モバP「響子の誕生日を祝え!ピンク!」美穂「チェック!」卯月「スクール! (38)


-都内某所-


モバP「…諸君、集合はすんでいるな?」

美穂「はい!」

卯月「ばっちりですっ!」


モバP「よしっ…番号っ!!!!」

卯月「1!」

美穂「2っ!」

モバP「さんっ♪(CV:種崎敦美)」

卯月「わたしたちー?」

卯月・美穂・モバP「ピンクチェックスクールです♡」



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モバP「よし、滞りなく全員いるな」

美穂「毎回、プロデューサーさんの響子ちゃんボイスはすごいね…」

卯月「わたし、いまだに聞き間違えちゃう…」

モバP「さて、諸君に集まってもらった理由だが…聡く尊い諸君らは気づいているものと思う。諸君!…来たる8月10日は!なんの日であろうか!?!?」バン!

美穂「もちろん…その日は!ピンクチェックスクールの仲間、五十嵐響子ちゃんの!」ばばーん!

卯月「嬉しい嬉しいお誕生日ですっ!」どばばばーん!!

モバP「うむ。来るXデー、8月10日を受けて、俺たちは響子になにができるか?どのようにして響子を喜ばせるのか?俺たちとはなんだ?俺たちは響子のなんなんだ?いやそもそも響子とはなんだ?あ、あれ…?なんだ?なんだ?俺はいったいなにを…俺、俺オレオレおれろおれなんなんだなんなんだだだだだd」

美穂「プ、プロデューサーさんダメです!そのままでは人に戻れなくなる!」

卯月「え、えぇっ!?も…戻ってきてくださぁああい!!」バシイイイイイイ!!

モバP「オウスマイリンッ!!」 ズシャアアアアアアア

-しばらくお待ちください-

モバP「すまん正直飛ばしすぎた」

美穂「…こればっかりは、否定できないかもです…私もですけど////」

卯月「あ、あはははは…深夜テンションってやつでしょうか…」

モバP「今バリバリ昼なんだけどな…。まぁ詰まるところ、この会議は『響子の誕生日マジどうするなにする?』って話し合いなんだが…誰か、意見のあるやつ、いるか?」

美穂「きゅ、急に普通に戻らないで下さいよ…そうですねぇ、ひとまず卯月ちゃんと私とでプレゼントは用意してあるんですけど…」

卯月「プレゼント渡しておめでとう!だけっていうのも…せっかく、プロデューサーさんが時間空けてくれたのに」

モバP「うーん、響子はその日、午前中に個人曲のレッスンと雑誌取材。あとの予定は聞いてないが、いつもの感じだと連載中のコラムを事務所で書いてるか、事務所の掃除を始めるかどっちかだな」

美穂「私は夜にラジオの仕事があるので、できれば日中にお祝いしたいですね…」

卯月「あ、でも響子ちゃん前言ってたんだけど、その日は夜早めに寮に帰るって言ってたよ?用事があるんだって」

モバP「ふーん?…じゃあ時間はお昼から夕方にかけて日中に、だなぁ」

卯月「あ、あのぉ。プロデューサーさん。私、ちょっとやってみたい事があるんですけど…」

モバP「ん、なんだ?」

卯月「あの、よくマンガとかテレビとかでは見るんですけど実際にはやった事なくて…サプライズ…っていうんですか?なんにも準備してないように見せかけて、真っ暗なとこに急に電気がついてケーキとロウソクがバーン!…みたいな?」

美穂「あぁ、なるほど!よく見るよね、『あ、やだ…今日って私の誕生日…?うそ…?(涙を流す)』みたいなの!テレビで!」

モバP「ふんふん…サプライズバースデーを仕掛けられて、驚き喜ぶ響子とな…?」

………
……………
…………………

「あれ?お部屋、まっくらだ…えっと、誰か、いませんかー?」

「プロデューサーさーん?卯月ちゃーん?美穂ちゃーん?」

「だ、誰もいないのかな…もしかしてイタズ…キャッ!?」

「び、びっくりした…プ、プロデューサーさん?これ、ケーキ…?…あ」

「そっか、今日、私の…えへ、えへへへへへへへへ」

「私、嬉しい…本当に、嬉しいです…」

「こんな誕生日初めて…プロデューサーさん素敵…抱いて…♡」

…………………
……………
………

モバP「おい、いいな!それめっちゃいいなぁ!」

美穂「なんか最後変な事考えてませんでした?」

モバP「い、いや?べべべべっつに??…でもさ、見たくない?普段あれだけしっかりものの響子が、完全に不意を突かれて、年相応に喜ぶ姿…」

美穂・卯月「た、確かに…み、見たい…」

モバP「よし、決まりだ!俺は場所と時間を押さえる!卯月、美穂!お前らはケーキの手配と響子の誘導!!…気取られるな。響子に感づかれたら、この計画はおじゃんだからな!返事!」

美穂「了解ですっ!」

卯月「了解ですっ!」

響子「了解ですっ!」


モバP「よし、全員オッケーだな!……って何イイイイイイ!?!?」

美穂「きょ、響子ちゃんっ!?い、いつから…?」

響子「あ、お疲れ様です。今撮影が終わったので…次卯月ちゃんの番みたいですよ?」

卯月「あっほんとだ、は、はいすぐ行きます~~!」タタタ…

響子「い、いってらっしゃい…で、なんの話だったんですか?よくわからなかったんですけど、とりあえず2人が返事しているのを見てなんとなく同じように返事しちゃったんですけど」

美穂「あ、あははは気にしないで!この後の撮影頑張れって言われてただけだから!(き、聞かれてない…?)」

モバP「そうそう!今度のパンフレット、細部に拘っていくからな~!(あ、あっぶねえ…)」

響子「…?は、はぁ…?」



そして、響子ちゃんにサプライズを隠し通すため、3人の戦いは始まったのでした…

―――
響子「そういえば、今年の甲子園、鳥取代表と熊本代表は同じ日に試合するらしいですね」

美穂「あっ、そうそう!えーっと、大会4日目だから8月10…あっいや違う違う!!!!順延してたから11日だった!!!あははは、やだなぁ私ったら…あははは…さ、三重代表津田学園をなぜか応援しなきゃ!はー忙しいー!!!」

響子「は、はぁ…?」

―――

卯月「じゃあ、6時に駅前に集合ですね!わかりました!ふふっ、楽しみにしてますね♪」

響子「あっ、卯月ちゃん。なんかいい事あったんですか?」

卯月「うん、今度ニュージェネとトライアドの5人で遊び行くことになって。ほら、もうすぐ凛ちゃんのはっ!?!?」

響子「…?えっと、凛ちゃんの…?」

卯月「えっええと…リン〇ーハット!そう、いますごくなによりもだれよりもどこまでも5人でリン〇ーハットに行きたくて!!その相談です!」

響子「そ、そこまでちゃんぽんに…?」

―――

響子「あ、あのプロデューサーさん…?」

モバP「ん、なんだ?」チョキチョキペタペタ

響子「えっと、今度の取材の事でちょっと…いや、ちょっと待ってください」

モバP「ん?どうした」チョキチョキ

響子「プロデューサーさんは、どうしてさっきから紙吹雪と輪っかのパーティ飾りを作っているんでしょうか…?」

モバP「今これがなによりも優先すべき仕事だからだ。それ以外質問がないなら作業に戻るぞ?」ペッタンタンタモジピッタン

響子「えぇ…」

―――

戦いは熾烈を極めました。
そしてついに当日がやってきたのです!

-事務所、普段あまり使われていなし会議室-

美穂「ふぅ、遂に当日がやってきましたね…」

モバP「ああ、みんなよく今日まで響子にバレずに事を運んでくれた。感謝する」

卯月「いえいえ。プロデューサーさんこそ、場所の確保ありがとうございます」

モバP「ふっ、気にするな。それより二人とも、準備はできているな?」

美穂「ばっちりです、ええと、今は12時で…響子ちゃんには13時に来るようお願いしてきました!」

モバP「よし、という事は後1時間…しっかり準備に使えるな!よーし二人とも、取り掛かるぞ!レッツ!」

美穂・卯月「さぷらーいず♪」

ガラガラガラッ

響子「あ、失礼しまーす」

卯月「!?」

美穂「!?」

モバP「!?!?!?!?」

響子「あ、プロデューサーさん、卯月ちゃんに美穂ちゃんもいた。よかったー、少し早めにお仕事が終わったから、ちょっと早めに来ちゃったんです」
?
モバ「な、な、な…」
?
美穂「こ、これって…失敗?」
?
卯月「そ、想定外ですね…」
?
響子「?…えっと、実は3人にはちゃんとした用事があって。これ、受け取ってください」

モバ「え…これ、この包装紙…これって?」
?
響子「ふふっ。はい、これは、美穂ちゃんと卯月ちゃんに」
?
美穂「えっ。あ、ありがとう…」
?
卯月「えっと、響子ちゃん、これは…?」
?

響子「皆さん、知ってます?…私、今日誕生日なんですよ」
?
卯月(知ってる…)
?
美穂(知ってた…)
?
モバP(なんなら今バリバリ誕生日会の準備しようとしてた…)

響子「…鳥取から東京に出てきて、不安な事いーっぱいあったし、地元を恋しく感じることもあったけど…アイドルとしての仕事が増えてきて、卯月ちゃんと美穂ちゃんとも一緒のユニットとしてお仕事できるようになって。…二人ともすっごい優しくて、こんな私に色々教えてくれて…」
?
美穂「…」

響子「3人で歌って踊って、ファンのみんなが笑顔になってくれて。こんな幸せの中でまたひとつ誕生日を迎えられた事が嬉しくて。そしたら私、今日…『ありがとう』って、言いたくなったんです。私の15歳は、みんなにいーーぱい支えてもらったから、みんなのおかげで笑顔で誕生日を迎えられたから」
?
卯月「響子ちゃん…」

響子「それに…プロデューサーさん」
?
モバP「!」
?
響子「プロデューサーさんが、私を見つけてくれたから。私は今ここにいます。もう、地元でごく普通の女の子として生きることはできないけど、それよりもきっと、もっともっと大事で幸せな経験を、いつもさせてもらってるから。…アイドルに誘ってくれて、いつも見守ってくれて、ありがとうございます。」
?


モバP「……ウン」
?

響子「えっと、だからですね…これは、もしかしたら本来は違うのかもしれないけど。私からの『誕生日ありがとう』をこめて」
?



響子「『プレゼント、受け取って、ください♪』えへへ、なーんて//////」

携帯でうってるからか
なぞの?が行間に…
気にしないで頂けると幸いです

美穂・卯月・モバP「………」
 
響子「あ、ええとえと、さすがに替え歌は恥ずかしかったですかね…」
 
美穂・卯月・モバP「き…」
 
響子「き?」
 
モバP「うっ、うううううう!!響子ぉぉおおおおおおお!!!!!!」(号泣
 
美穂「響子ちゃんっ!!」ダキッ
 
卯月「響子ちゃんっ!!!」ダキッ

 

響子「わぷっ!…えへへ」

卯月「私たちの方こそ、響子ちゃんに支えてもらって…!」

美穂「うっ…うぅ…私たちもぉ、響子ちゃんの事、大好きだよ…あっ、ありがとう…!」

響子「はい、ありがとうございます」

モバP「響子…こんな遠いところに連れて来て、今までの生活も全部変えさせちまって…15で親元を離れさせてしまった事、俺は…俺は…!」

響子「もう、だからさっきも言ったじゃないですか。…感謝してます。」

モバP「うっ、ひっぐ…ううううううう…良かったぁ…良かったよぉ…」

美穂「響子ちゃん、実は私達ね、あの…今日ここに来てもらったのはね、響子ちゃんのお誕生日をお祝いしようと思ってて…その、サプライズで」

響子「あーっ、そうなんですか?!ふふ、実は前から3人の様子が変だったから…そうだったらいいなーって、思ってたんです♪」

モバP「よーっし、みんな!少し計画は狂っちまったが…始めるぞ響子生誕祭!!」

卯月「はい!私達だって、響子ちゃんに喜んでもらうために一生懸命ガンバリます!あ、頑張りました!」

モバP「よし、ケーキとプレゼント持ってこーい!響子、たまげさせてやるぞ!今度こそおとなしく祝われろ!」

美穂「楽しみにしててね!」



響子「…ふふ。はい!楽しみです!みんな、…ありがとう」

-夕方、事務所-

モバP「あーっ、楽しかった…くぅ〜あいつめ、泣かせてくれやがって…」

ちひろ「あ、プロデューサーさんお疲れ様です。どうでした?誕生会」

モバP「ああ、多少予定は狂ったけど、すごく楽しかったよ。やっぱりああいうの、いいよな。」

ちひろ「それはそれは…良かったですね♪あれ、3人は?」

モバP「あぁ、美穂はラジオ、卯月は今度は凛の誕生日を祝いに行くとかで…響子はなんだか用事があるっていって、帰りましたね」

ちひろ「誕生日の夜に用事…?ふふ、どうしますか〜プロデューサーさん?こんな大事な日の夜を開けておくなんて…もしかしたらスキャンダルかもですよ〜?…なーんて、まあそんな事あるわけ…」

ドサァッ……

ちひろ「ん…?プロデューサーさん、どうしファッ?!?! 」

モバP「そそそそんな…ううううそだうそうそ…響子に限ってまさかそんな…」ガクガクガクガク

ちひろ「えっ、あのぉプロデューサーさん…?えっと、あくまで冗談で…」

モバP「くそっ…こんなとこに居られるか!こうしちゃおれん、ちひろさん、俺は女子寮に…!」

ちひろ「あっちょっとプロデューサーさん?!」

ガチャっ!

常務「失礼する。モバPはいるか?」

モバP「じょ、常務…?!なぜ?!」

常務「…貴様が本日、本来は就業時間となっている時間帯に重役用会議室を無断使用していた件について話を聞きにきたのだが?…不服か」

モバP「えーっ!だから言ったじゃないですか!担当アイドルを祝うためなんだから、これは立派な仕事ですって!認めてくださいよ!!」

常務「…勤務態度と、職場についての見解についても話を聞かねばならんな。千川、この男借りて行くぞ」

ちひろ「あっハイ。どうぞ」


モバP「そんなっ常務!俺は急用があって…待って、まっ、あぁ〜〜…」

ちひろ「い、いってらっしゃ〜い…あら?プロデューサーさん…」






ちひろ「朝、あんなネクタイ付けてたかしら?」

-寮、響子の部屋-

-ふーん。で、結局あのネクタイにしたんだ。他の2人は?

響子「うーん、悩んだんだけど、エプロンにしたよ。今度一緒にお料理しようって、約束したんだー」

-げ、それ大丈夫なん?キョーコ、家事の事になると途端鬼になるからなー…

響子「む。そんな事言うんだ。今度帰ったときは、あんたの好きな和風ハンバーグ、なしだからね」

-げー!卑怯なりキョーコ!ハンバーグ様を人質に、いや肉質にとるなんてー!

-わたしもおねーちゃんのハンバーグ食べたいよー!

響子「あんた達は…まったくもー」

響子「…お父さんとお母さんに迷惑かけてない?」

-あったりまえじゃん!

-ちゃんと宿題もやってるし、朝はみんなで頑張って起きてるし、ちゃんと「次の日の準備は今日のうちに」ってやってるー!

響子「そっか…えらいなぁ。頑張ってるね、みんな」

-ふふ、キョーコも俺たちみたいに頑張れよ!

ーもう、お兄ちゃんまたー…

響子「ふふ、はいはいがんばりますよー…ん、今ドアの音した?お母さんたちかな?」

ーあ、ほんとだ…おかーさーん!おとーさーん!おかえりー!

ーあらあら、ありがと…あ、響子?わー、すごいすごいほんとに映ってる。

ーおお。テレビ電話機能って初めて見たけどこんな綺麗に映るんだな…スマホにした甲斐があった…

響子「お父さん、お母さん、お帰りなさい。お疲れ様」

ー…ふふ、響子にそう言ってるのも久しぶりね。あ、ほらお父さん。画面の外に出て泣かないの。

ーな、泣いてない!

響子「あはは、声、震えてるよ?」

ー…不思議だな。

響子「ん、なにが?」

ーお前の事が心配でな、色々聞こうと思ってたんだ。元気でいるか?街には慣れたか?友達できたか?って歌じゃないけど…向こうで、うまくやれてんのかなって…

響子「…」

ーでもな、なんだかお前の表情見てたら…大丈夫そうだなって思えた。…不思議だな。…響子、アイドル楽しいか?

響子「……うん!とーっても楽しい!!」

ー…そうか、頑張れよ。

ーあら、響子…そのイヤリングは?えっと…封筒、かしら?

響子「あ、気づいた?えへへー、こっちの友達がくれたんだー。ユニットのデビュー曲に合わせてくれたのんだって。お揃いなんだー♪」

ーあらぁ、よかったじゃない。まさか、そのお友達って…男の子かしら!?

ーぶほぉっ!?!?

ー父ちゃんきたなーい!

ーきたなーい!

響子「あはは、違う違う、女の子!知ってるでしょ、一緒にCD出した子で…あ、でも…」

ーん?その髪留めがどうかしたの?


響子「…ん。…えへへ、ないしょ」

-おい待て響子!なんだその何かありげな微笑みは父さんまだ彼氏なんて許さんぞ!いや父さんが許してもアイドル的にダメだろ!?

-じゃあ、みんな揃った事だし、アレ一緒に言いましょうか?

-わーい!父ちゃんもはやくはやく!!

-お父さん、ぶつぶつしないのー

-えぇ…ま、わかったよ…あとで詳しい話聞くからな!

響子「はいはい…別になんもやましい事ないってば…」



-よし、それじゃいくわよー?せーのっ!


『『『『『『響子(ねーちゃん)!お誕生日、おめでとう!!!!!!』』』』』』



響子「えへへ…ありがとう」




大事な人と別れて、大切な人と出会って。知らなかった事を知って、忘れていたことを思い出して。

たくさんのありがとうを贈って、貰って…

そして、また私の1年が始まるのです。



-おわり-

これで完結です。

響子、誕生日おめでとう。

響子の髪留めになって響子のサイドポニーを支えて生きたい。

見てくださった方、ありがとうございました。

おつ

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