【艦これ安価】比叡「榛名に異変が起きました!」 (98)

提督「新年早々に何を言ってるんだ」

比叡「だって異変が起きたんですもん! あんな榛名見たことないんですもん!」

提督「そんなに大きな異変なのか?」

比叡「いえ、大きいかと言われると首を傾げます」

提督「何だそれ……」

提督「で、その異変ってのはどんなものなんだ」

比叡「うーんと……」


↓2 榛名に起きたこととは

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1515064810

比叡「羽が生えました」

提督「羽!?」

提督「はぁ……見え透いた嘘だな比叡。怒るぞ」

比叡「本当ですよ! こう、何ていうか、天使みたいな真っ白な羽が」

比叡「ぶわーって横に広げると、すごく大きくて」

提督「悪いけどこれから用事があるんだ。それじゃ…」

比叡「待ってください!」ガシッ

提督「ぐえっ……!?」

提督「ごほっ、え、襟を掴むな! 首が締まるだろ!」

比叡「ごめんなさい……でも、私は本当のことを言ってるんです」

比叡「この目を見てください!」

提督「……」ジー

比叡「……」ポッ

提督(何故頬を赤く染める)

提督「分かったよ。そこまで言うならこの目で直接見て確かめよう」

比叡「ありがとうございます!」

提督「嘘だったら、あげたお年玉返してもらうぞ」

比叡「いいですよ!」

――――

榛名「て、提督……見ないでください……」バサッ

提督「……」

比叡「ほら、言ったとおりでしょう!」

提督「謝るよ比叡……しかし」

提督「なあ榛名、それ本物なのか」

榛名「見ないでください」

提督「え」

榛名「み、見られると恥ずかしいんです」カァァ

提督「何故」

比叡「私もよく分からないですけど、下着姿を見られてるような感覚らしいですよ」

提督「……」

提督(何故)

提督「じゃあ後ろを向いてるよ」クルッ

榛名「ありがとうございます……」

提督「それで? 何でそうなったんだ」

榛名「分かりません。寝て起きたらこうなってたんです」

比叡「謎ですね司令」

提督「本当にな。何か心当たりはあるか?」

榛名「心当たり?」

提督「お前に羽が生えた心当たりだよ。例えば」

提督「明石に何かされたとか、夕張に何か飲まされたとか」

榛名「いえ……思い当たる事がないです。すみません」

提督「そうか……」

比叡「どうしましょうね。このままじゃ部屋からも出られないですよ」

提督「……」


↓2 これからどうするか

提督「困ったな」

比叡「困りましたね」

榛名「うう……」

ガチャ

電「あ、よかった! 司令官さんここにいたのです!」

提督「どうした電?」

電「実は……隼鷹さんや千歳さんたちが、お酒を飲みまくって止まらないのです!」

電「このままじゃ体にも悪いですし、鎮守府中のお酒が無くなってしまうのです!」

比叡「ひえっ!? それは大変ですね!!」

提督「すぐにでも何とかしないと!」

提督「でも、榛名の問題も片付いてないしな……」

榛名「……」

比叡「榛名? おーい」

比叡「あれ、固まっちゃった」

榛名「……強まってきます」

提督「え」

比叡「何が?」

榛名「何でしょうねこれ。電ちゃんのお話を聞いていたら」ウズウズ

榛名「これは……そう……! 私の中の……」


榛名「正義感!」バサァ


提督「うおっ!?」

比叡「羽を一気に広げた!!」

電「は、榛名さん? いえ、これは……」

電「天使さん……! まるで天使さんなのです!」キラキラ

榛名「電ちゃん、案内してもらえますか?」

榛名「お酒を飲みすぎている艦娘の皆さんのもとへ」

電「はいなのです!」

ガチャ

スタスタ

比叡「行っちゃいましたね」

提督「あんなに恥ずかしがって部屋の隅で体育座りしてたのにな」

提督(にしても、今の榛名を見ていると……優しさに包まれるような不思議な気持ちになったぞ)

提督(羽と何か関係があるのだろうか)

提督「比叡、様子を見に行くぞ!」

比叡「はい!」

――――

千歳「宴じゃ宴じゃー!」

隼鷹「あひゃひゃひゃ! あひゃひゃひゃ!」

ポーラ「酒持ってこんかーい!」

金剛「ヘイそこの集団! いい加減にしないと肝臓に悪いデスよ!」

霧島「お姉様の仰る通りです!」

那智「大丈夫だ、ちゃんとその分のお金は払う」

武蔵「それより2人も一緒に飲まないか?」

霧島「遠慮しておきます!」

隼鷹「あっ、霧島じゃーん! 相変わらずイイ乳してんねー」ムニュ

霧島「きゃっ!?」

ポーラ「コンゴーウ、一緒にぬぎぬぎしましょー」ギュッ

金剛「こいつら完全に悪酔いしてマース!!」

金剛「くっ、こんな時どうすればいいんデス!?」


榛名「待ちなさい」バサッ

酒飲み艦娘たち「!?」


榛名「お酒を飲むのはいいですけど」

榛名「ほどほどにしないとダメですよ」

霧島「あ、あれは」

金剛「榛名……いや……天使?」

千歳「何だとー」ヒック

隼鷹「正月だしいいじゃん、ちょびっとハメを外したってさー」フラフラ

榛名「ハメを外しすぎです。もう控えなさい」

武蔵「すごいなその羽、本物みたいだ」

那智「一発芸か?」

ポーラ「ハルーナもー、ぬぎぬぎしましょー!」スタスタ

榛名「……どうやら言っても聞かないみたいですね」

榛名「仕方ありません。それでは……」スッ


提督「はぁ、はぁ、やっと見つけた……」

比叡「あっ! 榛名が何かしようとしてますよ!」

提督「え?」

榛名「もしお酒をやめるのでしたら、これを差し上げましょう」

隼鷹「!! そ、それは!」

榛名「超豪華温泉宿、五名様ご招待券です」

榛名「なかなか予約が取れず、1年以上も待たなければいけないのは当たり前」

榛名「とびきりの贅沢ができますよ」

千歳・那智「ゴクリ」

武蔵「ほう、興味深いな」

ポーラ「本物ですかー?」

榛名「ええ」

隼鷹「あ、あー……そうだよねー。榛名の言うことも最もだよ」

千歳「ちょっとやり過ぎてたわよね」

那智「深く反省する。皆もすまなかった」ペコリ

金剛「分かってくれればいいデス!」

霧島「今後は気をつけてくださいね」ニコッ

榛名「ふふ、一件落着ですね」

提督・比叡「……」

――――

榛名「丸く収まってよかったです」

比叡「電ちゃんもお礼を言ってましたね」

提督「ああ……」

提督「なあ榛名? あんなに恥ずかしがってたのに」

提督「どうして急に外に出られたんだ?」

榛名「分かりません。電ちゃんの話を聞いたら」

榛名「居てもたってもいられなくなったんです」

榛名「この問題を解決しなきゃって思って、体が勝手に……」

提督「……」

比叡「用意周到だったよね。あの場面であんなものを取り出すなんて」

榛名「温泉宿ですか。実はあれ、身に覚えがないんですよ」

比叡「へ?」

榛名「何とかしなきゃって思ったら、羽から出てきて」

榛名「それをそのまま使っただけです」

比叡「へぇー、そうなんだ」

提督「その羽、ますます気になるな」

提督「触って確かめてみてもいいか?」

榛名「!!」

榛名「だ、ダメです! 恥ずかしい!」スタタッ

比叡「あらら、また部屋の隅に座り込んじゃた」

提督「謎は深まるばかりだな」


↓2 その時、部屋を訪れた艦娘


ガチャ

初霜「失礼します! お取り込み中でしたか?」

提督「大丈夫だよ。どうした」

初霜「はい、実は……赤城さんと加賀さんが……」

比叡「食べ物をバクバク食べて食料が底を尽きそう?」

初霜「惜しいです。お正月だからって言って、色んなお料理をどんどん食べてたんですけど」

初霜「そのうちお腹が痛くなってしまったらしくて、その場からも動けないんです」

提督「自業自得だ」

初霜「そんなこと言わず、助けてあげてください」

初霜「お薬も飲んだんですけど、一向に良くならなくて」

比叡「お医者さんに診てもらった方がいいですよ」


榛名「待ってください」バサァ

提督・比叡「!?」


初霜「わあ、綺麗! 天使のコスプレですか?」

榛名「その悩み、私が何とかしましょう」

比叡「何とかできるの?」

榛名「ええ。そこへ連れて行ってもらえますか?」

初霜「了解です!」

スタスタ

比叡「また行っちゃいましたね。私たちも行きましょう」

提督「……」

比叡「提督?」

提督「ん? ああ」

提督(もしかして、榛名のあの羽は……)

――――

赤城「うぐぐ……」

加賀「ふ、不覚だわ……」

翔鶴「大丈夫ですか」スリスリ

瑞鶴「ったく、調子に乗ってオモチ5連食いとかやるからよ」

榛名「ここですか」スッ

翔鶴・瑞鶴「!?」

瑞鶴「び、ビックリした。榛名さんか」

翔鶴(一瞬天使かと思ったわ)

榛名「初霜ちゃんから聞きました。一航戦のお二人が食べ過ぎで苦しんでいると」

翔鶴「そうなんです。お薬は飲んだんですけど」

榛名「私が何とかしてみせます」スタスタ

瑞鶴「何とかって、どうするの?」

榛名「まずはお腹の調子を見ます」

榛名「大きく膨らんでますね……」スリスリ

榛名「八ヶ月ですね」

翔鶴・瑞鶴(妊娠!?)

加賀「じ、冗談はやめて……」

赤城「苦しい……むぅ……」

榛名「ごめんなさい。そうですね」モゾモゾ

榛名「この場合は、これです」ジャン

翔鶴「お薬ですか?」

瑞鶴「もう飲ませたけど」

榛名「これは中国から取り寄せた腹痛に効く漢方薬です」

榛名「抜群ですよ。これを十分後に飲ませてください」

赤城「今じゃダメですか……?」

榛名「はい、十分後です」

榛名「でないと漢方薬の効き目は望めません」

加賀「わ、分かったわ……」

榛名「では翔鶴さん、あとはお願いしますね」スッ

翔鶴「はい」

赤城「ま、待ってください」

加賀「榛名さん、私たちのためにありがとう」

榛名「いいんですよ」ニコッ

瑞鶴(天使の笑顔だ)

提督「……」

比叡「私たちが到着する前に解決しましたね」

提督「そうだな。で、また羽から物を出したな」

比叡「何なんでしょうねあれ。やっぱり明石や夕張の発明でしょうか」

提督「にしては凄すぎる。あいつらが四次元ポケットか何かを作ったのなら話は別だけど」

――――

榛名「……」

比叡「また隅っこに座っちゃいましたね」

提督「うん」

提督「……榛名?」

榛名「何ですか」

提督「その羽について分かったことがあるんだ」

提督「と言っても、あくまで俺の考察なんだけどな」

提督「誰かが困っていると、その羽が反応して」

提督「お前に悩みを解決するようにと伝達する」

提督「そして、それに突き動かされた榛名は悩みを聞いて」

提督「羽から出てきた、悩み解決のアイテムを授けると」

比叡「筋が通りますけど、誰がそんなことをさせてるんです?」

提督「さっぱり分からない。あとで明石と夕張に話を聞くけど」

提督「ところで、その羽取り外せないのか?」

榛名「はい。背中にぴったりくっついてるので」

提督「ちょっと見てもいい?」

榛名「!」

提督「ごめん、恥ずかしいんだよな。分かったよ」


↓2 その時、部屋に訪れた艦娘


ガチャ

古鷹「あの、提督いらっしゃいますか」

提督「古鷹か。俺に用か?」

古鷹「はい……あれ? 榛名さん、その羽どうしたんですか?」

比叡「あまり触れないであげて」

古鷹「は、はい」

古鷹「それで、その……ちょっと困ったことがあって」

提督「言ってくれ」

古鷹「明石さんと夕張さんが、貯金をはたいてロボットを作ったらしいんですけど」

古鷹「そのロボットが暴走してるんです」

比叡「それは大変です!!」

提督「全く、こんな急に色々起きるのは正月だからか?」


榛名「話は聞きました」バサァ

提督・比叡(きた)

古鷹「え?」

榛名「もう大丈夫です。私がそのロボットを鎮めましょう」

古鷹「はあ……」

提督「安心してくれ古鷹。今の榛名はどんな悩みも解決してくれるぞ」

比叡「ロボットのいるところへ案内して!」

古鷹「はい、こっちです」

提督(ちょうどよかった。榛名の羽について話を聞こう)

――――

ロボット『ピーーーーガガカ』

明石「落ち着いて明石ZZ!!」

夕張「違う!! あれは夕張DXだから!!」

明石「何よDXって、ダサい!!」

夕張「ZZだってパクリじゃん!!」

榛名「ケンカをしている場合ですか」

明石・夕張「!!」

明石「は、榛名さん?」

夕張「何ですその羽!?」

提督「お前ら、この羽を知らないのか」

明石「提督! 何のことですか?」

比叡「榛名の羽だよ。2人のどっちかがこっそり取り付けたりしてないの?」

夕張「知りません。私と明石はずっとあのロボットを作ってましたから」

ロボット『ピピーーーー、ガガガガ、ドウジョウ、ドウジョウスルナラ、カネヲクレ』

提督「また変なの作ったな」

明石「作ったはいいですけど、プログラムが上手くいかなくて」

夕張「このままじゃ鎮守府が破壊されちゃいます」

提督「そんな危険なものなのか!?」

夕張「自己防衛システムですよ。止めようと近づいたら攻撃されます」

榛名「問題ありません」スッ

明石「榛名さん!! 危険です!!」

榛名「大丈夫。榛名は大丈夫ですから」ニコッ

提督・比叡・明石・夕張(天使)キュン

榛名「このケースは……これですね」モゾモゾ

榛名「よいしょっ」ドスンッ

比叡「ドデカイ銃を取り出した!?」

明石「どうなってるんですあの羽!!」キラキラ

提督「こっちが知りたいよ……」

夕張「調べたい!!」

榛名「手短に説明しますと」

榛名「この銃を、故障やプログラムミスなどで不正に動いている機械に向かって撃てば」

榛名「全て復元&修正されて正常に動きます」

明石「めっちゃ欲しい!!」

夕張「いくら!?」

榛名「非売品です。はあっ」ドゥッ

シュルルルル

バンッ

ロボット『ピピ!? ガガガガ、プシューーーー……』

比叡「クリーンヒットした!」

提督「やったか!?」

ロボット『ビガガガガ……ガガ……』

ロボット『コ……コンニチハ。ワタシハ、アナタノシモベデス』

夕張「や、やった」

明石「やったあ! 正常に動いてる!」

提督「今下僕とか言わなかった?」

比叡「まともに動いても、ある意味ヤバいロボットですね……」

榛名「ん」ピクッ

提督「どうした榛名?」

榛名「な、なんだか……はぁ……」

榛名「体が、火照ってきました」モジモジ

提督「は?」

榛名「も、もう……らめぇ……!」

榛名「らめぇぇぇぇっ!!」

ポロッ

提督「羽が取れた!?」


キラキラキラ…

比叡「光りながら消えていきます!」

榛名「あ……あれ? もう何ともないです」

提督「本当か? 背中は大丈夫か?」

榛名「ちょっと見てもらえますか」クルッ

比叡「恥ずかしがってないし、異常も見当たらない」

提督「うん。元通りの榛名だな」

比叡「よかった! よかったよ榛名!」ギュッ

榛名「あはは、ご迷惑をおかけしました」

提督「でも……一体あれは何だったんだ?」

提督「結局正体は謎のままだ」

比叡「ですねぇ」

榛名「……いえ。あの羽がついていた榛名だからこそ」

榛名「何となく分かります」

榛名「あれはきっと、神様からの贈り物です」

榛名「きっと新年は色んなことが起こるから」

榛名「あなたが解決してあげなさいって、プレゼントしてくれたんです」

提督「神様って……そんなのいるわけ…」

比叡「でも、科学じゃ説明のつかない現象を目撃したじゃないですか」

提督「比叡、お前信じるのか?」

比叡「はい!」

榛名「信じるも信じないも提督次第ですよ」

提督「都市伝説みたいに言うなよ」


明石「比叡さん榛名さん! こっち来てください!」

夕張「ロボットの性能をお見せしますよー!」

榛名「呼ばれてますし、行きましょうか」

比叡「うん! 個人的にちょっと気になるし」

スタスタ

提督「……神様ね」

提督「そんなのいるとは思えないけどなぁ」

夕張「提督も、ロボットと触れ合いましょうよ!」

提督「ああ、今行くよ」

提督「また暴走しなきゃいいけど」

スタスタ

――――

???「……い……れ……」

???「……れい……」

比叡「……司令っ!!」

提督「!?」ビクッ

比叡「もー、話してる最中にうたた寝するなんて」

提督「え……あれ……ロボットは?」

比叡「ロボット?」

提督「明石と夕張が作ったロボットだよ」

比叡「完全に寝ぼけてますね……早く目を覚まして、話を聞いてください!」

比叡「榛名が変なんですよ!」

提督「榛名……?」

比叡「はい! どう変かっていうと」


↓2 榛名に起きたこと

今日はここまでにします
あと二回やって終わる予定です

比叡「摩耶っぽい喋り方になったんです!」

提督「……」

比叡「ぼーっとして、まだ寝ぼけてますね」

提督「ごめん、もう大丈夫だよ……それで」

提督「摩耶っぽい喋り方って、どんな感じなんだ」

比叡「どんな感じって、だから」

比叡「摩耶さまだぜ! とか。な! とか」

比叡「摩耶の口調をマネしてるんですよ」

提督「何で?」

比叡「それが分かってるならここに来てません!」

提督「ここに来たところでどうしようもないだろ」

提督「俺はそうなった原因を知らないし」

比叡「だから確かめて欲しいんですよ!」

提督「俺がか」

比叡「お願いします! 私が聞いても、しらを切るんです!」

提督「金剛や霧島は?」

比叡「本土へ買い物に出かけてます」

提督「……はぁ」

提督「仕方ないな。比叡の言ってることが本当なら」

提督「俺も調子が狂うと思うし。榛名はどこにいるんだ?」

比叡「防波堤のところで海を眺めてます」

――――

榛名「……」

提督「パッと見いつもと変わらないけど」ヒソヒソ

比叡「外見はいつも通りですけど、中身はおかしいですよ」ヒソヒソ

比叡「見ていてください。榛名!」

榛名「!」

榛名「おう、比叡お姉様か! また私に用があるのか?」

比叡「うん、ちょっとね」

提督「……」

比叡「提督、確認しましたよね。何とかしてください」

提督「何とかって……」

提督「ゴホン……榛名、最近の調子はどうだ」

榛名「絶好調だぜ!」

提督「そ、そうか。ところで」

提督「その話し方、どうしたんだ?」

榛名「……」

提督「いつもの榛名じゃないよな? なんか摩耶っぽいというか」

榛名「……」

比叡(私が聞いた時みたいに黙り込んじゃった)

提督「差し支えなければ教えてくれないかな」

榛名「……」


↓2 摩耶っぽい喋り方になった理由

榛名「最近流行ってると聞いたので」

提督「は?」

比叡「摩耶っぽい喋り方が? 初耳だけど」

提督「俺もだよ。誰に聞いたんだ?」

榛名「摩耶さんです……」

提督「本人!?」

榛名「はい。あたしの喋り方、今流行ってるから」

榛名「マネした方がいいぜ! って」

提督「何を考えてるんだあいつ」

比叡「謎ですね」

榛名「あ、あの……その様子を見ると」

榛名「もしかして、流行ってないんですか?」

比叡「さっきも言ったけど初耳だよ」

提督「まあ俺たちが知らないだけという可能性もあるけどな」

提督「本当か嘘か、ちょっと他の艦娘に聞き込みしてみるか」

比叡「そうですね」

榛名「私も一緒に行きます!」


↓1~3 艦娘3人


――――

提督「お、秋津洲。いいところに」

秋津洲「提督? どうしたの?」

提督「ふむ……喋り方は普通だな」

秋津洲「?」

比叡「司令、まずは説明をしないと」

提督「そうだな。ちょっと聞きたいんだけど」

提督「今鎮守府で摩耶っぽい喋り方が流行ってるって、知ってるか?」

秋津洲「知ってるけど」

提督・比叡「!!」

秋津洲「まああたしは使ってないけどね。ややこしいし」

榛名「やっぱり流行ってるじゃないですか!」プンプン

提督「お、落ち着け。秋津洲も摩耶から聞いただけかもしれない」

秋津洲「うん、摩耶さんから聞いたの! どうして流行ってるのかは聞かなかったけど」

比叡「やっぱり!」

榛名「秋津洲さんもですか……」

秋津洲「流行ってないの?」

提督「それを確かめてるんだよ。色んな艦娘に聞き込みをしてな」

比叡「司令、次の艦娘にも聞き込みしてみましょう!」

提督「ああ。それじゃ、ありがとう秋津洲」

スタスタ

秋津洲「……摩耶さんの喋り方か……」

秋津洲「よ! あたし秋津洲ってんだ、よろしくな!」

秋津洲「うーん、難しいかも」

――――

比叡「あ! 叢雲ちゃんがいますよ!」

榛名「早速質問してみましょう」

提督「叢雲、ちょっといいか?」

叢雲「んん? 何だ何だ3人揃って」

叢雲「この叢雲さまに何の用だ?」

提督・比叡・榛名「!!」

比叡「む、叢雲ちゃん……その喋り方……」

提督「摩耶を真似てる……?」

榛名「叢雲ちゃん、例えそういうのが流行っても恥ずかしがってやらなさそうなのに」

叢雲「んだとぉ! ケンカ売ってんのか!」

提督「叢雲、それは今鎮守府で流行ってる摩耶の真似をしてるってことでいいんだよな」

叢雲「おう!」

比叡「なんか性格まで寄せてないですか」

提督「……」

榛名「でも、これでハッキリしましたね。やっぱり流行ってるんですよ」

提督「……」

叢雲「な、何だよ司令官……あんま見つめんなよ……」

提督「ごめん。比叡、榛名、もう1人聞き込みしよう」

比叡「え?」

提督「あと1人だけだよ」

榛名「いいですけど」

比叡「いきなりごめんね叢雲ちゃん。ありがとう」

スタスタ

叢雲「……」

――――

榛名「次は誰に聞くんですか?」

提督「摩耶のモノマネをやらなそうな艦娘」

比叡「それって……」

提督「いた。山城だ」

山城「……」

比叡「なるほど。流行っててもやらなそうですね」

提督「おーい」

山城「!」


山城「よっ、提督! 比叡に榛名も、元気そうだなぁ!」

提督・比叡・榛名「!?」

提督「や、山城……お前本当に山城か!?」

比叡「疲れたような顔してない!! それどころかめっちゃ元気そう!!」

榛名「不幸オーラも感じません!!」

山城「いやー、摩耶の真似したら性格もつられちゃってさー」

山城「今鎮守府で流行ってるだろ? 提督たちも一度やってみたら?」

榛名「キャラ崩壊にもほどがあります……」

提督「……」

提督「比叡」

比叡「はい?」

提督「どうやら鎮守府に広まってるのは本当らしいけど」

提督「誰が広めたと思う?」

比叡「摩耶さんじゃないですか」

提督「それが有力だよな……」

榛名「困った顔してますけど、どうしましたか?」

提督「危惧してるんだよ、摩耶のモノマネについて」

提督「今の山城を見てみろ。外見はそのままだけど、中身は摩耶そっくりだ」

榛名「モノマネしてますからね」

提督「あれがずっと続いたらどうなると思う」

提督「山城のアイデンティティが消失してしまうだろ」

比叡「続かないでしょ。流行りはいつか廃れるんですし」

提督「そりゃそうだけど、今の山城を見ると不安なんだよ」

山城「今日もやってやるぜ!」グッ

比叡「……じゃあ、やめさせるように言いますか?」

提督「しばらく続くようならな。今はいい」

提督「なあ榛名、摩耶はどこにいるか知ってるか?」

榛名「え? いえ……自分の部屋にいるんじゃないですか」

提督「探してみるか。話がしたい」

比叡「何を話すんです?」

提督「本当に摩耶が広めたのかってことと、その理由についてだよ」

提督「意図的に広まったんじゃないならいいんだけどな」


――摩耶の部屋――


摩耶「うんうん! みんなあたしのモノマネしてくれてるな!」ヘヘ

摩耶「この調子でどんどん広めれば……」

コンコン

提督「摩耶、いるか?」

摩耶「ん? 提督か……開いてるから入ってくれ」

ガチャ

提督「お邪魔するぞ」

比叡「摩耶の部屋初めて入った」

榛名「女の子らしい可愛い部屋ですね」

摩耶「なんだ、比叡と榛名もいたのか」

提督「押しかけて申し訳ないな。お前に聞きたいことがあって来たんだ」

摩耶「もしかして、モノマネのことか?」

提督「話が早くて助かるよ。摩耶の喋り方を流行らせたのって、摩耶自身なのか」

摩耶「おう! 艦娘みんな真似してて驚いたろ?」フフン

比叡・榛名(当たってた)

提督「何で広めたんだ?」

摩耶「何でって……最近さ、みんなから覇気が無いじゃん」

榛名「覇気?」

摩耶「やってやろうって気持ちだよ! それが欠如してんだ!」

摩耶「だから何とかしたいって思って、明石さんに相談したら」

摩耶「みんなのやる気を出させる装置を作ってくれたんだ」

比叡「明石さんも一枚噛んでたの!?」

摩耶「うん。あたしの真似をすれば、自然とやる気が出てくるように設定したらしくて」

榛名「特殊な設定ですね……」

摩耶「効果を強めるには媒体を必要とするだの何だの小難しいこと言ってた」

摩耶「で、後はあたしがみんなに次々と話していけば」

摩耶「スイッチが入って、めでたくやる気が出るってわけだ!」

摩耶「どうだ、すごいだろ!」

提督「すごいけど……もう広めるのをやめてくれないか?」

摩耶「何で!?」

提督「お前がしてるのは洗脳の一種だよ。みんながみんなじゃ無くなってるんだ」

提督「それに、お前は覇気が無いと言うけどな」

提督「それは目に見えてないだけで、それぞれちゃんとやる気を持って日々を過ごしてるよ」

摩耶「そ、そう……なのか?」

提督「うん。例えばここにいる比叡や榛名だって」

比叡「いつもはお姉さまにベッタリですけど、やる時はやりますよ!」グッ

榛名「榛名もです!」ドヤッ

摩耶「……」

提督「みんな覇気が無いわけじゃないんだ。隠し持ってるんだよ」

摩耶「……なるほどな」

摩耶「能ある鷹は爪を隠すって言うもんな」

榛名(それとはちょっと違うような)

摩耶「分かった! 明石さんに装置を止めてもらうよ!」

摩耶「あと、あたしの真似もやめるよう言っておくから」

提督「いや、話を聞く限りだと装置を止めてもらうだけで充分だよ」

摩耶「そうか?」

比叡「っていうか、装置を止めたら自動的にモノマネも止まるんじゃないかな」

摩耶「あー! そっか! 頭いいなぁ比叡!」

比叡「えへへ」

榛名「榛名も一緒に明石さんのところへ行きます!」

提督「……」

提督(これで一件落着、か?)

――――

提督「摩耶の引き起こしたプチ騒動、収まったけども」

提督「未だに摩耶の真似をしてる艦娘がいるんだよな。そんなに引き込まれるものなんだろうか」

提督「……よ! 俺は提督ってんだ! よろしくな!」

比叡「提督がやると悟空っぽいですね」

提督「!?」

比叡「男性だからでしょうか」

提督「いたのか比叡……」

比叡「ついさっきからいました」

提督「い、今のは内密に頼む」

比叡「間宮アイス1ヶ月分」

提督「くっ、足元を見やがって……仕方ないな」

比叡「ありがとうございます! と、話は変わりますけど」

比叡「実はまた榛名がモノマネをし出したんですよ」

提督「何の?」

比叡「雪風です」

提督「雪風!?」

比叡「またモノマネの理由を聞いてもらえますか」

提督「全く……分かったよ。どこにいるんだ」

比叡「食堂です」

提督「はぁ……やれやれ……」スタスタ

――――

提督「やれやれ……zzz……仕方ない奴だ……」

比叡「司令ー。起きてますかー」

比叡「司令ー?」

提督「zzz」

比叡「……すぅー……」


比叡「わっ!!」

提督「んぐっ!?」ビクッ


提督「あれ……何で執務室にいるんだ……」

比叡「おはようございます」

提督「比叡……もしかして俺、また寝てたのか……」

比叡「またって何ですか。夢の中で夢を見てたんですか?」

提督「そうかもしれない」

比叡「よっぽどお疲れなんですね。ですが」

比叡「大変なことが起こってるんですよ」

提督「榛名絡みか」

比叡「おおすごい! 正解です! 実は……」


↓2 榛名に起きたこと

また明日に始めます
榛名じゃなく摩耶の話になってしまった

予定遅れすみません、今から再開します

提督「ちっちゃくなった?」

比叡「はい! 択捉型サイズになってます!」

提督「明石と夕張を呼んで来てくれ」

比叡「その2人を犯人にするのは早計ですよ。まずは様子を見てからでも遅くないでしょう」

提督「だってその2人くらいしかいないだろ……」

――――

榛名「あ、提督! 来てくださったんですね!」

提督「放っておくわけにはいかないだろ。てか本当にちっちゃいな」

比叡「ええ、改めて見るとちっちゃいです」

提督「でも中身は子供じゃないんだな」

榛名「榛名は榛名のままです!」ピョンピョン

比叡(可愛い)キュン

提督「本題に入るけど、いつからそうなったんだ?」

提督「あと原因は自分で分かるか?」

榛名「朝起きたらこうなってました。原因は……」

榛名「残念ながら分かりません」

提督「そうか……明石と夕張に何かされなかったか?」

榛名「あ、そういえば」

榛名「私、ちょっと風邪気味だったので薬を飲もうとしたんですけど」

榛名「手元に無くて。どうしようか悩んでいると」

榛名「夕張さんが『持ってるからあげる』と、部屋から持ってきたものを手渡ししてくれたんです」

提督「どうやらそれが原因っぽいな」

比叡「薬を飲まされて体が縮むってどこかで聞いたことありますね」

提督「よし、夕張のところに行こう。元に戻る薬か何かをもらうんだ」

比叡(もう犯人として扱ってる)

――――

夕張「ごめんなさい……風邪薬と間違えて渡してしまったみたいで……」

提督「もうお約束だな。元に戻れるのか?」

夕張「もちろんです。ただ、その方法がちょっと特殊で……」

比叡「特殊?」ギュウ

榛名「比叡お姉様、抱きしめるのやめてください」

比叡「ごめん、抱き心地がよくって」

提督「何でもいいよ、言ってくれ」

夕張「はい……榛名さんは子供薬というのを飲んでしまって」

夕張「飲むと名前の通り子供になっちゃうんですよ」

提督「中身はいつもの榛名だぞ?」

夕張「未完成品だったので、体だけ子供サイズになっちゃったみたいですね」

夕張「で、元に戻る方法なんですけど……誰かに甘えないといけないんです」

提督「甘える?」

夕張「はい。できれば榛名さんが1番好意を持ってる人がいいです」

夕張「甘えに甘えまくって、子供成分を発散すれば、いつもの体に戻りますよ」

比叡「一体どんなことかと身構えてたけど、簡単ですね!」

比叡「榛名、比叡お姉ちゃんに甘えていいんだよ?」

榛名「比叡お姉様のことは大好きですけど、1番好意を持ってる人ですよね」

比叡「あ、そっか。金剛お姉様がいるか」

提督「じゃあ早速ここに呼ぼう」

榛名「い、いえ……榛名の1番好きな人は……」

榛名「提督……だと思います……」カァァ

提督「俺?」

夕張「大胆な告白!」

榛名「あぅ……」

比叡「そっか。それなら司令、榛名をお願いします!」スッ

提督「子犬みたいに抱きかかえて渡そうとするな」

比叡「だってすごく軽いんですよ? ほら、抱いてみてください」

提督「だから子犬みたいに扱うなって」

榛名「て、提督……早速甘えさせていただきますけど」

榛名「榛名を抱っこしてください」モジモジ

提督「本当に俺でいいのか?」

榛名「はい!」

提督「分かった……おいで」

ギュッ

提督「あ、本当に軽い」

比叡「でしょう?」

榛名「……」ポッ

夕張「榛名さんも満足そうですね。その調子でお願いします」

夕張「もし甘えまくって元に戻らなかったら、私のところに来てくださいね」

提督「分かった」


――――

提督「榛名が甘えやすいように、比叡には一旦離れてもらった」

提督「これでいいのか?」

榛名「はい」

提督「まだ抱っこしてた方がいいかな」

榛名「はい、まだまだ甘え足りないので」

榛名「でも……欲を言うと、もっと違う方法で甘えたいです」

提督「違う方法?」

榛名「例えば……」


↓2 提督への甘え方・して欲しいこと(アイスを買ってもらう、一緒に遊ぶなど)


――――

提督「間宮アイスを一つ」

間宮「はい。あら? 榛名さん、見ないうちにずいぶん小さくなりましたね」

提督「色々あってな……」

榛名「あの、人が来ないうちにアイスを……」

間宮「あ、ごめんなさい。ちょっと待っててね」

スタスタ

提督「見られたくないか」

榛名「は、はい……恥ずかしいので」

提督「別にいいじゃないか。可愛いんだし」

榛名「か、可愛いですか?」

提督「うん、可愛い」

榛名「……」カァァ

榛名「い、いえ! それとこれとは話が違います!」

スタスタ

間宮「お待たせしました」スッ

提督「ありがとう」

提督「はい、お待ちかねのアイスだ」

榛名「……」

間宮「……」ジー

榛名「……」

提督「間宮。見られると恥ずかしがるから」

間宮「ふふ、ごめんなさい。あまりにも榛名さんが可愛いから、つい」ニコニコ

間宮「ごゆっくり」スタスタ

提督「これでいい? はい」スッ

榛名「すみません……ペロッ」

榛名「美味しいです! ペロペロ」

提督「それはよかった」

榛名「♪」ペロペロ

提督(何だろうこの気持ち。父親になったみたいだ)

提督「榛名ちゃん、おいしいかな?」

榛名「うん、パパ! とってもおいし……」

榛名「あ」

提督「パパとまで呼ばれるとは思わなかった」ハハハ

榛名「ち、違います! 今のは違うんです!」アタフタ

榛名「私も思ってもみなかったというか、薬に毒されてるみたいで……!」アタフタ

提督「アイスはもういらないのか?」

榛名「まだ食べる! じゃなくて食べます!」ペロペロ

提督「ふふ」

――――

榛名「……」ムスッ

提督「悪かったよ榛名。そんなにむくれなくてもいいじゃないか」

榛名「もう榛名を陥れるのはやめてくださいね」

提督(陥れるって……)

提督「分かった、約束する。まだ体は戻りそうにないか?」

榛名「はい。まだ甘える必要がありそうです」

提督「次は何をしたらいい?」


↓2 提督への甘え方・して欲しいこと

榛名「肩車して欲しいです」

提督「え? そんなのでいいのか?」

榛名「はい!」キラキラ

提督(目がこれでもかってくらい輝いてる)

提督「よし、一旦降りてくれ」

榛名「了解です!」スッ

提督「しゃがむから肩に乗って」

榛名「了解です!」スッ

提督「いくぞ……ほら!」

榛名「わー!」

提督「どうだ? 高いだろ」

榛名「うん、高い! すごい!」キャッ キャッ

提督(子供の反応だ)

提督「歩いてみよう」スタスタ

榛名「きゃー! 動いてる! すごい!」

提督(めちゃくちゃ楽しんでくれてるな)

提督(こっちもどんどんサービスしたくなってくる)

提督「」ピタッ

榛名「あれ? 提督、なんで止まっちゃうんですか?」

提督「ウィーン……ワタシハ、テイトクデハアリマセン」

榛名「!?」

提督「テイトクロボット、デス。アナタノ、シジドオリニ、ウゴキマス」

榛名「提督ロボ!? すごい!」キラキラ

榛名「え、えっと……じゃあ……前に進んでください!」

提督「ガシャン、ガチャン」スタスタ

榛名「進んでる! 右に曲がってください!」

提督「ミギホウコウヘ、イキマス」クルッ

スタスタ

榛名「次は左です!」

提督「ウィーン」クルッ

スタスタ

榛名「全速前進!」キャッ キャッ

提督「ガシャン、ガシャン」

榛名「いけいけー!」

――――

長門「ふぅ、あとはこの書類を提督に渡せば……」

コンコン

長門「提督、失礼する」ガチャ

提督・榛名「!!」

長門「……何をしてるんだ」

提督「こ、これは、その」

榛名「攻撃」

提督「え」

榛名「前方に敵を発見! 攻撃です!」

提督(う、嘘だろ!?)

長門(ん? 提督が肩に乗せているのは……榛名か?)

長門(にしては小さいような)

長門「……!」ピーン

提督(ここでガッカリさせたくはない。けど長門を攻撃なんてできないし)

提督「システムエラーデス。アレハ、テキデハ、アリマセン」

榛名「そ、そうなんですか」

長門「……」


長門「グオオオオオン!」

提督・榛名「!?」

長門「私は怪獣ナガトン!! 美味そうな人間がいるなぁ?」ジュルリ

長門「食べてやろうかぁ!! ははははは!!」

榛名「や、やっぱり敵じゃないですかぁ……!」ブルブル

提督(長門……お前……!)

提督「ゼンゲンテッカイ、シマス。アレハテキデス」

提督「コウゲキ、デキマス」

榛名「本当ですか? じゃあ、やっつけてください!」

提督「リョウカイ。テイトクロボ、ハッシン」スタスタ

長門「わはははは!」

榛名「やっつけろー!」

キャッ キャッ ワイワイ キャー


――――

長門「ぐはー! なんて強いロボットだ!」

長門「これは撤退するしかない! さらばだ!」

スタタタッ

榛名「やりました! 提督ロボ強いです!」

提督「トウゼンデス」

提督(すまない……そしてありがとう長門。今度飯を奢らせてくれ)

提督「さて、榛名。もうそろそろ降りてくれ」

榛名「えっ」

提督「提督ロボはまたの機会にやってあげるから」

榛名「分かりました……すごく楽しかったです!」

提督「そう言ってもらえると嬉しいよ」

提督「体は元に戻りそうか?」

榛名「あ……すっかり忘れてました」

榛名「まだ変化はないですね」

提督「そうか。じゃあまだ甘えないとな」

榛名「ありがとうございます……」


↓2 提督への甘え方・して欲しいこと

榛名「えっと……添い寝をお願いします……」

提督「いいよ。子供的に今の時間は昼寝タイムだろうしな」

榛名「榛名は子供じゃありません!」

提督「にしてはアイスや肩車ではしゃいでたけどなぁ」

榛名「だからあれは薬のせいです……」

――――

提督「さて、準備はオーケーだな」

榛名「……」ドキドキ

提督「何かした方がいいか? お腹をポンポンしたり、絵本を読んだり」

榛名「お腹ポンポンをお願いします」

提督「よし」ポン ポン

提督(てっきり『子供じゃないです!』と怒られるかと)

榛名「……」

提督「……」ポン ポン

榛名「……眠れそうにないです」

提督「だろうな。目がパッチリ開いてるし」

提督「やっぱり絵本でも読もうか」

榛名「それを選択したら負けな気がするので」

提督「何に負けるんだよ」

榛名「自分自身にです」

提督「そうか」

榛名「はい」

榛名「……あの」

提督「ん?」

榛名「頭を撫でてもらえませんか」

提督「こんな感じか」ナデナデ

榛名「はい……あ、これ……いいです……」

榛名「すごく、落ち着きます……」

榛名「……ん……」

榛名「……zzz……」

提督「……」ナデナデ

榛名「zzz……すぅ……zzz……すぅ……」

提督(速攻で寝たな)

提督(……こうやってみると、やっぱり可愛いな。もちろん元の榛名も可愛いけど)

提督(他の戦艦がこうして子供になったら、どんな感じなんだろうな)

提督(逆に駆逐艦が大人になった姿も見てみたい)

榛名「んぅ……zzz……」

提督「お休み榛名」

――――

提督「……zzz……ん……?」

提督「あれ……俺、いつの間に寝て……」

榛名「おはようございます」

提督「!」

提督「榛名……元に戻ったのか」

榛名「おかげ様で」

提督「そうか、よかったよ。でも」

提督「どうして俺を膝枕してるんだ」

榛名「私を甘えさせてくれた、せめてものお礼です」

提督「こんなことしなくてもいいのに……」スッ

榛名「あ、ダメです。しばらくこうさせてください」

榛名「私の甘えでもあるので」

提督「もう元に戻ったのに?」

榛名「いけませんか?」

提督「まあいいけど。もう眠くないぞ」

榛名「いいじゃないですか、眠らなくても。ただこうしてたいんです」ナデナデ

提督「……」

提督(金剛が見たら激怒するだろうな)

ガチャ

比叡「失礼しま……あ! 元に戻ってる!」

提督(開けてから声をかけるか普通)

榛名「お騒がせしました」ペコリ

比叡「いいんだよ、気にしないで!」

比叡「欲を言えば、もう少しちっちゃい榛名を堪能したかったけど」

榛名「もう、比叡お姉様ったら」クスクス

提督「……」グイッ

提督「痛てて……今度は夢じゃないみたいだな」ボソッ

榛名「え?」

比叡「何の話ですか?」

提督「こっちの話だよ」

提督「ところで、金剛はいつ帰って…」

ガチャ

金剛「ヘイ提督ぅ! ただいま出撃から帰って……」

金剛「!?」

提督・榛名「あ」

金剛「なななっ、何してるんデス榛名!? 提督に膝枕なんて……!!」

提督「待て金剛、これには訳が……!」

比叡「まあまあ、いいじゃないですか膝枕くらい」

榛名「そうです! お姉様はいつも提督の愛を受けていますし!」

榛名「ちょっとくらい許してください!」

金剛「むむ……」

霧島「ただいま戻りました……って、何が起きてるんですか」

提督「かくかくしかじか」

霧島「はぁ……それは厄介な事になりますね」

金剛「……」


金剛「確かにそうデスね」

榛名「?」

金剛「榛名の言うとおり、私はいつも提督に愛をもらっていマス」

金剛「夜な夜な激しく重なりあって、毎日が寝不足で」

提督「嘘をつくな嘘を」

金剛「でも、提督は私だけのものじゃないデスから」

金剛「榛名のため、みんなのために、しばらくは距離を置くことにしマス」

比叡「お、お姉さま……」

霧島「なんとお優しい」

金剛「ただし、やり過ぎだと感じたら即刻割って入りマスからね」

榛名「はい! ありがとうございます!」

金剛「いい返事デス……それでは提督、また!」

スタタタッ

比叡「ああ! お姉さま!」

霧島「去り際、泣いてましたね」

提督「目薬を指してるのが見えたんだけど」

榛名「……さてと」

榛名「お姉様にも許可をいただきましたし、提督?」

提督「え」

榛名「また甘えたくなってきちゃいました」

榛名「今日の夜、添い寝しましょう♡」

提督「いやいや……」

榛名「お部屋に行きますからね!」

提督「ダメだ!!」

榛名「恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか……」

榛名「とにかく、鍵がかかってても入りますから」

提督「怖いからやめてくれ!! 比叡、霧島、助けて…」

提督「あれ? いない!?」

榛名「2人は金剛お姉様を追いかけていきました」

榛名「覚悟してください」ニコニコ

提督「は、はは……」


提督(この夜、俺は、明石に作ってもらった厳重なドアをブチ破ってきた榛名に襲われ)

提督(翌日の朝にフラフラになるくらい体力を消耗したのだった)


おわり

やっつけですみませんでした
お付き合いありがとうございました

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom