善子「生活維持省」 (15)

Aqoursでショートショートです。
少しグロ注意。 少し原作からの変更があるので、蛇足に感じられたらすみません。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1512900291

善子「…あっ、あの家いいな」



鞠莉「でもいいなぁ、善子も内地行きなんて」



善子「今まで頑張ってきた甲斐があったわ。 この仕事が終わったら、リリーと内地でマイホーム建てようって。 …あぁ、あの家もいいわね」



鞠莉「いいなーいいなー!! 私も内地行きたい…」



善子「あんなにサボり見つかってちゃ出世なんて夢のまた夢でしょ。」



鞠莉「だって…ねぇ? いくら国の決めた方針って言われたって…」


鞠莉「ランダムに選ばれた人間を殺すなんて、キツいとこあるじゃない?」

善子「…仕事は仕事よ。 次はこの人。」



鞠莉「ねぇ、私達、市民になんて呼ばれてるか知ってる?」



善子「…そこ、左だから。」



鞠莉「ねぇ! 聞いてるの!?」



善子「仕方ないじゃない! …嫌でも少し耐えたら晴れて内地行き。 こんな汚れ仕事とはおサラバよ」



鞠莉「…そうだったわね」






善子「…平和ねぇ。 ホント、政府の方針サマサマよね」



鞠莉「人口を減らして、一人一人に十分な食料と土地を与える…」



善子「私達はその執行人様ってわけ。 堕天使には随分お似合いよね」



鞠莉「そーかもね。 …着いたわよ」

善子「ごめんくださーい」



\ハーイ/



女性「はい?」



善子「こんにちは。 素敵なお天気ですね」



女性「は、はぁ…。 あの、どちら様で?」



鞠莉「こちらに――さんという方がおられるはずですが」



女性「…どうしてそれを」



善子「生活維持省です」



女性「っ!!」



鞠莉「…お気持ちは分かりますが、これも国の決めた方針ですので」



女性「そんなっ…あの子は…っ――はまだあんなに小さいのに…!!」



善子「私たちの選択は絶対に公正です。子供、大人、老人、男、女…すべて平等に、選ばれる可能性があります」



鞠莉「このシステムがなければ、都市は人で溢れ返り、大気汚染や食糧問題、そして渋滞した道では交通事故が」



善子「生存競走の行き着く先は…戦争です。」



鞠莉「――さんも、このシステムがなければ、この歳まで生きられたかどうか」

少女「お母さーん! 見て見て!!」



善子「――さん、ですね」



鞠莉「…善子。」



女性「このっ…!!!」

一応この板はグロ禁止なんで

―――――死神。

>>8 さん
直接的な描写は避けたんですがそれでもマズいですかね…?

鞠莉「んっ…疲れたぁ。 私お腹すいちゃった」



善子「あんなの見たあとでよくそんな気になれるわね…」



鞠莉「あら、さっきと立場が逆ね? …もう慣れたもんよ」



善子「皮肉なものね」



鞠莉「早く済ませて帰りましょ。 次はどこなの?」



善子「次は…そうね。 景色の綺麗な所がいいわ」



鞠莉「『がいいわ』って…。 どうしたのよ、小さい子が相手だったから、気が滅入ったって?」



善子「…ねぇ、鞠莉」



鞠莉「なによ」



善子「私、貴方と組めて良かった」



鞠莉「え? 急に何を…」



善子「ふふっ…そうね。 どうせなら、あなたの手で…」



鞠莉「ねぇ、なんだっていうのよ。 次の対象って…」

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