少女「私が望んだ未来」 (13)

2018年、Xデー。
私たちは己の無力さを再認識した。
崩壊する都市。
己の暮らす生活の為に積み上げられた屍から目を背け、貪欲に生きていた人間に対する清算。
政界の腐敗を嘆く腐りきったメディア。
それにただ寛容で無気力な人々。
何の為に、何も願わず、ただ無価値に生きるのか。

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不良女「ったく男の奴も女も門限門限って…どんだけいい子ちゃんなんだよ」イライラ
不良女「はー…ったく煙草も切れてるし」
不良女「あーあ、ほんとつまんねーなぁ」ボリボリ
チャラ男「よっす、不良女、まーた独りでほっつき歩いてんのかよw」ヘラヘラ
不良女「あーそうだよ、ほんとお前うっぜぇな」
チャラ男「不良女ちゃんこえーw」ヘラヘラ
不良女「…チッ」

カランカラン

不良女「ん…?」
チャラ男「…どうしたんだよ」
不良女「いや、今路地裏から変な音が」
チャラ男「気のせいだって、それよりこの後カラオケでも行かね?奢るからさぁ~」スリスリ
不良女「ってめキモいんだよすりよんn…」ゴスッ
チャラ男「ふ、不良女…?どうしたんだよ」オドオド
チャラ「!…てめぇ不良女に何しやがる!」ギリッ
?「……」

探偵「なるほど、そうすると友達は2週間前から連絡が取れないんですな」スパー
男「はい…そうなんです」
探偵「2週間も帰ってないんじゃご家庭の方から警察に捜索願いが出されてるんじゃないですかな」
女「実は彼女、とてもいい子なんですが素行が悪くて…」
男「家庭の方もだいぶ荒れてるみたいで彼女の親からは警察の方に話が行っていないみたいです」
探偵「ふむ、なるほどねぇ、友達思いな子達だ」
女「それで…依頼料の方は……」ゴソッ
探偵「君ら学生だろう、どこでこんな大金…」
女「お願いです、彼女を、不良女ちゃんを探して下さい…!」
探偵「いやいやあのねぇ…」
男「僕の方からもよろしくお願いします!」
探偵「私は気分で仕事をするんでね、金額じゃ動かんのよ」
探偵「だからこれは受け取れない、不良女ちゃんを探し出したら掛かった費用だけちゃんと請求するから大事に持ってなさい」
女「!…ありがとうございます!」ペコリ
男「よろしくお願いします、探偵さん」ペコリ

探偵「…」スパー
店員「探偵サン、コンニチハ」ニカッ
探偵「誰かと思えば隣の部屋の店員さんじゃないか」
店員「ボク、ココデアルバイトシテ、マス」ニカッ
探偵「お互い仕事中に出会うのは初めてだな」
店員「アナタ、トテモイイヒトネ」グー
探偵「俺はただ気分で仕事を選んでるだけよ」スパー
店員「オカネ、トラズニ、ヒトサガシ、トテモ、スゴイコト、デス」
店員「アナタノヨウナ、ヤサシイヒト、スクナイ、デス」ニカッ
探偵「そいつはどうも」スパー

ウェイトレス「店員さーん、レジおねがーいっ」
店員「イマイキマス!」キリッ
探偵「さて、まずは聞き込みからやってみるかねぇ」

ニート「はぁ…」
ついていない。
今さら人生を嘆いたって仕方ないのは一番分かってる。
でも今さらだからこそ嘆くのかも知れない。
ニート「はぁぁぁぁ…」
こんなこと、続けたってしょうがないよ。
思えばいつが転機だったんだろう。
失恋、進学、中退、就職、失業…。
どれも努力したら今よりましにできたんじゃないだろうか。
今になってできるのはため息だけだけど。何もしてないことから逃げたくてリアルライフヒーローになった。
子供っぽいけどヒーローに憧れている。
いつだって強くて正しくて格好いい。
自分にないものを全て持っている。
白いタイツにヘルメット、通販で買ったベルトに、しまむらで買ったブーツと手袋。
マントなんて家に余ってたカーテンで作った。
こんなことをしても何も変わらないのは分かっていたけど…それでも現実から逃げたかった。

ニート「ん…?」

「!…てめぇ!不良女に何しやがる!」

ニート「ヤンキーの喧嘩かなぁ、怖い怖い、巻き込まれないようにしないと」

「うぐぇっ…!て、てめぇ…許さねぇ…ぶっ[ピーーー]!」

ニート「でも…ヒーローとして行かないと駄目だよな…よし…」ノソノソ
ニート「ま、まずはそーっと…偵察は大事だ、気弱なんかじゃない」
ニート「コート着た人が何か持ってる…チャラチャラした奴が一方的にやられてる…」
ニート「…助けなきゃ、僕はヒーローなんだ…」

ニート「ってあれ?」
ニート「コートの人がいない…どこにいったんだろう」
チャラ男「うぐ…」ドサッ
ニート「はっ!大丈夫ですか?今救急車呼びます!」

ニート「良かった良かった、あんまり酷い怪我じゃないみたいだ」フー
ニート「さて…もう遅いし帰って2chで茶髪眼鏡のお姉さんでも漁って寝よう」キリッ

「あら、ニートくんじゃない」

えっ。

ニート「!…眼鏡さん!奇遇だね!」アタフタ
眼鏡「えぇ、懐かしいわねー、いつぶりかしら」ニコッ
ニート「中学辺りかな、眼鏡さん綺麗になったね」アセアセ
眼鏡「ふふっ、あなたは変わらないわね」
ニート「そ、そうかな?!」
眼鏡「えぇ、昔のまんまよ?あなたは」
ニート「そ、そう言えば眼鏡さんはどうしてここに?」
眼鏡「ここに勤めてるのよ、といってもまだ助手なんだけどね」ニコニコ
ニート「へぇ…やっぱり頭良いんだね」
眼鏡「そうでもないわ、あなたも良い仕事に就いてるんでしょう?」

眼鏡「確かあなたが進学したのって名門大学の付属高校だったわよね」
ニート「あ、あぁ!うん!今はITやってるんだ!」
眼鏡「やっぱり、立派になったんだし良い人いたりするのかしら?」ニコッ
ニート「い、いやぁ、それが中々…」シドロモドロ
眼鏡「なら…立候補しちゃおうかしら」ウワメヅカイ
ニート「め、め眼鏡さん!?」ドキッ
眼鏡「うふふっ、冗談よ」ニヤニヤ
ニート「も、もう、眼鏡さんは悪戯好きだなぁ」ドキドキ

眼鏡「そうだ、久々にどこか行かない?」ファサッ
ニート「そ、それって…」
眼鏡「ディナー、良いお店、知らないかしら?」
ニート「あぁ、それなら…」

ニート(綺麗だな…眼鏡さん)
ニート(茶髪ポニテに赤いフレームの眼鏡とか最高過ぎんだろ)
ニート(しかもタートルネックが胸を強調して…)
ニート(だめだだめだ、意識しちゃ、紳士的に振る舞わなきゃ)
ニート(…でも、中学時代からさらに成長してるなぁ)
眼鏡「やだ、ニート君たら、目付き怖いわよ?」
ニート「んえぇ!?ご、ごめん!つい見とれて…あ、いや!」バクバク
眼鏡「ふふ…かわいい」ニヤッ

読んでる人はいないと思いますが次の更新は昼からです

女「お父さん?また煙草吸ってるでしょ」ウンザリ
女「全く…毎日毎日何箱も…」
女「お父さん!聞いてるの?」ムッ
全く我が娘ながら煩い。
詐欺師「全くお前はお前の母親ににて一々文句を言う」
女「だってお父さん、吸いすぎじゃん」ムカー
詐欺師「喫煙所でしか吸ってないし、何より空気清浄機が常に山の空気を出してくれてるだろう」
詐欺師「副流煙はお前の肺に触れないし制服にも匂いは染み付かない、何の問題もないだろう、何を何時までもがみがみがみがみ…」
女「主流煙を吸ってるお父さんの心配してるの、お父さんが煙を外に漏らさないようにしてるのは分かってるよ」ハァ…
詐欺師「全く…俺の心配はするなといつも言っているだろう」
女「それができないから言ってるんでしょ!」

探偵「お話願えませんかな、失踪したっちゅうおたくの生徒さんのお友達が私立探偵を雇ってまで探しとるんですよ」
女教師「生徒に関する質問は生徒のプライバシーに関係しますのでお話することはできません」
探偵「そこを何とかお願いできませんかな」
女教師「ですから生徒に関する質問にはお答えできません、悪しからず」
探偵「職務に忠実なことは結構ですがね、私も仕事なんですよ」
探偵「依頼を受けたからには筋を通さないとならない」
女教師「ですから…」
探偵「どんなことでもいいんです、何もその娘の素性を暴いて辱しめようだなんて思っちゃない」
女教師「なっ!不良女ちゃんは確かに不器用ですがそんな辱しめられるような娘じゃありません!」
探偵「それは失礼しました、ですがね先生、先生の方は彼女の動向をご存知なんですか?」

女教師「そ、それは…」
探偵「それは?」
女教師「で、ですから生徒に関する質問にはお答えできません」
探偵「そうですか、お時間ありがとうございました、それじゃあ私は失礼しますね」
女教師「…ご理解感謝します」
探偵「あ、そうだ、念のために名刺を渡しておきます」スッ
女教師「…それでは」

探偵(あのお堅い女教師は何か知ってる筈だ)
探偵(しかしガードが堅い、ああいうのは処女を奪うみたいに優しくして一気に切り込まなきゃ駄目だな)

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