相葉夕美「恋バナ」 (16)

夕美「最近、私おかしいの」

夕美「Pさんとふたりきりになると、変に緊張しちゃって顔が熱くなったり」

夕美「Pさんに見られてるって思うと、ちゃんと女の子らしくできてるかなーとか無性に気になっちゃったり」

夕美「Pさんとお話してると、些細なことで耳が熱くなったり」

夕美「私、どうしちゃったのかな……」

ありす「………」



ありす「オーケーグーグル、この恋バナに対してうまく答えをはぐらかす方法は」

タブレット『すみません、よくわかりません』

ありす「ですよね」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503455710

夕美「Pさんもね、それをわかってて最近私をからかってくるの」

夕美「花言葉テストで薔薇を出したら、『あなたを愛しています』ってやけに雰囲気よく言ってきて」

ありす「なるほどその手が」

夕美「ありすちゃん?」

ありす「い、いえ。なんでもありません」

夕美「それでね。次にヒマワリを出したら『あなたを見つめています』ってこれも雰囲気作って言ってくるんだよ。完全に私の反応を楽しんでるよ」

ありす「それは、そういう花ばかり選んでいる夕美さんにも……」

夕美「その時は結婚式のお仕事だったからそういうお花しかなかったの!」

ありす「なるほど」

夕美「とにかく、今のままじゃダメだと思ったんだ。だから」

ありす「はい」

夕美「Pさんを前にしても照れないようにしようと思う! クールな私になるっ」

ありす「クールな夕美さん……生存本能ヴァルキュリアを歌ったときのような感じでしょうか」

夕美「そうそうっ。あの時は私もかっこいい夕美を演じられてたと思うんだ」

ありす「そうですね。私と同じく、夕美さんもクールでした」

夕美「ありすちゃんはクール・タチバナだから、私はクール・アイバかな?」

ありす「うっ……その呼び方は」

夕美「どうしたの? かっこいいと思うよ?」

ありす「……そうですか?」

夕美「うん♪」

ありす「えっと。なら、いいです。ふふっ」


ありす「それで、夕美さんをクール・アイバにする方法ですけど……こんなものはどうでしょう?」

夕美「何かあるの?」

ありす「タブレットで調べました。その名も『相手をかぼちゃだと思う作戦』です」

夕美「かぼちゃ?」

ありす「つまり、Pさんの顔をかぼちゃだと思って接するんです。そのイメージによって緊張感が和らぐと、このサイトに書いてあります」

夕美「なるほど。かぼちゃ、かぼちゃか……」

ありす「難しいようでしたら、アレンジを加えてみてもいいかもしれません。夕美さんなら、たとえばかぼちゃでなくて花だと思ってみるとか」

夕美「Pさんをお花に? 花はおしゃべりしないよ?」

ありす「それを言うならかぼちゃもおしゃべりはしないですよ」

夕美「あ、そっか。えへへ」

夕美「うーん……とりあえず、かぼちゃでやってみる。かぼちゃのほうがおしゃべりしてるイメージができそうだから」

ありす「普段から花をたくさん見ているぶん、Pさんを花だと思い込むのは逆に難しいのかもしれませんね」

夕美「そうだね。Pさんもお花も、大好きなことには変わりないけど。やっぱり好きの種類も違うし――」

夕美「………」

夕美「………」カアァ

ありす(なるほど……毎回こんなふうに照れてるんですね……)



翌朝


夕美(よーし。Pさんをかぼちゃだと思い込むイメージトレーニングは昨日頑張った! だから大丈夫っ)

夕美「おはようございます!」

P「ああ、夕美。おはよう」

夕美「かぼちゃ、かぼちゃ……」

P「夕美? どうしたんだ、俺の顔をじっと見つめて」

夕美(よしっ、だんだんPさんの顔がかぼちゃに見えてきたよ……でも、よく見たらスーツの身体の上にかぼちゃが乗ってるのって)

夕美「………ぷっ」






ありす「なるほど。それで顔を見られただけで侮蔑の笑いを浮かべられたと思いこんだPさんが落ち込んでいると」

夕美「誤解を解こうにもなかなか信じてもらえなくて……どうしたらいいかなぁ」

ありす「いつまでも部屋の隅でいじけられていても困りますからね……オーケーグーグル、Pさんを立ち直らせる方法は?」

タブレット『その願いは神の力を超えている』

ありす「難しいようですね」

夕美「ありすちゃんのタブレット、こんなドラゴンボールみたいな機能付いてたっけ?」

ありす「最近晶葉さんにメンテナンスしてもらってから自己主張が激しくなりました」



※その後、なんとか誤解を解いてPは元気になりました




別の日


P「………」

夕美「Pさーん……あれ、読書中?」

P「ああ。ガーデニングの本を」

夕美「ガーデニング! そっか、Pさんも興味あるんだ!」

P「どこかの誰かさんのおかげでな」

夕美「うれしいな~。何かわからないことがあったらなんでも聞いてねっ」

P「わかった」

夕美(読書の邪魔しちゃダメだよね。いろいろ教えてあげたいけど、今は我慢っ)

P「………」

夕美「………」

P「ふーん、なるほど」

夕美「………」

P「へえ……」

夕美「………」


夕美「………」(さりげなく距離をつめて座る)

夕美「あの、Pさん」

P「ん、どうしたんだ? 花博士としていろいろアドバイスしたくなったとか?」

夕美「ええと、それもあるんだけど」

P「あるんだけど?」

夕美「………単純に、ちょっぴり寂しいなぁ、なんて」

P「………俺に相手してもらえなかったのが?」

夕美「う、うん」

P「………」

夕美「………」



夕美「私今恥ずかしいこと言った! 私今恥ずかしいこと言ったーー!!」ブンブンブン

P「すまない、俺が悪かった! だから落ち着け!」


また別の日


夕美「ごめんね、わざわざお休みの日の朝から付き合わせちゃって」

P「俺の方から言い出したことだから大丈夫だよ。一度、公園の花壇の世話を手伝いたいって」

夕美「そっか。それじゃあ今日は、先輩としていろいろレクチャーをしなくちゃだね」

P「よろしく頼む」

夕美「公園に着くまでは、お花の豆知識を教えてあげます♪」

P「おお、サービスいいな」

夕美「では早速――」



夕美「――というように、世界には地域によってたくさんの種類のお花が咲いているんだよ。同じ仲間でも、少し色とかが違っていたりして面白いんだよね♪」

P「なるほどなあ。機会があれば、海外に旅行してそういうたくさんの花を実際に見てみたいもんだ」

夕美「私も! だったら一緒に行こうよ、お花をめぐる世界旅行!」

P「はは、それは楽しそうだ。でも、何か特別なイベントがないと、その規模の旅はなかなか難しいな」

夕美「特別なイベントかー……世界一周ライブとか?」

P「超トップクラスのアイドルになれれば不可能ではないな」

夕美「超トップクラスかぁ。いつかなれるように頑張るねっ」

P「ああ。行くとしたら、最初はどこに行きたい?」

夕美「そうだなー」

夕美(なんだか新婚旅行の計画立ててるみたい……と思ったけど、これ口に出したらまた照れちゃうパターンだよね。黙っておこう)

P「なんかこうしてると、新婚旅行の計画立ててる夫婦みたいだな」

夕美「なんでPさんが言っちゃうのー! もうーー!!」ポカポカ

P「うわっ、どうした急に」

その後


P「ここの公園の花壇、いつ見てもきれいだな」

夕美「みんなが大切にしてくれているからだよ」

P「心を込めて手入れしてくれるボランティアの子もいるしな」

夕美「あはは。ちょっと照れるね」

P「さて、じゃあ早速作業に取りかかろうか」

夕美「うんっ。それじゃあ、まずは雑草抜きからお願いできるかな」

P「わかった」




ミーンミンミンミン

ジジジジジ


P「しかし、朝から暑いな」

夕美「真夏だもんね。今日は晴れだし、きっとお昼はもっと暑くなるよ」

P「夕美に言われた通り、帽子を持ってきて正解だったよ」

夕美「こまめな水分補給も忘れないようにね」

P「了解。相葉先生。しかし、こうして見ると色とりどりの花が植えてあって綺麗だよな」

夕美「そうだね。たくさんの人が楽しめるように、たくさんのお花が咲いているんだよ。もし気に入ったお花があれば、お店で買って育ててみるのもいいかもしれないね♪」

P「なるほど。どれどれ……」

夕美「いろんな子がいるけど、Pさんに似合うのは……この白い子とかどうかな?」

P「白か。そういえば、今日の夕美の服も白だな」

夕美「ふふっ、お揃いだね♪」

P「俺には白い子がお似合いということは……」

夕美「あっ、このお花倒れそうになってる!」

P(あれ、いつもなら照れそうなところなのに)

P「疲れてきたな……」

夕美「少し休む? まだ何個か作業が残ってるし、休憩を挟んだほうがいいかも」

P「夕美は平気なのか?」

夕美「私はまだまだ大丈夫だよっ」

P「すごいな。花のためになるとパワーアップしてる」

夕美「えへへ。お花と一緒に、Pさんのお世話もしてあげようか?」

P「ぜひお願いしたいくらいだな。できれば末永く」

夕美「はーい。じゃあ、Pさんは少し休憩しててね。水分もちゃんととるように」

P「わかった。ありがとう」

P(やっぱり、花の世話をしているときはそっちに意識がいくんだろうな。いつもと違って急に照れたりとかしないし)

夕美「Pさん、どうしたの? なんだかうれしそう」

P「いや。夕美のそういうところ、好きだと思って」

夕美「?」




帰り道



夕美「………」

夕美(さっきPさんに白い子が似合うって言ったの、よくよく考えたらまるで自分をアピールしてるみたいだったかも……)

夕美(その後、Pさんのこと末永くお世話しちゃうなんて言ったのも……まるであれがそれみたいな感じに聞こえちゃったかも)

夕美(というか、Pさん私のこと好きって言ってなかった!? あれっていったいどういう意味で、どういう好きで、どういう)

夕美「あうう………」カアァ


P(さっき冷静だったぶんが今爆発してるのか……)


夕美「落ち着け、落ち着け私ーー!」パンパン


ありす「……あれはもう、どうしようもなさそうですね」←たまたま通りがかって見ていた

ありす「恋の花……恋バナが咲き乱れているようです」

ありす「………」

ありす「今の表現、我ながらうまかったかも」

タブレット「すみません、よくわかりません」

ありす「あなたの評価は聞いてません!」



おしまい

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
最近劇場で照れてばかりの相葉ちゃんかわいい

過去作
モバP「速水はキスがねっとりしていそうだな」
相葉夕美「花言葉」

などもよろしくお願いします

おつおつ
相葉ちゃんの劇場ほんとにかわいいからなー

こんな砂糖がてんこもりな話を作った方は、ありすと夕美でわかった


明日からCV2(しーぶいつーれきしんとん)さんと呼びますね

おつつ

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