男「このトッポは俺のだって言ったろ!」友「最後までチョコたっぷり」 (30)

男「だから取るんじゃねよアホ!」バキィ

友「…痛い、殴るなよ」

男「お前が俺のモン取ろうとするから!」

友「一本ぐらい良いだろ…一本ぐらい…」

男「駄目だ! ダメだって…ちょ、こら! 離せよ! オイ!」グイグイ

友「ッ……!!」プルプル

男「折れるからやめろ…!!」


ポキン


男「あ」

友「もぐもぐ」

男「あー!?」

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男「クソが、[ピーーー]ボケカス」

友「…悪かったよ、本当に悪かったって」

男「約束したろーが、これは俺の食べ物だって」

友「………」

男「テメーが考えも無しに配分したのを食っちまうから悪いんだろ…ったくもー…」

友「…ごめん」

男「はぁー……良いよ、もう。怒ったって仕方ないし、俺も少し落ち着くから」

友「……。お腹が空いちゃったんだ」

男「じゃあ我慢してろよアホ。数時間立てば食べれるんだし、ほらもうすぐ七時だろ」

友「…うん」

男「つーこって、お前が作れよ、ご飯。俺の大好きなチャーハンとか」

友「…頑張る」

男「うむ」

※※※

男「なにしてるんだ?」

友「…アリを数えてる」

男「なにやってんの本当に…? そういう気持ち悪いことするなよ…」

友「楽しいけど、なんで?」

男「普通に考えて気持ち悪いだろ。つか、家にアリを入れるなよ」

友「…友達だから」

男「アリとは友達になれません、絶対になれません」

友「ぶぅーぶぅー」

男「ちょ! や、やめろこっちに見せるなっ! 気持ち悪、オイ! ぎゃー!!」

友「…あり苦手?」

男「虫全般駄目だよアホったれ! 死ね!」

友「…可愛いのに」

男「可愛くない。そいつら──なんでも喰うじゃん、だから嫌いなんだよ」

ブーンブーン

男「うわぁ…ハエがぁ…」

友「いっぱい」

男「くそ、どうすっか。駆除するにも道具なんて無いし」

友「…虫だけに無視」

男「出来たら世話ねーよ。こっちはお前と違って呑気な性格じゃねーんだからよ」

友「……」

男「ったく、やたらめったに湧きやがって」

友「…ハエは別に嫌いじゃない」

男「お前ならそうだろうな!」

友「…以前、トイレに数時間閉じ込められた時、友だちになった」

男「………」

友「だから、友達」

男「……わーったよ! わかりました! じゃあ無視しますから! はいはい!」

※※※

男「……」

友「…王手」パチン

男「……」

友「これで112勝2引き分け」

男「てりゃ!」 ブン!

友「あ…」


ガッシャーン


男「…112勝3引き分けだ」

友「前の二引き分けもこんな感じだった…」

男「うっさいわ根暗野郎! つーかなんなんですか、強すぎませんか、高校生で将棋つえーとかくそったれ、ばーか!」

友「…負け犬の遠吠え」ボソッ

男「うるぇえええええええええええええええ!!」

友「…お腹すいたね」

男「うるさい」

友「うん、知ってる」

男「…きのこの山いる?」

友「たけのこの里派」

男「…………」

友「きのこ派なの? それはちょっと…」

男「ええそうですか何か!? きのこうめーだろうが、たけのこの里って何、クッキー部分甘いじゃん! 口当たり悪いじゃん!」

友「お菓子だもん…」

男「お菓子だからって節度が必要だと思うわ。甘いだけのお菓子、ナンセンス」

友「その味覚ナンセンス」

男「…いい度胸じゃねえか、殺す」

友「……」ビクッ

男「…冗談だっての!」

※※※

男「小さいころの夢なんだった?」

友「……」ポカーン

男「忘れてくれ。暇すぎて、なんかこう要らないこと言った」

友「…消防士」

男「意外過ぎる! ならもうちょっと太れよ…細すぎだろ、お前」

友「それは小さいころの夢。今は超有名ブロガーになって、一生部屋から出ないで稼ぎたい」

男「…現実的なのか夢見がちなのか良くわからねー夢抱くのやめろ…」

友「…男は」

男「あん?」

友「男は、警察官だよね」

男「……よく憶えてんなガキの頃だろ、それ言ったの」

友「覚えてる。だって、大切な思い出だから」

男「……。あっそ」

友「スライムって食べれると思う?」

男「やめろ」

友「くんくん。匂い嗅いでるとイケそうな気がする…」

男「気道詰まって死ぬだけだ。やめろ」

友「…だよね」ベチャ

男「ッ……」イライラ

友「……」ネチャネチャ

男「…お前って本当に脳天気だよな、知ってたけど」

友「うん」

男「そーだから虐められるんだよ、馬鹿」

友「…うん」

男「……」

友「でも、今はいいんだ」

男「…なんで」

友「君と暮らせてる。それが良い」

男「……」

※※※

友「雨漏り…」

男「恵みの雨だな」

友「…本気で言ってるの?」

男「色んな意味でな。よし、バケツ持ってくる」

友「ロッカーに入ってると思うよ」

男「おう」

ポタ ポタポタ

友「……」

男「…溜まっていく水、茶色いな」

友「飲めると思う?」

男「頑張れば飲めると思うけど、いや、待て、なぜ飲もうと思ってるお前」

友「サバイバル」

男「…それは外でやってくれ…」

~~~

友「ねぇ好きな人居た?」

男「んー?」パラパラ

友「初恋の人とか、付き合っていた人とか、めっちゃラブリーな女の子とか」

男「…なに最後の表現」チラリ

友「どうなの?」

男「いや別にいなかったけど。お前は? 好きな女子とかいたわけ?」

友「イナイデスケド」

男「お互いつまんねー学校生活歩んでたんだな。知ってたけど」

友「…そうだね」

男「……」

友「つまんない学校生活だったよ」

男「…ゴメンな」

友「え?」

男「いや、なんでもない」

※※※

友「はぁっ…はぁっ…」

男「ほら水だ。飲めるか」

友「あ、うん……ありがと、でも」

男「いーから飲めって。俺のことは気にするな」

友「…ゴクゴク」

男「熱が酷いな…薬効いてねえのかな、コレ」

友「あの、さ…ゲホゴホッ…!」

男「あんまり喋るな。どうした?」

友「…手を握ってくれたら、嬉しい」

男「ハァ? …良いけど、なんで」

友「昔、母さんがやってくれた…それで、落ち着いたから」

男「マザコンですか。ほら、握れたーんと握れ。野郎の手だったら余ってるぞ」

友「…うん、ありがと」ぎゅ

※※※

男「………」

友「…きっと忘れないと思う」

男「なにが?」

友「君が言ってくれた言葉。一緒に暮らそうと、言ってくれたこと」

男「……」

友「あの時は何を言ってるんだ馬鹿なのかなって、思ったけれど」

男「…うるせぇな、嬉しかったんなら黙っとけよ本音ぐらい」

友「あはは。でも、言っておきたくてさ」

男「…あっそ」

友「君は──僕のこと忘れてしまっていたと思っていたから」

男「………」

友「こんな貧しいっていうか、大変な暮らしがあっても。今でも……ちゃんと君に言えるんだ」

友「──ありがと、おとこ」

男「…あいよ、友さんよ」

※※※

男「契約書を書こう」

友「…なにさ急にまた」

男「一応だ一応。これも色々と思い出になるだろ、だから書くんだよ」カキカキ

友「内容はなに?」

男「『これからも仲良く喧嘩無く生きること』、だ」

友「…大雑把過ぎる」

男「これぐらいがいーんだよ、あほったれ。だからほら、名前を書きなさい」

友「…これでいいの?」カキカキ

男「よし。ならこれからは互いに守ること、わかったか?」

友「…面倒臭いけど、良いよ」

男「正直すぎるだろお前…まぁ俺もちょっとめんどくさいと思ってるけど…」

友「そういったおとこの、女々しい所好きだよ僕」

男「褒めてんのか馬鹿にしてんのか、殴るぞ」

友「あはは」

※※※

男「いい加減にしろよお前…!!」

友「ッ…良いだろ、もう僕のことは放っておいてくれたって…!!」

男「何がいいんだよ、ふざけんな! テメーがどれだけ馬鹿げたこと言ってんのかわかってんのか!?」

友「それこそおとこに言いたいよ僕は!! 僕がどれだけ病弱で、君に迷惑かかってるかわかってるから言ってるんだよ!!」

男「オイオイオイ…テメーは何わかったような口聞いてんだゴラ、誰に迷惑かかってるって? 勝手なこと抜かすんじゃねーよボケ!」

友「っ……僕はどうしようもないクズなんだよっ…それぐらい、おとこだって知ってるだろ…っ?」

男「ああ、知ってるよ。根暗でいじめられっ子で、クラスでも影の薄いひ弱な貧弱野郎ってな!」

友「それは言いすぎだよ!」

男「黙れってんだい! あのなアホタレ、テメーは自分のことどーでもいい奴だと思い切ってるかも知れねーけどよ?」

男「──俺はお前と暮らすと決めたんだ、契約書にも書いただろ! お前の命はな、お前だけのモンじゃねーんだよ!」

友「うっ……だって、だって僕は…っ」

男「なんだよ」

友「っ──なら、どうしてあの時、僕をたすけてくれなかったんだよ!」

男「…っ…それは…」

友「今だけはカッコつけてそうはいってるけれど! 結局はおとこだって、皆と変わらないじゃないか!」

男「……」

友「皆皆同じなんだ……ぐすっ…そう、絶対に変わらない──他人は他人なんだよ、困っていても人は助けないっ」

友「見て見ぬふりをするんだっ…関わりたくない、当たり前の光景、それは個人の問題だなんて──誰もが知らないふりをするっ」

男「違う、それは…っ」

友「──おとこも変わらないよ、皆と同じだ」

男「…違う、俺はちゃんと…っ」

友「僕は弱い人間だ…それは知ってる、だから人から蔑ろにされて、面白いことを一つでも言えればいいのに、それも言えない…」

友「生まれながら不完全で、故障品なんだ……当然のように出来る事も出来無い、きちんとクラスメイトとも会話もできないっ」

友「言いたいことも言えない! ただ弄られて殴られてッ──それが当然な奴だと思われてる!!」

友「僕だって…一緒なのに、ちゃんと生きているのに…なんでこうも違わなくちゃいけないんだよっ……おかしいじゃないか、そんなのおかしいじゃないか!!」

男「………」

友「おかしいじゃないか……もう、嫌なんだ…そんな人生…終わっても、誰も悲しまない…っ」

男「………」

~~~~

友「……ごめん」

男「……いい、何も言うな」

友「言わせて。本当に、ごめん。あんなこと言うつもりなかった、本当に」

男「良いって言ってんだろ、謝るな」

友「…僕はね、わかってる。ちゃんとわかってる」

男「……」

友「こんな自分は結局、自分のせいなんだって。今がいやなら、変わればいい。そんな単純なこと頭では理解してるんだ」

友「──でも望んだって、何が手がかりなのか分からないんだ。何が答えなのか、ちっともわからないんだ」

男「…ああ」

友「自分が駄目なやつだと思っても、良い自分は何なのか───何を目標にしたらいいのか、それに目標をたてても、自分がちゃんとなれるのか」

友「…わからないんだ、僕には」

男「……」ギュッ

友「でもね、これだけはわかるよ」

男「…なにが?」

友「うん。それは──」

友「───君がちゃんと僕を見てくれてること」

男「……」

友「たったそれだけでも、人は…うん、いい気分になれるってわかった」

友「この数日─なのかな、わからないけれど──君と暮らせて楽しかった」

男「…俺も楽しい。だから、過去形にするなよ」

友「え? ああ、そっか。こう言ってもいいんだね──僕も楽しいよ、君と暮らせて」

男「…おう」

友「今日はもう寝よう。僕も久しぶりに叫んで、ちょっと熱がぶり返してきたし……うん」

男「…友」

友「うん?」

男「…もう勝手に死のうとか、するなよ。俺、嫌だからな」

友「…うん、わかった」コクリ

男「絶対だからな」

友「ああ、約束」

男「──約束だぞ、友」

※※※

※※※

※※※

※※※

※※※

※※※

※※※

※※※

男「───………」


視界が霞む、息が滞る。

自分が何を見ているのか、自分が何処にいるのか。

まるで身体が宙に浮いてるかのような、浮遊感。


男「──ははっ……こりゃ駄目か」


数日ぶりに出した声は、まるで他人のようなし枯れた声。

もう起き上がる気力さえもない。未だ視界を埋め尽くす闇は──


──心も身体も覆い隠す。


男「…ごほっ」


俺は何か出来ただろうか。

その【何か】は俺には全く持ってわからない、けれど、この生活の当初の俺は一つ決めていたことがあった。

男「………」


平均より小さな身長。
人と関わることが苦手で、運動もままらない、そんな幼馴染。


男「……ああ、」


高校入学を境に、悪質ないじめで疎遠となった。

アイツとこのような暮らしに陥った時から──


友「おとこ」

男「…なんだ?」

友「……」

男「…なんだよ、どうした急に」

友「側に居るのかな。わからないけど、話をつづけるから」

男「お前…」


俺の声聞こえてないのか、何時からだよ、本当に。

友「…もう感覚もない……けど、うん、だから最後にひとつ言いたくて」

男「っ…」


必死に手を伸ばす。闇の中に居る幼馴染へと。

けれど動きは緩慢で芋虫よりも遅い。それに探し続ける力もなく、ポトリと腕は落ちた。


友「…ありがと、きっと僕は見つけられたんだ」


やめろ、そんなことを言うな。
まだ答えなんて見つからないだろ。こんな場所で、こんな暗闇で何も見つかりなんてしない。


友「これが欲しかったことなんだ。今の時間が、僕にとって大切な目標で…」


違うそうじゃない、俺はまだお前になにもできてない。
今まで何も出来なかったんだ。お前に俺は──あげようと思って、この暮らしを、


友「──これからも、大切な時間なんだと思う」

男「…ち、違う…っ」


──離れていく。よくわからない、ただひとつの小さい熱が、俺の元から離れていく。

友「…だから、最後に一つだけ」

男「…おい…やめろって…言うな、言うなよばか…っ」


お願いだ、きっとまだ先はあるはずなんだ。

神サマだっていい、仏様だっていい、今までコイツをいじめてきた奴ら、放っておいた奴らでもいい。

俺が死んでもいいから、コイツだけは、お願いだ。


友「──本当にありがとう、だから、さようなら」

男「…友…!!」


笑わせてやりたかったんだ、沢山の人の中で、コイツを大切に思ってくれる人の中で。

お前はちゃんと生きていい人間なんだって、そこまでコイツと一緒に暮らしてやろうって。

コイツとふたりきりになった時、俺は、ちゃんと、だから、


友「…あ、これって」


あら限りの力を込めて、手を伸ばす。
届く右手、触れた指先にザラついた肌。感触は頬か、首筋か。

友「そっか。聞いてくれてたんだ、よかった」

男「友…!」

友「ならよし、だよ」


握り返される右手。

子供の力よりもか弱い力で、きっとアイツは握ってくれている。


友「じゃあね。おとこ、あと、ごめんね」


きっと、きっと、それなのに、その手は音もなく、


男「───………馬鹿野郎」


視界は闇に覆われる。

とうとう一人になった俺は、このまま闇へと飲み込まれるだろう。

何も救われないままに、誰もコイツを見てやれないままに、


──そっと俺は瞼を降ろした。

※※※

「この写真を見てくれ。ああ酷い有様だ。これが──一年前の震災によることであっても、悔やまずにいられない」

「事件性は感じられませんが、元より何が起こったのかわからない状況ですね」

「ああ、山頂に建てられた学校故に状況も凄惨たるものだ……」

「…はい、それで何故自分たちは一年前のことを調べてるのですか?」

「実はな、この校舎で生き埋めに遭った人物がな──数日前、意識を取り戻した」

「はぁ…それが何か?」

「……。実は震災直後、瓦礫のやまとなった校舎の一部に空間が出来上がり、数名の生徒が延命してたようでな」

「──最低でも五人は生きていた。しかし、生存は一人」

「……なにか事件性を感じられると?」

「まぁな。掘り返すようで悪いが、これも仕事だ」

「直接事情聴取すれば良いのでは? このような遠回しなことをしなくても…」

「出来たらしてないさ。だからこうしてる、まぁきっと聴取しても彼は話そうとはしてくれないだろう──」

「…それは? ノート?」

「……。ここに書いてある契約を読めば、お前さんもわかるだろうよ」

「考えても見ろ。閉鎖された空間、何時助かるか分からない状況、限られた食料に飲水」

「側にはクラスメイトの死体──その状況下で、落ち着きを持つため書かれたものだろう」

「………」

「いや、考えても見ろといったが無理な話か。いやはや、年を喰って嫌になる」

「…信じられませんね、あの状況で平穏な暮らしを続けようとしていたと?」

「たいそれた話だよ。オレも信じきれてない、だがやり遂げたのが彼らなのだろう」

「わかりました、自分も手伝います」

「…ありがとな、ならまずはこっちから調べよう」


~~~~~


男「……」

目覚めると、すんなり自分が助かったのだと理解できた。

駆けつけた家族、親戚、そして見知らぬ偉い人。

誰もが俺の目覚めに笑みを零した。

その中で一番見たかった笑顔は、見れないままに。

男「…なんだよ、眩しいな畜生」

窓の外には望んで望み続けた──太陽の日差し。

望んでいた割には、いざ見るとうざったらしくて、看護婦に頼んでカーテンを閉め切ってもらった。


慣れしたんだ闇。

正確には四ヶ月と閉じ込められていたらしいが、人はその程度で光に弱くなるのだろうか。


男「いや、違うだろ馬鹿」


光が嫌なんじゃない。ただ、それを一人で見ていることが嫌なんだ。

眩しくて、辛くて、閉じていても薄っすら染みだすように照らす光を──ただ一人で見ることを。


男「……ああ、」


瞼を閉じると想い出す、あの空間での出来事。

人の命など、己の命の価値の為に切り捨てられる、それが当然なことだった数ヶ月。

人は存命の為に、他人を陥れる。
たった五人──そんな生き残りが、人の常識を壊していった。

血で血を洗う惨状。
一週間と持たなかった仲間意識、五人が四人となって、すぐに二人となった。


男「…風が吹いてる」


思わずため息がこぼれて、嫌気がさす。
気分を変えるために俺は窓へと腕を伸ばし、カーテンを引き裂いた。


男「────…………」


風が吹いている。
闇に満ちた病室を光が染め直し、空気が循環されていく。



男「……ああ、ごめんよ」



そっと呟いて、あの時のことを思い浮かべる。
平穏な暮らし、お互いに生きていこうと願った。

男「……───」

けれど今は違うような気がして、お前が居ないのなら結局はそれは、

──なんだか望んでいたものじゃない気がして。


男「──さようなら」


溢れかえる光。瞼を通して見える世界はきっと、俺にはまぶしすぎる。

だからそっと離れるように、一歩踏み出して、光へと向かっていく。


身体はふっ───と、宙浮いて。

また懐かしい闇へと、身体は落ちていった。

オワリ

過去作
男「見られてない?」イケメン「…」じぃー

ではではノシ

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