LiPPSとアインフェリアが生存本能ヴァルキュリアの世界を生き抜いたようです (650)

・このスレは奈緒が生存本能ヴァルキュリアの世界で何やかんやした続き物の最後です。今回で11スレ目くらいです。
>>1はデレステをプレイしながら進行するので途中進行が止まる場合があります。モバマスもやります。ミリシタもやります。
・一部アイドルの口から軽度な下ネタくらいは出てきます。
・明るく元気なお話になればいいなと思ってます。



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1513764937

――戦闘宙域


『GNS-041小隊、反応ありません! S-03、後続のNGF部隊は!!』

『た、隊長……うわああああっ!?』

ドガアアアアアアンッ!!



ピピピピピッ!


愛梨「蘭子ちゃん! 機体のシステム起動限界が……!」

蘭子「このままでは……!」

ズドォンッ!!

蘭子「っ!?」


ドガアアアアアアンッ!!


……
…………

――フレイヤ(ブリッジ)


ピーッ!!



美優「そ、そんな……FFの反応が……」

楓「愛梨ちゃん……蘭子ちゃん……アインフェリアは!!」

ピピピピッ!!

美優「まだシステムの効果が……待ってください、クイーンの反応が……!」

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

楓「避けられ――」


……
…………

――戦闘宙域

ピーッ!!

P「フレイヤ!? フレイが盾に……桃華たちの反応が……くっ!」

ガションッ!! カタカタカタカタッ! ピッピッピッピッ!!

『―Hyper Maneuver Mode Migration―』

P「貴様等あああああああ!!」ギュオオオオオオッ!!


――キィィィィン!!


P「ぐっ!?」


――キィィィィン!!


P「あ、がっ、あああああ!! ま、また、この声が……あ、頭が……」

ズドォンッ!!

P「お、俺は……こ、この、声は……みん、な――」

ドガアアアアアアアンッ!!


加蓮「Pさん! ナオ!!」


……
…………

――フレイヤ(通路)

美嘉「アンタが……アンタたちさえ、いなかったら……!」

フレデリカ「違う……違うの、美嘉ちゃん……アタシは……アタシたちは……ただ、生きて……」

美嘉「アンタたちさえいなかったら!」

周子「アカン! 美嘉――」

美嘉「死ねええええええ!!」

パァンッ!

ドサッ!


フレデリカ「……」

美嘉「アタシは……アタシたちは、アンタたちに……あ、ああああああ……」


……
…………


――どう、して……。


『S-01! 残存部隊を回収して後退だ! フレイヤの防衛が崩された現状、プランV3が成り立たん!!』

『前線の各部隊、G型を牽制しつつ後退! ノルン及び各強襲艦隊は粒子減衰ミサイルを全戦闘宙域に発射!!』

『動けるNGF、強襲艦は後退するノルンの援護に回れ。クイーンの粒子砲はノルンからのアルヴァルディで阻害する!』



――どう、して……お前たちは……。



『クイーンからの粒子砲、再び来ます!』

『回避だ、イージス展開! 各員衝撃に――』



……
…………



女王「……」


『……イージス…………衝撃に……』ザザザッ!


ナオ「どうして……お前たちは……あたしたち、を……」ハァ、ハァ……

バチッ、バチバチッ……!

女王「……」

ナオ「お互いに、生きていくことだって、できた……のに……」

女王「……」

ギ、ギギギ……ギギギギ……!!

ナオ「こんな、こんな……ことを……」ハァ……ハァ……

バキッ! バキバキッ!


ナオ「な……お……」


バゴンッ!!


……
…………
………………
……………………



『感じる……』


『プロデューサーさんが……私たちのそばに……』


『私たちの心が、プロデューサーさんと一緒になっている……』


『もう、本当に何も怖くない……ただ、歌うことだけに、私たちの全部を乗せて……』


『みんなに届いて……私たちの思い……!!』



――5年前、対話の日と呼ばれるその日、アインフェリア隊が外宇宙からの来訪者、キラー・ビーに対して意思疎通を成功させた。



『……聞こえるか、クイーン! アインフェリアの……みんなの歌が!』


『あたしたちは生きている! ビーも一緒に……あたしたちは戦いたくない。戦う必要なんてない……』


『お互いに、生きていけるんだ。それぞれのいるべき場所で!』



――2年前、ビーたちの女王との邂逅により、長い間続いた争いが終わった。終わったかと、思われた。




――消えたはずの脅威が……再び人類の前に姿を見せた。それは、終わりへと続く、最後の戦いの始まりだった。


――土星圏宙域、フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「フィールドジェネレーター起動。次元振動、及び次元断層の発生は確認されません」

ありす「レーダー索敵結果のスティング……もといGS型は6匹です。索敵結果をNGFに転送します」

ありす「複合ミサイル発射管の1番から20番にアルヴァルディを装填。主砲ティルウィング1番、2番の発射準備開始」

ありす「戦闘準備完了、GS型との距離は3000です。ニュージェネレーション隊、出撃してください」


凛『はい!』

卯月『頑張ります!』

未央『NGF-VSTG19S、NGFヴァルキュリアで出撃します!』


ありす「アルヴァルディを射出します。着弾確認後、戦闘を開始してください」


未央『了解です! 2人とも、コンビネーションマニューバはY03で行くよ!』


……
…………

――木星圏宙域中継コロニー『ナシヤマ』、軍病院(診察室)

「ゾーニング現象については、前回の検査からフラッシュバックも起きていない……でしたか」

P「はい。その前からも……ここ数ヶ月は大分落ち着いています」

「ふむ……バイタル値の変動も収まってきています。時期としては……そうですね、リハビリプログラムのNGF操縦訓練が始まった頃でしょうか」

P「そうですね。オート・クレールの仕事の都合もあって、自社のほうでやらせて頂いてますが」

「となれば……変動値の振れ幅も小さくなっていますし、ほぼ治療プログラムは完了したといっても良いでしょう」

「残っているリハビリプログラムは続けて、抑制剤の投与だけは忘れないでください」

夕美「先生、それじゃあ……!」

「はい、今週末に退院でよろしいです。正直な話をすると、私も参ってしまうほどの状態でしたが……2年間、頑張りましたね」

P「先生……いえ、先生たちや、みなさんのご協力があったからここまで回復することが出来ました。ありがとうございます」

「流石というべきでしょうか。何はともあれ嬉しい限りです。今日は検査も長かったので、退院に際しての手続きはまた別途、お話しましょう」

夕美「ありがとうございます。それじゃあ、今日は失礼します」

P「ありがとうございます。明日もよろしくお願いします」

……
…………

――軍病院(隔離病室)

夕美「本当によかった……これで、またみんなで一緒にいられる……」

P「長い間、皆にも迷惑を掛けてしまったな。夕美も、今日の仕事を休んでもらって悪かった」

夕美「ううん。楓さんや美優さんのところじゃないし、ビーのみんなが融通利かせてくれたから、全然大丈夫だよ」

夕美「I@LPも今日はスケジュール入ってないし、1日ずっとPさんの傍にいられるから……」

ギュッ……

夕美「よかった……本当、に……」

P「ああ、どうにか間に合ってよかった。これなら……」

夕美「……」

P「……夕美?」

夕美「あ……ご、ごめんなさい。そうそう! 愛梨ちゃんと蘭子ちゃん、次にこっちに来るの、今週末なんだって!」

P「そうか、丁度良いな。退院と合わせて、また2人にはシミュレーターの起動を頼んでおこうか」

夕美「そうだ、みんなにも連絡しておかないと……Pさんは、今週末退院になったよ……っと」ピピッ!

P「おいおい、まだ退院手続きもしていないだろう? それに、前からリハビリプログラムも始まって会社にも顔を出していたんだし、今更だ」

夕美「いいの。みんな、Pさんのこと心配してたんだから。今までだって……」

P「……今回、入院することになったのが俺だけでよかった。そうでなければ、あの戦いの意味もなかったからな」

夕美「でも……私たちのゾーニング現象を、全部Pさんが負担したから、Pさんは……」

P「それでいい。夕美を……皆を守ることが、俺の仕事だ。これまでも……これからも、それは変わらない」

夕美「……Pさん」スッ……

P「どうした、夕――」

夕美「んっ……ちゅっ、んん……んふっ……」

P「ん……いきなりだな。どうした?」

夕美「退院したら……2人きりになる時間も減っちゃうかなって。私だけじゃなくて、みんなも同じだけど」

P「そうだな」

夕美「だから……2人きりでいる今のうちに……セックス、しよ?」

P「……ああ、おいで」


……
…………

――――ナシヤマ、オート・クレール社工場(オフィス)

晶葉「そうか、丁度ホクドウに着いたところだったか。悪いな整備長、馬鹿デカい荷物まで運んでもらって」

整備長『いやいや、俺も早くフレイヤに戻らねぇと、嬢ちゃんたちのことも心配だし、それにせっかく用意したモンも持って行ってやらねぇと』

晶葉「開発中のとっておきの3機だが、やはり搭載させるヴァルキュリアシステムの完成度を上げてこそだ。最後の運用テストとデータ収集になるだろうし、後少しだ」

晶葉「こちらの都合で土星圏と木星圏を何度も往復させてしまってすまないが、フレイヤに来る新顔と、ありす達の分も合わせてテスト機の運用は頼むぞ」

整備長『へいっ、任せてくだせぇ』


パシュンッ!


楓「失礼します……あら、晶葉ちゃん、整備長と通信ですか?」

晶葉「丁度ホクドウに着いたらしくてな、状況を聞いていたところだ」

整備長『おお楓中佐、今日は軍のほうじゃないんですかい?』

楓「長距離航行プランの会議が午前だけだったので、時間も空いたからこっちに来ちゃいました」


整備長『時期が悪くなっちまったが、そっちもそろそろかぁ……そういや、少佐の旦那から連絡ありましたよ。今週末退院だって』

楓「え?」

晶葉「なんだと、聞いていないぞ」

整備長『ありゃ、そうだったんですかい。俺はさっきメールもらったんだけどなぁ……』

晶葉「あいつ、一番先に連絡する相手は整備長なのか……」

楓「あらあら……いけませんねPさんは。後で病院に行って、おしおきが必要かも……しれませんね?」

整備長『いやいやいや、何もそんな……』

楓「冗談です。あ……私のほうも、夕美ちゃんからメール来てましたね。気づきませんでした」

晶葉「まあ、私が言うのも違うだろうが、もうしばらくの間はありすと2人で頼むぞ」

整備長『了解。それじゃ、本部に顔出す用事もあるんで』

晶葉「気を付けろよ」

ピッ!

晶葉「ふぅ……」

楓「新システムのテスト機のお話ですか?」

晶葉「ああ、今度の新型に積む予定の奴だ。ニュージェネには先行してテスト機は渡して、次元跳躍のテストと並行稼働させている。システム部分については開発が一部追いついていなかったから、少し遅れていたがな」

楓「新システム、一般機のNGF用に作ったヴァルキュリアシステムのデータで、ようやく開発も進みましたからね」

晶葉「そうだな。一般機用に落とし込んだシステムも、ようやくゾーニング現象を抑制することが出来て実装することが出来た」

晶葉「プロジェクト・ヴァルキュリアのメンバーに関しては、その先があるからゾーニング現象を抑えきることは出来ないが……」

楓「単純に戦力の為のシステムであれば、一般機向けのシステム改修でいいと思います。でも、あの子たちには、あの子たちにしか出来ない仕事がありますから」カタカタカタッ!

ピピッ!

晶葉「……とはいえ、これまでのテスト結果からも、フラッシュバックの頻度は以前と比べて相当抑えることが出来ているはずだ」

晶葉「そうでなければ、ニュージェネもフレイの部隊も助手が不在の現状、持たなかっただろう」

楓「そう……ですね」

晶葉「さて、と……すまんが現場のほうに行ってくる。明日の次元跳躍の打合せに使うデータを集計したくてな」

楓「あら、大変ですね」

晶葉「助手のこともあるし、楓は軍本部からの帰りだし仕事を残してないなら定時で上がっていいぞ」

楓「そうですか? それじゃあ早めに上がらせてもらいますね」

……
…………

――土星圏、戦闘宙域

未央「あと2匹! しまむー!」

卯月『はい! ビフロストで飛行ルートを制限します! 凛ちゃん、予測データです!』ピピッ!

ドガガガガガガガァンッ!!

GS型「!!」ギュンッ!

凛『そこ! サーベル……やああああっ!!』ブォンッ!

シュパアアアアンッ!!

未央「最後の1匹! 逃がさないよ、ダインスレイヴ!」ズドォンッ!

ドガアアアアアアンッ!!


ピピッ!


ありす『宙域のGS型、すべて撃破……コンディショングリーンです。お疲れさまです』

未央「追加でやってきそうな反応もないし……うん、とりあえず終わりだね」

卯月『はぁ……終わりましたぁ』

凛『ありす大尉、フィールドジェネレーターは?』

ありす『……反応無しです。戦闘中であればもしかしたら、と思いましたが』

卯月『やっぱり、ホクドウで待機していた時に観測されたものって、偶然なんでしょうか?』

ありす『いえ、ここ1年弱の間で再びGS型、及びG型が土星圏宙域付近に出現するようになったのと併せて、次元振動の観測頻度も増えてきています』

ありす『空間転移現象については未だ確認出来ていませんので、設置されている干渉装置自体は効いているとは思いますが……時間の問題です』

未央「やっぱり、白い奴らも何か動き出したってことですよね? 長距離航行プランがようやく始まるっていうところで……」

ありす『仕方がありません。どの道、私たちがクイーンに会いに行くときには戦闘を行う想定だったんですから。それが少し早まっただけです』

凛『それだけで済むならいいけど……とりあえず、帰艦します』


……
…………

――フレイヤ級小型強襲揚陸戦艦『フレイヤⅡ』(ブリッジ)

パシュンッ!

未央「次のヴァルキュリアシステムの新型、Pさん用のなんだよね?」

凛「そう聞いてるけどね。それとナオの分の機体も。私たちのほうで収集したテストデータもフィードバックして、整備長が持ってくる新しいヤツに移行するみたいだけど」


ありす「お疲れ様です。みなさん、良いマニューバでしたよ」フワッ


卯月「あっ、ありすちゃん! えへへ、褒められちゃいました!」

ありす「島村少尉、まだ勤務中です。上官に対する口の利き方がなっていませんよ」

卯月「あう……す、すみません……」

ありす「まあ、艦制御もオートメーション機能に移行しましたので、休憩に入りますからね。今なら構いませんけど」

卯月「だったら怒らないでくださいよぉ……」

未央「まあまあ、家にいるときじゃないんだからさ、任務中は切り替えないと」

凛「そうだ大尉、今回の戦闘の私たちのマニューバ、何か指摘とかありますか?」

ありす「後で映像記録は見直しますけど、大分良くなったと思いますよ。これならS-02に行っても戦力になると思います」

未央「はぁー、ホクドウに戻って、整備長から新しい機体を受け取って新入りとちょっと戯れたら移動かぁ……ちょっと寂しいかも」

ありす「仕方がありません。土星圏外ではここよりも白い奴らが発見されていますし、戦闘機会も格段に増えてきています」

ありす「フレイのほうも運用体系を変更して一時的にS-02預かりにしましたし、それでも人手が足りていないみたいですから」

凛「そうだね。土星圏も少し前の木星圏くらいに落ち着いたけど、それよりも外は以前と同じくらいの戦闘規模になってきているし」

卯月「どうなっているんでしょうか……せっかく、あの時の戦闘でみんな頑張ったのに……」

未央「まあ、私たちだけで考えても仕方ないよ。Pさんが離脱して、アインフェリアも運用凍結状態になっちゃったし……」

ありす「Pさんが動けないとなると、美波さんたちがフラッシュバックを起こした場合の対応が困難ですから、仕方がありません」

凛「一時期は本当に大変だったからね……私たちも、避妊治療は受けてたけど妊娠するかと……まあ、あの時期に孕まなかったナオは奇跡だったけど」

卯月「でも、美波さんたちもPさんと一緒にいられて嬉しがってましたよね? 私もPさんと一緒がよかったんですけど……」

ありす「あの人たち、今でもPさんがフラッシュバックを起こすのを期待してますからね……信じられませんよ」

未央「まあいつも通りのアインフェリア隊ってことで」

ありす「私をそこに混ぜないでください」

未央「おっと失礼」


凛「同じ部隊なのに……あ、そうだ大尉、ミーミルを使ってもいいですか?」

ありす「いいですよ。何か調べものですか?」

凛「私たちと入れ替えでフレイヤに来るメンバー、確認しておこうかと思って」

未央「ホクドウ着いたら受け入れだもんね。最初だけは私たちのほうで色々教えておかないと」

凛「加蓮とナオも入れ替えでこっちに戻ってくるから、運用テストはそっちに引き継ぐけど……」カタカタカタッ!

ピピッ!

凛「あった。こっちに来るの、この3人だよね。あとはおまけの2人も」

卯月「この人とこっちの人、軍の入隊時期は私たちと同期なんですね……スコアいいなぁ……」

ありす「選定した大佐が言うには、ヴァルキュリアシステムの適性としては貴方達のほうが上みたいですけどね。技術的な面では新しい方々のほうが良いみたいですけど」

未央「うーん、複雑……しぶりん、他のデータ見せてよ」

凛「ちょっと待ってよ。えーっと……」


……
…………

――土星圏外宙域、CG-346ノルン級大型宇宙戦艦『ノルンS-02』(艦長室)

時子「ラピッドストライカー隊の体制についての詳細は以上。後は向こうで上手くやりなさい」

ナオ「了解です」

加蓮「あれ、でも菜々さんは?」

菜々「ナナは智絵里ちゃんとしばらく一緒ですので」

智絵里「コンコルディア隊とラピッドストライカー隊は、ニュージェネレーション隊と一時的に統合して……加蓮ちゃんたちが、戻ってきたら……また再編成、ですよね?」

時子「そうね。菜々が黒川重工から預かってる機体の運用テストもあるから、出撃編成は考える必要があるけれど……まったく、いつまでも向こうの小間使いな部隊ね」

菜々「まーそれがラピッドストライカー隊ですからねぇ。リアルロボットの中にスーパーロボットが混じるのも結構大変でして……」

時子「どうでもいい」

菜々「あ、はい」

ナオ「菜々さんも一緒に来れたらよかったんだけどな。こればっかりは仕方がないか……」

菜々「どんなに遅くても、長距離航行のタイミングで合流ですけどね。そういえば時子さん、S-01の子は先にフレイヤに向かうんですよね?」

時子「今回の補給部隊の帰艦に合わせて先行する予定よ。貴方達は、さっさと引継ぎを済ませてフレイヤに行きなさい」

ナオ「やること多いからなぁ……凛たちがこっちに来た時に面倒にならないようにしておかないと」

加蓮「ま、そこは先輩的にもしっかりやっておかないとね」

……
…………

――ノルンS-02(通路)

菜々「あ、ちょっと格納庫行ってきますね。前回戦闘で収集したウサミンロボのシステムログ、出しておきませんと」

ナオ「何か手伝うか?」

菜々「すぐ終わりますから、先にお部屋に戻って待機してていいですよ」フワッ



加蓮「……まあ、菜々さんのARGTは色々面倒くさいし、先に戻ってよっか」

ナオ「そうだな……」

加蓮「待機時間なら食堂でも行こうかなー。でも次の出撃編成に入ってるし……」

ナオ「なあ、加蓮」

加蓮「ん、何?」

ナオ「残念だったな。凛たちと一緒に任務できなくて、入れ替わりになったしさ」

加蓮「別に、ニュージェネならもう3人でも十分やっていけるでしょ? それに、ナシヤマに帰るときはみんな一緒だし」

ナオ「まあな。別件で木星圏まで戻るタイミングでもないと、会う機会は減ったけど……今はフレイもこっちにいるし、大丈夫か」

加蓮「そうそう。いつまでも新人じゃないんだからさ。それに……」スッ……

ナオ「……なんだよ」

加蓮「私には、ナオがいるもん」ギュッ……

ナオ「は、恥ずかしいこと言うなよなぁ……」

加蓮「私は恥ずかしくないもん。ナオは、恥ずかしい?」

ナオ「そ、そりゃあ……通路だし誰かに見られたら恥ずかしいけど……」


加蓮「……私ね。今でも思うんだ」


加蓮「また、こうしてナオと一緒にいられること。色んな奇跡が積み重なって、奈緒が私たちを助けてくれて……だから、またこうしていられる」

加蓮「もっともっと……奈緒にはたくさん、ありがとうって言いたかった。私を守ってくれて、こうしてまた、ナオと出会わせてくれて……」

ナオ「……そっか」

加蓮「奈緒……元気かな?」

ナオ「きっと、元気だよ。あっちの世界は平和なんだ。平和で……平和だから、アイツが自分の世界に戻ることが出来て、良かった」

加蓮「……そうだね」

ナオ「後は、あたしたちの仕事だ。この世界でやるべきこと……全部、全部終わったら……」

加蓮「奈緒に……また会えるかな? 次元跳躍のテストも、ニュージェネが進めてるし」

ナオ「会えるといいな。今度は……平和な世界で」

……
…………

――ノルンS-01(格納庫)

「速水少尉! 補給部隊の回収物資、全部積み込みが終わったんで3NXもモリアン艦に移動させてください!」

奏「ええ、分かったわ。オプション兵装、装備したままだけどこのまま移動させていいのよね?」

「はい、装備したままでオッケーです」

奏「ホクドウに戻るまでの護衛部隊の編成、モリアンに入ってからもらえばいいのかしら?」

「隊のほうで連絡されていなければ向こうで通知されると思います。ヴェールも1隻戻るので護衛はそっちがメインになると思いますが」

奏「そう、ありがとう。あら……?」ピピッ!

奏「端末に通知……神谷少尉と北条少尉、後から来ることになったのね」


奏「国際連合防衛本部宇宙軌道防衛軍所属、第6防衛隊……新しい配属先。まあ、なるようになる、かしらね」


……
…………

というわけで今日はこれで終わります。
今回は奈緒編の時期くらいのノリでスレを進めたいと思います。


初っ端がとても明るく元気なお話ではないんですが大丈夫なんですかね…

ありすは特別大尉→中尉→大尉に昇進したのかな?

>>28
詐欺にはならないんじゃないかなーと思っています


>>30
主要メンバー全員不在になったので中尉昇進後に艦運用権限付与の為特別大尉→美波が戻ってきたので中尉に→結局みんな不在になったので正式に昇進

の経緯です

――数日後、フレイヤⅡ(艦長室)

ありす「そうですか。Pさん、ようやく退院ですか」

文香『はい……今週末だそうで……私も、先ほど夕美さんからお聞きしました』

ありす「よかった……お祝いもしたいですし、どこかで都合付けてナシヤマに戻りたいですね」

文香『Pさんも、またありすちゃんや、ニュージェネレーションの3人とお会いできるなら……とても喜ぶと思います』

ありす「そういえば、そちらはI@LP、どこまで進みましたか? 通しまで出来ているのであれば、映像データを送ってもらえればこちらも合わせることができるんですけど」

文香『昨日……一通りの記録は取り終わったので、後で転送しておきますね』

ありす「ありがとうございます。私はフレイヤにいるので、やっぱりみなさんと一緒に練習できないのは大変ですね」

文香『申し訳、ありません……私も、できればありすちゃんと一緒に、フレイヤに戻りたいとは、思っていましたが……』

ありす「仕方がありません。Pさんも含めて、みなさんはフラッシュバックの危険性も残っていましたから」

ありす「あの時の戦闘、対話の日とは違ってPさんが私たち全員の負荷を受けてくださったおかげで、耐性持ちの私や愛梨さんは早くに復帰できましたが、こればかりはどうしようもないと思います」

ありす「それに……私は、帰ったらPさんにたくさん甘えようと、思っていますから」

文香『……そう、でしたか。それでしたら……Pさんには、ありすちゃんから送られてくるI@LPの記録は……しっかりと見て頂くよう、お話しておきます』

ありす「べ、別にそんなことしなくても……あの人も、後遺症でNGFに乗るのが困難になって、暇な時間が出来てようやく私たちのアイドル活動も見てくれるようになりましたね」

文香『喜ばしい……と言いますか……ですが、そうなってしまった経緯を思うと、素直には……喜ぶことが出来ませんね』

ありす「……」

文香『……』

ありす「私たちは、いつも助けられてばかりです。だから……最後は、私たちが……私たちの本来の役目を、果たしましょう」

文香『……はい。私たちも、なるべく早く仕上げて……そちらに戻ります。それまでは……よろしくお願いします』

ありす「今回のみなさんは、実質的にはプランV3の準備の為にナシヤマに残っていますし、それほど心配はしていません。私は待っていますから」

文香『はい……ニュージェネレーションのみなさんや、加蓮さん、ナオさんにもよろしくと……それでは』

ピッ!

ありす「……よかった。Pさん」

ピピピッ!

ありす「ん……はい、どうしましたか?」ピッ!

卯月『ありす大尉、ホクドウの入港手続き完了しました! コードも発行されたので、各班から来てる補給物資の申請リストも出しておきますね』

ありす「わかりました。整備班には、整備長が合流したときの準備もしておくようにと連絡しておいてください」

卯月『はい!』

ありす「あと良いお話を1つ。Pさん、近いうちに退院するそうですよ」

卯月『ホントですか!? 凛ちゃーん! 未央ちゃーん! Pさん退院するみたいですよ!』

未央『おお! 吉報だねぇ!』

凛『よかった……これで、みんな揃うんだね』

ありす「他のメンバーとの合流はまだ先ですけどね。まあ、どこかでナシヤマに戻る用事を作って、家に戻ってもいいかもしれませんね」

……
…………

――数日後、土星圏宙域コロニー『ホクドウ』入港口、フレイヤⅡ(ブリッジ)

凛「フレイヤを港のアームに固定しました。入港作業終わります。搬入口を開けて、整備班の作業を開始させます」

ありす「それではフレイヤの整備作業についても予定通り実施とします。ニュージェネレーション隊は1時間後に本部に向かいます。外出準備をしてください」

未央「はーい……およ?」ピピピッ!

ありす「未央さん? どうしましたか?」

未央「おおっ! ありす大尉!」


……
…………

――ホクドウ(入港口)

整備長「よーお前らー! 元気だったかー?」

未央「整備長! お待たせー!」

卯月「お疲れ様です!」

整備長「待ったも待った。暇過ぎて酒飲む金も使い切っちまったよ」

凛「またそんなこと言って……整備長、新システムは?」

整備長「VSTGに積み替える分は持ってきたぜー。コックピットブロックの換装作業、やっとくからよ」

ありす「お疲れ様です。新型のほうはどうしますか?」

整備長「基本設定は美波の嬢ちゃんにやってもらったからよ、残りは新入りが来たらやらせりゃいいだろ」

ありす「そうですね。換装用のコックピットと、新型3機の搬入作業、お願いします」

整備長「へい了解! そっちはどうすんだ?」

ありす「1時間後に新入りの受け入れの為に本部へ向かいます。全員揃っているはずですから」

整備長「新入り3人ねぇ……ようやくフレイヤも人が増えたっつーか」

ありす「アインフェリア隊と愛梨さん、蘭子さんが常駐できれば人数的には問題ないんですけどね」

ありす「ただ、プランV3のことも考慮すると今の体制では賄いきれませんし、人員を増やすしかありません」

整備長「まあ、フレイヤに来るってことはよ……」

ありす「……はい」

卯月「またPさんのおちんぽ狂いになっちゃう人が……」

凛「いや大丈夫でしょ……私たちが使ってたときのシステムから改修が入ってるんだし、そこまで酷くはならないとは思うけど」

未央「まあでも、好きだよねそういうの」

ありす「貴方達……美波さんじゃないんですから外でそんな話をしないでください」

……
…………

――ホクドウ、軍本部(会議室)

ありす「直接顔を合わせるのは初めてになりますので、改めて互いに自己紹介をしましょうか」

ありす「私はプロジェクトV……正式にはプロジェクト・ヴァルキュリアの運用艦であるフレイヤⅡの艦長代理、橘ありす大尉です。今後の貴方達の上官になりますので、よろしくお願いします」

ありす「あとは……こちらの3人は、もしかしたら何度かI@LPで顔を見る機会があったかもしれません。ニュージェネレーション隊です」

卯月「島村卯月少尉です! よろしくお願いします!」

凛「渋谷凛少尉です。よろしく」

未央「本田未央少尉です! 私たちは別件があって長く一緒にいれないけど、短い間でもよろしくね!」

奏「S-02から来ました。速水奏少尉……です」

美嘉「城ヶ崎美嘉少尉です」

周子「えーっと、塩見周子少尉です。よろしくお願いしまーす」

ありす「お互いに少し硬いですね。私と塩見少尉以外、入隊時期は同期になりますし、広報のアイドルでもありますので、もっと気楽で構いませんよ」

未央「と、いうわけでヨロシク!」

凛「他所だともう少ししっかりしなきゃいけないけど、ここは相当緩いから、仲良くやっていこうか」

卯月「色んなところが緩いですからね」

奏「あら……それじゃあ遠慮なく。よろしく」

周子「それじゃーあたしも、そこそこ適当にさせてもらおっかなー。よろシューコ、ってね」

卯月「はい! えーっと……美嘉、さん? 美嘉……ちゃんは?」

美嘉「……ん、それじゃみんなアイドルならアイドルらしく、やってこっか。ヨロシク★」

ありす「まあ、うちはこれくらいでいいですかね。この後少し、絶望を覚えるようなお話をもしなければなりませんし」

奏「何の話……ですか?」

ありす「詳しい話は艦に戻ってからしますが、本プロジェクトの詳細は一部を除きアルヴィスの秘匿階層レベルの情報になります」

ありす「プロジェクト遂行にあたっての試作機、試作兵装の運用テスト、それらの作戦への導入実施が行われます。また、既に全体に展開されているプランV3の件」

ありす「対話の日に実施されたプランV、クイーンとの対話を行ったプランV2も合わせて私たちの部隊の任務となっています」

ありす「プランV3の作戦詳細や貴方達のポジションについては別途お話します。長距離航行プランにおいて重要な立ち位置となっていますので、活躍を期待しています」

「「「はい」」」

……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(会議室)

ありす「以上が、プロジェクト・ヴァルキュリアの全体概要となります。各項目についての詳細は、端末に転送している資料を参照してください」

奏「3NXや4Nに搭載されているGNブースト……ここで運用されていたヴァルキュリアシステムっていうのが……」

ありす「はい。ヴァルキュリアシステムはこれまで標準配備されていたNGF-3Nのアップデート版であるNGF-3NX、及び次世代機であるNGF-4Nに搭載されたGNブーストの元となった先行システムとなっています」

ありす「ただし、新規格のパイロットスーツを使用しNGF搭乗者へ働きかける効果はGNブーストとは大きく異なります」

美嘉「大きく違う……GNブーストは新しいパイロットスーツを着て、機体から受けた電気信号でアタシたちの戦闘技術を向上させるって……」

ありす「その部分については大きく変わりません。ヴァルキュリアシステムもGNブーストと同じく、基本的にはパイロットに直接適用される専用システムです」

ありす「ヴァルキュリアシステムは各機体共通仕様の360度フルスクリーンモニター、擬似立体音響、運動制御補助プログラム用の脳波受信装置の3つで成立しています」

ありす「システム起動中はフルスクリーンモニターにより映される光景、擬似立体音響から伝わる音、そして脳への情報伝達率をより高度にすることによって」

ありす「搭乗者へ戦闘中でに適切な状況判断、行動の最適化を円滑に促すことでより高次元の戦闘を行うことができます」

周子「あーそうそう、なんかそんな感じだったような……」

ありす「ですがヴァルキュリアシステムはそれだけではありません。GNブーストとは違い、脳に与える付加効果が一部追加されます」

未央「追加っていうか、GNブーストはその効果がオミットされてるってことだけどね」

ありす「ヴァルキュリアシステムは、システムとダイレクトリンクしているパイロットスーツから、電気信号が随時全身に送られることになります」

ありす「その効果は大脳の扁桃体を初め、体の様々な器官に影響を及ぼすことで、機体搭乗者の精神に直接働きかける物となります」

ありす「搭乗者はシステム起動後は恐怖心、闘争本能を活性化させて人間の生存本能を莫大に発現させることでゾーニング現象を発生させます」

ありす「これにより通常戦闘内であれば、先程話した効果がゾーニング現象と併用することで、更なる戦闘力の向上が見込めます」

美嘉「なんか、ちょっと怖い気がするけど、戦闘だけならヴァルキュリアシステムを使うほうが全然良いと思うんだけど……」

ありす「いえ、戦闘中はゾーニング現象を維持する為、電気信号により強制的にその効果を維持することになります」

ありす「通常では有り得ない肉体的、精神的負荷を継続的に受けたことにより、戦闘終了後も搭乗者の身体には後遺症として、ゾーニング現象が残ることになります」

ありす「そして、生存本能が活性化されたことにより、戦闘後は激しい性衝動が襲ってきます。性衝動については自慰行為等で別途発散させることでゾーニング状態を解消し、対応していきます」

奏「は?」

美嘉「は?」

周子「は?」

凛「私たちのときと同じ反応してる」

卯月「ま、まぁそうなりますよね……」

美嘉「ちょ、ちょっと待って! そんなのって有り得なくない!?」ガタッ!

周子「いやー……ビックリ」

奏「……さすがにそれは、非人道的なシステムだと思うけれど」

ありす「そこについては否定できません。現に私やニュージェネレーション隊は効果の大小はあれど、何かしらの影響を受けています」

美嘉「え、ちょ……ええええ……」

奏「いや、影響って……何、それ」

卯月「あ、で、でも心配しなくていいですよ!」

凛「後遺症については、ありす大尉の時期が特に酷かった頃で、私たちが配属した時期には後遺症の抑制も進んでいたし」

ありす「はい。今回貴方達にお渡しする新型については、オート・クレール社が更に改良した新型のヴァルキュリアシステムが採用されています」

ありす「後遺症及び肉体的な負荷も、従来のシステムより大幅に軽減されています。後遺症によるフラッシュバックも、ほぼ起きないとは思いますが……」

奏「……冗談を言う場ではないし、秘匿階層の情報っていう理由は分かったわ。ただ……ちょっとね」

美嘉「あっ、あわっ、あわわわわわ……」ガクガクブルブル

ありす「まあ、しばらくしたらゾーニング現象の対策として、この艦にそれ相応の方が来てくれます。それまでは頑張ってください」

周子「アフターケアは万全……ってわけじゃなさそうだけど、ちなみに、その人は何する人?」

ありす「みなさんとセックスする……だけではありませんが、私たちの部隊を統括する方が合流します」

ありす「アインフェリア隊、及びニュージェネレーション隊の上官であるP少佐になります。セックスをご希望であれば、その方にお願いしてください」

美嘉「セッ!? セセセセセセセセ!!」

周子「ちょっ、ちょっと落ち着きなって……ま、まあこっちが騒いでも、何か変わるわけでもないしええけど」

ありす「まあ、特にシステムについてはプランVにおける重要な物となりますので……プロジェクトとシステムの説明については以上になります」

ありす「この後は一度艦内施設の案内をします。その後は格納庫に行って、みなさんの機体の調整とシミュレーターを起動してもらいますので、移動しましょうか」


……
…………

――フレイヤⅡ(食堂)

周子「ま、食堂はどこもこんなもんだよね」

ありす「同型艦のフレイが、乗員の趣味で内装を変更しているみたいですけど、ここは特にそういった趣味の方がいませんので標準のままです」

未央「おばちゃーん、新しく来た人たち連れてきたよー!」

おばちゃん「おや? みんな来たのかい? いらっしゃい」

美嘉「ど、どうも……」

おばちゃん「この艦、仕事大変だからねぇ。みんなも体壊さないように頑張って頂戴ね」

奏「……はい」

ありす「まあ、フレイヤの乗員は全員プロジェクト要員なのでみなさんの事情は知っていますから」

おばちゃん「大丈夫だよ! ニュージェネのみんなだってすぐ慣れたんだし、ねえ?」

卯月「はい!」

凛「慣れっていうのは恐ろしいね」

美嘉「慣れたくない……」

ありす「そういえば、厨房が忙しそうですね。仕込みですか?」

おばちゃん「整備班に弁当用意してるんだよ。今回は搬入出の作業多いみたいで、休憩時間少ないからね」

ありす「整備長が持ってきた物も相当ありますからね。すみませんが、よろしくお願いします」

おばちゃん「あいよ。はぁ……智絵里ちゃんがいれば、もう少し楽だったんだけどねぇ……」

未央「最早パイロットなのかコックなのか扱いが良くわからなくなってるちえりん……」

凛「まあ智絵里は菜々さんと一緒にS-02に戻って、中尉に上がったからね」

ありす「おっと、お話が長くなりましたね。それでは移動しましょうか」


……
…………

――ナシヤマ、オート・クレール社工場(開発室)

晶葉「……そろそろ終わりか」

ピピッ!



パシュンッ!

P「……」

愛梨「……」

蘭子「……」


『P NGF-3Nシミュレーター評価 SS』

『神崎蘭子 十時愛梨 NGF-F-VPS13シミュレーター評価 SS+』


愛梨「やりましたぁ!」ピョンピョンッ!

蘭子「うむ! 我も神の頂きへと上り詰めた!」

晶葉「5回シミュレーターを回して、3回がこのスコアか。助手も、ついにシミュレーターのスコアが抜かれるようになってきたか」

P「そうだな……俺も、リハビリプログラムをやっている間に調子が良くなったと思っていたが、そろそろ引退かもしれん」

愛梨「そ、そんなことないですよぉ! Pさん、シミュレーターは3Nで動かしましたし、私たちは新型ですから……」

蘭子「単独マニューバだと勝負にならないもん……」

晶葉「2人のサードの搭乗経験から、やはりこういった形で運用するほうが単体としての成果は上がるか……どうする?」

P「悩ましいな。恐らくは単機での突破力も、集団での殲滅力も必要になる」

愛梨「ビーさんたちのお話を聞いた感じですと、星に行ったらたくさんのG型がいるかもしれませんし……」

晶葉「単独でのシミュレータースコアであれば……そうだな、単独出撃した愛梨程のスコアでもなければG型を相手にするのは厳しいか」

愛梨「ニュージェネのみなさんはどうなんですか?」

P「防衛ラインを任せようと思っている。3機でのマニューバであれば、上手くやれるとは思っているが」

晶葉「となると、こちらから最前線に出すのはラピッドストライカーとブリヤントノワールの2部隊、あとは愛梨と蘭子か」

蘭子「新しく来る人たちはどうするんですか?」

P「前線任務をメインにする予定だ。アルヴィスで過去の戦闘記録を閲覧したが、腕は悪くなさそうだ」

P「ニュージェネと比較しても、単独でのマニューバは新しいメンバーのスコアが上のようだしな」

晶葉「なんだ、他所から来る2人はそんな面子なのか? 今のあの3人も悪くはないが、それくらい動けるならこの時期なら土星圏外に回されてもいいとは思うが」

P「そっちでの戦闘をやっていたメンバーもいる。まあ……フレイヤに来ることになったのは、色々ある」

晶葉「なんだ珍しい、歯切れが悪いな」

P「1人は……まあ、前線に出続けていれば稀にあるというか、少し前に起きたノルン級の巣の攻略戦でな。指揮伝達が遅れたタイミングだったらしいが」

晶葉「なるほどな。で、そいつはこっちに来て使い物になるのか?」

愛梨「多分、大丈夫だと思います。その後の戦闘記録も、出撃編成には入っているみたいですし、ただ……」

晶葉「ただ?」

P「単独マニューバでの出撃機会が増えたと聞いている。本人の要望かどうかは知らないが」

晶葉「この時期に単独出撃が出来るなら大したもんだ。お前たち程だとは思ってはいないが、確かにそれなりだな」

愛梨「フレデリカちゃんや、桃華ちゃんくらい飛べるみたいですから、私もこの人ならいいかなーって思ったんですけどね」

P「そうだな。もう1人は……」ピピピッ!

P「っと……会社の端末か。打合せの時間か」

晶葉「もうこんな時間か。仕方がない、行くぞ」

蘭子「暗黒会議……私たちどうしようかな」

P「本部に戻る用事も、I@LPもないなら家に帰ってていいぞ。今日の打合せは櫻井からも人が来てるから、少し時間が掛かる」

愛梨「はーい。それじゃあ先に帰ってますね。蘭子ちゃん、いきましょう?」

蘭子「我、甘美なる誘惑に惑わされる」

愛梨「それならどこかでお茶して帰りましょう♪ それじゃPさん、お先に失礼しますね」

P「ああ、気を付けて帰れよ」

……
…………

というわけで今日はこれで終わります。
実は周子はエロゲ編で名無しで台詞だけ登場していたりします。

――数時間後、フレイヤⅡ(格納庫)

パシュンッ!

卯月「凛ちゃん、やりました!」

凛「うん、いつもよりスコア伸びてるし、今日は調子いいんじゃない?」ピピッ!

奏「……」

美嘉「……」

周子「……」

卯月「頑張りました!」ブイッ!


『島村卯月 NGF-3Nシミュレーター評価 D+』

『渋谷凛 NGF-3Nシミュレーター評価 C-』

『本田未央 NGF-3Nシミュレーター評価 C』


未央「おーおー、しまむーも1ランク上がったねぇ。安定すればもう1ランク上げられそうじゃん」

周子「……ま、あたしはあんまり人のこと言えないし」


『速水奏 NGF-3Nシミュレーター評価 B-』

『城ヶ崎美嘉 NGF-3Nシミュレーター評価 B-』

『塩見周子 NGF-3Nシミュレーター評価 C-』


卯月「うわぁ……3人とも凄いスコアですね! Bランク帯以上って凄く判定厳しいんですよね……」

奏「まあ、この判定もギリギリのところだけど……3NのシミュレーターでB以上は行ける気がしないわね」

美嘉「まあまあ、スコアも大事だけど、実戦で上手くやるのが重要だからさ」

未央「いやそれにしても私たちの立場がないねこれは……もっと一緒にシミュレーターやりたかったなぁ」

周子「そういやさっき話してたね。S-02に行くって」

凛「元々フレイヤにいたメンバーが何人かS-02に行っててね。そのメンバーもヴァルキュリアシステムを使ったことがあるんだよ」

未央「そうそう。抑制剤もあるし、フラッシュバックは頻発しなくなったけど、長期間フレイヤから離れた分のメディカルチェックも兼ねて私たちと交代ってこと」

奏「……もしかして、それって神谷少尉と北条少尉かしら?」

凛「そうだよ。あ、奏はS-01から来たから2人の名前は知ってるんだ?」

奏「直接会って話したことはないけれど、ここに来る前に少し連絡を取り合っててね。あの2人がいる部隊、結構有名だもの」

卯月「ラピッドストライカー隊、菜々さんのARGTって目立ちますからね……」

凛「あっちの部隊も、試作兵装のテスト運用やってるからね」

美嘉「……そういえばさ」

未央「ん、どしたの美嘉ねぇ?」

美嘉「美嘉ねぇって……変なあだ名付けないでよ……アタシのほうが後から来たんだし」

未央「まあまあ、私たちより年上だしさ」

美嘉「まあいいけど……いや、機体の話で思い出したんだけどさ、さっき向こうで機体の確認してた時に見かけた機体」

美嘉「開けっ放しだったコンテナの中にあった3N、カスタム機だったけど誰が乗ってるのかなって」

卯月「あ、それは……」

凛「NGF-3N-SD、今は誰も乗ってないよ」

周子「誰も使わないの? 勿体無いやん?」

凛「うん。パイロットはもういないけど……まあ、私たちのお守りみたいなもの、かな」

美嘉「……誰が乗ってたの?」

凛「それは……私たちが話しても、ね。今度、北条少尉……加蓮が来た時に、聞いてみるといいよ」

……
…………

――数日後、ホクドウ(入港口)

ありす「長距離航行プランについては内々で大佐から連絡を頂いている通り、時期になりましたら再度招集を掛けます」

ありす「また、フレイヤⅡに関しても土星圏外での戦闘状況、または上層からの指示により別宙域に移動する場合もあります」

ありす「合流についてはその都度指示を出しますので、圏外での戦闘はラピッドストライカー隊とコンコルディア隊と協力してお願いします」

未央「はい!」

卯月「頑張ります!」

凛「大尉も気を付けてください」

ありす「……まあ、しばらく離れることになりますし、少しくらいは普段通りにして構いません」

凛「それじゃあ3人で頑張って、ありすに良い報告できるようにしようか」

卯月「はい! 向こうは翠さんたちもいますしね!」

ありす「貴方たちは本当に翠さんのこと好きですね……私の立場がありませんよ」

未央「まあ長いことお世話になったから……大丈夫、ありすちゃんのことも私たち、大好きだから!」

ありす「恥ずかしいのでやめてください」

整備長「お前ら、S-02でもしっかりやるんだぞ!」

おばちゃん「怪我しないようにね。お弁当、シャトルの中で食べるんだよ」

周子「ずいぶんゆるーい挨拶やね。ていうか整備長もおばちゃんも来とるし」

凛「まあ、うちの部隊はこんな感じだから」


卯月「みなさんも、頑張ってくださいね!」

美嘉「バッチリやっとくよ★ そっちも気を付けてね」

凛「対応予定の宙域で次元振動の観測結果が出てるから、戦闘のときはありす大尉の指示に従って、加蓮やナオと協力してよ」

奏「2人は明日、ここに来る予定だものね。わかったわ」

周子「合流したらすぐにあたしたちも宙域に出て戦闘でしょ? いやーどこに行っても大変だね」

ありす「アルヴィスの更新履歴を見たところ、他宙域でも次元振動が観測されているようです。やはり、白蜂もこちらで設置した干渉装置の効果をすり抜けて来ているみたいですが……」

美嘉「……」

ありす「まあ、どこにいても大変なのは変わりません。3人とも、NGFの積み込みも終わっていますから、そろそろシャトルに行きませんと」

卯月「あ、そうだった……それじゃあ、いってきます!」

ありす「はい、いってらっしゃい」

整備長「気を付けていけよー!」


……
…………

――フレイヤⅡ(艦長室)

ありす「各宙域に設置されている干渉装置の効果……やはり、とりあえず有効にはなっていますね」カタカタカタカタッ!

ありす「ちひろさんから頂いている連絡では、まだ火星圏ではG型は確認できていない。次元振動も……」

ピッ!

ありす「エネルギー測定をした際の波長から外れる何か別の要因が……分かりませんね。オート・クレールの解析結果が出るまでは何とも……」


ピピピッ!

ありす「はい」

奏『大尉、お時間良いかしら?』

ありす「構いませんよ。どうぞ入ってください」

パシュンッ!

奏「失礼します……何か作業を?」


ありす「上から来ている直前の任務について確認していました。土星圏内で観測された次元振動……断層発生と、空間転移予測の詳細が来ていましたので」

奏「初報だと、断層発生まであまり時間が無いって書いていたけれど……間に合うのかしら?」

ありす「合流予定のお2人が到着次第出発すれば十分間に合います。貴方は他の2人と一緒に、ブリッジ作業のマニュアルを覚えておいてください」

奏「それはいいけど……その、1つ神谷少尉からお話を聞いていたんです。4人くらい来るって」

ありす「ああ……次のブリーフィングで話そうとは思っていました。神谷少尉、北条少尉の他にも2人、合流を予定しています」

奏「それって……」

ありす「はい。先に来た貴方達3人を含めた5人小隊として運用を予定している2人です。追加の2人はくだらない理由で合流が遅れている状態ですけどね」

奏「だからまだ新規の小隊手続きが無かったのね……そんな気がしていたわ」

ありす「ちなみに広報のほうから私に連絡が来ていますが、貴方達の今後のアイドル活動も5人ユニットで行う方針に変わります。そのうち、I@LPにも通知が来るはずです」

奏「……なんだか、色々と環境が変わってくるのね。目まぐるしく感じるわ」

ありす「そういうものです。貴方も、環境に合わせて変わってくれることを期待しています」

奏「……」

ありす「さて……すみませんが私はこれから格納庫に行ってきます。ブリッジのコンソールマニュアルの確認が終わったら各部屋で待機していてください」


……
…………

――フレイヤⅡ(通路)

奏「……」


ありす『そういうものです。貴方も、環境に合わせて変わってくれることを期待しています』


奏「……別に、私が変わったわけじゃない。私は……裏切られただけ」

奏「そういえば……アイドルの仕事も変わること、周子と美嘉にも話したほうがいいかしらね。大尉からも話が行くと思うけれど」

奏「あまり、お節介はしたくないけど……そうね、チームでやるもの、少しなら……」

奏「……見透かされているのかしらね、私自身も」


……
…………

――フレイヤⅡ(美嘉の部屋前)

奏「まだブリッジに2人とも来ていなかったし、部屋にいるとは思うけれど……」スッ

ピピピッ!

奏「奏よ。美嘉、少しいいかしら?」



奏「……返事、ないわね」スッ……

奏「ロックがされてないから、部屋にいる……わよね。美嘉、入るわよ」ピッ!

パシュンッ!


『それでね、アタシ絶対ぜーったいアイドルになるんだから、お姉ちゃんみたいに!』

美嘉「コラコラ、アイドルなんてそんな簡単になれるもんじゃないんだからね?」

『だからアタシもお願いして、ナシヤマのオーディション受けにいくから! そっちに行くときは、お姉ちゃんのトコに泊まっていーい?』

美嘉「もー、アンタってばいつも勝手に決めようとするんだから、アタシだって仕事あるんだからさぁ」


奏「美嘉?」


美嘉「……ん? あ、どうしたの?」

『あとね、この間チョーイケてる新しいお店が出来たんだけど――』

ピッ!

奏「……今のは?」

美嘉「アタシの妹。莉嘉っていうんだけど、いつも話す度に元気でうるさくてやかましくてさ」

奏「あら、いいじゃない。仲が良いならそれで。妹さんだって、楽しそうに貴方と話していたじゃない」

美嘉「もう、恥ずかしいって。まだまだやんちゃでね、アタシの真似してアイドルになりたいーって何度も言ってくるし」

奏「可愛らしいじゃない。せっかく話していたのに、邪魔してごめんなさいね」

美嘉「いいよいいよ。何か用事?」

奏「そうだけど、莉嘉ちゃんとお話していたなら、後にするわ。いきなり切っちゃったでしょう?」

美嘉「大丈夫だって。仕事のほうが優先でしょ?」

奏「いいの?」

美嘉「気にしなくていいって、それで?」

奏「さっき大尉から聞いたけど、神谷少尉と北条少尉の他にも2人、合流するみたいなの。私たちも混ぜた5人で、ユニットを組んでアイドルをやれって広報から来ているみたい」

美嘉「えー何それ、I@LPからまだ何も来てないけど……今まで持ってた仕事、どうなるんだろ?」

奏「上手くスケジュールとかは合わせて来るとは思うけど、お互いのスケジュール確認なら早いうちにやっておいたほうがいいかと思って」

美嘉「それじゃ周子も呼んで、3人で擦り合わせしておこっか。追加で来る2人にすぐ渡せる物、用意しておいたほうがいいよね」

奏「そうね。悪いけど少し付き合って頂戴。マニュアルの確認もしたいし……ブリッジでやりましょう」

美嘉「オッケーオッケー★ それじゃ行こっか」


……
…………

――翌日、フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「整列してください。こちらが先日お話した神谷奈緒少尉と北条加蓮少尉です。お2人も2年程前から本プロジェクトのメンバーになっています」

ありす「ナオ少尉は前線、北条少尉は状況を見てブリッジ、前線任務の兼任となります。前線ではお2人の指示に従ってください」

ナオ「よろしく……といっても、同じ階級だしお互い気楽にやろうか。ここ緩いし」

奏「凛たちも同じことを言ってたわ。こちらも、そのほうが気楽だしよろしくお願いね」

加蓮「とはいえ、戦闘中の指示には従ってもらうことになるけどね……今回はギャルっぽいメンバーなんだ」

美嘉「ま、アタシはギャル売りしてるからね」

周子「あたしそんなにギャルっぽくないと思うんやけど……」

ありす「ナオさんについては前線での運用体系が特殊なので、後でシミュレーターで互いのマニューバの確認を行ってくださいね」

ナオ「普段はNGFに乗ってるんだけど、こっちだと状況次第でオプション兵装で出撃することもあるからな。P少佐が来ない限りはそういう機会はないけど」

美嘉「P少佐?」

加蓮「私たちがお世話になってる人。まあ、ゾーニング現象が起きたときの……ね?」

ありす「……コホンッ」

美嘉「あっ、あわわわわわわ……!」ガクガクブルブル

奏「ああ……そういうことね」

ナオ「おいおい、あまり脅かすなよ」

加蓮「ゴメンゴメン。ふふっ、でも今のヴァルキュリアシステムなら早々お世話になることはないと思うから、心配しなくていいよ」

周子「いやめっちゃ心配だけど……」

ナオ「ていうか、Pさんのこと話してなかったのか?」

ありす「話すとまたややこしくなりそうなので、別の機会の時でいいかと思っていたんです。さて、話が脱線してきたので……」

ありす「各員、現在ホクドウの軍本部から土星圏宙域内での次元振動が観測されています」

ありす「少し前から圏内での観測はされていましたが、今回は久しぶりに次元断層まで発展する規模の振動となります」

ナオ「つまり、土星圏に設置した干渉装置の効果をすり抜けて来たってことか」

ありす「そうです。残念ながら……とはいえ、そういった事態が起こることも想定されていました」

ありす「本艦はこれより3時間後に出航、提示されている指定宙域ポイントまで移動し次元断層の発生を確認後、空間転移されてくる対象に対して対応を取ります」

ありす「ビー種であれば本部に連絡後、識別信号及び広域電波伝達式の対話プログラムを用いて受入れ、G型及びGS型であれば迎撃を行います」

ありす「また、戦闘中に圏外観測されている超空間転移……次元跳躍現象の発生を確認した場合は、NGFの跳躍テストを兼ねた追跡行動に作戦を移行させます」

ありす「こちらについては事前に説明した通り、ナシヤマでの稼働テストとニュージェネレーション隊による運用テストを引き継ぐ形で実施します」

ありす「次元跳躍後は正規の手順を踏めば元の場所に戻れますので、マニュアルには再度目を通しておくように」

奏「了解です。跳躍テストが一番怖いわね……」

周子「他所の場所に行って帰ってこれないとかになったら、遭難だもんねー……」

ありす「ニュージェネの3人は慣れてからは楽しそうにテストやってましたけどね。それではこれより出航準備に入ります」

ありす「各自事前展開している作業を済ませておいてください。整備班の作業終了後に出航します」

……
…………

――数時間後、土星圏宙域、フレイヤⅡ(通路)

奏「ごめんなさい、少尉……じゃなかったわね。ナオ、作業手伝ってもらってありがとう」

ナオ「来たばかりだと、まだ慣れないだろ? フレイヤはブリッジメンバーが少ないから機材の移動もこっちでやらないと回らないしな」

奏「ホント、最初に聞いたときはとんでもない場所に来たと思ったけれど……本当に覚えることが多いわ」

ナオ「ノルンにいると前線任務だけやってればよかったからなー。あたしも、しばらくフレイヤにいたら裏方作業も覚えちゃったよ」

奏「そうね……そうだ、この後時間あるかしら? 今はブリッジの作業、美嘉と周子がやっているから早めに食事にしない?」

ナオ「ああ悪い、ポイントに向かう前にそうしておきたいんだけど、ちょっと整備長に頼んでた作業があってさ……コックピットブロックの換装、終わった後の再設定しなきゃならなくて」

奏「あら、それなら仕方がないわね。それじゃあ一人で寂しく食事にしておこうかしら」

ナオ「そ、そういわれると何だか気が引けるな……」

奏「ふふっ、冗談よ。それじゃあ後でね」

……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

ナオ「ん、あれは……」



加蓮「……」




ナオ「加蓮、何やってんだ、こんなところで」フワッ

加蓮「あ、ナオ……ううん。何でもない」

ナオ「……3N-SDか」

加蓮「うん。定期メンテでコンテナから出してたんだって。フレイヤにいると、見に行きたくなっちゃってさ」

ナオ「そっか」

加蓮「この機体がここにあると、奈緒が私たちを見守ってくれているような気がして……もしかしたら、実は奈緒がまだ3N-SDに乗ってて、いきなり出てくるんじゃないかなって思って」

ナオ「みんな、この機体はお守りだって言ってるからなあ……アイツは、帰ったよ。自分のいるべき場所に」

加蓮「うん。さよならも言わせてくれなかったのは、ちょっとズルいけど……奈緒、元の世界でアイドルやってるのかな?」

ナオ「アイドル、やりたがっていたからな。アイツはNGFに乗って戦場に出るより、マイクを持ってステージに出るのが正しいんだから」


加蓮「ねえ、ナオ」

ナオ「なんだ?」

加蓮「ナオは、ずっと私の傍にいてくれる?」

ナオ「……何の為に、あたしが戻ってきたと思ってるんだよ。恥ずかしいし、わざわざ聞かなくてもいいだろ?」

加蓮「ふふっ、分かってる。だけど、言葉が欲しいから……言葉があると、もっと安心できる」

ナオ「……はぁ、このっ、このっ! 甘えん坊め、そんなんだと奈緒が安心できないだろ?」

加蓮「あんっ、もう……それもそっか。あ、そういえば奈緒にとっては私たちの世界はエロゲーの世界だから……もしかしたら私たちの様子、本当に見ていたりして……」

ナオ「え」

加蓮「だってそうでしょ? 奈緒って元々は私たちの様子は見れてたみたいだし」

ナオ「ははは、そんなまさか……いや待て、あたしも向こうに行ったときにプレイしたぞ……てことは、まだあの通信端末が繋がってるならその可能性も……」

加蓮「それじゃあ、私とナオがPさんにお願いして3Pしてもらった時の様子も見られてるってこと……かな?」

ナオ「う……うわああああああ!? そ、そんな……まさか、ア、アイツから見たらあたしも、エ、エロゲーのキャラみたいに……!」

加蓮「だってナオ、私がPさんとセックスしたときも見てたんでしょ? それならナオがPさんとセックスしているときだって……」

ナオ「あ……あ、あ……ああ、あああああああ嘘だ、嘘だそんなああああああああ!!!!」

整備長「お前らさっきから何騒いでんだよ」フワッ

加蓮「あ、整備長」

ナオ「これが騒がずにいられないだろ! あたしがPさんとセックスしてるの、奈緒に見られてるかもしれないんだぞ!? 自分にセックスしているところ見られるなんてどんな羞恥プレイだよ!」

整備長「今更過ぎるだろお前……んなことより、ほれ、コックピットブロックの換装終わったから再設定しといてくれよ」

ナオ「あ、わ、悪い……ありがとう。ヴァルキュリアシステムの入れ替え……これで、大分良くなったのかな」

整備長「前よりもっと後遺症の抑制も出来るようになったからな。アインフェリアのみんなもテストに入ったしよ」

加蓮「みんな、前の戦闘から色々大変だったのに……Pさんだって……」

整備長「まっ、嬢ちゃんたちもそうだけど、少佐の旦那なら大丈夫だって。これまでもそうだったろ?」

加蓮「まあ……そうだよね」

整備長「そういやお前ら、新入りはどうするつもりなんだ?」

ナオ「前線任務で使おうと思ってるけどな。フレデリカたちがこっちに来たら、ブリッジ担当も1人増えるし」

加蓮「そこら辺はありすともう少し話しておくけどね。私はしばらく留守番かな?」

ナオ「ま、ブリッジにありす1人だけってのは難しいだろ」

整備長「ナオはVPSPは使わねえのか?」

ナオ「奈緒もPさんいないからヴァルキュリアシステムは使えないし、3NXも貰ったからしばらくはそっちで十分だよ」

ナオ「もう少しメンバーが集まって、支援担当が必要になったらそっちに乗り換えるつもりだけどさ」

整備長「整備は済ませてるから、乗りたいときは言ってくれよ。今んとこはそんな規模の大きい戦闘はしない予定だけどよ」

ナオ「そうだな……もう少し先だ」

……
…………

――数日後、フレイヤⅡ(ブリッジ)

周子「指定宙域ポイントまで後10時間……遠いねぇ」

奏「そうね。ホクドウからここに来るまでの時間も長く感じるのに、これで長距離航行プランなんてあるんだもの」カタカタカタッ!

美嘉「……そうだね。でも、それで、その作戦で最後になるなら――」

パシュンッ!

ありす「お疲れ様です。様子はどうですか?」

美嘉「あ、大尉……今のところ何もありません」

ありす「そうですか。オートメーション機能の航路誤差は?」

周子「んー……マイナス1やね」

ありす「わかりました……おや奏さん、何を見ているんですか? ミーミルを起動させていますが」

奏「アルヴィスで公開されてる、長距離航行プランの概要です。実際にプランが実行されると、長い移動になるなと思って……」

ありす「とはいえ、光波推進システムの導入により随分と期間短縮がされています。超空間転移の導入が決まれば、更に短い期間になったと思いますが」

奏「確か……元々は、ずっと前に現行稼働されている戦艦に搭載予定のシステム、だったかしら……」

ありす「はい。光波推進システムについては、20年以上前に稼働していた艦……アウズブラ級大型宇宙航行艦アウズブラの一部で試験的に搭載されていました」

奏「随分昔ね……10年前ではもう、ユミルからノルンに移行していた時期だったって聞いたけれど」

ありす「ですが、システムを搭載していたアウズブラが有人による惑星探査……長距離航行試験も兼ねて行っていた最中、当時のキラー・ビーが発見されて……」

美嘉「……」

ありす「……まあ、キラー・ビーの存在により、後続艦への光波推進システムの搭載は見送られ、長距離航行プランは一時凍結せざるを得なくなりました」

ありす「その後はキラー・ビーの対策として、軍部拡張とグレイプニールの生産配備、ユミル等の戦闘用戦艦の実装が優先されることになりました」

周子「大変だねー、まったく」



ありす「まあ、今回の任務には関係の無い話です。長距離航行プランについても時期になれば展開されます。まずは今回の作戦を第一に考えましょう」

……
…………

――10時間後、指定宙域ポイント、フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「次元振動発生地点の指定宙域ポイントに到着しました。これより、作戦を開始します」

ナオ「次元断層までには間に合ったか。編成は?」

ありす「ナオ少尉、速水少尉、城ヶ崎少尉、塩見少尉の4名は暫定アルファ小隊としてNGFで出撃、私と北条少尉はブリッジを担当します」

加蓮「そっち、まだI@LPに新しいユニット申請出してないもんね」

美嘉「ま、戦闘するだけなら関係ないよ」

ありす「各員、パイロットスーツに着替えて出撃準備をしてください。このチームでは初の実戦です。気を引き締めていきましょう」

「「「「「了解!」」」」」


……
…………

――フレイヤⅡ、カタパルト(機体内)

奏「新型で初めての実戦……シミュレーターでの戦闘は問題なくできたけれど……」カタカタカタッ!

ピピピッ!

ありす『各機、新型の性能はG型、及びGS型に十分対抗できる物になっています。空間転移で戦闘対象が出現した場合は、速やかに対処してください」

美嘉『了解』

周子『ちゃっちゃと頑張りますか』

ナオ『しっかりやってくれよ……加蓮、フレイヤは任せたぞ』

加蓮『大丈夫だよ、ナオも気を付けて。奏、持って来てたディフェンスパックの接続は大丈夫?』

奏「ええ、問題無いわ」

周子『ていうかこのパイロットスーツさぁ……』

美嘉『う、ううう……』

奏「随分と攻めたスーツだこと……他人の視線が怖くなりそうね」

ありす『そのうち慣れます。体のラインを見られるのが恥ずかしいのであれば、体型維持は怠らないように』

周子『いやそういう話じゃなくて……』

ナオ『ま、あたしも最初はエロスーツには戸惑ったけど、そのうち気にならなくなるって。それじゃあ行くぞ!』

加蓮『ハッチ開放完了、各機出撃どうぞ』

ナオ『了解、NGF-3NX、出撃する!』

奏「NGF-VS23SX、NGFヴァルキュリアでいくわよ」


……
…………

というわけで今日はこれで終わります。
今回の投下に伴って前作最後にやったおまけは半分無かったことになっています。

おまけ…究極桜花斬のことかな?

>>75
奈緒編の4スレ目の一番最後にちらっとやった奈緒がいなくなった後のおまけです。

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「北条少尉、フィールドジェネレーターを起動、次元振動情報を再取得してください」

加蓮「はい、観測データを更新……指定宙域ポイントで次元振動の発生を確認しています。次元断層まで残り30です」

ありす「ビー側からの情報と事前観測から、白蜂の可能性が高いです。フレイヤは戦闘準備を行います」

ありす「複合ミサイル発射管1番から20番にアルヴァルディを装填。高エネルギー単装砲レーヴァテイン1番を準備」

加蓮「ミサイル装填準備完了。次元断層まで20、10……次元断層発生しました。レベルは2……空間転移です!」

ありす「レーダー情報の再取得! 対象は!」

加蓮「予測通り極小規模の蜂の巣、GS型が3匹です!」

ありす「敵性と判断、コンディションレッド! 戦闘行動に移行します。アルファ小隊はGS型の迎撃、フレイヤの弾幕支援後に行動してください!」

加蓮「索敵結果をNGF各機に転送します。ポイントに向けてアルヴァルディ、発射!」

……
…………

――戦闘宙域

GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!! 

GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!

GS型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

ズドドドドドドドドォンッ!!


ナオ『アルヴァルディ着弾確認、戦闘開始だ。コンビネーションマニューバはH05、速水少尉、城ヶ崎少尉、あたしと前に出る。塩見少尉は支援だ』

奏「了解」

周子『はいはーい。頑張ってね』

美嘉『行くよ!!』ギュオオオオオッ!!

ナオ『おい、動くのが早いっての! 速水少尉、行くぞ!』

奏「張り切ってるんだから……了解!」ギュオオオオオッ!!

ナオ『塩見少尉、左の1匹に追加の弾幕で牽制!』

周子『ほーれ、ミョルニル!』ボシュシュシュッ!

GS型「!」ギュンッ!!

美嘉『分断出来た……このっ!』ガションッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

GS型「!?」ドガァァァンッ!

GS型「!!」ギュンッ!

ナオ『1匹止めた、速水少尉!』

奏「抑えるわ! そっちはお願い!」ガションッ!

奏「CG形態……立体機動戦闘で遅れを取るつもりはないわ、そこよ! ドラウプニル!」

ドガガガガガガッ!!

GS型「!」ヒュカカカッ!

奏「チッ……!」

ナオ『HCW-211ロングソードを展開する!』ガションッ!

ギュオオオオオオッ!!

GS型「……!」ギュオオオオオッ!

ナオ『セカンドドライバーじゃないが、近接戦闘で逃がすわけには! はあああああっ!』ブォンッ!

シュパアアアアアンッ!!

GS型「……」ブ……ブブ……

ドガアアアアアアンッ!!

ナオ『1匹!』

周子『うえっ、こっちで引っ張ったのが……!』

ナオ『速度上げろ!』ボシュシュッ!!

ドガガガガガッ!

GS型「!?」ギュンッ!!

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

奏「巣からGS型が……!」

ありす『各機、追加のGS型が3匹です! レーヴァテインで牽制します、現在戦闘中の奴らの対応を急いでください!』

ナオ「追加のお出ましか……!」

美嘉『まだこっちが終わってないのに……このっ、いい加減落ちろ!!』ドシュゥンッ!

GS型「……!」ヒュカカカッ!

ドシュシュシュッ!

美嘉『針……ぐぅっ!』ギュオオオオッ!

奏「美嘉!」ギュオオオオオッ!

ドガガガガガガッ!!

美嘉『奏……っ!?』


奏「無理していいコトなんて無いわよ。早いところ――」

GS型「!!」ギュンッ!

奏「こっちにも……!」

周子『後ろだって! ダインスレイヴ!』ズドォンッ!

ドガアアアアアアアンッ!!

奏「周子……!」ギュンッ!

周子『そっちが美嘉ちゃんフォローするなら、こっちだってフォローするからね』

奏「……」

周子『なーに、以外やった?』

奏「……いえ、そうね。チームってそういうものだものね」

周子『そうそう、美嘉ちゃんもしっかりやりなって』

美嘉『……ゴメン、ありがと』

ナオ『各機、コンビネーションマニューバをH02に、残りの2人もCG形態に切り替えて立体起動戦闘に移るぞ!』

周子『追加分も手っ取り早くすませないとね』

奏「了解。アレ、使っていいかしら?」


キィィィィン……


ナオ『……』

奏「ナオ! このタイミングでいいかしら?」

ナオ『ん……ああ、今のうちにシステムに慣れておいたほうがいい。急いでくれよ!』

美嘉『オッケー、行くよ! ヴァルキュリアシステム、起動!』ピシィッ!

パシュウンッ!!

奏「この感覚……! 視界が広くなって……いけるわ!」ドクンッ!

周子『残り4匹、さっさと終わらせよっか』

奏「ええ……!」ギュオオオオオッ!!

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「VS23SXの3機、ヴァルキュリアシステムを起動しました」カタカタカタッ!

ありす「バイタルデータを取得。システムログの採取は忘れずにお願いします」

ピピッ!

ありす「GS型の増援に伴い、艦を前進させます。ティルウィング発射準備、巣の破壊を試みます』

加蓮「陽電子砲は?」

ありす「ティルウィングで十分です。ティルウィング1番2番準備! 前進に合わせて再度アルヴァルディを射出します」

加蓮「弾幕支援を行いつつ前進します。射線データを各機に転送、艦速度上げます」カタカタカタッ!

ありす「アルファ隊の支援後、艦の――」ピクッ!


キィィィィンッ!


ありす「……」

加蓮「……大尉?」


キィィィィンッ!


ありす「……いえ、艦の正面にイージスの展開準備を。白蜂の砲撃に備えます」

ありす「この感覚は……」


……
…………

――同時刻、木星圏宙域、夕方、ナシヤマ、オート・クレール社工場(オフィス)

晶葉「すまんな、新型のテストデータの分析に付き合わせて」

P「いや、これくらいは構わん。今日は楓さんも一日中現場に行ってるし、それに自分が乗る機体だ。時間があればこれくらいはやる」

晶葉「テスターと合わせてやると、お前の稼働時間がな……とりあえず、後は私のほうで処理しとくから上がっていいぞ」

P「いいのか? 出力比の見直しも時間掛かるだろう」

晶葉「天才に向かって何を言っている。これくらい大した手間じゃない」

P「ならいいが……それじゃあ、すまないが今日は失礼する」

晶葉「ああ、しっかり休めよ。前からリハビリプログラムでこちらに来ていたとはいえ、退院したばかりなんだからな」

P「もう、だいぶ調子もいいんだがな……では博士、明日な」

……
…………

――ナシヤマ、ショッピングモール(広場前)

P「今日は楓さんに車出してもらっていたのを忘れてたな……美波たちはまだ本部だし、運動がてらに歩くか」

P「……」


『宇宙統一アイドルオーディション!! 期間登録受付中!』

『次期予定されているビー居住区画の改修計画、区画拡大については現状の受入体制の見直しと合わせ、増設予定のコロニーへの移住者の募集を開始しました』

『それにしても今年のシティホール、例年以上に賑わいましたね!』

『今年一番のアイドルユニット参加数ということですから当然! 軍の広報部にも依頼して例年以上にアイドルを参加させて頂きましたからね!』


P「……」


「次のライブどうする? チケット応募したんだけどさー」

「うちの会社なんだけど、この前ビーの勤務内容変わってね。採掘場に行くって話になって」

「今日はパパ、おうち帰ってくるからね。一緒にご飯作って待ってよっか」


P(……平和だな。人も、ビーも……誰もが……)

P(共に生きていく中で、決して小さくない問題もある。だが……皆で辿り着いた、価値のある平和)

P(そうだろう……黒井大佐、麗奈、奈緒……)


……
…………

――ナシヤマ(緑地公園)

P「晩飯、何か用意しようとしているもの、あったんだろうか」ガサッ

P「皆帰ってくるだろうし、鍋もいいかと思ったが……」

P「スーパー寄る前に聞いておけば――」



キィィィィン……


P「……?」ピクッ!

P(……なんだ?)



キィィィィン……


P(なんだ……何か、違和感が……)

P「この感覚は……」




ピピピピピッ! ピピピピピッ!

P「端末から緊急速報……?」ピッ!

P「木星圏宙域……ナシヤマ防衛圏外に、蜂の巣……!?」

P「そんな、まさか……観測していた予測時期よりも随分と早い……いや、今はそれより……くそっ!」

タタタタタタッ!

……
…………

――ナシヤマ、オート・クレール社工場(オフィス)

晶葉「楓、現場に出ているスタッフも全員まとめてすぐにオフィスに戻ってこい! この宙域で次元断層が発生した!」

楓『そんな! それじゃあ、やっぱり……』

晶葉「認めたくないが、やはり観測データの推移通りだったということだ……とにかく来い!」カタカタカタカタッ!!

ピピピッ!

晶葉「おい大佐、さっさと通信に出ろ! 録音聞いたら掛けなおせ!」

ガタッ!

晶葉「くそっ! 木星圏宙域から内部、いや端末1台じゃ無理か。土星圏と火星圏の分は他の端末で取るとして……」

晶葉「対象宙域の空間構成情報の採取と次元振動、断層状況を……!」


ピピピッ!


晶葉「なんだ!」ピッ!

P『博士、俺だ!』

晶葉「助手か! 今どこにいる!?」

P『港にいる! 管理センターからの緊急速報を見た、どこの倉庫だ!』

晶葉「B7-2だ! だがまだ、こちらに空間転移後の情報が来ていないぞ!」

P『緊急時だ、悠長にしていられん。愛梨と蘭子には楓さんから連絡させてくれ、アインフェリアもだ!』

晶葉「分かった。後でこちらの測定状況は送りつけておく。頼むぞ!」

P『当然だ!』

……
…………

――ナシヤマ(戦闘宙域)

「隊長! 空間転移地点から蜂の巣の出現を確認! 中規模の巣が1つです!」

「迎撃部隊の編成が足りん。管制塔から本部に連絡させて待機部隊も出させろ!」

「レーダー照合、表に出ているのはGS型10、G型3です!」

「中規模ならばG型まで出てくるか……3Nのパイロットは支援、残りは前に出る! コンビネーションマニューバだ!」

GS型「!」ギュンッ!

G型「!!」ギュオオオオオオオッ!!

「迎撃行動に入る。待機部隊の出撃まで無理はするなよ!」

「了解!」


……
…………

――ナシヤマ、軍本部


キィィィィンッ!!

美波「この声は……あの時と同じ、みんなの……いえ、でもそれだけじゃあ……!?」



キィィィィンッ!!

「ダメだよ! アンタたちはみんな食べるつもりなんでしょ!? ヒトだって、私たちだっているんだから!!」

夕美「どうして!? 前にお話ししたときより……ずっと、ずっと怒っている声……」


キィィィィンッ!!

藍子「ダメです、ここにはみなさんがいるんです! あの時、分かってもらえたんじゃなかったんですか……!?」



キィィィィンッ!!

文香「いけません……全てを、衝動に変えてしまっては……これ以上は、命ある者として……二度と、戻れなくなります……」



……
…………

――ナシヤマ(戦闘宙域)

G型「!!」ヒュカカカッ!

ドシュシュシュッ!

「うわあああああああっ!?」

ドガアアアアアアアンッ!!

「迎撃部隊稼働率低下! GN-003、006、007の反応がありません!」

「巣もナシヤマに向けて接近しています! このままでは部隊が持ちません!」

「3NX、4Nについては全機GNブーストの使用を許可する! 巣の対応を行うヴェールの出撃はまだか!!」

「間に合いません! このままでは防衛ラインを突破されます……ああっ!?」

GS型「……!」ブゥゥゥンッ!!

「しまった、1匹抜かれた!?」

「このままでは――」

ピピピピピッ!!

ズドォォォォンッ!!!!

GS型「!?」ドガアアアアアアアンッ!!


「防衛ラインを抜けたGS型の反応が消滅! 管制塔側よりコロニー周辺に積層イージスの展開が行われます!」

「今のは……今の砲撃はどこから来た!?」


ピピピピピッ! ピピピピピッ!


「宙域に接近するNGFが1機……い、いえ、NGFではありません、グレイプニールです!」

「この時代に戦闘機だと!? 機体コードは!」

「機体コード……VILS-01R……未登録のコードです」

「なんだ、なんだあの機体は……!?」





P『VILS-01Rヴァルキュリア、出るぞ!』ギュオオオオオオオッ!!





……
…………

――ナシヤマ、管制塔(管制室)

「積層イージスの展開完了。コロニー内で避難完了済の連絡がある一般住居区画の機能を順次停止させます」

「避難誘導、各シェルター点灯しています。工業区画にいる住民の一部は軍用地下施設へ誘導しています」

「何だあの機体は!? 海賊がこちらまで出張ってきたのか?」

美優「十時愛梨大尉、神崎蘭子中尉より……出撃申請が来ています。迎撃部隊出撃用のカタパルトへ、NGFを移動させます」

「あの戦闘機は! ミーミルで過去の戦闘記録から類似機種を探せ!」

ピピッ!

「アルヴィス内の対話の日の戦闘記録で、同一機種と思われる機体の戦闘データが存在しています」

「VILS-01、プロジェクト・ヴァルキュリアが保有していたグレイプニールの派生機です」カタカタカタッ!

「プランVのところか!?」

ピピピッ!

美優「管制室への直接通信です。回線開きます」カタカタカタッ!

P『こちらオート・クレール社ナシヤマ支部技術開発部門所属技師、Pだ。古い機体だが戦線に参加したい。ローカル識別コードをもらえるか』

美優「え、Pさん……!?」

「P、P……P少佐か! 何故オート・クレールの立場で……」

P『2年前までは嘱託扱いで軍に戻っていたが、またしばらく離脱していたのでそちらに機体を置いていなかったんだ。頼めるか?』

「いや構わん、すまないが迎撃部隊に手を貸してやってくれ。間もなくシンデレラガールズも出撃するところだ」

P『2人も出るか……美優、すまんが管制室で測定している宙域データとレーダー状況をウチの開発室に転送しておいてくれ。後で報告書は出す』

美優「は、はいっ……識別コードについても振り分けます……」

P『では行ってくる。機体が機体だ、あまり無理はしないさ』

ピッ!

……
…………

――ナシヤマ、軍管区施設、カタパルト(機体内)

蘭子『愛梨ちゃん、準備は大丈夫?』

愛梨「はいっ、整備点検も終わっていたみたいだからバッチリです!」カタカタカタッ!

蘭子『Pさん、VILS-01で出るなんて無茶苦茶なんだもん……もう……』

愛梨「Pさんなら大丈夫ですよ。私たちも頑張りましょうね」パチッ、パチッ!

蘭子『……うむ! 宵闇の中、我が堕天の翼を羽ばたかせ眷属の元へ!!』

愛梨「戦闘中は標準語、ですよ♪」

蘭子『はーい』

『出撃準備完了。発進お願いします』

愛梨「わかりました。十時愛梨、NGF-VSTG4-FWでいきまーす!」

蘭子『漆黒の翼、ブリュンヒルデ……NGF-VS02CS、出撃します!』


……
…………

――戦闘宙域

P「貴様たち……グラム発射!」ズドォンッ!!

GS型「!?」ドガアアアアアンッ!!

P(干渉装置の効果はあるはずだ……だが、それを抜けてきたということはやはり……このままでは持たないのか!)

G型「……!!」ブブゥゥゥゥンッ!!

P「……それでも、貴様たちにコロニーをやらせるわけにはいかん!」ピッ!

『―Super Maneuver Mode Migration―』

G型「!!」ヒュカカカッ!

ドシュシュシュッ!!

P「……!」ギュンッ!

キィィィィン……

P「……っ!?」ピクッ!

P(また、この感覚は……違和感が……いや、今はそれより……!)

P「貴様等の動きは……見える。針になぞ当たらん!」ギュオオオオオオオッ!!

ガションッ!!

P「ダインスレイヴ!」ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!

G型「……!」ドガァンッ!!

P「そこだ!」ズドォンッ!

G型「……」ブブ……

ドガアアアアアアアンッ!!

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

P「巣から追加の奴らが来たか……G型2、GS型8……!」

ピピピッ!


愛梨『蘭子ちゃん!』

蘭子『はい、ウイングバインダー展開、バルムンク照準!』

愛梨『指定区域内のスティングにターゲット……フルウェポン、バーストします!』ピピピピッ!!

ズドドドドドドドドッ!!!!

P「十時大尉、神崎中尉か!」

愛梨『はーい♪ Pさん、大丈夫ですかぁ?』

蘭子『うむ! 眷属を守護するのは当然のこと!』

P「戦闘中は少佐と呼べ。後お前は標準語だ」

蘭子『はぃぃ……』

P「来てくれて助かるが、流石にこの機体でお前たちとマニューバを組むのは……」

愛梨『いけると思いますよ~? グレイプニールとNGFの混成マニューバって初めてですけど』

蘭子『Pさんだからあんまり心配してないから……』

P「あ、そう……それならコンビネーションマニューバはY03で行う。中尉、前を頼む」

蘭子『了解です!』

愛梨『私、この装備じゃGN形態になるの大変ですし支援しますね』

P「よし、では行くぞ。コロニーを背にしてG型を相手するのは、迎撃部隊では荷が重い。なるべくこちらで片付ける」

愛梨『頑張りまーす!』

……
…………

――同時刻、土星圏、戦闘宙域

奏「これで最後よ! 美嘉!」

美嘉『オッケー! 足止め任せたよ!』

周子『りょうかーい。16連装誘導ミサイルランチャー、ミストルティン発射!』

ボシュシュシュシュシュッ!!

GS型「……!」ギュンッ!

奏「そこよ!」ドシュゥンッ!

美嘉『サーベル! これでええええええ!!』ブォンッ!!

シュパアアアアアンッ!!

GS型「……」ブ、ブブブブ……

ドガアアアアアアアンッ!!

美嘉『やった……!』

奏「巣のほうは!」


ズドドドドドドドドッ!!!!


ナオ『ティルウィングが……フレイヤも巣の破壊は終わったか』

ピピピッ!

ありす『はい。こちらも完了しました。コンディショングリーンです』

加蓮『みんな、お疲れ様』

奏「ふぅ……終わったわね」

周子『あー疲れた。よかったよかった』

美嘉『大尉、もう大丈夫?』

ありす『はい。レーダー情報からもこの宙域にこれ以上白蜂はいません。また、次元振動についても停止しているので、これで作戦終了です』

ナオ『了解……それじゃ帰艦するか』


……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

パシュンッ!

奏「ふぅ……良い機体ね。システムも……確かに、S-02で戦闘をしていた時よりも、随分と視界がクリアだったわ」

奏(これが、新型……これなら、何があっても……)


周子「奏ちゃーん。よしよし、元気そうやね」

奏「どうしたの? 別に、被弾は無かったじゃない」

周子「いやいや、ほら、あのシステム使ったしさ……何ともないかなって思って」

奏「そう、ね……少し、興奮しているかもしれないけれど、これくらいなら……あら?」ピクッ!


美嘉「……」


奏「美嘉、どうしたの?」フワッ

美嘉「あ……う、ううん。なんでも……」

奏「……まったく、最初に前に出られたときは少し焦ったわ。だけど……上手くやれてよかった」

美嘉「奏ちゃん……」

奏「こっちも、美嘉のマニューバにも、周子の支援にも助けてもらったもの、ね」

周子「そりゃそうでしょ。あたしたち、チームなんだからさ」

美嘉「……そーそー、これくらい、お互いフォローし合うのは当然でしょ★」

奏「……そう、そうね。そうよね……ありがとう」

奏(そう、チームなのよね……私たちは……)




ナオ「……なんだ、結構仲いいじゃん」

整備長「同じ時期に来たんだし、仲良くなるだろうよ。嬢ちゃんたちには上手くやってもらわねぇとな」


周子「んー? おっ、整備長が迎えにきてくれてる」

奏「ナオも、ありがとう。戦闘中は助けられっぱなしだったわね」フワッ

ナオ「これくらいなら問題ないよ。3人も、シミュレーターで見た以上に動けていたからビックリしたよ」

周子「いやーでもさ、剣振り回して突っ込んで帰って来るなんて真似、あたしには出来ないかなー」

美嘉「ナオだから出来るんでしょ。アタシたちはアタシたちで、一緒にやっていこうよ★」

奏「そうね。しばらくはこのメンバーで組むんだもの……よろしく、お願いするわね」

……
…………

というわけで今日はこれで終わります。
明日からデレステも4倍期間に入るので頑張りましょう。


G型とか細かく覚えてないから読み直さないとな

――木星圏、ナシヤマ(入港口)

パシュンッ!

P「では、やはり火星圏から土星圏まで、度重なる次元振動の影響で空間が安定していないのか」

晶葉『そういうことだ。干渉装置の稼働データや各宙域の情報も定期的に採取して分析していたが……予測よりも随分と早まっている』

P「予測データが出ていたとはいえ、こうも事態が前倒しになると対応も困難か。次元崩壊……大佐にこのことは?」

晶葉『今日中には連絡する。それに、奴らが再び空間転移でここまで来たんだ。気にして向こうから開発室に顔を出しに来るだろう』

晶葉『恐らく、土星圏外で確認されていた白蜂共の他にも、こちらの宙域に気付いて空間転移を試みようとしていた奴らも相当数いるんだろう』

晶葉『奴らの空間転移による次元振動、及び次元断層によって発生するエネルギーに対し、干渉装置が同量のエネルギーを与えて相殺している』

晶葉『だがそれも、あくまで応急処置として行っていた対応……もっと早くにクイーンとの相互理解を図ることが出来たら、ここまでにはならなかったが』

P「しかし、こちらの準備が出来ていなかった。アインフェリアも、俺たちも……こればかりは、どうしようもない」

晶葉『そうだな……そちらはどうなった?』

P「巣は出撃したヴェールが破壊した。コンディショングリーンになったから戻ってきたが……これから俺も会社に戻る」

晶葉『いや、お前は今日はもう帰れ。それなりに健康体に戻っているのは分かっているが、先日退院したばかりの病み上がりだ』

P「そうも言ってられないだろう。こうなってしまった以上、ここだけではなく他の宙域にも奴らが再び空間転移してくることになる」

晶葉『馬鹿者、だからといってお前1人でどうにかなる話ではない。少し休め……上司からの命令だ』

P「……分かった」

晶葉『しかし、このままでは……だが、この状態が続けば高い断層レベルの発生がなくとも、他の次元との境界が曖昧になる。そうなれば、また――』

P「晶葉」

晶葉『……そうだったな。もう、アイツは帰ったものな』

P「奈緒は自分のいるべき世界に帰った。もう、何があってもこちらの世界に戻ってくるべきではない」

P「この世界で、奈緒は俺たち共に戦ってくれた。だから……あんな物も、必要ない」

晶葉『……ああ。だがな、私は開発者として……1人の人間として最善を尽くすだけだ。少しでもその可能性があるなら、未来に繋がるのならば』

P「……」

晶葉『お前の気持ちは分かる。私たちは奈緒に助けられた、アイツの戦う意思と、願いに……私たちが、応えてやらないとな』

P「ああ」


……
…………

――ナシヤマ(港前)

P「……俺たちが、応えなければな」



「Pさん!」



P「美波……どうした?」

美波「どうしたじゃありません! 美優さんから聞いて……愛梨ちゃんたちも出撃したって」ギュッ!

P「そうか。皆は大丈夫だったか?」

美波「みんな、今日はI@LPの前に本部に来ていましたから……でも、私たちよりPさんが! 退院したばかりなのに……」

P「心配掛けたか。すまなかった」

美波「Pさんに何かあったら……私たちが行かないと……」

P「アインフェリアの……美波のやることは別にある。俺のやることは、お前を守ることだ」

美波「……もう」チュッ

P「ん……どうした。外でこういうことは……」

美波「昔から、無茶ばかりして……貴方は、いつも私たちに……」

P「ああ、もう無茶はしない。それより、帰る前に軍本部に行こう。愛梨も蘭子も、そっちに戻ったはずだ。みんなも迎えに行かないとな」

美波「はい……でも、その前に……んっ……んふっ……」チュッ

P「……だから、やるならここじゃなくて」

美波「はぁ……ダメ、我慢出来ない……はぁっ、はぁ……」

P「待てまて、こんなところでやめてくれ。公道で堂々とセックスするのは流石にマズイ」

美波「セックスって……私、セックスなんて一言も言ってないのに。もう、エッチなんですからっ」

P「お前にだけは言われたくない……これまでの経験からそう思わざるを得ないだろ……」

美波「ふふっ、でもその気になってくれているなら……今晩、楽しみにしていますね」

P「……とにかく、軍本部に戻るか」

美波「はい……あ、Pさん。戻りながらでいいんですけど、1つお話が」

P「なんだ。あまり変態的なプレイは……」

美波「違います! その……私だけじゃなくて、文香さんたちも……聞こえたんです、声が」

P「声?」

美波「怒りの声が……恨みの声が……悲しんでいる。ずっと、ずっと……とても長い間、私たちと、みんなが出会う前から……」

P「……それは、クイーンのことか?」

美波「そう、かもしれません。だけど、声が聞こえたのに、ちゃんと聞くことが出来なくて……私たちの言葉も……」

P「お前こそ無理をするな。必ず、そのときが来る。俺たちがクイーンに会いに行くときに」ギュッ!

美波「……はい」


……
…………

――土星圏宙域、フレイヤⅡ(食堂)

周子「おばちゃん、火星丼ね」

おばちゃん「あいよ、残すんじゃないよ」



整備長「それにしても、お前らも大したこと無くてよかったよ」

奏「なあに、整備長。もしかして……私たちがそんなことになるの、期待していたのかしら?」

美嘉「ばっ!? ばばばばば……ばかっ、バッ……」

ありす「整備長も、心配しているんですよ。ヴァルキュリアシステムを動かして、私たちだけじゃなくて、ニュージェネレーション隊も同じ目に遭っていますから」ガタッ!

奏「あら大尉。そうなの……てっきり、整備長も男の人だからそういうことに期待していたのかと思って」

ありす「フレイヤの他の乗員が、私たちに興奮するようなことになっているなら、ここは魔窟になっていますよ」

整備長「まあ、稼働当初は俺たちのほうも、そうならないようにメンタル調整されたけどよ……いやまあ、あの惨状を見てたから結局エロい気にはならなかったっていうか……」

ありす「そこら辺は、良識のある方々が集まってくださって私たちも助かりました。大佐も、色々と考慮して人選したのでしょうね」

周子「ご飯ごはーんっと……ま、いいんじゃない? 変な目で見られないなら、そのほうがいいし」

ありす「変な目で見られていることには変わりないと思います」


美嘉「いいいいやいやいやいや! アタシたち、ア、アイドルなんだから、そういうのって……」

ありす「それが正常な反応ですけれど……貴方、見た目によらず初心ですね。I@LPではギャル売りをしていらっしゃるのに」

周子「いやいや、あたしたちからすれば、ありすちゃん大尉がそんなにふつーにしてるのがねー」

ありす「ちゃんを付けるか大尉を付けるか、どちらかにしてください。まあ、私はここに来て5年以上経っていますからね。もう慣れています」

奏「……大尉、凛たちとあまり変わらないくらいに見えるけれど」

ありす「それは、私の外見が子供だと言いたいんですか?」

奏「あ、いえ、そういうわけじゃないわ……」

ありす「まあ外見に関してはあまり否定はしません。私の体、一部はビーたちに適用している肉体生成技術と同じ物で移植されていますから」

ありす「それでも2年程前に再調整と、成長促進はさせましたのでそれなりに成長してますけどね」

奏「あら……まあ、深い話は聞かないでおくわ」

整備長「そういや結構、背伸びたなぁ。成長期だな」

ありす「この年齢になって、ずいぶん遅い成長期ですけどね。私ならそのうち、Pさんの好みの体になるでしょう」

整備長「その自信はどっから来るんだ……少佐の好みねぇ」

美嘉「……そ、そういえばさ、その、P少佐……だっけ、その人って……どんな人?」

整備長「旦那か? そうだなぁ……気は良くて、無茶苦茶なパイロットで……苦労人か」

ありす「良い人ですよ。ここに来ても腐らずに私たちのお世話をしてくれました」

ありす「指揮官としては少し、いや結構思うところもありますが……能力もあり、人柄も良く優秀な方です」

加蓮「Pさん、他所と融通も利くしね」ガタッ

ありす「おや加蓮さん。ブリッジはどうしましたか?」

加蓮「オートメーション機能に移行させたし、ナオが見ておくから今のうちにご飯食べてこいって」

加蓮「それでPさんのことだけど……優しい人だよ。私、Pさんがいなかったらここじゃやっていけなかったかも」

周子「へー、そうなんだ」

加蓮「うん。Pさんからたくさん勇気もらって……だからここで頑張ることが出来たのかなって」

美嘉「良い人か……よかった。あ、セ、セ、セセセック……スゥ……とか、そういうのっ、するとかは別にして、ね!?」

ありす「……まあ、今回の新型のヴァルキュリアシステムは、ゾーニング現象の後遺症に対しても大幅に抑制が効いているみたいですし、問題ないかと思います」

加蓮「あ、そうそう。みんなどうだった? 戦闘終わった後」

奏「……浴場にバイブやらディルドーやらが置いてあった理由は分かったけど、今回は使わなかったわ」

周子「お風呂入りながら少し悩んでなかった?」

奏「……ほんの少しだけよ」

加蓮「それならよかった。戦闘終わるたびにオナニーするのも結構大変だし……ナオも、万が一システム使うことがあっても、大丈夫そうかな……」

ありす「ナオさんは私たちと違って、システムそのものに適性がありませんからね。今起動させるなら、システムとPさん側の補助もあってようやく、でしょうか」

加蓮「使うことがないといいけど……ま、こんな話しても、仕方ないよね。ごはん食べよ」

美嘉「こんな話で済むんだ……」


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

パシュンッ!

ありす「お疲れ様です」

ナオ「ん、もう戻ってきたんだ。早かったな」

ありす「あまり食堂で時間を潰しても仕方がありませんからね。加蓮さんたちはまだ休憩していますが」

ナオ「そっか。こっちも航路変更はなさそうだし、このまま予定通りに帰れると思う」

ありす「そうですか……おや?」カタカタカタッ!

ナオ「ん?」

ありす「いえ、私のほうに通知が……重要展開項目?」

ナオ「……なんだ、どうした?」

ありす「ミーミルを使います。アルヴィスの更新履歴……公開範囲が4層までの情報で緊急公開されている……これは……ナオさん!」

ピピッ!

ナオ「なんだ? モニターに……これ……木星圏で、巣が出たのか!?」

ありす「空間転移による中規模の巣の出現、ナシヤマの迎撃部隊による対応……宙域の次元振動情報は、まだありませんね」カタカタカタッ!

ナオ「そんな……いや、ここも今回の戦闘で次元断層からの空間転移で巣が出てきた。木星圏でも出てくるのは、おかしい話じゃないけど……」

ありす「やはり干渉装置が効いていない……2年前の設置以前も、各宙域に空間転移はされていましたから、昔に戻ってしまったと言えば、それまでですが……」

ありす「それにしても、私たちのほうも今回の作戦で次元振動の初期観測から断層発生まで、短い期間で対応しましたが……向こうは迎撃部隊の緊急出撃ということですし」

ナオ「……次元振動の発生から断層まで、猶予時間が無いのか。これじゃあ対応が後手に回るだけじゃないか」

ありす「宙域の状況を確認後、干渉装置の見直しと各コロニーの迎撃部隊の再編成ですが……そうするしかないですね」カタカタカタッ!

ピピピッ!

楓『はい。こちらオート・クレールですけど、私のところに直通してくるってことはありすちゃんですね?』

ありす「お疲れ様です。そちらの様子は?」

楓『軍のほうから展開があったんですね。出ちゃいましたよ、白いの。びゅびゅびゅーってたくさん飛び出してきました』

ありす「みなさんは無事ですか? まさかとは思いますが、Pさんは……」

楓『張り切って飛び出していきましたよ。帰ったらお説教する予定です。私はPさんの白いのを出させようと思っていますけど』

ありす「程々にしてくださいよ……いや、まあそんなことだろうと思っていましたけど……」

楓『機体、こっちで持っていませんでしたから、改修して倉庫に隠してたVILS-01を使ったんですよ』

ありす「……わかりました。ぶっ飛ばしておいてください」

楓『ありすちゃんの了解を得たから心置きなくやれますね。あ、他のみんなも無事でしたよ。本部にいたから別対応でしたけれど』

ナオ「なあ楓さん、晶葉は何て言ってるんだ?」

楓『まだ会議中です。今日お話しするのは難しいと思いますし、私も帰れません……でもPさんは帰ったんですよ。酷いですよね』

ありす「それ、晶葉さんが帰したんじゃないんですか? あの人なら黙っていれば職場に戻ってくるでしょうに……」

楓『……システムは使わなかったにしても、いつまたフラッシュバックが起きるか、分かりませんから』

ナオ「そう、だな……あたしとPさん、しばらく酷い目に遭ったからな。あたしは起動回数も少なかったから、すぐに復帰できたけど」

ありす「そうです楓さん、アインフェリアのみなさんとお会いしましたか?」

楓『軍本部の状況を聞くのに通信はしていましたけど、どうかしましたか?』

ありす「いえ……何か、言ってませんでしたか?」

楓『……女王様の声が、聞こえたって言ってました』

ありす「やっぱり……こちらも、先程まで任務で戦闘を行ってましたが、そのときに私も何かの声が聞こえました。やはりクイーンでしたか」

楓『やっぱり?』

ありす「……以前も、同じだったんです。多分、どういう理由であれ私たちが彼らを……クイーンの子を殺していること、そんな私たちとビーたちが共にいること」

ありす「色んな感情が混ざって、クイーン自身も変質しているのかもしれない……そう思うんです」

楓『私は、よく分からないけれど……晶葉ちゃんとPさんには、伝えておくわ』

ありす「お願いします。こちらも何か新しい情報が入ったらご連絡します……と思いましたけど、貴方達なら大佐から直接お話が行きますね」

楓『こういうときは、軍のほうに復帰してよかったって思いますね』

ありす「もう嘱託扱いでもなく正規復帰で戻っているのに、常勤はオート・クレールですからね……随分都合のいいポジションに収まりましたよね」

楓『これも、昔の実績と伝手のおかげです。麗奈ちゃんに感謝しませんとね。それじゃあ、何かあったら連絡しますね』

ありす「すみません、よろしくお願いします」

ピッ!

ナオ「……面倒なことになったな。これで、予定していた編成の見直しも入るんだろうか」

ありす「恐らくそうなりますね。各宙域の防衛のことを考えると、手薄にするのは避けたいと思います」

ナオ「とはいえ、あたしたちが考えても仕方がないか……編成は本部のほうで決めてるし……」

ありす「そうですね……あ、ナオさん。1つお願いしてもいいですか?」

ナオ「なんだ?」

ありす「今回の任務で出撃した3人、ヴァルキュリアシステムの初回起動なのでメディカルチェックをやってもらいたいんです」

ナオ「医療班の仕事じゃないのか?」

ありす「システムに対して考慮するポイントは帰還後に医療班のほうで実施していますから、ナオさんのほうは小隊運用の観点で実施して頂きたいのですが……」

ナオ「まあ……それなら別にいいけど。マニュアルか何かある?」

ありす「前に私がニュージェネの3人に実施したときに使ったテンプレートがあるので、それを使ってください。端末に送っておきますので」カタカタカタッ

ナオ「了解。それじゃさっさと済ませるか……飯も食べ終わって休憩してるだろうし」

ありす「すみません、本当は私のほうで実施しようと思っていたんですが……」

ナオ「別にいいよ。あたしは前線任務くらいしかやれないし。ちょっと行ってくる」フワッ

ありす「志希さんたちが来たら、こちらの作業も少しは楽になるんですけどね……よろしくお願いします」

……
…………

――フレイヤⅡ(通路)

ナオ「えーっと、最初は誰にしようか……んー……」ピッ、ピッ……

ナオ「……美嘉だな。周子はなんか適当に答えそうだし、奏は落ち着いてきた蘭子って感じで難易度高そうだし……うん、一番無難だ」

ナオ「とりあえず飯も食べ終わってるだろうし、部屋にいるかな……まあ、いなかったら奏のところに行こう」


……
…………

――フレイヤⅡ(美嘉の部屋前)

ナオ「さーて1人目だ。おーい美嘉、いるか?」ピピピッ!

ナオ「……」

ナオ「んー……いないか?」

ピピッ!

ナオ「あ、でもロックしてないってことはいるのか。まさか寝てるのか? おーい、入るぞー」ピッ!

パシュンッ!



『だからアタシもお願いして、ナシヤマのオーディション受けにいくから! そっちに行くときは、お姉ちゃんのトコに泊まっていーい?』

美嘉「もー、アンタってばいつも勝手に決めようとするんだから、アタシだって仕事あるんだからさぁ」

『あとね、この間チョーイケてる新しいお店が出来たんだけど、おかーさんお小遣いくれなくてさー、まだ行けてないんだよねー』

美嘉「アンタ、そうやって何でも無駄遣いしようとして、お小遣いだって遊びにばかり使わないで、ちゃんと残しておきなさいよ」

『それでね、この前お姉ちゃんが話してくれた雑誌、おかーさんが買ってきてくれたんだけどさ。お姉ちゃんメッチャキマッてたもんね!』

美嘉「そりゃあそうでしょ。こっちだって一応カリスマギャルで売ってるんだから」


ナオ「……おーい」


美嘉「……ん?」ピッ!

ナオ「通話してるのはいいけど、部屋のチャイムくらいは気づいてくれよ」

美嘉「あっ、ご、ゴメン! 全然気づかなかった……どうしたの?」

ナオ「まあいいけど。ちょっと医療班とは違うメディカルチェックやろうと思ってな」

美嘉「あれ、そうなの? 戻ってきた後に受けてるけど」

ナオ「ありすから渡されてる観点でチェックもしたいって言われてさ。部隊運用に絡んでる内容だと思うけど……あたしもやるの初めてだから」

美嘉「ふーん……ま、あのシステム、色々あるもんね。た、確かに……ち、ち、ちょっと、興奮したけど……」

ナオ「抑制剤入れたなら大丈夫だろうけどな。んーと、どれからやればいいんだー……?」ピッピッ……

ナオ「そういえば、さっき話してたのって家族か?」

美嘉「うん、妹の莉嘉。話してると長くなっちゃって」

ナオ「いいじゃん。この仕事してると、普段は顔合わせる機会もないし」

美嘉「まあねー。アタシがいなくてもちゃんとやってればいいんだけど」

ナオ「それはいいとして、部屋のチャイムに気づかないのはダメだな」

美嘉「うぐっ……ゴメンってば……」

ナオ「あった、これか。えーっと、システム起動後の僚機連携時の……長いな。まあやるかぁ……」

……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(休憩所)

奏「……」


ありす『出現した蜂の巣は、ナシヤマの迎撃部隊により処理されましたが……長距離航行プランに何かしらの影響は出るでしょう』

ありす『プラン実行に際しての動員を減らし、各宙域の防衛の割り振りを増やすか……そうなると、プラン遂行も苦しくなりますね』

ありす『もしくはプランの実行が多少早まるか、ですね。こちらに被害が出る前にプランV3を成功させる……そうなればまた状況も変わります』



加蓮「コーラ……っと、ん?」フワッ

奏「……」

加蓮「どうしたの奏、休憩?」ピッ!

ガコンッ!

奏「……ええ」

加蓮「ま、ここにいるからそうだよね。私も、もう少しでありすと交代しないとなぁ」ピッ!

ガコンッ!

奏「……ねえ、1つ聞いていいかしら?」

加蓮「なに? はい、コーラ飲む?」

奏「ありがと……いえ、貴方、大尉のことを呼び捨てにするのね。仲が良いのね」

加蓮「え? あー……まあ呼び捨てっていうか、戦闘中はちゃんとするけど……まあ、ね」

奏「そう」

加蓮「……どうしたの。何かあるんでしょ?」

奏「そう、見えるかしら?」

加蓮「私に構わないでってオーラと、構ってほしいってオーラが両方見える」

奏「……イヤだわ、そんなつもりじゃなかったけれど」

加蓮「私も結構面倒くさかった時期あったし、何となくわかるんだよね。で、どうしたの?」

奏「……木星圏のこと、私たちの今後の作戦にどう影響するのかと思って。こっちの人員が減らされたら、プラン……上手くいくのかしら」

加蓮「ふーん……奏ってそういうこと考えるんだ。あ、茶化してるわけじゃないんだけどね」

奏「別に、私でも気になることくらいあるわよ」

加蓮「そうだよね。長距離航行プランのメンバーが減ったら作戦の内容も変わってくるし、かといってコロニーの防衛も手薄にしたら、巣が出てきたら対処できないもんね」

加蓮「どっちも手は抜けないから、どっちを選べばいいか……だけど、私たちはどっちも選ばなきゃダメなんだよね」

奏「それが出来ないから、難しい話なんでしょう? 大尉も、悩んでいたわ」

加蓮「ううん、難しくなんてないよ。私たちは、どっちも選ばなきゃダメ。片方だけを選ぶのは、ダメだから」

加蓮「コロニーを守らないと、いま大勢の人たちが死ぬかもしれない。クイーンを何とかしないと、いつか大勢の人たちが死ぬかもしれない」

加蓮「私たちは、どっちかを選ぶんじゃなくて、どっちも選ばなきゃならない……そうじゃなきゃ、大切な人たちを守れない。それが、私たちが戦っている意味だから」

奏「それが、軍人としてのやるべきこと……かしらね」

加蓮「私はそれだけでいいんだけどね。奏はもっと大変でしょ? みんなを守って、元気付けてあげないと……アイドルなんだから」

奏「そう、アイドル……そうね、やることが多すぎて、目が回りそう」

加蓮「ま、それがアイドルの仕事でしょ」

奏「……加蓮は、それが出来ると思っているの? どちらも選ぶ、どちらも、守り抜くこと」

加蓮「昔の私なら……奏と同じように悩んだかも。だけど、今の私なら……どっちも選ぶよ。どっちも選んで、守らないと……きっと後悔するから」



『加蓮だから……あたしが傍で、守ってやらなきゃって……みんなの分まで、あたしが戦わなきゃって……!』

『あたしが、守ってやるよ。今度は……嘘じゃない』



加蓮「私のことを、命懸けで守ってくれた人たちがいるんだ。本当に命を懸けて、自分のことを投げ出そうとして……」

加蓮「私は、その思いに応えたい。私を命懸けで守ってくれた人たちの為に、今度は私がその人たちを守りたい」

加蓮「今でも傍にいてくれる人の為に……平和な世界に、帰ることが出来た人の為に……」

奏「……強いのね、加蓮は」

加蓮「そうでもないけどね……それに、私たちがそうする為に、アインフェリアのみんながいるんだから」

奏「……そう、ね。アインフェリア隊……プランV、プランV2の最重要部隊……ありす大尉たちは、私たちだけじゃなくて、ビーたちも守ろうとしているのよね」

加蓮「そうだね。アインフェリアはビーたちも……あ、そうだ」

奏「なに?」

加蓮「思い出した。ちょっと気になってたんだけど……奏、美嘉と一緒に戦闘して、どうだった?」

奏「どうって……悪くない腕だったわ。私もマニューバは合わせやすかったし……少し突っ込み過ぎなところはあったけれど」

加蓮「そっか……」

奏「何かあったの?」

加蓮「ちょっとね。ホロスクリーンで確認してたけど、何だか前に出過ぎてるなって思ったから」

奏「まだコンビネーションが上手く出来ていないからだと思うけれど……わかったわ。訓練のときに、それとなく話しておくわ」

加蓮「あ、ごめんね。私から言ってもいいんだけど」

奏「構わないわ。もしかしたらナオも気にしているかもしれないし、次の戦闘までには直しておくわ」

……
…………

というわけで今日はこれで終わります。

>>106
前にも(エロゲ編や奈緒編)でもたまに聞いていたんですが、そういうこっちで勝手に作ってる用語とか何か、纏まってたほうがいいのかなと思うときあるんですけどね。取っ散らかってるし
纏まってると黒歴史公開ノートみたいな感じになるのがアレなんですけど

>>131
んじゃ何かしら載せますかね
どこら辺あればいいものか……

――数日後、ナシヤマ、ショッピングモール、パチスロ店『ジュピターパラダイス』

P「それで、プランも防衛体制も再編成されるってことですか」

大佐「うむ……今朝方、軍本部を設置している各コロニーに緊急での再編成指示が出た。民間委託しているところについても急がせているがねえ」

P「管轄外のコロニーに被害が出たら、それはそれで軍のほうも後々の立ち回りで困ることになります。プラン実行前に手は打っておきませんと」

大佐「そうだなぁ……ああそうだ、キミの件、時子君に通しておいたよ。時期が良いと言うべきか悪いと言うべきか、即決されたみたいだね」

P「人手が足りない状況でしょう。フレイヤも遊ばせておくわけにはいかないし、時子も長距離航行プランの準備で手が回っていないと聞いています」

大佐「どうしてこう、上手くいかないものかねぇ……」

P「そういうものです。上手くいくなら……皆も、今頃はもっと……」

大佐「……そうだったな。機体については、晶葉君から聞いている。まだ新型の準備は出来ていないと聞いているから、代替機として3Nを用意させている」

P「十分です。GNブースト対応機は他所に回したほうがいいでしょう」

大佐「頼んだよ。あの2人も、少し前にギチトーからこちらに向かっていると聞いた。フレイヤⅡに合流したら、ありす君と頑張ってくれたまえ」

P「はい……ところで」

大佐「なんだね」


P「ここで時間を潰してる暇はあるんですか」

大佐「いやだってねぇ……本部でキミと話していると彼女たちに見つかりそうで……この前だってほら、キミがフレイヤⅡに戻るか検討していたときの話で……」

P「ああ……俺も、あの時は昼間から縄で縛られて磔にされている人間は初めて見たな……」

大佐「キミからも何とか言ってくれないかね。彼女たちの私への暴力は……なんというか、最近ますます激しくなっているというか……」



美波『は? Pさんに何させる気ですか? まだ入院中なのに、ふざけているんですか?』

文香『今なら、足の爪程度で済ませてあげますが……』

藍子『このまま、みなさんの前に引きずり出してもいいんですよ? どうなんですか?』

夕美『それより車に括りつけて町中で引きずり回したほうがいいんじゃないかな』



P「あいつら……仮にも大佐相手に……まあ、仕方がないか」

大佐「し、仕方がないとはどういうことだね! そういえばキミ、以前千秋君が私に同じようなことをしたときも見捨てたが……!」

P「いや、ありすも翠も一緒にいたし、気の済むまでやらせていいかと思って……」

大佐「勘弁してほしいんだがねぇ……キミとも隙を見てこういったところじゃないと話しにくいんだが……」

P「はぁ……まあ、適性として選ばれた皆にとっては、堪ったものではないからな。諦めてください」


……
…………

――夜、ナシヤマ、P家(居間)

美波「ええっ!? Pさん、先にありすちゃんのところに行くんですか!?」

P「ああ。状況が変わった。ここでのことは、楓さんと美波に任せる。近いうちにここを出る」

美優「そんな……せっかく、退院できたばかりなのに……」

P「戦闘に関しては問題ない。今回の緊急出撃でも、ある程度やれるのは確認できた」

藍子「でも私たちのほうが、まだ……」

文香「はい……I@LPより提示されている、プランV3の為の準備が……」

P「大丈夫だ。ここにいて、I@LPの進捗は俺も見ていた。皆なら間に合わせられる。それに、戻る予定だったフレイヤⅡに向かうのが少し早まっただけだ」

P「再編成と長距離航行プランの前倒しになれば、皆の負担も増す。外に出ているありすのフォローもしなければならないだろう」

楓「今朝決定になりましたけど、長距離航行プランの動員予定だった部隊の一部は各コロニーの防衛に割り当てられます。プランについては艦隊の航行期間も合わせて短くなりますけど」

夕美「ビーたちの星に行くのも、凄く遠いのに……期間も短縮になるなんて……」

美波「でも、仕方がないわね。部隊の消耗や確保する資源を考えると、そうしないと……次元跳躍が十分に使えればよかったけれど」

P「それでも大幅な期間短縮が出来ている。光波推進システムと合わせて2ヶ月の移動で済む想定となっているんだ」

ピピピッ!

美優「はい……どなたですか?」ピッ!

菜々『あ、美優さんですか? ナナでーっす♪』

美優「菜々さん……どうしたんですか? こちらにご連絡なんて……」

菜々『いえいえ、ニュージェネのみなさんがこっちに来てから一度連絡しようと思っていたんですけど、中々時間が取れなくて……』

楓「あら、お疲れ様です。3人とも、どうですか?」

菜々『頑張ってますよ。いま智絵里ちゃんと格納庫に行ってて、ナナは部屋でお留守番してますけど』

P「シミュレーターか? 一緒に行かなかったんですか」

菜々『いえ、実は書類が溜まってて……それはそうと、何やってましたか? 晩ご飯ですか?』

楓「はい。それと、長距離航行プランのお話と」

菜々『あー、前倒しになるって時子さんから聞きましたよ。それにしても、アウズブラが試験航行していたときにビーの星を見つけたときは、ずいぶん掛かったんですけどねぇ。時代は変わったもんです』

P「自称JKが懐かしむことかよ……それはそうと、俺も前倒しで復帰することになりました。近いうちに土星圏に戻ります」

菜々『あら……大丈夫ですか? また、倒れたりしませんか?』

P「もう大丈夫ですよ。リハビリプログラムもほとんど終わっていますし」

菜々『まさか、木星圏に一時配属されたときに、Pさんがあんなことになっていたとは……ナナは最近の若い子たちにはついていけませんよ……』

楓「私も初めて聞いたときは信じられませんでしたよ。まさかPさんが、若い子たちと爛れた関係になっていたなんて……」

P「人聞きの悪いことを……」

美波「そうです! 楓さんだってPさんとセックスする日はおちんぽ大好きって言いながら動いてるじゃないですか!」

楓「覗き見してたんですか? それはちょっと……」

美波「違います、Pさんの病室に設置したカメラで見ていただけです」

P「ええええ……」

夕美「じ、実は最近、盗撮モノのAVが流行ってて……自分たちでもやってみたいなってお話してたから……」

P「だからお前たち最近、病室でセックスしてるときに変な体位で動いていたときがあったのか……」

夕美「カメラ映りを考えて、ね……」

文香「食事が終わったら……編集した動画を一緒に見ませんか……? よく、出来ていると思いますが……」

P「いらん。捨てろ」

美波「美優さんが病室に来てセックスしていた時の映像も編集していますけど」

美優「え、えええっ!?」

P「……いらん」

藍子「今、さっきと反応違いましたよね? どういうことですか?」

菜々『あっ……な、ナナはちょっとお邪魔みたいですから、これで失礼しますねっ! キャハッ☆』

ピッ!

美優「あ……切れちゃいました」

美波「Pさん? お話の続きは……」

P「話が脱線しすぎだ。ひとまず俺は先行して土星圏に戻り、長距離航行プラン前の防衛任務にあたる。フレイヤⅡも恐らくはシステムのテストだけではなく、圏外防衛に出ることになるだろう」

P「皆の準備が早く終われば、それだけ防衛部隊の維持期間も短くなる。頼むぞ」

……
…………

――数日後、ホクドウ、入港口、フレイヤⅡ(ブリッジ)

周子「んー……はぁ、終わったぁ」

美嘉「送られてきてる艦チェック作業終わりっと。整備班、下部外装交換は明日終わるって」カタカタカタッ!

奏「そう。それなら私たちは待機ね……シミュレーターでも回す?」

ありす「作業が終わったのであれば、今日はもう待機でいいですよ。迎撃部隊の出撃編成にも入っていませんし」

美嘉「んーまだ午後になったばかりだけど、半日休みになるし……何かちょっと、気が引けるっていうか」

ありす「いいじゃないですか。休めるときに休んでください。そのうち、休むのも難しくなります」

奏「そうね。上官がそう言ってくれるんだから、休んでおきましょう」

周子「さんせー。そういえば今日はナオちゃんも加蓮ちゃんも見てないねー」

奏「そういえば……朝からいないわね。どこにいるのかしら?」

ピピピッ!

ありす「あっ、あの2人は……」

加蓮『……はい、どうしたの?』

奏「加蓮? 貴方何をやっているのかしら? 部屋にいるの?」

加蓮『ん……ちょっとベッドにいたけど』

奏「もしかして休憩時間? 服くらい着て寝なさい……まあいいわ。私たち、今日の作業はもう終わりになったから、外に出ようと思うの。貴方もどう?」

加蓮『外か……ナオ、奏たち外出るって。動ける? 一緒に行く……ナオも行くって。今そっち行くから』

美嘉「え……」

周子「お?」

奏「……そう。それじゃあ待っているわ。ゆっくり来てくれて構わないから」

加蓮『了解。それじゃちょっと待ってて』

ピッ!

奏「……」

周子「部屋に若者が2人きり。1人は裸、ベッドの上……この符号が意味するものとは……」

美嘉「はっ、はっ、はっ……ぴぴぴはははははわわわわ……」ガタガタガタガタ

ありす「お2人であれば、ナオさんが今朝方ゾーニング現象の後遺症が出たそうで、フラッシュバックを抑えるのに加蓮さんが性行為を手伝ってあげていましたよ」

美嘉「ぶぶぷぅっ!?!?」

周子「うわちょっ!? 汚いって!」

奏「……そう」

ありす「なんですか貴方達のその反応は。ナオさんは元々ヴァルキュリアシステムに対して適性はありませんでしたが、過去の戦闘でやむを得ずシステムを起動することがありました」

ありす「その為、稼働時期とシステム使用頻度は低いですが、私たちよりも後遺症による影響が大きいんです。笑いごとではありませんよ」

奏「いえ、確かに笑えないけれど……」

ありす「どちらかと言えばナオさんは私と同じく常識的な方なので、こうなってしまったのは非常に心苦しいですが……」

奏「……まあ、それはいいわ。大尉はどうするの?」

ありす「私は作業があります。みなさんは自由にしていて構いませんが、通信には出てくださいね」

周子「はいはーい。それじゃ出かける準備しよっか」

……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(格納庫)

整備長「……」

ピピッ!

パシュンッ!!

ありす「……」ハァ、ハァ……

整備長「お疲れさん。シミュレーター、大丈夫か?」

ありす「……問題ありません。今回の事態で、悠長にテストデータの採取も出来なくなる戦闘が増えるはずです」

ありす「耐性持ちとはいえ、バイタル状態をレッドゾーン付近まで上げておけば、私の稼働データでもある程度の検証が出来ます」

ありす「あの人の為に……あの人の枷を、1つでも取り除いておかないと……」

整備長「でもよぅ、それで嬢ちゃんがダウンしたら元も子もねぇだろ。少佐だって心配するしよ」

ありす「……」

ピピピッ! ピピピッ!

整備長「ん……嬢ちゃん、ホレ」

ありす「私の端末ですか……はい、橘です」

P『俺だ。そっちは変わりないか?』

ありす「Pさん? いえ、こちらは特に……この前の作戦が終わって、数日ホクドウに滞在していますが」

P『それならよかった。こっちは今、高速シャトルの中にいる。1週間程度で合流できる予定だ』

ありす「……は? みなさんはどうしたんですか?」

P『俺だけ先行して来ることになった。皆は楓さんに任せている』

ありす「あなた……あなた、どうしてそんな……まだみなさんは、I@LPだって消化が終わってないんですよ? それなのに……」

P『それを言うなら、お前も同じだ。そっちに行きながら同じ仕事をしている分、負担は多いだろう。少しでも、お前の業務を減らせたらと思ってな』

ありす「ですが……」

P『なんだ、俺がそっちに来るのが嫌か?』

ありす「いえ、そういうわけではありません……はぁ、私は、みなさんのこともそうですが……あなたの身体を心配しているんです」

ありす「耐性があったはずのあなたですら、2年も離脱しなければならない程の後遺症を受けて、退院したばかりでこちらに来るなんて……誰だって心配するに決まっています」

P『そうか。だが、俺はお前のことが心配だ。それに……どうだ整備長、俺が戻ってくるのは?』

整備長「少佐の旦那なら、どうせ無理言っても来るんじゃねえですか? 俺は、そこら辺は心配しても仕方ないっていうか、諦めてるっていうか……そういうもんでしょ」

P『どうだ、整備長のほうが余程、理解が良くて話を分かってくれているぞ』

ありす「整備長と比べないでください。もう……こちらは忙しいので、もう切ります。それでは」

P『ああ、もう少し待っていてくれ』

ありす「知りません」

ピッ!

整備長「おいおい……嬢ちゃんが怒るのも分からなくねえけど、んなこと言わなくてもよ……」

ありす「……だって、仕方ないじゃないですか。あの人が……あの人が、あんなことになるなんて……あんな姿を見たら」


『あ……ぐ、お……だ、誰か……』

『俺は、お前たちの……お前たちの、声を……聞いて、いない……俺じゃあ、ない……』



ありす「全員の負荷を受けるなんて無茶をして、おかしくなったあの人を見て……どこかで、あの人なら大丈夫と思っていた自分が、心底嫌になるんです」

ありす「あの人だって人間なんだって。ずっとずっと、戦い続けてきて……その果ての末路が、私たちと同じことになって……」

ありす「私たちが上手く出来なかったから、あの時、クイーンとちゃんと話すことが出来ていれば……私たちのせいで、Pさんが……」

整備長「……はぁ、上司が上司なら、部下も部下ってことだな、ホント」

ありす「整備長……」

整備長「昔、少佐も同じこと言ってたよ。お前らが離脱してた頃、少佐と2人でフレイとS-02を転々としながら戦って……たまに酒でも飲んだ時は、いっつも同じこと言っててよ」



『俺の力が足りないばかりに、皆をあんな目に遭わせてしまった。俺がついていながら……』

『もう少しで退役出来る。そうなれば、今よりももっと皆の傍にいることが出来る。皆が俺を恨んでいようとも……せめて、皆が回復して、元気になるまでは……』



整備長「ま、少佐の愚痴を聞くのも、俺の仕事だからな。少佐の出撃を見送るのと、それくらいしか出来ねえし」

整備長「だからよ、頼れるときは少佐を頼ってやれ。少佐だって、そのほうが嬉しいんだろうからよ。嬢ちゃんなら、分かるだろ?」


ありす「……バカですね。そんなふうに言われたら……わかりますって言うしか、ないじゃないですか」

整備長「ああ、いいじゃねえか……それで」

ありす「……シミュレーターを続けます。それならばPさんがこちらに来るまでの1週間、可能な限りテストデータの採取します」

ありす「オート・クレール社から追加予定のシステム検証項目もすべてもらいます。私の体が耐えられるところまで続けて……それで、あの人がこちらに来たら、甘えます」

整備長「おーおー、それじゃあ避妊治療やっておかねえとな。しばらく離れてたから、やってねえんだろ?」

ありす「べ、別にセックスが目的ではありません。あくまでテストを続けた結果、ヴァルキュリアシステムによるゾーニング状態による後遺症を解消する為に、Pさんにセックスをして頂くだけです」

整備長「言い訳使って誤魔化すのは、どこぞの嬢ちゃんたちと同じだぜ?」

ありす「ばっ……あの人たちと一緒にしないでください! 私はPさんとセックスをするときはもっと素直です!」

整備長「わ、わかったわかった……んな怒るなよもう……」

ありす「まったく……もう少し付き合ってもらいますよ。私では今のシステムを使う分には耐性が高すぎるので、少しでも多く起動しておきませんと」


……
…………

――夕方、ホクドウ、ショッピングモール(広場)

美嘉「はー……買った。疲れた」ドサッ!

ナオ「よくまぁ、そんなに買う物あったな……」

美嘉「えー? これくらい買うでしょ?」

加蓮「ナオはあんまり化粧しないもん。私だって爪弄るくらいで後は程々だし……いやよく買ったねこれ」ガサゴソ

奏「ま、私たちも仕事あるもの。本番のメイクはやってもらったり、映像通信なら加工されているけれどね」

ナオ「……もしかして、奈緒も仕事じゃこんなギラギラした物で顔を」ハッ!

加蓮「あっ、それありそう。ちょっと面白いかも」

ナオ「んなこと言ったら加蓮だってそうだからな……」

周子「それにしてもさー、また宙域で白蜂が出るようになって、少し町の雰囲気も変わったよね」

ナオ「そうか? まあ……昔に戻ったって感じはするけど」

加蓮「まだビーたちと戦ってた頃は、屋外スクリーンも圏内戦闘の報告ばっかりで、一般のメディア報道なんて全然少なかったもんね」

ナオ「そうそう、ネットで他所の宙域の記事探さないとアニメの記事とか全然見れなかったしさ」

奏「ふうん……まあ、私はその後に軍に入ってから、こっちに来たけれど……」

周子「どうだったかなー。前にハマヨコにいた頃は、ビーの受入れがしっかりし始めたときにはもう、普通の報道ばっかりだったような気がするけど」

ナオ(対話の日の前後からのこっちの記憶ってほとんどないからよくわかんないな……戻って来てからなら分かるけど)

加蓮(私が入院してた頃か……)

美嘉「……ま、そんなのいいじゃん。今はまた奴らが来て、アタシたちが倒さないとまた戦いも終わらないんだから」

ナオ「そうだな。プランが始まってからどうなるか――」

ピピピッ!

ナオ「ん、はい」ピッ!

ありす『お休み中のところすみません。少し前に本部から作戦指示の連絡がありました。ホクドウからリトット間の宙域で次元振動が発生しているようです』

ピピッ!

ナオ「……木星圏寄りか。戦闘範囲の想定は、安全航路圏に掛かってるな」

ありす『はい。これに合わせて安全航路圏の封鎖、及び一般のエイルの航行は休止となります。リトットへは現在、再編成された防衛部隊が移動中ですので、コロニー側までの影響は無いとは思います』

奏「ナオ、見せて……断層の予測レベルは4、中規模ね」

ありす『はい。定期哨戒任務に当たっているノルンS-13のほうで対応が予定されています。ですが、予備部隊なので……』

ナオ「S-01からS-10までは圏外防衛とプラン実施の準備に入ってるし、難しいか……増援でこっちも出るんだな。コロニー防衛があるから移動している防衛部隊の足を止めさせるってわけにはいかないか」

ありす『はい。前回と同じく断層発生までの猶予が短い期間となっています。これから対応についてブリーフィングを行いますので戻ってきてください』

加蓮「了解。それじゃ戻りますか」

周子「また戦闘かー……圏外防衛じゃないのに、大変やね」

ありす『すみませんね。あと、1つ良いお話があります。P少佐がこちらに先行して合流するとのことです』

加蓮「Pさん、もうこっちに来るの!? 聞いてたよりもずいぶん早いけど……」

ありす『木星圏での戦闘から、早めにこちらに合流したほうがいいと判断したそうです。あと、フレデリカさんと一ノ瀬博士もこちらに向かっているとのことです』

ナオ「ようやくか……何やってたんだか」

ありす『とりあえず続きは会議室でします。詳しい話はその時に』

ナオ「ああ、すぐ戻る」

ピッ!

……
…………


――数日後、フレイヤⅡ(食堂)

ありす「リトットは国連ではなく黒川重工をはじめ複数の民間企業にコロニー運営を委託している場所の1つです」

ありす「防衛部隊の再編制に伴い常駐部隊を増やしますが、もしコロニーに被害が出ればバッシングを受けることになりますし、今回の次元振動に対して念には念を、ということですね」

ナオ「海賊がいるっていっても、戦力として役に立つわけじゃないし……まあ場所が場所なだけに仕方がないか」

ありす「今回の戦闘予定宙域を見ても、とりあえずコロニー側まで被害が出ることはまず無いポイントですが……現状では何が起きるかわかりませんからね」

ナオ「白蜂の増援が空間転移してきたら厄介だもんな……中規模の巣1つだけなら、ノルン1隻あれば十分だけど」モグモグ

ありす「逆に避難だけを考えるなら、リトットやネシマは採掘場がありますからそちらに逃げればいいんですけどね。電磁場フィールドが採用されている分、白蜂には特定されませんし」

ナオ「コロニー側もそれ、導入すればいいのにな」

ありす「仕方がありません。工業作業区域と違って、軍や民間船の出入りの多いコロニーで頻繁にフィールドの開閉なんてやってられませんし、他所との連絡もしにくくなるじゃないですか」

ナオ「もうちょっと上手いことやればいいのに……ま、愚痴言っても仕方がないか」

ありす「そういうことです……おや?」


美嘉「おばちゃん、週替わり定食ね」

おばちゃん「はいよ、残すんじゃないよ」


ナオ「休憩か?」

美嘉「うん。周子もブリッジに戻ってきたし、加蓮と奏はシミュレーターやってたから、先にご飯食べようかなって」ガタッ!

ありす「この時期にリトット方面に向かうことになるとは思いませんでしたが、これも仕方がありませんね」

美嘉「圏外宙域の移動の話も出てるのに、行ったり来たりで大変だよ……フレイヤっていつもこんなことしてるの?」

ナオ「あたしは他の場所に行ったりするけど……ま、試作兵装のテスト運用部隊だから雑用くらいはな」

ありす「大規模戦闘になれば参加する機会は多いですが、それ以外はテスト実施の為に極小規模級の巣の破壊に行くばかりですからね」

美嘉「ふーん……」

ナオ「そういえば、Pさんって今回の作戦のタイミングで合流するのか? ホクドウに戻ってからか?」

ありす「高速シャトルで移動していたみたいですけど、ついでにお2人も拾ったみたいでブースターパックを使って追いつくそうですよ」

ナオ「こっちまで来るのか……まあ、それならアテにするけどさ。よく宙域移動するのにNGFで行こうとするな……」

美嘉「P、P少佐、来るんだ……NGFで移動して来るって、結構キツイと思うけど……」


ありす「ま、普通やりませんからね。そこまでの長距離航行は想定されていませんし。そんなことする物好きはPさんと小関中佐とセカンドドライバーくらいしかいません」

美嘉「小関中佐と、セカンドドライバーか……直截見たことはないけど、どっちも凄いパイロットだったって聞くけど……もう……」

ナオ「そうか……うん、凄いパイロットだったよ」

美嘉「でもセカンドドライバーのヘンな仮面の話は聞いたことあるよ。メッチャセンス無いって評判だったし……」

ナオ「そ、そうか? あたしはカッコいいと思うけど……」

ありす「……まあ、それは置いといて、合流が間に合うなら戦力としてカウントできます。ノルンも1隻いて、中規模の巣ですからそこまで変わるわけではありませんが」

ナオ「アタシも頑張るかぁ。新しい機体が来るときにマニューバで追いつけるようにしておかないと……」

ありす「はい。本当は加蓮さんも合わせて出撃出来たらよかったのですが、すみませんけれどお願いします」

……
…………


――数日後、戦闘宙域、フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「次元振動観測ポイントに到着しました。ノルンS-13、強襲艦とNGF小隊の展開を始めています」カタカタカタッ!

ありす「S-13に通信して識別コードの連携を。アルファ小隊とナオさんは出撃準備をお願いします」

奏「了解。みんな、行くわよ」

美嘉「オッケー! さっさとやるよ……!」

周子「そういえば、P少佐って結局間に合わなかったねー」

ナオ「そういやそうだな……ま、どうせ戦ってる間に来るんだろうけど」

ありす「あの人、ギリギリ遅れて到着することが多いですからね」

ピピッ!

加蓮「大尉、識別コードを受信しました。フレイヤⅡについてはVN-02を連携。アルファ小隊はGNS-12で登録されています」カタカタカタッ!

ありす「了解、次元断層発生まで間もなくですね。これより作戦行動に移ります。各機、G型及びGS型が空間転移された場合はよろしくお願いします」

加蓮「ナオ、気を付けてね」

ナオ「ああ、行ってくる」

……
…………

――フレイヤⅡ、カタパルト(機体内)

美嘉「……」ピッ、ピッ

ありす『今回の作戦ですが、ノルン側で保持しているビー部隊からも仲間が来る感覚が無いとのことなので、恐らく戦闘になるかと思います』

奏『ビーの受入れで済めばよかったけれど……仕方がないわね』

ナオ『この時期になってくると、圏外宙域で確認できるのも白蜂だけだから……もう、無事なビーたちのほとんどはここまで来れたのか……』

周子『ま、仕方がないよね。あたしたちじゃどうにもできひんし』

ありす『ビーとして、私たちのところまで来られるなら……生きることだって出来たとは思いますが』

美嘉「……」カタカタカタッ!

奏『美嘉? 準備は大丈夫かしら?』

美嘉「えっ? うん、大丈夫」

加蓮『ハッチ開放完了。それじゃあみんな、頑張ってね』


美嘉「……城ヶ崎美嘉、NGF-VS23SX、NGFヴァルキュリアで行くよ!」


……
…………

というわけで今日はこれで終わります。
年末年始を挟むのでデレステ副業込みで投下時間が確保できないので速度が少し落ちます。

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「次元断層の発生を確認しました。空間転移……GS型とG型です。巣は中規模級になります。前線のヴェール、NGF小隊が戦闘行動に移ります」

ありす「コンディションレッド。これよりフレイヤを戦闘態勢に移行します。レーヴァテイン1番2番装填、複合ミサイル発射管には対空迎撃用のマグニを装填します」

加蓮「了解です。レーダー索敵結果、GS型が15、G型が3です。ノルンよりミサイルの弾幕支援が行われます」

ありす「準備完了後、前線のヴェールに合わせてフレイヤも前に出します。アルファ小隊はミサイルの着弾確認後に戦闘を開始してください」

ピピピッ!

加蓮「S-13より通信です」ピッ!

S-13艦長『フレイヤはある程度後方でも構いません。プランV3前に何かあればこちらとしても困りますので』

ありす「お気遣いありがとうございます。ですがこちらも、新しい部隊の運用訓練がありますのでお気遣いなく。優先するべきは巣の破壊です」

S-13艦長『そういうことであれば了解。基本行動は強襲艦隊と同様にお願いします』

ありす「了解です。それでは」ピッ!


加蓮「ま、そりゃ気にするよねー……」ピピピッ!

加蓮「また通信……はい、こちらフレイヤ」

P『こちらオート・クレール社ナシヤマ支部技術開発部門所属技師、Pだ。戦闘は始まったか?』

加蓮「Pさん! もう始まってるよ!」

ありす「相変わらず遅れてきますね。つい先ほど、空間転移を確認しました。中規模の巣が1つです」

P『了解した。戦力的には問題ないと判断しているが、間もなく戦闘宙域に到着する。うるさいのも一緒だ』

ピピピッ!

フレデリカ『コラー! うるさいとはなんだー!!』

志希『そうだそうだー人権侵害だー! 軍はあたしを解放しろー! こっちは一般人なんだぞー!』

ありす「うるさい」

加蓮「うるさい」

P『博士の場合は自業自得だ。北条少尉、そちらのコードを転送してくれ。到着後はそのまま戦闘に参加する』

加蓮「分かりました。P少佐と一ノ瀬博士、フレデリカのNGFに識別コードを転送します」カタカタカタッ!

ありす「前線に出ているこちらの部隊はアルファ小隊です。よろしくお願いします」

P『了解』

……
…………

――戦闘宙域

ナオ『少し数が多いか……各機止まるなよ。G型も混ざっているからGN形態で高機動戦闘に入るぞ』

美嘉「了解! こいつら……!」

奏『こっちに向かっている先頭の奴らの足を止めるわよ、周子』

周子『はいはーい。3連装誘導ミサイルランチャー、ニフルヘイム発射!』

ボシュシュシュッ!!

GS型「!」ギュンッ!

ナオ『よし、コンビネーションマニューバはH02だ。全員遅れるなよ!』

美嘉「このっ……!!」ガションッ!

G型「……!!」ブブゥゥゥゥンッ!

奏『抜けてくるのが早い……さすがG型……!』

美嘉「ええい!!」ズドォンッ!

奏『ちょっと美嘉、マニューバは合わせて!』

G型「!!」ヒュカカカッ!

ドシュシュシュッ!!

美嘉「針……ああっ!?」ドガァンッ!

奏『美嘉!』

ナオ『機体は大丈夫か!』

美嘉「だ、大丈夫……姿勢制御の確認、まだやれるから!」

ナオ『G型相手はこっちもキツイから無理はするなよ! 距離を取るぞ!』

周子『仕方ないかー……』


……
…………

――戦闘宙域後方

P「宙域データをスキャン。これよりブースターパックの切り離しを行う。2人とも、増加燃料タンクから離れろ」カタカタカタッ!

フレデリカ『離脱!』

志希『これに捕まって移動するの楽だったんだけどなー』

P「お前ら途中で寝てただろ……これより戦闘行動に入る。俺は前線の先頭に出る。フレデリカは博士を頼む」

志希『こっち素人なんだぞー! あたしが死なないようにちゃんと守ってよー』

フレデリカ『守る……よーし、アタシが志希ちゃんをバッチリ守ってあげよう!』

志希『いやホントね、あたしまともに動けないからね?』

P「分かっている。何だったらフレイヤに先に入って構わん」

志希『いやぁ、これで仕事しなかったらもう行き場がなくなるっていうか、牢獄に入っちゃうっていうかね、とりあえずやるだけやるけどさ』

P「それならいい。行くぞ!」ギュオオオオオオッ!

……
…………

――戦闘宙域

ピピピピピッ!

奏「ローカル識別コードの追加?」

ナオ『来たのか!』

美嘉『え、何!?』

P『こちらオート・クレール社ナシヤマ支部技術開発部門所属技師、Pだ。アルファ小隊、これよりこちらも戦闘に参加する』

ナオ『遅いよPさん!』

奏「この人が……」

P『すまんな。だが作戦中だ、少佐と呼べ』

フレデリカ『フンフンフフーンフンフフーン♪ アタシたちもいるよー!』

志希『硝煙の匂いに咽ることもない戦場……あたしがここに来る意味はあるのかなー……誰か助けて―』

周子『おー、来た来たー』

P『ナオはアルファ小隊とマニューバを組んでいるか……フレデリカと一ノ瀬博士を頼めるか?』

ナオ『こっちにG型が2匹流れてきたからこれ以上抱えるのは……そっちで何とかしてくれると助かる』

P『それなら今回は分かれて戦闘を行う。博士、自分の身はある程度自分で守ってくれ』

志希『補助AI起動っと。フィールド発振機展開して、イージスフィールド起動。宙域のデータ収集やるねー』

フレデリカ『プロデューサー、アイツらギッタンギッタンにしてきていいよー。アタシ、志希ちゃんと一緒にいるから』

P『すまん、博士のことは頼む。アルファ小隊、G型は1匹こちらで受け持つ。残りはやれるな?』

美嘉『当然! やれるに決まってるでしょ!』

ナオ『こっちに来ている分はG型2、GS型2か……残りはヴェール側で対処できる数だ、Pさん!』

P『ロングライフル、ガラティーンを展開する。1匹は……こちらに来い!』ドシュウウウウンッ!

G型『!?』ギュンッ!

P『よし、分断出来た。そちらは任せたぞ』ギュンッ!!

ナオ『了解!!』

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「Pさ……P少佐、戦闘を開始しました。一ノ瀬博士から宙域データの解析情報が転送されます」カタカタカタッ!

ありす「艦の戦闘記録はアルヴィスに自動転送されます。オート・クレールには別途転送お願いします。晶葉さんにはこちらから通信を送ります」

ピピピッ!

志希『リアルタイムの観測情報はやっぱりいいね~。計測機増設してもらってよかったよかった♪』

フレデリカ『でもお仕事クビになったもんねー』

志希『いやー、仕事放り出してあっち行ったりこっち行ったりしたらね? まー軍に売られたしその分は働かないとねー』

ありす「そんな話はいいですから、前線に出てるなら少しは真剣にやってください!」

志希『イージス壊れる前に助けて欲しいなーって』

ありす「もうっ……北条少尉、砲撃支援です。一ノ瀬博士とフレデリカさんの援護を」

加蓮「はい。ナオごめん、そっちの援護が遅くなりそう、大丈夫?」

ピピピッ!

ナオ『こっちは上手くやる。気にしなくていいぞ』

加蓮「気を付けてね。一ノ瀬博士の前方に来ているGS型にレーヴァテイン発射します」カタカタカタッ!

ありす「フレイヤは更に前進、マグニの射程圏内で一ノ瀬博士とフレデリカさんを援護します」

……
…………

――戦闘宙域

P『落ちろ!』ズドォンッ!!

G型「!?」ドガアアアアアンッ!!

ナオ『ロングソードを展開する……うおおおおお!』ギュオオオオオオッ!!

G型「……!」ズドォンッ!

ナオ『粒子砲に当たるか! このっ!!』ブォンッ!

シュパアアアアアンッ!!

G型「!!」ドガアアアアアンッ!!

奏『あの2人、単機でG型を……』

周子『うへー……』

美嘉「アタシだって……この!」ピピッ!

ボシュシュシュシュッ!!

GS型「……!」ヒュカカカッ!

奏『私たちも仕事しないわけにはいかないわね……周子!』

周子『はいはーい!』ズドォンッ!

美嘉「まだ巣だって残ってるのに……ヴァルキュリアシステム!」ピシィッ!

パシュゥンッ!

美嘉「やあああああっ!!」ギュオオオオオオッ!!

GS型「!」ブブゥゥゥンッ!!

美嘉「死ね!!」ガションッ!

ドガガガガガガガッ!!

GS型「……」ブ、ブブブ……

ドガアアアアアンッ!!

奏『こっちも片付けたわ! この後は!』

P『よくやった。巣はヴェールとノルンに任せて、こちらは他小隊の援護に回るぞ』

ピピピピピッ!

ナオ『巣から白蜂の増援か……早めに処理しないと』

美嘉「まだ蜂がこんなに……了解!」

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「アルファ小隊もいい動きですね。これならば今後の戦闘も十分に期待できます」

加蓮「P少佐とナオ、アルファ小隊、他小隊の援護に向かいます」

ありす「こちらは博士たちの援護があります。巣の破壊は他ヴェールとノルンに任せましょう」

志希『んー……空間転移後の断層修復速度が遅い……2年前の観測データと並べても、これじゃ全く断層修復される気配がないっていうか……』

ありす「どういうことですか?」

志希『次元断層が起きた後って、振動が収まるにつれて断層自体も元に戻っていくんだよね、昔は。だけど今はそうじゃないねー』

志希『これじゃ空間構成情報が壊れたままだし、また同じポイントで次元振動が起きたら断層どころか穴が開くんじゃないかな』

ありす「断層レベル4でそれほどの事態に……それなら更に上位の次元振動が発生した場合は……」


加蓮「……もしかして」ピクッ!

ありす「北条少尉?」

加蓮「もし、今までは高いレベルの断層で空間に穴が開いていたって話なら……奈緒が、こっちの世界に来たのも……」

志希『かもねー。クイーンがこっちに来た時に観測した次元振動のレベルと、過去にあった対話の日の次元振動……当時はレベルの測定は正確じゃなかったけど』

ピピピッ!

ナオ『昔、あたしが奈緒の世界にいったときにも、大規模の巣との戦闘があった……2回、どっちも夢を見ていたくらいの短い間だったけれど、最後は……』

ありす「ナオさんがあちらの世界に転移したままになったときの戦闘は、対話の日でコロニー級の巣が出ていた時でしたね。その後、白蜂たちの巣も来ていましたが」

志希『今は中規模の巣の転移でも断層修復がこれだけ遅いなら、次に大規模の巣でも来られたらヤバイかもね。まだ干渉装置がある程度効いているうちに、なんとかできればいいけど……』

加蓮「奈緒……」

ありす「とりあえず、そのお話はまた後で。今は戦闘中ですので」

……
…………

――戦闘宙域

P『アルファ小隊、巣から増援が来ている。G型がもう2匹いるな』

ナオ『まだ増援はいるか……ヴェールの進行はどうなってる?』

ピピピッ!

志希『ついでにレーダー情報展開しとこっか。陽電子砲射程距離まで後700ってとこだね』

美嘉「もう少し……!」

P『この状況ならそれほど時間はかからないか……それなら』ガションッ!

ドシュウウウウウウンッ!

ナオ『どうした?』

P『この装備だと中規模の巣は破壊できないが、残りの奴らが巣から出てくる前に入口くらいは潰しておく』

美嘉「ちょ、ちょっと待って! それならアタシたちも……」ガションッ!

GS型「!!」ギュンッ!

ピピピピピッ!

美嘉「しまっ――」

フレデリカ『とーう! フレデリカビーム!』ガションッ!

バシュゥンッ!

GS型「!?」ドガァァァンッ!!

美嘉「あっ……」

フレデリカ『だーいじょうぶー? そこのお嬢さん、フレちゃんがいないと蜂の巣にされてたんじゃない?』

美嘉「あ、ありがと……」

奏『悪いわね。うちの子がやんちゃして』

フレデリカ『おや、奥様の子ですか?』

美嘉「ちーがーうー!!」

周子『何漫才しとんねん』

ありす『あなたたち! 真面目にやってください!!』

ナオ『あたしたちは現状維持だぞー。他部隊の援護だぞー、聞いてるかー?』


……
…………

――数分後、フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「陽電子砲、蜂の巣に直撃……蜂の巣の破壊、確認できました」

ありす「ふぅ……終わりましたか。みなさん、お疲れ様です。コンディショングリーンです」

ナオ『それじゃ帰艦するか。戻るぞー』

フレデリカ『志希ちゃん大丈夫?』

志希『へーきへーき。死ぬときは一瞬でしょ?』

P『そういう問題じゃないだろ……』

奏『それにしても……中規模の巣だけどあっけなかったわね』

ありす「ま、この人が来たらそうなりますよ」

ナオ『アインフェリアがいないと生き生きしてるよな』

P『別にそういうわけじゃないぞ』

ありす「……今のは聞かなかったことにしておきます」

P『おい待てありす、誤解だ。おいナオ、お前も変なことを言うな』

フレデリカ「アハハハハー……お?」

美嘉『……』

フレデリカ「おじょーさん♪ 元気?」ピピピッ!

美嘉『へっ?』

フレデリカ「ハイ! そこのアナタ!」

美嘉『……う、うん。ありが、と』

フレデリカ「……んふー♪」

美嘉『なっ、何笑ってんのよ!』

フレデリカ「なんでもなーい。ベリーベリーグッドでアタシもハッピー♪」

志希『にゃはははっ、よかったねーフレちゃん』

美嘉『……もうっ』


……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

パシュンッ!

P「ふぅ……どうだナオ、体のほうは」

ナオ「今のところはまだ何とも……なっ、何考えてるんだよ!」

P「いや、そりゃ聞くだろ」

ナオ「はっ!? ま、まさかこの後風呂に入ってあたしとセックスしたいとか言い出すんじゃないのか!? ダ、ダメだぞ! まだ何ともないんだから……」

加蓮「あーあ、またナオはエッチなこと言っちゃって」フワッ

ナオ「加蓮!? あ、あたしは別に変態じゃないだろ!」

P「加蓮も、問題はないか?」

加蓮「うん、こっちは大丈夫だよ。あ、それより聞いてよPさん。ナオってばこの作戦が始まる直前までエロゲーやってたんだよ?」

P「えええええ……お前……」

ナオ「し、仕方ないだろ! 最近通販で買ったばかりのヤツだから、まだ全然クリアしてないし……」

加蓮「しかもね、調教モノなんだよ? 昨日もさー、エロゲーやりながら『あーいいなこれ……Pさんにやってもらったり……』とか言いながら画面見てたし」

ナオ「うわあああああああああああ何で知ってるんだよおおおおおお!!」

加蓮「時間になっても打ち合わせに来ないからわざわざ私が呼びに来たからでしょ」



周子「うわー……」

美嘉「あ……う……」

奏「ナオ……貴方……」


ナオ「お前ら聞いてたのかよ!!」



P「……ま、ほどほどにな。とりあえず全員、整列しろ。ブリッジに戻る前に挨拶くらいは済ませておく」

周子「ん? はーい」フワッ

P「既に橘大尉から話があったと思うが、オート・クレール社ナシヤマ支部技術開発部門所属技師、Pだ。プロジェクト・ヴァルキュリアの実働部隊の指揮を取っていた」

奏「取っていた?」

P「しばらく前に、訳があって一度退役をしてから嘱託扱いで少佐待遇で復帰している。そこから色々あったが、現在は軍とオート・クレールの両方を兼任している」

P「その為、立場上ある程度自由に立ち回れるように特殊部隊の配属となっている。フレイヤの運用についてもそれなりに口は出すが、実質的には橘大尉が艦長であることに変わりはない」

P「アルファ小隊については戦闘補助と、広報のアイドル業務についてのプロデューサーの仕事を任されている。よろしく頼む」

美嘉「よっ、よろしくお願いします」

加蓮「セックスの話しないの?」

美嘉「ぶっ! ぷぷぅっ!?」

周子「うわきったなっ!?」ビクッ!

P「……まあ、北条少尉が言った通り、皆のゾーニング現象の解消についても担当することになる。命令権については通知を参照してくれ」

P「最初は……抵抗があるかもしれない。だが、皆の身体を万全な状態にする為に俺がいる。ゾーニング現象については、決して無理はするな」

奏「……ええ」

P「この話は以上だ、あとは……」


フレデリカ「志希ちゃーん、まだー?」

志希「待ってー。はい整備長、これ整備マニュアル」

整備長「新しい装備が来るなんて聞いてなかったんだがよぉ……ま、やっとくよ」



P「一ノ瀬博士、フレデリカ! こっちに来てくれ」


志希「今いくー」


美嘉「あ、さっきの――」ピクッ!


フレデリカ「呼んだー?」フワフワ

P「フレイヤに合流したんだ。現行稼働中の部隊メンバーに挨拶をしてくれ」

フレデリカ「はっ、そうだった! アー、アー、みなさん、はじめまして。ワタクシ宮本フレデリカといいます」

奏「フレデリカ……貴方、その制服のライン」

フレデリカ「ビー隊からメッセンジャーたちの助っ人なんだよ。どう? カッコいい?」

P「フレデリカは縁があってプロジェクト・ヴァルキュリアに参加することになったビーだ。また、同伴している一ノ瀬博士がフレデリカの体のメンテナンスも行う」

志希「よろしくー。ホントはあたし、オート・クレールで働いてたんだけど、失踪しまくって仕事サボりまくってたらクビにされちゃってさー」

P「……まあ、ナシヤマの技術開発部門移って軍に出向することになった。現在問題となっている次元断層についての現地調査が主な仕事になる」

志希「戦闘だと役に立たないから、よろしく」

周子「そりゃそうだね」

フレデリカ「ねーねー、さっきの子って誰?」

奏「さっきの子?」

フレデリカ「あ、この子? 大丈夫? 怪我してない? 元気? メッセンジャーになる? 名前は? しるぶぷれ?」

美嘉「……城ヶ崎、美嘉」

フレデリカ「美嘉、美嘉ちゃんかー。アタシね、メッセンジャーとおんなじでアイドルだから、よろしくね」

美嘉「えっ」

P「速水少尉、城ヶ崎少尉、塩見少尉、フレデリカ……それと一ノ瀬博士の5人については、これからはユニットとして広報のアイドル業務も行うことになっている」

志希「いやね、この前まで試験管投げてたあたしもこの流れにはビックリだよ?」

奏「この2人だったのね……分かったわ。ユニット申請については、こちらから申請しておくわ」

P「頼むぞ。俺も、未熟だがプロデューサーとして出来る限りのことはするつもりだ。何かあれば遠慮なく話してくれ」

美嘉「……」


フレデリカ「アタシね、コッコ隊以外のユニットでお仕事するの初めてー♪」

周子「コッコ隊って何?」

フレデリカ「智絵里ちゃんのトコ☆」

周子「あー、あの部隊か……」

……
…………

智絵里それなりに有名なのか

――フレイヤⅡ(艦長室)

P「……このデータは」カタカタカタッ!

P「うちの会社から転送されてるデータ、消化量が……」

パシュンッ!

ありす「失礼します」フワッ

P「ありす、お前……」

ありす「はい。テストデータの件ですか?」

P「これを消化したのはありすか。話ではニュージェネレーション隊とアルファ小隊で消化する内容だ。耐性持ちのお前ではテストは……」

ありす「はい。ですから、検証結果として問題ない内容になるまで、私はシステムを動かしています。何も問題ありません」

P「……バイタル値はどうなっている」

ありす「私のシミュレーター起動で、テストデータの消化が出来るということは、そういうことです」

ピッ!

ありす「あなたの枷を外す為に、何にも縛られないように……だから、私は……」ハァ……ハァ……

ドンッ!!

P「ありす……」

ありす「んっ……ちゅっ、んぅぅ……はぁっ!」

P「ん……」

ありす「はぁ、はぁ……今なら、文香さんたちの、気持ちが……わかるかも、しれません……」ハッ、ハッ、ハッ!

ありす「これだけ、私、が……ヴァルキュリアシステムを、起動したんですから……分かっていますよね?」グイッ!!

ありす「前回起動から時間は経っていますが……そんなもの、関係ありません。命令です」ハッ、ハッ、ハッ!

ありす「セックス……私と、セックスしてください……早く!」ハァッ! ハァッ! ハァッ!

P「お前……ああ、分かった。浴場に行くか?」

ありす「もう我慢できません、ここでします。早く、早く脱いでください……!」グイッ、グイッ!

P「ここでか……了解した」

……
…………

というわけで、今回はこれで終わりなんですけれども

>>128でレスした用語、なんですが一覧出そうかと思ったんですが正直何を出せばいいのかがよく分からなくなって(>>1が忘却しない為のリストはあります)
レス用に整理していなくてまだ何も用意していません。指さしてこれ何?って言われたほうがすんなり答えれるくらいかもしれません。
なので、用語は次回辺りまでに聞かれたものは返すのと、後は>>1のほうで本当に適当な物を摘まんで用意しておきます。

その代わりこのスレに入ってから登場アイドル紹介がすっぽり抜けていたのに気づいたので、簡易版と>>175を見ておまけも貼っておきます。

グレイプニール、3N、NGFの基本性能の違いがわからん
マクロスしてたのにNGFは戦闘機じゃないらしいし

>>179

■グレイプニール
航空機型の戦闘機でこの時期は人型には変形出来ない。初期型、G1(OPF)、G2、MkⅢ、MkⅣ、MkⅤの6世代が開発された。
ナンバリングルールが変更されているタイミングでメインフレームレベルから大幅な仕様変更が入っている。OPF(1.5世代)はG2が不評過ぎた為にG1を改修した世代。

■NGF
MkⅤの運用データとヴァリアントに採用したフレームをベースにようやく実装出来た人型に変形できる航空機型の戦闘機。つまりここから機体がマクロス的な奴になる。
今回の話までで初期型、N、2N、3N、3NX、4Nの6世代が開発されている。3Nまでは武装の大半はグレイプニール時代の装備の仕様変更で賄っていた時期。


一応どうしてそうなってるの?って部分についても大体は理由作ってますが、大まかに言うとこんな感じです。

登場アイドル紹介

■ラピッドストライカー隊
黒川重工とオート・クレール社が共同開発している試作兵装の運用テストを担当する部隊。現在は実験機の運用も行っている。

・安部菜々……ノルンS-02所属ラピッドストライカー隊の部隊長で階級は中尉。Pの倍の稼働歴を誇る歴戦の勇士。
・神谷奈緒(ナオ)……少尉。この世界の人間としては初めての異世界転移経験者。好きなエロゲーのジャンルは調教物(和姦寄り)
・北条加蓮……少尉。奈緒編での実質的なヒロイン。ヴァルキュリアシステムの適性もある程度あった為プロジェクトの追加メンバーとして選定された。


■アインフェリア隊
プロジェクト・ヴァルキュリアの実働部隊。メンバー全員が非常に高いシステム適性を持っている。
ありす以外は2度に渡るプランVによる宙域ライブの後遺症でシステム稼働限界を迎えつつある。

・新田美波……フレイヤ所属アインフェリア隊の部隊長で階級は少佐。生還の女神と言われていた。痴態の象徴、変態その1。
・鷺沢文香……中尉。フレイヤのオペレーター担当で美波不在時の第二指揮官。変態その2。
・橘ありす……大尉。部隊凍結状態の為、現在はフレイヤⅡの艦長代理。Pと同い年。アーキタイプとして肉体生成技術で作られた体は成長促進をさせたので現在はそれなりに成長している。
・相葉夕美……中尉。フレイヤの前線任務担当。現在は軍属しているビーたちの身体調整も行っている。
・高森藍子……中尉。フレイヤの前線任務担当。ナシヤマの軍病院勤務に当たっている。

■シンデレラガールズ
部隊ではなく広報部で展開しているアイドルユニット名で2人とも名前が通っている。
プロジェクト・ヴァルキュリア参画後はアインフェリアの補助として前線任務を担当している。

・十時愛梨……大尉。現在は広報部からの要望でI@LPの優先度が高い。
・神崎蘭子……中尉。愛梨の再異動に同伴。同じく現在はI@LPの消化中。地球出身。


■ブリヤントノワール隊
アインフェリア隊の予備部隊。デレステで生存本能ヴァルキュリアなんてイベントが無ければそもそもこのメンバーが主役のスレだった。

・黒川千秋……フレイ所属ブリヤントノワール隊の部隊長で階級は少佐。大体が美波と同じような感じ。
・水野翠……中尉。フレイの前線任務担当兼ニュージェネレーション隊の指導官。常識的な変態。
・櫻井桃華……中尉。フレイのオペレーター兼前線任務担当。ありすと同様にアーキタイプとして作った体は同じく成長促進させている。Pと同い年。
・三村かな子……中尉。フレイの火器管制担当。
・西園寺琴歌……中尉。フレイの第二指揮官。千秋不在時は艦長代理も兼任する。


■ニュージェネレーション隊
アインフェリアの一時離脱に伴って新設した部隊。システム適性はアインフェリア、ブリヤントノワール隊に次いで高い。
システム改修が入ってからの配属なので、システムによる後遺症は上記2部隊よりは軽い。人員数が少ない為全員が前線とブリッジ作業を兼任している。

・島村卯月……少尉。3人の中では一番適性が高い。奈緒編で分岐したルートによっては色々すっ飛ばして変態化する可能性もあった。
・渋谷凛……少尉。3人の中では前線に出る場面が一番多い。
・本田未央……少尉。奈緒編でR18パートが無かったのは耐性持ちの為。


■その他

・P……エロゲ編の主人公で奈緒編と今回の話でも主役。
・黒井大佐……プロジェクト・ヴァルキュリアの内容が非人道的な為に最後までプロジェクトに反対していた人。過去編でのPと菜々さんの理解者。
・三船美優……Pの恋人。エロゲ編のルートによっては再開していたし、奈緒編以降も再開できない場合があった。
・高垣楓……元コミュ障。色々見越していた麗奈に扱かれて中佐まで昇進する。
・小関麗奈……「この世界では」人類最強のパイロット。
・大佐……エロゲ編では読者から大体大佐が悪いとか言われていたけど本当にコイツが悪い話が結構ある。
・神谷奈緒……奈緒編の主人公。本編のステータスはエロゲ編のPの最終ステータスの互換。好きなエロゲーのジャンルは調教物(ハード寄り)
・セカンドドライバー……低身長でモフモフした髪の毛に仮面で素顔を隠している謎のパイロット。果たして正体は……

>>175
智絵里がそこそこ名前通っているのはそれなりに良いパイロットだからです(奈緒編でPもちらっと話してたくらい)
前にエロゲ編で説明してたような気がするんですが、安価で決めた戦闘力以外にも、そもそもお話の中で決まっている戦闘力っていうのがアイドル別にあったりします。
今回の話でも一応、エロゲ編で管理用に使っていたツールにアイドル別のデータを用意しているんですが、戦闘力の部分を無理やり可視化するとこんな感じです。


===========================================================================================
■NGF-3N(奈緒編から登場する一般機)のシミュレーターを起動した際のスコア
※()付きのメンバーは本編で乗った専用機のシミュレーターを起動した際のスコア

麗奈:麗奈(ランクが麗奈とかっていうレベル)
SSS:(P”)
SS+:(蘭子”愛梨”)
SS:(奈緒”ナオ”)、P
----------------人間を辞めた奴の壁----------------------------------------

S+:
S:(菜々)
A+:蘭子
A:千秋
A-:菜々、愛梨、ナオ、奈緒
----------------単独でG型を相手に出来る壁--------------------------------

B+:翠、智絵里、ありす
B:フレデリカ、早苗、美波、加蓮
----------------単独である程度余裕を持ってGS型を相手に出来る壁----------

B-:桃華、美嘉、奏
----------------一般的なエースパイロットの壁------------------------------

C+:夕美
C:未央
C-:凛、周子
D+:藍子
----------------平均スコア(ランクD)の壁--------------------------------

D:卯月
D-:かな子
----------------非正規パイロットの壁--------------------------------------
E+:文香
E:琴歌
E-:
F+:
F:志希
===========================================================================================

英字の略称が知りたいです 機体名とかマニューバ名とか

というかありすやっぱりアインフェリア最年長だったか あと全員の年齢やPの『夢』とか整備長の設定とか

>>183
>>1が全く気が回っていなかったのと、1つ1つ本編中で説明するのは見栄えが悪そうかなと思ってほとんど表記せず素通りしていました。
ちらほら出てくるI@LPであれば「Indicate Assist Load Program(広報業務指示支援情報読込プログラム)」です。
>>1は英語がダメな人間なのでこういうのは基本的に当て字です。英語がおかしいという突っ込みは無しです。

機体名もそれぞれ意味はありますが文法とか分からないので全部当て字です。
VIS-XX……Valkyriasystem Installation Striker(ヴァルキュリアシステムを採用した戦闘機)
VILS-XX……Valkyriasystem Installation Limited Striker(制限されたヴァルキュリアシステムを採用した戦闘機)
VWPS-XX……Valkyria With Professional Striker(ヴァルキュリアシステムを採用した最上位機種)
VPPS-XX……Valkyria Possession of Particle Striker(粒子膜による飛行補助を採用したヴァルキュリア)
NGF-XX……Next Gleipnir Format(新規仕様のグレイプニール)
NGF-VSXXS……Next Gleipnir Format - Valkyria System XX Striker(ヴァルキュリアシステムを採用したNGF)
NGF-VSTGX……Next Gleipnir Format - Valkyria System Trial Generation(次世代型ヴァルキュリアシステム試験用のNGF)
RTV-VPSXX……Refine Third Valkyria - Valkyria Professional Striker(ヴァルキュリアサードをNGF仕様に精製した機体)

マニューバのIだのHだのは組んだ機体数によって変わるコードです。
I、Y、H、Wでそれぞれ2、3、4、5機体でのマニューバになります。Vはドッキング機運用時の専用コードです。

>>184
登場人物は全員18歳以上ですが、菜々さんに関しては無慈悲な設定をしておりまして、妊娠するのが困難になりそうな年齢くらいです。
ついでに、本編中の表記を合算すると過去編から今回の話までで10年程経過しています。

Pのそれについては進行に影響がありそうなのでパスで。整備長は……むしろ何か気になることあるんですか?

あと>>1は基本的に年末年始は副業で潰されている人間の為、3連休でデレステを走りきらなければならないので少し沈黙します。
もしレスとかが付いているようなことがあれば、その分についてはなるべくお返しします。

アインフェリア隊と晶葉の年齢が知りたいな

――数時間後、フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「ゴメンね博士、こっちの作業任せちゃって」

志希「まーあたし前線出ても役に立たないし、ここで作業出来るならそれでいいでしょ?」カタカタカタカタカタッ!

晶葉『まあ、死なない程度に働いてくれ』

志希「モチロンってね。フレちゃんの面倒も見なきゃダメだしねー」ピピッ!

晶葉『そういえば助手はどうした? 今回志希が採取したデータについて少し話しておきたかったんだが』

加蓮「ありす大尉と一緒。まだセックス終わってないみたいだし」ピッ、ピッ……

晶葉『ああ……ゾーニング現象か。そういえばありすがこの前、検証項目全部渡せって言ってたな』

志希「ってことは今あの2人のところにいけばレアな光景が見れるんじゃん?」

加蓮「部屋のモニター出す? ここから見れるよ」

晶葉『それは私の用事が終わってからにしてくれ。それならナオはどうした?』

加蓮「会議室ですよ。フレデリカと新入りの3人連れて行って」

晶葉『小隊編成の話か。それじゃあ後でデータ送るから見ておいてくれと伝えてくれ』

加蓮「新型のですか?」

晶葉『そうだ。ナオのほうはほぼ完成している。あとの2機はまだ掛かるが、早いうちにと思ってな』

加蓮「……ドッキング、どうするんですか?」

晶葉『想定としては助手か、ありす……千秋でもいいとは思っているが』

志希「またまたー。それじゃダメでしょ? ソレ、彼が怒るの分かって作ってるんだから」

晶葉『……まあな。今でも色々と言われてるよ。気持ちは分かるし、アイツに言われるなら私は黙るしかない』

晶葉『だが、ヒトとしての感情以前に、開発者としてやるべきことをやっている。むしろ、せめて私だけはそうでなくてはならん』

加蓮「……」

晶葉『やはり加蓮も、いい気分はしないか』

加蓮「だって……また、奈緒を頼るなんて。もう、奈緒は元の世界に戻ったのに……」

志希「またこの世界に来るかどうかなんて、わかんないのにねー」

晶葉『麗奈がいなくなった状態で、助手もリハビリプログラムが終わったとはいえ、いつ戦えなくなるかも分からん』

晶葉『G型相手に完全に優位に立てる者が少なすぎる現状、戦闘におけるあの2人の影響力は大きい』

晶葉『あの2人分の不足した戦力を補うには……せめて、ダブル奈緒によるドッキング運用が無ければ厳しいのは事実だ』

晶葉『奈緒が今でも私たちの状況を把握できているのであれば、機会があれば必ず戻ってくる』

加蓮「それは……奈緒だから、戻ってくるってこと……」

晶葉『頼りにするべきではないことくらい、私でもわかっている。だが、これ以上の戦力となると、それしかない。わかってくれ』

パシュンッ!!

ありす「お待たせしました。遅くなってしまって申し訳ありません」フワッ

P「待たせたな」

加蓮「大尉、Pさん……」

志希「随分長かったねー。ありすちゃんにしては珍しい? どうだった?」

ありす「そろそろ子どもの名前を考えてはじめていいかなと思いましたね」

P「何言ってんだこいつ……」

志希「あははははっ♪ ストレート過ぎじゃんありすちゃーん」

加蓮「この前避妊治療入れたのに……」

晶葉『乳繰り合うのは後にしてくれ。ありす、すまないが今回転送してもらったデータの件で話がある』

ありす「わかりました。Pさんは一緒のほうがいいですか?」

晶葉『できれば、と思っているが別件があるならそちらを優先させて構わん。何かあるのか?』

ありす「志希さんを連れてアルファ小隊のところに行ってもらおうかと。ナオさんに小隊を任せたままだったので」

P「志希が入ることで多少、運用が変わる部分があるからな。早いうちに話をしたほうがいいだろう」

晶葉『それならそっちを優先してくれ。志希も、小隊運用の話であれば助手に付いていけ』

志希「はーい。めんどくさいなー」

晶葉『何言ってんだ。軍に行ってるんだから少しは真面目にやれ』

志希「んー、もう失踪したいなぁ」

P「勘弁してくれよ……」

……
…………

――フレイヤⅡ(会議室)

奏「4人で出る場合であれば、このマニューバプランの編成でいいわね」

ナオ「一ノ瀬博士が出るときはここから周子も合わせて下げて、3トップで前に出るようにしたほうがいいか?」

周子「あたしの負担増えるし、奏ちゃんのディフェンスパックちょーだい」

奏「別に構わないわ。単独マニューバでもなくなったんだし」

フレデリカ「フーン……美嘉ちゃーん」

美嘉「……なに」

フレデリカ「フフーン♪」

美嘉「……感謝はしたけど、何度も言われると恩着せがましい」

フレデリカ「おんき……? お……あー、ナルホド。人間はそういうの気にしちゃうんだもんねー」


パシュンッ!


P「待たせた」

志希「こっちに来たー」フワフワ

周子「遅いんやけど」

ナオ「ありすは?」

P「とりあえず大丈夫だ。話はどこまで進んでいる?」

ナオ「志希がいなかったからとりあえず4人編成の話だけ。基本はそうなるだろ?」

奏「一ノ瀬博士が空間構成情報の調査の為に直接出撃しない限りは、基本的に4人で出撃って話は聞いたわ」

P「あとはニュージェネレーション隊から引き継いでいるとは思うが、跳躍テストを行う際も随伴させるつもりだ」

志希「フラグチェックとか色々確認したいしね」

ナオ「ま、とりあえずメンバー揃ったし部隊の話にするか」

P「ああ。ではアルファ小隊、3人はコンコルディア隊から来たフレデリカと、オート・クレール社から来た特別派遣技師の一ノ瀬志希博士と小隊を組んでもらう」

P「フレデリカはプロジェクト・ヴァルキュリアの人員としての追加、一ノ瀬博士については空間構成情報の調査が主な仕事だ」

P「その為、通常戦闘は一ノ瀬博士以外の4名での出撃になる。ここまではいいか?」

周子「めんどくさいねー、ホント」

志希「にゃはは♪ 我慢してねー。一応補助AI操作で最低限動くくらいはできるから」

P「この小隊の主な任務については橘大尉から話が出ているはずだから省略する。次に、直近の任務についてだが……」


……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(食堂)

整備長「おばちゃーん、定食くれよ、定食」

おばちゃん「はいはい、ちょっと待ってなさいよ」

整備長「わーってるよ。メンテする機体増えて、こっちはようやく休憩だよもう……」

おばちゃん「少佐、戻ってきたもんねぇ」

整備長「戻ってくるなり、ありすの嬢ちゃんとこ行っちまったからなぁ。相変わらず忙しい旦那だよ」ガタッ!

おばちゃん「元気そうだったかい?」

整備長「おお、さっきも新入りたち連れて格納庫来てたしな。シミュレーター回して様子見てたけど」

おばちゃん「次の長距離航行プランで、終われるといいんだけどねえ」

整備長「ま、そうだな……アインフェリアのみんなも、そろそろシステム使えなくなるって話だしよ」

整備長「2回も復帰できたんだから、大したもんだと思うけどよ。3回目はもう身体が耐えられなくて無理だろうって一ノ瀬博士も言ってたし」

おばちゃん「……そうかい」

整備長「上手く行けば恩給貰って退役か、アイドルなんだし広報部に行くか……少佐なら好きなようにやらせるんだろうけどよ」

整備長「それに、アイドルなんだからアインフェリアのライブも、たまにはコロニーで見たいもんだしなぁ」

おばちゃん「可哀そうにねぇ……あの子たちも、ここまで頑張ってきたのに……」


P「そうでもないさ」フワッ


整備長「おっ、少佐、嬢ちゃんたちの相手終わったんですかい?」

おばちゃん「おや少佐、お疲れさま」

P「一通りのマニューバは見た。後で編成はまとめるし、5人もユニット申請させておかねばならんからな。今のうちに飯でも食おうかと思ってな」ピッ!

整備長「どうですかい、新入りたちのほうは」

P「聞いていた通り動きは悪くない。大佐が適性を落としてパイロットとしての技量で選定しただけのことはある。少し気になるところも、あるがな」

おばちゃん「そうかいそうかい。何にするんだい?」

P「週替わり定食で頼む。それと、おばちゃん」

おばちゃん「なんだい?」

P「アインフェリア隊は、皆が自ら進んでここまで来た。俺も、皆も、後悔もした。だが……それでもここまで来ることが出来た」

P「少なくともこの5年、白蜂たちがいたとしても、人間とビーは共に生きていくことが出来た。俺たちの戦いは、確かに価値のある物なんだ」

P「だから今度こそ最後にする。俺たちの手で、皆が平和な世界で生きていくために……皆も、それを望んでいる」

おばちゃん「……そうだったねぇ。だからあたしたちも、まだここにいるんだもの」

整備長「最後まで、面倒見てやらねぇとな」

P「ああ」

整備長「ところで少佐、とときんとらんらん、一緒じゃなかったんですかい?」

P「あの2人も、ちょうどナシヤマに来ててな。FFの調整で少し遅れてくる。そんなに時間は掛からない程度だが」

整備長「ってことは、アレの開発終わったのか。少佐の機体より早かったんだなぁ」

P「まあベースのリサーヴがあったしな。さすがにもう、2人掛かりで動けば大したものになってるぞ」

整備長「はー……とときんも成長したもんだなぁ」

P「俺が碌に面倒見れなかったときに整備長が気を利かせてくれていたからな。愛梨が一番成長したかもしれん」

整備長「そうかぁ……後は、もうちょっと落ち着いてくれればいいんだけどなぁ……」

P「そうだな……」

整備長「……」

P「……」

整備長「……」

P「……何でこっち見てるんだよ」

整備長「いやぁ、少佐が落ち着けば、とときんも落ち着くんじゃねえかなって思ってよぉ。らんらんも落ち着くだろうし」

P「あの2人なら、後遺症が完全に抜ければ……」

整備長「またまたぁ、何言ってるんですかい。前にとときんとらんらんと飯食ってたときだってあの2人……」



愛梨『うーん……うーん……私なら、旦那さんがPさんで、お父さんが整備長で、お母さんがおばちゃんだったらいいなぁって』

蘭子『我も! 我も!』

愛梨『でも蘭子ちゃんと一緒だったらお嫁さんが2人になるし、どうなるのかなぁ……それにアインフェリアやブリヤントノワールのみんなも……』

蘭子『酒池肉林!』



おばちゃん「あんなこと言って、あの子たち基準だとあたしと整備長、夫婦になってるもんねぇ」

整備長「俺が女房に八つ裂きにされるってな」

P「まあ、あの2人も結構自由だからな……」

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「大尉、ルート誤差マイナス2で進行しています。航路修正入れます」

ありす「わかりました。志希さん、次元振動については現時点で何かわかりますか?」

志希「なーんも分かんない。予測通りに次元断層が起きるくらいじゃないかなー。それにまだ現地まで距離あるし」

フレデリカ「志希ちゃん天才なのにわかんないの?」

周子「おっ、煽り?」

志希「にゃはははっ、空間構成情報でも探れればいいんだけどねー。でも今回の発生周期めっちゃ短いし、良いデータ取れそう♪」

P「フレデリカ、お前I@LPがあっただろう。レッスン場に戻らなくていいのか?」

フレデリカ「フフーン、アタシもう終わったもんね。今は奏ちゃんと美嘉ちゃんが撮影してるから」

P「まだあの2人は終わってなかったのか……少し様子でも見に行くか」

ありす「……」

P「なんだ?」

ありす「いえ、あなたが年々プロデューサー業務を身に着けていっているが少し寂しく感じただけです」

加蓮「Pさん、アインフェリアの仕事ほとんどやってなかったもんね」

P「……俺が離脱したときは、皆がI@LPの消化が出来るようになった頃には病室で進捗管理くらいはするようになったぞ」

ありす「私はもうフレイヤに戻っていた頃だったんですけど」

フレデリカ「あーあープロデューサー、メッセンジャーたちカワイソー。アタシたちビーのファンクラブから蜂の巣にされちゃうよ?」

P「お前が言うと洒落にならん……」

フレデリカ「でもアタシがプロデューサーを蜂の巣にするなら元の体に戻らなきゃダメだもんねー。残念ザンネン」

ありす「Pさん、これじゃあ採掘場に行けませんね」

P「……機会があれば、ありすの面倒も見る。少し行ってくるぞ」フワッ

パシュンッ!


……
…………

――数分後、フレイヤⅡ(レッスン場)

『映像記録を開始します。サンプルデータとガイドマークに従ってください』

奏「……」スッ

ピッ、ピッ

『映像記録終了。次のサンプルデータを提示します』


美嘉「今の撮影、顎上げすぎじゃない?」

奏「そう? 判定で戻されなかったら大丈夫よ」

美嘉「この撮影部分、これだけ取るならもう2、3ページ増やしてくれればいいのに。1ページ分にしかならないんだから」

奏「そうねぇ……まあ、特集の枠に入れてもらえるだけ良しとしましょう。新しいユニットだもの、先に名前を覚えてもらわないと」


パシュンッ!


P「2人とも、進捗はどうだ?」

美嘉「あっ、P……プロデューサー」

奏「お互いに残っている分がまだ少しあるの。周子と一ノ瀬博士も待たせちゃってるし、遅くなってごめんなさいね」

P「本部から追加の次元振動の対応指示が来なければ、もう少しゆっくりやらせたかったんだがな。すまないが早めに終わらせておいてくれ」

美嘉「ヘーキヘーキ★ アタシだって結構場数踏んでるんだからね?」

P「なんだったか……カリスマギャルだったか。軍の広報でギャル売りするって俺にはいまいちよく分からんが……」

美嘉「そういうの好きな男は多いし、それに一般向けもやってるんだからいいでしょ? ていうかプロデューサーがそんなこと言っていいワケ?」

P「っと、そうだったな。すまなかった」

奏「貴方、こっちの仕事は不慣れって聞いていたけれど……」

P「あまり不自由はさせたくないと思っているんだがな。すまないが何かあれば遠慮なくて言ってくれ。出来るだけ対応する」

美嘉「しっかりしてよねー? んー、あと撮影何本残ってたかな」ピッ、ピッ

P「残っているのはこれだけか。フレデリカがブリッジに戻ってきていたから、もう少しとは思っていたが……」

美嘉「……」

奏「そうね。彼女、すぐにI@LPを終わらせて戻っていったもの。少し驚いたわ」

美嘉「……ま、得意なんでしょ、こういうの」

P「……」

奏「ところで、次の指定宙域ポイントまでどれくらいなのかしら?」

P「途中までは帰り道だったが、今はホクドウに戻る予定航路から逸れて移動している。2日程度は掛かる予定だ」

奏「それなら全然間に合うわね。少し休んでおきたいし、早めに終わらせましょう」

P「そうしてくれ。2人が早めに終われば塩見少尉と一ノ瀬博士も撮影の時間が取れて少しは楽になる」

奏「5人でまとめて撮影出来ればいいけど……まあ、仕方がないわね。まだ出撃も残っているし」

P「頼むぞ。あと、城ヶ崎少尉」

美嘉「なに?」

P「I@LPが終わった後に用がある。こちらから声を掛けるが、時間は空けておいてくれ」

……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(艦長室)

藍子『はい。多分間違いないと思います。私がフレイヤに来る前に配属されていたところで、そのお話もありましたから』

P「そうか……分かった。わざわざすまん」

藍子『いえ、私も昔のことでしたから、確認するのも時間掛かっちゃって……』

P「大佐からはある程度の話は聞いてデータももらっていたが、実際の細かい状況までは分からなかったからな」

藍子『そう、ですね……あの、Pさん』

P「どうした?」

藍子『……その、いきなりお話するのは……上手く、言えませんけど……突然だと、私だったらビックリしちゃうなって』

P「分かっている。俺はこれでも空気は読めるほうだ、心配しなくていい」

藍子『それならいいんですけど……』

P「今のところは少し気になる程度で、問題が起きたわけではない。藍子も、早めに調整を終わらせてからこっちに来てくれ。待っているぞ」

藍子『はいっ。それじゃあ、失礼しますね』

ピッ!

P「……」

P「……聞いてはいたし、俺が充てられるのも分からんでもないがな」


……
…………

今日はこれで終わります。

>>188
どうしても最初がエロゲ編だけあって登場アイドルの年齢を18歳未満に出来ないので、アインフェリア隊はエロゲ編の時点で18歳以上です。
一部のメンバー以外は細かく年齢設定しちゃうと立ち回りが難しくなりそうだったので(特に晶葉とか)そこは細かく決めてないです。
一応美優さんと楓さんはエロゲ編の時点で公式と大体同じ年齢ってことにはしています。大体です。

-------------------------------------------ここから関係ない話-------------------------------------------

周子「……」シャンシャンシャンシャン……

周子「……」シャンシャン……

周子「……」シャン……

周子「……」スー、スー……


紗枝「寝たらあきまへん」ドゴォッ!!

周子「おごふっ!?」ビクンッ!

紗枝「なんや周子はん、せっかくのうちらのいべんとやのに居眠りなんて」

周子「いや、だってさ……あたし眠いし、それなら38ちゃん変わっ――」

紗枝「今の周子はんよりお馬さんのほうがもっと働きます」

周子「あたしは家畜以下かーい! って、宣伝宣伝っと……」


周子「んーカンペカンペ……『プロデューサーさんのみなさん、お疲れ様です。ただいまアイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージでイベントが開催されています』」

周子「イベント曲はあたしたち羽衣小町が新曲を歌うよー。報酬もあたしと紗枝ちゃんだよー。和服だぞーどうだー? てことでよろしくー。おしまい」


https://i.imgur.com/NV6X1IN.jpg


紗枝「あきまへん」バシッ! バシッ!

周子「いったい痛いっ!? いやもうあたし疲れてるからさー……ところで紗枝ちゃん」

紗枝「はい?」

周子「いつあのでっかいロボット乗って来るの? てかほんま来るの?」

紗枝「さぁ、いつになるんやろなぁ。周子はんも大変やろうけど」

周子「まーこっちのあたしは2スレ目でとっくに喋ってたし……」

周子「ま、イベントもまだ続いてるから、プロデューサーも倒れない程度に頑張ってね」

紗枝「おきばりやす~」



奈緒「くそ……あたしもそっちに行ければ……!」


-------------------------------------------ここまで関係ない話-------------------------------------------

多分力尽きていると思うので金曜夜か土曜日辺りから再開します。

2スレ目でヴァリアントに乗り換えの時の匿名の台詞があった人は誰なんでしょうか

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「……圏外防衛線で戦闘があったみたいですね。中規模の巣が2つ」ピッ、ピッ

加蓮「艦の戦闘記録、ありますか?」

ありす「S-02……ラピッドストライカー隊の出撃記録がありますね。予定通りニュージェネと智絵里さんとの混成部隊になっているみたいです」

ありす「運用体系が違うから菜々さんのARGTと一緒に戦闘するのは大変そうですが、撃墜判定は智絵里さんだけみたいですし、特に問題なさそうですね」

加蓮「こっちも指定宙域ポイントに入ったら戦闘だし、他のところでも……」

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

ありす「レーダー反応……加蓮さん!」

加蓮「確認します……大尉、反応があります。白蜂です。GS型が8、巣は確認できません」カタカタカタッ!

ありす「ポイントまではまだ先……ということは、元々宙域を彷徨っていた白蜂たちですね。北条少尉、艦内警報を。フレイヤを戦闘態勢に移行させてください」

加蓮「了解です。コンディションレッド、警報出します」

ありす「P少佐、応答してください。指定宙域ポイントまではまだありますが、予定航路ルート上に白蜂の反応があります。戦闘態勢に移行しますのでブリッジに来てください」

ピピピッ!

P『了解した。出撃はどうするつもりだ』

ありす「一ノ瀬博士をブリッジに戻して、LiPPS部隊の4名を出撃させます。P少佐も出撃をお願いします」

P『ナオは格納庫にいるか……ではこのまま格納庫に向かう。LiPPS部隊の指示は任せたぞ』

ありす「わかりました。よろしくお願いします」

加蓮「安全航路圏からは外れているので宙域周辺に民間船の反応はありません。戦闘宙域を指定、格納庫にNGFの出撃準備を指示します」

……
…………

――フレイヤⅡ(美嘉の部屋前)

P「戦闘か……仕方がない、城ヶ崎少尉については次の機会にするか……」

パシュンッ!

美嘉「っとに……って少佐っ!?」ビクッ!

P「少尉か。いま顔を出しに行こうと思っていたが」

美嘉「そんなことより警報なったでしょ! 早く戦闘に出ないと!」

P「わかっている。出撃するぞ」

美嘉「当然!」シュッ!!


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

パシュンッ!

志希「戻ったー」フワフワ

ありす「I@LPの消化中にすみません。予定外の戦闘ですがよろしくお願いします」

志希「宙域データの取得だけやっとこっか。加蓮ちゃん、何か作業あるならこっちでもやろっか?」

加蓮「あ、いいの? それじゃお願い」

志希「次元振動あるわけじゃないからやることないし、振っちゃっていいよ」

加蓮「それじゃあLiPPSのオペレーターお願い。艦制御と火器管制はこっちでやるから」

志希「おー自分の部隊! LiPPS、ゴー!」

ありす「まだ出撃準備が完了していません。カタパルトからの応答を待ってからにしてください」

志希「はーい」

……
…………

――フレイヤⅡ(通路)

フレデリカ「もー! あいつらがいる限りアタシたちの戦いは終わらないのだ……多分」シュッ!


――!

――、――!



フレデリカ「ん?」ピクッ!

フレデリカ「……んー」

ピッ!

パシュンッ!



フレデリカ「……」



……
…………

――数分後、フレイヤⅡ、カタパルト(機体内)

ナオ『こっちの準備は終わってるから先に出てるぞ。加蓮、ハッチ開けてくれ』

志希『残念! 今回はあたしがオペレーターなんだよねー』

ナオ『何でもいいけどハッチ開けてくれよ……』

P『LiPPS小隊、出撃後は4人でのコンビネーションマニューバで戦闘を行え。俺とナオは別途マニューバを行う』

奏「小隊長なんて柄じゃないけれど……まあ、指示されたなら仕方がないわね」ピッ、ピッ、ピッ!

周子『戻ったらI@LPやり直しなのがめんどくさいんやけどー……』

美嘉『ボヤいても仕方ないでしょ。早く出るよ!』

P『フレデリカがまだ来ていないな。ブリッジ、フレデリカはどうした?』

ありす『今格納庫に付いたみたいです。NGFに搭乗中です』

ナオ『先に出るぞー!』

志希『はいいってらっしゃーい』

P『これだけ人数多いのも久々だな……まあいい。各機、出撃準備が完了次第出るぞ』

美嘉『言われなくても、出るよ!』

奏「そうね。LiPPS、行くわよ!」


……
…………

――戦闘宙域

P『戦闘行動に入る。速水少尉、ナオに代わって小隊運用は任せても大丈夫だな?』

奏「ええ、貴方はどうするのかしら?」

P『ナオとマニューバを行う。接近する群れが二手に分かれている。3匹は任せたぞ』

周子『ってあたしたちのトコ、まだフレちゃん来てないけど』



フレデリカ『フレちゃんとうちゃーく。ゴメーン』


奏「やっと来たわね」

美嘉『遅い! アンタ何やって――』

奏「喧嘩しないの。フレデリカ、LiPPSでコンビネーションマニューバよ」

フレデリカ『ハイ、ワタシケンカシマセン』

周子『対話プログラムバグってるように聞こえるやん』

奏「そういうのいいから」

ナオ『元気だなあいつら……まあいいや、そっちは任せたぞ。こっちも行くか、P少佐!』

ズドドドドドドドドッ!!

P『フレイヤからの支援砲撃が来たか。よし、行くぞ』ギュンッ!!


GS型「!!」ギュンッ!

GS型「!!」ギュンッ!

GS型「!!」ギュンッ!


奏「LiPPS、コンビネーションマニューバはH03で行くわ。手早く済ませる為にヴァルキュリアシステムを起動しましょう。周子、後ろはお願い」ガションッ!

周子『はいはーい。3人は前で頑張ってね』

美嘉『コイツら……!』

フレデリカ『帰れー!』

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

志希「……」ンー……

加蓮「LiPPS、戦闘を開始しました。ナオとP少佐も戦闘中です」カタカタカタッ!

ありす「分かれましたか。丁度良いです、P少佐とナオさんの2人は暫定として……」

ありす「……いえ、VPS-001として登録します。北条少尉、レーヴァテインをLiPPS小隊側の左側面から迫っているGS型に撃ってください」

加蓮「了解です。レーヴァテイン、発射します!」

ズドォォォオンッ!

志希「……ねえ、ミーミル貸して」

ありす「はい?」

志希「ちょっと気になったんだよね。前線も彼出てるし、大丈夫でしょ?」

ありす「必要であれば構いません。私の権限コードで閲覧してください」ピピッ!


……
…………

――戦闘宙域

GS型「……!」ヒュカカカッ!

ドシュシュシュッ!

P「針なぞに当たるか!」ガションッ!

ドシュゥン! ドシュゥン!

ナオ『ロングソードを展開する。P少佐、足止めは任せた!』ギュオオオオオオッ!!

GS型「!!」ギュンッ!

ナオ『てやああああああっ!!』ブォンッ!

シュパアアアアアンッ!!

P「ビーム発信機を併用したソードか……ナオは問題ないが……!」カタカタカタッ!

ピピッ!

P「頼ってばかりいては俺が戻った意味も無いならな」ドシュゥン!

ドガアアアアアンッ!!

ナオ『まさか、こっちが頼りにしてるくらいだよ』

P「お互い様だ。ここは早く終わらせてLiPPSのほうに向かうぞ」

ナオ『了解!』


……
…………

――戦闘宙域

周子『ディフェンスパックの複合ミサイルコンテナ、ばら撒くよ!』

ボシュシュシュシュシュッ!!

GS型「!?」ヒュカカカッ!!

ドガガガガガァンッ!!

奏『CG形態よ! 美嘉、フレデリカ!』ガションッ!!

美嘉『乱戦、行くよ!』ギュオオオオオッ!!

フレデリカ「美嘉ちゃん奏ちゃん、頑張って!」ドシュゥン! ドシュゥン!

美嘉『アンタもちゃんとライフル狙って!!』

フレデリカ「アタシだって! ダインなんとか!」ズドォンッ!!

GS型「!」

ドガアアアアアンッ!!

周子『あと2匹だよ!』

GS型「!!」ブブブゥゥゥンッ!!

GS型「……」ギュンッ!

ズドォンッ!!

奏『ディフェンスパックは周子にあげたから気が抜けないわね……でも、私にばかり気を取られていいのかしら? 2人とも!』ギュンッ!!

美嘉『やああああっ!!』ギュオオオオオオッ!!

フレデリカ「クール・タチバナのスゴイマニューバ!!」ガションッ!

シュパアアアアンッ!!

ドガアアアアアアンッ!!


フレデリカ「フッ……C.T.S.M『Counter.Turn.Strike.Maneuver』」ボソッ


ピピピッ!


ありす『全然教本通りのマニューバになっていません! C.T.S.Mはあくまで単機で複数の蜂を相手にする場合に行う誘導、撃破行動のマニューバです! あとなんですかその名称は!』

フレデリカ「え、違うの? プロデューサーから教えてもらったんだけど」

ありす『P少佐ぁ!!』

ピピピッ!

P『え、違うのか……? 麗奈のマニューバと同じで適当な語呂合わせをしていたのかと思っていたんだが……』

加蓮『ぷっ……』

ありす『あ、あなた……あとで覚えておいてください……!』



美嘉『ちょ、ちょっと大尉! そんなことより戦闘、もういいの?』

ありす『はっ……そうでした。今ので宙域の白蜂はすべて撃破しました。コンディショングリーンです』

周子『あー終わった終わった。疲れたねー』

奏『まあ、最初のマニューバにしては上手く連携も取れたんじゃないかしら』

加蓮『戦闘の映像記録、後で確認しとく?』

周子『やっとこっか。フレちゃんも途中で援護挟んでくれたから楽だったね』

フレデリカ「フンフンフフーンフンフフーン、フレちゃんつよーい♪」

美嘉『ちょっとアンタ、あまり調子に乗らないでよ』

フレデリカ「ハーイ♪」

ナオ『ん……加蓮、志希はどうした?』

志希『調べものー』

ナオ『なんだいるのか。それじゃ帰艦するかぁ』

……
…………

――数分後、フレイヤⅡ(格納庫)

パシュンッ!

ナオ「ふー……疲れた」

P「LiPPSも戦闘は問題ないか。個々の技術もそれなりのものだし、フレデリカも入ったから安定はしているが……」

整備長「おーい、少佐―!」ドタドタドタッ!

P「整備長か。すまんが機体の整備を頼む。俺のNGFは後回しで構わん」

整備長「どうしたんで? 少佐の機体なら毎回ガタつかせてるし、早めにオーバーホールしときたいんですけど」

P「操縦が荒くて悪かったな。今回のLiPPS小隊はある程度戦闘も任せられるし、そっちの機体を優先してくれ」

ナオ「動きもいいし、連続戦闘でPさんだけ先に出るよりは4人を出して小隊運用に慣れさせたほうがいいか」

整備長「まああいつらも良く動けてるからな……へい了解、うちの奴らに言っておきますよ」

P「頼むぞ。ん……なんだあいつら、戻ってくるなり騒いでいるが」


フレデリカ「ゴメンゴメーン、来るの遅くなっちゃったんだもん」

美嘉「I@LPやってた周子が遅れるなら分かるけど、アンタ休んでたでしょ」ハァ……

周子「別にいいじゃん。戦闘するまでには間に合ったんだし」

美嘉「よくない」ハァ……

フレデリカ「はっ!? そうそう、デザート、食堂でデザート買ってあげる! ケーキで許して!」フワッ

美嘉「あっ、ちょっ! 引っ張んないでよ!」

フレデリカ「周子ちゃんも一緒に食べよー♪」

周子「オゴリならあたしもついていこっかなー? 気前ええやん? でも先にお風呂入りたいわぁ」フワッ



奏「まったく……ずっと騒いでいるんだから」ハァ……

P「少尉、よくやった。良いマニューバだった」フワッ

奏「あら……貴方に言われると少し思うところがあるわね」

P「褒めているだけだ。小隊運用についても、部隊長として任せて問題ないな?」

奏「……ええ、そうね。それでいいわ」

P「どうだ、思っていたよりは、悪くないか?」

奏「……思っていたより、悪くないものだったわね。そういうものだって、忘れていたわ」

P「それならいい。必要なことでもあるし、気にし過ぎるのは良くない」

奏「見透かしたように言うのね。まあ、貴方が知らないわけがないこと、だけど……」ハァ……ハァ……

P「どうした?」

奏「いえ……少し、疲れた……違う、わね。ヴァルキュリアシステムを使い始めて、しばらくたったから、かしら」ハァ……

奏「システムを使っての訓練や、貴方が来る前の戦闘でも起動はしていたから……こういう、ものなのね」

P「……強制はしないが、必要であれば命令権を行使しておけ。無理に耐えられると、後でこちらも困ることになる」

奏「……そう、ね。それじゃあ……この後に……」ギュッ……


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

志希「どう? 照合したデータに違いある?」

晶葉『ビンゴだ。過去の戦闘で発生している次元振動と並べても、空間転移後の断層修復時に確認できる振動の変動値の傾向で分けることができる』

ありす「なんのお話ですか?」

晶葉『通常の空間転移と、別次元に移動する際の次元跳躍を伴う超空間転移。この2つ現象は次元振動の大きさによる、空間構成情報の収束値の増加幅の違いにより発生されるものが区別できると考えられていた』

加蓮「ナオが奈緒の世界にいったときも、次元振動のレベルは10相当だったんだよね?」

晶葉『そうだ。コロニー級の巣やクイーンの空間転移は高レベルのものとなっていて、これまで白蜂側で行われていた超空間転移は次元振動のレベルの高さで発生する確率が高いと思われていたが』

晶葉『実際のところは空間転移後の断層修復時に確認できる次元振動の変動値の振れ幅で、発生するか否かを推測することができそうだ』

ありす「こちらでも次元跳躍はテスト段階まで行われていますが、白蜂たちとの現象の違いはあるんですか?」

晶葉『まあ簡単に言うとこちらで実装した超空間転移の技術は、空間に別次元に繋がるドアを見つけたらそのドアの鍵を作って移動し、帰るときにまたドアを通って鍵を閉めるようなものだ』

晶葉『白蜂たちの超空間転移は見つけたドアを通るときにドアぶっ壊して通り抜けて、壊したドアはそのままにしているようなものだな』

志希「修復に掛かる時間は振動の収束値から出してたんだけどねー。変動値の振れ幅が小さいと蜂は次元跳躍してるみたいだね」

ありす「……よくわかりませんが、つまりこちらの技術で超空間転移をする際は丁寧にドアを開閉するので空間構成情報の変動値が大きく、ドアを破壊して通る白蜂の超空間転移は空間構成情報が自然修復によって直っているから変動値が小さいということですか?」

志希「何となくそんな感じ。だからどんなに小さい次元振動でも、断層修復時の空間構成情報の変動値が小さいときは蜂は超空間転移してる可能性があるねー」

晶葉『こちらも超空間転移の検証中だから詰める部分はあったが、少し観点を見直す必要があるな……軍から提供されているデータをもう一度洗ってみる』

志希「よろしくー♪」

晶葉『お前も真面目に仕事は続けておけよ。また連絡する』

ピッ!

志希「てことでー、アイツらが時限跳躍するかは転移した直後に分かるかもしれないね」

志希「これまでは収束値で超空間転移されているか判断してたけど、これならもうちょっと正確に判断できるね」

ありす「これまでの時限跳躍のテストでも、転移先で白蜂が確認できないこともありましたが……後でもう少し詳しくお話を聞かせてください」

志希「いいよー」

加蓮「……そういえば、みんな帰ってくるの遅いね」

ありす「そうですね。まだ格納庫にいるんでしょうか」カタカタカタッ!

ピッ!

ありす「……」

加蓮「大尉?」

ありす「浴場にいるみたいですね。ナオさんも行っているみたいです」

加蓮「……アタシも行こうかな」

ありす「ブリッジ作業が残っています」

加蓮「はぁー……」

……
…………

>>217
奈緒編1スレ目の>>300の奈緒と翠の会話になります。翠です。

そういえば今更ですが周子とお紗枝はんのイベントが終わりました。イベントを走った方も走らなかった方も、イベント曲のMVは涙が流れるほど大変素晴らしい内容なので恒常実装時には是非ご観賞してみてください。

私は嗚咽を漏らし涙を流しながらイベントをプレイしていました。

――土星圏外宙域、ノルンS-02(食堂)

未央「アッー! もう、疲れたぁ……」

凛「どんな声出してるのさ……いや、確かに疲れたけどね……」

卯月「……」

未央「しまむーなんて力尽きてるし……圏外防衛がこんなに大変だったとは……」

智絵里「ま、まあ、出撃も多いですし……木星圏は、もう少しだけ、平和だったから……」

未央「私、正直ちえりんのことナメてたよ……こっちで小隊長やってるだけあるよ、うん……」

凛「数日で何回出撃しても全然調子も落ちないし、凄いね」

智絵里「そっ、そんなっ……わ、私も、菜々さんに鍛えてもらったりしてるから……」


翠「みなさん、お疲れ様です」フワッ

卯月「はっ……中尉、お疲れ様です!」ガバッ!

未央「おっ、起きた」

千秋「戦闘ご苦労様。編成も交代の時間になりましたし、私たちは休んでおきましょう」

未央「いや疲れた疲れた……いかに自分たちが生ぬるい環境にいたかが身に染みたというか……」

凛「土星圏に来たのも、ある程度安全になった時期だったしね。圏外防衛くらいは大変だったって聞いてたけど」

翠「それも以前のお話です。いまはNGFの導入でこちらの戦力も底上げされていますし、後は長距離航行プランが終わるまでの辛抱です」

未央「むー……アインフェリアは問題ないだろうけど、美嘉ねぇたち、大丈夫かなぁ」

凛「私たちより良い動きが出来るんだから、戦闘は問題ないと思うよ。それに、プロデューサーも戻ってきたみたいだし」


菜々「みなさぁーん! お待たせしましたぁ♪」

かな子「ご飯の後のデザート、今日はスコーンだよ」

未央「ウ、ウサミン隊長、元気だねホント……」

凛「そのメイド服、時子さんに注意されないの?」

菜々「ずーっと前から、許可が下りてますからぁっ!」ドヤァッ!

凛「ええ……」

千秋「いいじゃない、雰囲気が出ていて」

琴歌「ノルンの食堂は広いですから、少しだけなら場所をお借りしても大丈夫かと」



未央「この金持ち軍団に盾突こうとする人間はいないような気がする」ヒソヒソ

卯月「黒川、櫻井、西園寺って全部軍やコロニー関係の大きいところですからね……」ヒソヒソ



桃華「これだけの人数で集まると、お部屋では少々狭いですもの。周りの方のご迷惑にならない範囲で休憩しましょう」

菜々「はいどうぞ♪ はいどうぞ♪ どうぞ~♪ お茶ですよ~♪」

卯月「あっ、ありがとうございます……」

未央「メイド喫茶か……そうだ、メイド喫茶といえば美味しくなるおまじないが……」

菜々「あぅっ、そ、それはですねえ~……ただいま準備中なので……」

凛「いや、ここでそれやるの恥ずかしいでしょ」


……
…………

――同時刻、土星圏宙域、フレイヤⅡ(艦長室)

P「……」カタカタカタッ

パシュンッ!

ありす「おや、戻っていらしたんですね」

P「ああ」

ありす「どうでしたか? 若い子の相手をするのは気持ちよかったですか?」

P「なんだその言い方は……ノーコメントだ」カタカタッ……

ありす「……いま作っているその資料」

P「ん……いや、どうかと思ってな」

ありす「私は、本人ではないので何とも」

P「そうかもな。前に、ナシヤマにいたときにそれとなく話してみたが、もう本人も乗り気じゃなかったし」

ありす「気持ちは、残っていると思いますよ。だけど、私やあなた以上に……随分と時間が経っています」

P「俺も、しばらく顔を合せなかった時期が長かったから、ただ、やはり皆を見ていると……憧れる気持ちを持つのも、分からなくはない」

ありす「……Pさん」

P「なんだ」

ありす「憧れや、夢を持つのは……心地よくて、色々なことを忘れることもできるんです」

ありす「だけどそれ以上に、その思いに苦しむことだって、あるんです。私がそうだったように」

P「……」

ありす「私は、あなたに出会えなければ今の自分はありませんでした。これだけは間違いありません」

ありす「その思いは、時には絶望や憎悪と等しくなることだってあります。だから、きっと今のあの人は……」

……
…………

――土星圏外宙域、ノルンS-02(食堂)

卯月「うーん……お腹いっぱいです。ご馳走様ですー……」

菜々「お粗末様です。お菓子のパックケースは潰してゴミにしちゃいますから、まとめてくださいね」

千秋「あら……大佐から連絡が来ていたわね。アインフェリアの復帰、スケジュールが立ったみたいよ」ピピッ!

翠「であれば、長距離航行プランもようやく動きますね」

菜々「おや……?」

桃華「長かったですわね。後は再編成による各コロニーの防衛体制が整ってから……ですわね」

智絵里「防衛部隊の展開も……各宙域で間に合わせるみたいですし、私たちもホクドウに戻らないと……」

千秋「観測されている残りの次元振動の対処が済み次第、戻ることになるわ。それまではここでの任務をしっかりと片付けておきましょう」


菜々「……」

未央「ん、どしたのウサミン?」

菜々「え? ああいえ、ナオちゃんや加蓮ちゃん、元気でやってるかなーと思いまして」

……
…………

――土星圏宙域、フレイヤⅡ(食堂)

奏「……」

美嘉「……」プルプルプルプルプル


周子「おまたせー、あたし今日は月面焼きにしちゃった」ガタッ

フレデリカ「アタシも人間のゴハン食べたら鉄分補給しなきゃ」

志希「後でメンテしてあげるー……ん、どしたの美嘉ちゃん? 月面焼きみたいに顔が焼き上がってない?」

フレデリカ「美嘉ちゃん元気ないの? プロデューサーとセックスしたの――」

美嘉「うわああああああやめてえええええええ!!!!」ガタッ!!

周子「うおっ、ビックリしたぁ……」ビクッ!

奏「……うるさい」

美嘉「う、うううううううるさいってかなっ、かなぁー!!」

奏「私に当たらないで頂戴……」

フレデリカ「奏ちゃんもセックスしてもらったもんねー。アタシもセックスしてもらえばよかったかな?」

志希「あたしも匂いだけ嗅ぎにいけばよかったかなー。でもそしたらそのままヤっちゃってただろうけど」

周子「確かにね、あそこの浴場、広くないとあかんね」

志希「仕方ない仕方ない。改良したとはいえヴァルキュリアシステム使えばそうなっちゃうんだし。あ、セックス中の映像記録あるけどオカズに使う?」

美嘉「いらない! 消して!」

奏「消して」

志希「艦内映像記録に残ってるからおいそれと消せないのであった。残念!」

フレデリカ「メッセンジャーが言ってたよ? 『セックス……それは愛、快楽を求める為に必要な行為です。とても尊い行為……出来ることならば、正直毎日したいです』って」

美嘉「誰の台詞よ! それは!!」

フレデリカ「ナシヤマ在住のSさん。NさんもAさんもTさんも似たよーなコト言ってたよ」

志希「まーまー、奏ちゃんも美嘉ちゃんも盛り上がってたしよかったんじゃないの? ヤるときはヤる、子作りしないように避妊治療も受けてるんだしさー」

周子「こんな会話を繰り広げても周りの人らは普通にご飯食べてるっていうね」

美嘉「ってそうだよ、アタシたちアイドルなんだからこんなこと話してるのマズイって……」

フレデリカ「ここであそこでゴハンを食べている方々の反応」


「何年ここで働いてると思ってんだよ」

「アインフェリアでとっくに慣れてるって」

「というかアインフェリアが酷すぎたからもうなんでもいいかなって……」

「十時大尉や神崎中尉が唯一の癒しだったよ……はぁ……」

「あの2人も似たようなもんだったけどな」



周子「どうやら外野曰く、あたしらの行動は特におかしなことでもなかったみたい」

奏「本当にとんでもない場所ね、ここは……」ハァ……

志希「『あぁっ!? イクゥー!!』だったっけ? 奏ちゃん?」

奏「ちょ、ちょっと! やめなさいこんなところで!!」


……
…………

――翌日、フレイヤⅡ(会議室)

志希「てワケで、寄り道している次元振動の観測ポイントで予定している戦闘は、終わった後はすぐ帰艦してね」

ありす「とはいっても、白蜂が逃走した場合で尚且つ超空間転移の現象が確認出来てから、こちらも追跡を行うことになりますが」

奏「わざわざ集まって説明し直される内容……にしては作戦前に聞いた話とあまり変わらないわね」

ありす「今回は一ノ瀬博士が巣の空間転移直後の次元振動の変動値を測定し、超空間転移が可能な巣、及び白蜂なのかを特定します」

志希「まあ色々あるけど、とりあえず戦闘始まった後に指示出すから頑張ってね」

ナオ「ってことは、早いうちに格納庫には次元跳躍用の装備を出してもらったほうがいいのか……」

フレデリカ「すぴー……」

ナオ「寝たふりするなよ」

フレデリカ「ニンゲンノコトバ、ムズカシイ……」

加蓮「そもそも超空間転移が出来たり出来なかったりって違い、あるの?」

志希「まーフレちゃんも出来ないし、でも他のビーで空間転移できたりする個体もいるし? 個体差じゃないかなー? 確実に超空間転移が出来そうな個体といえば、例えば……」

志希「種として、より高度に進化している存在……とか」

P「……」ピクッ

志希「にゃはははっ♪ キミ、心当たりあるって顔してるねー」

P「……そう考えただけだ」

志希「そうだねー、キミからすればGS型どころか、G型ですらアイツの劣化版だもんね」

P「……」フワッ

パシュンッ!

美嘉「あっ、プロデューサー……出ていっちゃったけど」

ありす「志希さんっ!」

志希「ゴメンゴメン」

周子「……」

……
…………

――フレイヤⅡ(休憩所)

P「……」


周子「いた」フワッ


P「……どうした、まだ打合せ中のはずだ。会議室に戻れ」

周子「最初に出て行ったの、プロデューサーやん?」

P「……」

周子「当ててあげよっか。白塗りでしょ」

P「……別に」

周子「いま、プロデューサーの素が見えた気がする」

P「そういうわけではない」

周子「まっ、奏ちゃんたちは知らないもんね。その頃ってまだ軍にいなかったし、あたしはH46の戦闘には参加してたけどね」

P「そうか」

周子「……あたしもあの時、死ななくて済んで、運がよかったって思ったんだけどね。あんなヤツがいるんだって、怖かったし」

周子「あんな化け物みたいなヤツを倒した化け物が軍にいるって、それもビックリしたけど」

P「もう昔の話だ。それに今は3NXや4Nの実装で戦闘の状況も変わっている。厳しい場面もあるかもしれないが、皆が後れを取るようなことはない」

周子「でも、不安そうな顔してるやん。過保護なだけ?」

P「そういうことにしておいてくれ」

周子「……そっか。それじゃ、あたしも戻りまーす。プロデューサーも、サボるとありすちゃん大尉に怒られるよー?」フワッ

パシュンッ!


P「……」



『後遺症については、ここ数ヶ月で徐々に落ち着いた傾向が見られます。リハビリプログラムについても、むしろ非常に良い結果が出ています』

『このまま順調にプログラムを進めることが出来れば、復帰することも可能でしょう。ですが……』

『ゾーニング現象の後遺症が完治したとしても、それまでに受けた体の負荷……こちらについてはどうにも……』

『今後同様の戦闘が起きた場合、同じように少佐が他パイロットの負荷を肩代わりすることは難しいでしょう。戦闘そのものについても……』



P「……まだ、時間はある」

整備長「どうしたんですかい、そんな辛気臭い顔して」フワッ

P「整備長か。いや……」

整備長「まだ打合せの時間じゃないんですか? 少佐がサボるなんて珍しいじゃないですか」

P「一ノ瀬博士から、次の戦闘で次元跳躍が可能な巣、及び白蜂が出る可能性があると予測が出ている。試験用パックの兵装を準備しておいてくれ」

整備長「へい……で、少佐は?」

P「……どこまで持つかと思ってな」

整備長「どこまでも、持たせるつもりじゃなかったんですかい?」

P「そのつもりだ。だが、いつかはどうにもならなくなる時は来る」

整備長「そのための新型でしょうに。新型が少佐のマニューバについてこれるようになれば、体の負担だって減るんですし」

P「……そうだな。こんなことを言う前に、まずは出来ることをやらなければな」

……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「大尉、フィールドジェネレーターを起動します。次元振動確認、空間転移まで後200です」

ありす「了解しました。一ノ瀬博士は測定をお願いします」

志希「はいはいっと。確認出来たら出撃準備してくるから」

ありす「お願いします。それではNGF各機、出撃してください」

ピピピッ!

P『了解した。出撃する』

ナオ『時限跳躍をするのに、転移後の座標を特定しておく必要があるんだったか……手間が掛かるなぁ』

奏『そこは私たちの仕事なんだから、ナオは気にしなくてもいいでしょう?』

ナオ『ん、まあな』

加蓮「ハッチ開放完了。各機、出撃どうぞ」カタカタカタッ!

ナオ『おっと、よし行くか』

フレデリカ『はっしーん!』


……
…………

――木星圏、ナシヤマ、軍本部(会議室)

大佐「では、本日よりアインフェリア隊はフレイヤに再配置となる。プランV3についても、防衛部隊の再編制を進めている」

大佐「キミたちがホクドウに到着次第、長距離航行プランの対象となるノルンにはホクドウへの帰艦指示が出る。残りの準備は向こうで頼むよ」

美波「了解です」

大佐「うむ。新田少佐、鷺沢中尉、相葉中尉、高森中尉、よろしく頼む。高垣中佐、すまないがみんなのことは……」

楓「はい、ちゃーんとお世話しますね」

晶葉「ウチのスタッフもモリアン艦で随伴する。道中で戦闘起きた場合は、少し心許ないがな」

夕美「再編成で木星圏のコロニーも防衛部隊に必要な人員も増えちゃったし、仕方がないよ」

文香「とはいえ……シンデレラガールのお2人と、護衛艦としてヴェールが2隻……来て頂けるだけでも、とても助かります」

藍子「必要なら私たちも出撃します。NGFに乗れないわけじゃありませんから」

大佐「そうだな……だが、キミたちの場合はまず無事にホクドウに着くことを優先してくれ。プランV3のためだ」

……
…………

――ナシヤマ、軍本部(通路)

藍子「……ようやく、正式に復帰ですね」

夕美「うん。愛梨ちゃんも蘭子ちゃんも、美優さんもついてきてくれる……私たちも頑張らないと」

楓「フレイヤの出港準備、後で私たちも行っておきませんとね」

美波「ええ、早いうちに――」


キィィィィンッ!


文香「……みなさん」ピクッ

夕美「この感覚……」

楓「どうしたんですか?」

藍子「聞こえる……この前と違う、小さい感じじゃなくて……」

美波「クイーンの……声……?」


……
…………

――土星圏、戦闘宙域


キィィィィンッ!


フレデリカ「プロデューサー!!」ガションッ!

ドガガガガガガッ!!

GS型「!!」ギュンッ!


キィィィィン……

P『なんだ……この感覚は、また……』

ナオ『これは……』


奏『何、どうしたの?』ギュンッ!!

美嘉『戦闘中だよ、何話してるの!』

ピピピッ!

ありす『フレデリカさん、落ち着いてください。まだ戦闘中です』

フレデリカ「でもメッセンジャー、いまの――」

ありす『私も感じました。ですが恐らく、この場のことではありません。このお話は後です』

周子『ちょっとちょっと、足止めないでよー……弾幕っと』

ボシュシュシュッ!!

ドガガガガガガァンッ!!

加蓮『大尉、残りのGS型が戦闘宙域から離脱していきます。次元振動が発生しています』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

志希『あちゃー、もめてる間に図らずとも逃げられちゃったね。空間転移だ』

ありす『再度の空間転移で逃げましたか。一ノ瀬博士!』

志希『フラグチェックの準備出来てるよー。転移後の座標と空間構成情報の保存、断層修復に必要なエネルギー量測定中……変動値は……おお、超空間転移だね』

P『整備長、試験用パックの準備は』

整備長『準備出来てますぜ! 嬢ちゃんたちが戻ってきたらすぐに換装出来ますぜ!』

P『よし、LiPPS隊、NGFの損傷はないな? 直ちに帰艦して機体の簡易チェックとオプション兵装の換装を済ませて次元跳躍のテストに移る』

奏『了解。みんな、戻るわよ』

美嘉『初めてのテストかぁ……大丈夫かな』

フレデリカ『ダイジョーブ、なんとかなるって』

周子『志希ちゃんもつれていかないとねー』

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「北条少尉は一ノ瀬博士の代わりに次元跳躍後のLiPPS隊のガイドをお願いします。私のほうからも指示を出します」

加蓮「了解です。ニュージェネは結構テストやってたんだっけ……他の世界に行くって、大丈夫なのかなぁ」

ありす「あの子たちは途中からは楽しそうにやってましたよ。全員が戻ってこれるように、こちらも気を抜かないようにしましょう」

加蓮「……もし、これが正式に実装されたら、奈緒は」

ありす「可能性はあります。ですが、今はその話は後にしましょう。まだ作戦中です」

ピピピッ!

ナオ『加蓮……あまり気にするのもよくない。あたしたちはあたしたちで、今は奈緒の分まで戦ってるんだ。奈緒に会うのは……全部終わってからだ』

加蓮「……うん、そうだね」

ピピッ!

加蓮「LiPPS小隊、全機帰艦しました。ナオとP少佐は宙域で待機中です。整備班、LiPPS小隊のNGFの機体チェックと換装作業に入ります」カタカタカタッ!

ありす「さて……作戦内容の変更です。超空間転移で戦闘宙域から離脱した白蜂3匹の追跡行動に移ります。LiPPS小隊、よろしくお願いします」


……
…………
………………
……………………

>>235訂正

志希「修復に掛かる時間は振動の収束値から出してたんだけどねー。変動値の振れ幅が小さいと蜂は次元跳躍してるみたいだね」

ありす「……よくわかりませんが、つまりこちらの技術で超空間転移をする際は丁寧にドアを開閉するので空間構成情報の変動値が大きく、ドアを破壊して通る白蜂の超空間転移は空間構成情報が自然修復によって直っているから変動値が小さいということですか?」

志希「何となくそんな感じ。だからどんなに小さい次元振動でも、断層修復時の空間構成情報の変動値が小さいときは蜂は超空間転移してる可能性があるねー」

晶葉『こちらも超空間転移の検証中だから詰める部分はあったが、少し観点を見直す必要があるな……軍から提供されているデータをもう一度洗ってみる』

志希「よろしくー♪」

晶葉『お前も真面目に仕事は続けておけよ。また連絡する』

ピッ!

志希「てことでー、アイツらが次元跳躍するかは転移した直後に分かるかもしれないね」

志希「これまでは収束値で超空間転移されているか判断してたけど、これならもうちょっと正確に判断できるね」

>>236訂正

ありす「これまでの次元跳躍のテストでも、転移先で白蜂が確認できないこともありましたが……後でもう少し詳しくお話を聞かせてください」

志希「いいよー」

加蓮「……そういえば、みんな帰ってくるの遅いね」

ありす「そうですね。まだ格納庫にいるんでしょうか」カタカタカタッ!

ピッ!

ありす「……」

加蓮「大尉?」

ありす「浴場にいるみたいですね。ナオさんも行っているみたいです」

加蓮「……アタシも行こうかな」

ありす「ブリッジ作業が残っています」

加蓮「はぁー……」

……
…………

>>253訂正

――数時間後、フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「大尉、フィールドジェネレーターを起動します。次元振動確認、空間転移まで後200です」

ありす「了解しました。一ノ瀬博士は測定をお願いします」

志希「はいはいっと。確認出来たら出撃準備してくるから」

ありす「お願いします。それではNGF各機、出撃してください」

ピピピッ!

P『了解した。出撃する』

ナオ『次元跳躍をするのに、転移後の座標を特定しておく必要があるんだったか……手間が掛かるなぁ』

奏『そこは私たちの仕事なんだから、ナオは気にしなくてもいいでしょう?』

ナオ『ん、まあな』

加蓮「ハッチ開放完了。各機、出撃どうぞ」カタカタカタッ!

ナオ『おっと、よし行くか』

フレデリカ『はっしーん!』


……
…………

今日はこれで終わります。

――土星圏外宙域、ノルンS-02(ブリッジ)

時子「緊急対応、ですって?」

大佐『うむ』

時子「何故、木星圏にいる貴方から巣の対応について直接指示がされなければならないのかしら」

大佐『今回の件については、つい先ほど彼女たちから聞いた話しになる』

時子「……誰か、ミーミルを起動させなさい。アルヴィスに上がっている次元振動の観測データを出しなさい」

「待ってください……スクリーンに出します」


時子「最新の更新データの中に、1件あるわね。圏外防衛ラインから少し離れたポイント……断層予測レベルは7のものがあるわ。これかしら」ピピッ!

大佐『恐らく……だがそのレベルではノルン級が出る範囲か。大規模級の巣が出るほどでなければ、クイーンとまではいかないと思うが』

時子「けれども、あの豚たちが話したことなのでしょう? こちらもそれなりに駒を揃えなければならないわ」

大佐『すまない。長距離航行プランの前だが、対応を頼む。フレイヤⅡをそちらに合流させても構わん』

時子「……そうね。どうせ招集をかけるなら、今のうちに働いてもらえばいいわね」

大佐『頼むよ。彼から預かっている隊の運用については合流した後に話してくれ』

時子「わかったわ。それじゃあ、もう用はないわね? 切るわよ」

大佐『アインフェリアの復帰に伴って長距離航行プランの指示が展開される。S-02もフレイヤⅡと合わせて気を付けてくれ』

ピッ!

時子「圏外防衛に当たっている各ノルンに通信を出しなさい。断層予測レベル7の次元振動の対応について話をするわ」

……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(ブリッジ)

P「圏外防衛ラインでの戦闘への参加か?」

時子『ええ、あのクソジジイからの連絡よ』

ありす「やはりそちらに来ましたか。恐らく、美波さんたちから話があったのでしょう」

時子『そっちもある程度は認識していたってことかしら』

ありす「はい。数時間前の戦闘で私とフレデリカさんのほうで違和感を感じました。恐らく、クイーンが絡んでいるのではないかと」

P「……」

時子『それなら話が早いわね。さっさと圏外防衛ラインに来なさい。艦はS-02で預かるわ』

P「了解した。こちらもホクドウへの帰還途中だ。補給が済み次第そちらに向かう」

時子『早く戻りなさい。遅れるんじゃないわよ』

ピッ!

ありす「……クイーンの影響がなければいいのですが」

P「そこまでは分からん。だが、以前のことを考えると、断層レベルが上がれば、可能性があるかもしれん」

ありす「アインフェリアが揃わない状態でクイーンと遭遇するには……バックアップ用メンバーとして考えていた愛梨さんや蘭子さんも、今はナシヤマですし」

P「そうだな。以前準備していた卯月とフレデリカを含めたメンバーでの宙域ライブも出来ん。だが、巣の対応としてはこちらも動くしかないだろう」

ありす「そうですね……」

ピピッ!

加蓮「大尉、整備班から連絡です。次元跳躍から帰還したNGFの整備を始めるそうです」

ありす「わかりました。作業については急がせてください。こちらも圏外防衛ラインへの移動が入りましたから」

加蓮「わかりました」カタカタッ!

パシュンッ!

ナオ「戻ったメンバーは全員浴場に行ったよ。跳躍テストの映像記録、後でこっちでも確認しておこうか」フワッ

P「ナオか。丁度良い、つい先ほどまで時子と通信をしていた。こちらも圏外防衛ラインに向かうことになった」

ありす「跳躍テスト前の戦闘で、私とフレデリカさんのほうで違和感を感じました。断層予測レベル7の次元振動が、もしかしたらクイーンが関係しているかもしれません」

ナオ「クイーン……」

加蓮「ナオ?」

ナオ「……いや、何でもない。移動については分かった。LiPPSのみんなには後で話しておこうか」

……
…………

――フレイヤⅡ(通路)

ナオ「……」



『……聞こえるか、クイーン! アインフェリアの……みんなの歌が!』

『あたしたちは生きている! ビーも一緒に……あたしたちは戦いたくない。戦う必要なんてない……』

『お互いに、生きていけるんだ。それぞれのいるべき場所で!』



ナオ「……あのときのあたしたちには、選べる道は無かった。その道しか、残っていなかった」

ナオ「だけど、今は……今なら、お前は……どう答える?」

ナオ「あたしは……」


ナオ「あたしなら、今度は……」


……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(医務室)

奏「ふう……跳躍テストの後は、面倒くさいのね」

美嘉「お風呂入った後のメディカルチェック、ヴァルキュリアシステム使った時より長かったかも」

志希「そりゃねー。他所の世界の環境とか、こっちと違う可能性だってあるんだし。まーあたしが調べて問題ないって分かっただけでも、マシな世界だったんじゃない?」

奏「そうね。私たちの世界と凄く似たような場所だったもの。それに、大気圏内での飛行なんて初めてだったわ」

美嘉「空気があって、建物があって、アタシたちの世界と似たようなトコ……NGFじゃないけど戦闘機みたいなのも飛んでたし、どこの世界も戦ってる……か」

周子「さあねー。たまたま戦ってる世界に行っただけかもしれないし、もしかしたらなーんもない世界だってあるかもしれないじゃん」

志希「そーゆーこと。転移時の空間構成情報の記録と、転移先の座標フラグは立てといたから、また行くのは別として観測は出来るようになったし」

周子「おや? そうえいばフレちゃんどうしたんだろね」

美嘉「知らない」

奏「あの子、先に検査終わったものね。どの道待機だから、私たちも指示が出るまで休憩していましょう」


……
…………

――フレイヤⅡ(休憩所)

奏「……あら?」


フレデリカ「フンフンフフーンフンフフーン……♪」ピッ、ピッ……

奏「フレデリカ、何しているの?」フワッ

フレデリカ「あっ、奏ちゃん。あのね、いまアタシは大事なミッションをこなしてるの」

奏「……花壇弄り?」

フレデリカ「そう! メッセンジャーから『お世話よろしくね』って言われたアタシの大事な仕事!』

奏「その、メッセンジャーって」

フレデリカ「うん? あー、アインフェリアのコト」

奏「あまり、他のビーと話すことはなかったけれど、貴方たちはアインフェリアのことは、メッセンジャーって言うのね」

フレデリカ「あんまり言っちゃダメって言われてるんだけどね。アタシたち、話かけてくれた最初の人間だから、みんなメッセンジャーのこと大好きなんだー」

ピッ、ピッ……

フレデリカ「メッセンジャーがアタシたちに話掛けてくれたから、アタシたちは生きてるし」

奏「……」

フレデリカ「体がこんなに小さくなったのだって生きるためなら仕方ないし、大きいままでも、宇宙でお仕事すればいいだけだし」

奏「採掘場は、普通のビーが運搬の仕事をしているものね。フレデリカは、どうして人の体をもらったの?」

フレデリカ「会いたいって、メッセンジャーと……あの日、アタシが助けなきゃって思った人間に、会いたいって思ったから」

フレデリカ「白くなったヤツから逃げるだけだったアタシたちを助けてくれて、戦ってくれたプロデューサー」

フレデリカ「助けてくれたなら、アタシだって助けなきゃって。だから、その後でみんながどうなったのか、気になって会いたくなったんだ」

奏「……そうなの。貴方に出会いがあったのなら、ロマンチックな話ね」

フレデリカ「志希ちゃんに聞いたらね、それでいいんじゃない? 会ったほうがいいよって言ってくれたんだ。メッセンジャーとプロデューサーに会えば、人間のことをもっと理解できるって」

奏「私は、まだ大尉以外のアインフェリア隊には会ったことがないけれど……それでどうなの、貴方は人間のことは分かったの?」



フレデリカ「よくわかんない」


フレデリカ「みんなと一緒にいて、ゴハン食べて、テレビ見て、買い物して、アイドルのお仕事して」

フレデリカ「たまにメッセンジャーとプロデューサーのセックスも見て、おもしろくて、楽しくて」

フレデリカ「でもやっぱり、わかんないんだ」

フレデリカ「アタシたちのことを助けてくれた人メッセンジャーのことが分かったら、アタシはもっとみんなのことが好きになるのかなって思ってたのに」

奏「今はどうなのかしら?」

フレデリカ「大好き!」

奏「大好き以上に、好きになることってあるのかしら?」

フレデリカ「んー……言葉が分かんない。教えてもらってないのかなー……」

フレデリカ「まあでもね、アタシはアタシたちを助けてくれたメッセンジャーみたいに、今度はアタシがみんなのこと守ってあげるんだ」

フレデリカ「メッセンジャーたちも、プロデューサーも、奏ちゃんも、志希ちゃんも、シューコちゃんも、美嘉ちゃんも、みんな!」

奏「……」

フレデリカ「ん? どしたの?」

奏「いえ……ふふっ、欲張りなのね、フレデリカは」

ピピッ!

フレデリカ「お、設定終わった? よーし花よ、枯れるなよー枯れたら針飛ばすぞー」ピッピッピッ!

奏「……」

フレデリカ「よし終わり―。ブリッジに遊びにいこうっと。奏ちゃんも行く?」フワッ

奏「私は、少し休憩してから行くわ。検査、長かったもの」

フレデリカ「そっか。それじゃーね」





奏「……」


P「……」フワッ

奏「……あら、盗み聞きなんて、少佐はイイ趣味しているのね」

P「たまたま休憩所に寄ろうと思ったら話し声が聞こえていただけだ。水を差すのも悪いと思って、終わるまで待っていた」

奏「……貴方は」

P「俺は別に、何をするつもりもない」

P「俺はフレデリカには恩があるから、本人のやりたいようにやらせる。最後にフレデリカ自身が満足できれば、それでいいと思っている」

奏「でも彼女、分からなくて悩んでいるみたいよ。少しくらい、何かしてあげてもいいとは思うけれど」

P「それでいいんだよ。相手に歩み寄り、理解しようとする。それに対して悩むことは、俺たち人間とそう変わりはない」

P「志希が何を思っているのかは知らないが、少なくとも俺にとっては、フレデリカと共にいて悪くないと思っている」

P「少尉は、フレデリカのことは良く思っていないのか?」

奏「……いえ、そんなことはないわ。素直で、優しくて、良い子だと思うわ」

P「そうか。それならいい」ピッ!

ガコンッ!

P「何か飲むか?」

奏「……じゃあ、コーラで」


……
…………

しまった。少し中断します。

――数日後、ホクドウ、フレイヤⅡ(ブリッジ)

整備長「んじゃまあ、補給作業はやっとくからよ。後は外装メンテで1日くらい掛かっちまうが」

ありす「大丈夫です。圏外宙域の次元振動予測を見ても、まだ時間はありますし」



加蓮「ありす!」フワッ

ナオ「おいちょっと加蓮!」


ありす「加蓮さん? どうかしましたか?」

加蓮「これ、搬入出のリスト!」

ありす「ええ、私のほうでも少し手を入れました。次の戦闘、クイーンが来るかもしれません。通常よりも物資が必要になるかと」

加蓮「そうじゃなくて、これ! 3N-SD、なんで置いてくの!」

ありす「……格納庫で錆び付かせておくよりは、一度降ろして物資の搬入ペースを確保したほうがいいかと思います」

ナオ「だから言っただろ、整備班だって手掛けるのも時間掛かってるんだし」

加蓮「それなら私が乗る! 奈緒だって、一緒に……」

ありす「あなたにはVSTG19Sがあるじゃないですか。3NXがベースの機体ですし、単純に3N-SDよりも上位のスペックに収まっています。そちらを使うべきです」

加蓮「だけど!」

ありす「気持ちは分かります。ですが今この時、何が必要なのかを見誤らないでください。ナオさんは、大丈夫ですよね?」

ナオ「ああ。クイーンが来るかもしれないって時に、遊ばせているだけの機体を積んでおくのも邪魔になるだけだ。加蓮、終わったらまた取りにくればいい」

加蓮「……」

整備長「大丈夫だっての。アインフェリアがいないからちぃっとばかし不安だけどよ、これまで通りやればいいだろ?」

ありす「そうです。P少佐もいます。S-02にはみなさんもいます。長距離航行プランの実行前に手間が1つ増えただけです」

ありす「終わらせて戻って来ましょう。これまでと同じように」

……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

P「ああ、次の戦闘はナオにはVPSPで出てもらう。混戦になる可能性が高い、支援にも回ってもらうつもりだ」

晶葉『そのほうがいいかもな。ナオには?』

P「もう話している。本人もそのつもりだったらしいが」

晶葉『そっちの搬入出のリスト、見ておいたぞ。フレイヤⅡも陽電子砲を積んだから、今回は巣の破壊作業には参加できるだろう』

P「ああ、ブースターユニットも一度は取り外していたが、今回の補給で再度つけるつもりだ。足を使うだろうからな」

晶葉『出来れば圏外宙域での戦闘、空間構成情報のデータは取ってもらいたいんだが』

P「難しいな。次の戦闘で志希を出させるわけにもいかないし、ブリッジも人手不足になる」

P「データの採取という意味では、一番効果的な戦闘ではあるだろうが……」

晶葉『……3N-SD、置いていくのか』

P「格納庫も空けておかなければならないからな。後で取りにくればいい」

晶葉『そうか。まあ、そのほうがいいだろう。お前はどうする?』

P「3Nで出撃する。整備長には背面パーツの交換も頼んでいる」

晶葉『気をつけろよ。ダブル奈緒と違って、お前とナオではお前のほうにヴァルキュリアシステムの負担を寄せないとドッキングは上手く機能しない』

P「わかっている。ナオにはなるべく負担を掛けさせないつもりだ」

晶葉『それならいいが……上手くやってくれよ』

P「ああ」

晶葉『クイーンの空間転移は、ビーたちだけではなくアインフェリアにも何か感じているものがある』

晶葉『ありすやフレデリカに何かあったら、お前が助けてやるんだぞ』

P「……」



『なんだ……何か、違和感が……』

『この感覚は……』



晶葉『おい、聞いているか? おい』

P「ん……ああ」ピクッ

晶葉『私たちのほうも、ナシヤマを出てそっちに向かっている。合流するまではそっちは任せたぞ』

P「……分かっている」


……
…………

――ホクドウ、港前

美嘉「……」


奏「こんなところにいたのね」


美嘉「ん……どしたの?」ピクッ

奏「どうしたの、じゃないわよ。貴方、周子が今日のブリッジ作業当番が1人いないって怒ってたわよ」

美嘉「あっ、アタシか……ゴメン、すぐ戻るから」

奏「……どうしたの、難しい顔して」

美嘉「……なんでもない」

奏「それなら、そんな顔しているわけがないでしょう?」

美嘉「それは……そうかもしれないけど」



奏「フレデリカと、上手くやれないのかしら?」



美嘉「……別に」

奏「良い子よ、あの子。思っていたよりもずっと。あの艦に来たのも、分かる気がするわ」

美嘉「そんなの、分かんないって」

奏「美嘉?」

美嘉「……ゴメン、何でもない。アタシも、あの子は良い子……だと思う」

奏「仲良くしてあげて。あの子も、貴方と仲良くしたいって思っているから」

美嘉「そっか」

奏「さてと……それじゃ私、少佐と格納庫で作業があるから先に戻るわよ。周子が許してくれるうちに、早めに戻っておいて頂戴」



美嘉「……仲良く、ね。仲良く……か」


……
…………

――フレイヤⅡ(美嘉の部屋)


フレデリカ「……」



『それでね、アタシ絶対ぜーったいアイドルになるんだから、お姉ちゃんみたいに!』

『だからアタシもお願いして、ナシヤマのオーディション受けにいくから! そっちに行くときは、お姉ちゃんのトコに泊まっていーい?』

『あとね、この間チョーイケてる新しいお店が出来たんだけど、おかーさんお小遣いくれなくてさー、まだ行けてないんだよねー』

『それでね、この前お姉ちゃんが話してくれた雑誌、おかーさんが買ってきてくれたんだけどさ。お姉ちゃんメッチャキマッてたもんね!』



フレデリカ「……」ピッ!



『それでね、アタシ絶対ぜーったいアイドルになるんだから、お姉ちゃんみたいに!』

『だからアタシもお願いして、ナシヤマのオーディション受けにいくから! そっちに行くときは、お姉ちゃんのトコに泊まっていーい?』

『あとね、この間チョーイケてる新しいお店が出来たんだけど、おかーさんお小遣いくれなくてさー、まだ行けてないんだよねー』

『それでね、この前お姉ちゃんが話してくれた雑誌、おかーさんが買ってきてくれたんだけどさ。お姉ちゃんメッチャキマッてたもんね!』



フレデリカ「…………」


……
…………

今日はこれで終わります。

――木星圏宙域、フレイヤ(ブリッジ)

楓「航路誤差修正、前方ヴェール艦、後方モリアン艦との距離は維持……次の宙域チェックポイントまで艦制御のオートメーション機能を設定……」ピピピピッ!

美優「アインフェリア……I@LPの休憩時間になったみたいです。愛梨ちゃんと、蘭子ちゃん……一度こちらに、戻ってくるようです」

楓「それじゃあこちらも、少し休憩で」ピッ……


美優「……」

楓「……」

美優「……」


楓「……あの人、大丈夫かしら」

美優「そう、ですね……うちの主人のことですし、万が一……ということには、ならないと思いますけど……」

楓「私の夫ですから、危ないことにはならないと思いますけど」



楓「……」

美優「……」

楓「……なんて、もう私の夫、でもないですからね」ハァ……

美優「楓さんは……最初から、違うじゃないですか……」

楓「それを言ったら美優さんだって、違うじゃないですか。ギリギリ」

美優「むぅ……」

楓「まあ、私はこんなこと言える立場じゃないんですけどね」

美優「それは……」

楓「Pさんも入院しながらあの子たちに付きっきりで、何だか一足飛び越えて、お母さん……にでもなった気分ですし」

楓「それに、今更言っちゃうんですけど、私最初はあの子たちのこと嫌いだったんですよ、割と本気で。いまは好きですけど」

美優「えっ、ええええ……」

楓「だって私の知らないところでPさんが寝取られてたんですよ? しかも集団逆レイプで。ヒドイですよね?」

美優「わ、私から見れば楓さんだって同じような感じでした……私の見てないところで、Pさんに色々やって……」

楓「まあそれは時効ということで……美優さんだって、嫌だったんじゃないですか? せっかくあの人のところに戻ってきたと思ったら、大家族みたいな状態になってて」

美優「それは……でも、いまはもう……そんなことはありません」


楓「そうですね……最初は、あの子たちがPさんの体が目当てかと思っちゃいましたけど、ずっと、ずっとあんなに頑張って……」

美優「……あの日、最後に、黒井大佐に言われたんです」

楓「黒井大佐に?」

美優「あの人のことを、支えてあげてほしいって……私たちを逃がす為に、自分が犠牲になろうとしているときに……黒井大佐は、Pさんのことを心配していました」

美優「今思えば……どんな形であれ、Pさんが辛くて苦しい思いをするのを、黒井大佐は分かっていたんですよね」

楓「厳しかったけれど、優しい人でしたからね。菜々ちゃんのワガママにも最後まで付き合ってあげていた人でしたから」

美優「だから、結局私が、あの人の傍にいることが出来なかったときも……あの子たちが、Pさんの支えになってくれて……今では、それが嬉しいんです」

楓「はい。支えて、支えられて……Pさんとアインフェリアは、ここまで来れたんだと思います」

楓「だから……これで本当に最後に出来るよう、私たちがあの子たちを守ってあげませんとね」

美優「はい……」


……
…………

――フレイヤ(レッスン場)

愛梨「それじゃあ20分休憩でーす。私と蘭子ちゃん、今のうちにブリッジに戻っていますから、ちゃんとバイタルチェックしておいてくださいね」

蘭子「翼を休め、次なる試練に備えよ!」フワッ

パシュンッ!


藍子「はぁ……はぁ……」

夕美「いまのトコ……ターンの部分ズレたよね……?」

文香「待ってください……いま、映像記録を……」ハァ、ハァ……

美波「ありすちゃんから貰った映像データと合わせてから次に移らないとダメね……」

夕美「ちゃんと仕上げて、全力で歌えるようにしないと……まだ、私たちの歌じゃみんなには届かない……」

美波「ええ、Pさんが……みんなが命を懸けて作ってくれるチャンス、絶対に掴まないと」

文香「はい……生き残る為に……未来に、向かう為に……」

藍子「みんなの命を守って、私たちの想いを届けないと……!」


……
…………

――フレイヤ(通路)


蘭子「アインフェリア……大丈夫かな」

愛梨「ぜーったい大丈夫ですっ! みんなとっても頑張っていますし、Pさんも私たちも、信じてますから!」

蘭子「愛梨ちゃん……」

愛梨「だから、みんなのことを信じるためにも、私も蘭子ちゃんも、もっともっと頑張ってお手伝いしましょうねっ」

蘭子「……うんっ」


……
…………

――2日後、土星圏宙域、フレイヤⅡ(艦長室)

P「搬入出作業に1日、艦メンテに1日、急ピッチで本部に応援を頼んだが、整備班には無理をさせ過ぎているな……」

ありす「はい、時間に多少の余裕があるとはいえ、S-02と合流した後は追加作業も入ってくるでしょうし、作業が遅れている現状では少々厳しいかもしれませんね」

P「もう少し本部から整備部隊を借りるか。うちのメンバーを交代で休ませておかなければ後が持たん」

ありす「そうですね……整備長にはもう少し頑張ってもらうしかありませんが、ある程度まとめて休ませるか……作戦後でもありますし、せめて1日は欲しいですね」カタカタカタッ!

ガタッ!

ありす「ちょっとこれから現場に行って来ます。今応援に来ている整備部隊に振り分けている作業を整備長と見直しますので、Pさんは本部に行って増援の申請をお願いします」

P「頼むぞ。とにかく外装メンテまで終わらせないと、装備交換まで手が付かん。現場監督であれば後で俺のほうも立ち合いに出る」

……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

ナオ『……』ピッ、ピッ! ピピッ!

加蓮「……ミッション追加、もう1セット……終わったらデータ入れ替えするよ。次……」

奏「……」

美嘉「……」

フレデリカ「おー……」

志希「……」スヤスヤ……

周子「いやぁ……これは……」


加蓮「次最後ね……時間まだあるよ……うん、コンディショングリーン。おしまい」ピッ!


パシュンッ!!

ナオ「はー……終わったぁ、疲れた」バサッ!

加蓮「お疲れ様。次どうする? オンラインスコアやっとく?」

ナオ「んー、1回入っとくか……ん、みんな来てたのか」

美嘉「いや、うん」

奏「大したものね……それ、グレイプニールのシミュレーターよね?」

ナオ「ん? いや、入れてるのオプション兵装。VPSPだよ」

周子「えええええ……いや、オプション兵装ってレベルの武装じゃないでしょそれ、3NXより豪華に動いてたやん」

フレデリカ「コレすごいんだよ? 前もびゅんびゅん飛ばしてたし」

ナオ「まーオプション兵装とはいえ、ヴァルキュリアサードのデータも使ったハイエンド機だからな。これくらい動かせておかないと」

奏「サード?」

加蓮「グレイプニールの時代にPさんが使ってたヴァルキュリア。もう壊れてなくなっちゃったらしいけどね」

ナオ「あーそうそう、引退試合の時に盛大に大規模の巣に特攻レベルで突っ込んで派手に壊したんだよな。あたしモニターで見てた」

美嘉「大規模の巣に突っ込むって何それ」

ナオ「いやあたしもさ、まさか『巣をぶっ壊すまで暴れる』って選択肢選んで本当にぶっ壊して帰ってくるなんて思わなかったけどさ……最後はノルンが間に合ったから壊せたようなもんだったけど」

志希「まーヴァルキュリアサードもアレ、大概オーパーツレベルの奇跡の出来だったしねー。あたし現物見たことないけど」

フレデリカ「あれ、志希ちゃんいつ起きたの?」

ナオ「愛梨や蘭子でもスペック持て余してたレベルだったからなぁ。再生産しようかって時期はもうNGFが出てきた頃だったから移行することになって作り直さなかったみたいだけどさ」ピクッ



整備長「おーい! VPSPの調整はどうなんだー!」

ナオ「ん、あーとりあえず大丈夫! もうちょっとシミュレーター回してから声掛ける!」

整備長「こっちの作業、手離せなくなりそうだから早めに頼むぜー!」



奏「あら……整備班、忙しそうね。本部からも人手借りているし」

周子「邪魔にならないようにあたしら先に戻ってよっか」

美嘉「それじゃアタシ――」

フレデリカ「アタシもシミュレーター回そっかなー? 巨悪を成敗する為に力が必要ってネ?」

美嘉「……じゃ、ブリッジ戻ろっか」

フレデリカ「でも今日はアタシもお仕事やったしみんなで戻ろー♪」

志希「りょーかーい」

美嘉「……」

周子「ブリッジ戻っても清掃入ってるし、食堂か休憩所でいいんじゃない?」

加蓮「みんな戻るんだ。それじゃ、私たちもう少しここにいるから」

ナオ「ありすからは外出許可も出ていると思うけど、連絡が来たら出てくれよ」

奏「ええ、それじゃあナオも頑張って」

……
…………

――フレイヤⅡ(食堂)

フレデリカ「おばちゃん、社会人の共の唐揚げ定食!」

おばちゃん「あいよ、残すんじゃないよ」




志希「宙域のさ、データ収集もついでにやりたいんだけど……んぐぅっ、こっちはそんな余裕ないみたいだからね」モグモグ

美嘉「前線には出ないんでしょ?」

志希「そりゃ出たらあたし死んじゃうし。あたしが知ってるトコの部隊もデータ取りに来るらしいから、貰うつもりなんだけどさー」モグ……

奏「オート・クレールも大変ね……P少佐もデスクワークはそっちの仕事ばかりしているし」

志希「あーカレはね、まあテスターだし開発もやってるし、晶葉ちゃんのお気に入りだから色々振られてるの」

奏「どうして、オート・クレールに移ったのかしら。わざわざ戻ってくるくらいなら、そのまま――」

志希「ま、アインフェリアやシンデレラガールの面倒見る為、ってね」

周子「……ふーん」

志希「誰かから聞いてるかもしれないけど、昔のヴァルキュリアシステムって随分と欠陥品でね。まあ、そうしなきゃならなかったってトコはあるんだけど」

志希「概念もジョーカーから聞いて、さあ初期構築! ってトコで今の人類じゃまともに作れそうもない代物だったから、少しずーつ形にしていったけど」

志希「使ってもらう側に、あそこまで辛い目に遭わせるつもり、なかったんだけどね」

フレデリカ「……フーン、志希ちゃん、そういうの好きだからなーって思ってたけど」ガタッ

志希「あたしがおかしくなるのは別にいいんだけどね。おかしくなって楽しくなるかもしれないし、作った本人としては満足できるかもしれないし」

志希「だけどさ、誰かにそれを押し付けるのって、違うんだよね」

志希「あたしが楽しいって思うことは、誰かは楽しくないことかもしれない。相手はあたしじゃない、違う存在。人も、ビーも」

美嘉「……」

志希「だからさ、違うってちゃんとわかってないと、本当にヤバイことしちゃったら後悔しか残らないんだよね」

志希「間違えてもいい。遠回りしてもいい。だけど、最後の最後だけは……ってね」

志希「だからあたしでも、アインフェリアのときはゴメンって思っちゃった♪」

志希「カレにもね、ヒドイことしちゃったって思うんだ。まあ、そう思ってるのはあたしだけじゃないけど? だからこっちにも来たし」

周子「ま、そこはね? 人それぞれやし」

志希「そーそー。まあ早いうちに手打たなかったら人類負けてたかもしれないし? そこは結果オーライってことで♪」

奏「……ちなみに、アインフェリアがどうなっていたのかは?」

志希「あ、具体的に知りたい? 別に教えてもいいけど、たぶん後悔するよ?」

奏「まあ、参考にして心構えくらいは、しておこうかと思って」

志希「別にいいけどー……それじゃあ……」

……
…………

――翌日、フレイヤⅡ(ブリッジ)

周子「港との接続アーム解除。艦制御確認、出発準備オッケー」

加蓮「大尉、各班から確認通知が来ています。出港可能です」

ありす「了解です。それではこれより、フレイヤⅡは土星圏外宙域の防衛ラインに向かいます」

ありす「目的は圏外宙域で観測されている次元振動の対処です。S-02と合流後、作戦行動について確認を取り指定宙域ポイントへと向かいます」

奏「……」

ありす「……速水少尉、どうしましたか?」

奏「いえ、別に……」

ありす「そんなに人の顔をじろじろ見て……何かありましたら、話してくれたほうがこちらも助かります」

奏「大丈夫、大丈夫……ええ」

美嘉(昨日あんな話きいちゃうとね……まさかあの大尉が……)

美嘉「ってあれ、P少佐は?」

加蓮「ナオと2人で格納庫。シミュレーター回してる」

ありす「P少佐も復帰してから間もないですからね。もう少し調整をしておきたいとのことです」

志希「あとでみんな、カレと訓練すれば?」

加蓮「Pさんの訓練、大変だけどね」

奏「……まあ、出来るなら頼んでみましょうか」

ありす「移動中の戦闘予定はありません。白蜂と遭遇した場合はLiPPSで対応します」

美嘉「了解。蜂が出てくるなら……!」

フレデリカ「ゴーゴー!」

ありす「ではこれより出港します。港から出た後はオートメーション機能による自動航行に切り替えます」

……
…………

今日はこれで終わります。

おつ
ありすちゃんはそんなに酷くなかったんや……

――フレイヤⅡ(艦長室)

P「ありす、S-02に合流予定のタイミングは?」

ありす「連絡済みです。私たちの他にも数隻、合流予定の艦があるみたいですね」カタカタカタッ!

P「今の圏外防衛の戦力状況で、大規模の巣を攻略に行くとなれば防衛ラインが手薄になる。また内部で次元振動が発生するようになっている現状、そちらから戦力を引っ張ってくるのも厳しいが」

ありす「再編成指示が出て展開が終わったばかりですからね。まだ手が回っていない場所もあるでしょうし、一部は長距離航行プランの為にホクドウに集めていますし」

P「アインフェリアの復帰に合わせて、か……思うところはあるが、現状ではこのタイミングが妥当か」

ありす「アルヴィスの更新履歴を見ましたが、干渉装置の見直しも始まっているみたいですね。どれほど効果が戻るかは分かりませんけど」

ありす「あ、そういえば履歴を見たついでに火星圏の状況も確認しましたけど、M-01もホクドウに向かっているそうですよ」

P「ちひろさん、文句言いながらこっちに来てるだろうな」

ありす「仕方がありません。巣の攻略には参加しませんが、長距離航行プランの参加自体は決まっていましたし」

P「フレイヤの旗艦になっているから仕方がない。火星圏にいてコロニー級の巣やクイーンとの戦闘経験がなまじあるだけ、招集する理由もあるし」

ピピピッ!

P「俺だ」ピッ!

志希『あ、キミ? 暇?』

P「暇ではない」ピッ!

ピピピッ! ピピピッ! ピピピッ!

P「なんだ」ピッ!

志希『薄情者。あーあ、大事な話なんだけどなー』

P「なら早く話してくれ。こちらも暇ではないんだ」

志希『フレちゃんのこと』

P「……そちらに行く。少し待て」ピッ!

ありす「Pさん?」

P「すまん、少し席を外す。時子から連絡が来たら受けておいてくれ」フワッ

……
…………

――フレイヤⅡ(志希の部屋)

志希「フレちゃんね、美嘉ちゃんのことお気に入りなんだって」

P「そうか」

志希「ん、あれ、驚かないんだ?」

P「……フレデリカが誰と仲良くなろうと構わんだろう」

志希「わかってるくせにー?」

P「城ヶ崎少尉のこと、誰から聞いた?」

志希「藍子ちゃんから。あのおじさんがあたしたち選んだときに、キミならある程度調べてるだろうなーって思って」

志希「それにしても、問題ばっかりな人選じゃない? フレちゃんに美嘉ちゃん、おまけに奏ちゃんにあたしもいるんだから」

P「……能力を見た上での大佐の選定だ。プランそのものに対するバックアップ体制はこれまでのメンバーでも対応できる」

P「今回必要だったのは、運用に必要な根本的な戦力だ。前回のクイーンとの戦闘では、皆がヴァルキュリアシステムを使用できる状況だった」

P「だが俺がこの現状では、それも難しい。運用としてシステムを使う必要がある以上、GNブースト機を使用するわけにもいかない」

P「長いこと問題だった長時間戦闘に対しての課題も、システム改修である程度賄うことが出来ているが、これまでのシステム起動による負荷も無視できん」

志希「ま、今のシステムから使い始めた奏ちゃんたちなら、そんなに大変なことにはならないからねー」

志希「それにしても、融通してくれたメンバーだからって、問題有りって子ばかり抱えるのはどうかなぁ」

P「フレデリカなら、上手くやれるとは思う」

志希「……ま、そう思うならいいけど。でも、フレちゃんの為にも、ちゃんと美嘉ちゃんとは話しといたほうがいいんじゃない?」

志希「あたしはね、いまの人間もそうだけど、フレちゃんにだって……最後には絶望したまま終わってほしくないから」

P「……そうか。前に一度、少し話をしようと思っていたが……それなら頃合いを見て話しておく」


……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(会議室)

P「移動中に広報から提示されたI@LPだが、ハマヨコで放送予定のアイドルアルティメットフェスの広告のパフォーマンスシーンが欲しいとのことだ」

P「スクリーン映像のデータは配布されている。モーションガイドについても全員分あるから、パート分けについてはこちらで決めることになる」

周子「センターは奏ちゃんね」

奏「どうして私なのよ」

周子「リーダーでしょ?」

美嘉「ま、それが無難かもね」

フレデリカ「それじゃアタシ真ん中ー!」

志希「センター、つまり真ん中、オッケー?」

フレデリカ「真ん中が2人いればもっと楽しいと思うんだけどねー」

周子「まあ真ん中が1人じゃないとダメって言われてないか……うん」

奏「そもそも2人並ぶとモーションガイドの動きに嵌めれないでしょ」

P「広告の短い時間の中でどうアピールするかだな。ガイドの無いフリー部分を全体で上手く使うか、短い時間で画面映えするメンバーをセンターにするか」

フレデリカ「あ、センセー! それなら美嘉ちゃんが真ん中がいいと思いまーす!」

美嘉「え」

奏「……そうね、私たちの中で時間の短いカットでも良いパフォーマンスが出来そうなのは美嘉かもしれないわね」

周子「一番派手ってトコを上手く使えればええかなー?」

志希「あたしよくわかんないけど、プロデューサーはどうなの?」

P「俺か? まあ……このメンバーなら全員アクが強いし、誰が正面にいてもいいとは思うが」

志希「はぁー……職務怠慢」

奏「そこで上手い意見を出すのがプロデューサーでしょう……」


P「そ、そうか……城ヶ崎少尉はどうだ? 30秒程度の時間で、その中のセンターだ」

P「モーションガイドの要求時間もあるし、フリー部分はそこまで負担にはならないと思うが」

美嘉「……別にいいけど、アタシじゃなくて他の子とか、考えないの?」

P「ん……そうだな、今回は民間主催のフェスの広告だし、どちらかと言えば要求されるパフォーマンスも、盛り上げを図る為のものだ」

P「そういう視点で見れば、このメンバーの中では城ヶ崎少尉が正面に立つと画面映えするとは思うな」

美嘉「フーン……まあ、それじゃあセンターやろっか」

志希「……」スヤスヤ……

周子「こっちのサボり博士はもう寝てるし……」

奏「それじゃセンターは美嘉で決まりね。他のメンバーは……」

……
…………

――数時間後、フレイヤⅡ(美嘉の部屋前)

P「……」

P(……打合せも終わって、監視の交代も済んでいるからこのタイミングか。前回は間が悪かったが)

P「……少尉、いるか?」ピッ!

ピピッ!

P「……少尉、俺だ。少し話がある」ピピッ! ピピッ! ピピッ!

ピッ!

美嘉『あっ、はい! いま開けるから!』

ピピッ!

P「すまんな。失礼する」

……
…………

――フレイヤⅡ(美嘉の部屋)

美嘉「ゴ、ゴメンなさい……ちょっとボケっとしてて」

P「いや、休憩時間中にすまん。しっかり休んでもらおうとは思っていたんだが……」

美嘉「……で、用事……あるの?」

P「ああ。そうだな……I@LPだが、上手くやれそうか?」

美嘉「んー、まあ広告用の収録なら何度もやってきたし、あのフェスの広告も去年に同じ仕事してたから大丈夫、任せといて★」

P「そうか。それならいいんだ、頼んだぞ」

美嘉「……え、それだけ?」

P「いや……」

美嘉「……」

P「……聞いておこうかと思ってな」

美嘉「なに?」

P「フレデリカのことを、どう思う?」

美嘉「……」ピクッ

P「ビーとの混成部隊も、以前よりは増えたが現状はそこまで多くない。気になっていたものでな」

美嘉「どう、思うって……良い子、だと思う」

P「そうか。それならいいんだ」



美嘉「……アタシに、そんなこと話すんだ。少佐って……知ってるんでしょ? アタシのこと」


P「……経歴を含めたある程度のことは、復帰前に渡されていた資料に載っていた」

美嘉「それでも、アタシにそんなこと言うんだ。莉嘉のこと……分かってて……」

P「5年程前、だったか。ギチトーからハマヨコへ向かうエイルの1隻が蜂に遭遇して被害に遭い、大破した」

P「大破したエイルから救助された生存者数名は、ギチトーに搬送されて治療を受けたが……」

美嘉「あの子は……莉嘉だけは、ずっと起きない。眠ったまま」


……
…………

――木星圏宙域、フレイヤ(休憩所)

夕美「その子がね、いまフレイヤⅡにいる城ヶ崎少尉の妹さんみたいで……」

夕美「丁度そのエイルが被害に遭った日って、私が前にいたヴェールで最後の任務をやってたときだったの」

夕美「MN-13も含めた数隻の艦で、オート・クレール本社の幹部が乗ってる別のエイルの護衛……それ自体は何も無かったんだけどね」

夕美「木星圏の防衛部隊にエイルの引き渡しが終わって、任務完了で引き上げた後に、ギチトーの監視局から緊急の連絡が入って……」

美波「そうだったの……その子は?」

藍子「はい、莉嘉ちゃんって子で、ギチトーの病院に昏睡状態で運ばれてからは、今も病院で眠ったままで。私も、莉嘉ちゃんを見たのはお部屋のチェックをするのに病室に何度か入ったくらいでしたけど」

藍子「Pさんも、気にしていたんです。多分、フレデリカさんと一緒の部隊になったから……」

文香「……まるで、城ヶ崎少尉と、Pさんは……同じような境遇なのですね」

美波「ええ……そうね」

……
…………

――土星圏宙域、フレイヤⅡ(美嘉の部屋)

P「……昔、もう俺が子供の頃、少尉と同じように、蜂が俺の両親を殺した」

美嘉「えっ……!」

P「それから俺は1人になった。色々あって大佐に引き取られて、それから大人になってから軍に入って、こうして戦うことを選んだ」

P「しばらく経って、その時俺が所属していた旧艦のユミルが、蜂との戦闘中に介入してきた白塗り……白蜂との戦闘で大破した」

P「俺以外の前線部隊と、艦長の黒井大佐を含めた艦搭乗員のほとんどはその時に死んだ。当時俺の愛している人は……運よく生きてくれていたが、次に会うことが出来たのは8年も後だった」

P「俺が今でも戦っているのは、俺のような境遇の人間を1人でも無くしたいと思っていたから……だが、改めて難しいことだと……思った」

美嘉「……なんで、なんでそんなに! アイツらに大切な人たちみんな殺されて! どうしてあの子と一緒にいることが出来るの!」

美嘉「なんであの子の前で笑っていられるの!? おかしい……おかしいよ! アタシは、一緒にいるだけで……」

P「フレデリカは……俺の命を救ってくれたからだ」

P「対話の日に、仇だった白蜂と戦闘をした。これまでの蜂とは別格の強さの敵だった。実際に以前、負けたこともあった」

P「その時は負けるつもりは毛頭なかったが、それでも相打ちまで持ち込んだが奴はまだ動ける状態で、俺は死を覚悟したが……」



P『だ、誰か俺を庇って……』

蜂『……』

P『お、お前は……俺を、助けたのか……』



P「俺はフレデリカに命を救われた。まだお互いに言葉も分からない、敵同士だったはずなのに、あいつは身を挺して俺を助けてくれた」

P「そのときにようやく気付いた。俺はこれまで、恨みを持って戦っていた、守るべき者の為に戦っていた。だがそれはビーたちも同じだった」

P「あいつらも仲間を守る為、生きる為にここまで来た。俺たちが互いに理解し合えていなかったから、すれ違い、争いになっていた……だがそれも、お互いに生きる為に仕方がないことだったんだ」

P「互いに理解することが出来たのであれば、俺たちは互いを守り、生きていくべきだと……人間と蜂と、姿は違えど俺を救ってくれたフレデリカの優しさを感じて、そう思ったんだ」

美嘉「何よ……それ……だったら!」ガタッ!

美嘉「だったら、助けてもらったからって、アイツらのこと許せって言うの!? アイツらがいなかったら、莉嘉は今頃……大きくなって、アタシと同じように、アイドルになって……ずっと、一緒に……」

P「……少尉に、俺の考えを強制させるつもりはない。だが、考えてほしい」

P「俺たちから大切な人を奪ったのは、ビーであることに変わりはない。だが……俺たちを理解し、平和の為に共に生きようとしているフレデリカも、同じビーなんだ」

美嘉「……」

P「恨みを抱えたままでいるか、フレデリカの思いを受け止めるか、最後は……少尉に任せる」

美嘉「……アタシ、は」


P「……少し話過ぎた。思うことはあるかもしれないが、巣の攻略戦も控えている。LiPPS小隊についてはこれまで通り任務にあたってくれ」フワッ

パシュンッ!


美嘉「……莉嘉」


……
…………

――フレイヤⅡ(美嘉の部屋前)

パシュンッ!

P「……」


ありす「終わりましたか?」フワッ


P「ありす……」

ありす「志希さんからお話があったので。あの人、こういうところには気が回るんですよね」

P「そうか」

ありす「あなたも、そんな顔をしないでください。美嘉さんも、分かってくれると思います」

P「……そうだな。だが、こういう話は今でも慣れん」

ありす「仕方がありません。艦長室に戻りましょうか」



P「ありす」


ありす「はい?」


P「最後に……俺の父さんと母さんと、どんな話をした?」

ありす「どうしたんですか? 今までそんなお話はしませんでしたけれど……」

P「いや、少し気になってな。覚えていなければ、それでいい」

ありす「……ずっと、あなたのことを話していましたよ。帰ったら野球のチケットを渡すんだって。みんなで見に行くんだって」

ありす「しばらく留守にしていたから、あの子の好きなことをさせてあげたい、ワガママを言われないだろうかって……ずいぶんと楽しそうに話していました」

P「そうか。俺は……幸せ者だな。両親の最後の話も聞けて、ありすが生きてくれて、美優も戻って来てくれて……」

ありす「はい。私も幸せです。こうしてあなたと、出会うことができたんですから」

ありす「……あなたが、奈緒さんがこちらに戻ってくることを拒むのは、あなたなりの優しさだということは、みんな分かっています」

ありす「加蓮さんのところに戻る為に戦っていた奈緒さん。私たちの為に共に戦ってくれた奈緒さん。どちらの奈緒さんも……同じですから」

ありす「ですが晶葉さんたちも、現状の戦力では厳しい場面が想定されるから、奈緒さんのことを含めて動いているんです」

ありす「甘えてはいけないと分かっています。ですが現状を考えると、止むを得ないことだとも思います」

P「ああ、奈緒は俺たちが求めれば戻ってくる。それが分かっているからこそ、俺は戻ってきてほしくないと思っている」

P「それが奈緒の願いなんだ。あの日最後に、奈緒と話した……あいつの意思と決意は、揺ぎ無いものだった」

P「だから、もうこの世界にはいなくとも……俺たちと共に自分の為すべきことを成し遂げた奈緒を、守ってやりたい」

ありす「……ええ、そうですね」

P「戻ろうか。長く話し過ぎた」

……
…………

今日はこれで終わります。

>>303
>>1はロリコンじゃないんですが、そこまで酷くなったありすもいいんじゃないかなと最近では思ったりしますね。

――土星圏外宙域、ノルンS-02(メインブリッジ)

ちひろ『そちらも、フレイヤⅡとは合流できたそうで。M-01は予定通りホクドウで待機しています』

時子「頼むわよ。巣の対応が終わり次第、プランの対象部隊を連れて戻るから」

ちひろ『もう少し来るが早まってたら私も巣の攻略戦に参加させられていたのかも……おおこわ』

時子「は?」ギロッ

ちひろ『冗談、冗談ですって……とりあえず向かってる艦については間に合ったらということで、編成には考えておかなくていいですよ』

時子「無い物をアテにするつもりはないわ。元々予定していた戦力については揃えているもの」

ちひろ『まあまあ……それじゃあこっちの準備は進めておきますから、気を付けてくださいね』

時子「ええ」ピッ!


「艦長、フレイヤⅡの収容が完了しました」

時子「P少佐と橘大尉は会議室に向かわせなさい」フワッ

……
…………

――十数分後、ノルンS-02(会議室)

菜々「いやぁ、Pさんも元気そうでよかったですねぇ」

P「ナシヤマからこっちに戻って1年くらいか……菜々さんも変わらないですね」

菜々「いやほら、そこはJKなので……」

時子「誰が無駄話をしていいと言ったかしら?」

菜々「いえ、誰も」

千秋「まあその辺にしておいて……琴歌さん、宙域マップを」

琴歌「スクリーンに出しますわ。今回の次元振動の発生予測ポイントについてはこちらです」ピッ!

ありす「圏外宙域のC13……防衛ラインからは少し離れていますね」

P「艦の配置については妥当か。編成リストは来る途中で確認したが、戦力的にはギリギリといったところだな」

千秋「干渉装置の効果範囲から外れている防衛ラインを手薄にするわけにはいかないもの。フレイヤⅡ以外の土星圏の防衛部隊も引っ張ってきてようやく、かしらね」

時子「後は……貴方たちの話しでは、クイーンの出現が予想されるという話ね」

ありす「はい、確証はありませんが、過去の戦闘と同様の感覚がありました。恐らく……」

P「ここから準備して向かうとなれば、木星圏からホクドウに向かっている最中のフレイヤを待つにしても次元振動の発生まで時間が無い。アインフェリアの宙域ライブについては今回は無しだ」

時子「合流艦の整備、防衛ラインの再配置が済み次第の出発で、次元振動の発生にはギリギリ間に合う程度……腹が立つわね」

菜々「S-01からS-06までは光波推進システムの搭載も出来ましたから、移動はもっと早くなったんですけどねぇ」

P「S-07以下はどの道長距離航行プランの対象艦ではないし、圏外防衛として置くしかないからな。出現に合わせて戦闘準備が出来る分、間に合うだけよかったと思うしかない」

ありす「あとは前回と同様に、クイーンが帰ってくれることを祈るしかないですね。空間構成情報は安定しているポイントみたいですし、予測レベルも8で止まっていますから完全に転移できるかと言われるとクイーン側も困難かと」

琴歌「各強襲艦隊についての配置ですが、前線、ノルン防衛の配置はこのように……長引くことになれば私たちのほうが不利ですし、やはり突破を優先という話になりましたわ」ピピッ!

時子「艦隊の移動ルートを速やかに確保して、陽電子砲の射程圏内まで移動する。これまでと同様のやり方よ」

ありす「メインでぶつかるのはヴェールですからね。そこは先に決めてもらっていた編成で構いません」

琴歌「はい。フレイヤⅡ、フレイについては前線のヴェール艦隊の脇に配置となります。もしもの際を想定しての配置となりますけれど……」

P「プランV3のことを考えて、か……仕方がないか」

千秋「とはいえ、貴方やナオさんは現状の最高戦力よ。特に貴方は特殊部隊として指揮系統から外れているし、指示がない限りは自由に動いてもらって構わないわ」

時子「そうね。しっかり働きなさい」

P「ニュージェネレーション隊はどうする? こちらに戻してもいいのか?」

菜々「あ、ニュージェネは今回は艦隊の進行ルート確保の為の前線部隊になりました。ナナと智絵里ちゃんと一緒の編成になりますので」

菜々「あ、でもその代わりナオちゃんと加蓮ちゃんはそっちで対応させるんですよね」

ありす「今回、ナオさんはVPSPで出撃予定です。こちらとしても今のタイミングでそちらに戻られてしまうと苦しい部分もありますので、頑張ってもらいます」

琴歌「P様の機体については、3Nでよろしいのですか? S-02には予備機も残っていますが……」

P「VPSPとのドッキング用に3N調整は済ませている。今回はこのままで出る」

ありす「とりあえずそちらで決めていた編成内容とこちらのポジションについては分かりましたので、後は内部で調整しましょう」

時子「住居スペースは用意させているから、出撃までは待機しておきなさい。道中の戦闘も、出させるつもりはないわ」

P「わかった。こちらとしてもそのほうが助かる。土星圏での任務からここに戻るまで、あまり休む時間もなかったんだ」

千秋「そう。それなら丁度いいわね」

P「……何がだ」

時子「チッ、豚が……話は終わりよ。私は戻るわ」フワッ

パシュンッ!

琴歌「千秋さん、そのお話はお部屋に戻ってからにしましょう?」

菜々「ぶふぉっ!」

ありす「菜々さん、ナシヤマで1年間私たちと一緒にいたのに今更泡吹いてどうするんですか」

菜々「い、いえ……」

P「……まあ、先にやることをやってからだ」

……
…………

――ノルンS-02、住居スペース(ニュージェネレーション隊の部屋)

未央「いやそれにしても元気そうでよかったよかった! システム使ってもあんまり変わりなさそうで!」

奏「そうね……この時期にフレイヤに行くことになって、まだマシだったって思えばいいのかしら」

桃華「まあっ、フレイヤも良い艦なのですよ? Pちゃまがもう少し落ち着いてくださればいいのですが」

卯月「落ち着いたほうがいいのってアインフェリアですよね」

美嘉(……ありす大尉もそうだったけど、この……子? も小さい)

奏「それにしても、最初はフレイヤ以外でシステムを使っているところがあるとは思わなかったわ」

かな子「私たち……んぐっ、元々予備部隊だったけど……はぐっ……いまはニュージェネのみんなもいるし……通常任務が多いけど……」モグモグモグモグ

ナオ「口に入れてるもの片付けてから話せよ……」




翠「LiPPS部隊の稼働実績、中々良いですね。跳躍テストも実施しているみたいですし」カタカタカタッ!

周子「まあねー。最近の圏内宙域にしちゃ戦闘多かったし」

凛「戦闘は気にしていなかったけどね。私たちより適性高かったし、それにPさんも合流したって聞いてたから」

周子「あーあの人、やばいわホント。一緒にシミュレーターやっても訓練にならないし」

加蓮「加減してくれてるからいいんだけどね。でもLiPPSだって十分動けるし、凛たちよりは心配しないかな?」

周子「ま、あたしもそこそこ乗ってるから」

ピピッ!

パシュンッ!!


フレデリカ「メンテ終わったー!」フワッ

志希「終わらせた―」

未央「お帰り。どうだった?」

フレデリカ「スーパーアドバイザーの志希ちゃんがいてくれたからね、元気元気!」

志希「ビーの体のメンテってまとめてやるのは楽だけど、ちゃんと診ておかないと精密検査に引っかかって再調整送りになると面倒だからねー。あたしもここら辺は仕事しないと」

フレデリカ「美嘉ちゃーん、お肌のお手入れをした後のアタシ、1日限りの輝く肌でキレイだと思うんだけどカワイイ?」

美嘉「まあ……うん、いいんじゃない」

フレデリカ「やったー! I@LPに頼んで宣材写真撮り直してもらおー!」

未央「いや絶対却下されるってそれ」

卯月「……」



周子「おーおー元気なことで……はぁ、この後のことを考えると気が重い……」

翠「今回私たちは圏外宙域ポイントまでの戦闘で出撃編成に入っていませんから。巣との戦闘まではゆっくり休んでおいてください」

周子「もーさー、巣と戦闘するのが一番嫌だっていうのに……はぁ」

加蓮「仕方ないでしょ。巣の戦闘は仕方がないけど、プランV3の主要メンバーってことで温存させてもらったんだから。時子さんに感謝しておかないと」

凛「ま、こうしてみんな集まったんだし、少しはゆっくり休んでおこうよ」


……
…………

美嘉「まあ……うん、いいんじゃない」

フレデリカ「やったー! I@LPに頼んで宣材写真撮り直してもらおー!」

未央「いや絶対却下されるってそれ」

卯月「……」



周子「おーおー元気なことで……はぁ、この後のことを考えると気が重い……」

翠「今回私たちは圏外宙域ポイントまでの戦闘で出撃編成に入っていませんから。巣との戦闘まではゆっくり休んでおいてください」

周子「もーさー、巣と戦闘するのが一番嫌だっていうのに……はぁ」

加蓮「仕方ないでしょ。巣の戦闘は仕方がないけど、プランV3の主要メンバーってことで温存させてもらったんだから。時子さんに感謝しておかないと」

凛「ま、こうしてみんな集まったんだし、少しはゆっくり休んでおこうよ」


……
…………

>>331訂正

――同時刻、フレイヤⅡ(格納庫)

整備長「おーいちえりーん! 外装チェックしてるメンバーの分の弁当、10個頼むわ!」

智絵里「は、はいっ! えっと……定食のお弁当4つと、フライ定食のお弁当3つと、火星丼のお弁当3つ出しますね」ガサガサガサッ!

整備長「わりぃな、後1時間くらいで交代するところも出てくるから、リストの人数分の弁当も追加で用意しといてくれよ」

智絵里「えっと、次はコンテナ班と、増設班が交代の時間っと……わかりました」

整備長「それじゃ頼んだぜ!」フワッ


おばちゃん「智絵里ちゃん、これノルンのスタッフに渡す分のお弁当ね。人数分カゴに入れてるからこのまま持ってって頂戴」

智絵里「はいっ、えっと……搬入出しているところはまだ落ち着いてないみたいだから、先に機体整備のお手伝いしてもらっているところから持っていきますね」

おばちゃん「ごめんね。こっちも任務から戻ってきてすぐの移動だったから整備班も手一杯みたいでねぇ。ノルンのスタッフの分のお弁当もこっちで用意しなきゃならないから人手が足りなくてね」

智絵里「だ、大丈夫ですっ! 私も、待機中だったし……おばちゃんのお手伝いですから」

おばちゃん「ありがとうね。後で落ち着いたらご飯作ってあげるから」

智絵里(ううう……みんな集まって楽しくお話してるみたいだけど……おばちゃんのお手伝いなら断れないし……仕方ないよね……)


……
…………

――ノルンS-02(格納庫)

P「デカいな……これ、前のヤツよりデカくなってませんか?」

菜々「そうなんですよねぇ……ARGTもある意味強化外骨格みたいなものですから、もう少し形が整ってくれるといいんですけど」

P「途中からオート・クレールも混ざってくるようになって、R1から随分と変な方向に進んだな……」

菜々「黒川重工的には中規模の巣の攻略も視野にいれた結果みたいなんですけどね。稼働データ2つ回すの大変なんですよ。出力爆上げしたみたいでイージスフィールドもこのまま使えるみたいですし」

菜々「まあ試作機だからって無理やり色々詰め込んだ結果ですし、R4で使えるものは全部使い切る予定ですけどね」

P「そうだなぁ……戦闘中、ニュージェネのことはお願いします。次の戦闘の配置はお互い離れていますし」

菜々「それはもう、まっかせてください! ナナが――」


『――さん、P――、これからは、私が――』

『加蓮――、――すま――、――菜々――』


菜々「……」

P「菜々さん?」

菜々「えっ? あ、ああ……大丈夫です、ナナがちゃーんと一緒にいますから!」

……
…………

――数時間後、ノルンS-02(休憩所)

美嘉「フレイヤも強襲艦のわりに結構快適だったけど、やっぱりノルンのほうが広いし便利べんりっと……」ピッ!

ガコンッ!

美嘉「えーっと、これでみんなが頼んできた飲み物は全部っと……」

卯月「美嘉ちゃーん!」フワッ

美嘉「あれ、どうしたの卯月?」

卯月「菜々ちゃんとPさんの分、戻ってきたときに何か飲み物あったほうがいいかなって思って」

美嘉「ああ、2人分特に買うつもりなかったもんね。アタシたちが駄弁ってる間に戻ってくるの?」

卯月「格納庫に行ってるってお話でしたし、戻ってくると思いますよ。えーっと、何がいいかなぁ……」ピッ、ピッ!

ガコンッ!

卯月「よしっ! それじゃ戻りましょう♪」

美嘉「栄養ドリンクはいいけど、お汁粉って……」

卯月「お汁粉は菜々ちゃんのです。最近はこういうのが好きみたいですし……あ、こっちの栄養ドリンク、今は鈴帆ちゃんのラベルになってるから、Pさん喜ぶかなーって」

美嘉「ま、まあいいけど……」

卯月「あ、そうだ。美嘉ちゃん、フレイヤに来てから大変じゃないですか?」

美嘉「んまあ大変っていえば大変だけど……圏外防衛に出てる卯月たちのほうが大変でしょ?」

卯月「それならいいんですけど……」

美嘉「大丈夫だって、確かに変なことやってる艦だとは思うけど、これくらいは――」

卯月「なんだか、ちょっと元気なさそうに見えちゃって」

美嘉「……」

卯月「でも、私の気のせいならいいんです。早く戻りましょうか」

美嘉「……そうだね」


……
…………

――ノルンS-02(ナオの部屋)

ピピッ!

加蓮『ナオいる? 入るよ?』

パシュンッ!


ナオ「ん……」ピクッ

加蓮「ナオ、菜々さんが言ってたメディアあった?」

ナオ「ああ、あたしの部屋に置きっぱなしにしてたよ。フレイヤに戻る前に菜々さんと徹夜してアニメ見てたからな……」

加蓮「そんなことばかりやって……あれ? それ……」

ナオ「……ああ」

加蓮「そのダサい仮面……奈緒の……」

ナオ「いやカッコいいだろこれ……あいつが、最後にあたしに残していった物だからさ」

ナオ「次の戦闘、ありすやフレデリカが言ってた、クイーンが来るかもしれない……あたしも、何か感じるんだ」

加蓮「ナオ……?」

ナオ「クイーンの声が聞こえている……かは分からない。アインフェリアとは違うし……ただ、確かに感じている」

ナオ「奈緒と一緒に戦っていた時の感覚と、よく似ている……奈緒と繋がっていた時はあたし自身、どこか1つ上のところに手が届いているような気がしていた」

ナオ「それが、ヴァルキュリアシステムを使えていたってことなのかもしれない。だけど、それだけじゃない……奈緒が自分の世界に帰ってからは、しばらく忘れていた感覚……」

ナオ「またそれを感じているってことは、前のような戦いになるんだと思う。今度は……奈緒がいない、あたし1人で戦わなきゃならない」

加蓮「違うよ、ナオ1人じゃない。私も、Pさんも、菜々さんも、凛も……みんな、みんないるから」

ギュッ……

加蓮「クイーンが来るのに、アインフェリアがいない……確かに大変だけど、みんながいるから大丈夫。今までだって……これからも」


……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

パシュンッ!

美嘉「はぁ……」ガコンッ!


奏「お疲れ様」

美嘉「あ、奏……こっち来てたんだ」

奏「向こうは向こうで楽しいけれど、少し騒がしいもの。気分転換に戻って来たわ。それにポイントまでの移動が始まったけれど、私たちは待機のままだし」

美嘉「そっか」

奏「……どう、少しは……あの子と仲良くする気になれたかしら?」

美嘉「……さあ」

奏「無理に仲良くして、とまでは言わないわ。だけど、同じ場所にいるもの。せめて嫌わないであげてほしい……貴方にどんな理由があるのかは知らないけれど」

美嘉「……聞かないんだ」

奏「聞いてほしいの?」

美嘉「……」

奏「みんな同じよ。何かを抱えている……貴方も、私も、フレデリカも……何も抱えていないヒトなんて、いないと思うわ」

美嘉「……結構さ、アタシにこの話してくるよね。どうしてそんなに気にしてるの?」

奏「……」


奏「……私自身が、好きでいたいからよ。良い部隊だもの。このまま、今度は……好きでいたい」


……
…………

>>337訂正(抜けがありました)


――翌日、ノルンS-02(メインブリッジ)

「予備ブリッジ、2層共にシステムチェック完了しています」

「S-01より展開。これより圏外宙域C13ポイントに向けての移動を開始します」

時子「指定宙域ポイントまでに戦闘が発生した場合は編成している部隊で対応、全艦指示についてはS-01より展開されるわ」

時子「S-02、艦速度2から前進。予定航路はオートメーション機能で進行。後は上手くやりなさい」

「了解です。S-02、S-01に続き移動開始します。S-03以下についても移動開始です」

P「こちらが戻ってくる前に、防衛ラインに何も問題がなければいいがな」

時子「貴方は自分と豚共の心配でもしていなさい。ここで実績を上げている艦が、数隻入れ替わった程度で問題が起きるならもっと早くに起こっているわ」

P「それもそうだな……道中は頼んだぞ」

時子「アァン? 誰に向かって言っているのかしら?」

P「ちひろさんもいないし、フレイヤとしては時子を頼るしかないからな……巣との戦闘までは荷物にしかならんし」

時子「通常編成、貴方の分も登録しているわよ」

P「助かる。安部中尉の負荷が高くなる前には入れ替わるつもりではいたからな」

時子「チッ……どの道、私のほうで特殊部隊には強制指示は出せないのよ」

P「大佐側から特別指示が出ないとな……まあ、指示を出してくれたら合わせて行動する。巣との戦闘では上手く使ってくれ」

時子「そのつもりよ。駒を無駄に遊ばせておくつもりはないわ」


……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

パシュンッ!

美嘉「はぁ……」ガコンッ!


奏「お疲れ様」

美嘉「あ、奏……こっち来てたんだ」

奏「向こうは向こうで楽しいけれど、少し騒がしいもの。気分転換に戻って来たわ。それにポイントまでの移動が始まったけれど、私たちは待機のままだし」

美嘉「そっか」

奏「……どう、少しは……あの子と仲良くする気になれたかしら?」

美嘉「……さあ」

奏「無理に仲良くして、とまでは言わないわ。だけど、同じ場所にいるもの。せめて嫌わないであげてほしい……貴方にどんな理由があるのかは知らないけれど」

美嘉「……聞かないんだ」

奏「聞いてほしいの?」

美嘉「……」

奏「みんな同じよ。何かを抱えている……貴方も、私も、フレデリカも……何も抱えていないヒトなんて、いないと思うわ」

美嘉「……結構さ、アタシにこの話してくるよね。どうしてそんなに気にしてるの?」

奏「……」


奏「……私自身が、好きでいたいからよ。良い部隊だもの。このまま、今度は……好きでいたい」


……
…………

今日はこれで終わります。

――2週間後、圏外宙域、ポイントC13宙域、フレイヤⅡ(ブリッジ)

加蓮「ノルン各艦、光波推進システムの停止……次元振動発生予測ポイントの到着に合わせて初期配置の展開が行われます」カタカタカタッ!

ありす「来ましたね。財前大佐、私たちも出ます。発進の許可を」

ピピピッ!

時子『艦制御は返却しているわ。さっさと出なさい』

ありす「了解です。加蓮さん、後は私のほうで対応しますので出撃準備をお願いします。そのうち志希さんも戻ってきますし」

加蓮「でも……」

ありす「大丈夫です。今回のフレイヤは遊撃部隊となっています。足の速さは十分ありますし、Pさんやナオさんたちの援護をお願いします」

ありす「ただ、ノルン艦隊が巣に近づく頃には一度拾いに来ますので、合流タイミングは外さないでください。それまでの敵の誘導は頼みますよ」

加蓮「……了解です」フワッ

パシュンッ!!

……
…………

――フレイヤⅡ(医務室)

プシュッ!

P「……」

志希「MTF-6の投与量増やしたから、通常より無茶な戦闘になってもある程度は大丈夫。だけど通常の抑制剤とは違って何度も使えないからそのつもりでね」

ナオ「ああ。ありがとう」グッ!

志希「ナオちゃんのほうは、ホントに短時間なら単独でもヴァルキュリアシステム使えると思うけど、基本的には単独じゃ使わない方針で」

P「使わせる気はない。ドッキング後に俺のほうでも負荷を受け持ってからだ」

志希「それでオッケー。よっぽど長時間の戦闘にでもならない限りは効果は持つだろうから、心配しないで暴れてきていいよ」

ナオ「好きで暴れるわけじゃないけどな……よし、それじゃPさん、行こうか」

P「うむ。博士、すまんがブリッジではありすのことを頼むぞ」

志希「まーあたしほとんど役に立たないけどね。ありすちゃんがシステム使って不調になってきたら一応フォローしとくよ」


……
…………

――フレイヤⅡ、カタパルト(機体内)

P『LiPPS、ナオ、北条少尉、聞こえるか』

奏『聞こえているわ』

P『今回の戦闘、フレイヤは他強襲艦隊とS-04、S-05と共に白蜂を引き付ける。陽電子砲で巣の破壊を行うS-01、S-02、S-03が進行ルートを確保するまではこちらで戦闘を行う』

P『だが頃合いを見てこちらもフレイヤと合わせて進行部隊と合流する。移動のタイミングは橘大尉から指示が出る』

美嘉『了解……!』

加蓮『S-02のほうは菜々さんやフレイのみんなもいるけど、ニュージェネは大丈夫かな……』

ナオ「大丈夫だ。3人だっていつまでも新人じゃないんだし、今じゃ十分戦力になってくれているだろ?」カタカタカタッ!

周子『ま、あたしたちはあたしたちで、ちゃんと仕事しよっか』

フレデリカ『プロデューサー、早くいこー』

P『わかっている。ナオ、機体の調整は大丈夫か?』

ナオ「問題ないよ。ドッキングのタイミングはP少佐の指示に合わせる。それまでは援護に回るから」ピッ、ピッ!

ピピッ!

ありす『フレイヤⅡ、S-02から発進しました。ハッチ開放完了、各機出撃してください』


ナオ「了解。VPGO-53NP、VPSPで出るぞ!」ガションッ!


……
…………

――ノルンS-02(メインブリッジ)

時子「フィールドジェネレーター、次元振動の状況は」

「次元振動の発生は確認できています。断層発生まで後100です」

ピピピッ!

琴歌『財前大佐、フレイ、フレイヤⅡ共に配置につきましたわ』

ありす『システムについての起動判断はこちらで行います。全体指示についてはよろしくお願いします』

時子「わかっているわ。貴方たちはそれよりも、長距離航行プランの実行前に落ちないようにしなさい」

琴歌『はいっ! 任せてください!』

ありす『了解です。それでは、間もなく断層が発生しますので』ピッ!

「断層発生まで20、10……次元断層です。断層レベル8、空間転移です!」

時子「レーダー、転移してきた奴等は」

「G型、及びGS型を確認、白蜂の巣です! 大規模級……ですが、クイーンについてはまだ……」

時子「チッ……まだ出てこないか、それとも……とはいえ、奴らが来たことに変わりはないわ。各艦、各NGF小隊、戦闘開始!」

……
…………

――戦闘宙域

GS型「!!」ギュンッ!

G型「!」ギュンッ!


フレデリカ『やっぱりあいつらだ!』

P「戦闘開始だ。ナオ、北条少尉、VPS-001小隊はコンビネーションマニューバY07だ」

加蓮『はい!』

ナオ『援護は任せろ。P少佐は加蓮を置いてくなよ!』

P「わかっている。LiPPS、小隊コードはVPS-002だ。そちらもあまり出過ぎるなよ」

奏『大丈夫よ。いいわね、美嘉?』

美嘉『わ、分かってるって!』

P「任せるぞ、速水少尉」

奏『……ええ、了解』


ピピピピッ!

ありす『強襲艦隊の初動、アルヴァルディが着弾します。下手に混戦状態にならないように気を付けてください』


ドドドドドドドドォンッ!!!!


G型「……!」ブブブゥゥゥゥンッ!!

P「ロングライフル、ガラティーンのロックを解除……狙撃する!」ピピッ!

ドシュウウウウンッ!!

G型「!?」

ドガァァァンッ!

ナオ『抜けてきた奴らの頭を叩く。ビフロスト……!』ボシュシュシュシュシュッ!!

加蓮『初動で数は減らしておかないと……こっちも持ってきたミサイルコンテナ、1つ使い切るよ!』ボボボボボシュンッ!

ドガガガガガガァンッ!!


ピピピピピッ!

P「追加の弾幕を抜けてきた奴は……まずは40弱か。後続もいるし、巣から出てきていない奴らもいる。まだ増えるぞ」

ナオ『これだけで済むとは思ってないさ。行くぞ!』ガションッ!


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「フレイヤの右舷、左舷にイージスを展開します。艦姿勢を高機動戦闘形態に移行、複合ミサイル発射管にはアルヴァルディを再装填します」

志希「えーっとえーっと、ミサイル設定……」ピピッ!

ありす「高機動戦闘形態への移行に伴い、艦のヴァルキュリアシステムを起動します。起動後は白蜂が集中しているS-04側に向けて移動します」カタカタカタカタッ!

『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!

ありす「システム起動完了。レーヴァテイン1番2番、前方GS型の群れに照準。移動開始と同時に発射します」パシュウンッ!

志希「みんな聞こえるー? 後で戻ってくるから死なないでねー」

ピピピッ!

フレデリカ『おー!』

ありす「レーヴァテイン発射! ではP少佐、この場はお任せします。フレイヤ艦速度上げ、移動を開始します」

P『了解した。そちらも気をつけろよ』

……
…………

――戦闘宙域

千秋『HCW-721、フラガラッハⅠを展開。翠さん、行くわよ!』ガションッ!

翠『はい! ニュージェネレーション隊もお気をつけて!』ドシュウウウウウンッ!


卯月『はいっ! って、安部中尉がまだ……』

ドドドドドドドドドドッ!!

菜々『呼ばれて飛び出てなんとやら! ARGT-R4、到着しましたよ!』

智絵里『お、お待たせしました……』

凛『ようやく来た……艦隊の進行に合わせて、私たちはキツイところに回るんでしょ?』

菜々『はい! メイン火力はウサミンロボが担当しますので、みなさんは抜けてきた白蜂の相手をお願いしますね!』

未央『りょうかーい。はー、黒川少佐も水野中尉も、ウサミンも揃って武闘派過ぎる……』


……
…………

――戦闘宙域

奏「マニューバ合わせて、H03に切り替えるわ。美嘉、フレデリカ!」

フレデリカ『びゅーん!!』ガションッ!

美嘉『ちょっと、しっかりやってよ!』ドシュウウウンッ!

周子「2匹誘導するよ、3連装誘導ミサイルランチャー、ニフルヘイム……!」ボシュシュシュンッ!

GS型「!!」

GS型「!!」ギュンッ!!

奏「直線機動で遅れは取らないわよ……! このっ!!」ギュオオオオオオオッ!!

ズドォンッ! ズドォンッ!

GS型「……!」ヒュカカカッ!

美嘉『そこ! やああああああっ!』ギュオオオオオッ!

シュパアアアアアンッ!!

GS型「……」ブ、ブブブ……

ドガアアアアアアンッ!!

フレデリカ『もう1匹……ってあれ?』ピピピピピッ!

GS型「……!」ブブゥゥゥゥゥンッ!

フレデリカ『うわっ、こっちまだ来てる!!』

奏「このっ――」


ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

GS「……」

GS「……」

ドガアアアアンッ!

奏「今の複数砲撃……ウィングバインダー……」ハッ!

ピピピッ!

加蓮『気を付けてよ。私あんまりコレ得意じゃないんだから』

フレデリカ『危なかったー……』

奏「ありがとう、助かったわ」

加蓮『蘭子みたいに上手く使えればいいんだけど……』ガションッ!


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「こちらは問題ありません。宙域を走り回ることにはなりますが、S-02へ向かった後はそちらの負担のほうが増すかと」

『向こうの艦隊が陽電子砲を打ち込んでくれれば何とかなります。頼みますよ、向こうはもたついているみたいですから』

ありす「はい、申し訳ありませんがよろしくお願いします」ピッ!

志希「巣から白いの追加―。えーっと、数、数……G型16、GS型28。多いねー」

ありす「……」

志希「やばいねーありすちゃん。ん、どしたのありすちゃん?」

ありす(戦闘開始から15分、大規模の巣でこの白蜂の数であれば進行が困難なのは仕方がないとして、進行艦隊の巣との距離はまだ5200……)

ありす(クイーンの出現を想定して通常よりも後方から展開したとはいえ、これでは進行が遅すぎる……)

志希「ありすちゃーん?」

ありす「一ノ瀬博士、空間構成情報の取得を。フィールドジェネレータの状態も確認してください」カタカタカタカタッ!!

志希「え? いいの? じゃやるよ」カタカタカタッ

ありす(白蜂の展開状況……巣の規模は想定通りとはいえ、現時点での交戦状況としては思った以上に陽動部隊に白蜂が食いついていない……)

ありす(Pさんたちの戦闘……いえ、それでも間もなく混戦状態になる……そろそろ前線部隊を拾わないとS-02との合流が……だけど、進行部隊の白蜂の数が……)

ありす(混戦……)ピクッ!

ありす「VPS-001、VPS-002小隊!」ピピピッ!

P『どうした』

奏『こっちはギリギリまで白蜂を引き付けてから移動でしょう? もう少し――』

ピピッ!

ありす「合流ポイントを指定します! そこから早く移動して下さい!」

ナオ『なんだ、どうした!?』

ありす「S-04、S-05、聞こえますか、前線部隊を下げてください!」

S-04艦長『どうした、まだ進行部隊の進みが遅いぞ!』

ありす「こちらが誘われています! 弾幕を展開して今ならまだ――」


キィィィィンッ!


ありす「しまったっ!?」ビクッ!

フレデリカ『メッセンジャー! 聞こえる、クイーンだよ!』

ありす「聞こえています! このタイミング、とは言えませんがそれでも狙われたとしか……!」

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

志希「追加の次元断層……! しかも今度は……巣の目の前って、ちょっとみんな!」

ありす「空間転移が――」


……
…………

――ノルンS-02(メインブリッジ)

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

時子「出てこないと思っていたら、今更……しかもこの距離は……!!」

「空間転移です! 断層レベル……10、映像出ます!」

フォンッ!

女王『……』


時子「チッ……! この状態は……粒子減衰ミサイル、発射しなさい!」

「クイーンとの距離4000……前回戦闘時のクイーンの粒子砲の射程圏内に入っています!」

「クイーンの周辺に高エネルギー反応、粒子砲です!」

時子「さっさとしなさい! 他部隊も、進行を……!?」

「か、艦長! クイーンの射線はこちらではなく……」


……
…………

――戦闘宙域

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

P「S-02からクイーンの射線……狙いはこっちか!?」

ナオ『くそっ、この状態で……クイーン!!』

加蓮『ナオ!』

美嘉『アイツ……!!』

P「全員GN形態に移行して下がれ! しつつ交戦中の白蜂には弾幕、捕まるな!」ガションッ!



女王「……」ギ、ギ、ギギギギ……

キィィィィン……



フレデリカ『ダメ、クイーン!!』


女王「……!!」

ギュドォォォォンッ!!!!

ドドドドドドドドドドッ!!!!


周子『ううううううっ!?』ギュオオオオオオッ!!

フレデリカ『美嘉ちゃん!』

美嘉『くぅっ……!』

P「前線部隊が……後方は!? ありす!!」


ドガアアアアアアアンッ!!!!


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)


ピーッ……


ありす「しまった……!」ハァ、ハァ、ハァ……

志希「やっば……ちょっと、この状況……!」カタカタカタッ

ありす「艦の状況……破損個所は……動けますが、粒子砲には当たらなかったとはいえイージスを最大展開したせいで出力が……」ピピッ!

ピピッ!

ピピピピッ!

ありす「いえ、それよりも前線の部隊の被害が……ヴェール艦隊の反応……SN-13以降の射線に入っていた艦の反応がまとめて……S-04も……!!」ガンッ!

ピピピッ!

P『ありす、無事か!!』

ありす「P少佐……こちらは、右舷ブロックが一部損傷しましたが動けます。ですがS-04周辺で展開していた前線ヴェール艦が4隻まとめて……S-04も避けきれなくて出力機構が軒並みやられたみたいです。航行不能とのことです」ピッ、ピッ……


キィィィィンッ!


P『こちらもやられた……射線上にいたNGF小隊はまとめて落とされている。この状態では前線の維持が出来ん』



ピピピッ!

琴歌『ありすちゃん、大丈夫ですか!?』

桃華『クイーンがそちらのほうに……このままではそちらが持ちませんわよ!』

ありす「わかっています! ですがS-04が動けない状態です。S-05がフォローに回るか、S-04の乗員の退避が完了するまではこちらも動くに動けません!」

ピピッ!

志希「うげっ! ありすちゃん、巣からまた出てきてる。G型8、GS型13……」

ありす「くっ……前線、各VPS小隊はS-04の退避が完了するまで前線を維持、後退する場合は近くのヴェールからの援護を受けてからにしてください」


キィィィィンッ!


奏『でも維持って、この状態だとそもそも前線が持たないわ!』

加蓮『まだ下がれないでしょ! 弾幕貼って、少しずつ後退するよ! 他艦の予備部隊が出るまでは粘らないと!』


ありす「合流ポイントについては取り消します。こちらで直接拾いにいきますのでそれまではお願いします」

ありす「S-05聞こえますか。フレイヤは穴になった前線のフォローに向かいます」ピピピッ!

ありす「大破及び航行不能になった艦については他の艦で対応してください!」ピッ!


志希「ええっ、もっと前出るの!?」

ありす「ここで足の速さを使わないでどうするんですか! それにみなさんを拾いにいかなければならないでしょう!」


キィィィィンッ!


ありす「くっ……さっきからずっと、この感覚が……!」

……
…………

――戦闘宙域

ナオ『くそっ、LiPPSは前に出るな! 体勢が崩れている各小隊のフォローに回れ!』ズドォンッ!!

奏『私たちだってキツイわよ! この状態だと……くっ!』ギュンッ!

P「GNS-042、051……7小隊分が落ちたのか! だがそれよりもヴェールの被害のほうが……!」ガションッ!

G型「!!」ドシュシュシュッ!

P「貴様!」ギュオオオオオオッ!

ドガガガガガッ!

G型「……」ブ、ブブ……

ドガアアアアアンッ!!

P「完全に立て直せなくとも、まずは被害の大きい前線部隊のフォローに回らねば……ナオ!」ギュオオオオオオオッ!!

ナオ『ああ、このままじゃマズイ!』

加蓮『Pさん、ナオ!』

P「北条少尉はLiPPSと合流だ。俺とナオはドッキングして対応する!」


女王「……」ギギギギ……


――キィィィィンッ!!!!


P「っ!?」ドクンッ!


……
…………




キィィィィンッ!!!!

ナオ「くっ……こ、この感覚……いや、この前感じた……だけど、それ以上に……ぐっ、う……」


P『ぐっ……あ……がっ、あああああああ!!!!』


ナオ「Pさん!?」



……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)


P『があああああああっ!!!!』


ありす「Pさん!?」

美嘉『何、どうしたの!?』

奏『少佐!?』


P『あ、頭、が……こ、この、声……あああああああっ!?』

ありす「Pさん、Pさん!!」

志希「ちょっと待って、カレの……!」カタカタカタッ!

ピッ!

志希「ウソ……誰の負荷軽減も受けてないのに、そもそもヴァルキュリアシステムも起動してないのにバイタルが異常値に……!」カタッ……

ありす「そんな……Pさん、そこから退避してください! Pさん!」


……
…………

――戦闘宙域

P「なん、だ……この、声は……違う、お前たちでは……」ハァ、ハァ、ハァ……


女王「……」ギ、ギギ……


P「お、まえが……俺、を……」

GS型「!!」ズドォンッ!!

ドガアアアンッ!!

P「がああっ!?」

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

ありす『Pさん! 下がってください! Pさん!』

ナオ『ダメだありす! あたしも、変な感覚が……加蓮、Pさんを連れて後退しろ! 早く!』

加蓮『う、うん! Pさん!』ギュンッ!

ナオ『くそぉ、このままじゃ!!』ボシュシュシュシュッ!!

ドガガガガガガガァンッ!!


……
…………

――戦闘宙域


ナオ「お前らの相手ばかりしてられないんだよ!」ズドォンッ!

G型「!?」ギュンッ!

ナオ「ガンダルヴ・ミニオンで!」ガショガショガションッ!

ドシュシュシュッ!

G型「……!」ドガアアアアアンッ!!


『GNS-053小隊、反応ありません!』

『ヴェール全艦、予備のNGF小隊はすべて出せ! 被害の大きい前線の穴埋めを急げ!』

『進行部隊はどうした! クイーンが前に出ているからこれ以上進んでいないのか!?』


ナオ「くそっ、このままじゃあ……」ハァ、ハァ、ハァ……



加蓮『Pさん、動けるなら下がって! 早く!!』

P『ぐ、あああああ……』

美嘉『コイツらあああああああ!!』

奏『ダメよ美嘉、前に出過ぎないで!』

周子『ちょっとそんなに飛ばれると援護できないって、あかんって!』

フレデリカ『クイーン……どうして……』



ナオ「くそっ、くそっ……!」ハァ、ハァ……

ナオ「やっぱり、あたしだけじゃ……だけど、あたしがやるしか……!」ハァ、ハァ……



ナオ「みんなの、分まで――」ドクンッ!!

キィィィィンッ!!




ピピッ!

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

ピピッ!

ありす「これは……!」ピッ!

フォンッ!


ありす「こちらの前線に向けての陽電子砲の射線……グングニル……まさか!?」



ピピピピピッ! ピピピピピッ!


……
…………

――戦闘宙域


ズドドドドドドドドドドッ!!!!


G型「!!」ドガアアアアンッ!!

GS型「!?」ドガアアアアンッ!!


奏『この状況で後方からの援護!?』

周子『でも今のうちに立て直しとかんとあかんって!』




加蓮「なに、陽電子砲!? どこのヴェールが……」

ピピッ!

加蓮「新しい識別コード? え――」





加蓮「どう、して……」

ナオ『この、感覚はまさか……』



ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……


『NGF-3N-SD SecondDriver』



加蓮「奈緒……?」


……
…………






奈緒「……!」




……
…………

今日はこれで終わります。

――戦闘宙域後方、フレイヤ(ブリッジ)


『―Valkyria System Start Up―』


文香「指定区域の到着に合わせて、複合ミサイル発射管1番から20番のアルヴァルディを前方GNS-032小隊と戦闘中の白蜂の群れに発射……」

文香「21番以降のアルヴァルディは前面にばら撒き弾幕を貼ります。弾幕を展開しつつ光波推進システム用ハイパーブースターを全機停止……回頭しつつフレイヤⅡの代わりにフォローに回ります……」

楓「はい、はい……アルヴァルディ発射……着弾確認、残りで弾幕っと」カタカタカタカタッ!

美優「宙域のノルン艦隊……増援に来ました。識別コードを登録願います……S-04、S-05の戦闘に参加します」

文香「続いて……直線距離上で提示した各ポイントでハイパーブースターを2機ずつ……6機切り離します」

楓「え、もうシステム使わないで捨てちゃうんですか? 怒られませんか?」

文香「切り離したハイパーブースターはレーヴァテインで爆破し、白蜂を巻き込みます……爆破範囲については各NGF小隊に展開してください……」ピッ、ピッ!

ピピピッ!

ありす『フ、フレイヤですか……どうして……!』

文香「ありすちゃん……はい、ホクドウでハイパーブースターを8機ほどお借りしました……ギリギリ、追いつけたようで良かったです」

ありす『い、いえ……そういう話ではなく、どうしてここまで……3N-SDも……』

文香「お話は後で……状況については、私たち全員……システム起動済なので、把握しています。Pさんの回収を……お願いします」

楓「ハッチ開放完了。アインフェリア、出撃お願いします。気を付けてくださいね」

……
…………

――フレイヤ、カタパルト(機体内)

美波「Pさんの機体反応を見つけ次第2人は向かって頂戴。混戦中だから気を付けて!」

夕美『うん! 藍子ちゃん、フレイヤⅡがPさんを回収するまでは私たちで食い止めるよ!』

藍子『はい、必ず……こちらも出撃準備完了しました!』



美波「了解、NGF-VS23CSX、新田美波行きます!」ガションッ!



……
…………

――戦闘宙域

G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!


奈緒「Pさんの位置……加蓮が向かっているか」カタカタカタッ!

G型「!!」シュシュシュッ!

奈緒「針か! そんなものに!!」ギュオオオオオッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

G型「!」ギュンッ!

奈緒「くっ、G型の数が多い……!」

ピピピピピッ!

ドガガガガガガァンッ!!

奈緒「ビフロスト!? これは――」

ピピピッ!

ナオ『奈緒、ドッキングだ!』ギュオオオオオッ!!

奈緒「……ああ、行くぞおおおおお!!」ガションッ!!


「「合体!!」」

プッピガン!!

奈緒「お前たちは……!」

ガションッ!!

『―Valkyria System Start Up―』 ピシィッ!

パシュウンッ!!

G型「!!」ギュンッ!

G型「!!」ギュンッ!

奈緒「どうして、まだこんなことをするんだ!」

ナオ『ターゲットロック……バルムンク発射!』

ドガガガガガァンッ!

ナオ『奈緒、今はこの状況を何とかするのが先だ。他部隊が落とせないG型に切り込むぞ!』

奈緒「兵装は……ソード!? デュランダルがない……」

ナオ『あの時折ってから帰っただろ』

奈緒「そういやそうだった……ソードを展開する!」ジャキンッ!

奈緒「待ってろ、加蓮、みんな……!!」ドシュウウウウウンッ!

……
…………

――戦闘宙域

菜々「P少佐……!」

凛『安部中尉! こっちの動きは!』

菜々「っ! ナ、ナナたちはこのまま進行します! クイーンの動きが止まっているうちに、巣を壊しますよ!」

未央『アインフェリアのみんながこっちに来てくれるなんて……!』

卯月『お願いします、P少佐を!』

ピピピッ!

千秋『向こうの被害がこれ以上大きくならないうちに、私たちのほうも急ぐわよ!』

翠『ええ、P少佐を助ける為にも……!』

菜々(楓さん、美優さん……Pさんを……)

……
…………

――戦闘宙域

加蓮『ウィングバインダー展開……バルムンク!』ドシュシュシュシュッ!

GS型「!」ギュンッ!

G型「……!」ヒュカカカッ!

加蓮『くっ、この数じゃあ……Pさん……!』

P『う……ぐ、うううう……!』



藍子『Pさんの反応……加蓮ちゃんも同じ場所にいます!』

夕美「リフレクトパックSの反射装甲板展開、イージスフィールド最大出力……!」カタカタカタッ!

GS型「!!」ヒュカカカッ!

ドシュシュシュッ!

藍子『今は、来ないでください!』ドシュゥンッ!

GS型「!?」ドガァァンッ!

夕美「加蓮ちゃん、Pさん!」ギュンッ!

加蓮『夕美!? 藍子も、どうしてここに!?』

藍子『奈緒ちゃんと一緒に追いかけてきました。早くPさんを……!』

GS型「!!」ズドォンッ!

夕美「フレイヤⅡ、ありすちゃん! Pさんの周りは3人で抑えてるから、早くこっちに来て!」ドガァンッ!!

ピピピッ!

ありす『向かっています。ですが、この混戦で艦が損傷した状態だと……!』

美波『大丈夫よ。構わずに行ってPさんをお願い……白蜂はらこっちで対応するわ!』

ありす『ですが! 前線が崩れている状態で奈緒さんと美波さんが向かっただけでは――』



愛梨『大丈夫です!』



……
…………

――フレイヤ、カタパルト(機体内)

蘭子「起動チェック、全システム疎通確認。標準兵装リスト更新」カタカタカタカタッ!

晶葉『初回稼働がこの状況ですまないが頼むぞ。シミュレーター通り火器管制と機体制御についてはドッキング機と同様に立ち回ればいい』

愛梨『はい、任せてください!』

蘭子「機体制御は私が……愛梨ちゃん、ヴァルキュリアシステムを!」

愛梨『はい、蘭子ちゃんと2人で一緒に……ヴァルキュリアシステム接続確認、起動しますっ』


『―Valkyria System Start Up―』 ピシィッ!

パシュウンッ!!


楓『進路確認、出撃可能です。シンデレラガールズ、出撃お願いします』


愛梨『はいっ! NGF-F-VPS13フォートレス、発進しますね」

蘭子「……うむ、我が新しき翼、偶像の象徴と融合した第3形態……ブリュンヒルデ! 今、目覚めよ!」ドシュウウウウンッ!


……
…………

――戦闘宙域

G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

美波「貴方たちとは分かり合いたい……だけど、命を守るために、今は剣を!」ガションッ!

美波「お願い、クイーンと一緒に下がって!」ギュオオオオッ!!

シュパアアアアンッ!

G型「……」ブ、ブブ……

ドガアアアアアンッ!!

美波「必ず……必ず、会いに行くから……だから!!」


奈緒『美波!』

蘭子『漆黒の雷!!』

ドシュウウウウウンッ!!


美波「砲撃……奈緒ちゃん、蘭子ちゃん!」



奈緒『美波、お前たちは……アインフェリアは、なるべく戦うな。ここはあたしたちで……!』ジャキンッ!

蘭子『P少佐を助けたらフレイヤⅡと一緒に先に離脱してください。巣は他のノルン艦隊のほうで対応してますから』

美波「ええ……でも、私たちは守られるだけじゃない……Pさんを、みんなを守るために来ているのよ」グッ……!

美波「奪われる命があるなら、私たちは守らなきゃならないの!」ガションッ!

愛梨『ナオちゃん、索敵データを共有してください!』

ナオ『分かった。FFと索敵データ共有、ターゲットロック……!!』ピピピピピッ!

愛梨『フルウェポン展開、高圧縮粒子砲リントヴルム照準……バーストします!』

ナオ『バスター!!』

ズドドドドドドドドッ!!!!


……
…………

――戦闘宙域

ありす『夕美さん!』

夕美「ありすちゃん……こっちだよ! 藍子ちゃん加蓮ちゃん、Pさんを連れて先に!」

藍子『はいっ!』

ありす『イージスを艦全体に展開します。搬入口を開けますのでそちらからお願いします』

加蓮『Pさん、しっかりして、Pさん……!』

P『……』

GS型「!!」ズドォンッ!

夕美「ここは絶対に通さない……2人とも早く!」ドガァンッ!


藍子『Pさんの機体、回収終わりました!』

ありす『こちらも確認しました……3人もこちらに』

加蓮『夕美は藍子と一緒に戻って。私は……奈緒を……』ガションッ!

夕美「……うん、分かった。加蓮ちゃんも気を付けて!」ギュンッ!

ありす『回収完了。S-05、フレイヤⅡは後退して弾幕支援を行います。前線のフォローはフレイヤが対応します』

加蓮「ナオ……奈緒……!」


……
…………

――戦闘宙域

ピピピッ!

奏「フレイヤとP少佐が後退……損傷しているとはいえ、この状況だと……!」ギュンッ!

美嘉『このっ! 死ね! 死ね!!』ズドォンッ!!

GS型「!?」ドガアアアアアンッ!!

周子『落ち着いてってば! 出過ぎだって!』

フレデリカ『クイーン……』

美嘉『……アイツが』

奏「美嘉?」

美嘉『アイツが、アイツが来たから、こんな……!!』ガションッ!


女王「……」


美嘉『アイツ……アイツが!!』ギュオオオオッ!!

フレデリカ『っ!? ダメ、美嘉ちゃん!』ギュンッ!

ガコンッ!

美嘉『ア、アンタ……! 何やってるの、邪魔! どいて!』

フレデリカ『違う、違うの! クイーンは、クイーンは……』

奏「いい加減にしなさい美嘉! フレデリカも!」

フレデリカ『クイーンは、アタシたちの――』

美嘉『アンタは!』ジャキンッ!

周子『ちょっと、アカンって!』

奏「やめなさい!!」ギュンッ!

フレデリカ『――!』

ドシュゥンッ!

奏「フレデリカ――ああっ!?」ドガァンッ!

美嘉『……!』ビクッ!

フレデリカ『あ……奏、ちゃ……』

奏「くっ……」ガコンッ!

美嘉『あ……あ、あ……』

周子『何やってんの! 奏ちゃん、大丈夫!? 奏ちゃん!』

奏「……」

周子『奏ちゃん!』


奏「……ええ」



『弾幕展開急げ! 艦を後方に下げろ!』

『前線のNGF小隊、こちらの艦に取り付いている白蜂がいる! 戻ってこい!』

『この前線の混戦状況で……でも艦が……戻らないと――』

ドシュゥンッ!!

『!?』



奏「……ホント、馬鹿みたい」


……
…………

――ノルンS-02(メインブリッジ)

「艦長、前線ヴェール艦隊と巣の距離3000、ノルン艦隊3500です!」

時子『陽電子砲振フルングニル、準備しなさい!』

「照準合わせます。クイーンについては――」

ピピピッ!

文香『お願いします。クイーンに陽電子砲は……今ここでクイーンを撃ってしまえば、他のビーや白蜂も……可能な限り、巣のみを……』

琴歌『この状況ではアインフェリアもプランV3を実行できません。今は女王様には下がって頂くしかありませんわ!』

時子「チッ……クイーンに当てないよう巣に照準を合わせなさい。ヴェール艦隊の陽電子砲の発射後、他ノルンと同時に砲撃しなさい!」

「ヴェール艦隊、陽電子砲を発射……着弾確認、ノルン陽電子砲フルングニル発射します!」


……
…………

――戦闘宙域

奈緒「後はこの群れを……!!」ギュオオオオオオオッ!!

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

ナオ『ビームウィング出力低下……機体を振り回し過ぎて駆動系がもう……!』

奈緒「それでも!!」ヒュカッ!

ズバアアアアアッ!!

G型「……」ブ、ブブブ……

ドガアアアアアアアンッ!!


バキィッ!

奈緒「くっ……右腕部稼働停止、ソード破損……CG形態の移行不能……!」

GS型「……!」ギュンッ!

ナオ『ダインスレイヴ!』ズドォンッ!

ドガアアアアアアンッ!!

愛梨『奈緒ちゃん、3NーVPOはもう無理です! 下がってください!』

奈緒「愛梨、だけど――」

ピピッ! ピピッ!

美波『S-01からの全軍通知……巣の破壊完了……』

奈緒「巣……そうだ、クイーンは!?」


女王「……」

キィィィィィンッ!!


蘭子『空間転移……帰っていった……』

ナオ『残っている白蜂も、散っていったか……コンディションイエロー……それでも、とりあえずは終わったか』

ピピピッ!

加蓮『奈緒! ナオ!』

奈緒「加蓮……」

加蓮『よかった……奈緒、本当に……』

ナオ『あたしたちも、戻るか』

奈緒「……ああ」


……
…………

――戦闘宙域跡

周子「戦闘終了……終わり……か」

美嘉『……』

フレデリカ『……』

ピピピッ! ピピピッ!

志希『お疲れ様。みんな帰ってきていいよー。ありすちゃんいないけど多分大丈夫』

周子「……そっか。それじゃあたしたちも戻ろっか」

奏『……』

周子「……はぁ」


……
…………

>>357訂正

――戦闘宙域

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

P「S-02からクイーンの射線……狙いはこっちか!?」

ナオ『くそっ、この状態で……クイーン!!』

加蓮『ナオ!』

美嘉『アイツ……!!』

P「全員GN形態に移行して下がれ! 後退しつつ交戦中の白蜂には弾幕、捕まるな!」ガションッ!



女王「……」ギ、ギ、ギギギギ……

キィィィィン……


フレデリカ『ダメ、クイーン!!』

今日はこれで終わります。

――奈緒の世界、事務所(晶葉の研究室)

晶葉「奈緒は無事に行くことができたか」

晶葉「……ああ、そうだな。また完全にそっちの世界と同期が取れている状況ということは、クイーンがまた出てきたということだからな。こちらも気付くさ」

晶葉「奴の空間転移で生じた大規模な次元断層、そこで発生した空間の穴を捕捉しなければ現状、世界の行き来が出来ん」

晶葉「そちらで進めている次元跳躍の技術が導入されれば問題なくなるんだがな。すまないが奈緒を頼む。次にこちらに戻ってこれるタイミングもいつになるか分からないからな」

晶葉「おっと……そうだ加蓮、何か奈緒に話しておきたいことはないのか? 向こうの私に伝えておけるのも、通信が繋がっている今のうちだぞ」

加蓮「ううん、特にないよ」

晶葉「いいのか? まあ、本人がいいというならそれでいいが……」

加蓮「ちょっと、寂しいけどね。だけど、奈緒だもん。奈緒だから、私の傍に帰って来てくれるから……私は、待ってるから」

……
…………

――ナオの世界、フレイヤ(格納庫)

晶葉「ああ、とりあえずは間に合った。奈緒が来てくれなければ、戦力は足りなかっただろう」

晶葉「こちらも色々とよろしくない状況でな。特に何もなければ今回はこれで通信を切るぞ」

晶葉「……ああ、任せろ」

晶葉「ちゃんと奈緒はこちらで面倒を見る。わざわざ戻ってきてもらったんだ、それくらいはさせてもらう」

晶葉「ではな。次の機会には良い報告が出来るようにしておく」

ピッ!

晶葉「……」



奈緒『晶葉、あたしをそっちに送ってくれ! 今ならまだ間に合う、みんなが戦っているのに、あたしだけここで見ているわけにはいかないだろ!』

奈緒『向こうの世界だけの問題じゃない、いつかあたしたちの世界だって……だから、まだ間に合うなら!』



晶葉「……そうだな。本当に、お前の言う通りだよ、助手」

ピッ、ピッ!

晶葉「だが、それでも私はその選択を取る。奈緒を巻き込むことになったとしても……お前たちが最後に望んでいる物の為に」


晶葉「私にはそれしかできない。そうだろう? 麗奈……嫌な役を押し付けられたものだ」


……
…………
………………
……………………

――???


――ここは……?


奈緒『おーい、早く行こう。レッスン遅れるって』


――ナオ……いや、奈緒、か。


加蓮『ゴメンゴメン、ロッカーにジャージ置いたままだったのすっかり忘れちゃってて』

凛『もう、レッスン行くのにジャージ忘れないでよ。ほら、行こう』

加蓮『はいはい、奈緒がアタシのことを首をながーくして待ってるしね』


――加蓮、凛……ここは、奈緒の世界か?


P『ほら台本、一応色分けはしておいたけど、全員分の台詞入ってるから間違えないで喋ってくれよ』

美波『はいっ、明日までには確認しておきます』

藍子『台本分は大丈夫、かなぁ……フリートークの部分、どうしましょうか?』

ありす『直近のお仕事のお話はどうでしょうか?』

夕美『あ、それなら話のネタ作りにいかない? カラオケとか……ボーリングとか!』

文香『ボ、ボーリング、ですか……? その、あまり……激しい運動をするのは……』


――皆……それに、俺もいるのか。

――これが、奈緒の住む世界……平和な、世界……俺も、俺たちの、世界も……。


……
…………
………………
……………………

――1ヶ月後、ホクドウ、軍病院(病室)


ピッ、ピッ、ピッ、ピッ……


P「……」

美優「……P、さん? Pさん……!」

P「美優……」

美優「よかった……本当に、間に合って……」ギュッ……

P「ああ、すまなかった……戦闘、は……」

美優「だ、大丈夫です。クイーンは帰っていきました……いまは、私たちもホクドウに戻って……」

P「……そうか」

美優「いま、先生にコールを掛けますから、少し待っていてください。みなさんも、心配していましたよ」

P「……奈緒は」

美優「え?」

P「奈緒は……来ているのか……」

美優「……はい、Pさんを、みんなを……助けてくれました」

P「……そうか」

……
…………

――ホクドウ、港、フレイヤ(ブリッジ)

美波「艦外装全修理、専用ステージ交換、メインエンジン交換、積層イージスも交換、捨てたハイパーブースター分の費用も上乗せ……はぁ」

夕美「緊急時だったけど、ちょっと無理し過ぎちゃったね……」

ありす「当たり前です。ノルン1隻に4機積む想定で作られた光波推進システム用のハイパーブースターを8機積んで飛んでくるなんて……積層イージスだけで艦がバラバラにならなかっただけマシです」

文香「一応、ホクドウで換装中に……耐久値や、限界稼働時間の試算をしてから、動かしましたから……」

美波「護衛についてくれたヴェールや、オート・クレールのスタッフを乗せたモリアンは置いていくしかなかったけれど……とりあえず、結果的には良かったわ」

藍子「ステージとエンジンの交換も終わって、外装修理ももうすぐ完了ですし、後は積層イージスを積んだら完了ですね」カタカタカタッ!

ありす「干渉装置が効いていた時期を挟んだとはいえ、さすがにここ最近の戦闘では一番の被害でしたからね。S-04は長距離航行プランから外れるそうです」

美波「仕方がないわね。大破したヴェールも回収はされたけれど、プランに編成されていた艦の修理は間に合わないわ」


ピピピッ!

藍子「はい、こちらフレイヤです」ピッ!

楓『お疲れ様です。本部の会議、終わりましたよ。農業プラントから切り離した栽培ブロックをモリアンに積んで、増援のノルン艦が到着したらプラン実行になりました』

美波「そうですか……そうなるって思っていました。私たちのほうは、準備できています」

文香「あとは……ありすちゃんも含めて、動きを合わせれば終わりですので」

ありす「ですが、Pさんがまだ……」

楓『それなら、ついさっき美優さんから連絡ありましたよ。目が覚めたそうで……私も向かいますから、今のうちにお見舞いに行ったほうがいいですよ』

藍子「ホントですか!? 良かったぁ……」

夕美「今日はみんな待機してるよね? 奈緒ちゃんたちに連絡してからPさんのところ行こっか」


……
…………

――ホクドウ、軍病院(診察室)

晶葉「これが戦闘中のお前のバイタルデータの推移だ」ピッ!

P「……ヴァルキュリアシステムを起動した際の、皆の推移とは少し違うな」

志希「そりゃそうだよ。システム起動してなかったんだから。それに、キミの体がシステム負荷に耐えれる限界間近だからって、通常飛行で問題が起きることじゃないし」

P「ではフラッシュバックか?」

晶葉「いや、それも違う。これまでの、どの症状とも一致しない」

晶葉「考えられることは1つ、お前が……システム適性を持つアインフェリアと近い状態になっていることだ」

晶葉「恐らくは、ヴァリアントやリサーヴでみんなのシステム負荷を受け持ったのが原因か……」

晶葉「ともかくクイーンや白蜂たちの声らしきものが聞こえたということならば、それしか考えられん」

P「……俺の体は、まだ持つのか?」

志希「多分大丈夫じゃない? 機体のECMフィールドには手入れるんだよね?」

晶葉「ああ。前回戦闘時のデータを見て、新型にも同様の調整を加える。これで戦闘自体は問題なくなるはずだ」

P「そうか。それならいい」

志希「にゃははっ! ま、キミなら動けるだけで十分か♪」

晶葉「それなら話は終わりだ。後でこれまでの状況や対応内容については纏めて端末に送ってやる。少し休め」

P「いや、休むのはもういい。少し体を動かしたい」

晶葉「お前……!」

P「奈緒が戻ってきたんだろう?」

晶葉「……ああ。クイーンの空間転移で大規模な次元断層が発生して、向こうの世界と通信が出来るようになったから、私が呼んだ」

P「奈緒が自分から、こちらに来るとも言ったんだろう」

志希「バレてるバレてる」

P「いいさ。来てくれたのなら……奈緒には、その意志があるんだろう」

P「それならあいつを守ってやれるように、俺ももう少しは鍛えておかねばならん」

晶葉「……そうだな」

P「皆には、フラッシュバックの症状が出たと話しておいてくれ。志希も、上手く誤魔化しておいてくれ」

志希「りょうかーい」

晶葉「……」


……
…………

――ホクドウ、軍病院(病室)

藍子「本当に大丈夫ですか? まだ、お休みになったほうが……」

P「さすがに1ヶ月も寝てしまうと、逆に体が痛くてな。プランの実行も間近だし、もう退院して仕事に戻ったほうがいい」

文香「ですが……また、戦闘で同じようなことになっては……」

P「それについては、志希のほうで前回の戦闘から抑制剤の投与内容を見直してくれると話をされた。次からは大丈夫らしい」

美波「もうっ、それならいいですけど」


夕美「着替えこれで全部? 他の荷物は……」

楓「あ、そこの引き出しに私が持ち込んでいたビールが……」

美優「び、病室にお酒持ち込まないでください……」

ありす「本当に仕事のことばかり考えているんですから……」

P「そういうものだ……ありす、城ヶ崎少尉はどうした?」

ありす「……ひとまずはフレイヤⅡの空き部屋を営倉代わりにして入ってもらっています。アルヴィスに自動転送された戦闘の映像記録は、大佐に話して削除してもらいましたが」

P「そうか、その対応なら良かった。プロジェクトで採取されたデータは全て一度、秘匿階層に転送されてるから大丈夫だと思うが」

ありす「あなたならそうすると思いましたから。とはいえ、美嘉さんのNGFがフレデリカさんの機体を狙って射撃、奏さんが割り込んで損傷……さすがに私も見過ごしたくはありませんが」

夕美「フレデリカちゃん……」

P「ありすの部下だものな。だが、今回はダメだ。俺のほうで任せてくれ」

ありす「……構いません」

藍子「あの、Pさん……やっぱり、城ヶ崎少尉のこと……」

P「後悔をして欲しくないだけだ。少尉にも、フレデリカにも……それに……」

ピピピッ!

P「俺だ」ピッ!

加蓮『あっ、Pさん! もう……整備長から聞いたけど、起きたなら私たちにも連絡してよ』

P「すまん。起きてすぐに検査があってな。アインフェリアの皆は来てくれたんだが……」

加蓮『こっちはありすもフレイヤに行ってて忙しいんだから……あ、奈緒、Pさん起きたって。代わる? ちょっと待ってて』



奈緒『Pさん』

P「奈緒……す――」

奈緒『大丈夫、また一緒に頑張ろう。それは聞き飽きたから……さ』

P「……そうか、分かった。俺が寝ている間に状況は把握したと思うが、それほど余裕のある状況ではない。頼むぞ」

奈緒『ああ』

加蓮『みんなでお見舞い行ったほうがいい?』

P「いや、もうそろそろで引き上げる。もう十分寝たからな」

加蓮『そっか。それじゃ凛たちにも連絡しておくね。フレイのほうで作業してるみたいだから』

P「そうだったか……フレイのほうにも後で顔を出しておく。プランの準備作業を優先してくれ」

加蓮『はーい』

P「LiPPSはどうしている?」

加蓮『美嘉は部屋に入れたまま。フレデリカはどっか行っちゃった。奏と周子は、ナオと格納庫に行ってるけど……』

P「速水少尉には、作業が終わったら会議室で待機していてくれと伝えてくれ。フレデリカも、見つけたら俺が探していたと話しておいてくれ」

加蓮『ん、分かった。それじゃ作業戻るね』

ピッ!

P「よし、では戻るか。ありすはフレイヤでの作業が落ち着いているなら俺とフレイヤⅡに戻るぞ。他の皆はフレイヤでの作業に戻ってくれ」

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

パシュンッ!

P「すまん、今戻った」

ありす「こちらのほうは大丈夫ですか?」

加蓮「あっ、Pさん! ありすも、お疲れ様」

P「長いこと空けてしまったが、大体の話は楓さんと晶葉から聞いている。進捗はどうだ?」

加蓮「艦の破損個所の修理は一通り終わったかな。あとは全体整備と、修理したNGFの調整。整備長はフレイヤのほうに行ったよ」

P「大体は完了しているか。フレイヤのほうが作業は遅れているか……」

ありす「奈緒さんはどうしましたか?」

加蓮「ちょっと前に格納庫に行ったよ。ナオの様子見てくるって」

P「そうか……」

……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

奈緒「……」

ナオ「まあ、仕方がないさ」


P「奈緒!」


奈緒「Pさん……!」

ありす「お疲れ様です。こちらにいると聞いて様子を見に来ました」

加蓮「どうしたの、2人揃って?」

奈緒「いや、うん……コイツがさ」

P「3N-SDか」

ナオ「整備長もさすがにお手上げだってさ。3N-SDは関節駆動系全部イカれて、右腕は肩から吹っ飛んだし、背面パーツも壊れたし」

ナオ「VPSPは立体機動に耐えられなくてビームウィングも壊れて、フレームも歪んで……晶葉に作り直してもらうほうが早いってさ」

奈緒「無茶させ過ぎたか……愛梨と蘭子が来てくれなかったら正直キツかったし」

加蓮「でも、最後までみんなのこと守ってくれたから……」

奈緒「ああ。あたしがコイツに乗り始めてから2回改修して、ここまで一緒に戦ってくれた……お疲れ様、だな」

P「……機体については、晶葉から話は聞いている思うが」

奈緒「聞いたよ。それに、今までも見ていたし……そいつが出来上がるのを待つだけだよ」

ありす「この期間を使って、ニュージェネとLiPPSで実施したシステムテストのフィードバックを行っているみたいです。晶葉さんは、しばらく時間は掛かると言っていましたが」

奈緒「シミュレーターも用意するみたいだから、そっちで訓練しておかないとな」

P「……速水少尉はもう戻っているのか」

ナオ「ああ、会議室に行ってるよ」

加蓮「あ、そうだ……ゴメンPさん、フレデリカなんだけど、探したけど見つからなくて」

P「わかった。ありす、少し席を外すから後は頼む」

ありす「わかりました。そちらも、お願いします」

……
…………

――フレイヤⅡ(会議室)

ピピッ!

奏「……」

パシュンッ!

P「失礼する。速水少尉、待たせてしまったな」

奏「……いえ、別に。貴方、体は大丈夫なの?」

P「問題ない。一ノ瀬博士のほうでも対処してくれた。今後の戦闘は通常通り行える」

奏「そう」

P「それで話だが、次回以降のLiPPSの運用についてだが、少尉のほうで――」

奏「嫌よ」

P「……小隊運用については、これまで通り速水少尉に小隊長として運用してもらおうと思っている。これは上官命令だ」

奏「それでも嫌よ」

P「……そうか」

奏「私は、もう仲間から撃たれたくないの。だからこれまで1人でやってきたの」

奏「それが嫌だから、私はS-01からここに来た。それなのに……だからもう、ここにはいたくない。あの子たちのお守りもしたくない」

P「そうか。わかった」ピッ!

ピピピッ!

大佐『私だ。なんだね?』


P「大佐、私です」

大佐『おお、君か。話は聞いているよ。プランの実行までに回復が間に合うかと不安だったが、目が覚めて本当によかった』

P「ご心配をお掛けしました。大佐、1つお願いがあります」

大佐『なんだね? フレイヤへのハイパーブースターの手配で色々と他からキツく言われているから、難しい話じゃなければいいんだがねぇ』

P「速水奏少尉を特殊部隊に異動させてください。異動理由は、セカンドドライバーとの共同任務の為、辺りで大丈夫ですか?」

大佐『む……ううむ……まあ、分かった。手続きはこちらで済ませておけばよいかな?』

P「ありがとうございます。では、失礼します」

ピッ!

奏「貴方……」

P「命令だ。速水少尉、フレイへ移動し黒川少佐の指示に従い任務に当たれ。艦への移動については調整して展開する。荷物は本日中にまとめておけ」

奏「……そう、それなら私も、気が楽になるわ」

P「機体についてはこちらで配備させたVS23SXと、持ち込みしている3NXを両方移動させる」

奏「VS23SXはいらないわ。移動するならデータの採取もしなくていいし、3NXだけでいいわ。ディフェンスパックは、そのまま周子に使わせてあげて」

P「ではそれで整備班には連絡しておく。必要な引継ぎは済ませておけ」

奏「ええ、了解」

……
…………

――フレイヤⅡ(空き部屋前)

P「……」

ピピッ!

P「城ヶ崎少尉、返事をしろ」



P「……入るぞ」

ピッ!


……
…………

――フレイヤⅡ(空き部屋)

美嘉「……」

P「どうだ、少しは落ち着いたか?」

美嘉「……」

P「アイドルの仕事もあるから、あまりキツイところには押し込めないからな。ありすも広報にはまだ話を通していないと言っていた」

美嘉「……」

P「……戦闘の映像記録を見た。撃とうとしたらしいな、フレデリカを」

美嘉「……ツは」

P「なんだ」

美嘉「アイツは……敵……莉嘉の、莉嘉の……!」

P「それは、お前の妹を襲ったのがフレデリカ、ということか?」

美嘉「関係ない……キラー・ビーなんて……白い奴等も、みんな、みんな敵で!!」

P「違う。それは昔の話だ。今のビーは、俺たちと共に生きている仲間だ」

美嘉「昔の話……? 今は違うからって、アイツ等を許すの!? アイツ等がいるから! 莉嘉は、ずっと起きないままで!!」

P「少尉、以前話したな。俺のこと、フレデリカのことを」

P「俺には少尉の怒りが分かる。少尉は、以前の俺と同じだ。だから……お願いがある」

美嘉「なによ……!」

P「フレデリカのことを、信じてやってくれ」

P「俺たちが蜂から受けた痛みは事実だ。だが、フレデリカの想いも嘘ではない」

P「ビーは俺たちに、俺たちはビーに、互いに痛みを与え続けた。だが今は違う。平和な世界を願っている同じ想いを、互いに持っていると分かったからだ」

P「言葉にするだけなら、簡単なことかもしれない。何とでも言える……だが、フレデリカの想いの中に、美嘉もいるんだ」

美嘉「……」

P「アイツの想う平和な世界に、お前たち姉妹と共に生きる願いがある。それを、信じてほしい」

美嘉「……」

P「これで、話は終わりだ。ここは閉める。少尉、出るぞ」

美嘉「え? アタシ……」ピクッ

P「少尉が何故ここにいるのか、俺もありすも忘れてしまった。アルヴィスには映像記録も残っていないし、何でだったかな。とにかく、出るぞ」

……
…………

――数時間後、夜、フレイヤ(通路)

美波「フレデリカちゃん、見つかった?」

藍子『いえ、こっちもシティまで来ているんですけど……』

志希『制服も部屋にあったから、コロニー中のビーでも集めて体の識別コードのチェックしないと見つからないかもねー』

奈緒『そんなことやってられないだろ……どっちの艦にもいなかったし、ちひろさんのところにも行ってないみたいだし』

卯月『PさんもS-02に来てこっちでも探しましたけど、見つからなかったです……』

凛『私たちのほうも、後で外に出て探してみるよ』

奈緒『悪いな凛。そっちも作業残ってるのに』

凛『いいよ。奈緒こそ、またこっちに戻って来てくれたんだから』

奈緒『ま、あたしのほうは別に……』

夕美『とりあえずもうちょっと探してみよう。もう夜だし、これ以上探して見つからなかったら警備のほうにも連絡しないと……』

美波「ええ、私も後で少し外に出るわ」

……
…………

――ノルンS-02(通路)

P「あとはこっちで探してみる。桃華たちはフレイの作業に戻ってくれ」

桃華「ですが、フレデリカさんも心配ですわ」

P「だがフレデリカに掛かりきりというわけにもいかないだろう」

凛「修理した機体の調整、もう少しで終わるからその後にまた探してみるよ。智絵里にも作業頼んだままだし」

桃華「Pちゃまも、ご無理なさらずに……」

P「大丈夫だ。フレデリカを見つけたら連絡する」




P「さて、あと探してないのは……」

菜々「あっ……」

P「む、安部中尉」

菜々「お、お疲れ様です! P、Pさん、もう大丈夫……なんですか?」

P「ええ、とりあえずは。心配かけてすみません」

菜々「いえ、その……よかった、です。本当に……よかった……」

P「……中尉?」

菜々「……」

P「どうしたんですか。なんか、らしくないじゃないですか」

菜々「らしくないなんて……そんなこと、ないです。ナナ……私だって……また、Pさんが起きなかったらって思うと……」

P「……すみません」

菜々「Pさんも、美優さんも……加蓮ちゃんも、ナオちゃんもって……色々、考えちゃって……だから……」

P「……大丈夫ですよ。俺も、ナオも、加蓮も、昔とは違います。美優も……だから気にしないでください。少しアホなことしている中尉のほうが、見てて安心します」

菜々「あ、アホって……」

P「ちょっと俺もまだ別件がありますから、ニュージェネの3人はよろしくお願いします。明日またこっちに来ます」

……
…………

――ホクドウ、郊外、緑地公園

夕美「シティから離れたけど、こっち側ってナシヤマだと私たちの家がある方向だし……」

ナオ「まあ、コロニーの基礎構造って一緒なんだし、フレデリカが行きそうな場所も大体探したし」

奈緒「とはいえ、ホクドウだから家ないしなぁ……」

夕美「フレデリカちゃん……」


夕美「あっ……」



フレデリカ「……」



奈緒「いた……」

夕美「見つけた……そうだ、Pさん……!」


……
…………

――数十分後、ホクドウ、緑地公園

P「夕美、奈緒! フレデリカ!」


奈緒「ようやく来た……」

夕美「Pさん……こっちだよ!」

フレデリカ「……」

ナオ「あたしと奈緒は、みんなに連絡してくるよ。奈緒」

奈緒「……ああ」



P「フレデリカ……探したぞ。こんな時間まで外に出て」

フレデリカ「……ん」

夕美「ね、戻ろう? みんなも心配して探してたんだから」

フレデリカ「……やだ」

P「どうした。話してみろ」

フレデリカ「……美嘉ちゃんが、アタシのこと殺そうとしたの」

P「ああ、知っている」

夕美「……怖く、なっちゃったの?」

フレデリカ「ううん。アタシも、知ってたから。リカちゃんっていうの。美嘉ちゃんの……妹、なんだって。きっと、大切なヒトなの」

フレデリカ「アタシのね、仲間の誰かがリカちゃんに怪我させたの。ずっと寝てるんだって。志希ちゃんが教えてくれたんだ」

夕美「大丈夫だよ。莉嘉ちゃん、きっと良くなって元気になるから……」

フレデリカ「違うの」

夕美「……なあに?」

フレデリカ「アタシね、メッセンジャーがアタシたちのこと助けてくれて、人間と一緒にいることが出来て、お腹も空くことがなくなって、白いアイツらからも逃げることもなくなって」

フレデリカ「だけど、アタシたちがたくさん人間を殺したこと、みんな怒ってるのも分かってる。美嘉ちゃんも……」

フレデリカ「プロデューサーだって、美優さんのこと、怒ってるって知ってるの。だから、プロデューサーが起きたら、きっとアタシのこと……だから……」

P「何を言っている。確かに美優のことは色々あったが、俺はお前を怒るつもりはない。お前は……俺の命を救ってくれた。どうして俺がフレデリカを怒らなければならないんだ」

フレデリカ「だって、アタシたちがここに来なかったら、リカちゃんも怪我しなかったし、ありすちゃんだって……アタシたちが勝手にこっちに来たから、みんな怒って、泣いてるのに」

フレデリカ「だから人間がアタシたちのこと許してくれるなら、みんなの為にアタシたちも頑張ろうって……だけど、ずっとずっと、どうして人間がアタシたちのことを許してくれるのか、分からなくて……」

フレデリカ「美嘉ちゃんは、アタシたちのことを怒って……だけど、プロデューサーは怒らなくて……」

フレデリカ「美嘉ちゃんが怒ってるなら、アタシは死んでもいいやって思ったけど、メッセンジャーは生きていいって、プロデューサーは怒らないで、ありがとうって言ってくれたから……どうしていいか分からなくて……」

フレデリカ「志希ちゃんは、人間のことはいつか分かるって言ってくれたけど……でも、分かんない……みんなと一緒にいて、笑って、楽しくて、みんなのこと、好きになっても……だけど……わかんない、わかんないよぉ……」

夕美「フレデリカちゃん……!」ギュッ!

フレデリカ「アタシ……うっ……うう……どうしたらいいの……? メッセンジャーのこと、l人間のこと、分かりたいのに……全然、分からなくて……」

夕美「そうだよね、分かんないよね。私だって、みんなのこと、分からないことたくさんある。ちゃんと分かってあげたくても、分からないことだらけで、泣いちゃうときだって……あるんだから……」

P「フレデリカ、よく聞け。俺も、夕美も、自分以外のヒトのことなんて分からない。ビーも、人間も関係ない。皆同じなんだ」

P「だから……互いを知り、分かりあう為に……一緒にいるんだ」

フレデリカ「!」

P「だから、どれだけ時間が掛かったとしても、分かりあう為に一緒にいる。フレデリカ……お前は、どうしたい?」

フレデリカ「アタシは……アタシ、は……美嘉ちゃんのこと、分かりたい……みんなの、ことも……」


……
…………

――ホクドウ、郊外

ナオ「……あの時、あたしたちは選ぶことができなかった。それしか道が無かったから」

奈緒「ああ。だけど、今は違う」

奈緒「今度は、選ぶことが出来る。今度こそ……その道に行くために、みんながいるんだ」

ナオ「Pさんも、加蓮も、凛も、みんな……その願いをアインフェリアが伝えることが出来るなら……」

奈緒「そのためにあたしはここにいる。次は選ぶために……今度は、諦めたくない」

ナオ「みんなのために、フレデリカのために……」

奈緒「ああ、必ず……!」


……
…………

――翌日、フレイヤⅡ(会議室)

P「プランの人員について、S-02側の編成見直しに伴いフレイの人員が不足している状態となっている為、速水少尉はフレイに移動することになった。本人には前日に説明済で、今朝方移動してもらっている」

周子(このタイミングで……ね)

P「以降、プラン実行中はLiPPS小隊は塩見周子少尉を小隊長とし、この4人のメンバーで運用となる」

周子(ま、そうなるかー)

志希「おー!」

美嘉「……」

フレデリカ「……」

ありす「プラン実行中の移動はそれぞれ、M-01、S-02に分かれることになりますが、必要であれば連絡を取り合っても構いません」

周子「……りょーかい」

P「以上だ。それではこれで解散とする。1時間後、予定通りNGFのシミュレーター訓練を行う。時間までには格納庫に集合しておけ」

……
…………

――ホクドウ、ノルンS-02、フレイ(奏の部屋)

琴歌「こちらのお部屋を準備しましたわ。何か不足している物があれば遠慮なくわたくしか、桃華ちゃんにお話しして頂ければご用意しますわ」

奏「ありがとう。でも、必要な荷物なら持ってきた物で間に合っているから、大丈夫よ」

琴歌「わかりましたわ。では、昼食の時間にはお声がけしますね。みなさんで食事にしましょう」

奏「え、ええ……わざわざ揃って食べるのね」

琴歌「はい♪ あ、搬入した3NXですが、機体コードはこちらのローカルにも登録しておきますので、千秋さんと翠さんと、3人で頑張ってください」

奏「……まあ、私は単独出撃をさせてもらうから、必要な場面だけ、ね。単独出撃は、P少佐から許可ももらっているわ」

琴歌「ええ、お話は聞いています」

奏「ゴメンなさいね。厄介者を押し付けられた気分でしょう?」

琴歌「いいえ、そうは思いませんわ。P様から、こちらで貴方を預かってほしいとお願いされましたもの。それに……」

琴歌「本当に奏さんが厄介者であるなら……P様はプランの実施前に貴方を艦から降ろしていると思いますわ」

奏「……」

琴歌「ですから、一度考えてみてください。どうしてP様が、貴方にそうしたのか……あの方が、貴方にどうあってほしいと願っているのか」

……
…………

――ノルンS-02(格納庫)

菜々「……」

菜々「ナナは……」


菜々『Pさんも、美優さんも……加蓮ちゃんも、ナオちゃんもって……色々、考えちゃって……だから……』

P『ちょっと俺もまだ別件がありますから、ニュージェネの3人はよろしくお願いします。明日またこっちに来ます』


菜々「……」ピッ!

ピピピッ!

大佐『私だ。何かね?』

菜々「大佐……」

大佐『おお、安部中尉か。何かあったかね?』

菜々「……大佐ちゃん!」

大佐『……どうしたんだい、菜々ちゃん』

菜々「お願いがあるんです。最後に、1つだけ……」


……
…………

今日はこれで終わります。
来週は多分1週間投下はないです。頑張りましょう。

-------------------------------------------ここから関係ない話-------------------------------------------

蘭子「闇に飲まれよ!」

奈緒「やみのま」

珠美「まさかこのメンバーでイベントに参加することになるとは思いませんでしたね……」

奈緒「色々思うところはあるけどとりあえず宣伝宣伝……ガチャ引きたいし」

蘭子「うむ、今宵の宴では守護騎士と太眉の乙女が降臨しているぞ」

珠美「イベント曲は『Frost』ですね。珠美たちが歌っています!」

奈緒「んで上位報酬はあたしと……完走報酬は珠美だから、プロデューサーのみんなは頑張って走ってくれよ」


https://i.imgur.com/psetjgl.jpg


珠美「いやしかしやはりこのメンバーとは……」

蘭子「この前の紗枝ちゃんと周子ちゃんも偶然だったけど大変だった……」

奈緒「まあな……いや、いいんだけどさ、この時期にこの曲のイベントが来るんじゃないかとは思っていたけど」

蘭子「予見の調べ……ううむ、魂を削り取られる争い……」

奈緒「ところで珠美、いつ頃来るんだ? てか来るの?」

珠美「たぶん、もうそろそろかと……」


-------------------------------------------ここまで関係ない話-------------------------------------------

今日中に投げておこうと思ったんですがちょっとピエール確保するのに休日中に頑張らないといけなくて……

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

ありす「わざわざこっちで確認してもらってすみません。別件の確認が全然終わってなくて……」

愛梨「大丈夫ですよー。いまはフレイヤも内装点検してますから」

蘭子「もぐ……我らなら……んぐっ、いまふぁら、ふぁいじょうぶ……」モグモグ

ありす「何食べてるんですか……」

蘭子「ピーナッツ」モグモグ

愛梨「こっちに来る前に、楓さんからお酒のおつまみ貰っちゃって」



周子「んー、整備完了済みのブロックのチェック終わりっ! そっちどう?」カタカタカタッ!

美嘉「こっちも終わった」

志希「これドコにデータ置けばいいの?」

フレデリカ「あのね、そこのフォルダ、そっちそっち」

周子「それじゃー全員手空いたことだし、ご飯食べにいこっか」

フレデリカ「お腹すいたー……美嘉ちゃんいこー」

美嘉「……」

志希「ほらほら行こいこ。ご飯食べないと脳みそ回んないし?」

美嘉「うん」

周子「それじゃ、ご飯食べてくるねー」

ありす「ん、はい。いってらっしゃい」

パシュンッ!


愛梨「……フレデリカちゃん、いつも通りですね」

ありす「いつも通りに、見えるだけだと思います。夕美さんから聞きました。彼女も色々悩んでいるって」

蘭子「……」ボリボリ……

愛梨「私たちは、ずっとフレデリカちゃんと一緒にいるから、何も気にしたことなかったんですけど……」

ありす「ですが、やはり私や美嘉さんのように、過去にビーたちから被害を受けた者もいます。そういう人たちにとっては、現状やりきれない気持ちはあると思います」

蘭子「……ありすちゃんは?」ゴクンッ

ありす「……私は、どうなんでしょうね。怒りとか、恨みとか……そんなことすらも、忘れてしまっていましたから」

ありす「だけど、今は……フレデリカさんのことが心配です。きっと、それがビーたちと言葉を交わすことができた、私の中の正直な気持ちなんです」

……
…………

――数日後、ホクドウ、港、ノルンM-01(メインブリッジ)

ちひろ「いやー、時間掛かりましたね。フレイヤもフレイヤⅡも修理三昧で、ようやく終わってウチに積み込み出来て」

楓「結構やられちゃいましたからね。私たちは、自爆したみたいなものですけど」

P「そりゃ艦がぶっ壊れる速度で飛ばすのはな……」

ちひろ「ま、とりあえずプランV3の主要メンバーが全員無事でよかったです。住居ブロックは全員分割り当てていますから」

ありす「長距離航行プラン、ビーの住む宙域まで移動する為の予定日程は91日でしたか。ずいぶんと長いですね」

ちひろ「システムがなかったら、何年掛かっていたか分かりませんよ? まあこんなに長い任務も中々ありませんね」

楓「往復を考えると半年……ちゃんと戻ってこれるといいんですけどね」

ちひろ「ま、その為に農業プラントから栽培ブロック持っていきますから。モリアンに環境作成するの大変だったみたいですよ?」

P「こちらは乗せてもらう側だからな。移動中は待機と、アインフェリアはI@LPがほとんどだし、何かあれば作業は手伝うが」

ちひろ「道中で戦闘が発生した場合の出撃は、ちょっと考えてからになりますけどね」

楓「やることありませんからね。どうしていましょうか、ねえ、Pさん?」

ちひろ「避妊はしてくださいね」

P「バカかお前ら! こんなところで何の話をしている!」

ちひろ「何って、ねえ?」

楓「時間が余っているならその分……ナシヤマで退院してから、ずっと外に出たままですし、ね?」

P「しっかりしてくれよ……」

ちひろ「ま、冗談はこれくらいにして。増援も到着したみたいですし、その艦の整備が終わればプラン開始ですね。頑張りましょうか」

楓「プランの予備編成で割り振られてたとはいえ、突然増援で呼ばれるなんて、緊急招集された艦も可哀そうですよね」

P「……そうだなぁ」

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

早苗「てワケで、ヨロシク!」

フレデリカ「こちらこそまたヨロシク!」

ありす「はい。またお願いします」

瑞樹「まーた若い子ばっかり……ちょっとこの艦どうなってるの?」

志乃「まあ……面白そうじゃない……」ゴクゴク

ありす「というわけで、特殊部隊の柊志乃さんと、愉快な仲間たちです」

美嘉「愉快な……」

周子「仲間ねー。よろしく」

ありす「私はプランV3実施の為アインフェリアと合流して宙域ライブの実施、またニュージェネレーション隊も前線の出撃編成に入っています」

ありす「その為増員としてフレイヤⅡについては代理指揮官の志乃さんを含め、この3人に操舵をお任せすることになりました」

早苗「前にもやったことあるから、大丈夫ダイジョウブ」

志希「重要プランで再び海賊に依頼……うーん、やっぱりここって自由だねー」

P「まあ、志乃さんがいるから大佐の権限で特殊部隊の範囲で誤魔化せるしな」

志乃「程々にやるわ……よろしく」

早苗「あれ、ところでP君、美優ちゃんどうしたの?」

P「ああ、それならフレイヤのほうにいる。時間があるときは会ってやってくれ」


……
…………

――数日後、フレイヤ(ブリッジ)

楓「フレイヤ、艦制御をM-01に譲渡していることを確認しました」

美優「各班からも準備完了の報告が来ています。オート・クレールのスタッフについても……確認しました。フレイヤⅡは……どうですか?」カタカタカタッ!

ピピピッ!

志乃『こっちも、確認したわ……』

ありす『これで全部ですかね』



ちひろ『それではM-01、及び全ての搭載艦の乗員に連絡します。M-01搭載艦のチェックがすべて完了しましたので、これよりM-01を発進させます』

ちひろ『今回の長距離航行プランについて、全体統括をはじめとした体制は改めて展開されている資料を確認してください』

ちひろ『長距離航行プランでのM-01の主要任務は、プランV3を実施するプロジェクト・ヴァルキュリアに所属するフレイヤの護衛となります』

ちひろ『また、状況により編成配置が見直される場合、他強襲艦についてもノルン艦隊の護衛の他、前線任務に配置される場合もあります』

ちひろ『想定される編成内容についても、再度確認をお願いします』



P「プラン開始……か」

楓「ええ、これで最後に出来るといいですね」

ありす『これで最後にする為に、私たちはクイーンのところに向かうんです』

P「ああ、そうだな」


ちひろ『それでは、M-01発進です。宙域に出た後は光波推進システムを使用し、オートメーション機能による移動に切り替えます』


……
…………

――ノルンM-01、フレイヤⅡ(艦長室)

P「91日間の移動の間、予定航路上で複数設定した全艦隊のメンテナンスポイントに到着すれば時間はあるか」

千秋『そうね。タイミング的にも、そこならゾーニング現象の解消が必要なメンバーは貴方のところに向かわせるわ』

千秋『本当はそれとは関係なしに、私たちもM-01に戻れればよかったけれど……』

P「移動中の前線部隊の編成に入ってしまっているから、こればかりはな。S-02には安部中尉もいるし、協力してあげてほしいが」

千秋『わかっているわ。私たちもお世話になっているもの。それにしても、安部中尉は頼りになるわね。防衛ラインでの戦闘でも、ニュージェネレーション隊や私たちのフォローもよくしてくれていたし』

千秋『さすが、貴方の元隊長、かしら?』

P「……そうだな、昔から頼りになるところは、頼りになる人だったよ。まあ、ふざけていたり俺に仕事押し付けて自分はサボってゲームばっかりやってたときもあったが」

千秋『そ、そう……』

P「それでも、面倒は見てくれたからな。ナオや加蓮も、世話になっているし……良い人だよ」

千秋『そうね。貴方、それでもフラれているみたいじゃない?』

P「こればかりは仕方がない。今なら俺も時間があったから話を出してみたが……やはり思うところがあったみたいだ」

千秋『対象外になってI@LPの申請を出さなくなって、随分経ったって聞いたけれど……本人がそう言うのであれば、仕方がないと思うわ』

P「千秋は、どう思う?」

千秋『私が思うことは……そうね、強いて言うなら、やっぱり貴方はお節介なのね』

P「……そうか。それでもいいんじゃないかと思ったんだがなぁ」

千秋『あの子、速水少尉のこともね』

P「そちらでの様子はどうだ?」

千秋『内勤なら問題ないわ。シミュレーターでの訓練も、所属時期の割には良い動きをするから、私たちのほうもいい訓練相手になっているわ』

P「それならいい。すまんがしばらく面倒を見てやってくれ。俺も、場合によってはメンテナンスポイント外でもそちらに直接行って様子を見る。機体ごと使って移動すればいいしな」

千秋『あら、それなら……期待してもいいのかしら?』

P「……まあ、構わん」

千秋『ふふっ、それじゃあ待っているわ』


……
…………

――数日後、フレイヤⅡ(格納庫)

加蓮「はい終わり」

パシュンッ!

周子「はー……しんど」ハァ、ハァ……

美嘉「これだけぶっ通しだと、ちょっとね……」ハァ……

奈緒「大規模戦闘想定のマニューバ5セット分消化……新しいマニューバ、考えとくか?」ピッ、ピッ

ナオ「ドッキングしたときの運用、他にも何か良いやり方があればいいんだけどなー」

志希「ねー……あたしもこれやんなきゃダメなのー……畑違いなんだけど……」

P「緊急時に必要になる場合もある。自衛の為でもあるし、補助AIも積んではいるが、やれるだけやっておいたほうがいい」

奈緒「フレデリカはまだやれそうだな」

フレデリカ「うんっ! アタシも頑張らないとねー♪」

加蓮「ま、時間だし今日の訓練はおしまい。Pさん、シミュレーター片付けてもらっちゃっていいよね?」

P「ん、そうだな。整備班に声掛けておいてくれ」

加蓮「はーい。それじゃみんなはお風呂入ってきちゃっていいよ。片付けておくから」

ナオ「悪い、次の訓練は一緒にやろうか」

加蓮「うん。ブリッジも海賊の人たちが来てくれたから、結構手も空いたしね」

フレデリカ「お風呂オフロー♪」

美嘉「アタシは――」

P「早くしろ城ヶ崎少尉、人数が多いんだ。早く浴場に行くぞ」

奈緒「なっ!?」

美嘉「ぶふぅっ!? あ、ア、ア……アンタ……」プルプルプルプル

P「上官に向かってその口の利き方はなんだ。別にゾーニング現象の解消が必要でないならば何もせん。それに俺はこの後、アインフェリアのレッスンも見なければならないんだ」

ナオ「ああそっか。ありすもレッスンに行ってるしな」

P「そういうことだ。ほら、さっさと行くぞ」

……
…………

――フレイヤⅡ(浴場)

奈緒「見るなよ……絶対にこっち見るなよ……!!」ザブンッ!

志希「タオルで隠してるからいいんじゃない?」

P「別に変にジロジロ見たりはせんぞ……というか、この前一緒に入っただろ」

奈緒「こっ、この前、この前は……ああああああ……」

ナオ「Pさん、その話はやめてくれ……あたしも解消が必要だったとはいえ、さすがに今思えばちょっと酷い状況だったし……」

志希「あれねー、あたしもモニターで見てたけど次元を超えたかなりの変態プレイだったね。加蓮ちゃんもテンション高かったしねー」

パシュンッ!

加蓮「ん、何? なんの話?」

美嘉「あ、加蓮も来たんだ」

加蓮「私は計測だけだったけど、時間あるからお風呂入っておきたいし」

フレデリカ「アレ、アタシにも分かったけどヒドイ状況だったよね」

加蓮「ああ、この前の? 『ふふ、どうナオ? 奈緒が見てる前でこんなに興奮しちゃって……Pさんもとっても気持ちよさそう……♪』」

ナオ「ああああああやめろ、やめてくれえええええええ!!!!」

奈緒「……ハハハ……ハハッ」

P「再現しなくていい……というか、命令権使って焚きつけたのは加蓮だろ」

加蓮「まあまあ、ナオは耐性ないから仕方ないし、ね?」

志希「艦内映像記録で残ってるから今度見る?」

ナオ「んなもん見るかっ!!」

P「はぁ……」

美嘉「ったく……こ、こんな変態トークしてるところになんて……早く体洗って上がろ……」

フレデリカ「あ、美嘉ちゃんシャワー使う? アタシ体洗ったからお風呂入るから使っていいよ」

美嘉「ん、そう」

フレデリカ「アタシが洗ってあげよっか!?」

美嘉「しなくていいから!」

フレデリカ「ザンネン」

志希「……んふー」

P「ん、どうした博士?」

……
…………

――フレイヤ(レッスン場)

ピピッ!

『モニタリング完了。評価結果出力までお待ちください』

ありす「はぁ……やっぱり、まだ合いませんね」

美波「ホクドウではあまり時間も取れなかったし、歌もダンスも合わせる時間がなかったものね。もう少し詰めておかないと」

ありす「むぅ、私だけみなさんと一緒にレッスンが出来ませんでしたから、自分でも仕方がないとは思っていますが……」

文香「そうですね……ありすちゃんとも、もっと早くに練習出来たら、よかったのですが……」

夕美「はいみんなタオル……あっ」

ピピッ!

パシュンッ!

P「どうだ、しっかりやっているか?」フワッ

藍子「Pさんっ、おつかれさまです。いま1パート通したところですよ」

P「評価待ちか。順調であればいい」

ありす「私のほうがみなさんと上手く合わせられなくて、やり直しが多くなってますね」

P「ありすは外に出ていたから仕方がないさ。モニタリングの結果、俺も見ておきたいんだが」

美波「今取り終わったの、7つ目のデータですよ。あら、Pさん……?」

P「これか。ん、どうした?」ピッ、ピッ、ピッ


美波「……誰とセックスしたんですか?」スン、スンスンスンッ

P「待て、風呂入ったばかりだぞ。何故わかる」


文香「ここの臭いは……正直ですから……」スンスンスンスンスンスンスンスンスンスン……

P「どこを触っている……ブリッジに戻るぞ」

夕美「あ、そ、それはちょっと……ほらほら、みんなもレッスンに戻ろう?」


ありす「なんなんですかこの人たちは……」

藍子「ま、まあ……ずっとこんな感じですし……」

ありす「私としては藍子さんも似たようなものだと思っていますけれど」

藍子「」ドスッ!

P「漫才してるんじゃないんだぞ……漫才したいなら上田大尉に教えてもらえ」

ありす「いえ、私たちはそっちの方面で売っているわけではないので……あ、結果出たみたいですね」ピピッ!

夕美「んー……判定、私たちも結構ズレてるなぁ……」

P「思っていたより赤になってる判定が多いな……まあ、1つずつ潰していこうか」

……
…………

――数日後、フレイヤ(格納庫)

パシュンッ!

蘭子「うう……」

愛梨「あううう……」

P「はぁ……」ガコンッ!

晶葉「どうだ、調子のほうは」

P「……悪くない。まだシミュレーターでの操作段階だが、これまでのどの機体よりも動かしやすい」

晶葉「そうか。まだニュージェネたちがやったシステムテストのフィードバックが済んでいないが、現時点の実装内容を反映させた。初期設定は整備長がやったがな」

P「整備長か。であれば、動かしやすいのも納得だ。整備長は、俺のことを分かってくれているからな」

晶葉「本人もこっちに来て熱心にやってたよ。まあ、ナシヤマにいたときは設計も少しやってもらったし、お前の機体だから思い入れもあるんだろう」

奈緒「ふぅ……ちょっとレスポンスが良すぎて反応するのがキツイな……」

ナオ「ドッキングは上手くいくんだけどなー……」

晶葉「ダブル奈緒は機体性能に慣れるのに難儀しそうか。ドッキングを一発でやるのは大したものだが」

ナオ「まあこれが出来ないと、あたしたちが乗る意味ないしな」


愛梨「……むーっ」プクーッ!

P「どうした愛梨? そんな膨れっ面して」

愛梨「せっかく私たちもPさんに追いついたかなーって思ったのに……」

蘭子「我が眷属め……」

晶葉「ああ、そういえばナシヤマでリハビリプログラムやってたときはスコア勝ってたな」

P「まあ、今度はこっちも3Nじゃなくて新型のシミュレーターだしな」

晶葉「まあフォートレスも、ベースにリサーヴがあるっていうだけで4機とも新型だからな。これだけ動かせるならお前たちも大したものだよ」

奈緒「新型なぁ……それにしても、あたしたちはドッキング機使ってるけど、他の部隊でVPGOみたいなオプション兵装って運用してないよな?」

ナオ「そりゃあ……コンペで負けたからな」

奈緒「あっ、そうなのか……」

P「ドッキング機を運用する為の人員の確保と、そもそもの開発費が4N作るより掛かりすぎて蹴られたからな。性能は評価してもらったが」

蘭子「GNブーストも実装できたから、猶更4Nでいいよねって話になったし……」

晶葉「くっ……!」ダンダンダンッ!

奈緒「んな地団駄踏まなくても……」

P「落とされたとき、相当悔しがってたからな」

晶葉「……まあ、上の連中が私の開発した機体の良さを理解できなかっただけだ。だからお前たちの機体には相当予算入れたからな」

晶葉「お前たちなら機体を問題なく動かせるようになるだろうし、あとは機体本体とシステムの完成が間に合えばいい」

愛梨「大丈夫なんですかぁ?」

晶葉「ギリギリまで作り込む。負荷軽減についても助手に使わせる指揮官用ヴァルキュリアシステムで最大限、本人の負担にならないように対応させる」

晶葉「奈緒たちのシステムについては、フォートレスに積んでいるシステムをベースにしているから早いうちに仕上がるとは思うが」

ナオ「出来たらそれも起動して訓練か……まあ、奈緒がいるならあたしの負担も無いからいいんだけどさ」

P「システムが間に合えば、か……」


……
…………

――1ヶ月後、戦闘宙域

菜々「卯月ちゃん前に出てください! 未央ちゃんも!」ボシュシュシュシュシュンッ!

未央『しまむー、ウサミンミサイル来たよ!』

凛『こっちも弾幕張るよ! 2人は合わせて前に出て!』

卯月『はい! CG形態で……!』ガションッ!

ピピピピッ!

菜々「ここは大丈夫……あとは……!」ピピッ!


G型「!!」ギュンッ!

G型「!!」ギュンッ!


菜々「まだG型が……あそこのポイントで戦闘しているの……奏ちゃん!」

ピピピッ!

奏『こっちは大丈夫よ……っ! このっ、しつこいわね……落ちなさい!』ガションッ!

ドガガガガガッ!!

G型「……」ブ、ブブ……

ドガアアアアアンッ!!

奏『私はいいから、混戦しているブリヤントノワールのほうを!』ギュンッ!

千秋『巣から追加が出て来たわね……中規模とはいえ、このG型の数は……!』

翠『ヴェールの陽電子砲の準備が完了するまではこちらで対応しませんと……』

菜々「は、はいっ! 翠ちゃん、黒川少佐、援護しますよ! ウサミーン……」ガションッ!

智絵里『こっちも、フォローに向かいます! ニュージェネレーションは前線ラインを下げないようにお願いしますっ!』ガションッ!

ドシュゥゥゥンッ!

菜々「ビーム!!」ズドドドドドドドッ!!

G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!

G型「!?」

ドガアアアアアンッ!!

千秋『後1匹!』ガションッ!

智絵里『えええいっ!』ブォンッ!

シュパアアアアアンッ!

G型「……」ドガアアアアンッ!!

ピピッ!

卯月『あっ、陽電子砲の発射準備出来たみたいですよ! みなさん下がってください!』

翠『これで対応も終わりですね』

千秋『ありがとう智絵里さん、助かったわ』

智絵里『い、いえっ……早く下がりましょう』ガションッ!

菜々「残りの白蜂が来ないように弾幕も張っておきませんと……!」

……
…………

――数十分後、ノルンS-02(格納庫)

翠「機体は整備が終わったらフレイのほうに戻しておいてください」

「了解しました。ニュージェネレーション隊の機体についても同じようにしておきます」



菜々「ふぃー……さすがに戦闘回数も結構増えましたね」

千秋「そうね。次からの戦闘はしばらくS-03とS-04の部隊で対応することになっているから、とりあえずは休むことが出来るけれど」

翠「はい、次のメンテナンスポイント目前でしたからね。このポイントで次元振動が観測されるとは……」フワッ

千秋「どこでも白蜂が空間転移してくる可能性はあるもの。何も、私たちを狙って転移するだけでもないし」

菜々「こればっかりは運ですからねぇ」

智絵里「1ヶ月経ったけど、予定日までまだまだ先……ううう……」ハァ……

菜々「一応遅延してないんですけどね。どこかで遅れるとその分こっちがキツくなりますし」

凛「はぁ、圏外防衛の任務やっててよかった……」

未央「そうだねぇ……連続戦闘に慣れてないと、やってられなかったかも」

奏「……」フワッ

卯月「あっ、奏ちゃん!」

奏「どうしたの?」

卯月「私たちの出撃もしばらくありませんし、ようやく休憩ですね。後で一緒にご飯食べに行きましょう!」

奏「……そうね。卯月も、良いマニューバだったわよ」

卯月「ホントですかっ? えへへ、凛ちゃん未央ちゃん、奏ちゃんに褒められちゃいました♪」

凛「もう……一応同期でしょ。奏を追い越すくらい私たちも頑張らないと」

奏「貴方たちはシステム起動すれば、私とそう変わらない動きが出来るじゃない。同じようなものよ」

未央「いやー、私たちもリスクなしで動きたいから……」

菜々「ささっ、みなさん、整備班のお邪魔になっちゃいますから、私たちも移動しますよー」

……
…………

――ノルンS-02(食堂)

桃華「フレイは出撃せずにオペレーターしかできませんでしたが、やはり千秋さんたちが出るならわたくしたちも出たほうがよろしいと思いますが……」

翠「とはいえフレイもプロジェクトの艦ですし、編成も今のところはヴェールで間に合っていますから、時子さんが出さないように考慮しているのは仕方がありません」

かな子「何かあったときに、私たちのほうですぐに対応出来ないのも困っちゃうけど……」モグモグ



卯月「今日から食堂のメニューも変わりましたよね」モグモグ

未央「長期任務でモチベーション維持する為の一環だって」

凛「ふーん……まあ、片道3ヶ月あるしね」

菜々「負傷したり、体調崩したりするのも心配なんですけどねぇ」

奏「……」

卯月「次にメニューが変わるまで順番に全部食べてみようかなぁ……」

未央「同じメニューだってあるでしょ? 定食とか」

凛「……ん、どうしたの奏?」

奏「いえ、貴方たち、相変わらず仲が良いのね」

未央「そりゃあ、同じ部隊だからね」

凛「……奏も、部隊あるでしょ?」

奏「私は……別にいいのよ」

卯月「……い、今からでもPさんにお話しして――」


琴歌「まあP様、こちらに来ていらしたのですか?」

未央「んっ!?」ビクッ!


P「ああ、戦闘があったが皆も元気そうだな」フワッ

凛「プロデューサー……と……」

菜々「おや、お疲れ様ですね」

千秋「セカンドドライバーも一緒だったのね」

奈緒「ああ」

未央「な……セカンドドライバーもどうしてこっちに?」

奈緒「特殊部隊の運用の件で、財前大佐と話があった。私も特殊部隊の所属だから、P少佐と共に来ることになった」

卯月「な……セ、セカンドドライバーも大変ですね……」

奈緒「お前たち……ふざけているのか?」

凛「いや、久しぶりだからさ……そりゃ間違えそうになるって……」

奏「……」

P「というわけだ。速水少尉、行くぞ」

奏「え……?」ピクッ

P「お前も特殊部隊に所属しているから対象だろう。食事中に済まないが、ついてきてくれ」

奏「……ええ、分かったわ」ガタッ

……
…………

今日はこれで終わります

――数十分後、ノルンS-02(通路)

P「運用についてはこんなものか。時子だから話が早く済んで助かるな」

奈緒「いつものことだろう……こちらとしても、出撃要請があった時に上手く立ち回るだけだ」

奏「……」


「P少佐、お疲れ様です」

「貴方は……セカンドドライバーですか。お久しぶりです」


P「うむ」

奈緒「そうか、久しいな……」スッ

奏「……」


P「いまの、知り合いか?」

奈緒「確か……前にS-02側であった作戦任務で、一緒に戦闘をしたことがある」

ピピピッ!

P「ん……はい、Pです。はい……ああ黒川重工の、お久しぶりです。であれば、少し顔を出します。格納庫ですか?」

奈緒「……?」

P「はい……では今から向かいます。少し待っていてください」ピッ!

奈緒「どうした?」

P「すまん。別件で呼ばれてしまった。大分前に離れたところだったんだが、少し話したいことがあるらしい」

奈緒「そうか。先に戻っていればいいか?」

P「いや、さすがにお前を1人で帰らせるのはな……戻るなら一緒に戻ろう。少し何処かで待っていてくれ」シュッ!



奈緒「……」

奏「……行ったわね、あの人」

奈緒「……さて、どうしてるか」

奏「……こっちの住居ブロック、来る? そのままだと、貴方も息苦しいでしょう?」


……
…………

――数分後、ノルンS-02、住居ブロック(ブリヤントノワールの部屋)

奈緒「はぁー……久しぶりだから疲れるなぁ」パチッ、パチッ

奏「……貴方、その仮面、セカンドドライバーの時はいつも付けていたの?」

奈緒「ああ、フレイヤの外だとナオのこと知ってる人もいるし、同じ顔の人間が2人いるのは困るだろ?」

奏「そ、そうね。その仮面……」

奈緒「まあ、セカンドドライバーでいるときは顔隠さなきゃダメだし、ちょっと恰好付けすぎかなって思うけど……」

奏(いや……まあ、本人が満足しているなら、いいのかしらね)

奈緒「……ところで、こっちは慣れたか?」

奏「そうね。元々は圏外防衛の任務でS-01には行ってたし、少し違うけれど、元の場所に戻ってきたって感じね」

奈緒「そっか」

奏「……奈緒は、私に何も聞かないのね」

奈緒「何か聞いてほしいのか?」

奏「別に、そういうわけじゃないわ」

奈緒「なら聞くなよ……まあ、思うことは人それぞれだし、あたしはあんまり気にしてないよ」

奈緒「それに奏なら、大丈夫だと思ってるし」

奏「……貴方の世界に、私はいたのかしら?」

奈緒「いたよ。だから……ってわけじゃないな。あたしがこっちに戻ってきたのもつい最近で、奏ともそこまで多く話していないし」

奏「それなら、どうして?」

奈緒「……きっと、奏は自分にとって大事なものが何なのか、本当は分かっているんじゃないかって……ただ、いまは見失っているだけで」

奈緒「上手く言えないけど、奏を見てそう思ったっていうか……あたしが、そう信じたいってだけなのかな」

奈緒「少なくとも一緒にここにいるってことは、あたしたちは仲間なんだし……それじゃあダメか?」

奏「……どうかしらね。私自身、自分のことをどう思っているのか……でも、貴方にはそう見えるのね」

奈緒「まあ……はぁー、そういえば翠たちって戻ってこないのか?」

奏「この時間まで戻ってきてないなら……多分、ニュージェネの部屋か、フレイに行ったと思うわ」

奈緒「ふうん……Pさん、いつ頃戻ってくるのかなぁ……」

ピピピッ!

奈緒「ん? はい」ピッ!

P『……セカンドドライバー、M-01に戻る。格納庫まで来い』

奈緒「もう終わったのか?」

P『ああ』

奈緒「……どうした?」

P『何でもない。早く行くぞ』

奈緒「了解。それじゃ奏、あたしは戻るよ。たまには……LiPPSのみんなに連絡くらい入れてあげなよ」ピッ!

奏「……ええ」


……
…………

――ノルンM-01、フレイヤⅡ(ブリッジ)

パシュンッ!

奈緒「ただいま」

志乃「あら……? おかえりなさい」


加蓮「おかえり。あっちどうだった?」

奈緒「戦闘終わった後だけど、みんな元気そうだったよ。集まってご飯食べてたし」

加蓮「ふーん。あれ、Pさんは?」

奈緒「用があるって、戻ってくるなり急いでフレイヤのほうに行ったけど」

加蓮「そっか。こっちも特にやることないし、少し休んでれば?」

奈緒「いや、訓練行ってくるよ。ナオたちは格納庫だろ?」

早苗「熱心ねー。アンタたち、まだ出撃じゃないってのに」

奈緒「今のうちにやれることやっとかないとな。早苗さんも来るか?」

早苗「んー、どうしよ?」

瑞樹「行けばいいじゃない。こっちも暇だもの」

奈緒「まあ……いっか。気が向いたら来てくれよ」フワッ

パシュンッ!

……
…………

――数日後、フレイヤ(格納庫)

整備長「おーい少佐! 機体の設定大丈夫ですかい!」

P「もう少し待ってくれ、晶葉が反映させたデータの確認も残ってるんだ」

整備長「こっちのフレーム調整終わったんで、出来たら俺の端末に連絡してくださいよ! ちょっとS-02行ってくるんで!」

P「ニュージェネの機体の整備か?」

整備長「メンテナンスポイントに着いたし、今のうちに俺のほうでも見とかねえと心配ですから、遅くても半日くらいで戻ってきますよ!」

晶葉「私も同行することにした。そっちはデータの確認は頼んだぞ。なんだったら他のヤツに話して、フィードバックした分も纏めてシミュレーターにも反映させておいてくれ」

P「それじゃあ、こっちが終わったら連絡入れておく。すまんがニュージェネの3人は頼んだぞ。あと、速水少尉の分も」

整備長「へい、一応3NXのほうも見ときますよ、それじゃ!」

美優「どこも……忙しいですね」

P「仕方がないさ。メンテナンスポイントの滞在期間も3日しかないんだ。ノルンは宙域に出て直接メンテしなければならんし、整備班もしんどいだろう」ピッ、ピッ、ピッ!

美優「機体のほうは……大丈夫、ですか?」

P「シミュレーターも回しているし、何とか間に合ってくれればいいんだがな」

P「とはいえ、今回はフレーム構造も4Nをベースにしないで新規設計した影響で、想定以上に調整の手間が掛かってるみたいで博士も苦労している」カタカタカタッ!

美優「そう、ですか……」

P「フレイヤの作業はどうなっているんだ?」

美優「一度も外に出していませんし、定期メンテだけで……一通り終わっていますので、整備班も他の場所の作業に行ってます」

P「フレイヤは楓さんに任せてしまってるからな。まあ、ちひろさんからは整備班を貸してくれって言われてたし」

P「美優も、時間があるなら休んでいていいぞ。機体のほうは俺や奈緒が自分たちでやるしかないし、志乃さんたちのところに行ってきてもいいが」

美優「いえ……もう少し、ここに……いたいです」

P「そうか」

美優「……」

P「……」カタカタカタッ……

美優「……こうしていると」

P「ん?」

美優「2人きりだったときのことを、思い出します……楓さんや、菜々さん、麗奈さんたちが移行訓練に行って……」

美優「どこでも、2人で一緒にいることが出来て……そのときは、ずっとこの時間が続けばいいのにって、思って……」

P「……そうだな、色々と変わった。俺は、変わったことについては、嫌じゃないが」

美優「そ、それは……他の子たちが、いるから……ですか? 若い子たちが……」

P「お前が一緒にいてくれるからだよ」

美優「……もう」スッ……

P「どうした?」

美優「んっ……」

P「美優」

美優「はい……んっ」



奈緒「……うーん」

ナオ「機体のガワ挟んでるとはいえ、こっちでも作業してるんだけどな……」

楓「ホント、どこでもお盛んですね」ヌッ

ナオ「うわっ!? い、いつの間に……」

奈緒「あっち行かなくていいのか?」

楓「私ですか? そうですね……まあ、今回はハンカチ噛んで見ていようかなって」

奈緒「意外だな……突入しに行くと思ったんだけど」

楓「前に一応、負けちゃってますからね、私。いまはそんな気はしていませんけど」

楓「負けたことがあるのは本当ですから、たまにはこうしておこうかなって」

奈緒「……別にいいじゃん。勝ったとか負けたとか」

楓「そうですか?」

奈緒「だってPさん、楓さんのことも美優さんのことも好きだし。あたしの世界だったら男としてはどうかと思うけど」

ナオ「いやこっちの世界でもどうかと思うぞ……あたしたちが特殊なだけで」

奈緒「好きなら……一緒にいられるなら、そのほうがいいし」

楓「……なるほど、それじゃあ」フワッ

ナオ「あ」

楓「Pさーん♪」ガシィッ!

美優「きゃっ!?」

P「うおぉっ!? な、なんですか突然!」ビクッ!

楓「ちょっといやらしい気配を感じたので……私も混ざっていいですか?」

P「いや、そんな気配なんて……」

楓「私はこのまま3Pでもいいんですけど……どうですか美優さん?」

美優「ええええっ……わ、私は……」

楓「いいじゃないですか、この人、家だと6Pとか7Pとかやってるんですよ?」




ナオ「あーあ……」

奈緒「……ま、いっか。こっちも調整終わらせないとな」ピッ、ピッ……


……
…………

――1ヶ月後、フレイヤⅡ(ブリッジ)

瑞樹「M-01から連携されているレーダー情報、異常無し……」

早苗「……これ、帰りも同じルート通って帰るのよね」

瑞樹「そうねぇ」

早苗「長い」

瑞樹「仕方がないでしょ」

志乃「……」スー、スー……

早苗「船長なんて寝てるし」

瑞樹「四六時中飲んでるからでしょ。起きたらまた飲むわよ?」

パシュンッ!

愛梨「お疲れ様でーす♪」フワッ

蘭子「闇に飲まれよ!」

早苗「ん? どうしたのボインちゃん、らんらんも」

愛梨「もうっ、ボインちゃんはやめてください~っ! みなさん、ずっとブリッジにいると退屈かなって思って」ゴソッ

愛梨「食堂でアップルパイ作ったんです。どうですか?」

蘭子「うむ、甘美なる誘惑……ふぁぼっ、ふぁふぉい……」モグモグ

瑞樹「あらいいじゃない。1つ貰うわ」

早苗「へー美味しそうね。愛梨ちゃんこういうの得意なんだ」

愛梨「えへへ♪ 本当はこういうことやるのはダメなんですけど、こっそり自分で材料持ち込んでいたから、おばちゃんに頼んで隠れて作っちゃいました」

早苗「ま、いいんじゃない? 食堂爆発させないなら誰も文句言わないでしょ」モグモグ

愛梨「志乃さん……寝ちゃってますね。1つ置いておこうかなぁ……」

蘭子「……」モグモグモグモグ

瑞樹「数日は戦闘も無いし、こっちは元から出撃することもないし、暇になって寝ちゃうわよ」

愛梨「到着予定日まで後19日……メンテナンスポイントも、あとは5日後に予定している1箇所だけですし、もう少しですね」

瑞樹「そうねえ……」

愛梨「アインフェリアもレッスンはほとんど終わりましたし、ニュージェネやLiPPSも無事ですし……」

蘭子「我が眷属、漆黒の騎士と次元を超えし勇者が、間に合えばよいのだが……」ゴクンッ

早苗「まだ掛かってんの?」

愛梨「この前の戦闘で取ったテストデータで、システムのフィードバックも全部おしまいって聞いたから、もう少しだと思うんですけど……」

蘭子「……そういえば」

早苗「ん?」

蘭子「早苗さんたちって、どうして今回の仕事引き受けたんですか?」

早苗「どうしてって……そりゃあ、コレでしょ」

瑞樹「今回、結構良い仕事よね。うちの船長もホント良い伝手持ってるわ」

愛梨「あー……そうですよね、海賊さんですし、やっぱりお金たくさんもらえるほうがいいですもんね」

早苗「……それだけじゃないわよー? どっかの誰かさんみたいに、ぽわぽわしたような子が危ない仕事してるの見てると、何となく不安なのよねー」

愛梨「そ、そうなんですか? それは……そういう子がいるのも、ちょっと困っちゃいますね」

瑞樹「あははっ! そうねぇ」

蘭子「もう昔とは違うから……こ、こんなに、立派に……なって……」グスッ、グスッ……

早苗「まーアンタたちと仕事するのも楽しいからね。何だかんだと長い付き合いだし、声掛けてくれれば一緒に仕事するわよ」

愛梨「本当ですかっ? それじゃあ……今回のプランが終わったら、次は何のお願いしようかなぁ……」

愛梨「今度は……もっと安全なお仕事がいいですよね」

早苗「そうねえ……ま、のんびりやって稼げれば、お姉さんたちはそれでもいいけどね」

……
…………

――フレイヤⅡ(周子の部屋)

周子「そっか。そっちも暇してるんだ」

奏『この前の戦闘で、次の部隊に交代したもの。後は特に何もなければ、現地での出撃まで待機ね』

周子「現地ねー。フレちゃんたちの星、どんなとこなんやろ」

奏『探査ポッドの映像、見ていないのかしら?』

周子「見た見た、外から見た感じだと、地球とあんまり変わんないよね」

奏『まあ、私も地球には行ったことはないけれど……そうね。思っていたよりは、綺麗だったわ』

周子「まー白いのがうじゃうじゃいるって考えるとね」

奏『……ねえ』

周子「なに?」

奏『美嘉と、フレデリカ……どうしているのかしら?』

周子「聞いちゃうんだ?」

奏『別に……少し、気になっただけよ。何となく……』

周子「冗談だって。あんまり喋ってないかなー……フレちゃん、色々やろうとしてるけど」

周子「プロデューサーやありすちゃんもさ、気遣ってくれるときもあるけど……うん、正直上手くいってない」

奏『そう……』

周子「事情は分かってるから、何も言えないんだけどね」

周子「美嘉ちゃんも、撃っちゃったから後ろめたいって思ってるみたいだけど、それもあってかどうなのか……」

周子「近くにいるだけなら何も言わないけど、くっ付こうとすれば突き放す感じ」

奏『……』

周子「気になるなら、戻ってきてもいいんじゃない?」

奏『お断りよ』

周子「あはは、そっかそっか。ま、そっちで上手くやってるならいいんじゃない? こっちは……ま、終わるまで何も無ければいいなーって」

奏『……そうね』


周子「それじゃ、そろそろ切るね」

奏『ええ、それじゃあ』

ピッ!

周子「……」ボフッ!

周子(上手くやれたら、ね……上手く……)

周子「……」スー、スー……


周子「……うん、そっか。そっち上手くいってるんだ。こっちは……ちょっとあかんなぁって」

周子「なーんも無いのが一番なんだけどね。ほんまに」


周子「……」スー、スー……

……
…………

――2週間後、フレイヤ(格納庫)

P「博士、整備長」フワッ

奈緒「新型、仕上がったのか!」

整備長「おう! ギリギリ間に合ったぜ……」

ナオ「ホントにギリギリだったな……間に合わないかと思ったよ」

晶葉「3人とも来たか。シミュレーターでの訓練もやっているしマニュアルも読んでいるとは思うが、一応話しておこうと思ってな」ピッ!

ガショガションッ!

奈緒「おお……これが、新型……!」


晶葉「まずはダブル奈緒の機体だ。NGF-VDPS01Fヴァルキュリアと、NGF-VDPS02Sヴァルキュリアだ。01Fがそっちのナオ、02Sがこっちの奈緒が搭乗することになる」

晶葉「これまでの3N-VPOとは違い、オプション兵装とのドッキング仕様は変更した。両機共にNGFとして単体運用が可能なヴァルキュリアとなっている」

晶葉「機動性、運動性については、どちらの機体も光波推進システムと通常エンジンのハイブリットを採用しているから従来機よりも大幅に向上している」

晶葉「個別の話に移る。01Fはドッキング時にVPSPの役割を担当する。こちらは追加の大型ブースターの標準採用により、更に高度な立体機動戦闘を行うことが出来る」

晶葉「また、試験中だった面制圧用の広域展開兵装についても一部採用している。これもあってドッキング時の武装の大部分は、01Fから選択することになるだろう」

晶葉「次は02Sだ。3N-SDで行われていた近接戦闘、長時間戦闘を考慮し、メインフレームの新造に合わせてフレキシブルスライド装甲を再設計し、耐久性はそのままに機体可動域を増やしている」

晶葉「標準兵装については基本的に3N-SDと同等の物をバージョンアップして採用している。これについては、近接戦闘を行う奈緒の機体操作感を変えないようにしたほうがいいと判断しての対応だ」

晶葉「過去に使用されていたデュランダルⅣだが、今回新規にHCW-704-SDとして再設計している。追加した仕様としてHCW-211に採用したビーム発信機を増設、超硬度の装甲に対する切断力を更に向上させている」

晶葉「これについては奈緒のソードを使用しての撃破率の高さから、ビーム発信機による斬撃を並行利用することで刀身の消耗を抑えるための対応でもある。実質的にセカンドドライバーの専用装備といったところだ」

奈緒「おおおお……専用、専用装備か……」

ナオ「めっちゃ嬉しそうだな……」

晶葉「あとは……NGF同士のドッキングにより3N-VPOよりも重量は増しているが、光波推進システムと大型ブースターの採用でG型相手にも有利に立ち回ることが出来るはずだ」

晶葉「フレームの改良で高機動戦闘中でもドッキングが可能となっている。ドッキング中に二手に分かれての戦闘や、再度のドッキング等、変則的な立ち回りを求められる状況でもシームレスに行うことが出来る」

ナオ「これでドッキングするときのルート確保もある程度はしなくて済む、か……うん、これならいける」

奈緒「ああ……文句なしだ。ありがとう、晶葉」

晶葉「構わん、これが私の仕事だ。次は助手の機体だ」

晶葉「コイツについては、助手が最初に搭乗したVILS-01から始まり、過去全ての機体運用データを元にお前が動かす前提で機体設計をした。VWPS-02PNヴァリアントだ」

P「ヴァリアント……VWPSか」

晶葉「ダブル奈緒のヴァルキュリアと同様にメインフレームの新造とフレキシブルスライド装甲を再設計したが、そこから更にお前用に調整している」

晶葉「機体の基本性能については限界まで引き上げて、お前の操縦に追従できるよう耐久性、運動性のバランスを取った。現時点では、お前の操縦に対応できる機体でこれ以上の物は作れん」

晶葉「また、光波推進システムによる高機動戦闘やドッグファイトについて考慮した結果、新規兵装としてフロートシールドユニットを搭載している」

晶葉「この機体については通常稼働時にも機体表面に微量の粒子膜を展開し、疑似的にHMMに近い状態を維持して飛行する。その粒子を利用し、機体周辺に粒子保護領域を展開する」

晶葉「これと併せて機体センサーが白蜂の針、粒子砲に反応して機体周辺に一時的な粒子シールドを生成して対象の攻撃を防御する。これにより直接的な回避行動を取らなくとも、ある程度立体機動を維持することが出来るはずだ」

晶葉「ヴァリアントについては、標準兵装以上に基本性能の底上げを徹底的に行っている。これでお前が機体を壊してくるなら、こちらはもうお手上げだ」

P「了解した。操作性についてはシミュレーターでもう十分把握している」

整備長「まーこれで、少佐の機体を毎回オーバーホールしなくて済むようになれば、俺たちも助かるんだけどなぁ」

晶葉「出撃の度に機体をオーバーホールさせるのなんて普通有り得んからな。どれだけぶっ壊す気で乗り回しているんだとぶん殴りたくなるが」

P「まあ……それはすまん。俺の操縦が荒いだけだ。整備長にも、いつも手間を掛けさせてしまっているが」

整備長「ま、俺はいいんですけどよ。とっくに慣れちまってるし」

晶葉「後は指揮官用ヴァルキュリアシステムだ。こちらについては現行の改良型から更にシステムテストを行った試作分も含めて、負荷分散、軽減の面において全てテスト結果をフィードバックしている」

晶葉「現時点でもパイロット1人あたりの負荷がある程度軽減されていることもあり、現行稼働しているシステム搭載機全ての負荷を受け持ったとしても、1時間以上の戦闘が可能になっている」

晶葉「お前自身の負荷も、これで相当減っているはずだ。後は、アインフェリアの分をどれだけ受けることが出来るか……」

P「……」

晶葉「今回の機体については3機共、リミッターを掛けている部分も含めてシステムや機体性能に大分余裕を持たせている」

晶葉「マニューバについても今回はHMMとIMMを同時使用できるよう対応しているから、存分に使うことができるはずだ。後はお前たち次第だ……頼んだぞ」

P「……いけるか、2人とも」

ナオ「ああ、大丈夫だ」

奈緒「これで最後にする……コイツと一緒に、今度こそ……!」

……
…………

――数日後、圏外宙域、フレイヤ(格納庫)

晶葉「……」

整備長「博士! M-01から借りてたコンテナ返してくるけど、もう使わねえよな?」

晶葉「ん、ああ……後はこっちが持ち込んでいる分で足りる。返しておいてくれ」

整備長「へい了解」



晶葉「……」

志希「どーしたの?」フワッ

晶葉「志希か……フレイヤⅡはどうした」ピクッ

志希「だって暇なんだもん。フレちゃんもさ、どんよりしちゃってるし」

晶葉「仕方がないだろう。事情が事情だ、何かしてやればいいだろう」

志希「最初はさー、そう思ったんだけどねー」

志希「だけど……」


……
…………

――フレイヤⅡ(艦長室)

フレデリカ「……ねえ、プロデューサー」

P「どうした?」カタカタカタッ!

フレデリカ「……怒らないの?」

P「怒られるようなことやったのか?」

フレデリカ「……」

P「なら、怒る必要はないだろう。何もしていないヤツを、俺は怒らんよ」カタッ……

フレデリカ「……だって、何もできてないんだもん。美嘉ちゃんのこと」

フレデリカ「プロデューサー、アタシに言ってくれたよね。美嘉ちゃんのこと、どうしたいかって」

フレデリカ「アタシが、メッセンジャーとお話ししたときみたいに……美嘉ちゃんのことも、分かりたいって」

P「……もう1つ、俺は話したよな」ピピッ!

P「分かり合う為に一緒にいると……だが、もしかしたらそれは、一生分からないかもしれないことなんだ」

フレデリカ「それじゃあ、アタシが美嘉ちゃんと一緒にいてどうなるの? どうにもならないの?」

フレデリカ「美嘉ちゃんと一緒にゴハン食べたくても、お風呂入りたくても、おんなじところに行こうとしても、美嘉ちゃんはどっか行っちゃって……アタシ、アタシ……」

フレデリカ「リカちゃんのことも、どうしてあげたらいいのかって……やっぱり……分かんない……」


P「そうだな。お前たち2人が、どうなればいいのか……俺にも分からん。だがなフレデリカ、あと1つだけ教えてやる」

P「お前のその悩みと、涙も……1つの答えだ」

フレデリカ「え……?」

P「城ヶ崎少尉……美嘉のことを、理解できなかったとして、お前はその後どうしたい?」

フレデリカ「……どう、しよ」

P「離れて別の場所に行きたいか?」

フレデリカ「……ううん」

P「それでも美嘉の近くにいたいか?」

フレデリカ「……う、ん」

P「お前の悩みと涙は、美嘉を思ってのものだ。誰かの為に悩み、涙を流すことが出来るのは……その人のことを好きでいるからだ」

P「最後にはフレデリカの望んだ結果で終わらないかもしれない。だがどんな結果になろうとも、お前はそれを受け入れるしかない」

ガタッ!


P「フレデリカ、こっちに来い」

フレデリカ「……ん」スッ……

P「昔、俺にこうしてくれた人がいたんだ。俺が悩んでいるとき、自分がどうしたいか分からずにいたとき……こうして膝を貸してくれた」

フレデリカ「……」

P「その人の膝の上で、また悩んで、色々考えもした。だが……それも忘れるほど、穏やかな気持ちになれた」

フレデリカ「……うん、プロデューサー……あったかい……膝、硬いけど」

P「もし、辛くて、苦しくて、結果を受け止められないのであれば、俺がお前を受け止めてやる」

P「だから最後まで悩んで、悩み抜いて、お前自身が答えを出して、美嘉と向き合ってやれ」

フレデリカ「うん……もうちょっとだけ……頑張って、みる……アタシ……美嘉ちゃんの、こと……」

フレデリカ「……」スー、スー……


P「……頑張れ。お前はもう、俺たちと同じなんだ。だから……頑張れ」


……
…………

――フレイヤ(格納庫)

志希「多分フレちゃんって、もうあたしたちと同じ人間なんだよ。だから、悩んじゃって、諦めることや、妥協することが受け入れられないんだよね」

志希「本人は理解してないんだと思う。だけど本質的なところはきっとそう。ビーって元々はお互いで意思疎通し合ってるから、そういう感情は初めてなんだよ」

晶葉「だから、何もしてやらんのか?」

志希「うん。その心はフレちゃんが自分で育てていかなきゃダメだから。あたしだと、全部話しちゃうもん。それじゃ成長にならないし……だから……」

志希「だからカレも、あたしと同じようにフレちゃん自身に任せたんだと思う。けど、ありすちゃんの時みたいに、あたしと違ってカレは加減出来るから、フレちゃんの背中を押してあげることも出来る」

志希「アインフェリアをここまで育てたカレだから、とりあえずはあたしも気にしないんだけどねー」

晶葉「……」

志希「最初の対話でみんな壊れたときは、やっぱりダメだったかーって思ったけど、何とかなるもんだね、ホント」

晶葉「……違うな」

志希「ん?」

晶葉「本来ならば、そんな事態になってしまわないように……その為に、私たちがいるはずなんだ」

晶葉「アイツから事象を聞き、観測も出来た。志希のほうでも初期理論の構築は出来た」

晶葉「だが……私はそれを、完全に実現させることは出来なかった」

晶葉「何が科学だ。私たち科学者は、人の未来の為に科学者として存在しているのに」

晶葉「助手を、アインフェリアを……あいつらを不幸にしてはいけなかった」



『P……さ……たすけ、て……』

『身体が、熱い……みんなが、私に話しかけてくる……たくさんの声が、怖い……』

『皆の……恐れ、恐怖……俺の、中で……俺は……おれ、は……』



志希「そーだね、あたしも同罪。だからここにいる」

志希「だけど、みんながここまで辿り着く為に必要な力は、晶葉ちゃんが与えたモノだから……それは、胸張って良いんじゃない?」

志希「せめてそこだけは胸張っておかないと、みんな不安になっちゃうし……ね?」

晶葉「……ああ。グレイプニールも、NGFも……私の成果だ。何も問題はない……それだけは、信じてやらないとな」

志希「そうそう、信じようよ。自分のことも……みんなのことも」

……
…………

――フレイヤⅡ(ナオの部屋)

ナオ「この戦いが終わったらさ」

奈緒「いやいやちょっと待て、その発言はフラグとしか……」

ナオ「んなわけあるかっ! いや、ほら、ニュージェネが跳躍テストとかやってたんだけどさ」

奈緒「あー……そういやそんなことやってるのも見たな」

ナオ「いまはまだテストしてる最中だけどさ、いつかはそれが完成して、クイーンの力が無くても、安全に奈緒の世界と繋がるようになったら……」

奈緒「そうだなぁ……遊びに行ったり、来れるようになったりするのかな。次元崩壊しないように慎重になってるみたいだけど」

ナオ「これ以上クイーンが穴開けまくったらどうなるか分からないからな……」

奈緒「ま、あたしがこっちの世界にまた来れたのも、その穴見つけて飛び込んだからっていうのもあるし……ていうか、次帰れるのかな……」

ナオ「そんなこといきなり言うなよ……前も帰れたし、次も帰れるんじゃないか……多分」

奈緒「今回は、やること全部やって……それでしっかり終わらせてから帰らないとな。加蓮が……待ってくれているから」


……
…………

――フレイヤⅡ(美嘉の部屋)


美嘉「……」


『それでね、アタシ絶対ぜーったいアイドルになるんだから、お姉ちゃんみたいに!』

『だからアタシもお願いして、ナシヤマのオーディション受けにいくから! そっちに行くときは、お姉ちゃんのトコに泊まっていーい?』

『あとね、この間チョーイケてる新しいお店が出来たんだけど、おかーさんお小遣いくれなくてさー、まだ行けてないんだよねー』

『それでね、この前お姉ちゃんが話してくれた雑誌、おかーさんが買ってきてくれたんだけどさ。お姉ちゃんメッチャキマッてたもんね!』



美嘉「……」


P『フレデリカのことを、信じてやってくれ』

奏『仲良くしてあげて。あの子も、貴方と仲良くしたいって思っているから』


美嘉「莉嘉……」


……
…………

――数日後、圏外宙域、ノルンM-01(メインブリッジ)

「S-01から待機通知が届きました。探査ポッドの再射出を実施するとのことです」

ちひろ「ま……待機通知っていっても」

ピピッ!

「対象惑星、スクリーンに出ます」

「生き残っているポッドからの映像、順次切り替えていきます」

ちひろ「前回ばら撒いてここまで辿り着いたポッドが捉えた映像と同じ……当たりですね」

P『撒いたポットが物凄い勢いで食われていくな。さすがに白蜂もこちらの位置を捉えたか……』

ちひろ「そうですね……クイーンは宙域にはいない、となれば……」ピッピッピッ!

楓『あの緑の星……そこにいるのかしら』

愛梨『綺麗ですねー。どんな星なんでしょうか?』

ちひろ「綺麗って……観光に来るだけならよかったんですけどね」

ピピッ!

「S-01から全体通知です。惑星周辺の白蜂、及び蜂の巣が移動を開始したのことです。移動先は……」

ちひろ「光学レーダーの映像をスクリーンに回してください」

フォンッ……

ちひろ「……こちらにまっすぐ向かってきていますね。ま、そりゃそうですか」

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

P「フレデリカ、白蜂から何か感じ取ることは出来るか?」

フレデリカ「……わかんない。いつもみたいに、怒ってるだけ」

周子「……めちゃくちゃな数やね」

志乃「GS型、G型……数えるのも面倒……」

早苗「前に相手したの、どれくらいの数だったっけ?」

P「大規模級との戦闘の話であれば、恐らくそれよりも遥かに多い。現時点でレーダーで捕捉している数で140……全て白蜂だ。巣は3つ、大規模級程はありそうか……巣の中にもまだまだいるな」

美嘉「これ、全部……これだけじゃなくて……」

瑞樹「あの星にもいるかもしれないってことね、分かるわ」

フレデリカ「みんな……もう、いなくなっちゃったのかな。みんな、アイツらに……」

加蓮「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ。クイーン、ここにいないなら……」

ピピッ!

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

ナオ「これは……加蓮!」

加蓮「フィールドジェネレーターに反応……次元振動!?」

奈緒「ってことは、空間転移か……!」

……
…………

――ノルンS-02(メインブリッジ)

「空間転移を確認! 一部の探査ポッドがクイーンを捕捉しました!」

時子「スクリーンに出しなさい」

フォンッ……

千秋『これは……あの星のすぐ近くに……財前大佐!』

時子「こちらを迎える気があるのかどうか……まあ、少なくても」

「宙域の白蜂、蜂の巣は進行を続けています! 減速は確認できません!」

菜々『白蜂たちにとっては、いつもと変わらない……ですね』

翠『ではやはり戦闘に……』

「S-01から全体通知、待機状態を解除、コンディションレッドに移行しました!」

時子「チッ……ここからだと、あの馬鹿達の歌も意味はない……戦闘準備をしなさい」

琴歌『わかりましたわ。わたくしたちの為すべきことをしましょう』

時子「M-01とフレイヤ、フレイヤⅡに個別回線を繋ぎなさい」

ピピピッ!

ちひろ『はい、はい……戦闘準備ですね』

P『フレイヤⅡは予定通り出撃させる。フレイヤは……』

時子「恐らく、こちらの戦力は分断させることになる……前線部隊の消耗を少しでも抑える為に、アインフェリアは出しなさい」

美波『了解しました。アインフェリア隊、宙域ライブを行います』

時子「退避判断は楓が出しなさい。そのタイミングになる可能性はあるわ」

楓『そうですね。宙域から場所を移して星で後半戦をするかもしれませんし、どこかで切り上げないといけませんね』

P『では俺は出撃準備をする。高垣中佐、フレイヤをお願いします』

楓『はい、いってらっしゃい』


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

パシュンッ!

志乃「彼も行ったわね……さて、戦闘準備よ。出撃、頑張りましょうか」

ナオ「今回の戦闘は、アインフェリアの歌をクイーンに届けることだ。通常の攻略戦とは違う、消耗戦になる前に誰かがクイーンのところまでいかなきゃならない」

ピピッ!

加蓮「ありす大尉がいないからこっちで説明するけど、今回は後方支援担当のノルンS-06以外のノルンS-01、02、03、05、09、M-01、それの搭載艦はすべて前線になるから」カタカタカタッ!

加蓮「それ以外の補給部隊やモリアン艦は護衛のヴェールと一緒に宙域から離脱。基本的な立ち回りはプランV2と同じ」

加蓮「前線ノルン艦隊の脇にフレイヤを配置して、アインフェリアの宙域ライブを実施……ナオが言った通り、誰かがクイーンのところに行くまで、アインフェリアは歌い続ける」

奈緒「前線部隊もそうだけど、アインフェリアのことも考えたら、どうあれ長期戦は出来ない。時間との勝負でもある」

周子「だからあたしたち全員、フレイヤとフレイヤⅡは温存だったからねー」

ナオ「プランV3のメインでもあるからな……艦隊の進行ルートの確保はニュージェネ側の仕事だ。それは向こうに任せよう」

ピピピッ!

ありす『すみません、こちらの準備もあってブリッジに行けない状態で』

フレデリカ「メッセンジャー! ううん、大丈夫だよー」

ありす『こちらもフレイヤの専用ステージの展開準備に入っています。フレイヤⅡはM-01から出撃し前線の強襲艦隊に加わってください』

志乃「ええ……そっちも、よろしく」

ありす『最善を尽くします。P少佐は?』

ナオ「志希と一緒に医務室に行ったよ。すぐフレイヤのほうに行くはずだ。あたしは先に済ませたから大丈夫」

ありす『わかりました。では……お願いします』

ピッ!

奈緒「……よし、あたしたちも出撃だ」

……
…………

――フレイヤⅡ(医務室)

プシュッ!

志希「はい、おしまい♪」

P「……」グッ!

志希「キミはアインフェリアと、戦いに集中して。キミ自身が、やらなきゃならないことを見失わないで」

P「ああ、分かっている。手間を掛けさせてすまんな」

志希「まあまあこれくらいはねー。降下する事態になったら、早めに環境情報は取るようにするから心配しないでね」

P「俺や蘭子なら大丈夫だ。それに、恐らくは奈緒も」

志希「ま、それもそっか♪ 他のメンバーは苦労しそうだねぇ」

P「その為の訓練は行っている。後は本人たち次第だ」

パシュンッ!

P「では行ってくる。博士、後は頼んだぞ」

志希「あたしじゃなくて海賊たちが頑張るんだけどねー。にゃはは、そっちも頑張って♪」

P「当然だ」

……
…………

――フレイヤ(通路)

P「いた……皆」フワッ

美波「Pさん……!」

文香「準備のほうは……よろしいのですか?」

P「ああ。ここから格納庫に向かってカタパルトに移動する。皆は、大丈夫か?」

藍子「はいっ、準備はしてきましたから」

夕美「今度こそちゃんと想いを届けようって、みんなで決めたもんね」

ありす「はい。だからPさん……私たちのことを信じてください。そして、戻ってきてください」

P「必ず戻ってくる。皆の歌が俺の中に響く限り、俺は死なん」

美波「簡単に言うんですから……でも、それなら私たちも、安心してステージに立つことができます」


P「……アインフェリア隊、これよりフレイヤは長距離航行プランの主目的、プランV3の実行に移る」

P「宙域に出た後、専用ステージ上で宙域ライブを実施、クイーンとの相互理解を図り、戦闘を終了させることが今回の任務になる」

P「皆の負担が大きいことは分かっているが……頼んだぞ」


「「「「「はい!」」」」」


……
…………

――フレイヤⅡ、カタパルト(機体内)

瑞樹『フレイヤⅡ、ノルンM-01から出撃して宙域に出たわ。ハッチ開放、出撃していいわよ』

ナオ『加蓮、ウィングバインダーとアサルトパックは大丈夫か?』

加蓮『うん、シミュレーターも回してるし大丈夫、ちゃんとやれるよ』

奈緒「頼りにしてる。あたしとナオの後ろは任せた」

加蓮『心配しないで。私より、LiPPSのほうが心配でしょ?』

奈緒「……ま、何だかんだで上手くやってくれる、そう思っていいんだよな?」

周子『そうするしかないでしょ? まあまあ、ゆるーく頑張るからさ。いいよね、フレちゃん、美嘉ちゃん』

フレデリカ『オー! 美嘉ちゃん、友情パワーで頑張ろー! 待ってろクイーン!』

美嘉『とにかく、ここまで来て四の五の言ってられないでしょ。やることはしっかりやるから』

ナオ『……ああ、その勢いで頼んだぞ』

ピピピッ!

整備長『お前ら、しっかり頼むぞ!』

志希『頑張ってねー♪』

おばちゃん『気を付けて行っといで。終わったら何でもご飯作ってあげるから』

奈緒「そっか。よし、それじゃあ行くか……!」

周子『りょーかい。LiPPS、出撃するよ!』

美嘉『行くよ!』

フレデリカ『はっしーん!』


加蓮『それじゃ、私たちも行こっか』

ナオ『ああ……NGF-VDPS01Fヴァルキュリア、出るぞ!』ガションッ!

奈緒「あたしがここに戻ってきた理由……今度こそ、選ぶ為に……」

奈緒「……神谷奈緒、NGF-VDPS02Sヴァルキュリア、出撃する!」

……
…………

――ノルンS-02、カタパルト(機体内)

菜々「ARGT-R4のシステム起動、疎通確認完了です」ピッ、ピッピッ!

『Union』
『Striker』
『Armord』
『Module』
『In』
『Next G』

菜々「これで……」

ピピピッ!

卯月『ニュージェネレーション隊、全員出撃しました!』

千秋『ブリヤントノワールも出たわ。戦闘中は、お互いに上手くやりましょう』

翠『奏さん、戦闘中のマニューバについては気を付けてください。何かあれば連絡をお願いします』

奏『ええ……了解』

智絵里『私も出撃しました。菜々さん、ARGT……大丈夫ですか?』

菜々「……はい、やれます。いつも通り、バッチリです!」ギュッ!

菜々(ナナは……)

『出撃準備完了、発進タイミングを安部中尉に譲渡します』

菜々「……RS-01、安部菜々、出撃します!」


……
…………

――フレイヤ、カタパルト(機体内)

P「標準兵装確認、粒子制御システム起動確認……」カタカタカタッ!

P「ヴァルキュリア各機もすべて出撃したか。システム対応機の識別コードを確認」パチッ、パチッ!

愛梨『P少佐、私たちのほうも機体チェック完了しました』

蘭子『宵闇を舞い、魂の鼓動を響かせる為の我が力……ブリュンヒルデは今、覚醒の時を迎えた』

P「出撃後のマニューバについては予定通り頼むぞ」

愛梨『はーい。あ、そうですP少佐、アインフェリア隊、大丈夫そうでしたか?』

P「大丈夫だ。皆も落ち着いていた。俺たちは信じていればいい」

蘭子『はい。私たちもいつも通り、頑張りましょう』

ピピピッ!

美優『Pさん……』

P「美優……どうした?」

美優『帰ってきてください。私のところに……必ず……』

楓『私たちのところに、じゃないですか? 独り占めですか?』

美優『あっ!? い、いえ、そういうわけじゃあ……』

P「何やってんだか……俺は大丈夫だ。2人も気を付けて。アインフェリアのことは頼んだぞ」

楓『あ、はい、そこは心配しないでください。晶葉ちゃんも準備が終わったらブリッジに上がってくるみたいですし』


ピピピッ!

晶葉『助手よ、専用ステージの生命維持装置の最終チェックは完了した。お前が出撃した後にフレイヤは積層イージスを展開させる』

P「了解した。ステージの状況については何かあれば俺に知らせてくれ」

晶葉『ああ。こちらの面倒は見る。お前たちは気にせずに行ってこい』


愛梨『それじゃあ行きましょうっ! Pさん、蘭子ちゃん!』

蘭子『はい! NGF-F-VPS13フォートレス、発進します!』 

P「さて……行くか。VWPS-02PNヴァリアント、出撃する!」ガションッ!


……
…………

今日はこれで終わります。多分次が最後です。

――戦闘宙域

P「LiPPS小隊応答しろ、戦闘準備は大丈夫か」

ピピピッ!

周子『はいはーい、LiPPSでーす。VP-005、006、007全員準備完了だよ』

P「了解した。LiPPS小隊の識別コードはVPS-002だ。こちらはラピッドストライカー小隊と共にVPS-001小隊になる」

ナオ『菜々さんは今回の戦闘ではニュージェネと智絵里と統合しているから、一時的にコンコルディア隊所属になってる。間違えないでくれよ』

加蓮『こっちのほうが元部隊メンバーも含めて人数多いしね』

フレデリカ『コッコ隊大丈夫かな……』

奈緒『智絵里なら大丈夫だよ。フレデリカはこっちで頑張ってくれ』

フレデリカ『うん! 美嘉ちゃん、ガンバロー!』

美嘉『P少佐、前線見て!』

P「前線部隊のヴェールの配置も済んだか……ある程度クイーンに接近するまで、こちらは他部隊の援護も行う。前線のラインを上げねばならん」

ピピピッ!

ちひろ『こちらM-01です。所属部隊に連絡、クイーンの粒子砲については反応を確認次第こちらから展開しますので対応をお願いします』

ちひろ『また、クイーンの背後の星……暫定惑星Bについては降下する事態になった場合は速やかに付近の艦に着艦するように』

P「こちらVPS-001、了解」

周子『VPS-002も了解』

ピピピッ!

瑞樹『前線、先頭に出てるNGF小隊と白蜂がそろそろぶつかるわよ。距離は1000!』

P「了解した。よし、これより俺たちも戦闘を開始する。北条少尉、ブースターユニットは可能な限り増設しているな?」

加蓮『はい、不要になった分は順次パージしていきます』

P「こちらとのマニューバが困難になったらLiPPSと合流して行動しろ。それまでは頼むぞ」

蘭子『機体性能差も結構あるから……』

愛梨『加蓮ちゃん、無理はしないでくださいね!』

加蓮『了解です。奈緒!』

奈緒『よし、こっちも行くぞ。LiPPSも落ちるなよ!』ガションッ!

美嘉『分かってる!』

フレデリカ『待っててね、クイーン!』

……
…………

――戦闘宙域

GS型「!!」ギュンッ!

翠「ロングライフル、ガラティーンを照準……索敵範囲内の白蜂を牽制します!」ガションッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

GS型「!?」ドガアアアンッ!!

翠「良い具合です。P少佐からお借りした武器、上手く使いませんと」ピピピッ!

智絵里『な、菜々さんとニュージェネは弾幕をお願いしますっ! 千秋さん!』ギュンッ!

千秋『各機、展開されている進行ルートを確認しつつ障害を排除するわよ』

翠「申し訳ありませんが、援護をお願いします」

凛『了解!』

卯月『弾幕展開も頑張ります!』ボシュシュシュシュッ!!

未央『ウサミン中尉! デカいのお願いします!』

菜々『はい! ARGTの腕部装甲展開、索敵範囲のG型とGS型にターゲット……!』ピピピピピッ!

ガショガショガションッ!!

菜々『いきますよ、ウサミンホーミングミサイル!!』ボボボボボボボボッ!!

ドガガガガガガァンッ!!!!

千秋『流石、うちの会社の強化兵装ね。相変わらず大したものだわ……はぁっ!』ブォンッ!

シュパアアアアンッ!!

G型「……」ブ、ブブブ……

ドガアアアアアアンッ!!

智絵里『G型は通しちゃダメだから……ええいっ!』ドシュウンッ! ドシュウンッ!

G型「!?」ドガァァァンッ!

ピピピッ!

琴歌『こちらフレイ、これより強襲艦隊によるミサイル攻撃を行いますわ』

桃華『着弾範囲を転送しますわ。各機避けてくださいまし』

かな子『アルヴァルディ発射します。射出後、次弾装填準備に入ります!』

ドガガガガガガァンッ!!!!

凛『こっちの出だしは大丈夫……P少佐たちのほうが……』

菜々『あちらは遊撃部隊として編制されています。プランV3の対応についてはP少佐たちのほうが率先して行いますし、ナナたちはこっちを頑張りましょう!』

卯月『は、はいっ!』

……
…………

――戦闘宙域

蘭子「愛梨ちゃん、GNS-071小隊のほうに!」ギュオオオオオッ!!

愛梨「はい、GS型6匹、G型1匹にターゲットロック……ガンダルヴ、射出します!」バシュシュシュシュンッ!!

蘭子「これだけの誘導兵装があれば、後はマニューバで!!」ガションッ!!

GS型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

愛梨「そこです!」ドシュゥンッ!!

GS型「!?」ドガアアアアアンッ!!

G型「!!」ギュンッ!

蘭子「この先は通さん……我が魔力を込めた刃の一撃を……!」ブォンッ!

シュパアアアアアンッ!!

ドガアアアアンッ!!

蘭子「うむ、偶像の象徴と共にあるのならば……!」

愛梨「Pさん奈緒ちゃん、マニューバは分かれましたけどそっちは大丈夫ですか?」

ピピピッ!


……
…………

――戦闘宙域

奈緒「ああ、まだ大丈夫だ……!!」

P『クイーンに向かうには巣を突破しなければならないか、大きく迂回するべきか……』

G型「……!」

G型「……!」

G型「……!」

『GNS-063から065、集団で動いているG型がいる。突破されるぞ!』

『まだ弾幕が効いている! 牽制して立体機動戦闘に持ち込ませるな!』

ナオ『この状態じゃまだルート算出をしている余裕は無いな……こっちの前線が上がらないと下手に動くことも出来ないし』

奈緒「なら前線部隊の頭を叩いて流れを作るか。Pさん、加蓮!」ガションッ!

ナオ『よし、2人は前に出てくれ。あたしと加蓮で弾幕を張る。いけるか?』

加蓮『大丈夫。P少佐、マニューバは?』

P『コンビネーションマニューバはH04で行く。奈緒、G型を優先するぞ』

奈緒「わかった、GN形態に移行……行くぞ!」ドシュウウウウンッ!!

P『光波推進システムの状態確認、ビームウィングを展開……ハイパーマニューバに移行しなくとも……!』ガションッ!

G型「!!」ギュンッ!

奈緒「そこだ!!」ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

G型「!?」ドガアアアアアンッ!!

P『ようやく速度で貴様たちを上回ることが出来たか! これで後れを取ることは無い!!』ヒュカカカッ!!

G型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

P『遅い、ドラウプニル!』ガションッ!

ドガガガガガガッ!!


『その機体……プランV3のところか!』

ナオ『G型はこっちで優先して抑える。他の部隊は足並み揃えて進んでくれ、M-01とフレイヤをクイーンに近づけるのが優先だ!』

『そちらはプランの実行を優先してくれ……と言いたいがこちらも少しばかり苦しい。すまないが頼んだ』

加蓮『ちょっとあの2人メチャクチャ動きすぎ……バルムンク照準、2人とも、当たらないでよ!』

G型「!!」ズドォンッ!!

P『粒子砲か、だが!』ヒュバアアアアア……

P『フロートシールドユニットか。ピンポイントの防御だがイージスよりも燃費がいい。これなら!』ズドォンッ!!

ドガアアアアアンッ!!

奈緒「いやあんまり無視して突っ込まないでくれよ。こっちだって追いつくの大変なんだから……」

P『っと……そう、だったな。すまん』

ピピピッ!

志乃『前線……強襲艦隊のミサイル攻撃が入るわ。後方の白蜂の群れ……分断させるから、前はよろしく』

早苗『いくわよー! 今のうちに動いて数減らしなさいよ!』

ドガガガガガガガァンッ!!

奈緒「この調子のまま進めればいいけど、クイーン……!」ギュオオオオオッ!!


……
…………

――フレイヤ(専用ステージ)

晶葉『前線部隊については現状問題はない。クイーンの粒子砲が来ない限りはこのまま動くとは思うが、艦が大きく動いた時は気を付けてくれ』

美波「大丈夫です。博士にも手間を掛けさせてしまいますけど……」

晶葉『これが私の仕事だ。お前たちは何も気にしないでクイーンと向き合ってくれ』

楓『お願いしますね。あ、降下する事態になったら一旦中に戻ってくださいね』

ありす「分かりました。そのときは連絡ください」

ピッ!


藍子「……いよいよですね」

文香「はい……もう、何度目になるのか」

夕美「でも、本当はこんなこと……しなくてよかったら……」

ありす「違います。しなければならないから戦っているんです。私たちと、クイーンと……分かり合う為に」

夕美「……うん、そうだね。みんな、ここにいるから……たぶん、同じ気持ちなんだよね」

美波「ええ、きっとそうなんだって……私たちは信じていないと。だから、クイーンには分かってもらわなきゃならない」

文香「貴方の、思う心は……私たちと同じかもしれない……怒りの心も……だけど、そう望んだのは……何より……」

藍子「あなたの子供たちが選んだ道は、とっても明るい、未来に向かう為の道だって……ちゃんと、分かってもらいませんと」

ありす「もし逆の立場だったとしたら、私たちでは選べないかもしれません。だから、その思いは……必ず伝えないといけません」

美波「ええ……だからみんな、行きましょう」


美波「私たちの、アインフェリアとしての……使命の為に!!」

「「「「はい!!」」」」


……
…………

――戦闘宙域

https://i.imgur.com/mfBoJbC.jpg


周子『おー始まった。まあまだ、あっちまで届かないんだろうけど』

フレデリカ「メッセンジャーの歌……美嘉ちゃん、がんばろ!」

美嘉『分かってる! そっちも手抜かないで!』

GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!

フレデリカ「みんな!」ギュンッ!!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

GS型「……!」ヒュカカカッ!!

ズドォンッ!

フレデリカ「メッセンジャーの歌だよ! アタシたち、この歌があったから……だから、みんなも聞いて!」

周子『あんまり激しくなっちゃダメだからねー。マニューバ、Y02で行くよ。フレちゃん、よろシューコ』

フレデリカ「あっ、うん! 美嘉ちゃん、アタシ前出るから!」ギュンッ!!

周子『美嘉ちゃんも左側頼むよ。あたし右やるから』

美嘉『り、了解……このっ!』ガションッ!

ズドォンッ!!


……
…………

――戦闘宙域


智絵里『前線のラインが上がってる……このまま進めば!』ギュンッ!!

翠『千秋さん、マニューバを!』

千秋「ええ、合わせて頂戴! P少佐!」

ピピピッ!

P『アインフェリアの宙域ライブが開始されたのを確認した。進行状況は順調だ。ヴァルキュリアシステムはどのタイミングで使っても構わん』

千秋「そのつもりよ。ヴァルキュリアシステム、起動!!」

『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!

翠『P少佐、ご負担にさせてしまって申し訳ありませんが……!』パシュゥンッ!

P『構わん。長引いた場合、1時間を目途にしてくれ。それまでは各機好きにしてくれ』

未央『はい! こっちも行くよ!』

智絵里『みんなの機動力が上がってる……!』

菜々『智絵里ちゃん、ナナたちはGNブーストで行きましょう! あ、ナナのほうはARGTだから使えないんでした……』

智絵里『は、はい! GNブースト、起動します……!』ピピッ!

GS型「!!」

智絵里『連続稼働はできないけど……動けるときに……!』ギュンッ!

ドガガガガァンッ!!

菜々『はい! アインフェリアが元気なうちに頑張りますよ!』



https://i.imgur.com/nSDKlsu.jpg


……
…………

――戦闘宙域

https://i.imgur.com/E6BHhlC.jpg

ピピピッ!

奏「アインフェリアの宙域ライブが……始まったのね」ピピピピピッ! ピピピピピッ!

GS型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!

奏「このっ……ダインスレイヴ!」ガションッ!

ズドォンッ! ズドォンッ!

ドガアアアアアアアンッ!!

奏「まだ始まったばかりよ。落ちるわけにはいかないわ……!」

ピピッ、ピピッ

奏「……周子たちも、まだ大丈夫そうね。あっちには、P少佐や奈緒たちがいるから……当然よね」

奏「私は……」ギュンッ!!

ドガガガガガガッ!!

GS型「……!」ドガアアアアアンッ!!

奏「私……は……」


https://i.imgur.com/OgilBIp.jpg


……
…………

――戦闘宙域


https://i.imgur.com/UdzzfCq.jpg


P「黒川少佐たちがシステムを起動したか。ならこちらも……!」

『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!

パシュウンッ!!

P「指揮官用ヴァルキュリアシステムを起動、各機のヴァルキュリアシステムとのデータリンク正常……!!」ドクンッ!

P「……以前よりも体が軽い。問題ない」

P「出撃済のシステム搭載機12機中7機が起動。奈緒や蘭子たちはまだ通常飛行で大丈夫か。アインフェリアの分のシステム負荷もここで受ける……!」カタカタカタッ!

ピピピッ!

愛梨『P少佐、前線ラインが上がってきていますよ。抜けるタイミングを作りますか?』

奈緒『いやまだ早い。3つの巣からどれだけ増援が出てくるかもまだ分からないし、クイーンがどう動くつもりなのかも見えてない』

ピピピッ!

瑞樹『一応前線なら消耗状態もそこまで早いペースじゃないし、まだ十分やれるわね。後々でもう少し有利な場面も出るかもしれないわよ』



https://i.imgur.com/AFKKE4O.jpg


P「……可能であれば……いや、もう少し待とう。時間は限られているとはいえ、前線が優勢であるならば確実に動いておきたい」

愛梨『はーい。それじゃあもう少し頑張りますね』

P「十時大尉も、必要であれば神崎中尉とヴァルキュリアシステムを起動して構わん」

愛梨『まだ大丈夫ですっ! 蘭子ちゃんと一緒ならまだまだ頑張れますから!』

ナオ『あたしたちのほうはドッキングしたらシステム使わなきゃ機体捌けないからな……そのまま2人乗りは無理だな』

愛梨『えへへっ、蘭子ちゃんといつも一緒ですから♪』

蘭子『あ、愛梨ちゃーん……管制ちゃんと見て……』

愛梨『あっ、はーい』

P「……まあいい。判断は間違えないだろうから、そちらのタイミングに任せる」ギュンッ!

GS型「……!」ヒュカカカッ!!

P「遅い!」ブォンッ!!

シュパアアアアンッ!!

ドガアアアアアアンッ!!


ピピピッ!

P「俺だ」ピッ!

周子『少佐、こっちも2人、システム起動したからね』

P「こちらで確認できている。問題はないか?」

周子『いまのところは大丈夫。こっちは予定通り前線ラインに混ざって動いてるけど、極端に押されてるところもないし』

P「それないい。何かあれば連絡をしてくれ。フレデリカ、美嘉」ピピピッ!

美嘉『はい』

フレデリカ『なーに?』

P「……クイーンの動きはまだ見えないが、このまま前線が優勢であればこちらのメンバーの誰かがクイーンのところまで飛ぶことが出来る」

P「長期戦も視野に入っている戦闘ではあるが、アインフェリア側の負担を考慮すると長引かせるわけにはいかない。頼んだぞ」

フレデリカ『うん、フレちゃんに任せて!』

美嘉『アインフェリアの代わりに前に出るのがアタシたちの仕事なんだから、それくらい当然!』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

P「全軍通達……!!」

時子『前線の各機、クイーンの周囲に高エネルギー反応が確認されたわ』

ピピッ!

時子『ヤツの粒子砲の有効範囲を転送したわ。急いで射線上から退避しなさい!』

奈緒『来たっ!!』ガションッ!!

P「流石前回とは違って今回は発見が早い。各機、GN形態に移行して射線上からなるべく離れろ」

瑞樹『ちょっと喋ってる間にもう……粒子砲、来るわよ!』


https://i.imgur.com/RCo0Okr.jpg


……
…………

――戦闘宙域


女王「……」ギ、ギギギギ……

キィィィィン……

女王「……!!」

ギュドォォォォンッ!!!!


――キィィィンッ!


……
…………

――フレイヤ(専用ステージ)

キィィィンッ!!

美波(ダメ! クイーン……まだ、ここからだと私たちの声が……!)

ありす(その光は、あなたの大切なものを守るための光……だけど、その光で失われるのも……)

文香(貴方の、大切なもの……ですから、どうか……!)

夕美(やっぱり、見失ってる。怒って、悲しくて……だから、気付いてもらわないと……)

藍子(お願いします。Pさん、奈緒ちゃん……みんな……!)


……
…………

――戦闘宙域


ドドドドドドドドドドッ!!!!


『回避だ! 各小隊、今の粒子砲で損害が出たところは報告しろ!』

『サブブリッジ、S-03の全システムの稼働状況を確認しろ! 異常があればリカバリに入れ!』


ナオ『くっ、効果範囲が広すぎる……!!』ギュオオオオオオッ!!

奈緒『加蓮、大丈夫か!』

加蓮『私は大丈夫! P少佐、他のみんなは!』

ピピピッ!

志乃『こっちは……大丈夫よ』

楓『フレイヤも大丈夫です。アインフェリアの専用ステージも特に問題有りません』

P「了解した。システム起動済のヴァルキュリアとは疎通状態を維持している。艦も無事であるなら問題ない」

フレデリカ『クイーン……もうっ、クイーンのおバカ! そんなことばっかりやって!』

周子『フレちゃんプリプリするのはストーップ。あたしらが回避したところ、前線ラインの穴になるからカバーしに行くよー』

ナオ『P少佐、あたしたちも一度LiPPSと合流しよう。この前の戦闘みたいに後手に回るのは避けたほうがいい』

P「了解した。VPS-001と002は一度合流だ。合流後は――」


――キィィィンッ!


P「……っ!」ビクッ!

P「……合流後は、前線ラインが整うまで纏まって行動する。その後は状況に応じて別途立ち回る」

P(またこの感覚か……まだ、まだ持ってくれ。始まったばかりなんだ……この前のようになるわけにはいかない……!)


……
…………

――ノルンM-01(メインブリッジ)

「艦長、前線各部隊からの応答がありました。被害状況の集計出します」

ちひろ「完全回避、とまではいきませんよね……被弾した機体については必要であれば随伴機を立てて帰艦させてください」

ちひろ「小隊編成を維持できなくなった隊については再編成リストを展開します。対象部隊は一度下がって、識別コードの振り直しを」

ピピピピピッ!

「S-02から通信です」

時子『そっちの状況は?』

ちひろ「問題ありません。フレイヤについても宙域ライブは問題なく続行しています」

時子『チッ……戦況としてはこちらのほうが優勢ではあるけれど、クイーンが出ている限りは立て直しの手間が掛かるわね』

ちひろ「仕方がありません。どのタイミングで動くかと言われると……」

「艦長! クイーンに動きがあります」

ちひろ「とか言ってるうちに……スクリーンに出してください」

ピピピッ!


女王『……』



ちひろ「後ろに下がって……? いえ、これはもしかして」

時子『後ろの星に向かって降下する気なのか……』

ちひろ「フィールドジェネレーターは?」

「最初の空間転移による次元断層は残っていますが、新たな次元振動の発生は確認できません。断層レベルは10を維持しています」

ちひろ「まだ断層が……そうですか、そのまま落ちていくつもりですね……財前大佐」

時子『艦隊を分けることになるわね……予定していた通り、降下部隊は移動するわよ。S-01と確認して展開するわ』ピッ!

ちひろ「今のうちに、前線部隊の交代を。予備部隊を出して、戻した部隊は補給後に降下準備に入ります」


……
…………

――戦闘宙域

ピピッ!

奈緒『クイーンに動きが……』

加蓮『これ、後退してる?』

P「ブリッジ、クイーンの状況は確認できるか?」

ピピピッ!

志乃『たった今、M-01から通知が来たわ……女王様、星に帰るみたいね』

ナオ『星に戻るのか? だったらこれから……』

瑞樹『艦隊を分けて降下準備に入るわ。S-01、S-02、M-01のノルン、及び所属する強襲艦隊は降下準備に入るわ』

瑞樹『みんなも、ほどほどにしてこっちに戻ってきて頂戴。今のうちならギリギリ収容まで間に合うし、間に合わなかったら甲板で待機してもらうわよ』

ナオ『どうするP少佐?』

P「クイーンの粒子砲で出来た前線の穴をカバーしている最中だが……ここで戦力を分けると宙域で戦闘する部隊が持たないぞ」

ピピピッ!

ちひろ『そこは頑張ってもらうしかありませんね。私たちだって降りた先がどうなってるか分かりませんし』

P「くっ……フレイヤ、アインフェリア隊の宙域ライブは一時中断だ。メンバーはヴァルキュリアシステムを維持したまま艦内に戻して降下準備に入ってくれ」

楓『わかりました。そちらはどうしますか?』

P「こちらはギリギリまで戦闘を行う。互いに苦しい状況になるだろうが、宙域の白蜂は少しでも減らしておかなければならん。志乃さん、悪いが付き合ってもらうぞ」

志乃『あら……ふふっ、分かったわ』

早苗『うへぇ……下がったっていいじゃないの……』

美優『後方支援の……S-06が上がってくるそうです。それでも、大規模の巣が3つの状態で、ノルン艦4隻では苦しいとは思いますが……』

P「だがやるしかあるまい。ブリヤントノワール、ニュージェネレーション、聞こえるか?」

ピピピッ!

千秋『聞こえているわ。降下準備ね?』

P「ああ。艦隊の進行ルートの確保をしていたそちらのほうが消耗が激しいだろうから、そちらは先にフレイに帰艦しておけ」

千秋『了解。ニュージェネ―レーション隊もいいわね?』

未央『はいっ! ってP少佐たちはまだ前線残るんだ……』

P「ギリギリまで数を減らしてから俺たちも動く。降下するときは同じタイミングだ」

美嘉『って喋ってるのはいいけど! こっち結構来てるよ!』ズドォンッ!!

蘭子『微かな隙を突いてくるとは……女王の意思ではなく、本能がそうさせているのか……!!』ギュンッ!!

G型「!!」ドシュシュシュッ!

奈緒『針か……くっ! ナオ!』

ナオ『抜けさせるかよ! ビフロスト……!』ピピピピッ!

ボシュシュシュシュシュッ!!

P「とりあえずこちらは可能な限り残る。フレイヤはM-01と合わせて降下準備をしてくれ」

……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)

志乃「というわけで……整備長、裏で降下準備、お願いね」

整備長『へい了解! タイミング合わせてすぐやれるようにしとく! そっちも艦の移行は任せたぞ!』

ピッ!

早苗「うひゃー……他所の星に降りることになるとはねぇ」

瑞樹「作戦プランの中にあったでしょう? ほら、弾幕張りながら準備するわよ」

志希「……そうだ、ちょっとS-02、聞こえる? 探査ポッドまだ残ってるの?」

ピピピッ!

時子『煩い』

志希「いやーゴメンゴメン、でもこっちにいるうちにまた撒いてもらわないとさー」

時子『他の調査部隊からも同じ話が来ているわ。今残っている分を撒かせるから、現時点での惑星Bの環境情報の採取はしておきなさい』

志希「そのつもりだってー。それに降下した後も急いでやらないと、アインフェリアを外に出せるか分からないし?」カタカタカタッ!

ピピピッ!

晶葉『こちらのほうでもある程度はやっておく。降下直前に互いのデータを渡して突合せしておくか』

志希「はいはいりょーかい♪」ピッ、ピッ!

……
…………

――数分後、戦闘宙域

ピピピッ!

ちひろ『フレイヤⅡ、VPS-001と002、降下する全艦の準備が整いました。これより戦闘宙域から離れて惑星Bへ移動、クイーンの降下予測ポイントに向かって降下を開始しますよ』

P「了解した。VPS-001、002、これより前線から離れて惑星Bへの降下を開始する。対象艦隊は既に移動を開始している」

P「こちらはフレイヤⅡの甲板に着艦後、機体保護の為にハイパーマニューバモードに切り替えて降下に備える」

周子『りょうかーい。奏ちゃん、何しとるんやろか』

美嘉『……』

P「補給の必要がある機体は間に合うなら艦内に戻って補給だ。必要な機体はあるか?」

愛梨『フォートレスは大丈夫です。弾も節約してましたし、降りてからも十分戦闘できます』

ナオ『加蓮は大丈夫か?』

加蓮『こっちはオプション兵装で増設した分がほとんどだから、むしろ降下した後は軽いほうがいいかも……今のうちに半端に使ってるミサイルコンテナは使い切るから』

P「であれば全機、フレイヤⅡの甲板に着艦する。降下前のマニューバの移行は忘れるなよ」

……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

パシュンッ!

美波「……」ハァッ、ハァッ……

夕美「とりあえず……いったん、休憩……」ハァ……


晶葉「お前たち、よくやったぞ! 艦隊がクイーンに接近しきれずに有効範囲に入れなかったのは残念だが、前線が有利に進んでいたのもお前たちの歌が白蜂に影響していたのもある」


文香「そう、だと……よろしいのですが……」ハァ……ハァ……

藍子「み、みなさんは……?」

晶葉「みんなも降下準備に入ったと連絡が来ている。お前たちは今のうちに休んで、降下後のライブの再開に備えておいてくれ」

ありす「はい……」

晶葉「私は星の環境情報の取得をしなければならん。水や必要な物はカーゴに纏めているから端のほうで休んでくれ」フワッ



夕美「……みんな」ハァ、ハァ……

文香「はい。このまま、では……」

美波「Pさん、ダメです。このままだと……」


……
…………

――戦闘宙域後方

P「くっ、ここまで追いかけてくるか!!」ギュンッ!

ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

GS型「!?」ドガアアアアンッ!!

GS型「……!」ギュンッ!


『少佐! 少佐は降下準備のほうを急いでください!』ギュンッ!

ドガガガガガァンッ!!


P「降下部隊の近くまで白蜂たちも向かっている。もう少し抑えねば……」

『ここは私たちのほうで抑えます! なあに、巣の3つほど、少佐たちが戻ってくるまで抑えてみせますよ』

P「だが……」

ピピピッ!

志乃『時間よ……間もなく、降下開始するわ。貴方が戻ってこないと、私たちだけ置いていかれるわ……』

P「くっ……すまん、苦しいだろうがここは任せた!」ガションッ!

『―Hyper Maneuver Mode Migration―』

ドシュウウウウウンッ!!

『了解! 少佐もお気をつけて!』


……
…………

――惑星B上空宙域、フレイヤⅡ(甲板)

ガションッ!!

P「フレイヤⅡ、ヴァリアントは着艦させた。降下準備に入ってくれ」

瑞樹『もうっ、遅いわよ? それじゃあ降下準備行くわよ。艦全体にイージスを展開!』

ピッ!

P「……ここでは無理だったか」ハァ……ハァ……

P(すまん、皆……もう少しだけ、頑張ってくれ……)

ピピピッ!

P「……なんだ」ピッ!

志希『降下前だけど、一応取得した環境情報見た限りだと大気があるね。ちゃんとデータ取らないとだけど、やっぱり地球と似た環境かも』

P「ビーたちが俺たちの環境に順応するのも早かったし、降下準備もそれを想定しての体制だから、予想通りだ。アインフェリアは外に出せるのか?」

志希『降下終わった後にすぐデータ取って確認するから待ってて。問題無かったらそのままライブやらせるから』

P「ああ、頼んだ」

志希『……大丈夫?』

P「問題ない。まだ1時間も経っていない」

志希『……ま、キミなら大丈夫か』

P「すまんな、気に掛けさせてしまって。志希はそのまま作業を続けてくれ」

志希『……うん、りょーかい』

ピッ!

P「……もう少し、もう少しだ」ハァ、ハァ……


……
…………

――惑星B上空宙域、フレイヤⅡ(甲板)

奈緒「……」

ピピピッ!

奈緒「ん? 個別回線……」

ピッ!

加蓮『奈緒』

奈緒「加蓮か、どうした?」

加蓮『……いまのうちに、言っておこうと思って』

奈緒「いやいやちょっと待て、このタイミングでそんなこと言われると、あたしならともかく加蓮が言うとフラグにしか聞こえないっていうか」

加蓮『何言ってんのよ! その……さ、前は、言えなかったから』

加蓮『奈緒には、ずっと助けてもらっていたのに、あの時、お礼も言う前に帰っていっちゃったから』

奈緒「加蓮……」


加蓮『……ありがとう、奈緒。ずっと私たちのことを助けてくれて。今だって……だから私、あなたに出会うことが出来て、本当によかった』

加蓮『本当は、もっと一緒にいたい。できれば、ずっと……だけど、奈緒には帰る場所があるんだって、ちゃんとわかってる』

加蓮『奈緒の世界の私が、奈緒の帰りを待っているから……だから今度はちゃんと、奈緒が帰ることが出来るまで……私が奈緒を守るから』

奈緒「……いつか、晶葉たちの研究が進んだら、あたしの世界と、この世界はちゃんと繋がることが出来るかもしれない。次元崩壊とか、あたしは難しいことはよくわかんないけど」

奈緒「だから、もしあたしがそのうち帰ったとしても……また会える。あたしだって、加蓮とずっと一緒にいたい。ナオとだって……」

加蓮『奈緒……』

奈緒「信じよう。あたしたちが一緒にいられる未来……平和な世界で、一緒に歩ける明日があるって」

奈緒「それまでは……一緒に戦おう。あたしたちの為に、ビーたちの為に……この世界の為に」

加蓮『……うんっ』


……
…………

――惑星B上空、フレイヤⅡ(ブリッジ)

瑞樹「降下……大気圏? 抜けたわよ! っていうか体が重いわね……!」

志乃「ふぅ……疲れるわね……」

早苗「これ重力でしょ? ってことは……」

志希「回線接続オッケー……晶葉ちゃん!」カタカタカタッ!

ピピピッ!

晶葉『環境情報を採取を開始する。解析データ全部共有に回して急いで片付けるぞ』

志希『りょーかい、アインフェリア待たせちゃったら、クイーンもいつ怒っちゃうか分からないもんねー」カタカタカタッ!

志乃「各機……大気圏みたいな空間、抜けたわよ。キレイなところね……」

ピピピッ!

愛梨『わぁ……ここが……』

周子『ビーの世界……ね。てっきり、赤い空でも広がってるのかなーって思ってたけど』

加蓮『空は青いし、海……みたいなのもあるし、それに……』

ナオ『奥に見える……地面、森……? あたしたちの住む世界と、ほとんど変わらないように見える……』

奈緒『……』

美嘉『……』

フレデリカ『おー、我が故郷だー』

奈緒『……なあ、フレデリカ。ここって、本当にフレデリカがいた星なんだよな?』

フレデリカ『うん、そうだよー。鉄はないなぁー』

奈緒『……あたしたちの住む世界と、ほとんど変わらないんだな。いや、綺麗な景色ってだけなら、ここのほうがずっと綺麗かもしれない』

ナオ『奈緒?』

P『皆、話はそこまでだ。アレを見ろ』

ピピッ!

瑞樹「スクリーンに……あれ、巣?」

早苗「え、何アレ……え、ちょっと、え、デカくない? え、デカいってあれ!」

晶葉『アレは……大地に埋まっているが、コロニー級の巣か……? ノルン級の巣とほぼ同サイズのクイーンが入れるほどの……』

P『クイーンは上空で移動し続けているが、降りる気はないのか……? いや、だが……』

フレデリカ『……あそこでね、アタシたち、生まれたんだ』

周子『へー、それじゃああそこがフレちゃんの実家かー』

フレデリカ『うん、でもみんな、ゴハンも無くなって、どこ探しても何もなくて、だから……』

P『……』


ピピピピピッ! ピピピピピッ!

瑞樹「警報!? あ、ちょっとみんな!」

志乃「降下してきたの……どうやら、クイーンと私たちだけじゃ、ないようね」

P『くっ、このまま降下が完了してクイーンに接近出来ればよかったが……!!』

奈緒『3つあった巣のうちの1つか……大規模の巣1つなら……!』

ピピピッ!

時子『降下した前線部隊、再度展開して戦闘続行しなさい。追いかけてきた奴等もそのつもりみたいね』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

早苗「うっそ、巣から白蜂まだこんなに……30、35……!」ピピッ!

ちひろ『ちょっと待ってください、まだ来ますよ。陸地の巣からも何か来ます!』

志乃「スクリーンに出して……」

フォンッ……

加蓮『デカっ……あれも、白蜂……』

奈緒『G型以上の重量級……あれだけデカいのは初めて見たぞ……』

P『ともかく、対応しないことには始まらん。各機、動くのは艦の姿勢が安定してからだ』

……
…………

――ノルンS-02(ブリッジ)

「データ照合、未確認種です!」

時子「大型の暫定コードはGL型にしなさい。数は?」

「索敵結果……GL型、6匹確認できました。他、G型及びGS型もコロニー級の巣から出現しています!」

時子「チッ、上も下も、どこも煩わしいわね……NGF小隊を出撃させなさい。重力があるから、落ちないように飛びなさい!」

ピピピッ!

智絵里『と、時子さんっ!』

時子「智絵里……戦闘中よ、さっさと行きなさい」

智絵里『は、はいっ、あの……時子さん、私……ちゃんと頑張りますねっ!』

時子「……ええ、気を付けなさい」

智絵里『はいっ! コンコルディア隊、出撃しますね!』

ピッ!

時子「……」

……
…………

――フレイヤ(ブリッジ)

志希『そっちに渡したデータ、照合どうだった?』

晶葉「そちらの解析結果と一致した。大気の構成情報は地球とほとんど変わらん。ただし粒子濃度が地球のそれより多い」

志希『多分、ビーたちが体で粒子を生成出来ているのも影響してるんじゃないかなー。この星の環境に合わせて、ビーもそうやって進化していったっていうか』

楓「大丈夫そうですか?」

晶葉「データ上は問題ない。生命維持装置のチェックと、積層イージスを再展開して専用ステージを起動させる」

美優「アインフェリア……聞こえますか? 外に出ても大丈夫みたいです……ステージの準備が終わったら、お願いします」

ピピピッ!

美波『……はい、わかりました』

晶葉「ステージ上では重力や大気の影響はほぼ受けないとは思うが……助手よ、応答しろ」ピピピッ!

P『どうした、アインフェリアか?』

晶葉『解析したところ、恐らくは外に出ても大丈夫だ。ステージ上は積層イージスによる保護領域が展開されるから宇宙と同様に環境の心配はほぼないが、何か異常があったらすぐに艦内に戻す』

P『了解した。こちらも出撃する』

楓「お願いします。落ちないでくださいね」

P『俺なら大丈夫だ。この感覚なら慣れている』ピッ!

……
…………

――戦闘区域

未央『ニュージェネレーション隊、出撃しました!』

卯月『体が重い……これ、ちゃんと飛べるかなぁ……』

翠『大丈夫です。この場面を想定して、P少佐はこれまでNGFによる通常飛行の技術を重要視していました。それに、フレイやフレイヤについても同様です』

琴歌『はい! 宇宙での稼働を前提として開発されてなお、強襲揚陸戦艦としてロールアップされたフレイとフレイヤであれば、存分に動くことが出来ますわ!』

千秋『どこの誰がそんな想定をしていたのか……ともあれ、ここからが正念場ね。これまでの戦闘とは違って、被弾したら落ちるだけよ』

菜々「みなさん、下に落ちたら助けられませんから頑張ってください! 無理だけはしないように!」

卯月『は、はいっ!』

智絵里『ううう……だ、大丈夫かな……』

奏『そうならない為にも、しっかり動いて的にならないようにしましょう』

凛『待ってみんな、クイーンの動きが止まった……』


女王「……」


千秋『降下してきた巣の後ろに……下からも来ているし、これは少し厳しいわね……』

菜々「大丈夫です! みなさん、アインフェリアを……アイドルを信じましょう!」

未央『私たちもアイドルだからね……っと、それじゃあアインフェリアが頑張ってくれると信じて、もうひと頑張り行くよ!』

……
…………

――フレイヤ(専用ステージ)


夕美「綺麗……ここが、ビーたちの……」


ありす「地球と似ています。いえ……地球と、何が違うのでしょうか……?」


文香「わかりません……ですが、少し安心しました。私たちも……もしかしたら、ビーたちと……」


藍子「……よかった。本当に……あとは、分かり合うだけ……」



美波「まだ終わらないわ。私たちの歌を……この空に!」



……
…………

――戦闘区域


https://i.imgur.com/EO4OfoC.jpg


P「VPS-001、002、俺たちのポジションは宙域での戦闘と変わらん。同様に立ち回るぞ」

ナオ『この感覚は……空の下で飛ぶことなんて無いからな……!』ギュンッ!

P「訓練した通りに動けばいい。蘭子、奈緒は大丈夫か?』

蘭子『我ならば存分に己の魔力を放てる! 荘厳なる光の元、頂きに見えるのは我と偶像の象徴!』

愛梨『大丈夫ってことですよね?』

蘭子『うん』

奈緒『あたしも大丈夫だ。空を飛んだことはないけど、この感覚なら慣れてる』

フレデリカ『フレちゃんだって大丈夫だからねっ!』

P「了解した。ではVPS-002は前線部隊と戦闘を頼む。VPS-001は同様に空域を飛び回るぞ」

奈緒『デカいのはどうする?』

P「俺とダブル奈緒、神崎少尉と十時大尉で対応する。向こうに行った分は安部中尉が対応する」

愛梨『GL型、4匹はこっちに来て、2匹はニュージェネのほうに……わかりましたっ!』

GL型「……!」

GL型「……!」

P「白蜂たちにとってのホーネットのような存在といったところか……よし、行くぞ!』ギュオオオオオオオッ!!


……
…………

――戦闘区域

GL型「!!」ドシュシュシュシュッ!!

『うわああああああっ!?』

ドガガガガガァンッ!!


翠『速い……あの巨体で、あれほどの速度で飛行するとは……!』ドシュゥゥゥゥンッ!

GL型「!?」ギュンッ!!

翠『外した!? 的は大きいはずなのに……!』

千秋『迂闊には接近できない……それならミサイルで!』ボシュシュシュッ!

ドガガガガガァンッ!!

GL型「……」

千秋『なっ……あれは、粒子膜……まさかバリアを!?』

菜々「ブリノワはもう1匹のGL型や他の白蜂の対応を! ここはナナが行きます!」ガションッ!

ドドドドドドドドドッ!!

卯月『菜々ちゃん!?』

菜々「ARGTが大型なのは、こういう相手を想定してたから……ウサミンロボ、行きますよぉ!!」ガコンッ!

GL型「!!」


菜々「機体前面にイージスを展開……ウサミーン……アターック!!」ギュンッ!

バゴォォォンッ!!

GL型「……!!」ギ、ギギギ……

菜々「ふんっ! う、くぅ……!」グッ、グググ……!!

未央『えっ、えええええっ!?』

凛『うそ……蜂と取っ組み合いしてる……』

菜々「ウ、サ、ミーン……パワー!!」ガションッ!

ズドドドドドドッ!!

GL型「!?」ギュンッ!

菜々「み、みなさんはもう1匹のGL型を! 前線は他の白蜂もいますし、こいつはナナが抑えます!」


GL型「……!!」ブブブゥゥゥゥゥンッ!!

未央『ウサミンロボと同じ大きさの白蜂を相手にするのはちょっと……でもやらないとね、行くよ!』

凛『宇宙と違って押されているところもあるし、こっちの前線は結構キツイかも……!』



……
…………

――戦闘宙域


https://i.imgur.com/OK8WSFs.jpg


P「ドラウプニル!!」ガションッ!

ガキキキキキィンッ!!

GL型「!!」ギュンッ!

P「装甲が抜けない……! やはり貴様は他の奴等とは別格か!」ギュンッ!!

奈緒『コイツら……GL型が来てから、他の白蜂の動きも違う……!?』

ナオ『アインフェリアの歌の効果がないからか、それとも……!』

周子『多分、ホーネットと同じ役割を持ってるなら、コイツ等がいるから白蜂の統率が取れるようになったのかも』

美嘉『こっちの前線……蜂の動きが集中してて……!!』

フレデリカ『ちゃんと考えて動いてる感じ?』

蘭子『愛梨ちゃん!』

愛梨『はい、大型には大型……P少佐、ヴァルキュリアシステム起動します!』

『―Valkyria System Start Up―』 ピシィッ!

パシュウンッ!!

愛梨『他の部隊に被害が出ないように、せめて私たちで引き付けておかないと……! ターゲット、ロックします!』ガションッ!

ピピピピッ! ピピピピッ!

愛梨『砲身展開、高圧縮プラズマキャノン、ファフニール……行きます!』

ズドォォォォンッ!! ズドォォォォンッ!!

GL型「!?」ブブゥゥゥゥゥンッ!!

蘭子『速い……!』ギュンッ!

加蓮『それなら弾幕を張って足を止めれば……32連装誘導ミサイルランチャー……行くよ!』ボボボボボボシュンッ!!

ドガガガガガガァンッ!!

ナオ『ダメだ相手が速い……足を止めるのにも……!!』

P「くっ、この状態では前線が疲弊するだけか……! 早くクイーンのところに行かなければ……!」ギュンッ!!

ピピッ! ピピッ!

P「くっ……」ハァ、ハァ、ハァ……!

P「蘭子と愛梨のシステム起動が増えて……残りの稼働保証時間は10分か……アインフェリアの負荷が想定以上に高い……」

P「……だが!」ガションッ!

ズドォンッ!!

G型「!?」ドガアアアアンッ!!

P「このままでは終われん……早く、早くクイーンのところに行かねば……皆の歌を届ける為に……!!」ハァ、ハァ……


https://i.imgur.com/B3Xba2Y.jpg


……
…………

――フレイヤ(ブリッジ)

晶葉「助手のバイタルデータがイエローゾーンに入ったか……長期戦も視野に入れていたとはいえ、アインフェリアの負荷がこれほどとは……」

美優「Pさん……!」

楓「大丈夫です」

晶葉「楓……」

楓「Pさんなら、大丈夫です。いつも、そうでしたから……どんなときも、最後は……」

楓「だから私たちは、私たちの仕事をしましょう。最後まで」

美優「……はい」

晶葉(私からこれ以上、お前たちにしてやれることは……頼む、アインフェリア……)


……
…………

――戦闘区域

GL型「……!」ズドォォォォンッ!!

ドガガガガガァンッ!!

『がっ――』

『だ、ダメだ避けれ――』

ドガアアアアアアアアンッ!!!

凛『くっ、この!!』ギュンッ!!

奏「コイツ、攻撃範囲が異常なほど広い……!」ズドォンッ! ズドォンッ!!

GL型「……!」ヒュバアアアアッ……

奏「粒子膜によるバリア……私たちと同じようなことが出来るのね……!」

卯月『奏ちゃん、コンビネーションマニューバで行きましょう! あの白蜂はみんなで戦いませんと……!』

奏「……仕方がないわね、牽制するわ。粒子膜のバリアを抜けるタイミングがあるのか……誰か、見極めて!」ガションッ!

ボシュシュシュシュシュッ!!

卯月『こっちも……ビフロスト!』ボシュシュシュシュシュッ!!

GL型「!」ブブゥゥゥゥンッ!!

ドガガガガガガァンッ!!

翠『ミサイルが当たっても効果が……ですが!』ギュンッ!!

智絵里『近接戦闘なら……!』ガションッ!

千秋『ええ、ミサイルを受けている隙に!』ブォンッ!!

GL型「……!」ヒュカカカッ!!

奏『っ!? ダメ、離れて!』

千秋『この挙動は……針!?』ギュンッ!

智絵里『えっ――』

ドガアアアアアアンッ!!

智絵里『きゃあああああああっ!!』ビビビビビッ! ビビビビビッ!

翠『智絵里さん!』

未央『ちえりーん!!』

千秋『智絵里さん! コイツは!!』ブォンッ!!

シュパアアアアアンッ!!

GL型「……!?」ブブ……

ドシュシュシュッ!!

千秋『くっ、張り付けない……!! だけど、フラガラッハの手応えはあった……接近さえできれば……!』

……
…………

――戦闘区域

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

菜々「向こうで智絵里ちゃんがやられた!? こ、この白蜂はもうっ……!」カタカタカタッ!!

GL型「……!!」ズドォォンッ!!

菜々「くっ、イージスが効いているうちはまだこっちも……だけど!」ガションッ!

菜々「脚部装甲展開、照準……! ウサミンキャノン!」ドギャァンッ!

GL型「!?」ドガアアアアアンッ!!

菜々「抜けた! このまま一気に……!!」ギュンッ!!

GL型「……!」ヒュカカカカッ!

ドシュシュシュシュッ!!

菜々「針……くっ、さっき近づいたときに倒しきれたらよかったんですけど……!」

ピピピッ!

菜々「はい!」ピッ!

桃華『菜々さん、前線ラインが押されていますわ! 手薄になっていた場所をG型の群れが集中して……!』

菜々「まだこっちも終わってないんですよ……! こいつ残したままだと……!!」ボシュシュシュシュッ!!

ドガガガガガガァンッ!!

千秋『ホーネットだったビーの部隊から連絡があったわ。GL型自身で他の白蜂の統率を取っているらしいわ……早いうちに片付けないと!』

菜々「とはいえ、デカい速い硬い攻撃範囲は広いの4コンボでこっちも中々……大型の対策にARGTや蘭子ちゃんたちの機体があるのに……」

翠『あちらに流れたのは4匹……こちらの前線が押されている状況では、遊撃として立ち回るP少佐たちの動きも……!』

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

菜々「P少佐たちの状況が……!」

……
…………

――戦闘区域


https://i.imgur.com/EvSVOgn.jpg


愛梨『指定区域に波状攻撃を行います。ナオちゃん加蓮ちゃん、兵装リスト出してください!』

ナオ『索敵データ共有、拡散粒子ミサイル、フローティの発射準備、ガンダルヴ・ミニオンを射出……!』ガショガションッ!!

加蓮『ウィングバインダー展開、バルムンク照準……行けるよ!』

愛梨『蘭子ちゃん、姿勢制御お願いします! フルウェポン、バーストしますよ!』ズドドドドドドッ!!

GL型「!?」ドガガガガガァンッ!!
 
GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

加蓮『他所には行かせない!』ドシュゥンッ! ドシュゥンッ! ドシュゥンッ!

P『早苗さん、そちらも頼む!』ボシュシュシュシュッ!!

早苗『りょーかい! アルヴァルディ、全弾打ち込むわよ! 避けてね!』

ドガガガガガガガガァンッ!!!!

GL型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!

奈緒『くっ、攻撃の手を休めたら前線ラインの維持が……こっちにも他の白蜂は流れてきてるってのに!』ギュンッ!

P『こちらの前線ラインの機体消耗率は戦闘開始時点から3割減……これ以上荒らされると強襲艦隊も抜けられてM-01まで接近される可能性もある……!』

G型「……!」ズドォンッ!!

美嘉「こいつら、さっきからずっと!!」カチッ……

美嘉「弾が……あああっ!?」ドガアアアアンッ!!

フレデリカ『美嘉ちゃん!』

周子『大丈夫!?』

美嘉「……」ハァ、ハァ、ハァ……

P『少尉、応答しろ、少尉!』

美嘉「……機体は無事、だけどミサイルとかはほとんど弾切れ状態……補給しなきゃこれ以上は動けない」

周子『それじゃいったん戻るよ! 補給して、機体は破損個所があるなら丸ごと交換で出直せばええから、いいよね少佐!』

P『分かった。LiPSSは前線ラインに出続けていたから補給タイミングも無かったか……随伴機は2人で頼む』

フレデリカ『うん! 戻ろ、美嘉ちゃん』

美嘉「……」

美嘉(なんで、なんで……こんな……!)

……
…………

――ノルンM-01(メインブリッジ)


https://i.imgur.com/nmB6e49.jpg


「GS型2匹、前線を抜けて右舷前方より接近してきます!」

ちひろ「こっちまで……ブリンガーの自動掃射! 連装リニアカノン、ヨルズの1番2番を照準!」

ピピピッ!

楓『ちひろさん、こっちも迎撃に出ますか?』

ちひろ「フレイヤは下がってください! M-01はフレイヤの防衛を最優先に動きます、ライブは止めないようにお願いしますよ」

P『M-01、そちらに白蜂が流れたが大丈夫か!』

ちひろ「大丈夫です、フレイヤまでは絶対にこちらで通しません。前線のほうは……」

P『デカいのが暴れているせいで状況が悪い。前線ラインを下げねばこのままでは持たん』

ちひろ「わかりました。M-01で待機させている強襲艦もすべて出します。ここで戦況を崩すのはマズイですし」

P『すまない、頼んだ』

ピッ!

ちひろ「サブブリッジに通達、待機中の強襲艦もすべて出します。M-01の護衛として1隻残して、残りは前線に!」

……
…………

――戦闘区域

瑞樹『LiPPS全員収容したわ。補給済ませたらすぐに出させるから待ってて!』

P「了解した。整備班にはなるべく急がせてくれ」

ピッ!

P(宙域での戦闘とは違い、戦力を分断したのもあってこちらが不利だ……前線の消耗率も上がって来て、このままでは……)

P(こちらの進行が遅い……皆のシステム負荷を受け持つ限界時間もあるし、早くアインフェリアの歌をクイーンのところに……)

ピピピッ!

P「どうした」ピッ!

愛梨『Pさん……先に行ってください』

P「愛梨!? だがこの状況では……」

愛梨『もうPさんが、みんなのシステム負荷を受けてから時間も経って……アインフェリアだって、ずっと歌い続けてることはできません』

愛梨『それに……これ以上、長引くと私たちのほうが……』

P「……」

奈緒『……行こうPさん、どの道この状況でデカブツ4匹の相手をしてると足止めをされるだけだ』

P「……LiPPSは補給に戻っている。ニュージェネレーション隊やブリヤントノワールもGL型の相手でこちらには来れん」

蘭子『我らを見くびっては困る。偶像の象徴と共に導かれし魂は、至高の極みへと至っている』

蘭子『……大丈夫です。前もそうでしたし、今回だって……全部は無理かもしれませんけど、行ってください』

P(俺は……俺は……)

ドクンッ、ドクンッ……



P「……VPS-001、隊を分ける。ダブル奈緒、北条少尉は俺についてこい。戦闘区域を強行突破し、巣の奥にいるクイーンのところへと向かう」

P「十時大尉、神崎中尉はこの場に残ってGL型の足止め、及び前線ラインの維持だ。フォートレスの役割、ここで成果を上げてくれ」


蘭子『よくぞ言った、漆黒の騎士!』

愛梨『はい! みなさんもお気をつけて!』ガションッ!

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

P「早苗さん! あるだけ打ち込んでくれ!」

早苗『よく分からないけど了解! 主砲ティルウィング1番2番、レーヴァテイン1番、アルヴァルディも撒くわよ!』

P「フォートレス以外はGN形態に移行だ。フォートレスとフレイヤの砲撃に合わせて前線の白蜂の群れを抜ける!」ガションッ!

奈緒『了解!』

ナオ『加蓮、ブースターユニットはいけるか!』

加蓮『大丈夫、まだまだ飛べるから……!!』

早苗『全弾いくわよー……近くのお仲間さん、当たるんじゃないわよ!』

ズドドドドドドドドッ!!!!

愛梨『ガンダルヴ、予備機のガンダルヴ・ミニオンも射出、高圧縮粒子砲リンドヴルム照準! 蘭子ちゃん、高機動形態に移行しますよ!』ガションッ!!

蘭子『我らの希望はここで繋ぐ! 光の翼よ!』ドシュウウウウウウンッ!!

ドガガガガガガァンッ!!!!

P「着弾を確認した、行くぞ!」ギュオオオオオオッ!!

加蓮『はい!』

奈緒『蘭子、愛梨、戻ってくるまでは頼む!!』

ナオ『必ず戻ってくるからな!』


蘭子『みんなの分まで……!』ピピピピッ! ピピピピッ!

愛梨『蘭子ちゃん!』

ズドオオオオンッ!!

蘭子『粒子砲!? くっ……!!』ギュオオオオッ!!


GL型「!!」ギュンッ!!

GL型「!!」ギュンッ!!


愛梨『ああっ、2匹に抜けられた……!?』


GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

GL型「!」ギュンッ!


蘭子『だが、残りの2匹は!!』ガションッ!

ズドォンッ! ズドォンッ! ズドォンッ!

GL型「!?」ドガアアアアンッ!!

蘭子『我が魂は、偶像の象徴と共に在る……貴様等では止めることは出来んぞ!』

愛梨『Pさんたちを信じて……いきましょう、蘭子ちゃん!』

……
…………

――戦闘区域

P「ビームウィングを展開する。クイーンへの飛行ルートはこちらで算出する!」カタカタカタッ!!

奈緒『こっちに来る奴は無視していい! 近距離に入られたらあたしが斬る!』ギュオオオオオオオッ!!

ナオ『加蓮、弾幕だ! 飛行ルート上で白蜂の密度の高いポイントにピンポイントで打ち込むぞ!』

加蓮『うん、弾は全部使い切るつもりで……!』

GS型「!!」ブブゥゥゥンッ!!

P「邪魔だ!」ズドオォンッ!!

ドガアアアアアアアンッ!!

ピピッ!

P「この飛行で細かいルートまでは絞り込めん。今転送したルートで向かうぞ」

ナオ『了解、巣は上から飛び越していくか……弾幕の展開ポイントは……』

ビビビビビッ! ビビビビビッ!

P「砲撃……散開!」

ズドドドドドドドッ!!

加蓮『アイツら……!!』


GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!

GL型「……!」ブブゥゥゥゥンッ!!


奈緒『蘭子と愛梨でも2匹は漏らしたか……だけど今は!』ギュンッ!!

ピピピピピッ!!

ナオ『P少佐、巣から増援だ、種類は何でもいいけど数は20くらい!』

P「くっ、この状況ではこのルートを使えん……ルート再編成……!」カタカタカタッ!

GL型「……!!」ドシュシュシュシュッ!!

ナオ『針!? 撃ち……落とす!』ピピッ!

ズドォンッ!

ドガアアアアアアンッ!!

奈緒『やっぱりこいつらがいると……それならあたしたちがここで足止めして、Pさんだけでも向かってくれ!』

P「白蜂の群れの中でお前たちを置いていくことはできん!」

加蓮『だけど! このままじゃPさんだって限界でしょ!』

P「俺のことはいい! お前たちだけでは……」

G型「!!」ズドォンッ!!

P「ぐっ……他の奴らも集まってくるか……!」ヒュバアアアアアッ……

ナオ『4人だけだと捌ききれない……くそっ、このままじゃ……!』

……
…………

――戦闘区域

ピピピッ!

瑞樹『フレイのみんな! 結構マズイ状況だったからP君たちが強行突破でクイーンのところに向かったけど、やっぱり向こうも厳しいみたい!』

瑞樹『誰でもいいから、増援に行けるメンバーいないかしら!』

千秋『ええっ!? この状況で前線を抜けたって……』

翠『こちらも向かいたいところですが、この状況では……』


菜々「Pさん……ナオちゃん、加蓮ちゃん……!!」



菜々『ナナは……私、は……隊長なのに、Pさんのことも、黒井大佐のことも、美優さんのことも……守ってあげられなくて……』

麗奈『……アンタのそんな顔、私は見たくないわ』



菜々「……ナナが行きます! ARGTなら強引にでも!」ガションッ!

卯月『菜々ちゃん!? でも菜々ちゃんのほうにもGL型が……』

菜々「大丈夫です!」ギュオオオオオオッ!!

ガギィィィィンッ!!

GL型「!?」


菜々「つ、か、ま、え、た……! ここ、で……ウサミンロボ、背面兵装展開、砲身準備!!」

GL型「……!」ブ、ブブ……

菜々「ナナは気合が違うからやれます!! ゼロ距離ウサミンバスター!!!!」

ズドドドドドドドドドッ!!

GL型「――!!」

ドガアアアアアアアアアアンッ!!!!

菜々「……」ハァ、ハァ、ハァ……

奏『GL型を……』

未央『ウサミン……』

菜々「……ブリヤントノワール隊、ニュージェネレーション隊、後の1匹はお任せします! ナナは……」


菜々「……行かなきゃ」ガションッ!

ギュオオオオオオオッ!!


……
…………

――フレイヤⅡ(格納庫)

整備長「補給が済んだらすぐに連絡する! 時間が出来たんだ、少しでもいいから休んでおけ!」

周子「りょーかい。だけどそっちも急いでよー?」


フレデリカ「……アレ?」


「パックの交換が先だ! コンテナ持ってこい!!」

「破損個所は全部交換でいいから、後は交換した部分の動作チェックだけやっておけって!」


フレデリカ「……美嘉ちゃん?」

タタタタタタッ!!


周子「……ん? あの2人……」ピクッ


……
…………

――フレイヤⅡ(通路)

フレデリカ「美嘉ちゃーん、美嘉ちゃーん! 休憩するならみんなのいるところにしよー!」

タッタッタッタ……

フレデリカ「おーい、美嘉ちゃーん、どこー? しるぶぷれー?」

タッ――


パァンッ!!


フレデリカ「わぁっ!?」ドサッ!!


美嘉「……」ハァ……ハァ……ハァ……

フレデリカ「みか……ちゃ、ん……」

美嘉「アンタが……アンタたちが……いなかったら……」ハァ、ハァ、ハァ……

美嘉「みんな、こんなことしなくて、よかったのに……誰も死ななくて……莉嘉も、本当だったら、アタシと……一緒に……!」

フレデリカ「美嘉ちゃん……違う、アタシは……アタシたちは……」


タタタタタッ!!

周子「いた! ちょっと何やってんの! そんなことしたらあかんって! 美嘉――」

美嘉「アンタたちがいなかったら!!」グッ!!!!

フレデリカ「アタシたちは……ただ、生きて……」


……
…………

――戦闘区域

P「くそっ、ナオ、GL型に牽制だ。左からのルートを作る!」

ナオ『了解! このっ、こっち来るなよ!』ズドォンッ! ズドォンッ!

GL型「!!」ブブゥゥゥゥンッ!!

奈緒『完全に足止めされたか……くそっ、もう少しで巣を通過できるのに……!!』

ドガアアアアアンッ!!

加蓮『ああっ!? ううっ……ブースターユニットが1つ潰された……P少佐、早く!!』



奈緒(くそっ、ナオもいるんだ……2人でなら……!)

ドクンッ、ドクンッ……

ナオ(必ず出来る、出来るはずだ……奈緒といるなら……!)

ドクンッ、ドクンッ……


P(機体はある、皆がここまで道を作ってくれた……行かなければ……速く、もっと速く飛ばねば……)ハァ……ハァ……ハァ……

ピピッ! ピピッ! ピピッ!

P(俺は、この先に……)ハァ……ハァ……


P(俺は――)


ドクンッ――

……
…………
………………
……………………

――???


『Pさん!』


P『誰だ……俺を呼ぶのは……』



美波『間違えないでください、Pさん……1人で行かないで……!』

P『美波……だから、俺は奈緒たちも……』

文香『私たちを……置いて、いかないでください……』

P『文香……』

藍子『あなたが傍にいてくれたから、私たちはここまで来ることができたんです』

夕美『だから……1人で行こうなんて、思わないで』

P『藍子、夕美……』

ありす『歌だけではありません。私たちの想い……私たちの願いを……』

P『ありす……』

ありす『あなたがいてくれたから、私たちは願いを捨てずにいることが出来ました。ずっと、あなたに助けてもらっていたから……』

P『だが、俺は皆に救われた。俺が再び戦うことの意味と、生きる意志を、お前たちから貰った。俺は……皆がいなかったら……』

美波『はい。だから、私たちは貴方を守ります。貴方の傍で……だから、私たちを、連れて行ってください』

P『俺が――』






『馬鹿者!!』

P『その声……!?』ビクッ!





黒井『貴様……』



P『黒井、たい――』

黒井『貴様は、こんな場所まで来て何をやっている!!』

P『!?』


黒井『貴様に求められているもの、貴様が求めているもの……これまで何をやってきたというのだ、見誤るな!!』

P『俺に求められている……皆の歌を……いや、想いを、クイーンのところに……』

P『俺が求めているものは……!!』

黒井『フンッ……まったく、いつまでも私の手を煩わせおって。分かったならさっさと行け!』

P『黒井大佐、俺は……』

黒井『馬鹿者、2度も同じことを言わせるな。いつか……いつかは、無駄話にでも付き合ってやる』

P『……何か、みんなに伝えておくことは……ありますか』

黒井『……』

P『……』

黒井『……菜々ちゃんに、約束を守ってあげられなくて、すまなかった……と』

P『分かりました。必ず……』

黒井『さあ行け! 貴様を信じている者たちと共に!』



P『……はい! 行きます!!』


……
…………



奈緒『加蓮が待ってくれているから、あたしは戦うことが出来る。加蓮を、守るために……』

ナオ『ああ、あたしも同じだ。だけど、あたしは一度、それが出来なかった』

奈緒『でも、ここにはあたしたち2人がいる』

ナオ『そうだ。それに、あたしたち2人だけじゃない。Pさんも、加蓮も……みんな、みんながいてくれる』

奈緒『想いはみんな一緒なんだ。美嘉も、フレデリカも……だからここにいる。だから、戦うことが出来る。あたしたちは……!』


藍子『はい。大切な人たちを守るための力。私たちだけじゃ、出来ないことはたくさんあります』

夕美『だから、私たちの代わりに奈緒ちゃんたちがいてくれる』


奈緒『そうだ……その為にあたしは戦うことを決めたんだ。みんなの分まで、あたしが戦うって……』


ありす『あなたたちの強い意志が、Pさんや私たちを導いてくれました。そして、この先の未来も……』


ナオ『ありす……ああ、あたしたちの力でいいなら』


文香『ですから、みんなで、共に参りましょう……この先へ……』

美波『私たちが願う未来に、辿り着けるって、信じて……』



P『2人とも』

奈緒『Pさん……!』

P『……まだ、やれるな?』

ナオ『大丈夫だ。まだ、何も出来ていないんだから』

P『そうだな。俺たちが願う未来を……』

ナオ『今度こそ、選ぶ為にここにいる』

奈緒『ああ、だから……最後まで……!!』


……
…………
………………
……………………




https://i.imgur.com/5IbeaN9.jpg



……
…………
………………
……………………

――戦闘区域


ドクンッ!!

『―Limit Over Valkyria System―』 ピシィッ!



P「!!」ガションッ!

ドシュウウウウウウウンッ!!!!

P「うおおおおおおお!!」ブォンッ!!

GL型「!?」

シュパアアアアアアンッ!!!!

GL型「……」ブ、ブブブ……

ドガアアアアアアアアンッ!!

ナオ『奈緒、コンビネーションマニューバI02!!』

奈緒『デュランダル!!』ジャキンッ!

ギュオオオオオオオッ!!!!

GL型「……!」ドシュシュシュシュッ!!

ナオ『甘い! アタシは囮だ、奈緒!!』

奈緒『これで!!』ブォンッ!!

ズバアアアアアアッ!!

GL型「!?」ドガアアアアアアンッ!!


加蓮『Pさん……奈緒……!?』


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)


https://i.imgur.com/leZyWSh.jpg


ピピッ! ピピッ!

志希「来たっ!? まさかカレから自発的に……でもそれだけじゃ……!」

ピピピッ!

晶葉『おい志希、助手とダブル奈緒の機体のリミッターが解除された。お前の想定した状況か!?』

志希「システム稼働限界の1時間を超えてレッドゾーンに入ってた、カレのバイタル値が正常値に戻ってる……転送されてるアインフェリアのデータも……」

晶葉『解除コードは渡していたが、このタイミングで外してバイタル値が戻っているということはやはり……』

志希「カレ自身も次の段階に移行した……ううん、違う、アインフェリアも……たぶん、カレとアインフェリアが一緒になっているから、システムを乗り越えた……」

晶葉『ナオも単独でのシステム起動を行っている……抑制剤の投与があるとはいえ、この状態だと、もしかして奈緒たちも……』

早苗「ちょっと何話してんの? いい話?」

志希「……うん、たぶん、ちょーいい話……かも」

志乃「あら、そう……それじゃあ、もう少し頑張りましょうか……」

瑞樹「了解……愛梨ちゃんたちの援護しないとね!」


https://i.imgur.com/W1rvd2g.jpg


……
…………
………………
……………………

――???

美嘉『莉嘉!!』


莉嘉『……』


美嘉『莉嘉、アンタこんなところで、どうして……』


莉嘉『お姉ちゃんのバーカ!!』


美嘉『え……』


莉嘉『アタシの知ってるお姉ちゃんは、いっつも自信マンマンで、アイドルでメチャクチャ人気あって!』

莉嘉『カリスマギャルで、キラキラしてて……アタシも、お姉ちゃんみたいになりたいって……』

莉嘉『だから……そんなウジウジしてるお姉ちゃんは、ホントにバカなんだから!』

美嘉『だって……アタシは、アンタと……』

ギュッ……

莉嘉『……アタシだって、お姉ちゃんと一緒にいたい。一緒にアイドルやりたいって、今でも思ってるもん』

莉嘉『だからお姉ちゃんのところに行けなくて、寂しくて……だけどね、アタシの分まで、お姉ちゃんのそばにいてくれるヒト、いるから』

美嘉『……!!』

莉嘉『お姉ちゃんのこと、すっごく大好きって思ってるヒト! アタシも、ちゃんとお姉ちゃんのところに行くから! そのヒトたちと待ってて!』

美嘉『莉嘉……』

莉嘉『待ってて……絶対、ぜーったいにお姉ちゃんのところに行くから……ね☆』


美嘉『……うん★』


……
…………
………………
……………………

――フレイヤⅡ(通路)

ギュッ……

フレデリカ「ゴメン……ゴメンね、美嘉ちゃん……アタシたちが、莉嘉ちゃんのこと……」

美嘉「ううん……アタシ、莉嘉と一緒にいたかった……だけど、フレデリカだって生きていたいんだって、分かってたのに……」

フレデリカ「うん、アタシ、生きたい……美嘉ちゃんや、シューコちゃんや、奏ちゃん、プロデューサー……みんな、みんなが、一緒にいてくれるなら……」

美嘉「ゴメン、フレデリカ……ちゃんと分かってたのに、莉嘉だってきっと、戻ってくるって、アタシが信じてあげないと、ダメだったのに……!」ギュッ!!

フレデリカ「うん……アタシも、莉嘉ちゃんに会ってみたい……美嘉ちゃんと一緒に、みんなで、笑って……生きていきたい……!」



周子「声が聞こえる……あたしたちだけじゃない、この声は……」

周子「これが、アインフェリアの……」


……
…………

――戦闘区域


奏「そうよ、私は逃げてばかりで……!」ガションッ!!

ドガガガガガガガッ!!

GS型「!?」ドガアアアアアアンッ!!

奏「何かを抱えているのはみんな同じって、美嘉に言ったのは私……それなのに、私は自分だけ抱えてる物を降ろそうとして……!」

ズドォンッ!!

奏「フレデリカは美嘉に向き合おうとした、美嘉もずっと悩んで……仲間なら、傍にいてあげないと……ダメなのよ!!」ギュンッ!

GS型「!!」ズドォンッ!

奏「ううっ!?」ドガアアアアンッ!!

ビビビビビッ!

奏「気付くのが……遅すぎたわね……だけどその分、私はあの子たちの分まで、戦わないといけないもの……隊長らしく……!」グッ!!

奏「そうでしょう……Pさん、奈緒……!」


https://i.imgur.com/mPKTEcg.jpg


……
…………

――惑星B上空宙域



『陽電子砲発射準備! 各ノルンはフルングニルを巣に向けて撃て!!』

『これ以上巣を星に降下させるわけにはいかん! プランV3に支障を出させはせんぞ!』

『前線、損傷率5割を超えました! これ以上は維持できません!』

『出せる機体はすべて出せ! ここで退いては降下部隊が戻る場所がないぞ!』

『降下部隊の状況、どうなっている! 戦闘はまだ終わらないのか!』

ピピピッ!

『艦長、通信です。これは……所属不明機……どこの機体が……』



……
…………

――戦闘宙域後方


「そこの戦艦、聞こえるか? 聞こえたら返事をしてくれ」


『……なん……こちら、S-0……この通信……』

『G型……残……フレ……ヴァルキ……』


『ノイズが多くて、通信がうまく拾えていないようですね』

「ギリギリ繋がるなら大丈夫だろう。……攻撃範囲、向こうに送ってやってくれ」

『せやなぁ、巻き込まれたら大変やし……』



『ですが……データを取りましたが、この世界はどうやら次元断層が非常に不安定なようです』

『恐らく…………断層修復機能があっても、振うのは一度しか……』

「だから一度だけって話なのか」

『そうなんです。すみませんけど、お願いしますね』

ピピッ!

『……でーた転送、おわはったよ』

「さてと……じゃあやるか。おいそこの戦艦、仲間がいるなら全員に連絡してくれ。今デカいの飛ばすからな」

「……感じます。たくさんの命と……悲しい声と、怒っている声」

『もう、元には戻れない存在も、いるのでしてー』

「……そうか。それなら猶更、俺たちはこの1回で終わらせるべきなんだろうな」

「はい。あとは……この世界に生きている人たちに、お任せしましょう!」

パアアアアアアッ!!!!



……
…………

――フレイヤ(ブリッジ)

ピピピピッ!

晶葉「なんだこれは……!?」カタカタカタッ!!

楓「どうしました?」

晶葉「この惑星と宙域で確認されていた断層レベル10の次元断層が急速に修復されていく……」

晶葉「なんだ、これは……アインフェリアの歌によるもの……いや違う!」

ピピピッ!

晶葉「おい志希聞こえるか! 仕事だ、空間構成情報の採取をしてこい!」

志希『こっちも見た見た♪ 初めて見る現象だねー。でもここで外出たらあたし死んじゃうよ?』

晶葉「その為に専用装備組んだだろう! こんな事象は滅多に見られん、直接データ採取してこい!」

志希『うーん仕方がないか……よし、あたしも体張っていこっかー♪』


……
…………

――フレイヤⅡ(ブリッジ)


https://i.imgur.com/X49M0Hu.jpg


志希「さーてと、お仕事もらっちゃったからあたしも行ってくるねー♪」

志乃「死なないように……気を付けて……」

志希「わかってるってー。あ、整備長? あたしのNGF準備しといてー、今そっちいくから」

ピピピッ!

整備長『あん? ここで出るのか?』

志希「お仕事もらっちゃったからねー。あれ?」

整備長『ん? どうした……おわっ!?』

フレデリカ『あー! 志希ちゃんも外出るのー? それじゃアタシたちとランデブーしよー!』

周子『ちょっとさー、この状況で志希ちゃんおんぶしていくの? いやいや……』

美嘉『いま戦闘中でしょ! そんなことより……』


志希(およ……フレちゃん……)

志希「……んふー♪」

フレデリカ『どしたの志希ちゃん?』

志希「なんでもなーい。それじゃ、あたしがお荷物になるついでに……もう1つ持っていこっか!」

……
…………

――戦闘区域


https://i.imgur.com/bUoGlzU.jpg


菜々「私は、ずっとずっと、目を逸らし続けて……!」

菜々「アイドルになれなくて、黒ちゃんに迷惑ばっかりかけて、ワガママばっかり言い続けて!」

G型「!!」ズドォンッ!!

菜々「くうっ……だから、黒ちゃんも、Pさんも、美優さんもいなくなって……ナオちゃんや加蓮ちゃん、麗奈ちゃんまで!!」ギュンッ!!

ガションッ!

菜々「それでも、みんな戻って来てくれて……黒ちゃんと麗奈ちゃんは、もう戻ってこないけど……!」

カタカタカタッ!!

菜々「アイドルにもなれなくて、ずっと立ち止まって、物忘れするくらいたくさん覚えなきゃならないことや、守らなきゃならないものができて!」

菜々「アイドルになるっていう夢は叶えられなかったけど、それ以上に大切なものがたくさんできたんです!」

菜々「もうあんな悲しい思いをしない為に、みんなを守る為に……だから、だから今の私が、本当に願っているものは!!」

ピッピッピッピッ!



https://i.imgur.com/gIVbHqO.jpg


菜々「絶対に守るんです、今度こそ!!」


『―Valkyria System Start Up―』ピシィッ!

パシュゥンッ!


菜々「うっ!? この……こ、怖い……なんで……!」ドクンッ!!

菜々「だけど……だけ、ど……本当に、怖いのは……みんなを、守れないこと……だ、か……ら!!」ガションッ!

ドクンッ! ドクンッ!

菜々「胸部装甲展開、イージスフィールド構成変更!!」

菜々「スーパーロボットらしく、バリア展開してそのまま体当たりでPさんたちのところまで!」

菜々「必殺! ウサミンストライク!!」

ドガガガガガガガガガッ!!!!


https://i.imgur.com/wcKiqAY.jpg

……
…………

――戦闘宙域

ピピピピピッ! ピピピピピッ!

奈緒『な、なんだ!? とんでもないスピードでこっちに突っ込んでくるのが……』

ナオ『ARGT……菜々さん!? おいおい何やってんだよ!』


菜々『ぬおおおおおおおみなさーん!』

ドガガガガガガガガガガッ!!!!


P「お前ら回避だ!」

加蓮『ちょっ!?』ギュンッ!!

ドガアアアアアアアアンッ!!


菜々『……』


奈緒『ど、どんな質量攻撃だよ……周りの白蜂も吹っ飛ばして……イージスフィールドで突っ込んできたのか……』

菜々『……増援に来ました! あー怖かった』

加蓮『え、ええええええ……あんな離れたところから……』

P「安部中尉、この状況で……」ピピッ!

P「これは……使ったんですか、ヴァルキュリアシステム……」ピッ、ピッ……

菜々『はい! 最初はビックリしましたけど、思ったより何とかなりました! あと結構体が軽くなった気がします!』

P「いやそういう効果はないはず……」

菜々『……色々無茶苦茶でも、ナナだってやるときはやりますよ! お互い、昔からそうでしたよね、P少尉!』

P「中尉……」

ナオ『え、ちょっと……』

菜々『部下を守るのか隊長の仕事です! P少尉、また一緒に戦いましょう! 状況は!』

P「……ははっ、そうか……はい、現時点の戦闘区域のデータを転送します。巣の後方距離2000の地点にクイーンがいる状況です」

P「俺たちの状況は前線部隊とかち合っている白蜂の群れと、大規模の巣及び地上の巣から出現した白蜂に挟まれている状況です。正直結構キツイ」

菜々『わかりました。じゃあゴリ押ししましょう!』

奈緒『いやだからそれがキツイって話で……』

P「了解! 中尉、マニューバはどうしますか」

加蓮『いやいやいやいや! どうしたのP少佐!』

菜々『ARGTだと通常のマニューバプランが組めません。フォーメーションで行きます』

菜々『先頭はP少尉とダブル奈緒ちゃん、バックはナナと加蓮ちゃんで抑えての一点突破です!』

P「巣を迂回するルートは破棄する。もう面倒だ、そのまま行くぞ!」

奈緒『……ま、菜々さんとPさんがメチャクチャやる気出してるし、もうそれでいっか』

加蓮『奈緒まで……』

ナオ『大丈夫だって、5人いれば何とかなるって。それに、なんか久しぶりな気がするし』

加蓮『え? あ……』

菜々『フレイヤ! こちらラピッドストライカー隊です! 小隊の再編成になります。ローカル識別コードの再割り当てをお願いします!』

奈緒『よーし、行くか!』

P「ああ、ここで止まるわけにはいかん。行こうか、隊長!」

菜々『はい! ラピッドストライカー隊、出撃!!』


https://i.imgur.com/dFVY8BN.jpg


……
…………

――フレイヤ(ブリッジ)

楓「了解しました。VPS-001はフォートレス単機の編成に変更します」

楓「ラピッドストライカー隊の識別コードを割り当てます。小隊コードはGRS-1、各メンバーをRS-01から割り当てます」

楓「RS-01安部菜々中尉、RS-02はP少佐、RS-03神谷奈緒少尉、RS-04北条加蓮少尉、RS-05はセカンドドライバーになります。フレイヤⅡに同データを転送します」カタカタカタッ!

ピピピッ!

P『高垣中佐、すまんがクイーンまでの飛行ルート組んでくれ。さっきは勢いよく言った手前だが、やっぱり無理だ』

加蓮『だから言ってるのに、もうっ!』

楓「あらら……」

美優「楓さん、それならこちらの席に……艦長席は、私のほうで……!」

楓「わかりました。お願いします」バッ!


楓「……戦闘区域をスキャンします。地上コロニー級の巣の規模も想定して、ルートの作成を」

ピピッ!

『RS-06 KAEDE TAKAGAKI』

楓「え……」

美優「……私の知っている、ラピッドストライカー隊には……楓さんもいましたから……』

楓「美優さん……」グスッ!


楓「……ルートの作成を行います。ラピッドストライカー隊は全機、戦闘区域の情報を連携してください。必要であれば口頭での報告も忘れずに」

P『了解した。頼んだぞ、中佐』

ピッ!

楓「……はい」


……
…………

――戦闘区域


https://i.imgur.com/EYcwA0n.jpg


凛『P少佐たちが持ち直している……! だけど、行けるなら援護に……!!』

GL型「!!」ドシュシュシュッ!!

未央『だけどコイツは何とかしないと、前線ラインが……!』

GL型「……!」ズドォォンッ!

翠『砲撃……しまったっ!?』ギュンッ!

ドガアアアアアンッ!!

翠『あああっ!?』

千秋『翠さん!』ギュンッ!

翠『腕部破損……しまった、ライフルが……!』


ギュンッ!!!!


翠『えっ?』



智絵里「……これ、借ります……から」ハァ、ハァ……

ビビーッ!! ビビーッ!! ビビーッ!!


未央『ちえりん!?』

卯月『ダメです智絵里ちゃん! そんな機体の状態じゃまともに飛べないですよ!』

智絵里「だ、大丈夫、です。まだ……!」グッ!

バチッ、バチバチッ!!

ガコンッ!

智絵里「あうっ……バランサーの再設定……GN形態に移行は出来なくなったし、コックピットの脱出機能も壊れちゃった……」ハァ、ハァ……

ピピピッ!

時子『智絵里、何をしているの! そんな状態で前線に出られても邪魔なだけよ、戻りなさい!』

智絵里「と、時子、さん……」ハァ、ハァ……

智絵里「……」グッ!!


https://i.imgur.com/MOWkQ5Q.jpg


智絵里「大丈夫、です!」ギュンッ!!

時子『智絵里!!』

智絵里「いつも、助けてもらってばかりで……P少佐も、菜々ちゃんも、あんなに頑張って……私だって、みんなと一緒に最後まで……」

智絵里「時子さんのことも、