東方野猟日誌 (231)


深夜からこっちに移動した。
ゆるふわ日常系はーとふるss

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498371269


男「やっぱこっちに逃げてるな...足跡がまだ新しい」

『こちら射手、勢子の現在地を教えてくれ』ザザッ

男「こちら勢子。シカは尾根から少しはずれて谷に下った。一度降りて巻返すからもう少し待機しててくれ」ザザッ

『了解。深追いしすぎるなよ』ザザッ

男「了解」ザザッ


男「恐らくこの辺りに溜まってると思うッ...見えた」

男「5頭か...うまく射手の方に行ってくれるといいんだが」カチャ


ドォンッ! ドォンッ!

男「3頭そっち行ったぞ!」ザザッ

『了解...来た...』

バァッ...ン.. バァ..ッ.ン バァ...ッ.ン....

男「3発...こりゃ全部仕留めたみたいだな」

『状況終了。各員脱包の確認と報告を』ザザッ

男「こちら勢子。2頭食った。目の前で転がってる」

『お前勢子なのに止めすぎだよ』ザザッ

男「いやー。良い射線が“見えた”からさ。つい」

『ガハハッ まぁそれできっちり当ててるんだからいいだろ。2頭ってことは応援いるか?』

男「んにゃ。片方は小さいから一人で大丈夫。途中で誰かと合流したら持って貰うよ」

『了解。その辺りは足場も悪いから気をつけてな』ザザッ

男「了解。じゃあまたあとで」ザザッ

男「とりあえずシカの首にロープを巻いて...」

『各員へ、霧が濃くなってきた。だいぶ視界が悪くなってるから十分気をつけるように』ザザッ

男「確かに霧が濃いが...この程度だったら問題なく見えるな」

周囲を見渡すとほぼ真っ白になっていた。それこそ5m先は全く見えないほどに。
しかし男には周囲の地形、状況が何となく“見えている”。

男「了解。この程度なら問題なく見えるから大丈夫だ。これから運び出すから途中で俺を見つけたら手伝ってくれ」ザザッ

『相変わらず男は目がいいのな』ザザッ

男「まぁそれだけが取り柄ですしおすし」ザッ

『まぁ一応気をつけてくれ。遭難なんかしたら洒落にならんからな』

男「りょーかい」ザザッ

男「ぐぬぬ...いくら小振りだからって2頭は厳しかったかな...」ゼェゼェ

男「どんどん霧も濃くなってるし...早いトコ山を抜け出さないと」ゼェゼェ

ゴンッ

男「あだっ!?っつー!すげぇ頭ぶつけた...前見て歩かんとあぶねぇ...な...」チラッ

顔を上げるとそこには古ぼけた鳥居が一つ。赤い塗装がかなり剥げている。

男「これは...鳥居?...なんでこんなところに?地図には載ってないよな」ガサガサ

男「んー、死体引きずって鳥居くぐるのもよくないけどなぁ...今回ばかりは多めに見てくれ」

男「失礼しまーっす」グニャ

鳥居をくぐった瞬間、視界がぼやける。
視界が反転する。徐々に頭に血が上っていく感覚がハッキリしてくる。

男「うぇ?...あれ?なんで地面が上にあるんだ?」

ドサァッ!

男「いってぇぇ!?なんでいきなり投げっぱなしジャーマンされてんだよ!っつー!!」

男「いてて...頭とれてないよな...よし、大丈夫だ」

周囲を見渡すと霧ははれて、林道のような場所の真ん中で頭を抱えている自分の状況がハッキリと認識できた。

男「あれ?俺林道なんて通ってたっけ?っつーか神社は?」

慌ててGar○inのGPSで現在地を確認しようとするが、画面上にはクエスチョンマークが表示されるだけ

男「こちら勢子の男、男。だれかとれる人いますかどーぞ」ザザッ

...


男「反応無しか...スマホも...もちろんだめかぁ」

GPSもだめ、無線もだめ、携帯電話も使えない。
自分の荷物を確認する。ザックも銃もシカ2頭もしっかり持っている。
となると...

男「これは俗に言う神隠しか?それとも遭難したか?」

「そーなのかー」

男「...そこは“そうなんです”だろお嬢ちゃん」

声を掛けられ後ろを振り返ると、金髪の女の子が立っていた。

男(育ちが良さそうな黒いドレスっぽいのを着ている。明らかに山に入る服装じゃないが、かと言って汚れてるわけでもない。ということは人里が近いのかな?)

「お兄さん、こんなとこで何してるの?」

男「あぁ、なんだか道に迷っちまったみたいでな。悪いんだが近くの民家まで案内してくれると助かるかな」

「迷ったの?」

男「それはもうこの上無いくらい絶賛遭難中」

「そーなのかー」

男「だから...まぁいいや。ちなみにここはどこなのかな?少なくとも○○県からは出てないと思うんだけど」

「...お兄さんもしかして外来人?」

男「ん?日本人だけど?...へ?」

両手を広げた少女の周りに黒いオーラが漂い始める。

男「ちょっとお嬢ちゃん?どうしたの?すしざんまいごっこ?」

「博麗の巫女のせいで幻想郷内の人間は食べちゃいけなくなったけど...外来人なら問題ないよね?」

徐々に黒いオーラが周囲を埋め尽くしていく...まだ昼間なはずなのだがさながら周囲は深夜のように闇に包まれていく。
流石にここまでくると目の前の少女がただの少女では無いと思わざるえない。

男「ちょっと待ってくれ、人間を食べる?シカじゃだめ?心臓撃ち抜いてるからうまく血抜きできてると思うよ?」

「んー。お兄さんの方が美味しそうかな?」

気が付けばすでに周囲は真っ暗に。ザックのサイドポケットからマグライトを取り出す。

男「あれ?つかない?」

「無駄だよ。この闇の中ではあらゆる光源が無効化される」

男「...お嬢ちゃん何者なん?」

ルーミア「私はルーミア。宵闇の妖怪...そして」

暗闇の中、ルーミアがスッっと近づく。

ルーミア「いただきます」ガバッ

男「そぉぉい!」チョップ

ルーミア「あだっ!?」ガスッ

男「暗くして見えなくしたつもりかもしれんが、俺には割と見えてるぞ?」

ルーミア「そんな...?私ですら視界を奪われてるというのに」

男「それって本末転倒なんじゃ...まぁガキの頃から目だけは異常に良くてな。霧に覆われようが暗くなろうが何となく見えるんだよ」

暗闇がルーミアに集約し、周囲が明るくなる。

ルーミア「くっ...なら力業で!」

男「はーいそこまで」カチャ

ルーミア「...なにそれ?」

男「ほー、この世界には銃が存在しないのか」

男「お嬢ちゃん...ルーミアちゃんか。のおかげで何となく分かった。ここは俺が居た世界とは恐らく違う世界なのだろう。さっき幻想郷とか言ったな?
そしてルーミアちゃんは妖怪」

男「いくら妖怪だろうとかわいい女の子を撃ちたくない。ここで引いてくれるとうれしいんだが?」

ルーミア「ちょっと何言ってるか分からないわね。唯の人間であるあなたが妖怪の腕力に勝てると思っているの?」

男「へぇ、やっぱりすごい力あんのか...あとで腕相撲しようぜ」

ルーミア「クスッ...そうね。じゃあ腕だけは残してあげる!」バッ



ドォンッ!

ルーミア「...へ?」

男「...ごめんな。心臓を撃ち抜かせてもらった...」

ルーミア「...そん...な...」

男「...俺もこんなトコで死にたくないんさ」

ルーミア「...ねぇ...」

男「どうした?」

ルーミア「...お腹すいた」グゥゥ

男「...は?」

男「なるほど...妖怪相手に唯の物理攻撃は意味がないのか」ゼェゼェ

ルーミア「全く意味が無いわけじゃないわよ。現にわたしは今動けないんだし。ただ致命傷にはならないわね」

男「色々腹くくって引き金引いたんだけどなぁ...まぁ結果オーライか」ゼェゼェ

ルーミア「それよりもさっきのは何?魔法?」

男「ほぅ?この世界には魔法も存在するのか」ゼェゼェ

ルーミア「いるわよ。普通の魔法使いとか人形使いとか」

男「人形使いねぇ。そのうちゾナハ病とか柔らかい石とか出てくるんじゃないだろうな?」ゼェゼェ

ルーミア「なにそれ?」

男「わからんならいい。お、階段が見えてきたな」ゼェゼェ

ルーミア「あそこを上がれば博麗神社よ」

男「上がれっつったって...ザックに銃にシカ2頭にお前背負ってるんだぞ...」ゼェゼェ

ルーミア「お兄さんがケガさせたんじゃない」

男「おめーが襲ってきたんだろーが!」

「...何してるんだぜ?」

男「ん?」

声を掛けられた方を振り向くと、そこには一人の少女が立っていた。
黒と白のフリフリした服を着て、頭に被った大きな三角帽から金髪の長い髪が降りている...まるで

男「おぉ、普通の魔法使いか」

ルーミア「そーなのだ」

「なんでそれをっ!って、ルーミアじゃねーか?」

ルーミア「やっほー魔理沙」

魔理沙「どうしたんだぜ?男におぶってもらったりして?」

ルーミア「んー、この人襲ったら返り討ちにされちゃった」

男「おい、間違っちゃ無いけどもうちょい言い方があるだろ」

魔理沙「襲った!?おいおいルーミア、何でそんなことしたんだ?霊夢に見つかったらことなんだぜ?」

ルーミア「いやー、このお兄さん外来人みたいでね?つい」

魔理沙「へぇ、外来人なのにルーミアに勝ったのか。お兄さんなかなかやるんだぜ!」

男「お、おう。まぁな」

魔理沙「私の名前は霧雨魔理沙。普通の魔法使いなんだぜ!よろしくな!」スッ

男「こちらこそよろしく」アクシュ

魔理沙「それで...最初から気になってたんだが...そのシカはなんなんだぜ?」

男「お、これな。その辺りも含めて色々話したいんだが...ルーミアちゃん曰くここの神社の巫女さんが俺みたいな奴の担当らしいんだが」

魔理沙「お兄さん霊夢に会いに来たのか?私もそうなんだぜ!ちょうどいいから一緒に行くんだぜ!」

男「そうしたいんだが...なぁ魔理沙ちゃん。ちょっとお願いがあるんだが?」

魔理沙「ちゃん付けで呼ばれるとなんだかムズムズするんだぜ。どうかしたか?」

男「ルーミアちゃんのことお願いしていいか?流石にシカとルーミアちゃん持って階段上がるのはしんどいからさ」

ルーミア「えー?お兄さんおんぶしてくれないの?」

男「もう十分したでしょーが。すまんが魔理沙ちゃん、たのめるか?」

魔理沙「お安い御用なんだぜ!なんならそのシカも上まで運んでやるよ!」

男「それは流石に悪いだろ」

魔理沙「余裕なんだぜ!このひもを箒にくくりつけて...っと」

魔理沙「ほれルーミア、行くぞ」

男「その箒をどうするんだ?」

魔理沙「魔法使いらしくこうするんだぜ!!」ブワッ

男「!?...まさかとは思ったけど、本当に飛びやがった...」

魔理沙「先に上に上がってるぜ!お兄さんも早く来いよな!」


「...ふぅ、今日もお茶が美味しいわ」ズズッ

「暇ねぇ...そろそろ魔理沙辺りが来そうな予感がするけど」

オーイ、レイムー

「あら、噂をすれば....は?」

魔理沙「おっす霊夢!遊びに来たんだぜ!」

ルーミア「そーなのだー」

霊夢「魔理沙とルーミア...何このシカ」

魔理沙「お?やっぱり気になっちゃうよな?そろそろ来るんだぜ」

霊夢「そろそろ来るって...ってかルーミアケガしてんじゃないのよ、大丈夫なの?」

男「ヒィ...ヒィ...なんだよこの階段、高尾山かよ」

霊夢「...だれ!?」

男「やっと着いたぜちきしょー...おぉ、本当に巫女さんだ。えらい美人さんだ」

霊夢「なるほど...外来人ね」

魔理沙「そうみたいなんだぜ。けどルーミアに襲われても勝ったんだぜ!」

霊夢「だからルーミアはケガしてたのね。っつーか何人間襲ってんのよ」

ルーミア「ちょっとお腹が空いててね。外来人だしいいかなって」テヘッ

霊夢「まったく...あんたもよく無事だったわね」

男「んー?まぁね。そんな事よりルーミアちゃんは大丈夫なのか?」

霊夢「こいつは妖怪だからこの程度の傷なら大丈夫よ...というかどうやったらこんな傷がつくのかしら」

男「あー、そりゃこいつを使ったからな」カチャ

霊夢「...?なにそれ?」

魔理沙「ただの鉄の筒にしか見えないんだぜ?」

男「まぁ鉄の筒だからな。こいつは銃。散弾銃のRemingtonの1100だ」

霊夢「銃?」

魔理沙「聞いたことないんだぜ?どうやって使うんだ?」

男「そうだな...ちょうどいい、ルーミアを撃った時の薬莢を使おう」

男「あそこに薬莢を置いてきたのが見えるな?距離で言ったら15m位しかないんだが」

魔理沙「あの緑色のやつだろ?あれをどうするんだ?」

男「ちょっと音がでかいから耳をしっかり塞いどけ。ちなみに霊夢ちゃん、この先に人家はないよな?」

霊夢「え、ええ。森しかないわよ」

男「おっけー。じゃあ見てな...」カチャ

ドォンッ!

霊夢「!?」

魔理沙「!?」

ルーミア「...へぇ、これであたしはやられたのね」

男「これが銃だ。火薬が燃える爆発力を使って鉛の塊を高速で打ち出す仕組みだ」

魔理沙「すごい音がしてびっくりしたんだぜ」

霊夢「...もしかしてそのシカも?」

男「そ。俺達はグループで巻狩りをしてたんだが...いきなり山が深い霧に包まれてな。気が付いたら古い鳥居に着いてたんだよ」

霊夢「それで幻想郷に...」

魔理沙「...?どうしたんだぜ霊夢?」

霊夢「おかしいわね。この前の異変解決後に結界はかなり安定したわ。ちょっとやそっとの歪みや弾みで外の世界と繋がるなんてのはあり得ないはず...」

魔理沙「おいおいどういうことなんだぜ?お兄さんを外に戻すだけでいいんだぜ?」

霊夢「それができないのよ...結界が安定しすぎてるせいで、向こうからも入れないしこっちからも出られないようになってるの」

男「...つまりは現状俺は元の世界に戻れないってことか?」

霊夢「...ごめんなさい、私にはなんとも言えないわ。ただこういう事を起こしそうな元凶に心当たりがあるから、少し聞いてみるわね」

魔理沙「私も色々サポートするんだぜ!なんでも言ってくれ!」

男「なんかすまんな、色々迷惑かけるみたいで」

霊夢「別に構わないわ。それが私の仕事だもの」

男「まぁそんな霊夢ちゃんに礼といっちゃなんだが...御馳走しようと思う」

霊夢「御馳走?」

男「こいつ...シカ肉だよ」ドサッ

男「おいしょ...」スッ スッ

魔理沙「おー...どんどん皮が剥がされて行くんだぜ」

霊夢「うさぎとかニワトリとかは見たことあるけど...シカははじめてね」

男「ウサギもニワトリも捌けるよ」

魔理沙「ほんとか!?今度鈴仙とミスチーに会わせてみようぜ!」

霊夢「ひでぇことしやがる」

男「おし...まずは背ロースがとれたぞ、んで脚も取っちまうか」スッ スッ

ルーミア「おー、美味しそう」

霊夢「ここまで来ると売ってるお肉にしか見えないわね」

男「魔理沙ちゃん、俺のザックから剣鉈取ってくれない?」

魔理沙「ザック?このおっきなかばんの事か?」

男「そそ。その横のチャックの中に入ってると思うんだが」

魔理沙「んー?長いヒモしか入ってないんだぜ?」

男「ん?あぁ、ザイルか。反対側はどう?」

魔理沙「コレのことか?」

男「それそれ。それが剣鉈」

霊夢「なるほど...鉈の先が尖っているのね」

男「流石に鉈は知ってたか。俺が持ってる剣鉈は刃渡りが22cm。勿論鉈として使えるし、先が尖ってるから獲物の止め射しなんかにも使える。肉厚だから丈夫だしね」

霊夢「まぁ自分で薪作ったりはしょっちゅうするからね」

魔理沙「これと似たようなのを香霖堂で見たことあるんだぜ」

男「香霖堂?」

魔理沙「人里にある道具屋の事なんだぜ。幻想郷で唯一外来の道具から冥界の道具まで扱ってるガラクタ屋なんだぜ」

男「外来...俺の世界の道具も扱ってるのか」

霊夢「私達が見ても唯のガラクタだけど、あなたから見れば役に立つモノがあるかもしれないわね」

魔理沙「今度案内してやるんだぜ!」

男「おー、それは助かる...っつーか」

霊夢「なに?どうしたの?」

男「俺はこれからどうしたらいいの?」

霊夢「...」

魔理沙「...」

ルーミア「...とりあえずシカを食べれるようにしたらいいんじゃないかしら?」ニコッ

男「デスヨネー」

男「すっかり日も暮れちまったな」

魔理沙「うまい!むっちゃうまいんだぜ!?」

霊夢「獣の肉は少し臭みがあるイメージだったけど...美味しいわね」

男「いい位置抜いたからな。それに調理する前に少し布でくるんでおいたろ?だから血がちゃんと抜けてんだ」

ルーミア「美味しい...ほんとに美味しい」ガツガツ

男「落ち着け。すげー零れてるから」

ルーミア「ングング...おかげさまで傷もすっかり治ったわ」

男「あんだけガッツリ貫通してた傷が...本当に跡形もなく治ってるな」

霊夢「妖怪はそもそもの生命力が人とは違うからね」

男「そういや霊夢ちゃんと魔理沙ちゃんは人なのか?」

魔理沙「私達は完全に人なんだぜ!中には半人半霊みたいな中途半端な奴とかもいるしな」

霊夢「人間みたいな妖怪もいれば妖怪みたいな人間もいる...幻想郷はそういうところよ」

男「なるほどねぇ...俺の世界もそんな風に人と獣が共存できる世界だったらよかったのにな...」

魔理沙「?どういうことなんだぜ?」

男「んー?まぁ今度気が向いたら話すよ。それより俺は今後どうするかを考えにゃならん。元々山小屋に泊まる予定だったからテントとかも持ってきてないんだ」

霊夢「てんとが何か分からないけど、とりあえずはウチに泊まっていきなさい」

男「いや、それは流石に悪いだろ」

霊夢「結界が安定する前はよく迷い込んだ外来人を泊めていたものよ。それにこんな御馳走してもらったんだもの、遠慮しなくていいわ」

男「んー...でもなぁ」

ルーミア「この時間から森を抜けて人里に行こうとしても危ないわよ。いくら霊夢が人と妖のルールを決めたといっても、それを守らない雑魚妖怪はいっぱいいるの」

魔理沙「お前とかな」

ルーミア「あたしはルールは破ってないわ。グレーゾーンだもの」

男「俺にとっては完全アウトだったがな...じゃあ今日はお言葉に甘えて泊まらせてもらいますか」

霊夢「最初からそうすればいいのよ。さて、着替えとかはどうしましょうか」

男「それは大丈夫。着替えもタオルも歯磨きも全部揃ってる」

魔理沙「へー!お兄さんは旅人なのか?」

男「さっきも言ったろ?もともと山小屋に泊まる予定だったんだよ。だから必要最低限の生活用品は揃ってるんだ」

霊夢「なら心配はないわね。ほら、あんた達もとっとと帰りなさい」

魔理沙「そうだな。明日もまたくるんだぜ!」

ルーミア「お兄さん、また遊びましょうね」

男「おう、二人ともありがとな!」

二人が帰った後、霊夢が神社内を案内してくれた。

霊夢「って感じだから。お風呂も自由に使っていいわよ」

男「なにから何まですまんな」

霊夢「いいのよ。私は隣の部屋にいるからなんかあったら呼びなさい。あと、夜這いかけてきたら絞め殺すから」

男「安心しろ、俺はロリコンじゃねぇ。あと5~7年したらアタックしてたかもしれん」

霊夢「あら、じゃあ咲夜に会わせるのが楽しみね」

男「ん?咲夜?」

霊夢「明日から色々教えてあげるわよ...ファァ..それじゃおやすみ」

男「はいよー、おやすみ」

男「...ふぅ、今日は色々ありすぎだよ...」

一人、部屋の中で手足を放りだす。畳の上に大の字で寝転がると、今までの疲れがドッと押し寄せた。

男「そもそも勢子やってたんだぞ...それだけでも疲れるっちゅーのに」

霧の中出会った鳥居。そこをくぐってしまったがために辿り着いた、幻想郷...
ルーミアと出会い...はじめて人に、いや、正確には妖怪なんだが...発砲してしまった...
もともとの仕事もあって撃つ対象として認識してしまえば何であろうと引き金はひける。
ただ撃った直後の疲労感は獣を撃つ非じゃなかった...まぁ結局は杞憂におわってしまったが。

男「...みんなは無事かなぁ...俺みたいに変な世界に飛ばされてなきゃいいけど」

瞼が徐々に重くなる。今日は動きすぎたし考えすぎた。

男「魔理沙ちゃんは明日も来てくれるって言ってたし...人里でも...案内...して....」


ーーーー

たまに狩猟用語とか出てくるから分かんなかったら聞いて。

あとキャラの口調だが...原作重視にするか二次創作よりにするか模索中。

独自解釈と御都合主義だが...ssだから別に良いよね

ーーーー


男「....ンガ...ん...むぅ...?」

男「あぁ...そっか。昨日あのまま寝ちゃってたのか」

目が覚めて自分の両手両足を確認する。

男「やっぱり夢じなかったか...さて、今何時だ?」

腕のGsh○ckを確認すると、まだ朝の5時を過ぎたばかりのようだ。

男「まぁこの時間と実際のこっちの時間が合ってるか分からんけどね」

襖を開け外を確認すると、もう霧がかってはいるが十分明るくなっていた。

男「...なんかあの時と似てるな」

男「...少し歩いてみるか」

もしかしたらひょんな事で元の世界に戻れるかもしれない。

ウエストポーチに必要最低限の物を詰め、腰に剣鉈を差す。
...一応銃も持っていこうか。

男「霊夢は...流石にまだ寝てるか」

少し散歩がてら歩くだけだ...何も起きなければすぐに戻ってこられるだろう。

男「さて...昨日の林道まで戻ってきたが、この先には何があるんだろう」

男「っつーか霧がひどいな...ほんとに俺がこっちくる直前みたいだ」

しばらく歩くと何か建物が見えてきた。霧のせいでハッキリとは見えないが、男の目はそれをしっかり捉えていた。

男「なんつーか...随分と西洋風のお屋敷だな...」

男「...ん?人が立ってる?というより...」

「...zzz...zzz...」

男「ね...寝てらっしゃる」

男「見た感じ門番だとは思うんだが...寝てていいのか?まぁこんな早朝に訪ねてくる非常識な奴なんて...俺か」

この人はそっとしておいてあげよう。帰ってこの屋敷の事を霊夢にでも聞いてみるか。
静かに屋敷を離れようとしたが...そいつは唐突に現れた。

「美鈴...あなたまた寝てたのね」ガスッ

気が付けば門番の隣には一人の女性が立っていた。
所謂メイド服を着たその人は、門番の女性をグーで殴る。

男(い、いつの間に!?気配はおろか音もしなかったぞ...まるでいきなりこの場に現れたみたいだ...)

「いだっ!?あれ?咲夜さん?ちょっと何するんですか!誰も来てなければ寝てていいってこの前言ったじゃないですか!」

「誰も来ていなければ、ね?」

「そうですよー。こんな早朝に訪ねてくる非常識な奴なんて...あれ?」

男「ど、どうも?」

美鈴「な、なんですかあなたは!?こんな早朝に来るなんて非常識じゃないですか!」

男「それはまぁ...俺もそう思いますが」

美鈴「おかげで咲夜さんに怒られちゃったじゃないですか!どうしてくれるんです!」プンプン

男「それは知らねぇ」

咲夜「...あなた見ない顔ね...外来人かしら?」

男「あ、はい。なんかそうらしいです」

咲夜「そう...」チラッ

美鈴「...」

男「...?」

咲夜「こんな所で立ち話もなんでしょ?中にお入り下さい」

男「これはご丁寧にどうも」

美鈴「...」

男「あーっと、美鈴さん?でしたよね?」

美鈴「は、はい!どうしました?」

男「なんか早朝から申し訳ないです。俺のせいで怒られちゃいましたね」

美鈴「いえ、怒られるのなんてしょっちゅうなんで」

男「それはそれでどうなんだ...」

咲夜「美鈴?門を開けてくれないかしら?」

美鈴「はい!ただいま!」

美鈴によって重そうな門が軽々と開いていく。この人見た目は細いがそれなりに腕力があるようだ。
見た目も大陸拳法を扱っている人が着るような衣装を身に纏っている。格闘技はよく知らないが、気とかなんとかを使ってそうだ。

美鈴「おまたせしました!どうぞ!」

咲夜「ありがとう。どうぞ中へお入り下さい。ようこそ“紅魔館”へ」

咲夜「歓迎します」ニコッ

とても綺麗な笑顔に危うく惚れそうになるが、ある一言が一気に思考を現実に引き戻した。
門が閉まる直前、あの門番の声がハッキリと聞こえた気がする。



ごめんなさい  って。


男「ほぇー...立派なお屋敷ですね」

咲夜「ありがとうございます。ここは主でありますレミリア・スカーレットお嬢様が統治されているお屋敷になります」

男「へー。それにしてもこんな朝早くからお邪魔してよかったんですか?」

咲夜「もちろんです」ニコッ

男「...?」

咲夜「あ、申し訳ありませんがお腰に着けた刀剣はこちらでお預かりしてもよろしいでしょうか?」

男「そりゃもちろんです。むしろ着けっぱなしで申し訳ないです」スチャ

咲夜「いえ、ご協力ありがとうございます...」ゴッ!

男「んがッ!?」バタッ

咲夜「...」

ーーーー

男「っつー...あれ?どこだここ?」

気が付くと石畳の上で目が覚めた。
後頭部に残る鈍い痛みが、あのメイドに何をされたかを十分に物語っている。

男「...どうなってんだ。とりあえず銃が無事だったのはありがたいけど...」

杖か何かに見えたのだろう。負環でたすき掛けにされていた銃と、腰のポーチは何もされていないみたいだ。

「...だれ?」

男「ん?」

薄暗い牢屋の様な部屋であったが。男が見通すには十分の空間である。
かわいらしい声がした方を見てみると、女の子が一人、椅子に座っていた。

男「おいおい...どうした?どうしてこんなとこにいるんだ?」

「...最近は落ち着いてたんだけどね...また暴走しちゃったみたい...」

男「暴走?」

「お兄さんはどうしてここに?」

男「あー...なんか咲夜っていうメイドのねーちゃんに連れて来られたっぽい...わけがわからん」

「へぇ...咲夜が...じゃあお兄さんが私と遊んでくれるの?」

男「そりゃ遊んでやるのは全然構わないが、まずここから出ないとな」

金髪の女の子の声を背中で聞きながら銃に弾を装填する。銃身に一発、弾倉内に二発の計三発だ。

「よく見たらお兄さん頑丈そう...血の臭いもする」

男「山仕事してるからな...へ?血の臭い?」カチャ カチャン

振り返るとそこには無邪気な笑顔を浮かべる少女が...
強いて言うなればその少女の背中からは綺麗なクリスタル状の羽が生え、紅い禍々しいオーラを周囲にまき散らしている。

男「...俺このパターン知ってる...昨日のやつだ」

フラン「人形相手だと簡単に壊れてしまってつまらないわ。きっとそのせいで暴走しちゃったのよ」

フラン「私はフランドール。お兄さん、一緒に遊びましょ?」

カンタンニ コワレナイデネ?

男「またこんなんかよ!!」ドォン! ドォン! ドォン!

扉の鍵が掛かっている部分に三発のスラッグ弾を撃ち込む。
鍵は運良く壊れてくれたようで、そのまま全力で逃げ出す。

フラン「きゃ!すごい大きい音!なにそれなにそれ!」キャッキャッ

男「くっそ!すげぇ無邪気な笑顔で飛んでくるんだけど!かわいいなちきしょー!!」ゼェゼェ

走りながら弾を再装填する。
自分がどこに向かっているかも分からないし、この廊下がどこに続いているかも分からないが、とにかく全力で逃げる。

男「うぉぉぉぉぉぉ!!走れ俺ぇぇぇ!オオスズメバチの巣を踏み抜いた時のように全力で走るんだぁぁぁぁぁ!!」

フラン「あはははは!お兄さんすばしっこいのね!!」ドカァアアン!

男「あはははははは!!もうなんか笑えてくるぜ!普通に壁とかぶち壊してるし!!なんなんだあの光の弾!!弾幕濃すぎぃ!」

無数の紅い光の弾が襲いかかってくる。
目の前一杯にばらまかれたソレだが、男は間一髪で避けていく。

フラン「あはっ!お兄さん普通の人間なのにすごいのね!」

男「ちょ...まじで...喋る余裕もない...!!」ゼェゼェ

男(弾の数は多いが...射線が綺麗すぎる...これなら問題ない)

フランの放つソレはまるで芸術のようだった。
各々が眩しいくらいに光を放ち、まるで一種のイルミネーションのようにも見える。

男(なんか知らんが...あの子の射線がよく“見える”...身体さえ追いつけば避けきれそうだ)

フラン「じゃあこれはどう!?【禁忌 クランベリートラップ】!!」

男「...は?」

男「誘導弾は反則だろぉぉぉ!!」

フラン「きゃはは♪」

男(早くないから何とか避けれたが...だんだん周りを囲われてきたな...)ゼェゼェ

為す術なく翻弄されるが、いつまでもこうしてるわけにもいかない。

男(さっきから俺の目が無意識に何かを捉えようとしている。...あの4つの魔法陣か?)

男「よし...一か八か自分の目を信用してみようじゃねぇか。あの魔法陣を食えばいいんだろ?」

銃のストックを自分の横っ腹、スキート競技で言われるガンポジションまで下ろす。
クレー射撃の一種であるスキート競技では、銃を肩につけたままではいけない。
ガンポジションまで銃を降ろし、コールをし、クレー(フリスビーのようなもの)が射出されてから
挙銃(きょじゅう)と呼ばれる動作を行い、銃を肩付けし、発砲する。

男には目の前を飛び交う魔法陣がクレーにしか見えなかった。

後はいつも通り、射撃場でやっている事をするだけだ。

スキート射撃国際ルール、4番射座での連続ダブル。



男「はいっ!」カチャ

ドォン! ドォン!

フラン「!?」

男「こんなことなら上下持って来るんだった...はいっ!」カチャ

ドォン! ドォン!

スラッグ弾を受けた魔法陣は粉々になり、光の弾も放たれなくなった。


男「はぁ...はぁ...俺生きてる」カチャ

フラン「あはは!!お兄さんすごーい!じゃあ次ね!」

男「...え?」


ドカァァン!!

男「さっきは完全に終わった流れだったろーがぁ!!」

フラン「まだまだ遊びは始まったばっかりだよ!【禁忌 レーヴァテイン】!」

男「必殺技は一人一個って教えてもらわんかったのかぁ!」

フラン「えへへ!しらなーい♪」

ドカァァン! ドカァァン!

~少し前~

コンコン

咲夜「失礼します。レミリアお嬢様、おはようございます。朝食の準備が整いました」

レミリア「おはよう咲夜。今日は朝から来客があったようね?」

咲夜「はい。何も知らない外来人が一人訪ねて参りました」

レミリア「へぇ?外来人が、珍しいわね。それでどうしたの?」

咲夜「先日起こした妹様の発作を抑えるため、連れていきました」

レミリア「...え?ちょっと大丈夫なのそれ?霊夢に怒られちゃうんじゃ...」

咲夜「完全な外来人だったので大丈夫かと。あのルールが適用されるのは幻想郷内のモノのみですので」

レミリア「それはそうだけど...うー」

咲夜「それに一般人であればそのまま帰したのですが...彼からは血の臭いががかなりしましたので」

レミリア「血の臭い?」

咲夜「これがその人間が持っていたナイフです」スッ

レミリア「これは...すごいわね」

咲夜「普通の人間がこれだけの血を吸うわけがありません。きっと幻想郷に仇を成す、異変を引き起こさんとする者でしょう」

咲夜「そんな悪人を紅魔組が退治したとなれば...後は分かりますね?」

レミリア(異変を引き起こす悪者を退治→幻想郷を救ったヒーロー→溢れ出るカリスマ→霊夢「レミィ、ありがとう」ニコッ)

咲夜「...お嬢様?」

レミリア「ふ...ふふふ。まぁ幻想郷の治安維持もこの紅魔館主たるレミリア・スカーレットにかかればこんなものよ」フンスッ

咲夜(かわいい)

パチュリー「入るわよレミィ」ガチャ

レミリア「パチェ...一応主の部屋なんだからノックくらいして...」

咲夜「いかがなさいましたか?朝食なら小悪魔に持って行かせますが?」

パチュリー「それはいいんだけどさ...地下から爆発音が聞こえるんだけど、心当たりない?」

咲夜「あー、それなら妹様が外来人で遊んでる音ではないでしょうか?」

パチュリー「まぁそうだとは思ったんだけどね...だんだん音が図書館に近づいて来たから避難してきたんだけど」

咲夜「....へ?」


...ドォォ..ォン  パラパラ...

レミリア「...この地響きはなに?」

咲夜「あの...パチュリー様?つかぬ事をお伺いしますが、フラン様の謹慎部屋には結界が張られているんですよね?」

パチュリー「そうね。どんな魔力でも干渉できない結界が張ってあるわ。魔力によって強大な力を得ているフランでは決して出ることはできないわね」

咲夜「では一体どうして...」

パチュリー「...確かに魔力では一切干渉できないけど、普通の物理攻撃なら破れる可能性があるわ。しかも繊細な結界だから一つ綻ぶとすべて解けてしまう」

咲夜「とは言っても鉄の檻みたいな部屋ですよ?あの人間にそんな力があるようには思えませんでしたが...」

パチュリー「そうは言っても現に部屋から出てしまっているんだから...あのフランも一緒にね」

咲夜「...」

レミリア「それで?その人間とフランはどこにいるの?」

パチュリー「恐らく図書館で暴れてるんじゃないかしら?一応小悪魔によろしく言っておいたけど」

咲夜「...少し行って参ります」

ーーーー

小悪魔「図書館で暴れないでくださいー!!私がパチュリー様に怒られちゃいますー!」

男「俺だってもう体力の限界なんだ...お宅の娘さんに言い聞かせてくれ...」ゼェゼェ

フラン「きゃはは!あなた本当におもしろいわ!とーっっっても気に入った!」

男「おう...ありがた迷惑だぜこんちきしょ...」ゼェゼェ

咲夜「なんですかこの騒ぎは...」シュタ

小悪魔「咲夜さん!!」ヒー

男「てめっ!お前のせいで命懸けの鬼ごっこするはめになったんだが!?佐藤に名字変更した覚えはないんだが!?」ゼェゼェ

咲夜「まったく...あなたが抵抗せず妹様のおもちゃになっていれば良かったのでは?」ギロッ

男「あいにくお宅の娘さんは活きのいいおもちゃをご所望でな...つーか娘さん、一体どうなってるんですか」ゼェゼェ

咲夜「あの方はフランドール・スカーレット。この館の主、レミリア・スカーレットお嬢様の妹様よ」

男「そんな種名を聞いてるんじゃねぇ...あのお転婆具合はどうなってんだ...」

咲夜「妹様、どうか部屋にお戻り下さい。レミリアお嬢様に叱られてしまいますよ?」

フラン「いや!もうあの部屋は嫌なの!」

咲夜「少し気を落ち着かせていただくだけでございます」

フラン「うそ!そうやってついこの前まで495年間閉じこめてたくせに!」

咲夜「それは...」

フラン「...分かってる。咲夜は別に悪くない...今回だって私が暴走しちゃったから閉じこめられたんだし...」

男「...」

フラン「でももう嫌なの!またあの暗い部屋でずっとひとりぼっちは嫌なの!ひとりは寂しいの!!」

小悪魔「妹様...」

男「...」スッ カシュ...フー

咲夜「あの...今わりと大事な話してたと思うんですが...あと図書館でタバコ吸うとか何考えてるんですか?火気厳禁ですよ?」

男「いや目の前にもっとでかい火気があるだろ。はやくスプリンクラー作動しないのマジで」

咲夜「妹様はいいんです」

男「あぁ?そうやって特別扱いするからこんなお転婆わがまま娘になっちまうんだろうが。んで手が付けられなくなったら軟禁ねぇ」

咲夜「!?...あなたに何が!」ギロッ

男「わからねぇよ。でもお前らが揃いも揃って間違えまくってんのは分かる。危ないから無くしましょう隠しましょうじゃ解決しないんじゃボケが。公園の遊具を危ないって理由で廃止していくPTAかよ」

咲夜「...」

男「事情は何となく分かった。フランちゃんはなんか強い力をもっていてそれがたまーに暴走しちまってた。だからここの奴らはお前を閉じこめてた。違うか?」

フラン「...んーん、違わない...」

男「けど今はどうだ?過去のお前がどうだったかは知らん、でも少なくとも暴走してるようには見えないんだが?」

フラン「...」

男「まぁ笑顔で攻撃しまくってくるのはやめて欲しいが...今日追いかけっこしてる最中、なんで俺が一発もお前自身に攻撃しなかったか分かるか?」

フラン「...そういえば魔法陣が壊されたくらいで何もされてない」

男「昨日のルーミアちゃんと違ってお前からは殺気が全く感じられなかったからな。無邪気な顔して追っかけてくるかわいい女の子に手をあげれる程、人間出来ちゃねーんだ」

フラン「...」

男「あんな楽しそうな顔で暴れてる子をあんな暗い部屋に閉じこめる必要が微塵も感じられないんですがね?おねーさんもそう思うでしょ?」

咲夜「...確かに妹様は変わりました。あの博霊の巫女と戦って以来、急激に成長したと思います。ですがそれでも暴走してしまう時はあるんです...私達だって妹様を閉じこめるなんてしたくないんです...どうすれば...どうすればいいでしょうか...」

男「んなもん知るか」

咲夜「...へ?」

男「俺はお前らの関係者じゃねーんだ、知るわけねーだろ」フー

咲夜「あなた...今かなり無責任な事を言ってる自覚はしていますか?」

男「いやいや、そんなことを他人である俺に聞いちゃうのって無責任以外のなによ?俺は関係ないけどおねーさんは違うでしょ?」

男「“家族”なんだろ?」

咲夜「...!」

ーーーー


男「まぁそのへんは後でじっくり話合ってくれ。カウンセラーでも家庭相談所でもない俺には関係ない」

小悪魔「あれだけ言っておいて関係ないって...」

男「なんか言ったかねーちゃん?揉むぞ?」

小悪魔「ひっ!」ササッ

男「さて...フランちゃん、俺は俺に出来る事をしようと思う」

フラン「?」

男「少し休んだから息も整った。ヤニパワーで体力回復!それじゃ...再開しようか」

フラン「...え?」

男「最初に約束したろ?遊んでやるって」

『そりゃ遊んでやるのは全然構わないが、まずここを出ないとな』

フラン「...!」

男「俺はプライドとか責任感はヤフオクで売っちまった男だが...約束だけはちゃんと守る紳士だぜ?紳士服着てるし」

フラン「いいの?壊れちゃうかもしれないよ?」

男「それは困るが...まぁ滑落しても擦り傷ですんだんだ、身体の丈夫さには自信がある。フランちゃんのお墨付きももらってるしな」

フラン「クスッ...お兄さん、本当に不思議な人ね。好きになっちゃった」

男「そりゃ嬉しい。是非大きくなったら俺のお嫁さんになってくれ」

咲夜「!?」スッ

小悪魔「咲夜さん落ち着いて!今いい感じなので抑えて下さい!ナイフもしまって下さい!」

フラン「じゃあ...これで最後ね!私の495年間!全部受け取って!!」

フラン「【QED 495年の波紋】!!」


カッッ!

レミリア「音がやんだから来てみたけれど...」

男「...」

フラン「zzz...zzz...」

レミリア「フランったら人間に抱きついて...二人とも気持ちよさそうに寝てるわね」

小悪魔「いえ...彼の方は気絶してるだけです」

咲夜「妹様のあれを避けきるなんて...」

パチュリー「...ただの外来人ではないのかもね」

咲夜「でも能力もスペルカードもあるようには見えませんでしたが」

レミリア「とりあえず霊夢に報告しましょう。そもそも外来人は霊夢の担当なんだし」

咲夜「...申し訳ありません」

レミリア「構わないわ。フランのためにしてくれた事だし。それに...」

フラン「...zzz」スヤァ

レミリア「フランのこんな表情が見れたんだもの」フッ

レミリア「さて、この二人はどうしようかしら」

美鈴「失礼します」ガチャ

咲夜「あら?美鈴?どうしたの?」

美鈴「霊夢さんが男性の外来人がここに来ていないかって...」

咲夜「...」

パチュリー「...」

....

咲夜「とととととりあえずこの御方を開いてるお部屋で寝かせてあげて!美鈴も手伝って!」

美鈴「へ?は、はい!っていうか何があったんですか?フラン様は爆睡してるし、人間は...死んでない?気絶してるだけ?」

レミリア「この人間がフランと遊んでくれたのよ...それで?今霊夢はどこに?」

美鈴「今お部屋でお待ちいただいて...フラン様?この人から手を離していただけませんか?」

フラン「...zzz...むぅ」ギューー

男「...あ...が...」バキバキバキ

小悪魔「妹様!死んじゃう!この人死んじゃいます!」

美鈴「これは...すごい懐かれてますね」

咲夜「まずい...このままじゃ霊夢にしばかれる...いっそ時を止めて」

霊夢「何を止めるって?」

咲夜「...あ」

霊夢「ん?」ニコッ

ーーーー

霊夢「...全く、まぁ無事だったみたいだから良かったけど」

咲夜「ごめんなさい霊夢。まさか知り合いだったとは」

霊夢「私も昨日会ったばかりだったけどね。朝起きたらいなくなっててびっくりしたわ」

パチュリー「にして外来人ね...結界が安定してるのにも関わらず珍しいじゃない?」

霊夢「私にも何が原因で男が幻想郷に迷い込んだか....」

パチュリー「紫は?」

霊夢「幽々子と温泉旅行。一週間は帰ってこないわ」

パチュリー「って事は紫は関係なさそうね」

霊夢「その辺りも含めて確認したいのだけど...どちらにせよ待つしかないわ」

咲夜「それにしても...どうしてこの男は部屋から逃げ出せたのかしら?」

パチュリー「それなんだけど、やっぱり物理攻撃で逃げ出したみたいよ。鍵がめちゃくちゃに壊されてたわ」

咲夜「やはりこの男...霊夢、どう思う?」

霊夢「なにが?」

咲夜「普通の人間が鋼鉄の鍵を壊して、妹様の弾幕を全て避けきれると思う?」

霊夢「はぁ!?こいつフランと弾幕ごっこやってたの?」

小悪魔「やってたと言うよりは妹様の攻撃をひたすら避けきってましたね」

霊夢「鍵を壊したのはなんとなく分かるけど...それはすごいわね」

咲夜「それにこのナイフ...かなりの量の血を吸ってる...この男、ただ者じゃないわよ」

霊夢「あー...剣鉈ね...そりゃそうよ」

咲夜「?」

霊夢「そうね、とりあえず」

グゥゥゥ

パチュリー「...」

小悪魔「?」

フラン「...zzz」

男「」

霊夢「...」

レミリア「///」

咲夜「...朝ご飯にしましょうか」


男「...ん...あ、あのまま気絶しちまってたのか」

男「布団で寝かされてるっつーことは助かったのか?...っつーか全身痛ぇ...腹へった」

男「ん?...布団の中に違和感を感じる...なんかいるのか?」バサッ

フラン「スー...スー...」ギュー

男「」

美鈴「失礼します...男さん、起きてますか?」コンコン

男「!?門番のお姉さん!?これは違うんです!起きたらこうなってて...俺はロリコンじゃないです!あ、でも495年以上生きてるからロリじゃないのか...ん?合法?」

美鈴「あのー、フラン様が男様から離れようとしなくて仕方なく一緒のベットで寝かせてたんで、大丈夫ですよ」

男「そ、そうだったんですか...あぶねぇ、鉄砲免許剥奪かと思ったぜ...」

男「あのー、ここは?」

美鈴「ここは紅魔館の一室ですよ。僭越ながら勝手に運ばせてもらいまし」

男「そうだったんですか...もしかしてお姉さんが助けてくれたんですか?」

美鈴「いえ、私は何もしてませんよ。あー、ただベットに運んだのは私ですね」ニカッ

男「ホントっすか...すげぇ申し訳ないっす」

美鈴「こちらこそ申し訳ありません。咲夜さんが来る前に私が止めていれば...」

男「全然平気っすよ。身体の丈夫さが取り柄ですし...それに、子供と遊ぶのは嫌いじゃないんで」

美鈴「あれが遊び...ですか」

男「遊びですよ、純粋な遊び。悪意も殺意も無い混じりっけゼロの純粋な子供の全力な遊びです」

美鈴「なんというか...すごいですね。そして...強い」

男「まぁこうは言ってますけど、もし死んでたら恨むでしょうし、ケガしたら文句言ってたと思いますよ?」

美鈴「クスッ...そうですか。男さんはおもしろいですね」

男「そっすか?いやー、なんか照れちゃいますね。そういえば自己紹介しましたっけ?俺?」

美鈴「霊夢さんが教えてくれたんですよ。男さんがいないって探しに来てるんです」

男「あ...悪いことしちまったな。今霊夢ちゃんはどこに?」

美鈴「お嬢様達と朝食をとられています。男さんもいかがですか?」

男「そりゃ助かります、朝から死ぬほど動いたから腹減ってたんですよ」

美鈴「それじゃあ行きましょうか...フラン様、起きてください」

フラン「...んー...あれー...おはよーめーりん」

美鈴「おはようございます。朝御飯出来てますよー?」

フラン「たべる...おとこもおはよー」

男「はいはいおはよー。顔洗ってこい」

フラン「うん...」テトテトテト

男「なんか母親みたいっすね」

美鈴「なんだかんだ結構フラン様の相手してますからねー。ありがたいことですよ」

男「...あー、だからですか」

美鈴「?」

男「俺がこの屋敷に入るときごめんなさいって言いましたよね?」

美鈴「...よく聞こえましたね」

男「猟やってると耳もよくなるんですよ、一番いいのは目ですけどね」

美鈴「...男さんがフラン様の所に行かれる事は気づいてました。本来であればフラン様はもう人間を壊したりしなくてもいいんです。霊夢さんとの戦いで成長したんです。
ただ少し心が追いついていなかっただけ、今回の発作はまさにそうだったんです」

男「そんなときに俺が来てしまったと」

美鈴「フラン様はいつもあの檻の中で言ってました。壊したくない、友達になりたいだけなのに、いつも壊してしまう...どうしたらいいか分からないと」

男「...」

美鈴「私はそんなフラン様をどうにかしてあげたかった。でも...私には何も出来なかった」

美鈴「だから本当に男さんには感謝してるんですよ?フラン様と遊んでくれて...フラン様のために怒ってくれて...本当にありがとうございます」

男「そういうことですか...こちらこそ楽しかったですよ。っていうか扉壊してごめんなさいって感じです」

美鈴「いえいえそんな!いいんですよ...あの部屋はもう使わないそうですから」ニコッ

男「...そりゃよかった」

男「それに、フランちゃんと遊んだおかげでこんな美人なおねーさんと知り合いになれたんです。役得ってもんですよ」

美鈴「口がうまいですねー。それじゃあお礼に一肌脱ぐとしますか!」

男「マジですか!?」

美鈴「...物理的には脱がないですよ?」

男「デスヨネー」

美鈴「...見たいですか?」

男「もちろん」ドンッ

美鈴「フフッ...見せませんよーだ」ニカッ

大変遅くなって申し訳ない
今週中には更新する

男「しつれいしまーっす」

レミリア「あら?起きたの?」

男「おろ?これまた可愛らしい女の子だ。おはよー」ヒラヒラ

美鈴「...男さん。その方がこの館の主、レミリア・スカーレットお嬢様ですよ」

フラン「私のおねーちゃんだよ♪」ダキッ

男「おっと...急に抱きつかないの、危ないから」ナデナデ

レミリア「...驚いた。ホントにすごい懐きようね」

男「逆にあんだけやられて何ともなかったら凹みますって。っと、あなたがレミリア・スカーレットさん?ちゃん?」

レミリア「レミリアでいいわよ。...ちゃん付けはやめなさい」

男「今更ですがお邪魔してます。男と申します。お宅のメイドに恐ろしく速い手刀をキメられ、妹さんからブライトさんもニッコリの弾幕を受け、門番から今夜誘われました」

美鈴「誘ってません!!!」

フラン「ブライトさんってだれー?」

レミリア「そう...うちの子達が随分と迷惑をかけたわね。紅魔館の主として謝罪するわ」

レミリア「私はこの紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ。手荒な歓迎、ごめんなさいね」

男「いえいえ。こちらも早朝から押し掛けてしまったようなものですから。申し訳ない」

レミリア「なら今回は痛み分けということでいいかしら?」

男「全然おっけーっす」

レミリア「...驚いた。普通なら賠償を求めてくるものだけど」

男「まぁ結果論ですが俺はケガ一つしてませんし。むしろこの屋敷が小破してますし」

男「あと俺の後ろで静かに構えてるメイドさんが怖くて下手なこと言えませんしおすし」

咲夜「...気付いてたの?」

男「うぉ!?ほんとにいたっ!?」

美鈴「ふぇ?男さん、気付いていたのでは?」

男「いやいや、気配は全くしませんでしたよー。ただ俺と主が対面で話してるのに、あのメイドさんがいないわけないと思いましてね」

咲夜「...カマ掛けたわけね...気に入らないわ」

男「えー...なんでこの人こんな怒ってるの?女の子の日なの?」

美鈴「いえ、咲夜さんは先週でおわってr」ゴッッ!!

男「...恐ろしく速い手刀、俺でなきゃ見逃しちゃうね」

レミリア「...ププ...フフフッ...」

咲夜「...お嬢様?」

レミリア「男...あなたうちで働かないかしら?」

男「...はい?」

咲夜「お嬢様!?何を!?」

レミリア「悪い話じゃないと思うのよ?あなたは外来人でこの幻想郷では身寄りがない。いつまでも霊夢に面倒見て貰うわけにはいかないでしょ?」

男「うむ...たしかに」

レミリア「フランもあなたに懐いているし、なにより私があなたを気に入ったわ...どうかしら?」

男「大変魅力的な提案だが...少なくとも殺されかけてるからなぁ」

咲夜「そうですよお嬢様!こんな身元も分からない不躾な男を屋敷で雇うなんて!危険すぎます!」

男「あぁ!?不躾はどっちだコノヤロー!いきなり攻撃してきやがって!今時ツンデレ暴力ヒロインなんて流行んねーんだよバーカ!!」

咲夜「誰が⑨ですって!?大体あなたこそなんなんですか!さっきからお嬢様に対して失礼すぎます!身の程をわきまえろ人間が!」

男「しりませーん。俺はレミリアの部下でも家臣でもなんでもないんですー。つーかてめーも人間だろーがクソビッチが!!」

咲夜「ビッ!!!言うに事欠いてビッチですって!?もう許さない!ぶっ殺してやる!!」

男「てめーはどこのクルセイダーだよ!あ!ちょ、バカ!ナイフ投げんじゃねぇ!!あぶねぇだろうが!!」

咲夜「避けるんじゃないこのロリコンがぁ!!」

霊夢「...トイレから帰ってきたらこの惨状...いったい何がおきてるの?」

レミリア「さぁ?でも咲夜がこんなにも感情をむき出しにしてトコなんて初めて見たわ」

ワーワーギャーギャー

レミリア「ほんと...面白い男ね...」

美鈴「あのぉ...止めなくていいんでしょうか?」オロオロ

霊夢「大丈夫じゃない?そろそろ最凶が動き出すでしょうに」


男「しょうがねぇ...俺も本気を出すときが来たようだな」ゼェ...ゼェ...

咲夜「唯の人間が私に敵うとでも...思っているのかしら」ゼェ...ゼェ...

男「いくぜ!!」ダッ!!

咲夜「無駄無駄無駄ぁ!!!」ダッ!!

フラン「フランもやるー!!」

男・咲夜「「すんませんっしたーー!!」」

パチェ「そろそろ朝御飯...なにが起きてるの?」ガチャ

霊夢「あら、どこいってたの?」

パチェ「図書館の結界を解いてきたの。そこの二人に暴れられて本が壊されないようにあらかじめ張っておいたの」

男「おい言われてんぞアホメイド」

咲夜「どう考えてもあんたの事でしょうが。はっ倒すわよ」

フラン「...ごめんねパチュリー」

パチェ「....」ナデナデ

フラン「んふふー」

男「ほら見ろ、フランはすぐ謝れるぞ」

咲夜「流石フラン様。どっかの小汚い浮浪者にも見習って欲しいですね」

男「俺はどう考えても被害者だろうが...」

小悪魔「どっちも悪いってことでいいのでは...」

咲夜「あ?なんか言った?」

男「おうこら揉むぞ」

小悪魔「ひぃ!」ササッ

咲夜「あなた先程から小悪魔に対して卑猥なことを言いすぎです。なんですか?下半身に脳味噌があるんですか?」

男「脳味噌まで筋肉な奴に言われたくねぇよ。そんなんだから胸も筋肉で真っ平らになるんだよ。少しはこのねーちゃんから女の子らしさを学べ」

咲夜「...殺す!」バッ

男「させるかよ!」シュババッ


霊夢「いいかげんに」ゴッ



咲夜「っ!?」



霊夢「しなさい」ゴッ



男「あだっ!?」

霊夢「いつまたっても朝御飯が食べれないでしょうが。いい?私は食事を邪魔されるのが一番我慢ならないの?わかった?分かったらとっとと準備する!!」

咲夜「え、ええ」

男「りょ、りょうかい」

美鈴(この二人仲いいなぁ)

レミリア(ここの主は私のはずなんだけど...)

どうして咲夜が口悪くなるのか
どうして小悪魔がスケベ担当なのか
どうして美鈴はかわいいのか

書いてる本人にも謎

霊夢「ここで働く?」モグモグ

男「そ。さっきレミリアから誘われてね。とりあえずこの世界ですごすにしても生活基盤がないと」

霊夢「そう、別に当面はうちにいてもよかったけど?」

パチェ「あなた一人でも生活が厳しいのに同居人なんて増えたら破産するでしょ」

霊夢「む...それを言われると弱いわね」

レミリア「なにより私が気に入ったのよ。フランも懐いてるみたいだし」チラッ

男「ほら、口に付いてんぞ」フキフキ

フラン「んふふー♪」

レミリア「どうかしら?勿論お給料は出すし衣食住も保証するわ」

男「俺としてはありがたいんだが...」チラッ

咲夜「...」ジー

男「先程から熱い視線を感じてまして」

咲夜「お嬢様、この男は素性も分からない外来人です。それにお忘れですか?こいつのナイフには血の臭いがこびり付いていました」

男「あ、そういや預けっぱなしだったな」

美鈴「私も見ましたけどすごいですね」

男「そんなにわかるもんなの?一応綺麗にしてるつもりなんだけど」

霊夢「吸血鬼だから血には敏感なんじゃないの?」

男「なるへそ。じゃあ門番さん...美鈴さんも吸血鬼なのか?」

美鈴「美鈴でいいですよー。私はただの妖怪です。妖怪なら何となく分かるものです」

男「ただの...ねぇ」

レミリア「...」

霊夢「?」

美鈴「まぁまぁそんなことより。あの血はなんなんです?」

男「あー、俺の仕事が管理捕獲者...なんつーのかな、マタギとはちょっと違うし...増えすぎた野生動物を捕まえる仕事をしてたんだよ」

レミリア「なるほど...これは獣の血なわけなのね」

男「まぁ言ってしまえば殺すことが仕事だったからね。血生臭いのは許してくれ」

レミリア「と言うわけだけど、どうかしら咲夜?」

咲夜「お嬢様がそう仰るなら...私に異論はありません...」クッ

男「そんな血の涙が出そうな感じで言われても...じゃあしばらく世話になります」

霊夢「紫と連絡がとれたらまた来るから。レミリア、それまで頼むわね」

レミリア「安心しなさい。博麗の加護を受けて紅魔組が面倒見るんだから」

霊夢「それもそうね。男、大丈夫だとは思うけど何かあったらいつでも神社に来なさい」

男「サンキューな霊夢」

パチェ「貴重な男手が増えて助かるわ。これからよろしく」

男「いえ、こちらこそよろしくです」

レミリア「それじゃ朝食も済んだところだし。咲夜、男を部屋に案内してあげて」

咲夜「かしこまりました」ペコ

男「いえいえ、そんな部屋なんていいですよ。美鈴さんかねーちゃんの部屋でかまわないっす」

小悪魔「わ、わたしは構うんですが...」

美鈴「別にいいですよ?」

小悪魔「!?」

男「え...まじっすか」

美鈴「はい」ニコッ

男「...」

美鈴「?」

男「すんません。個人部屋でお願いします...」

美鈴「あれま、残念です」

霊夢「男ってあれよね、こーいうのは土壇場になってチキるタイプよね」

男「...」

咲夜「...」

男「...」

咲夜「...ふっ」

男「おっとー?今のイラッっときたぞー?」

待たせたな
ただいま


男「ほぇー...この部屋使っていいのかよ」

咲夜「ただの空き部屋だから好きに使ってちょうだい。埃っぽいから自分で掃除してね」

男「一人暮らししてる俺の部屋より全然広くて綺麗なんだけど。ありがてぇな」

咲夜「それとコレ返すわね」スッ

男「あぁ、剣鉈か」

咲夜「荷物整理と掃除が終わったら声かけてちょうだい。里で買い出しに行くわよ」

男「りょーかい。ありがとな」

咲夜「...まぁお嬢様の命令だしね、しばらくは面倒見てあげるわよ。それじゃ」ガチャ

男「...やっぱツンデレじゃねーか」

男「とりあえずザックの荷物は整理したし、掃除もこんなもんでいいだろ」

男「さて...あのメイドはどこ行ったんだ」ガチャ

スタスタスタ

スタスタスタ

スタスタスタ...

男「...」

男(迷った...けどこの扉は見覚えあるな...)

咲夜「全く...いつまでたっても来ないから探してみれば」

男「悪い悪い。この館すげぇ広いからさ、迷っちゃったんだよ」

咲夜「だからって図書室で本を読みふけていた理由にはならないと思うのだけれど?」ジトー

男「歩き回ってたら図書室に着いてな。パチュリーもいたから一緒に読んじゃったんだよ」

パチェ「あなた以外と博識なのね。知的探求心がある人は嫌いじゃないわ」

男「もともと本は好きだったしな。この仕事始めてから色んな論文も読むようになったし」

咲夜「はぁ...まぁいいけれど。こあも男が来てるなら私に報告しなさい」

小悪魔「すみません、まさか咲夜さんとの用事があるとは知らなくて」アハハ

男「探させてすまん、それじゃ買い物行くか。こあもお茶入れてくれてありがとな」

小悪魔「いえいえ、またいつでも来て下さい」


ーー人里ーー

咲夜「こっからが人里になるのだけど、道は覚えたかしら?」

男「おう。こういう道を覚えんのは得意だ」

咲夜「今後ご飯の買い出しとかをお願いするから、その時は人里まで降りて買ってきてね」

男「りょーかい」

「あれ?お兄さん?」

男「ルーミアちゃんじゃん。昨日ぶり」

ルーミア「やほー。それよりなんで咲夜と一緒なの?」

咲夜「色々あってこいつは今日から紅魔館の奴隷になったのよ」

男「おうこら、奴隷になったつもりはねぇぞ(胸が)瀟洒な従者さんよ」

咲夜「...なにか含みを感じたのだけれど」ギロッ

「おー?ルーミアが咲夜と変な奴にからまれてるぞー」

「チルノちゃん...言い方が失礼だよ」

男「お?ちっこいのが二人増えた」

大妖精「もしかしてルーミアちゃんが言ってた外来人の人?」

ルーミア「そうそう。私が食べようとした人間よ」

咲夜「あなた昨日からずっと襲われ続けてるの?」

男「お前を筆頭にな」

大妖精「あの、はじめまして。大妖精です」

ルーミア「私の親友だよ。だいちゃんって呼んであげて」

男「ルーミアちゃんの友達か。はじめまして、俺は男だよ。よろしくねだいちゃん」

チルノ「そしてあたい!幻想郷最強の妖精チルノ!さっそくだが人間!」

男「?」

チルノ「あたいと勝負しろ!!」

男「えっと...チルノちゃん?どうしたの急に」

チルノ「お前ルーミアを倒したんだろ?だからあたいが仇をとってやる!そしてあたいがどれだけ最強か身をもってしるがいい!」

男「...」チラッ

咲夜「ハァ...」

男「...」チラッ

ルーミア「...」ニコニコ

大妖精「チルノちゃん...」オロオロ

男(なるほど、そういう子なのね)


男「ごめんなチルノちゃん、俺はまだ君とは戦えないんだ」スッ

チルノ「んっ」ポン

男「チルノちゃんは最強なんだな。よく分かった。でも俺はまだ弱いから、強くなったらチルノちゃんに相手してもらおうかな」ナデナデ

チルノ「...んふふー、確かにいきなりあたいと戦ったら大変だもんな!今日は勘弁してやる」

大妖精「チルノちゃん...その人すっごい優しい目をしてるよ...残念な子を見る目をしてるよ」

ルーミア(チルノがチョロいのかお兄さんが上手いのか...どっちもかな)


咲夜「男、そろそろ行くわよ。夕飯も作らなきゃいけないんだから」

男「お、もうそんな時間か。じゃあなお前ら、また会ったら遊んでくれ」

チルノ「しょーがないなー!最強のあたいが相手してやるよ!」

大妖精「はい♪こちらこそです」

ルーミア「またお肉御馳走してねー」

男「おう、まかせとけ!」

男「むぅ...」

咲夜「...なに野菜見て唸ってるのよ。ピーマンもちゃんと食べなさいよ?」

男「別に嫌いだから唸ってたわけじゃねぇ。お前は俺のかーちゃんか」

咲夜「あら?私の子供がこんな出来損ないになるわけないじゃない」

男「おし分かった。店主さん、太めのごぼう何本かくれ」

店主「いや...あの...」

この野郎...むしろピーマンは大好物だ。ピーマンの天ぷらとか日本酒に最高なんだよなぁ。


男「...単純にここの世界の文明レベルが分からんって思ったんだ。お前らは西洋風の屋敷で洋服を着ているが、いざ町に降りてみれば和服で平屋ばっかだ...売ってる食料品を見ても野菜や魚、肉はほぼ俺の世界と一緒だし...どうなってる」

咲夜「さぁ?...あなたの世界がどうだったかは知らないけど幻S「幻想郷では常識に捕らわれてはいけないのです!!」

咲夜「...」

男「...なんか変な人がいる」

咲夜「しっ!見ちゃいけません!」

「あれ!?私ってそういう立ち位置なんですか!?」

咲夜「はぁ...どうしたの早苗?カエルならあっちでモンゴリアンデスワームに襲われてたわよ」

早苗「モンゴリアンデスワーム!?」

男「モンゴリアンデスワーム!?」

ゴッ!

咲夜「な・ん・であんたも反応してんのよ」

男「えぇ...だってこの世界ならいるかもしんないじゃんって思うやん...」イタタ


男「んで?この頭弱そうなかわいい女の子は誰?なに?友達?いたの?」

咲夜「畳み掛けないでくれるかしら...この子は早苗。東風谷早苗」

早苗「はじめまして!あの山の先の神社で現人神をやらせてもらってます東風谷早苗です!」

男「あー...はじめまして。あらひとがみ?ね。知ってる知ってる。明日からあそこに向かって一日五回礼拝しとくよ。いんしゃらー」

早苗「無理に合わせなくていいですよ!?っていうか色々間違ってますし!」

男「あーすまんな。悪気はないんだ...この世界にはまだ疎くて...」

咲夜「あ、バカ」

男「んぇ?」

早苗「...もしかして外来人の方ですか?」

男「ん?あぁ、そうなるな。これからよろしく...ん?」

パァァァァ

男「うおっ!?なんかめっちゃ光ってる!?なにこれ?神パワー?」

早苗「...男さん...でしたよね?」ガシッ

男「お、おう。え、なに?なんで腕つかむの?ねぇ?怖いって、なんか怖いって」

早苗「ふふ...ふふふふ」フワッ

男「え?なんでこの人浮いてるの?魔理沙もそうだけどここの人達って浮くのが常識なの?煙なの?それともバカなの?」

咲夜「...」ハァ

早苗「是非守矢神社でお話を!!」ビューンッ!

男「んぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁ!!??」

咲夜「あーあ...行っちゃった。早苗も悪い子じゃないんだけど...入信者とか外来人が絡むとすごく面倒になるわね」

咲夜(買い物終わったら迎えに行きましょうかね)

明日も頑張る

早苗「到着です!」スタッ

男「うえっ...やった終わった...」

マジで怖かった...不思議なことに重力は感じられなかった。
感覚的にはダイビングでの中性浮力に似ている、無重力状態とでも言うべきか。
ホントこっちの世界に来てから驚きっぱなしだ。

早苗「ようこそ守矢神社へ!ささ、あがってください!」

男「お、おう...なされるがままに流されてるけど大丈夫なんかな...」

咲夜のやつ、絶対怒ってるだろうなぁ...

男「随分とでかい神社だな」

霊夢の住んでる神社は言ってしまえば近所の小さい神社レベルだったのだが、対して早苗の守矢神社は広く清潔感があり、大社とかそういった雰囲気がある。

早苗「えへへ、ありがとうございます!元の世界ではかなり廃れてしまいましたが、幻想郷では沢山の方が信仰してくれています」

そう言いながら本堂ではなく、隣の小さい建物に連れていかれる。
おそらくこちらが居住エリアなのだろう。

男「ほーん...ん?元の世界?」

早苗「ただいまです!」ガラガラ

引き戸を開けるとそこには二人の人間?がいた。
片や帽子を被った小さい女の子が机の上に顎を置き、煎餅をバリバリと囓っている。
もう一方では寝転がり、新聞片手に自分の首を揉んでいた。

男「...」

???「...」

???「...」





???「「早苗が男をつれてきたぁぁぁぁぁ!!??」」

また夜に書く。

早苗「紹介しますね男さん。こちらが守矢神社の祭神にあたる、諏訪子様と神奈子様です」

男「はぁ...どうも...祭神?ってことは神様なの?」

諏訪子「まぁそうなるねー。ところで君はぁ?見ない顔だけど、うちの早苗とどういったご関係かな?」ニヤニヤ

神奈子「私は彼氏なんて絶対に認めんぞ!!」

男「いや関係って言われても...出会ってすぐ拉致られた被害者と実行犯としか」

神奈子「出会ってすぐだと!?なんてふしだらな!!」

諏訪子「ふぅん?早苗が暴走するとなると入信者か外来人かだけど...どう見ても入信ではないよねぇ」

男「ご名答です。早苗さんが少しだけと言って...」

神奈子「すすすすす少しだけ!?何をだ!?何を少しだけだ!?先っちょなのか!?」

諏訪子「早苗も外来人だからねぇ...少し気分が上がってしまったのさ。許してやってくれ」

早苗「少し興奮して先走ってしまいました」テヘッ

神奈子「興奮して何が先走ったんだ!?ナニか!?ナニなのか!?」

男「うるせぇなこいつ!!下ネタに敏感な男子中学生かあんたは!!」

神奈子「ふぅ...ふぅ...」ズズッ

早苗「落ち着きましたか?」

神奈子「あぁ、もう大丈夫だ。お茶ありがとうな早苗」

諏訪子「早苗が男を連れてくるなんて初めてだからねぇ」

神奈子「すまない、少し取り乱してしまった」

男「いや少しってレベルじゃねーだろ...」

諏訪子「ところで君は外来人ってことでいいのかな?」

男「あぁーそうですね。こちらではそういうカテゴライズされてます」

早苗「でも珍しいですね...これだけ安定された結界が張ってあるのにも関わらずに外の人が流れ着くなんて」

神奈子「ふむ...確かに妙だな」

男「あの...質問なんですけどいいですか?」

諏訪子「うん?何かな?」

男「さっき早苗さんも外来人みたいな話がありましたけど」

早苗「はい。私も男さんと同じ、元外来人ですよ」

神奈子「ここ幻想郷は忘れ去られたもの、曖昧なもの、外の世界で幻想と呼ばれる存在が流れ着く郷だ」

早苗「守矢神社はもともと外の世界にあったのですが...時代とともに信仰は薄れ、私の代ではほぼ世間から忘れ去られる形になってしまいました」

早苗「神社は祭神のためにあり、神は信仰のために存在します。我々にとって忘れ去られるというのは、所謂死ぬことと同義なのです」

男「それでこちらの世界に...」

早苗「はい。でもこちらに来てからは妖怪の方々が沢山信仰してくれますし、最近では人の参拝客も増えているんですよ!」

諏訪子「ちょっと色々やって霊夢にしばかれたけどねー?」

神奈子「しばかれてはいないぞ。あれだ...ちょっと調子が悪かっただけだ」

男「なるほどねぇ...ちなみにお二人はなんの神様なんですか?」

神奈子「私は元々は風雨だったけど、今じゃ名前の通り山の神だな」

諏訪子「わたしは見ての通りカエルだよー」

男「見ての通り...?」

諏訪子「...んー?どういう意味かな?」

男「あぁすみません。目つきと雰囲気がどう見ても捕食側だったので...どっちかって言ったらヘビ側じゃないかなと...」

早苗「っ!?」

神奈子「...ほぉ?」

諏訪子「...あーうー...まいったな...。君ホントにただの人間かな?」

男「そのはずですけど...え、知らないうちに秘めたる力とかあったのかな」

何それ右手が疼く。もしくは右目を封印しないと。あ、それだと銃撃てねぇな。

諏訪子「ふんふん...男くんね...なるほど、いい目をしてるね」

男「え?はぁ、ありがとうございます」

諏訪子「それでいて業が深いね、その背中に背負っている命はなんだい?」

男「...流石に神様ですね。そこまで分かるんですか」

早苗「え?え?何が起こってるんですか?」

諏訪子「まぁまぁいいじゃないか。それで男君?今後はどうするのかね?もし泊まる場所がないならうちで暮らすかい?」

男「いやー大変ありがたいっすけど、一応紅魔館で働かせてもらう事になってるんで」

諏訪子「ありゃ?そりゃ残念だ」

神奈子「博麗の加護がついて紅魔組がケツ持ちか。なるほど、なかなか手は出せないな」

諏訪子「それじゃあそろそろいい時間だし、早苗、男くんを人里まで送ってあげなさい」

咲夜「その必要は無いわよ」

早苗「咲夜さん!?」

男「うぉ!?びびったなおい!いつの間に後ろに、っつーかいつ来た?」

咲夜「まったく、これから夕飯の準備もしないといけないのに...とっとと帰るわよ」

男「へいへい。ってか、今回に関しても俺は完全な被害者だからな。え?また飛んで帰るの?俺嫌なんだけど」

咲夜「もう説明が面倒だから少し目を瞑ってなさい。すぐ人里まで下ろしてあげるから」

諏訪子「おーい、レミリアんとこのメイド長よ」

咲夜「はい?何か御用ですか?」

諏訪子「主に言っておけ“その子は取り扱い注意”って」

男「俺は壊れ物かなにかか?確かに心は繊細だが」

諏訪子「それと男くん。何か困ったことがあったらいつでもウチにおいで。神奈子も早苗も君を待ってるよ」

早苗「もちろんです!入信もいつでもオーケーです!」

男「あはは...考えておきます」

咲夜「それでは失礼します...“時よ止まれ”」パチンッ

早苗「行っちゃいましたね」

諏訪湖「また来てくれるさ。それにしても...すごい子だったね」

神奈子「あぁ...沢山の獣の命を奪ってきてる。それも食べる為ではない...殺すために殺してるのか...それに強い獣の加護を感じる」

早苗「え...?誰の話ですか?」

諏訪子「愛しの男くんだよー。あの歳の人間であれだけのモン背負ってる奴は初めてみたな」

神奈子「安心しろ。無意味や愉悦のための殺しではない。何か強い意志、そうせざる得ない、しなければならない事が秘められているのだろう」

早苗「そんな...」

諏訪子「...神奈子、賭けてもいい。近々でかい異変が起こるぞ。それも我々では対処できない...博麗の巫女でも対処できない何かが」

神奈子「...」

おまたせ

幻想郷には基本的に獣を間引くって思想がないんだろ
人間も立場としては動物と変わらないから
人間の安全や利益のために食いもしない獣を[ピーーー]って行動が異質に見えるんじゃね

なんか訳のわからん書き方になったが
要はそういう、人ひとりが食った量から想定される数を超える命を単身で背負ってる奴が
幻想郷の人間としては奇異だってことなんじゃないかと

咲夜「“時は動き出す”...目を開けてもいいわよ」

男「ん?あぁ...あぁ!?いつの間に人里に戻ってきたんだ!?」

咲夜「妖怪の山を素直に通ると面倒臭いからね」

男「あ、ありのまま今起こった事を話すぜ...」

咲夜「話さなくていいから荷物を持ちなさい。能力使ったせいで疲れてるんだから」

男「能力?あー、ルーミアちゃんが周囲を真っ暗にしたのもソレか」

咲夜「一般人や普通の妖精以外ならほぼほぼ全員が何かしらの能力を持っているわ」

男「して、お前の能力は?」

咲夜「ひみつ」ニコッ

美鈴「あ、お二人ともおかえりなさい」

男「ただいまっす」

咲夜「あら?今日は起きてたのね」

美鈴「あはは...いつも起きてますよー」

咲夜「どうだか」

男「なぁ、美鈴さんも能力とか持ってるの?」

美鈴「能力ですか?私は“気を使う程度の能力”ですよ」

男「気を使うですか?空気を読む的な?」

美鈴「いえいえ、なんといいますか気配とか雰囲気とかオーラとか。そういったモノを読み取るのに長けてるんですよ」

男「なるほど。だから門番なんですね。気配を読める門番とかすげぇ有能じゃないですか」

美鈴「そ、そうですか?なんだか照れますね」テレテレ

>>157>>161がほぼほぼ正解
男は猟師とはちょっと違います。
その辺の事情もそのうち書くよ

ーー厨房ーー

咲夜「男、今日はあなたが夕餉を作ってみなさい」

男「俺が?絶対咲夜の方が飯上手いだろ」

咲夜「あなたは腐っても雇われている立場なのだから、一応家事雑務のスキルを確認しておきたいのよ」ハァ

男「腐ってはねぇよ。そういうことなら任せておけ。メニューは?」

咲夜「あなたに任せるわ。食料庫にあるモノなら何を使ってもいいわ」

男「おっけぇ!まかせとけ!」

レミリア「...そ、分かったわ。調べてくれてありがとう」

パチェ「ともかく、男については紫が帰ってこないと何とも言えないわ」

コンコン

咲夜「失礼いたします。お嬢様、パチュリー様、そろそろ夕飯のお時間にございます」

レミリア「もうそんな時間なのね。そういえば咲夜、今日一日男に付いていてどうだった?」

咲夜「そうですね...得に目立った事はありませんでしたが、守矢の祭神が気になることを」

レミリア「...ちょっと待って、もしかして神奈子と諏訪子に会ったの?」

咲夜「会ったといいますか、東風谷早苗に浚われまして」

パチェ「あぁ...あの子も外来人だから暴走したのね」

レミリア「...先にこっちで囲っておいて良かったわ。それで?なんて言っていたの?」

咲夜「はい、“その子は取り扱い注意”だそうです」

レミリア「取り扱い...ねぇ...」

パチェ「レミィ...」

レミリア「分かってるわよ。近い内に幹部召集会が開かれる事になるでしょうね」

咲夜「やはり異変ですか?」

レミリア「まだ分からないわ。でも、フランの弾幕を避けきった不思議な武器を持つ外来人が、何の意味もなく幻想郷に迷い込むとは考えにくいわ」

コンコン

小悪魔「失礼しますぅ。男さんが夕飯の準備が出来たそうです」

パチェ「あら小悪魔、見かけない思っていたら、男の所にいたのね」

小悪魔「あはは...居たと言いますか捕まったと言いますか...フラン様もご一緒でしたよ」

パチェ「本当に懐いているわね」

レミリア「...咲夜」

咲夜「はい、お嬢様」

レミリア「男の事、頼んだわよ」

咲夜「承知致しました。この十六夜、命に替えても」

男「フランちゃんのご希望で、俺が好きものをとりあえず作ってみた」

レミリア「...」

フラン「おいしそう!」

パチェ「...」

美鈴「スタミナ料理ですねぇ」

小悪魔「あはは...」

咲夜「...おい貴様」

男「おっと、初めての呼ばれ方だ」

咲夜「この茶色のどんぶりはなんだ?」

男「ふっ、よくぞ聞いてくれた。これぞ男飯の中の男飯、白米の上に海苔、目玉焼き、豚肉とタマネギの炒め物を乗せて、濃いソースとマヨネーズをたっぷりかけた!その名もスタ丼だぁぁ!」

小悪魔「あのぉ、私達女なんですけど...」

男「安心しろ、俺が立派な男にしてやる」

小悪魔「ちょっと何言ってるか分からないですぅ...」

咲夜「...こんなモノお嬢様に食べさせられるか!!」

男「ちょ!何キレてんだよ!メニューは任せるって言ってたじゃねぇか!!おいこらナイフ投げるんじゃねぇ!!」

ギャーギャー!!

フラン「いただきまーす♪」

レミリア「あら、以外と美味しいわね」

パチェ「美味しいけど...お腹にきそうね」

小悪魔「喉が乾きそうなのでお水持ってきます」

美鈴「私はこういうご飯大好きですよー?」

ーーーー

男「...暇だな」

美鈴「ですねぇ」

紅魔館の雑用になってから早一週間が経とうとしていた。
基本的な家事等は覚えたが、ほとんどが咲夜だけで成り立ってしまうため、
こうして美鈴と一緒に門番をしていることが多い。

男「ん...来たな」

美鈴「え?ホントですか?」

男「奥に針葉樹が三本あるだろ?そこの裏に隠れてるはずだ」

美鈴「ちょっと待って下さい....本当だ。なんで気付かなかったんでしょう」

男「おーい魔理沙!バレてるぞ!」

大声で声を掛けると、木の裏から魔理沙が出てくる。

魔理沙「またバレちまったんだぜ。それで?どっち?」

男「今日も俺だ。これで4日間連勝だな」

美鈴「いやー...」アハハ

魔理沙「能力持ちの美鈴より先に見つけるなんて、男はホントに人間なのか?」

男「人を人外呼ばわりすんなっつーの...っつーか俺がすごいんじゃなくて美鈴が不調なんじゃね?」

美鈴「いえいえ、私の修行不足ですよ」

男「いや、そういうのいいから」

美鈴「し、辛辣ですね」

男「んで?どうしたの?体調悪いの?」

美鈴「どうですかね、最近どうも調子が悪いと言いますか」

男「風邪か?」

美鈴「というより...能力が発動しにくくなってる感じがします」

魔理沙「美鈴もか!私も最近魔法が使えない時がたまにあるんだぜ!」

男「へぇ。そんなことあるもんなのか?」

美鈴「いえ、初めてです」

咲夜「...あなた達、仕事中になに談笑しているのかしら?」

美鈴「あ、咲夜さん。お疲れさまです」

男「これは談笑じゃねぇ。不審者に事情聴取するという立派な門番行為だ」

咲夜「門番行為って何よ...まぁいいわ、ちょっとお使い頼まれてくれる?」

男「おいよ。どこで何買えばいいの?」

咲夜「妹様がケガをしたのだけれど、何故か治りが遅くてね。永遠亭に薬を貰ってきて欲しいのだけれど」

男「永遠亭?どこそれ?」

咲夜「場所は魔理沙に教えてもらえばいいわ。吸血鬼に効く塗り薬を貰ってきて頂戴」

魔理沙「フランがケガかぁ。治らないってのはおかしいな」

男「擦り傷なんだろ?そこまでするほどか?」

咲夜「妹様の傷は私達の傷と同義よ。つべこべ言わずに行って来なさい」

おまた

人里を抜けた先に“迷いの竹林”と呼ばれる場所があるらしい。
そこへ足を踏み入れた者は、人であれ妖怪であれ等しく迷ってしまうらしい。
しかし永遠亭はその竹林を越えた先にある。

魔理沙「そんで、私の知り合いに案内を頼もうと思ったんだけど...」

男「その当人がいないってか」

魔理沙「これは困ったんだぜ」

男「空から探せないのか?」

魔理沙「竹林で隠れてるから厳しいかな」

男「となると歩くしかねぇか...」

地面をジッと見つめる。
かすかではあるが、人が通った跡がうっすらと確認できる。

男「...?...なぁ、この竹林にはその永遠亭とやらしかないのか?他に建物とか住んでる人はいるか?」

魔理沙「どうだろうなぁ...人が住んでるなんて聞いたことないんだぜ」

男「了解。じゃあ大丈夫だな」チラッ

魔理沙「?」

男「ほいほい、さっさと行くぞ」

魔理沙「ちょ、流石に無謀なんだぜ!?」

男「へーきへーき。俺、森とか山で迷ったことねぇから」

ーーーー

竹林の入り口でふらふらしていると、とてもおもしろいモノを発見した。
一人は霧雨魔理沙、私もよく知っている人間の魔法使いだ。
そしてもう一人、こちらははじめて見る人間のオスだ。
あろうことかそいつは魔理沙の制止を無視して竹林に入っていったのだ。

ちょうどいい。お師匠様は忙しそうだし鈴仙はまだ帰ってこないから、あいつで暇つぶししよう。

迷いの竹林へようこそ。


男「...」


男「なるほど、この方向に真っ直ぐか」

魔理沙「な、なぁ。本当に大丈夫なのか?」

男「道もあるし人の痕跡もある。確かに景色は似てるし少し傾斜してるから迷いやすいかもしれんが、このくらいなんてことない」

魔理沙「道なんて全く見えないんだぜ...」

男「ここより酷い場所で作業したこともあるからなぁ。あん時はびびったぜ、知らない内にUターンしてるんだもん」


な、なんなんだあの人間!妖精ですら迷うこの竹林を平然と抜けていってる!?
ありえない!

で、でも大丈夫!この先には罠が仕掛けてある!
帰ってくる鈴仙の為に作った罠だけどしょうがない。
あの人間が落ちたところを指さして笑ってやろう。

男「...ん?」ピタッ

魔理沙「急に止まってどうしたんだぜ?もしかして迷ったのか?」

男「いや...なぁ魔理沙、この竹林を拠点に遊んでる、もしくはここを所有している人っているか?」

魔理沙「ん?あぁ、一応この竹林は永遠亭が管理してるはずだぜ?後はよくてゐが人を迷わせて遊んでるな」

男「てゐ?」

魔理沙「そそ、因幡てゐ。永遠亭にいる妖怪兎だぜ」

男「へぇ...ウサギねぇ」

魔理沙「それがどうかしたのか?」

男「まぁ見てろ...それっ」

ズボッ!

魔理沙「落とし穴!?」

男「陥穽(落とし穴のこと)だな。先にも何ヶ所か仕掛けてある」

なんでバレた!?
いままでバレた事なんて、それこそ鈴仙にだって気付かれた事ないのに!?

魔理沙「それにしてもよく分かったんだぜ」

男「よく見てみろ。穴の周りに色が濃い土が少しあるだろ?つまり最近掘られたっつーことだ。しかも穴のカモフラージュを意識しすぎて周りの落ち葉が減ってる。これじゃあここに何か仕掛けましたと言ってるようなもんだ」

魔理沙「確かに言われてみれば...いや、全然分かんない」

男「俺はわな猟もやるからな、経験値の差だ。この掛け方じゃ人間は掛かっても、動物はかからないだろう...っと誰か来るな」

魔理沙「?」

「あの...どうかしましたか?」

振り返るとそこには可愛らしい女の子が立っていた。

ピンク色の長い髪、クリクリとした紅い瞳、そして...

ピョコ ピョコ

男(うさ耳が生えてるー!?)

なんでバレた!?
いままでバレた事なんて、それこそ鈴仙にだって気付かれた事ないのに!?

魔理沙「それにしてもよく分かったんだぜ」

男「よく見てみろ。穴の周りに色が濃い土が少しあるだろ?つまり最近掘られたっつーことだ。しかも穴のカモフラージュを意識しすぎて周りの落ち葉が減ってる。これじゃあここに何か仕掛けましたと言ってるようなもんだ」

魔理沙「確かに言われてみれば...いや、全然分かんない」

男「俺はわな猟もやるからな、経験値の差だ。この掛け方じゃ人間は掛かっても、動物はかからないだろう...っと誰か来るな」

魔理沙「?」

「あの...どうかしましたか?」

振り返るとそこには可愛らしい女の子が立っていた。

ピンク色の長い髪、クリクリとした紅い瞳、そして...

ピョコ ピョコ

男(うさ耳が生えてるー!?)

魔理沙「お、鈴仙!仕事終わりか?」

鈴仙「うん、今日は町に薬を届けるだけだったから。...それで」チラッ

魔理沙「おっと、紹介するんだぜ。こいつは男、最近幻想郷に来た外来人だ。んでこっちが鈴仙・優曇華院・イナバ、永遠亭の薬売りだ」

鈴仙「...」ジーー

男「...あの、なんでしょう?」

鈴仙「わわっ!?す、すみません!なんでもないんです!」

あたふたと手を動かすうさ耳少女。うん、こいつあざといな。

男「まぁ初めまして。これから丁度永遠亭に向かおうと思ってたんですよ。」

鈴仙「そうだったんですね。ではあと少しですが案内しましょう!」

男「それで?魔理沙の言った妖怪兎ってこの人か?」

魔理沙「鈴仙とてゐは別人なんだぜー」

鈴仙「あの...うちのてゐが何か失礼を?」

男「いやいや、失礼っつーかこれ」ユビサシ

鈴仙「落とし穴!?もしかして落ちたりしちゃいましたか!?」

魔理沙「男が先に見つけてくれたから大丈夫なんだぜ」

鈴仙「そうだったんですか...ホントにすみません!後で私から強く言っておきます!」

ものすごい勢いで頭を下げる鈴仙という少女。
この瞬間動作だけで、この少女が普段から苦労しているのが伺える

男「いっつー!銃に弾いれてなくて良かった。暴発するとこだった...」

踏み板に足を置く寸前で腕を掴んだ。
不意に腕を引っ張ってしまったせいで、鈴仙共々後ろに倒れてしまった。
幸い男が尻餅をついただけで済んだが...

鈴仙「はわわ///」

男「あーすみません、急に引っ張っちゃって。大丈夫ですか?」

結果的に鈴仙を正面から抱き留める形になってしまった。

男「あ、あのー」

鈴仙「ひゃ!ひゃい!?」

男「そろそろ退いて頂けるとありがたいんですが...」

鈴仙「す、すびません!!」バッ

男「い、いえ、こちらこそ」

鈴仙「///」

男「...」

魔理沙「え、この空気はなんなんだぜ?」

男「とりあえず、俺は陥穽がどこにあるか分かるから、鈴仙さんは道を間違ったら教えて下さい」

鈴仙「は、はぃ...」

うん、非常にやりにくい。
そんなに照れられるとこっちまで動揺するからホントにやめてほしい。

そして魔理沙、そんな目で俺を見るな。あれは唯の事故だ。
だから間違ってもさっきゅんに言っちゃダメだぞ☆
絶対に良くないことが起きるから。主に俺に被害が出る方向で。

鈴仙「そ、そういえば、お二人はここまでどうやって来たんですか?」

魔理沙「あー、最初は妹紅に頼もうと思ったんだけどいなくて。結局は男が大丈夫っつってここまで来たんだぜ」

鈴仙「この竹林を初見で突破出来る人なんて初めて見ましたよ」

男「森歩きは慣れたもんだからな。それに案内人も付いてきてくれてたし」

魔理沙「ん?案内人?」

男「いいかげんでてこい!オラッ!」ヒュッ!

腰に付けていた剣鉈を投げる。
木に刺さる鈍い音と同時に、小さな悲鳴があがった。

「ひっ!?」

男「竹林に入った時からずっと付いて来てたよなぁ?出てこないと今夜は兎鍋にするぞ?」

鈴仙「あわわ」ガクガク

魔理沙「こっちの兎にもヒットしてるからやめてやるんだぜ...」

鈴仙「食べられる...食べられちゃう...たべられる?..............////」

魔理沙「おいコラ何想像してんだ発情うさぎ。私に分かるように言ってみろ?お?」

>>197はミス
おやすみ

すまん、>>199>>200の間が抜けてる。
眠いとダメだな。



鈴仙「それでは行きましょうか!」

そう言って前に出た鈴仙先へが進もうとする。
身内がしでかした責任からか、やけに張り切ってるように見える。
しかしその先には落とし穴が。

男「あぶねっ!」ガシッ

鈴仙「えっ?」フワッ



ドスンッ!

???「...ッ」ダッ

魔理沙「あ、にげた」

男「逃がすか!」ダッ

鈴仙「む、無茶ですよ!竹林でてゐに追いつけるはずが無いじゃないですか!最悪迷ってしまいますよ!!」

魔理沙「...多分もう聞こえてねーんだぜ」

鈴仙「そんな...探しに行かないと」

魔理沙「まぁまぁ、先に私達だけでも永遠亭に行ってようぜ。きっと男は大丈夫だし...というか」

鈴仙「?」

魔理沙「この場合、てゐの方が心配なんだぜ...」

鈴仙「ただいま戻りました!」ガラガラ

永琳「あら、お帰りなさいウドンゲ。お客様かしら?」

魔理沙「お邪魔するんだぜ!」

永琳「久しぶりね魔理沙。今日はどうしたのかしら?」

魔理沙「いやー、私はただの付き添いだったんだが、当人がてゐを追ってどっか行っちまって」

鈴仙「あの...やっぱり今からでも探しに行った方が...」


ガラガラ!!


男「こんちわー、あれ?やっぱ先に行ってたのか」

魔理沙「...お、おう。予想以上すぎる早さなんだぜ...」

鈴仙「て...てゐ」

てゐ「」チーン

永琳「初めまして。永遠亭で医師をやらせていただいてます。八意永琳と申します。うちのてゐがご迷惑を...」

男「あ、これは丁寧にどうも、男と言います」ペコリ

永琳「里の方ですか?失礼ですがあまりお見かけしない方のようですので」

魔理沙「男は外来人なんだぜ。最近迷い込んできた」

永琳「そうでしたか。それは大変でしたでしょうに。ささ、あがって下さい」

男「こりゃどーも。では失礼します」

永琳「ウドンゲ、てゐを部屋に運んだらお客様にお茶を出して頂戴。私もすぐに行くわ」

鈴仙「は、はい!」

ーーーー

鈴仙「どうぞ」コトッ

男「お、ありがとうございます」ズズッ

魔理沙「それにしても、よくてゐを捕まえられたんだぜ」

男「んー?まぁ逃げようとする奴の心理なんて読みやすいからな。相手は妖怪だし地の利もある。どうせ走っても追いつけないから、戻ってきそうな場所で待ってたんだよ」

鈴仙「それであんなに早く捕まえられたんですね」

男「追いつかれる事はないと油断してたんだろ。でも相手の動きも気になる。だからある程度見えなくなったらすぐに戻ってくる。こんなところだな」


魔理沙「すごいんだぜ...ますます人間だとは思えない」

男「スレた鹿とかも同じ動きをするからな。最悪コイツを使おうと思ってたし」カチャ

魔理沙「や、やめてやるんだぜ...」

男「ははっ、冗談だよ」

鈴仙「...そろそろお師匠様を呼んできますね」ガラガラ







鈴仙「やっぱり...あの人が持ってるのって...銃...だよね」

永琳「お待たせ致しました。これが吸血鬼用の塗り薬です」

男「どーもどーも、ありがとうございます」

鈴仙「それにしても、吸血鬼なのにケガが治らないなんて、おかしいですね」

魔理沙「というか、最近おかしくないか?」

鈴仙「おかしい?」

魔理沙「なんだか能力の発動がしにくくなってる気がするんだぜ」

男「そうなの?」

魔理沙「ほら、美鈴の能力も最近調子悪いだろ?いくら男の気配察知が鋭くても、“気を使う程度の能力”を持っている美鈴が遅れを取るハズがないんだぜ」

鈴仙「そんなことが...それはちょっと不思議ですね」

永琳「...やはりそうなっているのね」

鈴仙「師匠...?」

永琳「私だけの不調だと思っていたのだけれど...魔理沙に紅美鈴...実は姫も今朝方、ささくれがずっと治らないって暴れていたのよ」

男「そんぐらいで暴れるなよ...なんだよその姫さん...」

永琳「魔理沙、霊夢はこのことについてなにか?」

魔理沙「いや、まだ何も言ってないんだぜ。単なる体調不良だと思ってる奴が大半だと思う」

永琳「早いとこ紫と合流した方がいいわ。何もないに越したことはないけれど...何か良くない事が起こりそうな予感がするの」





ガシャァン!!


男「なんの音だ?」

永琳「庭からね...鈴仙!」

鈴仙「はい!」ガラッ

魔理沙「!?...なんだぜこいつら...!?」


庭にいたのは、ボロボロの鎧を纏った人型のナニか。
元は人だったのであろうか、鎧の隙間から見えるその身体はほぼほぼ白骨化しており、所々に付着している肉片がより一層不気味さを際立てている。
10体程いるそれらは、それぞれが刀や槍を持っており、明らかな敵意を見せている。

永琳「...薬を貰いに来たってわけではなさそうね」

男「いや分からんぞ、案外乾燥肌に悩んでるのかも」

魔理沙「乾燥肌ってレベルじゃないんだぜ...鈴仙、どうするんだ?」

鈴仙「...しい」

男「あ?」

鈴仙「...おかしい、波長が全く掴めない...」

魔理沙「鈴仙も不調なのか!?とりあえず弾幕を...あれ?」

鈴仙「嘘...弾幕が撃てない...?」

永琳(...これは想像以上にマズイ、能力も弾幕も使えない今の私達はただの女子供にすぎない...鈴仙は体術が使えるでしょうけど、魔理沙とてゐ、姫とこの人間を連れて脱出できるかどうか...)

魔理沙「まずいんだぜ!こっち来てる!」

鈴仙「...ここは私が食い止めます!皆さんは避難を!」


先陣を切り込んできたのは2体。
一歩前に出た鈴仙は格闘の構えを取る。


そしてその拳より前に延びる一本の黒い鉄の棒。



ドォン!! ドォン!!

永琳「!?」

鈴仙「...」


随分と久しぶりに聞いたこの音。
月では時代遅れの兵器として、すでに使われる事が無くなっていた。

プラスチックで作られた小さな筒が鈴仙の前に飛び込んでくる。
その先で、襲いかかってきていたモノが、その頭部を粉々にさせている。



男「地元住民への被害を確認。駆除要請を受理。有害駆除捕獲を実施します」カチャ

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