東方野猟日誌 (124)


深夜からこっちに移動した。
ゆるふわ日常系はーとふるss

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1498371269


男「やっぱこっちに逃げてるな...足跡がまだ新しい」

『こちら射手、勢子の現在地を教えてくれ』ザザッ

男「こちら勢子。シカは尾根から少しはずれて谷に下った。一度降りて巻返すからもう少し待機しててくれ」ザザッ

『了解。深追いしすぎるなよ』ザザッ

男「了解」ザザッ


男「恐らくこの辺りに溜まってると思うッ...見えた」

男「5頭か...うまく射手の方に行ってくれるといいんだが」カチャ


ドォンッ! ドォンッ!

男「3頭そっち行ったぞ!」ザザッ

『了解...来た...』

バァッ...ン.. バァ..ッ.ン バァ...ッ.ン....

男「3発...こりゃ全部仕留めたみたいだな」

『状況終了。各員脱包の確認と報告を』ザザッ

男「こちら勢子。2頭食った。目の前で転がってる」

『お前勢子なのに止めすぎだよ』ザザッ

男「いやー。良い射線が“見えた”からさ。つい」

『ガハハッ まぁそれできっちり当ててるんだからいいだろ。2頭ってことは応援いるか?』

男「んにゃ。片方は小さいから一人で大丈夫。途中で誰かと合流したら持って貰うよ」

『了解。その辺りは足場も悪いから気をつけてな』ザザッ

男「了解。じゃあまたあとで」ザザッ

男「とりあえずシカの首にロープを巻いて...」

『各員へ、霧が濃くなってきた。だいぶ視界が悪くなってるから十分気をつけるように』ザザッ

男「確かに霧が濃いが...この程度だったら問題なく見えるな」

周囲を見渡すとほぼ真っ白になっていた。それこそ5m先は全く見えないほどに。
しかし男には周囲の地形、状況が何となく“見えている”。

男「了解。この程度なら問題なく見えるから大丈夫だ。これから運び出すから途中で俺を見つけたら手伝ってくれ」ザザッ

『相変わらず男は目がいいのな』ザザッ

男「まぁそれだけが取り柄ですしおすし」ザッ

『まぁ一応気をつけてくれ。遭難なんかしたら洒落にならんからな』

男「りょーかい」ザザッ

男「ぐぬぬ...いくら小振りだからって2頭は厳しかったかな...」ゼェゼェ

男「どんどん霧も濃くなってるし...早いトコ山を抜け出さないと」ゼェゼェ

ゴンッ

男「あだっ!?っつー!すげぇ頭ぶつけた...前見て歩かんとあぶねぇ...な...」チラッ

顔を上げるとそこには古ぼけた鳥居が一つ。赤い塗装がかなり剥げている。

男「これは...鳥居?...なんでこんなところに?地図には載ってないよな」ガサガサ

男「んー、死体引きずって鳥居くぐるのもよくないけどなぁ...今回ばかりは多めに見てくれ」

男「失礼しまーっす」グニャ

鳥居をくぐった瞬間、視界がぼやける。
視界が反転する。徐々に頭に血が上っていく感覚がハッキリしてくる。

男「うぇ?...あれ?なんで地面が上にあるんだ?」

ドサァッ!

男「いってぇぇ!?なんでいきなり投げっぱなしジャーマンされてんだよ!っつー!!」

男「いてて...頭とれてないよな...よし、大丈夫だ」

周囲を見渡すと霧ははれて、林道のような場所の真ん中で頭を抱えている自分の状況がハッキリと認識できた。

男「あれ?俺林道なんて通ってたっけ?っつーか神社は?」

慌ててGar○inのGPSで現在地を確認しようとするが、画面上にはクエスチョンマークが表示されるだけ

男「こちら勢子の男、男。だれかとれる人いますかどーぞ」ザザッ

...


男「反応無しか...スマホも...もちろんだめかぁ」

GPSもだめ、無線もだめ、携帯電話も使えない。
自分の荷物を確認する。ザックも銃もシカ2頭もしっかり持っている。
となると...

男「これは俗に言う神隠しか?それとも遭難したか?」

「そーなのかー」

男「...そこは“そうなんです”だろお嬢ちゃん」

声を掛けられ後ろを振り返ると、金髪の女の子が立っていた。

男(育ちが良さそうな黒いドレスっぽいのを着ている。明らかに山に入る服装じゃないが、かと言って汚れてるわけでもない。ということは人里が近いのかな?)

「お兄さん、こんなとこで何してるの?」

男「あぁ、なんだか道に迷っちまったみたいでな。悪いんだが近くの民家まで案内してくれると助かるかな」

「迷ったの?」

男「それはもうこの上無いくらい絶賛遭難中」

「そーなのかー」

男「だから...まぁいいや。ちなみにここはどこなのかな?少なくとも○○県からは出てないと思うんだけど」

「...お兄さんもしかして外来人?」

男「ん?日本人だけど?...へ?」

両手を広げた少女の周りに黒いオーラが漂い始める。

男「ちょっとお嬢ちゃん?どうしたの?すしざんまいごっこ?」

「博麗の巫女のせいで幻想郷内の人間は食べちゃいけなくなったけど...外来人なら問題ないよね?」

徐々に黒いオーラが周囲を埋め尽くしていく...まだ昼間なはずなのだがさながら周囲は深夜のように闇に包まれていく。
流石にここまでくると目の前の少女がただの少女では無いと思わざるえない。

男「ちょっと待ってくれ、人間を食べる?シカじゃだめ?心臓撃ち抜いてるからうまく血抜きできてると思うよ?」

「んー。お兄さんの方が美味しそうかな?」

気が付けばすでに周囲は真っ暗に。ザックのサイドポケットからマグライトを取り出す。

男「あれ?つかない?」

「無駄だよ。この闇の中ではあらゆる光源が無効化される」

男「...お嬢ちゃん何者なん?」

ルーミア「私はルーミア。宵闇の妖怪...そして」

暗闇の中、ルーミアがスッっと近づく。

ルーミア「いただきます」ガバッ

男「そぉぉい!」チョップ

ルーミア「あだっ!?」ガスッ

男「暗くして見えなくしたつもりかもしれんが、俺には割と見えてるぞ?」

ルーミア「そんな...?私ですら視界を奪われてるというのに」

男「それって本末転倒なんじゃ...まぁガキの頃から目だけは異常に良くてな。霧に覆われようが暗くなろうが何となく見えるんだよ」

暗闇がルーミアに集約し、周囲が明るくなる。

ルーミア「くっ...なら力業で!」

男「はーいそこまで」カチャ

ルーミア「...なにそれ?」

男「ほー、この世界には銃が存在しないのか」

男「お嬢ちゃん...ルーミアちゃんか。のおかげで何となく分かった。ここは俺が居た世界とは恐らく違う世界なのだろう。さっき幻想郷とか言ったな?
そしてルーミアちゃんは妖怪」

男「いくら妖怪だろうとかわいい女の子を撃ちたくない。ここで引いてくれるとうれしいんだが?」

ルーミア「ちょっと何言ってるか分からないわね。唯の人間であるあなたが妖怪の腕力に勝てると思っているの?」

男「へぇ、やっぱりすごい力あんのか...あとで腕相撲しようぜ」

ルーミア「クスッ...そうね。じゃあ腕だけは残してあげる!」バッ



ドォンッ!

ルーミア「...へ?」

男「...ごめんな。心臓を撃ち抜かせてもらった...」

ルーミア「...そん...な...」

男「...俺もこんなトコで死にたくないんさ」

ルーミア「...ねぇ...」

男「どうした?」

ルーミア「...お腹すいた」グゥゥ

男「...は?」

男「なるほど...妖怪相手に唯の物理攻撃は意味がないのか」ゼェゼェ

ルーミア「全く意味が無いわけじゃないわよ。現にわたしは今動けないんだし。ただ致命傷にはならないわね」

男「色々腹くくって引き金引いたんだけどなぁ...まぁ結果オーライか」ゼェゼェ

ルーミア「それよりもさっきのは何?魔法?」

男「ほぅ?この世界には魔法も存在するのか」ゼェゼェ

ルーミア「いるわよ。普通の魔法使いとか人形使いとか」

男「人形使いねぇ。そのうちゾナハ病とか柔らかい石とか出てくるんじゃないだろうな?」ゼェゼェ

ルーミア「なにそれ?」

男「わからんならいい。お、階段が見えてきたな」ゼェゼェ

ルーミア「あそこを上がれば博麗神社よ」

男「上がれっつったって...ザックに銃にシカ2頭にお前背負ってるんだぞ...」ゼェゼェ

ルーミア「お兄さんがケガさせたんじゃない」

男「おめーが襲ってきたんだろーが!」

「...何してるんだぜ?」

男「ん?」

声を掛けられた方を振り向くと、そこには一人の少女が立っていた。
黒と白のフリフリした服を着て、頭に被った大きな三角帽から金髪の長い髪が降りている...まるで

男「おぉ、普通の魔法使いか」

ルーミア「そーなのだ」

「なんでそれをっ!って、ルーミアじゃねーか?」

ルーミア「やっほー魔理沙」

魔理沙「どうしたんだぜ?男におぶってもらったりして?」

ルーミア「んー、この人襲ったら返り討ちにされちゃった」

男「おい、間違っちゃ無いけどもうちょい言い方があるだろ」

魔理沙「襲った!?おいおいルーミア、何でそんなことしたんだ?霊夢に見つかったらことなんだぜ?」

ルーミア「いやー、このお兄さん外来人みたいでね?つい」

魔理沙「へぇ、外来人なのにルーミアに勝ったのか。お兄さんなかなかやるんだぜ!」

男「お、おう。まぁな」

魔理沙「私の名前は霧雨魔理沙。普通の魔法使いなんだぜ!よろしくな!」スッ

男「こちらこそよろしく」アクシュ

魔理沙「それで...最初から気になってたんだが...そのシカはなんなんだぜ?」

男「お、これな。その辺りも含めて色々話したいんだが...ルーミアちゃん曰くここの神社の巫女さんが俺みたいな奴の担当らしいんだが」

魔理沙「お兄さん霊夢に会いに来たのか?私もそうなんだぜ!ちょうどいいから一緒に行くんだぜ!」

男「そうしたいんだが...なぁ魔理沙ちゃん。ちょっとお願いがあるんだが?」

魔理沙「ちゃん付けで呼ばれるとなんだかムズムズするんだぜ。どうかしたか?」

男「ルーミアちゃんのことお願いしていいか?流石にシカとルーミアちゃん持って階段上がるのはしんどいからさ」

ルーミア「えー?お兄さんおんぶしてくれないの?」

男「もう十分したでしょーが。すまんが魔理沙ちゃん、たのめるか?」

魔理沙「お安い御用なんだぜ!なんならそのシカも上まで運んでやるよ!」

男「それは流石に悪いだろ」

魔理沙「余裕なんだぜ!このひもを箒にくくりつけて...っと」

魔理沙「ほれルーミア、行くぞ」

男「その箒をどうするんだ?」

魔理沙「魔法使いらしくこうするんだぜ!!」ブワッ

男「!?...まさかとは思ったけど、本当に飛びやがった...」

魔理沙「先に上に上がってるぜ!お兄さんも早く来いよな!」


「...ふぅ、今日もお茶が美味しいわ」ズズッ

「暇ねぇ...そろそろ魔理沙辺りが来そうな予感がするけど」

オーイ、レイムー

「あら、噂をすれば....は?」

魔理沙「おっす霊夢!遊びに来たんだぜ!」

ルーミア「そーなのだー」

霊夢「魔理沙とルーミア...何このシカ」

魔理沙「お?やっぱり気になっちゃうよな?そろそろ来るんだぜ」

霊夢「そろそろ来るって...ってかルーミアケガしてんじゃないのよ、大丈夫なの?」

男「ヒィ...ヒィ...なんだよこの階段、高尾山かよ」

霊夢「...だれ!?」

男「やっと着いたぜちきしょー...おぉ、本当に巫女さんだ。えらい美人さんだ」

霊夢「なるほど...外来人ね」

魔理沙「そうみたいなんだぜ。けどルーミアに襲われても勝ったんだぜ!」

霊夢「だからルーミアはケガしてたのね。っつーか何人間襲ってんのよ」

ルーミア「ちょっとお腹が空いててね。外来人だしいいかなって」テヘッ

霊夢「まったく...あんたもよく無事だったわね」

男「んー?まぁね。そんな事よりルーミアちゃんは大丈夫なのか?」

霊夢「こいつは妖怪だからこの程度の傷なら大丈夫よ...というかどうやったらこんな傷がつくのかしら」

男「あー、そりゃこいつを使ったからな」カチャ

霊夢「...?なにそれ?」

魔理沙「ただの鉄の筒にしか見えないんだぜ?」

男「まぁ鉄の筒だからな。こいつは銃。散弾銃のRemingtonの1100だ」

霊夢「銃?」

魔理沙「聞いたことないんだぜ?どうやって使うんだ?」

男「そうだな...ちょうどいい、ルーミアを撃った時の薬莢を使おう」

男「あそこに薬莢を置いてきたのが見えるな?距離で言ったら15m位しかないんだが」

魔理沙「あの緑色のやつだろ?あれをどうするんだ?」

男「ちょっと音がでかいから耳をしっかり塞いどけ。ちなみに霊夢ちゃん、この先に人家はないよな?」

霊夢「え、ええ。森しかないわよ」

男「おっけー。じゃあ見てな...」カチャ

ドォンッ!

霊夢「!?」

魔理沙「!?」

ルーミア「...へぇ、これであたしはやられたのね」

男「これが銃だ。火薬が燃える爆発力を使って鉛の塊を高速で打ち出す仕組みだ」

魔理沙「すごい音がしてびっくりしたんだぜ」

霊夢「...もしかしてそのシカも?」

男「そ。俺達はグループで巻狩りをしてたんだが...いきなり山が深い霧に包まれてな。気が付いたら古い鳥居に着いてたんだよ」

霊夢「それで幻想郷に...」

魔理沙「...?どうしたんだぜ霊夢?」

霊夢「おかしいわね。この前の異変解決後に結界はかなり安定したわ。ちょっとやそっとの歪みや弾みで外の世界と繋がるなんてのはあり得ないはず...」

魔理沙「おいおいどういうことなんだぜ?お兄さんを外に戻すだけでいいんだぜ?」

霊夢「それができないのよ...結界が安定しすぎてるせいで、向こうからも入れないしこっちからも出られないようになってるの」

男「...つまりは現状俺は元の世界に戻れないってことか?」

霊夢「...ごめんなさい、私にはなんとも言えないわ。ただこういう事を起こしそうな元凶に心当たりがあるから、少し聞いてみるわね」

魔理沙「私も色々サポートするんだぜ!なんでも言ってくれ!」

男「なんかすまんな、色々迷惑かけるみたいで」

霊夢「別に構わないわ。それが私の仕事だもの」

男「まぁそんな霊夢ちゃんに礼といっちゃなんだが...御馳走しようと思う」

霊夢「御馳走?」

男「こいつ...シカ肉だよ」ドサッ

男「おいしょ...」スッ スッ

魔理沙「おー...どんどん皮が剥がされて行くんだぜ」

霊夢「うさぎとかニワトリとかは見たことあるけど...シカははじめてね」

男「ウサギもニワトリも捌けるよ」

魔理沙「ほんとか!?今度鈴仙とミスチーに会わせてみようぜ!」

霊夢「ひでぇことしやがる」

男「おし...まずは背ロースがとれたぞ、んで脚も取っちまうか」スッ スッ

ルーミア「おー、美味しそう」

霊夢「ここまで来ると売ってるお肉にしか見えないわね」

男「魔理沙ちゃん、俺のザックから剣鉈取ってくれない?」

魔理沙「ザック?このおっきなかばんの事か?」

男「そそ。その横のチャックの中に入ってると思うんだが」

魔理沙「んー?長いヒモしか入ってないんだぜ?」

男「ん?あぁ、ザイルか。反対側はどう?」

魔理沙「コレのことか?」

男「それそれ。それが剣鉈」

霊夢「なるほど...鉈の先が尖っているのね」

男「流石に鉈は知ってたか。俺が持ってる剣鉈は刃渡りが22cm。勿論鉈として使えるし、先が尖ってるから獲物の止め射しなんかにも使える。肉厚だから丈夫だしね」

霊夢「まぁ自分で薪作ったりはしょっちゅうするからね」

魔理沙「これと似たようなのを香霖堂で見たことあるんだぜ」

男「香霖堂?」

魔理沙「人里にある道具屋の事なんだぜ。幻想郷で唯一外来の道具から冥界の道具まで扱ってるガラクタ屋なんだぜ」

男「外来...俺の世界の道具も扱ってるのか」

霊夢「私達が見ても唯のガラクタだけど、あなたから見れば役に立つモノがあるかもしれないわね」

魔理沙「今度案内してやるんだぜ!」

男「おー、それは助かる...っつーか」

霊夢「なに?どうしたの?」

男「俺はこれからどうしたらいいの?」

霊夢「...」

魔理沙「...」

ルーミア「...とりあえずシカを食べれるようにしたらいいんじゃないかしら?」ニコッ

男「デスヨネー」

男「すっかり日も暮れちまったな」

魔理沙「うまい!むっちゃうまいんだぜ!?」

霊夢「獣の肉は少し臭みがあるイメージだったけど...美味しいわね」

男「いい位置抜いたからな。それに調理する前に少し布でくるんでおいたろ?だから血がちゃんと抜けてんだ」

ルーミア「美味しい...ほんとに美味しい」ガツガツ

男「落ち着け。すげー零れてるから」

ルーミア「ングング...おかげさまで傷もすっかり治ったわ」

男「あんだけガッツリ貫通してた傷が...本当に跡形もなく治ってるな」

霊夢「妖怪はそもそもの生命力が人とは違うからね」

男「そういや霊夢ちゃんと魔理沙ちゃんは人なのか?」

魔理沙「私達は完全に人なんだぜ!中には半人半霊みたいな中途半端な奴とかもいるしな」

霊夢「人間みたいな妖怪もいれば妖怪みたいな人間もいる...幻想郷はそういうところよ」

男「なるほどねぇ...俺の世界もそんな風に人と獣が共存できる世界だったらよかったのにな...」

魔理沙「?どういうことなんだぜ?」

男「んー?まぁ今度気が向いたら話すよ。それより俺は今後どうするかを考えにゃならん。元々山小屋に泊まる予定だったからテントとかも持ってきてないんだ」

霊夢「てんとが何か分からないけど、とりあえずはウチに泊まっていきなさい」

男「いや、それは流石に悪いだろ」

霊夢「結界が安定する前はよく迷い込んだ外来人を泊めていたものよ。それにこんな御馳走してもらったんだもの、遠慮しなくていいわ」

男「んー...でもなぁ」

ルーミア「この時間から森を抜けて人里に行こうとしても危ないわよ。いくら霊夢が人と妖のルールを決めたといっても、それを守らない雑魚妖怪はいっぱいいるの」

魔理沙「お前とかな」

ルーミア「あたしはルールは破ってないわ。グレーゾーンだもの」

男「俺にとっては完全アウトだったがな...じゃあ今日はお言葉に甘えて泊まらせてもらいますか」

霊夢「最初からそうすればいいのよ。さて、着替えとかはどうしましょうか」

男「それは大丈夫。着替えもタオルも歯磨きも全部揃ってる」

魔理沙「へー!お兄さんは旅人なのか?」

男「さっきも言ったろ?もともと山小屋に泊まる予定だったんだよ。だから必要最低限の生活用品は揃ってるんだ」

霊夢「なら心配はないわね。ほら、あんた達もとっとと帰りなさい」

魔理沙「そうだな。明日もまたくるんだぜ!」

ルーミア「お兄さん、また遊びましょうね」

男「おう、二人ともありがとな!」

二人が帰った後、霊夢が神社内を案内してくれた。

霊夢「って感じだから。お風呂も自由に使っていいわよ」

男「なにから何まですまんな」

霊夢「いいのよ。私は隣の部屋にいるからなんかあったら呼びなさい。あと、夜這いかけてきたら絞め殺すから」

男「安心しろ、俺はロリコンじゃねぇ。あと5~7年したらアタックしてたかもしれん」

霊夢「あら、じゃあ咲夜に会わせるのが楽しみね」

男「ん?咲夜?」

霊夢「明日から色々教えてあげるわよ...ファァ..それじゃおやすみ」

男「はいよー、おやすみ」

男「...ふぅ、今日は色々ありすぎだよ...」

一人、部屋の中で手足を放りだす。畳の上に大の字で寝転がると、今までの疲れがドッと押し寄せた。

男「そもそも勢子やってたんだぞ...それだけでも疲れるっちゅーのに」

霧の中出会った鳥居。そこをくぐってしまったがために辿り着いた、幻想郷...
ルーミアと出会い...はじめて人に、いや、正確には妖怪なんだが...発砲してしまった...
もともとの仕事もあって撃つ対象として認識してしまえば何であろうと引き金はひける。
ただ撃った直後の疲労感は獣を撃つ非じゃなかった...まぁ結局は杞憂におわってしまったが。

男「...みんなは無事かなぁ...俺みたいに変な世界に飛ばされてなきゃいいけど」

瞼が徐々に重くなる。今日は動きすぎたし考えすぎた。

男「魔理沙ちゃんは明日も来てくれるって言ってたし...人里でも...案内...して....」


ーーーー

たまに狩猟用語とか出てくるから分かんなかったら聞いて。

あとキャラの口調だが...原作重視にするか二次創作よりにするか模索中。

独自解釈と御都合主義だが...ssだから別に良いよね

ーーーー


男「....ンガ...ん...むぅ...?」

男「あぁ...そっか。昨日あのまま寝ちゃってたのか」

目が覚めて自分の両手両足を確認する。

男「やっぱり夢じなかったか...さて、今何時だ?」

腕のGsh○ckを確認すると、まだ朝の5時を過ぎたばかりのようだ。

男「まぁこの時間と実際のこっちの時間が合ってるか分からんけどね」

襖を開け外を確認すると、もう霧がかってはいるが十分明るくなっていた。

男「...なんかあの時と似てるな」

男「...少し歩いてみるか」

もしかしたらひょんな事で元の世界に戻れるかもしれない。

ウエストポーチに必要最低限の物を詰め、腰に剣鉈を差す。
...一応銃も持っていこうか。

男「霊夢は...流石にまだ寝てるか」

少し散歩がてら歩くだけだ...何も起きなければすぐに戻ってこられるだろう。

男「さて...昨日の林道まで戻ってきたが、この先には何があるんだろう」

男「っつーか霧がひどいな...ほんとに俺がこっちくる直前みたいだ」

しばらく歩くと何か建物が見えてきた。霧のせいでハッキリとは見えないが、男の目はそれをしっかり捉えていた。

男「なんつーか...随分と西洋風のお屋敷だな...」

男「...ん?人が立ってる?というより...」

「...zzz...zzz...」

男「ね...寝てらっしゃる」

男「見た感じ門番だとは思うんだが...寝てていいのか?まぁこんな早朝に訪ねてくる非常識な奴なんて...俺か」

この人はそっとしておいてあげよう。帰ってこの屋敷の事を霊夢にでも聞いてみるか。
静かに屋敷を離れようとしたが...そいつは唐突に現れた。

「美鈴...あなたまた寝てたのね」ガスッ

気が付けば門番の隣には一人の女性が立っていた。
所謂メイド服を着たその人は、門番の女性をグーで殴る。

男(い、いつの間に!?気配はおろか音もしなかったぞ...まるでいきなりこの場に現れたみたいだ...)

「いだっ!?あれ?咲夜さん?ちょっと何するんですか!誰も来てなければ寝てていいってこの前言ったじゃないですか!」

「誰も来ていなければ、ね?」

「そうですよー。こんな早朝に訪ねてくる非常識な奴なんて...あれ?」

男「ど、どうも?」

美鈴「な、なんですかあなたは!?こんな早朝に来るなんて非常識じゃないですか!」

男「それはまぁ...俺もそう思いますが」

美鈴「おかげで咲夜さんに怒られちゃったじゃないですか!どうしてくれるんです!」プンプン

男「それは知らねぇ」

咲夜「...あなた見ない顔ね...外来人かしら?」

男「あ、はい。なんかそうらしいです」

咲夜「そう...」チラッ

美鈴「...」

男「...?」

咲夜「こんな所で立ち話もなんでしょ?中にお入り下さい」

男「これはご丁寧にどうも」

美鈴「...」

男「あーっと、美鈴さん?でしたよね?」

美鈴「は、はい!どうしました?」

男「なんか早朝から申し訳ないです。俺のせいで怒られちゃいましたね」

美鈴「いえ、怒られるのなんてしょっちゅうなんで」

男「それはそれでどうなんだ...」

咲夜「美鈴?門を開けてくれないかしら?」

美鈴「はい!ただいま!」

美鈴によって重そうな門が軽々と開いていく。この人見た目は細いがそれなりに腕力があるようだ。
見た目も大陸拳法を扱っている人が着るような衣装を身に纏っている。格闘技はよく知らないが、気とかなんとかを使ってそうだ。

美鈴「おまたせしました!どうぞ!」

咲夜「ありがとう。どうぞ中へお入り下さい。ようこそ“紅魔館”へ」

咲夜「歓迎します」ニコッ

とても綺麗な笑顔に危うく惚れそうになるが、ある一言が一気に思考を現実に引き戻した。
門が閉まる直前、あの門番の声がハッキリと聞こえた気がする。



ごめんなさい  って。


男「ほぇー...立派なお屋敷ですね」

咲夜「ありがとうございます。ここは主でありますレミリア・スカーレットお嬢様が統治されているお屋敷になります」

男「へー。それにしてもこんな朝早くからお邪魔してよかったんですか?」

咲夜「もちろんです」ニコッ

男「...?」

咲夜「あ、申し訳ありませんがお腰に着けた刀剣はこちらでお預かりしてもよろしいでしょうか?」

男「そりゃもちろんです。むしろ着けっぱなしで申し訳ないです」スチャ

咲夜「いえ、ご協力ありがとうございます...」ゴッ!

男「んがッ!?」バタッ

咲夜「...」

ーーーー

男「っつー...あれ?どこだここ?」

気が付くと石畳の上で目が覚めた。
後頭部に残る鈍い痛みが、あのメイドに何をされたかを十分に物語っている。

男「...どうなってんだ。とりあえず銃が無事だったのはありがたいけど...」

杖か何かに見えたのだろう。負環でたすき掛けにされていた銃と、腰のポーチは何もされていないみたいだ。

「...だれ?」

男「ん?」

薄暗い牢屋の様な部屋であったが。男が見通すには十分の空間である。
かわいらしい声がした方を見てみると、女の子が一人、椅子に座っていた。

男「おいおい...どうした?どうしてこんなとこにいるんだ?」

「...最近は落ち着いてたんだけどね...また暴走しちゃったみたい...」

男「暴走?」

「お兄さんはどうしてここに?」

男「あー...なんか咲夜っていうメイドのねーちゃんに連れて来られたっぽい...わけがわからん」

「へぇ...咲夜が...じゃあお兄さんが私と遊んでくれるの?」

男「そりゃ遊んでやるのは全然構わないが、まずここから出ないとな」

金髪の女の子の声を背中で聞きながら銃に弾を装填する。銃身に一発、弾倉内に二発の計三発だ。

「よく見たらお兄さん頑丈そう...血の臭いもする」

男「山仕事してるからな...へ?血の臭い?」カチャ カチャン

振り返るとそこには無邪気な笑顔を浮かべる少女が...
強いて言うなればその少女の背中からは綺麗なクリスタル状の羽が生え、紅い禍々しいオーラを周囲にまき散らしている。

男「...俺このパターン知ってる...昨日のやつだ」

フラン「人形相手だと簡単に壊れてしまってつまらないわ。きっとそのせいで暴走しちゃったのよ」

フラン「私はフランドール。お兄さん、一緒に遊びましょ?」

カンタンニ コワレナイデネ?

男「またこんなんかよ!!」ドォン! ドォン! ドォン!

扉の鍵が掛かっている部分に三発のスラッグ弾を撃ち込む。
鍵は運良く壊れてくれたようで、そのまま全力で逃げ出す。

フラン「きゃ!すごい大きい音!なにそれなにそれ!」キャッキャッ

男「くっそ!すげぇ無邪気な笑顔で飛んでくるんだけど!かわいいなちきしょー!!」ゼェゼェ

走りながら弾を再装填する。
自分がどこに向かっているかも分からないし、この廊下がどこに続いているかも分からないが、とにかく全力で逃げる。

男「うぉぉぉぉぉぉ!!走れ俺ぇぇぇ!オオスズメバチの巣を踏み抜いた時のように全力で走るんだぁぁぁぁぁ!!」

フラン「あはははは!お兄さんすばしっこいのね!!」ドカァアアン!

男「あはははははは!!もうなんか笑えてくるぜ!普通に壁とかぶち壊してるし!!なんなんだあの光の弾!!弾幕濃すぎぃ!」

無数の紅い光の弾が襲いかかってくる。
目の前一杯にばらまかれたソレだが、男は間一髪で避けていく。

フラン「あはっ!お兄さん普通の人間なのにすごいのね!」

男「ちょ...まじで...喋る余裕もない...!!」ゼェゼェ

男(弾の数は多いが...射線が綺麗すぎる...これなら問題ない)

フランの放つソレはまるで芸術のようだった。
各々が眩しいくらいに光を放ち、まるで一種のイルミネーションのようにも見える。

男(なんか知らんが...あの子の射線がよく“見える”...身体さえ追いつけば避けきれそうだ)

フラン「じゃあこれはどう!?【禁忌 クランベリートラップ】!!」

男「...は?」

男「誘導弾は反則だろぉぉぉ!!」

フラン「きゃはは♪」

男(早くないから何とか避けれたが...だんだん周りを囲われてきたな...)ゼェゼェ

為す術なく翻弄されるが、いつまでもこうしてるわけにもいかない。

男(さっきから俺の目が無意識に何かを捉えようとしている。...あの4つの魔法陣か?)

男「よし...一か八か自分の目を信用してみようじゃねぇか。あの魔法陣を食えばいいんだろ?」

銃のストックを自分の横っ腹、スキート競技で言われるガンポジションまで下ろす。
クレー射撃の一種であるスキート競技では、銃を肩につけたままではいけない。
ガンポジションまで銃を降ろし、コールをし、クレー(フリスビーのようなもの)が射出されてから
挙銃(きょじゅう)と呼ばれる動作を行い、銃を肩付けし、発砲する。

男には目の前を飛び交う魔法陣がクレーにしか見えなかった。

後はいつも通り、射撃場でやっている事をするだけだ。

スキート射撃国際ルール、4番射座での連続ダブル。



男「はいっ!」カチャ

ドォン! ドォン!

フラン「!?」

男「こんなことなら上下持って来るんだった...はいっ!」カチャ

ドォン! ドォン!

スラッグ弾を受けた魔法陣は粉々になり、光の弾も放たれなくなった。


男「はぁ...はぁ...俺生きてる」カチャ

フラン「あはは!!お兄さんすごーい!じゃあ次ね!」

男「...え?」


ドカァァン!!

男「さっきは完全に終わった流れだったろーがぁ!!」

フラン「まだまだ遊びは始まったばっかりだよ!【禁忌 レーヴァテイン】!」

男「必殺技は一人一個って教えてもらわんかったのかぁ!」

フラン「えへへ!しらなーい♪」

ドカァァン! ドカァァン!

~少し前~

コンコン

咲夜「失礼します。レミリアお嬢様、おはようございます。朝食の準備が整いました」

レミリア「おはよう咲夜。今日は朝から来客があったようね?」

咲夜「はい。何も知らない外来人が一人訪ねて参りました」

レミリア「へぇ?外来人が、珍しいわね。それでどうしたの?」

咲夜「先日起こした妹様の発作を抑えるため、連れていきました」

レミリア「...え?ちょっと大丈夫なのそれ?霊夢に怒られちゃうんじゃ...」

咲夜「完全な外来人だったので大丈夫かと。あのルールが適用されるのは幻想郷内のモノのみですので」

レミリア「それはそうだけど...うー」

咲夜「それに一般人であればそのまま帰したのですが...彼からは血の臭いががかなりしましたので」

レミリア「血の臭い?」

咲夜「これがその人間が持っていたナイフです」スッ

レミリア「これは...すごいわね」

咲夜「普通の人間がこれだけの血を吸うわけがありません。きっと幻想郷に仇を成す、異変を引き起こさんとする者でしょう」

咲夜「そんな悪人を紅魔組が退治したとなれば...後は分かりますね?」

レミリア(異変を引き起こす悪者を退治→幻想郷を救ったヒーロー→溢れ出るカリスマ→霊夢「レミィ、ありがとう」ニコッ)

咲夜「...お嬢様?」

レミリア「ふ...ふふふ。まぁ幻想郷の治安維持もこの紅魔館主たるレミリア・スカーレットにかかればこんなものよ」フンスッ

咲夜(かわいい)

パチュリー「入るわよレミィ」ガチャ

レミリア「パチェ...一応主の部屋なんだからノックくらいして...」

咲夜「いかがなさいましたか?朝食なら小悪魔に持って行かせますが?」

パチュリー「それはいいんだけどさ...地下から爆発音が聞こえるんだけど、心当たりない?」

咲夜「あー、それなら妹様が外来人で遊んでる音ではないでしょうか?」

パチュリー「まぁそうだとは思ったんだけどね...だんだん音が図書館に近づいて来たから避難してきたんだけど」

咲夜「....へ?」


...ドォォ..ォン  パラパラ...

レミリア「...この地響きはなに?」

咲夜「あの...パチュリー様?つかぬ事をお伺いしますが、フラン様の謹慎部屋には結界が張られているんですよね?」

パチュリー「そうね。どんな魔力でも干渉できない結界が張ってあるわ。魔力によって強大な力を得ているフランでは決して出ることはできないわね」

咲夜「では一体どうして...」

パチュリー「...確かに魔力では一切干渉できないけど、普通の物理攻撃なら破れる可能性があるわ。しかも繊細な結界だから一つ綻ぶとすべて解けてしまう」

咲夜「とは言っても鉄の檻みたいな部屋ですよ?あの人間にそんな力があるようには思えませんでしたが...」

パチュリー「そうは言っても現に部屋から出てしまっているんだから...あのフランも一緒にね」

咲夜「...」

レミリア「それで?その人間とフランはどこにいるの?」

パチュリー「恐らく図書館で暴れてるんじゃないかしら?一応小悪魔によろしく言っておいたけど」

咲夜「...少し行って参ります」

ーーーー

小悪魔「図書館で暴れないでくださいー!!私がパチュリー様に怒られちゃいますー!」

男「俺だってもう体力の限界なんだ...お宅の娘さんに言い聞かせてくれ...」ゼェゼェ

フラン「きゃはは!あなた本当におもしろいわ!とーっっっても気に入った!」

男「おう...ありがた迷惑だぜこんちきしょ...」ゼェゼェ

咲夜「なんですかこの騒ぎは...」シュタ

小悪魔「咲夜さん!!」ヒー

男「てめっ!お前のせいで命懸けの鬼ごっこするはめになったんだが!?佐藤に名字変更した覚えはないんだが!?」ゼェゼェ

咲夜「まったく...あなたが抵抗せず妹様のおもちゃになっていれば良かったのでは?」ギロッ

男「あいにくお宅の娘さんは活きのいいおもちゃをご所望でな...つーか娘さん、一体どうなってるんですか」ゼェゼェ

咲夜「あの方はフランドール・スカーレット。この館の主、レミリア・スカーレットお嬢様の妹様よ」

男「そんな種名を聞いてるんじゃねぇ...あのお転婆具合はどうなってんだ...」

咲夜「妹様、どうか部屋にお戻り下さい。レミリアお嬢様に叱られてしまいますよ?」

フラン「いや!もうあの部屋は嫌なの!」

咲夜「少し気を落ち着かせていただくだけでございます」

フラン「うそ!そうやってついこの前まで495年間閉じこめてたくせに!」

咲夜「それは...」

フラン「...分かってる。咲夜は別に悪くない...今回だって私が暴走しちゃったから閉じこめられたんだし...」

男「...」

フラン「でももう嫌なの!またあの暗い部屋でずっとひとりぼっちは嫌なの!ひとりは寂しいの!!」

小悪魔「妹様...」

男「...」スッ カシュ...フー

咲夜「あの...今わりと大事な話してたと思うんですが...あと図書館でタバコ吸うとか何考えてるんですか?火気厳禁ですよ?」

男「いや目の前にもっとでかい火気があるだろ。はやくスプリンクラー作動しないのマジで」

咲夜「妹様はいいんです」

男「あぁ?そうやって特別扱いするからこんなお転婆わがまま娘になっちまうんだろうが。んで手が付けられなくなったら軟禁ねぇ」

咲夜「!?...あなたに何が!」ギロッ

男「わからねぇよ。でもお前らが揃いも揃って間違えまくってんのは分かる。危ないから無くしましょう隠しましょうじゃ解決しないんじゃボケが。公園の遊具を危ないって理由で廃止していくPTAかよ」

咲夜「...」

男「事情は何となく分かった。フランちゃんはなんか強い力をもっていてそれがたまーに暴走しちまってた。だからここの奴らはお前を閉じこめてた。違うか?」

フラン「...んーん、違わない...」

男「けど今はどうだ?過去のお前がどうだったかは知らん、でも少なくとも暴走してるようには見えないんだが?」

フラン「...」

男「まぁ笑顔で攻撃しまくってくるのはやめて欲しいが...今日追いかけっこしてる最中、なんで俺が一発もお前自身に攻撃しなかったか分かるか?」

フラン「...そういえば魔法陣が壊されたくらいで何もされてない」

男「昨日のルーミアちゃんと違ってお前からは殺気が全く感じられなかったからな。無邪気な顔して追っかけてくるかわいい女の子に手をあげれる程、人間出来ちゃねーんだ」

フラン「...」

男「あんな楽しそうな顔で暴れてる子をあんな暗い部屋に閉じこめる必要が微塵も感じられないんですがね?おねーさんもそう思うでしょ?」

咲夜「...確かに妹様は変わりました。あの博霊の巫女と戦って以来、急激に成長したと思います。ですがそれでも暴走してしまう時はあるんです...私達だって妹様を閉じこめるなんてしたくないんです...どうすれば...どうすればいいでしょうか...」

男「んなもん知るか」

咲夜「...へ?」

男「俺はお前らの関係者じゃねーんだ、知るわけねーだろ」フー

咲夜「あなた...今かなり無責任な事を言ってる自覚はしていますか?」

男「いやいや、そんなことを他人である俺に聞いちゃうのって無責任以外のなによ?俺は関係ないけどおねーさんは違うでしょ?」

男「“家族”なんだろ?」

咲夜「...!」

ーーーー


男「まぁそのへんは後でじっくり話合ってくれ。カウンセラーでも家庭相談所でもない俺には関係ない」

小悪魔「あれだけ言っておいて関係ないって...」

男「なんか言ったかねーちゃん?揉むぞ?」

小悪魔「ひっ!」ササッ

男「さて...フランちゃん、俺は俺に出来る事をしようと思う」

フラン「?」

男「少し休んだから息も整った。ヤニパワーで体力回復!それじゃ...再開しようか」

フラン「...え?」

男「最初に約束したろ?遊んでやるって」

『そりゃ遊んでやるのは全然構わないが、まずここを出ないとな』

フラン「...!」

男「俺はプライドとか責任感はヤフオクで売っちまった男だが...約束だけはちゃんと守る紳士だぜ?紳士服着てるし」

フラン「いいの?壊れちゃうかもしれないよ?」

男「それは困るが...まぁ滑落しても擦り傷ですんだんだ、身体の丈夫さには自信がある。フランちゃんのお墨付きももらってるしな」

フラン「クスッ...お兄さん、本当に不思議な人ね。好きになっちゃった」

男「そりゃ嬉しい。是非大きくなったら俺のお嫁さんになってくれ」

咲夜「!?」スッ

小悪魔「咲夜さん落ち着いて!今いい感じなので抑えて下さい!ナイフもしまって下さい!」

フラン「じゃあ...これで最後ね!私の495年間!全部受け取って!!」

フラン「【QED 495年の波紋】!!」


カッッ!

レミリア「音がやんだから来てみたけれど...」

男「...」

フラン「zzz...zzz...」

レミリア「フランったら人間に抱きついて...二人とも気持ちよさそうに寝てるわね」

小悪魔「いえ...彼の方は気絶してるだけです」

咲夜「妹様のあれを避けきるなんて...」

パチュリー「...ただの外来人ではないのかもね」

咲夜「でも能力もスペルカードもあるようには見えませんでしたが」

レミリア「とりあえず霊夢に報告しましょう。そもそも外来人は霊夢の担当なんだし」

咲夜「...申し訳ありません」

レミリア「構わないわ。フランのためにしてくれた事だし。それに...」

フラン「...zzz」スヤァ

レミリア「フランのこんな表情が見れたんだもの」フッ

レミリア「さて、この二人はどうしようかしら」

美鈴「失礼します」ガチャ

咲夜「あら?美鈴?どうしたの?」

美鈴「霊夢さんが男性の外来人がここに来ていないかって...」

咲夜「...」

パチュリー「...」

....

咲夜「とととととりあえずこの御方を開いてるお部屋で寝かせてあげて!美鈴も手伝って!」

美鈴「へ?は、はい!っていうか何があったんですか?フラン様は爆睡してるし、人間は...死んでない?気絶してるだけ?」

レミリア「この人間がフランと遊んでくれたのよ...それで?今霊夢はどこに?」

美鈴「今お部屋でお待ちいただいて...フラン様?この人から手を離していただけませんか?」

フラン「...zzz...むぅ」ギューー

男「...あ...が...」バキバキバキ

小悪魔「妹様!死んじゃう!この人死んじゃいます!」

美鈴「これは...すごい懐かれてますね」

咲夜「まずい...このままじゃ霊夢にしばかれる...いっそ時を止めて」

霊夢「何を止めるって?」

咲夜「...あ」

霊夢「ん?」ニコッ

ーーーー

霊夢「...全く、まぁ無事だったみたいだから良かったけど」

咲夜「ごめんなさい霊夢。まさか知り合いだったとは」

霊夢「私も昨日会ったばかりだったけどね。朝起きたらいなくなっててびっくりしたわ」

パチュリー「にして外来人ね...結界が安定してるのにも関わらず珍しいじゃない?」

霊夢「私にも何が原因で男が幻想郷に迷い込んだか....」

パチュリー「紫は?」

霊夢「幽々子と温泉旅行。一週間は帰ってこないわ」

パチュリー「って事は紫は関係なさそうね」

霊夢「その辺りも含めて確認したいのだけど...どちらにせよ待つしかないわ」

咲夜「それにしても...どうしてこの男は部屋から逃げ出せたのかしら?」

パチュリー「それなんだけど、やっぱり物理攻撃で逃げ出したみたいよ。鍵がめちゃくちゃに壊されてたわ」

咲夜「やはりこの男...霊夢、どう思う?」

霊夢「なにが?」

咲夜「普通の人間が鋼鉄の鍵を壊して、妹様の弾幕を全て避けきれると思う?」

霊夢「はぁ!?こいつフランと弾幕ごっこやってたの?」

小悪魔「やってたと言うよりは妹様の攻撃をひたすら避けきってましたね」

霊夢「鍵を壊したのはなんとなく分かるけど...それはすごいわね」

咲夜「それにこのナイフ...かなりの量の血を吸ってる...この男、ただ者じゃないわよ」

霊夢「あー...剣鉈ね...そりゃそうよ」

咲夜「?」

霊夢「そうね、とりあえず」

グゥゥゥ

パチュリー「...」

小悪魔「?」

フラン「...zzz」

男「」

霊夢「...」

レミリア「///」

咲夜「...朝ご飯にしましょうか」


男「...ん...あ、あのまま気絶しちまってたのか」

男「布団で寝かされてるっつーことは助かったのか?...っつーか全身痛ぇ...腹へった」

男「ん?...布団の中に違和感を感じる...なんかいるのか?」バサッ

フラン「スー...スー...」ギュー

男「」

美鈴「失礼します...男さん、起きてますか?」コンコン

男「!?門番のお姉さん!?これは違うんです!起きたらこうなってて...俺はロリコンじゃないです!あ、でも495年以上生きてるからロリじゃないのか...ん?合法?」

美鈴「あのー、フラン様が男様から離れようとしなくて仕方なく一緒のベットで寝かせてたんで、大丈夫ですよ」

男「そ、そうだったんですか...あぶねぇ、鉄砲免許剥奪かと思ったぜ...」

男「あのー、ここは?」

美鈴「ここは紅魔館の一室ですよ。僭越ながら勝手に運ばせてもらいまし」

男「そうだったんですか...もしかしてお姉さんが助けてくれたんですか?」

美鈴「いえ、私は何もしてませんよ。あー、ただベットに運んだのは私ですね」ニカッ

男「ホントっすか...すげぇ申し訳ないっす」

美鈴「こちらこそ申し訳ありません。咲夜さんが来る前に私が止めていれば...」

男「全然平気っすよ。身体の丈夫さが取り柄ですし...それに、子供と遊ぶのは嫌いじゃないんで」

美鈴「あれが遊び...ですか」

男「遊びですよ、純粋な遊び。悪意も殺意も無い混じりっけゼロの純粋な子供の全力な遊びです」

美鈴「なんというか...すごいですね。そして...強い」

男「まぁこうは言ってますけど、もし死んでたら恨むでしょうし、ケガしたら文句言ってたと思いますよ?」

美鈴「クスッ...そうですか。男さんはおもしろいですね」

男「そっすか?いやー、なんか照れちゃいますね。そういえば自己紹介しましたっけ?俺?」

美鈴「霊夢さんが教えてくれたんですよ。男さんがいないって探しに来てるんです」

男「あ...悪いことしちまったな。今霊夢ちゃんはどこに?」

美鈴「お嬢様達と朝食をとられています。男さんもいかがですか?」

男「そりゃ助かります、朝から死ぬほど動いたから腹減ってたんですよ」

美鈴「それじゃあ行きましょうか...フラン様、起きてください」

フラン「...んー...あれー...おはよーめーりん」

美鈴「おはようございます。朝御飯出来てますよー?」

フラン「たべる...おとこもおはよー」

男「はいはいおはよー。顔洗ってこい」

フラン「うん...」テトテトテト

男「なんか母親みたいっすね」

美鈴「なんだかんだ結構フラン様の相手してますからねー。ありがたいことですよ」

男「...あー、だからですか」

美鈴「?」

男「俺がこの屋敷に入るときごめんなさいって言いましたよね?」

美鈴「...よく聞こえましたね」

男「猟やってると耳もよくなるんですよ、一番いいのは目ですけどね」

美鈴「...男さんがフラン様の所に行かれる事は気づいてました。本来であればフラン様はもう人間を壊したりしなくてもいいんです。霊夢さんとの戦いで成長したんです。
ただ少し心が追いついていなかっただけ、今回の発作はまさにそうだったんです」

男「そんなときに俺が来てしまったと」

美鈴「フラン様はいつもあの檻の中で言ってました。壊したくない、友達になりたいだけなのに、いつも壊してしまう...どうしたらいいか分からないと」

男「...」

美鈴「私はそんなフラン様をどうにかしてあげたかった。でも...私には何も出来なかった」

美鈴「だから本当に男さんには感謝してるんですよ?フラン様と遊んでくれて...フラン様のために怒ってくれて...本当にありがとうございます」

男「そういうことですか...こちらこそ楽しかったですよ。っていうか扉壊してごめんなさいって感じです」

美鈴「いえいえそんな!いいんですよ...あの部屋はもう使わないそうですから」ニコッ

男「...そりゃよかった」

男「それに、フランちゃんと遊んだおかげでこんな美人なおねーさんと知り合いになれたんです。役得ってもんですよ」

美鈴「口がうまいですねー。それじゃあお礼に一肌脱ぐとしますか!」

男「マジですか!?」

美鈴「...物理的には脱がないですよ?」

男「デスヨネー」

美鈴「...見たいですか?」

男「もちろん」ドンッ

美鈴「フフッ...見せませんよーだ」ニカッ

大変遅くなって申し訳ない
今週中には更新する

男「しつれいしまーっす」

レミリア「あら?起きたの?」

男「おろ?これまた可愛らしい女の子だ。おはよー」ヒラヒラ

美鈴「...男さん。その方がこの館の主、レミリア・スカーレットお嬢様ですよ」

フラン「私のおねーちゃんだよ♪」ダキッ

男「おっと...急に抱きつかないの、危ないから」ナデナデ

レミリア「...驚いた。ホントにすごい懐きようね」

男「逆にあんだけやられて何ともなかったら凹みますって。っと、あなたがレミリア・スカーレットさん?ちゃん?」

レミリア「レミリアでいいわよ。...ちゃん付けはやめなさい」

男「今更ですがお邪魔してます。男と申します。お宅のメイドに恐ろしく速い手刀をキメられ、妹さんからブライトさんもニッコリの弾幕を受け、門番から今夜誘われました」

美鈴「誘ってません!!!」

フラン「ブライトさんってだれー?」

レミリア「そう...うちの子達が随分と迷惑をかけたわね。紅魔館の主として謝罪するわ」

レミリア「私はこの紅魔館の主、レミリア・スカーレットよ。手荒な歓迎、ごめんなさいね」

男「いえいえ。こちらも早朝から押し掛けてしまったようなものですから。申し訳ない」

レミリア「なら今回は痛み分けということでいいかしら?」

男「全然おっけーっす」

レミリア「...驚いた。普通なら賠償を求めてくるものだけど」

男「まぁ結果論ですが俺はケガ一つしてませんし。むしろこの屋敷が小破してますし」

男「あと俺の後ろで静かに構えてるメイドさんが怖くて下手なこと言えませんしおすし」

咲夜「...気付いてたの?」

男「うぉ!?ほんとにいたっ!?」

美鈴「ふぇ?男さん、気付いていたのでは?」

男「いやいや、気配は全くしませんでしたよー。ただ俺と主が対面で話してるのに、あのメイドさんがいないわけないと思いましてね」

咲夜「...カマ掛けたわけね...気に入らないわ」

男「えー...なんでこの人こんな怒ってるの?女の子の日なの?」

美鈴「いえ、咲夜さんは先週でおわってr」ゴッッ!!

男「...恐ろしく速い手刀、俺でなきゃ見逃しちゃうね」

レミリア「...ププ...フフフッ...」

咲夜「...お嬢様?」

レミリア「男...あなたうちで働かないかしら?」

男「...はい?」

咲夜「お嬢様!?何を!?」

レミリア「悪い話じゃないと思うのよ?あなたは外来人でこの幻想郷では身寄りがない。いつまでも霊夢に面倒見て貰うわけにはいかないでしょ?」

男「うむ...たしかに」

レミリア「フランもあなたに懐いているし、なにより私があなたを気に入ったわ...どうかしら?」

男「大変魅力的な提案だが...少なくとも殺されかけてるからなぁ」

咲夜「そうですよお嬢様!こんな身元も分からない不躾な男を屋敷で雇うなんて!危険すぎます!」

男「あぁ!?不躾はどっちだコノヤロー!いきなり攻撃してきやがって!今時ツンデレ暴力ヒロインなんて流行んねーんだよバーカ!!」

咲夜「誰が⑨ですって!?大体あなたこそなんなんですか!さっきからお嬢様に対して失礼すぎます!身の程をわきまえろ人間が!」

男「しりませーん。俺はレミリアの部下でも家臣でもなんでもないんですー。つーかてめーも人間だろーがクソビッチが!!」

咲夜「ビッ!!!言うに事欠いてビッチですって!?もう許さない!ぶっ殺してやる!!」

男「てめーはどこのクルセイダーだよ!あ!ちょ、バカ!ナイフ投げんじゃねぇ!!あぶねぇだろうが!!」

咲夜「避けるんじゃないこのロリコンがぁ!!」

霊夢「...トイレから帰ってきたらこの惨状...いったい何がおきてるの?」

レミリア「さぁ?でも咲夜がこんなにも感情をむき出しにしてトコなんて初めて見たわ」

ワーワーギャーギャー

レミリア「ほんと...面白い男ね...」

美鈴「あのぉ...止めなくていいんでしょうか?」オロオロ

霊夢「大丈夫じゃない?そろそろ最凶が動き出すでしょうに」


男「しょうがねぇ...俺も本気を出すときが来たようだな」ゼェ...ゼェ...

咲夜「唯の人間が私に敵うとでも...思っているのかしら」ゼェ...ゼェ...

男「いくぜ!!」ダッ!!

咲夜「無駄無駄無駄ぁ!!!」ダッ!!

フラン「フランもやるー!!」

男・咲夜「「すんませんっしたーー!!」」

パチェ「そろそろ朝御飯...なにが起きてるの?」ガチャ

霊夢「あら、どこいってたの?」

パチェ「図書館の結界を解いてきたの。そこの二人に暴れられて本が壊されないようにあらかじめ張っておいたの」

男「おい言われてんぞアホメイド」

咲夜「どう考えてもあんたの事でしょうが。はっ倒すわよ」

フラン「...ごめんねパチュリー」

パチェ「....」ナデナデ

フラン「んふふー」

男「ほら見ろ、フランはすぐ謝れるぞ」

咲夜「流石フラン様。どっかの小汚い浮浪者にも見習って欲しいですね」

男「俺はどう考えても被害者だろうが...」

小悪魔「どっちも悪いってことでいいのでは...」

咲夜「あ?なんか言った?」

男「おうこら揉むぞ」

小悪魔「ひぃ!」ササッ

咲夜「あなた先程から小悪魔に対して卑猥なことを言いすぎです。なんですか?下半身に脳味噌があるんですか?」

男「脳味噌まで筋肉な奴に言われたくねぇよ。そんなんだから胸も筋肉で真っ平らになるんだよ。少しはこのねーちゃんから女の子らしさを学べ」

咲夜「...殺す!」バッ

男「させるかよ!」シュババッ


霊夢「いいかげんに」ゴッ



咲夜「っ!?」



霊夢「しなさい」ゴッ



男「あだっ!?」

霊夢「いつまたっても朝御飯が食べれないでしょうが。いい?私は食事を邪魔されるのが一番我慢ならないの?わかった?分かったらとっとと準備する!!」

咲夜「え、ええ」

男「りょ、りょうかい」

美鈴(この二人仲いいなぁ)

レミリア(ここの主は私のはずなんだけど...)

どうして咲夜が口悪くなるのか
どうして小悪魔がスケベ担当なのか
どうして美鈴はかわいいのか

書いてる本人にも謎

霊夢「ここで働く?」モグモグ

男「そ。さっきレミリアから誘われてね。とりあえずこの世界ですごすにしても生活基盤がないと」

霊夢「そう、別に当面はうちにいてもよかったけど?」

パチェ「あなた一人でも生活が厳しいのに同居人なんて増えたら破産するでしょ」

霊夢「む...それを言われると弱いわね」

レミリア「なにより私が気に入ったのよ。フランも懐いてるみたいだし」チラッ

男「ほら、口に付いてんぞ」フキフキ

フラン「んふふー♪」

レミリア「どうかしら?勿論お給料は出すし衣食住も保証するわ」

男「俺としてはありがたいんだが...」チラッ

咲夜「...」ジー

男「先程から熱い視線を感じてまして」

咲夜「お嬢様、この男は素性も分からない外来人です。それにお忘れですか?こいつのナイフには血の臭いがこびり付いていました」

男「あ、そういや預けっぱなしだったな」

美鈴「私も見ましたけどすごいですね」

男「そんなにわかるもんなの?一応綺麗にしてるつもりなんだけど」

霊夢「吸血鬼だから血には敏感なんじゃないの?」

男「なるへそ。じゃあ門番さん...美鈴さんも吸血鬼なのか?」

美鈴「美鈴でいいですよー。私はただの妖怪です。妖怪なら何となく分かるものです」

男「ただの...ねぇ」

レミリア「...」

霊夢「?」

美鈴「まぁまぁそんなことより。あの血はなんなんです?」

男「あー、俺の仕事が管理捕獲者...なんつーのかな、マタギとはちょっと違うし...増えすぎた野生動物を捕まえる仕事をしてたんだよ」

レミリア「なるほど...これは獣の血なわけなのね」

男「まぁ言ってしまえば殺すことが仕事だったからね。血生臭いのは許してくれ」

レミリア「と言うわけだけど、どうかしら咲夜?」

咲夜「お嬢様がそう仰るなら...私に異論はありません...」クッ

男「そんな血の涙が出そうな感じで言われても...じゃあしばらく世話になります」

霊夢「紫と連絡がとれたらまた来るから。レミリア、それまで頼むわね」

レミリア「安心しなさい。博麗の加護を受けて紅魔組が面倒見るんだから」

霊夢「それもそうね。男、大丈夫だとは思うけど何かあったらいつでも神社に来なさい」

男「サンキューな霊夢」

パチェ「貴重な男手が増えて助かるわ。これからよろしく」

男「いえ、こちらこそよろしくです」

レミリア「それじゃ朝食も済んだところだし。咲夜、男を部屋に案内してあげて」

咲夜「かしこまりました」ペコ

男「いえいえ、そんな部屋なんていいですよ。美鈴さんかねーちゃんの部屋でかまわないっす」

小悪魔「わ、わたしは構うんですが...」

美鈴「別にいいですよ?」

小悪魔「!?」

男「え...まじっすか」

美鈴「はい」ニコッ

男「...」

美鈴「?」

男「すんません。個人部屋でお願いします...」

美鈴「あれま、残念です」

霊夢「男ってあれよね、こーいうのは土壇場になってチキるタイプよね」

男「...」

咲夜「...」

男「...」

咲夜「...ふっ」

男「おっとー?今のイラッっときたぞー?」

待たせたな
ただいま


男「ほぇー...この部屋使っていいのかよ」

咲夜「ただの空き部屋だから好きに使ってちょうだい。埃っぽいから自分で掃除してね」

男「一人暮らししてる俺の部屋より全然広くて綺麗なんだけど。ありがてぇな」

咲夜「それとコレ返すわね」スッ

男「あぁ、剣鉈か」

咲夜「荷物整理と掃除が終わったら声かけてちょうだい。里で買い出しに行くわよ」

男「りょーかい。ありがとな」

咲夜「...まぁお嬢様の命令だしね、しばらくは面倒見てあげるわよ。それじゃ」ガチャ

男「...やっぱツンデレじゃねーか」

男「とりあえずザックの荷物は整理したし、掃除もこんなもんでいいだろ」

男「さて...あのメイドはどこ行ったんだ」ガチャ

スタスタスタ

スタスタスタ

スタスタスタ...

男「...」

男(迷った...けどこの扉は見覚えあるな...)

咲夜「全く...いつまでたっても来ないから探してみれば」

男「悪い悪い。この館すげぇ広いからさ、迷っちゃったんだよ」

咲夜「だからって図書室で本を読みふけていた理由にはならないと思うのだけれど?」ジトー

男「歩き回ってたら図書室に着いてな。パチュリーもいたから一緒に読んじゃったんだよ」

パチェ「あなた以外と博識なのね。知的探求心がある人は嫌いじゃないわ」

男「もともと本は好きだったしな。この仕事始めてから色んな論文も読むようになったし」

咲夜「はぁ...まぁいいけれど。こあも男が来てるなら私に報告しなさい」

小悪魔「すみません、まさか咲夜さんとの用事があるとは知らなくて」アハハ

男「探させてすまん、それじゃ買い物行くか。こあもお茶入れてくれてありがとな」

小悪魔「いえいえ、またいつでも来て下さい」


ーー人里ーー

咲夜「こっからが人里になるのだけど、道は覚えたかしら?」

男「おう。こういう道を覚えんのは得意だ」

咲夜「今後ご飯の買い出しとかをお願いするから、その時は人里まで降りて買ってきてね」

男「りょーかい」

「あれ?お兄さん?」

男「ルーミアちゃんじゃん。昨日ぶり」

ルーミア「やほー。それよりなんで咲夜と一緒なの?」

咲夜「色々あってこいつは今日から紅魔館の奴隷になったのよ」

男「おうこら、奴隷になったつもりはねぇぞ(胸が)瀟洒な従者さんよ」

咲夜「...なにか含みを感じたのだけれど」ギロッ

「おー?ルーミアが咲夜と変な奴にからまれてるぞー」

「チルノちゃん...言い方が失礼だよ」

男「お?ちっこいのが二人増えた」

大妖精「もしかしてルーミアちゃんが言ってた外来人の人?」

ルーミア「そうそう。私が食べようとした人間よ」

咲夜「あなた昨日からずっと襲われ続けてるの?」

男「お前を筆頭にな」

大妖精「あの、はじめまして。大妖精です」

ルーミア「私の親友だよ。だいちゃんって呼んであげて」

男「ルーミアちゃんの友達か。はじめまして、俺は男だよ。よろしくねだいちゃん」

チルノ「そしてあたい!幻想郷最強の妖精チルノ!さっそくだが人間!」

男「?」

チルノ「あたいと勝負しろ!!」

男「えっと...チルノちゃん?どうしたの急に」

チルノ「お前ルーミアを倒したんだろ?だからあたいが仇をとってやる!そしてあたいがどれだけ最強か身をもってしるがいい!」

男「...」チラッ

咲夜「ハァ...」

男「...」チラッ

ルーミア「...」ニコニコ

大妖精「チルノちゃん...」オロオロ

男(なるほど、そういう子なのね)


男「ごめんなチルノちゃん、俺はまだ君とは戦えないんだ」スッ

チルノ「んっ」ポン

男「チルノちゃんは最強なんだな。よく分かった。でも俺はまだ弱いから、強くなったらチルノちゃんに相手してもらおうかな」ナデナデ

チルノ「...んふふー、確かにいきなりあたいと戦ったら大変だもんな!今日は勘弁してやる」

大妖精「チルノちゃん...その人すっごい優しい目をしてるよ...残念な子を見る目をしてるよ」

ルーミア(チルノがチョロいのかお兄さんが上手いのか...どっちもかな)


咲夜「男、そろそろ行くわよ。夕飯も作らなきゃいけないんだから」

男「お、もうそんな時間か。じゃあなお前ら、また会ったら遊んでくれ」

チルノ「しょーがないなー!最強のあたいが相手してやるよ!」

大妖精「はい♪こちらこそです」

ルーミア「またお肉御馳走してねー」

男「おう、まかせとけ!」

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