【ゼルダの伝説】リンクルが時の勇者になるようです (526)

 ハイラル王国に広がる深き森……。
 その森を守り続けてきたワシを、人はデクの樹と呼んでいた。
 この森にはコキリ族という者たちが住んでおる。
 彼らはそれぞれ自分だけの妖精を持っておった。
 じゃが……たった一人だけ、妖精を持たぬ少女が居たのじゃ……。
 彼女の名は――




どうしようもないくらい私事で申し訳ないけどクソ会社辞めて気が済むまでゼルダ無双やったので記念に

時のオカリナのネタバレなんか今更誰も気にしないとは思うけど注意してね
ゼルダの設定に関する独自の解釈とか百合要素とか、色々もうR板に立てた時点でお察しください
安価とかコンマとかも使うかもしれない

無双のリンクルとは容姿がほぼ同じなだけで、性格も生い立ちも違う別人だから(震え声)
なんかもう色々許してくれ

 ep.1 リンクル


「リンクル……! リンクル! 起きて!」

リンクル「うんー……」

妖精「リンクル! 起きてってば! デクの樹様がお呼びなの!」
妖精「早く起きて、一緒に来て!」

リンクル「……ふあ……んん……」
リンクル「妖精……?」

ナビィ「私、妖精のナビィ! 今日からあなたの相棒ヨ!」
ナビィ「早く、デクの樹様が呼んでるのよ!」

リンクル「ナビィ……あたしの……妖精……!」
リンクル「ぃやったぁぁぁぁあぁああああ!!」

ナビィ「ぴぃっ!?」キーン

リンクル「やった! やった!! あたしのとこにもついに妖精が!」ピョンピョン
リンクル「苦節10年とちょっと! 長かった! 実に長かった!!」ピョンピョン

リンクル「ついに! ついに!!」プルプル
リンクル「あたしにも、妖精が!」バッ

リンクル「ちっちゃくて、キラキラしてて、声も可愛い妖精が!!」ピョンピョン
リンクル「これからよろしくね、ナビィ!」

ナビィ「え、えぇ、よ、よろしくね……?」ヒキッ
ナビィ(なんだか、急に不安になってきた……)

リンクル「で、何だっけ? デクの樹様が呼んでるって?」

ナビィ「うん。リンクルにしか頼めないって……」

リンクル「んー……でもあたしなんかに何か出来ることなんてあるのかなぁ」
リンクル「っていうか、その前にミドのやつに自慢しに行っていい?」

ナビィ「デクの樹様が先!」

リンクル「ちぇー」

「リンクルー!」

リンクル「あ、サリア来ちゃったんだ」
リンクル「今下りるから待っててー!」

――コキリの森

サリア「おはよ、リンクル」

リンクル「おはよー」
リンクル「今日は何して遊ぼっか?」

ナビィ「ちょっと、リンクル!」

サリア「あれ? リンクル、あなたのところにもついに妖精が来たんだネ! おめでとう!」

リンクル「そうっ、ありがとっ! ナビィっていうの! 長かったよー、ほんと!」

ナビィ「ご、ゴメンネ……って私何も悪くないんだけどね?」

サリア「いっつもミドに意地悪されてたもんね」

リンクル「これでもう“妖精なし”なんて呼ばれずに済むわー」

ナビィ「あの……」

サリア「で、何の話だったっけ?」

リンクル「……何だっけ?」

ナビィ「デクの樹様!」

リンクル「……、……ああー! そう! デクの樹様に呼ばれてたんだった!」

サリア「デクの樹様に? なら早く行かなきゃ!」
サリア「用事が済んだら遊びまショ!」

リンクル「うん!」

ナビィ「はぁー……大丈夫かな、この子……」

リンクル「あれ……デクの樹様のとこへ行く道……」
リンクル「……ミドじゃん」

ミド「なんだよ“妖精なし”!」
ミド「妖精も居ないような半人前は通してやんねーぞ!」

リンクル「ふふーん、そう思うでしょ?」
リンクル「いっつもいっつもそう言ってきたよね!」

リンクル「でも今日のリンクルは一味違うのよ!」
リンクル「ごまだれー!」バッ

ナビィ「きゃんっ」

ミド「あれっ」
ミド「い、居るじゃん、妖精……」

リンクル「そうだよっ! だからもう半人前なんて呼ばせないんだから!」
リンクル「それに、デクの樹様に呼ばれてるの。ここを通してよ」

ミド「な……何ィー!?」
ミド「なんだよ! なんでこのミド様じゃなくてお前なんだよ!」

ミド「おっもしろくねぇー!」
ミド「オイラは認めねぇぞ! お前なんかまともに剣も盾も持ってないじゃんか!」

リンクル「や、だってあたしいっつもクロスボウ使ってるし……」

ミド「と、兎に角だ! 剣と盾くらい持ってないとデクの樹様のお手伝いなんて出来ねぇぞ!」

リンクル「あんたも持ってないけどね」

ミド「うるせいっ! ここを通りたきゃ剣と盾くらい持ってきナ!」

リンクル「ぐぬぬ……」

ナビィ「梃子でも動かなそうね……兎に角、剣と盾探しまショ」

リンクル「探すったって……」
リンクル「うーん……盾はお店で売ってるのよね」

ナビィ「40ルピーだっけ?」

リンクル「確か。盾はそれでいいとして……」
リンクル「剣、剣かぁ……」

サリア「リンクル、どうしたの?」

リンクル「あ、サリア……」
リンクル「実は……」

サリア「もうっ、ミドったら、また……!」
サリア「リンクル、一緒に行きましょ? 私からも言ってあげるから……」

リンクル「ありがと、サリア……」
リンクル「でも、ちょっと気になるんだよね」

サリア「何が?」

リンクル「剣、使ったことないから」

サリア「いっつもクロスボウと足技だけで魔物やっつけてるもんね」

ナビィ「そうなの? っていうか、いっつもって……」

サリア「私のお気に入りの場所ね、迷いの森の奥の方なんだけど」
サリア「時々魔物が出るの。デクナッツとか、ウルフォスとか」

ナビィ「そんなに危ないところ行くんだ……」

サリア「だから、いつもリンクルと一緒に行くんだ」
サリア「リンクル、すっごく強くてかっこいいのヨ?///」

リンクル「そ、そう?」
リンクル「そんなこと言われると照れちゃうなー///」

ナビィ「キマシ……」
ナビィ(……私、今何を言い掛けたんだろう……?)

――森の練習場

サリア「で、武器といえば練習場だけど……」
サリア「ここに一本くらいあったりしないかな?」

リンクル「確かにデクの棒とかデクの種とか置いてあるけど」
リンクル「剣は見たことないなぁ」

サリア「あ、ねぇねぇ、あの穴何かしら?」

リンクル「穴?」
リンクル「……ほんとだ。今まで結構ここ使ってたのに気付かなかった」

サリア「クロスボウや格闘は横か手前でやってるもんね」

リンクル「向こうに何かあるみたい……」ノソノソ

サリア「あ……」ドキッ
サリア「り、リンクル! パンツ見えてる! 見えてるよ!」

リンクル「えっ、嘘っ!?」

サリア(今日は、白っ!)

ナビィ(先が思いやられるなぁ……)

リンクル「ほんとに剣があるとは思わなかったよ……」E:コキリの剣、デクの盾

ナビィ「ミド、悔しがってたわね」

リンクル「良い気味!」
リンクル「大分時間経っちゃったけど、デクの樹様怒ってないかなぁ……」

ナビィ「だ、大丈夫よ、きっと」

デクの樹「おぉ……戻ったか、ナビィ……」
デクの樹「そして、リンクル……よくぞ来てくれた」

リンクル「デクの樹様、ご用事は何ですか?」

デクの樹「うむ……」

リンクル「……なんだか、具合悪そうだけど、大丈夫なの?」

ナビィ「……」

デクの樹「……リンクルよ……」
デクの樹「やはり、お前には、見込みがある」

リンクル「見込みって……あたしに? 何の?」

デクの樹「時にリンクル」
デクの樹「お前は最近、毎日のように恐ろしい夢を見てはいないか?」

リンクル「夢……」

リンクル(そういえば、最近変な夢を見る)
リンクル(迷いの森の奥の神殿より大きくて、尖った屋根がいくつも立った綺麗な建物)

リンクル(その建物の前に立っているあたし)
リンクル(見る見るうちに空が黒い雲で覆われていって……)

リンクル「……確かに、見てます」
リンクル「よく分かんないけど、言われてみれば、怖い夢だったかも……?」

デクの樹「やはりか……その夢は、今この世界に忍び寄る邪悪な気配そのもの……」
デクの樹「お前は、それを感じたのじゃ……」

リンクル「邪悪な気配……」

デクの樹「リンクル……」
デクの樹「お前が、この森で一番の手練れであることはよく知っている」

デクの樹「じゃが、この邪悪な気配は、森で見かける魔物とは比べ物にならん程、強力じゃ……」
デクの樹「だから、今ここでお前の勇気を今一度試させてほしい……」

デクの樹「お前はさっき、ワシの具合が悪そうだと言ったな……」
デクの樹「ワシには今、呪いがかけられておる……」

デクの樹「お前の知恵と、勇気でその呪いを解いてほしいのじゃ……」
デクの樹「呪いが解けたら、またお前にせねばならない話がある……」

 ep.2 冒険の始まり


――デクの樹様の中

リンクル「ほぇー、これがデクの樹様の那珂か……」

ナビィ「こんな感じになってるのね……」
ナビィ「あ、リンクル! 見て!」

リンクル「ん……蜘蛛の巣?」
リンクル「スタルチュラの巣かな? 下に何か見えるけど……」ピョンピョン

ナビィ「あなたの体重じゃ軽過ぎて破れないわネ」
ナビィ「燃やしてみる? もしくは……もっと高いところから飛び込んでみるとか?」

リンクル「それ名案。じゃ、そこから上ってみよっか」

ナビィ「え、マジ……?」
ナビィ(冗談のつもりだったんだけどな……)

ナビィ「Watch out! スタルウォールよ!」

リンクル「ごまだれー」つクロスボウ
リンクル「せいっ」バシュッ

スタルウォール「アベシッ」ボトッ

リンクル「これで上れるね」

ガコーン

リンクル「うわっ、閉じ込められた」

ナビィ「デクナッツが居るヨ!」

リンクル「ふんっ」バシュッ

デクナッツ「ピピィッ!」
デクナッツ「痛いっピ! 許してっピ!」ジタバタ

リンクル「じゃあそこ開けて」

デクナッツ「そ、それは無理だっピ」

リンクル「……」チャキ

デクナッツ「まままま待つっピ! お、奥のスイッチを撃ち抜いたら開くっピ!」
デクナッツ「だだだだからその矢はオイラじゃなくて奥のスイッチに撃ってっピ!」

ナビィ「……ああ、無理って、開く能力がないってことね。リンクル、クロスボウ下ろしたげて」

リンクル「邪魔」バシュッ

スタルチュラ「ウワラバ」ボトッ

リンクル「ここがてっぺんかな?」
リンクル「確かにここから飛んだらあの蜘蛛の巣くらい破れそう」

ナビィ「ね、ねぇ、ほんとにやるの?」

リンクル「なんで? 言い出したのはナビィじゃない?」

ナビィ「で、でも、こんなとこから飛んだら、下手しなくても怪我しちゃうヨ?」

リンクル「へーきへーき」ピョンッ

ナビィ「ちょっ……!」

ドボーン

リンクル「ぶはっ!」
リンクル「ああ、もう! 下は池だったなんて!」ザブザブ

ナビィ「大丈夫? まさか本当に飛んじゃうなんて……」

リンクル「言ったのはナビィでしょ?」

ナビィ「流石に実行するとは思わないヨ……」

リンクル「何よそれー」ザバッ
リンクル「うー、さむ……」フルフル

ナビィ「びしょ濡れね」

リンクル「でも蜘蛛の巣は破れたし、下にも降りられたよ」
リンクル「ちょっとそこで服乾かして行こ」

幼生ゴーマ「ヘイヘイオンナダワルカネェ」ボトッ カサカサカサカサ

リンクル「うわっ気持ち悪っ」バシュッ

幼生ゴーマ「サイキンノネーチャンキツイヤ」バタッ

ナビィ「なんだかこれまでの魔物とは違う……?」
ナビィ「スタルチュラやデクナッツなんかは森でも時々見かけるわよネ?」

リンクル「んー、確かに。デクナッツなんか迷いの森行けばいっぱい居るし」バシュッ
リンクル「こんなおっきい虫……虫? みたいなのは見たことないかも」バシュッ

ナビィ「これがデクの樹様の言ってた呪いかしら……」

リンクル「まぁやることは変わんないよ」バシュッ

ナビィ「……っていうか、何発撃ってるノ!? 矢が勿体ないヨ!」

リンクル「いや、ほんとに死んだのかなって……」

ナビィ「もう生命力は感じられないから! 死んでるから! 死体撃ちはやめたげてよぉ!」

次男デクナッツ「ここは通さねぇっピ!」ベッ

リンクル「おっと」

デクの盾「フンッキカヌワ」バコッ

リンクル「あ、これ盾で跳ね返せるんだ」

次男デクナッツ「ピピィッ!」

三男デクナッツ「ぴっ! よくも兄弟を!」

リンクル「あらもう一匹」バシュッ

三男デクナッツ「ピピィッ!」

長男デクナッツ「ピピッ、兄弟達が!」

リンクル「ほい」バシュッ

長男デクナッツ「ピピィッ!」
長男デクナッツ「な、なんでオイラ達の秘密知ってるっピ!?」

リンクル「え?」

ナビィ「秘密?」

長男デクナッツ「悔しいからゴーマ様の秘密も教えちゃうっピ!」
長男デクナッツ「ゴーマ様は目を攻撃されると怯むから、その間は隙だらけだっピ!」

ナビィ「あ、ありがとう……?」

長男デクナッツ「ゴーマ様……」
長男デクナッツ「ゴーマんなさい……なんちて」ズボッ

リンクル「……行っちゃった」

ナビィ「なんだったのかしら……? 秘密って……」

リンクル「ここが一番奥かな? 広い部屋だけど……」

ガコーン

リンクル「あれっ、入ってきた扉が……」
リンクル「壁になっちゃったみたい」コンコン

ナビィ「Hey……リンクル……リンクル……!」

リンクル「何?」

ナビィ「そ、そこの天井、何か居るヨ……?」

リンクル「天井?」

カサカサカサカサ

リンクル「……ぅゎ……」
リンクル「なんだあれ、気持ち悪……っ」

ゴーマ「気持ち悪いとはなんだ気持ち悪いとは!」ギョロッ

甲殻寄生獣 ゴーマ

リンクル「こっち見ないでよ気持ち悪い!」バシュッ
リンクル「ていうか喋んないでよ気持ち悪い!」バシュッ バシュッ

ゴーマ「あぎゃああああっ!?」ドシーン

ナビィ「こいつよ! デクの樹様にかけられた呪い!」

リンクル「落っこちたよ?」

ナビィ「まだ生きてるワ! 早くとどめを……!」

ゴーマ「よくもやってくれたな!」ムクッ

ナビィ「って言ってる間に起きちゃった!」

リンクル「ほいっ」バシュッ

ゴーマ「ぐおおっ!?」ガクガク

ナビィ「……あ、そっか! 目が弱点なんだ!」

リンクル「まぁ弱点分かっちゃえば簡単だよね」
リンクル「これでとどめよ!」ザシュッ

コキリの剣「ココニキテハジメテノデバンダト」

ゴーマ「グアアアアアアアアァァァァァ……」

ナビィ「やった!」

――デクの樹様の前

デクの樹「よくぞワシの呪いを解き、見事な勇気を示したなリンクル……」
デクの樹「お前はワシの願いを託すに、相応しい子であった……」

リンクル「これでデクの樹様も元気になるよね!」

デクの樹「……リンクル」
デクの樹「ワシにかけられたのは死の呪い……命までは、元には戻らぬようじゃ……」

リンクル「えっ……」

デクの樹「よく聞くのじゃ、リンクル……」
デクの樹「ワシに死の呪いをかけたのは、黒き砂漠の民じゃ……」

リンクル「黒き砂漠の民……?」

デクの樹「あの者は邪悪な魔力を操り、ハイラルのどこかにあるという聖地を探し求めておった……」
デクの樹「何故なら……聖地には神の力を秘めた伝説の聖三角、トライフォースがあるからじゃ……」

 世に理なく、命未だ形成さず。
 混沌の地ハイラルに黄金の三大神、降臨す。

 すなわち、力の女神ディン……
 知恵の神ネール……
 勇気の神フロルなり……

 ディン……
 その逞しき炎の腕を以て、地を耕し赤き大地を創る。

 ネール……
 その叡知を大地に注ぎて、世界に法を与える。

 フロル……
 その豊かなる心により、法を守りし全ての命創造せり。

 三大神、その使命を終え、彼の国へ去り行きたもう。
 神々の去りし地に、黄金の聖三角残し置く。
 この後、その聖三角を世の理の礎とするものなり。
 また、この地を聖地とするものなり。

デクの樹「あの黒き砂漠の民をトライフォースに触れさせてはならぬ!」
デクの樹「悪しき心を持つあの者を聖地へ行かせてはならぬ!」

デクの樹「あの者はワシの力を奪い、死の呪いをかけた……」
デクの樹「ワシは間もなく死を迎えるじゃろう……」

デクの樹「だが……悲しむことはない……」
デクの樹「今こうしてお前にこのことを伝えられたこと……」

デクの樹「それが、ハイラルに残された……」
デクの樹「最後の希望だからじゃ……」

デクの樹「リンクルよ……」
デクの樹「ハイラルの城へ行くがよい……」

デクの樹「その城には、神に選ばれし姫がおいでになる筈じゃ……」
デクの樹「この石を持ってゆけ……あの男が、ワシに呪いをかけてまで欲した、この石を……」

リンクル「これは……?」

デクの樹「森の精霊石……コキリのヒスイじゃ……」
デクの樹「それを姫にお見せし、共にハイラルを救う手立てを探すのじゃ……」

デクの樹「頼むぞ、リンクル……」
デクの樹「お前の勇気を、信じておる……」

リンクル「デクの樹様……」

デクの樹「妖精ナビィよ……」
デクの樹「リンクルを助け、ワシの志を継いでくれ……」ズズ……

デクの樹「良いな……ナビィ……」ズズズズ……
デクの樹「さらば……じゃ……」ゴゴゴゴゴ……

ゴゴゴゴゴゴゴ ゴ  ゴ   ゴ

リンクル「……」

ナビィ「……行きましょ、リンクル!」
ナビィ「ハイラル城へ!」

リンクル「……うん」

ナビィ「さよなら……デクの樹様……」

書き溜め出し切ったので一旦ここまで
ゼルダSS少なくて寂しい

そういえばコキリ族って結局なんなんだろうな
遠くから見ると姿が消えて妖精だけ見える状態になるし、森の外に出たら死んじゃうって言われてるのに森の外には一応出れるっぽいし、何百年か経つとコログになっちゃうし
デクの樹の加護を受けてるから子供の姿のままなだけで本質はハイリア人と一緒とか、森の木々の妖精とか、色々説あるけど
いずれにせよコキリの森はネバーランド

基本的にメインシナリオにそって行く感じかな?

 ep.3 外の世界へ


ミド「おい、リンクル!」

リンクル「……ミド」

ミド「お前、何やったんだヨ?」

リンクル「……」

ミド「デクの樹様……死んじゃったんじゃないのか!?」
ミド「どーすんだよ! お前のせいだかんな!」

リンクル「……」
リンクル「……そうね、そうかもしれない」

ナビィ「リンクル……」

リンクル「でも、だからこそ、デクの樹様の意思を継がなきゃ」
リンクル「ミド、よく聞いて」

ミド「……何だよ」

リンクル「あたしね、デクの樹様の言い付けで森の外に出なきゃならないの」
リンクル「森の外に出たら死んじゃう、っていうのは昔から聞いてた話だけど……」

リンクル「でも、これはあたしがやらなきゃいけない」
リンクル「ミドも言ったじゃん、デクの樹様が死んじゃったのはあたしのせいって」

ミド「あ、いや、それは……」

リンクル「だから、あたしはこの言い付けを守らなくちゃいけない」
リンクル「外の世界っていうのがどのくらい広いか分かんないから、どのくらいかかるか分かんないけど……」

リンクル「必ず、帰ってくるよ」
リンクル「使命を果たしたら、必ず」

リンクル「暫く居なくなるから、森のこと……サリアのこと、よろしくね」
リンクル「剣も、返すよ。練習場に隠してたのあんたでしょ?」スッ

ミド「……そんな剣……」
ミド「そんな剣、くれてやらぁ!」ドンッ

ミド「もう帰ってくんな!」グスッ
ミド「帰ってくんなバカー!」グスグス

リンクル「……」ダッ

――迷いの森 橋の上

「行っちゃうのね……」

リンクル「?」クルッ
リンクル「サリア……」

サリア「サリア、思ってたの……」
サリア「リンクル、いつか森を出て行っちゃうんじゃないかって……」

リンクル「……あたしも、なんだかサリア達とあたしってどこか違うような気はしてたよ」

サリア「!」
サリア「……でも、そんなの、どうでもいい!」

サリア「あたし達、ずーっとトモダチ! そうでしょ?」
サリア「このオカリナあげる! 前にあたしのオカリナの音色が好きだって言ってくれたでしょ?」

リンクル「でも、それじゃサリアは……」

サリア「ううん、オカリナならまた作れるから……」
サリア「オカリナ吹いて、あたしのこと思い出したら、またいつでも戻ってきてね」

リンクル「……うん。大切にするよ」
リンクル「じゃあ……また、ね」

サリア「うん、またね……」

――ハイラル平原

「ホホーゥ! リンクルよ、こちらをご覧」

リンクル「うん?」
リンクル「うわっ、でかっ! フクロウ!?」

ケポラゲボラ「フクロウではない、ケポラゲボラじゃ」
ケポラゲボラ「やっとお前の旅立ちの時がきたようだの」

リンクル「……あたしのこと知ってるの?」

ケポラゲボラ「よぅーく知っているとも」
ケポラゲボラ「デクの樹とも古い友達だよ」

ケポラゲボラ「お前はこの先多くの苦難に出会う」
ケポラゲボラ「それがお前の運命……それを恨んではならん」

ケポラゲボラ「この道を真っ直ぐ行くと、ハイラルの城が見えてくる」
ケポラゲボラ「だが、お前がその小さな身体で歩いて行くには広大な平原じゃ」

ケポラゲボラ「途中で別の道とぶつかる。それは行商の道だから、馬車と出会うであろう」
ケポラゲボラ「心優しい者に出会うことが出来れば、そのまま城下町まで乗せてもらえるかもしれんな」

リンクル「ここにきて運頼み?」

ケポラゲボラ「ホホ、それも旅の醍醐味であろう」
ケポラゲボラ「それではワシは一足先に行くとしよう。待っておるぞ。ホホーッ!」バサバサ

リンクル「……行っちゃった」

ナビィ「行きましょリンクル、この道を真っ直ぐだって!」
ナビィ「きっと良い人の馬車にも会えるよ!」

ガラゴロガラゴロ

リンクル「本当に出会えるとは思わなかったね」

ナビィ「ネー」

「妖精ちゃん、何の準備もなしに平原を越えようなんて無茶だよ」

リンクル「こんなに広いとは思わなかったんだもん」
リンクル「それにしても馬の手綱を持ってるあの人、おっきな人だね。これが大人?」

「とーさんのこと? うん、あれが大人。見たことないの?」

ナビィ「コキリ族はずっと子供の種族だから、大人は見たことないよネ」

「お、そろそろ見えてくるだーよ」
「ハイラル城下町だ」

――ハイラル城下町

リンクル「わぁー、すっごーい! こんなに人が居るんだ!」
リンクル「この地面も、壁も、石かな? 家も石で出来てる!」

ナビィ「大人も子供もいっぱいね! あれはお爺さん? 初めて見るものばっかり!」

リンクル「ん、この匂いは……?」
リンクル「わっ、何これ? 見たことない食べ物がいっぱい!」

ナビィ「どう加工したらこんな風になるんだろう?」
ナビィ「気になるものいっぱいね!」

リンクル「……あ、でもお金持ってないや」

ナビィ「今いくらぐらい持ってたっけ?」

リンクル「10ルピーとちょっと……」

ナビィ「そこのお店の食べ物を少しくらいは買えるかなぁ……」

リンクル「……あっ!」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「予備ボルト、置いてきちゃった……!」

ナビィ「ボルト?」

リンクル「クロスボウの矢。迷いの森とか行く時は予備も持ち出すんだけど、あの時はまさか使うと思わなくて」
リンクル「何本か回収したとはいえ、デクの樹様の中で大分撃っちゃったからなぁ」

ナビィ「……そういえば、デクの樹様のこと終わってから家にも寄らずに出てきたんだもんネ」
ナビィ「あと何本くらいあるの?」

リンクル「あと10本もない……」

ナビィ「ちょっと心許ないわね……」

リンクル「うーん……まぁ、城下町の中なら安全そうだし」

ナビィ「……ほんとにそう思ってる?」

リンクル「なんで?」

ナビィ「左手。平原は仕方ないにしても、城下町入ってからもずっとクロスボウに触ってる」
ナビィ「フードもずっと被ったまんまで、なんだか顔隠してるみたいだヨ?」

リンクル「……ごめん、つい、大きな人が多いから怖くて」

ナビィ「大人を見るのも殆ど初めてだもんね……」

男「そこの可愛いお嬢さん」

リンクル「?」

男「どうだい、少し遊んで行かないかい?」

リンクル「遊んでって言っても……」
リンクル「ごめんなさい、今お金がないの」

男「平気だよ、お金なんて借りればいいし、君は可愛いからきっとすぐに稼いじゃうよ」
男「君みたいな子が好きな人だっていっぱい居るわけだしね……」ボソッ

リンクル「……」

ナビィ「……リンクル、なんだか怪しいヨ」

男「さあ、おいで」

リンクル「いや……」

兵士「おい、そこで何をしてる」

男「げっ!」
男「ななな何もしてやせんよ、ははは……」

兵士「本当だろうな? ここ最近阿漕な商売で女性を騙している輩が居ると聞くぞ」ジロリ

男「そ、そんな人聞きの悪い……」
男「あ、あっしは忙しい身なのでね、もう失礼しますね、へへへ……」スタコラ

兵士「……ったく」
兵士「大丈夫かい? 何もされてないね?」

リンクル「大丈夫……ありがとうございます」

兵士「何事もなくて何よりだ」
兵士「街に慣れない様子だが、君はどこから来たんだ?」

リンクル「コキリの森から」

兵士「コキリの森……そんな遠いところから遥々と」
兵士「城下は人が多くてびっくりしただろう?」

リンクル「はい、まあ……」

兵士「私も平原の方の小さな村の出だ。この街に初めて来た時はそれこそ君みたいに驚いた」
兵士「賑やかで、華やかで、楽しいことも沢山ある」

兵士「だが、覚えておくんだ」
兵士「人が多いと、さっきのような不逞の輩も出てくる」

兵士「我々も目を光らせているが、君自身も十分気をつけるんだよ」
兵士「もし困ったことがあったら、治安警備隊の詰所に来るといい」

兵士「城の衛兵隊と違って人々の困りごとの相談を受けるのも我々治安衛兵の仕事だからね」
兵士「……おっと、喋り過ぎてしまったな。それじゃ、私はもう行くからね。気をつけるんだよ」

リンクル「……」

ナビィ「……良い人だったネ」

リンクル「うん……あれって兵隊さんって言うんだよね?」

ナビィ「そうヨ、あれが兵隊さん」

リンクル「ふーん……」

――ハイラル城

「ねぇねぇ」

リンクル「うん?」
リンクル「あ、馬車に乗せてくれた……マロンだったっけ?」

マロン「うん、マロンだよ」
マロン「とーさんがお城に牛乳届けに入ったまま出てこないんだ……」

リンクル「おじさんが? お城に?」

マロン「うん。妖精ちゃん、お城へ入れる?」

リンクル「分かんないけど……用事があるのは確かだよ」

マロン「じゃ、とーさん探してくれる?」
マロン「とーさん、きっとお城のどこかで寝てるのよ……困った大人よね、フフフ!」

リンクル「ふふっ、そうね」
リンクル「じゃあ、見つけたらすぐ出てくるように伝えてみるね」

マロン「ありがと、よろしくネ」

リンクル「……とは言ったものの」

ナビィ「どうだった?」

リンクル「駄目駄目、門番の兵隊さんは通してくれなさそう」
リンクル「上から見た感じはどう?」

ナビィ「門の向こうも兵隊さんいっぱいよ」
ナビィ「でも見た感じリンクルなら抜けられそうなとこは結構あったかな」

リンクル「じゃ、こっそり入る方向で行こっか」

ナビィ「うん、それがいいかも」

リンクル「うーん、手始めに……そこの蔦上れそうかな」

リンクル「よしっ、ここまで来た」

ナビィ「案外見つからないものネ……」

リンクル「これ城下町の外にもあったけど、この川は何?」

ナビィ「お堀、っていうのよ。これで敵の侵入を防ぐの」

リンクル「ふーん……平和な国でも必要なんだね」
リンクル「お堀とか、兵隊さんとか、戦をする為のものなのに」

ナビィ「そういうものがあるから平和なのかもしれないわ?」

リンクル「そうかな。難しいなぁ……」
リンクル「……ん、あれは……」

「ぐぅー……ぐぉー……」

リンクル「あのおじさんだ! マロンの言う通り、こんなところで寝てるなんて……」

リンクル「城壁の内側へ入れたね」

ナビィ「ここにも兵隊さんがいっぱいよ。気をつけてね」

リンクル「うーん……」
リンクル「なんか、おんなじとこグルグル回ってるだけみたい」

ナビィ「抜けられそう?」

リンクル「簡単そう」

――ハイラル城 中庭

リンクル「ここが最後かな?」
リンクル「……誰か居る」

「!」クルッ
「だ、誰っ? どうやってこんなところまで……」

リンクル「ちょっとね」

ナビィ「思い切り不法侵入だったけどね」

「あら……もしかして、妖精!?」
「それじゃ、あなた……森から来た人なの?」

リンクル「え、あ、うん。そうよ」

「それなら……森の精霊石を持っていませんか?」
「翠色のキラキラした石……」

リンクル「これ?」

「やっぱり!」
「私、夢を見たのです……」

「このハイラルが真っ黒な雲に覆われて、どんどん暗くなっていくのです……」
「その時、一筋の光が森から現れて、雲を切り裂き、大地を照らすと……」

「妖精を連れて、翠に光る石を掲げた人の姿に変わったのです」
「それが夢のお告げ」

「そう、あなたがその夢に現れた森からの使者だ、と……」
「……あ、ごめんなさい!」

「私、夢中になってしまって……まだ名前もお教えしていませんでしたね」
「私はゼルダ。このハイラルの王女……あなたのお名前は?」

リンクル「リンクルよ。よろしくね、ゼルダ姫」

ゼルダ「リンクル……不思議……なんだか懐かしい響き……」
ゼルダ「それでは、リンクル」

ゼルダ「今からこのハイラル王家だけに伝わる聖地の秘密をあなたにお話しします」
ゼルダ「絶対に他の人に言ってはいけませんよ?」

リンクル「言わない……けど、あたしなんかに話していいの?」

ゼルダ「いいのです。だって、あなたは夢のお告げに出てきた森の人……」
ゼルダ「このハイラルの、希望の筈なのですから」

リンクル「ハイラルの、希望……」

『それが、ハイラルに残された……』
『最後の希望だからじゃ……』

リンクル「……うん。分かった」
リンクル「誰にも言わないから、教えて」

ゼルダ「力の神ディン、知恵の神ネール、勇気の神フロルの三大神がハイラルを創造したのはご存知ですか?」

リンクル「うん、知ってる」
リンクル「その後三人の女神様はトライフォースだっけ? それを聖地に残して行ったんだっけ」

ゼルダ「ええ……」
ゼルダ「トライフォースには神の力が宿っています」

ゼルダ「その力とは、トライフォースを手にした者の願いを叶えるものでした」
ゼルダ「心正しき者が願えば、ハイラルは善き世界に変わり……」

リンクル「……悪い人が願えば悪い世界になっちゃう」

ゼルダ「その通りです」
ゼルダ「そこで、古の賢者達は心悪しき者からトライフォースを守る為、時の神殿を造られました」

ゼルダ「そう……時の神殿とは、この地上から聖地へ入る為の入口なのです」
ゼルダ「でも、その入り口は“時の扉”によって閉ざされています」

ゼルダ「そして、その“扉”を開く為には……」
ゼルダ「三つの精霊石を集め、神殿に納めよ……と伝えられているのです」

リンクル「今あたしが持ってるのの他に、まだ二つ精霊石があるってこと?」

ゼルダ「そういうことになりますね」
ゼルダ「更にもう一つ必要なもの……言い伝えと共に王家が守っている宝物……」

ゼルダ「時のオカリナです!」
ゼルダ「いずれも、彼に渡すわけにはいきません……!」

リンクル「彼?」

ゼルダ「私は今、この窓から見張っていたのです」
ゼルダ「あなたも、ほら、ご覧になって」

リンクル「?」

ゼルダ「あの男こそが夢のお告げのもう一つの暗示……」

リンクル「……真っ黒な雲?」スッ

ゼルダ「はい。鋭い目付きの男が見えるでしょう?」
ゼルダ「あれが西の果ての砂漠から来たゲルド族の首領、ガノンドロフ……」

リンクル「……砂漠……あっ」

『ワシに死の呪いをかけたのは、黒き砂漠の民じゃ……』

リンクル「あいつが……黒き砂漠の民……!」

ゼルダ「今はお父様に忠誠を誓っているけれど、きっと嘘に決まっています」
ゼルダ「夢に見た、ハイラルを覆う黒い雲……あの男に違いありません!」

ガノンドロフ「……?」チラッ

リンクル「!」

ゼルダ「どうしました?」

リンクル「……目が合った」

ゼルダ「……構うことはありません!」
ゼルダ「今は私達が何を考えているか、分かりはしないのですから!」

リンクル「ゼルダ姫のお父さんって、王様だよね?」
リンクル「王様には話さなかったの?」

ゼルダ「……お父様にもお話はしました」
ゼルダ「けれど、お父様は私の夢のお告げを信じてくださいませんでした……」

ゼルダ「でも、私には分かるのです!」
ゼルダ「あの男には悪しき心が……黒き野望があると!」

ゼルダ「ガノンドロフの狙いは、恐らく聖地に納められたトライフォースです」
ゼルダ「それを手に入れる為に西の砂漠からやってきたのでしょう」

ゼルダ「このハイラルを手中に収めようと……」
ゼルダ「リンクル……今、ハイラルを守れるのは私達だけなのです!」

リンクル「……うん、分かった」
リンクル「あたしも、あいつには返さないといけない仇があるし」

ゼルダ「……リンクル……」
ゼルダ「……兎に角、絶対にあの男をトライフォースに触れさせてはなりません」

ゼルダ「時のオカリナは私があの男の手に渡らぬよう守っています」
ゼルダ「あなたは、どうかあと二つの精霊石を見つけてください!」

リンクル「うん。じゃ、行ってくるね」

ゼルダ「はい、お気をつけて……」
ゼルダ「と、言いたいところですけど、もう日も傾いてきています」

ゼルダ「今日はここで泊まっていくと良いでしょう」
ゼルダ「私の乳母が部屋まで案内しましょう」

リンクル「あの人?」クルッ

「……」

ゼルダ「え、はい……」
ゼルダ(まるで居ることが分かっていたかのように振り向いたけど、気付いていたの……?)

リンクル「……あ、そうだ」

ゼルダ「?」

リンクル「予備のボルトある?」

ゼルダ「ボルト?」

リンクル「クロスボウの矢。予備置いてきちゃって、あと少ししかないんだ」

ゼルダ「……インパ、用意してあげて」

インパ「承りました。ついてこい」

リンクル「はいな」

インパ「そういえば……」

リンクル「?」

インパ「お前は、クロスボウの他に剣と盾も持っているようだが」

リンクル「一応ね」

インパ「……ふむ」
インパ「左利き、クロスボウの方が得意、近接戦の補助は剣ではなく……足、か?」

リンクル「なっ……」

インパ「お前の動きは見る者が見るとすぐに手を見破られる」
インパ「先程から頻りに左手でクロスボウに触れている仕草はそれがメインであると分かる」

インパ「常に半装填状態で、抜いて弦を引けばすぐに撃てる状態にしていることもな」
インパ「……いや、抜く時に一度押し込むと弦が引かれるようになっているのか。見事な細工だ」

インパ「一方で、剣は同じように左手で抜けるよう背負っているにも関わらず、触れる素振りもない」
インパ「盾もそうだ。どうにも盾を素早く手に取れるようにしている様子はない」

リンクル「……」

インパ「大方、森の中では程度の低い魔物しか相手が居なかったのだろう」
インパ「これからはもっと強力であったり、または知力に優れた魔物とも対峙することになる」

インパ「……お前には少し衝撃的かもしれないが」
インパ「恐らく、人間を相手にすることもあるかもしれないな」

リンクル「……!」

インパ「どうだ、少しばかりだがここで稽古していかないか?」

カァンッ キンッ

インパ「どうした、踏み込みが甘いぞ」ガキンッ

リンクル「っ……わっ!」ドタッ

インパ「盾で防ぐ時は、逆に相手の攻撃に向かって踏み込まねばならん」
インパ「殊に、お前は体が軽いからな。姿勢を崩されやすい」

インパ「これまではその身軽さで勝負をしてきたんだろうが、剣と盾を使う場合はそうもいかないだろう」
インパ「だが、筋は良い。剣の才能は十分だ」

リンクル「……」ムクッ

インパ「その立ち上がる意志も見事なものだな」
インパ「それ、もう一本!」ビュッ

リンクル「!」タンッ

――翌朝

ゼルダ「昨夜はインパに随分絞られていたようですね」

リンクル「ああ、うん……」

ナビィ「剣はからっきしだったもんね、リンクル」
ナビィ「でもこれからは剣も使えるネ!」

ゼルダ「強いでしょう、彼女は」
ゼルダ「私の乳母であり、護衛も兼ねているのです。武術の達人なのですよ」

リンクル「……戦の達人でもあるの?」

ゼルダ「えっ……」
ゼルダ「……そうかも、しれません」

ゼルダ「ハイラル王国が今の形に統一されたのも、ほんの20年とちょっと前の話です」
ゼルダ「その後もいくつか動乱がありましたから、彼女も戦に参加したことがあるのかもしれません」

リンクル「……だから、あんなことを」

ゼルダ「……リンクル、あなたは心優しいのですね」
ゼルダ「これを持って行ってください」

リンクル「手紙?」

ゼルダ「私のサインが入っていますから、大抵の門は通れる筈です」

リンクル「そっか、ありがとね」

ゼルダ「それと、もう一つ……」
ゼルダ「昨夜、インパに歌を教えてもらったでしょう?」

リンクル「ゼルダの子守唄ね」

ゼルダ「あれも、王家に伝わる重要な歌です」
ゼルダ「王家の使者であると証明する為に、きっと役に立ちますよ」

――ハイラル平原

インパ「軍資金だ。100ルピーある」
インパ「よく考えて、大切に使うんだぞ」

ナビィ「水と食料も十分だネ」

リンクル「ボルトももらったし、これで安心ね。ありがとう、インパさん」
リンクル「……でも、なんだか変なボルトだね」

インパ「そのボルトはポイントに返しがついている」
インパ「一度刺さればそうそう抜けはしない。戦の知恵だ」

リンクル「……」

インパ「……勇気ある少女よ」
インパ「我々はこの美しいハイラルを守らねばならない」

インパ「その為に、手を汚さねばならないこともあるだけの話だ」
インパ「あの山を見ろ」

インパ「あれは炎の精霊石があるゴロンの山……デスマウンテンだ」
インパ「デスマウンテンの麓には私の生まれ育った村、カカリコ村がある」

インパ「村人達に話を聞いてからデスマウンテンへ向かうがいい」
インパ「姫はお前がこの城へ戻ってくるのを待っておられる。それでは、頼んだぞ」

ナビィ「リンクル、元気ない?」

リンクル「ちょっとね……」テクテク
リンクル「なんか、変な感じ」

ナビィ「変?」

リンクル「新しいボルトもそうだけど、インパさんと話してると、なんだか……」
リンクル「モヤモヤするの」

ナビィ「モヤモヤ?」

リンクル「ざわざわする、とも言えるかな……」
リンクル「なんだか落ち着かないような……」

リンクル「勿論インパさんが悪い人じゃないのは分かるよ」
リンクル「でも、なんか……嫌な感じ」

ナビィ「……もしかして、戦争の話?」

リンクル「……」
リンクル「……そうかも」

ナビィ「……そっか」
ナビィ(どうしよう……どんな言葉をかけたらいいのか、分かんないヨ……)

 ep.4 ゴロンシティへ


――カカリコ村

リンクル「ここがカカリコ村かぁ……」

ナビィ「日が暮れる前に着いて良かったね」

リンクル「うん。取り敢えず日が落ちる前に今夜の宿を探さないと……」

コッコ「コッコッコッコッコッコ……」

リンクル「なんか、そこらじゅうにコッコが居るね」ヒョイッ

コッコ「コッケコーコケッコケッコケッコケッ」バタバタ

コッコ姉さん「あ、丁度良かった……ねぇねぇ!」

ナビィ「呼ばれてるよ、リンクル」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

リンクル「へ? なんだって?」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

ナビィ「Look! あそこのお姉さん! リンクルのこと呼んでる!」

リンクル「はぁい!?」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

コッコ姉さん「そのコッコ、うちのなんだけど、逃げ出しちゃって、困ってたの」
コッコ姉さん「あたしコッコに触ると鳥肌立っちゃうから、あなたが捕まえてきてくれない?」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

リンクル「なんて!?」

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バタバタ

リンクル「うるさいよ!!」ポイッ

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バサバサバサ

リンクル「ふぅ……」
リンクル「で、なんて?」

コッコ姉さん「あ、えっとね……」
コッコ姉さん「村中にうちのコッコが逃げちゃったから、さっきみたいに捕まえてきてほしいの」

リンクル「んー、分かった。じゃあ村の探索がてら探してみるね」

コッコ姉さん「助かるわ」

リンクル「これで最後かなっと」ポイッ

コッコ「コケッコケッコケッコケッ」バサバサバサ

コッコ姉さん「ありがとう! ほんとに助かったわ!」
コッコ姉さん「あ、これはお礼よ。キラキラしてて綺麗でしょ?」

リンクル「空き瓶……何か色々使えるかな」
リンクル「ありがと、お姉さん」

ナビィ「でも、もうすぐ夜になっちゃうヨ?」
ナビィ「今夜の宿どうするの?」

リンクル「……あーっ!? 決めてなかった!」

コッコ姉さん「あらあら、迂闊ね」
コッコ姉さん「じゃあさ、今夜はうちに泊まっていかない?」

リンクル「いいの?」

コッコ姉さん「コッコ捕まえてくれたでしょ? これもお礼の一つだと思って」

――親方の家

コッコ姉さん「フフフ、美味しい?」

リンクル「ええ、とっても!」モグモグ

親方「どんな小娘連れてきたのかと思や、中々いい食いっぷりの良い娘っ子じゃぁねぇか!」
親方「どうでい、うちの母ちゃんの飯は絶品だろう!?」

リンクル「はい!」

コッコ姉さん「ご飯が終わったら、あたしと一緒にお風呂入ろっか?」

リンクル「え、や、流石にお風呂くらい一人で入れるよ」

コッコ姉さん「そーんなこと言って、髪もボサボサでお肌も手入れなってないじゃない」
コッコ姉さん「駄目よ、その年からそんなんじゃ。可愛い顔してるんだから勿体ないわ」

リンクル「可愛い、って……」

コッコ姉さん「ほらほら、ちゃんと洗えてないじゃない」ゴシゴシ

リンクル「ひゃっ、ちょっと、くすぐったぁい」

コッコ姉さん「女の子の肌はデリケートなんだから、きちんと綺麗にしとかないと駄目よ」ゴシゴシ
コッコ姉さん「ほら、ここも」ニュルッ

リンクル「ひぅっ!?」ビクッ

コッコ姉さん「ここもちゃーんと洗わないとね」ニュルニュル
コッコ姉さん「……リンクルちゃん?」

リンクル「はぅ……そ、そこあんまり触らないでっ……!」

コッコ姉さん「あらま……おませさん」ニュルッ

リンクル「ひゃうっ!?」ビクンッ
リンクル「も、もうーっ! お姉さんサリアみたいなことしないでよ!」

コッコ姉さん「サリア?」

リンクル「森に居た頃の話よ、サリアったら洗いっこするといっつも胸とかお股とかばっかり……」
リンクル「さっきのお姉さんの触り方、その時のサリアみたいだったのよ」

コッコ姉さん「あー……」
コッコ姉さん(幼馴染とかお友達とかに“そういう子”が居ちゃった感じかしら……)

コッコ姉さん(……そういえば)
コッコ姉さん「言われてみればリンクルちゃん、年の割に胸おっきいんじゃない?」ムニッ

リンクル「きゃっ!?」

コッコ姉さん「その子に揉まれておっきくなってきちゃったのかなー?」ムニムニ

リンクル「お、お姉さんほどじゃないでしょ……!」ビクビクッ

コッコ姉さん「でも、成長性はすっごくありそうよねー♪」ムニュムニュ

リンクル「あうぅ……!」

――翌朝

リンクル「食糧と水まで、ありがとうございます」

おばさん「いいのよいいのよ、またいつでも泊まりにおいでね」

コッコ姉さん「またお風呂一緒に入ろーネ!」ツヤツヤ

リンクル「やだよ!」

コッコ姉さん「えー」

親方「何があったのかは知らねぇが……」
親方「嬢ちゃん! あそこがデスマウンテン登山道の門だ!」

親方「兵士が立ってんのが見えるな?」
親方「普通は王の許可がないと入れない危険な山だってこった」

リンクル「……」ゴクッ

親方「お前さんがどうやってあの門を通るのか知らねぇが」
親方「それなりの覚悟はしてったがいいだろう」

親方「ただまぁ……これは俺っちの勘だが」
親方「お前さんなら大概どうにでもなる気がするよ」ニカッ

リンクル「……!」
リンクル「うんっ! ありがとうっ!」

――デスマウンテン登山道

ナビィ「兵隊さんにはゼルダの新しい遊びだと思われちゃったね」

リンクル「まぁいいよ、通れたんだし」
リンクル「それにしても見慣れない魔物だね」バシュッ

赤テクタイト「ピギィッ」

ナビィ「さらっと殺したけど矢大丈夫?」

リンクル「大丈夫大丈夫」
リンクル「森から持ってきたボルトはちょっと貴重だから回収しないとだけどね」ズボッ

ナビィ「森から持ってきたのは節約したいんだ」
ナビィ「うわぁ……なんか変な色の体液ついてるヨ……」

リンクル「まだ使えるでしょ」ブンブン
リンクル「ほら落ちた。まだ使えるよ」

ゴロゴロゴロゴロ

リンクル「おっと、岩が……」
リンクル「……あれ? 止まった?」

「こんなとこにお客さんゴロ?」ムクッ

リンクル「きゃっ!? ななな何!?」

「何とは失礼ゴロ」
「オラはゴロン族ゴロ。知らねぇゴロ?」

リンクル「は、初めて見た……」

ゴロン「こっちとしても、ニンゲンの、しかも子供がくるなんて珍しいゴロ」
ゴロン「この先にオラ達ゴロン族の街ゴロンシティがあるけど、子供が来ちゃ危ないゴロよ」

リンクル「そうは言っても、炎の精霊石探さないといけないのよ」
リンクル「ゴロン族が持ってるんでしょ?」

ゴロン「んー……もしかしたら、ダルニアのアニキが持ってるアレのことゴロ?」

リンクル「アレ?」

――ゴロンシティ

ダルニア「何ィ? 炎の精霊石がほしいだァ?」

リンクル「えぇ。ハイラルを救うのに必要なんですって」

ダルニア「誰が言ったんだそんなこと」

リンクル「……ハイラル王家の人よ」

ダルニア「けっ、王家の使者がガキんちょとは舐められたもんだ!」
ダルニア「もう完全にへそ曲げたからな! 話なんぞしねぇぞ、帰れ帰れ!」

リンクル「むぅ」

ナビィ「けんもほろろ、とはまさにこのことね」

リンクル「それにしたって、ダルニアさんに限らず、なんだかみんな気が立ってるように見えるよ」

ゴロン「あ、分かるゴロ?」

リンクル「何か原因が?」

ゴロン「オラ達は岩を喰う種族ゴロ」
ゴロン「でも最近はドドンゴの洞窟に住む古代龍が暴れ出して、良質な岩が食べられなくなったゴロ」

ナビィ「空腹でイラついてる、ってわけネ……」

リンクル「取り敢えず話だけでも出来る状態にならないとなぁ……」

リンクル「どうしたもんかなぁ」スッ

ナビィ「オカリナ?」

リンクル「なんとなく、コキリの森のみんなはどうしてるのかなって思ってさ」

♪♪♪~♪♪♪~……

ナビィ「なんだか、聞き覚えのあるような……」

リンクル「サリアがよく吹いてた曲よ」
リンクル「ちゃんと教えてもらったわけじゃないから、少ししか吹けないけどね」

ゴロン「あ、その曲知ってるゴロ」

リンクル「知ってるの?」

ゴロン「そこの道の先のゲートからよく聞こえる曲で、アニキのお気に入りゴロ」
ゴロン「こっちゴロ」

ゴロン「このゲートは森に繋がってるらしいゴロ」
ゴロン「長いこと岩で塞がってるけどね」

リンクル「なんだか……懐かしい空気」

ナビィ「ちょっと見てくるね」

リンクル「こういう時小さな身体で飛べるって便利だなぁ」

ナビィ「ホントだ、森に繋がってるヨ!」

リンクル「これ退かせる?」

ゴロン「んー、普段なら出来ないことはないけど、お腹が空いててちょっと無理かもゴロ」

リンクル「そっか……」

ゴロン「あ、そうだゴロ」

リンクル「?」

ゴロン「離れてるゴロ」

リンクル「うん」

ドカーン

リンクル「きゃっ!?」
ナビィ「ぴぃっ!?」

ゴロン「これで開いたゴロ」

リンクル「い、今のは……?」

ゴロン「ゴロンシティ名産の爆弾だゴロ」
ゴロン「さ、道も開いたし行ってくるゴロ」

ナビィ「随分協力的なのね」

ゴロン「オラ達としても早いとこダルニアのアニキには機嫌直してほしいからね……」

リンクル「じゃ、サリアに教えてもらえないか聞いてくるね」

――迷いの森

リンクル「へぇ、こんなとこに繋がってたんだ……」

ナビィ「道分かる?」

リンクル「ここから森の聖域へは微妙……だけど、今回はツイてる」

ナビィ「どうして?」

リンクル「耳を澄ましてみて」

……♪♪~……♪♪♪~……

ナビィ「……あっ! この曲!」

リンクル「森の妖精達がサリアの奏でる音を運んできてくれるわ」
リンクル「さ、行きましょ!」

――森の聖域

ウルフォス「アオオーン!」

リンクル「はいはい」バシュッ

ウルフォス「キャイン!」

オコリナッツ「ピッ!」ベッ

リンクル「ほい」

デクの盾「フハハ、ソンナモノカ」ゴンッ

オコリナッツ「ピピィッ!」

リンクル「ったく、ここは相変わらずね」
リンクル「サリア、大丈夫かしら?」

ナビィ「手慣れたものね……」

リンクル「いっつもだからね」

リンクル「サーリアっ?」

サリア「待ってたヨ、リンクル」
サリア「ちょっと久しぶりだけど、迷わずに来れたんだ?」

リンクル「慣れてるし、何よりサリアの歌が聞こえたからね」

サリア「そっか、嬉しい」
サリア「ここでオカリナ吹くと妖精達とお話出来るのよ。一緒に吹いてみる?」

リンクル「うん。いつものあの曲、今教えてほしいな」

サリア「じゃあ、サリアの真似して吹いてみてね」

♪♪♪~ ♪♪♪~

♪♪♪~ ♪♪♪~

♪♪♪~……
♪♪♪~……


サリア「上手い、上手い!」
サリア「この曲、忘れないで」

サリア「あたしの声、聞きたくなったらこの曲吹いてネ……」
サリア「いつでもお話出来るから、ね……」

――ゴロンシティ ダルニアの家

ダルニア「なんだ、またおめえか」
ダルニア「話はしねぇって言ってるだろ」

リンクル「まぁまぁ、これでも聞いてよ」

♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪~
♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪~

ダルニア「おっ、おっ、おおっ!」
ダルニア「きた、きた、きたーっ!」

ナビィ「えっ、踊り出し……」

ダルニア「アツい!」
ダルニア「このアツいビート!」

ナビィ「……」

ダルニア「ウオォー!」
ダルニア「イエイ!」

ナビィ「えぇ……」

ダルニア「キャッホーッ!」
ダルニア「イエアアアアアアアッ!」

ダルニア「うーん、イイ曲だぁーっ!」
ダルニア「沈んだ気分もすっきり、踊りまくっちまうぜぇー!」

ダルニア「ふぅ……」
ダルニア「それで、結局のところおめえの話はなんなんだ?」

ダルニア「おめえも炎の精霊石がほしいってんだろ?」
ダルニア「いくら何でも炎の精霊石は簡単にはくれてやれねぇぜ?」

リンクル「あたし達“も”?」

ダルニア「おうよ、この前も同じことを言う奴がやってきたんで追い返したんだよ」
ダルニア「そしたらよ、その野郎ドドンゴの洞窟のドドンゴ共を凶暴化させやがった」

ダルニア「どーしても、ってんなら、おめえがそのドドンゴ共を何とかしてきてくれよ」
ダルニア「そうすりゃ俺達もみんな幸せ! 炎の精霊石もくれてやろうってもんだ」

リンクル「……分かった。ドドンゴの洞窟まで案内して」

ゴロン「ここだゴロ」

リンクル「ここって……」
リンクル「来る途中で見かけた岩だけど」

ゴロン「危ないから岩で入口を封鎖してるんだゴロ」
ゴロン「そこの花を摘んでみるゴロ」

リンクル「これ?」ブチ

ゴロン「ほら、早くあの岩に向かって投げるゴロ」

リンクル「こ、こう?」ポイッ

ボテッボテッ

ゴロン「あんまり飛ばないゴロね……伏せといたがいいかもしれないゴロ」

リンクル「?」

ドカーン

リンクル「きゃっ!?」
ナビィ「ぴぃっ!?」

ゴロン「お、開いた開いた」
ゴロン「さっきのはデスマウンテン名物爆弾花ゴロ。きっと役に立つから覚えとくゴロよ」

リンクル「爆発する花かぁ……」

ゴロン「爆弾花以外でも、ゴロンシティで見せた爆弾を持ち歩ける道具もあるゴロ」
ゴロン「ハイリア人も戦争の時にはカタパルトで飛ばしたり矢に仕込んだりして使ってたゴロよ」

リンクル「……そう」

ナビィ「じゃ、行きましょ」

リンクル「……うん」

ゴロン「気をつけるゴロー!」

取り敢えず一旦ここまで
>>26の言う通り、大体は時のオカリナ本編をなぞっていくよ
ちょくちょく他のゼルダ作品のネタも挟んでいくけど

時のオカリナやってて思ったけどあれのちょっと前くらいの時代のハイラルって結構な侵略王朝だよね
ていうかゲーム本編中の時代も結構覇権主義的な面が見え隠れしないでもない

初見でダルニアのダンス見た時は笑ったよね
VCしかやったことなかったんだけど、3DS版の動画見てたら動きが無駄に滑らかになってて更に笑った
無双ではとうとう空飛んでクソ笑った


更新します

 ep.5 炎の精霊石


――ドドンゴの洞窟

リンクル「入る時に中からむわっと熱気が来たのが分かったんだけど……」
リンクル「こりゃ暑いわけだわ」

ナビィ「Listen! 気をつけてリンクル、下の方にマグマが溜まってるみたい」
ナビィ「あんなとこに落ちたら死んじゃうヨ」

リンクル「分かってる。にしたってあっついなぁ……」

ボコボコボコ

リンクル「うん?」

ベビードドンゴ「キシャアアアアッ」

リンクル「うわっ!? なんだこれ!?」
リンクル「こっち来ないでよ!」バシュッ

ベビードドンゴ「ギャアアッ」バタッ

リンクル「死んだ……?」

ナビィ「……気をつけてリンクル!」

リンクル「……!」バッ

ドカーン

リンクル「あ、あれ死んでたんだよね……?」

ナビィ「死んでたヨ……」
ナビィ「多分あれがドドンゴ……死ぬと爆発するみたいね」

リンクル「まさか死体が爆発するなんて……心臓に悪い生物……」

リンクル「この部屋は……」

ガコーン

リンクル「!」
リンクル「扉が……何か来る!」

リザルフォス「ヒャッハーオンナノコダー!」

リンクル「何あの魔物……剣持ってる!?」バシュッ

リザルフォス「オオット」バッ

リンクル「ちっ、一筋縄じゃいかないみたいね!」バシュッ バシュッ

リザルフォス「ヘイヘイアタラネエゼ」ヒョイヒョイッ

リンクル「ああ、もう!」
リンクル「これでも喰らえ!」パァン

リザルフォス「ギアアアッメガッメガァーッ!」ジタバタ

ナビィ「デクの実ね!」

リンクル「さぁ、何発欲しい! このボルトは簡単には抜けないよ!」バシュッ バシュッ

リザルフォス「ギャッ! ギャアアッイテェッイテェーッ!」
リザルフォス「ナ、ナンダコノヤハ!?」

リンクル「返しのついたボルトってのも案外悪くないわね」バシュッ バシュッ

リザルフォス「グアッ、ギャッ! ウググ、イテェー!」
リザルフォス「チ、チクショーッ! センシュコウタイダ!」バッ バッ

リザルフォスB「ヨクモナカマヲヤッテクレタナ!」

ナビィ「もう一体居るヨ!」

リンクル「同じことよ!」

リザルフォスB「オナジテヲクラウホドマヌケデハナイワ!」

リンクル「デクの実!」パァン

リザルフォスB「ヨソウシテタゼ!」

リンクル「予想はしててもクロスボウはかわせないと」バシュッ

リザルフォスB「グアッ! イ、イテェ! ナンテエゲツネェヤヲツカイヤガル!」
リザルフォスB「シ、シマッタ! アシガ! ウデモヤラレタカ!」ジタバタ

リンクル「さて」シャキンッ

リザルフォスB「マ、マテ、ハナセバワカル! セメテハナシアイヲ……」
リザルフォスB「ギャアアアアアアアッ!!」

リンクル「流石にボルトが勿体ないからね」ザシュッ ザシュッ

リンクル「ナビィ、首切り離したら魔物でも死んじゃうよね、多分」

ナビィ「え、あ、うん、た、多分……」

リザルフォスB「タ、タスケ……!」

リンクル「やっぱり魔物って大した生命力だよね……」ザシュッ

リザルフォスB「」ボトッ

リンクル「よし、これでいいかな?」

ナビィ「そ、そうね……」
ナビィ「……あっ! ゆ、油断しないでリンクル! もう一体居るよ!」

リンクル「うん、分かってる」

リザルフォス「ヒエッ……」

リザルフォス「」

リンクル「この部屋はなんだろう?」

ナビィ「……」

リンクル「ナビィ?」

ナビィ「……あ、ゴメンネ! ちょっと考え事!」

リンクル「そう? 何かあったら言ってよ?」
リンクル「それで、この部屋はなんだろ?」

ナビィ「うーん……何かしら」
ナビィ「爆弾花がいっぱい生えてるけど……」

リンクル「起爆してみる?」

ナビィ「うん、何か分かるかもね」

リンクル「じゃあ、一個引っこ抜いてっと……」

ドカーン ドカーンドカーン ドカーンドカーンドカーン……


ナビィ「すごーい! 階段が下りてきたよ!」

リンクル「これで上に行けそうね!」

リンクル「何これ?」

ナビィ「ボム袋、ね」
ナビィ「爆弾を入れておけるみたい」

リンクル「へぇ……」
リンクル「……」

ナビィ「何してるの?」

リンクル「いや、爆弾をクロスボウで飛ばせないかなって……」
リンクル「これなら遠くまで飛びそうだし」

ナビィ「あー、洞窟前でのこと気にしてるの?」

リンクル「……ちょっとね」

リンクル「ここが一番奥かな……?」

ズシンッ ズシンッ

リンクル「……」
リンクル「……こいつが」

猛炎古代竜 キングドドンゴ

キングドドンゴ「グオオオオオオッ!」

リンクル「で、でかぁい……!」

ナビィ「クロスボウや剣じゃ歯が立たないヨ!」

リンクル「と、兎に角一旦距離を置こう……!」

キングドドンゴ「グルルゥ……!」グルンッ ゴロゴロゴロ

リンクル「うわぁー!? 転がってくるなんて!?」バッ

ズシーン

リンクル「……あれ?」

ナビィ「壁に激突したみたい……」

リンクル「……そっか、あんまり頭は良くないんだ」
リンクル「よーし……!」

キングドドンゴ「ギシャアアアアッ」ゴオオッ

リンクル「うわぁ! 火まで噴くの!?」

キングドドンゴ「グオオオオッ!」

ナビィ「また転がってくるよ!」

リンクル「おっと!」ポイッ

ゴロゴロゴロ ドカーン

リンクル「効いて……ないね」

ナビィ「駄目! 外皮が硬過ぎて爆弾も通らないみたい!」

リンクル「やっぱり外側は駄目か……」
リンクル「それなら……!」

キングドドンゴ「グゥゥゥ……!」

リンクル「大口開けた!」
リンクル「これでも食べてな! 爆弾ボルト!」バシュッ

キングドドンゴ「!?」バクンッ

ナビィ「上手い!」

ドカーン

キングドドンゴ「グオオオオオオオオオオオ!!」

ズズーン……

ナビィ「やった!」

――ドドンゴの洞窟前

リンクル「残ったドドンゴも粗方掃討したし、これでゴロン達も満足でしょ」

ナビィ「そうだネ……」

リンクル「……どうしたのナビィ? やっぱりなんだか元気ない?」

ナビィ「平気だヨ……大丈夫。暑かったから、ちょっとだるいだけ」
ナビィ(相棒が魔物とはいえ大虐殺してる様子なんか見てて明るい気分にはなれないヨ……)ゲンナリ

リンクル「……?」

ナビィ「ていうか、爆弾ボルト? っていうの? あんなのいつの間に作ったの?」

リンクル「ボム袋手に入れてからすぐ、歩きながら」
リンクル「結構簡単な仕組みだよ?」

ナビィ「そ、そう……」
ナビィ(本人は気分悪くなるくらい嫌ってるみたいだけど、やっぱりこの子、戦の類の才能があるんじゃ……)

ヒュルルルー
ドシーン

リンクル「うわっ!?」

ダルニア「俺だゴロ! ダルニアだゴロ! よくやったゴロ!」ナデナデ

リンクル「痛い痛い!」

ダルニア「これでまた美味い岩が腹いっぱい食えるゴロ!」
ダルニア「おめえのお陰だ!」

リンクル「ど、どういたしまして……」

ダルニア「しかしおめえは良い奴だな」
ダルニア「あのガノンなんとかいうゲルド野郎とは大違いだ!」

リンクル「……ガノンドロフがここにも?」

ダルニア「おうよ。言わなかったっけか?」
ダルニア「おめえの前にも精霊石を寄越せと言ってきて、ドドンゴ共を凶暴化させた野郎だ」

リンクル「あいつ……! こんなところでも……!」

ダルニア「……どうやらあの野郎は他所でも何かしでかしてるようだな」
ダルニア「それに引き換えおめえは危険を顧みず俺達の為にここまで……」

ダルニア「おめえが気に入ったゴロ!」
ダルニア「今日からおめえは俺達のキョーダイだ!」

リンクル「あ、ありがとう……?」

ダルニア「さ、約束は約束だ! これを受け取ってくれ!」
ダルニア「ゴロンのルビーだ!」

リンクル「これが炎の精霊石……!」
リンクル「ありがとう、ダルニアさん!」

ダルニア「おいおい、キョーダイなんだから“さん”だなんて水臭ぇぜ!」
ダルニア「気軽に“アニキ”とでも呼んでくれゴロ!」

リンクル「あ、アニキ……?」

ダルニア「おう!」
ダルニア「おめえはこれからも目的の為に旅を続けるんだろ?」

リンクル「うん」

ダルニア「それじゃ、デスマウンテンの頂上の妖精様に会ってみな!」
ダルニア「きっとおめえの力になってくれるゴロ!」

リンクル「頂上……」
リンクル「うん、分かった! 何から何までありがとね!」

ダルニア「おうよ! よーしおめえら! キョーダイをお見送りしろい!」

ゴロン「よくやったゴロ!」ブンブン

ゴロン「オラ達はキョーダイだゴロ!」ブンブン

リンクル「うん! また来るからねー!」フリフリ

――デスマウンテン 頂上

リンクル「こ、ここが……頂上……!」

ナビィ「す、すごい道のりだったネ……」

リンクル「あー……ちょっと休憩ー!」
リンクル「水が美味しいー!」ゴクゴク

ナビィ「あんまり飲み過ぎないようにね」
ナビィ「で、そこが目的地かしら?」

リンクル「みたいだね」
リンクル「たのもー!」

――大妖精の泉

「オーッホッホッホッホ!」

リンクル(うわぁ……)
リンクル「あなたが妖精様?」

ナビィ「大妖精様だヨ! 失礼のないようにしなくちゃ!」

力の大妖精「ようこそリンクル……私は力の大妖精」
力の大妖精「あなたに一つ、剣の技を授けてあげる」

リンクル「剣の技……ですか?」

力の大妖精「あなたは魔法の才能に優れているわ。引き出し方を知らないだけ」

リンクル「あたしが? 魔法の才能に?」

力の大妖精「ええ。あなたからはとっても高い魔力を感じる」
力の大妖精「技を教える前に、少し魔力の引き出し方を教えてあげるわね」

力の大妖精「ウッフフ、やはりあなたの魔法の才能は素晴らしいものがあるわ」
力の大妖精「さ、それじゃさっき教えた通りに技を見せてご覧なさい」

リンクル「は、はい……!」
リンクル「はぁー……せやぁっ!」ブゥン

力の大妖精「見事な大回転切りね」
力の大妖精「よくぞこの秘技を身につけたわ。魔法だけでなく、剣の才能もある」

リンクル「……剣の、才能」

力の大妖精「勇気と才能ある少女よ」
力の大妖精「各地に居る私の仲間を訪ねなさい。新たな力を授けてくれるわ」

リンクル「……ありがとう、ございました」

力の大妖精「……あ、そうそう。それともう一つ」
力の大妖精「右手でもクロスボウを使えるのなら、クロスボウは今後右手で構えるようにした方がいいわ」

力の大妖精「左手だけじゃ剣とクロスボウの切り替えに時間がかかっちゃうでしょ?」
力の大妖精「じゃ、頑張ってね! オーッホッホッホッホ!」

――デスマウンテン 頂上

ナビィ「大妖精様にあんなに褒めてもらっちゃうなんて、凄いじゃない!」

リンクル「……うん」

ナビィ「……なんだか、嬉しくなさそうだネ」

リンクル「……」
リンクル「……これまであたしってさ、自分は武器なんてクロスボウくらいしか使えないと思ってたんだ」

リンクル「これ以外にないって思ってた。剣と盾も、持ってるだけで使えやしないって思ってた」
リンクル「でも……森から出てきて、急にお前は剣の才能があるなんて言われて……」

リンクル「ここに来て、今度は魔法の才能があるなんて言われて……」
リンクル「……あたし、こんな才能欲しいわけじゃなかったのに……」

リンクル「ねぇ、ナビィ。才能って何だろう?」
リンクル「森ではみんな剣なんてまともに使えなかったし、ましてや魔法なんて……なんであたしだけ?」

リンクル「あたしは一体何者なの? どこから来たの?」
リンクル「考えたくないのに、考えちゃうよ……」

ナビィ「……ゴメンネ、ナビィも分かんないや……」
ナビィ「でも、リンクルはリンクルだヨ。他の誰でもない、ただ一人のあたしの相棒だヨ」

リンクル「ナビィ……」

「ホホーゥ、悩んでおるようじゃな」

リンクル「……ケポラゲボラ」

ケポラゲボラ「大妖精のところはどうじゃった? 何か発見があったかな?」
ケポラゲボラ「まだまだハイラルの運命を預かる者には見えぬがのぉ……」

ケポラゲボラ「世界は広い。広い空から広い大地を見渡せば、お前は実にちっぽけなもんじゃ」
ケポラゲボラ「だが、その広い世界を変える力は誰にでもある。それが小さいか大きいかの違いはあるがの」

ケポラゲボラ「お前は偶々その力が大きかっただけじゃ」
ケポラゲボラ「いつかそのことが分かる時が来るじゃろうが、それまで大いに悩むのも良かろう」

リンクル「……」

ケポラゲボラ「下界まで行くのなら力を貸そう」
ケポラゲボラ「近くへ来て足に掴まりなさい。そうすればそのまま飛んで行ってあげよう」

――カカリコ村

ケポラゲボラ「ホホーッ」バサバサバサ……

リンクル「ありがとねー!」
リンクル「……さて、と」

ナビィ「リンクル……頂上の話だけど……」

リンクル「……ああ、うん」
リンクル「もう、いいの。暫く忘れようかなって」

ナビィ「それでいいの?」

リンクル「うん。あたし一人で悩んでたって、ハイラルの危機は勝手にやってきちゃうんでしょ?」
リンクル「それなら、先にそっちを何とかしなきゃ。あたしのことは後でいくらでも悩めるよ」

リンクル「それに、ケポラゲボラも言ってたでしょ?」
リンクル「いつか分かる時が来る、って」

ナビィ「……そっか。そう、ネ……」
ナビィ(でも……それって、いつのことになるのかしら……?)

取り敢えずここまで

時の勇者ってあれ絶対病むと思うんだ
ていうか病ませたい
リンクルちゃん病ませたい

思いついた時につらつら書いてるから今後リンクルがどんな風に病んでくのかとか、その心の隙をガノンドロフに付け入られるのかとか、そもそもリンクルが病んでく方向になるのかとかは色々未定
それはそうと、ハイラル史は時のオカリナで三つに分岐するわけだけど、みんなは時の勇者が魔王に勝利してハイラルは平和になるけど数百年後に魔王復活してハイラルは海の底に沈められちゃう幸せか不幸かよく分からないルートと、時の勇者が敗北して賢者達がなんとか魔王を闇の世界へ追放してハイラルは平和になるけど勇者は死んじゃってる文字通り死亡ルートと、魔王に勝利した時の勇者は本来居るべき時代に帰されて一緒に旅した妖精とも別れて勇者なのに勇者として伝説になることすら叶わず余生を過ごす行き地獄ルート、どれが一番好き?


更新します

 ep.6 精霊石を求めて


――ハイラル平原

ガラガラガラガラ

リンクル「取り敢えず次の目的地を聞きたくて城下町前まで来たはいいけど……」

ナビィ「日没に間に合わなかったネ……」
ナビィ「どうする? 夜の平原で野宿は危険だと思うけど……」

リンクル「近くに泊まれるとことかないか探してみよっか」

ナビィ「一応平原にも人の家はあるんだもんね」

……♪♪~……♪♪……

リンクル「……?」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「何か聞こえない?」

ナビィ「……言われてみれば」

リンクル「こっちかな?」

ナビィ「森の時といい、耳がいいのね、リンクルって……」

――ロンロン牧場

リンクル「ここかしら……」

ナビィ「誰のお家だろう? 動物がいっぱいみたい」

リンクル「奥の広場で歌ってるみたいだよ」

ナビィ「よく場所まで分かるネ……」

「♪♪♪~……あら?」
「こないだの妖精ちゃんじゃない! 久しぶり!」

リンクル「久しぶりって程かな……まぁいいや、久しぶり、マロン」

マロン「あの時はとーさん見つけてくれてありがとね」
マロン「とーさんったらあの後すぐ大慌てで帰ってきたのよ、フフフ!」

リンクル「そっか、良かった」クスクス

「フーッ……ブルル」

マロン「あ、紹介するね! この子はあたしの友達のエポナよ!」

リンクル「この馬?」

マロン「うん! 可愛いでしょ!」

エポナ「ブルルッ」パカッパカッ

リンクル「あ……」

マロン「あら……エポナ、妖精ちゃんのこと、怖がってるみたい」

リンクル「むぅ」

マロン「……そうだわ! さっき歌ってたんだけど、エポナはマロンのおかーさんが作った歌が大好きなの」
マロン「妖精ちゃん可愛いオカリナ持ってたよね? 折角だから、あたしの後に続いて吹いてみてよ」

リンクル「あ、うん」

♪♪♪~ ♪♪♪~ ♪♪♪ ♪♪~


エポナ「ヒヒィーン!」パカラッパカラッ

リンクル「わわっ」
リンクル「あん、こら、くすぐったいよ」

マロン「フフ、エポナったら、妖精ちゃんのことすっかり気に入ったみたい!」
マロン「あ、そうだ! 妖精ちゃんはご飯もう食べた?」

マロン「どんどん食べてね!」

リンクル「ありがとうね、泊めてもらうことになっちゃって」

タロン「気にすることないだーよ」
タロン「いつぞやは城で迷惑かけたからな」

リンクル「いやぁ、気にするほどのことでは……」

マロン「フフフ、とーさんの癖にはいっつも困っちゃうのよ!」

タロン「わ、悪いとは思ってるだーよ」
タロン「……こんなにマロンが楽しそうなのは久しぶりだーよ」

ナビィ「そうなの?」

インゴー「この牧場は観光地でもあるとはいえ、お嬢さんと年の近い子供なんて滅多に来ねぇからな」
インゴー「殊に年の近い女の子だ。きっと良い友達になれる」

リンクル「……あちこち擦り剥いてる」ゴシゴシ

マロン「妖精ちゃん、入るよー?」ガチャッ

リンクル「えっ?」

マロン「洗いっこしよーよ!」

リンクル「え、えー……ちょっと、それは、遠慮したいかなー、って……」

マロン「えー、なんで?」
マロン「あたしとお風呂一緒するの嫌?」ジワッ

リンクル「あ、いや、別に嫌じゃないけど! その……!」

マロン「良かった! じゃあまずマロンが洗ったげるね!」

リンクル「ちょっ……!」

リンクル「あーうー……」チャプン

マロン「フフフ、妖精ちゃんたら発育イイのね!」ツヤツヤ

リンクル「何の話よ……」
リンクル「カカリコ村のお姉さんといい、サリアといい……もう……」

マロン「えへへ、妖精ちゃんのことは何でも気になっちゃうのヨ」
マロン「それっ」バシャッ

リンクル「きゃっ!」
リンクル「やったなー!」バシャッ

マロン「きゃんっ、お返しよ!」バシャッ

バシャバシャ

ナビィ「こうして見ると仲の良い姉妹みたいねぇ……」

リンクル「あっ……ちょっと、やだ、またそんなとこ触んないでよっ!」

ナビィ(……撤回しようかな)

――翌朝

マロン「もう行っちゃうの?」

リンクル「うん。一旦お城の方へ行って、次の目的地を決めなきゃね」

マロン「そっか……また来てくれる?」

リンクル「また来るよ」

マロン「絶対だよ?」

リンクル「うん」

タロン「マロン、あんまりこの子を困らせるなーよ」
タロン「お嬢ちゃん、これを持っていくだーよ」

リンクル「何これ? 瓶?」

タロン「ロンロン牛乳だ。栄養満点、滋養強壮、飲んだら元気いっぱいだーよ」

リンクル「ありがとう、おじさん」
リンクル「じゃ、行こ、ナビィ」

ナビィ「うん!」

マロン「絶対また来てねー!」フリフリ

リンクル「はーい!」フリフリ

――ハイラル城

ゼルダ「炎の精霊石を手に入れたのですね!」

リンクル「うん。これで残るは一つだね」

ゼルダ「はい。残る一つは水の精霊石……ゾーラ族が守っている筈です」
ゼルダ「ゾーラ川沿いを上り、ゾーラの里へ向かってください」

リンクル「分かった、行ってみるよ」
リンクル「ありがとね」

ゼルダ「いいえ……」

リンクル「……そうだ。次来る時は普通に入れるようにしといてほしいな……」
リンクル「流石に毎回こんな風に忍び込むのはちょっと……」

ゼルダ「あ、ご、ごめんなさい!」

――大妖精の泉

リンクル「こんなところに大妖精様の泉があるなんてねー」
リンクル「ハイラル城の兵隊さん達は気付いてないのかな」

魔法の大妖精「フフフ、どうかしらね」
魔法の大妖精「私はあなたに魔法のアイテムを授けてあげるわ」

魔法の大妖精「これを使えば、簡単に魔法を放つことが出来るの」
魔法の大妖精「さあ、受け取って」

リンクル「ありがとうございます」
リンクル「炎……の結晶?」

魔法の大妖精「それはディンの炎。その結晶を手に持って念じると、魔力を消費して火を放つことが出来るわ」
魔法の大妖精「出したい炎の大きさや方向をイメージして、念じてみて」

リンクル「はい」
リンクル(出来るだけ小さく……指先くらいの大きさでいいや。真上に……)

リンクル「おっ」ヒュボッ
リンクル「成程、こりゃ便利だわ」

魔法の大妖精「フフ、それだけじゃないのよ?」
魔法の大妖精「さっきみたいに念じながら、大きく振ってみて?」

リンクル「こう……?」ブンッ

ドヒュンッ

リンクル「おおっ!?」

魔法の大妖精「そうやって振ることで、周囲に炎を放つ攻撃魔法にもなるわ」
魔法の大妖精「これから先、きっと役に立つから使ってみてね」

――ゾーラ川

リンクル「夜になっちゃった……」
リンクル「しかしこの川もまた結構長くて険しそうだなぁ。牛乳美味しい」ゴクゴク

ナビィ「道中何が出るかも分かんないしネ。ちょっとだけ頂戴」
ナビィ「……リンクル! そこの水辺、何か居るよ!」

リンクル「早速か!」

オクタロック「ドーモ、タビビト=サン」ベッ

リンクル「うわ! 岩吐いてきた!」

デクの盾「イヤーッ!」バコッ

オクタロック「グワーッ!」ザブンッ

リンクル「……あ、対応はデクナッツと同じでいいのね」

――ゾーラの里

リンクル「ああー……やっと着いたぁー……」

ナビィ「ほんとに長い川だったネ……」

リンクル「取り敢えず今夜の宿探して、精霊石のことは明日にしよー……」
リンクル「それにしても、ここ変わってるね」

リンクル「陸地より水面の方が大きいなんて、すごくない?」
リンクル「壁とかキラキラしてて綺麗だけど、これほんとに普通の岩なのかな」

ナビィ「どうだろう……水が綺麗だから、それに反射してるようにも見えるけど」

リンクル「森とはまた違う感じで空気が澄んでるから、なんだか過ごしやすそうだなぁ」

ゾーラ「ハイリア人のお客さんとは珍しいね」
ゾーラ「潜水ゲームやってかないかい?」

リンクル「コキリ族だよ」
リンクル「潜水ゲーム?」

ゾーラ「中々イイ潜りっぷりだ!」
ゾーラ「君にはこれをあげよう」

リンクル「これは……?」

ゾーラ「俺達ゾーラ族の鱗さ。特殊な魔力が宿っていて、これがあればゾーラ以外でも長く水中で活動が出来る」
ゾーラ「君なら……髪飾りかな? ちょっとあっち向いてごらん」

リンクル「うん」

ゾーラ「しかしコキリ族ってのは初めて見たけど、姿形はハイリア人の子供と変わらないんだな」

リンクル「まぁね。でも、ハイリア人と違って大人は居ないの」

ゾーラ「大人が居ない? へぇー……」
ゾーラ「ほら、出来た。試しに潜っておいで」

リンクル「ん、ありがとう」

――翌朝

ナビィ「おはよう、お寝坊さん」

リンクル「ごめーん……泳ぐのって地上歩くより疲れちゃって……」

ナビィ「ううん、ゆっくり休むことが出来たのなら良かったワ」
ナビィ「で、昨日の夕方何見つけたって?」

リンクル「ああ、あれね」
リンクル「確かこの辺だった筈……」ザブン

リンクル「……」ゴボゴボ
リンクル「(あった!)」ゴボゴボ

ナビィ「(……水路? どこに繋がってるのかしら……?)」

――ハイリア湖

リンクル「ぶはっ!」ザバッ
リンクル「……ここは……?」

ナビィ「わぁー、おっきい……」
ナビィ「湖、ってやつよ、多分!」

リンクル「へぇ……おっきな池だとは思ったけど」
リンクル「これが湖かぁ……」ザブザブ

リンクル「……ん?」
リンクル「なんだろ、あれ」ザブン

ナビィ「?」

リンクル「ぷあっ」ザバッ
リンクル「ナビィ、こんなの拾ったよ」

ナビィ「空き瓶……?」
ナビィ「いや、何か入ってるわね。何かしら?」

リンクル「手紙……かな? 陸に上がったら見てみよっか」ザブザブ


『たすけてたもれ!
 わらわはジャブジャブさまのお腹の中でまっておる。ルト
 追伸 父上にはないしょゾラ!』

――ハイリア湖畔 みずうみ研究所

ゾーラ「そうですか、こちらには来ておられないのですか……」

キィ

「おや、お客さんかな?」

リンクル「こんにちはー?」

みずうみ博士「随分と可愛らしいお客さんじゃな」
みずうみ博士「ワシはみずうみ博士。このハイリア湖の水と変なものを混ぜて研究をしておる」

リンクル「コキリの森から来ました、リンクルです」
リンクル「こっちは相棒のナビィ」

ナビィ「ハロー、みずうみ博士にゾーラのお兄さん!」

ゾーラ「あ、ああ、こんにちは」

みずうみ博士「やや、妖精とは珍しい」
みずうみ博士「それで、君のような子が来るのも珍しい。何かご用かな?」

リンクル「えーと、さっきそこの水の中でこんなもの拾ったんですけど……」

みずうみ博士「どれ……? おや」
みずうみ博士「ゾーラの兵士さんや、これを見てご覧」

ゾーラ「……! こ、これは!」
ゾーラ「君、ルト姫のことを何か知っているのかい!?」

リンクル「い、いえ、全然」

ゾーラ「取り敢えず来てくれ! それは実に重要なものだ!」ガシッ

リンクル「ちょ、待っ、待ってぇー!?」

ガチャ バタン

みずうみ博士「……ありゃ、ゾーラの兵士さん、茶に手をつけておらんな。むぅ」

――ゾーラの里 玉座

キングゾーラ「うう……余の可愛いルト姫よ……どこに行ってしまったゾラ……」

ゾーラ「キングゾーラ様!」

キングゾーラ「む……何事ゾラ……?」

ゾーラ「この者が姫のことで何か知っていると!」

キングゾーラ「何……?」
キングゾーラ「それは本当か!?」

リンクル「し、知ってるっていうか……その」
リンクル「この、手紙を湖で見つけたんですけど……」

キングゾーラ「……おお!? これは!? 確かにあの子の字ゾラ!」
キングゾーラ「しかし、ジャブジャブ様のお腹の中だと!?」

キングゾーラ「我らの守り神、ジャブジャブ様が余の可愛いルト姫を食べたりする筈はないゾラ!」
キングゾーラ「だが……言われてみればここ最近のジャブジャブ様の様子は変だゾラ」

リンクル「……まさか、ガノンドロフが?」

キングゾーラ「よく分かったな……その通り、あのゲルド族の男が来てからのことだゾラ」

リンクル「どこでも耳にするわね、あいつのこと……」

ナビィ「ほっといたら大変なことになっちゃうわけネ……」

キングゾーラ「……何やらややこしそうだの」
キングゾーラ「よし、そちを信じてジャブジャブ様の祭壇へ続く道へ通してやろう」

リンクル「いいの?」

キングゾーラ「うむ……捜索隊も出払っておって、人手がないからの……」
キングゾーラ「早く余の可愛いルト姫を見つけてきてくれぃ……!」

ノソノソ……

リンクル(急いでほしいんならもっと早く動いてくんないかな……)

――ゾーラの泉

リンクル「うわぁー……大きな魚……」

ナビィ「これがジャブジャブ様ね……」
ナビィ「でも、どうやって中に入ればいいんだろう?」

リンクル「ちょっと口開けてもらえばいいんでしょ?」
リンクル「こう、やって……」グイグイ

リンクル「んぬぬぬぬぬっ……」グイグイ
リンクル「うぬーっ!」グイグイ

ナビィ「……」

リンクル「……駄目でした」

ナビィ「うん……ナビィもそれ以上はやっちゃ駄目だと思う……」
ナビィ「女の子がしちゃいけない顔してたし……」

リンクル「でも、そうするとどうやって中に入ればいいのかな……」

ナビィ「うーん……守り神、っていうくらいだし、お供え物でもしてみたら?」

リンクル「それで口開いてくれるのかなぁ……」
リンクル「それに、お供え物って言っても、何をお供えすればいいの?」

ナビィ「さ、さぁ……? 魚、とか……?」

リンクル「魚が魚食べるのかな……」
リンクル「まぁいっか、ちょっと捕まえてくる」

リンクル「で、捕まえてきました」

ナビィ「案外あっさり捕まえたネ……」

リンクル「あの鱗すっごいのよ。息が続くだけじゃなくて、スイスイ泳げるもん」
リンクル「さて、じゃあこの魚を瓶から出して、っと……」

魚「ピチピチ」

ジャブジャブ様「!」
ジャブジャブ様「ふご……ずごごごごっ!」

リンクル「おっ、口が開い……」

ずごごごごっ!

魚「ピョーン」

リンクル「ひっ!? ちょっ、待っ……きゃあああああああっ!?」
ナビィ「ひゃあああああああっ!?」

ジャブジャブ様「ばくんっ」

取り敢えずここまで

風のタクトはラストが良いよね……ガノンドロフの哀愁が……

次回は多くの小学生達の性癖を歪めたであろうゾーラのプリンセス登場です

あなたのゼル伝人外性癖はどこから? 私はナビィから
ていうかナビィといいルトといいメドリといいミドナといいファイといいミファーといい、3Dゼルダシリーズは妙に性癖に突き刺さるキャラを毎回出さないといけないとかいうノルマでもあるんだろうかと

更新します

 ep.7 水の精霊石


――ジャブジャブ様のお腹

リンクル「うっ……」
リンクル「何ここ……くさーい……」

リンクル「ていうか壁とか床とかの感触も気持ち悪……」
リンクル「……あ、そっか。ここがジャブジャブ様の中なんだ」

ナビィ「リンクルー?」

リンクル「あ、ナビィ! こっちこっち!」

ナビィ「良かった、そんなに離れてなくて」
ナビィ「大丈夫?」

リンクル「臭いのと気持ち悪いのを除けば大丈夫かな」

リンクル「うわ、何この泡みたいなの」

ナビィ「剣じゃ弾かれちゃうヨ」

オクタロック「ココノツウコウリョウハタカイゾ」ベッ

リンクル「はいはい」

デクの盾「ドウシタソレデオワリカ」ゴンッ

オクタロック「グワーッ」

リンクル「……ゾーラの守り神なのに、なんで中に魔物が……」

ナビィ「きっとガノンドロフの仕業ね」

リンクル「やっぱりあいつ懲らしめないといけないね」
リンクル「で、この部屋は……」

ナビィ「部屋って言っていいのかなぁ……」

リンクル「……あっ、ゾーラ族が居るよ!」

ナビィ「ほんとだ」

「む、その方は何者じゃ?」

リンクル「あたしはリンクル。ルト姫を探しに来たの」

「何……?」

リンクル「もしかして、あなたがルト姫?」

ルト「うむ、わらわがゾーラのプリンセス、ルトじゃ!」

リンクル「ああ、無事で良かった。キングゾーラ……あなたのお父さんが心配してるよ?」

ルト「何?」
ルト「すると、その方は父上に頼まれてわらわを迎えに来た、というのか?」

リンクル「ええ。さ、ゾーラの里に戻りましょ?」

ルト「そんなこと頼んだ覚えはない!」
ルト「父上が心配していようがいまいが関係はない!」

リンクル「でも、瓶に入った手紙が……」

ルト「そ、そんなもの知らん!」
ルト「兎に角、今は帰れぬ。その方こそさっさと帰れ! 良いな!」タッ

リンクル「あっ、そっちは……!」

ルト「あ~れ~っ!」ズルッ

リンクル「……落ちてっちゃった」
リンクル「ど、どうしよう……?」

ナビィ「そりゃ……追うしか、ないと思うけど……」

リンクル「この気持ち悪い穴に飛び込むのかぁ……」

ナビィ「流石に躊躇するよね……」

リンクル「っと……!」スタッ

ナビィ「大丈夫?」

リンクル「平気。ちょっと柔らかくてクッションみたいになってるし」

ルト「まぁーだうろうろしとったのか」

リンクル「連れ戻せって言われてるからね」
リンクル「あなたを連れて帰るまではあたしも帰れないよ」

ルト「むぅ」

リンクル「さ、帰ろう? 魔物も居るし、危ないよ」

ルト「……わらわは幼き頃よりジャブジャブ様の中に入っておるから平気じゃ」
ルト「じゃが、今のジャブジャブ様はなーんか変じゃ」

ルト「ビリビリするクラゲや変な穴なんか開いてるし……」
ルト「お陰で大事な石まで……」

リンクル「石?」

ルト「あっ、それはこっちの話じゃ!」
ルト「と、兎に角、用事が済むまではわらわは帰らん!」

リンクル「その“用事”って一体何なのさ?」

ルト「その方には関係ないゾラ!」

リンクル「関係ないってこたないよ!」
リンクル「さっきも言ったでしょ、あなたを連れて帰らないといけないのよ!」

ルト「嫌じゃと言ったら嫌じゃ! さっさと帰れ!」

リンクル「あーもう! こんな我儘お姫様だなんて聞いてないよ!」
リンクル「無理矢理にでも連れて帰るからね!」グイッ

ルト「な、何をする!」ジタバタ

リンクル「暴れない!」

ナビィ「同じくらいの年の子供とはいえ、よく人一人抱えて走れるネ……」

ルト「離せブレーモノー!」ジタバタ

リンクル「じっとしてってば!」

バリ「ウィーッス」ドシーン

リンクル「……! 危ないっ!」ドンッ

ルト「きゃっ!?」

バリ「オラオラー」バリバリバリッ

リンクル「きゃあああああああっ!?」

ナビィ「リンクル!」

ルト「なっ……!」

リンクル「あうぅ……」

バリ「マダイクゾオラー」ブオンッ

リンクル「くっ!」バッ

ナビィ「Watch out! 剣で攻撃するのは危ないよ! 痺れちゃう!」

リンクル「じゃあクロスボウなら!」バシュッ

バリ「イッテェケドタイシタコトネェナ」

リンクル「き、効かない!?」
リンクル「ルト、逃げるよ!」ガシッ

ルト「ひゃっ」

リンクル「まさかクロスボウが効かないなんて……」
リンクル「あれが“ビリビリするクラゲ”ね」

ルト「……」

ナビィ「大丈夫?」

リンクル「ちょっと感覚がおかしいけど、大丈夫。段々軽くなってきた」
リンクル「ルトは大丈夫?」

ルト「……大丈夫じゃ」

リンクル「そか、良かった」
リンクル「いずれにせよこの魔物達はなんとかしないとね」

ナビィ「ほんとにね」

リンクル「あのクラゲ対策は特に優先事項だよ」
リンクル「さっき撃ったのは森から持ってきたボルトだったけど、そもそも刺さらなかった」

ナビィ「刺さらないとなると、何か刺す以外でダメージを与える必要があるよね」

リンクル「うん」
リンクル「まぁ木で出来てるし、ポイントがそこまで尖ってないから、刺さらないっていうのはある程度考えてたけどね」

ナビィ「多分だけど、あのクラゲは打撃に強いんだと思う。刺さりさえしなければ弾いちゃう」

リンクル「そうすると……やっぱり、あれを使うしかないのかなぁ」

ナビィ「あれ?」

リンクル「インパさんからもらったボルト」
リンクル「返しが目立つけど、ポイント自体も鉄だし、森から持ってきたのより鋭くしてもあるんだよね」

ナビィ「そうなんだ」

リンクル「あとは……爆弾かなぁ」

ナビィ「もっと大きな衝撃を与えるわけね」

リンクル「ま、取り敢えずは色々試してみよう」

ルト「……話は終わったか?」

リンクル「うん、まぁね。取り敢えず、もう無理矢理とかは言わないよ」
リンクル「だから、せめて離れないでね」

ルト「ふん、わらわに命令か、ブレーモノめ」

リンクル「さっきのクラゲめがけて放り投げてもいいんだよ?」

ルト「うっ……」

リンクル「……冗談」
リンクル「兎に角、早く行きましょ。解決は早ければ早いほど良い」

リンクル「ここほんと普通のボルトじゃ効かない敵が多いなぁ」バシュッ

シャボム「ボヨーン」

ナビィ「この泡も森から持ってきた矢じゃ通らないんだ」

リンクル「まぁ剣も弾かれちゃって危ないわけだしね」
リンクル「これならどうよ!」パァン

シャボム「ギエエエッ」

ナビィ「あ、デクの実なら簡単に倒せるんだ」

リンクル「怯むだけかと思ったんだけどね」
リンクル「おっと」

バリ「ヤッハロー」ドシーン

ルト「ひっ……」

リンクル「まずはインパさんからもらったボルトで……どうだっ!」バシュッ

バリ「イッテェー」

ナビィ「刺さったよ!」

リンクル「刺さったけど……」

バリ「ナニサラスンジャワレ」ブォンッ

リンクル「うわっと!」バッ

ナビィ「刺さっただけで、あんまり効いてない!」

リンクル「じゃあこいつだ! 爆弾ボルト!」バシュッ

ドカーン

ナビィ「消し飛んじゃった!」

リンクル「よしっ!」

ルト「す、すごい……」

リンクル「うわっ……何アレ?」

ルト「し、知らん……」

触手「ウネウネ」

リンクル「あれも魔物なのかなぁ……」

ルト「少なくとも以前はなかったものじゃ」

ナビィ「じゃあ、もしかしたら魔物の仲間なのかも」

リンクル「そうね。撃ってみよっか」バシュッ

触手「ギャアアッ」ボトッ

リンクル「あ、千切れた」

ルト「……あっ!」
ルト「あれじゃ! あれがわらわが探しておったものじゃ!」

リンクル「あの蒼い石?」

ルト「早くわらわをそこに持ち上げてたもれ!」

リンクル「はいはい、ちょっと待ってね……よっ」

ルト「良かった良かった、見つかって!」

リンクル「何それ?」

ルト「これはゾーラのサファイア……わらわの母上の形見じゃ!」
ルト「あー、良かった……ジャブジャブ様に飲み込まれた時はどうなることかと……」

リンクル「……もしかして、それって水の精霊石じゃ……」

ルト「精霊石? 確かにそうとも呼ばれておるそうじゃな……」

リンクル「あの、あたしにそれを……!」

ダイオクタ「ザッケンナコラー」ドシーン

ルト「きゃーっ!? なんじゃこのタコー!?」

リンクル「オ、オクタロック!? にしては大き過ぎない!?」

ナビィ「来るよ!」

ダイオクタ「シャーオラーッ」ザザザザッ ドカッ

リンクル「きゃあーっ!」

リンクル「いつつ……! こいつ、案外動きが速い!」

ナビィ「でも岩は吐かないみたいだよ!」

ダイオクタ「スッゾオラーッ」

リンクル「ええいっ、これでも喰らえ!」バシュッ

ダイオクタ「イテェーッ」グルグル

ナビィ「……!」
ナビィ「あの背中! きっとあれが弱点だヨ!」

リンクル「よしきた! えーいっ!」ザシュッ

ダイオクタ「アバーッ」ドシャッ

リンクル「よしっ」
リンクル「ルトは大丈夫?」

ルト「だ、大丈夫……」

リンクル「良かった」ニコッ

ルト「……うむ」

リンクル「じゃ、精霊石見つけたし、さっさと出ましょ」

リンクル「あれ……? こんなとこ通ったっけ?」

ルト「む……道を間違えたか……?」

リンクル「……ルト、下がってて!」
リンクル「何だあれ!」

ナビィ「電撃クラゲが集まってく……!」

電撃旋回虫 バリネード

リンクル「こいつがジャブジャブ様をおかしくしてた奴!?」

ナビィ「気をつけて! 今までの奴らより手強そうだヨ!」
ナビィ「まずはジャブジャブ様から切り離しちゃわなきゃ!」

リンクル「上のアレだね……よし!」
リンクル「森のボルトで十分!」バシュッ バシュッ

バリネード「ギュルルルッ」

ナビィ「切れた!」

リンクル「よーし……って、うわっ!?」
リンクル「クラゲがぐるぐる回ってて近寄れない!」

ナビィ「クラゲをぶつけてくるヨ! 間を縫って爆弾ボルトで撃っちゃえ!」

リンクル「喰らえっ!」バシュッ

ドカーン

バリネード「ギュルアッ」
バリネード「グルルルルッ」グルグル

リンクル「う、うわぁ、動き出した! 気持ち悪!」

リンクル「だ、駄目! クラゲの回転が速過ぎてボルトが……!」

ナビィ「リンクル、避けて! 近付き過ぎ!」

リンクル「ハッ、しまっ……!」
リンクル「きゃあああーっ!!」バリバリバリ

ルト「ああっ!」
ルト「だ、大丈夫か……?」

リンクル「いっつぅ……」
リンクル「だ、大丈夫……ちょっと痺れたけどね……」ググッ

ナビィ「こっち来るヨ!」

リンクル「ううっ……! 当たって……っ!」バシュッ バシュッ

バリネード「グルルルッ!」

ナビィ「あ、間をすり抜けたみたい!」

リンクル「これで……とどめだーっ!」ザシュッ

バリネード「ギャアアアアアアアアッ」ブクブクブク

ドバァーン

リンクル「うわっ!」
ルト「ひぃっ!?」

ボタボタボタ

リンクル「……」

ルト「……」

ナビィ「……」

リンクル「……さ、さて」
リンクル「こんなとこ、もう出よっか、ルト」

ルト「そ、そうじゃな……」

ナビィ「死に様まで気持ち悪い奴だったネ……」

――ゾーラの泉

リンクル「それで、なんだけど……あたしが本来ゾーラの里に来た目的はね」
リンクル「その精霊石を探しに来たんだ」

ルト「何? これを?」

リンクル「うん」

ルト「そうか……」
ルト「しかし、これはわらわが生涯を共にすると決めた相手に渡す、いわばエンゲージリング……」

リンクル「えんげーじりんぐ?」

ルト「本来は夫となる者に渡すべきものじゃが……」
ルト「……戦っている時のそなたは、ちょっぴりかっこよかったしな」ボソッ

ルト「持って行くが良い」
ルト「父上には内緒……ゾラ!」

リンクル「あ、ありがとう……」
リンクル(えんげーじりんぐ、って何だろう……?)

ナビィ「キマシ……いや、なんでもない」

リンクル「?」

ナビィ(さっきの話を聞く限り、ルトが女の子に渡していいものじゃないと思うんだけど、いいのかなぁ……)

――大妖精の泉

魔法の大妖精「よくここを見つけたわね、リンクル」

リンクル「ナビィが気付かなかったら見つけてなかったですよ」

魔法の大妖精「妖精の気配を察知したのね」
魔法の大妖精「さて、ここではあなたに魔法のアイテムを授けるわ」

魔法の大妖精「フロルの風、というワープの魔法よ」
魔法の大妖精「好きな場所でポインタをセットしておいて、その魔法を使うとセットしたポインタに戻れるわ」

リンクル「これは便利そう……!」
リンクル「ありがとうございます!」

――ハイラル平原

リンクル「もうすぐ日没だけど、間に合うかな……」
リンクル「雨降ってきたし、平原で野宿は嫌だなぁ」

ナビィ「夜になると橋が下りてきて城下町入れなくなっちゃうもんね」
ナビィ「やっぱり平原をもっと早く移動する手段は欲しいね」

リンクル「馬とか乗れたらなぁ……」
リンクル「……あれ?」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「お城の方……なんだか様子がおかしくない?」

ナビィ「……ほんとね」
ナビィ「あの明るさは……」

リンクル「……橋がもう閉まってる?」

ナビィ「あら、まだそんな時間じゃないと思うけど……」

ナビィ「それにしても、嫌な感じだネ……」

リンクル「空?」

ナビィ「うん。すごく嫌な感じ……」

リンクル「……なんだろう、なんか、この景色、見覚えが……」
リンクル「どこで見たんだっけ……」

ガラガラガラ

リンクル「え……」

ナビィ「なんで今更橋が下りて……」

パカラッ パカラッ

リンクル「!」

ナビィ「あの白馬は!?」

リンクル「危なっ!」バッ

ゼルダ「リンクル!」

リンクル「ゼルダ姫!」

ゼルダ「インパ、馬を……!」

インパ「駄目です、止めるわけにはいきません!」

ゼルダ「っ……これを!」ビュンッ

ポチャンッ

リンクル「ゼルダ姫!」
リンクル「一体何が……あっ!?」クルッ

ガノンドロフ「ちっ、逃がしたか!」
ガノンドロフ「そこの小娘! 今しがた白馬がここを通った筈だ。どっちへ行ったか教えてもらおう!」

リンクル「っ……!」ジリッ

ガノンドロフ「……庇いだてする気か。良い度胸だ」
ガノンドロフ「再度問おう。白馬の行った方向を言え。今ならまだ許してやる」

リンクル「……いいえ、知らないわ」
リンクル「何より、知ってても教えないけどね!」シャキンッ

ガノンドロフ「ふんっ!」バシュンッ

リンクル「きゅああーっ!?」ドシャッ

ガノンドロフ「俺に刃向うとは面白い……気に入ったぞ」
ガノンドロフ「小娘、俺の名を覚えておくがいい!」

ガノンドロフ「俺の名はガノンドロフ……」
ガノンドロフ「世界の支配者となる者だ!」

リンクル「誰が……あんたを、支配者となんか……ぅ……!」ガク

ガノンドロフ「ふん……」
ガノンドロフ「結局連中の行った方向は聞き出せずじまいか」

パカラッ パカラッ……

ちょっと休憩

今更だけどぼちぼちリンクルの出生とか色々決まってきた

今日は豪華二本立てなんやで

いくでち

 ep.8 時の勇者


「リンクル……リンクル! しっかりして!」

リンクル「う……うぅ……!」

ナビィ「目が覚めた?」

リンクル「なんとか……いつつ……!」
リンクル「……! ガノンドロフは!?」

ナビィ「行っちゃったヨ……」

リンクル「っ……!」ザッ

ナビィ「待って! 追うなんて無茶よ!」
ナビィ「それに、追い付けたとしても、今のままじゃ勝てないヨ!」

リンクル「……」ピタ
リンクル「そう、だね……城下町は?」

ナビィ「あれから大勢の人達が平原へと逃げ出したわ……」
ナビィ「もう夜が明けるけど、ずっと橋が下りたままなの……」

リンクル「……そうだ!」
リンクル「ゼルダ姫が何か投げた筈!」

ナビィ「あ、うん、多分そこのお堀にまだ沈んでるんじゃないかな」

リンクル「取ってくる!」バッ

リンクル「これは……オカリナ?」
リンクル「……!」

『リンクル……あなたがこのオカリナを手にした時……』
『私は、あなたの前からもう居なくなっているでしょう……』

『あなたを待っていたかったけれど、もう間に合わない……』
『もうすぐ、ここにもあの男とあの男が率いる軍勢がやってきます』

『その前に、せめてこのメロディをオカリナに込めて送りましょう』
『この“時の歌”を、三つの精霊石を納めた“時の扉”の前で奏でてください』

『そうすれば、あなたは聖地に入ることが出来る筈です』
『トライフォースはあなたが守って!』

リンクル「……」
リンクル「……分かった」

ナビィ「だ、大丈夫? リンクル?」

リンクル「え?」

ナビィ「そのオカリナ持って、陸に上がった途端にぼーっとしちゃってたけど……」

リンクル「……あ、そっか。そういう魔法なんだこれ」
リンクル「ゼルダが次にすべきことを教えてくれたよ」

ナビィ「ほんと?」

リンクル「うん。行こう」
リンクル「時の神殿へ!」

――ハイラル城下町

ナビィ「閑散としてるネ」

リンクル「まだ朝早いのもあるけど……」
リンクル「見て、お城の方」

ナビィ「煙が上がってる……」

リンクル「多分城下町の人達は殆ど逃げ出しちゃったんだと思うよ」
リンクル「残ってるのは、逃げられない人か、逃げたくない人だけ」

ナビィ「うわ、あそこ城下町の警備隊の詰所じゃない……?」
ナビィ「兵隊さんがいっぱい倒れてる……」

リンクル「生きてる人居る?」

ナビィ「分かんない……生命力は感じないヨ……」

カァーン カキーン

リンクル「……あっちの路地、何か聞こえるよ!」ダッ

ゲルド「このっ……!」
ゲルド「いい加減に倒れろ、ハイリア野郎!」ザンッ

兵士「ぐあっ!」ドサッ

リンクル「!!」
リンクル(あ、あの時の兵隊さん……!)

ゲルド「はぁー……はぁー……」チラッ

兵士B「」

兵士C「」

ゲルドB「」

ゲルド「よくもやりやがって……」
ゲルド「……向こうでこの子と、お前が殺したあたしの同胞達に謝れ」

兵士「……じゃあ……お前も、私に……謝りに来るのか……」

ゲルド「っ……お前っ!」

リンクル「てやぁぁぁっ!」

ゲルド「!?」
ゲルド「しまっ……!」

ザシュッ

ゲルド「コヒュー……コヒュー……」
ゲルド「……ヒュー……」

リンクル「はぁ……はぁ……」

兵士「はーっ……はーっ……」

ゲルド「」

リンクル「……あ」

ナビィ「リンクル……!」

リンクル「どうしよう……?」
リンクル「どうしよう、どうしよう、どうしよう……!?」ガタガタ

兵士「誰だか、知らないが……ありがとう、な……」
兵士「あんたのしたことは……正しい……何も、悪いことじゃ、ない……!」

リンクル「でも、あた、あたし、ひとを、ひとをころして……!」ガタガタ

ナビィ「リンクル!」

リンクル「っ」ビクッ

ナビィ「早く止血してあげないと、兵隊さん死んじゃうヨ!」

リンクル「……!」

兵士「……君は……まさか……」
兵士「そうか、あの時の……森から来たお嬢ちゃんだな……?」

兵士「あ、会えてよかった……君に伝えたい、ことが、ある……ごほっ」

リンクル「喋っちゃ駄目! 血が……!」

兵士「ぐ……ゲルドの、盗賊王ガノンドロフが、我が王を裏切った……」
兵士「王は殺され、ゼルダ姫は、乳母のインパ様がなんとか連れ出した……」

リンクル「知ってる……だから……もう……!」

兵士「我々はなんとかガノンドロフの追手を食い止めようとしたが……」
兵士「ここまでのようだ……無念、だ……がはっ……」

兵士「姫は……森の少女を……待っておられた……!」
兵士「今思えば、なんたる偶然だ……森の少女とは、そう、君のことだったのだな……!」

兵士「時の神殿へ……時の神殿へ急げ……」
兵士「我々の、我々が、命を懸けて……いそ……げ……」ガク

リンクル「……兵隊さん? 兵隊さん!」

兵士「」

リンクル「……もう、動かない……」

ナビィ「リンクル……」

リンクル「……ガノンドロフ……!」

――時の神殿

リンクル「この台座の前でこれを吹けば良いんだよね……?」

♪♪♪♪♪♪~

ポゥ……

リンクル「……! 精霊石が!」

ゴゴゴゴゴ……

ナビィ「“時の扉”が開いたヨ!」

リンクル「ここが聖地……?」
リンクル「あれは……」

ナビィ「これは……!」
ナビィ「伝説の剣、マスターソード!」

リンクル「伝説の剣?」

ナビィ「そう……太古の昔、今のハイラルが出来る前のこと」
ナビィ「女神ハイリアが魔物に対抗する為に作り出した、退魔の剣だヨ!」

リンクル「退魔の剣……」

http://www.youtube.com/watch?v=GqwwemH9lfc

リンクル「……あの時、ガノンドロフには全然敵わなかった」ガシッ
リンクル「これがあれば、あいつにも勝てるかな……っ?」ググッ

リンクル「っく……えいっ!」ガッ
リンクル「抜けたっ……!」

ゴオッ

リンクル「!?」

ナビィ「な、何!?」

リンクル「こ、この光は……!?」

パアアアアアッ

リンクル(あたし、一体どうなって……!?)

『クックック……』
『ご苦労だったな、小娘!』

リンクル(ガノンドロフ! なんで、笑って……!)

ガノンドロフ『俺の思った通り、“時の扉”の鍵はお前が握っていたのだな……』
ガノンドロフ『お前がこの俺を聖地へ導いてくれるとは……』

リンクル(……!!)

ガノンドロフ『感謝するぞ、小娘!』
ガノンドロフ『ハッハッハッハ、ハーッハッハッハッハッハ!』

リンクル(待てっ……! 待て、ガノンドロフ!!)
リンクル(っ……!)

『リンクル……』

リンクル(……)

『目覚めよ、選ばれし者リンクルよ……』

リンクル(……?)
リンクル(選ばれし者……?)

「リンクル……」

リンクル「うっ……っ」
リンクル「ここは……?」

「目が覚めたようじゃな……」
「ワシはその昔、時の神殿を作り、聖地との道を繋いだ賢者の一人……」

ラウル「名をラウルという」
ラウル「ここは賢者の間」

ラウル「聖地の要である光の神殿に残された、最後の砦じゃ……」
ラウル「お前が時の台座から抜き取ったマスターソード……あれが聖地への最後の鍵だったのじゃ」

リンクル「じ、じゃあ、あたしは……!」
リンクル「……? 何? 身体の感覚が……」

ラウル「……リンクルよ」
ラウル「落ち着いて、己の姿を見るが良い」

リンクル「……?」
リンクル「足元が、少し遠い……?」

ナビィ「リンクル! 大きくなってる!?」
ナビィ「成長してるヨ!」

リンクル「クロスボウが小さい……コキリの剣もデクの盾も小さくて頼りないや」
リンクル「ていうか、胸大きくなってるし!? 邪魔くさ!?」

ナビィ「た、確かにちょっと邪魔そう……」

ナビィ「……思ったんだけどさ、服着替えさせたのってラウルなのかな……」

リンクル「え?」

ラウル「いや、お前の体は……」

「マスターの身体はファイが管理しておりました」ヒュリンッ

リンクル「へっ!?」

ファイ「マイマスター、リンクル。私はマスターソードに宿る剣の精霊、ファイと申します」
ファイ「マスターが台座から私を抜き放った際、ファイは“マスターはまだ幼すぎる”と判断しました」

リンクル「そ、そう……」

ファイ「この為、マスターの魂を一時的に封印し、身体をファイが管理していました」
ファイ「現在のマスターの体は一般的なハイリア人に照らし合わせると、概ね17歳から18歳と見られます」

ファイ「実際の年齢は不明ですが、その年頃の少女らしい振舞いを身につけることを推奨します」
ファイ「また、マスターの体調管理に関してはそちらの妖精よりファイの方が詳細を把握している確率が85%」

ファイ「そうした相談はファイにされることを推奨します」
ファイ「この姿を現出させられるのはこの賢者の間に限られますが、会話だけであればどこでも可能です」

ナビィ「ええー……」

ファイ「それでは、またご用があればお呼び出しください」ヒュリンッ

リンクル「マスターソード……伝説の剣だけあって、精霊なんてのも宿ってたんだ……」

ラウル「……こほん」
ラウル「マスターソードは、心悪しき者は決して触れることの出来ぬ聖剣」

ラウル「そして、時の勇者としての資格ある者だけが台座から抜き放つことの出来る剣」
ラウル「しかし……お前は時の勇者として、マスターソードを扱う者として、まだ幼すぎた……」

ラウル「それ故、お前の魂は7年の間眠り続けた……」
ラウル「そして今、時の勇者としての目覚めの時が訪れたのじゃ」

リンクル「7年……」
リンクル「……そうだ! ガノンドロフは!? あいつの声が……!」

ラウル「……奴はお前がハイラルの平和を願って開いた“時の扉”からこの禁断の聖地へ侵入した」
ラウル「そして聖地の中心……この光の神殿でトライフォースを手に入れ、その力で魔王となっておる」

ラウル「奴の魔力が神殿を通してハイラル中へ流れ出し、この7年でハイラルを魔物の国へと変えてしまった……」
ラウル「ワシの力が及ぶのも最早この光の神殿の一部に過ぎぬ」

リンクル「そんな……そんな、ことって……!」

ラウル「じゃが、まだ希望はある!」
ラウル「我らには賢者の力が残っておる!」

リンクル「賢者の力?」

ラウル「七人の賢者の力が目覚めし時、賢者の封印は全ての悪しき力をその彼方へと封じ込める」
ラウル「このワシ、ラウルもその賢者の一人……」

ラウル「そして賢者達と共に戦う力……」
ラウル「それが時の勇者なのじゃ!」

リンクル「……じゃあ、その賢者達を目覚めさせて、時の勇者を見つけてくればいいんだね?」

ラウル「……何を言うておる」
ラウル「時の勇者とは、お前のことだと先程言うたではないか」

リンクル「あたしが!?」
リンクル「あたしが、時の勇者……!?」

ラウル「左様。まぁ、突然言われても困惑するばかりであろうな」
ラウル「まずは、ハイラルの様子を見てくるが良い」

――時の神殿

リンクル「……あれっ」

ナビィ「時の神殿に戻ったみたいね」
ナビィ「ほんとに7年も経ったのかな?」

リンクル「ここの様子は全然変わらないけど……」キョロキョロ
リンクル「やっぱりなんだか変な感覚だなぁ、この身体」

リンクル「取り敢えず……城下町に出てみよっか」
リンクル「……!」シャキンッ

「……」

リンクル「……何者?」

「待っていたよ、時の勇者」

リンクル「……あたしを知ってるの?」

「……世界が魔に支配されし時、聖地からの声に目覚めし者達五つの神殿にあり……」
「一つは深き森に、一つは高き山に、一つは広き湖に、一つは屍の館に、一つは砂の女神に……」

「目覚めし者達、時の勇者を得て魔を封じ込め、やがて平和の光を取り戻す」
「我らシーカー族に残る、神殿についての言い伝えだ」

シーク「僕はシーク。シーカー族の生き残り」
シーク「最初の質問に答えるならば、ただの吟遊詩人だよ」

シーク「二つ目の質問に答えるならば、君の持つその剣が何よりの証明だ」
シーク「君が言い伝えを信じるならば、五つの神殿を探し出し、目覚めさせる他ない」

シーク「まずは森に行ってみると良い……」
シーク「賢者が目覚めの時を待っている。君のよく知る少女だ」

リンクル「あたしのよく知っている……?」

シーク「だが、神殿に巣食う魔物の力で、ここから彼女に賢者の声を届かせることは不可能だ」
シーク「魔物を倒し、彼女を賢者として目覚めさせるんだ……」

――ハイラル城下町

リンクル「こ、これは……」

ナビィ「う……すごい邪悪な空気……」

リンクル「人っ子一人……いや、誰か居る?」

リーデッド「ウォォン……ォォン……」

ナビィ「違う! 近付いちゃ駄目!」

リンクル「ま、魔物だ!?」

リーデッド「キョォォッ!」ギロッ

リンクル「うっ!?」ビクッ

リーデッド「ォォォ……」ノソノソ

リンクル「っく……っ! ええいっ!」ザシュッ

リーデッド「ウォォォ……」バタリ

リンクル「倒した……?」

リーデッドB「オォン……オォン……」ノソノソ

リーデッドC「ウォォン……オォォン……」ノソノソ

リンクル「ひっ!? いっぱい来た!?」

リーデッド「」

リーデッドB「オォン……」

リーデッドC「オォォン……」

リンクル「……あれ?」

ナビィ「仲間の死体の横にしゃがみ込んで……何してるんだろう……?」

リンクル「さあ……」
リンクル「……なんか、悪いことしちゃったかな」

――ハイラル平原

リンクル「平原はそこまで変わってないのかな……?」
リンクル「……でも、なんだか空気が重いや」

ナビィ「城下町程じゃないけど、邪悪な魔力が漂ってるネ……」

リンクル「……あっ!」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「食糧も水も用意してない!」

ナビィ「……あ、そっか! 城下町で買えなかったから、何もないんだ!」

リンクル「どうしよう、近くに村なんて……!」
リンクル「……そうだ、あそこなら……!」

――カカリコ村

リンクル「到着は夜中を覚悟してたけど……」

ナビィ「案外早くついちゃったネ」
ナビィ「成長して身体が大きくなったからかな?」

リンクル「うん、多分ね」
リンクル「……あれ? あの人……」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「城下町で見た覚えがある……」
リンクル「あそこの人も城下町に居た気がする」

ナビィ「……そういえばここはあんまり邪悪な魔力を感じないヨ」

リンクル「城下町の人達、ここに逃げてきてたんだ!」

ナビィ「ていうかよく通行人の顔なんか覚えてたね……」

リンクル「こっこっこっこー」

コッコ「コッコッココココケー」

リンクル「こけっこー」
リンクル「なんだかコッコも小さく感じるなぁ」

コッコ姉さん「また一羽足りない……どこ行っちゃったのかしら……」ガチャ

リンクル「ん……あれ?」
リンクル「ああー! コッコのお姉さん!」

コッコ姉さん「え……もしかして、リンクルちゃん!?」

リンクル「覚えててくれたんだ! 久しぶり!」

コッコ姉さん「もうっ、七年間もどこ行ってたの!?」ギュッ

リンクル「きゃっ、ご、ごめんなさい?」

コッコ姉さん「でも元気そうで安心したわ」
コッコ姉さん「背も大分伸びたね。スタイル良くて羨ましいなー」ムニムニ

リンクル「んん、ちょっと、また胸ー?」

コッコ姉さん「あたしが見込んだ通り、大きくなったじゃん?」ムニムニ

リンクル「歩いてる時も邪魔で仕方ないんだけどね」

コッコ姉さん「ねぇ、今夜の宿はもう決まってる?」

リンクル「ううん、決まってない」

コッコ姉さん「じゃあ、またうちに泊まって行きなよ!」

リンクル「いいの?」

コッコ姉さん「いいの、いいの!」
コッコ姉さん「だから……」

リンクル「お風呂一緒はしないからね?」

コッコ姉さん「(´・ω・`)」

――親方の家

コッコ姉さん「あれ? リンクルちゃん下着とかつけてないの?」

リンクル「パンツは履いてるけど」

コッコ姉さん「胸の話! そんなにおっきいんだから、ブラくらい着けなきゃ駄目よ!」

リンクル「そうかな……」

コッコ姉さん「絶対そう!」
コッコ姉さん「測ってあげるからじっとして」

ファイ(胸に着用する下着……盲点でした)

コッコ姉さん「んー……D……かな……?」
コッコ姉さん「これならすぐ用意出来そうだから待っててね!」

リンクル「あ、ありがとう……?」

コッコ姉さん「どっか痛んだりしない?」

リンクル「平気。ちょっと違和感はあるけど」

コッコ姉さん「誰だって最初はそういうもんだよ」

おばさん「そうそう、この子だって最初は大変だったんだから!」

コッコ姉さん「もう! サイズ間違えちゃってたのはお母さんでしょ!」

「ぐぅー……ぐぉー……」

リンクル「……いびき?」

コッコ姉さん「ああ、タロンおじさんね」

リンクル「え、タロンって、あのロンロン牧場のおじさん?」

コッコ姉さん「知ってるの?」
コッコ姉さん「数年前まではロンロン牧場のオーナーだったんだけど、追い出されちゃったんだって」

ナビィ「ええっ!?」

リンクル「じ、じゃあ、ロンロン牧場は!? マロンは!?」

コッコ姉さん「インゴーって使用人が乗っ取って、今じゃガノンドロフの公営牧場よ」
コッコ姉さん「マロンちゃんはまだあの牧場でこき使われてるみたい……可哀想に、動物が大好きなばっかりに」

リンクル「インゴーさんが? そんなことする人には見えなかったけど……」
リンクル「いずれにせよ、何とかしなきゃ……!」

取り敢えずここまで
いよいよ大人になってリンクルの超人っぷりも磨きがかかってくるよ
どうでもいいんだけど時のオカリナのヒロインではマロンを一番推してるので本作でも推していきたい

次回はインゴー牧場で頼れるあの子と再会します

ここ一週間くらいずっとBotWやってるけど、何このゲームやばすぎでしょ時間ゴリゴリなくなっていくんだけど
そしてミファーが幼馴染で長命種族で故人とか儚い属性積み過ぎでクソ笑えない

水のカースガノンぬっ殺したので更新します

 ep.9 新たな相棒


――翌日 ロンロン牧場改めインゴー牧場

リンクル「んー、なんだかやっぱり、ちょっと変な空気ね」

ナビィ「でもそこまで邪悪な魔力なんかは感じないヨ」

コッコ「コッコッコッコッコ……」

リンクル「……」
リンクル「取り敢えず、マロンを探そう」キィ

「あら、珍しい。お客様なんて久しぶり……」

リンクル「……マロン」

マロン「あれ……? もしかして、妖精ちゃん!?」

リンクル「うん、森から来た妖精の子、リンクルだよ」
リンクル「元気そうで良かった……!」

マロン「ああ、うん、そこそこね……」

リンクル「……」
リンクル「いきなりなんだけどさ、今この牧場はどうなってるの?」

リンクル「表に居たコッコもなんだか元気なさそうだったし、ここに居る牛達もどこか不機嫌そう」
リンクル「前に来た時と、雰囲気も匂いも全然違うよ」

マロン「……街の人も居なくなっちゃったし、ガノンドロフが現れてからあちこち荒れ果てて怪物だらけ」
マロン「インゴーさんも、あいつに気に入られようと馬達を利用して……」

マロン「根が悪い人じゃないのは分かるのよ? でも、余裕がなくなっちゃってて……」
マロン「お父さんも追い出されちゃって、でもあたしは他に行くとこもないし……」

マロン「あたしがインゴーさんに逆らったら、馬達まで酷い目に遭うから……」
マロン「だからあたし、何もしてあげられないの……」

リンクル「……インゴーさんは?」

マロン「この時間なら……多分放牧場だと思うけど」

リンクル「そっか、ありがと」

マロン「あ……」

バタン

マロン「……グスッ……」
マロン「……リンクルぅ……良かった……無事で良かったよぅ……!」グスグス

――インゴー牧場 放牧場

ナビィ「あ、居るヨ! あの人じゃない?」

リンクル「ほんとだ」
リンクル「インゴーさん、7年前とあんまり変わってないように見えるけど……」

ナビィ「服装は随分変わってるけどね」

リンクル「んー、ちょっと作戦が要るね」

ナビィ「作戦?」

リンクル「うん。力ずく、ってわけにもいかないでしょ?」
リンクル「そうだなー……」

<ヒヒィーン

<どうどう、大人しくしてくれな、な? 怖がらなくても平気だからよ

リンクル「……ふーん」
リンクル「やっぱり悪い人じゃなさそうね、インゴーさん」

リンクル「あら……あれはもしかして……」
リンクル「……よーし」

リンクル「インゴーさん!」
リンクル「お久しぶり! 覚えてない? リンクルだよ!」

インゴー「……さ、さぁ、知らねぇな」ギクッ
インゴー「何分色んな奴と会うもんだからな、ちょっと覚えが……」

ナビィ(嘘ばっかり……絶対覚えてるヨ、あの顔……)

リンクル「そっか……残念だなぁ」
リンクル「まぁいいや。牧場見学して行きたいんだけど、いいかな?」

インゴー「ああ、見学くらいなら……」

リンクル「ありがと」
リンクル「あ、そうだ! 馬にも乗ってみたいんだ!」

インゴー「何? 馬に乗りたい?」
インゴー「駄目だ、駄目だ。ここに居る馬はガノンドロフ様に献上する軍馬だぞ!」

リンクル「えー……」
リンクル「乗ってみたかったのに、残念ね、ナビィ?」

ナビィ(えっ、こっちに振ってくる?)
ナビィ「そ、そうネ……」

リンクル「そんなに自信があるなら乗せてくれると思ったのになぁ」

ナビィ(……あっ! もしかして……!)
ナビィ「馬の管理にちょっと自信がないとか?」

リンクル「あー、あり得るー」

インゴー「なっ……!」
インゴー「お前さん、ここはガノンドロフ様がこの俺の腕を見込んで任せてくださってる牧場だぞ!?」

リンクル「じゃあちょっとくらい乗らせてもらっても大丈夫でしょ?」

インゴー「いや、それは……」
インゴー「ぐぬぅ……仕方ねぇな、じゃあ10ルピーでちょっとばかしだぞ」

リンクル「お金取るの?」

インゴー「当然だ! こっちも慈善事業じゃねぇんだからな!」

リンクル「仕方ないなー、はい!」チャリン

ナビィ(上手いこと乗せるなぁ)

インゴー「よしよし、良い子だ」
インゴー「ほぅ、ねぇちゃん筋が良いじゃねぇか」

リンクル「ふふん、そう?」
リンクル「いい子いい子……」ナデナデ

馬「ブルルッ」

インゴー「おぅ、そうやって撫でてやるといい。よく分かってんな」

リンクル「えへへ、馬に乗るのは初めてだけど、動物の気持ちはよく分かるもん」

インゴー「そ、そうかい……」

リンクル「インゴーさんも動物好きでしょ?」

インゴー「そうだな……」
インゴー「……いや、どうだろうな……」

リンクル「だって、この子もこんなにインゴーさんに懐いてるもん」

インゴー「……」
インゴー「……どうだ、少し走ってもみないか?」

リンクル「いいの?」

インゴー「ああ、この柵の中ならいくらでもな」
インゴー「足で馬の腹を軽く叩いてみろ」

リンクル「はいっ」

馬「ヒヒーン」パカラッ パカラッ

リンクル「おっ、おっ、おおっ! はっやーい!」

インゴー「み、見事に乗りこなしてやがる……本当に初めてか……!?」

リンクル「あー楽しかった」
リンクル「ありがとね!」ナデナデ

馬「ブルルルッ」

インゴー「それじゃあ、そろそろ……」

リンクル「あ、待って! 別の子にも乗ってみたい!」

インゴー「何?」

リンクル「さっきはインゴーさんが選んだでしょ? 今度は自分で選んでみたいの」
リンクル「はい、ルピー」チャリン

インゴー「おまっ……ええい! 勝手にしろ!」
インゴー「だが馬傷付けんじゃねーぞ! その……大事な商品なんだからな!」

リンクル「分かってるって!」
リンクル「ナビィ、あの子エポナだよね?」

ナビィ「ずっと遠巻きに見てたあの子?」

リンクル「うん」

ナビィ「多分……だけど」
ナビィ「あの歌を聞かせれば確実に分かるんじゃない?」

リンクル「……ああ、あの歌!」

♪♪♪~ ♪♪♪~ ♪♪♪ ♪♪~

エポナ「ヒヒィーン!」パカラッパカラッ

リンクル「良かった、やっぱりエポナだった!」ナデナデ

エポナ「ブルルルッ」

リンクル「よっ、と……」
リンクル「一緒にマロンを助けましょ?」ナデナデ

エポナ「ヒヒィーン!」

ナビィ「インゴーさん!」

インゴー「ああ、さっきのねぇちゃんの連れてた妖精か……今度は何だ?」

ナビィ「リンクルがレースで勝負したいって!」

インゴー「何ィ!?」

ナビィ「ほら、見て!」

リンクル「はいっ」ペチペチ

エポナ「ヒヒィーン!」パカラッパカラッ

ナビィ「もしかしたらインゴーさんより上手く乗れてるんじゃない?」

インゴー「おぉん?」カチン
インゴー「バカにしちゃいけねぇよ、確かにあのねぇちゃんは筋が良いがまだまだトーシロだ」

ナビィ「じゃあそんなトーシロと勝負も出来ないのはとんだヘタレさんかしら?」

インゴー「ぐぬっ」

ナビィ「負かされちゃったりしたら大恥だもんねー?」
ナビィ「ほら、リンクルも手振ってる。多分言ってるよ、“来いよインゴーかかってこい”って!」

インゴー「や、野郎、ぶっ潰してやるぁ!」

ナビィ「そうこなくっちゃ!」
ナビィ(上手く釣れたけど、今更不安になってきたわ……)

インゴー「行くぞォー!」

馬「ヒヒィーン!」

マロン「スタート!」

リンクル「はいっ!」
インゴー「はいよー!」

パカラッパカラッ

ナビィ「わ、速い!」

マロン「エポナは確かにこの牧場で一番の駿馬だけど……」
マロン「妖精ちゃん、それを見越して勝負を挑んだのかしら」

ナビィ「……え?」

マロン「え? 知らなかったの?」

ナビィ「う、うん。ただエポナを見つけて、何か考えてたようだったけど……」

マロン「そうなんだ……」
マロン「あ、帰ってきた」

パカラッ パカラッ

リンクル「ゴール! やったぁ!」

インゴー「な、な、ななな……!」
インゴー「こ、こんなことがガノンドロフ様に知れたら……!」

インゴー「こ、小娘! も一度勝負だ!」
インゴー「お前が勝ったら……その馬くれてやる!」

リンクル「えー、仕方ないなぁ」

ナビィ「まぁ、あっさり勝っちゃった……」

マロン「妖精ちゃんすごーい……」

リンクル「えへへ、ありがとね、エポナ!」

エポナ「ブルルッ!」

インゴー「ば、バカな……この俺がトーシロ相手に二度も負けただとぉー!?」
インゴー「し、しかもその馬はエポナじゃねぇか……!?」

インゴー「その暴れ馬を一体いつの間に、どうやって手懐けやがった!?」
インゴー「ガノンドロフ様にプレゼントする筈の馬を賭けて負けるなんて……!」

リンクル「じゃ、約束通りこの子はもらうからね!」

インゴー「……そうだ!」

ガコーン

インゴー「はっはっはー! 約束通りそいつはくれてやる!」
インゴー「だがこの牧場からは出られねぇからなー!」

リンクル「うわ、やることちっさ!」

インゴー「そいつは障害物走の経験はねぇからな! 出られるもんなら……」

リンクル「はいやっ!」

エポナ「ヒヒーン!」パカラッパカラッ

ダンッ

インゴー「え……」

マロン「ええーっ!?」

リンクル「ぃやったぁー!」
リンクル「このまま森まで行っちゃおー!」

エポナ「ヒヒィーン!」

パカラッパカラッ……

インゴー「」ポカーン

マロン「す、すごい……もうすっかり相棒みたいに……」

ちょっち短いけど、一旦ここまで

次の更新はゲルドキャニオンから先行ってみてから決めます

次回は森の賢者を目覚めさせに行きます

乙です
目覚めさせ(性的な意味で)

ゲルド砂漠過酷すぎクソワロタ
砂漠は後回しだ後回しリト行こう

>>169
それだとここのサリアはもう目覚めかけてんだよなぁ

更新します

 ep.10 森の賢者


――コキリの森

リンクル「ここで待ってて、エポナ」

エポナ「ブルルルッ」

リンクル「さて……久しぶりに戻ってきたけど、みんな元気かなぁ」

ガサッ

リンクル「?」

デクババ「キシャアーッ」

リンクル「なっ、デクババ!? でっか!?」バシュッ

デクババ「ギャアアアッ」

リンクル「成長したから、クロスボウも片手で撃てちゃうや」

ナビィ「Watch out! オコリナッツが居るヨ!」

オコリナッツ「ピピッ!」ベッ

リンクル「うわっと!」

ハイリアの盾「フンッ」ガンッ

オコリナッツ「ピピィッ!」

リンクル「村の中にこんなに魔物が……!?」
リンクル「一体どうなってるの……!?」

ナビィ「あ、そこの陰に……」

リンクル「!」クルッ

双子妹「ひっ」ビクッ

リンクル「……なーんだ、あんたかぁ」
リンクル「驚かせないでよ」

双子妹「だ、誰……?」

リンクル「え……」

双子姉「早く! こっちこっち!」

双子妹「……!」タッ

リンクル「あ……」
リンクル「……」

ナビィ「コキリ族は……」

リンクル「……ずっと子供の種族」
リンクル「そっか……あたし、やっぱりコキリ族じゃなかったんだ……」

――迷いの森

リンクル「あっ、ミド……!」

ミド「なんだお前!?」
ミド「そんなコキリっぽい服なんか着てたって誤魔化されねぇゾ!」

ミド「オイラ、サリアに約束したんダ」
ミド「ここは誰も通さないからナ!」

リンクル「……分かんないんだ……」
リンクル「そっか……そうだよね……」

リンクル「……」
リンクル「そうだ……」スッ

♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪~
♪♪♪~♪♪♪~♪♪♪♪♪♪♪♪ ♪♪♪~

ミド「そ……それ……!」
ミド「サリアがよく吹いてた曲だ……」

ミド「友達にだけ教えてくれる曲なのに……」
ミド「お前、サリアを知ってんのか!?」

リンクル「……ミド、ここを通して」

ミド「……分かったよ。お前を信じて通してやる」

リンクル「ありがとう、ミド」

ミド「お前見てると、なんだかアイツ思い出すヨ……」

リンクル「……」タタッ

ミド「……」
ミド「そういえば、なんでオイラの名前知ってたんだ……?」

――森の聖域

リンクル「やっぱり森のみんなはあたしだって気付いてくれないんだなぁ」
リンクル「外の人達はすぐにあたしだって気付いてくれたのに」

ナビィ「リンクル……」
ナビィ(やっぱり、気にしてるのかな……気にするよね、うん……)

リンクル「……ここも、なんだか雰囲気変わったね」

ナビィ「何か居るみたい……?」

ザシッ ザシッ

リンクル「……ウルフォスとかじゃ……ない……ね……」

モリブリンA「ブフゥ、おい何か居るぞ」

モリブリンB「おっ、ありゃハイリア人じゃねぇか」

モリブリンA「しかも女だぜ、女」
モリブリンA「ブフフ、とっ捕まえりゃ久々に楽しめそうじゃねぇか」

モリブリンB「ハイリア人はあんまり好みじゃねぇんだがなぁ」

モリブリンA「まぁ贅沢は言えねぇよ」

モリブリンB「ああ……ここんとこクソ退屈な森の巡回でご無沙汰だしなぁ……」
モリブリンB「何より、この前のコキリの小娘には逃げられちまって苛々してたところだ」

モリブリンA「おいおい殺すんじゃねぇぞ」

モリブリンB「分かってるよ」

リンクル「言葉を……話してる……?」

モリブリンB「どうやってこんなところまで来たのかは知らねぇが……」ザッザッ
モリブリンB「取り敢えず俺達の鬱憤ぐらいは晴れさせてくれよな!」ブォンッ

リンクル「うわっ!」バッ

モリブリンA「おいおい、殺すなって言ったろ!」
モリブリンA「二人係りで捕まえちまえばロクな抵抗なんぞ出来やしねぇよ」

モリブリンA「それに、よく見りゃ中々上玉じゃねぇか、勿体ねぇ」
モリブリンA「まぁ……身体は小せぇからな、裂けちまうかもしれねぇが」

モリブリンB「うへぇ、お前こんなのがいいのかよ」
モリブリンB「俺はこの連中の白い肌が気持ち悪くて仕方ねぇんだが」

リンクル「さっきから何の話して……」シャキンッ
リンクル「……あー、まずい!」

ナビィ「ど、どうするの、リンクル! 挟み撃ちだヨ!」

モリブリンA「ブフフ、悪いようにはしねぇからよ、大人しくしろよな?」

リンクル「……!」ジリッ

モリブリンB「そら、捕まえ……」
リンクル「せいっ!」タンッ

モリブリンB「なぁっ!?」

モリブリンA「バカ野郎、お前、腕を足場に提供してやる奴があるか!」

モリブリンB「んなにずばしっこいと思わねぇだろ!」

リンクル「くっ!」タタタタッ

モリブリンA「畜生、逃がしてたまるか! 追うぞ!」ダッ

モリブリンA「クッソー、どこへ隠れやがった?」

モリブリンB「なんつー足の速い奴だ……」
モリブリンB「それに、まるであいつここの道分かってるみたいだったぞ」

モリブリンA「こないだの小娘にもそうして出し抜かれたんだったな……」
モリブリンA「あー、クソ! お前がヘマさえしなけりゃ!」

モリブリンB「何だと! お前が生け捕りにしようなんて言うからだろ!」

<あーだこーだ

リンクル「……行った?」ガサッ

ナビィ「みたいネ……」

リンクル「はぁ……何今の連中? 魔物なのは分かるけど……」

ナビィ「人の言葉を話してたし、あろうことかリンクルを犯そうなんて……」

リンクル「犯そう?」

ナビィ「あー……そっか、知らないか……」
ナビィ「また今度教えてあげるから、今はこの先へ進むことに集中しましょ?」

リンクル「うん……?」

リンクル「この通路を抜ければ……うぇっ」

ボスブリン「ブフー……ブフー……ブモッ」
ボスブリン「ハイリア人が見えるんだなぁー」ブォン

リンクル「うわっ!?」バッ
リンクル「こ、棍棒!? あんなのもらったら潰れちゃうよ!」

ボスブリン「中々すばしっこいんだなぁー」ブォン ブォン

リンクル「くっ! 危なっ!」
リンクル「このっ!」バシュッ

ドカーン

ボスブリン「」ズシャッ

ナビィ「あ、頭が半分なくなっちゃったけど……」

リンクル「言わないで……間違えて爆弾ボルト撃っちゃっただけだから……」

<おい何か聞こえなかったか?

<言われてみれば……班長のところか?

<まーたなんかやらかしたのかな、あの気狂い

リンクル「やばっ……」タタッ

リンクル「サリア……やっぱり居ないね」

ナビィ「魔物が居たんだもんネ」
ナビィ「多分、どこかに隠れてるのヨ」

リンクル「だといいけど……」

ザッ

リンクル「?」

シーク「時の流れは残酷なもの……人それぞれ速さは違う」
シーク「そしてそれは変えられない……」

シーク「時は流れても変わらぬもの、それは幼き日の追憶……」
シーク「ここは森の神殿。君のよく知る、追憶の中のあの少女はこの中に居る」

シーク「……急いだ方が良い」
シーク「ガノンドロフの放った魔物達が、いつ彼女を見つけるとも限らない」

リンクル「……!」ダッ

シーク「……」

――森の神殿

リンクル「お城……っていうより」
リンクル「なんだろう、誰かのお家みたい?」

ナビィ「お屋敷、っていうのかな、こういうの」

リンクル「お屋敷……お城とは違うの?」

ナビィ「うーん……大きさとか、住んでる人の立場とか、そういうので違うのかな……」

リンクル「ファイは知ってる?」

ファイ「イエス、マスター」
ファイ「屋敷、もとい館とは、貴族等の邸宅や、役人や外国からの使者等の宿舎、または小規模な城砦を指します」

ファイ「城、もとい城砦とは敵に攻め込まれた際の防衛拠点を指し、また軍の指揮官の住居でもあります」
ファイ「ただし、近年は防衛拠点としての機能性より、権威を示す為の優雅な建築物も増えているようです」

ファイ「よって、館と城に明確な違いはないと言えます」
ファイ「尚、この神殿はどちらかというと館と表現した方が良いでしょう」

リンクル「うん……うん?」
リンクル「ご、ごめんね、ちょっと難しい言葉が多くて分かんないや……」

ナビィ「と、取り敢えずここはお屋敷ってことでいいのネ?」

ファイ「イエス、その認識で間違っていません」

リンクル「あ、うん、ありがとう……」

ファイ「お礼には及びません」
ファイ(マスターにはご理解いただけなかった確立60%……言葉選びを誤ったのでしょうか)

リンクル「この部屋は……」ガチャ
リンクル「なんだろう、あれ」

「ハイリア人の子……!」
「あなたはここに来てはいけない……!」

リンクル「……? 誰?」
リンクル「あっ」

「あなたはここに来るべきではありません……」
「道は閉ざしておきます。どうかお帰りになって……」

リンクル「待って!」
リンクル「……火を持ってっちゃった」

ガコンッ

リンクル「あの床に埋まった箱みたいのが道なのかな」

ナビィ「さっきのはこの神殿を管理してる幽霊四姉妹よ」
ナビィ「どうしたのかしら……」

リンクル「知ってるの?」

ナビィ「まぁね、この神殿も森の一部なわけだし、結構昔から居るらしいよ」
ナビィ「でも、前はこんな嫌な感じの魔力は漂ってなかった筈だよ……」

リンクル「表に居たあの魔物達、多分ガノンドロフの手下だよね」
リンクル「そうすると、やっぱりここにもあいつの手下が居るのかな……」

ナビィ「早くなんとかしなきゃ、四姉妹が可哀想」

リンクル「うん。なんとかしなきゃね」
リンクル「取り敢えず、奥の部屋行ってみよっか」

リンクル「広くて迷いそうだなぁ」ガチャ

スタルフォス「待っていたぞ、時の勇者!」シャキンッ

リンクル「なっ……スタルフォス!?」シャキンッ

ナビィ「ただのスタルフォスじゃないヨ! 森をさまよってるのとは違うみたい!」

スタルフォス「表のモリブリン共をどうしたのかは知らないが、俺はあの連中とは一味違うぞ!」ブンッ

リンクル「くっ!」ガキンッ
リンクル「ていっ!」ブンッ

スタルフォス「成程、立派な剣だ。それがマスターソードか」バッ
スタルフォス「だが、腕が見合っていなくてはな! はっ!」ダンッ

リンクル「うわっ!」バッ

スタルフォス「どうした、その程度か!」ガンッ ガンッ

リンクル「うっ、くっ、やっ、ぁいっ……!」ガキンッ ガキンッ
リンクル(は、反撃に転ずる隙が……!)

スタルフォス「時の勇者と言えども所詮は女! 力も技も大したことはないようだな!」ブンッ

リンクル「っ!」バッ
リンクル「……っ!」

スタルフォス「もう息が上がったか? そろそろ俺の剣の錆となるがいいわ!」ダンッ

リンクル「!」
リンクル「そこっ!」バシュッ

スタルフォス「ぐおっ!?」
スタルフォス「ぐっ……な、何、クロスボウ!?」

リンクル(入った! モロに入った!)
リンクル(けど……!)

スタルフォス「小癪な……!」ジリッ

リンクル(次は通用しない……! ただ撃ったって盾に弾かれてボルトを無駄にするだけ……!)
リンクル(なんとか隙を作れれば……そうだ、目を眩ますだけでもいい!)パァン

スタルフォス「くっ!? 目がっ!?」

リンクル「てやぁぁぁっ!」ダンッ

ザンッ

スタルフォス「ぐはああっ!? く、クソッ……折角、この世に返り咲いたというのに……!」ボロボロ……
スタルフォス「畜生ォォォォ……!」バラバラバラ

リンクル「はぁ……はぁ……」
リンクル「……ふぅ……」

ナビィ「大丈夫?」

リンクル「平気……けど、やっぱり剣術はまだまだね」
リンクル「マスターソードを上手く使いこなせてない気がする」

ナビィ「修行が必要だネ」

リンクル「……うん」

リンクル「あれ……この壁に飾ってあるの、あたしのと同じクロスボウじゃ……」

ナビィ「ほんとだ。それに、この不自然に空いたスペース……」

リンクル「もしかして、あたしのクロスボウってここから持ってきたものなのかな」

ナビィ「かもしれないネ。いつ頃から使ってるの?」

リンクル「分かんない……気付いた時には持たされてて、それを使うのが当たり前だと思ってたから」
リンクル「なんでこんなところから……誰が持ってきたんだろう」スッ

リンクル「……そうだ、折角だし、こっちも持って行っちゃおうかな」
リンクル「右手でも左手でも使えるわけだし、二つあれば飛ばせるボルトも二倍、ってね」

ナビィ(消費量も二倍だけどね)

リンクル「んー、でも、動きはまた練習した方がいいかな」
リンクル「暫くは持っとくだけにしよっと」

リンクル「迷った……」

ナビィ「迷ったネ……」

リンクル「ここは……うん?」ガチャ
リンクル「そこの絵、あれって……」

ナビィ「四姉妹の次女ジョオが絵の中に居るヨ!」

「帰れと言ったわよ、ハイリア人の子……」

リンクル「そうは言われても、あたしはサリアを助けてガノンドロフを倒さなきゃならないのよ!」

「……あなたに何が出来るというの」

リンクル「少なくとも絵に隠れて喋ってるだけの幽霊さんよりは色んなことが出来ると思うけど?」

「……」

ポゥ……

ジョオ「それなら、力ずくで帰ってもらうわよっ」ボウッ

リンクル「っと、やる気ね!」シャキンッ

ポゥ……

ナビィ「リンクル、後ろ!」

リンクル「っ!」バッ

「捕まえた……」ガシッ

ナビィ「三女のベスだわ!」

ジョオ「よくやったわ、ベス」

ベス「……」ムニムニ

リンクル「ひゃっ!? ちょっと、そんなに撫で回さないでよ……!」ビクッ

ジョオ「……」

ベス「……」ペタペタ

リンクル「手ひんやりしてるぅ……」ゾクゾク

ジョオ「……ベス?」

ベス「……むふん、満足」スッ

リンクル「あーうー……」

ジョオ「ベス、あのね、人が人とお話してる時は邪魔しちゃ駄目って言ってるでしょ?」

ベス「……ジョオ姉様もよく邪魔する」

ジョオ「あんたのあれはコミュニケーションにしても度が過ぎてるの!」
ジョオ「あの森の子にも変なこと教えてたでしょ!」

ベス「ちょっとお手伝いしただけ」

ジョオ「何のお手伝いよ!」

ベス「それに……ジョオ姉様のそれはお話じゃない」

ジョオ「ぐぬっ……!」

ナビィ「あのー……」

エイミー「お姉様ぁー、エイミー火落っことしちゃったぁー」ポゥ

ジョオ「ええっ!? あんた何やってんの!?」

エイミー「だってパズルのブロックが上手く動いてくんなかったんだもん」

ジョオ「それが言い訳になるもんですか!」
ジョオ「早く広間に行って火を……」

メグ「エイミー? エイミー、大丈夫ですか? 広間に火が戻ってきちゃってるけど……」ポゥ
メグ「あら……」

リンクル「ええー……」

ジョオ「姉様! エイミーったら火を落っことしちゃったって……!」

メグ「なんとなく察しはつきますわ」
メグ「ところで、ハイリア人の子がいらっしゃるようですけど……」

ジョオ「あ、そうだ忘れてた!」

ベス「ひどい」

ジョオ「誰のせいだと思ってんの!」

ベス「いやん」

メグ「私は幽霊四姉妹の長女、メグと申しますの」
メグ「ごめんなさいね、ほんとはもっと真剣にあなたを困らせて追い返そうと思っていたのですけど」

リンクル「いや、まぁ、それなりに困ってたから、概ね成功だったんじゃないかな……」
リンクル「どうしてあたし達を追い返そうと?」

メグ「ご存知とは思いますが、私達姉妹はこの館を管理しておりますの」
メグ「ですが、七年ほど前のこと……」

メグ「突如として流れ込んだ邪悪な魔力により、私達は大きく力を失いました」
メグ「そこへ森の外からやってきた魔物達が襲いかかってきたのです」

メグ「力を失った私達ではいくつかの部屋を封鎖し彼らを大半の部屋から閉め出すのが精々でした」
メグ「そして数日前、今度はコキリの森の、昔からよくこの館の前へ遊びに来ていた少女が駆け込んできました」

リンクル「サリア……もしかして、村の危機を伝えに?」

ジョオ「そ。でも……」

ベス「私達もここの魔物に困り果ててたところで、あの子の村の危機は手に負えない……」

メグ「しかも、聖域を巡回する魔物をすり抜けてきたと言うのですから帰すのも危険を感じ」
メグ「仕方なく、この館の安全な部屋に匿っているところです」

ジョオ「奴らに見つからないようにね」

メグ「あなたを追い返そうとしたのも、あなたがこの近辺の魔物の首領と出会ってしまうのを避ける為でした」

リンクル「魔物の首領?」

メグ「はい……私達が封鎖した地下」
メグ「あそこに、魔物の首領ガノンが潜んでいますの」

リンクル「ガノン……!? まさかこんなところに!?」

エイミー「ハイリアちゃん、ガノンを知ってるの?」

リンクル「……7年前から、色々因縁があってね」

リンクル「取り敢えず、話は分かったわ」
リンクル「その上でお願い。地下に通してくれない?」

メグ「……」
メグ「スタルフォスを倒したのは、やはりあなたでしたか」

ナビィ「もっちろん! ネ、リンクル!」

リンクル「うんっ」

メグ「……分かりました。その勇気が蛮勇でないことを切に願います」
メグ「……あら……?」

リンクル「?」

メグ「そのクロスボウは……」

リンクル「これ? ああ、ごめん借りてる」
リンクル「片方は大分昔から使ってるけどね。まさかここのだとは思わなくて」

メグ「……そういえば、お名前を伺っておりませんでしたね」

リンクル「あー、そうね、名乗ってなかったっけ」
リンクル「あたしはリンクル、コキリの森のリンクルだよ」

メグ「……良いお名前ですね。それでは、お気をつけて……」

リンクル「うん! ありがとねー!」タッ


メグ「……」

ジョオ「ふーん……あれが旦那様の……」
ジョオ「やっぱり森に許されたハイリアの子って、その子供も特別なんだねぇ」

エイミー「ねぇねぇ、それあのリンクルちゃんに言わなくて良かったの?」

メグ「……いいんですよ、きっとその内ご自分で見つけ出されますわ」

ゴー……ゴゴン

リンクル「ついた……」

ナビィ「うっ……すごい、邪悪な魔力が」

リンクル「きつかったらあたしのフードに入ってなよ」

ナビィ「ありがとう……そうする」シュ……

リンクル「なんだろうこの部屋……」
リンクル「同じ絵がぐるっと……」

「ブルルルッ」

リンクル「馬……?」クルッ
リンクル「!!」シャキンッ

ガノンドロフ?「クックック……」

リンクル「ガノンドロフ! サリアを救って、森を元に戻してもらうわよ!」

ガノンドロフ?「出来るものならやってみろ……」フワッ

リンクル「浮いた……?」

ガノンドロフ?「尤も、万に一つもお前の勝ちはないがな!」バシュンッ

リンクル「うああーっ!?」バリバリバリ
リンクル「くっ……!」バシュッ

ガノンドロフ?「うおっ!?」
ガノンドロフ?「ぬぅ……!」シュウゥ……

リンクル「……!?」
リンクル「顔が……まさか、ガノンドロフに似せた、魔物!?」

ガノンドロフ?「クックック……バレてしまっては仕方がないな」ボゥ……

異次元悪霊 ファントムガノン

ファントムガノン「はいやっ」ズズズズ……

リンクル「絵に……!?」
リンクル「え、絵の中に消えていく……!」

ナビィ「……! Watch out! 反対側の絵!」

リンクル「はっ!?」

ファントムガノン「フハハハハッ!」バシュンッ

リンクル「きゃあああああっ!?」バリバリバリ
リンクル「う、くそーっ!」バシュッ

ファントムガノン「ハハハハハ……」ズズズズ

ナビィ「また絵に消えていった……!」

リンクル「くぅ……! どの絵から出てくる……!?」

ナビィ「見て! 今度はあの絵に写ってる!」

リンクル「よーし……!」

ファントムガノン「ぬぅん……!」ズズズズ

リンクル「やっぱり絵の出入りには少し時間がかかるんだ!」
リンクル「喰らえっ!」バシュッ

ファントムガノン「ぐおっ!?」
ファントムガノン「ぐぬぅ……少しはやるようだな」

リンクル「そんで今度は馬を降りて真っ向勝負ってわけ?」
リンクル「かかってきなさいよ!」バシュッ

ファントムガノン「ふんっ!」バキッ
ファントムガノン「小細工はなしだ! 直接叩き殺してくれる!」

ファントムガノン「はぁっ!」バシュンッ

リンクル「くっ……!」バッ
リンクル(引きずり出したはいいけど、宙に浮いてるんじゃ対抗出来ない!)

リンクル(剣が届かないのは勿論、クロスボウもそのまま撃っても弾かれちゃうし……!)
リンクル(一体どうすれば……!)

ファントムガノン「フハハハッ、どうした、手も足も出ないか!」バシュンッ

リンクル「っ……ええいっ!」バシンッ
リンクル「えっ……」

ファントムガノン「何っ!?」
ファントムガノン「小癪な!」バシンッ

リンクル「きゃあああっ!?」バリバリバリ
リンクル「っつぅ……!」

リンクル「な……何、今の……!?」ユラッ
リンクル(……今、あたし跳ね返したの!? あの魔法を!?)

ファントムガノン「ふん……次でとどめだ!」バシュンッ

リンクル「っ! てやぁっ!」バシンッ

ファントムガノン「効かぬわ!」バシンッ

リンクル「じゃあもう一度!」バシンッ

ファントムガノン「なっ!?」
ファントムガノン「ぐああああっ!?」バリバリバリ

リンクル「ちょっとはあたしの気持ちが分かったかしら!」
リンクル「これでとどめよっ!」ダンッ

ザンッ

ファントムガノン「グオォォォォォッ!?」
ファントムガノン「ば、バカな……この、俺が……ガノンドロフ様の、幻影であるこの俺が……!」

リンクル「はんっ、他愛ない! 所詮は幻影ね!」

ファントムガノン「うおおおおおおっ……!!」ズズズズズズ……

「小娘、中々やるな……」

リンクル「!」
リンクル「ガノンドロフ! どこから声が……!」

「ふむ……少しは腕を上げた、というわけか……」
「だが、貴様が倒したのは所詮俺の幻影に過ぎぬ……」

「俺と戦う時はこうはいかんと思え」
「……それにしても、不甲斐なき奴め」

ファントムガノン「ガ、ガノンドロフ様……申し訳ありません! どうかお情けを!」

「黙れ! 貴様のような役立たずは次元の狭間に消え去れい!」

ファントムガノン「うっ、うおあああああっ!!」

ズオオオッ……

リンクル「……消えちゃった」
リンクル「っ、そうだ! サリア!」

ポゥ……

メグ「よくぞ、やってくださいました」
メグ「森の館の幽霊四姉妹、己の非力をお詫びすると共に、心より感謝を申し上げます」

メグ「あなたが捜し求める少女、サリア様は森の賢者としてお目覚めになりました」
メグ「さぁ、こちらへ……」

リンクル「……うん」カツカツ

リンクル「……ここか」

「リンクル……」

リンクル「!」
リンクル「サリア!」

サリア「ありがとう、リンクル……」
サリア「お陰で、あたしは森の賢者として目覚めることが出来ました」

サリア「きっと、助けに来てくれると信じてたヨ……」
サリア「だって……」

リンクル「……そうよ、あたしは」

サリア「ううん、言わないで……」
サリア「あたしは森の賢者……時の勇者を支える、七人の賢者の一人」

サリア「もう同じ世界には住めないの……」
サリア「でも、またいつでもあの曲吹いて、サリアのこと思い出してネ……」ギュッ

リンクル「うん……」

サリア「リンクル……」チュッ

リンクル「んっ……」

サリア「サリアは、いつまでも……あなたの友達だからネ……」ポゥ……

リンクル「……うんっ」

取り敢えずここまで

幽霊四姉妹がああいうキャラになったのは何故なのかは自分でも分からん
ああ、折角片方だけ大人になったんだからおねロリえっちしとけば良かった(?)

次回はリンクルの出生を聞いたりカカリコ村に行ったりします
ダンペイレースなんてなかった、いいね?

風のカースガノンが案外と弱くて拍子抜けしてる


更新します

 ep.11 世界を救う旅


――迷いの森

ミド「!」
ミド「サ、サリアは!? お前、サリア見つけたんだろ!?」

リンクル「見つけたよ」
リンクル「でも、もう帰っては来られない」

リンクル「森の賢者としての役目がある……ってさ」
リンクル「これから森は元通りになってくよ、きっと」

ミド「な……! な、なんだよ、それ……」
ミド「森の賢者って、なんだよ……なんでサリアなんだよ……」

リンクル「……ごめんね」

――コキリの森

ナビィ「村の中、魔物居なくなってるネ」

リンクル「邪悪な魔力が消えて、逃げ出したみたい」
リンクル「……さて」

ナビィ「……デクの樹様……」

リンクル「ただいま、デクの樹様」
リンクル「やっぱり、死んじゃったものは戻らないか」

ナビィ「……?」
ナビィ「ねぇ、リンクル、あれ何だろ?」

リンクル「?」
リンクル「うーん……芽、かな……?」

ボンッ

リンクル「うひゃああっ!?」

デクの子「僕、デクの樹の子供デス!」

リンクル「デ、デクの樹様の子供……?」

デクの子「そうデス。君とサリアが森の神殿の呪いを解いてくれたお陰で生まれることが出来たデス」
デクの子「本当にありがとうデス!」

デクの子「昔の仲間達とはもう会ったデスか?」
デクの子「大きくなった君に、誰も気付かなかったデスね」

デクの子「もう知っていると思いますが、コキリ族はこの森に居る限り大人にならない民族……」
デクの子「7年経っても、外に出た君と違って子供のままデス」

デクの子「そして、これまた君はもう気付いているかもしれませんが、君はコキリ族ではありません」
デクの子「君は、本当は外で生まれた、ハイリア人なのデス!」

リンクル「……あたしが、ハイリア人」
リンクル「なんだ……あたし、結局ハイリア人だったんだ……」

デクの子「……デスが、君はただのハイリア人ではないデス」
デクの子「ある意味で、君はコキリ族とも言えるのデス」

リンクル「……どういうこと?」

デクの子「普通のハイリア人は、この森では暮らせません」

ナビィ「森に長く居過ぎると、正気を失って魔物になっちゃうんですよね」

デクの子「その通りデス」
デクの子「では、何故君は魔物にならなかったのか……そのお話を今聞いてもらうデス」

デクの子「まだハイラル王がこの国を統一する以前……」
デクの子「激しい戦争があったデス」

デクの子「その戦乱の最中、ハイラル王に仕える、一人の騎士の妻と赤ん坊がこの森へ逃げ込んできました」
デクの子「本来なら禁断の森とされるこの森へ逃げることはとんでもない愚行デスが……」

デクの子「実は、その騎士は、この森に暮らすことをデクの樹に認められた数少ないハイリア人だったのデス」
デクの子「騎士の妻は、この森の奥にある騎士の別邸を目指していました」

デクの子「しかし、深手を負ったまま迷いの森を抜けることは叶わず、デクの樹に赤ん坊の命を託したのデス」
デクの子「デクの樹はその子を見た時、世界の未来に関わる運命を感じ、受け入れる決意をしたのデス」

デクの子「母親が息を引き取った後、赤ん坊はデクの樹の加護を受けてコキリ族として育てられました」
デクの子「それが君なのデス」

リンクル「……そう。取り敢えず、あたしがハイリア人の中でも大分変わってるのってことは分かったよ」

デクの子「……違和感に気付かないデスか?」

リンクル「何の?」

デクの子「さっき言った激しい戦争……ハイラル統一戦争は、もう30年も前のお話デス」
デクの子「よく考えなくても、君は7年前の段階で既に大人になっていた筈デス」

リンクル「え……?」
ナビィ「い、言われてみれば……」

デクの子「……君は、実はこの森で10歳の身体のまま10年以上を過ごしていたのデス」
デクの子「デクの樹の加護を受けた、とはそういうことデス」

デクの子「コキリ族はある程度まで成長すると、そこから成長が止まり、永遠に年を取りません」
デクの子「ハイリア人の君はそれと同じように過ごす為に、デクの樹の加護を受けました」

デクの子「……尤も、コキリ族自体も森から出ればハイリア人と同じように年を取ってしまうのデスが」
デクの子「兎に角、君はいずれこの森を出て行く運命だったのデス」

デクの子「このことを伝えるのが、僕の役目でした」
デクの子「そして、君にはこれからやらねばならない使命があるのデス」

リンクル「ハイラルを救え、って?」

デクの子「そうデス! 君には、その力があるのデス」

リンクル「……そう」
リンクル「ありがとね、色々教えてくれて。じゃあ、あたし達もう行くよ」

デクの子「君の運命は多くの苦難に出会う過酷なものでしょうが、それを恨んではいけないデス」
デクの子「時の勇者として、ハイラルを救うのデス」

リンクル「……」タッ

ナビィ「リンクル、待ってヨ!」

リンクル(勝手なことばっかり!)タタタタッ
リンクル(ほんとはハイリア人? ハイリア人の中でも変わり種? 半分コキリ族みたいなもん?)タタタタッ

リンクル(結局あたし自身が何者なのか、さっぱり分からないのに、時の勇者だなんて!)タタタタッ
リンクル(ハイラルを救う力って何!? 過酷な運命を恨むな!? なんであたしなの!?)タタタタッ

リンクル(冗談じゃない! 冗談じゃない!!)タッタッタ
リンクル「冗談じゃないっ!! 時の勇者なんて!!」ザシッ

リンクル「コキリ族だと思って育ったのに、突然ハイリア人の変わり種なんて言われて!」シャキンッ
リンクル「突然7年も眠らせて、体だけ大人にして! こんなものっ!」ブンッ

ガランッ ガランガランッ

ファイ(石に当たりました。ちょっと痛い)

リンクル「誰が! 誰が決めたのよっ! 選ばれたくなんかなかったのにっ!!」
リンクル「なんであたしがっ! こんな……こんなことに……っ!!」

ナビィ「リンクル……」

リンクル「ふーっ……ふーっ……!」

リンクル「……」

ナビィ「……リンクル、落ち着いた……?」

リンクル「……ごめん、ナビィ、取り乱した」
リンクル「さっきのは忘れて。大丈夫だから」

ナビィ「ううん……あんな風に言われたら、誰だって混乱するヨ」

リンクル「ファイもごめんね? いきなり投げたりして」スッ

ファイ「いいえ、マスター。心配には及びません」
ファイ「ファイが知り得る中でも、あなたの生い立ちは相当に酷なものであると断言出来ます」

ファイ「あなたが混乱するのも当然のことです。自棄になっていてもおかしくはありません」
ファイ「しかし、あなたは未だそうなっていません」

ファイ「ここで全てを投げ出したりせずに旅を続ければ、何か良いことに巡り合えるかもしれない、と」
ファイ「マスター自身が、心のどこかで思っているものと推測されます」

ナビィ「だから……一緒に乗り越えていこ? ナビィはいつも一緒だヨ」

リンクル「……ありがとう」
リンクル「行きましょ。ハイラルを救わなきゃ」

――カカリコ村

リンクル「エポナが居ると平原もあっという間ね」
リンクル「ありがとう、エポナ」ナデナデ

エポナ「ブルルルッ」

コッコ「コッコッコッコッコッコ」

リンクル「こっこっこっこっこっこー」

ナビィ「またコッコのお姉さんとこのコッコかな?」

リンクル「んー、どうだろ? この前来た時に見かけたのとは違うみたいだけど」

「……お前は……もしやリンクルか?」

リンクル「?」
リンクル「あたしのこと知って……あーっ!」

インパ「久しぶりだな」
インパ「いくらか噂を耳にし、もしやとは思っていたが……」

リンクル「噂?」

インパ「ああ、村の者がな……」
インパ「緑の服に緑のフード、剣とクロスボウを持った旅人の少女など、お前以外にそうそう居るまい」

リンクル「あー、やっぱり目立つかなぁ、このカッコ」

インパ「勇者らしくて良いと思うぞ」

ファイ(当然です。今のマスターの服装は前のマスターと殆ど同じですから)

インパ「それにしても……ついにその剣を手に入れたのか」

リンクル「7年も前のことだけどね」
リンクル「……そうだ。インパさん、お願いがあるの。いい?」

インパ「何だ?」

リンクル「また剣術の稽古をつけてほしいの」

――それから数日

カァン キキィン ガキンッ

リンクル「ふっ、はっ、たぁっ!」

インパ「……ふむ、良い太刀筋だ……だが」ガンッ キンッ ガキンッ
インパ「脇が甘い」ドンッ

リンクル「ぁいぃっ!?」
リンクル「いったぁ……!」

インパ「以前も言ったが、お前には剣士としての非常に優れた才能がある」
インパ「まだまだ技術は粗削りだが、鍛えれば必ず化けると私は確信している」

リンクル「……その“才能”って、具体的には何なの?」

インパ「む、そう来るか。まぁ良かろう」
インパ「いくつもあるが、一つ挙げるならば、覚えの良さだろう」

インパ「どうもお前は王家の騎士の剣術の呑み込みが異様に早い。更には私のシーカー流剣術も吸収しつつある」
インパ「それどころか、お前自身の先天的な身体能力の高さから、独自の進化を遂げる気配すら感じるよ」

インパ「数時間前の時点で基礎的な剣術は出し切った」
インパ「あとはもう少し高度な剣術とシーカー流だけだが、それも見せる度に覚えていくだろう」

インパ「はっきり言って異常だ。普通はもっと長い時間をかけて身につけるものだからな」
インパ「才能としか言いようがない」

リンクル「ただ真似してただけなんだけどね……」

インパ「普通の者はそれが出来ない。私もこれらの技術を身につけるには相当な時間を要した」
インパ「だがお前はそれらをあっという間に身につけてしまう。羨ましい限りだ」

リンクル「……みんな当たり前に出来るもんだと思ってたわ」

インパ「フフ……この場に王家の騎士達が居なくて良かったな」
インパ「彼らが居たら、お前は次々と決闘を申し込まれていたところだ」

リンクル「あ、あはは……流石にそれは嫌かなぁ」

インパ「……それにしても、お前を見ていると奴を思い出すな」

リンクル「奴?」

インパ「統一戦争の時、先程お前が言ったことと同じことを言った男が居たんだ」
インパ「王家に仕えた騎士の一人だったが、お前と同じように、見た技術をいとも簡単に身につけて見せてな」

インパ「何故そんなことが出来るのかと聞くと“みんな当たり前に出来ると思っていた”と」
インパ「懐かしいな」

リンクル「……そう」
リンクル「その騎士さんは?」

インパ「統一戦争で命を落とした。何十年も前の話だ」
インパ「奴には妻と娘が居たが、屋敷が焼かれて使用人とも兵士ともつかない遺体が多くてな……」

リンクル「……」
リンクル「……もう一本、お願いします!」スクッ

インパ「よし、来い」

リンクル「はっ! たぁっ! えぇいっ!」バシュッ バシュッ バシュッ

カカシA「グワーッ」

カカシB「オワーッ」

大カカシ「アイエエエエッ」

ナビィ「すごーい! 今の動きなら敵に囲まれても一網打尽だネ!」

インパ「ふむ、二挺クロスボウも随分使いこなすようになったな」

リンクル「やっぱり剣よりこっちのがしっくりくるの」
リンクル「ごまだれー」チャキンッ

ファイ「二挺クロスボウも結構ですが、今後の為に剣術の鍛錬を推奨します」

ナビィ「剣がクロスボウに嫉妬してる」

――また数日後

インパ「粗方の技術は見せてみたが……お前には驚かされるばかりだ」
インパ「ハイリアの盾も、随分使いこなせるようになったな」

リンクル「……ありがとう」

インパ「最早教えることはない……とは言い難いが、あまり時間を取っていて良い状況でもない」
インパ「これから強大な敵と出会うだろうが、その都度自分の技術と勇気を思い出せ」

インパ「まぁ、少なくとも、城の衛兵くらいではもう相手にならないだろうな」
インパ「それが魔物どもにどの程度通用するかは兎も角、お前ならば大丈夫のような気がするよ」

インパ「ここ数日は技の多彩さより個々の技の質を高めることに集中した」
インパ「何度も言うが、お前の技の多くはまだ真似っこだ。もう少し技を自分のものとするように」

インパ「そうだな……お前にこの言葉を教えておこう」
インパ「勇なき剣に、力は宿らぬ。勇を成し、力を得んとすることは、即ち力を得、勇を成すことだ」

リンクル「うーんん? えーと?」

インパ「正解はない。何が勇で何が力か、お前なりの答えを見つけ出すがいい」
インパ「今は取り敢えず、その言葉だけ覚えておけ」

リンクル「……勇なき剣に、力は宿らぬ……」
リンクル「うん、分かった。ありがとね」

――デスマウンテン登山道

インパ「クロスボウのボルトはいいのか?」

リンクル「うん、水と食糧だけでいい」
リンクル「ボルトはちょくちょく自分で作ってるから」

インパ「そうか」
インパ「次の目的地はデスマウンテンか?」

リンクル「うん」
リンクル「ずーっと気になってたんだよね」

リンクル「明らかに様子がおかしいじゃん」
リンクル「7年後に来てからずっとそう。何か……見るからに嫌な感じ」

インパ「そうだな……ここ最近ゴロン達が村へ下りてこなくなった」
インパ「ゴロンシティにも行って様子を見てみてくれ」

リンクル「最初からそのつもりよ」

――ゴロンシティ

リンクル「んー、あんまり様子が変わった感じは……」
リンクル「……んん?」

ナビィ「変だネ……? 誰も居ないヨ?」

リンクル「一体何が……あ、いや、誰も居ないわけじゃないみたい」

ナビィ「?」

リンクル「ほら、聞こえない?」

ナビィ「んーと……」

……ゴロゴロゴロゴロ

ナビィ「……あっ! ほんとだ!」
ナビィ「何か転がってくるよ!」

ゴロゴロゴロ

リンクル「ちっちゃいゴロン……多分ゴロン族の子供ね」
リンクル「おーい! おぉーい!!」

ゴロゴロゴロ

リンクル「っ、危なっ!」バッ

ゴロゴロゴロ……

ナビィ「止まる気配がないネ……」

リンクル「おい止まれそこの小僧!」バシュッ
ナビィ「それお城の兵士の台詞!?」

ドカーン

「コロー!?」

リンクル「まったく……どんな躾受けてんのよ」ツカツカ

ナビィ「爆弾ボルトは流石にやり過ぎだったんじゃない……?」

リンクル「平気じゃない? あの7年前に案内してくれたゴロンは爆風に巻き込まれても平然としてたし」

ナビィ「そういうもんかなぁ……」

「よくもやったなコロ! ガノンドロフの手下めー!」

ナビィ「ほら、変な勘違いされた……」

リンクル「違うわよ! 言っても止まらないのが悪い!」

「何だとー!? オラの名前を聞いて驚け!」
「オラはゴロンの勇者、リンクルだコロー!」

リンクル「え……?」
リンクル「……あー、あのさ、あたしリンクルっていうんだ」

リンクル(ゴロン)「へっ!?」
リンクル(ゴロン)「お前もリンクルっていうコロ?」

ナビィ「えぇ。あなたと違って女の子だけどネ」

リンクル(ゴロン)「も、もしかして、7年前、ドドンゴの洞窟を制圧したっていうスーパーハイリア人……!?」

リンクル「スーパーハイリア人!?」

リンクル(ゴロン)「あの伝説のドドンゴバスター、リンクル!?」

リンクル「え、何それ初耳なんだけど!? そんな風に呼ばれてんのあたし!?」

リンクル(ゴロン)「オ、オラのとーちゃん、ダルニアだよ! 覚えてる?」

リンクル「お、覚えてるけど……」
リンクル「ちょっと、さっきのスーパーハイリア人とかドドンゴバスターとか何!? そっち教えて!?」

リンクル(ゴロン)「詳しくは知らないコロ。でもオラはずっとそう言われて育ったコロ」
リンクル(ゴロン)「オラ達でもドドンゴやっつけるのは難しいのに、ハイリア人はもっと難しいに決まってるコロ」

リンクル(ゴロン)「でもリンクルはハイリア人の、しかも子供なのにドドンゴいっぱいやっつけたコロ」
リンクル(ゴロン)「だからリンクルはハイリア人はハイリア人でも、スーパーハイリア人だコロ!」

リンクル「ええー……なんかやだなぁ、そんな宇宙の戦士に匹敵する地球人みたいなの……」

リンクル(ゴロン)「オラの名前、とーちゃんがリンクルの勇気にあやかってつけたんだコロ」
リンクル(ゴロン)「オラもこの名前気に入ってるコロ」

リンクル(ゴロン)「リンクルはオラ達ゴロンにとってえーゆーコロ! 会えて嬉しいコロ!」
リンクル(ゴロン)「サインしてほしいコロ! ゴロンのリンクル君へって書いてほしいコロ!」

リンクル「ああ、はいはい……」
リンクル「そんなことより、他のゴロン達はどうしたの?」

リンクル(ゴロン)「あ……そういえば本物のリンクルに会えた喜びで忘れてたコロ……」
リンクル(ゴロン)「みんなを助けてほしいコロ!」

取り敢えずここまで

ちょっと設定とか色々アレだったかもしれない

次の更新は火山か砂漠の神獣を一体攻略してからになります

ナボリス攻略の目途が立ちません
雷のカースガノン強過ぎ毎回武器落としちゃう


神獣攻略してないけど更新します

 ep.12 炎の賢者


――デスマウンテン火口

リンクル「うえぇ、落ちたら怪我じゃ済まないよね、あれ……」

ナビィ「高さもそうだけど、下は溶岩だからね」

リンクル「熱もすごい……ゴロンの服がなかったら熱だけで死んじゃいそうだよ」
リンクル「こんなところゴロン族は平気で入れるんだねぇ……」

ナビィ「多分魔物も結構居る筈だよ、炎の神殿には」

リンクル「やっぱり魔物も燃えてるのかなぁ」
リンクル「それにしても、邪竜ヴァルバジアだっけ?」

ナビィ「うん」

リンクル「ドドンゴといいヴァルバジアといい、よく食べられるねゴロン族って」

ナビィ「食べる以外にゴロン族やっつける方法がないんじゃない?」

リンクル「あー……ありそう」
リンクル「しかし、肝心の炎の神殿が見つからないわけだけど……」

ザッ

リンクル「あら、あれは……」

リンクル「シーク。そんな格好で熱くないの?」

シーク「……平気だよ」
シーク「時を越えて育まれしもの……真実の友情は時を経て、より強き絆となる……」

シーク「その熱い心はやがて正しき者の力となり、進むべき道を照らすであろう……」
シーク「炎の神殿はこの先だ。門が見えるだろう?」

リンクル「あー……あれかな? あれっぽい?」
リンクル「あの橋渡らないといけないのかぁ……」

リンクル「ま、いいや。ありがとね、シーク」クルッ
リンクル「……あれ? シーク?」

ナビィ「居なくなっちゃったネ……」

リンクル「もう、いっつもいつの間にか居なくなっちゃうんだから」

――炎の神殿

リンクル「へぇ、なんだか不思議な雰囲気……」

ファイアキース「キィキィキィキィ」バサバサバサ

リンクル「うるさいっ」ザンッ

ファイアキース「キャアアアッ」

リンクル「剣もあっついや」

ファイ「ヒルトだけでも熱を下げた方がよろしいですか?」

リンクル「いや、いい」

ナビィ(ていうかそんなこと出来るんだ……)

リンクル「うわぁ、ここも溶岩いっぱいだ」
リンクル「……あれっ、向こう岸に居るのは……」

「そこに居るのは……リンクルか?」
「おお、リンクルだゴロ! 久しぶりだなぁ!」

リンクル「ダルニア! 久しぶり!」
リンクル「ちょっとあれどういうことよ、スーパーハイリア人とかドドンゴバスターとか!」

ダルニア「ああ、あれか? すまねぇ、ドドンゴの洞窟の件が嬉しくってよ、つい話が大きくなっちまったゴロ!」

リンクル「お陰であんたの子供に言われてびっくりしたわよ!」

ダルニア「何、俺の息子に会ったのか!? あいつ、ちゃんと隠れてたか!?」

リンクル「転がってた! 爆弾でもぶっつけないと止まらなさそう!」

ダルニア「何!? あいつめ、ちゃんと隠れとけって言ったのに……」
ダルニア「まぁ、いい」

ダルニア「リンクル! 暫く会わねぇ間に大きくなりゃあがって!」
ダルニア「昔話に花でも咲かせてぇとこゴロが、そうも言ってられねぇ!」

ダルニア「ガノンドロフの野郎、太古の邪竜ヴァルバジアを復活させちまいやがった!」
ダルニア「おまけに他の部族への見せしめだと抜かしやがって、俺の仲間達を邪竜の餌に……」

リンクル「あんたのとこのリンクルから聞いた!」
リンクル「ヴァルバジアは本調子が出るまでここで力を溜めてるって!」

ダルニア「ああ! 奴がここから出ちまったら、ハイラル中が焼け野原だ!」
ダルニア「それだけはなんとしても避けなきゃならねぇ!」

リンクル「分かってる! でも邪竜を倒すにはでっかいハンマーが要るんでしょ?」
リンクル「あたしは神殿を回ってゴロン達を助け出すから、ダルニアはハンマーを取ってきて!」

ダルニア「分かった! 恩に着るぜ、兄弟!」
ダルニア「行くぞ! 作戦開始だ!」

ナビィ「リンクル! あそこに牢屋があるヨ!」

リンクル「ん、分かった」

赤バブル「ヘッヘッヘ、カンタンニトオストオモウカ」

リンクル「邪魔!」バシュッ

赤バブル「グヘェッ」

リンクル「このスイッチね……よっと」ガコン

ガラガラガラガラ

ゴロン「お、こ、これ逃げていいゴロ?」
ゴロン「ありがとうゴロ! 助かったゴロ!」

リンクル「どういたしまして」

リンクル「うーん、バラバラに閉じ込められてるみたいね。ほんと神殿全体回る必要がありそう」
リンクル「はい、開けたよ」

ガラガラガラガラ

ゴロン「あ、ありがとうゴロ!」
ゴロン「……ん? もしかしてお前あの時のドドンゴバスターのお嬢ちゃんゴロ?」

リンクル「あ、もしかして色々案内してくれたゴロン?」

ゴロン「そうだゴロ。あの時に引き続き、今回も助けてくれて、何とお礼を言ったらいいか分からんゴロ……」

リンクル「いいのよ、お礼なんて」
リンクル「……あ、そうだ! あなたこの神殿の構造分かる?」

ゴロン「大体は分かるゴロ」

リンクル「良かった! 他のゴロン達が閉じ込められてる場所の見当つくかな?」

ゴロン「おう、オラ達を閉じ込められる檻なんてそうそうないからすぐ分かるゴロ!」

リンクル「じゃ、また案内お願いしていい?」

ゴロン「お安い御用だゴロ!」

リンクル「大分助け出せたね」

ゴロン「本当に良かったゴロ……」
ゴロン「やっぱりお前はスーパーハイリア人だゴロ!」

リンクル「それやめてくんない!?」

「ククク、スーパーハイリア人か、面白い」

リンクル「面白くない!」
リンクル「……って、誰?」

ゴロン「き、気をつけるゴロ!」
ゴロン「これは……オラ達を見張ってたガノンドロフの手下の声だゴロ!」

リンクル「えっ!?」
リンクル「どこに居るの!?」

「ハハハハ、ここだ!」ダンッ

リンクル「おっと!」バッ
リンクル「炎の中から……!」

フレアダンサー「我が名はフレアダンサー!」
フレアダンサー「時の勇者よ、我が炎の舞いで踊り狂い、焼け死ぬがいいわ!」クルクルクル

リンクル「踊り出し……うわっ!」バッ
リンクル「くっ、リーチが違い過ぎる! 剣が届かない!」

フレアダンサー「ハッハッハ! 踊れ踊れぇ!」シャアアアアッ

リンクル「ひっ! あちっ、滑り出した!?」バッ

ナビィ「動きも速い! 剣じゃ勝負出来ないヨ!」

フレアダンサー「ハーッハッハ! 時の勇者もこれまでだな!」シャアアアアアッ

ゴロン「ふんっ!」ドコォッ

フレアダンサー「ぐほぉっ!?」ボヒュンッ

ゴロン「なんだ、炎はただの見せかけだゴロ!」

ナビィ「あの中心の小さいのが本体だったんだ!」

フレアダンサー「げぇっ! 火が吹っ飛ばされちまった! なんて馬鹿力だ、ゴロン野郎め!」
フレアダンサー「……ハッ!」

リンクル「……」スッ

フレアダンサー「ひいいいっ! お助けぇーっ!!」ダッ

リンクル「逃がすかぁっ!!」ダッ

フレアダンサー「」

リンクル「ったく」
リンクル「ダルニアはハンマー見つけたかな」

ゴロン「ダルニアのアニキとはもう会ったゴロね?」
ゴロン「お前とアニキが揃えば向かうところ敵なしゴロ!」

リンクル「だといいんだけど」
リンクル「牢屋の心当たりはあといくつ?」

ゴロン「次で最後ゴロ」

リンクル「ん」

ゴゴゴゴゴゴゴ

リンクル「うわっ、な、何!? 地震!?」

ゴロン「こ、この揺れは……まさか……!」

「グオオオオオオオオオッ!!」

ドドオッ

リンクル「溶岩から何か出てきた!」

灼熱穴居竜 ヴァルバジア

ヴァルバジア「グオオオオオオッ!」

リンクル「なぁっ!? り、竜だぁーっ!?」

ゴロン「ひえーっ! 邪竜ゴロー!」ゴロゴロゴロ

リンクル「予想より早いよ!」
リンクル「飛んでる!? 飛べるのか邪竜!?」

ヴァルバジア「グオオオオオオオオッ!!」ボオオオッ

リンクル「うわああああっ! 火噴いてきたぁーっ!」バッ

ヴァルバジア「グオオオオッ!」ズズズズ

リンクル「よ、溶岩に潜ってった……!」
リンクル「空飛ぶわ火噴くわ、一体どうすりゃいいのよ!」

ナビィ「じ、弱点なんて分かんないヨー!」

ヴァルバジア「グオオアアアアッ!」バアッ

リンクル「ま、また出てきた!」

ゴロン「あ、危ない! 喰われるゴロ!」

リンクル「ええい、喰らえ!」バシュッ バシュッ

ヴァルバジア「グオオオオッ!!」

リンクル「だあああっ危ないっ!」バッ
リンクル「駄目! 城のボルトも通用しない! 鱗に弾かれた!」

ナビィ「やっぱりダルニアがあのハンマー持ってこないと勝てないのかな……」

リンクル「それならそれまでここで時間を稼ぐのみよ!」
リンクル「絶対外には出させない!」バシュッ

ドカーン

ドカーン ドカーン

リンクル「っ……!」

ゴロン「リ、リンクルー! もう無茶だゴロ!」
ゴロン「いくらお前でも、爆弾も通用しない奴にこれ以上は……!」

リンクル「はぁ……はぁ……そんなの、やんなきゃ分かんないでしょ……!」チャキンッ
リンクル(とは言ったものの……)

リンクル(爆弾ボルトは使い切ったし、城のボルトも残り少ない……)
リンクル(でも、森のボルトが通るとは思えない!)

ヴァルバジア「グオオオオオッ」バクンッ

リンクル「っ!」バッ
リンクル「このっ!」バシュッ

ヴァルバジア「ギャアアッ!」グオンッ

リンクル「……はっ……!?」
リンクル「さ、刺さった……!? ナビィ!」

ナビィ「隙間だヨ! 鱗の隙間!」

リンクル「成程、あそこなら刺さるのね……!」

ナビィ「で、でも、狙って当たるようなものじゃ……!」

「おおおおおおおおおおっ!!」

ヒュルルルル ドゴォ

ヴァルバジア「グギャアアアアッ!?」グラグラ

リンクル「!?」

ドボーン

リンクル「あのヴァルバジアがふらついて溶岩に……!?」
リンクル「一体何が降ってきて……!」

ダルニア「待たせたな、兄弟!」

ゴロン「ダルニアのアニキ!」

リンクル「ダルニア!」
リンクル「それが伝説のハンマー?」

ダルニア「おう! 神殿のてっぺんにあってよ、ちょいとばかり時間かかっちまったゴロ!」

リンクル「遅いよ、ばかっ! もう少しで消し炭になるとこだった!」

ダルニア「へへっ、悪ィ、悪ィ!!」

ヴァルバジア「グルルルル……!」ズズズズズ

リンクル「っと、上がってきた……」

ダルニア「ヴァルバジア、おめえ……このハンマーを覚えてるようだな?」
ダルニア「太古の昔、おめえを叩き潰したハンマーだゴロ」

ダルニア「もう一度! あの時おめえを叩き潰したこいつの使い手の子孫であるこの俺が!」
ダルニア「おめえを叩き潰すからな!」

リンクル「行くよっ!」

リンクル「城のボルトはこれで看板よ!」バシュッ バシュッ

ヴァルバジア「グオオオオッ!」ボオオッ

リンクル「やっぱり鱗の隙間なんか狙って当たるところじゃないか!」バッ
リンクル「けど……高度を下げたわね!」シャキンッ

ダルニア「オラァッ、こっち向けっ!」ドゴォ

ヴァルバジア「ギャアアアアッ!」ボオオオッ

ダルニア「ふんっ! 俺達ゴロンにゃ火なんぞ屁でもねぇ! そらもうちょっとこっちだ!」ドゴォ

ヴァルバジア「グアアアアッ!」

ダルニア「怯んだぞ! リンクル!」

リンクル「はああああっ!!」ダンッ

ザンッ

ヴァルバジア「ガッ」

ナビィ「上手い! やっぱり鱗の隙間なら剣だって通るんだ!」

ドンッ

ゴロン「うひゃああ、邪竜の頭が落ちてきたゴロ!」

リンクル「っと……!」タンッ

ヴァルバジア「グ、オ、ア、オオ……」

リンクル「……!」ジリッ

ヴァルバジア「……ォ……」
ヴァルバジア「」

ナビィ「……死んじゃったみたい」

リンクル「……、はぁっ……」ドサッ

ダルニア「おっと、疲れちまったか?」
ダルニア「やったな、兄弟!」スッ

リンクル「……ええ!」ガシッ

――カカリコ村

屋根の上の男「なんだかデスマウンテンの様子が変だけど、なんだろうなぁ」
屋根の上の男「あの山のお陰で毎日天気悪いから、日向ぼっこも微妙なんだよなぁ」

ゴゴゴゴゴゴ
ドゴォォォン

屋根の上の男「ファッ!?」
屋根の上の男「ななな何事だぁ!? いよいよ噴火するのかあの山!?」

ズオオオオオオ……

屋根の上の男「な、な、な、ど、ど、どうなるってんだよ!?」

ォォォ……

屋根の上の男「……晴れた……」
屋根の上の男「……日向ぼっこ日和だ……」

――炎の神殿

ダルニア「……おっ?」

リンクル「ダルニア?」

ダルニア「成程な、そういうことか……」
ダルニア「兄弟!」

リンクル「うん」

ダルニア「ありがとうよ! 一族を代表して礼を言うぜ!」
ダルニア「おめえには助けられっぱなしだな」

ダルニア「だけど、今度は俺がおめえを助ける番だ」
ダルニア「まさかこの俺が炎の賢者サマだとはな……」

リンクル「じ、じゃあ、ダルニア……」

ダルニア「笑っちまうぜ、なぁ兄弟!」
ダルニア「まぁ、これも運命ってやつだ……」

ダルニア「ここで俺が封印の手伝いをやることでおめえの助けになるってんならこれほど嬉しいことはねぇよ」
ダルニア「忘れんなよ、おめえと俺は本当の兄弟姉妹だゴロ!」ポゥ……

リンクル「……うんっ」
リンクル「ありがとう、ダルニア」

取り敢えずここまで

次回はゾーラの里とかハイリア湖とか行きます
……が、次の更新いつになるか分かんないのでここまでで質問等あればどうぞ

おつ
ダンペイさんスルーしてモーファどうするかと思ったがどうにか>>1ならしそう、うまいわ

おつ
ファイとナビィが一緒の地点で予想してたけど
ファイの活躍所が難しそう

片手にボウガン、もう片方にマスターソード、さらに盾に持ち替え出来て最終的に二丁ボウガンも予定してるってリンクに劣らずウェポンマスターだな
手がいくつもあるように見えそう

>>232
モーファのこと特に特に考えてはなかったんだけど、ダンペイのおっさんのとこ以外にもフックショットはあったよなってスルーしちゃった
ありがとう

>>233
実はファイは活躍させる為に登場させたわけじゃなくて、ただ単純に好きなのとボケ役が一人欲しかっただけだったりする。リンクルとナビィの二人での掛け合いよりもう一人居た方が楽しいっていうかやりやすいってくらいなので、殆どどうでもいいことを言ってばっかりの可愛い精霊枠の予定
沢山の武器を瞬時に持ち替えて使いこなせなければ勇者は務まらない(?)

ゼルダの伝説好きだからこういうSS嬉しい
話も面白いし応援してます
久々に時オカやろうかな

雷倒した
金属製の盾がまずいってそりゃそーだわ少し考えりゃ分かったろうになんで丸二日間も頑なに金属製の盾で挑んで感電死してたんだ

あと親に「前の会社(二週間くらい休みなし連勤とか日に10時間以上の労働とかあったとこ)辞めたのは気合いが足りなかったからだ」「働かないのは許さん」みたいなこと言われたので、心は全く完治してないけど来週くらいから学生の頃数年間バイトしてたとこでまた働き始めるので更新ペース落ちるかもしれないです


>>235
嬉しい ありがとう

更新始まるよ

 ep.13 凍てつく洞窟と水底の神殿


――ハイリア湖畔

リンクル「広き湖、って言うからここだと思って来てみたけど……」
リンクル「なーんだこりゃ」

ナビィ「殆ど干上がっちゃってるネ……」

リンクル「んー……あ、そういえばあそこゾーラの里に通じる水路だったよね」
リンクル「確かこの門のところ……なんだこれ」

ナビィ「氷……みたいね。変だよ、凍るような季節じゃないし、この気温じゃ普通は溶けちゃう」

リンクル「うーん……そうだ」
リンクル「取り敢えず、みずうみ研究所に行って話を聞いてみよっか。博士なら何か知ってるだろうし」

――ハイリア湖畔 みずうみ研究所

リンクル「こんにちはー」

みずうみ博士「おや? その緑装束に妖精とクロスボウ……」
みずうみ博士「もしやいつぞやのお嬢ちゃんか?」

リンクル「はい、お久しぶりです! 覚えててくれたんですね!」

みずうみ博士「覚えておるとも。大きくなったのぅ」

リンクル「えーと、それで……」

みずうみ博士「ああ、言われんでも分かるぞ」
みずうみ博士「このハイリア湖が一体何故こんなことになっとるのか、じゃろう?」

リンクル「はい! なんでこんなに水が減って……?」

みずうみ博士「詳しいことはワシにもよく分からんがな……」
みずうみ博士「このハイリア湖の水源はゾーラの里……もっと言えばその奥の泉じゃ」

みずうみ博士「水路の方はもう見たかの? 凍っておったじゃろう?」
みずうみ博士「ゾーラの里に何かあったのかもしれん」

リンクル「ゾーラの里……」
リンクル「分かりました。行ってきます!」

みずうみ博士「気をつけてな」

――ゾーラ川

リンクル「お疲れ、エポナ」
リンクル「暫くここで待っててね」ナデナデ

エポナ「ヒヒィン」

リンクル「さて、と……」
リンクル「……川の様子はあんまり変わりないけど……」

リンクル「……んん?」
リンクル「ナビィ、なんか肌寒くない?」

ナビィ「言われてみれば……気温が低いみたい?」

リンクル「季節じゃないよね?」
リンクル「やっぱり何かあったのかな……」

――ゾーラの里

リンクル「な、何これ……!?」

ナビィ「ゾーラの里が……氷に覆われてる……!?」

リンクル「どうしてこんなことに……」
リンクル「……! ナビィ! 下!」

ナビィ「氷の中にゾーラ族が……お、大勢居るヨ!?」
ナビィ「で、でも生命力は全然……」

「誰か居るのか!?」

リンクル「!」シャキンッ

ゾーラ「一体何者だ……って、君は」
ゾーラ「ハイリア人かい? よく来てくれた!」

リンクル「良かった……誰も居ないかと思ったよ」

ゾーラ「あー……いや、間違ってはないよ」
ゾーラ「生き残ったのは僕含め陸の上に居た数人だけだ……」

リンクル「……何があったの?」

ゾーラ「分からない……僕は観光客向けの店をやってて、陸の上で仕事をしてるんだ」
ゾーラ「だからあんまり詳しくは知らないんだけど、数日前急に里の水が凍り出したらしくてね」

ゾーラ「兵士達が何やら泉の方へ集められてたらしいけど、その間にもどんどん凍っていって……」
ゾーラ「多くの仲間が陸に避難できないまま、この有様さ」

ゾーラ「少しずつ頑張って融かしてるんだけどね、凍るスピードの方が早くて……」
ゾーラ「ルト姫も行方不明だし、一体どうしたらいいんだ……」

リンクル「そんな、ルトまで……」
リンクル「あっ、キングゾーラは?」

ゾーラ「キングゾーラ様は……」
ゾーラ「……玉座に行ってみるといい。説明が難しい」

リンクル「分かった。ありがとね」

――ゾーラの里 玉座

リンクル「なっ……キングゾーラまで!?」

ナビィ「この氷……変だよ」
ナビィ「すごく、嫌な魔力を感じる……」

リンクル「不思議な……赤い氷……」

ゾーラ「む……ハイリア人か」

リンクル「ゾーラの兵隊さん」

ゾーラ「ご覧の通り、我らがゾーラの里は氷漬けだ」

リンクル「原因は分からないの?」

ゾーラ「分からない……少し前にジャブジャブ様が急に居なくなって……」
ゾーラ「それから猛烈な冷気が里を襲った。恐らく根源は氷の洞窟だろうが……」

リンクル「氷の洞窟?」

ゾーラ「泉の隅にある洞窟だ。ハイリア人が何度か調査に行ったが、変わった魔力が漂う場所らしい」
ゾーラ「私も一度だけ入ったことがあるが、今の里のような、凍てつくような寒さだった」

リンクル「……分かった。ちょっと行ってみるよ」

ゾーラ「ああ……だが、気をつけろ」
ゾーラ「我々もこの異変が起きてから、十数人の兵を送り込んだが、未だ誰一人として帰ってきていない」

リンクル「……」ゴクリ
リンクル「……その前に、何か暖かい服欲しいな。なんかお腹痛いし」

――翌日 氷の洞窟

リンクル「よーし、これなら寒くない!」

ナビィ「お腹は大丈夫?」

リンクル「昨日ほど酷くないよ」
リンクル「ファイ、ありがとね、色々教えてくれて」

ファイ「いいえ、当然のことです」
ファイ「またお困りのことがあればいつでもお呼びください」

リンクル「うん」

ナビィ「どうでもいいけどあの玉座に居たゾーラの兵士さん女の人だったんだネ……」

リンクル「あの人お腹痛いって話したら妙に優しくなったよね……」
リンクル「しかしここは一段と寒いなぁ……」

ナビィ「ほんとにネ……」

リンクル「うわぁ、氷の塊がいっぱい……」
リンクル「色んな形のがあるのね」

ナビィ「……リンクル! 気をつけて! それは魔物だヨ!」

リンクル「えっ!?」

フリザド「コオオオォォォ」

リンクル「うっ!?」パキパキパキ

ナビィ「リンクル!」

ファイ「警告、マスターの体温の急速な低下を確認」

リンクル「く……!」ググッ
リンクル「はあっ!!」バキンッ

ナビィ「すごい! 自力で割っちゃった!」

リンクル「よくもやってくれたわね!」バシュッ

フリザド「ジュッ」

ナビィ「ボルトが燃えてたヨ? どうやったの?」

リンクル「ディンの炎と組み合わせただけ。実際はただの木のボルトよ」

ナビィ「よくそんなの瞬時に思いつくネ……」

リンクル「誰でも思いつくと思うけど……」
リンクル「あー、冷えちゃったからちょっと休憩して行こ……」ボッ

ナビィ「便利ね、ディンの炎……」

リンクル「結構奥まで来たけど……」
リンクル「ゾーラの兵隊さん達は結構な人数送り込まれたらしいのに、影も形も見当たらないね」

ナビィ「途中に魔物がいっぱい居たのに、無視してきたとは考えにくいけど……」

ホワイトウルフォス「アオオーン!」

リンクル「おおっと!」チャキッ
リンクル「ウルフォス……にしちゃちょっと大きいし白いけど、久々ね!」

ホワイトウルフォス「グルルル……」
ホワイトウルフォス「ガウッ!」ダンッ

リンクル「はいっと」ゲシ

ホワイトウルフォス「キャインッ」ドシャッ
ホワイトウルフォス「ガオゥッ!」ザザッ

リンクル「大きくなっても白くなってもウルフォスと大した違いはないのね」バシュッ

ホワイトウルフォス「キャインッ!」

ファイ(剣を抜くまでもないですかそうですか)

リンクル「ここが一番奥かなぁ」

ザッ

リンクル「?」

「また会ったな、リンクル……」

ナビィ「シーク」

シーク「ゾーラ族に会いに来たのなら、無駄足だったな……見ての通りだ」
シーク「彼らの殆どは厚い氷の下……あの中で一体何人が生き残っているやら……」

リンクル「ルトは?」

シーク「ゾーラの姫だけは、僕がなんとか助け出した」
シーク「しかし、その姫も“水の神殿へ行く”と言い残して行ってしまった……」

リンクル「水の神殿……分かった。ありがとう」

シーク「この氷は邪悪な呪いによるもの……根源である水の神殿の魔物を倒さねば、氷は融けぬ……」
シーク「……時は移り、人も移る……それは水の流れにも似て、決して留まることはない……」

シーク「幼き心は、気高き大志に……」
シーク「幼き恋は、深き慈愛へ……」

シーク「澄んだ水面は成長を映す鏡……」
シーク「己の姿を見たいのならば、水の神殿へ行くといいハイリア湖の底だ」

シーク「それと……赤い氷は青い炎で融かせる」
シーク「融かしても融かさなくても君の姿は映らないかもしれないが、探してみるといい」

リンクル「シークが言ってたのって、これかな?」

ナビィ「青い炎……魔力が噴出してるのがそう見えるみたい」

リンクル「へぇ……不思議ね、熱くない」

ナビィ「……あ、そうだ」
ナビィ「そこに赤い氷あるじゃない?」

リンクル「ああ、キングゾーラを凍らせてたのと同じようなのがあるね」

ナビィ「その炎で融かせないか試してみない?」

リンクル「どうやって?」

ナビィ「その空き瓶」

リンクル「炎なんか掬えるのかな……」

――ゾーラの里 玉座

キングゾーラ「あー、余は生き返ったゾラ……」ジュウウゥ……

リンクル「まさかほんとに空き瓶に掬えて、赤い氷融かせるとはねぇ」

キングゾーラ「余を助けてくれたのはその方ゾラ? うむ、苦しゅうない!」

リンクル「いえいえどういたしましてー」
リンクル「さ、水の神殿に行かなきゃ」

キングゾーラ「待たれよ……水の神殿とな?」
キングゾーラ「しかしその方、見たところ水中では苦しそうじゃ」

キングゾーラ「おい、あの服をこの者に与えてやれ」
キングゾーラ「その方には余を助けた褒美としてゾーラの服を授けよう。それがあれば水の中でも苦しゅうない!」

ゾーラ「こちらです」スッ

リンクル「態度変わったね」ボソッ

ゾーラ「うるさい」ボソッ

リンクル「ありがとうございます、キングゾーラ」

キングゾーラ「うむ!」

――水の神殿

リンクル「ふうっ」ザバッ
リンクル「ハイリア湖の底にこんな空間があったなんてねぇ……」

ナビィ「うーん……なんだかややこしそうだネ」
ナビィ「いつもと違って三次元的にかなり動き回ることになりそう」

リンクル「でも早いとこ片付けちゃわないと、氷の下のゾーラ族が凍死しちゃうよ」

ナビィ(もう手遅れだと思うんだけどなぁ)

リンクル「それにしてもこの服すごいや。水中でも普通に息が出来る」

ナビィ「魔法の服ってすごいのネ」

「……リンクル? もしやリンクルではないか?」

リンクル「うん?」クルッ

取り敢えずここまで

質問等あればどうぞ

ありがとうな……

ここのリンクルにとってルトは一緒にジャブジャブ様を冒険したし、性格的にも結構馬が合ってる感じなので親友みたいな認識
一方ルトにとってリンクルは……


更新します

 ep.14 水の賢者


「おお、やはりリンクルか!」

リンクル「あなたは……」
リンクル「もしかして、ルト!?」

ルト「うむ! ゾーラのプリンセスにしてそなたのフィアンセ、ルト姫じゃ!」

ナビィ「フィアンセ!?」
ファイ「!?」

リンクル「ふぃあんせ?」
リンクル「まぁいいや。久しぶりだね! なんだか印象変わった?」

ルト「ああ、久しぶりじゃな」
ルト「まぁ7年も経てば印象の一つや二つ変わるものじゃ。そなたは相変わらずじゃな?」

リンクル「まぁね」

ルト「それにしても、7年もほったらかしとは酷い子ゾラ……」

リンクル「あー、うん、ごめんね……」

ルト「埋め合わせはきっちりしてもらうぞ!」
ルト「じゃが、今はそんなことをしておる時ではない」

ルト「そなたも見たであろう? 凍てついたゾーラの里を……」
ルト「わらわはシークという若者になんとか助けてもらったが……」

ルト「多くの民が、父上が、まだ凍ったままじゃ」
ルト「わらわはみんなを助けたい! ゾーラの里を救いたいゾラ!」

ルト「そなた、協力してたもれ」
ルト「そなたの妻となり夫となるわらわの頼みじゃ!」

ナビィ(お前は何を言っているんだ)

リンクル「勿論! あたしだって、ゾーラ族のみんなは助けたいんだから!」

ルト「……ありがとう、リンクル」

リンクル「お礼は全部終わってからにしよ?」

ルト「……うむ!」

ナビィ「……あのさ、リンクル?」

リンクル「何?」

ナビィ「あのー……妻とか、夫とか、意味分かってる?」

リンクル「分かんない」

ナビィ「……」ガクッ

ルト「……」ニコニコ

リンクル「でも、すっごく仲良しってことでしょ? 違う?」

ルト「今はそれで良い」

ファイ「よろしくありません」

ナビィ「……あのね、リンクル」
ナビィ「妻とか夫とかっていうのはね、結婚する相手のことなの」

リンクル「うんうん?」

ナビィ「ハイリア人は愛し合ってる二人が結婚して子供を作る、って以前教えたわよね?」

リンクル「うん、教えてもらったよ」
リンクル「じゃあ問題ないんじゃない? あたしはルトのこと大好きだよ?」

ルト「ブフッ」

リンクル「えっ、どうしたのルト!?」

ナビィ「……あのね、よく聞いて?」
ナビィ「結婚っていうのはね、男の人と女の人がするものなの。女の子同士っていうのはいだだだだだだだ」

ルト「余計なことを言うでない、お喋り妖精!」ギリギリギリ
ルト「そなたとわらわは確かに女同士で、しかも種族も違う」

ルト「しかし、愛の前にそんなものは問題ではない!」
ルト「さぁ、ちゃっちゃと魔物をやっつけて里に帰るゾラ!」

リンクル「おーっ!」

ナビィ(いいのかなぁ、これで……)

シェルブレード「ゴパッゴパッ」

リンクル「うわ、でっかい貝」

ルト「気をつけろ、そやつの挟む力は人間やゾーラをあっさり千切って殺す程じゃぞ」

リンクル「でも殻が硬くて普通の攻撃じゃ通らないよ」ガンガン

シェルブレード「イタイイタイ」

ルト「弱点は殻を開いた時の貝柱じゃが……」
ルト「外からあんまり叩くもんだから警戒して開かんな」

リンクル「むぅ」

ナビィ「爆弾ボルトは? ゴロンシティで新しくもらった爆弾あったでしょ?」

リンクル「ん、じゃあやってみよっか」バシュッ

チュドーン

シェルブレード「!?」

ルト「おおっ」

リンクル「なんか前より威力上がったのかな。7年の間に新型に大分置き換えられたって言ってたけど」

シェルブレード「イタカッタヨイタカッタヨ」

ナビィ「……あれ? 吹き飛んだだけでダメージは殆どないみたい」

リンクル「ええー……」
リンクル「一応退いてはもらえたし、無視して行こっか」

ルト「そうじゃな……」

ボトッ

リンクル「?」

ライクライク「ウジュジュジュ……」ウネウネ

ルト「きゃっ!? な、なんじゃこいつは!?」

リンクル「ル、ルト! 早く逃げ……」シャキンッ

ライクライク「グジュルッ」
ルト「ひゃああああっ!?」

リンクル「あー、遅かった!」

ナビィ「ル、ルト姫を飲み込んじゃった!」

ライクライク「ジュルルルルッ」グネグネ

ルト「は、はよ助けてたもれっ!」
ルト「ひゃうっ!? ど、どこ触って……ああっ! そ、そこはぁ……!」ビクンッ

ナビィ「な、何してるのこの魔物!?」

リンクル「助けるったって……剣やクロスボウで下手に攻撃したらルトが……」
リンクル「そ、そうだ! ディンの炎!」ドヒュンッ

ライクライク「ジュアアアッ」ペッ

ルト「あ~れ~っ!?」ドタッ

ライクライク「グジュルルルッ!」
リンクル「うわあっしまった!?」

ナビィ「リンクル!」

ライクライク「ジュルルルッ」グネグネ

リンクル「や、やだっ、服が……っ!」
リンクル「ひやぁっ!? なになになにっ、ちょっと、そんな、吸いつかないでぇーっ!」ビクビクッ

ルト「わ、わらわのリンクルにまで……! 許さぬっ!」つ壺
ルト「リンクルを離せっ!」ガチャーン

ライクライク「ジュルアッ」ペッ

リンクル「あうっ」ドタッ
リンクル「こ、このっ!」ザシュッ

ライクライク「ギャァァッ」シュウゥ……

リンクル「はぁ……はぁ……!」

ナビィ「とんだ女の敵だったネ……」
ナビィ「……って、リンクル! 服と盾!」

リンクル「あ、そういえば脱がされたんだった……」
リンクル「うわぁ……このまま着たくはないなぁ……」ネトォ

ルト「……」
ルト「……あっ、そ、そうじゃ! そこらで洗ってから行こう! 水ならいくらでもあるしな!」


ルト(ぐぬぬ、あんなことされた挙句、リンクルの痴態まで見て、気分が昂ってしまう……)
ルト(手を出した方が良かったかもしれん……勿体ないことした気がするゾラ)ソワソワ

リンクル(ルトのあれってああいうヒレとかじゃなくて、服だったんだ……)
リンクル(それにしてもなんだか変な感じだよぅ……)ソワソワ

ナビィ(お互い色々遠慮してるっぽいけど、大丈夫かなぁ……)

リンクル「この部屋は……何だろ? 妙に広いけど……」キョロキョロ

ガコーン

リンクル「あっ、扉が……あれ?」

ナビィ「あ……ルト姫が通る前に扉が閉まっちゃったんだ」

リンクル「ルトー? ルトー!」ドンドン

「扉が開かんゾラー!」

リンクル「そりゃそうだよね、こっち鉄格子までかかってるもん」
リンクル「ルトー! 少し待っててー! なんとかしてみるからー!」

「ああ、待っておるからなー!」

リンクル「さて……」
リンクル「それにしても変だね、この部屋……部屋?」

ナビィ「霧が深くて、空間がずっと続いてるみたい……」
ナビィ「どこかに壁はあるのかな? なんだかここだけ外みたいネ」

リンクル「湖の底にこんな空間があるとは思えないんだけどねぇ……」チャプチャプ
リンクル「……?」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「いや……この水面に映ったあたし……変だなって」

ナビィ「変?」

リンクル「気のせいかな……」

リンクル「うーん、反対側の扉も駄目かぁ」
リンクル「部屋中にある大きな木箱に何かあるのかな」

ナビィ「変な置き方だったよね。積み重ねもせず、きっちり並べてあるわけでもなく……」

リンクル「なんか隠れてたりしてね」
リンクル「ま、仕方ない。一度引き返してルトに……うん?」

ナビィ「あの木の下……誰か居るネ」

リンクル「あれは……」
リンクル「……真っ黒な、あたし?」

ダークリンクル「フフフ、よく分かったね」
ダークリンクル「あたしはダークリンクル。あんたの影」

リンクル「あたしの……影?」

ナビィ「リ、リンクル! 水面に映ってたリンクルが……!」

リンクル「……成程ね、変な感じだと思った」

ダークリンクル「流石あたしのオリジンね。いや、これからあたしがオリジンになるのかな?」
ダークリンクル「この部屋から出たければ自分自身を倒すことね」チャキッ

リンクル「……!」チャキッ

ダークリンクル「はっ! ふっ! それっ!」バシュッ バシュッ バシュッ

リンクル「っ……!」タタタタッ バッ
リンクル「くっ……木箱はこの為のものか!」ゴロッ

ダークリンクル「ええ、その通りよ! あたしもあんたも、武器はおんなじ二挺クロスボウとマスターソード!」
ダークリンクル「当然よね! あたしはあんたで、あんたはあたしなんだから!」ダッ

リンクル「あたしと殆ど同じ動き……同じ癖っ!」バシュッ

ダークリンクル「おっと!」バッ
ダークリンクル「当然発想も同じよねっ!」バシュッ

リンクル「っく、かからないか……!」バッ

ナビィ「す、すごい……二人とも横に走り回って遮蔽物も上手く利用して、撃ち合ってる……!」

ダークリンクル「フフフ、やっぱりコピーだけあって、互角ねぇ」
ダークリンクル「やっぱりあんた、才能があるよ」

リンクル「……っ!」

ダークリンクル「自分でも気付いてるでしょ?」
ダークリンクル「自分にはどうしようもないくらい戦の術の才能があるって」

リンクル「そんなことっ……!」

ダークリンクル「ああ、否定しても無駄無駄。言ったじゃない」
ダークリンクル「あたしはあんたの影。あんたの心の暗い部分はぜーんぶ知ってるの」

ダークリンクル「勿論記憶もあるのよ?」
ダークリンクル「森でのこと、山でのこと、そして、ここに辿り着くまでのこと」

ダークリンクル「つらかったよねぇ、ほんとにさ」
ダークリンクル「突然森から出ろなんて言われてさ、ずーっと続くと思ってた生活がいきなり終わっちゃって」

ダークリンクル「お城に行ったら今度は国の為に手を汚せだって。兵隊さんみたい」
ダークリンクル「そういえば、デスマウンテンで爆弾を見た時、瞬時に思いついたよね?」

ダークリンクル「これを遠距離攻撃武器として使えれば、効率的に敵を倒せるって」
ダークリンクル「もっといえばいつでも使えるようにした方がいい。爆弾花じゃちょっと不安定だって」

ダークリンクル「なんでもすぐに武器に転用出来ないか考えちゃう。まるで軍人さんみたいにね」
ダークリンクル「今でこそ魔物退治に便利に使ってる爆弾ボルト……戦に使われたらどうなるんだろうね?」

リンクル「……」

ナビィ「リ、リンクル! 惑わされちゃ駄目! そんなことないヨ!」

ダークリンクル「うるさい妖精ねぇ。大体あんただってほんとは分かってるんでしょ?」
ダークリンクル「分かってて言わなかったんだよね? リンクルには戦の術の才能があるって」

ナビィ「そ、そんな……!」

ダークリンクル「話を元に戻そっか」
ダークリンクル「どこまで言ったっけ……ああ、そうそう、お城でのこと!」

ダークリンクル「城下町でゲルド族の人を斬った時! 今でも夢に出そう!」
ダークリンクル「あんな怖い顔出来るんだってくらいの形相で睨みつけられたよね! すぐ死んじゃったけど!」

ダークリンクル「でもその時、どうしたらいいか分からないような気がしたっけ」
ダークリンクル「兵隊さんの治療、その前にゲルドの……敵兵にとどめを刺さなきゃ。迷ったよね」

ダークリンクル「人を斬ったことも、虫の息の敵兵に睨みつけられたことも、大した問題じゃなかったよね!」
ダークリンクル「分かるよ、分かる! 戦場だもん! 戦の最中にそんなこと気にする暇はないもん!」

ダークリンクル「でも人を殺しちゃったら、普通はパニックになるよね。訓練受けた兵隊じゃないんだから」
ダークリンクル「なってないとおかしいよね。子供心にそう思ったよね。パニックにならなきゃ。演じなきゃ」

リンクル「……」

ナビィ「……!」

ダークリンクル「そんなこんなでマスターソード抜いたらさ」
ダークリンクル「今度は実はコキリ族じゃなくてハイリア人でしたー、なんて」

ダークリンクル「しかもハイリア人はハイリア人でも普通のハイリア人ではなかったのでしたー、とか」
ダークリンクル「まったくふざけてるよね」

ダークリンクル「いきなり選ばれし者なんて言われて、お前は時の勇者だと言われて」
ダークリンクル「お前はハイラルを救うんだなんて言われてさ、たった一人?」

ダークリンクル「仲間と言えばその妖精と、あとは馬くらい? どう大きく言ったって一人と一匹と一頭ね?」
ダークリンクル「大魔王を倒して国を救え、ってこんな小娘に託しちゃうわけ? 大切な7年を奪い取っておいて?」

ダークリンクル「危険な仕事はいつだってあんた任せ。見返りもなし、だーれも一緒に旅してはくれない」
ダークリンクル「一緒に戦ってくれたのって、精々ダルニアくらいかな? ヴァルバジアは一緒に倒したよね」

ダークリンクル「まあ、仲間のゴロン達が捕まってたんだもんね。その為だったもんね」
ダークリンクル「……じゃあ、ハイリア人は? あんたと同じハイリア人は?」

ダークリンクル「ガノンドロフとその軍勢はハイリア人を大勢殺してるし、捕まえてる筈よね?」
ダークリンクル「きっと今もガノンドロフの支配によって苦しんでるハイリア人は大勢居る筈よね?」

ダークリンクル「ハイリア人を救いたいから時の勇者と一緒に旅をして国を救おうなんてハイリア人は居ないの?」
ダークリンクル「本当に大魔王をやっつけたいならさ、あんた一人に押し付けるなんて変じゃない?」

ダークリンクル「あんたが命の危険を冒してまで助ける価値……」
ダークリンクル「それだけの価値が、本当にこの国にあるの?」

リンクル「……」

ダークリンクル「さあ……リンクル……いや、あたし」
ダークリンクル「こっちにおいで。全てを投げ出して、心の闇に身を任せれば、楽になれるよ」

リンクル「……」ザッ

ナビィ「リ、リンクル! 行っちゃ駄目! あいつは魔物だヨ!」
ナビィ「あんな言葉に耳を貸しちゃ……」

リンクル「黙ってて」

ナビィ「え、リンクル……」

リンクル「あいつが……あたしの影が言ったのは全部ほんとのことだよ」
リンクル「ずっと思ってた。表に出さないようにしてた。言っちゃいけない気がしてた」

ダークリンクル「フフフ……影は全てを受け入れるわ」
ダークリンクル「これからは時の勇者の重責も、ハイラルを救う為のこっ酷い運命も全部忘れて、楽になれるの」

リンクル「そうね、悪くない」
リンクル「でもね……いや、だからこそかな」グルンッ

ダークリンクル「っ!?」

リンクル「あんたは殺す」ザンッ

ナビィ(居合切り! そっか、あれの為にわざとあんな態度を……)
ナビィ(……あれ?)

ダークリンクル「かっ……あ、くは……」
ダークリンクル「ど、どうして……! どうして、そんな心の闇を抱えたままで……!」

リンクル「あんたは所詮、あたしの影を使って生まれた魔物よ」
リンクル「姿形も、動きの癖も、あたしの記憶も、何もかも持ってても、本質は結局魔物よ」

リンクル「だからね、あんたはあたしじゃないし、あたしはあんたじゃない」
リンクル「それに、仮に本当にあたしだったとしても……」

リンクル「あたしが心に抱えたものは、全部あたしのものよ」
リンクル「あたしだけのものだ。絶対に、誰にも渡さない。持ち出すなんて許さない」

ダークリンクル「ひっ……!」ゾクッ

ナビィ「え……」
ナビィ(魔物の方が……怯えてる? リンクルを恐れてる……?)

リンクル「時の勇者の重責も、ハイラルを救う為のこっ酷い運命も、全部、全部」
リンクル「あたしだけが託された、あたしだけのものなんだ」

ダークリンクル「あ、あんたは……お前は……っ!」
ダークリンクル「来るな! 来るなぁーっ!!」

リンクル「返してね、あたしのもの全部」ザシュッ

ダークリンクル「あ……ぐ……こ、の……」
ダークリンクル「……ば……化物……ぉ……」

リンクル「……」

ダークリンクル「」

シュウウゥゥ……

ナビィ「消えてくヨ……けど」
ナビィ「その、リンクル……さっきの」

リンクル「……」

ナビィ「……ごめん」

ルト「おお、開いたゾラ」

リンクル「ごめんごめん、お待たせ」

ルト「……何かあったか?」

リンクル「まぁ……ちょっとね」
リンクル「それより、見て見てこれ!」

ルト「うむ……? これは何じゃ?」

ファイ「フックショット、またはクローショットと呼ばれる、神が遺した魔法の道具です」
ファイ「鎖の付いた先端のアンカーを魔法によって射出し、鎖を巻き取ることで対象物を手繰り寄せられます」

ファイ「また、当たった対象物によってはマスターの方が引き寄せられ、これによって高所等への移動も可能です」
ファイ「本来は二つセットで使うものですが、もう一つは亡失してしまったようです」

リンクル「……だって」

ルト「さっきの声は誰じゃ?」

リンクル「ファイだよ。マスターソードの精霊だってさ」

ルト「変わった連れが居るな……」

ナビィ「あたしもつくづくそう思う……」

ルト(妖精も十分変わった連れだと思うのは黙っておこう)

リンクル「……あ、そうだ。これがあればあの部屋行けるじゃない」

ルト「あの部屋?」

リンクル「真ん中の塔の場所ね、あの周りに一か所高くて行けないドアがあったの」

ルト「……ああ、あそこか」
ルト「ふむ、行ってみよう」

リンクル「んー、この部屋はなんだろう?」
リンクル「真ん中のプール……これプール? この柱、何の意味があるんだろう」スタッ

ルト「うーむ……」

ガコーン

リンクル「えっ!? と、閉じ込められた!?」

ルト「し、しまった、罠だったのか!?」
ルト「……!?」

ルト「リンクル! 気をつけるゾラ!」
ルト「そこの水はただの水ではない!」

リンクル「ただの水じゃないって……」

ゴポゴポゴポゴポ……

リンクル「ここから見る限り何も……」

ナビィ「リンクル! 後ろだヨ!」

リンクル「へっ!?」

ゴポゴポゴポゴポ

水棲核細胞 モーファ

モーファ「ゴポゴポゴポ……」

リンクル「み、水が、動いてる……!?」
リンクル「水を操る魔物!?」

ルト「水全体が奴の身体じゃ! その柱の上は危険じゃ!」

リンクル「う、うんっ!」ダッ

モーファ「ゴポポポポッ」ババッ

リンクル「ひゃっ!?」
リンクル「は、離してっ!」

モーファ「ゴポゴポゴポ」グルングルン

リンクル「あわわわわわわわっ」

モーファ「ゴボボボボ……」

リンクル「や、やだっ、引きずり込まれる!」

ルト「リンクル!」ガシッ

リンクル「だ、駄目っ、ルトまで引きずり込まれちゃう!」

ルト「ぐぬぬぬぬっ……! い、今引っ張り出して……っ!」ズルズル

リンクル「手を離して! あたしはいいから!」

ルト「嫌じゃ! 離さん! 持ってはいかせんゾラー!」ズルズル

モーファ「ゴボボボボ……!」ズルズル

ナビィ「……?」
ナビィ「あ、そっか! リンクル! クロスボウをルト姫に!」

リンクル「……! ルト! 受け取って!」ブンッ

ルト「ひゃっ!?」キャッチ
ルト「あ、しまっ……!」

リンクル「ひゃあああああっ!!」ズルズルズル

ルト「リンクルー!!」

モーファ「ゴポゴポゴポゴポ……」

リンクル「(うううぐっ! ぜ、全身舐め回されてるみたい……っ!)」
リンクル「(手足が……動かない……!)」

リンクル「(……盾が、クロスボウが、ボルトが……はぎ取られていく……)」
リンクル「(次は……服!? ゾーラの服をはぎ取られたら死んじゃうよ……!)」

ファイ「マイマスターリンクルに報告。魔物はマスターソードに触れることが出来ない模様」

リンクル「(だからどうしたっていうのよ……! 水中で剣振ったって、こいつ相手じゃ……!)」
リンクル「(ひっ……やだっ、服の中手が動き回ってるみたいで気持ち悪いぃ……!)」


ルト「ど、どうすればいい……どうすればいいゾラ! リンクル!」

ナビィ「ルト姫! そのクロスボウで敵の核を狙うの!」

ルト「何……?」

ナビィ「さっき、あいつはリンクルを捕まえて引きずり込もうとしたのに、ルトは捕まえなかった」
ナビィ「水の触手をもう一本出して、さっさとルトを捕まえれば良かったのに、そうしなかった理由は?」

ルト「……一本しか、触手は出せない?」

ナビィ「そう」
ナビィ「あの触手の中では常に核が動き回ってたから、多分あの核の周りでしか触手は出せないのよ」

ルト「じ、じゃああの触手が出るのを誘って、核をこれで撃ち抜けば……!」

ナビィ「そうよ! さぁ、立って!」

ルト「う、うむ! ルト、参るゾラ!」チャキッ

ナビィ「使えるボルトは今装填されてるその3本だけ!」
ナビィ「そんな武器初めて触るだろうけど、頑張って!」

ルト「……!」

ナビィ「もっと水に近寄って、触手を誘って! 出てきそうになったらナビィが合図するネ!」

ルト「あ、ああ!」

モーファ「ゴポゴポゴポゴポ……」ズズズズ……

ナビィ「今よ! 一旦逃げて!」

ルト「っ!」ダッ

モーファ「ゴポポポポポ」ババッ

ナビィ「あれが核よ! よく狙って……!」

ルト「リ、リンクルを帰せゾラ!」バシュッ

ジャプンッ

モーファ「ゴボボボ……」

ナビィ「外れた! 次発を!」
ナビィ「弦を引いて!」

ルト「こ、こうか!?」ガチッ

ナビィ「そう! さぁ、次のボルト! 逃げちゃうヨ!」

ルト「く、喰らえっ!」バシュッ

モーファ「!」バッ

ナビィ「しまった、読まれて……!」

ルト「もう一発ゾラ!」バシュッ

モーファ「ゴプッ」ザスッ

ルト「当たったぞ!」

ナビィ「当たった! けど……効いてない……!?」

ルト「ど、どういうことじゃ!?」

ナビィ「……あっ! しまった……」
ナビィ「あのボルト! 森のボルトと同じような木のボルトだったんだ! 殺傷力が低過ぎて通らないヨ!」

ルト「なっ……そ、そんな……! リンクル……」
ルト「リンクルー!!」

バスッ ギャリギャリギャリ

モーファ「!?」

ナビィ「……!?」
ナビィ「核が……水中に引き込まれた? あの鎖は……?」

ゴボボボッ ザシュッ

ルト「み、水の中で何が起きておるのじゃ……?」

ゴボゴボゴボゴボ

ザッバァー

ナビィ「水が……引いていく……」

ルト「いや……部屋の真ん中から天井に集まって、消えて行っておるようじゃが……」

ピチョン

「あー、死ぬかと思った!」

ナビィ「リンクル!」
ルト「リンクル!」

リンクル「二人ともありがとう、助かったよ」

ナビィ「助かった、って……」

ルト「わらわ達は攻撃に失敗して途方に暮れておっただけじゃ……」

リンクル「いやいや、あいつの気を引いてくれたでしょ?」
リンクル「お陰であたしも反撃出来たってわけ」

ルト「一体どうやったのじゃ?」

リンクル「あんた達に気を取られてるあいつ、こっちからは隙だらけでさ」
リンクル「フックショットで引き寄せて、マスターソード突き刺してやった」


リンクル『(……核がどっか行った?)』
リンクル『(体も動く……けど、服をはぎ取られて、あまり長くは息が続かない……!)』

ファイ『マスターに報告。陸上に残った二人が何らかの手段で気を引いているものと推測』

リンクル『(成程……)』
リンクル『(動きが止まるタイミングで、なんとか攻撃を仕掛けられれば……)』

リンクル『(クロスボウは取られたし、ディンの炎も使えない)』
リンクル『(となると……フックショットか)』

ファイ『マスターに報告。核の動きが止まりました。ボルトを当てられて怯んだ模様』

リンクル『(よしきた!)』バスッ

ギャリギャリギャリ

モーファ『!?』

リンクル『(つ、か、ま、え、たっ!)』ザシュッ

モーファ『ギャアアアアアアアッ!?』


リンクル「と、こんな感じに」

ルト「そ、そうか……」

リンクル「ところでさ、武器とか服とかはぎ取られちゃって、周りに散らばってるから拾うの手伝って?」

ルト「……そういえば、さっきから下着しか身につけておらんだったな、そなた」

リンクル「これで全部だね……ありがと」
リンクル「ちょっと待っててね、すぐ着ちゃうから」

ルト「……着ながらでいいから聞いてくれ」

リンクル「うん」

ルト「リンクル……流石、フィアンセとしてわらわが選んだだけのことはある」
ルト「ゾーラの里も、ゾーラ達も、元通りになるであろう」

リンクル「だといいけど……復興大変そうだよね」

ルト「まぁ、それも一興じゃ」
ルト「それでな、そなたには褒美を与えたいと思う」

リンクル「褒美?」

ルト「そなたへの褒美……それは、わらわの永遠の愛じゃ!」
ルト「……と、言いたいところであったが」

ルト「どうやら、それは叶わぬ願いのようじゃ」
ルト「夫婦の契りだけでも結んでおこうかと思ったがな……」

ルト「わらわは、水の賢者として水の神殿を守り、時の勇者を手助けせねばならぬ……」
ルト「そなたの更なる活躍を信じておるゾラ」

リンクル「……うん」

ルト「……リンクル、近う寄れ」

リンクル「……」スッ

ルト「ん……」チュッ

リンクル「んむ」

ルト「ぁ……ちゅる……じゅるるるっ」ギュッ

リンクル「んんっ!?」

ナビィ「!?」
ファイ「!?」

ルト「ちゅぷ……」
ルト「……ふむ。でぃーぷきす、というのも心地が良いものじゃな」ペロ

リンクル「そ、そう……」

ルト「最後にそなたとの接吻を味わうことが出来て良かったゾラ、フフフッ」
ルト「そうそう……もしシークという若者に会ったら、わらわが礼を言っていたと伝えてくれ。良いな」ポゥ……

リンクル「うん……伝えるよ」

取り敢えずここまで

もっと百合百合レズレズさせるべきだったかもしれない(?)

質問等あれば受け付けます

乙乙最高かよ
ダークに篭絡されちゃったルートとかモーファの苗床にされちゃったルートとか
ルト姫と一夜の思い出を作るルートとか
完結後にifルートやってほしいな

シェルブレードが可愛いは流石に草
ルト姫は何故かそういうつもりで書いてなくてもヒロインになってくからつよい

>>275
そういう感じのは考えてなかったけど、if自体は完結したら色々やるつもり


更新いくべ

 ep.15 闇の賢者


――ハイリア湖畔

リンクル「ぷはっ」ザバッ
リンクル「水が元に戻ってる……」ザブザブ

「……」スッ

リンクル「……シーク」ガシッ

シーク「見たまえ、リンクル」グイッ
シーク「君とルト姫が魔物を倒し、この湖は再び清らかな水で満たされた」

リンクル「ありがと」
リンクル「そのルトがシークにお礼言ってたよ」

シーク「ルト姫が、僕に……?」
シーク「……そうか。彼女の為にも、一刻も早く平和なハイラルを取り戻さねばならない」

リンクル「うん」

――カカリコ村

リンクル「ふう……お疲れ、エポナ」ナデナデ

エポナ「ブルルルッ」

リンクル「……あれ?」

ナビィ「変ね……人が居ないヨ?」

リンクル「うん……何かあったのかな」
リンクル「……あ、井戸のとこ、誰か居る!」

ナビィ「あれは……インパじゃない?」

リンクル「インパさーん!」タタタタッ

インパ「……リンクル」
インパ「下がっていろ!」

リンクル「えっ?」

ドコンッ

リンクル「!?」
リンクル「井戸の釣瓶が……!」

インパ「来るぞっ!」

リンクル「!」シャキンッ

ドオッ

インパ「くっ……ぐああっ!」ドサッ

リンクル「な、何!? インパさんが勝手に吹っ飛んだ!?」

ナビィ「見えない敵だヨ! 何か変な力は感じるのに、姿が見えない!」

リンクル「い、一体どうすれば……!」

ザザザザザッ

リンクル「……! 来るっ!」ブンッ

ナビィ「あ、当たった……?」

リンクル「駄目、手応えが……うっ!?」ガシッ
リンクル「きゃああああああああっ!」

リンクル「……う……」
リンクル「い、いたたた……!」

シーク「気がついたようだな」

リンクル「シーク……」

シーク「リンクル……大変なことになった」
シーク「……闇の魔物が復活したんだ」

リンクル「闇の魔物……?」

シーク「君とインパがやられたあれだ。姿の見えない魔物……」
シーク「元々はこの村の長インパの力によって井戸の底に封じ込まれていた」

シーク「だが、魔物の力が強まった為、井戸の封印が破れ、地上へ現れたんだ」
シーク「インパは再び奴を封印する為に闇の神殿へ向かった筈だが……このままでは彼女が危険だ」

シーク「僕は奴の姿を見透かす為の道具を用意してきたんだが間に合わなかった……」
シーク「君にこれを託しておく」

リンクル「これは?」

シーク「まことの眼鏡、というマジックアイテムだ。真実を見透かすことが出来る」

リンクル「ふーん……」
リンクル「これ通して見ればいいの?」

シーク「いいや、懐に入れたままでいい」
シーク「魔力を込めて、念じるんだ」

リンクル「うん……」

シーク「本来何十年も修行して漸く出来ることをすぐに出来るようにする道具だ」
シーク「すぐに、といっても多少コツが要るから少し練習しておくといい」

リンクル「……」ジーッ

シーク「……リンクル?」

リンクル「……あっ、いや、うん。ありがとう」
リンクル「それで、どこに行けばいいの?」

シーク「闇の神殿は墓地の奥の高台から入れる」
シーク「頼んだぞ、彼女を……闇の神殿の賢者インパを助けてくれ」

リンクル「……」
リンクル「……じゃあ、行ってくるね」

――闇の神殿

リンクル「……」

ナビィ「真実は見えるようになった?」

リンクル「え……」
リンクル「あ、うん、見えるようになった、かも」

ナビィ「そこ、壁だヨ?」

リンクル「そう見えるだけ」スッ
リンクル「ほら」

ナビィ「わっ……ほんとは壁なんかないんだ」
ナビィ「……そういうの出来るようになるのも早いんだネ」

リンクル「まぁね」

「闇の神殿……それはハイラルの血塗られた闇の歴史……」
「欲望と怨念の集まりしところ……」

リンクル「……? ナビィ、何か聞こえなかった?」

ナビィ「聞こえたヨ……」
ナビィ「ここ、単なる邪悪な魔力だけじゃなくて、色んな怨念や悪意が渦巻いてるみたい」

リンクル「……ハイラルの血塗られた闇の歴史、ね……」
リンクル「さっきから気になってたんだけどさ、この壁に埋めてあるの何だろうね」

ナビィ「それは……」

ファイ「人の頭蓋骨である確率90%。種族までは分かりませんが、ハイリア人またはシーカー族と思われます」
ファイ「この通路は集団墓所であると推測されます」

リンクル「ふーん……」

ナビィ「……ファイってさ、こういう時に配慮がないよね」

ファイ「必要であると判断されない限り、不必要な配慮は良い結果を齎しません」

ナビィ「……何それ」

リンクル「まぁまぁ」
リンクル「あたしは気になるけどね、ここのこと」

ナビィ「……」

ファイ「マスターに報告。向かって右手三番目の塚は偽物と推測されます」

リンクル「……ほんとだ」
リンクル「扉が見える」

リンクル「何この部屋……」
リンクル「床から何か生えてる……手? 気持ち悪ぅ……」

ナビィ「迂闊に近寄らない方がいいかもネ……」

リンクル「……うん?」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「……この部屋、あの手以外にも何か居るよ」
リンクル「ほら、そこ……結構大きな何かが……見えない?」

ナビィ「見えないけど……言われてみれば何か変な力みたいなものは感じるね」

ファイ「視認出来ない闇の魔物の確率80%。マスターソードによる攻撃を推奨」

リンクル「通るのかなぁ……」シャキンッ
リンクル「ていっ!」ザシュッ

デドハンド「グオオオオッ」ボゥ……

ナビィ「うわっ……」

リンクル「うわぁ……改めて目で見ると気持ち悪……」

デドハンド「ウオオォォォン……」ズーン

ナビィ「あ、凹んだ」

ズズズズッ ガシッ

リンクル「……きゃっ!?」
リンクル「て、手が床から生えて……!」

デドハンド「グゥゥゥ」ノソノソ

ナビィ「あ、あいつの奴の手だったんだ! リンクル、早く抜け出して!」

リンクル「くっ、このっ、離れろっ!」ザンッ
リンクル「あんたもこっち来ないでよ!」ダンッ ザシュッ

デドハンド「グアアアアッ」ドサッ

リンクル「なんだか気味悪い仕掛けの多い神殿だなぁ」
リンクル「あれ何だろう? クロスした木の棒なんて、森の遊具思い出しちゃうけど」

ファイ「上側に枷付きの鎖があることから、人を磔にする器具と思われます」
ファイ「手を上にした場合、周囲の人々から見て位置が高過ぎると思われ、足を上にして磔にしたと推測」

ファイ「また、周囲の道具を見る限り、磔にしたまま何らかの拷問を行っていた確率が70%」
ファイ「場合によっては処刑も行っていたものと推測されます」

ナビィ「……」

リンクル「ふーん……因みにファイは誰が誰をそんなことしてたと思うの?」

ファイ「推測の域を出ませんが、ハイリア人乃至はシーカー族が反抗的な者を拷問、処刑していたと思われます」

リンクル「……そう」

ナビィ「……リンクル」
ナビィ「早く行きましょ、ここの空気嫌いだヨ……」

リンクル「ああ、ごめんね」

リンクル「船?」

ナビィ「船だネ……」

リンクル「これ乗るしかないのかなぁ……」スタッ

リリン リリン

リンクル「鈴の音……?」
リンクル「うわっと、動き出した!」

ナビィ「ど、どこに向かうんだろ?」

リンクル「ついてからとしか……」

「生きてたか小娘! 敬意に値する図太さだ!」シュタッ

リンクル「うわぁ、スタルフォスが降ってきた!」

スタルフォス「我が名はマスター・スタルフォード! 栄えあるガノンドロフ軍東部分遣団行動隊長である!」
スタルフォス「ここで会ったが100年目! 魔王軍の殉死者達に、貴様の血を以て贖ってくれる!」

スタルフォス「ふんっ!」シャキンッ
スタルフォス「見よ! 吾輩が誇るこの剣を!」

リンクル「……」

スタルフォス「名付けてマスタースタル・エッジ!」

ナビィ「……」ドンビキ

リンクル「……」ボルトヌキ

スタルフォス「異国の片刃の剣をベースに、この国で製造可能なものにアレンジ!」

リンクル「……」ボルトソウテン

スタルフォス「グリップの部分には指を守るガードを装備!」
スタルフォス「片刃の刀身は人を斬るにはあまりに絶大な斬れ味!」

リンクル「……」ゲンヲヒイテ

スタルフォス「この全く新しい種類の剣を持てるのは世界広しと言えどもこの吾輩一人だけよ!」
スタルフォス「怖いか? そうだろう! 怖くない筈がないっ!」

スタルフォス「光栄に思え! 貴様がこの剣最初の犠牲者となるのだ!」
スタルフォス「この切れ味をしかと目に焼き付けつつ死ねっ!」

リンクル「うるさい」バシュッ

チュドーン

スタルフォス「ぬおおおっ!!」
スタルフォス「おっ、おわあああぁぁぁぁ……」ズルッ ヒュルルルル……

ナビィ「落ちてった……」

リンクル「聞いてもいないこといつまで喋ってんのよ、まったく」

ナビィ「……あれっ」
ナビィ「リ、リンクル! この船落ちちゃうヨ!」

リンクル「わわっ!」タタッ
リンクル「目的地についた途端に落っこちちゃうなんて……」

ナビィ「死んじゃうとこだったね……冥土の渡し船だけに」

リンクル「この部屋は何だろう?」

ナビィ「両側に棘のついた壁があるけど……」
ナビィ「わっ、迫ってくるヨ! 早く逃げないと……!」

リンクル「……いや、あの壁木で出来てる!」バシュッ

チュドーン

ナビィ「こ、壊れた……!」

リンクル「壁の向こうに何かあるね」

リーデッド「オォォン……」

リンクル「邪魔」バシュッ

リーデッド「ウォォォ……」バタリ

リンクル「これは……鍵?」

ナビィ「大きな鍵ネ……何か重要な部屋の鍵なのかな?」

リンクル「んー……じゃ、あの大きな門かな」

ナビィ「……ああ、チラッとだけ見たあそこ」

ガチャ

リンクル「開いたー!」

ナビィ「空中歩くのはひやひやするヨ……」

リンクル「ごめんごめん、まことの目使ってると床が見えるんだけどね」
リンクル「……で、これは何だろう? 穴?」

ナビィ「穴みたい」

ファイ「……穴の下に、巨大な気配を検知」

リンクル「じゃあ下りてみるしかないね」ピョンッ

ナビィ「ちょ、待っ……! 待ってー!」

リンクル「……っと!」スタッ
リンクル「何ここ……?」

ナビィ「ほんと躊躇なく飛び降りるよネ……」

リンクル「まぁね」

ドン

リンクル「おっ?」

ドン ドン ドン ドン

リンクル「大きな手……?」

ナビィ「なんだかここ自体おっきな太鼓の上みたいネ」

ドンドン ドンドン

ナビィ「……!」
ナビィ「見て! 上!」

「オオォォン……」

暗黒幻影獣 ボンゴボンゴ

リンクル「こいつが……!」

ナビィ「井戸の底から復活した闇の魔物!?」

リンクル「でっかぁーい……」
リンクル(けど……なんだろう? なんだか悲しそう?)

リンクル(なんか逆さ吊りの人間みたいな姿だし……)
リンクル「……頭はどこ行っちゃったんだろ」ボソッ

ナビィ「?」

リンクル「いや、何でもない」
リンクル「始めるよっ」チャキン

ボンゴボンゴ「オォォン……」スウッ

ナビィ「消えた!?」

リンクル「ううん、居るよ。姿を見えなくしただけ」

ドンドン ドンドン

リンクル「っと、っと、っと」

ナビィ「まずはあの手を何とかしましょ!」

リンクル「そうは言っても、こうも揺らされると、クロスボウの照準が……!」バシュッ

ボンゴボンゴ「オオオォ……」

ナビィ「片方怯んだ! もう片方!」

ボンゴボンゴ「オオォォン……」ブオンッ

リンクル「うわっ!」バッ

ドコーン

リンクル「危なく叩き潰されるところね……!」バシュッ

ボンゴボンゴ「オァァ……」ズズ
ボンゴボンゴ「オオォォォォ……!」ドオッ

リンクル「うひゃあっ!」バッ
リンクル「と、突進してきたよ!」

ナビィ「両手が使えなくなったら突進してくるみたい!」

リンクル「成程ね……よーし」

リンクル「まずは右手!」バシュッ

ボンゴボンゴ「オオオオ……」ブオンッ

リンクル「っと!」バッ
リンクル「今度は外まで弾き飛ばされるとこだったわ」バシュッ

ボンゴボンゴ「ウオォ……」
ボンゴボンゴ「オオオオォォォォ……!」ドオッ

リンクル「来たっ!」チャキーン
リンクル「喰らえっ!」バシュッ

チュドーン

ボンゴボンゴ「ウオオオオオッ……!」グラグラ

ナビィ「す、姿を現したヨ!」

リンクル「……!」
リンクル「……そう、だね」シャキンッ

ボンゴボンゴ「オォォン……オォォン……」クラクラ

リンクル「……あんたが――いや、あんた達が以前どこの何者だったのかは知らない」
リンクル「あんた達はきっと何ら間違ったことをしたつもりはなかっただろうし、してなかったとも思う」

ファイ(マスターの魔力が入ってきます……充填率70%……80%……)ヴゥン

リンクル「ただ、あんた達は――あんたはこの時代に復活すべきじゃなかった」ヴゥン
リンクル「この闇の神殿の存在と一緒に、消えてもらうわね」ザシュッ ズオッ

ボンゴボンゴ「グオオオオオッ!」
ボンゴボンゴ「オオオオオオオッ!」ジタバタ

ボンゴボンゴ「オオオオッ……!」ドシーン
ボンゴボンゴ「ォ……ォォ……!」ズズズズズ……

リンクル「……」

ボンゴボンゴ「」シュウゥゥ……

ナビィ「リンクル……その、さっきのは……」

リンクル「……まことの眼鏡ね、色んなものが見えちゃう」
リンクル「さっきの奴、最初は一体の魔物に見えたけど、爆弾ボルト当てた時に本当の姿が見えちゃったんだ」

リンクル「あれは最初から魔物だったわけじゃない」
リンクル「ここで理不尽に殺された人々の、怨念の集合体だった」

ナビィ「……」

リンクル「ハイラルの血塗られた歴史、ね……」
リンクル「あいつが居たところ、橋が見える。上に通じてるみたい」

リンクル「……ああ、この部屋に出るんだ」

ナビィ「結構長い階段だったネ……」

「ゼルダ様のオカリナを持つ少女……やはり、来てくれたか」

リンクル「……インパさん」

インパ「私より先に、奴を見つけ出して倒してしまったようだな。一本取られたよ」
インパ「だが……その様子だと、色々見たんだろう」

リンクル「……」

インパ「咎めはしない……」
インパ「……我々シーカー族は、代々ハイラル王家の下僕として仕えてきた」

インパ「しかし、ハイラル統一戦争の終結後、歴史の様々な闇を知る我々は王家に疎まれた」
インパ「元々この闇の神殿は我々が王家に反抗する者を始末する場所だったのだ」

インパ「統一戦争の前から、統一戦争が終わるまで、様々な者がここで拷問され処刑された」
インパ「有名どころだと先代のゲルド王もだな……王家に反発的であればハイリア人でも、だ」

インパ「そのことを知っているのは王家含む一部のハイリア人と我々シーカー族のみ……」
インパ「明るみに出てはならない歴史として、シーカー族はその殆どがこの闇の神殿の存在と共に葬られた」

インパ「神殿に塚の並んだ通路があっただろう?」
インパ「あれが、私の同胞達の墓だ。私の見知った者も何人か、あの中に居る」

リンクル「……なんだ、あたしの思った通りだったのね」
リンクル「そんなことあたしに教えて良かったの?」

インパ「7年前のあの日、王家はゼルダ様以外の全員が命を落とした」
インパ「最早この歴史の闇を知っている者など私とお前くらいのものだろう」

インパ「それも今更お前が何か言い出したところで、何も問題にはなるまい」
インパ「私も闇の賢者として、現世とは離れるわけだしな……」

リンクル「……ゼルダ姫はまだ生きてるのね」

インパ「私の役目はゼルダ様をガノンドロフの手の届かぬ場所へお連れすることだった」
インパ「近い内に、ゼルダ様はお前の前に現れ、全てを語られるだろう」

インパ「その時はお前が私に代わってゼルダ様を護ってくれ」
インパ「だが……それまでに、お前にはもう一つやってもらうことがある」

リンクル「次の神殿でしょ? “砂の女神”っていうのはちょっと分かんないけど……」

インパ「違う」

リンクル「?」

インパ「お前の眼だ」

インパ「この神殿に来るまでに何があったのか知らないが……」
インパ「今、お前の瞳は淀み切っている」

リンクル「……」

インパ「この神殿の為だけではないように思う」
インパ「ここに来るまでに様々なことが積み重なっているんだろう」

インパ「今のお前は危険だ。何か無茶をして命を落としかねん」
インパ「そうなる前に、次の冒険に出かける前に、だ」

インパ「どこかで羽を伸ばして来い」
インパ「親しい者と過ごすだけでもいいし、どこかで思う存分遊んでもいい」

インパ「お前が今二日や三日遊んで過ごしたところで、明日ガノンドロフが何か出来るわけでもない」
インパ「だから今の内に、気持ちの整理をつけておけ。分かったな」ポゥ……

リンクル「……うん、ありがとう、インパさん」

取り敢えずここまで


次回は休日回みたいなもんになると思う

3DS版時のオカリナ始めたけど、時のオカリナこんな簡単だったっけってなってる

更新するよ

 ep.16 勇者の休日


――カカリコ村

コッコ姉さん「あ、リンクルちゃん」

リンクル「お姉さん! 無事だったんだね……!」

コッコ姉さん「うん、村のみんなも無事だよ」
コッコ姉さん「急に避難しろって言われた時はびっくりしちゃったけどね」

リンクル「良かったぁ」

手乗りコッコ「コッコッコッコッコ……」

リンクル「わっ、可愛い! ちっちゃなコッコ!」

コッコ姉さん「手乗りコッコっていうの。この子ならあたしも鳥肌立たないのよ」

リンクル「へぇー……あ、こっちの青い子も可愛いー!」

コッコ姉さん「あっ、その子は……」

「コッコッコッコ」

リンクル「こっこっこっこー」

コッコ姉さん「え……あのコジローが……懐いてる!?」

リンクル「えっ、な、何?」

コッコ姉さん「その子、コジローっていってね、うちの兄貴にしか懐かなかったの」
コッコ姉さん「うちの兄貴、根っこは良い人なんだけど、意地っ張りでさ……」

コッコ姉さん「その子置いて、どっかに行っちゃったんだ……」
コッコ姉さん「もし、旅先で会うことがあったら、早く戻ってこいって……」

コッコ姉さん「……お婆ちゃんも、もう気にしてないから……」
コッコ姉さん「薬の材料なんか、もういいから早く戻ってこいって、言ってやってよ」

リンクル「……うん。覚えとくね」

――的あて屋

リンクル「これで最後っと」バシュッ

ナビィ「すごーい! 全部当てちゃったネ!」

的あて屋「おおー、ワンダホー! パーフェクト!」
的あて屋「ほら賞金だ」っ50ルピー

リンクル「ありがと」

的あて屋「もう一回やる?」

リンクル「うんっ、はい20ルピー!」チャリン


リンクル「よーし、全部当たった!」

ナビィ「すごいすごい! もう10回連続だヨ!」

的あて屋「お、おおー! すごいね、お嬢ちゃん」
的あて屋「まだやるかい?」っ50ルピー

リンクル「うん! 20ルピーだよね!」チャリン


的あて屋「……パーフェクトーワンダホー」

リンクル「やったー!」

ナビィ「流石に20回も連続でやってると疲れてこない……?」

リンクル「そう?」

的あて屋「はい、賞金……」っ50ルピー
的あて屋(どういう集中力してんだこの娘……)

ナビィ(うわぁ……おじさんの顔引き攣ってる……)

リンクル「もっかいやらせて!」チャリン

的あて屋「ああ、うん……」


的あて屋「……」

リンクル「パーフェクトっ♪」クルクル

ナビィ「もう30回だヨ……そろそろ別のとこ行こうヨ……」
ナビィ(何度も20ルピーもらって何度も50ルピー払う羽目になってるおじさんもいい加減可哀想だし……)

リンクル「ところでナビィ、“パーフェクト”ってどういう意味なの?」

ナビィ「知らなかったんだ……」ガクッ
ナビィ「“完璧”って意味ヨ……」

リンクル「そうなんだ! 良い言葉だね、パーフェクト!」

ナビィ(少なくともこの店のおじさんにとっては一生聞きたくない言葉になったと思うなぁ)
ナビィ「ねぇ、さっきも言ったけど、ナビィちょっと飽きてきちゃった。他のとこ行かない?」

リンクル「んー……じゃあこれで終わりにしよっか」
リンクル「次で最後にするね」チャリン

的あて屋「ハイヨロコンデー」

――なンでも屋

リンクル「ボルトある?」

なンでも屋「ボルト? って、クロスボウの矢のことですか?」

リンクル「うん」

なンでも屋「こちらでよろしいでしょうか」っ鉄のボルト

リンクル「……他にある?」

なンでも屋「いえ、うちで扱ってるのはこれだけです」

リンクル「じゃあそれでいいや。そのセット頂戴」

なンでも屋「30本の束で60ルピーになります」

リンクル「はい、ありがと」チャリン

ナビィ(見た目すごくゴツイのに接客はすごく丁寧ネ……)

――インゴー牧場改めロンロン牧場

エポナ「ヒヒーン」

リンクル「エポナの気の向くままに走らせてみたけど、まぁ、やっぱりここに辿り着くよね……」
リンクル「フフ、やっぱりお家がいいよね」ナデナデ

エポナ「ブルルルッ」

リンクル「よっ、と……」スタッ

コッコ「コッコッコッコ」

リンクル「こっこっこー」
リンクル「なんだか前と雰囲気変わったね」

ナビィ「あっ、見て見て、リンクル!」
ナビィ「インゴー牧場じゃなくて、ロンロン牧場になってるヨ!」

リンクル「ほんとだ……おじさん戻ってきたのかな」

ナビィ「心入れ替えてちゃんと仕事してたりしてネ!」
ナビィ「あれ? あそこに立ってるのは……」

リンクル「インゴーさん!」

インゴー「おう」
インゴー「……なんだよ」

リンクル「んー……前より楽しそうだなって」

インゴー「俺が?」

リンクル「うん。ね、エポナ」

エポナ「ブルルルッ」

インゴー「……そうかい」
インゴー「お前、本当にどうやってそいつを手懐けたんだ?」

リンクル「なーんにも。いつの間にか仲良くなっちゃったのよ」ナデナデ

エポナ「ブルルッ」

インゴー「……元気そうだな」
インゴー「放牧場にお嬢さんが居る。会ってみな」

リンクル「ん、ありがと」

――ロンロン牧場 放牧場

リンクル「マロンー!」

マロン「ん、妖精ちゃん!」
マロン「エポナ元気にしてる?」

リンクル「ご覧の通り!」

エポナ「ヒヒーン!」

マロン「フフッ、やっぱり妖精ちゃんによく懐いてる」
マロン「ねぇ、エポナと一緒に障害物レースに挑戦してみない?」

リンクル「障害物レース?」

マロン「外周に柵があるでしょ?」
マロン「あれを飛び越えて行くの。二周のタイムを計ってあげる」

リンクル「何それ面白そう! やってみる!」

エポナ「ヒヒィーン!」

パカラッ パカラッ

リンクル「はいやっ!」

エポナ「ヒヒィーン!」ダンッ

パカラッ パカラッ

マロン「あと一周!」
マロン「すごーい、やっぱり息ぴったりね」

ナビィ「ほんとにネ」
ナビィ(あれもリンクルの才能の一つなのかな)

パカラッ パカラッ

リンクル「あっはは、行くよ、エポナ! はいっ!」

エポナ「ヒヒィーン!」ダンッ

ナビィ(でも、久々にあんな楽しそうなリンクル見たかも)

マロン「すごい! あたしより良い記録じゃない!」

リンクル「そう? やったね、エポナ!」ナデナデ

エポナ「ブルルルッ!」

タロン「あの時の妖精のお嬢ちゃんか? 久しぶりだーよ」

リンクル「うん、久しぶり」

ナビィ「実はカカリコ村で一回会ってるんだけどネ……」

タロン「城だけじゃなく、牧場の問題まで解決してもらって、迷惑かけてばっかりで申し訳ないだ」

リンクル「いいのよ、ここの牛乳美味しいし、エポナが居てくれるお陰で旅も大分楽だしね」
リンクル「おじさんは仕事ちゃんとやってる?」

タロン「勿論だーよ」
タロン「今回の件で懲りただーよ……」

リンクル「そう?」チラッ

インゴー「……」
インゴー「んんっ、ごほん」

インゴー「タロンの旦那は戻ってきてから本当によく仕事してくれるようになったぜ」
インゴー「ま、俺は本来馬以外は専門外だからな。牛とコッコに関しちゃ旦那が居なくて困ってた」

リンクル「……」クスッ
リンクル「良かった、元通りになって」

リンクル「痛っ……こんなとこ火傷してたんだ……」ゴシゴシ

マロン「妖精ちゃん、入るよー?」ガチャッ

リンクル「えっ?」

マロン「洗いっこしましょ!」

リンクル「え、えー……も、もうそんな年でもないかなー、って……」

マロン「年なんか関係ないでしょー?」
マロン「もう、また怪我してる! 女の子なんだからお肌気をつけないと!」

リンクル「冒険中にそんなこと気にしてられないよ」

マロン「そんなこと言ってー……」
マロン「むっ、妖精ちゃん、やっぱりおっぱいおっきくなったね」ムニュムニュ

リンクル「ひゃああっ!? ち、ちょっと!?」

マロン「やーらかーい」ムニムニ

リンクル「マ、マロンだって……っていうかあたしより大きいでしょ、マロン!」

マロン「フフフッ、まぁねー!」ドタプーン

リンクル「このーっ! こーしてやるこーしてやる!」ムニュムニュ

マロン「ひゃんっ! やったなー!」

マロン「はぁー……はしゃいじゃったね」チャプン

リンクル「ほんと……」チャプン
リンクル(久しぶりに……ちょっと楽しかったかも)

マロン「……ねぇ、リンクル」

リンクル「うん?」

マロン「リンクルがどうして旅をしてるのか、詳しいことは知らないけど……」
マロン「もし、旅が終わったら、次はどこに行くかって決まってるの?」

リンクル「旅が終わったら? うーん……」
リンクル「何も決まってないかなぁ。終わったら終わったときだよ」

マロン「そっか……」
マロン「じゃあ、さ、その……」

マロン「もし旅が終わった時、何も決まってなかったらで、いいからさ……」
マロン「うちにおいでよ」

リンクル「ロンロン牧場に?」

マロン「うん。一緒に暮らそう?」

リンクル「……」
リンクル「……ありがとう。考えとくね」

マロン「約束、だよ……?」

リンクル「……うん」

エポナ「(おひさー)」

馬A「(おっ、エポナ先輩! おひさっす!)」

馬B「(おひさっすー! めっちゃ速かったっすね!)」

エポナ「(リンクルは乗り方が優しくて走りやすいからねー。楽しいよー)」

馬A「(かーっ、やっぱめちゃくそ速ぇエポナ先輩は人間にも恵まれるんすね!)」
馬A「(俺もリンクルさんみたいな人間に乗られてぇっす!)」

エポナ「(あんたはインゴーさんに選ばれて最初ちょこっと乗られてたじゃん)」

馬A「(あ、見てたんすね! いや、あれマジで初めてかよこの人ってくらい上手かったっすよ!)」

馬B「(まーじで? くそー、あん時インゴーさんの近くに寄ってりゃ選ばれてたかもしれねぇのに)」

馬A「(へっへっへ、運が悪かったなぁ)」
馬A「(あ、そうだ! エポナ先輩、旅のお話聞かせてくださいよ! マジ気になるっす!)」

エポナ「(いいよー。っていってもあたしもあんまり詳しくは知らないんだけどねー)」

――翌朝

リンクル「おはよ、ナビィ……」ノソノソ

ナビィ「おはよう、お寝坊さん」
ナビィ「マロンは?」

リンクル「……まだ寝てると思う」

ナビィ「ああ……それでインゴーさんが文句言いながら朝ご飯作ってるんだ」

リンクル「昨夜大分遅くまで起きてたからね……」

ナビィ「それで、今日はどうするの?」
ナビィ「また障害物レース?」

リンクル「あ、そうね……」
リンクル「もう一度、森の方に行こうと思うんだ」

ナビィ「森に? どうして?」

リンクル「ボルトを作ろうと思ってね」

ナビィ「いっつもその辺の木で作ってるけど、森の木と何か違うの?」

リンクル「森の木で作ったボルトの方がよく飛ぶの」

――迷いの森

リンクル「昨夜はこの辺り雨だったみたいね」

ナビィ「靴が泥だらけじゃない。またマロンに怒られちゃうヨ?」

リンクル「あはは……」
リンクル「……?」

ナビィ「どうしたの?」

リンクル「誰か居る……コキリ族じゃないみたい」

ナビィ「ほんとだ……大人だ」
ナビィ「こんなとこで項垂れて……魔物になっちゃうヨ」

リンクル「早く出て行くように言わなきゃ」
リンクル「あのー……」

大工の息子「……」

リンクル「何をしにこの森に来たのか知らないけど、早く出て行った方が身の為だよ?」
リンクル「森の外の人がここに長く居ると魔物になっちゃうから……」

大工の息子「……お前は?」

リンクル「あたしは居てもいいんだってさ。ほら、妖精」

ナビィ「ハロー、ハイリア人のお兄さん」

大工の息子「そうか……この森に居られるってことは、お前、多分良い奴なんだろうな……」
大工の息子「頼みがあるんだ……これを……これをカカリコ村のクスリ屋のババアに届けてくれ」スッ

リンクル「……何これ? キノコ?」

大工の息子「時間が経つと消えちまう……頼む……!」

リンクル「……分かった。やってみるよ」
リンクル「あなたも、早めに森を出てね」

――カカリコ村

リンクル「エポナ、ありがとね」ナデナデ

エポナ「ブルルルッ」

ナビィ「キノコは?」

リンクル「まだ大丈夫」
リンクル「クスリ屋って、登山道の前にあるあのお店だよね?」

ナビィ「うん」

リンクル「でも、あのお店にお婆さんなんて居たかしら……」タタタタッ

――カカリコ村 クスリ屋

リンクル「こんにちはー」

クスリ屋の店主「いらっしゃい。何をお探しかな?」

リンクル「えーと、クスリ屋のお婆さんに、って言われたんですけど……」

クスリ屋の店主「ああ、あの人なら裏手の方のクスリ屋だよ」
クスリ屋の店主「そこの勝手口から繋がってるから、行ってごらん」

リンクル「ありがとうございます」
リンクル「……あ、それとその赤い薬一つください」

クスリ屋の店主「はい、毎度あり!」

――カカリコ村 裏手のクスリ屋

リンクル「こんにちはー」ガチャ

クスリ屋の婆さん「……いらっしゃい」
クスリ屋の婆さん「クン……クン……」

クスリ屋の婆さん「この怪しげなニオイは……」
クスリ屋の婆さん「あんた……何か持ってるね?」

リンクル「え、分かるんですか?」

クスリ屋の婆さん「伊達に何十年もクスリ屋やってないよ」

リンクル「これ、森でもらったんですけど……」
リンクル「カカリコ村のクスリ屋のお婆さんに、って」っあやしいキノコ

クスリ屋の婆さん「……あのバカ、森に入ったのかい……そうかい」
クスリ屋の婆さん「そいつをよこしな」

リンクル「は、はい……」

クスリ屋の婆さん「そこで待ってな」


クスリ屋の婆さん「……ほら、これを持って行きな」
クスリ屋の婆さん「あのバカに会ったら渡しとくれ。約束の万能薬だ」っあやしいクスリ

リンクル「あ、ありがとう……」

クスリ屋の婆さん「尤も……これが効くのは人間だけだがね……」

リンクル「……!」ダッ

バタン

クスリ屋の婆さん「……バカにつけるクスリはない、っていうけどねぇ……」

――ハイラル平原 森の入口

リンクル「……出てきた形跡はないね」

ナビィ「どうして分かるの?」

リンクル「足跡。あたしとエポナの分しかない」

ナビィ「ほんとだ……じゃあ、まだ森の中に居るのかな?」

リンクル「多分ね……」

――迷いの森

リンクル「この辺り……あ、そうだわ。あの切り株の下」

ナビィ「居なくなってる……?」

リンクル「……」

「あの人、もう居ないヨ」

リンクル「!」ゾクッ
リンクル「……ファド」クルッ

ファド「私の名前知ってるの?」

リンクル「……いや、気のせいよ」
リンクル「それで、あの人は? 薬を渡さなきゃいけないの」

ファド「……ふぅーん」
ファド「森に入った人はみぃ~んな居なくなる」

ファド「みぃ~んなスタルフォス。だから居ないの、あの人」
ファド「残ったのはノコギリだけ。フフッ!」

リンクル「……」

ファド「それ……森から作ったでしょ?」
ファド「……返して!」ズイッ

リンクル「っ……!」ジリッ
リンクル「わ、分かったわよ。はい」っあやしいクスリ

ファド「フフ、じゃあこれあげる」っ密猟者のノコギリ

リンクル「……ありがとう」

ファド「お姉さん、不思議な人ネ」スッ
ファド「森の人じゃないのに、森の匂いがするヨ?」ペタペタ

リンクル「……あたしは、違うのよ」

ファド「そう? フフフッ」
ファド「あなたも……なっちゃう?」

リンクル「……」ザッ

――ハイラル平原

リンクル「なんだか釈然としないなぁ」

ナビィ「お兄さんのこと?」

リンクル「うん」
リンクル「なんで、どういう理由があってあたしのお父さんは森に許されてたんだろ?」

ナビィ「さぁ……」
ナビィ「でも、もしかしたら森を大切にする人だったのかもしれないヨ」

リンクル「そんなもんなのかなぁ」
リンクル「ファイはどう思う?」

ファイ「明確に関係があるとは言い切れませんが、マスターの血筋については一つ気になる点があります」

リンクル「血筋?」

ファイ「イエス、マスター。これはハイラル王国の建国に関わることですが」
ファイ「あなたはファイの以前のマスター……“女神の騎士”と呼ばれた剣士の直系と思われます」

リンクル「女神の騎士って?」

ファイ「ご存知ないのも仕方ありません。女神ハイリアに関する神話は王家にのみ伝えられているようです」
ファイ「女神ハイリアの名は知られていますが、その神話の多くは王家以外の者は殆ど知らないものと思われます」

リンクル「んー、確かに、デクの樹様から名前だけは聞いたけど、詳しくは聞いてないかも」
リンクル「どんな神話?」

ファイ「今から数百年前、ハイリア人の始祖となる人々が大地から切り離され空に浮かぶ地に暮らしていた時代」
ファイ「大地に封印されていた邪悪なる者が復活し、女神の転生した少女を襲いました」

ファイ「その少女を救うべく大地に降り立ち、邪悪なる者を再び封印したのが“女神の騎士”です」
ファイ「女神が転生した少女は大地でハイリア人の王国を築きました」

リンクル「それが今のハイラル王国ってわけね」
リンクル「空に浮かぶ土地、っていうのは初めて聞いたなぁ」

ナビィ「あたしも初めて聞いたわ……」
ナビィ「その土地は今も空の上にあるの?」

ファイ「把握しておりません」

リンクル「なーんだ」
リンクル「でも、まぁ、面白い話ありがとね」

ファイ「いいえ、マスター。お礼には及びません」

――翌日 ハイリア湖畔 釣り堀

リンクル「なんとなーくハイリア湖来て釣り始めちゃったけど……」
リンクル「もう三日も遊んでるね。こんなことしてていいのかなぁ」

ナビィ「大丈夫だヨ。勇者も偶にはゆっくり休まなきゃ」
ナビィ「次は“砂の女神”に行くんでしょ?」

リンクル「うん」
リンクル「けど、結局それが何なのか全く分かんないんだよね」

ナビィ「そだネ……」

リンクル「みずうみ博士なら分かるかなー」

ナビィ「……リンクル、その竿動いてない?」

リンクル「えっ?」
リンクル「うわっ、引いてる!」カリカリカリ

ナビィ「頑張って!」

――ハイリア湖畔 みずうみ研究所

みずうみ博士「おや、君は……この前の妖精のお嬢ちゃんか」
みずうみ博士「ハイリア湖はすっかり元通りじゃ」

リンクル「はい、知ってます」
リンクル「今日は別の用事で」

みずうみ博士「ふむ?」

リンクル「“砂の女神”……って言われて、何だか分かりますか?」

みずうみ博士「砂の女神、とな?」
みずうみ博士「うーむ……分かるようで分からんな……」

リンクル「……そう、ですか」

みずうみ博士「いや……もしかしたらアレのことかもしれん」

リンクル「アレ?」

みずうみ博士「ここから西に行くとゲルドの谷がある」
みずうみ博士「谷を抜けた先……道行く人を惑わせるという幻影の砂漠の、その奥にあるのが邪神の巨像じゃ」

リンクル「邪神の巨像……」

みずうみ博士「かなり昔に遠征に参加したという兵士に聞いた話でな、ワシも詳しいことは知らんが……」
みずうみ博士「確か邪なる女神の像だと言っておった。邪神は邪神でも女神じゃからな」

リンクル「うーん……」
リンクル「ありがとうございます、行ってみます」

みずうみ博士「西方はゲルド族の土地じゃ」
みずうみ博士「当然ながらハイリア人に良い印象は持っておらん筈だから、気をつけてな」

――ロンロン牧場

マロン「本当に西の方へ行っちゃうの?」

リンクル「うん。危険だとは聞いたけど、行かなきゃならない場所が西にあるからね」
リンクル「また来るよ」

マロン「うん……待ってる」
マロン「食糧はそれで足りる?」

リンクル「三日分もあれば平気だって、おじさんが」
リンクル「西の関所跡までは馬車で二日ってとこらしいから、エポナならもっと早いよ」

マロン「そう……気をつけてね」

リンクル「うんっ!」
リンクル「あ、それと牛乳までつけてくれてありがとね! ここの牛乳元気が出るから大好き!」

マロン「あ、いや、今日のは商品用のロンロン牛乳じゃないんだ……ごめんね」

リンクル「そうなの? まぁいいよ、この牧場のならみんな美味しそうだから」

マロン「あ、ありがとう……///」

ナビィ「?」

とりあえずここまで

ゼルダはミニゲームがいっぱいあって楽しいよね


時のオカリナ3Dは時のオカリナが簡単というよりは多分BotWが難し過ぎるんだと思う(?)

ちょっとした要因で母乳出ちゃう例とかあるらしいね聞いた話だけど

3DSだとダークリンク弱過ぎて笑った
やっぱなんか色々難易度下げてある気がする


更新します

 ep.17 幻影の砂漠


――ハイラル平原

リンクル「段々空気が乾燥してきたね……」

ナビィ「風の感触も違うヨ……」

リンクル「……喉渇いた」
リンクル「牧場でもらった牛乳、飲んでみよっか」

ナビィ「そうだね。あんまり日持ちするものじゃないし……」

リンクル「んっ」キュポンッ
リンクル「んくんく」ゴクゴク

ナビィ「どう?」

リンクル「……なんだか、不思議な味」

ナビィ「不思議?」

リンクル「なんだろ……こう、いつものロンロン牛乳じゃないっていうか……」
リンクル「そもそもこれ牛乳なのかなって……」

ナビィ「ちょっと舐めてみていい?」

リンクル「うん」

ナビィ「……」ペロッ
ナビィ「……んんー、なんだろうねこれ……?」

リンクル「ファイは何だと思う?」

ファイ「不明。こうした成分の分析は賢者の間で出すことの出来る人の姿でしか出来ません」

リンクル「あ、そう……」
リンクル「ま、優しい美味しさだからこれはこれでいいや」

――ゲルドの谷 関所跡

リンクル「結構ハイリア人が居るね」
リンクル「カカリコ村や以前の城下町程じゃないけど、賑やかだ」

ナビィ「元々国境で砦があったから、まだそれなりに活気があるみたい」
ナビィ「ハイリアの兵隊さんも居るよ」

リンクル「あのー」

兵士「うん? 旅人かい?」

リンクル「はい。砂漠に入りたいんですけど……」

兵士「砂漠に? いや、入りたいというなら止めることは出来ないが……」
兵士「谷川の橋がゲルドの連中に落されてね、我々も渡る方法がなくて困ってるんだ」

リンクル「橋を?」

兵士「ああ。向こう側にカカリコ村の大工達が残ってるから心配だ……」

リンクル「親方達が……」
リンクル「分かりました、ありがとうございますっ」

――ゲルドの谷

リンクル「ほんとだ……橋が落ちてる」

ナビィ「どうしよっか?」

リンクル「んー……出来るかなぁ」
リンクル「エポナ、行けそう?」ポンポン

エポナ「ヒヒーン」

リンクル「……そっか」
リンクル「よーし、行くよ! はいやっ!」

エポナ「ヒヒィーン!」パカラッ パカラッ

ナビィ「えっ、ちょっ……ま、まさか」

リンクル「はいっ!」

ダンッ

エポナ「フーッ」ザッ

ナビィ「す、すごい……あの距離を飛び越えちゃった……」

リンクル「やったやった、すごいよエポナ!」ナデナデ

エポナ「ブルルッ」

リンクル「ん……あっ」

ナビィ「あのテントの前に立ってるのって……」

リンクル「親方だ! 久しぶりー!」

親方「んん……? なんだお前さんは……」
親方「……おっ、まさかあん時の森から来たって嬢ちゃんか?」

リンクル「うんっ! 覚えててくれたんだ!」

親方「まぁな」
親方「そんなことよりお前さんどうしたんだこんなところで」

リンクル「親方こそどうしたの?」

親方「元々は橋のこっち側にもいくつか店作る為に来たんだけどよ」
親方「ゲルドの奴らが橋を落としやがって、そっちも直さなきゃならなくなっちまった」

親方「けど、俺っちの仲間が居ねぇんで人手が足りねぇんだ」
親方「あいつら、“大工はダッセェから盗賊になる!”とか抜かしやがって……」

親方「ゲルドの砦の方へ行っちまいやがったんだよ」
親方「お前さん……ゲルドの砦へ行くなら俺っちの仲間の様子を見てきてくれねぇか」

リンクル「いいけど……親方は?」

親方「ゲルド族ってのは女だけの部族だからよ、迂闊に男が砦に近寄ると牢屋に放り込まれちまう」
親方「お前さんなら普通に近寄れるだろ。ハイリア人なら見境なし、ってわけじゃねぇだろうし」

リンクル「そんなもんかなぁ……」
リンクル「まぁいいや。ありがとう、行ってみるよ」

親方「ああ、それとな、ちょっと待て」

リンクル「?」

親方「お前さん、木を切る道具余分に持ってねぇか?」

リンクル「木を切る道具?」

親方「ゴロンの鍛冶屋が作った道具が折れちまってよ」
親方「あれがねぇのも仕事にならねぇから困ってんだ」

リンクル「うーん……いつも使ってる剣鉈は流石にあげられないし……」
リンクル「もう一個あるにはあるけど、これ本来あたしのじゃないからなぁ」

親方「何だそりゃ?」

リンクル「ほら、このノコギリ」っ密猟者のノコギリ

親方「ありゃ、なんでお前さんがそれ持ってんだ?」
親方「バアさんのとこに置いてきた筈なんだが……」

リンクル「どこかのお兄さんが森に持ち込んだんだって」
リンクル「あたしは森の子からこれもらったの」

親方「森……っけ、あのバカ息子め……」
親方「ありがとな、嬢ちゃん。ノコギリは俺っちがもらっとくぜ」

――ゲルドの砦前

リンクル「うーん、ここ門みたいだけど」

ナビィ「誰も居ないね……?」
ナビィ「こういうとこって門番とか居るのが普通だと思うけど……」

リンクル「お休みなのかなぁ」
リンクル「ま、いいや。通っちゃお」


ゲルド門番「きゅう……」

「……来たか……」

――ゲルドの砦

ゲルドA「おい、そこのお前!」

リンクル「はーい」

ゲルドB「ハイリア人……にしても見かけない顔ねぇ」

リンクル「遠くから来たからね」

ゲルドA「門をすり抜けてどうやってこんなところまで入ったんだ……」

ゲルドB「どうするぅ?」

ゲルドA「どうするもこうするも、牢屋に放り込むしかないだろう」
ゲルドA「動くなよ、少しでも抵抗したら痛い目を見るぞ」

リンクル「ええー」

ゲルドB「ごめんねぇ、規則だからぁ」
ゲルドB「まあ、牢屋で暫く大人しくしててよぉ。処遇はすぐ決まると思うからさぁ」

――ゲルドの砦 牢

ゲルドA「そこで大人しくしてろ」

ガコーン

ナビィ「捕まっちゃったネ……」

リンクル「うん」

ナビィ「持ち物も全部取り上げられちゃったけど、どうするの?」

リンクル「んー……暫くは何も出来ないかなぁ」
リンクル「第一にこれじゃロクに動けないし」ギチギチ

ナビィ「そだね……」

ガチャ

ナビィ「……」シュ……

リンクル「?」

「……ふーん、あんたが侵入してきたハイリア人?」

リンクル「うん」

ゲルド幹部「あたいはナボール様からここを任されてるもんだ」

リンクル「ああ、うん、よろしく」

ゲルド幹部「どうやって門を通った?」

リンクル「え、普通に……誰も居なかったし」

ゲルド幹部「……誰も居なかった?」
ゲルド幹部「あの門は交代で門番が立ってる」

ゲルド幹部「あんたが捕まった時の門番は、門の脇の岩陰で伸びてた」
ゲルド幹部「あんたがやったんだろ? 門番をぶん殴って、岩陰に隠したんだろ?」

リンクル「え……」
リンクル「そ、そんなの知らないよ」

リンクル「あたしはただ大工の親方に頼まれて大工さん達を探しに来たのと砂漠に行きたいだけで」
リンクル「別にゲルド族に何かしようとかは全然……」

ゲルド幹部「……緑のフード」

リンクル「?」

ゲルド幹部「緑の服、ハイリアの盾、やたらと上等な馬……」
ゲルド幹部「そして相当な業物の剣と二挺クロスボウを持った、ハイリア人にしては長身の女」

ゲルド幹部「ハイラル中……いや、世界中探したって二人と居ないね、こんな奴」
ゲルド幹部「そうだろう、時の勇者?」

リンクル「……!」

ゲルド幹部「時の勇者はガノンドロフ様から厳命されてる要注意人物だ」
ゲルド幹部「それがまさかノコノコこの砦に入ってきて、あっさり捕まるとは夢にも思わないよ」

ゲルド幹部「明日、お前は弓の的にしてやる……と言いたいとこだけど」
ゲルド幹部「あたいらも活気のないハイラルには辟易し始めててね、最近はどうも退屈で鬱憤が溜まってる」

ゲルド幹部「そこでね、ちょっとしたゲームを思いついたんだ」
ゲルド幹部「ルールは簡単。明日の朝、幻影の砂漠に送り出してやる。その代わり、持ち物はあの剣一本だけだ」

ゲルド幹部「もし生きて帰ってきたら預かってる持ち物は全部返してやるし、大工達も解放する」
ゲルド幹部「この話を断るんなら明日の朝あんたが居るのは砂漠じゃなくて裏の流鏑馬場の的場だ」

リンクル「……」

ゲルド幹部「まぁ、今夜ゆっくり考えるんだね」
ゲルド幹部「少なくとも明日の朝までは生きてんだから」

リンクル「……」

ナビィ「だ、大丈夫……?」

リンクル「……腕が痛い」ギチギチ

ナビィ「椅子に縛り付けられてるんだもんネ……せめて横になれれば楽かな?」

リンクル「どうだろう……」

ナビィ「もう日も暮れてるし、一旦寝ちゃえば? 起こしたげるよ?」

リンクル「そうしようかな……」

ガチャ

リンクル「……誰?」

ゲルド門番「あたしだよ」

リンクル「……?」
リンクル「いや、ほんとに誰?」

ゲルド門番「忘れたってのかい? ええ?」
ゲルド門番「あんただろ、後ろからいきなり殴りやがって!」

リンクル「し、知らないんだって、ほんとに!」

ゲルド門番「とぼけんじゃないよ!」
ゲルド門番「隊長は朝まで殺すなって言ってたけどね、あたしがこの場でぶっ殺してやる」シャキンッ

リンクル「……!」

ゲルド門番「楽には死なせないよ。身体中を切り刻んで、腸を引きずり出してやるからな」

リンクル「……やっぱりちょっと思い出せないからもう少し顔をよく見せてよ」

ゲルド門番「ああ?」
ゲルド門番「あたしの面今更思い出すって?」ズイッ

リンクル「ふんっ!」ゴシャッ

ゲルド門番「ぐふくっ!?」ドタッ

ナビィ(頭突きが顔面にモロに……うわー、痛そう……)コッソリ

リンクル「すぅー……」
リンクル「ふっ!!」ダンッ

ナビィ(えっ……椅子ごと宙返りなんて……)
ナビィ(足は椅子に縛られてて使えないから、まさか身体で勢い付けただけで飛んだの……?)

ゲルド門番「……!!」バッ

バキャンッ

ナビィ(椅子は壊れて足は自由になったけど、手が使えない状況でどうするんだろう……?)

ゲルド門番「おっ……お前ぇぇぇ!」

リンクル「はっ!」ドコッ

ゲルド門番「ぐうっ!」

カランカラン

ナビィ(そうだったね、以前は足技で魔物と戦ってたんだもんネ……)
ナビィ(ていうか改めて見ると人間離れしてるなぁ、リンクル……)

ゲルドA「何だ、騒がしい」

リンクル「くぅ……ぅぅ……!」ギリギリギリ

ゲルド門番「うぐぐぐ……!」パタパタ

ゲルドA「なっ……おい、お前! 何してるんだ!」
ゲルドA「お前もなんでこんなところに居る!」

ゲルドB「何事ぉー?」ヒョコッ

ゲルドA「こいつらを引き離せ!」

ゲルドB「あらまぁ」

ゲルド門番「ちっ……命拾いしたね」

リンクル「そっちこそ……」

ゲルドA「縛ってたのになんて奴だ……」

リンクル「遅いよ……危なく殺されるとこだった……」ボソボソ

ナビィ(つい見物しちゃってたけど、早めに警備の人誘導してくるべきだったね……ごめんね、リンクル……)

――翌朝

ゲルド幹部「昨夜は散々だったね?」

リンクル「ああ、まぁね……」

ゲルド幹部「で、どうする?」
ゲルド幹部「剣一本持って幻影の砂漠に繰り出すか、大人しく流鏑馬の的になるか」

リンクル「……」
リンクル「砂漠に行くよ。マスターソード返して」

ゲルド幹部「ふふん、生きて帰れると思ってんだね」
ゲルド幹部「精々頑張ってよ」

――幻影の砂漠

ゲルドA「前方に砂嵐が見えるな?」

リンクル「うん」

ゲルドA「あの向こうには魂の神殿がある」
ゲルドA「もしもあの神殿から何か持ち帰ることが出来たら、お前の勝ちだ」

ゲルドA「尤も……あそこはツインローバのお二人が護る神殿」
ゲルドA「辿り着くことも困難だろうが、辿り着けてもそこで殺されるのがオチだろうな」

リンクル「……そう」

ゲルドA「……まぁ、お前のことは嫌いじゃないからな」
ゲルドA「砂漠を越えるヒントを一つやる」

ゲルドA「“真実を見抜く目を持つ者は幻の案内人がその道を示すだろう”」
ゲルドA「さぁ行け。せめて死なないようにな」

リンクル「……ありがと」

ゲルドB「気をつけてねぇ」

ゲルドA「本当によろしかったのですか?」

ゲルド幹部「何が?」

ゲルドA「時の勇者です。あんな小娘ですが、もし魂の神殿に辿り着いたら……」

ゲルド幹部「どうだろうね。実際あの神殿の様子はあたいらも知らないわけだし」
ゲルド幹部「ナボール様含む、あの神殿に駐留してた仲間達のことも心配だよ」

ゲルドB「砂嵐が起きるようになって以来、あそこに居た仲間とは連絡不能ですもんねぇ」

ゲルド幹部「ああ。ツインローバのお二人も全然教えてくれやしないしね」
ゲルド幹部「それなら、いっそあいつに行かせて辿り着かせちまえばいい」

ゲルド幹部「途中でくたばったって、あたいらは大して困んないし」
ゲルド幹部「それより昨晩あいつを勝手に殺そうとした奴だけど」

ゲルドB「あれですねぇ」
ゲルドB「あの子、今朝になって目が覚めたんですけど、どうも数日前からの記憶がないんですよぉ」

ゲルド幹部「……とすると、やはりツインローバのお二人か」

ゲルドB「その可能性が高いですねぇ」

ゲルド幹部「まったく……さっぱり分からない砂漠越えのヒントに今回の気まぐれな洗脳……」
ゲルド幹部「あのお二人の気まぐれには頭痛がするな……」

リンクル「ほんとにマスターソード一本なのね……」
リンクル「身が軽いのは良いけど、なんだか盾もクロスボウもないのは不安だなぁ」

ファイ「警告。砂嵐の中では顔を何かで覆わないと危険です」

リンクル「ゾーラの里の時のマフラー顔に巻いとこ……」
リンクル「しっかし、“真実を見抜く目”ってなんだろうね。分かりそうで分からないような……」

ナビィ「リンクルー!」リリリリン

リンクル「あっ、ナビィ!」

ナビィ「やっと見つけた!」

リンクル「どう? 何か持ってこられた?」

ナビィ「ゴメンネ、あたしの体じゃまことの眼鏡しか持ってこられなかった……」

リンクル「いいよ、まことの眼鏡だけでも十分助か……ハッ」
リンクル「……大当たり」

ナビィ「え?」

ポウ「行きはヨイヨイ、帰りはイナイ」フヨフヨ
ポウ「砂漠を越えたきゃオイラについてきな」フヨフヨ

リンクル「幻の案内人、ね……」

ナビィ「何が見えてるの?」

リンクル「幽霊。案内してくれるんだってさ」

ナビィ「へぇ……」
ナビィ「……あ、大当たり、ってそういうこと?」

リンクル「そういうこと」
リンクル「ただ見失わないように気をつけないとね」

――巨大邪神像

リンクル「はぁ……はぁ……」ザッザッ
リンクル「ふぅ……ん?」ザッ

ナビィ「砂嵐が晴れた……?」
ナビィ「Look! 大きな石像! あれが女神かな?」

リンクル「多分……あれが、邪神?」
リンクル「邪神、っていうからもっと禍々しいものかと思ってた」

ファイ「あれはハイリア人が信仰している女神と同一の女神、女神ハイリアを模したものと推測されます」

リンクル「ゲルド族も同じ女神を信仰してるの? それにしてはなんだか雰囲気が違うような……」

ファイ「像を作った時代の人々は実際に女神ハイリアを見たわけではない為と思われます」

ナビィ「同じ話を聞いても人によって想像する光景は違う、っていうものネ」

リンクル「成程……じゃあ、あのトライフォースが描かれた台座は?」

ファイ「ゲルド族ではなく、統一戦争時にここまで侵攻したハイラル軍が刻んだものと推測」
ファイ「また、像が破壊されているのも、自然による風化等ではなく何者かが破壊行為を行ったものと思われます」

リンクル「ふーん……また統一戦争かぁ」
リンクル「あれさ、顔の辺りを重点的に破壊されてる気がするけど、そんなに気に入らなかったのかな」

ナビィ「さあ……?」

リンクル「同じ神様を信仰してるのに、こんなに違うなんて変なの」

ファイ「人にとって神は実際に見るのではなく口伝を解釈するものである為、このような違いが生まれます」
ファイ「ゲルド族にとっての女神ハイリアの姿はハイリア人にとっては受け入れ難いものであったと思われます」

リンクル「ふーん……」

――大妖精の泉

魔法の大妖精「よくここまで来たわね、リンクル」
魔法の大妖精「ここではあなたに魔法のアイテムを授けるわ」

リンクル「ディンの炎、フロルの風に続く魔法のアイテムですね」

魔法の大妖精「さあ、受け取って」

リンクル「ありがとうございます」

魔法の大妖精「それはネールの愛。少しの間、敵の攻撃からあなたの身を護る魔法よ」
魔法の大妖精「どんな攻撃も弾き返せるけど、魔力の消費が激しいから、ここぞという時に使ってね」

リンクル「攻撃、ワープと来て、今度は防御ね」

――巨大邪神像

リンクル「さて……取り敢えずここで暫く休憩するとして、次は魂の神殿だよね」
リンクル「もう一度あの砂嵐に入れば別の幽霊が居るのかなぁ」

ファイ「マスターに報告。あの像の内部には巨大な空間があると推測されます」
ファイ「ゲルド族とハイリア人ではこの像に対する認識が違う為、マスターの解釈には食い違いがある確率65%」

ナビィ「……あ、そっか。ゲルド族にとってはこれは“邪神”像じゃないんだ」
ナビィ「ハイリア人は邪神像って呼ぶけど、ゲルド族はもっと別の名前で呼んでる筈だよネ」

リンクル「あー……じゃあ、そうするとこれがゲルド族の言う魂の神殿かもしれない、ってこと?」

ファイ「イエス、マスター」

リンクル「んー、確かに入口っぽいのは見えるね」
リンクル「それじゃ、あの像の中入ってみよっか」

ナビィ「何か持って来いって言われてたんだったネ」
ナビィ「もしかしたらすごいお宝があったりして!」

リンクル「どうかなぁ……何か居るって話だったし」

ナビィ「あー……そうだね。用心はしとかないと」
ナビィ(……あれ? じゃあなんでリンクルにこんなことさせるんだろう、あの人達……?)

ナビィ(あの人達が言ってた“ツインローバ”って、多分ゲルド族の誰かよね?)
ナビィ(リンクルを確実に倒せるっていうよっぽどの自信がある? それともリンクルに倒してほしいとか?)

リンクル「ん、ここだここだ」
リンクル「よーし、行くぞー」

ナビィ(なんだかいつも以上に不安だなぁ……)

取り敢えずここまで

めっちゃ眠かったのでどっか変なとこあるかもしんないけど質問等あればどうぞ

なんか店長が娘との結婚を強力に勧めてくるけど、30一歩手前の腐女子と結婚とか怖すぎる


実は最初、ゲルドの砦で慰安婦として飼われるか砂漠に行くか選べとでも言わせようかと迷った


今日で完結まで持っていこうかなぁ

 ep.18 魂の賢者


――魂の神殿

ファイ「マスターの読み通り、この像の内部が魂の神殿である確率90%」

リンクル「へぇ……これ、石像の中が神殿なんだ……」

「今となってはツインローバの実験場だけどね」

リンクル「……シーク」
リンクル「あんたってどこにでも現れるんだね」

シーク「僕は旅の吟遊詩人。僕の行き先と君の行き先が偶々同じだけさ」

リンクル「ふーん……」
リンクル「ところでさ、あんたは幻影の砂漠をどうやって越えたの?」

リンクル「あたしはまことの眼鏡があったから来られたんだけどさ」
リンクル「あんたもそれと同じようなものがあるわけ?」

シーク「……」

リンクル「……」
リンクル「……まぁ、いいけど」

リンクル「……話変わるんだけど」
リンクル「シークさ、自分の姿を鏡で見たことある?」

シーク「……」

リンクル「……だんまり」
リンクル「答えたくないことだらけなんだね」

シーク「……リンクル、君は」

リンクル「いいよ、今は答えなくて」
リンクル「いつかあんたが教えたくなったら、教えてね」

シーク「……」

リンクル「それより、この神殿のこと教えて」

シーク「ツインローバは双子の魔法使いの婆さんだ」
シーク「ガノンドロフの教育係も務めたと聞く」

リンクル「ガノンドロフの……!」

シーク「この神殿は遥かな昔からここにあり、ある時代にゲルド族が今の形に造り替えたといわれている」
シーク「複雑な内部はゲルド族の要塞としても機能し、統一戦争時にはこの地で多くの血が流された」

シーク「ハイラル軍が撤退して久しい今となっても、ゲルド族はここを拠点の一つとしているらしい」
シーク「そしてガノンドロフ軍の大物である、ツインローバがここを護っている筈だ」

リンクル「そう……ありがと」

シーク「気をつけるんだリンクル。奴らの趣味は洗脳……」
シーク「君が捕まらないのは兎も角、ゲルド族には注意するんだ」パァン

リンクル「うっ……!」
リンクル「……消えた」

リンクル「もう、今度こそ一緒に来てくれるのかと思ったのに」
リンクル「……む」シャキンッ

ガチャン……ガチャン……

アイアンナック「……」ガチャン ガチャン

リンクル「……大きな斧を持った、鎧の戦士?」

アイアンナック「……オォン!」ブオンッ

リンクル「っ!」バッ

ナビィ「気をつけてリンクル! 今は盾がないから攻撃を防ぐには……」

ファイ「マスターに警告。あの敵の攻撃は斧自体の重量と機械の補助により、非常に威力が高いと思われます」
ファイ「盾があっても攻撃を防げない確率90%。受け止めたりせず、回避することを強く推奨します」

リンクル「確かにあんなのもらったら一撃で真っ二つにされそうだもんね……おっと!」バッ

アイアンナック「フンッ!」ドコッ

リンクル「……あの鎧、重そうだね」

アイアンナック「ハアッ!」ブオンッ

リンクル「よっ」バッ
リンクル「足元ががら空きよ!」ダッ

ガチャーン

アイアンナック「ウオォッ!」

ナビィ「鎧が少し剥がれた!」

アイアンナック「……!」ブオンッ ブオンッ

リンクル「うわっ!」バッ

ナビィ「Watch out! 敵の動きが素早くなったヨ!」

リンクル「このっ……!」タンッ

アイアンナック「……!」

リンクル「せいっ!」バキンッ

アイアンナック「グオアアッ!」

リンクル「っと」シュタッ

ナビィ「やった、兜を叩き割っちゃった!」

ガチャン ガチャガチャ……

アイアンナック「……」ドサッ

ナビィ「……?」
ナビィ「!」

ゲルド「」

ナビィ「Look! リンクル!」
ナビィ「あの鎧の中身、ゲルド族だったんだ!」

リンクル「え……」

リンクル「生きてるの?」

ナビィ「ううん……兜ごと頭を叩き割られちゃったみたい」

リンクル「……も少し加減して叩けば死ななかったかな」

ナビィ「……」

リンクル「……まぁ、いいや。気にしても仕方ないし」
リンクル「ゲルド族がこんな重苦しい鎧着込んで、重たい斧使ってくるなんて変だね」

ナビィ「そう?」

リンクル「城下町で見たゲルド族は2本の曲剣を使ってた」
リンクル「ゲルドの砦に居た人達もみんな曲剣か槍ばっかり。弓の人も居たけど、斧はなかった」

リンクル「多分、みんな軽い武器が得意なんだと思うけど……」
リンクル「なんでこの人だけこんなことしてるんだろ」

ファイ「マスターに報告。この鎧の内部の機械に使われている技術は古代の文明の技術と一致します」
ファイ「この鎧は古代の機械人形を復元したものと思われます」

リンクル「人形? このゲルドの人は生きた人間だった筈よ?」
リンクル「ほら、体温もまだ残ってる。さっきまで生きてたんだわ」ペタ

ファイ「イエス、マスター。しかし、この機械人形には動力に当たる部品が見受けられません」
ファイ「機械人形をそのまま動かすのではなく、あくまで人間の力を強化する為に使っているものと推測」

ナビィ「この鎧はあくまで兵士を強化する補助の道具ってことね」

ガチャン……ガチャン……

リンクル「げっ」

アイアンナックA「コォォォ……」ガチャン ガチャン

アイアンナックB「ヌゥゥ……」ガチャン ガチャン

リンクル「に、二体……!?」
リンクル「こんなの二体も同時に相手してらんないよ!」タタッ

アイアンナックA「……」ガチャン ガチャン

リンクル「……」コソコソ

ナビィ「……行ったみたい」

リンクル「……ふぅ」
リンクル「あれ……?」

ナビィ「わ、中にもあったんだ、この女神像」

リンクル「こっちは壊されなかったんだね」
リンクル「そこの扉、入ってみようか」

リンクル「……!」

「ホッホッホ……誰か来たようですよ、コウメさん……」

コウメ「ヒッヒッヒ……そのようですねぇ、コタケさん……」

コタケ「我らの神殿へ侵入するとは、恐れを知らない不届き者よのぉ、ホッホッホ……」フワリ

コウメ「では、その不届き者に罰を与えてやりましょうかねぇ、ヒッヒッヒ……」フワフワ

コタケ「我らの忠実な下僕よ……」

コウメ「我らに代わり、侵入者を殺せ!」

アイアンナック「……」ガチャン

リンクル「またあの鎧……!」

アイアンナック「……」スッ
アイアンナック「……?」ケンガナイ?

リンクル「……?」

アイアンナック「……」コノオノツカウンダッタ
アイアンナック「オォッ」ブオンッ

リンクル「っと……!」バッ
リンクル「最初の空振りは斧だとは思わせない為のフェイク? それとも……」

アイアンナック「フンッ!」ドコッ

リンクル「おっと!」バッ
リンクル「その鎧重いでしょ!」ダッ

ガチャーン

アイアンナック「オオオッ!」ブオンッ ブオンッ

リンクル「もう分かってるのよ!」バッ
リンクル「せぇぇいっ!」タンッ

バキンッ

リンクル「今度は……」シュタッ

アイアンナック「ウオォォ……」ドタッ
アイアンナック「う……!」

リンクル「……生きてるみたいね」

「あ、あたいは一体……?」
「……何者だ!?」ザッ

リンクル「……ただの旅人」

「何……?」
「そんなのあたいが信じると思って……」

リンクル「じゃあ時の勇者だって言ったら信じる?」チャキッ

「時の勇者……」
「……ガノンドロフを倒そうとしてるハイリア人とは聞くけど」

「あんたみたいな小娘だとは俄かには信じがたいね」
「ただまぁ、その剣見る限り、相当腕は立つってのは分かるよ」

「剣を下ろしてよ。あんたがガノンドロフを倒したいってんなら、あたいは敵じゃない」
「あたいもガノンドロフを何とかしたいんだ。手を組まないかい? 時の勇者」

リンクル「……」シャキン
リンクル「……リンクルって呼んで。あなたの名前は?」

ナボール「ナボールだよ。よろしくね」

リンクル「うん」
リンクル「ここで何があったの?」

ナボール「ここで何があったか……ね」
ナボール「色々だよ」

ナボール「10年かそこら前に、砂漠の古い遺跡から変なもんが出てきたんだってさ」
ナボール「ツインローバの婆さん達は古代の遺物、機械人形だって言ってたけど」

リンクル「ファイが言ってた古代文明の技術ね……」

ナボール「その研究の為に、婆さん達はこの神殿にそれを持ち込んで、ずっと研究してた」
ナボール「それで、ちょっと今どのくらい時間が経ったのか分かんないけど」

ナボール「あたいにとってはつい昨日のことだよ」
ナボール「ついに機械人形を復元したって言われて、そのお披露目にあたい達は集められた」

ナボール「変な甲冑だったけど、言われてみれば強そうだったかな。背丈もあたい達より一回りでかかったし」
ナボール「ただ、そこから記憶がちょっと曖昧でね……変な魔法をかけられたのは覚えてんだけど」

ナビィ「……話が見えてきたヨ……」

ナボール「あん?」

ナビィ「ナボール、あなたね、その機械人形の中に居たの」

ナボール「はっ!?」

ナビィ「多分、ファイが言ってた“動力に当たる部品がない”“人間の力を強化するだけ”っていうのは……」

ナボール「……あたい達を洗脳して、その動力代わりにしてたってわけか」
ナボール「クソッ、あの婆さん達絶対に許さねぇ!」

リンクル「取り敢えず、ツインローバを何とかしなきゃならないのね?」

ナボール「ああ。そうすりゃ魔力が途切れて仲間達の洗脳も解ける筈さ」
ナボール「ただ、連中は魔法使いだ。一筋縄じゃいかないよ」

ナボール「この神殿にはあの婆さん達の研究してる魔法の道具が沢山ある」
ナボール「その中にはあたいらにも使えるような道具もあってね」

ナボール「あたいの考えが正しければ、確実に奴らの優位に立てるものが一つある。秘策ってやつだね」
ナボール「あたいはそれを取ってくるから、あんたは奴らがどこに隠れてるかを見つけるんだ。いいね?」

リンクル「うん、分かった」
リンクル「じゃあ、また後で」

ナボール「ああ!」
ナボール「くれぐれもあんたが先に見つかんないようにね! 事が済んだらイイコトしてやるよ!」

リンクル「“イイコト”ってなんだろね」コソコソ

ナビィ「さ、さあ……?」

リンクル「……っと」ササッ

アイアンナックA「……」ガチャン ガチャン

リンクル「はぁーい、背中ががら空きよ!」ダッ

アイアンナックA「!」ブオンッ

リンクル「ほっ!」タンッ
リンクル「せぇいっ!」バキンッ

アイアンナックA「ウオオッ……」ガクッ

ナビィ「横に振られた斧を足場になんて、よく反応出来たネ……」

リンクル「何度も見てれば、どの辺りで動きが止まるか予測出来たからね」
リンクル「うわ!」バッ

アイアンナックB「フンッ」ドコッ

リンクル「案外近くにもう一体居たのね……」
リンクル「こっちまでおいで!」タタタタッ

アイアンナックB「コォォォ……!」ガチャン ガチャン

アイアンナックA「」ガチャガチャ……

ゲルドC「……う……」
ゲルドC「うぅ……ん?」

リンクル「振り切ったかな……?」コソコソ

アイアンナックB「……?」ガチャン ガチャン

リンクル「……よし」

「バカな子だねぇ、自分からガノンドロフ様に捧げる生贄になりにくるなんて……」

リンクル「なっ……!?」

コウメ「あたしの炎で骨まで焼いてやる……」フワフワ

コタケ「あたしの冷気で魂まで凍るがいい……」フワフワ

双生魔道師 ツインローバ

リンクル「し、しまった……まだ盾がないのに!」

コウメ「ヒッヒッヒ……炎を喰らえ!」ボウッ

リンクル「くっ!」バッ

コタケ「ホッホッホ……次は冷気だよ!」コオオッ

リンクル「ネールの愛!」パシュンッ

ナビィ「大妖精様からもらった魔法!」
ナビィ「このまま逃げましょ、リンクル!」

リンクル「うんっ……!」タタタタッ

ファイ「警告、間もなくネールの愛の効果が切れます」

コウメ「そろそろかねぇ、コタケさん」

コウメ「そろそろだろうねぇ、コウメさん」

リンクル「ちっ……さっきから分かってて攻撃してこなかったのね!」タタタタッ
リンクル「って、言ってたら効果が切れた!」シュゥン

コタケ「中々しぶとかったねぇ……」コオオッ

リンクル「えぇいっ!」バッ
リンクル「せめてクロスボウがあれば!」タタタタッ

コウメ「ヒッヒッヒ……そこは行き止まりだよ!」ボウッ

リンクル「うっ……!」
リンクル「ぉぉおおおおっ!!」バシュンッ

ファイ「魔法反射」

コウメ「何っ……!?」

リンクル「はぁ……はぁ……!」

ナビィ「す、すごい! 魔法を弾いちゃった!」

リンクル「まぐれだよ……!」
リンクル「次が来たら、確実に殺される……!」

コタケ「ホッホッホ、驚いたねぇ……」
コタケ「だけど、次で終わりだよ小娘」

リンクル「っ……!」

「待ちなっ!」

コウメ「おや……お前は」

ゲルドC「ナボール様から話は聞いたよ!」
ゲルドC「リンクル! こいつを使いな!」ビュンッ

リンクル「これは……!」パシッ

ゲルドC「銀のグローブだ! 重いものを易々動かせるようになるお宝さ!」

コタケ「ふん、そんなものが何になる!」コオオッ

リンクル「っ!」バッ
リンクル「こうすんのよ!」ボコッ

コタケ「なっ、タイルを剥がして……!」

リンクル「こ、れ、で、も」グルンッ
リンクル「喰らえっ!!」ブンッ

コウメ「おおっと!」バッ

コタケ「コウメさん!」

タタタタッ……

コウメ「ちぃっ……!」
コウメ「取り逃したか……!」

リンクル「ありがとう、助かったわ……」

ゲルドC「いいってことよ」
ゲルドC「あんたもあたしを助け出してくれたんだろ?」

リンクル「それは……」

ガチャン……ガチャン……

リンクル「……!」

ゲルドC「こいつは……!」

アイアンナックB「コオオォォ……」ガチャン
アイアンナックB「フンッ!」ドコッ

リンクル「くっ!」バッ

ゲルドC「このっ!」ドカッ

アイアンナックB「ホアッ!」ブオンッ

ゲルドC「うっ!」バッ

リンクル「肩借りる!」タンッ

ゲルドC「あいよっ!」

リンクル「えぇーいっ!」バキンッ

アイアンナックB「オアアッ……!」ガクッ

ガチャガチャ……

ゲルドD「ぅ……」

リンクル「はぁ……ふぅ……!」

ゲルドC「兜だけ割るなんて器用な真似するね……頭ごとかち割っちまうかと思ったよ」

リンクル「そうしてたらあなた今頃死んでたわよ」

ゲルドC「取り敢えずこいつはあたしが面倒見とくよ」
ゲルドC「ナボール様、来ないね……」

リンクル「ほんとにね」
リンクル「このままじゃツインローバに見つかったら殺されちゃうわ」

ゲルドC「困ったね……」
ゲルドC「……後ろ!」

リンクル「!」バッ

コウメ「うるさい小娘だねぇ」ボウッ

ゲルドC「きゃああーっ!?」ボオオッ
ゲルドC「いやああああああっ!! ああああああっ!!」ゴロゴロゴロ

リンクル「そんなっ!」

ゲルドC「ああああ! あああぁぁぁ……!」ジタバタ

リンクル「ど、どうやって消せば……! ナビィ!」
リンクル「ナビィ!? どこに行ったの!?」

ゲルドC「あぁ……あぁぁぁ……」ズルズル
ゲルドC「」ガクッ

リンクル「あ、ああ……!」

コウメ「おやおや……小娘に火が移らないよう自分から反対方向へ行こうとするなんて見上げた根性だ」

コタケ「是非とも生かして手駒にしておきたかった逸材だったのにねぇ……」

コウメ「ヒッヒッヒ……まぁ、残念だけどあたし達の邪魔をするからそうなるんだよ」

コタケ「ホッホッホ……次はお前の番だ、小娘」コオオッ

リンクル「くっ!」バッ

ゲルドD「」パキパキパキ

リンクル「そんな、あなたまで!」
リンクル「うう……早く来てよ、ナボール!」タタタタッ

ナビィ「リンクル!」

リンクル「ナビィ! どこ行ってたの!?」

ナビィ「こっちヨ、ナボール!」

ナボール「悪い、あんたを探してた!」

リンクル「遅いよ! あんたの仲間みんな死んじゃったんだよ!?」

ナボール「何っ……! そいつは聞き捨てならないね、婆さん達!」

コウメ「ヒッヒッヒ、獲物が増えたねぇ、コタケさん」

コタケ「ホッホッホ、そのようですねぇ、コウメさん」

コウメ「だけど散々逃げ回ってあたし達を梃子摺らせてくれたお礼に」

コタケ「ちょいとばかしとっておきを見せてあげるよ」

リンクル「とっておき……!?」

コタケ&コウメ「コタケ&コウメの、セクシーダイナマイツアターック!」クルクルクルクル

ボンッ

リンクル「な……!?」

ナボール「え、ええー……」

ツインローバ「ウフフ、さぁとどめよぉ!」

ツインローバ「炎がお好みかしら? それとも冷気?」

ナボール「どっちもご遠慮願いたいねっ!」
ナボール「どうすんだい?」ヒソヒソ

リンクル「あたしも追いかけっこには疲れちゃってたとこよ!」
リンクル「どうするもこうするも、あんたの言う秘策しかないでしょ!」ヒソヒソ

ナボール「けどまさか合体するなんて思わなかったからさ……」ヒソヒソ

リンクル「はあ?」ヒソヒソ

ナボール「と、兎に角、やってみるしかないよ!」ヒソヒソ

ツインローバ「フフフ、作戦会議はお終いかしら?」
ツインローバ「それじゃ、死に方は選ばせてあげるわ。どちらがお好み?」

リンクル「……」コクリ
ナボール「……」コクリ

リンクル「炎!」
ナボール「冷気!」

ツインローバ「あらあら、分かれちゃったわねぇ……」
ツインローバ「まぁいいわ。同時に撃つことだって不可能じゃないしね」

ツインローバ「それじゃ、さようならよ」ヴゥン
ツインローバ「来世ではこんなことに巻き込まれない人に生まれるといいわねぇ!」ドオッ

ナボール「今だ!」っミラーシールド

リンクル「!」

カッ

ツインローバ「何っ!?」

バシュウゥゥッ

ツインローバ「ああぁぁぁんっ!!」ドオオオオッ

ナボール「上手く跳ね返せたね……!」

リンクル「あっ、ツインローバが元に戻った!」

コウメ「えぇい、ちょこざいな……今度こそ本気でいくぞい。のぉ、コタケさん!」フヨフヨ

コタケ「おや……? コウメさんや、その頭の上のわっかは何じゃ……?」フヨフヨ

コウメ「そーいうあんたの上にもあるぞ、コタケさん……?」フヨフヨ

リンクル「……あ、もしかして」

ナボール「お迎えが来てるぜ、婆さん達」

コウメ「あ、あたしゃまだ400年しか生きてないんだよ!?」フヨフヨ

コタケ「あたしなんて380年だよ!」フヨフヨ

コウメ「双子なのに20年もサバ読むんじゃないよ!」フヨフヨ

コタケ「あんたこそボケてんじゃないの!」フヨフヨ

コウメ「誰がボケてるって!? それが姉に対して言う言葉かい!?」フヨフヨ

コタケ「双子に姉も妹もあるかい!」フヨフヨ

コウメ「キィー! この薄情者ぉー!」フヨフヨ

コタケ「何だい、この恩知らず!」フヨフヨ

コウメ「薄情者!」フヨフヨ

コタケ「恩知らず!」フヨフヨ

パアアァー

コタケ&コウメ「化けて出てやるぅー!」

リンクル「……」

ナボール「……」
ナボール「なんつーか……」

ナボール「……やったな! うん、やったな、あたい達!」
ナボール「仲間達の敵も討ったし、ガノンドロフの有力な部下もやっつけた! やったよな!」

リンクル「あ、うん、そう! そうだね! やったね!」

ナビィ(なんだかなぁ……)

ナボール「……お」

リンクル「?」

ナボール「リンクル」
ナボール「仲間達のことは残念だったけど……」

ナボール「あんたにはまず礼を言わせてもらうよ」
ナボール「約束だし、イイコトしてやるからね」

ナボール「……と、言いたいとこだけど」
ナボール「あたいが魂の賢者だなんてね、驚いちまうよ」

リンクル「そうなんだ……」

ナボール「そんな顔すんなって。一緒にガノンドロフにひと泡吹かせてやろうじゃないか!」
ナボール「あーあ、こんなことならもっと早くにやっとくんだったね」ポゥ……

リンクル「ナボール……」
リンクル「……ありがとう」

取り敢えずここまで

途中で寝落ちてたすいません

どうやっても結局病んじゃうのが時の勇者


更新します

 ep.19 決戦の地へ


――巨大邪神像

『リンクル……リンクル、聞こえるか』

リンクル「?」

ラウル『ラウルじゃ……久しぶりじゃな』
ラウル『ついに我ら六賢者は復活した。魔王との対決の時がきたのじゃ』

ラウル『その前に、お前に会いたがっている者が居る』
ラウル『その者は時の神殿でお前を待っておる……』

リンクル「……分かった」

ナビィ「見て見て、砂嵐が晴れてる!」

リンクル「ほんとだ……ツインローバの魔法だったのかな」
リンクル「取り敢えず、ゲルドの砦に行って、装備返してもらわなきゃ」ザッザッザッザ

――ゲルドの砦

ゲルドA「も、戻って来られたのか!?」

リンクル「砂嵐晴れたからね」
リンクル「はい、ミラーシールドと銀のグローブ」

ゲルド幹部「本当に持ってくるとは……」
ゲルド幹部「……そうだ。魂の神殿は? 様子はどうだった?」

リンクル「それ、なんだけど……」
リンクル「まず、あんた達の仲間はみんな殺されちゃったわ」

ゲルドA「何!? 仲間達を殺したのか!?」チャキッ

リンクル「違う。ツインローバの実験よ。砂嵐の向こうで、古代文明の機械人形がどうこうって研究をしてたの」

ゲルド幹部「ああ、あの神殿はツインローバのお二人の研究所でもあったからな」

リンクル「あの神殿に居たゲルド族は機械人形に閉じ込められて、最終的にツインローバに殺された」
リンクル「あたしも殺されかけた。生き残ったのはあたしとナボールだけよ」

リンクル「……そのナボールも、魂の賢者として目覚めて、結局あたし一人で帰ってきたんだけどね」
リンクル「信じてもらえないのは分かってるけど、事実としてこう伝えるしかないわ」

ゲルド幹部「……」
ゲルド幹部「……いや、信じるよ」

ゲルド幹部「まさかとは思っていた……っていうか、思いたかった」
ゲルド幹部「ガノンドロフ様も、ツインローバのお二人も、あたいらを便利な駒くらいに思ってんじゃないか」

ゲルド幹部「神殿の仲間達はツインローバの実験の道具にされたんじゃないかとは、薄々思ってたよ」
ゲルド幹部「的中してほしくはなかったけどね……」

ゲルド幹部「元々あたいらゲルド族もガノンドロフ様に対する不信感が全くなかったわけじゃない」
ゲルド幹部「100年に一度生まれる男は族長になる……と言っても、何でもしていいわけじゃないからね」

ゲルド幹部「ご苦労だったな。持ち物は全部返してやるよ」
ゲルド幹部「ついでに部屋も貸してやるから、今夜はここでゆっくり休んでいきな」

リンクル「……ありがとう」

――翌朝 ゲルドの谷

イチロー「親方ぁー!」

親方「てやんでぃ、べらぼうめ! おめぇらどこほっつき歩いてやがったんだ!」

ジロー「それが酷いのよ! ゲルドの盗賊達ったら、あたし達が男だからってだけで牢に入れたんだもの!」

サブロー「もう盗賊なんてこりごりよ! やっぱり大工しかないのね、あたし達……」

親方「ったりめーだ、バーロー! さっさと仕事の準備しろぃ!」

シロー「はーい!」

リンクル「はぁー、やれやれね」

親方「ありがとな、嬢ちゃん。お前さんには助けられっぱなしだ」

リンクル「いいのよ、家に泊めてもらったしね」
リンクル「それじゃ、行くよエポナ!」

エポナ「ヒヒィーン!」

親方「気ぃつけてなぁー!」

――翌日 ロンロン牧場

ナビィ「丸一日走り通すなんて無茶しすぎだヨ……」

リンクル「ごめんね……」ナデナデ

エポナ「ブルルッ……フー」

マロン「あっ、リンクルー!」タタタタッ

リンクル「マロン!」

マロン「大丈夫? 怪我とかしてないよね?」

リンクル「平気」
リンクル「それより、明日城下町の方へ行くから、今夜はここに泊めてくれる?」

マロン「勿論よ! ここに住んでくれたっていいのよ!」

リンクル「考えとくわ」クスッ

マロン「そういえば砂漠に旅立つ前に渡したミルク、どうだった?///」

リンクル「あ、うん、あれね」
リンクル「すっごく美味しかったよ。いつもと違う感じだったけど、あれはあれで美味しかった」

マロン「そ、そう……///」
マロン「よ、良かったら、今度搾ってるとこ見てみる?///」

リンクル「ほんと!?」
リンクル「是非お願い! どうやって作ってるのか見てみたかったんだ!」

マロン「///」

ナビィ(……あっ、なんとなく何のミルクか分かっちゃった……)
ナビィ(でも子供とか居るようには見えないし、そういう体質なのかな……)

ナビィ(どっちにせよリンクルにそんなもの飲ませるなんて……)
ナビィ(マロンって結構変な子よネ……)

――翌日 ハイラル城下町

リンクル「相変わらず嫌な空気……」カツカツ

リーデッド「ウォォン……ォォォン……」

リンクル「……」カツカツ

リーデッド「キョォォッ!」ギロッ

リンクル「!」プイッ
リンクル「見ない見ない見ない!」タタタタッ

リーデッド「ォォォン……ウォォォン……」

ナビィ「すっごい雑な回避法ね……」

――時の神殿

リンクル「……誰か居るのかな」カツカツ

「待っていたよ、リンクル」

リンクル「……シーク」

シーク「時の勇者リンクル……」
シーク「君は数々の苦難を乗り越え、六賢者を目覚めさせてくれた……」

シーク「そして、今また魔王ガノンドロフとの対決の時を迎えようとしている……」
シーク「その前に、君だけに話しておきたいことがある」

リンクル「あたしだけに?」

シーク「闇の民、シーカー族に伝わる、トライフォースの知られざるもう一つの伝説だ……」
シーク「聖なる三角を求めるならば、心して聞け」

リンクル「……」

 聖なる三角の在るところ……聖地は己の心を映す鏡なり。
 そこに足踏み入れし者の心、邪悪なれば魔界と化し、清らかなれば楽園となる。

 トライフォース……聖なる三角。
 それは力、知恵、そして勇気……三つの心を量る天秤なり。

 聖三角に触れし者、三つの力を併せ持つならば万物を統べる真の力を得ん。
 しかし……その力なき者ならば聖三角は力、知恵、勇気の三つに砕け散るであろう。

 あとに残りしものは三つの内の一つのみ……それが、その者の信ずる心なり。
 もし、真の力を欲するならば失った二つの力を取り戻すべし。


 その二つの力……神により新たに選ばれし者の手に甲に宿るものなり。

シーク「ガノンドロフは七年前、君が開いた時の神殿の扉をくぐり、聖地へ到達した」
シーク「しかし、奴がトライフォースを手にした時、伝説は現実となった……」

シーク「トライフォースは三つに砕け、ガノンドロフの手に残ったのは力のトライフォースのみだった」
シーク「奴はトライフォースの力によって魔王となったが、その野望は果てることはなかった」

シーク「完全な支配の為、ガノンドロフは残る二つのトライフォースを持つ、神に選ばれし者を探し始めた」
シーク「その一人は、勇気のトライフォース宿りし者……時の勇者リンクル」

リンクル「……え」
リンクル「あ、あたし?」

シーク「そう、君だ」
シーク「そして、もう一人……知恵のトライフォース宿りし者。賢者の長となる、七人目の賢者……」カッ

リンクル「うっ……!?」

ポゥ……

ナビィ「……あっ!?」

ゼルダ「この私……ハイラル王女ゼルダです」

ゼルダ「魔王の追及を逃れる為とはいえ、シーカー族と偽り接してきたこと、どうか許してください……」

リンクル「……いいよ。実は、ゼルダ姫じゃないかって思ってた」

ゼルダ「え……?」

ナビィ「えっ、リンクル気付いてたの!?」

リンクル「まことの眼鏡。真実を見通す目なんでしょ?」
リンクル「シークを見た時、流石にゼルダ姫の姿が見えたわけじゃないけど、なんだか変な感じだったから」

ゼルダ「……流石リンクルですね」クスッ
ゼルダ「七年前のあの日……ハイラル城は、ガノンドロフの襲撃を受けました」

ゼルダ「覚えていますか……インパに連れられて逃げる私が、あなたに時のオカリナを託した時のこと」
ゼルダ「オカリナがあなたの手にある限り、ガノンドロフは聖地へは入れないと思ったのですが……」

リンクル「……結果として、あたしはマスターソードによって聖地に封印されちゃった」
リンクル「あたしが“時の扉”を開いたりしなければ……とは何度も思ったよ」

ゼルダ「ごめんなさい、私があんなことをあなたに提案したばっかりに……」

リンクル「ううん……まだこれからよ」
リンクル「賢者は揃った。今のあたしならマスターソードだって扱える」

ゼルダ「……ありがとう」

リンクル「そういうことは全部終わってからだよ」

ゼルダ「……そうですね」クスッ
ゼルダ「あなたが帰ってきた今、魔王ガノンドロフの支配する暗黒の時代は終わるのです」

ゼルダ「六賢者が開いた封印にガノンドロフを引き込み、私がこちらの世界から閉じる……」
ゼルダ「それで魔王ガノンドロフはこの世から居なくなるでしょう」

ゼルダ「リンクル……あなたの勇気が、今一度必要です」
ゼルダ「魔王の守りを破るもの……選ばれし者に神が与えたもう力、聖なる光の矢の力をあなたに差し上げます」

リンクル「光の矢……」

リンクル「ディンの炎で作る炎のボルトと同じ要領で撃てばいい?」

ゼルダ「はい。あなたの魔力を消費し、矢に光の力を纏わせることが出来る筈です」
ゼルダ「それに、それだけ沢山のボルトを用意したのですから、きっと矢が尽きて困ることもないでしょう」クスッ

リンクル「あいや、最後だし、流石に手強いだろうと思ってさ」クスクス

ゼルダ「フフ……久しぶりにあなたの笑顔を見ました。素敵な笑顔……」

リンクル「そ、そう? えーと……ありがとう、ゼルダ姫」
リンクル「一緒にガノンドロフを倒しましょ」スッ

ゼルダ「はいっ」スッ

ゴゴゴゴゴ……!

ゼルダ「……!?」

リンクル「な、何? この地鳴りは一体……!?」

シュウゥゥンッ パシュンッ

ゼルダ「!?」

リンクル「ゼルダ姫!」

ナビィ「ま、魔法の結晶! 術者が居る限りどうしたって割れないヨ!?」

『愚かなる反逆者……ゼルダ姫よ』
『七年もの長き年月……よくぞ俺から逃げおおせた』

ゼルダ「この声は……!」

リンクル「ガノンドロフ……!」

ガノンドロフ『だが……油断したな』
ガノンドロフ『この小娘を泳がせておけば、必ず現れると思うておったわ!』

ガノンドロフ『俺の唯一の誤算は、その小娘の力を少々甘く見ていたことだ』
ガノンドロフ『……いや、その小娘の力ではない。勇気のトライフォースの力だ』

リンクル「なっ……!」

ゼルダ「リンクル!」

ポウゥ……

ナビィ「つ、連れて行かれちゃう……!」

ガノンドロフ『ゼルダを助けたくば我が城まで来い!』
ガノンドロフ『その時こそ、お前の勇気とゼルダの知恵、二つのトライフォースを俺が手に入れる時だ!』

リンクル「……ガノンドロフ!」
リンクル「絶対に……絶対に、許さない!!」

ちょい休憩

ここまでで一番今作のヒロインっぽいのって誰でしょうね

ちょい休憩(ガチ寝)


ちょっと更新

 ep.20 ガノン城


――ガノン城

ゴォォォォ……

リンクル「……これが……ハイラル城?」

ナビィ「うぅ……城下町より、更に邪悪な魔力が……」
ナビィ「ハイラル城を取り潰して、新たに城を建てたみたいネ……」

リンクル「綺麗だったお城が、こんなに禍々しく……」
リンクル「……あれ? あの城さ……」

ナビィ「うん?」

リンクル「宙に浮いてない……?」

ナビィ「……そうネ」

リンクル「どうやって入ればいいのよ……」
リンクル「誰も彼もが自由に空飛べるわけじゃないのよ……」

ラウル『勇者リンクルよ……聞こえるか、賢者ラウルじゃ……』
ラウル『我ら、六人の力を結集し、ガノンドロフの城へ橋を架ける』

ラウル『城へ突入した後じゃが……城の中心の塔は邪悪な結界によって守られておる』
ラウル『その結界を解き、ゼルダ姫を救うのじゃ!』

リンクル「……うんっ」

ラウル『うむ……良い返事だ』

パアァッ

リンクル「光の橋が……!」
リンクル「ありがとう、みんな……っ!」タタタタッ

――ガノン城 内部

リンクル「あれが中心の塔ね」
リンクル「確かに結界が張ってあって近づけないや」

ナビィ「Look! そっちの扉は入れるみたい!」

リンクル「結界を解けってことね」ガチャ

ウルフォス「アオォーン!」

リンクル「邪魔!」バシュッ

ウルフォス「キャインッ!」

リンクル「燭台が四つ……ディンの炎かしら」ドヒュンッ

ガコーン

ナビィ「扉が開いたヨ!」

リンクル「よしっ」タタッ

リンクル「うわっ、これ氷の洞窟……!?」

ナビィ「これまで冒険してきた場所を再現してきてるのね」
ナビィ「きっとさっきの部屋は森の神殿の再現よ……って危ない、リンクル!」

フリザド「コオオオォォォ」

リンクル「二度目はないわ」バシュッ

フリザド「ジュッ」

ナビィ「ふぅ……」
ナビィ「そこの氷のブロック、足場に出来そうじゃない?」

リンクル「それ名案」
リンクル「よいしょ、っと」ズズ

リンクル「この部屋は……」

ナビィ「えーと……何をイメージしてるのかしら?」
ナビィ「落ちたら助からないわね、この穴……」

リンクル「でも渡れるような橋も何も……」
リンクル「……あ、そっか」

ナビィ「?」

リンクル「よっ」タンッ

ナビィ「リ、リンクル、落ち……ない?」

リンクル「真実の目、ってこと」

ナビィ「……ああ、ここ闇の神殿の再現なんだ」

リンクル「ここは……」

ナビィ「溶岩だらけ……炎の神殿ネ……」

リンクル「熱いから長居は避けたいなぁ……」

赤バブル「ダガココニトドマッテモラウゼ」

リンクル「帰れ帰れ」バシュッ

赤バブル「ウボアー」

リンクル「足場が悪いだけで特に仕掛けとかはないのね」カツカツ

ナビィ「でも落ちたら死んじゃうから気をつけてね」

バシュンッ

ナビィ「魔法弾!」

リンクル「ええいっ!」バシンッ

ナビィ「魔法を跳ね返す、っていうのはきっとツインローバの再現ね」

リンクル「あのスイッチから飛んできたのね……」バシュッ

ナビィ「扉が開いたヨ」

リンクル「それで、これが結界?」

ナビィ「うん、多分ね」

リンクル「これを壊せばいいのね……」
リンクル「光の矢!」バシュッ

ドッ
ドオオオオオ

リンクル「結界が解けて、入れるようになってる」

ナビィ「いよいよだね、リンクル!」

リンクル「うん」
リンクル「ボルトよし、剣よし、盾よし、魔力よし……」

リンクル「さぁて、塔を登ろう!」
リンクル「待ってなさいよ、ガノンドロフ!」タッ

ダイナフォスA「グヘヘヘココヲカンタンニトオレルトオモウナヨ」

ダイナフォスB「トッツカマエテブチオカシテヤルゼェェ」

リンクル「邪魔っ!」バシュッ

ダイナフォスA「オオットアタラネェゼ」

ダイナフォスB「バカッ、ハナレロ!」

ダイナフォスA「ナニッ」

チュドーン

リンクル「ただのボルトだと思ったら大間違いよ」

ダイナフォスA「」ドサッ

ダイナフォスB「キサマァー!」ダンッ

リンクル「ほっ」タンッ

ダイナフォスB「バカナ、ケンヲフミダイニ!?」

リンクル「兜割り!」バキンッ

ダイナフォスB「グハアアアッ」ドサッ
ダイナフォスB「」

リンクル「よしっ」タタッ

スタルフォス「また会ったな小娘! ここで会ったが100年目!」
スタルフォス「今度こそこのマスター・スタルフォードが誇る剣の錆に……」

リンクル「うるさい」バシュッ

チュドーン

スタルフォス「ぬおおおおっ!!」
スタルフォス「ぐっ、ひ、卑怯なぁ……!」

リンクル「いちいち話が長いのよ!」ザンッ

スタルフォス「ぐあぁぁっ……!」バラバラバラ

リンクル「こっちは急いでるっていうのに、まったく!」
リンクル「行こう、ナビィ!」タタッ

ナビィ「あ、うん」
ナビィ「ていうかあのスタルフォス生きてたんだ……」

リンクル「そろそろ最上階も近いと思うけど……」

アイアンナック「オォォォ……」ガチャン ガチャン

リンクル「……悪いけど、今回は容赦なく殺すよ」

アイアンナック「フンッ!」ドコッ

リンクル「はっ!」バッ
リンクル「ていっ!」タンッ

アイアンナック「!!」

リンクル「はぁっ!」バキンッ

アイアンナック「グオォォ!」ガチャーン

リンクル「……」シュタッ

アイアンナック「ヌゥン!」ブオンッ

リンクル「!?」バッ

ナビィ「か、兜は割れてるのにまだ動くの……!?」
ナビィ「……! Look! この鎧、顔がないヨ!?」

リンクル「頭がないのに動いてる!?」

アイアンナック「フンッ! フオオッ!」ブオンッ ブオンッ

リンクル「くっ……!」バッ
リンクル「頭が駄目なら……背中よっ!」ダッ バキンッ

アイアンナック「グアアアッ!」ガチャーン

ナビィ「す、すごい動き……一瞬で後ろに回っちゃった」

アイアンナック「ウオォォ……」ガチャガチャ……

ナビィ「……あっ、見てリンクル」

リンクル「?」

アイアンナック「」

ナビィ「この鎧……中身がないヨ」

リンクル「空っぽだった……ってこと?」

ファイ「マスターに報告。この機械人形は動力が存在します」
ファイ「復元に成功したものか、発掘した段階で動力が残っていたものと推測されます」

リンクル「……そう」
リンクル「まぁ、後味悪くないからいいや」

リンクル「行こう、ナビィ!」
リンクル「ガノンドロフは目前よ!」タタッ

ナビィ「うんっ!」

次回、決戦

トライフォースに選ばれて強化された地力が既に人間離れしてた少女 vs トライフォースに触れて大魔王となった戦闘部族出身のおっさん

今日でスレ畳みます
よろしいか

 ep.21 決戦


http://www.youtube.com/watch?v=L4YG06SQpFs

リンクル「はっ……はっ……!」タタタタッ
リンクル「ゼルダ姫!」バンッ

ゼルダ「リンクル!」

ガノンドロフ「……」♪~ ♪♪~

リンクル「……!」
リンクル「ガノンドロフ! ゼルダ姫を帰してもらうわよ!」

ガノンドロフ「……」♪♪♪♪♪~

ゼルダ「……?」
ゼルダ「手が……?」キィィン

リンクル「……!」
リンクル「これは……?」キィィン

ナビィ「左手、何か光ってる……?」

ゼルダ「……!」
ゼルダ「私の右手も……手の甲が……!」キィィン

ガノンドロフ「……」
ガノンドロフ「共鳴している……」

ガノンドロフ「トライフォースが再び一つに戻ろうとしている……」
ガノンドロフ「七年前のあの日……我が手に出来なかった二つのトライフォース……」

リンクル「……成程ね。これが勇気のトライフォース」

ガノンドロフ「そうだ……まさか貴様達二人に宿っていようとはな」
ガノンドロフ「だが……今、ついに全てのトライフォースがここに揃った!」

リンクル「……」ジリッ

ガノンドロフ「貴様らには過ぎた玩具だ……」クルッ
ガノンドロフ「返してもらうぞ!」キィィン

リンクル「そもそも、あんたのものじゃないわ!」

ガノンドロフ「ふん……お前の言葉が正しいか、俺の言葉が正しいか……」
ガノンドロフ「それも今日、この場で決まる!」ドオウッ

ナビィ「ご、ごめん、リンクル……! 闇の波動で、ナビィ近づけないヨ……!」

リンクル「いいよ、あたしが片を付ける!」チャキッ

ゼルダ「……!」ゾクッ
ゼルダ(殺気! リンクルも、ガノンドロフも、常人であれば切り刻まれそうな程の殺気をまとっている!)

大魔王 ガノンドロフ

ガノンドロフ「はぁっ!!」ドゴォン

リンクル「っ、足場が……!」バッ

ガノンドロフ「どうした、小娘!」ドウッ

リンクル「ちっ……!」バシュッ バシュッ

ガノンドロフ「ふんっ! こんな小手先の技が俺に通用すると思うな!」バチバチッ

リンクル(そう、普通のボルト撃っても弾くよね、あんたなら)
リンクル「だけど、このボルトはどうかしら!」バシュッ バシュッ

ガノンドロフ「火矢だと? 小賢しい」
ガノンドロフ「無意味だ!」ドウッ

リンクル「まだまだ!」バシュッ バシュッ

ガノンドロフ「無意味だと言って……ぐっ!?」
ガノンドロフ「これは……光の力か! ちょこざいな真似を……」バリバリバリ

リンクル「弾くも避けるもあんたの自由」バシュッ バシュッ
リンクル「けれど、あたしは確実にあんたを仕留めるまで攻撃をやめない!」バシュッ バシュッ

ガノンドロフ「ちぃっ!」バチバチッ
ガノンドロフ「む!?」

チュドーン

ガノンドロフ「ぬぅ、爆弾を仕込んだ矢もあるな……!」
ガノンドロフ「えぇい、鬱陶しいわ!」バシュンッ

リンクル「しまっ……!」
リンクル「きゃああーっ!!」バリバリバリ

リンクル「うぅ……!」
リンクル(魔法の威力……これまでの敵とは段違いだわ……!)

ガノンドロフ「はっ!」ドコッ

リンクル「ぐっ!」ガキンッ
リンクル(盾で防いだのに、なんて衝撃……なんて力!)ゴロゴロゴロ タンッ

ガノンドロフ「小細工はもう飽いた……」
ガノンドロフ「おおぉぉぉ……!」ゴゴゴゴゴゴ

リンクル(魔力を溜めている……? 一体何を……)

ガノンドロフ「はあぁっ!!」ドオオオオオッ

リンクル「っ!!」

ドオオオオオオオオン

ナビィ「リ、リンクル!」

リンクル「っ……ぅ……」

ナビィ「リンクル! しっかりして!」

ガノンドロフ「ハッハッハ、流石に耐えられなかったようだな」
ガノンドロフ「これでとどめだ!」バシュンッ

リンクル「っ……! ……ぉぉおおおおっ!!」ムクッ

バシンッ

ガノンドロフ「!」
ガノンドロフ「剣で魔法弾を弾き返したか! やりおる!」バシンッ

リンクル「いっつ……もう一度お返しよ!」バシンッ

ガノンドロフ「ふん、他愛ない!」バシンッ

バシュッ

ガノンドロフ「ぐはっ!?」

リンクル「うあああああああっ!!」バリバリバリ
リンクル「くぅぅ……ぅぅ、ぁぁああああああっ!!」ググッ

ナビィ(吠えてる……獣みたいに吠えて、気力だけで立ち上がってる……!)

リンクル(頭がクラクラする……! 視界が、ぼやけてきちゃう……!)

ガノンドロフ(クソッ、体が動かん……光の矢か!)

リンクル「はぁー……はぁー……隙だらけよ、ガノンドロフ!」ダッ
リンクル「これで……とどめだぁぁぁぁ!」ザシュッ

ガノンドロフ「ぐぅっ!?」

ガノンドロフ「コヒュー……この、俺が……魔王ガノンドロフが……コヒュー……」
ガノンドロフ「敗れるの……か? ……コヒュー……こんな、小娘に……!」

リンクル「はぁ……はぁ……!」

ガノンドロフ「ぐぉぅ……!」ビチャビチャビチャ
ガノンドロフ「リンクル……ぐぅぅ……おおおおおあああああああああっ!!」ドオオオオ

リンクル「うぅっ……!」

ドゴゴゴゴ……

ナビィ「へ、部屋が崩れちゃった……!」

ガノンドロフ「」バタリ

リンクル「はぁー……はぁー……」
リンクル「や、やった……!」ドタッ

パアアッ

ナビィ「……あっ! ゼルダが……!」

ゼルダ「あっ……」

リンクル「ゼ……ゼルダ、姫……!」
リンクル「良かった……無事で……」

ゼルダ「リンクル! しっかりしてください、リンクル!」

リンクル「大丈夫……少し……寝かせて……」カクン

ゼルダ「リンクル!」

ゴゴゴゴゴゴ

ゼルダ「っ……!」
ゼルダ「ガノンドロフ……最後の力を使って、私達を道連れにしようと言うのですね!」

ゼルダ「そんなこと……認めません!」
ゼルダ「リンクル、行きましょう、一緒に……っ!」ダキッ

ゴゴゴゴゴゴ……

ゴォォォォ……

リンクル「ぅ……うぅん……!」

ナビィ「……! リンクル!」

ゼルダ「リンクル……! 目が覚めたのですね!」

リンクル「ああ、うん……気分は悪いけどね……」
リンクル「魔法の攻撃受けた後はいっつもこう……ああ、もう……」

ゼルダ「リンクル……」クスッ

リンクル「……この瓦礫の山は?」

ゼルダ「ガノン城……だった場所です」
ゼルダ「ガノンドロフは、最後の力で私達を道連れにしようとしたようです」

リンクル「そっか……」
リンクル「……終わったんだ、何もかも」

ゼルダ「……えぇ」
ゼルダ「ガノンドロフ……哀れな男です。強く正しい心を持たぬが故に、神の力を制御出来ずに……」

リンクル「……」

ナビィ「リンクル、さっきはゴメンネ、一緒に戦えなくて……」

リンクル「いいよ、ナビィ」
リンクル「……?」

ゼルダ「リンクル?」

リンクル「……今、確かに何か聞こえたような……」

ナビィ「え?」

ドコンッ

リンクル「!!」

ゼルダ「なっ……!」

ガノンドロフ「ゼェー……ゼェー……!」
ガノンドロフ「フシュゥゥー……!」キィィン

ファイ「マスターに報告。ガノンドロフの生命活動が再開されています。トライフォースの力と推測」

ゼルダ「まさか……トライフォースが暴走している!?」

リンクル「そんな、まだ諦められないっていうの!?」

ガノンドロフ「うぅぅぅ……!!」
ガノンドロフ「うおおおおおおおおおおおっ!!」ズオオオッ

リンクル「ガノンドロフが……化物に……!?」

ガノン「グオオオオオッ!!」

 ガノン

ナビィ「ガノンドロフはリンクルへの憎しみでいっぱいだヨ……!」

リンクル「憎しみ……」
リンクル「望むところよ! あたしもあんたには少なからず憎しみがあるんだから!」ダンッ

ガノン「グオオオオオッ!」ブオンッ

リンクル「っ!」ガキンッ
リンクル「いっ……! しまった! 剣が!」

ガツッ

ファイ「警告、マスターからファイが15m以上離れています。至急回収することを推奨」

ガノン「グオオッ! ウオオオオオッ!!」ブオンッ ブオンッ

リンクル「くっ……!」バッ
リンクル「駄目! ガノンが間に居て取りに行けない!」

ゼルダ「っ……! ならば私が!」ガシッ

ファイ「警告、契約したマスターと異なる為、マスターソード本来の力が発揮出来ません」

ゼルダ「構いません! 最終的にリンクルに渡りさえすれば……!」タタッ

リンクル「これでも喰らえっ!」バシュッ バシュッ

ガノン「グオオオオッ!」ブオンッ

リンクル「爆発しない!?」
リンクル「くっ……爆弾ボルトが駄目になってる!」

ナビィ「えっ、なんで!?」

リンクル「分かんない……多分ガノンドロフの魔法の攻撃を受けた時にどこか壊れちゃったんだと思うけど……!」
リンクル「!!」

ガノン「オオオオオッ!!」ブオンッ

リンクル「っ!!」ガキンッ
リンクル「うあっ……!」ドサッ ゴロゴロゴロ

ナビィ「リ、リンクル! 盾で防いだのに……!」
ナビィ「リンクル! リンクル! しっかりして!」パタパタ

リンクル「……」

ガノン「グルルルルッ……!」

ナビィ「ガ、ガノン……!」
ナビィ「ナビィもう逃げない! 戦うっ!」シュ

ガノン「グオオッ!」ブオンッ

ナビィ「ぴぃ!」バッ

リンクル「ナビィ……」
リンクル「無茶しないで……あたしが……やっつけるから……!」ググッ

ゼルダ「リンクル! これを!」タタタタッ

リンクル「っ……ゼルダ姫!」

ガノン「!」ギロッ

ゼルダ「……!」ゾクッ

ガノン「グルルルルッ……」ジリッ

ゼルダ「……」ジリッ

リンクル「しまった……! えぇい、この際剣鉈でいいや!」シャキンッ
リンクル「相手を間違えるなよ、ガノン!」ザシュッ

ガノン「グオオオオッ!?」ブオンッ ブオンッ

リンクル「うっ……!」バッ
リンクル「何……? 急に……痛がってる?」

ナビィ「……! 尻尾だ! 尻尾が弱点なんだヨ!」

リンクル「尻尾……そっか、剣鉈刺したのが!」

ゼルダ「リンクル!」ブンッ

ガランガランッ

ファイ(ちょっと痛い)

リンクル「お帰り、ファイ」パシ
リンクル「行くよ!」

ガノン「グゥゥゥ……グオオオオッ!!」ブオンッ

リンクル「はっ!」バッ
リンクル「爆弾ボルトが駄目なら……光のボルトよ!」バシュッ バシュッ

ガノン「グアアアアアッ!?」バリバリバリ

リンクル「よしっ、怯んだ!」
リンクル「でやああああっ!!」ダンッ

ガノン「グオオオオオオオオッ!!」

ザンッ

ガノン「オオオオオッ! グオオオオオオッ!!」ブオンッ ブオンッ
ガノン「グルルルゥゥゥ……!」ズズン……

リンクル「はぁ……はぁ……!」

ガノン「フシュー……フシュー……!」

リンクル「漸く、膝をついたわね……」

ファイ「マスターに報告。空を覆っていた黒雲の一部が晴れ、ここに光が差し込んできています」
ファイ「今こそが宿命の者にとどめを刺す時である確率100%。剣を天に掲げてください」

リンクル「……こう?」スッ
リンクル「……! 光が……!」キュィィ

ナビィ「剣に光が宿った……」
ナビィ「リンクル……とどめを!」

リンクル「うん……今度こそ……」
リンクル「これが、とどめよっ!」ダッ

ザシュッ

ガノン「グッ……グオオオオッ! グオオオオオッ! オオオォォォォッ……!!」

ゼルダ「六賢者達よ……今です!」カッ

ラウル「ハイラルを創りたまいし古代の神々よ!」
ラウル「今こそ封印の扉開きて邪悪なる闇の化身を冥府の彼方へ葬りたまえ!」

ダルニア「いくぜ、キョーダイ!」

ルト「うむっ、参ろうか!」

ナボール「さぁ始めるよォ!」

インパ「いくぞ!」

サリア「リンクル……!」

ポゥ……

ゴオオオッ


おのれ……
おのれ……ゼルダ!
おのれ……賢者共!

おのれ……リンクル!!
いつの日か……この封印が解き放たれし時……
その時こそ貴様達の一族根絶やしにしてくれる!

我が手の内に力のトライフォースある限り……

ちょっと休憩

漸くガノン倒すとこまで来たなって感じ

再開します

 ep.22 伝説の分かれ目


ゼルダ「ありがとう、リンクル……」
ゼルダ「あなたの力でガノンドロフは闇の世界に封印されました」

ゼルダ「これでこの世界も再び平和な時を刻み始めるでしょう」
ゼルダ「これまでの悲劇は全て私の過ちです……」

リンクル「ゼルダ……」

ゼルダ「己の未熟さを顧みず聖地を制御しようとし、あなたまでこの争いに巻き込んでしまった」

リンクル「そ、そんなことないよ」
リンクル「あたしは自分の意思でガノンドロフと戦ったんだ」

ゼルダ「……」

リンクル「だから……」
リンクル「だから……その……」

ゼルダ「……」

リンクル「……ごめん」

ゼルダ「……今こそ、私は私の過ちを正さねばなりません」
ゼルダ「マスターソードを眠りに就かせ、時の扉を閉ざすのです」

ゼルダ「けれど、そうすれば時を旅する道も閉ざされてしまいます」
ゼルダ「今なら、賢者として時のオカリナの力であなたを元の時代へ帰してあげられます」

リンクル「……」スッ

ゼルダ「……ハイラルに平和が戻る時……」
ゼルダ「それが……私達の別れの時なのですね……」スッ

リンクル「……うん」

ゼルダ「……」

リンクル「……」

ゼルダ「……」チュッ

リンクル「っ、ゼルダ!?」

ゼルダ「……さぁ、お帰りなさいリンクル」
ゼルダ「あなたが居るべきところへ、あなたがあるべき姿で……失われた時を取り戻すのです」

♪♪♪ ♪♪♪~ ♪♪♪~♪♪~

――時の神殿

パアアアアアッ

リンクル「……あ」
リンクル「子供に戻ってる」

リンクル「マスターソード……」
リンクル「ファイ?」

ナビィ「……」

リンクル「……そっか、そうだよね」
リンクル「もうあたしはあなたのマスターじゃない」

リンクル「ただの子供だもんね……」クルッ
リンクル「旅も終わりかな……」カツカツ

ファイ「リンクル」

リンクル「え……!?」バッ

ファイ「マスターとの契約はこれを以て終了となります」ヒュリンッ
ファイ「リンクルとの旅は“つらい”こともあり、“苦しい”こともあり、しかし“楽しい”ものでした」

ファイ「かつて、マスターソードを作り上げたマスターとの旅が思い起こされます」
ファイ「あなたと旅した記録は、以前のマスターとの旅の記録と共に、ファイの中の最も重要な情報です」

ファイ「なので、以前のマスターにも贈った言葉ですが……」
ファイ「多くの人があなたに贈り、あなたも多くの人に贈った言葉を、あなたにも贈るべきと思いました」

ファイ「ありがとう、マイマスター、リンクル」
ファイ「もしも、また次にファイが……マスターソードが目覚める時が来たのであれば」

ファイ「その時も、リンクルの魂を受け継ぐ者がマスターとなることを、ファイは強く望みます」
ファイ「いつかまた……あなたの魂と共に」

リンクル「……こっちこそ、ありがとね」

ナビィ「……」

リンクル「ナビィ? さっきからどうしちゃったのさ、黙りこくって」

ナビィ「……あのね、リンクル」

リンクル「うん」

ナビィ「リンクルとの旅、とっても大変だったヨ」
ナビィ「いっぱいつらい思いもして、苦しいことも多かった」

ナビィ「でも……さっきファイが言ったように」
ナビィ「あたしも、結構楽しかったんだ。リンクルと過ごす時間……」

ナビィ「もうすっかり立派な勇者だね、リンクル」
ナビィ「ナビィ、安心して森に帰れるヨ……」

リンクル「ナビィ……」
リンクル「……そっか。うん、ありがとう、ナビィ」

ナビィ「……ありがとう」
ナビィ「リンクル……大好きだヨ」シュ……

リンクル「……あたしも大好きだよ、ナビィ」

――ハイラル城 中庭

ザッ

「ゼルダ姫」

ゼルダ「!」クルッ
ゼルダ「だ、誰っ? どうやってこんなところまで……」

リンクル「ちょっとね」
リンクル「森から……あなたにお話をしに来たの」

ゼルダ「森から……?」
ゼルダ「じゃあ、もしかして、あなたが夢のお告げに現れた、森からの使者?」

リンクル「うん、そういうことになるわね」クスッ

ゼルダ「……!」ドキッ

リンクル「リンクルよ。よろしくね、ゼルダ姫」

ゼルダ「リンクル……不思議……なんだか懐かしい響き……」
ゼルダ「それでは、リンクル。あなたのお話……聞かせていただける?」

リンクル「うん」
リンクル「今から、あたしだけが知ってる、聖地の秘密と聖三角の伝説を教えてあげる」


【ゼルダの伝説】リンクルが時の勇者になるようです
      fin






―――――

リンクル「ガノンドロフ、処刑されるんだってね」

ゼルダ「えぇ……お父様が漸く認めてくださったの」
ゼルダ「あなたは、また旅に?」

リンクル「うん。なんていうか……」
リンクル「……居心地が悪くて。ごめんね」

ゼルダ「いいえ……空気が良くないのは分かります」
ゼルダ「殊に、あなたのような真っ直ぐな人は、城の雰囲気は決して心地良いものではないでしょう」

ゼルダ「それに……共に時を越えて旅をしたあの妖精……」
ゼルダ「ナビィを、探しに行くのでしょう?」

リンクル「……うん」
リンクル「ナビィは“森に帰る”って言ってた」

リンクル「だから、あれから何度か森に行ってみたけど……どこに居るのか分からないんだ……」
リンクル「また……会いたい。どうしても……会って、話がしたい」

ゼルダ「……」
ゼルダ「……リンクル、これを」スッ

リンクル「これは……時のオカリナ?」

ゼルダ「あなたが旅した“七年後”と、これからあなたが旅する“いま”は違う世界です」
ゼルダ「けれど、あなたの手には勇気のトライフォースが宿ったまま……」

リンクル「……うん」

ゼルダ「このままハイラルに留まるのは危険です。この時のオカリナもそうであるように」
ゼルダ「なので、ハイラルを離れるのであれば、このオカリナと共に……」

ゼルダ「身勝手なことは分かっています。ですが……」
ゼルダ「どうか……お願いします」ペコリ

リンクル「……頭を上げて」
リンクル「じゃあ、時のオカリナは、あたしが持ってくよ」

ゼルダ「ありがとう……」

リンクル「エポナ、平気?」ナデナデ

エポナ「ブルルルッ」

リンクル「そっか」
リンクル「んー……大分森の奥まで入ってきちゃったけど……」

リンクル「ナビィ、ほんとにどこ行っちゃったんだろ……」
リンクル「……オカリナ吹いたら、また来てくれたりしないかな」

♪♪♪~ ♪♪♪~

エポナ「フーッ」

リンクル「ふふっ、エポナはこの音色が大好きだもんね」

♪♪♪~ ♪♪♪~

「ケケケ、馬に乗った子供だ」

「ほんとだ……綺麗な音色」

「よし、お前ら少し驚かせてやれよ」
「なんかいいもん持ってそうだぞ」

「はいはい」
「行くよ、トレイル」

「あ、うん、待ってよ姉ちゃん」

「早くしないと行っちゃうわ」
「いい? せーの、であの馬を驚かすわよ?」

「うんっ」

シュ……

リンクル「……あれ?」
リンクル「今何か……」キョロキョロ


ホッホッホ、どうやらまだ一悶着ありそうですねぇ……
信じなさい……信じなさい……


 ほんとにおわり……?

くぅ疲くぅ疲

ひとまずこの「リンクルが時の勇者になるようです」はこれで完結になります
設定とか構成とか色々行き当たりばったり気味だったし、何より戦闘描写が難しかったしで、何かと変なとこ多かったかもしれないけど、とりま完結まで行けて良かった良かった

ここまで読んでくださった皆さん本当にありがとうございました
次ゼルダで何か書くとしたら、多分黄昏か風タクになると思います

尚、ムジュラの仮面は、エンディングで続編におわせておきながら、ムジュラ原作をプレイしたことがないので書く予定は今のところありません

ゼルダSSもっと増えればいいのになホント

完走おつおつ
時オカがはじめてのゼルダの伝説だった俺にはすごい嬉しいSSだった
リンクル好きになったわ。ゼルダ無双かって使ってみる
とにかく滅茶苦茶楽しかったし面白かったし最高でした!



でもこれ速報Rじゃなくても良かったなべつに

おつ
r18板ならエロい番外編書いても……チラッ

ムジュラは書かないと言ったな

あれは嘘だ

クリアするのにかなり時間かけてしまった
日が昇ったらムジュラ編最初の更新します


>>440
このSSはリンクルのキャラが大分違うけど、無双のリンクルは普通に超可愛いので超お勧め
ありがとう

>>443
それな
でも>>445が良いこと言った


 ハイラルに伝わる王家の伝説。
 そこに一人の少女が登場する。
 巨悪と戦いハイラルを救った後、彼女は伝説から姿を消した……

 時を越えた戦いを終え、彼女は人知れず旅に出た。
 冒険の終わりで別れた、かけがえのない友を探す旅に……

 ep.23 事の始まり


リンクル「エポナ、平気?」ナデナデ

エポナ「ブルルルッ」

リンクル「そっか」
リンクル「んー……大分森の奥まで入ってきちゃったけど……」

リンクル「ナビィ、ほんとにどこ行っちゃったんだろ……」
リンクル「……オカリナ吹いたら、また来てくれたりしないかな」

♪♪♪~ ♪♪♪~

エポナ「フーッ」

リンクル「ふふっ、エポナはこの音色が大好きだもんね」

♪♪♪~ ♪♪♪~

「ヒヒヒ、馬に乗った子供だ」

「ほんとだ……綺麗な音色」

「よし、お前ら少し驚かせてやれよ」
「なんかいいもん持ってそうだぞ」

「はいはい」
「行くよ、トレイル」

「あ、うん、待ってよ姉ちゃん」

「早くしないと行っちゃうわ」
「いい? せーの、であの馬を驚かすわよ?」

「うんっ」

リンクル「……あれ?」
リンクル「今何か……」キョロキョロ

シュ……

リンクル「あっ、妖精!」
リンクル「……なんだ、ナビィじゃないんだ……」

「「ばあっ!!」」

エポナ「ヒヒィーン!?」ビクッ

リンクル「きゃっ!?」ドタッ
リンクル「きゅうぅ……」

「ヒヒッ、お前達上手くやったな」ザシッ ザシッ
「何か良いもの持ってそうか?」

「あれ……? こいつ……」
「……まぁいいか」

「起きないな」ゲシ
「さて……」ゴソゴソ

リンクル「ん……」

「!」バッ

リンクル「……」

「……脅かすなよな」ゴソゴソ
「……おっ、これは……」っ時のオカリナ

「きっ……綺麗なオカリナ……ねぇ、スタルキッド、僕にも、触らせてっ」

「あんたは駄目よ、トレイル」リリリリン
「落として怪我でもしたらどうするの、危ないから触っちゃ駄目!」

トレイル「だけど姉ちゃん、ぼ、僕も触りたい……」

リンクル「うぅん……いたた……」ムクリ

「!!」リリリリン
トレイル「!!」リリリリン

スタルキッド「?」クルッ
スタルキッド「うわっ!!」ササッ

リンクル「スタルキッド……?」
リンクル「……あんた今、あたしのオカリナ……」

スタルキッド「……」フイッ

リンクル「……返して!」ダッ

スタルキッド「!」バッ

エポナ「ヒヒーン!」

リンクル「えっ、エポナ!?」

スタルキッド「走れっ!」

エポナ「ヒヒーン!」パカラッ パカラッ

リンクル「待ちなさい!」タタッ ガシッ

スタルキッド「えぇい、離せ! 離せよ!」

リンクル「あんたこそエポナから降りなさいよ!」ズルズルズル
リンクル「エポナ! お願い! 止まって!」ズルズルズル

スタルキッド「このっ……」ゲシッ

リンクル「いっ……!」
リンクル「きゃっ!」ドタッ ゴロゴロゴロ

スタルキッド「ヒヒヒッ、やっと離れた!」

リンクル「っ……!」タンッ ザッザッザッザッ

トレイル「転がった勢いのまま立ち上がって走ってきたよ!」

「子供の癖にどういう運動能力持ってんのよあいつ!?」
「でもまぁ、こっちは馬だし流石に追いつけないわよね」

パカラッ パカラッ ……

リンクル「くっ……!」チャキッ
リンクル「……待ちなさい!」ザッザッザッザッ

リンクル「やっ、はっ、たぁっ!」タンッ タンッ タンッ
リンクル「あひっ!? 地面がないっ!?」ピタッ

リンクル「あっ、わっ、ひゃっ……!」ユラユラ
リンクル「きゃあああーっ!!」ズルッ

ヒュルルルッ……

ボヨンッ

リンクル「きゃんっ!」
リンクル「いったぁ……何これ……」

リンクル「花……? これで助かったのかな……」
リンクル「随分高いところから落ちた気がするけど……」キョロキョロ

「しつこいな!」

リンクル「あっ! さっきのスタルキッド!」

スタルキッド「なんだあのバカ馬は! 全然言うことを聞かないじゃないか」

リンクル「当然よ! エポナは特定の人にしか懐かない難しい子なんだから!」

スタルキッド「ふん。あんなの乗ってても仕方ないから捨てといてやったよ、ヒヒッ」

リンクル「なっ……エポナを!?」

スタルキッド「……なんだその顔は」
スタルキッド「折角遊んでやろうと思ったのに……」

リンクル「冗談じゃないわ! あんたの遊びに付き合ってる場合じゃ……」チャキッ

スタルキッド「今のオイラに勝てると思ってるのか? 間抜けな奴め」

リンクル「……っ」ゾクッ
リンクル(何このスタルキッド……すごく……嫌な感じ。あの仮面は一体何なの?)

スタルキッド「お前の顔は見飽きたぞー……」ズズズズ

リンクル「……!」ジリッ
リンクル(“何か”が来る!)

ヒヒヒヒヒッ……

リンクル「……え」
リンクル「何……真っ暗……?」

ガサッ ガサッ

デクナッツ「……」ジーッ

リンクル「……デクナッツ……?」

ガサッ ガサッ ガサッ

デクナッツ「……」ジリジリ

リンクル(囲まれてる……!?)
リンクル「……あっ!?」

デクナッツ「……」ジリジリ

リンクル(クロスボウも剣も盾もない!?)
リンクル「っ……逃げるしか……!」ダッ

デクナッツ「……」ズズズズズズ

リンクル「!!」ゾクッ
リンクル「嘘っ、あんな大きなデクナッツ……」

ズオオッ

リンクル「いやあああああああああっ!?」バッ
リンクル「……えっ……何、今の……幻覚?」キョロキョロ

スタルキッド「ヒヒヒッ、中々ユニークな姿だ」

リンクル「姿……? あたし、一体どうなって……」
リンクル「……!?」

デクリンクル「うわああああああああっ!?」
デクリンクル「あ、あたし、デクナッツになっちゃったの!?」

スタルキッド「お前はずーっとその姿でここに居ろ!」フヨフヨ

デクリンクル「ま、待ちなさい!」ダッ

「だーめっ♪」ペシッ

デクリンクル「あいたっ」
デクリンクル「何すんのよ!」

「折角面白い姿になれたんだからここにずっと居なさいよ」ペシペシ

デクリンクル「いたっ、痛いって、言ってるじゃん!」クルンッ

「おっと」バッ
「へへーん、怖くもないわよ、そんな顔で何言ったって」リリリリン

デクリンクル「このーっ……妖精の癖に可愛くない……!」

トレイル「姉ちゃーん! 早く来ないと置いてかれちゃうよーっ!」

「へ?」

ガコーン

「ああっ!!」リリリリン

「待ってよスタルキッド! 私がまだ居るのにー!」パタパタ
「トレイルー! 行っちゃ駄目よー!」パタパタ

デクリンクル「やっと離れてくれた……」
デクリンクル「それにしてもどうしようこの姿……」

「うう……開かない……」
「ちょっと!」

デクリンクル「背も大分縮んじゃった……ていうかデクナッツ自体が小柄なのかな……」
デクリンクル「……ん、何これ。泡? シャボン?」プクー

「ねぇ! 無視してんじゃないわよ!」リリリリン

デクリンクル「……何よ」

「あんたの相手してたら弟とはぐれちゃったじゃないの!」
「どうしてくれるのよ!」

デクリンクル「知らないわよ、んなこと!」

「何よ! 私が悪いっていうの!?」

デクリンクル「実際その通りじゃない!」

「うるさい!」
「兎に角、あの扉開けなさいよ! か弱い女の子が頼んでるのよ! 早くしてよ!」

デクリンクル(あたしも女の子なんだけどなぁ)

「あーん、トレイル! あの子一人で大丈夫かしら!」

デクリンクル「……はいはい、分かったよ」
デクリンクル(自分勝手というか、弟思いというか……)

デクリンクル「まぁ……あたしも他に行けるとこないし、いいか……」
デクリンクル「普通に開けられるし……」ガコン

デクリンクル「足が短くて歩きにくい……」ザッザッザ

「待ってよー! 置いてかないでよー!」

デクリンクル「……まだついてきてたの?」

「うう……さっきのことは謝るからさ、一緒に連れてってよ」
「あんただってさっき逃げたスタルキッドのこと、知りたいでしょ?」

デクリンクル(なんて調子のいい……けど、まぁいっか。見当もつかないよりマシかな)
デクリンクル「……」コクリ

「はい決まり!」
「取り敢えずスタルキッドを捕まえるまで私があんたの相棒になってあげるわ!」

チャット「私チャット、よろしくね!」
チャット「あんたは?」

デクリンクル「妖精なのにコキリ族が分からないの?」

チャット「う、うるさいわね! いいから名乗りなさいよ!」

デクリンクル「……リンクル」

チャット「そう、リンクル! よろしくね!」
チャット(うう、やっぱり当たりが強い……使えそうだけど、どうにかして信頼を獲得しないと……!)

デクリンクル「はぁ……ナビィと同じ妖精なのに、ナビィとは大違いなのね……」ボソッ

チャット「何か言った?」

デクリンクル「なーんにも」フイッ

デクリンクル「この花、中に入ると大ジャンプ出来るんだ」

チャット「デクナッツの連中はそれで高い所に移動するらしいわよ」

デクリンクル「へぇ……便利ね」ピョーン
デクリンクル「でも武器が使えないのはちょっとなぁ」バタバタバタ

チャット「デクの実使えば?」

デクリンクル「……あ、そっか」
デクリンクル「デクナッツっていえば口からデクの実飛ばしてくるのが普通だもんね」

チャット「あ、もう少しよ」

デクリンクル「あんたの心当たりが合ってるといいんだけど……」
デクリンクル「……何この木」

チャット「何よこれ……こんなのあったかしら」
チャット「……あんたのその姿、これに似てない?」

デクリンクル「そう? や、言われてみればデクナッツみたいには見えるけど……」

チャット「何か……今にも泣きそうな陰気な顔してるわよね……まぁどうでもいいけど」
チャット「さっさと行きましょ。なんか気味悪いし」

デクリンクル「あ、うん」
デクリンクル「うわっ、何この通路……なんだか気持ち悪い」

チャット「?」

デクリンクル「何ここ……? 急に建物の中に出たけど」

チャット「時計塔よ」

デクリンクル「時計塔?」
デクリンクル「森の奥にこんな場所があったなんて……」

ガコーン

デクリンクル「あっ、閉まっちゃった」

チャット「これじゃ森に戻れないじゃない……」
チャット「まぁいいや、進みましょ」

デクリンクル「ああ、うん」

デクリンクル「ほんとに機械仕掛けの塔みたいね……」

チャット「だから時計塔だって言ったじゃない」

「大変な目に遭いましたねぇ……」

チャット「……!!」ササッ

デクリンクル「……?」
デクリンクル「どこかで見たような……」

しあわせのお面屋「ワタクシはしあわせのお面屋」
しあわせのお面屋「古今東西、しあわせのお面を求める行商人です」

しあわせのお面屋「旅の途中、森で奇妙な子鬼に大切な仮面を盗まれ、途方に暮れていたところ……」
しあわせのお面屋「あなたを見つけまして、失礼と思いながらもずっと後をつけさせてもらいました」

デクリンクル「ずっとあたし達の後を……?」
デクリンクル(変ね……気配すら感じなかったけど)

しあわせのお面屋「実はワタクシ、あなたを元に戻す方法を知っているのです」

デクリンクル「ほんと!?」

しあわせのお面屋「あなたが盗まれた大切なもの。それさえあれば元の姿に戻してあげますよ」
しあわせのお面屋「その代わり、序でにあの子鬼から、ワタクシの大切な仮面を取り返してもらえませんか」

デクリンクル「あのスタルキッドがつけてた仮面のこと?」

しあわせのお面屋「えぇ、そうです。なに、簡単なことじゃないですか」
しあわせのお面屋「あなたにとって決して悪い話ではないと思いますよ?」

デクリンクル「……」

しあわせのお面屋「ただ……生憎ワタクシも忙しい身でして」
しあわせのお面屋「あと三日でここを去らねばならないのです」

しあわせのお面屋「出来ればそれまでに取り返していただけるとありがたいのですが……」
しあわせのお面屋「大丈夫、あなたはお若いのに大層勇気のあるお方だ」

しあわせのお面屋「きっとすぐに見つかりますよ」
しあわせのお面屋「では、よろしく……」スッ

デクリンクル「……うん」
デクリンクル(動きが全然読めない……なんだろ、この変な感じ)

チャット「(早く行こうよ……)」リリリリン

デクリンクル「チャット?」
デクリンクル「……仕方ないなぁ。じゃ、行ってくるね、お面屋さん」ギィ

しあわせのお面屋「えぇ、お気をつけて」

取り敢えずここまで

ムジュラは友達からWii本体ごと借りてただ一周しただけで、今3DS版やってる最中だし、何よりシステムがかなり複雑で個々のイベントが入り組んでる上に多いから、SSにまとめる為に色々ゲームと違うことしたりオミットしたりすると思うけど、時のオカリナ編もオリジナル展開だらけだったし今更気にしないでくれると助かる

本日の投下はァー……21時くらいを予定していましたがァー、今に変更になりましたァー

 ep.24 最初の三日間


最初の朝
残り72時間

――クロックタウン 南

トンカントンカン カンカンカン

デクリンクル「何この街……?」

チャット「ああ、ビックリした……あの時のお面屋だったんだ……」

デクリンクル「あの時の?」

チャット「あ、いや、こっちの話よ」
チャット「しっかし、三日だなんて、一睡もしなくても72時間しかないじゃない」

デクリンクル「72時間も一睡もせずに過ごしたら死んじゃいそうだけどね」

チャット「ほんと勝手なこと言ってくれるわよね」
チャット「それじゃ、スタルキッド探しに行きましょ。多分町の外よ」

デクリンクル「あそこの門?」

チャット「どこから出たってタルミナ平原でしょ」

大工「あー、違う違う! もう少し右!」

大工「これほんとに完成すんのかなぁ」

デクリンクル「それにしてもみんな忙しそうね」

チャット「お祭りがあるみたいよ」

デクリンクル「ふーん……」
デクリンクル「ん、妖精? まぁいいや連れて行こ」ヒョイッ

チャット「どうしたの?」

デクリンクル「妖精見つけたけど、やっぱりナビィじゃなかったわ」
デクリンクル「でも寂しそうだったからフードに入れちゃった」

チャット「あ、そう」

デクリンクル「それにしても、大切なものって何のことだろう」
デクリンクル「時のオカリナか、エポナか……スタルキッドに盗られたのってこれくらいよね」

チャット「馬は乗り捨てちゃったけど……」
チャット「オカリナはまだスタルキッドが持ってるんじゃない?」

デクリンクル「じゃあオカリナかなぁ……」

兵士「おっと、待ちたまえそこの君」

デクリンクル「あたし?」

兵士「そう、デクナッツのお嬢ちゃん。町の外は物騒だから、君のような子供を一人で出すわけにはいかないなぁ」
兵士「お母さんか、お父さんか、兎も角親御さんと一緒に来なさい」

デクリンクル「えー……」

デクリンクル「この姿じゃ兵隊さんに止められちゃうわ」

チャット「困ったわね……」
チャット「……そうだわ、大妖精様に会いに行きましょ」

デクリンクル「あ、大妖精様はここにも居るんだ」

チャット「勿論よ。大妖精様はスタルキッドの行動くらい全てお見通しなんだから!」
チャット「ここだけの話、あいつは大妖精様にだけは頭が上がらないの」

デクリンクル「そうなんだ……」
デクリンクル「で、どこに行けばいいのかな」

チャット「街の北門近くにある祠に行くのよ。大妖精様はそこにいらっしゃるわ」

――クロックタウン 妖精の泉

デクリンクル「ここの筈よね?」

チャット「……?」
チャット「ああ! 大妖精様が!?」

デクリンクル「普通の妖精しか居ないけど……」

「若者よ……私の願いを聞いてください」
「仮面をつけたスタルキッドにバラバラにされてしまいました」

デクリンクル「スタルキッドって大妖精様に頭上がらないんじゃなかったの?」

チャット「そ、その筈よ……どうしてこんな……」

「町ではぐれている妖精を一人捕まえてここに連れてきてください……」

デクリンクル「……」

チャット「どうしたの?」

デクリンクル「いや……もしかして、これかなって」

チャット「……あー! さっきの妖精!」

「おお、それこそまさに……!」

シュルルルルッ

「オーッホッホッホッホ!」

デクリンクル(うわぁ)

「チャット。そして姿を変えられた親切な若者よ」
「バラバラになった体を元に戻してくれてありがとう」

魔法の大妖精「私は魔法の大妖精」
魔法の大妖精「私としたことが、あの子だと思って油断をしてしまいました」

デクリンクル「普段はそんなことをする実力はない、ってこと?」

魔法の大妖精「はい。あれは、そう……」
魔法の大妖精「何か強大な力を突然手に入れたようでした」

デクリンクル「強大な力を、突然……?」
デクリンクル「スタルキッドは今どこに?」

魔法の大妖精「ごめんなさい……詳しくは分かりません」

デクリンクル「そっか……」

魔法の大妖精「ですが、恐らくこの町のどこかに居るものと思われます」
魔法の大妖精「町中を探しても見つからない時は、外から見てみるのもいいでしょう」

デクリンクル「外から、か……」
デクリンクル「ありがとうございます、大妖精様」

魔法の大妖精「いいえ……私こそ、力になれなくてごめんなさい」

――クロックタウン 北

デクリンクル「いよいよ困ったわね」
デクリンクル「大分町の中歩き回ったけど、一向に見つからないし、かと言って外は……」チラッ

兵士「ふあーあ……」

デクリンクル「……兵隊さんに止められちゃうし」

チャット「八方塞がりね……」
チャット「しっかし、ほんとどうしちゃったのかしらあいつ……」

デクリンクル「急に大きな力を手にしちゃったからかもね……」プクー

チャット「口から何か出てるわよ。何それ? シャボン玉?」

デクリンクル「分かんない。デクナッツになってから出来るようになったの」

チャット「ふーん……」

デクリンクル「……あ、撃てるんだこれ」ポンッ

パァン

チャット「ぴぃ!?」

「おおっ!?」
「今風船割ったのお前か!?」

デクリンクル「あ、ご、ごめん! 君の風船だったんだ……」

「いや、いいよ。元々割る為に用意したもんだしな」
「しかしお前、デクナッツの癖にやるなぁ」

デクリンクル「デクナッツの癖に、って……」

「お前にならボンバーズのアジトに行く暗号を特別に教えてやってもいいぞ」

デクリンクル「ボンバーズ?」

チャット「確か困ってる人を助ける正義の秘密結社……を名乗ってる少年団よ」

デクリンクル「ふーん……」
デクリンクル「じゃあ教えて。いい?」

「あ、テストは受けてもらうぞ!」
「覚悟はいいか?」

デクリンクル「テスト……って何するの?」

「ルールは簡単! ヤローども集まれぇーぃ!」

「「「「わぁー」」」」ドタドタドタ

「俺達5人を日が暮れるまでに全員捕まえることが出来たら暗号を教えてやる!」

デクリンクル「鬼ごっこ、ってことね」
デクリンクル「いいよ。いくつ数えればいい?」

「10秒だ!」
「いくぞ!」

「「「「わぁー」」」」ドタドタドタ

子供A「うわぁ、捕まった!」

デクリンクル「まずは一人目!」

子供A「どうして分かったんだ?」

デクリンクル「木の影に隠れてるの見えたもん」
デクリンクル「……おっ」タタッ

子供B「うわっ!」

デクリンクル「みーつけた!」

子供B「捕まえてみろー!」タタタタッ

デクリンクル「待ちなさーい!」タタタタッ

子供A「……あれ? あのデクナッツ女の子なのか?」

チャット「え、そうよ? 気付かなかった?」

子供A「分かりにくいんだもん」

子供B「捕まったぁー!」

デクリンクル「あと三人!」

デクリンクル「というわけで日が暮れる前に全員捕まえたわ」

子供C「あそこでああ来るとは思わなかったよ……」

子供D「まさか木箱を粉砕してくるとは思わなかったよ……」

「大分端折られた気がする……」
「それにしてもやるなぁ、お前」

「でも残念だな」
「お前が人間だったら正式に入団させてボンバーズのメンバーズ手帳渡すとこだったのに」

デクリンクル「……あ、そっか、デクナッツだっけ今」
デクリンクル「どうして駄目なの?」

「一度人間以外の奴を入れたことがあるけど、酷い目に遭ったからな……」

チャット「……」

「念のため聞いとくけど、こいつにメンバーズ手帳を渡すのは?」

子供A「ちょっとだけ可愛くたって駄目駄目」
子供B「そこそこ可愛くても駄目だ駄目だ」

子供C「いくら可愛くても駄目なもんは駄目」
子供D「可愛いけど駄目だったら駄目」

ジム「……とまぁ、こんな感じ」
ジム「ただまぁ、お前も困ったことがあったらこのボンバーズ団長のジム様に相談してもいいぜ!」

デクリンクル「うん、分かった」

ジム「あ、そうそう、約束通り暗号は教えてやるぜ」
ジム「暗号は15234だ。忘れるなよ!」

デクリンクル「ありがとね」

デクリンクル「……で、暗号ってどこで使えばいいんだろ?」

チャット「ああ、こっちよ、こっち」
チャット「ほら、そこの地下道」

デクリンクル「あの子に暗号を言えばいいのね」
デクリンクル「ねぇねぇ、そこ通してくれない?」

子供「ここを通りたければ暗号を言うでしゅ」

デクリンクル「15234。いい?」

子供「えぇと……暗号を知ってるってことは仲間でしゅね?」
子供「通っていいでしゅ」

デクリンクル「ありがとー」
デクリンクル「……チャット、やけにボンバーズのことに詳しいね」

チャット「あー、まぁね」

――天文観測所

「おやおや……今日は変わった子供のお出ましじゃな……」
「ボンバーズの新しい仲間かの? デクナッツの女の子とは……」

デクリンクル「一応……そうなのかな?」

「ふむ……この前の仲間よりは躾が良さそうじゃのう……」
「この間の悪ガキときたら、部屋の道具は壊すわ、月の涙は盗むわ……」

「ほとほと手に負えん奴じゃった」
「今も……ほれ、時計塔の辺りで悪戯をしておるだろう。望遠鏡を覗いてみなさい」

デクリンクル「はい」
デクリンクル「……えーと、時計塔は……あれかな」

デクリンクル「……」
デクリンクル「……チャット」

チャット「な、何よ」

デクリンクル「あんたがボンバーズにやけに詳しい理由が分かったわ」
デクリンクル「お爺さんの言う悪ガキ、ってスタルキッドのことだったのね」

チャット「……そうよ」

「あの子の知り合いか?」

デクリンクル「あー、まぁね……」
デクリンクル「ありがとう、お爺さん。行くところが出来たわ」

――クロックタウン南

チャット「時計塔の上?」

デクリンクル「っそ。時計塔のてっぺん」

チャット「まさか真上に居ただなんてねぇ……」

デクリンクル「……真上といえば」

チャット「どうしたの?」

デクリンクル「聞こうと思ってたんだけど、空のあれは何?」

チャット「あれ……って……」
チャット「……月、よね? なんか顔みたいなの見えるのは確かに変だけど……」

デクリンクル「……月にしてはやけに近くない?」

チャット「知らないわよそんなの」

デクリンクル「……あれ段々近付いてきてるみたいなんだよね」

チャット「近付いて……って」
チャット「何? ぶつかるのアレ!?」

デクリンクル「さぁ……そんな気はする」

チャット「なんであんたそんなに冷静なのよ!?」

「月を見てるの?」

デクリンクル「?」クルッ
チャット「?」

デクリンクル「……あっ!? コッコのお姉さん!?」

「え?」

デクリンクル「どうしてこんなところに……」
デクリンクル「あたし、リンクルだよ、覚えてない!? 今はこんな姿だけど……」

「うーん……ごめんなさい、ちょっと覚えがないわ……」
「リンクル、って名前も聞いたことがないわね……」

デクリンクル「そんな……」

アンジュ「ごめんね。その人と私がそっくりなだけかもしれないわ」
アンジュ「私、アンジュっていうの。よろしくね、リンクルちゃん」

デクリンクル「う、うん、よろしく」
デクリンクル「えっと……そう! あの空の大きなのは一体……?」

アンジュ「月よ。三日後の刻のカーニバルの日に落ちてくるって噂なの」
アンジュ「子鬼が呼んでるなんて噂もあるけど……」

デクリンクル「子鬼……まさか、スタルキッド!?」
デクリンクル「ありがとう、お姉さん! またね!」タタッ

アンジュ「あ、うん、また、ね……」

残り6時間

デクリンクル「とうとう何も出来ずに最後の日になっちゃったわ」
デクリンクル「あの時計塔、ほんとにどうやって上ったらいいのかしら」

チャット「中から上らないといけないけど、お面屋が居るとことは違う入口があるみたいね……」

デクリンクル「うーん、八方塞がりねぇ……」

ヒュルルルル バンッ ボンッ ボンッ バンッ

デクリンクル「……花火?」

チャット「……あっ、カーニバルが始まったんだわ!」

デクリンクル「お姉さんが言ってたあの……」

ガコーン ガコーン ガコーン ガコーン

デクリンクル「?」

チャット「時計塔の壁、新しい入口が開いたわね」

デクリンクル「行ってみましょ!」タタッ

――時計塔

デクリンクル「はっ……はっ……」
デクリンクル「見つけたわよ、スタルキッド!」

スタルキッド「……」フヨフヨ

トレイル「姉ちゃーん!」

チャット「あっ、トレイル! もう、探したわよ、あんた達!」
チャット「ねぇねぇ、スタルキッド! あんたの被ってる仮面、もう返してあげたら?」

スタルキッド「……」フヨフヨ

チャット「ねぇ! 聞いてる?」

トレイル「姉ちゃん! 沼・山・海・谷に居る4人の人達……早くここに連れてきて!」

スタルキッド「余計なこと言うな、バカ妖精!」バシッ

トレイル「ぴっ!」

チャット「ああっ! 弟になんてことすんのよ!」リリリリン
チャット「スタルキッド! あんたそれでも友達なの!?」

スタルキッド「まぁいいや……今更あいつらが来てもオイラに敵うわけないさ、ヒヒッ」
スタルキッド「上を見な! 止められるもんなら、止めてみろ!」

月「……」ゴゴゴゴゴ

デクリンクル「っ……!」
デクリンクル「取り敢えず、何でも試してみなきゃ!」プクー ポンッ

スタルキッド「おっ!?」バチンッ

スルッ
カツーン

デクリンクル「時のオカリナ!」タタタタッ

チャット「こんな時にオカリナなんかあったって、何の役にも立たないじゃない!」


ゼルダ『あなたが旅した“七年後”と、これからあなたが旅する“いま”は違う世界です』
ゼルダ『けれど、あなたの手には勇気のトライフォースが宿ったまま……』

リンクル『……うん』

ゼルダ『このままハイラルに留まるのは危険です。この時のオカリナもそうであるように』
ゼルダ『なので、ハイラルを離れるのであれば、このオカリナと共に……』

ゼルダ『身勝手なことは分かっています。ですが……』
ゼルダ『どうか……お願いします』ペコリ

リンクル『……頭を上げて』
リンクル『じゃあ、時のオカリナは、あたしが持ってくよ』

ゼルダ『ありがとう……』
ゼルダ『あなたの旅が無事であるよう、祈っています……』

ゼルダ『短い間でも、あなたとこのハイラルで過ごした時間は決して忘れません』
ゼルダ『そしてまたいつの日か、あなたと再び普通に過ごせる日が来ると私は信じています……』

ゼルダ『もしも、何か起こったら、あの歌を思い出して……』
ゼルダ『時の女神はあなたを見守っています。きっと力になってくれるでしょう』


デクリンクル「……!」
デクリンクル「……けど、どうすれば……」

チャット「あーん、神様! 時の女神様! 誰も良いから、いっそ時間を止めて!」

デクリンクル「っ……それよ!」スッ
デクリンクル「って、なんだこりゃ!?」ボンッ

チャット「えっ……!? オカリナが……デクラッパになった!?」

デクリンクル「えぇい、この際何でもいいや!」

♪♪♪♪♪♪~

カッ

デクリンクル「何……!?」
デクリンクル「あたし、落ちてるの!?」

デクリンクル「何この空間!?」
デクリンクル「一体何が……!」

チャット「ひゃああああっ、待って待って待って!」
チャット「こんなとこに飛ばされるなんて聞いてないわよー!」


スタルキッド『えぇい、離せ! 離せよ!』

リンクル『あんたこそエポナから降りなさいよ!』ズルズルズル

スタルキッド『このっ……』ゲシッ

リンクル『いっ……!』
リンクル『きゃっ!』ドタッ ゴロゴロゴロ


スタルキッド『今のオイラに勝てると思ってるのか? 間抜けな奴め』

リンクル『……っ』ゾクッ

スタルキッド『お前の顔は見飽きたぞー……』ズズズズ

リンクル『……!』ジリッ


しあわせのお面屋『ホッホッホ……』


ゴオオオオオッ


最初の朝
残り72時間

取り敢えずここまで

無計画に書いてるから、ゴロンとかゾーラとかの仮面は一体どうしようとかいう問題が浮上してしまった

どうでもいいんだけど、64辺りのゼルダの登場人物って容姿は兎も角、言葉遣いが妙に独特なのが多い気がする
いや、~ゴロとか~ゾラとかじゃなくて

更新します

 ep.25 繰り返される三日間


――クロックタウン 南

デクリンクル「……あれ?」

チャット「今のは一体なんだったの……?」
チャット「あれ……ここは……」

デクリンクル「時計塔の前ね……んん?」

チャット「……戻ってる」
チャット「月も……戻ってる」

チャット「あんた一体何者なの? 時間が戻ったわよ……?」
チャット「あの楽器といい、あの曲といい……」

デクリンクル「うん……前より、ずっと時のオカリナの力が強いような……」
デクリンクル「……もしかして、今もう一度時の歌吹いたらまた時間を戻せるのかな」

チャット「どうかしら……多分、そうだと思うわ」
チャット「どこまで戻れるのかは分かんないけど……」

デクリンクル「……」キョロキョロ

大工「あー、違う違う! もう少し右!」

大工「これほんとに完成すんのかなぁ」

デクリンクル「……」クルッ

妖精「ワタシハドコニ……」フヨフヨ

デクリンクル「……」

チャット「さっきから何キョロキョロしてんのよ?」
チャット「……って、あっ」

デクリンクル「……」スッ

♪♪♪♪♪♪~

カッ

最初の朝
残り72時間

――クロックタウン 南

チャット「……」

デクリンクル「……」

チャット「……いきなりあれやるのやめて」

デクリンクル「……チャット?」

チャット「何よ?」

デクリンクル「そっか、チャットか……」

チャット「はあ? 何なのよ?」

デクリンクル「なんでもない」キョロキョロ

大工「あー、違う違う! もう少し右!」

大工「これほんとに完成すんのかなぁ」

デクリンクル「……」クルッ

妖精「ワタシハドコニ……」フヨフヨ

デクリンクル「……さっきと同じね」

チャット「何が?」

デクリンクル「時間は確かに戻せるけど、戻せるのはこの三日間……」
デクリンクル「お面屋さんと会って、この時計塔から出てきた直後までみたい」

チャット「……ああ、成程ね」
チャット「巻き戻しが出来るのはあの月が落ちる三日前の朝までってことね」

デクリンクル「別に半年前に戻れるわけじゃないんだ……」ボソッ

チャット「?」

チャット「それより、あんた忘れてない?」

デクリンクル「何が?」

チャット「ほら、例のお面屋との約束よ」

デクリンクル「……そうだわ! オカリナ取り返したら、あのお面屋さんが元の姿に戻してくれるんだった!」

チャット「思い出したわね」
チャット「多分今はお面屋と話して時計塔出た直後よ。びっくりされるかもね」

デクリンクル「お面屋さんにとってはついさっき出てったばっかりだもんね」
デクリンクル「こんなにあっさり時のオカリナ取り返したのかって勘違いされそう」

――時計塔

デクリンクル「お面屋さん!」

しあわせのお面屋「おや、あの子鬼からあなたの大切なものは取り返せましたか?」

デクリンクル「うん! オカリナでしょ!」

しあわせのお面屋「おおっ、取り戻せてるじゃないですか!」
しあわせのお面屋「ではどうぞ、ワタクシの奏でる曲を吹いて、覚えてください」

チャット「そのオルガンどっから出てきた」

しあわせのお面屋「私の後に続いて、どうぞ」

♪♪♪ ♪♪♪ ♪♪♪♪♪~

デクリンクル「これは……」
デクリンクル「……!」ドクンッ


デクナッツ「……」ザッザッザッザ

リンクル「あの時のデクナッツ……」
リンクル「……」フリフリ

デクナッツ「……」ニコッ

リンクル「……うん、またね」


カランッ カランカランッ

チャット「あ、あんた……」

リンクル「……元に、戻ってる」

しあわせのお面屋「この歌は邪悪な魔力や浮かばれぬ魂を癒し、仮面に変える曲」
しあわせのお面屋「この先きっと、お役に立つと思います」

リンクル「あ、ありがとう……」
リンクル「デクナッツの仮面……何か浮かばれないデクナッツだったのかしら」

しあわせのお面屋「どうでしょうね……記念にこの仮面はあなたに差し上げましょう」
しあわせのお面屋「安心してください、魔力は仮面に封じ込められています」

チャット「被っても何にもならない、ただの仮面ってこと?」

しあわせのお面屋「いいえ、まさか。被ればまたあの姿になります」
しあわせのお面屋「しかし、外せば元の姿に戻れますよ」

リンクル「いつでも自由にデクナッツになれるってことね」
リンクル「ありがとう」

しあわせのお面屋「いえいえ、これで約束は果たしました」
しあわせのお面屋「さ、約束のものをこちらへ……」

リンクル「……あっ」

しあわせのお面屋「……」

リンクル「……」

チャット「……」

しあわせのお面屋「まさか」
しあわせのお面屋「あなた」

しあわせのお面屋「ワタクシの仮面を……」
しあわせのお面屋「取り返して、いないとか……?」

リンクル「……ご、ごめんなさい」

しあわせのお面屋「何てことをしてくれたんだ!」クワッ

リンクル「ひっ!?」
チャット「ぴぃっ!?」

しあわせのお面屋「このままあの仮面を野放しにしていたら大変なことになる!」ガシッ

リンクル「ごご、ごごごめんなさい!」
リンクル「そそそそんな大変なものなの!?」

しあわせのお面屋「それは……!」

 実はワタクシの盗まれたあの仮面……ムジュラの仮面といって
 太古のとある民族が呪いの儀式で使っていたとされる伝説の呪物なのです

 その仮面を被った者には邪悪で凄まじい力が宿ると言い伝えられています

 伝説では……
 ムジュラの仮面が齎す災いのあまりの大きさに
 それを恐れた先人達が仮面を悪用されないよう、永遠の闇に封じ込めたといいます

 その力がどんな力なのか……
 伝説に記されたその民族が滅びた今では分かりません

チャット「そんな大変なものだったんだ……」

しあわせのお面屋「……しかし、ワタクシは感じます」
しあわせのお面屋「苦労して手に入れた伝説の仮面……あれを手にした時感じた身の毛も弥立つ禍々しい力」

しあわせのお面屋「あれが今……あの子鬼の手にある……」
しあわせのお面屋「お願いです! 早くあの仮面を取り返せないと、とんでもないことが起きます!」フルフル

しあわせのお面屋「お願いです! お願いです! あなたなら!」ペコペコ
しあわせのお面屋「あなたなら出来る!」ペコペコ

リンクル「わ、分かった、分かりましたっ」

しあわせのお面屋「そうですか、やっていただけますか」ケロッ
しあわせのお面屋「そう言っていただけると確信しておりました」

リンクル「ふぇっ?」

しあわせのお面屋「大丈夫! あなたならきっと出来ます」
しあわせのお面屋「自分の力を、信じなさい……信じなさい……」

リンクル「……」ギィ

――クロックタウン 南

リンクル「……」

チャット「まったく、情緒不安定っていうか、なんていうか……」
チャット「……どうしたの、らしくない神妙な顔して」

リンクル「いや……あんな大変なもの、なんであの人が持ってるのかなって」
リンクル「あたしに頼むのも妙だし……」

チャット「言われてみればそうね……?」

リンクル「……まぁ、いいや。取り敢えず元の姿に戻れたし、町の外にも出られるかな」
リンクル「あっ!」タタッ

チャット「あ、ちょっと!」

リンクル「お姉さん!」

アンジュ「え?」

リンクル「あたし、リンクルだよ! 覚えてない?」

アンジュ「うーん……ごめんなさい、ちょっと覚えがないわ」

リンクル「そっか……」
リンクル「じゃあさ、こんなフード被ったデクナッツの子供見なかった?」

アンジュ「えーと……うーん……」
アンジュ「ごめんなさい、それもちょっと……」

リンクル「そうなんだ……」
リンクル「ごめんね、急に変なこと言って。またね!」タタッ

アンジュ「え、ええ、またね……?」
アンジュ「なんだったのかしら……」クビカシゲ

チャット「やっぱり三日前に戻るとなかったことになるみたいね」
チャット「あの人、あんたのこと全然覚えてなかったじゃない」

リンクル「だろうと思ってたけど、確かめたくてね」
リンクル「それにしても……」

リンクル「大工のみんなや親方はあたしの知ってる大工さん達とその親方にそっくりだし」
リンクル「宿屋のお姉さんとお婆さんはあたしの知ってるコッコのお姉さんとクスリ屋のお婆さんにそっくりだし」

リンクル「キングゾーラっぽいけど違う人、インゴーさんっぽいけど違う人……」
リンクル「みんなあたしの知ってる人とそっくりなのにみんな別人なんて、なんだか変な感じね」

チャット「……あんたがこれまでどんな人に出会ってきたのか知らないけど、そんなに多いの?」

リンクル「うん。顔どころか服装までそっくり」
リンクル「まるでハイラルの記憶を持ってないハイラルの人達がそのままここにいるみたい」

チャット「気持ち悪いこと言わないでよ」

リンクル「……あ、逆に全然見たことない人も居るよ?」
リンクル「例えば……」キョロキョロ

リンクル「あの子供達とか」
リンクル「そうだ、天文観測所もう一回行ってみない?」

チャット「なんで急にそんなこと?」

リンクル「ほら、ここからじゃ時計塔のてっぺんは見えないじゃない」

チャット「……本当に全部が巻き戻ったのか気になる、ってこと?」

リンクル「っそ。もしスタルキッドが三日前と違うことをしてたら……」

チャット「何らかの形でスタルキッドは時間にも干渉することが出来るかも……」
チャット「とか?」

リンクル「そんなとこ」

――クロックタウン 東

リンクル「ねぇねぇ、そこ通してくれない?」

子供「ここを通りたければ暗号を言うでしゅ」

リンクル「……あっ、そっか。暗号か……」

チャット「時間が巻き戻ってるなら、案外変わってなかったりするんじゃない?」

リンクル「だといいけど……」
リンクル「15234。いい?」

子供「えぇと……暗号を知ってるってことは仲間でしゅね?」
子供「通っていいでしゅ」

リンクル「ありがとー」
リンクル「……ほんとに通れちゃった」

チャット「良かったじゃない」

――天文観測所

「おやおや……今日は変わった子供のお出ましじゃな……」
「ボンバーズの新しい仲間かの? 女の子は初めてじゃが」

リンクル「一応……そうなのかな?」

「ふむ……この前の仲間よりは躾が良さそうじゃのう……」
「この間の悪ガキときたら、部屋の道具は壊すわ、月の涙は盗むわ……」

「ほとほと手に負えん奴じゃった」
「今も……ほれ、時計塔の辺りで悪戯をしておるだろう。望遠鏡を覗いてみなさい」

リンクル「はい」
リンクル「……えーと、時計塔は……あれかな」

チャット「どう? 居る?」

リンクル「うん、見える見える……」
リンクル「ほんとにあの時と同じことしてる」

チャット「流石に時間までは干渉できないみたいね」

リンクル「そうみたい」
リンクル「ありがとう、お爺さん。また来るね」

「うむ」

――クロックタウン 東

「おーい、そこの姉ちゃん!」

リンクル「あたし?」

ジム「そう、お前!」
ジム「お前、俺達のテストに合格してないのに俺達の暗号知ってたらしいな?」

リンクル「……あっ」

チャット「そりゃそうよね……」

ジム「ボンバーズのメンバー以外誰も知らない筈なのに、どうやって知ったんだ?」

リンクル「あ、いや、えーと……」

ジム「お前、実はすごい奴なんだな!」

リンクル「へっ?」

ジム「俺達だけが知ってる暗号を知ることが出来たなんて凄ぇよ!」
ジム「気に入った! お前なんて名前なんだ?」

リンクル「リ、リンクル……」

ジム「そうか、リンクル!」
ジム「……ほんとはメンバー全員の承認が必要なんだけど……」

ジム「最近スタルキッドの奴が掟破って勝手なことしてるから、代わりにお前をボンバーズに入れてやる!」
ジム「ほら、団員手帳!」っボンバーズ団員手帳

リンクル「あ、ありがと」

ジム「ボンバーズよ、永遠に! だぜ!」
ジム「じゃな!」タタタタッ

リンクル「……」ポカーン

チャット「……」ポカーン
チャット「……ま、まぁ、良かったじゃない! それで三日間きっちりスケジュール管理が出来るわね!」

リンクル「取り敢えず、三日が巻き戻されて、全部元の通りってのは分かったわ」
リンクル「それで、えーと……あんたの弟」

チャット「トレイル?」

リンクル「そ、トレイル」
リンクル「あの子が言ってた、四人の人達を探しに行きましょ」

チャット「沼、山、海、谷、だったっけ?」

リンクル「確かね」
リンクル「チャットはこの近辺詳しい?」

チャット「少なくともあんたよりは」

リンクル「じゃあそれらの場所に心当たりは?」

チャット「ないこともないけど……」
チャット「例えば山って言ったらスノーヘッドかしらね。町の北よ」

チャット「海は西のグレートベイかしら。そうすると沼は……南のウッドフォールかな」
チャット「沼っていうか森っていうか密林だけど。東のイカーナは沼っていうより谷だしね」

リンクル「兎も角、丁度町の四方なのね?」

チャット「そうね」

リンクル「じゃ、取り敢えず南に行ってみましょ」

チャット「……なんで南?」

リンクル「なんとなくよ、なんとなく」
リンクル(森、だしね)

リンクル「そこの門から出てみよっか」
リンクル「……と、その前に装具てんけーん」

チャット「何それ」

リンクル「兵隊さんの真似」

リンクル「兵隊さーん、ここ通っていい?」

兵士「待ちたまえ、外は物騒だから君のような子供を一人で外に出すわけには……」
兵士「……剣? 盾に、クロスボウ?」

兵士「他にも剣鉈に皮袋に、フードの付いたローブ……」
兵士「ブーツも随分履き潰してるみたいだけど、もしかして君、旅をしてるのかい?」

リンクル「うん、そんなとこ」

兵士「そうか……あいや、失礼、子供扱いして悪かったね」
兵士「この先は沼のあるウッドフォールだ。気をつけてね」

リンクル「うん、ありがとう」

――タルミナ平原

リンクル「ここが……」

チャット「タルミナ平原よ」

リンクル「森を抜けた先にあんな町があって、こんな平原があって……」
リンクル「……やっぱり変なの」

チャット「何ごちゃごちゃ言ってんのよ」
チャット「ほら、さっさと足を動かす!」

リンクル「はいはい」
リンクル「じゃ、沼地に行ってみますか!」ザッ

取り敢えずここまで

時のオカリナは妙にシリアスだった気がするので、ムジュラはギャグ強めにしていきたい(出来るとは言ってない)

接客業はGWみたいな大型連休の方が忙しいってそれ一番(ry

仕事辞めて一日中ゲームしたりSS書いたり絵描いたりするだけの生活送りたい

更新します

 ep.26 ウッドフォールの姫君


緑チュチュ「グジュルルルッ」

チャット「緑チュチュよ! 大した奴じゃないから、さっさとやっつけちゃいなさい!」

リンクル「よっ」ザンッ

緑チュチュ「ジェアアアッ」グチャッ

チャット「ま、このくらい余裕よね」
チャット「……あら」

リンクル「?」

チャット「ああ、これこれ、懐かしいなぁ」

リンクル「何その……落描き?」
リンクル「……スタルキッド?」

チャット「そうよ。あいつが描いたの」

リンクル「へぇ……結構上手ね」

チャット「ね……」
チャット「ここに初めてトレイルと来た時、あいつは友達と喧嘩して一人ぼっちだったって言ってた……」

リンクル「……」

チャット「そりゃあ、確かに悪戯ばかりして、みんなから相手にされないけど……」
チャット「だからと言って、あんな恐ろしいことするなんて……」

リンクル「……お面屋さんからムジュラの仮面を盗んだこと?」

チャット「……」
チャット「迂闊に、力を持ったばっかりに……」

リンクル「……」

――沼地

リンクル「沼の観光ガイド……」

チャット「そうだわ、あんたお金ある?」

リンクル「んー、そこそこ。40ルピーくらい」

チャット「マップ買って行きましょ」

リンクル「地図は重要だもんね」
リンクル「……ていうか、さっきからすっごい嫌な臭いがするんだけど、ここっていつもこうなの?」

チャット「いや……そういえば変ね……」
チャット「普段はこんなことないんだけど……」

リンクル「何かあったのかな……」ギィ

――沼の観光ガイド

リンクル「こんにちはー」

「ん、お客さんかい? いらっしゃい」

リンクル「マップが欲しいんだけど」

「マップかい? その辺でうちの倅が売ってるよ。見かけなかったかい?」

チャット「町からここまで、人間に会ったのはあんたが初めてよ」

「え?」

リンクル「そうね……確かに人は見かけなかったかも」

「ああー……ったく、あのドラ息子、またどこかでサボってやがるな!」
「いいトシこいて、妖精ごっこもないもんだ……!」

チャット「……あれ? もしかして、あんたのとこの息子って……」
チャット「あの、町で噂になってる、全身緑の中年男じゃ……」

「……」

チャット「……ごめん」
チャット「マップは諦めましょ……またの機会に」

「いや……こちらこそ悪いね……俺の教育が悪かったんかな……」

チャット「ボートクルーズは今日やってる?」

「悪いけどそっちも今休業中なんだ」
「コウメ婆さんが出勤してなくてさ。どうしちまったんだろうな」

チャット「じゃあ、探しに行ってみるわ」
チャット「行きましょ」

リンクル「あ、うん」

――魔法オババの薬屋

リンクル「こんにちはー」ギィ

コタケ「……zzz……」ウツラウツラ

リンクル「……あれ?」
リンクル「な、な、ツインローバ!? なんでこんなところに!?」

チャット「何言ってんの、あんた」
チャット「またハイラルに居た人にそっくりなんて言うんじゃないでしょうね」

リンクル「居た人っていうか、殺されかけたっていうか……!」

チャット「どんな壮絶な関係だったのよ……」
チャット「兎に角、この人は平気よ。ただの薬屋の魔法使いのお婆さんだから」

リンクル「……」ジトー

チャット「……もうっ」
チャット「っていうか、あんたはいつまで寝てんのよ!」リリリリン

コタケ「うんっ!?」パチリ
コタケ「おお、いらっしゃい……」

チャット「ったく……」

コタケ「お使いかい? 今時珍しいねぇ」
コタケ「あたしの薬はよーく効くよ。何が欲しいんだい?」

リンクル「ボートクルーズに乗りたいんだけど……」

コタケ「ありゃ、そっちかい」
コタケ「生憎、コウメさんなら裏の森へキノコを採りに行っとるよ……」

コタケ「……そういや、ちょっと帰ってくるのが遅すぎるねぇ!」
コタケ「あんた、序でに見に行ってくれないかい?」

リンクル「あたしが?」

コタケ「ボートクルーズ乗りたいんだろ? そんならそのくらいはしとくれよ」
コタケ「そうそう、森は迷いやすいからその辺に居る猿にでも聞きな!」

チャット「んな強引な……」

リンクル「……念のため聞いとくけど、どんな見た目の人なの?」

コタケ「あたしにそっくりだよ」

リンクル「……ありがと。それだけ分かればすぐだよ」

――不思議の森

チャット「猿に聞けったって……」
チャット「……居るし」

猿「えっと……ついてきて!」タタッ

リンクル「あ、うんっ」タタッ

チャット「ちょっと、置いてかないでよー!」シュ

スナッパー「ギャートルズ」グルグルグル

リンクル「邪魔っ」バシュッ

スナッパー「ゲロゲロー」ガキンッ

リンクル「効かない!?」

チャット「スナッパーの甲羅は生半可な攻撃じゃ通らないわ!」
チャット「別に相手する必要ないんだから、さっさと行きましょ!」

猿「早く早く!」

猿「ここだよ!」ガサッ

「あいたたたた……!」

リンクル「あれがコウメ……さんだね」
リンクル「大丈夫?」

コウメ「キノコ探しに気を取られてたらいきなりポカッとやられてこの様さ」
コウメ「忌々しいスタルキッドめ、顔を隠せばこのあたしが分からないとでも思ったのかい!」

リンクル「スタルキッド、こんなとこにも……」

コウメ「あいたたた、あんなに力があったなんて……!」
コウメ「お陰で腰が動かなくなっちまったよ!」

チャット「お年寄りにあの力は乱暴ね……」
チャット「あんた、何か持ってないの?」

リンクル「うーん……赤い薬ならあるけど」っ赤い薬

コウメ「あっ、その色、その香り……」
コウメ「……コタケ婆さんの薬に似てるけど、ちと配合率が違うね」

コウメ「まぁいいや、よこしな!」パシッ
コウメ「んくんく、んく……」ゴクゴク

コウメ「……おおっ!」
コウメ「この漲るパワー! コウメふっかぁーつ!」

リンクル「リンクル感激ぃ……」

チャット「何それ」

リンクル「“この漲るパワー”に続く言葉といえば……って」

コウメ「何だいそりゃ」

コウメ「兎も角、助かったよ!」
コウメ「あたしはこの沼地でボートクルーズをしてるんだけど」

コウメ「あんたが乗りたいならいつでもおいで、サービスするよ」
コウメ「ふんっ!」ボンッ

チャット「と、飛んだ!?」

コウメ「ヒッヒッヒ、魔法使いを舐めるんじゃないよ!」
コウメ「そいや!」ビューンッ

リンクル「あ、あっという間に見えなくなっちゃった……」

――沼地

コウメ『皆様、船長の“魔法使い”コウメです』
コウメ『当クルーズ船は全席禁煙の船です』

コウメ『本日の航行に参加の方にはマイレージを進呈』
コウメ『気分が悪くなった方は目の前の袋にどうぞ』

チャット「この船空飛びやしないでしょうね」

リンクル「何の話?」

ゴゴン……

リンクル「あ、動き出した」

ゴォォォォォ

リンクル「えっ、ちょっ、ちょっ、ちょっ、速くない!?」

チャット「今日はコウメさんの機嫌が良いんでしょ」

リンクル「そんなもんなの!?」

コウメ『おおおおおおおおしっかりつかまってなあああああああああああ!!』
コウメ『右を! 右をご覧ください!!』

リンクル「み、右?」

コウメ『猿です!!』

猿「ウッキー」

リンクル「猿だね!」
リンクル「落ちる落ちる落ちる!」ガシッ

コウメ『左をご覧ください!!』

リンクル「?」

コウメ『猿です!!』

猿「キャッキャ」

リンクル「猿だね!!」

コウメ『トンネルに突入するよおおおおおおおお!!』

リンクル「何なのよこのテンション!」
リンクル「ていうかチャット冷静だね!?」

チャット「いつものことだし」

リンクル「ていうか、前! トンネルに何か居る!」

ダイオクタ「フアーキョウモイイテンキダァー」

ドコッ

ダイオクタ「アバーッ!?」

コウメ『デクナッツの城前ー、デクナッツの城前でございます』
コウメ『下船されるお客様はお忘れ物のないよう、また、足元の毒沼に気をつけてお降りください』

リンクル「なんか……疲れた……」

チャット「まぁ慣れないとねぇ……」
チャット「しっかし、ここら辺は更に臭いわね……」

リンクル「原因になってるとこが近いのかな」

「なぁなぁ!」

リンクル「うん?」
リンクル「あら、さっきのお猿さん」

猿「お前、変わった力持ってるだろ?」
猿「オイラ達、ずっと見てた!」

猿「この沼地、最近毒が広がって住めなくなってきた」
猿「滝の上の神殿、怪しい。オイラの兄弟、神殿に行った」

猿「だけど、神殿入口分からない。神殿、デクナッツのもの」
猿「兄弟、デクナッツ達に捕まって城の中。助けて!」

リンクル「助けて、ったって……」

チャット「デクナッツの城はすぐそこよ」

リンクル「……取り敢えず、入ってみよっか」

――デクナッツの城

門番デクナッツ「ここはデクナッツ王国のお城だっピ!」
門番デクナッツ「用のない奴は通さないっピ!」

リンクル「駄目?」

門番デクナッツ「用のないどころか他所者なんか以ての外だっピ! 帰れっピ!」

リンクル「駄目かぁ」

チャット「駄目ねぇ……」
チャット「やっぱりデクナッツの城だし、人間は……って」

リンクル「……そうだ、あたしデクナッツになれるじゃない!」


イヤーッ

デクリンクル「ここ通して」

門番デクナッツ「ピピッ!? ひ、姫様!?」

デクリンクル「姫様?」

門番デクナッツ「ご、ご無事でしたかっピ! いい、今すぐ国王の間にお戻りください!」
門番デクナッツ「姫様を誘拐したとされる猿がおしおきを……ん?」

デクリンクル「……」

門番デクナッツ「……姫様?」

デクリンクル「いや、人違い……デクナッツ違いです……」
デクリンクル「あたしはただの旅人……いや、旅デクナッツで……」

門番デクナッツ「……」

デクリンクル「……」

チャット「……」

門番デクナッツ「……なぁーんだ、驚かすんじゃねぇっピ!」
門番デクナッツ「姫様に似てるもんだから畏まっちまったっピ!」

デクリンクル「で、ここ通っていい?」

門番デクナッツ「ここはデクナッツ王国のお城、用のない奴は通さないっピ!」
門番デクナッツ「……でも今は特別に国王の怒りを買ったバカな猿を晒し者にしてるから見て行ってもいいっピ」

門番デクナッツ「ここを真っ直ぐ行くと国王の間だっピ。それ以外の場所には入るなっピ!」
門番デクナッツ「……まぁ、お嬢ちゃん可愛いからちょっとだけなら見てってもいいかもっピ」

デクリンクル「そう……ありがとね」

チャット「通れちゃった」

――デク王の間

デクリンクル「ここ、だよね」

猿「だからー! オイラの話を聞いてくれってばー!」ジタバタ

チャット「猿が縛られてるわね」

デクリンクル「あれが捕まった猿ね」

デク王「ひ、姫!?」

猿「えっ、姫さん抜け出せたのか!?」

デクリンクル「違いますっ!」

デク王「いやいや、お前は間違いなく……んん?」
デク王「……」ジーッ

デクリンクル「……」フンッ

デク王「……言われてみれば、確かに違うな。この辺では見かけない顔じゃ。旅の者か?」
デク王「本来なら、お前のような者が国王の間に入ることは許されんのじゃが、今日は特別じゃ!」

デク王「これから、我がデク国の姫を誘拐したバカザルをおしおきするところじゃ!」
デク王「王室の者にふざけたことをした奴がどうなるか……目に物見せてやる!」

猿「早くしないと姫さんはバケモノに食われちまうよー!」

デク王「まだそんな戯言を抜かすか! 聞く耳持たんわ!」
デク王「大釜を準備せい! このバカザルは釜茹での刑じゃ!」

デクリンクル「でも、あの猿何か言って……」

デク執事「ちょっとこちらへ」グイッ

デクリンクル「わっ」

デク執事「国王様は今、冷静さを欠いておられます……」
デク執事「愛娘のデク姫様のこととなるといつもああで……」

チャット「苦労してるわね……」

デク執事「えぇ、まぁ……」
デク執事「冷静に考えて、恐らくあの猿の言う通り、神殿で何らかのトラブルに巻き込まれたのでしょう」

デク執事「しかし、国王様があのご様子では、捜索に兵を出すことも出来ず……」
デク執事「そこで、あなたを見込んでお願いがあります」

デクリンクル「神殿に行ってお姫様探して来いって?」

デク執事「お察しの通りです」

デクリンクル「まぁね……ただ、神殿の入口はデクナッツ達が知ってるって」

デク執事「えぇ、姫様がご存知なのですが……」

チャット「……」
チャット「……もしかして、あんたも入口は知らない?」

デク執事「お恥ずかしながら……」
デク執事「ウッドフォールの祭壇で、あるメロディを奏でれば入れるのですが、そのメロディが……」

デクリンクル「ええー……困ったなぁ……」
デクリンクル「……そうだ、あのお猿さんに聞けない?」

デク執事「あの猿にですか?」
デク執事「ふむ……確かに、姫様が目の前で神殿の入口を開けたのですから、知っているかもしれませんね」

デク執事「……分かりました」
デク執事「少しだけですが、お話をする時間を設けましょう」

猿「全然信じてくんないんだな! もういいよ、お前らに言うことなんかないからな!」
猿「さっさとおしおきでも何でもしてくれよー!」

チャット「ん? 今、何でもって」

猿「!?」

デクリンクル「やぁ」

猿「さっきの姫さんによく似た旅デクナッツか……」

デクリンクル「流石に逃がすことは出来ないけど、お話聞かせて」
デクリンクル「あたしがお姫様探しに行くからさ、神殿の入り方教えてよ」

猿「ほんとか?」
猿「……でも、それには周りに響くような大きな楽器が要るんだ」

デクリンクル「これでいい?」ボンッ

デク執事「なっ……そ、そのラッパは……!」

猿「おおっ! それそれ、姫とおんなじデクラッパ!」
猿「それならきっと上手くいく!」

猿「よく聞いて、覚えてくれよ!」

♪♪♪♪ ♪~♪~ ♪~
♪♪♪♪ ♪~♪~ ♪~

デク執事「これは……まさしく、目覚めのソナタ!」
デク執事「王家に伝わる目覚めの歌……!」

猿「上手い! それをウッドフォールの祭壇の上で演奏するんだ!」
猿「そうすれば神殿の入口が開いて、中に入れる筈だよ!」

猿「早く神殿に行って姫さんを助け出して!」
猿「じゃないとバケモノどもの餌食になっちまうよ!」

デクリンクル「うんっ! 任せてっ!」
デクリンクル「ありがとね、執事さん」

デク執事「……いいえ」
デク執事「どうか、お気をつけて」

――ウッドフォール

デクリンクル「祭壇ってこれのことかな?」

チャット「沼のど真ん中にあるあれ神殿っぽいし、そうなんじゃない?」

デクリンクル「じゃあここでラッパ構えて……と」ボンッ

♪♪♪♪ ♪~♪~ ♪~

ゴゴン……

デクリンクル「お?」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ザバァー

デクリンクル「おお……なんだろ、神殿が少し上がったのかな」

チャット「あそこに入口が見えるわね。行きましょ」

デクリンクル「うん」

取り敢えずここまで

分かる人にしか分からないネタはちょくちょく挟んでいきたいと思う

次回、対決! 密林仮面戦士オドルワ!

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