モバP「凛と響子の誕生日を祝おう」 (20)


響子「お誕生日おめでとうございます、凛ちゃん!」

凛「響子も。おめでとう」

響子「えへへ、ありがとうございます」

凛「同じだと祝いやすくていいね」

響子「同時に祝えてお得ですよね。ケーキもふたつ!」

凛「プロデューサーもご丁寧に二人ぶん買うんだもの」

響子「そこがPさんらしいというか、だからPさんなんですよ!」

凛「それもそうかな。ともあれ、早速食べようか」

響子「はーい! いただきまーす!」

凛「いただきます……響子はショートケーキなんだ。」

響子「凛ちゃんのはチョコなんですね。食べさせっこしませんか?」

凛「ん。いいよ。食べ比べしてみようか」


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響子「ふわー、甘くて美味しいよぉー!」

凛「もぐもぐ……プロデューサーは忙しい中、誕生日は欠かさず祝ってくるよね」

響子「もきゅもきゅ……そうですねぇ。ほとんど毎日、誰かを祝ってるような気がします♪」

凛「私はいいって言ったんだけど……まあ、律儀というか何というか」

響子「私は、毎年Pさんに祝ってもらうのが、密かな楽しみですよ?」

凛「響子は可愛いからね」

響子「えー、凛ちゃんだって可愛いじゃないですかぁ!」

凛「私の場合……なんだか、違うものを期待されてる気がして」

響子「違うもの?」

凛「何だろうね。おめでとうの返事の次に……さ」

響子「もしかして、Pさんの渾身のおねだりなんじゃ……」

凛「おねだり……」ポワポワ



『誕生日おめでとう、凛。またひとつ大人になったな……』

『それで、その、さ。ほら……わかるだろ?』

『わからないか……そうか。ならいいんだ、俺の力不足だな』

『これまでのレッスンが足りなかったかな。もうちょっとハードにしてみるか?』

『口にしなくても、ちゃんと俺の欲望を受け止められるようにしてやるからな……』


凛(ってこと……?)ポワワ


凛「そ、そんな大きすぎる期待は受け止められないよ!」

響子「諦めたらダメですよ凛ちゃん! 凛ちゃんなら、Pさんの期待に応えられます!」

凛「で、でも……」

響子「Pさんは、凛ちゃんなら出来ると信じてくれてるんです。その期待に応えなきゃ!」

凛「……そ、そうかな。私でもプロデューサーと足跡残していけるかな」

響子「もちろんです! そのうち月にも残しにいけますよ!」

凛「そ、そう?」

響子「凛ちゃんはクールでカッコいいですから、自信持って!」

凛「ありがとう……ところで、響子はどうなの? プロデューサーに、どんな風に祝ってもらった?」

響子「誕生日ですか? 実はPさんと、初めてふたりでお料理したんです!」

凛「ってことは、初の共同作業?」

響子「初の共同作業……!?」ポワポワ



『さて響子。響子もそろそろ、可愛くて優しいお嫁さんになれそうか?』

『だとしたら、お嫁さんとして一番大切なことが残ってるよな』

『俺だけでも、響子だけでもできない、新婚夫婦の初めての大切な営みだぞ』

『響子とならきっと、一生忘れられない刺激的な初めてになると思うんだけど……どうかな?』


響子(刺激的過ぎます……!)ポワワ


響子「わ、私はお料理が精一杯です……っ!」

凛「あれ。もうちょっと積極的かと思ったんだけど」

響子「い、今はこの距離が心地良いというか、このままがいいなって……」

凛「そ……それって焦らしプレイってこと?」

響子「焦らしプレイ……ッ!?」ポワポワ



『ふーん、響子は割とシャイなんだ? それなら俺も我慢しようかな』

『響子が頑張ってくれたら、俺だってもっと積極的になれるのに……』

『あ、もしかして……じわじわ攻められるのが、好きなのかな?』

『ごめん、気づかなかったよ。まさか響子が、焦らされて喜ぶアイドルだったなんて……な』

『それなら、じっくりしっとり……手取り足取り、攻めさせてもらおうかな?』


響子(攻められちゃう……!)ポワワワワ


響子「に、新妻って、大変なんですね……っ!」

凛「ん? まあ、結婚してすぐは大変だろうね。いろいろあるだろうし」

響子「い、イロイロ……ごくり」

凛「と言っても……私たちには、まだ早い話だと思うけど」

響子「そんなこと……だって凛ちゃんも、Pさんに誕生日祝ってもらいましたよね?」

凛「うん」

響子「Pさんの隠れた願望……読み取れました?」

凛「隠れた……願望?」ポワポワ



『……あれ、おかしいな。凛なら俺のお願い、汲み取ってくれると思ってたんだけどな?』

『それとも俺が自分から言わないと……いや、凛は言ってもらいたいんだ?』

『俺がどんなに凛のことが好きで、なでなでしたり、抱きしめたりしたいと思ってるかを……』

『餌をおねだりしたのに、何もくれないと……意地悪な飼い主を襲っちゃうぞ?』

『そうだな……まずは、俺がどれだけ凛のことを好きなのか、身体に教え込もうか……?』


凛(犬、猫……ううん、P派になるってば……っ!)ポワワワ


凛「プロデューサー、おすわりっ!」

響子「えっ!?」

凛「……って困ったときに言えばなんとなるって、テレビで言ってた」

響子「どんな番組ですか!?」

凛「だ、大体プロデューサーがこんな積極的なわけない!」

響子「わかりませんよ? Pさんは時々強引なときがあるし……」

凛「……確かに」

響子「そりゃ、いつもはちょっと無理矢理さが足りないような気がしないでもないですけど……」

凛「む、無理やりなんて……」

響子「嫌……ですか?」

凛「嫌……じゃないけど……」ポワポワ

響子「嫌……じゃないですよね……」ポワポワ


『全く、ご褒美をあげるより、お仕置きをしたときの方が、凛は聞き分けが良くないか?』

『せっかく誕生日ケーキ選んだのに……レッスンの方が大事なのか』

『しょうがない、今日はとびきりキツくて大変な、特別レッスンにしよう』

『あれ、嫌がるどころがやる気だしてるけど……』

『俺とふたりきりになれるからか……意地悪なレッスンされちゃうから……どっちかな』

『あるいは……もしかして、どっちも、かな?』


凛(言えない……)ポワワワワ



『あれ、響子は俺のお嫁さんじゃなかったのかな?』

『せっかくの新婚なのに、お嫁さんが言うこときかないと、ね……』

『でも心配要らないさ。特別レッスンで、響子を素敵なお嫁さんにしてあげよう』

『ただ、あまりに愛を深め合いすぎて、メロメロになっちゃうかもだけど……もちろん、いいよな?』


響子(はうう……)ポワワワワ


凛「や、やっぱり誕生日は普通でいいよ」

響子「で……ですよねっ!」

凛「変に特別だと……か、身体が持ちそうにないし」

響子「そうそう! そういうのは、結婚してからでも遅くないですし!」

凛「でも、もう結婚できそうな年齢になっちゃったね……」

響子「あ……そ、そうですね……」

凛「……」

響子「……」

凛「もし、さ……」

響子「はい……?」

凛「プロデューサーが無理矢理……結婚申し込んできたら……」

響子「あ……」

凛「……断れ、ない……ね?」

響子「そ、そうです……ね」

凛「アイドルだし……プロデューサーの言うことは絶対だし、ね」

響子「逆らったら……どうなります?」

凛「それは……言えない、かな」

響子「す、すごいことになりそう……」

凛「……」

響子「……」


凛「……た、たまには反抗期もいいかも」

響子「……じ、自己主張の一環ということで!」

おしまい

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