくとも一位にいることは少ないぞ?」

優希「京太郎は二位か三位が多いもんな。四位になったことは無いけど!」

京太郎「そりゃ絶対振り込まない麻雀なんてやってて四位やってんなら、一生涯触らない方が良いレベルだし」

久「とにかくしばらくはこれでやってみるわよ。須賀くんの練習にもなるしね」

京太郎「……正直俺自身は麻雀にそこまで入れ込んで無いんだがな……」


カチャカチャ

京太郎「……んー……」【⑥】

まこ「……」【⑥】

久「………………ちょっと待ってね。優希?」

優希「ん?」

久「須賀くんは今何を捨てたの?」

優希「【⑥】だじぇ」

和「え? 捨て牌に今出てきたのは【⑨】……?」

久「ふぅ……ここまで来ると理解不能ね」

まこ「攻略も何も無いのぅこれは」

京太郎「というか捨て牌の数で見抜けたりとかしないんですか? みんなの見てる光景が確かなら俺の河は一枚少ないんですよね?」

優希「確かにそうだじぇ。私はちゃんと10個見えてるじょ」

久「捨て牌? 10個見えて……あら?」

咲「ここ、二個目に捨てたのって【一】だったよね?」

優希「そんなことないじょ? 【一】【東】【南】と捨ててたのはちゃーんと見てたじぇ!」

和「怪奇現象ですね……私は【一】【一】【東】【南】と捨てたように見えてました」

久「それじゃあもう無敵じゃない! ロンすることなんて不可能に近いわよ!」

和「今までの常識が音をたてて崩れ落ちて行きます……こんなオカルトもあるんですね……」がくっ

咲「でも問題は、京ちゃんの姿はカメラにすら映らないことにあるんですよねぇ……」

久「公式戦には認められないかもしれないわね……誰も審判のしようがないし」

京太郎「俺はズルなんてするつもりないんですけどね」

優希「ズルなんてしないって言ってるじぇ」

久「私たちが信じても、向こうが信じてくれるかどうかよ」

京太郎「確かに。まぁ俺みたいなのが二人三人といるわけもないでしょうし、この辺りで切り上げません?」

優希「お前みたいなのが他にもいたら大変だじぇ!」

久「須賀くんっていう前例がある以上否定はできないけれど……とりあえず保留にしましょうか。私の知り合いにそういうのに詳しい人たちと知り合いの人を知ってるから、今度話を聞いておくわね」

すっ

京太郎「よろしくお願いします。じゃあ俺は抜けますね。ついでにちょっと買い出し行ってきますんで、何か欲しいものがある人はメモか何かに書いてください、と伝えてください」

久「え? 大丈夫なの?」

優希「スーパーとかじゃ買い物なんてできないだろ!」

京太郎「昔から近所や少し遠くのコンビニ、スーパーとかに足運んで事情説明してあんだよ。せめて日常生活を真っ当に送れるようにするためにな」

咲「あ、京ちゃんなら大丈夫ですよ。良く行く場所の店員には事情説明してあるので」

京太郎「ああもう本当不便だなこれ! どうにかならないもんか……」

久「んー……須賀くん、ちょっと机に触れてみて」

京太郎「え? あはい」すっ

久「……」すっ

久「あら? 若干見えるわね……」

京太郎「本当ですか?」

久「薄ぼんやりとだけど……声もかなり小さいけど聞こえるわよ」

まこ「ワシも聞こえとるわ。これはこれで原理不明じゃな」

咲「凄い! 全然気づきませんでした!」

優希「不思議な話だじぇ……」

久「同じ物に触れてたら良いのかしら……あ、須賀くん買い出しに行くみたいだから皆欲しいものがあったら紙に書いて欲しいって」

四人「はーい」

またかけたら来ます
無事に終わらせられるか心配になってきました

SSって地の文を使うのってダメなんでしょうか?
使えるときに使えると楽だな、と思ったのですが……

誰とも話してない時は地文入れてくようにしてみます


京太郎「…………タコスってなんだよ。どこに売ってんだ……?」

京太郎「やれやれ、少し時間がかかりそうだなこりゃ……」

すい、すいっと人の間を縫うように進む

街は学校帰りの他校生やら奥様方やらでそこそこ賑わっており、向こうから避けてくれない以上常に周囲に気を配らなければならない

この時間帯にこの辺りに来ることはなかったので多少苦労はしたものの、まだ頼まれた物は揃っていない

少し休憩するか……

人混みから離れて、少し歩いたところにある公園へ向かう

前方から人形のような可愛い女の子とまるで隙の無いイケメンが歩いてきた

俺は無言で道を空ける

京太郎「…………」

執事?「…………?」じっ

幼女?「どうかしたのか?」

執事?「……いえ。何か人の気配を感じたのですが……」

幼女?「え? ど、どういうことだ?」

執事?「この辺りに……」すっ

京太郎「…………」すい

執事?「……いえ、申し訳ありません。気のせいだったようです」

衣?「は、ハギヨシ! そんな嘘をつくなんてどういうつもりだ! こ、怖がらせようとしたって無駄だぞ! 衣はお姉さんなんだからな!」

ハギヨシ?「ふふ、怖がらせるつもりでしたら夜のうちにやりますよ。失礼しました、戻りましょう」

衣?「うう……ハギヨシが言うと嘘に聞こえない……」ぶるっ

すたすた

京太郎「……あの人、俺に気づいてたな。つい避けたけど、話しかけ」

ハギヨシ?「動くな」ガッ!

京太郎「うおっ!?」しゅっ!

ハギヨシ?「……完全な奇襲のつもりでしたが、避けられるとは。ですが無駄ですよ、視認はできませんがそこにいるのは分かっていますから」

京太郎「避け癖がついてたおかげで助かったけど、これはいったいどういう状況なのだろう。ゆっくり離れるべきか?」そっ……

ハギヨシ?「そこ!」ビュッ!

京太郎「うぉ! 本当に見えてないのか!? というかこれ逃げるの無理だ! 早すぎる!」

京太郎「突撃するしかねぇ!」だっ!

ハギヨシ?「む!」

京太郎「ターッチ!」

が……ぐい! ズザァ!!

京太郎「いてぇ!」

ハギヨシ?「ようやく姿……を?」

京太郎「いたたたたた! 驚かせたのは謝りますので手を離してください!」

ハギヨシ?「その制服は清澄のものですね……失礼」ぱっ

ハギヨシ?「な、消え?」ブンッ!

京太郎「いたい!」ドサッ!

ハギヨシ?「あ! 大丈夫ですか!」

京太郎「ちょ、そのまま、そのまま離さないでください……触ってないと見えなくなるんで……」

ハギヨシ?「見えなく……?」

萩原「本当に失礼致しました」ぺこ

京太郎「いえ、こちらこそ……そちらも仕事でやったことなら仕方ないですから」

萩原「姿を隠して衣様に近づく不届き者かと思ったのですが、そういう体質とは思わず」

衣?「ハギヨシー! ど、どこだー!」

萩原「衣様! ここです!」

衣?「おおハギヨシ! お化けにやられたかと心配したぞ! 悪霊退治は済んだんだな!」

萩原「いえ、それが……衣様、お手をお借りしても?」

衣?「え? こ、 衣は無理だぞ? お化けなんて勝てる訳がない! 無理だ!」

萩原「いえそうではなく。こちらに手を伸ばしていただきたいのです」

衣?「なんだ、その程度なら」すっ

ぴたっ

京太郎「こんにちは」

衣?「………………ふあ?」

衣「心配して損したぞ!」

京太郎「申し訳ありません」

萩原「元々こちらが先に手を出したので、謝罪される必要はありませんよ。驚かせないようにしてくれていたのも良く分かりましたから」

衣「そうだぞ! きょうたろーに非はない!」

萩原「はい。ですので何かしらのお詫びをさせていただければ……」

京太郎「いえそれは大丈夫です、慣れてますので。それより買い出しの途中なので、この辺りで失礼させていただければと」

衣「誤解とは言え非はこちらにある。ハギヨシのしたことは衣のしたことだ! きょうたろー! 何か衣にして欲しいことがあれば何でも言え!」

京太郎「あれ話を聞いてくれていない。本当に大丈夫ですから……この件に関してはそちらを責める理由がまったくないです、悪いのは俺ですし」

萩原「でしたら……須賀様、買い出しを私にお任せしてくれませんか?」

京太郎「え? そんな、悪いですよ」

萩原「非礼を働いておきながらなにもしないというのは、こちらとしても避けたいのです。勿論無理にとは言いませんが……」

京太郎「本当に大丈夫ですから」

衣「うぬぅ……ならばもはや手段は選んでられん。衣も年貢の納め時だ。さぁ! 衣を好きにするがいい!」ばーん!

今さら気づいた、俺はどうやら面倒なのに絡まれてしまっていたらしい

京太郎「あ、じゃあ買い出し代わりにお願いします」さっ

ハギヨシ「かしこまりました。では行って参ります。その間衣様をよろしくお願いしますね」

京太郎「えっ」

ハギヨシ「すぐ近くに他の護衛はいますのでご心配なさらずに」ひそ

ヒュン!

京太郎「……いや! そういうことじゃないですよ! いねぇ!」

衣「ハギヨシが帰ってくるまで、衣がきょうたろーの相手をしてやろう!」

京太郎「………………」

また書けたら来ます
まだ見てくれている人はいますかね……?

少し雑談をしてとんでもない事実が発覚した

天江さんは龍門渕高校に通う三年とのことだ

……二つ上?

衣「きょうたろーも麻雀をしているのか」

京太郎「ええ、まぁ、はい。始めたばかりですけど」

衣「楽しいか?」

京太郎「どうですかね。俺はこうですから」

衣「他者から認識されなくなるなど御伽噺も斯くやと言ったところか。正しく事実は小説よりも奇なりだな!」

京太郎「……天江さんはどうにも楽しみきれていないように見えますね。麻雀はお嫌いですか?」

衣「結果の決まりきっている勝負など面白くなくて当然だろう」

随分自信があるみたいだが……龍門渕はレベルが高いらしいからな

京太郎「勝負は時の運。やってみなくちゃ分からないこともありますよ?」

衣「ふふん、それは無いな。衣に敵などいない!」

京太郎「……そうですか」

衣「む、どうしたきょうたろー? 顔色が優れないぞ」

京太郎「そんなことないですよ。ただ――」

自信があるのは良いことだ、無いよりはあった方が良い

少なくともおどおどとして自分の行き先も決められない奴よりは、胸を張って堂々としている人間の方が好印象だろう

だが、それも過剰になれば毒になる

無駄なプライドは周囲や己に悪影響を及ぼす

……嫌なことを思い出してしまった

衣「ぬっ!? き、きょうたろー!? どこに行った!?」

天江さんの叫び声でハッと我に返る

衣「きょうたろー……ずっとそこにいたのか?」

京太郎「すいません、たまに触ってても消えちゃうこともあるみたいで……」

衣「もしや、衣はなにかきょうたろーに失礼なことをしたか? 意気消沈しているようだが」

京太郎「いえ、大丈夫です」

萩原「ただいま戻りました」

衣「ハギヨシ! 戻ったか!」

京太郎「早い!」

萩原「こちらメモにあった商品です。それとこちらは私から個人的にお詫びとして……」

普通のスーパーの袋と、スイーツにそこまで詳しくない俺でも知っている高級和菓子店の名前が書かれた紙袋を手渡された

ここで遠慮すればまた負のスパイラルに入ってしまうかもしれないので、俺はありがたく受けとる

それにしてもたった20分で全部揃えて来たのか……

京太郎「さて、じゃあ俺はこの辺りで……」

衣「もう行くのか?」

京太郎「部の皆が待っているので、すいませんが」

衣「ふむ……。きょうたろー、もしお前さえよければ近いうちに衣と麻雀を打たないか?」

萩原「衣様?」

衣「大丈夫だ」

京太郎「……俺とですか? 俺と麻雀したって面白くもなんともないですよ」

衣「それは衣にも言えることだ。衣はお前のその不可思議な異能と戦ってみたい」

俺は黙って天江さんの瞳を見つめる

この人は多分、咲や照さんと同じタイプなのだろう

溢れんばかりの才能を持ち、周りから一歩引かれて生きて来たのだろう

でも真っ直ぐな瞳をしていた

咲は逃げた

自分の才能に怯え、嫌いだと遠ざかった

照さんは目を反らした

気にしなければ良いと、本当は誰よりも気にしながら突き進んで行った

天江さんは……迷いが無い

きっと良い仲間に出会えたのだろうということが分かる

なら俺の返事は最初から決まっていた

京太郎「すいません……俺は貴女と麻雀をしたくない」

衣「……ほう」

京太郎「別に天江さんが嫌いだとか、そういうことではなくて……ただ俺は貴女と麻雀をしたくない」

少しの間、睨み合いが続く

俺は目を反らさない

衣「……分かった。きょうたろーが衣と麻雀を打ちたくないことはハッキリと伝わったぞ」

京太郎「すいま」

衣「だが断る! 断るぞ! そんなものは却下だ!」

天江さんの発言に俺は馬鹿みたいに口を開けて放心した

断る……って、断ることを断るってことか?

京太郎「あ、あの……」おろおろ

衣「きょうたろー! お前が衣と打ちたくない理由は分からんが、きっと衣の為を思っての事なのだろう。だがそれは要らぬ世話だ。今日偶然出会った縁とは言え、衣は確かにきょうたろーに惹かれた。その善し悪しは衣が決める!」

萩原「申し訳ありません、衣様は一度決めたことは中々曲げてくださらない方で……」

京太郎「はあ……」

衣「その奇妙奇天烈複雑怪奇な力を見せてみろ!」

俺が行くことは確定事項らしい

真っ直ぐ過ぎる天江さんの視線からつい逃げるように視線を反らしたが、そこには萩原さんの笑顔があるだけだった

また書けたら来ます
書いてて思ったのですが、先人は衣の口調に四苦八苦したんだろうなぁと


衣は二年生ですよ

>>78
!?
三年だと思い込んでました、なんでだろう……

結局萩原さんと連絡先を交換し(天江さんは通信機器を持ってなかった)、近いうちの休日に遊びに行くことが決まってその場は別れた

俺もそこまで言われて嫌だということもできず、渋々と了承してしまった

京太郎「戻りました」がちゃ

久「扉が開いた、ってことは……須賀くんかしら?」

京太郎「大当たりです。ご迷惑おかけします」すっ

久「お疲れ様。悪いわね」

優希「遅いじぇ! はやくタコス寄越せー!」

和「もう、ゆーき。厚意で買い物に行ってくれた須賀くんに失礼ですよ?」

京太郎「優希がそういう奴なのはよく分かってるから大丈夫だぞ」がさっ

咲「……ん? スーパーの袋と、こっちの奴なに?」

京太郎「あぁ、まぁ色々あって。皆で食べてください」

久「どんな色々があったのよ」

京太郎「ぶつかった詫びって奴ですかね……」

久「それにしては疲弊してるわね」

まこ「どうかしたんか?」

久「体質のことで色々あったらしいわ」

咲「あー……」

優希「うー☆ うまうま☆ やっぱりタコスは最高の食べ物だじぇ……」

がさごそ

久「ロープもちゃんとあるわね。ちょっと待っててね須賀くん」

京太郎「はい?」

部長はそう言ってロープを切ったり縛ったりとなにかを作り始めた

大きめの丸い輪をひとつ作り、それを中心に五本の縄をくくりつけた

その五本の縄の先にも先程よりも小さな輪を付ける

満足そうにできあがったそれを見て頷き、部長は俺を呼んだ

俺が近寄ると、部長は中央の輪を俺の首に提げて満面の笑みを浮かべる

そしてそこから伸びた一本の縄の輪を自分の右手に通した

京太郎「あの」

久「かんっぺきね! はい、皆もこれに手を入れてみて」

優希「おお! ちゃんと見えるじぇ!」

まこ「机越しに触れてるよりはよっぽどいいわ」

京太郎「俺は犬ですか。別に良いですけど……」

久「とりあえず須賀くんは来たらこれをつけること。良いわね?」

京太郎「まぁ……分かりました」

優希「よーし犬! ゆーき様にタコスに良く合うお茶を用意するじぇ!」

和「ゆーき!」

それから少し麻雀を打ってみたが、この状態でも俺の捨て牌は奇妙なことになってしまった

少しは期待もしたが中々頑固らしい

そうして何局か終えて今日は解散した

咲「ちょっと遅くなっちゃったね」

京太郎「部長が俺をどうにかして攻略できないか試してたからな」

咲「部長って負けず嫌いだよね」

京太郎「俺はあくまで幽霊部員のつもりなんだがなぁ」

咲「続けないの?」

京太郎「適当なところで切り上げるつもりだ。俺の場合続けてても意味無いし」

咲「……そうだけどさ」

京太郎「そんな顔するなよ。俺には俺の合うものがあるはずだから、それを探したい」

咲「暗殺者とか向いてると思うよ」

京太郎「俺の性質は悪用し放題なんだからろくでもないこと言うなよ」

咲「むしろ悪用以外に使い道思い付かない」

京太郎「仮にも文学少女なんだから何か無いのか?」

咲「知らないよ! 京ちゃんみたいなのキャラクターでも見たこと無いし」

京太郎「だろうな」

咲「…………辞めちゃダメだよ。京ちゃんだって麻雀は好きなんでしょ?」

京太郎「好きだよ。俺の思い出だ。でもそれだけだ」

咲「京ちゃん」

京太郎「だからそんな顔すんなって」ぽん

京太郎「逃げてる訳じゃないぞ。どうにもならないことも世の中にはある。帰るぞ咲」

咲「京ちゃん!」

楽しかった思い出が多く詰まった大好きな麻雀

でも俺には絶望的に向いていない、そもそもまともなもので向いてそうなものなんて思いつかない

それは単なる事実で、俺はとっくに諦めていた

今日部長が試行錯誤したのも、俺の様子に気付いたからだろう

咲が良い仲間を持ってまた麻雀を始められた

大きな収穫だ、俺にはそれだけで十分だった

次の日の朝

アラームでの目覚めは最悪なものだった

何故かは分からないが胸の突っかかりが消えず夜は満足に眠ることができなかった

ここ二、三年はただ咲とのんびり過ごしていたが、麻雀部に入ってからは激動の日々だったからストレスでも感じているのだろうか?

なんにせよ休日だ

特にすることはないが、だらけているだけなのもどうかと思い外出の準備をする

そうして外に出ようとしたとき、メールの着信音が鳴った

竹井部長だった

久《おはよう。今何してる?》

京太郎《特になにもしてません。今から散歩にでも行こうかと》

久《そう、丁度良かったわ。今まこの家にいるんだけどこれから来ない?》

京太郎《染谷先輩の家っていうと雀荘でしたっけ。まぁ大丈夫ですけど》

久《場所は大丈夫?》

京太郎《調べて行きます》

久《車に気をつけてね》

やることもなかったので渡りに船なのだが、昨日あれだけやって無駄だと結論が出たのに部長はどういうつもりなのだろう?

とりあえず向かうか……確か染谷先輩の家の雀荘は……Roof-topと言ってたかな

また書けたら来ます
手元に咲無いのでキャラ崩壊設定ミスありましたら指摘してくれれば直しますのでよろしくお願いします

カランカラン

久「ん……誰もいない」

まこ「なら京太郎の奴じゃな」

京太郎「正解です」すっ

久「ごめんなさい急に呼び出して」

京太郎「どうかしたんですか?」

カツ丼?「こんにちは……で良い? そこにいるのよね?」

久「あ、はい。須賀くん」

すっ

カツ丼?「……。こうして目の当たりにすると本当に凄まじいとしか言いようが無いわね、これ」

京太郎「初めまして、須賀 京太郎と言います」

藤田「私は藤田 靖子。一応プロの雀士、よろしくね」

京太郎「プロですか……え、何故ここに?」

藤田「私はここの常連なのよ。久に面白い子がいると呼ばれて来てみたの。確かにプロの世界でも、いや世界中見渡しても君みたいなのを見ることは無いでしょうね」

京太郎「ですよね。どうしたものかと色々試してはみたんですけど、どうにも良い方法も無くて」

藤田「アドバイスの一つでもしたいところだけど流石に私も初めての例だから、難しいわね」

京太郎「わざわざありがとうございます」

久「とりあえず一度打ってみましょうか。後から他の三人も来るからそれまでね」

そんなこんなで、何故か休日の朝から雀荘でプロと麻雀をすることになったのだった

その前に伝えておかないといけない事がある

京太郎「藤田さん。もし何か見えても、絶対に直視しようとしないでください。目を反らして、何も見ないようにしてください。お願いします」

藤田「ん? それはどういう?」

京太郎「説明しても分からないと思うし、何も見えなかったらそれが一番なので……すいません」

藤田「…………よくわからないけど、分かったわ」

多分大丈夫、だと信じたいが万が一があってもいけない

藤田さんに忠告だけして、俺は席についた

side 藤田靖子

手牌を開けて対面に座っているであろう男の子の方を見て、なるほど厄介だと思った

プロ同士での対決になると互いに手牌の動き方や表情を読みあうのは当然のことだ

三人共に高校生ということもあって癖を隠す練習もあまりしていないだろう

どのプロが今ここに座っても楽に圧倒できる……座ってさえしまえばよく見える、そう考えていた

だがその判断は甘いものだった

対面はまるでそこに元々何もなかったと言わんばかりに、山を残して全て消えてしまっている

ようやく対面の須賀くんだけは私に御せる相手ではないことを理解した

それでもプロとしての意地がある

簡単に飛ばされる訳にはいかない

などと、意気込んで見たものの

東場が終わってみて久が1位、そこから私、須賀くん、まこと続いた

確かに須賀くんの性質は厄介だが、どうにもそれ以外は並み程度のようだ

一度だけまこが須賀くんに振り込んだがそれだけで、今のところは脅威と呼べる存在では無かった

勿論鳴かれても気付けず、捨て牌のタイムラグも怖いが何順かすればおおよその手牌は読めてしまう

次は無理ぎみにでもロンしてしまおうかと、そんなことを考える余裕まである

難易度は高いが集中すれば不可能ではない

三三四五566①①③④⑤⑥ 4

良い手牌だ、このまま伸ばして行けばツモ和了でもまこを飛ばしてトップに立てる……が今はトップに立つことよりも、須賀くんからロンをしたい

私は何もない虚空を見つめ、ほくそ笑んだ

三四五3456①①③④⑤⑥ ⑦

6を切ってダマテン、上々だ

脇二人からのテンパイ気配は感じない

私は全神経を集中させて、須賀くんの捨て牌を探る

かなり集中力を使うので一度か二度程度しか出来なさそうだが、これならロンでき―――





広がる闇



誰も居ない



何も見えない



目の前にあるのは?



なにもない



なにも



ないはず

なのに



目が



目 目



見られている



見ている



目が見ている



闇の中にこちらを



見てはいけない



知ってはいけない



目を反らせ



見ちゃいけない



side 藤田靖子 end

また書けたら来ます

ごめんなさい、他のやつ書いててすっかり忘れてました
また数日中に書きに来ます、申し訳ない

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