二宮飛鳥「ならばこの想いは、恋ではなく」 (26)

梨沙「飛鳥ってさ」

飛鳥(それは、ボクが事務所でSF小説を読んでいるときのことだった)

飛鳥(次のページに手をかけた瞬間、一緒にソファーに座っていた梨沙が不意打ち気味に問いを投げかけてきた)

梨沙「プロデューサーのこと、好きなの?」

飛鳥「………」

飛鳥「好きだよ」

梨沙「違う」

飛鳥「回答を否定されるとは心外だな……どうしてボクを睨む」

梨沙「そーいう『好き』を聞いてるんじゃないからよ」

飛鳥「なら、どういう『好き』なのか説明してくれ」

梨沙「それはもちろん、LOVEよ!」

飛鳥「ラブか」

梨沙「そ! アタシがパパLOVEなのと同じように、飛鳥もプロデューサーLOVEなんじゃないかって」

梨沙「さっきの飛鳥の答えって、単純に好きか嫌いかの『好き』でしょ? だから、違うって言ったの」

飛鳥「なるほど。確かにボクは、彼のことを気に入っているという意味で『好き』と答えた」

梨沙「それで、どうなの? アタシ結構前から気になってるのよ。飛鳥がプロデューサーのことどう思ってるのか」

飛鳥「前にも似たようなことを聞かれた気がするけど……キミはつくづく恋バナが好きだな」

梨沙「女の子だもん! 飛鳥だって好きでしょ?」

飛鳥「まあ、関心はある」

梨沙「それを好きって言うのよ」





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飛鳥「さて、キミの質問に対する答えだけれど。ボクは別に、彼を将来の伴侶として見ているわけじゃない」

飛鳥「ただ、ひとりの大事な理解者として、できれば近くにいてほしいというだけさ」

飛鳥「……なんだか、前も似たような答えを言った気がするな」

梨沙「本当に将来のハンリョとして見てないの?」

飛鳥「疑うのかい?」

梨沙「だってさ、飛鳥って他の子と比べても、かなりプロデューサーと一緒にいたがってる気がするし」

飛鳥「そうかな」

梨沙「そうよ! ちゃーんと証言だってあるんだから」

飛鳥「証言?」

梨沙「ありすペディア、よろしく」

ありす「はい」

飛鳥「タブレットを片手に登場してきた」

ありす「まず飛鳥さん、さりげなくPさんの隣をキープする回数が非常に多いです」

梨沙「気づいたらプロデューサーの右側にいるわよね」

飛鳥「あれは、この部屋に彼とボクしかいなかった頃の癖が抜けないだけだ」

飛鳥「彼の担当アイドルの中ではボクが一番古株で、あの頃は二人三脚だったから自然と距離感が」

梨沙「と、ヒコクは発言していますが」

ありす「異議ありです」

飛鳥「これ、裁判なのか……?」

ありす「他にも、Pさんの好みの味を把握していますし、Pさんがコーヒーを飲みたいタイミングを見計らって言われる前に用意してますし、何かといろいろお手伝いをしていますし」

飛鳥「キミ、ボクよりボクの行動に詳しいな……」

梨沙「ありす的には恋のライバルだからじゃない?」

ありす「そ、そういうのじゃありませんから!」

飛鳥「恋のライバル、か。勝負事ならボクもむざむざ負けたくはないな」

ありす「だから違います!」

飛鳥「冗談さ」

その日の夜


飛鳥「………」

飛鳥「………」パタン

飛鳥(どうにも、読書が進まない)

飛鳥「……恋、か」

飛鳥(自分ではそう思ってはいなかったのだが……周りから見る分には、ボクはPに恋をしている疑惑があるらしい)

飛鳥(まあ……周りといっても、現状はボクより年下の子だけだし、そもそもボクの心はボクのものだ。そのありようを他人に決めつけられるものでもない)

飛鳥(ただ。自分を見つめなおすきっかけには、どうやらなったようで)

飛鳥「……お風呂に行こう」

飛鳥(とりあえず、ゆっくり考えてみようと思った)





女子寮・大浴場


飛鳥「あ」

心「おっ」

飛鳥(浴場に足を踏み入れた瞬間、見慣れた顔が目に入る)

心「いよっす飛鳥ちゃん♪ 今日も一日おっつスウィーティー☆」

飛鳥「あぁ、お疲れ様」

心「ここで出会ったのも何かの縁ってことで、一緒に入ろっか☆」

飛鳥「いいけど、少し大げさじゃないか?」

心「そんなことないない♪ ほらほら、背中流してあげるから!」

飛鳥「わっ、浴場で身体を引っ張らないでくれ」




かぽーん


心「あ゛ぁ゛~~~い゛き゛か゛え゛る゛~~~」

飛鳥「アイドルが出していい声じゃないね」

心「オフレコだからオッケーよーん♪ う~~ん、やっぱり大浴場はいいなあ♪」

飛鳥「湯船が大きいほうが好きなの?」

心「うん♪ 思いっきり身体を伸ばせるし、解放感があるし☆ こうやって、誰かとおしゃべりもできるしね☆」

心「やっぱり寮、出ていきたくないなあ~」

飛鳥「出る予定があるのかい」

心「今のところはないけどね。でも、これからうちの寮に若い子がたくさん入ってくるってなったら、やっぱりはぁとみたいな大人が部屋を空けてあげないとだし」

心「だから、よさそうな物件がないか探してはいるんだ~♪」

飛鳥「なるほど、そういうことか」

心「でもここ住み心地いいんだよね……みんなもいるし」

飛鳥「心さん、寂しがりだからね」

心「寂しがりじゃありませーん! ひとりでいると心がしゅんって萎びていくだけですー☆」

飛鳥「それを寂しがりと言うんだ」

心「むむ……生意気な飛鳥ちゃんはこうしてやるっ♪」ムニムニ

飛鳥「ひゃんっ!? こら、脇腹を狙うなっ」

心「うわめっちゃすべすべじゃんこれが中学生の肌か……いやそれとも飛鳥ちゃんが特別……?」

飛鳥「真顔で感触を分析しないでくれないか!」


数分後


飛鳥「ねえ、心さん。ひとつ、聞いてもいいかな」

心「ん、なに? おねーさんになんでも聞いてみな♪」

飛鳥「おねーさん、か」

飛鳥(佐藤心さん。普段の姿を見ていると疑問符がつくかもしれないけれど、彼女は確かにオトナだ)

飛鳥(ちびっ子達の意見はすでに聞いているし、今度はこの人の意見を聞いてみよう)

心「飛鳥ちゃん? どしたの?」

飛鳥「……いや」

飛鳥「ボクって、Pに恋しているように見えるのかなって」



かぽーん



心「ぶっちゃけめっちゃ見えるぞ☆」

飛鳥「そんなに?」

心「そんなに。いつもプロデューサーの近くにいようとしてるし」

飛鳥「それはありすにも言われた」

心「ライブが終わった後、どんな顔してプロデューサーと話してるか知ってる?」

飛鳥「自分の顔は自分では見えない。鏡を見ない限りはね」

心「あとほら、頻繁に屋上にプロデューサー召喚するし♪」

飛鳥「召喚はしていない。Pが勝手に来るだけだ」

心「でも、自分が屋上にいたらあの人が来るってわかってて居座ってるっしょ☆」

飛鳥「………否定はしない」プイ

心「かわいいんだ~♪」

飛鳥「………」ブクブク

心「てことで! はぁとから見たら、飛鳥ちゃんはプロデューサーにゾッコンなわけよ☆」

飛鳥「……そうか」

心「………」

心「ま、あくまではぁとの考えだから、実際にどうかはぜんっぜん知らないけど♪」

飛鳥「え?」

心「それを知ってるのは飛鳥ちゃんだけだし♪ そもそもキミ、誰かにこうやって決めつけられるの嫌いでしょ」

飛鳥「………」

飛鳥「『決めつけられるのが嫌い』と判断するのも、また決めつけじゃないかい?」

心「めんどくさいなこの14歳☆」

飛鳥「冗談さ」

飛鳥「もうひとつ、聞いてもいいかな」

心「今日の飛鳥ちゃんは知りたがりだな♪」

飛鳥「いつだってそうだよ、ボクは。すべてを理解れやしないと感じながらも、知らずにはいられない」

心「なるへそ♪ それで、質問の中身は?」

飛鳥「……アナタは、Pのことが好き?」

心「………」

心「うん、大好き♪」

飛鳥「……恋、してる?」

心「うん。恋してる」

飛鳥「あっさり答えるんだね」

心「恥ずかしいことでもないしね~」

飛鳥「恥ずかしくはなくても、アイドルに恋愛はご法度だよ」

心「オフレコオフレコ♪」

飛鳥「なるほど………ところで」

心「なに?」

飛鳥「顔、赤くなってないかい」

心「………」

飛鳥「もしかして、照れている?」

心「ちぇー☆ お風呂なら湯気やらなんやらでごまかせると思ったんだけどなっ!」ザバァン

飛鳥(照れを隠すためか、勢いよく立ち上がる心さん)

飛鳥(一糸纏わぬその四肢は、成熟した果実を彷彿とさせる魅力を持っていた。つまり、オトナの身体だった)

飛鳥「モデルでもやっていけそうだね、心さんは。長身でスタイルもいいから」

心「お世辞言ってもスウィーティーなお菓子は出ないぞ?」

飛鳥「本心だよ。女のボクから見ても、魅力的だ」

心「やーん、照れるぅ♪」

心「けど、はぁとはやっぱりアイドルかなぁ」

飛鳥(そう。モデルでもやっていけるだろうけど、それでもこの人はアイドルを選んだ。きっと、自分自身がそうしたいから)

心「飛鳥ちゃん風に言うなら、魂の赴くままに!ってやつだね☆」

飛鳥「それは蘭子」

心「バレたか☆」ニコニコ

飛鳥(人は、オトナに成長するにつれて理性を手にしていく。やがてその理性は、本能を押さえつける)

飛鳥(でも。そんなオトナだからこそ、燃えたぎる情熱にどうしようもなく突き動かされることだってあるのだろう。心さんを見て、そう思った)

P「飛鳥は今日も綺麗だな。思わず見惚れてしまいそうだ」

飛鳥「な、なんだい突然。口説いているつもりかい」

P「うん、口説いてる」

飛鳥「なっ……なぜ、口説くの?」

P「俺が飛鳥に恋をしているからだよ」

飛鳥「こ、こいっ!?」

P「ああ、いくよ」ズイ

飛鳥「待て待て、そういう意味の『こい』じゃない! 顔を近づけないでくれ」

P「ダメか……」

飛鳥「まったく、何を考えているんだキミは」

P「飛鳥のことを考えてる」

飛鳥「な、な……」カァ

P「飛鳥の瞳を、独り占めしたいんだ。だから、いいだろう?」

飛鳥「よ、よくない……待って、だから唇を近づけないで――」




ピピピピピピッ


飛鳥「はっ!?」

飛鳥「………」


飛鳥「なんて夢を見ているんだ、ボクは……」



翌日


飛鳥「………」ジーー

P「………」

飛鳥「………」

飛鳥(こうして見ると、顔立ちは結構整っているな……)

P「……飛鳥、どうかしたのか? 俺の顔に何かついてる?」

飛鳥「あ、いや。なんでもないんだ」

P「そうか。ならいいけど」

飛鳥(よくないな……Pとふたりきりだと妙に意識してしまう)


バタン!


梨沙「おはようございます!」

飛鳥「おはよう……助かった」ボソ

P「おはよう、梨沙。今日はいつも以上に元気いっぱいだな」

梨沙「ふっふっふ……ついに完璧なデートプランを組めたのよ!」

飛鳥「デートプラン?」

梨沙「パパとのバレンタインデートのプランよ! 雑誌を読んでみんなの話を聞いて、スケジュールも分単位でくみ上げたわ!」

P「それはすごいな」

梨沙「てことで、プロデューサー! 今度の日曜、予行演習に付き合いなさい!」

P「日曜は大事な会議があるんだけど」

梨沙「なぁっ!? じゃあ誰がデートの練習相手になってくれるのよ!」

P「そう言われてもな………」

梨沙「むむむ……」

梨沙「………」チラッ

飛鳥「……え?」

日曜日


梨沙「よし! デートにしゅっぱーつ!」

飛鳥「なぜボクが練習相手に……」

梨沙「適役が他にいなかったのよ」

飛鳥「晴とか」

梨沙「晴と一緒にお出かけすると、楽しいのは楽しいんだけど――」



晴『ういーっす』

梨沙『あっ! 髪跳ねてる! 服もオシャレじゃない!』

晴『この服は兄貴のおさがりで』

梨沙『じゃあおさがりじゃない服買いに行くわよ! アタシがばっちり見繕ってあげるから!』

晴『お、おい引っ張るなよー』



梨沙「みたいな感じで、ついつい世話焼いちゃってデートの練習にならないのよね」

飛鳥「お母さんかキミは」

梨沙「違う! ほら、今日の飛鳥はパパ役なんだから、しっかり頼むわよ!」

梨沙「ちゃんと埋め合わせはするから! ねっ」

飛鳥「仕方がないな……ではせいぜい、キミのパパを再現できるように努めようか」

梨沙「アタシのパパを簡単に再現できるなんて思わないことね! 2万年早いわ!」

飛鳥「めんどくさいなこの12歳」





1時間後


梨沙「えーと、ブティックで買い物が終わったら次はここのクレープ屋のクレープを買って、そこの公園のベンチで食べて……」

飛鳥「あの屋台か。小腹が空いているし、ちょうどいい」

梨沙「アタシは食べないわよ。味わいは本番に取っておくの」

飛鳥「そうか。ボクは食べるよ」



店員「ありがとうございましたー」


飛鳥「はむ……うん、なかなか味わい深いね、これ」

梨沙「………おいしいの?」

飛鳥「とても」

梨沙「そう」

梨沙「………」

飛鳥「買っておいでよ。パパさんとのデートでは違う味を注文すればいい」

梨沙「それもそうね! 買ってくるわ!」シュババ

飛鳥「急に元気になったな」フフッ


梨沙「いいわねこのイチゴ味! パパにはこれをオススメするわ!」ハグハグ

飛鳥「梨沙は本当にパパのことが好きなんだね」

梨沙「トーゼン! 世界一愛してるもん!」

飛鳥「ふふっ……ボクもキミのように、自信をもって感情を表現できればいいんだが」

梨沙「? ひょっとして、この前聞いたPへの気持ちのこと?」

飛鳥「あぁ。なかなか心の整理がつかなくてね」

梨沙「へえ……そうなんだ」

梨沙「飛鳥とアタシって、そういうところ正反対よね」

飛鳥「正反対?」

梨沙「アタシは考える前にまず行動。オトメの直感を信じるタイプでしょ? で、飛鳥はすっっっっっっっごく考え込むタイプ」

飛鳥「すごく溜めたね、今」

梨沙「だってめちゃくちゃ長く考えるじゃん、アンタ。あーでもこーでもないって」

飛鳥「考えなければ、答えが出ないからだよ」

梨沙「うん、知ってる。飛鳥は、たぶんみんながあんまり気にしないことまで気にして考えるのよ。そういうの、アタシは難しいしめんどくさいって思うけど……でも、たぶん誰かが考えなきゃいけないことなのかもって、なんとなく思って」

飛鳥「つまり、何が言いたいんだい」

梨沙「だから! ほら、飛鳥は飛鳥のままでいいってこと! たぶんそういうこと!」

飛鳥「………」

飛鳥「ひょっとして、励ましてくれてる?」

梨沙「たぶん!」

飛鳥「そこは言い切ってほしかったところだ」

梨沙「いいじゃないのよ、べつに! ほら、せっかくだしそっちのクレープもちょうだい! アタシのちょっとあげるから」

飛鳥「あぁ、いいよ」

飛鳥「ボクのままでいい、ね。ありがとう、梨沙」

梨沙「どういたしまして! そのかわり、この後のデートもちゃんと付き合ってよね!」

飛鳥「もちろん。エスコートするよ、お嬢様」

夕方


梨沙「ん~~~っ、楽しかった!」

飛鳥「おおむねスケジュール通りに進められたんじゃないかな」

梨沙「そうね! ありがと、付き合ってくれて」

飛鳥「いいよ。ボクも楽しかったしね」

梨沙「じゃあ、そろそろ帰る? 駅まで一緒よね?」

飛鳥「いや。ちょっと、帰りに寄りたいところがあるんだ」

梨沙「?」

P「………」カタカタ



飛鳥「やぁ、お疲れ様。缶コーヒー、いるかい」

P「飛鳥。どうしたんだ、今日はオフだろう」

飛鳥「キミの顔が見たくなってね。近くまで来ていたから、寄らせてもらったんだ」

P「今日は梨沙のデート演習に付き合ってくれたんだっけ? どうだった」

飛鳥「ボクも彼女も満足していたよ。きっと、本番のデートもうまくいくんじゃないかな」

P「それはよかった」

飛鳥「うん」



飛鳥(ボクはボクのまま、ボクらしさをもって行動する)

飛鳥(そうすると……やはりたどり着くのは、彼の傍になる)


飛鳥「今、少し話せるかな」

P「いいぞ。気分転換になるし」

飛鳥「ありがとう。では、早速」コホン

飛鳥「P。ボクを口説いてくれないか」

P「………ん?」

飛鳥「だから、ボクを口説いてくれないか」

P「………君なら、トップアイドルになれる?」

飛鳥「そういう口説き方じゃない。ボクを……ひとりの女の子として、口説いてほしい」

P「いや、それはロリコンになるだろう」

飛鳥「もともと(特定の人間から)頻繁に言われているから大丈夫だろう」

P「ええ……?」

飛鳥「ダメ、かな」

P「まあ……あくまで練習というか、そういうのならいいけど」

飛鳥「それでいい。お願いするよ」

P「わかった………コホン」


P「今日もきりぇっ」

飛鳥「………」

P「………」

P「噛んだ」

飛鳥「………くふふっ、ふふっ……!!」

P「仕方ないだろう。普段飛鳥のこと、そういうふうに見ていないんだから……何を言えばいいのか、よくわからないんだ」

飛鳥「あはははっ………うん、だろうね。ボクも同じさ、P」

P「同じ?」

飛鳥「ボクもまだ、よくわからないんだ。けれどきっと、今はそれでいい。これからも考えて、悩んで、いつか答えを出すものなんだ」

P「???」

飛鳥「それまで、ボクの傍にいてくれるとうれしい」

P「あ、ああ……よくわからないけど、そばにはいるよ。俺は飛鳥のプロデューサーだから」

飛鳥「あぁ。そして、ボクはキミのアイドルだ」クスッ



飛鳥(彼に……Pに対する想いは、いくつもある)

飛鳥(人混みの中からボクを見出してくれたことへの感謝。新たなセカイをいくつも見せてくれることへの敬意。ともに歩んでいきたいという願い)

飛鳥(それらの想いが、これからどのように形を変えていくのか。それはまだ理解らない。ボクの心のどこかに、恋という感情が隠れているのかどうかも、今はまだ、理解らない)

飛鳥(ならば。この想いは、恋ではなく)



飛鳥「愛だ」

梨沙「へ?」

心「なぜそこで愛?」

飛鳥「ボクの想いがどのように変わったとしても、きっと変わらないであろうものがひとつだけある。それが愛だ」

飛鳥「だからこの想いは、恋ではなく愛と呼ぶべきだ。親愛か友愛か恋愛かは確定していないが、とにかく愛はそこに存在する」

飛鳥「という答えになったんだが、どうだろう」

梨沙「………」

心「………」


梨沙「結論先延ばしにしただけじゃないの?」

飛鳥「まあ、そういう見方もあるね」

梨沙「まったく」ジトー

梨沙「……けど、飛鳥らしいといえばそうなのかもねー」

飛鳥「少しだけ柑奈さんの気持ちが理解できたかもしれない」

梨沙「というわけで、飛鳥はアンタのこと愛してるらしいわよ? プロデューサー」

飛鳥「えっ」

P「な、なんだか照れるな……そうストレートに表現されると」

飛鳥「キミ、いつから」

P「ちょっと前からいた」

飛鳥「………」

飛鳥「やれやれ、聞かれてしまったか。ボクとしては別に恥じることではないけれど、いきなり伝えて驚かせてしまったかな」

梨沙「顔真っ赤になってるわよ」

飛鳥「う、うるさいなっ」

心「微笑ましいなぁ♪」

梨沙「見てて楽しいわよね、こういうの♪」

心「けど、飛鳥ちゃんが今後ライバルになるとしたら手強いなぁ……」

梨沙「まだどうなるかわからないんだから、気にしすぎなくてもいいんじゃない?」

心「そういう油断が命取りになるんだぞ☆ はぁとの長い人生経験がそう告げている……」

梨沙「ダテに26年生きてないってわけね」

心「具体的な年齢出すな☆」

梨沙「めんどくさいわねこの26歳……」




おしまい

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
飛鳥誕生日おめでとう

シリーズ前作
モバP「飛鳥とこたつでゆっくりと」

その他過去作
ミリP「しずかわいい」

などもよろしくお願いします

お疲れさまでつ


ありすペディア俺も欲しい

ありすペディアでえっちな言葉調べたい

お疲れ様です

ありすペディア俺もほしいです


この気持ち…まさしく

>>21
途端に肩叩かれて早苗さんがいそうだな

これがそうか、この掌にあるものが

おつおつ

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